JP2022505645A - 複素環キナーゼ阻害剤及びその使用 - Google Patents

複素環キナーゼ阻害剤及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2022505645A
JP2022505645A JP2021522057A JP2021522057A JP2022505645A JP 2022505645 A JP2022505645 A JP 2022505645A JP 2021522057 A JP2021522057 A JP 2021522057A JP 2021522057 A JP2021522057 A JP 2021522057A JP 2022505645 A JP2022505645 A JP 2022505645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
group
compound
ethyl
independently selected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021522057A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020083926A5 (ja
Inventor
ゼーンヘーン,ペーター
マイアー-エヴェルト,セバスチャン
カーンデルワル,ニシテ
バンクロフト,デイヴィッド
Original Assignee
イオックス セラピューティクス アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イオックス セラピューティクス アーゲー filed Critical イオックス セラピューティクス アーゲー
Publication of JP2022505645A publication Critical patent/JP2022505645A/ja
Publication of JPWO2020083926A5 publication Critical patent/JPWO2020083926A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

Figure 2022505645000001
本発明は、キナーゼ阻害剤に関連する、特に、タンパク質チロシンキナーゼLCH、ABL、SRC、KIT、SIK-ファミリー及び/又はその変異体をふくむタンパク質キナーゼの阻害剤に関連する。構造的に、ダサチニブに類似するが、本発明のキナーゼ阻害剤は、ダサチニブとは異なる一つ以上のある特性を示すことができる。また、本発明は、一つ以上のキナーゼ阻害剤を含む医薬組成物に関する。本発明のキナーゼ阻害剤又はその医薬組成物は、増殖性疾患、例えば、白血病若しくは固形癌、のような疾患若しくは症状の処置に使用できる。本発明のキナーゼ阻害剤又はその医薬組成物は、相当する疾患に対し、ダサチニブで使われるのとは、同じ若しくは異なる、治療レジメンで、使用可能である。特に、免疫チェックポイント阻害剤のような、一つ以上の付加的治療剤と共に、組み合わせ的治療レジメンで使用できる。

Description

本発明は、キナーゼ阻害剤、特にタンパク質-チロシンキナーゼLCK、ABL、SRC、KIT、SIKファミリ-及び/又はそれらの変異体を含むタンパク質キナーゼの阻害剤に関する。ダサチニブと構造的に類似しているが、本発明のキナーゼ阻害剤は、ダサチニブとは異なる1若しくは複数の特定の特性を示し得る。また、本発明は、1若しくは複数のキナーゼ阻害剤を含む医薬組成物に関する。本発明のキナーゼ阻害剤又は医薬組成物は、増殖性障害、例えば白血病又は固形腫瘍などの障害又は症状の治療に使用することができる。キナーゼ阻害剤又は医薬組成物は、対応する障害のためにダサチニブとともに使用されるものに対応する、類似する、又はそれとは異なる治療レジメンで使用することができ、特に、免疫チェックポイント阻害剤などの1つ又は複数の追加の治療薬と併用治療レジメンで使用することができる。
キナーゼ阻害薬は、キナーゼの作用を阻害する酵素阻害薬である。このようなキナーゼの部分的、非限定的なリストには、AB1AKT,BCR-ABL,BLK,BRK,c-KIT,c-MET, CDK1,CDK2, CDK3, CDK4,CDK5,CDK6, CDK7,CDK8,CDK9,CDK10,cRAFl,CSK, EGFR,ERBB2, ERBB3,ERBB4, ERK,PAK,FES,FGFR1,FGFR2,FGFR3,FGFR4, FGFR5,FGR, FIT-1,FPS, FRK, FYN,HCK, IGF-1R,INS-R,JAK,KDR,LCK,LYN,MEK, p38, PDGFR,PIK, PKC,PYK2, ROS, SIK1,SIK2,SIK3,SRC,TIE,TIE2,TRK 及び ZAP70が含まれる。
キナーゼは、タンパク質又は他の有機分子にリン酸基を付加する酵素であり、細胞シグナル伝達、増殖、分化、代謝、生存、細胞死、運動性、DNA損傷修復などのほとんどの細胞機能において重要な調節因子であることが示されている。リン酸化、特に、タンパク質リン酸化の制御欠損による脱調節シグナル伝達は、キナーゼの異常な活性(例えば、活性の増加)に関連する疾患など、広範囲の疾患に関係している。このような疾患としては、アレルギ-及びCNS障害と同様に、増殖性疾患(例えば、癌、良性新生物、病的血管新生、炎症性疾患、及び自己免疫疾患)が挙げられるが、これらに限定されない。
タンパク質-チロシンキナーゼ(PTK)は、基質としてのATPと連動して、ペプチド及び蛋白質のチロシン残基をリン酸化する酵素である。
PTKは、特に、上皮成長因子キナーゼファミリ-のメンバ-(例えば、HER1及びHER2)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び血管新生において役割を果たすキナーゼ(例えば、TIE2及びKDR)を含む、受容体タンパク質チロシンキナーゼ(RPTK)を包含し、ならびに加えて、SYK、JAK及びSRCキナーゼファミリ-のメンバ-(例えば、SRC、FYN、LYN、LCK及びBLKキナーゼ)を含む、非受容体タンパク質チロシンキナーゼを含む。 タンパク質セリン/トレオニンキナーゼ(STK)は、ペプチドやタンパク質のセリンあるいはトレオニン側鎖の酸素原子をリン酸化する酵素である。STKは、特に、AKT1、オ-ロラキナーゼ、BRAF、MAPキナーゼ、PLK1、SIK1、SIK2及びSIK3を含む。
タンパク質キナーゼの阻害、したがって基質ペプチド又はタンパク質のリン酸化は、多くの疾患の治療に有用であることが示されている。
例えば、
ERBB阻害剤であるアファチニブは、非小細胞肺癌の治療に有用である;
VEGFR、PDGFR、c-KIT阻害剤であるアキシチニブは、腎細胞癌の治療に有用である;
ABL/BCR-ABL阻害剤であるボスチニブは、慢性骨髄性白血病の治療に有用である;
c-MET及びVEGFR2阻害剤であるカボザンチニブは、甲状腺癌の治療に有用である;
ALK、HGFR、及びc-MET阻害剤であるクリゾチニブは、非小細胞肺癌の治療に有用である;
ABL/BCR-ABL、SRC、c-KIT阻害薬であるダサチニブは、慢性骨髄性白血病の治療に有用である;
EGFR阻害薬であるエルロチニブは、非小細胞肺癌及び膵癌の治療に有用である;
EGFR阻害薬であるゲフィチニブは、非小細胞肺癌の治療に有用である;
ABL/BCR-ABL阻害剤であるイマチニブは、慢性骨髄性白血病の治療に有用である;
HER2阻害剤であるラパチニブは、乳癌の治療に有用である;
ABL/BCR-ABL阻害剤であるニロチニブは、慢性骨髄性白血病の治療に有用である;
VEGFR、PDGFR及びc-KIT阻害剤であるパゾパニブは、腎細胞癌及び軟部肉腫の治療に有用である;
CDK4及びCDK6の阻害剤であるパルボシクリブは、ER陽性及びHER2陰性乳癌の治療に有用である;
ABL/BCR-ABL、BEGFR、PDGFR、FGFR、EPH、SRC、c-KIT、RET、TIE2、FLT3阻害剤であるポナチニブは、慢性骨髄性白血病及び急性リンパ芽球性白血病の治療に有効である;
RET、VEGFR、及びPDGFR阻害剤であるレゴラフェニブは、直腸癌及び消化管間質腫瘍の治療に有用である;
サイクリンD1/CDK4及びCDK6の阻害剤であるリボシクリブは、HR陽性、HER2陰性の進行性又は転移性乳癌の治療に有用である;
JAK阻害薬のルキソリチニブは、骨髄線維症の治療に有用である;
VEGFR、PDGFR、BRAF、c-KIT阻害薬のソラフェニブは、腎細胞癌や肝細胞癌の治療に有用である;
VEGFR及びPDGFR阻害剤であるスニチニブは、腎細胞がん、消化管間質腫瘍、及び膵神経内分泌腫瘍の治療に有用である;
JAK阻害剤トファシチニブは、関節リウマチの治療に有用である;
VEGFR、EGFR、RET及びBRK阻害薬のバンデタニブは、甲状腺癌の治療に有用である;そして、BRAF阻害薬のベムラフェニブは、悪性黒色腫の治療に有用である。
多数のキナーゼ及び関連する疾患を考慮すると、関連する疾患の治療に有用であり得る種々なキナーゼに選択的な新しい阻害剤に対する既存のニ-ズが存在する; 特に、1若しくは複数のキナーゼの異常な活性に関連する疾患の治療のための新しいキナーゼ阻害剤、医薬組成物/製剤及びそれらの使用に対するニ-ズが依然として存在する; 特に、ダサチニブのような既存のキナーゼ阻害剤の代替である新しい阻害剤に対するニ-ズが依然として存在する。
1つの特定のキナーゼ阻害剤は、Bristol-MyersSquibbによって「SPRYCEL」として市販されているダサチニブ(N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]-2-メチル-4-ピリミジニル]アミノ]-5-チアゾールカルボキサミド、一水和物(図1(A))であり、(i)新たに診断された、慢性症状の、フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病(CML);(ii)イマチニブを含む治療前に耐性又は不耐性を示す、慢性、亢進性、又は骨髄性又はリンパ性急性期(Ph+)CML;及び(iii)治療前に耐性又は不耐性を示すフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)での成人患者の処置に処方される。。
EUでは、ダサチニブが、慢性期の初診断のPh+ CML(Ph+ CML-CP)又はイマチニブを含む前処理に抵抗性又は不耐容のPh+ CML-CPの小児患者の処置にも適応とされ、米国では慢性期のPh+ CMLの小児患者にも適応とされている。
特に、ダサチニブについては多くの試験が実施されているにもかかわらず、米国及び欧州ではCML及びPh+ ALL以外の癌に対する適応は認められておらず、特に2018年9月現在、ダサチニブは固形癌に対する適応を有していない。実際、ダサチニブを用いて固形腫瘍の治療への使用の可能性を検討した多数の臨床試験は、(毒性の問題などにより)早期に中止されたか、強力な結果や有望な結果さえ報告されなかった。例えば、2018年9月~9月のclincialtrials.govに関する情報によれば、ダサチニブは、固形腫瘍に対する第3相試験に1回しか到達していない:
去勢抵抗性前立腺癌に対するドセタキセルとの併用の単一試験では「READY」試験(NCT00744497)であるが、ダサチニブは、初期段階臨床試験(例えば、Araujoら、2012年、Cancer118:63)で化学療法未経験去勢抵抗性前立腺に対する活性を示唆するもの、このような試験(Araujoら、2013年、1ancetOncol.14:13017)ではドセタキセル単独よりも全生存率を改善することができなかった。
乳癌、皮膚癌、膵癌、脳癌又は肺癌などの他の癌に対するいくつかの試験にもかかわらず、ダサチニブは満足のいく有効性又は忍容性を示しておらず、これらの癌のいずれに対しても第3相試験に進んでいない。特に最近では、局所進行切除不能膵臓患者を対象とした二重盲検フェ-ズ2試験において、ダサチニブは、ゲムシタビン単独と比較してゲムシタビンとの併用で全生存期間の延長を示すことができなかった(Evensら 2017, Annal. Onc.28:354)。しかしながら、最近では特定の薬物標的を発現する特定の癌(固形腫瘍を含む)を有する患者に対する選択された「標的化」治療を目的とするいくつかの専門的な試験が患者の標的プロファイルに応じてダサチニブを試験する可能性がある。例えば、(i)「tapur」試験(「標的薬剤及びプロファイル解析利用登録」、https://www.tapur.org、NCT02693535)には以下の標的の1若しくは複数に基づいて、1つの可能な治療群におけるダサチニブが含まれる: BCR-ABL、SRC、KIT、PDGFRB、EPHA2、FYN、LCK、YES1;及び(ii)BRAF及びNRAS野生型の切除不能なIII期又はIV期の転移性黒色腫で、標準治療(一般的には免疫療法)を受けて進行したか、受けられない患者を対象としたメラノ-マ研究所のオーストラリアの試験(NCT02645149)では、患者の癌に認められるKIT突然変異に応じた1つの可能な治療法としてダサチニブが含まれている。
ダサチニブは、BMSの「FRACTION-lung」のフェ-ズ2試験(NCT02750514)のひとつの治療群でもあり、進行非小細胞肺癌患者を対象に、免疫腫瘍薬ニボルマブとの併用試験が行われる可能性がある。この試験の他の治療群では、ニボルマブを他の免疫腫瘍薬と併用使用している。
したがって、癌特に、ダサチニブが適応されない固形腫瘍及び/又はダサチニブが有望な結果を示していない癌の治療に有用な新しいキナーゼ阻害剤が特に必要とされている。
特に、メラノ-マと同様に、乳癌、肺癌(例えば、非小細胞癌)、膵臓又は前立腺癌(例えば、去勢癌又はホルモン抵抗性)癌などの1若しくは複数の癌の治療に有用な新しいキナーゼ阻害剤が必要とされている。また、白血病のような骨髄性又はリンパ芽球性癌の治療に有用な、好ましくは、CML及び/又はALLのような1若しくは複数のPh+白血病の治療に有用な、新しいキナーゼ阻害剤の必要性も依然として存在する。
ダサチニブは、ナノモル濃度で以下のキナーゼの阻害剤として記載されている: BCR-ABL、SRCファミリ-(SRC、LCK、YES、FYN)、c-KIT、EPHA2、及びPDGFR-β;ここで、ダサチニブのPh+白血病に対する適応と特に関連性があるのは、ハイブリッドプロテインキナーゼBCR-ABLのその阻害である。
BC1ABLキナーゼは「フィラデルフィア染色体」(又はフィラデルフィア転座)として知られる白血病癌細胞(特にCML細胞)の22番染色体に特異的な遺伝子異常が存在することに直結している。この遺伝物質の9番染色体と22番染色体の間の相互転座が9番染色体のABL1遺伝子を22番染色体のBCR遺伝子上に並置し、「BCR-ABL」として知られるハイブリッドタンパク質のコード配列、すなわち「常にオン」であるタンパク質チロシンキナーゼのコード配列をもたらし、細胞を制御不能に分裂させる。CML症例の大多数及びALL症例の20~30%はPh+である。ノバルティスにより「GLEEVEC/GLIVEC」として販売されている最初の選択的BRC-ABL阻害剤であるイマチニブ(STI571)は、Ph+白血病の治療のブレークスルーと考えられた。
しかしながら、全生存の増加にもかかわらず、イマチニブ処置の間に発生した薬物耐性は科学者らに、BCR-ABL変異、特にABL由来キナーゼドメイン内のアミノ酸置換の出現に起因して、このような耐性の大部分が生じることを発見させた(総説については、Rossari & Orciuolo.2018,J.Hemat.Oncol.11:84(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。
イマチニブによる治療を受けた患者のBCR-ABL突然変異状態及び生存確率の分析から、BCR-ABLキナーゼのABL位置のホスファターゼループ(Pループ)内の突然変異が最も頻度が高いが、Pループ以外の(特にキナーゼドメイン内の)(まれな)突然変異がイマチニブで治療されたCML患者の全生存期間の減少と関連していることが示された(Jabbourら、2006年、Leukemia20: 1767)。
多数の出現したBCR-ABL突然変異が以前に同定され、記載されている(Manley et al. 2005, Biochem. Biophys. Acta 1754:3の表1;及びRossari & Orciuolo 2018の表1を参照のこと;これはまた、ダサチニブの他のキナーゼ標的の突然変異を記載する;両方のこのような表は、参照により本明細書に特に組み込まれる)。
特に、BCR-ABLのATP結合領域(野生型ABLタンパク質で示された位置を有する)において、以下のようなミュ-テ-ションが見られる:V299L、F311L、T315I、T315A、F317L及びF317V。
実際、ダサチニブは当初、イマチニブに抵抗性となったCMLに対する二次治療の「第2世代」BCR-ABL阻害剤として開発されたが、これはこれらの突然変異の1つ又は他の突然変異の出現により生じたと推定される。
モデリング研究に基づくと、ダサチニブは、ABLキナーゼの複数の立体構造に結合すると予測され、このことが、ABLのいくつかの立体構造変化変異が、ダサチニブにより阻害されるが、イマチニブでは阻害されない理由を説明していると考えられる。
実際、ダサチニブ又はイマチニブによる一次処理中の突然変異発生を比較したレトロスペクティブ解析では、イマチニブ処理(12の異なる部位)と比較して、ダサチニブ処理(4つの異なる部位)で出現する異なる突然変異部位は少なかった(Hughes et al. 2015, Leukemia 29: 1832、特にその図1)。
しかし重要なことは、(i)あらゆる種類の突然変異を発現した患者の総割合はほぼ同じであった(ダサチニブ投与患者259例中17例及びイマチニブ投与患者260例中18例)、(ii)ダサチニブ投与中に発現した突然変異の大部分はATP結合領域(3/4変異部位)にあり、(iii)ダサチニブ投与中に最も多く発現した突然変異はいわゆる"gate-keeper"残基のT315変異であり、それでもBCR-ABLキナーゼに対するダサチニブの阻害に対する耐性が付与されていたことである。ProQinaseABL1キナーゼ"WildtypeandMutant Panel"によって、キナーゼ阻害剤に対する試験が可能なBCR-ABL変異体の特定のセットが提供され、ABL1野生型タンパク質(アミノ酸P118-S525)及びBCR-ABLの最も一般的な変異型であるG250E、Q252H、Y253F、E255K、T315i、M351T及びH396P(ww.proqinase.com)が含まれる。
T315Iのミュ-テ-ションは、最も頻繁に出現するBCR-ABLのミュ-テ-ションの一つで、2~20%のCMLのケースで生じる(Nicolini他2009、Blood114:5271)。
このような変異がダサチニブの阻害に抵抗性を示すことは、キナーゼ阻害薬としてのダサチニブの欠点の一つで、ポナチニブとして知られる「第3世代」BCR-ABL阻害薬(インサイト&タケダ社によりICLUSIGとして市販されている)の開発を促した。ポナチニブは確かにBCR-ABLキナーゼのT315Iミュ-テ-ション(インビトロIC50の2.0nM)を強く阻害しており、ダサチニブよりも有望なキナーゼ阻害薬であることが知られており、また、少なくともVEGFR、PDGFR、FGFR、EPH受容体及びキナーゼのSRCファミリ-、及びKIT、RET、TIE2、FLT3のメンバ-にとって、0.1から20nMの間のインビトロIC50濃度を含む多くの他のキナーゼを阻害することが知られる。
また、米国におけるポナチニブの販売は「生命を脅かす血餅の危険性及び重度の血管狭窄」のため、2013年10月に一時停止されたが、2013年12月には一部解除され、処方情報の改訂、新たな「B1ack Box Warning」及び「RiskEvaluationandMitigation Strategy」が発行され、本剤の使用の危険性及び便益がより良く評価された。さらに、米国におけるポナチニブの価格(年間138,000ドルの費用がかかる)が批判されている。
従って、Ph+白血病(又は他の癌)をより効果的に、安全に、容易に及び/又は安価に治療する可能性を有する新規キナーゼ阻害剤、及び/又はダサチニブ又はポナチニブのような他のキナーゼ阻害剤よりもSRC、ABL/BCR-ABL及び/又はLCKに対してより選択的である潜在能力を有する新規キナーゼ阻害剤の必要性が依然として存在するように、実質的な欠点がポナチニブによって示されている。
しかしながら、ダサチニブは、イマチニブと比較して、BCR-ABLに特に特異的ではなく、かなりの数の他のキナーゼに結合及び/又は阻害する(Bantscheffら2007の図3、Nat.Biotech. 25: 1035;Anastassiadisらの補足図2、2012 Nat. Biotech. 29: 1039参照)。
特に、ダサチニブは、イマチニブと比較して、BTK、CSK、EPHB2、EPHB4、FYN、GAK、KIT、LYN、QIK、QSK、RIPK2、SRC、TEC、TESK2、YES及びZAKを含む多数の他のキナーゼにより有意に結合及び/又は阻害することが記載されている。
より具体的には、ダサチニブが、3つのファミリ-メンバ-SIK1、SIK2、及びSIK3について、それぞれ、<3nM、<3nM及び18nMのIC50値を有する塩誘導性キナーゼの有意な阻害剤であることが示されている(Ozanneら、2015, Biochem.J.465:271;また、同時係属中のPCT/EP2018/060172に記載されている)。
実際、ダサチニブは、選択性の低いキナーゼ阻害剤であることを考慮すると、さらにもう一つの潜在的な欠点をもち、この低下はダサチニブで患者を治療する際に直面する非重大な毒性の課題、特に血小板減少症の発生増加と因果関係がある可能性がある(Wei et al. 2010, J. Hemat. Oncol. 3 :47)。
上述のように、ダサチニブは、KITの強力な阻害剤であり、この受容体チロシンキナーゼは、少なくとも白血病、卵巣癌及び黒色腫などの癌においてKIT遺伝子の突然変異が検出されているためではなく、ある種の癌の治療のためのますます興味深い標的になりつつある(Babeiら2016, DrugDes. Dev. Thera.,10:2443)。
また、ダサチニブは、黒色腫において少なくとも最もよくみられるKIT変異体を阻害することも知られている(Woodman et al. 2009, J. Clin. One. 27:9019)。
しかし、KITの阻害、特にある種のチロシンキナーゼ阻害剤のFLT3及びKITに対する相対的活性は、骨髄抑制及び毛髪色素脱失のような他の副作用と関連している(Ga1anis及びLevis 2015: Haematologica 100:e89)。
実際、ダサチニブによる治療は重度の骨髄抑制と関連している(後述参照)。
