JP2022509759A - 睡眠補助のための組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
対象体において睡眠障害または不眠症を処置するための制御放出製剤を開示する。製剤は、2段階で順にジフェンヒドラミンHClと睡眠補助薬を放出するように製剤化されている。
Description
睡眠障害に苦しんでいる患者では、眠りに落ちる能力と、休息を感じるのに十分な時間眠り続ける能力の間に明確な違いが見られる。不眠症の薬理学的治療は、典型的には、患者が眠りに落ちることができることに重点が置かれている。睡眠薬を服用している多くの患者は、8時間の睡眠サイクルを完了せずに真夜中に目が覚める。
以前に、本願出願人は、睡眠補助のための制御放出3種混合組成物(本明細書では「SM-1」と称する)を開示する米国特許出願(第14/614,916号)を出願した。SM-1の活性成分は、ジフェンヒドラミンHCl、ゾルピデム酒石酸塩およびロラゼパムを含む。第II相臨床試験で証明されたように、SM-1は、一過性不眠症の患者において総睡眠時間を増加させる。しかしながら、SM-1は最低有効量のゾルピデム酒石酸塩およびロラゼパムを含むにもかかわらず、これらの2つの薬物の副作用は依然として懸念事項である。
一般的に報告されているゾルピデムの副作用としては、めまい、眠気、脱力感、不安定な歩行、平衡維持の困難、制御不能な震えおよび頭痛が挙げられ、かつ薬物耐性および物質依存に関連する。2013年5月に、FDAは、翌朝の障害に関する懸念のため、ゾルピデム製品についてより低用量の推奨を明記するラベルの変更を承認した。ゾルピデムがCYP3A4により肝臓で代謝されるため、肝臓に問題のある患者は、肝細胞を損傷し得て、これにより肝臓の問題に寄与するゾルピデムを服用するべきでない。
ロラゼパムについては、一般的な副作用としては、めまい、眠気、脱力感、不明瞭な発声、バランスまたは協調の欠如、記憶障害または不安定感が挙げられ得る。より高用量およびより長期間の使用は、ベンゾジアゼピン依存を発症するリスクを増加させる。
したがって、患者がより少ない副作用で、眠りに落ちて、十分な時間眠り続けることができるSM-1組成物の改善および最適化が必要とされている。
ここに記載するのは睡眠補助のための制御放出製剤である。製剤は、ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムである睡眠補助薬を含み、ここで該製剤は、対象体へ製剤を投与後に対象体において特定の時間に特定の用量で各薬物を放出するために製剤化される。
一態様において、製剤は2段階放出のために製剤化され、ここで各段階は、対象体への製剤の投与後特定の時点で対象体において薬物の放出を開始する。例えば、放出の各段階の開始間の時間間隔は、0.5~23時間であり得る。第1段階は、ジフェンヒドラミンHClの即時放出のためであり得て、第2段階は、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムの遅延放出のためであり得る。
一態様において、製剤は、経口投与のための錠剤またはカプセル剤である。錠剤またはカプセル剤は複数の粒子を含有し得て、ここで、各粒子は薬物コアおよびコアを封入するポリマー組成物を含み、薬物コアは1つ以上の睡眠補助のための薬物を含有する。
本発明の特定の実施態様によれば、製剤は、活性成分として、ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムである睡眠補助薬のみを含む。
本発明の特定の実施態様によれば、製剤は、本質的に、ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムである睡眠補助薬からなる。
また、対象体において睡眠障害または不眠症を処置する方法を提供する。該方法は、処置を必要とする対象体に上記の製剤を投与することを含む。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はいずれも、例示および説明に過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
I.イントロダクション
