JP2022508182A - 組換えウイルスベクター及びそれの産生のための核酸 - Google Patents

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Abstract

組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターの産生において使用される、核酸、AAVトランスファーカセット、及びプラスミドが本明細書において記載される。開示される核酸、カセット、及びプラスミドは、1つまたは複数の疾患または障害の寛解、治療、及び/または予防における治療有効性を有する1つまたは複数の導入遺伝子を発現する配列を含む。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月21日に出願された米国仮特許出願シリアル番号62/770,202号の優先権を主張し、その全体はすべての目的のために参照することによって本明細書に援用される。
本開示は、分子生物学及び遺伝子療法の分野に関する。より具体的には、本開示は、組換えウイルスベクターの産生のための組成物及び方法に関する。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出されたテキストファイルの内容は、参照することによってそれらの全体が援用される。配列表のコンピューター可読フォーマットのコピー(ファイル名:STRD-011-01WO_Sequence_Listing.txt、記録日2019年11月21日、ファイルサイズ約145キロバイト)。
組換えウイルスベクター(アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)が挙げられる)は遺伝子送達剤として有用であり、ヒト遺伝子療法のための強力なツールである。AAVを使用して、高頻度の安定的なDNAの組込み及び発現が様々な細胞でインビボ及びインビトロで達成され得る。他のいくつかのウイルスベクター系とは異なり、AAVは、標的細胞中での安定的な組込みのために活発な細胞分裂を要求しない。
組換えAAVベクターは、ウイルス産生細胞株を使用して培養において産生され得る。組換えAAVの産生は、典型的には細胞において3つのエレメント:1)AAV逆方向末端反復(ITR)配列が近接する導入遺伝子を含む核酸、2)AAV rep遺伝子及びcap遺伝子、ならびに3)ヘルパーウイルスタンパク質配列の存在を要求する。これらの3つのエレメントは、1つまたは複数のプラスミド上で提供され、細胞の中へトランスフェクションされるか、または形質導入され得る。
組換えAAVベクターの産生及び使用は、ウイルスカプシドの中へ導入遺伝子DNAを効率的にパッケージングし、導入遺伝子を標的細胞において有効に発現することができないことで限定されてきた。したがって、組換えAAVベクターの産生のための改善された組成物及び方法についての当技術分野における必要性が存在する。
AAVトランスファーカセットを含む核酸が本明細書において記載される。開示される核酸は、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの産生において使用され得る。開示される核酸及びトランスファーカセットは、1つまたは複数の疾患または障害の寛解、治療、及び/または予防における治療有効性を有する1つまたは複数の導入遺伝子の配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、5’から3’で、5’逆方向末端反復(ITR)、プロモーター、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び3’ITRを含む核酸を提供する。いくつかの実施形態において、導入遺伝子配列は、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードする。FXNタンパク質は、例えばヒトFXNタンパク質であり得る。いくつかの実施形態において、FXNタンパク質は、配列番号:65の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を有する。いくつかの実施形態において、核酸は、配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、5’ITRは、3’ITRと同じ長さである。いくつかの実施形態において、5’ITR及び3’ITRは、異なる長さを有する。いくつかの実施形態において、5’ITR及び3’ITRのうちの少なくとも1つは、約110~約160ヌクレオチドの長さである。5’ITR及び3’ITRのうちの少なくとも1つは、例えばAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVのゲノムから単離され得るかまたはそれらに由来し得る。いくつかの実施形態において、5’ITRは、配列番号:1の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態において、3’ITRは、配列番号:2の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。いくつかの実施形態において、3’ITRは、配列番号:3の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
プロモーターは、導入遺伝子の発現を駆動し得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、誘導可能プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、組織特異的プロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターは、野生型プロモーターの修飾形態である。例えば、AAVのためのパッケージングの制限に起因して、プロモーターの長さは低減され得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは、野生型プロモーターの短縮形態である。
プロモーターは、例えばCMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ポリヘドリンプロモーター、トリβ-アクチン(CBA)プロモーター、EF-1αプロモーター、EF-1α短プロモーター、EF-1αコアプロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)プロモーター、GUSB240プロモーター、GUSB379プロモーター、またはホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターであり得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは、配列番号:6~12のうちの任意の1つから選択される配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子配列は、CpG最適化される。いくつかの実施形態において、導入遺伝子配列は、配列番号:19もしくは20、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸は、導入遺伝子配列の直ぐ5’にコザック配列を含む。コザック配列は、例えば配列番号:17もしくは18の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含み得る。
いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、シミアンウイルス40(SV40)、ヒトα-グロビン、ウサギα-グロビン、ヒトβ-グロビン、ウサギβ-グロビン、ヒトコラーゲン、ポリオーマウイルス、ヒト成長ホルモン(hGH)、及びウシ成長ホルモン(bGH)のポリアデニル化シグナルから選択される。いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、配列番号:21~24のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸は、エンハンサーをさらに含む。エンハンサーは、例えばCMVエンハンサーであり得る。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、配列番号:4もしくは5の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸は、イントロン性配列をさらに含む。イントロン性配列は、例えばキメラ配列またはハイブリッド配列であり得る。いくつかの実施形態において、イントロン性配列は、以下の遺伝子:β-グロビン、トリβ-アクチン、マウス微小ウイルス、及びヒトIgGのうちの1つまたは複数から単離されるかまたはそれに由来する配列を含む。いくつかの実施形態において、イントロン性配列は、配列番号:13~16のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸は、少なくとも1つのスタッファー配列(例えば1、2、3、4、または5のスタッファー配列)をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのスタッファー配列は、配列番号:25~27のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む。
本開示の核酸を含むベクター(例えばAAVベクターまたはプラスミド)も本明細書において提供される。
本開示の核酸を含む細胞も提供される。
組換えAAVベクターを産生する方法であって、AAV産生細胞を、本開示の核酸またはプラスミド/バクミドと接触させることを含む方法も提供される。本方法によって産生される組換えAAVベクターも提供される。組換えAAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、及びウシAAVからのカプシドタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態において、AAVベクターは、野生型AAVカプシドタンパク質に比較して、1つまたは複数の置換または変異を備えたカプシドタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態において、組換えAAVベクターは、一本鎖である(ssAAV)。いくつかの実施形態において、組換えAAVベクターは自己相補的である(scAAV)。
本開示の核酸、プラスミド、バクミド、細胞、または組換えAAVベクターを含む組成物も提供される。
治療有効量の本開示の核酸、プラスミド、細胞、または組換えAAVベクターを治療を必要とする対象へ投与することを含む、対象を治療する方法も提供される。いくつかの実施形態において、対象は、ヒト対象である。いくつかの実施形態において、対象は、フリードライヒ運動失調症(FRDA)を有する。
これら及び他の実施形態は、下で記載される、発明を実施するための形態中でより詳細に扱われる。
三重のプラスミドトランスフェクション方法を使用する、AAV産生収率(ベクターゲノム)を示す。AAVベクターを、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR(登録商標))アッセイを使用して定量した。 食塩水を注射したマウス(群1)に比較した、ヒトFXN導入遺伝子をパッケージングしたAAVベクターにより、5×1013vg/kg(群2)の用量で処理したFXN欠損(FXNflox/floxMCKCre)マウスのパーセント生存を示す。 3週齢のFXN欠損(FXNflox/floxMCKCre)マウスを、食塩水、またはヒトFXN導入遺伝子をパッケージングしたAAVベクター(低用量=1×1013vg/kg、高用量=5×1013vg/kg)のいずれかにより処理した、実験の結果を示す。処理の3週間後にマウスを屠殺した。Aは、心臓組織における宿主DNAの1マイクログラムあたりのヒトFXNベクターDNAのコピー数を示す。Bは、HPRT(ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)mRNAへ正規化した、FXN mRNAのコピー数を示す。ND=検出されなかった。Cは、FXNタンパク質レベルを示す。 様々な用量のAAV9-FXNを形質導入した培養Lec2細胞におけるヒトFXN(ng/mg)の発現を示す。ヒトFXNレベルを、標準的なELISAを使用して測定した。 本開示のAAVトランスファーカセットを使用して、AAVを産生する例示的なスキームの概略図を示す。5’ITR、プロモーター、導入遺伝子、及び3’ITRを含むAAVトランスファーカセットを、標準的なクローニング技法を使用して、プラスミドの中へパッケージングする。AAV rep配列及びcap配列を含む第2のプラスミド、ならびにアデノウイルスヘルパー遺伝子を含む第3のプラスミドを調製する。3つのプラスミドを、AAV産生細胞株(例えばHEK293)の中へトランスフェクションする。次いで細胞はAAVを産生し、それを精製し、後の使用のために冷凍することができる。
遺伝子療法は、遺伝性の疾患及び障害(例えばフリードライヒ運動失調症(FRDA)が挙げられる)の治療及び予防に対して高い将来性がある。FRDAは、典型的にはフラタキシン(FXN)遺伝子中の変異によって引き起こされる常染色体劣性障害である。米国において50,000人に約1人はFRDAを有する。発症の典型的な年齢は、約5~約18歳の間である。症状は対象の中でも変動するが、(i)腕及び脚の協調の喪失(運動失調)、(ii)疲労/エネルギー枯渇及び筋力喪失、(iii)視覚障害、聴力喪失、及び不明瞭な発語、(iv)侵襲性の脊柱側弯症(脊柱の屈曲)、(v)糖尿病(典型的にはインスリン依存型)、ならびに(vi)重篤な心臓病態(例えば肥大型心筋症及び不整脈)が挙げられ得る。FRDAの有る個体の精神的能力は損なわれないままである。FRDAについての治療は現在のところ無く、対象は症状管理のためにモニターされる。したがって、FRDAを治療する及び/または予防するための組成物及び方法についての当技術分野における必要性がある。