塩誘導性キナーゼ(SIK)は、アデノシン一リン酸活性化キナーゼ(AMPK)ファミリ-に属するセリンチロシンキナーゼサブファミリ-を構成する。これまでに3つのメンバ-(SIK1-2、-3)が同定されている。SIK1のSIK2及びSIK3とのアミノ酸相同性は、キナーゼドメインにおいてそれぞれ78%及び68%である。高塩食摂取ラットの副腎に豊富に発現するSIK1(SIK及びSNF1LKとしても知られる)のクロ-ニングは、主に脂肪組織に発現するSIK2(QIK、KIAA781及びSNF1LK2としても知られる)及びむしろ遍在するSIK3(QSK、KIAA999又はL19としても知られる)のその後のクロ-ニングにつながった(Katohら2004、Mol.Cell.Endocrinol. 217: 109)。3種類のSIKは類似した構造をしており、N末端キナーゼドメイン(触媒ドメイン)、中間部ユビキチン関連ドメイン(LKB1によるリン酸化に重要と考えられている)及び長いC末端配列(PKAによるさらなるリン酸化のための部位と考えられている)を有している。しかしながら、様々なSIKに関係する非常に多様な役割がある。例えば、種々のSIKはガストリンによるSIK1の誘導及び胃腺癌細胞の移動の阻害に対する副甲状腺ホルモンに対する骨細胞応答(Weinら、2016, Nature Commun.7: 13176)のような多様な生物学的過程に関与している(Selvikら、2014, PLoS ONE 9: ell2485)。塩誘導性キナーゼ(特にSIK3)の他の潜在的な役割については、PCT/EP2018/060172で併記されており、さらにSIK3は腫瘍細胞の細胞性免疫応答、特にTNFに対する腫瘍細胞の抵抗性に関与する遺伝子であることが示されている。
したがって、特に、ダサチニブによって阻害されるキナーゼに対して異なるプロファイルのキナーゼを示す新しいキナーゼ阻害剤が依然として必要である。
例えば、(i)重要な疾患関連キナーゼ(例えば、ABL/BCR-ABL、SRC、LCK、及び/又はEPHA2、EPHA4、CSF-R1、HCK、ACK1、及び/又はKIT)に対して、他のキナーゼと比較して、他のそのようなキナーゼに対する特異性よりも特異性が高い新しいキナーゼ阻害剤;(ii)ダサチニブとは異なるプロファイル(例えば、KIT及び/又はFLT3に対する)で重要な疾患又は副作用関連キナーゼを阻害する;及び/又は(iii)疾患関連キナーゼの1つ又は複数の突然変異体、特に、ABL/BCR-ABL又はKITの突然変異体など、1つ又は他のキナーゼ阻害剤に耐性である突然変異体を阻害する。
さらに、ダサチニブは、ヒトにおいて主にチトクロ-ムP450酵素3A4(CYP3A4)により代謝されるが、時間依存的なCYP3A4の阻害剤でもある。実際、患者が強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、アタザナビル、インジナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、テリスロマイシン、ボリコナゾール)を併用している場合、ダサチニブの血漿中濃度が危険なレベルまで上昇する可能性があるため、ダサチニブの用量を有意に減量しなければならない(例:1日1mgから1日20mgまで)。グレープフル-ツジュースもダサチニブの血漿中濃度を上昇させる可能性があるため、避けるべきである。したがって、ダサチニブとは異なるチトクロムP450阻害パタ-ン(例、CYP3A4に対する阻害パタ-ン)を示す新たなキナーゼ阻害薬が依然として必要である。
重要なことは、ダサチニブの用法・用量は、骨髄抑制が発現した場合には中止(又は減量)することである。実際、ダサチニブによる治療は、重度(NCI CTCグレード3又は4)の血小板減少症、好中球減少症、貧血を伴うことから、骨髄抑制はダサチニブの米国処方情報においてまさに1つの「警告及び使用上の注意」として記載されている。ダサチニブの臨床試験では、ヒト被験者に血小板減少症を引き起こしたことに加え、以下の試験が実施された。(i)重度の中枢神経系(CNS)出血(死亡例を含む)が患者の1%に発現した。(ii)死亡例を含む重度の消化管出血が患者の4%に発現し、一般的に治療の中断と輸血を必要とした。(iii)その他の重度の出血が患者の2%に発現した。
しかし、ダサチニブのさらなる「警告及び使用上の注意」には、(x)体液貯留と関連しており、臨床試験では最大10%の患者で重度の体液貯留が報告されている、(y)心室再分極(QT間隔)を延長させる可能性があり、臨床試験では最大1%のCML患者でQT延長が認められている、(z)心臓の副作用はダサチニブ服用患者258例中5.8%で報告されており、その内訳は心筋症、うっ血性心不全、拡張機能不全、致死性心筋梗塞、左室機能不全患者の1.6%であった、などが含まれている。実際、ダサチニブは、hERGの阻害剤であることが知られている(NDA 21-986の薬理学的/毒性レビュ-及び評価、31ペ-ジ)。
hERG (ヒト「Ether-a-go-go-Re1ated Gene」)は、心臓の電気的活動に寄与し、心臓の拍動を調整するイオンチャネルであり、このチャネルの細胞膜を通電する能力が阻害されたり損なわれたりすると(薬物の投与などにより)、致死的となりうる「QT延長症候群」を引き起こす可能性がある。したがって、ダサチニブとは異なるhERGの阻害を示す新しいキナーゼ阻害剤が、依然として必要である。例えば、ダサチニブのIC50より高いhERGに対するIC50を示す新規キナーゼ阻害剤を提供することが有利であろう。
他のBCR-ABL阻害薬と比較して、ダサチニブの半減期は、極めて短く、全平均終末半減期はわずか3~5時間である(添付文書全文の「12.3.薬物動態」の項参照)。対照的に、イマチニブの消失半減期は、約18時間である。ボスチニブの平均終末相消失半減期は、22.5時間である。ニロチニブの見かけの消失半減期は、約17時間である。ポナチニブの幾何平均終末消失半減期は、約24時間である。
理論に束縛されるものではないが、ダサチニブの短い半減期(1日1回の投薬に適応)はその日の後半部のより低いインビボ薬物濃度に関連する限定された活性、及び/又は投薬直後のピ-ク/より高いインビボ薬物濃度に関連する副作用を説明し得る。したがって、より長い半減期の特性(例えば、ダサチニブによって示されるものよりも)を示す新規キナーゼ阻害剤が依然として必要とされている。例えば、有利なキナーゼ阻害剤は、例えば、血漿及び/又は肝ミクロソ-ム安定性アッセイにおいてより長い半減期を示すことによって、ダサチニブよりも安定であるものであり得る。
ダサチニブのさらなる注意事項、有害事象及び他の処方情報はEMA及びFDAのそれぞれのウェブサイト(それぞれ以下に示され、2018年8月20日にアクセスされ、それぞれの内容はその全体が本明細書に参考として援用される)から見出され得るような、完全処方情報のそれぞれの製品特性概要(SmPC)から見出され得る:(i)http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR__Product_Information/human/000709/WC500056998.pdf,及び(ii)https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/1abel/2010/021986s7s8lbl.pdf。
ダサチニブの多数の変異体が合成され、1若しくは複数のキナーゼに対するin-vitro生化学的阻害活性及び/又は細胞に対する抗増殖作用を有することが実証されている。特に、このような変異体は、(i)ダサチニブの発見段階において、その構造活性相関(SAR)を理解し、説明するために合成された(Lombardo et al 2004,J Med Chem 47: 6658; Das et al 2006, J Med Chem 49:6819);及び(ii)代替のキナーゼ阻害剤及び/又は薬物候補を提供するために合成された(例、WO2006/081172及びWO2008/033746)。そこに記載されているダサチニブの変異体は、カルボキサミドにフェニル部分を有する。これらの開示はキナーゼ阻害剤であり、及び/又は細胞抗増殖活性を有する化合物を提供する、他の位置、及びそこで置換され得る実質的な範囲の置換基を実証する(図8)。
国際公開第2018/193084号パンフレット(本出願人、公開第2018年10月25日)は、ピリジニル部分を有するダサチニブ変異体を開示している。Beutnerら(2018, Org Lett 20:4218)は、特定のピリジンピラジン及びピリミジンに対するものを含む、チャレンジングアミド結合を形成する方法を記載している。Penningtonら(2017, J Med Chem 60:3552)は、芳香族及びヘテロ芳香族環系におけるCH基のN原子による置換が分子及び生理学的特性に影響を及ぼし得ることを記載する。しかしながら、そのような置換を行うことは偶然によるよりも統計的に優れない改善しか示さないことが経験的に知られている:Abbott(Hajduk & Sauer 2008, J Med Chem 51 :553)における内部デ-タの一致した分子対分析(MMPA)がほとんどの置換基の置換と同様に、CH基及びN原子を交換することによって効力を増加又は減少させるほぼ等しい確率があることを見出した。実際に、この分析はさらに、このような置換で効力の10倍の増加を実現する確率は10倍未満であり、100倍を達成する確率は100倍未満であることを明らかにした;結合親和性を改善するためのこのような置換の効果を調査する場合に観察される確率と同様である(Huら、2014, F1000 Research 3:36; de la Vega de Leonら、2014,Med Chem Comm 5:64)。
従って、本発明の1つの目的はこれら又は他の問題の1若しくは複数に対処する1若しくは複数の特性(例えば、インビトロ及び/又はインビボアッセイによって示される特性)を有する1若しくは複数のキナーゼ阻害剤を提供することである。他の目的では、本発明がダサチニブ(又は本明細書に記載されるものなどの1つ又は他のキナーゼ阻害剤)に対する代替及び/又は改善されたキナーゼ阻害剤を提供する。例えば、ダサチニブ(又は本明細書に記載のものなどの1つ又は他のキナーゼ阻害剤)とは異なる、及び/又はそれと比較して改善された、1つ又は複数の機能的(例えば、キナーゼ選択性)及び/又はADMET特性を示すことができるキナーゼ阻害剤は、特に有利であろう。本発明の根底にある目的は、本明細書のどこかで開示又は定義される主題によって、例えば添付の特許請求の範囲の主題によって解決される。
一般に、簡単な説明として、本発明の主な態様は、以下のように要約することができる:
第1の態様では、本発明が次式のキナーゼ阻害剤からなる群から選択される化合物を提供する:
Figure 2022505645000002
及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形成、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせ;
ここで、R1a、R1b、R1c、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、本明細書に定義されるとおりである。
第2の態様において、本出願は第1の態様の化合物、及び任意選択的に、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
第3の態様において、本出願は、治療における使用のための第1の態様の化合物又は第2の態様の医薬組成物を提供する。
第4の態様において、本出願は個体(特にヒト患者)における疾患、障害又は症状(悪い状態)の処理のための方法において使用するための、第1の態様の化合物又は第2の態様の医薬組成物を提供し、ここで、この疾患又は症状は、キナーゼに関連する。
本発明のさらなる態様を本明細書に開示する。
図は以下を示す:
図1:(A)ダサチニブ(化合物A8)、N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド;(B)キナーゼ阻害剤B3、N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド;(C)式(I)C1-C13の特定の他のキナーゼ阻害剤;及び(D)式(I)D1-D10の特定の他のキナーゼ阻害剤の化学構造を示す。 同上
図2は、キナーゼ(A)ABL1、(B)SRC、(C)SIK1、(D)SIK2、(E)SIK3に対しての、(A~E)式(I)のキナーゼ阻害剤(B3、左列)のキナーゼ阻害活性を、ダサチニブに比較して描かれ、及び、キナーゼ(F)ABL1、(G)SRC、(FI)SIK1、(I)SIK2、(J)SIK3に対しての、(F~J)式(I)の他のキナーゼ阻害剤(C3、左列、C12右欄)のキナーゼ阻害活性を、それぞれ示したものである-X軸は化合物濃度(M)、Y軸はキナーゼ活性(%)である。 同上
図3は、B3(式(I)のキナーゼ阻害剤)、ダサチニブ(A8)及びC7(式(I)の別のキナーゼ阻害剤)の残留活性%(1μM化合物において)によるキナーゼ阻害の選択性を示す:****<25%残留活性;***25%~<50%残留活性;**50%~<75%残留活性;*>75%残留活性。プロテインキナーゼファミリ-の分類(Manning etal. Science 6 December 2002: Vol.298 no.5600pp.1912-1934):AGC:PKA、PKG及びPKCファミリ-を含む; CAMK:カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ;CK1:カゼインキナーゼ様; CMGC:CDK、MAPK、GSK3及びCLKファミリ-; TK:チロシンキナーゼ; TKL:チロシンキナーゼ様; STE:酵母滅菌7、滅菌11、滅菌20キナーゼの相同体。## 恒常的に活性なキナーゼ。 同上 同上 同上 同上 同上 同上 同上
図4は、ダサチニブ(A8; Y軸)と比較した、式(I)のキナーゼ阻害剤B3(X軸)によるキナーゼ阻害の選択性(lμM化合物における%残留活性による)を示す:(A)全範囲の残留活性を示す軸;及び(B)0~50%残留活性の範囲を示す軸。
図5:キナーゼ(A)FLT3、(B)SYK、(C)KIT及び(D)LCKに対する、式(I)のキナーゼ阻害剤(B3、左列)のキナーゼ阻害活性を、ダサチニブ(A8、右列)と比較した図を示す。X軸は化合物濃度(M)、Y軸はキナーゼ活性(%)である。
図6:(A)キナーゼ阻害剤B3、(B)A8(ダサチニブ)によるin vitro TNF攻撃に対する腫瘍細胞の敏感反応性(sensitisation)を示す。円:化合物(示される濃度)+rHuTNF(10ng/mL);正方形:rHuTNFを含まない化合物単独(示される濃度)。
図7:実施例9に記載されたM579-A2-lucを用いたアッセイにおいて、PCT/EP2018/060172に記載された特定のキナーゼ阻害剤の、様々な濃度での、単独(正方形)又は10ng/mLのTNFとの組み合わせ(円)での相対腫瘍細胞生存率(細胞毒性/生存率による正常化RLU)を示す。また、SIKファミリーメンバー及び関連キナーゼABL1及びSRCに対する化合物の阻害活性を示し、表3に使用した指標を示した。(A)pan-SIK及びABL1 & SRC阻害剤、化合物B1;(B)ABL1 & SRC阻害剤、化合物B8;(C)SIK1、SIK2及びABL1 & SRC阻害剤、化合物B4。
図8は、(A)示された細胞株に対するダサチニブの種々の誘導体の効力を示し、Lombardo et al 2004(J Med Chem 47: 6658)の表1から得られたダサチニブ変異体の細胞抗増殖活性を示しており、抗増殖活性は、72時間の化合物ばく露後のテトラゾリウム色素変換に基づいて決定された。IC50値は、少なくとも3回の個々の測定の平均として、又は3回未満の測定の場合には個々のIC50値として報告される。平均値付近の変動性は、括弧内のSE値で示され、他になければ、<50%であった。;及び(B)Das et al 2006(J Med Chem 49:6819)の表4からのダサチニブ変異体の生化学的及び細胞性抗増殖活性を示す。an = 3、個々の値の変異、<20%。bn = 3、個々の値、<30%。
図9は、(A)ダサチニブ(A8;-X軸);及び(B)式(I)の別のキナーゼ阻害剤、B3(X軸)と比較した、式(I)、C7(Y軸)のキナーゼ阻害剤によるキナーゼ阻害の選択性(1μM化合物における残留活性%による)を示す。破線領域は、適用可能な化合物間で実質的に差次的に阻害されるキナーゼのグループを強調する。
図10:雌C57BI/6マウスに33mg/kg(黒い四角形)及び100mg/kg(灰色のダイヤモンド)を1日1回(QD = A)及び1日2回(BID = B)強制経口投与したときの体重を、対照動物(灰色の四角形)と比較して示す。X軸:投与後の日数;Y軸:体重変化(%)。(C)LC-MS/MSにより測定したC7の血漿レベル。A = 33mg/kg QD; B = 100mg/kg QD; C = 33mg/kg BID; D = 100mg/kg BID.Y軸:C7の血漿濃度(nM)。
図11は、(A)ビヒクル(黒い四角形)、C7 100mg/kg QD(灰色の六角形)、C7 100mg/kg BID(灰色の三角形)及びA8(ダサチニブ)30mg/kg QD A8(灰色の円形)で処理した場合のMC38細胞を移植したマウスの腫瘍増殖動態を示す。Y軸=平均腫瘍体積(mm3)。エラ-バ-はSEMである-X軸:日。統計学的有意性はTukeyの多重比較分析を含む方法ANOVA分析で算出した。*** p<0.001;(B)(A)におけるマウスの体重動態。Y軸:平均体重変化(%)。
図12は、腫瘍微小環境中に存在する免疫細胞に対する式(I)の化合物であるC7の免疫腫瘍学的効果を示す。腫瘍内免疫浸潤は、腫瘍内CD45+細胞の割合として計算した。統計学的有意性は、Tukeyの多重比較分析を含む方法ANOVA分析で算出した。(A)Y軸:Treg細胞に対するCTLの比。(B)活性化CTL(CD25+CD69+); Y軸:CD45+細胞の%。(C)活性化CTL(グランザイムB+); Y軸:CD45+細胞の%。(D)免疫抑制M2様腫瘍関連マクロファ-ジ(TAM)(CD206+MHC-II+); Y軸:CD45+細胞の%;* p<0.05; ** p<0.01; *** p<0.00。
図13は、化合物C7によって増感されたTNFによる細胞死を示す。(A)PANC-1細胞のTNF誘導アポト-シス。PANC-1 細胞は、120h(+rHuTNF =開いた形;-rHuTNF=中実形;開いた円10ng/mL HurTNF対照)について、100ng/ml HurTNFを添加する前に、370nM(「ダイヤモンド」)及び3333nM(「正方形」) のC7で、及びDMSOのみ(「星」)で処理した。細胞死はリアルタイム生細胞顕微鏡を用いて評価し、YOYO-1色素の核取り込み(YOYO-1+細胞の面積/ウェル)を測定した。Y軸=腫瘍細胞死(um2/well)。X軸=時間(h);(B)マウスMC38のTNF誘導(100ng/ml rMuTNF)細胞死に対するC7の効果(+rMuTNF=「ダイヤモンド」;-rMuTNF=「円」)。細胞生存率は、CellTiter-Gloアッセイを用いて72時間後に測定した。ルシフェラーゼ値を、阻害剤を含まないrMuTNF(DMSOのみ)で処理した細胞に対して正規化した。Y軸=生存率(%)。X軸=化合物濃度(nM)。
図14は、(A)NFKB活性に対する化合物C7の効果を示す。NFKBプロモ-タ-の制御下でルシフェラーゼを発現するレポ-タ-PANC-1細胞を、8時間、10ng/ml rHuTNFを添加する前に、異なる濃度のC7で処理した(+rHuTNF=「ダイヤモンド」;-rHuTNF=「サ-クル」)。ルシフェラーゼ活性は、阻害剤を含まないrHuTNF(DMSOのみ)で処理したPANC-1細胞に対して正規化した。Y軸= NFKB活性(%)。X軸= 化合物濃度(nM);(B)HDAC4リン酸化に対する化合物C7の効果。PANC-1細胞を様々な濃度(10ng/mL rHuTNFの存在下)のC7で3時間処理した。全細胞溶解物を、抗HDAC4キャプチャ及び抗pHDAC4検出抗体を用いたMeso Scale Discovery(MSD)アッセイで分析した。HDAC4リン酸化は、未処理のPANC-1細胞(DMSOのみ)に対して標準化された。Y軸= HDAC4リン酸化(%)。X軸= 化合物濃度(nM)。
図15は化合物C7によるWSU-NHL(A)及びDOHH-2(B)細胞株の増殖阻害を示し、それぞれ約8nM及び9nMのGI50を示す。X軸:化合物濃度(M); Y軸:96時間での増殖阻害パ-センテ-ジ(GI)。
本発明、及びその特定の非限定的な態様及び/又は実施態様は、以下でより詳細に説明することができる。
本発明をさらに詳細に説明することができるが、本発明はこれらが変化し得るので、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル及び試薬に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は特定の実施態様のみを説明するためのものであり、本明細書で説明、定義、又は他の方法で開示されるもの、特に、任意の項目別の実施態様又は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
本明細書では、本発明の特定の要素をより詳細に説明する。これらの要素は特定の実施態様と共に列挙されているが、追加の実施態様を作成するために、任意の方法及び任意の数で組み合わせることができることを理解されたい。様々に記載された例及び好ましい実施態様は、明示的に記載された実施態様のみに本発明を限定するように解釈されるべきではない。本出願のこの説明は明示的に説明された実施態様を、開示された及び/又は好ましい要素の任意の数と組み合わせる実施態様をサポートし、包含するものと理解されるべきである。さらに、本出願において記載されるすべての要素の任意の置換及び組み合わせは、文脈が別段の指示をしない限り、本出願の記載によって開示されるとみなされるべきである。
例えば、本発明の化合物の一実施態様において、Lが結合であり、本発明の化合物の別の実施態様において、R3がHである場合、本発明の化合物の好ましい実施態様において、Lは結合であり、R3はHであり、又は本発明の化合物の使用の一実施態様において、対象は成体であり、本発明の化合物の使用の別の実施態様において、増殖障害は前立腺癌であり、次いで、本発明の化合物の使用の好ましい実施態様において、対象は成体であり、増殖障害は前立腺癌である。
一般/定義
別途定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
好ましくは、本明細書で使用される用語が「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)」、H.G.W.に記載されるように定義される。Leuenberger, B.Nagel and H. Kolbl, Eds., Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzer1and, (1995).