本明細書で開示する2剤組成物(すなわち、ジフェンヒドラミンHClとゾルピデム酒石酸塩;またはジフェンヒドラミンHClとロラゼパム)の投与は、SM-1と比較して睡眠維持で同等の有効性を示すことが予想外にも発見された。
2つの活性成分のうち1つ(ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパム)をSM-1から除くことにより、2剤組成物は、一過性不眠症の患者の薬物摂取の負担を軽減でき、それ故に、除いた薬物の上記副作用および代謝的負担を回避できる。
また、2つの活性成分のうち1つをSM-1から除くため、2剤組成物の製造コストは軽減される。
II.定義
本明細書では次の略語を用いる:
AE:有害事象
DSST:数字符号置換検査
KSS:カロリンスカ眠気尺度
PSG:睡眠ポリグラフ
PSQ:睡眠後アンケート
sTST:主観的総睡眠時間
TST:総睡眠時間
AE:有害事象
DSST:数字符号置換検査
KSS:カロリンスカ眠気尺度
PSG:睡眠ポリグラフ
PSQ:睡眠後アンケート
sTST:主観的総睡眠時間
TST:総睡眠時間
他に定義しない限り、本明細書で用いる技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等のあらゆる方法、デバイスおよび材料を本発明の実施に用いることができる。以下の定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を容易にするために提供し、本開示の範囲を制限することを意味するものではない。
本明細書で用いる、単数形のみでの冠詞の特定の使用において他に明確にされていない限り、冠詞「ある(a)」または「ある(an)」は、1つまたは複数(すなわち少なくとも1つ)のその冠詞の文法的対象を意味する。
本明細書で用いる用語「睡眠障害(disturbed sleep、sleep disturbancesまたはsleep disruption)」は、回復していない感覚での目覚め、真夜中に目覚める、目覚めた後に再び眠るのが難しい、入眠が難しい、および/または早くに目覚めすぎることにより特徴付けられる状態を指す。ストレス、健康状態、痛み、薬、時差ボケおよび騒音は、睡眠障害を引き起こし得る要因のいくつかである。睡眠障害は、持続期間が急性(すなわち短期間)または慢性であり得る。
不眠症の人は、睡眠の十分な機会および環境があるにも関わらず、日中の障害または苦痛を伴う、頻繁で長期間の睡眠障害を経験する。
睡眠障害は、疲労、エネルギー不足、自発性の低下、日中の眠気、緊張性頭痛、消化器症状、易怒性、不安、気分障害、意欲の低下および認知機能(注意力、集中力、記憶力)の障害などの様々な負の結果をもたらし得る。
対象体が睡眠障害または不眠症であるかどうかは、当業者が判断することができる。
本明細書で用いる用語「処置する(treatまたはtreating)」は、治療的処置および予防的(prophylactic)もしくは防止的(preventative)処置の両方を指し、目的は、望ましくない生理学的状態、障害または疾患を防止するまたは遅延させる(軽減する)こと、または有利なまたは望ましい臨床結果を得ることである。本発明の目的について、有利なまたは望ましい臨床結果は、症状の軽減;状態、障害または疾患の程度の減少;状態、障害または疾患の状態の安定化(すなわち悪化させない);状態、障害または疾患の発症の遅延または進行の減速;状態、障害または疾患の軽減;状態、障害または疾患の、検出可能または検出不可能な寛解(部分的または全体的)、または向上または改善を含むがこれらに限定されない。処置は、過度の副作用なしに臨床的に顕著な反応を誘発することを含む。処置はまた、処置を受けていないときに予想される生存と比較して、生存期間の延長を含む。
本明細書で用いる用語「動物」、「対象体」または「患者」は、ヒトおよび非ヒト脊椎動物、例えば野生、飼育および家畜動物、好ましくはヒトを含むがこれらに限定されない。
III.発明の実施態様
ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムである睡眠補助薬を含む制御放出製剤を提供する。