AAVベクターの産生のためのAAVトランスファーカセットを含む核酸が、本明細書において提供される。AAVベクターを遺伝子療法適用のために使用して、例えば細胞へまたはそれを必要とする対象へ治療導入遺伝子を送達することができる。本開示のAAVトランスファーカセット及びベクターを使用して、様々な遺伝性疾患及び障害(FRDA)を治療するかまたは予防することができる。
本明細書において引用されるすべての論文、出版物及び特許は、あたかも各々の個別の論文、出版物または特許が参照することによって援用されることが具体的且つ個別に指示されたかのように、参照することによって本明細書に援用され、引用された出版物に関連した方法及び/または材料を開示及び記述するために参照することによって本明細書に援用される。
文脈が別段指示しない限り、本明細書において記載される様々な特色は任意の組み合わせで使用され得ることが特に意図される。セクションの見出しは、本明細書において構成の目的のために使用され、限定することは意図されない。
別段定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。発明を実施するための形態において使用される専門用語は、特定の実施形態を記述する目的のためだけであり、限定することは意図されない。
定義
以下の用語が、本明細書における説明及び添付の特許請求の範囲において使用される。
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段明らかに指示しない限り、複数形を同様に包含することが意図される。
さらに、「約」という用語は、本明細書において使用される時、測定可能な値(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド、配列、用量、時間、温度、及び同種のものの量または長さ等)を指す場合に、規定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、または場合によっては±0.1%の変動を網羅することが意味される。
さらに本明細書において使用される時、「及び/または」は、付随するリストされた項目のうちの1つまたは複数の任意の及びすべての可能な組み合わせと、択一(「または」)で解釈された場合の組み合わせの欠如を、参照及び網羅する。
「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド塩基の配列、例えばRNA、DNA、DNA-RNAのハイブリッド配列(天然に存在するヌクレオチド及び天然に存在しないヌクレオチドの両方が挙げられる)である。いくつかの実施形態において、本開示の核酸は、一本鎖DNA配列または二本鎖DNA配列である。核酸は、1~1,000、1,000~10,000、10,000~100,000、100,000~100万、または100万超のヌクレオチドの長さであり得る。核酸は概してホスホジエステル結合を含有するだろうが、いくつかの事例において、例えばホスホルアミド、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、O-メチルホホロアミダイト(methylphophoroamidite)、またはP-エトキシリンケージを含む代替骨格、またはペプチド核酸の骨格及びリンケージを有し得る核酸類似体が包含される。他の類似体核酸は、正の骨格(positive backbone)、非イオン性骨格及び非リボース骨格を備えたものを包含する。1つまたは複数の炭素環式糖を含有する核酸も、核酸の定義内に包含される。リボース-リン酸骨格のこれらの修飾は、標識の添加を容易にし得るか、または生理的環境におけるかかる分子の安定性及び半減期を増加し得る。本開示の核酸は、直線状または環状であり得る(例えばプラスミド)。
「タンパク質」、「ペプチド」、及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書において互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合で連結されたアミノ酸残基から構成される化合物を指す。タンパク質またはペプチドは少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならないが、タンパク質の配列またはペプチドの配列を構成することができるアミノ酸の最大数に限定はない。
本明細書において使用される時、「ウイルスベクター」、「ウイルス性ベクター」、または「遺伝子送達ベクター」という用語は、核酸送達ビヒクルとして機能し、ビリオン内にパッケージングされたベクターゲノムを含む、ウイルス粒子を指す。本開示の例示的なウイルスベクターとしては、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)、レンチウイルスベクター、及びレトロウイルスベクターが挙げられる。
アデノ随伴ウイルスまたはAAVは、Parvoviridae科のDependovirus属に属する。4.7kbの野生型AAVゲノムは、2つの主要なオープンリーディングフレームをコードする。rep遺伝子はウイルス複製タンパク質を発現し、cap遺伝子はウイルスカプシドタンパク質を発現する。AAVゲノムの末端で、T字形のヘアピン構造を形成する逆方向末端反復(ITR)がある。成熟したAAVビリオンは哺乳動物細胞において感染性であるが、複製可能AAV生活環では、例えばアデノウイルスまたはヘルペスウイルスからのヘルパー機能が要求される。組換えAAVベクターは、野生型AAVオープンリーディングフレームを導入遺伝子発現カセットにより置き換えることによって生成され得る。
本明細書において記載されるように、AAVは、AAV 1型、AAV 2型、AAV 3型(3A型及び3B型が挙げられる)、AAV 4型、AAV 5型、AAV 6型、AAV 7型、AAV 8型、AAV 9型、AAV 10型、AAV 11型、AAV 12型、AAV 13型、AAV rh32.33型、AAV rh8型、AAV rh10型、AAV rh74型、AAV hu.68型、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、ヒツジAAV、ヘビAAV、フトアゴヒゲトカゲAAV、AAV2i8、AAV2g9、AAV-LK03、AAV7m8、AAV Anc80、AAV PHP.B、及び現在公知のまたは後に見出される他のAAVであり得る。例えばBERNARD N.FIELDS et al.,VIROLOGY,volume 2,chapter 69(4th ed.,Lippincott-Raven Publishers)を参照されたい。多数のAAV血清型及びクレードが同定されている(例えばGao et al,(2004)J.Virology 78:6381-6388;Moris et al,(2004)Virology 33-:375-383;及び表1を参照)。
Figure 2022508182000002

Figure 2022508182000003

Figure 2022508182000004
「自己相補的AAV」または「scAAV」という用語は、自発的にアニールする二量体性逆方向反復DNA分子を形成し、従来の一本鎖(ss)AAVゲノムと比較して、より早くより着実な導入遺伝子発現をもたらす、組換えAAVベクターを指す。顕著なことには、scAAVは、従来のAAVベクターのサイズの半分のわずか約2.4kbのゲノムしか保持することができない。いくつかの実施形態において、デュアルベクターのストラテジーは、AAVの小さなパッケージング能力を克服するのに使用され得る。例えば、シス活性化、トランススプライシング、オーバーラッピング、及びハイブリッドのシステムが使用され得る。
「AAVトランスファーカセット」という用語は、第1及び第2のITR配列が近接する導入遺伝子を含む核酸を指す。AAVトランスファーカセットは、AAVベクター産生の間にAAVベクターの中へパッケージングされる。
「ウイルス産生細胞(viral production cell)」、「ウイルス産生細胞株」、または「ウイルス産生細胞(viral producer cell)」という用語は、ウイルスベクターを産生するのに使用される細胞を指す。HEK293細胞及び239T細胞は、一般的なウイルス産生細胞株である。以下の表2は、様々なウイルスベクターのための例示的なウイルス産生細胞株をリストする。
Figure 2022508182000005
「HEK293」は、元々組織培養において増殖させたヒト胎児腎臓細胞に由来する細胞株を指す。HEK293細胞株は、培養においてたやすく増殖し、ウイルス産生のために一般的に使用される。本明細書において使用される時、「HEK293」は、1つまたは複数のバリアントHEK293細胞株(すなわち追加で1つまたは複数の遺伝子変化を含む、元のHEK293細胞株に由来する細胞株)も指し得る。多くのバリアントHEK293株が、1つまたは複数の特定の適用のために開発され最適化されてきた。例えば、293T細胞株は、SV40複製起点を含有するトランスフェクションされたプラスミドのエピソーム複製を可能にするSV40ラージT抗原を含有し、所望される遺伝子産物の発現の増加を導く。
「Sf9」は、親Spodoptera frugiperda細胞株IPLB-Sf-21-AEに由来するクローン単離体である昆虫細胞株を指す。Sf9細胞は、血清の非存在下において増殖させることができ、接着または懸濁で培養され得る。
「トランスフェクション試薬」は、核酸を細胞の中へ移行することを促進する組成物を意味する。当技術分野において一般的に使用されるいくつかのトランスフェクション試薬としては、核酸へ及び細胞表面へ結合する、1つまたは複数の脂質(例えばLipofectamine(商標))が挙げられる。
逆方向末端反復
逆方向末端反復またはITRの配列は、AAVプロウイルス組込みのために及びビリオンへのAAV DNAのパッケージングのために要求される最小の配列である。ITRは、AAV生活環における様々な活性に関与する。例えば、ITR配列は、トランスフェクション後のプラスミドからの切除、ベクターゲノムの複製、ならびに組込み及び宿主細胞ゲノムからのレスキューにおける役割を果たす。
本開示の核酸は、5’ITR及び/または3’ITRを含み得る。ITR配列は、約110~約160ヌクレオチド(例えば110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、または160ヌクレオチド)の長さであり得る。いくつかの実施形態において、5’ITRは、3’ITRと同じ長さである。いくつかの実施形態において、5’ITR及び3’ITRは、異なる長さを有する。いくつかの実施形態において、5’ITRは3’ITRよりも長く、他の実施形態において、3’ITRは5’ITRよりも長い。
ITRは、任意のAAV(例えば表1中でリストされるAAV)のゲノムから単離されるかまたはそれに由来し得る。いくつかの実施形態において、5’ITR及び3’ITRのうちの少なくとも1つは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVのゲノムから単離されるかまたはそれに由来する。いくつかの実施形態において、少なくとも5’ITR及び3’ITRのうちの1つは、AAV以外の別のパルボウイルス種のメンバーから単離されるかまたはそれに由来する野生型ITRまたは変異ITRであり得る。例えばいくつかの実施形態において、ITRは、ボカウイルスまたはパルボウイルスB19から単離されるかまたはそれに由来する野生型ITRまたは変異ITRであり得る。
いくつかの実施形態において、ITRは、自己相補的AAV(scAAV)の産生を増進するような修飾を含む。いくつかの実施形態において、scAAVの産生を増進する修飾は、ITRからの末端解離配列(terminal resolution sequence)(TRS)の欠失である。いくつかの実施形態において、5’ITRは野生型ITRであり、3’ITRは末端解離配列を欠如する変異ITRである。いくつかの実施形態において、3’ITRは野生型ITRであり、5’ITRは末端解離配列を欠如する変異ITRである。いくつかの実施形態において、末端解離配列は、5’ITR及び3’ITRの両方で非存在である。他の実施形態において、scAAVの産生を増進する修飾は、ITRの異なるヘアピン形成配列(shRNA形成配列等)による置換である。
いくつかの実施形態において、5’ITRまたは3’ITRは、配列番号:1の配列、またはそれに少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含み得る。いくつかの実施形態において、5’ITRまたは3’ITRは、配列番号:2の配列、またはそれに少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含み得る。いくつかの実施形態において、5’ITRまたは3’ITRは、配列番号:3の配列、またはそれに少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含み得る。いくつかの実施形態において、5’ITRは、配列番号:1の配列を含み、3’ITRは、配列番号:2の配列を含む。いくつかの実施形態において、5’ITRは、配列番号:1の配列を含み、3’ITRは、配列番号:3の配列を含む。