本発明の実施は特に断らない限り、当分野の文献に説明されている化学、生化学、及び組換えDNA技術の従来の方法を使用する(例えば、Molecu1ar Cloning: A 1aboratory Manual、第2版、J. Sambrookら編、Cold Spring Harbor laboratory Press、Cold Spring Harbor 1989を参照のこと)。
文脈上別段の要求がない限り、本明細書及び後続する特許請求の範囲を通して、「含むcomprise」という語及び「含むcomprises」及び「含むcomprising」などの変異は記載されたメンバ-、整数もしくはステップ又はメンバ-、整数もしくはステップのグループ(群)を含むことを意味するものと理解されるが、他のメンバ-、整数もしくはステップ又はメンバ-、整数もしくはステップのグループを除外するものではなく、「本質的に~からなるconsisting essentialy of」という語は何らかの本質的意義のあるメンバ-、整数もしくはステップ又はメンバ-、整数もしくはステップのグループを除外することを意味する。
例えば、本明細書で定義されるメンバ-/成分(本発明の態様のいずれかで定義される化合物及び任意に1つの追加の治療剤など)から本質的になる医薬組成物はさらなる治療剤(本発明の態様及び任意に1つの追加の治療剤のいずれかで定義される化合物の他に)を排除するが、微量(例えば、コンタミ物質の量(好ましくは組成物中に存在する全てのコンタミ物質の量)が5重量%未満、例えば4重量%未満、3重量%未満、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%など(組成物全体に対して)及び/又は薬学的に許容される賦形剤中のコンタミ物質(例えば、単離及び精製方法からのもの)を排除しない(担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、防腐剤など)。
用語「からなるconsisting of」は、すべての他のメンバ-、重要な整数又は工程、又は重要なメンバ-、整数若しくは工程のグループを除外することを意味する。例えば、本明細書で定義される構成要素/成分(本発明の態様のいずれかで定義される化合物、1つの賦形剤、及び任意選択で1つの追加の治療薬など)からなる医薬組成物は、全組成物に対して、2重量%を超える量の任意の他の化合物(1重量%を超える、0.5重量%を超える、0.4重量%を超える、0.3重量%を超える、0.2重量%を超える、0.1重量%を超える、0.09重量%を超える、0.08重量%を超える、0.07重量%を超える、0.06重量%を超える、0.05重量%を超える、0.04重量%を超える、0.03重量%を超える、0.02重量%を超える、0.01重量%を超える)を除外する。
用語「含むcomprising」は用語「本質的に~からなる」を包含し、これは用語「からなる」を包含する。したがって、本出願における各出現において、用語「含む」は用語「本質的に~からなる」又は「からなる」と置き換えることができ、同様に、本出願における各出現において、用語「本質的に~からなる」は、用語「からなる」と置き換えることができる。
本明細書で使用される場合、「及び/又は」は2つの特定の特徴又は構成要素のそれぞれの、他の特徴を伴う又は伴わない特定の開示として解釈されるべきであり、例えば、「X及び/又はY」はそれぞれが本明細書で個々に記載されているかのように、(i)X、(ii)Y、及び(iii)X及びYのそれぞれの特定の開示として解釈されるべきである。
本発明の文脈において、用語「約」及び「ほぼ」は、互換的に使用され、当業者が問題の特徴の技術的効果をなお確実にすることを理解する精度の間隔を示す。用語は、典型的には指示数値からのずれを±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、±0.05%、例えば±0.01%で示す。当業者には理解されるように、所与の技術的効果に対する数値の特定のそのような逸脱は、技術的効果の性質に依存する。例えば、天然又は生物学的な技術的効果は一般に、人工又は工学的な技術的効果に対するものよりも大きなそのような逸脱を有し得る。当業者には理解されるように、所与の技術的効果に対する数値の特定のそのような逸脱は、技術的効果の性質に依存する。例えば、天然又は生物学的な技術的効果は、一般に、人工又は工学的な技術的効果に対するものよりも大きなそのような逸脱を有し得る。
用語「a」、「an」及び「the」、ならびに本発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される同様の参照は本明細書において別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
本明細書における値の範囲の記載は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個別に参照する簡潔な方法として役立つことを意図している。本明細書中で特に示さない限り、各個々の値はあたかもそれが本明細書中で個々に列挙されたかのように、本明細書中に組み込まれる。
本明細書に記載される全ての方法は本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施することができる。
本明細書で提供される任意の及びすべての例、又は例示的な言語(例えば、「そのような」)の使用は単に本発明をより良く例示することを意図したものであり、さもなければ本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な請求項されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
本仕様書の本文中には、いくつかの文書が引用されている。本明細書中で引用される文献(全ての特許、特許出願、科学刊行物、製造業者の仕様、指示書等を含む)の各々は、上記又は下記のいずれであっても、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が先の発明を根拠にそのような開示より進歩性がないことを認めるものとして解釈されない。
「[本]発明の」、「[本]発明に従う」、「[本]発明に従う」などの用語は本明細書中で使用されるように、本明細書中に記載及び/又は特許請求される本発明のすべての態様及び実施態様を指すことを意図している。
特定の問題又は環境への本発明の教示の適用、及び本発明の変形形態又はそれに対する付加的な特徴(さらなる態様及び実施態様など)の包含は、本明細書に含まれる教示に照らして当業者の能力の範囲内であることを理解されたい。
文脈が別段の指示をしない限り、上記又は以下に記載される特徴の説明及び定義は、本発明の任意の特定の態様又は実施態様に限定されず、記載されるすべての態様及び実施態様に等しく適用される。
「アルキル」という用語は、飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のモノラジカルを指す。好ましくは、アルキル基が1~12個(例えば、1~10個)の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子)、より好ましくは1~8個の炭素原子、例えば、1~6個又は1~4個の炭素原子を含む。
例示的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル(2-プロピル又は1-メチルエチルとも呼ばれる)、ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、sec-ペンチル、ネオ-ペンチル、1,2-ジメチル-プロピル、イソ-アミル、n-ヘキシル、イソ-ヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、イソ-ヘプチル、n-オクチル、2-エチル-ヘキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシルなどが含まれる。
「置換アルキル」は、アルキル基の1若しくは複数(アルキル基に結合する水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。好ましくは、水素以外の置換基が、ハロゲン、-OH、-NH2、-NHCH3、-N(CH3)2、-CN、-OCH3、-OCF3、又は任意選択的に置換されたアリールなどの、第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又は本明細書で特定される第3レベルの置換基である。置換アルキルの例としては、トリフルオロメチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-ヒドロキシエチル、2-アミノエチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、アリールアルキル(「アラルキル」とも呼ばれる;例えば、ベンジル、クロロ(フェニル)メチル、4-メチルフェニルメチル、(2,4-ジメチルフェニル)メチル、o-フルオロフェニルメチル、2-フェニルプロピル、2-、3-又は4-カルボキシフェニルアルキル)、又はヘテロアリールアルキル(「ヘテロアラルキル」とも呼ばれる)が挙げられる。
「アルキレン」という用語は、飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のジラジカルを指す。
好ましくは、アルキレンが1~12個(例えば、1~10個)の炭素原子、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子)、より好ましくは1~8個の炭素原子、例えば、1~6個又は1~4個の炭素原子を含む。例示的なアルキレン基は、以下を含む;メチレン、エチレン(例えば、1,1-エチレン, 1,2-エチレン)、プロピレン (例えば、 1,1-プロピレン、1,2-プロピレン(-CH(CH3)CH2-)、2,2-プロピレン(-C(CH3)2-)及び1,3-プロピレン)、 ブチレンアイソマー(例えば、1,1-ブチレン、 1,2-ブチレン、 2,2-ブチレン、1,3-ブチレン、 2,3-ブチレン(シスもしくはトランスもしくはその混合物)、 1,4-ブチレン、 1,1-イソ-ブチレン、 1,2-イソ-ブチレン及び 1,3-イソ-ブチレン)、 ペンチレンアイソマー (例えば、1,1-ペンチレン、1,2-ペンチレン、 1,3-ペンチレン、 1,4-ペンチレン、 1,5-ペンチレン、 1,1-イソ-ペンチレン、1,1-sec-ペンチル、 1,1-neo ペンチル)、 へキシレンアイソマー(例えば、1,1-へキシレン、1,2-へキシレン、 1,3-へキシレン、 1,4-へキシレン、 1,5-へキシレン、 1,6-へキシレン及び 1,1-イソへキシレン)、 ヘプチレンアイソマー(例えば、1,1-ヘプチレン、1,2-ヘプチレン、 1,3-ヘプチレン、 1,4-ヘプチレン、 1,5-ヘプチレン、 1,6-ヘプチレン、 1,7-ヘプチレン及び 1,1-イソヘプチレン)、 オクチレンアイソマー (例えば、1,1-オクチレン、1,2-オクチレン、 1,3-オクチレン、 1,4-オクチレン、 1,5-オクチレン、 1,6-オクチレン、 1,7-オクチレン、 1,8-オクチレン及び 1,1-イソオクチレン) 等。少なくとも3個の炭素原子及び各末端に自由原子価を有する直鎖アルキレン部分は、メチレンの倍数として指定することもできる(例えば、1,4-ブチレンはテトラメチレンとも称することができる)。一般に、上記で特定されたアルキレン部分についての末端「イレン」を使用する代わりに、末端「ジイル」を使用することもでき(例えば、1,2-ブチレンはブタン-1,2-ジイルとも称され得る)、「置換アルキレン」は、アルキレン基に結合した水素原子の1若しくは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2個の間)の水素原子が水素以外の置換基で置換されることを意味する(1若しくは複数の水素原子が置換される場合、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、水素以外の置換基が第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又はハロゲンもしくは任意選択的に置換されたアリールのような、本明細書中に特定されるような第3レベルの置換基である。置換アルキレンの例には、クロロメチレン、ジクロロメチレン、フルオロメチレン、及びジフルオロメチレンが含まれる。
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のモノラジカルを指す。一般に、アルケニル基中の炭素-炭素二重結合の最大数はアルケニル基中の炭素原子の数を2で割ることによって計算される整数に等しくすることができ、アルケニル基中の炭素原子の数が不均一である場合、除算の結果を次の整数に丸める。例えば、9個の炭素原子を有するアルケニル基については、炭素-炭素二重結合の最大数は4である。好ましくは、アルケニル基が1~6(例えば、1~4)、すなわち、1、2、3、4、5、又は6個の炭素-炭素二重結合を有する。好ましくは、アルケニル基が2~12個(例えば、2~10個)の炭素原子、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子)、より好ましくは2~8個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子又は2~4個の炭素原子を含む。
従って、好ましい実施態様において、アルケニル基は、2~12個(例えば、2~10個)の炭素原子及び1、2、3、4、5、又は6個(例えば、1、2、3、4、又は5個)の炭素-炭素二重結合を含み、より好ましくは、2~8個の炭素原子及び1、2、3、又は4個の炭素-炭素二重結合(例えば、2~6個の炭素原子及び1、2、又は3個の炭素-炭素二重結合又は2~4個の炭素原子及び1又は2個の炭素-炭素二重結合)を含む。
炭素-炭素二重結合は、シス(Z)又はトランス(E)配置であってもよい。例示的なアルケニル基としては、以下が例示される;ビニル、1-プロペニル、 2-プロペニル (例えば, アリル)、 1-ブテニル、 2-ブテニル、3-ブテニル、 1-ペンテニル、 2-ペンテニル、3-ペンテニル、 4-ペンテニル、1-ヘクセニル、 2-ヘクセニル、3-ヘクセニル、4-ヘクセニル、 5-ヘクセニル、1-ヘプテニル、 2-ヘプテニル、 3-ヘプテニル、4-ヘプテニル、 5-ヘプテニル、6-ヘプテニル、 1-オクテニル、 2-オクテニル、3-オクテニル、 4-オクテニル、5-オクテニル、 6-オクテニル、 7-オクテニル、1-ノネニル、 2-ノネニル、 3-ノネニル、4-ノネニル、 5-ノネニル、 6-ノネニル, 7-ノネニル、 8-ノネニル、 1-デセニル、 2-デセニル、 3-デセニル、 4-デセニル、 5-デセニル、 6-デセニル、 7-デセニル、 8-デセニル、 9-デセニル、 1-ウンデセニル、2-ウンデセニル、3-ウンデセニル、4-ウンデセニル、 5-ウンデセニル、6-ウンデセニル、7-ウンデセニル、8-ウンデセニル、9-ウンデセニル、10-ウンデセニル、1-ドデセニル、2-ドデセニル、3-ドデセニル、4-ドデセニル、 5-ドデセニル、6-ドデセニル、7-ドデセニル、8-ドデセニル、9-ドデセニル、 10-ドデセニル、11-ドデセニル等。
アルケニル基が窒素原子に結合している場合、二重結合は窒素原子に対してαであることはできない。「置換アルケニル」は、アルケニル基の1若しくは複数(例えば、アルケニル基に結合した水素原子の最大数に対する1個、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1個又は2個)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。好ましくは、水素以外の置換基が、第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又はハロゲンもしくは任意選択的に置換されたアリールのような、本明細書中に特定されるような第3レベルの置換基である。置換アルケニルの例は、スチリル(すなわち、2-フェニルビニル)である。
「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のジラジカルを指す。一般に、アルケニレン基中の炭素-炭素二重結合の最大数はアルケニレン基中の炭素原子の数を2で割ることによって計算される整数に等しくすることができ、アルケニレン基中の炭素原子の数が不均一である場合、除算の結果を次の整数に丸める。
例えば、9個の炭素原子を有するアルケニレン基については、炭素-炭素二重結合の最大数は4である。好ましくは、アルケニレン基が1~6(例えば、1~4)、すなわち、1、2、3、4、5、又は6個の炭素-炭素二重結合を有する。好ましくは、アルケニレン基が2~12個(例えば、2~10個)の炭素原子、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子)、より好ましくは2~8個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子又は2~4個の炭素原子を含む。従って、好ましい実施態様において、アルケニレン基は、2~12個(例えば、2~10個)の炭素原子及び1、2、3、4、5、又は6個(例えば、1、2、3、4、又は5個)の炭素-炭素二重結合を含み、より好ましくは、2~8個の炭素原子及び1、2、3、又は4個の炭素-炭素二重結合(例えば、2~6個の炭素原子及び1、2、又は3個の炭素-炭素二重結合又は2~4個の炭素原子及び1又は2個の炭素-炭素二重結合)を含む。炭素-炭素二重結合は、シス(Z)又はトランス(E)配置であってもよい。
例示的なアルケニレン基には、以下がある;エテン-1,2-ジイル、ビニリデン(エテニリデンとも呼ばれる)、1-プロペン-1,2-ジイル、1-プロペン-1,3-ジイル、1-プロペン-2,3-ジイル、アリリデン、1-ブテン-1,2-ジイル、1-ブテン-1,3-ジイル、1-ブテン-1,4-ジイル、1-ブテン-2,4-ジイル、1-ブテン-3,4-ジイル、2-ブテン-1,2-ジイル、2-ブテン-1,3-ジイル、2-ブテン-1,4-ジイル、2-ブテン-2,3-ジイル、2-ブテン-2,4-ジイル、2-ブテン-3,4-ジイル等。
アルケニレン基が窒素原子に結合している場合、二重結合は窒素原子に対してαであることはできない。「置換アルケニレン」は、アルケニレン基の1若しくは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個など)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。好ましくは、水素以外の置換基が、第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又はハロゲンもしくは任意選択的に置換されたアリールのような、本明細書中に特定されるような第3レベルの置換基である。置換アルケニレンの例は、1-フェニル-エチレン-1,2-ジイル及び2-フェニル-エチレン-1,2-ジイルである。
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のモノラジカルを指す。一般に、アルキニル基中の炭素-炭素三重結合の最大数はアルキニル基中の炭素原子の数を2で割ることによって計算される整数に等しくすることができ、アルキニル基中の炭素原子の数が不均一である場合、除算の結果を次の整数に丸める。例えば、9個の炭素原子を有するアルキニル基については、炭素-炭素三重結合の最大数は4である。好ましくは、アルキニル基が1~6個(例えば、1~4個)、すなわち、1、2、3、4、5、又は6個、より好ましくは1又は2個の炭素-炭素三重結合を有する。
好ましくは、アルキニル基が2~12(例えば、2~10)個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子)、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子、より好ましくは2~8個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子又は2~4個の炭素原子を含む。したがって、好ましい実施態様では、アルキニル基が2~12個(2~10個など)の炭素原子及び1、2、3、4、5、又は6個(1、2、3、4、又は5個(好ましくは1、2、又は3個)の炭素-炭素三重結合を含み、より好ましくは2~8個の炭素原子及び1、2、3、又は4個(好ましくは1又は2個)の炭素-炭素三重結合、例えば2~6個の炭素原子及び1、2又は3個の炭素-炭素三重結合又は2~4個の炭素原子及び1又は2個の炭素-炭素三重結合を含む。
アルキニル基の例には、以下がある;エチニル、1-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-ヘプチニル、2-ヘプチニル、3-ヘプチニル、4-ヘプチニル、5-ヘプチニル、6-ヘプチニル、1-オクチニル、2-オクチニル、3-オクチニル、4-オクチニル、5-オクチニル、6-オクチニル、7-オクチニル、1-ノニル、2-ノニル、3-ノニル、4-ノニル、5-ノニル、6-ノニル、7-ノニル、8-ノニル、1-デシニル、2-デシニル、3-デシニル、4-デシニル、5-デシニル、6-デシニル、7-デシニル、8-デシニルなど。
アルキニル基が、窒素原子に結合している場合、三重結合は窒素原子に対してαであることはできない。
「置換アルキニル」は、アルキニル基の1若しくは複数(例えば、アルキニル基に結合した水素原子の最大数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。好ましくは、水素以外の置換基が第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又はハロゲンもしくは任意選択的に置換されたアリールのような、本明細書中に特定されるような第3レベルの置換基である。
「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素のジラジカルを指す。
一般に、アルキニレン基中の炭素-炭素三重結合の最大数はアルキニレン基中の炭素原子の数を2で割ることによって計算される整数に等しくすることができ、アルキニレン基中の炭素原子の数が不均一である場合、除算の結果を次の整数に丸める。
例えば、9個の炭素原子を有するアルキニレン基については、炭素-炭素三重結合の最大数は4である。
好ましくは、アルキニレン基が1~6(1~4など)、すなわち1、2、3、4、5、又は6(1、2、3、又は4など)、より好ましくは1又は2個の炭素-炭素三重結合を有する。
好ましくは、アルキニレン基が2~12個(2~10個など)の炭素原子、すなわち2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子(2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の炭素原子など)、より好ましくは2~8個の炭素原子、例えば2~6個の炭素原子又は2~4個の炭素原子を含む。
したがって、好ましい態様において、アルキニレン基は2~12個(例えば2~10個)の炭素原子及び1、2、3、4、5、又は6個(例えば1、2、3、4、又は5個(好ましくは1、2、又は3個)の炭素炭素三重結合を含み、より好ましくは2~8個の炭素原子及び1、2、3、又は4個(好ましくは1又は2個)の炭素炭素三重結合、例えば2~6個の炭素原子及び1、2又は3個の炭素炭素三重結合又は2~4個の炭素原子及び1又は2個の炭素炭素三重結合。
例示的なアルキニレン基には、エチン-1,2-ジイル、1-プロピン-1,3-ジイル、1-プロピン-3,3-ジイル、1-ブチン-1,3-ジイル、1-ブチン-1,4-ジイル、1-ブチン-3,4-ジイル、2-ブチン-1,4-ジイルなどが含まれる。
アルキニレン基が窒素原子に結合している場合、三重結合は窒素原子に対してαであることはできない。
「置換アルキニレン」は、アルキニレン基の1若しくは複数(例えば、アルキニレン基に結合した水素原子の最大数の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個まで、例えば、1~5個、1~4個、又は1~3個、又は1個~2個)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(1個を超える水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。好ましくは、水素以外の置換基が第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又はハロゲンもしくは任意選択的に置換されたアリールのような、本明細書中に特定されるような第3レベルの置換基である。
「アリール」又は「芳香族環」という用語は、芳香族環式炭化水素のモノラジカルを指す。好ましくは、アリール基が、1つの環(例えば、フェニル)又は2若しくは複数の縮合環(例えば、ナフチル)に配置され得る3~14(例えば、5、6、9、又は10)の炭素原子を含む。例示的なアリール基は、シクロプロペニリウム、シクロペンタジエニル、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、アントリル、及びフェナントリルを含む。好ましくは、「アリール」が、6の炭素原子を含む単環式環又は10の炭素原子を含む芳香族二環系を指す。好ましい例が、フェニル及びナフチルである。「置換アリール」とは、アリール基の水素原子の1若しくは複数(アリール基に結合した1~最大まで、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2)が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2以上の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。
好ましくは、水素以外の置換基が、ハロゲン、-CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、及びアルキニル(例えば、C2-6アルキニル)のような、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は本明細書で特定される第3レベル置換基である。 置換アリールの例としては、ビフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロ-6-メチルフェニル、アニリニル、3-ニトロフェニル、4-ヒドロキシフェニル、メトキシフェニル(すなわち、2-、3-、若しくは4-メトキシフェニル)、及び4-エトキシフェニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族環」という用語は、アリール基中の1若しくは複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、S、又はN)によって置換されている上記定義のアリール基を意味する。好ましくは、ヘテロアリールが、1、2、又は3個の炭素原子がO、N、又はSの同一又は異なるヘテロ原子によって置換されている5-員又は6-員の芳香族単環を意味する。あるいは1、2、3、4、又は5個の炭素原子がO、N、又はSの同一又は異なるヘテロ原子で置き換えられた芳香族二環式又は三環式環系を意味し、好ましくはヘテロアリール基の各環において、O原子の最大数は1であり、S原子の最大数は1であり、O及びS原子の最大総数は2である。例えば、3~14員ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリール(例えば、5-員又は6-員)、二環式ヘテロアリール(例えば、9員又は10員)、及び三環式ヘテロアリール(例えば、13員又は14員)を包含する。例示的なヘテロアリール基には、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,5-及び1,2,3-)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,3-及び1,2,4-)、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-及び1,2,5-)、ピリジル(ピリジニルとも呼ばれる)、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル(1,2,3-、1,2,4-及び1,3,5-)、ベンゾフラニル(1-及び2-)、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル(1-及び2-)、1H-インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、インドキサジニル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアジニル、キノクサリニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル(1,2,3-及び1,4-ベンゾトリアジニル)、ピリダジニル、フェノクサジニル、チアゾロピリジニル、ピロロチアゾリル、フェノチアジニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、ピロリジニル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル(1,5-、1,6-、1,7-、1,8-、及び2,6-)、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナンスロリニル(1,7-、 1,8-、1,10-、3,8-、及び4,7-)、フェナジニル、オキサゾロピリジニル、イソオキサゾロピリジニル、ピロロオキサゾリル、及びピロロピロリルがある。