一実施態様において、制御放出製剤は、ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩およびロラゼパムより選択される睡眠補助薬を放出するように製剤化される。製剤は、ジフェンヒドラミンHClおよび睡眠補助薬を2段階で放出する。各段階は、製剤の投与後特定の時点でジフェンヒドラミンHClおよび睡眠補助薬の放出を開始する。
例えば、製剤は、即時に第1用量のジフェンヒドラミンHClを放出し、第1用量の放出の0.5~6時間後に睡眠補助薬の第2用量を放出し得る。
放出の各段階の開始間の時間間隔は、30分~23時間(例えば、30分、1時間、1.5時間、2時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12.5時間、13時間、15時間、20時間、22時間および23時間)であり得る。各段階は、0.01mg~100mgの範囲(例えば、0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.25mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mgおよび100mg)の用量の薬物を放出し得る。
放出の第1段階は、ジフェンヒドラミンHClの放出が製剤の投与直後(例えば30分以内)に開始される、即時放出であり得る。放出の第1段階はまた、遅延放出であり得る。
上記の制御放出製剤は、経口投与のための錠剤(例えば丸剤)またはカプセル剤(例えば硬殻カプセル剤またはソフトゲル剤)であり得る。インプラントおよび貼付剤などの他の製剤もまた用い得る。
制御放出製剤を製剤化し、製造する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Hong Wen and Kinam Park, 2010, Oral Controlled Release Formulation Design and Drug Delivery: Theory to Practice, John Wiley & Sons, Inc.参照。例えば、制御放出製剤は、特定の物理的メカニズム、例えば溶解、拡散、浸透およびイオン交換に基づいて設計され得る。
溶解系において、薬物(例えばジフェンヒドラミンHCl、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパム)は、ポリマー組成物(例えばポリマー膜またはポリマーマトリックス)で取り囲まれるか、またはその中に分散される。ポリマー組成物が溶解すると、薬物は放出される。ポリマー組成物の特性、例えば厚さおよび溶解速度は、薬物放出を決定する。拡散系において、活性成分は、放出されるためには、ポリマー組成物(例えばポリマー膜またはポリマーマトリックス)を通って拡散しなければならない。浸透に基づく製剤において、薬物は、浸透圧によって膨潤し噴出し、これにより薬物を放出するポリマーコーティングに封入される。イオン交換製剤は、薬物分子をイオン基に結合させることに依存する。そして薬物分子は、他のイオンで置換され、放出される。本明細書に記載の制御放出製剤は、1つの放出メカニズムまたは放出メカニズムの組合せを利用し得る。
一実施態様において、上記の制御放出製剤は、複数のコアまたは層を有する錠剤であり得る。例えば、放出の各段階のための薬物または薬物の組合せは、ポリマー層で取り囲まれ得る。層が溶解すると、薬物または薬物の組合せは放出される。
一実施態様において、多粒子系が使用される。この系において、薬物はそれぞれ複数の粒子(例えばサイズが0.05~3.00mmの範囲の小さなビーズまたはマイクロスクフェア)で送達され、各粒子は、所望の特性(例えば放出時間および速度)を示す。例えば、上記の制御放出製剤は、複数の粒子を含み得る。各粒子は、睡眠補助のための薬物または薬物の組合せを含むコア、およびコアを封入する制御放出ポリマー組成物(1つ以上のポリマーを含有する)を含有する。各粒子の制御放出ポリマー組成物の特性は、各粒子の薬物放出プロファイルを決定する。製剤は、薬物の即時放出のために未コーティング粒子を含み得る。上記または他の放出メカニズムのいずれか(例えば溶解、拡散および浸透)は、多粒子系で使用され得る。複数の粒子が、カプセル剤に封入されてもよく、あるいは経口投与のための錠剤へ打錠されてもよい。例えば、3段階放出製剤は3タイプの粒子を含有し得て、各タイプが放出の各段階のためのものである。放出の各段階についての薬物の各用量は、複数の粒子によって送達される。