いくつかの実施形態において、核酸は、1つまたは複数の「代理」ITR(すなわちITRと同じ機能を供する、非ITR配列)を含み得る。例えばXie,J.et al.,Mol.Ther.,25(6):1363-1374(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態において、ITRは、代理ITRによって置き換えられる。いくつかの実施形態において、代理ITRは、ヘアピン形成配列を含む。いくつかの実施形態において、代理ITRは、短ヘアピン(sh)RNA形成配列である。
プロモーター、エンハンサー、リプレッサー、及び他の調節配列
遺伝子発現は、遺伝子と作動可能に連結された、プロモーター、エンハンサー、及び/またはリプレッサー等のヌクレオチド配列によって制御され得る。「作動可能に連結された」という用語は、核酸発現制御配列(プロモーター、または転写因子結合部位のアレイ等)と第2の核酸配列との間の機能的なリンケージを指し、そこで、発現制御配列は、第2の配列に対応する核酸の転写を指令する。
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される核酸またはAAVトランスファーカセットは、プロモーターを含む。それらのプロモーターは、例えば構成的プロモーターまたは誘導可能プロモーターであり得る。いくつかの実施形態において、プロモーターは、組織特異的プロモーターである。本明細書において使用される時、「プロモーター」という用語は、作動可能に連結された核酸の転写を指令する1つまたは複数の核酸制御配列を指す。プロモーターは、転写の開始部位の近くの核酸配列(TATAエレメント等)を含み得る。プロモーターは、転写因子によって結合され得るシス作用ポリヌクレオチド配列も含み得る。「構成的」プロモーターは、ほとんどの環境的及びほとんどの発生的な条件下で活発なプロモーターである。「誘導可能」プロモーターは、環境的または発生的な調節下で活発なプロモーターである。
本明細書において記載される核酸及びカセット中で使用され得る例示的なプロモーターとしては、CMVプロモーター、SV40プロモーター(例えばSV40初期または後期プロモーター)、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ポリヘドリンプロモーター、トリβ-アクチン(CBA)プロモーター、EF-1αプロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)プロモーター、GUSB240プロモーター(例えばヒトGUSB240(hGUSB240)プロモーター)、GUSB379プロモーター(例えばヒトGUSB379(hGUSB379)プロモーター)、及びホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーター(例えばヒトPGK(hPGK)プロモーター)が挙げられる。いくつかの実施形態において、EF-1αは、EF-1α野生型プロモーター、EF-1α短プロモーター、及びEF-1αコアプロモーターから選択される。いくつかの実施形態において、プロモーターは、トリβ-アクチン(CBA)プロモーター、EF-1α短プロモーター、EF-1α野生型プロモーター、EF-1αコアプロモーター、hPGKプロモーター、hGUSB240プロモーター、及びhGUSB379プロモーターからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、プロモーターは、配列番号:6~12のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む。
本明細書において記載される核酸及びカセット中で使用され得る例示的な組織特異的プロモーター及びエンハンサーの非限定的リストとしては、HMG-COAレダクターゼプロモーター;ステロール調節エレメント1(SRE-1);ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター;ヒトC反応性タンパク質(CRP)プロモーター;ヒトグルコキナーゼプロモーター;コレステロール7-αヒドロイラーゼ(hydroylase)(CYP-7)プロモーター;β-ガラクトシダーゼα-2,6シアル酸転移酵素プロモーター;インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP-1)プロモーター;アルドラーゼBプロモーター;ヒトトランスフェリンプロモーター;I型コラーゲンプロモーター;前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)プロモーター;前立腺分泌タンパク質94(PSP 94)プロモーター;前立腺特異性抗原複合体プロモーター;ヒト腺性カリクレイン遺伝子プロモーター(hgt-1);筋細胞特異的エンハンサー結合因子MEF-2;ムクル(mucle)クレアチンキナーゼプロモーター;膵臓炎関連タンパク質プロモーター(PAP);エラスターゼ1転写エンハンサー;膵臓特異的アミラーゼ及びエラスターゼエンハンサープロモーター;膵臓コレステロールエステラーゼ遺伝子プロモーター;ウテログロビンプロモーター;コレステロール側鎖切断(SCC)プロモーター;γ-γエノラーゼ(ニューロン特異的エノラーゼ、NSE)プロモーター;ニューロフィラメント重鎖(NF-H)プロモーター;ヒトCGL-1/グランザイムBプロモーター;末端デオキシトランスフェラーゼ(TdT)、λ5、VpreB、及びlck(リンパ球特異的チロシンタンパク質キナーゼp561ck)プロモーター;ヒトCD2プロモーター及びその3’転写エンハンサー;ヒトNK及びT細胞特異的活性化(NKG5)プロモーター;pp60c-srcチロシンキナーゼプロモーター;器官特異的新生抗原(OSN)、分子量40kDa(p40)プロモーター;大腸特異的抗原-Pプロモーター;ヒトα-ラクトアルブミンプロモーター;ホスホエホールピルビン酸(phosphoeholpyruvate)カルボキシキナーゼ(PEPCK)プロモーター、HER2/neuプロモーター、カゼインプロモーター、IgGプロモーター、絨毛性胚抗原プロモーター、エラスターゼプロモーター、ポルホビリノーゲンデアミナーゼプロモーター、インスリンプロモーター、成長ホルモン因子プロモーター、チロシンヒドロキシラーゼプロモーター、アルブミンプロモーター、アルファフェトプロテインプロモーター、アセチルコリン受容体プロモーター、アルコール脱水素酵素プロモーター、αまたはβグロビンプロモーター、T細胞受容体プロモーター、オステオカルシンプロモーター、IL-2プロモーター、IL-2受容体プロモーター、乳清(wap)プロモーター、及びMHCクラスIIプロモーターが挙げられる。
遺伝子発現は、転写の開始部位から数千塩基対ほどで所在し得る、1つまたは複数の遠位の「エンハンサー」エレメントまたは「リプレッサー」エレメントによって制御され得る。エンハンサーエレメントまたはリプレッサーエレメントは、転写の開始部位から離れた距離でエンハンサーエレメントが作用することができるという例外を除いて、転写の開始部位の近くのシス作用エレメントに類似した方式で転写を調節する。
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される核酸またはAAVトランスファーカセットは、エンハンサーを含む。エンハンサーは、プロモーターへ作動可能に連結され得る。エンハンサーは、例えばCMVエンハンサーであり得る。いくつかの実施形態において、エンハンサーは、配列番号:4もしくは5の配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む。
導入遺伝子
本明細書において記載される核酸及びAAVトランスファーカセットは、標的細胞における発現のための導入遺伝子配列を含み得る。
導入遺伝子は、関心の任意の異種核酸配列(複数可)であり得る。関心の核酸は、ポリペプチド(治療用の(例えば医学的または獣医学的な使用のための)または免疫原性の(例えばワクチンのための)ポリペプチドが挙げられる)またはRNAをコードし得る。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、cDNA配列である。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、治療ポリペプチドをコードする。治療ポリペプチドとしては、嚢胞性線維性膜貫通調節因子タンパク質(CFTR)、ジストロフィン(ミニジストロフィン及びマイクロジストロフィンを包含する、例えばVincent et al,(1993)Nature Genetics 5:130;米国特許公開番号2003/017131;国際公開WO/2008/088895、Wang et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:1 3714-13719(2000);及びGregorevic et al.,Mol.Ther.16:657-64(2008)を参照)、ミオスタチンプロペプチド、ホリスタチン、アクチビン11型可溶性受容体、IGF-1、抗炎症性ポリペプチド(IκB優性変異等)、サルコスパン、ユートロフィン(Tinsley et al,(1996)Nature 384:349)、ミニユートロフィン、凝固因子(例えば第VIII因子、第IX因子、第X因子等)、エリスロポエチン、アンジオスタチン、エンドスタチン、カタラーゼ、チロシンヒドロキシラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、レプチン、LDLレセプター、リポタンパク質リパーゼ、オルニチントランスカルバミラーゼ、β-グロビン、α-グロビン、スペクトリン、α-1-アンチトリプシン、アデノシンデアミナーゼ、ピポキサンチン-グアニン-ホスホリボシルトランスフェラーゼ、β-グルコセレブロシダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、リソソームヘキソサミニダーゼA、分岐鎖ケト酸デヒドロゲナーゼ、RP65タンパク質、サイトカイン(例えばα-インターフェロン、β-インターフェロン、γ-インターフェロン、インターロイキン2、インターロイキン4顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、リンフォトキシン、及び同種のもの)、ペプチド増殖因子、神経栄養因子及びホルモン(例えばソマトトロピン、インスリン、インスリン様増殖因子1及び2、血小板由来増殖因子、表皮増殖因子、線維芽細胞増殖因子、神経増殖因子、神経栄養因子-3及び-4、脳由来神経栄養因子、骨形態形成タンパク質[RANKL及びVEGFを包含する]、グリア由来増殖因子(glial derived growth factor)、形質転換増殖因子-α及び-β、ならびに同種のもの)、リソソーム酸α-グルコシダーゼ、α-ガラクトシダーゼA、受容体(例えば腫瘍壊死増殖因子可溶性受容体)、S100A1、パルブアルブミン、アデニリルシクラーゼ6型、カルシウム取扱を調節する分子(例えばSERCA2A、PP1の阻害物質1及びその断片[例えばWO2006/029319及びWO2007/100465])、Gタンパク質共役型受容体キナーゼ2型のノックダウンを達成する分子(短縮型の構成的に活性のあるbARKct等)、抗炎症性因子(IRAP等)、抗ミオスタチンタンパク質、アスパルトアシラーゼ、モノクローナル抗体(単一鎖モノクローナル抗体を包含する;例示的なモノクローナル抗体はHerceptin(登録商標)モノクローナル抗体である)、ニューロペプチド及びその断片(例えばガラニン、神経ペプチドY(U.S.7,071,172を参照))、血管新生阻害物質(バソヒビン及び他のVEGF阻害物質等)(例えばバソヒビン2[WOJP2006/073052を参照])が挙げられるがこれらに限定されない。他の例示的な治療ポリペプチドとしては、自殺遺伝子産物(例えばチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ、ジフテリア毒素、及び腫瘍壊死因子)、宿主因子の転写を促進または阻害するタンパク質(例えば転写エンハンサーまたはインヒビターエレメントへ連結されたヌクレアーゼ不活性型Cas9、転写エンハンサーまたはインヒビターエレメントへ連結されたジンクフィンガータンパク質、転写エンハンサーまたはインヒビターエレメントへ連結された転写活性化因子様(TAL)エフェクター)、がん療法において使用される薬物への耐性を付与するタンパク質、腫瘍抑制遺伝子産物(例えばp53、Rb、Wt-1)、TRAIL、フラタキシン(FXN)、FASリガンド、及びそれを必要とする対象において治療有効性を有する他のポリペプチドが挙げられる。導入遺伝子は、モノクローナル抗体または抗体断片(例えばミオスタチンに対して向けられた抗体または抗体断片)でもあり得る(例えばFang et al.,Nature Biotechnology 23:584-590(2005)を参照)。治療ポリペプチドとしては、レポーターポリペプチド(例えば酵素)をコードするものが挙げられる。レポーターポリペプチドは当技術分野において公知であり、緑色蛍光タンパク質、β-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ルシフェラーゼ、及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない。
任意選択で、導入遺伝子は、分泌されるポリペプチド(例えばその元の状態で分泌されるポリペプチド、または例えば当技術分野において公知の分泌シグナル配列との作動可能な会合によって分泌されるように操作されたポリペプチド)をコードする。