例示的な5-員又は6-員ヘテロアリール基には、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(1,2,5-及び1,2,3-)、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,3-及び1,2,4-)、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(1,2,3-及び1,2,5-)、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル(1,2,3-、1,2,4-及び1,3,5-)、及びピリダジニルが含まれる。
「置換ヘテロアリール」は、ヘテロアリール基の1若しくは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個など)の水素原子が、水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。
好ましくは、水素以外の置換基が、ハロゲン、CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、及びアルキニル(例えば、C2-6アルキニル)のような、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は本明細書で特定される第3レベル置換基である。 置換ヘテロアリールの例としては、2,4-ジメチルピリジン-3-イル、2-メチル-4-ブロモピリジン-3-イル、3-メチル-2-ピリジン-2-イル、3-クロロ-5-メチルピリジン-4-イル、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル、3,5-ジメチルピリジン-4-イル、2-メチルピリジン-3-イル、2-クロロ-4-メチル-チエン-3-イル、1,3,5-トリメチルピラゾール-4-イル、3,5-ジメチル-1,2-ジオキサゾール-4-イル、1,2,4-トリメチルピロール-3-イル、3-フェニルピロリル、2,3'-ビフリル、4-メチルピリジル、2-若しくは3-エチリンドリルを含む。
用語「シクロアルキル」又は「脂環式」は、好ましくは3~14個の炭素原子、例えば3~12個又は3~10個の炭素原子、すなわち3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14個の炭素原子(例えば3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子)、より好ましくは3~7個の炭素原子を有する「アルキル」及び「アルケニル」の環状非芳香族バージョンを表す。
例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロへクセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロノニル、シクロノネニル、シルコデシル、シルコデセニル、及びアダマンチルが挙げられる。
「シクロアルキル」という用語は、その二環式及び三環式のバージョンを含むことを意味するが、それぞれの環が2つの隣接する炭素原子で互いに連結されていることが好ましいが、代わりに、2つの環は同じ炭素原子を介して連結されている、すなわち、それらはスピロ環系を形成するか、又は「架橋」環を形成する。シクロアルキルの好ましい例には、C3-8-シクロアルキル、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[3,3]ヘプチル、スピロ[3,4]オクチル、スピロ[4,3]オクチル、ビシクロ[4,1,0]ヘプチル、ビシクロ[3,2,0]ヘプチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプチル、ビシクロ[2,2,2]オクチル、ビシクロ[5,1,0]オクチル、及びビシクロ[4,2,0]オクチルが含まれる。 シクロアルキル基に結合した水素原子、例えば、シクロアルキル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個の水素原子は水素以外の置換基で置換される(1個より多い水素原子が置換される場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。
好ましくは、水素以外の置換基が、ハロゲン、-CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、=X(例えば、=O、=S、若しくは=NH)、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、及びアルキニル(例えば、C2-6アルキニル)のような、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は本明細書で特定される第3レベル置換基である。 置換シクロアルキルの例には、オキソシクロヘキシル、オキソシクロペンチル、フルオロシクロヘキシル、及びオキソシクロヘキセニルが含まれる。
「ヘテロシクリル」又は「複素環」という用語は、シクロアルキル基中の1、2、3、又は4個の環炭素原子が、ヘテロ原子(O、S、S(O)、S(O)2、N、B、Si、及びPからなる群から選択されるもの、好ましくはO、S、S(O)2、及びNからなる群から選択されるものなど)によって置換されている、上述で定義したシクロアルキル基を意味する。
ヘテロシクリル基の環が1つのタイプのヘテロ原子のみを含有する場合、前記ヘテロシクリル基の環中の前記ヘテロ原子の最大数は、以下の通りであり得る: 2 O原子(好ましくは1 O原子);2 S原子(好ましくは1 S原子);4 N原子(例えば1、2、又は3 N原子);2 B原子(好ましくは1 B原子);1 Si原子;及び/又は1 P原子。
ヘテロシクリル基の環が2種以上のヘテロ原子を含有する場合、該ヘテロシクリル基の環中の該ヘテロ原子の最大数は以下の通りであり得る: 1 O原子; 1 S原子; 2 N原子(好ましくは1 N原子); 1 B原子; 1 Si原子;及び/又は1 P原子(ここで、該ヘテロシクリル基の環中のヘテロ原子の最大総数は4であり、該ヘテロシクリル基の環中の各ヘテロ原子の最大総数は以下の通りである: 1 O原子; 1 S原子;1又は2 N原子; 1 B原子(好ましくは0 B原子); 1 Si原子(好ましくは0 Si原子);及び/又は1 P原子(好ましくは0 P原子)。
一実施態様ではヘテロシクリル基のヘテロ原子が、O、S、及びNからなる群から選択される。この実施態様では、好ましくは、ヘテロシクリル基の各環において、O原子の最大数は1であり、S原子の最大数は1であり、O及びS原子の最大総数は2である。
例えば、3-~14-員ヘテロシクリルは、単環ヘテロシクリル(例えば、3-、4-、5-、6-、又は7-員、好ましくは4-~7-員)、二環ヘテロシクリル(例えば、8-、9-、又は10-員)、及び三環ヘテロシクリル(例えば12-、13-、又は14-員)を包含する。 ヘテロシクリル基が2若しくは複数の環を含む場合、これらの環は、(キノリニル又はプリニルにおけるように)縮合されているか、スピロ部分であるか、架橋構造であるか、二重結合を介して連結されているか、又はそれらの組み合わせであるかのいずれかである。換言すれば、無置換ヘテロシクリル基は、単結合を介して連結された2つのヘテロシクリル基を包含しない。
用語「ヘテロシクリル」は、また、上記のヘテロアリール基の部分的又は完全に水素化された形態(例えば、ジヒドロ、テトラヒドロ、ヘキサヒドロ、オクタヒドロ、デカヒドロ、ドデカヒドロなど、又はペルヒドロ形態)を包含することを意味する。
例示的なヘテロシクリル基には、アゼチジニル、モルホリノ、イソクロマニル、クロマニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、トリアジナ二ル(1,2,3-、1,2,4-、及び1,3,5-)、ジ-及びテトラヒドロチエニル、ジ-及びテトラヒドロフラニル、ジ-及びテトラヒドロチエリル、ジ-及びテトラヒドロオキサゾリル、ジ-及びテトラヒドロイソオキサゾリル(1,2,5-及び1,2,3-)、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジ-及びテトラヒドロトリアゾリル(1,2,3-、1,2,4-)、ジ及びテトラヒドロチアゾリル、ジ及びテトラヒドロチアジアゾリル(1,2,3-及び1,2,5-)、ジ-及びテトラヒドロピリジル、
ジ-、テトラ-及びヘキサヒドロピリミジニル、
ジ-及びテトラヒドロピラジニル、
ジ-及びテトラヒドロトリアジニル(1,2,3-、1,2,4-及び1,3,5-)、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンゾフラニル(1-及び2-)、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロインドリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロイソインドリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンゾチエニル(1-及び2)、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロ-1H-インダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンズイミダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンズオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロインドキサジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンズイソオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンゾチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンズイソチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロベンゾトリアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロキノリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロイソキノリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロベンゾジアジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロキノキサリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロキナゾリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロベンゾトリアジニル(1,2,3-、1,2,4-)、
ジ-、テトラ-、ヘキサヒドロピリダジニル、
ジ-、テトラ-、 ヘキサ-、オクタ-、デカ-及びドデカヒドロフェノキサジニル
ジ-、テトラ-、 ヘキサ-、オクタヒドロチアゾロピリジニル(例えば、4,5,6-7-テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4-c]ピリジニル、若しくは、4,5,6-7-テトラヒドロ[1,3]-チアゾロ[4,5-c]ピリジニル、例えば、4,5,6-7-テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4-c]ピリジン-2-イル若しくは4,5,6-7-テトラヒドロ[1,3]-チアゾロ[4,5-c]ピリジン-2-イル、
ジ-、テトラ-及びヘクサヒドロピロロチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ及びデカヒドロフェノチアジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロイソベンゾフラニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロクロメニル、
ジ-、テトラ-、 ヘキサ-、オクタ-、デカ-及びドデカヒドロキサンテニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-及びドデカヒドロフェノキサチイニル、
ジ-、テトラ-及びヘキサヒドロピロリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロインドリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロインダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロプリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロキノリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロフタラジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロナフタチリジニル(1,5-、1,6-、1,7-、1,8-、2,6-)、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロシンノリニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-及びデカヒドロプテリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-及びドデカヒドロカルバゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-、ドデカ-及びテトラデカヒドロフェナンスリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-、ドデカ-及びテトラデカヒドロアクリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-及びドデカヒドロペリミジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-、ドデカ-及びテトラデカヒドロフェナンスロリニル(1,7-、1,8-、1,10-、3,8-及び4,7-)、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-、オクタ-、デカ-、ドデカ-及びテトラデカヒドロフェナジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロオクサゾロピリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロイソクサゾロピリジニル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロシクロペンタピロリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロシクロペントピラゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロシクロペンタイミダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロシクロペンタチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロシクロペンタオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロピロロピロリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロピロロピラゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ-及びオクタヒドロピロロイミダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピロロチアゾリル(5,6-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,4-d][1,3]チアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピロロオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピラゾロピラゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピラゾロイミダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピラゾロチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロピラゾロオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロイミダゾイミダゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロイミダゾチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロイミダゾオクサゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロチアゾロチアゾリル、
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロチアゾロオクサゾリル、及び
ジ-、テトラ-、ヘキサ及びオクタヒドロオクサゾロオクサゾリル等。
例示的な5-員又は6-員ヘテロシクリル基には、モルホリノ、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジ及びテトラヒドロフラニル、ジ及びテトラヒドロチエニル、ジ及びテトラヒドロオキサゾリル、ジ及びテトラヒドロイソオキサゾリル、ジ及びテトラヒドロオキサジアゾリル(1,2,5-及び1,2,3-)、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、ジ及びテトラヒドロトリアゾリル(1,2,3-及び1,2,4-)、ジ及びテトラヒドロチアゾリル、ジ及びテトラヒドロイソチアゾリル、ジ及びテトラヒドロチアジアゾリル(1,2,3-及び1,2,5-)、ジ及びテトラヒドロピリジル、ジ-、テトラ-及びヘキサヒドロピリミジニル、ジ及びテトラヒドロピラジニル、ジ及びテトラヒドロトリアジニル(1,2,3-、1,2,4-、1,3,5-)、及びトリアジナニル(1,2,3-、1,2,4-、1,3,5-)。
「置換ヘテロシクリル」とは、ヘテロシクリル基の1若しくは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1~2個など)の水素原子が水素以外の置換基で置換されていることを意味する(2若しくは複数の水素原子が置換されている場合、置換基は同じであっても異なっていてもよい)。
好ましくは、水素以外の置換基が、ハロゲン、-CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、=X(例えば、=O、=S、若しくは=NH)、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、及びアルキニル(例えば、C2-6アルキニル)のような、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は本明細書で特定される第3レベル置換基である。
不飽和化合物又は基の「部分的に水素化された形態」という表現は、本明細書で使用される場合、不飽和の部分が、全ての不飽和部分をなくすることなしに、当初の不飽和化合物又は基に、形式的に(formally)水素を付加することによって、なくされることを意味する。
「完全に水素化された形態」という語句は、本明細書では用語「perhydro」と互換的に使用され、最初に不飽和の化合物又は基に水素を形式的に添加することによって、すべての不飽和が除去されたことを意味する。
例えば、部分的に水素化された形態の5-員ヘテロアリール基(フランのような環に2つの二重結合を含有する)は前記5-員ヘテロアリール基のジヒドロ形態(2,3-ジヒドロフラン又は2,5-ジヒドロフランのような)を含み、一方、前記5-員ヘテロアリール基のテトラヒドロ形態(例えば、テトラヒドロフラン、すなわち、THF)は、完全に水素化された(又はペルヒドロ)形態の前記5-員ヘテロアリール基である。
同様に、環内に3つの二重結合を有する6-員ヘテロアリール基(ピリジルなど)については部分的に水素化された形態が、ジ及びテトラヒドロ形態(ジ及びテトラヒドロピリジルなど)を含むが、ヘキサヒドロ形態(ヘテロアリールピリジルの場合のピペリジニルなど)は前記6-員ヘテロアリール基の完全に水素化された(又はペルヒドロ)誘導体である。
結果として、アリール又はヘテロアリールのヘキサヒドロ形態は、アリール又はヘテロアリールが環原子間の二重結合及び三重結合からなる少なくとも4つの不飽和部分を含有する場合にのみ、本発明に従う、部分的に水素化された形態と考えることができる。
炭化水素の文脈において使用される「芳香族」という用語は、分子全体が芳香族でなければならないことを意味する。
例えば、単環式アリールが水素化(部分的又は完全のいずれか)される場合、得られる水素化環状構造は、本発明の目的のためにシクロアルキルとして分類される。
同様に、二環式又は多環式アリール(例えば、ナフチル)が水素化される場合、得られる水素化二環式又は多環式構造(例えば、1,2-ジヒドロナフチル)は、本発明の目的のためにシクロアルキルとして分類される(1,2-ジヒドロナフチルにおけるような1つの環が依然として芳香族である場合でさえ)。
本願発明において、ヘテロアリールとヘテロシクリルとの間にも同様の区別がなされる。
例えば、インドリニル、すなわちインドリルのジヒドロ変異体は二環式構造の1つの環式のみが芳香族であり、環式原子の1つがヘテロ原子であるので、本発明の目的のためにヘテロシクリルとして分類される。
本明細書で使用する「多環式」という用語は構造が2若しくは複数(2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個など)、好ましくは2、3、4、又は5個、より好ましくは2、3、又は4個の環を有することを意味し、したがって、本発明によれば、「多環式」という用語は、構造が1個の環のみを含む単環式構造を包含しない。多環式基の例は、縮合構造(例えば、ナフチル又はアントリル)、スピロ化合物、単結合又は二重結合(例えば、ビフェニル)を介して連結される環、及び架橋構造(例えば、ボルニル)である。例示的な多環構造は、少なくとも2つの環を有する、上記で特定されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基である。
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
用語「アジド」は-N3を意味する。
用語「N-オキシド」は、官能基(Rn)3N+-O-、すなわち、N-O配位共有結合を含む化学化合物であるアミン酸化物又はアミン-N-オキシドを意味し、Rnが、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基の各々が、任意選択的に、一若しくはそれ以上(アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリル基に結合した水素原子の最大数、例えば、1~5、1~4、もしくは1-3、又は1若しくは2のような、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、1のような)の独立に選択されたR30で置換されることができ、R30は、好ましくは第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又は本明細書で指定される第3レベルの置換基である。
本明細書の他の箇所に記載されているように、R5は-L-R6であり、R6はヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、その各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR7で任意選択的に置換されていてもよい。
これに関連して、本明細書で使用する「R6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は一緒に結合して=Oを形成することができる」という表現がR6の1つの環原子のみに結合した合計2つの水素原子を置換する場合に、2つのモノラジカル(すなわち、R7)がジラジカル=Oを形成することができることを意味する。
例えば、本発明によれば、
Figure 2022505645000003
(式中、波線は、R6が化合物の残りの部分に結合する結合を表す)
であるR6は、(1)R7基の各々が、本明細書で特定される特定の部分から独立して選択されるモノラジカルだけではなく(例えば、メチル又はCl)、(2)R6の同じ原子に結合した任意の2つのR7基が一緒に結合してジラジカル=Oを形成し、
Figure 2022505645000004
の式を持つR6基(ここで、残りのR7基はモノラジカルである)を生じる可能性も包含する。
同様に、R6が4個のR7で置換された3-テトラヒドロチエニルである場合、そのような置換されたR6は以下を包含する
以下の式:
Figure 2022505645000005
等。
「シクロアルキル基又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合した任意の2つのR30は、共に結合して=X1を形成する」などの類似の用語は、本明細書で使用されるように、類似の様式で解釈されるべきである。この点において、R6の同じ原子に結合される任意の2つのR7が一緒になって=Oを形成することができる実施態様において、最初に(すなわち、修飾なしに=O)R6は、複素環でなければならないことが理解されるべきである(複素芳香族環において、2つの遊離原子価を有する炭素環原子が存在しないため)。
「1つのR7基が、R6が化合物の残りに結合する、環原子に対して2位のR6の環原子に結合される」という表現は、本明細書で使用される場合、R6が化合物の残りに結合される環原子に直接隣接する2つの環原子のうちの少なくとも1つが、1つのR7基を有することを意味する。
言い換えれば、R6が、化合物の残りの部分(すなわち、R6の「yl位置」)に結合する環原子に対して、R6のオルト位の少なくとも1つは、R7基を有する。
例えば、R6が、1個のR7で置換された3-ピリジル(すなわち、環窒素原子に対して3位の環炭素)である場合に上記式を適用すると、このR7基は以下の式に示すように、3-ピリジル基の2位又は4位にあることになる:
Figure 2022505645000006
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
さらに、R6が、2若しくは複数(2個又は3個など)のR7基で置換されている場合で、「R6が化合物の残りの部分に結合している環原子に対して2位のR6の環原子に1個のR7基が結合している」という表現は、R6が化合物の残りの部分に結合して、環原子に直接隣接している、2個の環原子の各々が、1個のR7基を有する状況を包含する(すなわち、R6は2位及びk位の各々に1個のR7基を有するk-員環であり、R6が化合物の残りの部分に結合している環原子に対して、1個のR7基を有する、すなわち、R6がそのオルト位の両方で置換されている)。
例えば、R6が3-ピロリルである場合(したがって、環窒素原子に対して3位の環炭素がイル位)、「1個のR7基は、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子に対して、2位のR6の環原子に結合している」という表現は、以下の構造を包含する:
Figure 2022505645000007
ただし、以下の構造は除く:
Figure 2022505645000008
本明細書で使用される「k-員環」という用語は、環がk個の環原子を有することを意味する。例えば、ピラゾリルのkは5であり、したがって、ピラゾリル基が化合物の残りに結合する環原子(イル位)に対して、オルト位は、2位及び5位であり、k-1位は4位である。
さらに、ピリジニルが、6-員ヘテロアリールである場合、ピリジニル基が化合物の残りに結合される環原子(イル位置)に対して、オルト位置は2及び6であり、位置k-1は5である。
表現「波線」は、本明細書で使用されるように、R6が化合物の残りに結合する結合を表し、R6が化合物の残りに結合する結合を指す(すなわち、(i)Lが結合でない場合にはLに、又は(ii)Lが結合である場合には式(I)のカルボキシ(チオ)アミド基-C(E)N(R4)(R5)の窒素原子に結合する)。