制御放出製剤のための天然および合成ポリマーは、当該技術分野において公知である。このようなポリマーは、タンパク質、多糖類、ヌクレオチド、アルギン酸、キトサン、ヘパリン、キサンタンガム、デンプン、ペクチン、ゼラチン、キットカラギーナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポロキサマー、プルロニクス、ポリメタクリレート、セルロース、コラーゲン、ナイロン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリヒドロキシチルメタクリレート、ポリヒドロキシプロピルエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタンおよびシリコーンを含むがこれらに限定されない。医薬用途に市販されているポリマーは、オイドラギット(登録商標)ポリメタクリレートを含む。
一実施態様において、制御放出製剤は、腸溶コーティング、または薬物が小腸もしくは結腸に到達するまで薬物放出を遅延させるための他のコーティングを使用する。この方法での薬物放出の遅延はまた、薬物の放出時間を制御する。このようなコーティングは、当該技術分野において公知である。
薬物または薬物の組合せが放出されると、身体で利用可能になる。放出の各段階は、特定の放出速度を有し得る。例えば、ある段階は、薬物が、放出されない期間の後に急速かつ完全に放出される、パルス放出プロファイルを有し得る。ある段階はまた、薬物が、減少する放出速度で放出される、一次放出速度を有し得る。0次放出速度、すなわち一定の放出速度もまた使用し得る。薬物の全投与量(またはそのかなりの部分)は、短時間でまたは長時間にわたって放出され得る。例えば、製剤は、放出開始の30分以内に、薬物または薬物の組合せを少なくとも50%(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%または95%を超える)放出するように設計され得る。
制御放出製剤はまた、1つ以上の医薬添加剤、例えば結合剤、可塑剤、滑沢剤、希釈剤、賦形剤、着色剤、着香剤、流動促進剤および防腐剤を含み得る。このような医薬添加剤は、当該技術分野において公知である。
制御放出製剤は、睡眠を誘発または維持するため1日1回または必要に応じて、患者に投与され得る。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明する。しかしながら、本発明はいかなる方法であってもこれらの実施例に限定されるものではないことに留意されたい。
実施例1 3段階放出カプセル製剤(SM-1)
ジフェンヒドラミンHCl(すなわち、2-(ジフェニルメトキシ)-N,N-ジメチルエタンアミン塩酸塩)、ゾルピデム酒石酸塩(すなわち、N,N,6-トリメチル-2-p-トリルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-アセトアミド L-(+)-酒石酸塩(2:1))、およびロラゼパム(すなわち、(RS)-7-クロロ-5-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾジアゼピン-2-オン)を放出するためのゼラチン硬カプセル剤を製造した。
カプセル剤を、pH依存コーティングにより制御された段階的に連続して3つの薬物を放出するように設計した:ジフェンヒドラミンHClは即時放出のために未コーティングであり、ゾルピデムは投与約0.5~3時間後の放出のためにコーティングし、ロラゼパムは投与約2~6時間後の放出のためにコーティングした。
SM-1には次の薬物が含まれていた:(1)未コーティングのジフェンヒドラミンHCl 50mg;(2)pH5.5超で溶解するオイドラギット(登録商標)L100 D-55でコーティングされた多粒子形態のゾルピデム酒石酸塩5mg;および(3)pH6.5超で溶解するオイドラギット(登録商標)L100/S100(1:1)でコーティングされた多粒子形態のロラゼパム0.5mg。コーティングは、胃排出と共にゾルピデム酒石酸塩を放出し、薬物が腸に到達したときにロラゼパムを放出することを達成するように選択した。