代替的に、いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、アンチセンス核酸、リボザイム(例えば米国特許第5,877,022号中で記載されるように)、スプライセオソーム媒介性/ram-スプライシングを達成するRNA(Puttaraju et al,(1999)Nature Biotech.17:246;米国特許第6,013,487号;米国特許第6,083,702号を参照)、干渉RNA(RNAi)(遺伝子サイレンシングを介するsiRNA、shRNAまたはmiRNAを包含する)(Sharp et al,(2000)Science 287:2431を参照)、及び他の非翻訳RNA(「ガイド」RNA等)、ならびに同種のものをコードし得る。例示的な非翻訳RNAとしては、多剤耐性(MDR)遺伝子産物に対するRNAi(例えば腫瘍を治療及び/または予防するため、及び/または心臓へ投与して化学療法による損傷を予防するため)、ミオスタチンに対するRNAi(例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィーのため)、VEGFに対するRNAi(例えば腫瘍を治療及び/または予防するため)、ホスホランバンに対するRNAi(例えば心血管性疾患を治療するため、例えばAndino et al.,J.Gene Med.10:132-142(2008)及びLi et al.,Acta Pharmacol Sin.26:51-55(2005)を参照);ホスホランバン阻害性分子またはドミナントネガティブ分子(ホスホランバンS 16E等)(例えば心血管性疾患を治療するため、例えばHoshijima et al.Nat.Med.8:864-871(2002)を参照)、アデノシンキナーゼへのRNAi(例えば癲癇のための)、ならびに病原性生物及びウイルスに対して向けられたRNAi(例えばB型及び/またはC型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、CMV、単純ヘルペスウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス等)が挙げられる。
さらに、導入遺伝子配列は、オルタナティブスプライシングを指令し得る。例証としては、ジストロフィンエキソン51の5’及び/または3’スプライス部位への相補的なアンチセンス配列(または他の阻害性配列)を、U1またはU7核内低分子(sn)RNAプロモーターと併用して送達して、このエキソンのスキップを誘導することができる。例えば、アンチセンス/阻害性配列(複数可)の5’に所在するU1またはU7 snRNAプロモーターを含むDNA配列は、カセット中にパッケージされ、本開示のAAVベクターで送達され得る。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、遺伝子編集を指令し得る。例えば、導入遺伝子は、遺伝子編集分子(ガイドRNAまたはヌクレアーゼ等)をコードし得る。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、ホーミングエンドヌクレアーゼ、TALEN(転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ)、NgAgo(アグロノート(agronaute)エンドヌクレアーゼ)、SGN(構造ガイドエンドヌクレアーゼ)、またはRGN(RNAガイド型ヌクレアーゼ)(Cas9ヌクレアーゼまたはCpf1ヌクレアーゼ等)をコードし得る。
導入遺伝子は、宿主染色体上の遺伝子座と相同性を共有し、それと組換えることができる。このアプローチを利用して、例えば宿主細胞における遺伝子欠損を修正することができる。
導入遺伝子は、例えばワクチン接種のための免疫原性ポリペプチドであり得る。導入遺伝子は、当技術分野において公知の関心の任意の免疫原(ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、インフルエンザウイルス、HIVまたはSIV gagタンパク質からの免疫原、腫瘍抗原、がん抗原、細菌抗原、ウイルス抗原、及び同種のもの挙げられるがこれらに限定されない)をコードし得る。
本開示に記載のウイルスベクターは、広範囲の細胞(分裂細胞及び非分裂細胞を包含する)の中へ導入遺伝子を送達するための手段となる。ウイルスベクターを用いて、例えばインビトロでポリペプチドを産生するために、またはエクスビボ遺伝子療法のために、インビトロで細胞へ導入遺伝子を送達することができる。ウイルスベクターは、例えば免疫原性もしくは治療用のポリペプチド、または機能性RNAを発現させるために、導入遺伝子をそれを必要とする対象へ送達する方法において追加で有用である。この様式において、ポリペプチドまたは機能性RNAは、対象においてインビボで産生され得る。対象はポリペプチドの欠損を有するので、対象はポリペプチドを必要とし得る。さらに、対象におけるポリペプチドまたは機能性RNAの産生が、いくつかの有益な効果を付与し得るので、当該方法は実践され得る。
ウイルスベクターを使用して、培養細胞においてまたは対象において関心のポリペプチドまたは機能性RNAを産生することもできる(例えばポリペプチドを産生するために、または例えばスクリーニング方法と関連して、対象に対する機能性RNAの効果を観察するために、対象をバイオリアクターとして使用する)。
概して、本開示の核酸及びウイルスベクターを用いて、治療用のポリペプチドまたは機能性RNAを送達することが有益である任意の疾患状態を治療及び/または予防するために、ポリペプチドまたは機能性RNAをコードする導入遺伝子を送達することができる。例示的な疾患状態としては、嚢胞性線維症(嚢胞性線維性膜貫通調節因子タンパク質)及び肺の他の疾患、血友病A(第VIII因子)、血友病B(第IX因子)、サラセミア(β-グロビン)、貧血(エリスロポエチン)、及び他の血液疾患;アルツハイマー病(GDF;ネプリライシン)、多発性硬化症(β-インターフェロン)、パーキンソン病(グリア細胞株由来神経栄養因子[GDNF])、ハンチントン舞踏病(反復を除去するRNAi)、筋萎縮性側索硬化症、癲癇(ガラニン、神経栄養因子)、及び他の神経学的障害、がん(エンドスタチン、アンジオスタチン、TRAIL、FASリガンド、サイトカイン(インターフェロンを包含する);RNAi(VEGFまたは多剤耐性遺伝子産物に対するRNAiを包含する)、mir-26a[例えば肝細胞癌のための])、糖尿病(インスリン)、デュシェンヌ型(ジストロフィン、ミニジストロフィン、インスリン様増殖因子I、サルコグリカン[例えばa、β、γ]、筋静止性ミオスタチンプロペプチドに対するRNAi、ホリスタチン、アクチビンII型可溶性受容体、抗炎症性ポリペプチド(IκB優性変異等)、サルコスパン、ユートロフィン、ミニユートロフィン、エキソンスキップを誘導するジストロフィン遺伝子中のスプライス部位に対するアンチセンスまたはRNAi[例えばWO/2003/095647を参照])エキソンスキップを誘導するU7 snRNAに対するアンチセンス[例えばWO/2006/021724を参照]、及びミオスタチンまたはミオスタチンプロペプチドに対する抗体または抗体断片)及びベッカー型を包含する筋ジストロフィー、ゴーシェ病(グルコセレブロシダーゼ)、ハーラー病(L-イズロニダーゼ)、アデノシンデアミナーゼ欠損症(アデノシンデアミナーゼ)、糖原病(例えばファブリー病[a-ガラクトシダーゼ]及びポンペ病[リソソーム酸α-グルコシダーゼ])他の代謝障害、先天性肺気腫(α-1-アンチトリプシン)、レッシュ・ナイハン症候群(ピポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)、ニーマン・ピック病(スフィンゴミエリナーゼ)、テイ・サックス病(リソソームヘキソサミニダーゼA)、メープルシロップ尿症(分岐鎖ケト酸デヒドロゲナーゼ)、網膜変性疾患(ならびに眼及び網膜の他の疾患;例えば黄斑変性のためのPDGF、及び/または例えばI型糖尿病における網膜の障害を治療/予防するバソヒビンまたはVEGFの他の阻害物質もしくは他の血管新生阻害物質)、脳等の固形臓器の疾患(パーキンソン病[GDNF]、星状細胞腫[エンドスタチン、アンジオスタチン、及び/またはVEGFに対するRNAi]、膠芽腫[エンドスタチン、アンジオスタチン、及び/またはVEGFに対するRNAi]を包含する)、肝臓、腎臓、心臓(鬱血性心不全を包含する)または末梢動脈(PAD)の疾患(例えばタンパク質ホスファターゼ阻害物質I(I-1)及びその断片(例えばIIC)、serca2a、ホスホランバン遺伝子を調節するジンクフィンガータンパク質、Barkct、[32-アドレナリン作動性受容体、2-アドレナリン作動性受容体キナーゼ(BARK)、ホスホイノシチド-3キナーゼ(PI3キナーゼ)、S100A1、パルブアルブミン、アデニリルシクラーゼ6型、Gタンパク質共役型受容体キナーゼ2型ノックダウン(短縮型の構成的に活性のあるbARKct等)を達成する分子;カルサルシン(calsarcin)、ホスホランバンに対するRNAi;阻害性ホスホランバンまたはドミナントネガティブ分子(ホスホランバンS16E等)等の送達によって)、関節炎(インスリン様増殖因子)、関節疾患(インスリン様増殖因子1及び/または2)、内膜過形成(例えば内皮型NOS、誘導型NOSの送達によって)、心臓移植の生存の改善(スーパーオキシドジスムターゼ)、AIDS(可溶性CD4)、筋肉消耗(インスリン様増殖因子I)、腎不全(エリスロポエチン)、貧血(エリスロポエチン)、関節炎(抗炎症性因子(I RAP及びTNFa可溶性受容体等))、肝炎(インターフェロン)、LDLレセプター欠損(LDLレセプター)、高アンモニア血症(オルニチントランスカルバミラーゼ)、クラッベ病(ガラクトセレブロシダーゼ)、バッテン病、フリードライヒ運動失調症(FRDA)、脊髄の大脳性運動失調症(SCA1、SCA2及びSCA3を包含する)、フェニルケトン尿症(フェニルアラニンヒドロキシラーゼ)、自己免疫疾患、ならびに同種のものが挙げられるがこれらに限定されない。本開示を臓器移植後にさらに使用して、移植の成功を増加させることができる、及び/または臓器移植または補助療法の負の副作用を低減させることができる(例えばサイトカイン産生をブロックするために、免疫抑制剤または阻害性核酸を投与することによって)。別の例として、骨形態形成タンパク質(BNP 2、7等、RANKL及び/またはVEGFが挙げられる)は、例えばがん患者における切断または外科的除去後に、骨の同種異系移植片と共に投与され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のウイルスベクターを用いて、肝臓の疾患または障害を治療及び/または予防するために、ポリペプチドまたは機能性RNAをコードする導入遺伝子を送達することができる。肝臓の疾患または障害は、例えば原発性胆汁性肝硬変症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性肝臓疾患、線維症、黄疸、原発性硬化性胆管炎(PSC)、バッド・キアリ症候群、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、アルコール性線維症、非アルコール性線維症、肝脂肪変性、ジルベール症候群、胆道閉鎖症、α1アンチトリプシン欠損症、アラジール症候群、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症、血友病B、遺伝性血管浮腫(HAE)、ホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH)、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)、フォン・ギールケ病(GSD I)、血友病A、メチルマロン酸血、プロピオン酸血症、ホモシスチン尿症、フェニルケトン尿症(PKU)、高チロシン血症1型、アルギナーゼ1欠損症、アルギニノコハク酸リアーゼ欠損症、カルバモイルリン酸合成酵素1欠損症、シトルリン血症1型、シトリン欠損症、クリグラー・ナジャール症候群1型、シスチン蓄積症、ファブリー病、糖原病1b、LPL欠損症、N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、オルニチントランスロカーゼ欠損症、原発性シュウ酸尿症1型、またはADA SCIDであり得る。
本開示のウイルスベクターを用いて、人工多能性幹細胞(iPS)を産生するのに使用される導入遺伝子を送達することができる。例えば、本開示のウイルスベクターを使用して、幹細胞関連核酸(複数可)を非多能性細胞(成体線維芽細胞、皮膚細胞、肝臓細胞、腎細胞、脂肪細胞、心臓細胞、神経細胞、上皮細胞、内皮細胞、及び同種のもの等)の中へ送達することができる。幹細胞と関連する因子をコードする導入遺伝子は、当技術分野において公知である。幹細胞及び多能性と関連するかかる因子の非限定例としては、Oct-3/4、SOXファミリー(例えばSOX1、SOX2、SOX3、及び/またはSOX15)、Klfファミリー(例えばKlfl、KHZ Klf4、及び/またはKlf5)、Mycファミリー(例えばC-myc、L-myc、及び/またはN-myc)、NANOG、及び/またはLIN28が挙げられる。
本開示のウイルスベクターを用いて、代謝障害(糖尿病等)(例えばインスリン)、血友病(例えば第IX因子または第VIII因子)、リソソーム貯蔵障害(ムコ多糖症障害等)(例えばスライ症候群[β-グルクロニダーゼ]、ハーラー症候群[αL-イズロニダーゼ]、シャイエ症候群[αL-イズロニダーゼ]、ハーラー・シャイエ症候群[αL-イズロニダーゼ]、ハンター症候群[イズロン酸スルファターゼ]、サンフィリッポ症候群A[ヘパランスルファミダーゼ]、B[N-アセチルグルコサミニダーゼ]、C[アセチル-CoA:α-グルコサミニドアセチルトランスフェラーゼ]、D[N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ]、モルキオ症候群A[ガラクトース-サルフェートスルファターゼ]、B[β-ガラクトシダーゼ]、マロトー・ラミー症候群[N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ]等)、ファブリー病(α-ガラクトシダーゼ)、ゴーシェ病(グルコセレブロシダーゼ)、またはグリコーゲン貯蔵障害(例えばポンペ病;リソソーム酸α-グルコシダーゼ)を治療及び/または予防するために、導入遺伝子を送達することができる。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、フリードライヒ運動失調症の治療に有用である。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードする。フラタキシンタンパク質は、例えばヒトフラタキシンタンパク質であり得る。例示的なヒトフラタキシンタンパク質配列は、以下に提供される(配列番号:65)。