例えばR6が、
Figure 2022505645000009
で、Lが、(i)メチレン又は(ii)結合の場合、式(I)の化合物は、以下の構造(A1)及び(A2)を有する:
Figure 2022505645000010
用語「任意選択的に、置換された」は、1若しくは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2個)の水素原子が以下の基で置換されていてもよい;
水素とは異なる第1のレベルの置換基;
例えば、アルキル(好ましくはC1-6アルキル)、アルケニル(好ましくはC2-6アルケニル)、アルキニル(好ましくはC2-6アルキニル)、アリール(好ましくは6-~14-員アリール)、ヘテロアリール(好ましくは3-~14-員ヘテロアリール)、シクロアルキル(好ましくは3-~14-員シクロアルキル)、ヘテロシクリル(好ましくは3-~14-員ヘテロシクリル)、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR71、-N(R72)(R73)、-S(O)0-2R71,-S(O)1-2OR71、-OS(O)1-2R71、-OS(O)1-2OR71、-S(O)1-2N(R72)(R73)、-OS(O)1-2N(R72)(R73)、-N(R71)S(O)1-2R71、-NR71S(O)1-2OR71、-NR71S(O)1-2N(R72)(R73)、-OP(O)(OR71)2、-C(=X1)R71、-C(=X1)X1R71、-X1C(=X1)R71、及びX1C(=X1)X1R71
及び/又は
何らかの2つの第1のレベルの置換基であって、それは、一緒になって=X1を形成することができる、シクロアルキル基若しくはヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合しており、ここで、第1のレベルの置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルの各々が次から選ばれる1若しくは複数(例えば1、2若しくは3)の置換基(すなわち第2のレベルの置換基)で自体選択的に置換されていてもよい:C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OR81、-N(R82)(R83)、-S(O)0-2R81、-S(O)1-2OR81、-OS(O)1-2R81、-OS(O)1-2OR81、S(O)1-2N(R82)(R83)、-OS(O)1-2N(R82)(R83)、-N(R81)S(O)1-2R81、-N(R81)S(O)1-2OR81、-NR81S(O)1-2N(R82)(R83)、-OP(O)(OR81)2、-C(=X2)X81、-C(=X2)X2R81、-X2C(=X2)R81、及びX2C(=X2)X2R81
及び/又は
何らかの2つの第2のレベルの置換基であって、それは、一緒になって=X2を形成することができる、第1のレベルの置換基であるシクロアルキル基若しくはヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合しており、ここで、第2のレベルの置換基であるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリルの各々が次から選ばれる1若しくは複数(例えば1、2若しくは3)の置換基(すなわち第3のレベルの置換基)で自体選択的に置換されていてもよい:C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-OCF3、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、及びN(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)z(ただし、各zは独立して0、1又は2であり、C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである、
及び/又は
何らかの2つの第3のレベルの置換基であって、それは、一緒になって、=O、=S、=NH、=N(C1-3アルキル)を形成することができる、第2のレベルの置換基である3-~14-員のシクロアルキル基若しくはヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合しており、ここで、
R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~7-員シクロアルキル、5-又は6-員アリール、5-又は6-員ヘテロアリール、及び3-から7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~7-員シクロアルキル、5-又は6-員アリール、5-又は6-員ヘテロアリール、及び3-から7-員ヘテロシクリル基は、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-OCF3、=O、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-C(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、及びN(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選ばれる1、2若しくは3の置換基で独立して選択的に置換されていてもよい(ただし、各zは独立して0、1又は2であり、C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;
R81、R82、及びR83のそれぞれは、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、3-~6-員シクロアルキル、5-又は6-員アリール、5-又は6-員ヘテロアリール、及び3-から6-員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、3-~6-員シクロアルキル、5-又は6-員アリール、5-又は6-員ヘテロアリール、及び3-から6-員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-OCF3、=O、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-C(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、及びN(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選ばれる1、2若しくは3の置換基で独立して選択的に置換されていてもよい(ただし、各zは独立して0、1又は2であり、C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;及び
X1及びX2は、独立して、O、S及びN(R84)から選ばれ、ここで、R84は、水素若しくはC1-3アルキルである。
典型的な第一級置換基は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-から14-員(例えば6-から10-員など)アリール、3-から14-員(例えば5-又は6-員など)ヘテロアリール、3-から14-員(例えば3-から7-員など)シクロアルキル、3-から14-員(例えば3-から7-員など)ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR71、-N(R72)(R73)、-S(O)0-2R71、-S(O)1-2OR71、-OS(O)1-2R71、-OS(O)1-2OR71
-S(O)1-2N(R72)(R73)、-OS(O)1-2N(R72)(R73)、-N(R71)S(O)1-2R71、-NR71S(O)1-2OR71、-C(=X1)R71、-C(=X1)X1R71、-X1C(=X1)R71及びX1C(=X1)X1R71、例えば、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、6員アリール、5-員又は6-員ヘテロアリール、3員から7員シクロアルキル、3員又は7員(例えば5-員若しくは6員)ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、及びN(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zであり、各zは独立して0,1若しくは2であり、各C1-3アルキルは独立して、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであり-X1は独立してO、S、NH、及びN(CH3)から選択される;ここで、R71、R72、及びR73の各々は、上記であり、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-員又は6-員シクロアルキル、5-員又は6-員アリール、5-員又は6-員ヘテロアリール、及び5-員又は6-員ヘテロシクリルからなる群から選択されることが好ましく、ここで各アルキニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基は、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-X(C1-3アルキル)Z、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z及び-N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択される1、2又は3個の置換基で選択的に置換されていてもよい。ここで各zは独立して0,1若しくは2であり、各C1-3アルキルは独立して、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルである。
第1レベル置換基の特定の例は、C1-3アルキル、フェニル、イミダゾリル、チアゾリル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ジヒドロチアゾリル、チアゾリジニル、ハロゲン、-CF3、-CN、-OH、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z及び-N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、各zは独立して0、1若しくは2であり、各C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。
特に好ましい第1レベル置換基は、C1-3アルキル、フェニル、チアゾリジニル、ハロゲン(F、Cl、又はBrなど)、-NH2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、及びNHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、zは0、1、又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルである。
典型的な第2レベルの置換基は、好ましくは、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、6-員又は10-員アリール、5-員又は6-員のヘテロアリール、5-員又は6-員のシクロアルキル、5-員又は6-員のヘテロシクリル、ハロゲン、=O、=S、-CF3、-CN、アジド、-NO2、-OH、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)Z及びN(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)Zからなる群から選択される(式中、各Zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである)。
第二級置換基の特定の例は、C1-3アルキル、フェニル、5-員又は6-員ヘテロアリール、5-員又は6-員シクロアルキル、5-員又は6-員ヘテロシクリル、ハロゲン、=O、=S、-CF3、-CN、-OH、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z及び-N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択される。式中、各zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。
特に好ましい第2レベル置換基は、独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、=O及び=Sからなる群から選択される。
典型的な第3レベル置換基は、好ましくは、C1-3アルキル、フェニル、ハロゲン、-CF3、-OH、-OCH3、-SCH3、-NH2-Z(CH3)z、-C(=O)OH、及びC(=O)OCH3からなる群から選択され、ここで、zは0、1又は2であり、C1-3アルキルはメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。
特に好ましい第3レベル置換基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ハロゲン(F、Cl、又はBrなど)、及びハロゲン(F、Cl、又はBrなど)などの-CF3、及びCF3からなる群から選択される。
本明細書で使用される用語「任意選択」又は「任意選択的」は、後に記載されるイベント、状況又は症状が発生しても発生しなくてもよく、記載が前記イベント、状況又は症状が発生するインスタンス、及びそれが発生しないインスタンスを含むことを意味する。
「異性体」とは、同一の分子式を有するが構造が異なる(構造異性体)又は官能基及び/又は原子の幾何学的(空間的)位置が異なる化合物(「立体異性体」)をいう。「エナンチオマー」とは、互いに重なり合わない一対の立体異性体である。「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」は、等量でエナンチオマーの一対を含み、接頭辞(±)によって示される。「ジアステレオマー」は、重なり合わない立体異性体であり、互いに鏡像関係にない。「互変異性体」とは、個々の原子又は原子の基の移動のために、純粋でさえ、自然に且つ可逆的に相互変換する同一の化学物質の構造異性体である。例えば、タウトマー(互変異性)はお互い動的化学平衡にある。互変異性体の例はケトエノール互変異性体である。コンフォーマーは、フォーマリーに単一結合における回転によって、まさに、インターコンバート相互変換できる立体異性体で、特に、シクロヘキサンのチェアー、半チェアー、ボート、ツイストボート型ような、(ヘテロ)環状環の異なる3次元形態に導かれるものを含む。
本出願に示される構造式は、2若しくは複数の異性体を包含すると解釈することができる場合、前記構造式は特に明記しない限り、全ての可能な異性体、従って、個々の異性体を包含する。
例えば、R6が1-アザボシクロ[2.2.2]oct-3-イル(1若しくは複数のR7基で任意選択的に置換されていてもよい)である式(I)の化合物は両方の異性体、例えば、以下の式(B1)を有する異性体及び以下の式(B2)(式中、n1は0、1、2、3又はそれ以上)を有する異性体を包含する:
Figure 2022505645000011
ここでいう「多型」とは固体材料(化合物等)が2若しくは複数の形態又は結晶構造、すなわち「多型修飾」又は「多型形態」で存在することができることを意味する。本発明において「多型修飾」、「多型形態」及び「多型」という用語は互換的に使用される。本発明によれば、これらの「多型修飾」には、結晶形、非晶質形態、溶媒和物及び水和物が含まれる。主に、異なる多形形態が存在する理由は、以下のような、結晶化プロセスの間の異なる状態の使用にある:
- 溶媒効果(極性溶媒と非極性溶媒では結晶の充填が異なることがある);
- 成長パタ-ンを阻害し、準安定多形体の成長に有利に働く特定の不純物;
- 材料が結晶化される過飽和のレベル(一般に、溶解度を超える濃度が高いほど、準安定形成の可能性が高い);
- 結晶化が行われる温度;
- 共有結合の幾何学(コンホメ-ション多型をもたらす差);
- 撹拌条件を変更。
多形体は、融点-X線結晶及び回折パタ-ン、化学反応性、溶解度、溶解速度、蒸気圧、密度、吸湿性、流動性、安定性、圧縮性、及びバイオアベイラビリティを含むが、これらに限定されない、異なる化学的、物理的、及び/又は薬理学的特性を有する可能性がある。多形体は、特定の温度で、準安定形態(不安定形態)から安定形態に自発的に変換することができる。オストワルドの法則によれば、一般に、最初に結晶化するのは、最も安定ではなく、最も安定でない多形である。したがって、本発明の化合物などの化合物の品質、有効性、安全性、加工性及び/又は製造は、多型によって影響され得る。化合物(本発明の化合物など)の最も安定な多形は、他の多形への変換の可能性が最小であるために選択されることが多い。しかし、安定性以外の理由、例えば、溶解度、溶解速度、及び/又はバイオアベイラビリティーのために、最も安定な多型ではない多型を選択することができる。
本明細書で使用される材料の「結晶形」という用語は、前記材料の最小部品(すなわち、原子、分子又はイオン)が結晶構造をすることを意味し、本明細書で言及される「結晶構造」は、結晶性液体又は固体中の原子又は分子の独特の三次元配列を意味し、パターン、特定の様式で配列された原子のセット、及び長距離秩序(ロングレンジオーダー)及び対称性を示す格子によって特徴付けられる。格子は3次元で周期的に繰り返される点の配列であり、パタ-ンは格子の点の上に位置する。格子のサブユニットは単位格子である。格子パラメ-タは、単位セルの端の長さと、その間の角度である。結晶の対称性は、その空間群において具体化される。結晶構造を記述するためには、化学式、格子定数、空間群、原子の座標及び点位置の占有数等のパラメ-タが必要である。
本明細書で使用される材料の「非晶質形態」という用語は、前記材料の最小成分(すなわち、原子、分子、又はイオン)が格子状に配置されておらず、ランダムに配置されていることを意味する。したがって、短距離秩序(ショートレンジオーダー)(次の隣接原子までの距離が一定)と長距離秩序(基本格子の周期的繰返し)が存在する結晶とは異なり、短距離秩序だけが非晶質の形成で存在する。
本明細書で使用される「化合物の複合」という用語は、化合物と他の1若しくは複数の他の分子との会合によって生成される、より高次の化合物を指す。化合物の例示的な複合には前記化合物の溶媒和物、クラスター、及びキレートが含まれるが、これらに限定されない。
「溶媒和物」とは、溶媒(例えば、有機溶媒(例えば、脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール)、アセトン、アセトニトリル、エ-テルなど)、水、又はこれらの液体の2種以上の混合物)中に溶解した物質の付加錯体であって、付加錯体が、結晶又は混晶の形態で存在するものをいい、付加錯体に含まれる溶媒の量は化学量論的又は非化学量論的であってもよい。
同位体標識化合物において、1若しくは複数の原子は同じ数の陽子を有するが、中性子の数が異なる対応する原子によって置換される。例えば、水素原子を重水素原子で置き換えてもよい。本発明の化合物に使用することができる例示的な同位体には、重水素、11C、13C、14C、15N、18F、32P、32S、35S、36CI、及び125Iが含まれる。
用語「半減期」は、分子の活性、量、又は数の半分を排除するために必要とされる期間に関する。本発明の文脈において、式(I)又は(Ia)の化合物の半減期は、該化合物の安定性を示す。
用語「対象」、「患者」、「個体」、又は「動物」は、脊椎動物のような多細胞動物に関するものである。例えば、本発明の文脈における脊椎動物は、哺乳動物、鳥類(例えば、家禽)、は虫類、両生類、骨魚類、及び軟骨魚類、特に上記のいずれかの家畜動物、ならびに動物園の動物(特に脊椎動物)のような捕獲性の動物(特に脊椎動物)である。本発明の文脈における哺乳動物にはヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、ブタ、ウマなどの家畜哺乳動物、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどの実験用哺乳動物、ならびに動物園の哺乳動物などの捕獲性の哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「動物」という用語は、ヒトも含む。鳥の特定の非限定的な例としては家禽が挙げられ、鳥類(例えば、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウ、モルモット、ハト、キジなど)が挙げられるが、骨性又は軟骨性魚類の特定の非限定的な例としては水産養殖による栽培に適切なものが挙げられ、骨性魚類(例えば、サケ、マス、パ-チ、コイ、ナマズなど)が挙げられる。
化合物ダサチニブ(本明細書では化合物A8とも呼ばれる)は、以下の構造を有する:
Figure 2022505645000012
化合物第1の態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は他の方法で開示され得るように、本発明は、次式のキナーゼ阻害剤からなる群より選択される化合物を提供する:
Figure 2022505645000013
及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである;
ここで:
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR11、-N(R12)(R13)、-N(R11)(OR11)-S(O)0-2R11、-S(O)1-2OR11、-OS(O)1-2R11、-OS(O)1-2OR11、-S(O)1-2N(R12)(R13)、-OS(O)1-2N(R12)(R13)、-N(R11)S(O)1-2R11、-N(R11)S(O)1-2OR11、-NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、-C(=X)R11、-C(=X)XR11、-XC(=X)R11及び-XC(=X)XR11からなる群から選択される。式中、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、3-~7-員ヘテロアリール、3-員から7-員ヘテロシクリル、-O(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル )、-O(CH2)O-2(C6-10アリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロシクリル)、-NH(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル)、-NH(CH2)O-2(C6-10アリール)、-NH(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-NH(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロシクリル)、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2, -OH、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)Z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)Z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)Zからなる群から独立して選択され、ここで、Zは、0、1若しくは2であり、及び、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-1Oアリール、3-~7-員ヘテロアリール、及び3-~7-員ヘテロシクリル基は、OH、メチル、エチル、-OCH3、-SCH3、及びNH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択される1、2、又は3つの部分で任意選択的に置換されていてもよい;
R2はHである;
R3はH、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11の群から選ばれ、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R4は、Hである;
R5は、-L-R6である;
Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び(CH2)m-[Y-(CH2)n]o-からなる群より選択され、ここで、mは1~6の間の整数であり、nは0~3の間の整数であり、0は1~3の間の整数であり、nは0である場合、oは1であり;YはO、S、及びN(R13)-から独立して選択され、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、1若しくは2の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R6は、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい;
R7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、及び/又はヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は一緒に結合して=Oを形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
Aは、S、O、NR8、及びC(R9)2からなる群から選択される;
R8は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール基は、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい。
Xは、独立して、O、S、及びN(R14)からなる群から選択される;
Eは、O又はSである;
Bは、N又はCRldである;
Rldは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R11は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R12及びR13の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、又は、R12及びR13は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、基-N=CR15R16を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R14は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びOR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R15及びR16の各々は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びNHyR20 2-yからなる群から独立して選択され、又は、R15及びR16はそれらが結合している原子と一緒に結合して、1若しくは複数の、独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい環を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
yは、0 ~2 の整数である;
R20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;そして、
R30は、第1レベルの置換基であり、それは、各ケースにおいて、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR71、-N(R72)(R73)、 -S(O)0-2R71、 -S(O)1-2OR71、 -OS(O)1-2R71、 -OS(O)1-2OR71、 -S(O)1-2N(R72)(R73)、 -OS(O)1-2N(R72)(R73)、 -N(R71)S(O)1-2R71、 -NR71S(O)1-2OR71、 -NR71S(O)1-2N(R72)(R73)、-OP(O)(OR712、-C(=X1)R71、 -C(=X1)X1R71、 -X1C(=X1)R71、及び -X1C(=X1)X1R71からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つのR30は、共に結合し、=X1を形成することができる。ここで、第1レベルの置換基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基は1若しくは複数の第2レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよい、ここで、前記第2レベルの置換基は、各ケースで、 C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OR81、-N(R82)(R83)、 -S(O)0-2R81、 -S(O)1-2OR81、 -OS(O)1-2R81、 -OS(O)1-2OR81、 -S(O)1-2N(R82)(R83)、 -OS(O)1-2N(R82)(R83)、 -N(R81)S(O)1-2R81、 -NR81S(O)1-2OR81、 -NR81S(O)1-2N(R82)(R83)、-OP(O)(OR812、-C(=X2)R81、 -C(=X2)X2R81、 -X2C(=X2)R81、及び -X2C(=X2)X2R81からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つの第2レベルの置換基は、共に結合し、=X2を形成することができる。