実施例2 2段階放出カプセル製剤
2段階放出カプセル製剤の製造は、ロラゼパム(またはゾルピデム酒石酸塩)が製剤から除かれていること以外、上記と同じである。
ジフェンヒドラミンHCl+ゾルピデム酒石酸塩(D+Z)のカプセル剤には次の薬物が含まれていた:(1)未コーティングのジフェンヒドラミンHCl 50mg;および(2)pH5.5超で溶解するオイドラギット(登録商標)L100 D-55でコーティングされた多粒子形態のゾルピデム酒石酸塩5mg。
ジフェンヒドラミンHCl+ロラゼパム(D+L)のカプセル剤には次の薬物が含まれていた:(1)未コーティングのジフェンヒドラミンHCl 50mg;および(2)pH6.5超で溶解するオイドラギット(登録商標)L100/S100(1:1)でコーティングされた多粒子形態のロラゼパム0.5mg。
実施例3 短期不眠症のヒト対象体における製剤の有効性評価
この試験は、以前に一過性不眠症を報告した対象体における一過性不眠症のフェーズアドバンスモデルにおいて、プラセボと比較してカプセル剤(上記の実施例1および2に記載)の有効性を評価するための、無作為化二重盲検単回投与4期クロスオーバー試験である。睡眠障害を、主要な有効性アッセイとして8時間(960回の30秒のエポック)のPSGを記録する5時間フェーズアドバンスモデルを用いて誘発した。試験は、以下の期から構成される:1.スクリーニング期(来院1);2.処置およびPSG期(来院2~5);および3.退院後フォローアップの安全確認の電話。総睡眠時間(TST)を含む様々なパラメーター値を評価した。
スクリーニング期(来院1)
潜在的な対象体を、最初の処置期の初日の前少なくとも8日間継続され、21日間を超えないスクリーニング期に評価した。署名したインフォームドコンセント書面が得られた後、スクリーニング来院(来院1)手順を実施した。すべての適格性基準を満たした対象体に処置前の日記帳を発行し、睡眠を意図して就寝した時間および目覚めた時間を最低7晩記録するよう指示され、7晩のうち少なくとも5回記入を完了した。日記に記録された情報は、最初の処置期(来院2)の初日のチェックインの遅くとも24時間前に試験担当者に伝えられ、各対象体の習慣的就寝時間の中央値を計算できるようにした。来院2の前に、対象体は試験担当者から連絡を受け、最初の夜間来院の日時を告げられた。対象体は、試験計画により長い絶食間隔が必要なため、チェックイン前に昼食をとるよう勧められた。
合計157名の対象体をスクリーニングし、85名の対象体を表1に示す4つの処置シークエンスのうちの1つに無作為に割り当てた。
処置およびPSG期(来院2~5)
来院2で、対象体は、日記データから計算した習慣的就寝時間の中央値の約7時間前に試験センターにチェックインし、レビューのために試験担当者に日記帳を返した。来院2の手順を、各対象体の習慣的睡眠時間に関する睡眠試験事象のタイミングに従って実施した。各処置およびPSG期の来院は、約11~12時間にわたった。適格性を再確認した後、対象体を表1に示す4つの処置シークエンスに無作為に割り当てた。
対象体は、習慣的就寝時間の中央値の5時間前に(±30分)就寝した(「消灯」)。消灯の約90分前に、ベースラインDSST測定値を得て、対象体に軽い低脂肪の食事(例えば果物およびクラッカー)を提供した。消灯の約60分前に、PSG電極を対象体に適用して、機械を較正した。対象体は、消灯の30分前に試験担当者により割り当てられた処置が投与され、処置のコンプライアンスを確認するために口腔チェックが行われた。割り当てられた消灯時間に対象体は就寝し、PSGのバイオキャリブレーションを実施し、PSG記録を開始した。記録は8時間続いた。
8時間のPSG記録期間の完了時に、対象体は目を覚まし、トイレに行くことができた。PSG記録の終了の約30分後に、対象体は、PSQ、KSSおよびDSSTを完了し、標準的な朝食を出された。試験センターを離れる前に、対象体は、継ぎ足歩行試験、ロンベルグ試験ならびにバイタルサインおよびAEの評価からなる簡単な退院前評価を受けた。対象体は、試験に合格して安全に退院できるまで試験センターに留まった。退院時に、対象体は、次の夜間来院のために戻る日時を告げられ、ウォッシュアウト期間の日記が配られ、通常の睡眠パターンを維持するように指示された。