MWTLGRRAVAGLLASPSPAQAQTLTRVPRPAELAPLCGRRGLRTDIDATCTPRRASSNQRGLNQIWNVKKQSVYLMNLRKSGTLGHPGSLDETTYERLAEETLDSLAEFFEDLADKPYTFEDYDVSFGSGVLTVKLGGDLGTYVINKQTPNKQIWLSSPSSGPKRYDWTGKNWVYSHDGVSLHELLAAELTKALKTKLDLSSLAYSGKDA
Uniprotアクセッション番号Q16595(参照することによってその全体が援用される)も参照されたい。いくつかの実施形態において、フラタキシンタンパク質は、ヒトフラタキシンタンパク質の配列に少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一である配列を有する。いくつかの実施形態において、フラタキシンタンパク質は、配列番号:65の配列に少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、または少なくとも99%同一である配列を有する。いくつかの実施形態において、ヒトフラタキシンタンパク質は、フラタキシンのアイソフォーム、バリアント(例えばオルタナティブスプライスバリアント)、または変異型である。いくつかの実施形態において、変異フラタキシンは、表3中で示される置換のうちの1つまたは複数を有する。
Figure 2022508182000006
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、野生型配列に比べてコドン最適化されたフラタキシンcDNAを含む。例えば、cDNAを修飾して、隠れたスプライスアクセプター/ドナー部位を除去すること、稀なコドンの使用頻度を低減すること、リボソーム侵入部位を除去すること等ができる。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、CpG最適化されたフラタキシンcDNAを含む。例えば、cDNAは、CpGジヌクレオチドの数を低減するように修飾され得る。
いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、配列番号:19の配列、またはそれに少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む、フラタキシンcDNAを含む。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、配列番号:20の配列、またはそれに少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも96%同一、少なくとも97%同一、少なくとも98%同一、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む、フラタキシンcDNAを含む。
ポリアデニル化(ポリA)シグナル
ポリアデニル化シグナルはほぼすべての哺乳動物遺伝子中で見出されるヌクレオチド配列であり、一続きのおよそ200のアデノシン残基(ポリ(A)テイル)を遺伝子転写物の3’末端へ添加することを制御する。ポリ(A)テイルはmRNAの安定性に寄与し、ポリ(A)テイルを欠如するmRNAは速く分解される。翻訳の開始に影響することによって、ポリ(A)テイルの存在がmRNAの翻訳可能性に積極的に貢献するという証拠もある。
いくつかの実施形態において、本開示の核酸及びAAVトランスファーカセットは、1つまたは複数のポリアデニル化シグナルを含む。いくつかの実施形態において、核酸及びAAVトランスファーカセットは、2、3、4、またはそれ以上のポリアデニル化シグナルを含む。ポリアデニル化シグナルは、シミアンウイルス40(SV40)、α-グロビン(例えばヒトα-グロビン、マウスα-グロビン、またはウサギα-グロビン)、β-グロビン(例えばヒトβ-グロビン、マウスβ-グロビン、またはウサギβ-グロビン)、ヒトコラーゲン、ポリオーマウイルス、ヒト成長ホルモン(hGH)もしくはウシ成長ホルモン(bGH)、またはそのバリアントのポリアデニル化シグナルであり得る。
いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、ウシ成長ホルモン(bGH)ポリアデニル化シグナル(例えば配列番号:21の配列を有するbGHポリアデニル化シグナル)である。いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、ヒト成長ホルモン(hGH)ポリアデニル化シグナル(例えば配列番号:22の配列を有するhGHポリアデニル化シグナル)である。いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、ヒトβグロビンポリアデニル化シグナル(例えば配列番号:23の配列を有するヒトβグロビンポリアデニル化シグナル)である。いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、ウサギβグロビンポリアデニル化シグナル(例えば配列番号:24の配列を有するウサギβグロビンポリアデニル化シグナル)である。いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、配列番号:21~24のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む。
いくつかの実施形態において、ポリアデニル化シグナルは、核酸またはカセット中に逆向きで存在し得る。逆向きでは、ポリアデニル化シグナルは安全因子として作用し得る。例えば、逆向きのポリアデニル化シグナルは、プロモーターからの逆方向での有意な転写を予防し得る。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、2つのポリアデニル化シグナル(配列番号:21及び22のポリアデニル化シグナル等)を含む。核酸またはAAVトランスファーカセットが2つのポリアデニル化シグナルを含む実施形態において、シグナルのうちの1つは逆向きで存在し得る。
スタッファー配列
AAVベクターは、典型的には概して約4kb~約5.2kbまたはわずかにそれより大きい定義されたサイズ範囲を有するDNAのインサートを許容する。したがってより短い配列については、AAVベクターに許容可能な必要な長さを達成するために、インサート断片中で追加の核酸を含めることが必要であり得る。スタッファー配列は、公知の遺伝子または核酸配列の非コード領域(例えばイントロン性領域)から単離されるかまたはそれに由来し得る。スタッファー配列は、例えば1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~75、75~100、100~150、150~200、200~250、250~300、300~400、400~500、500~750、750~1,000、1,000~1,500、1,500~2,000、2,000~2,500、2,500~3,000、3,000~3,500、3,500~4,000、4,000~4,500、4,500~5,000、5,500~6,000、6,000~7,000、7,000~8,000、または8,000~9,000ヌクレオチドの間の長さの配列であり得る。スタッファー配列は、それが機能または活性を妨げないように、任意の所望される位置で核酸またはカセット中に所在し得る。
いくつかの実施形態において、本開示の核酸またはAAVトランスファーカセットは、スッファー(suffer)配列を含む。いくつかの実施形態において、スッファー(suffer)配列は、イントロン性配列またはそれに由来する配列を含む。いくつかの実施形態において、スタッファー配列は、キメラ配列である。いくつかの実施形態において、スタッファー配列は、α1-抗トリプシンまたはアルブミン等の遺伝子から単離されるかまたはそれに由来する。いくつかの実施形態において、スッファー(suffer)配列は、配列番号:25~27のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列から選択される。
イントロン性配列
いくつかの実施形態において、本開示の核酸及び/またはトランスファーカセットは、イントロン性配列を含み得る。イントロン性配列を含むことにより、効率的な核外輸送及び翻訳のために重要な転写mRNAへ因子を動員することができる。したがって、イントロン性配列を含むことは、イントロン性配列の非存在下における発現と比較して、発現を促進し得る。
いくつかの実施形態において、イントロン性配列は、ハイブリッド配列またはキメラ配列である。いくつかの実施形態において、イントロン性配列は、β-グロビン、トリβ-アクチン、マウス微小ウイルス(MVM)、第IX因子、SV40、及び/またはヒトIgG(重鎖または軽鎖)のうちの1つまたは複数のイントロン性配列から単離されるかまたはそれに由来する。いくつかの実施形態において、イントロン性配列は、配列番号:13~16のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む。
コザック配列
コザック配列は、mRNAの翻訳の効率的な開始を可能にする、真核生物mRNAの翻訳開始部位の周囲を中心とした短い配列である。リボソーム翻訳装置は、コザック配列のコンテキスト中のAUG開始コドンを認識する。
いくつかの実施形態において、本開示のAAVトランスファーカセットは、コザック配列を含み得る。コザック配列は、導入遺伝子の翻訳効率及び全体の発現を促進し得る。コザック配列は、導入遺伝子配列の直ぐ5’に位置するか、または導入遺伝子配列とオーバーラップし得る。
本開示の核酸またはAAVトランスファーカセット中のコザック配列は、コンセンサス配列、またはその修飾バージョンであり得る。コザック配列は、配列番号:17~18もしくは66~70のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含み得る。
核酸及びAAVトランスファーカセット
いくつかの実施形態において、核酸またはアデノ随伴ウイルス(AAV)トランスファーカセットは、エンハンサー、プロモーター、イントロン性配列、コザック配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び/またはスッファー(suffer)配列のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、核酸またはアデノ随伴ウイルス(AAV)トランスファーカセットは、エンハンサー、プロモーター、イントロン性配列、コザック配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び/またはスッファー(suffer)配列のうちの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはアデノ随伴ウイルス(AAV)トランスファーカセットは、5’から3’で、5’逆方向末端反復(ITR)、プロモーター、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、エンハンサー、プロモーター、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、エンハンサー、プロモーター、イントロン性配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、プロモーター、イントロン性配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、ポリAシグナル(逆向き)、プロモーター、イントロン性配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、スタッファー配列、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、スタッファー配列、ポリアデニル化シグナル(逆向き)、プロモーター、イントロン性配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、スタッファー配列、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、スタッファー配列、ポリアデニル化シグナル(逆向き)、プロモーター、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、スタッファー配列、及び3’ITRを含む。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、5’ITR、プロモーター、イントロン性配列、導入遺伝子配列、ポリアデニル化シグナル、スッファー(suffer)配列、及び3’ITRを含む。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、核酸またはAAVトランスファーカセットは、コザック配列をさらに含み得る。コザック配列は、導入遺伝子配列の直ぐ5’に所在し得る。コザック配列は、配列番号:17~18のうちの任意の1つの配列を有し得る。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、表4中で示されるエレメント、またはその任意の部分集合を含む。異なる例示的な核酸またはAAVトランスファーカセットは、表中の各々の行において示される。「x」は、指示されたエレメントが核酸またはAAVトランスファーカセット中に含まれることを示す。