ここで、第2レベルの置換基であるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-(?3-?)~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル基は、1若しくは複数の第3レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよく、ここで、前記第3レベルの置換基は、各ケースで、 C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、-NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、 -S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)OH、 -C(=O)O(C1-3アルキル)、 -C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、各zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。及び/又は第2レベルの置換基である3-~14-員のシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合した任意の2つの第3レベルの置換基は一緒に結合して=O、=S、=NH、もしくは=N(C1-3アルキル)を形成することができる;
R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基からなる群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基は、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、-OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;
R81、R82、及びR83は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基からなる群から独立して選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基は以下からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい:C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)z、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである; 及び
X1及びX2の各々は、独立して、O、S 及びN(R84)から選択され、ここで、R84は、H又はC1-3アルキルである。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤が式(II)を有する:
Figure 2022505645000014
式中、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記で定義した通り〔特に、式(I)に関して〕若しくは以下であり、そして、R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル及びヘテロシクリル基のそれぞれは、独立して選択される1若しくは複数(例えば、1、2又は3)のR30で任意選択的に置換されていてもよい。好ましくは、各R30は、独立して、本明細書に特定される、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は第3レベル置換基であり、例えばアルキル(例えば、C1-6アルキル)、-(CH2)1-30H、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、アルキニル(例えば、C2-6アルキニル)、ハロゲン、-CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、及びC(=O)R11(例えば、-C(=O)(C1-3アルキル)である。
式(II)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記で定義した通り〔特に、式(I)に関して〕若しくは以下であり、そして、R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、及び3-~7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、3-~7-員ヘテロシクリル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシエチル)、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい。
式(II)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記で定義した通り〔特に、式(I)に関して〕若しくは以下であり、そして、R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、モルフォリニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル、モルフォリニル、ピペリジニル及びピロリジニル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシエチル)、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及びNH2-Z(CH3)zからなるから群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(II)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記で定義した通り〔特に、式(I)に関して〕若しくは以下であり、そして、R1aは、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここに、ピペラジニル基は、2-ヒドロキシエチル、メチル、-CH2COOH及び-C(=O)CH3からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく、;ピペリジニル基は、-NH2及び4-メチルピペラジニルからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい;ピロリジニルは、1若しくは2のOHで任意選択的に置換されていてもよい;及びC1-3アルキル基の各々は、-OH、-OCH3及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく、ここで、zは0、1又は2である。
式(II)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上で定義した通り〔特に、式(I)〕若しくは以下であり、そして、R1aは、4-(2-ヒドロキシエチル) ピペラジニル、4-メチルピぺラジニル、4-アセチルピぺラジニル、(2-ヒドロキシエチル)アミノ、4-アミノピペリジニル、4-(4-メチルピペラジニル)ピペリジニル、(4-カルボキシメチルピペラジニル)及び3-ヒドロキシピロリジニルからなる群から選択され、例えば、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-アセチルピペラジニル、及び(2-ヒドロキシエチル)アミノからなる群から選択される。
式(II)のキナーゼ阻害剤の代替の実施態様では、
Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記で定義した通りである〔特に、式(I)に関して〕若しくは以下に定義され、そして、R1aは、脱離基(例えば、Cl、Br、又はFなどのハロゲン)、ニトロ、ベンゾトリアゾ-ル-1-イルオキシ、C1-C10アルキルスルホネート、C1-C10ハロアルキルスルホネート、ノナフレート(CF3CF2CF2CF2SO3-)、CF3C(=O)O-、フェニルスルホネート(ここで、フェニルはハロゲン及びC1-C4アルキルからそれぞれ独立して選択される1、2、又は3個の基で任意選択的に置換されていてもよい)、又は式-[N(Rx)(Ry)(Rz)]+[G]-(式中、Rx、Ry、及びRzは独立して水素又はアルキル)のアンモニウム塩であり、そして、Gは強酸の共役塩基である(例えば、G-はCl-))。
一実施態様ではキナーゼ阻害剤が、一般式(III)であり、
Figure 2022505645000015
ここで、R1a、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上で定義した通りである〔特に、式(I)及び/又は式(II)〕若しくは以下に定義され、そして、Rlb及びRlcの各々は、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群から独立に選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシは、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、及びNH2-Z(CH3)Z(式中、zは0、1、又は2)から独立して選択される1、2又は3の部分で任意選択的に置換されていてもよい。
式(III)のキナーゼ抑制剤の一実施態様において、R1a、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上記〔特に、式(I)及び/又は(II)〕又は以下に定義され、そして、Rlb及びRlcの少なくとも1つは、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N、N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N、N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)Z及びフェニルの群から選ばれ、ここで、zは0、1、又は2である。この態様において、Rlb及びRlcの他は、(特に式(I)、(II)及び/又は(III)に関して)上記で定義されたとおりであってもよく、例えば、Rlb及びRlcの他は、H、メチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群より選択されてもよく、ここで、zは0、1、又は2である;及び、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシ基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2)から独立して選択される1、2又は3の部分で任意選択的に置換されていてもよい。
あるいは、Rlb及びRlcの各々が、独立して、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)Z、及びフェニルからなる群より選択され、ここで、zは0、1、又は2である。
式(III)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEは、上述〔特に、式(I)及び/又は(II)〕又は以下に定義され、そして、Rlbは、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであり、好ましくはメチルであり;Rlcは、Hであり、代替実施態様では、RlbはHであり、Rlcはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はフェニルであり、好ましくはメチルである。
関連する態様において、本発明は、式(Ia)のキナーゼ阻害剤からなる群より選択される化合物を提供する:
Figure 2022505645000016
及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである;
ここで、R2、R3、R4、A、及びEの各々は独立して上記(特に、式(I)に関して)又は下記に定義される(特に、式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)通りであり;
R5は、-L-R6であり、ここでLは、結合であり、そしてR6は、1若しくは複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は、下記の式(V)に関して定義される1若しくは複数の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールである);Hyは、1若しくは複数(例えば、ヘテロアリール又はヘテロシクリル基に結合される水素原子の最大数まで、例えば、 1, 2, 3, 4, 5、6、7、8、9、又は10以下、例えば1~5、1~4、又は1~3、又は1もしくは2)の独立して選択されるR1eで、任意選択的に、置換されていてもよいヘテロアリール又はヘテロシクリルであり;各Rleは、R1a、Rlb、Rlc及びRldからなる群から独立して選択され;R1a、Rlb、Rlc及びRldの各々は、独立して、上で定義される(特に、式(I)、(II)、及び/又は(III)に関して)又は下で定義される(特に式(VII)及び/又は(VIII)に関して)。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R2、R3、R4、A、及びEが、独立して、上記で定義された通り(特に式(I)に関して)又は下記で定義された通りであり(特に式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)、R6は、独立して選択された1若しくは複数のR7で選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は、下記の式(V)に関して定義された1若しくは複数の独立して選択されたR7で、任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールである)、そして、Hyは、それぞれ独立して選択された1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのRleで任意選択的に置換されていてもよい3-~10-員ヘテロアリール又は3-~10-員ヘテロシクリルである。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R2、R3、R4、A、及びEは、独立して、上記(特に式(I)に関して)又は下記(特に式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)で定義されるとおりであり、R6は1つ又は複数の独立して選択されるR7で任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は下記の式(V)に関して定義されるとおりの1つ又は複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリール)、及び、Hyは、それぞれ、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択されるRleで、任意選択的に、置換されていてもよい単環式若しくは二環式ヘテロアリール、単環式若しくは二環式ヘテロシクリルである。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の1つの実施態様において、R2、R3、R4、A、及びEは、独立して、上記(特に式(I)に関して)又は下記(特に式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)で定義されるとおりであり、R6は、1つ又は複数の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は下記の式(V)に関して定義されるとおりの1つ又は複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリール)、及び、Hyは、それぞれ独立して選択された1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのRleで任意選択的に置換されていてもよい、5員もしくは6員の単環式ヘテロアリール、5-員もしくは6-員の単環式ヘテロシクリル、9-員~10-員の二環式ヘテロアリール、及び8員~10員の二環式ヘテロシクリルからなる群から選択される。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R2、R3、R4、A、及びEは、独立して、上記(特に式(I)に関して)又は下記(特に式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)で定義されるとおりであり、R6は、1つ又は複数の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は下記の式(V)に関して定義されるとおりの1つ又は複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリール)、及び、Hyは、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル(例えば、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル)、ピラゾリル、オクサジアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、シクロペンタピリミジニル、ジヒドロシクロペンタピリミジニル、ピロロピリミジニル、インドリジニル、ジヒドロインドリジニル、テトラヒドロインドリジニル、キナゾリニル、ジヒドロキナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ピリドピリミジニル、ピラノピリミジニル、ジヒドロピラノピリミジニル、テトラヒドロピラノピリミジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、及び1,1-ジオキシドテトラヒドロチオピラニルからなる群から選択される(これらの各々は、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択されたRleで任意選択的に置換されていてもよい)。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R2、R3、R4、A、及びEは、独立して、上記(特に式(I)に関して)又は下記(特に式(IV)、(VI)、(VII)、及び/又は(VIII)に関して)で定義されるとおりであり、R6は、1つ又は複数の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリールであり(特に、R6は下記の式(V)に関して定義されるとおりの1つ又は複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい5-員又は6-員ヘテロアリール)、及び、Hyは、以下からなる群より選択される:
Figure 2022505645000017

上記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)の各群は、1、2、3、4、5、又は6つの独立して選択されたRleで、任意選択的に、置換されていてもよく、ここで、波線は、式(Ia)において、HyがNR2部分の窒素原子に付着する結合を表す。Hyが、環員としてNH部分を含有する場合、水素原子が、C1-6又はC1-3アルキルなどのアルキル、より好ましくはメチル(アルキル置換N環原子を生じる)で、任意選択的に、置換されていることが好ましく、そして、Hyは、1、2、3、4、又は5個の独立して選択されたRleでさらに、任意選択的に、置換されていてもよい。
このようなNアルキル置換Hy基の例としては、以下を含む;
Figure 2022505645000018
ここで、 式中、波線は、Hyが式(Ia)中のNR2部分の窒素原子に付着する結合を表す。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の上記の実施態様のいずれかにおいて、Hyは、1つのRlb、1つのRlc及び1~4の間、例えば、1、2又は3のR1a若しくはRldで、任意選択的に、置換されていてもよい;例えば、Hyは、1つ(又は2つ)のR1aで、 (特に式(II)に関して上に定義されるように、又は下に定義されるように)、及び1つ(又は2つ)のRlb若しくはRlc(特に式(III)に関して上に定義されるように、又は以下に定義されるように)で、任意選択的に、置換されてもよく、そして、すべての他のRleは、Hである。
式(Ia)のキナーゼ阻害剤の上記の実施態様のいずれかにおいて、AはSであることが好ましく、及び/又は、Eは、Oであることが好ましい。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤は一般式(IV)を有する;
Figure 2022505645000019
ここで、R1a、Rlb、Rlc、R2、R4、R5、A、B、及びEが、上記(特に式(I)、(II)、及び/又は(III)に関して)又は以下で定義され、R3は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)z、(式中、zは0、1、又は2であり、C1-6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、及びフェニル基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR30で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(IV)の キナーゼ阻害剤の1つの実施態様において、R1a、Rlb、Rlc、R2、R4、R5、A、B、及びEが、上記(特に式(I)、(II)、及び/又は(III)に関して)又は以下のように定義され、R3はH、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-4アルキル)、-OCF3、-S(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)2、-C(=O)(C1-4アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-4アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-4アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-4アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-4アルキル)Z及び-N(C1-4アルキル)C(=NH)NHZ-2(C1-4アルキル)Zからなる群か選択され、ここで、フェニル基は、ハロゲン、メチル、イソプロピル、-CN、-CF3、-OCF3、-OH、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-(CH2)1-3NH2、-(CH2)1-3NH(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3N(C1-3アルキル)2、-(CH2)1-3OH、及び(CH2)1-3O(C1-3アルキル)からなる群から独立して選択される1つ、2つ又は複数の基で任意選択的に置換されていてもよく、Zは0、1若しくは2である。。
式(IV)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R4、R5、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、及び/又は(III)に関して)又は以下であり、R3はH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群から選択される。
式(IV)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R4、R5、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、及び/又は(III)に関して)又は以下で定義されるとおりであり、R3は、Hである。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤が一般式(V)を有する;
Figure 2022505645000020
式中、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下で定義されるとおりであり、R5は、-L-R6であり、式中、R6は、N、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有するヘテロアリールであるか、又はN、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基のそれぞれは独立して選択される1つ、2つ、3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。例えば、R6は、N及びOからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有するヘテロアリールであり得る(すなわち、ヘテロアリールは、環ヘテロ原子としてSを含有しない;そして、いくつかの実施態様では、環ヘテロ原子としてOを含有せず、すなわち、R6は、N-ヘテロアリールである)、又は、N及びOからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有するヘテロシクリルであり(すなわち、ヘテロシクリルは環ヘテロ原子としてSを含有せず;及びいくつかの実施態様では、環ヘテロ原子としてOを含有せず、すなわち、R6は、N-ヘテロシクリルであってもよい)、ここで、ヘテロアリール及びヘテロシクリル基のそれぞれは、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、3-~10-員ヘテロアリール(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群から選択されるような、N、O、及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、その各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、単環式若しくは二環式ヘテロアリール(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は単環式若しくは二環式ヘテロシクリル(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、その各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、5-員から6-員の単環式ヘテロアリール(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、4-員から6-員の単環式ヘテロシクリル(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、4-員から6-員の単環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、7-員から9-員の二環式ヘテロアリール(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、及び7-員から9-員の二環式ヘテロシクリル(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、からなる群から選択され、その各々はそれぞれ独立して選択される1、2又は3のR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、5-~6-員の単環式ヘテロアリール(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これは、1つ、2つ、又は3つの独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、7-~9-員の二環式ヘテロシクリル(例えば、NとOの群から選択されるような、N、O及びSからなる群から選択される、少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これは、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、ピリジニル、チエニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオクサゾリル、オクサジアゾリル、イミダゾイミダゾリル、インドリル、ナフチリジニル、チエノピリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、アザビシクロヘプタニル、アザビシクロオクタニル、アザペンタシクロオクタニル、ピペラジニル、モルホリニル、及びテトラヒドロチオフェニルからなる群より選択され、これらの各々は独立して選択されるR7の1、2又は3で、任意選択的に、置換されていてもよい。好ましくはR6は、ピリジニル、チエニル、ピラゾリル、イソオクサゾリル、ピロリル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、及びアザビシクロオクタニルからなる群より選択され、これらの各々は、独立して選択されるR7の1個、2個、又は3個で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)では、R7はC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)1-2(C1-6アルキル)、-NHS(O)1-2O(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、及びOC(=O)(C1-6アルキル)からなる群から独立して、任意選択的に、選択されていてもよく、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合する任意の2つのR7は、共に結合して=Oを形成し、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニル基のそれぞれは、 独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい。