5日以上のウォッシュアウト期間後に、対象体は、割り当てられた日時に試験センターに戻り、レビューのために試験担当者に日記帳を返した。来院3、4、および5の手順のスケジュールは、対象体が無作為化シークエンス(表1)の次の処置を与えられ、消灯が来院2で確立された時間(±15分)に生じることを除いて、来院2と同じであった。対象体は、来院3および4では新しいウォッシュアウト期間の日記が配られた。
退院後フォローアップの安全確認の電話
処置期4(来院5)の完了7日後以内であるが、最後の用量の投与の少なくとも72時間後に、試験担当者は対象体にフォローアップの安全確認の電話を行った。あらゆるAEの結果が議論され、記録された。必要に応じて、安全評価のための試験センターへの来院がスケジュールされた。スクリーニングからフォローアップの安全確認の電話まで、各処置期間の間に7日間のウォッシュアウト期間を想定し、対象体は約8週間の試験に参加した。
有効性の結果
スクリーニング期中の睡眠日記に記録された睡眠持続時間(範囲:330~670分間)と比較してプラセボ群でのsTSTの減少(範囲:45~540分間)から明らかなように、この試験において5時間フェーズアドバンスモデルを用いて、一過性不眠症を誘導することができた。
表2に示すとおり、SM-1、D+ZおよびD+Lでの処置はそれぞれ、プラセボと比較してTSTの95.8分、95.1分および90.3分の増加をもたらした(P<0.0001)。SM-1とD+ZまたはD+Lとの差は、統計学的に有意ではなかった。
結論として、SM-1、D+ZおよびD+Lはいずれも、プラセボと比較してSM-1、D+ZおよびD+Lの処置でTSTが増加したことから明らかなように、一過性不眠症の5時間フェーズアドバンスモデルにおいて有効な治療であった。SM-1、D+ZおよびD+Lはまた、睡眠維持の確固たる改善を示した。また、観察された有効性(すなわちTST)は、SM-1とD+ZまたはD+Lとの間で差異がなく、これはロラゼパム(D+Z)またはゾルピデム酒石酸塩(D+L)を除いてもSM-1と同じ有効性を維持できることを示している。
本発明の前記説明により、当業者は、現在最良の形態と考えられるものを作成し、使用することができるが、当業者は、本明細書における特定の実施態様、方法および例の改変物、組合せおよび均等物が存在することを理解し、認識するであろう。したがって、本発明は、上記の実施態様、方法および例によって限定されるべきではなく、本発明の範囲および精神内のすべての実施態様および方法により限定されるべきである。
Claims (13)
- ジフェンヒドラミンHClと、ゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムである睡眠補助薬を含む制御放出製剤であって、対象体への投与直後にジフェンヒドラミンHClの第1段階放出と、第1段階開始の0.5~6時間後に開始する睡眠補助薬の第2段階放出のために製剤化されている、製剤。
- 40~60mgのジフェンヒドラミンHClを含む、請求項1に記載の製剤。
- 4~6mgのゾルピデム酒石酸塩を含む、請求項1に記載の製剤。
- 0.4~0.6mgのロラゼパムを含む、請求項1に記載の製剤。
- 50mgのジフェンヒドラミンHClを含む、請求項2に記載の製剤。
- 5mgのゾルピデム酒石酸塩を含む、請求項3に記載の製剤。
- 0.5mgのロラゼパムを含む、請求項4に記載の製剤。
- 製剤が経口投与のための錠剤またはカプセル剤である、請求項1に記載の製剤。
- 錠剤またはカプセル剤が複数の粒子を含有し、各粒子が薬物コアおよびコアを封入するポリマー組成物を含み、薬物コアがゾルピデム酒石酸塩またはロラゼパムを含有する、請求項8に記載の製剤。
- ゾルピデム酒石酸塩を含有する薬物コアを封入するポリマー組成物が、pH5.5超で溶解するか、またはロラゼパムを含有する薬物コアをポリマー組成物が、pH6.5超で溶解する、請求項9に記載の製剤。
- ポリマー組成物がポリメタクリレートを含む、請求項9に記載の製剤。
- 1つ以上の医薬添加剤を含む、請求項1記載の製剤。
- 処置を必要とする対象体に請求項1に記載の製剤を投与することを含む、睡眠障害または不眠症を処置する方法。
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