Figure 2022508182000007
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、導入遺伝子配列は、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードし得る。導入遺伝子配列は、例えば配列番号:19または配列番号:20の配列を有し得る。いくつかの実施形態において、導入遺伝子は、配列番号:65の配列を有するFXNタンパク質をコードし得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、5’ITRは配列番号:1の配列を有し、3’ITRは配列番号:2または3の配列を有し得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、エンハンサーは、配列番号:4~5のうちの任意の1つの配列を有し得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、プロモーターは、配列番号:6~12のうちの任意の1つの配列を有し得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、イントロン性配列は、配列番号:13~16のうちの任意の1つの配列を有し得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、ポリアデニル化シグナルは、配列番号:21~24のうちの任意の1つの配列を含み得る。
上記の実施形態のうちの任意のものにおいて、スタッファー配列は、配列番号:25~27のうちの任意の1つの配列を含み得る。
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、5’から3’で、表5中で示されるエレメント及び配列、またはその任意の部分集合を含む。異なる例示的な核酸またはAAVトランスファーカセットは、表の各々の行において示される。表中で提供される番号は、配列番号に対応する。
Figure 2022508182000008

Figure 2022508182000009
いくつかの実施形態において、核酸またはAAVトランスファーカセットは、配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である配列を含む。
本明細書において記載される核酸及びAAVトランスファーカセットは、標準的な分子生物学技法を使用して、ベクター(例えばプラスミドまたはバクミド)の中へ取り込まれ得る。ベクター(例えばプラスミドまたはバクミド)は、AAVの産生の間に使用される1つまたは複数の遺伝子エレメント(例えばAAV rep遺伝子及びcap遺伝子が挙げられる)及びヘルパーウイルスタンパク質配列をさらに含み得る。
組換えAAV及びAAV産生方法
核酸及びAAVトランスファーカセット、ならびに本明細書において記載される核酸及びAAVトランスファーカセットを含むベクター(例えばプラスミド)を使用して、組換えAAVベクターを産生することができる。AAVベクターは、一本鎖ゲノムまたは二本鎖ゲノム(すなわちscAAV)を含み得る。高力価AAV調製物は、当技術分野において公知の技法(標準的な三重トランスフェクションまたはバキュロウイルスによる産生方法等)を使用して産生され得る。
典型的には、AAVベクターの産生のための方法は、4つの構成成分を含み、プラスミドはトランスで作用し、導入遺伝子はシスで作用する。これらの構成成分は、1)カプシド形成及び複製のためのAAV Rep遺伝子及びCap遺伝子を含有するプラスミド、2)アデノウイルスヘルパー遺伝子を含有するプラスミド、3)2つの逆方向末端反復(ITR)によって囲まれた導入遺伝子を含有するカセット、ならびに4)ウイルスパッケージング細胞株を含む。AAVが高感染性であり、ヒト集団の大きなパーセンテージで天然に存在するので、細胞培養及びすべての材料は使用前に一過性の野生型AAV感染について完全に試験され得る。
いくつかの実施形態において、組換えAAVベクターを産生する方法は、AAV産生細胞(例えばHEK293細胞)を、本開示の核酸、AAVトランスファーカセットまたはベクター(例えばプラスミド)と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、AAV産生細胞を、例えばAAV rep遺伝子及びcap遺伝子ならびにヘルパーウイルスタンパク質配列をコードする、1つまたは複数の追加のベクター(例えばプラスミド)と接触させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、AAVが産生されるような条件下でAAV産生細胞を維持することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、組換えAAVベクターを産生する方法は、AAV産生細胞(例えばSf9細胞等の昆虫細胞)を、本開示の核酸またはAAVトランスファーカセットを含む少なくとも1つの昆虫細胞適合性ベクターと接触させることを含む。「昆虫細胞適合性のあるベクター」は、任意の生物学的または化学的な化合物または製剤であり、その製剤は、核酸による昆虫細胞の形質転換またはトランスフェクションを容易にする。いくつかの実施形態において、昆虫細胞適合性ベクターは、バキュロウイルスベクターである。いくつかの実施形態において、方法は、AAVが産生されるような条件下で昆虫細胞を維持することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、AAV産生細胞は、3つのプラスミド:(1)本開示の核酸またはAAVトランスファーカセットを含む第1のプラスミド、(2)AAV rep遺伝子及びcap遺伝子の配列を含む第2のプラスミド、ならびに(3)ヘルパーウイルスタンパク質配列を含む第3のプラスミドによりトランスフェクションされる(例えばトランスフェクション試薬を使用して)。例えば図5を参照されたい。AAV産生細胞は、表2中でリストされる細胞のうちの任意のものであり得る。AAV産生細胞は、後続してAAVが産生されるような条件下で維持され得る。次いでAAVは、標準的な技法(塩化セシウム(CsCl)勾配遠心分離またはカラムクロマトグラフィー技法等)を使用して精製され得る。
産生された組換えAAVベクターは、任意の血清型(例えばAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、及びウシAAV)のカプシドを含み得る。いくつかの実施形態において、産生された組換えAAVベクターは、元のAAVカプシドに比較して、1つまたは複数のアミノ酸修飾(例えば置換及び/または欠失)を備えたカプシドタンパク質を含み得る。例えば、組換えAAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、及びウシAAVに由来する修飾AAVカプシドを含み得る。いくつかの実施形態において、産生されたAAVベクターはAAV9である。いくつかの実施形態において、産生されたAAVベクターはAAV1である。いくつかの実施形態において、産生されたAAVベクターはAAV4である。
組換えAAVベクターを使用して、組換えAAVベクターを標的細胞と接触させることによって、標的細胞を導入遺伝子配列により形質導入することができる。
組成物
本開示の核酸、AAVトランスファーカセット、プラスミド、細胞、または組換えAAVベクターを含む組成物も提供される。いくつかの実施形態において、組成物は液体組成物である。いくつかの実施形態において、組成物は固体組成物である。
いくつかの実施形態において、本開示の核酸、AAVトランスファーカセット、プラスミド、細胞、または組換えAAVベクターを含む医薬組成物が提供される。本開示に記載され且つ本開示に従う使用のための医薬組成物は、核酸、AAVトランスファーカセット、プラスミド、細胞、または組換えAAVベクターに加えて、薬学的に許容される賦形剤、担体、バッファー、安定化物質、または他の材料(例えば希釈物質、アジュバント、充填物質、防腐物質、抗酸化物質、滑沢物質、可溶化物質、界面活性物質(例えば湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤)を含み得る。かかる材料は、好ましくは非毒性でなくてはならない。好適な担体、希釈物質、賦形剤等は、標準的な薬学教科書中で見出され得る。例えばHandbook of Pharmaceutical Additives,2nd Edition(eds.M.Ash and I.Ash),2001(Synapse Information Resources,Inc.,Endicott,New York,USA)、Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th edition,pub.Lippincott,Williams & Wilkins,2000;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients,2nd edition,1994を参照されたい。担体または他の材料の正確な性質は投与経路に依存し、それは経口であり得るか、または注射(例えば皮膚、皮下、または静脈内)によるものであり得る。
経口投与のための医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、または液体の形態であり得る。錠剤は、固体担体またはアジュバントを含み得る。液体医薬組成物は、概して液体担体(水、石油、動物油もしくは植物油、鉱物油、または合成油等)を含む。生理食塩液、デキストロース溶液もしくは他の糖溶液、またはグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコール等)が含まれ得る。カプセルは、ゼラチン等の固体担体を含み得る。
静脈内注射、皮膚注射もしくは皮下注射、または罹患部位での注射のために、医薬組成物は、パイロジェンフリーであり、好適なpH、等張性及び安定性を有する、非経口で許容可能な水溶液の形態であり得る。好適な溶液は、例えば等張のビヒクル(塩化ナトリウム、リンゲル液、及び/または乳酸リンゲル液等)を含み得る。防腐物質、安定化物質、バッファー、抗酸化剤、及び/または他の添加物は、要求に応じて含まれ得る。
治療の方法
本開示のAAVベクター(本開示の核酸またはAAVトランスファーカセットを使用して調製されたAAVベクターを包含する)を使用して、疾患、障害、または他の病態の治療または予防を必要とする対象の疾患、障害、または他の病態を治療するかまたは予防することができる。対象は、哺乳動物または鳥類であり得る。いくつかの実施形態において、哺乳動物は、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、または非ヒト霊長動物である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。ヒトは、小児の対象、成体の対象または高齢者の対象であり得る。
本開示のAAVベクターまたはそれを含む組成物は、インビボまたはエクスビボで細胞と接触させられ得る。次いで細胞は、細胞中での導入遺伝子の発現のために十分な条件下で維持され得る。
本開示のAAVベクターまたはそれを含む組成物は、それを必要とする対象へ投与され得る。投与は、当技術分野において公知の任意の手段によるものであり得る。任意選択で、ウイルスベクター及び/または組成物は、薬学的に許容される担体中で治療有効性のある用量で送達される。いくつかの実施形態において、治療有効性のある用量のウイルスベクター及び/または組成物が送達される。
対象へ投与されるウイルスベクター及び/または組成物の投薬は、投与モード、治療及び/または予防される疾患または病態、個別の対象の病態、特定のウイルスベクターまたは組成物、送達される核酸、ならびに同種のものに依存し、ルーチンの方式で決定され得る。治療有効性の達成のための例示的な用量は、少なくとも約10、少なくとも約10、少なくとも約10、少なくとも約10、少なくとも約10、少なくとも約1010、少なくとも約1011、少なくとも約1012、少なくとも約1013、少なくとも約1014、少なくとも約1015の形質導入単位、任意選択で約10~約1013の形質導入単位の力価である。
特定の実施形態において、2回以上の投与(例えば2、3、4回以上の投与)を用いて、様々な間隔の期間(例えば1日、1週、1か月、1年間等)にわたって所望されるレベルの遺伝子発現を達成することができる。
例示的な投与モードとしては、経口、直腸、経粘膜、鼻腔内、吸入(例えばエアロゾルを経由して)、頬側(例えば舌下)、膣、髄腔内、眼内、経皮、子宮内(または卵内)、非経口(例えば静脈内、皮下、皮内、筋肉内(骨格筋、横隔膜筋、及び/または心筋への投与を包含する)、皮内、胸膜腔内、大脳内、及び関節内)、局所(例えば気道表面及び経皮投与を包含する、皮膚及び粘膜表面の両方への)、リンパ管内、及び同種のもの、そして組織または器官の直接的注射(例えば肝臓、骨格筋、心筋、横隔膜筋、または脳への)が挙げられる。投与は、腫瘍へ(例えば腫瘍またはリンパ節中でまたはその付近)のものでもあり得る。所与の事例における最も好適な経路は、治療及び/または予防されている病態の性質及び重症度、ならびに使用されている特定のベクターの性質に依存するだろう。