例えば、R7は、C1-3アルキル、ハロゲン、-CN、-O(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群から独立して選択することができ、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は互いに結合して=Oを形成することができ、ここで、C1-3アルキル基のそれぞれは、1つ又は複数の独立して選択されたR30で、任意選択的に、置換されていてもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)の上記の実施態様のいずれかにおいて、R7は、Cl、Br、メチル、及びエチルからなる群、例えばCl、Br、及びメチルからなる群から独立して選択され得る。
式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のキナーゼ阻害剤を含む)の上記の実施態様のいずれかにおいても、R6が置換される場合、R6が化合物の残りに結合する環原子に対して2位でR6の環原子に1つのR7基が結合することが好ましい(すなわち、R6がオルトR7基を有することが好ましい)。
式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)の上記実施態様のいずれかにおいても、R6が2若しくは複数(例えば、2つ、3つ、又は4つ)のR7基で置換されている場合、2若しくは複数のR7基のうちの1つは、R6が化合物の残りの部分に結合している(すなわち、R6がオルトR7基を有する)環原子に対して2位のR6の環原子に結合しており、残りのR7基は2位以外の位置のR6の環原子(複数)に結合していることが好ましい。
例えば、式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のキナーゼ阻害剤を含む)(式中、R6は2若しくは複数のR7基で置換されたk-員環)の上記実施態様のいずれかにおいて、2若しくは複数のR7基のうちの1つが、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子に対して2位のR6の環原子に結合し(すなわち、yl位置に対して)、残りのR7基が、2位以外の位置(例えば、3、4、5、.k位)のR6の環原子に結合することが好ましい。
例えば、R6が5-員環である場合、2若しくは複数のR7基のうちの1つが、2位のR6の環原子(yl位置に対して)に結合し、残りのR7基が、3、4、又は5位のR6の環原子(yl位置に対して)に結合することが好ましい。
さらに、式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)を含む)の上記実施態様のいづれかにおいて、式中、R6が2若しくは複数(例えば、2個、3個、又は4個)のR7基で置換されている場合、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子に直接隣接する2個の環原子のそれぞれが、1個のR7基を有することが好ましい(例えば、k員環であるR6は、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子に対して、位置2及びkのそれぞれに1個のR7基を有する、例えば、R6は、そのオルト位の両方で置換されている)。
さらに、式(V)のキナーゼ阻害剤の上記の実施態様のいずれかにおいて(式(I)、(II)、(III)の及び(IV)のものを含む)、R6が3若しくは複数(例えば、3個又は4個)のR7基で置換されている場合、R6が、化合物の残りの部分に結合する環原子に直接隣接する2個の環原子の各々は、1個のR7基を有することが好ましい(例えば、k員環であるR6は、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子に対して、位置2及びkのそれぞれに1個のR7基を有する、例えば、R6は、そのオルト位の両方で置換されている)、及び、第3のR7基は、オルト環原子の1個に直接隣接するが、R6が化合物の残りの部分に結合する環原子ではない、R6の環原子に結合する(例えば、k員環であるR6は化合物の残りの部分にR6が結合する環原子に対して、3位及びk-1位の1に第3のR7基を有する)ことが好ましい。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、以下の式から選択される:
Figure 2022505645000021
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、以下の式から選択される:
Figure 2022505645000022
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様では、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、以下の式から選択される:
Figure 2022505645000023
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
式(V)のキナーゼ阻害剤の一実施態様ではR1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、A、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、及び/又は(IV)に関して)又は以下であり、R6は、以下の式から選択される:
Figure 2022505645000024
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)の上記実施態様のいずれかにおいて、Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び(CH2)m-[Y-(CH2)n]O-からなる群から選択され得、ここで、mは、1、2、又は3であり、nは、0、1、又は2であり、は、1、2、又は3であり、nが0である場合、は1であり、YはO、S、及びNHから独立して選択され、ここで、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、、1つ又は複数の独立して選択されるR30で、任意選択的に、置換されていてもよい。
例えば、式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)の上記実施態様のいずれかにおいて、Lは結合;1つのR30で、任意選択的に、置換されていてもよいC1アルキレン;任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC2アルキレン(特に1,2-エチレン又は1,1-エチレン);任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC3アルキレン(特にトリメチレン);任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4-ブタンジイル);-(CH2)mO-;及び(CH2)mNH-、式中、mは1、2、又は3)からなる群から選択することができる。
特に、式(V)のキナーゼ阻害剤の上記実施態様のいずれかにおいて、(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)、Lは結合であってもよい。
式(V)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のものを含む)の上記の実施態様のいずれかにおいて、ここで、R6が環ヘテロ原子としてN原子を含有するヘテロシクリル又はヘテロアリール(例えば、5員ヘテロアリール)である場合、Lは、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基のN環原子を介してR6に結合され得る。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤が一般式(VI)を有する;
Figure 2022505645000025
式中、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、B、及びEが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、(IV)及び/又は(V)に関して)又は以下であり、Aは、S、O、NH、N(C1-6アルキル)、及びC(C1-6アルキル)2からなる群から選択される。
式(VI)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、(IV)、及び(V)のキナーゼ阻害剤を含む)の上記の実施態様のいずれかにおいて、Aは、S、O、又はN(CH3)2であり得る。
式(VI)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)のキナーゼ阻害剤を含む)の上記の実施態様のいずれかにおいて、AはSであることが好ましい。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤が一般式(VII)を有する;
Figure 2022505645000026
ここで、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、及びAが、上記で定義した通り(特に式(I)、(II)、(III)、(IV)及び/又は(V)に関して)又は以下であり、
Eは、O又はS(好ましくはO)であり、Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群から選択され得、ここで、該C1-3アルキルの各々は、ハロゲン、-OH、OCH3、-SCH及び-NH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択された1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、zは0、1又は2である。
式(VII)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)のものを含む)の上記実施態様のいずれかにおいて、Eは、O又はS(好ましくはO)であり、Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群から選択され得る。
式(VII)のキナーゼ阻害剤(式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)のキナーゼ阻害剤を含む)の上記の実施態様のいずれかにおいて、Bが、Nであることが好ましく、Eが、Oであり、Bが、Nであることがより好ましい。
一実施態様では、キナーゼ阻害剤が一般式(VIII)を有し、
Figure 2022505645000027
式中、R1a、Rlb、Rlc、R2、R3、R4、R5、A、B、及びEが上記で定義される(特に式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、及び/又は(VII)に関して)又は以下で定義されるとおりであり、Lは結合である。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤の好ましい実施態様において:
(A) R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル基及びヘテロシクリル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数(例えば、1、2又は3)のR30で任意選択的に置換されていてもよい。
好ましくは、各R30が独立して、本明細書中に特定されるような、第1レベル置換基、第2レベル置換基、又は第3レベル置換基、例えば、アルキル(例えば、C1-6アルキル)、-(CH2)1-3OH、アルケニル(例えば、C2-6アルケニル)、アルキニル(例えば、C2-6アルキニル)、ハロゲン、-CN、ニトロ、-OR11(例えば、-OH)、-SR11(例えば、-SH)、-N(R12)(R13)(例えば、-NH2)、及びC(=O)R11(例えば、-C(=O)(C1-3アルキル))である;
(B) Rlb及びRlcの各々は、H、メチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノエチル)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群から独立して選択され、zは0、1又は2であり;フェニル、ピジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシ基の各々は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2) から独立して選択される1、2又は3の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい。;
(C) R3は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)zからなる群から選択される[式中、zは0、1、又は2であり、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及びフェニル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい];
(D) R6は、(特に式(V)に関して)上記で定義した通りであり、好ましくは、3-~10-員ヘテロアリール(例えば、N、及びOからなる群からのように、N、O及びSからなる群より選択される少なくとも1の環ヘテロ原子を含有する)、又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N、及びOからなる群からのように、N、O及びSからなる群より選択される少なくとも1の環ヘテロ原子を含有する)であり、これらの各々は、独立して選択される1、2又は3のR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
(E) Aは、S、O、NH、N(C1-6アルキル)、及びC(C1-6アルキル)2からなる群から選択される;
(F) Bは、N若しくはCR1dであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群から選択され、ここで、C1-3アルキル基の各々は、ハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH、及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、ここで、zは0、1、又は2である;及び/又は
(G) Eは、O又はSであり、好ましくはOである。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤の好ましい実施態様では、R1aが上記(A)で特定されるとおりであり、Rlb及びRlcは、(B)で定義されるとおりであり、R3は(C)で特定されるとおりであり、R6は(特に式(V)に関して)上で定義されるとおりであり、好ましくは3-~10-員ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これらの各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;Aは(E)で特定されるとおりであり、Bは上記(F)で特定されるとおりであり、Eは(G)で特定されるとおりである。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤のさらなる好ましい実施態様において:
(A') R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、及び3-~7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、3-~7-員ヘテロシクリル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、 4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、ここでzは、0、1若しくは2である;
及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチル-ピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい;
(B') Rlb及びRlcの少なくとも1つは、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N, N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、及びフェニルからなる群より選択され、ここで、zは0、1、又は2であり、Rlb及びRlcの他は、上記(B)で定義されるとおりである;
(C') R3は、H、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル, フェニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-4アルキル)、-OCF3、-S(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)2、-C(=O)(C1-4アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-4アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-4アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-4アルキル)、-NHC(=NH)NH2-Z(C1-4アルキル)Z及び -N(C1-4アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-4アルキル)Zからなる群より選択され、ここで、フェニル基は、ハロゲン、メチル、イソプロピル、-CN、- CF3、-OCF3、-OH、-NH2、NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-(CH21-3NH2、-(CH21-3NH(C1-3アルキル)、-(CH21-3N(C1-3アルキル)2、-(CH21-3OH及び -(CH21-3O(C1-3アルキル)からなる群から独立して選択される、1、2若しくは複数基で、任意選択的に、置換されていてもよく、zが0、1、又は2である;
(D') R6は、(特に式(V)に関して)上で定義した通りであり、好ましくは3-~10-員ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、その各々は1、2、又は3つの独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよく、より好ましくは、R6が、単環式若しくは二環式ヘテロアリール又は単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、その各々は独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
(E') Aは、S、O、又はN(CH3)2である;及び/又は
(F') Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群より選択され;及び/又は
(G') Eは、O又はS、好ましくはOである。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤の好ましい実施態様では、R1aが上記(A')で特定されるとおりであり、Rlb及びRlcは、(B')で定義されるとおりであり、R3は(C')で特定されるとおりであり、R6は上記(特に式(V)に関して)で定義されるとおりであり、好ましくは、3-~10-員ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これらの各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換され、より好ましくはR6が、単環又は二環ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)又は単環式若しくは二環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であって、その各々は独立して選択される1個、2個、又は3個のR7で、任意選択的に、置換されていてもよく;Aは(E')で特定された通りであり、Bは(F')で特定された通りであり、Eは(G’)で特定された通りである。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤のさらなる好ましい実施態様において:
(A") R1aは、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、ピペリジニル、及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル基は、2-ヒドロキシエチル、メチル、-CH2COOH、及びC(=O)CH3からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく、ピペリジニル基は-NH2及び4-メチル-ピペラジニルからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に、置換されていてもよく、ピロリジニルは、1若しくは2のOHで任意選択的に、置換されていてもよく、C1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に、置換されていてもよく、ここで、zは0、1、又は2である;
(B") (a)Rlbは、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピル、好ましくはメチルであり; Rlcは、Hであり; 又は(b)Rlbは、Hであり; Rlcはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はフェニル、好ましくはメチルである;
(C") R3は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群から選択される;
(D") R6は、上記(特に式(V)に関して)と同じであり、好ましくは3-~10-員のヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O、及びSからなる群より選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は3-~10-員のヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、各々が1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、
より好ましくは、
R6が、単環又は二環ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は単環若しくは二環ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、それぞれは、独立して、1、2、又は3個のR7で、任意選択的に、置換されていてもよく、
より好ましくは、
R6が、5-~6-員の単環式ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、4-~6-員の単環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、7-~9-員の二環式ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、及び7-~9-員の二環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)から選択され、 各々が1つ、2つ、又は3つの独立して選択されたR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、
より好ましくは、
R6は、5-~6-員の単環ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)又は7-~9-員の二環ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これらは各々独立して選択される1、2又は3のR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
(E") AはSである;
(F") BはNである;及び/又は
(G") EはOである。
一般式(VIII)を有するキナーゼ阻害剤の好ましい実施態様では、R1aが上記(A")で特定されるとおりであり、Rlb及びRlcは、(B")で定義されるとおりであり、R3は(C)で特定されるとおりであり、R6は上記(特に式(V)に関して)で定義されるとおりであり、好ましくは3-~10-員ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)又は3-~10-員ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、これらの各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよく、より好ましくは、R6は、単環又は二環ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含む)若しくは、単環又は二環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、ここで、これらの各々は、1、2又は3の独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
より好ましくは、R6は、5-~6-員単環式ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、4-~6-員単環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、7-~9-員二環式ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、及び7-~9-員二環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)の群から選択され、その各々は、それぞれ独立して選択される1、2又は3のR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。