いくつかの実施形態において、AAVベクターまたは当該ベクターを含む組成物は、心臓の組織または中枢神経系(CNS)組織への直接注射によって投与され得る。いくつかの実施形態において、AAVベクターまたは当該ベクターを含む組成物は、頭蓋内に送達され得る(髄腔内、神経内、大脳内、または脳室内の投与を包含する)。いくつかの実施形態において、AAVベクターまたは当該ベクターを含む組成物は、心外膜注射その後の小開胸術による、冠状動脈内注射による、または心内膜心筋注射による心筋への直接投与によって、心臓へ送達され得る。
標的組織への送達も、ウイルスベクター及び/またはカプシドを含むデポーの送達によって達成され得る。代表的な実施形態において、ウイルスベクター及び/またはカプシドを含むデポーは、骨格筋、心筋、及び/または横隔膜筋の組織の中へ埋め込まれるか、あるいは組織は、ウイルスベクター及び/またはカプシドを含むフィルムまたは他のマトリックスと接触させられ得る。かかる埋め込み可能なマトリックスまたは基質は米国特許第7,201,898号中で記載される。
AAVの投与は、標的の細胞または組織における着実且つ持続的な導入遺伝子の発現をもたらし得る。例えば、導入遺伝子発現は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも12か月、少なくとも24か月、少なくとも36か月、またはそれより長い間持続し得る。
いくつかの実施形態において、治療を必要とする対象を治療する方法は、治療有効量の本開示の、核酸、AAVトランスファーカセット、プラスミド、細胞、または組換えAAVを対象へ投与することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、ヒト対象である。いくつかの実施形態において、対象は、フリードライヒ運動失調症を患う。投与は、対象のCNSの組織(例えば神経組織)または心臓組織中での治療有効量のFXNタンパク質の発現をもたらし得る。
いくつかの実施形態において、投与は、フリードライヒ運動失調症の1つまたは複数の症状の軽減をもたらし得る。例えば、投与は、(1)対象の腕及び脚における協調(運動失調)を改善するか、(2)対象におけるエネルギーレベルを増加する及び/または疲労及び筋力の喪失を減少させるか、(3)対象における視覚、聴力喪失、または発話を改善するか、(3)脊柱側弯症またはその進行速度を減少させるか、(4)糖尿病の症状(インスリン感受性等)を改善するか、あるいは(5)心臓の病態(肥大型心筋症または不整脈等)を寛解するだろう。治療に起因する対象における改善は、治療前の対象に比較したか、またはフリードライヒ運動失調症の有る典型的な対象に比較した、改善であり得る。
いくつかの実施形態において、投与は、対象の寿命の延長をもたらし得る。例えば、投与は、フリードリヒの運動失調症を有する典型的な対象に比較して、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、約5~10年、10年超対象の寿命を延長し得る。
以下の実施例は、例示の目的のみのために本明細書において含まれ、限定することは意図されない。
実施例1:哺乳動物細胞における組換えAAVベクターの調製
3つのプラスミドを提供する。第1のプラスミドは、2つのITR(配列番号:1、配列番号:2または3)が近接するヒトフラタキシンをコードするcDNA(配列番号:19または20)を含むトランスファーカセットを含み、配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列を有する。第2のプラスミドは、Rep遺伝子及びCap遺伝子をコードする配列を含む。第3のプラスミドは、AAV産生のために要求される様々な「ヘルパー」配列(E4、E2a、及びVA)を含む。
3つのプラスミドを、適切なトランスフェクション試薬(例えばLipofectamine(商標))を使用して、ウイルス産生細胞(例えばHEK293)の中へトランスフェクションする。37℃でのあらかじめ決定した時間の期間のインキュベーション後に、AAV粒子を培地から収集するか、または細胞を溶解してAAV粒子を放出させる。次いでAAV粒子を精製し、力価測定し、後の使用のために-80℃で保存することができる。
実施例2:昆虫細胞における組換えAAVベクターの調製
第1の組換えバキュロウイルスベクターを提供する。第1の組換えバキュロウイルスベクターは、2つのITR(配列番号:1、配列番号:2または3)が近接するヒトフラタキシンをコードするcDNA(配列番号:19または20)を含むトランスファーカセット配列を含み、トランスファーカセットは配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列を有する。
昆虫細胞(例えばSf9)を、第1の組換えバキュロウイルスベクター、ならびにAAV Rep遺伝子及びCapタンパク質をコードする配列を含む少なくとも1つの追加の組換えバキュロウイルスベクターにより懸濁培養中で共感染させる。28℃でのあらかじめ決定した時間の期間のインキュベーション後に、AAV粒子を培地から収集するか、または細胞を溶解してAAV粒子を放出させる。次いでAAV粒子を精製し、力価測定し、後の使用のために-80℃で保存することができる。
実施例3:組換えAAVパッケージングFXN導入遺伝子は、インビボで心臓細胞を形質導入し、FXN欠損マウスの寿命を延長する。
ヒトFXN導入遺伝子を含むAAVトランスファーカセット(配列番号:32)を含むプラスミドを、標準的なクローニング技法を使用して調製した(FXNプラスミド)。FXNプラスミド、AAV Rep遺伝子及びCap(AAV9)遺伝子をコードする配列を含む第2のプラスミド、ならびにAAVヘルパー配列をコードする配列を含む第3のプラスミドを含む組成物を調製及び使用して、標準的な「三重トランスフェクション」プロトコールを使用して、HEK293細胞をトランスフェクションする。HEK293細胞を標準的な培養条件(37℃、5%のCO)下で維持して、組換え自己相補的AAV9ベクターの産生を可能にした。この手順を複数回反復し、AAV9ベクター収率をddPCR(登録商標)を使用して定量した。図1中で示されるように、各々の実行におけるFXN導入遺伝子(AAV9-FXN)をパッケージングするAAV9の収率は、1013~1014ベクターゲノムの間であった。
組換えAAV9-FXNを使用して、培養におけるLec2細胞を形質導入した。図4は、AAV9-FXNの様々な用量を形質導入した、培養Lec2細胞におけるヒトFXN(ng/mg)の発現を示す。hFXNのより高い発現が、ベクターのより高用量の使用で観察された。
組換えAAV9-FXNを使用して、心臓及び骨格筋中のFXNを欠如するマウス(FXNflox/floxMCKCre)も感染させた。マウスを、食塩水またはAAV9-FXN(5×1013vg/kg)のいずれかにより3週齢で処理し、生存をモニターした。図2中で示されるように、AAV9-FXNによる処理は、寿命を有意に増加させた。食塩水を注射したマウスの生存期間中央値は64日であるが、AAV9-FXNを注射したマウスの生存期間中央値は138.5日であった。
分離した実験において、FXN欠損マウスを、食塩水、または低用量もしくは高用量のAAV9-FXN(それぞれ1×1013または5×1013vg/kg)のいずれかにより3週齢で処理した。マウスを処理後3週間で屠殺し、心臓組織を分析した。図3A中で示されるように、ヒトFXN(hFXN)DNAは、AAV9-FXN処理マウスからの心臓組織において検出可能であった。hFXN DNAは、RNAへ転写され(図3B)、タンパク質へと翻訳された(図3C)。より高用量のAAV9-FXNは、心臓サンプルにおいてより高いレベルのFXN DNA、RNA、及びタンパク質を導いた。
総合すると、これらのデータから、FXN導入遺伝子を含む本開示のAAVトランスファーカセットを使用して、組換えAAVベクターを産生することができ、対象の細胞をインビボで形質導入することができることが示される。
番号付けされた実施形態
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、以下の番号付けされた本開示の実施形態を記載する。
1.5’から3’で、5’逆方向末端反復(ITR);プロモーター;導入遺伝子配列;ポリアデニル化シグナル;及び3’ITRを含み;前記導入遺伝子配列が、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードする、核酸。
2.前記5’ITR及び前記3’ITRのうちの少なくとも1つが、約110~約160ヌクレオチドの長さである、実施形態1の核酸。
3.前記5’ITRが、前記3’ITRと同じ長さである、実施形態1または2の核酸。
4.前記5’ITR及び前記3’ITRが、異なる長さを有する、実施形態1または2の核酸。
5.前記5’ITR及び前記3’ITRのうちの少なくとも1つが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVのゲノムから単離されるかまたはそれに由来する、実施形態1~4のうちの任意の1つの核酸。
6.前記5’ITRが、配列番号:1の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1の核酸。
7.前記3’ITRが、配列番号:2の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1~6のうちの任意の1つの核酸。
8.前記3’ITRが、配列番号:3の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1~7のうちの任意の1つの核酸。
9.前記プロモーターが、前記導入遺伝子の発現を駆動する、実施形態1~8のうちの任意の1つの核酸。
10.前記プロモーターが、構成的プロモーターである、実施形態1~9のうちの任意の1つの核酸。
11.前記プロモーターが、誘導可能プロモーターである、実施形態1~9のうちの任意の1つの核酸。
12.前記プロモーターが、組織特異的プロモーターである、実施形態1~11のうちの任意の1つの核酸。
13.前記プロモーターが、CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ポリヘドリンプロモーター、トリβ-アクチン(CBA)プロモーター、EF-1αプロモーター、EF-1α短プロモーター、EF-1αコアプロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)プロモーター、GUSB240プロモーター、GUSB379プロモーター、及びホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターからなる群から選択される、実施形態1~12のうちの任意の1つの核酸。
14.前記プロモーターが、トリβ-アクチン(CBA)プロモーターである、実施形態13の核酸。
15.前記プロモーターが、EF-1αプロモーター、EF-1α短プロモーター、またはEF-1αコアプロモーターである、実施形態13の核酸。
16.前記プロモーターが、GUSB240プロモーターである、実施形態13の核酸。
17.前記プロモーターが、GUSB379プロモーターである、実施形態13の核酸。
18.前記プロモーターが、PGKプロモーターである、実施形態13の核酸。
19.前記プロモーターが、配列番号:6~12のうちの任意の1つから選択される配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1~12のうちの任意の1つの核酸。
20.前記FXNタンパク質が、ヒトFXNタンパク質である、実施形態1~19のうちの任意の1つの核酸。
21.前記FXNタンパク質が、配列番号:65の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を有する、実施形態1~20のうちの任意の1つの核酸。
22.前記導入遺伝子配列が、CpG最適化される、実施形態1~21のうちの任意の1つの核酸。
23.前記導入遺伝子配列が、配列番号:19もしくは20、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1~21のうちの任意の1つの核酸。
24.前記核酸が、前記導入遺伝子配列の直ぐ5’にコザック配列を含む、実施形態1~24のうちの任意の1つの核酸。
25.前記コザック配列が、配列番号:17もしくは18の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態24の核酸。
26.前記ポリアデニル化シグナルが、シミアンウイルス40(SV40)、ヒトα-グロビン、ウサギα-グロビン、ヒトβ-グロビン、ウサギβ-グロビン、ヒトコラーゲン、ポリオーマウイルス、ヒト成長ホルモン(hGH)、及びウシ成長ホルモン(bGH)のポリアデニル化シグナルから選択される、実施形態1~25のうちの任意の1つの核酸。
27.前記ポリアデニル化シグナルが、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルである、実施形態26の核酸。
28.前記ポリアデニル化シグナルが、ヒト成長ホルモンポリアデニル化シグナルである、実施形態26の核酸。
29.前記ポリアデニル化シグナルが、ヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルである、実施形態26の核酸。
30.前記ポリアデニル化シグナルが、ウサギβ-グロビンポリアデニル化シグナルである、実施形態26の核酸。
31.前記ポリアデニル化シグナルが、配列番号:21~24のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1~25のうちの任意の1つの核酸。
32.前記核酸が、エンハンサーをさらに含む、実施形態1~31のうちの任意の1つの核酸。
33.前記エンハンサーが、CMVエンハンサーである、実施形態32の核酸。
34.前記エンハンサーが、配列番号:4もしくは5の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態32の核酸。
35.前記カセットが、イントロン性配列をさらに含む、実施形態1~34のうちの任意の1つの核酸。
36.前記イントロン性配列が、キメラ配列である、実施形態35の核酸。
37.前記イントロン性配列が、ハイブリッド配列である、実施形態35の核酸。
38.前記イントロン性配列が、β-グロビン、トリβ-アクチン、マウス微小ウイルス及びヒトIgGのうちの1つまたは複数のイントロン性配列から単離されるかまたはそれに由来する配列を含む、実施形態35の核酸。
39.前記イントロン性配列が、配列番号:13~16のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態35の核酸。
40.前記核酸が、少なくとも1つのスタッファー配列をさらに含む、実施形態1~39のうちの任意の1つの核酸。
41.前記核酸が、2つのスタッファー配列を含む、実施形態40の核酸。
42.前記少なくとも1つのスタッファー配列が、配列番号:25~27のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態40の核酸。
43.前記核酸が、配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、実施形態1の核酸。
44.実施形態1~43のうちの任意の1つの核酸を含む、プラスミド。
45.実施形態1~43のうちの任意の1つの核酸または実施形態44のプラスミドを含む、細胞。
46.組換えAAVベクターを産生する方法であって、AAV産生細胞を、実施形態1~43のうちの任意の1つの核酸または実施形態44のプラスミドと接触させることを含む、前記方法。
47.実施形態46の方法によって産生される、組換えAAVベクター。
48.前記組換えAAVベクターが、一本鎖AAV(ssAAV)である、実施形態47の組換えAAVベクター。
49.前記組換えAAVベクターが、自己相補的AAV(scAAV)である、実施形態47の組換えAAVベクター。
50.前記組換えAAVベクターが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVからのカプシドタンパク質を含む、実施形態47~49のうちの任意の1つの組換えAAVベクター。
51.前記AAVベクターが、野生型AAVカプシドタンパク質に比較して、1つまたは複数の置換または変異を備えたカプシドタンパク質を含む、実施形態47~49のうちの任意の1つの組換えAAVベクター。
52.実施形態1~43のうちの任意の1つの核酸、実施形態44のプラスミド、実施形態45の細胞、または実施形態47~51のうちの任意の1つの組換えAAVベクターを含む、組成物。
53.治療有効量の実施形態1~43のうちの任意の1つの核酸、実施形態44のプラスミド、実施形態45の細胞、または実施形態47~41のうちの任意の1つの組換えAAVベクターを治療を必要とする対象へ投与することを含む、前記対象を治療する方法。
54.前記対象が、フリードライヒ運動失調症を有する、実施形態53の方法。
55.前記対象が、ヒト対象である、実施形態53または54の方法。
56.前記核酸、前記プラスミド、前記細胞、または前記組換えAAVベクターが、中枢神経系への直接注射によって投与される、実施形態53~55のうちの任意の1つの方法。
前述のものは本発明の例示であり、その限定として解釈されるべきでない。本発明は、その中に含まれる請求項の均等物と共に、以下の請求項によって定義される。

Claims (56)

  1. 5’から3’で、
    5’逆方向末端反復(ITR);
    プロモーター;
    導入遺伝子配列;
    ポリアデニル化シグナル;及び
    3’ITRを含み;
    前記導入遺伝子配列が、フラタキシン(FXN)タンパク質をコードする、核酸。
  2. 前記5’ITR及び前記3’ITRのうちの少なくとも1つが、約110~約160ヌクレオチドの長さである、請求項1に記載の核酸。
  3. 前記5’ITRが、前記3’ITRと同じ長さである、請求項1または2に記載の核酸。
  4. 前記5’ITR及び前記3’ITRが、異なる長さを有する、請求項1または2に記載の核酸。
  5. 前記5’ITR及び前記3’ITRのうちの少なくとも1つが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVのゲノムから単離されるかまたはそれに由来する、請求項1~4のいずれか1項に記載の核酸。
  6. 前記5’ITRが、配列番号:1の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1に記載の核酸。
  7. 前記3’ITRが、配列番号:2の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の核酸。
  8. 前記3’ITRが、配列番号:3の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸。
  9. 前記プロモーターが、前記導入遺伝子の発現を駆動する、請求項1~8のいずれか1項に記載の核酸。
  10. 前記プロモーターが、構成的プロモーターである、請求項1~9のいずれか1項に記載の核酸。
  11. 前記プロモーターが、誘導可能プロモーターである、請求項1~9のいずれか1項に記載の核酸。
  12. 前記プロモーターが、組織特異的プロモーターである、請求項1~11のいずれか1項に記載の核酸。
  13. 前記プロモーターが、CMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ポリヘドリンプロモーター、トリβ-アクチン(CBA)プロモーター、EF-1αプロモーター、EF-1α短プロモーター、EF-1αコアプロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)プロモーター、GUSB240プロモーター、GUSB379プロモーター、及びホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーターからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載の核酸。
  14. 前記プロモーターが、トリβ-アクチン(CBA)プロモーターである、請求項13に記載の核酸。
  15. 前記プロモーターが、EF-1αプロモーター、EF-1α短プロモーター、またはEF-1αコアプロモーターである、請求項13に記載の核酸。
  16. 前記プロモーターが、GUSB240プロモーターである、請求項13に記載の核酸。
  17. 前記プロモーターが、GUSB379プロモーターである、請求項13に記載の核酸。
  18. 前記プロモーターが、PGKプロモーターである、請求項13に記載の核酸。
  19. 前記プロモーターが、配列番号:6~12のうちの任意の1つから選択される配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の核酸。
  20. 前記FXNタンパク質が、ヒトFXNタンパク質である、請求項1~19のいずれか1項に記載の核酸。
  21. 前記FXNタンパク質が、配列番号:65の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を有する、請求項1~20のいずれか1項に記載の核酸。
  22. 前記導入遺伝子配列が、CpG最適化される、請求項1~21のいずれか1項に記載の核酸。
  23. 前記導入遺伝子配列が、配列番号:19もしくは20、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の核酸。
  24. 前記核酸が、前記導入遺伝子配列の直ぐ5’にコザック配列を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の核酸。
  25. 前記コザック配列が、配列番号:17もしくは18の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項24に記載の核酸。
  26. 前記ポリアデニル化シグナルが、シミアンウイルス40(SV40)、ヒトα-グロビン、ウサギα-グロビン、ヒトβ-グロビン、ウサギβ-グロビン、ヒトコラーゲン、ポリオーマウイルス、ヒト成長ホルモン(hGH)、及びウシ成長ホルモン(bGH)のポリアデニル化シグナルから選択される、請求項1~25のいずれか1項に記載の核酸。
  27. 前記ポリアデニル化シグナルが、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルである、請求項26に記載の核酸。
  28. 前記ポリアデニル化シグナルが、ヒト成長ホルモンポリアデニル化シグナルである、請求項26に記載の核酸。
  29. 前記ポリアデニル化シグナルが、ヒトβ-グロビンポリアデニル化シグナルである、請求項26に記載の核酸。
  30. 前記ポリアデニル化シグナルが、ウサギβ-グロビンポリアデニル化シグナルである、請求項26に記載の核酸。
  31. 前記ポリアデニル化シグナルが、配列番号:21~24のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1~25のいずれか1項に記載の核酸。
  32. 前記核酸が、エンハンサーをさらに含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の核酸。
  33. 前記エンハンサーが、CMVエンハンサーである、請求項32に記載の核酸。
  34. 前記エンハンサーが、配列番号:4もしくは5の配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項32に記載の核酸。
  35. 前記カセットが、イントロン性配列をさらに含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の核酸。
  36. 前記イントロン性配列が、キメラ配列である、請求項35に記載の核酸。
  37. 前記イントロン性配列が、ハイブリッド配列である、請求項35に記載の核酸。
  38. 前記イントロン性配列が、β-グロビン、トリβ-アクチン、マウス微小ウイルス及びヒトIgGのうちの1つまたは複数のイントロン性配列から単離されるかまたはそれに由来する配列を含む、請求項35に記載の核酸。
  39. 前記イントロン性配列が、配列番号:13~16のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項35に記載の核酸。
  40. 前記核酸が、少なくとも1つのスタッファー配列をさらに含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の核酸。
  41. 前記核酸が、2つのスタッファー配列を含む、請求項40に記載の核酸。
  42. 前記少なくとも1つのスタッファー配列が、配列番号:25~27のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項40に記載の核酸。
  43. 前記核酸が、配列番号:28~64のうちの任意の1つの配列、またはそれに少なくとも95%同一である配列を含む、請求項1に記載の核酸。
  44. 請求項1~43のいずれか1項に記載の核酸を含む、プラスミド。
  45. 請求項1~43のいずれか1項に記載の核酸または請求項44に記載のプラスミドを含む、細胞。
  46. 組換えAAVベクターを産生する方法であって、AAV産生細胞を、請求項1~43のいずれか1項に記載の核酸または請求項44に記載のプラスミドと接触させることを含む、前記方法。
  47. 請求項46に記載の方法によって産生される、組換えAAVベクター。
  48. 前記組換えAAVベクターが、一本鎖AAV(ssAAV)である、請求項47に記載の組換えAAVベクター。
  49. 前記組換えAAVベクターが、自己相補的AAV(scAAV)である、請求項47に記載の組換えAAVベクター。
  50. 前記組換えAAVベクターが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAVrh32.33、AAVrh74、トリAAV、またはウシAAVからのカプシドタンパク質を含む、請求項47~49のいずれか1項に記載の組換えAAVベクター。
  51. 前記AAVベクターが、野生型AAVカプシドタンパク質に比較して、1つまたは複数の置換または変異を備えたカプシドタンパク質を含む、請求項47~49のいずれか1項に記載の組換えAAVベクター。
  52. 請求項1~43のいずれか1項に記載の核酸、請求項44に記載のプラスミド、請求項45に記載の細胞、または請求項47~51のいずれか1項に記載の組換えAAVベクターを含む、組成物。
  53. 治療有効量の請求項1~43のいずれか1項に記載の核酸、請求項44に記載のプラスミド、請求項45に記載の細胞、または請求項47~41のいずれか1項に記載の組換えAAVベクターを治療を必要とする対象へ投与することを含む、前記対象を治療する方法。
  54. 前記対象が、フリードライヒ運動失調症を有する、請求項53に記載の方法。
  55. 前記対象が、ヒト対象である、請求項53または54に記載の方法。
  56. 前記核酸、前記プラスミド、前記細胞、または前記組換えAAVベクターが、中枢神経系への直接注射によって投与される、請求項53~55のいずれか1項に記載の方法。
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