より好ましくは、R6が、5-~6-員単環ヘテロアリール(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)、又は7-~9-員二環式ヘテロシクリル(例えば、N及びOからなる群のような、N、O及びSからなる群から選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する)であり、その各々は、それぞれ独立して選択される1、2又は3のR7で、任意選択的に、置換されていてもよい。 Aは、(E")で上記に特定される通りであり;Bは、(F")で上記に特定される通りであり;そしてEは、(G")で上記に特定される通りである。
一実施態様では、本発明の化合物が、表A及び/又は表Bに示す化合物から選択される。
本発明の化合物(特に、以下の表A及び/又は表Bに示すような、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)及び(VIII)のいずれか1つの化合物)は、これらに示す化合物だけでなく、それらの溶媒和物(例えば、水和物)、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、非結晶形(non-crystalline forms)、非晶質形、アモルファス形、ラセミ混合物、非ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの任意の組合せも包含することが意図される。
本発明の方法の範囲内で、又はその方法内で使用するために、合成され、試験された化合物を含む、及び/又は種々例示的又は好ましいR1a置換基、Rlb置換基、Rlc置換基、R2置換基、R3置換基、R4置換基、R5部分、A部分、及び/又はB部分の例を表す化合物の選択は、それぞれ個別に又は任意の組合せで、以下の表A及び/又は表Bに列挙される。
表A:式(I)のキナーゼ阻害剤。
化合物名、構造、名称
Figure 2022505645000028
Figure 2022505645000029
「化合物B3は、同時係属中のPCT/EP2018/060172の表1に含まれる。
表B:式(I)のさらなるキナーゼ阻害剤
化合物名、構造、名称
Figure 2022505645000030
Figure 2022505645000031
Figure 2022505645000032
特定の実施態様では、本発明の化合物が、C7及びC8及び/又はD1及び/又はD9からなる群から選択され、又は特定の実施態様では、本発明の化合物が、B3であり;また、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
別の特定の実施態様では、本発明の化合物が、C12、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、又はそれらの組み合わせである。
特定の実施態様において、本発明は、本発明の化合物のいずれかの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、又はそれらの組み合わせに関し; かかる化合物の溶媒和物、塩、錯体、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、又はそれらの組み合わせに関する。
一実施態様では、本発明の化合物が、式(I)の以下の群(1)~(5)のうちの1若しくは複数の化合物を包含しない(群(1)~(5)において、部分(メチルなど)は、該部分が置換されていることが明示的に特定されない限り、非置換である):
(1) R1aが、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル又はClであり、RlbがHであり、Rlcがメチルであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イルではない。
(2) R1aがメトキシであり、RlbがHであり、Rlcがメトキシであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、2,2-ジフルオロ-5H-1,3-ジオキソロ[4,5-f]ベンズイミダゾール-6-イルではない;
(3) R3がHで、AがSで、Lが結合で、R6が1-メチル-4-ピペリジニルで、R1BがHで、BがNで、EがOであり、及び
(i) R1aがメチルである場合、Rlcは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イルではない;又は
(ii) Rlcがメチルである場合、R1aは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イル若しくはN-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-3-イルではない;
(4) EがOであり、BがCRldであり、RldがH、F、Cl又はBrのいずれかである場合、R1aはHではない;及び
(5) R1aがメチル、RlbとRlcがH、BがCH、EがO、AがS、R3がメチルである場合、R5は、1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル、2-フラニルメチル、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、2-(2-チエニル)エチル、2-(4-モルホリニル)エチル、2-(2-ピリジニル)エチル、2-ピリジニルメチル、又はテトラヒドロ-2-フラニルメチルではない。
一実施態様では、本発明の化合物が、式(Ia)を有する以下の群(6)~(8)のうちの1若しくは複数の化合物を包含しない〔群(6)~(8)において、部分(例えば、メチル)は該部分が置換されていることが明示的に特定されない限り、非置換〕:
(6) Hyが以下の場合:
Figure 2022505645000033
及び
(i) R1aが、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル又はClであり、RlbがHであり、Rlcがメチルであり、BがNであり、EがOであり、R2がHであり、R3がHであり、R4がHであり、AがSである場合、R6は、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イルではない;
(ii) R1aが、メトキシであり、RlbがHであり、Rlcがメトキシであり、BがNであり、EがOであり、R2がHであり、R3がHであり、R4がHであり、AがSである場合、R6は、2,2-ジフルオロ-5H-1,3-ジオキソロ[4,5-f]ベンズイミダゾール-6-イルではない;
(7) Hyが、1-{(2E)-4-[(2-メトキシエチル)アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}ピペリジン-4-イルであり; R2がHであり; R3がHであり; R4がHであり;AがOであり;EがOである場合、R6は、5-メチル-ピリジン-2-イルではない;
(8) R2が、Hであり、R3が、トリフルオロメチルであり、R4がHであり、AがOであり、EがOであり、及び
(i) R6が、6-{4-[(2-フルオロフェニル)カルバモイル]ピペラジン-1-イル}ピリジン-3-イルである場合、Hyは、1-(フェニルメチル)-ピペリジン-4-イル、1-(フェニルメチル)ピロリジン-3-イル、又はテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルではない;又は
(ii) Hyが、1-(フェニルメチル)ピペリジン-4-イルである場合、R6は、6-(3-{[(2-フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イル又は6-({1-[(2-フルオロフェニル)カルバモイル]ピペリジン-4-イル}アミノ)ピリジン-3-イルではない;又は
(iii) Hyが、1-(フェニルメチル)ピロリジン-3-イルである場合、R6は、6-({(3S)-1-[(2-フルオロフェニル)カルバモイル]ピロリジン-3-イル}アミノ)ピリジン-3-イル又は6-({(3R)-1-[(2-フルオロフェニル)カルバモイル]ピロリジン-3-イル}アミノ)ピリジン-3-イルではない。
特定の他の実施態様では、化合物は、以下からなる群から選択されるものではない:
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[(6-クロロ-2-メチル-4-ピリミジニル)アミノ]-N-[(2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]-6-メチルフェニル]-(CAS登録番号:2048106-50-7)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[7-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-4yl]アミノ]-N-[(1R)-1-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)エチル]-4-(トリフルオロメチル)(CAS登録番号:1831086-00-0)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-N-(2-ピラジニルメチル)-(CAS登録番号:385780-87-0)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-N-(2-(3-ピリジニル)エチル]-(CAS登録番号: 385780-82-5)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、N-1H-インドール-5-イル-2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-(CAS登録番号: 385780-79-0)
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-N-(2-チエニルメチル]-(CAS登録番号: 385780-69-8)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、N-(2-フラニルメチル)-2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4キナゾリニル]アミノ]-(CAS登録番号: 385780-66-5)、
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-N-2-ピリジニル-(CAS登録番号:385780-57-4)及び
* 5-チアゾールカルボキサミド、2-[[6-メトキシ-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-4-キナゾリニル]アミノ]-N-4-ピリジニル-(CAS登録番号:385779-93-1)。
他の特定の他の実施態様では、化合物は以下からなる群から選択されるものではない:
* イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-7-カルボキサミド、N,N-ジシクロプロピル-6-エチル-1,6-ジヒドロ-1-メチル-4-[[4メチル-5-[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アミノ]カルボニル]-2-チアゾリル]アミノ]-(CAS登録番号:1271022-78-6)、
* イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-7-カルボキサミド、N,N-ジシクロプロピル-6-エチル-1,6-ジヒドロ-1-メチル-4-[[4-メチル-5-[[(テトラヒドロ-1,1-ジオキシド-3-チエニル)アミノ]カルボニル]-2-チアゾリル]アミノ]-(CAS登録番号:1271022-57-1)、
* イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-7-カルボキサミド、N,N-ジシクロプロピル-6-エチル-1,6-ジヒドロ-1-メチル-4-[[4-メチル-5-[[[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ]カルボニル]-2-チアゾリル]アミノ](CAS登録番号:1271022-45-7)、及び
* イミダゾ[4,5-d]ピロロ[2,3-b]ピリジン-7-カルボキサミド、N,N-ジシクロプロピル-6-エチル-l,6-ジヒドロ-1-メチル-4-[[5-[[メチル(テトラヒドロ-l,1-ジオキシド-3-チエニル)アミノ]カルボニル]-2-チアゾリル]アミノ]-(CAS登録番号:1271021-43-2)
* 2-[(6-[(3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)アミノ}ピリジン-2-イル)アミノ]-4-メチル-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾール-5-イル]-l,3-チアゾール-5-カルボキサミド(CAS登録番号302963-64-0)
* 2-[(6-{(3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル)アミノ}-ピリジン-2-イル)アミノ]-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾール-5-イル]-l,3チアゾール-5-カルボキサミド(CAS登録番号302963-55-9)
本明細書中の1若しくは複数の態様の特定の代替において、化合物は、N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(ダサチニブ;A8)である。
塩基性官能基を含有する本発明の化合物は、種々の無機酸又は有機酸と塩を形成することができる。酸性官能基を含有する本発明の化合物は、種々の無機又は有機塩基と塩を形成することができる。本発明の化合物の例示的な無機及び有機酸/塩基ならびに例示的な酸/塩基付加塩は、以下の「医薬組成物」のセクションにおける「薬学的に許容される塩」の定義に示される。塩基性官能基及び酸性官能基の両方を含有する本発明の化合物は、塩基又は酸付加塩のいずれかに変換することができる。本発明の化合物の中性形態は、塩を塩基又は酸と接触させ、従来の方法で親化合物を単離することによって再生され得る。
本発明の化合物は、N-オキシドの形態であってもよく、すなわち官能基
Figure 2022505645000034
を含みうる(例えば、(Rn)3N+-O-、すなわち、N-O配位共有結合であって、ここで、Rnは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数(例えば、1~5、1~4、又は1~3、1又は2のような1,2,3,4,5,6,7,8,9、若しくは10まで)の独立して選択されるR30で、任意選択的に、置換されていてもよく、R30は、好ましくは、本明細書で特定される、第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、又は第3レベルの置換基である)。
本発明の化合物のN-オキシドの特定の例は、R1a及び/又はR6が官能基
Figure 2022505645000035
を含む。
N-オキシドとして生じ得るR1a置換基の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
Figure 2022505645000036
ここで、波線は、R1a置換基が化合物の残りの部分に結合する結合を表す。
N-オキシドとして生じ得るR6置換基の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
Figure 2022505645000037
ここで、波線は、R6置換基が化合物の残りの部分に結合される結合を表す。
本発明の化合物は、プロドラッグ形態であってもよい。本発明の化合物のプロドラッグは、個体への投与時に生理学的状態で化学変換を受けて本発明の化合物を提供する化合物である。さらに、プロドラッグは、ex vivo環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、例えば、適切な酵素又は化学試薬と共に経皮パッチ剤リザーバーに配置される場合、本発明の化合物にゆっくりと変換され得る。例示的なプロドラッグは、インビボで加水分解可能なエステル(本発明のキナーゼ阻害剤に含まれるアルコール又はカルボキシ基を使用する)又はアミド(本発明のキナーゼ阻害剤に含まれるアミノ又はカルボキシ基を使用する)である。具体的には、本発明のキナーゼ阻害剤に含まれ、少なくとも1個の水素原子を有する任意のアミノ基をプロドラッグ形態に変換することができる。典型的なN-プロドラッグ形態には、カルバメート(1)、マンニッヒ塩基(2)、エナミン(3)、及びエナミノン(4)が含まれる。
Figure 2022505645000038
ここで、R18は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数(アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル基に結合した水素原子の最大数に対して1、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2の間など)独立して選択されるR30(好ましくは、各R30が独立して、本明細書で定義されるとおり)で任意選択的に置換されていてもよい。
プロドラッグ特性(溶解性、透過性、安定性、切断速度、体内のどの部位でどのような条件下で切断されるか、標的特異性など)は、R18の修飾によって微調整することができる。
本発明の化合物の特定のプロドラッグ形態は、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有するもの(プロドラッグ)である:
Figure 2022505645000039
及び、溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、及びそれらの任意の組合せ(式中、R1a、Rlb、Rlc、R3、R5、A、B、E及びHyが上記で定義される(特に式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、及び/又は(VIII)に関して)又は以下で定義されるとおりである)。
そして、R2及びR4のそれぞれは、R2及びR4の両方はHではないという条件で、H、-P(O)(ORl1a)2、-(CH2)1-3-R19、-C(=Xa)Rl1a、及びC(=Xa)XaRl1aからなる群から独立して選択される。
ここで、Rl1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数(アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル基に結合した水素原子の最大数に対して1、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2の間など)で独立して選択されるR30で、任意選択的に、置換されていてもよい; R19は、-OP(O)(ORl1a)2、-XaC(=Xa)Rl1a、-XaC(=Xa)XaRl1a、及び5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソロ-4-イルからなる群から独立して選択され;-Xaは、O、S、及びNHから独立して選択され;そして-(CH2)1-3基は、独立して選択される1若しくは2のR30で任意選択的に、置換されていてもよい。ここで、R30は本明細書で定義されるとおりである(好ましくは各R30が以下からなる群から独立して選択される;本明細書に特定される、第1レベルの置換基、第2レベルの置換基、及び第3レベルの置換基)。
式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)のプロドラッグ型の一実施態様において、R1a、Rlb、Rlc、R3、R5、A、B、E、及びHy(特に式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、及び/又は(VIII)に関して)又は以下で定義される通りである。R2及びR4のそれぞれは、H、-P(O)(ORl1a)2、-(CH2)1-3-R19、-C(=O)Rl1a、及びC(=O)ORl1aからなる群から独立して選択され、ただし、R2及びR4の両方がHではない。ここで、Rl1aは、H及びC1-6アルキル(好ましくはC1-3アルキル)からなる群から独立して選択され、アルキル基はハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH3、-2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2)であり、R19は-OP(O)(ORl1a)2、-OC(=O)Rl1a、-OC(=O)ORl1a、及び5-(C1-3アルキル)-2-オキソ-1,3-ジオキソロ-4-イルからなる群から独立して選択され、-(CH2)1-3基は、ハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH3、-2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)zから独立して選択される1若しくは2の置換基で、任意選択的に、置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2)。
式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IXa)、(IXb)、(IXc)、及び(IXd)のいずれか1つを有し、1若しくは複数のヒドロキシル(すなわち、-OH)基を有する本発明の化合物について、さらなる特定のプロドラッグ形態は、2若しくは複数のヒドロキシル基の少なくとも一つが、-OP(O)(ORl1a)2、-O(CH2)1-3-R19、-OC(=Xa)Rl1a、及びOC(=Xa)XaRl1aからなる群から選択される部分であり、
ここで、Rl1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、及び、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルは、1若しくは複数(アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクリル基に結合した水素原子の最大数に対して1、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10まで、例えば、1~5、1~4、又は1~3、又は1又は2の間など)で独立して選択されるR30で、任意選択的に、置換されていてもよい; R19は、OP(O)(ORl1a)2、-XaC(=Xa)Rl1a、-XaC(=Xa)XaRl1a、及び5-アルキル-2-オキソ-1,3-ジオキソロ-4-イルからなる群から独立して選択され;-XaはO、S、及びNHから独立して選択され; そして、-(CH2)1-3基は、1若しくは2の独立して選択されるR30で、任意選択的に、置換されていてもよい、ここで、R30は、ここで定義されるように、好適には、本明細書中に特定されるような、第1レベル置換基、第2レベル置換基及び第3レベルの置換基からなる群から独立して選択される。
本発明の化合物の1つの実施態様において、少なくとも1つの誘導体化ヒドロキシル基は、-OP(O)(ORl1a)2、-O(CH2)1-3-R19、-OC(=O)Rl1a、及びOC(O)ORl1aからなる群から選択され、ここで、Rl1aは、H及びC1-6アルキル(好ましくはC1-3アルキル)からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基は、ハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH3、-2-(N, N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)zから独立して選択される1若しくは2の置換基で任意選択的に置換されていてもよく、ただし、zは0、1、又は2; R19は、-OP(O)(ORl1a)2、-OC(=O)Rl1a、-OC(=O)ORl1a、及び5-(C1-3アルキル)-2-オクソ-1,3-ジオクソ-4-イルからなる群から独立して選択され;そして、-(CH2)1-3基は、ハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH3、2-(N, N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1個又は2個の置換基で、任意選択的に、置換されていてもよい。
特定の実施態様では、本発明が、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有するプロドラッグの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、又はそれらの組み合わせに関係し;例えば、そのようなプロドラッグの溶媒和物、塩、錯体、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、又はそれらの組み合わせに関することができる。
1つの特定の実施態様では本発明の化合物は、水和物、好適には「化合物」の表題で特定されるキナーゼ阻害剤のモノ水和物若しくはジ水和物である〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)をもつキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)のプロドラッグ、及び/又は、上記特定されるように、少なくとも1つの誘導体化された水酸基を有する、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶型、ラセミ体の混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態又はそれらの組み合わせ)、又はそれらの組み合わせ〕。別の適切な実施態様において、本発明の化合物は、このようなキナーゼ阻害剤のセミ水和物である。
本発明の化合物(例えば、見出し「化合物」の下に特定されるような)は特定の実施態様において、精製された形態又は(例えば、実質的に)純粋な形態であり得る(例えば、提供される)。例えば、化合物は、約60%、70%又は80%を超える純度、適切には約90%を超える純度(特に、約95%、97%、98%、さらには99%)など、約50%を超える純度であってもよい。すなわち、特定のそのような実施態様では、そのような化合物が少量の不純物しか存在しないなど、限定された量の不純物(例えば、製造中に導入されるものなど)と一緒に存在し、不純物が実質的に存在しない状態で化合物が存在する実施態様を含む。化合物の純度(例えば、不純物の非存在、又は不純物の存在の程度)は、日常的な手順(例えば、HLPC)によって決定され得る。
一実施態様では、本発明が、全不純物量を、HPLCによって約50%、40%、30%、及び適切には10%又は5%未満の範囲、好ましくはHPLCによって約3%及び2%未満の範囲、より好ましくはHPLCによって1%未満の範囲を含む、このような化合物を提供する。
ここでいう「HPLCによる%範囲」とは、HPLCクロマトグラム中の全ピークの範囲を全範囲の百分率で表したものと比較した、1若しくは複数のピークのHPLCクロマトグラム中の範囲をいい、さらに、化合物の純度は、ここでは「HPLC」純度として表すことができる。このように、「HPLC純度」とは、化合物ピーク下の領域範囲をHPLCクロマトグラム中の全曲線下領域範囲で割ったものである。適切には、化合物が、HPLCにより約10%未満の範囲の総不純物を含有する。より好ましくは、総不純物のHPLCによる範囲が約5%未満である。
関連する態様において、また、本明細書にさらに記載され、クレームされるか、別様に開示されるように、本発明は1若しくは複数の容器を提供し、ここで、容器は(それぞれ独立して、又は全て)第一の態様のキナーゼ阻害剤を(例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)若しくは(VIII)、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)若しくは(IXd)、及び/又は、上記に特定の、少なくとも1つの誘導体化ヒドロキシル基を有する、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、又はこれらの組合せ)、又はこれらの組合せで、約10mgを超える量で含む; 特に約50mg又は100mgを超える量;約1g、10g、50g又は100gを超える量;又は約500g又はlKgを超える量が適切である。
さらなる態様において、本発明は、例えば、治療における使用のための医薬としての使用のための本発明の化合物(特に、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、及び(VIII)のいずれかに関して上記で特定されたもの)を提供する。本態様の1つの実施態様において、本発明の化合物は、上述のように式(I)を有し、1若しくは複数の群(1)、(2)、(3)、(4)及び/又は(5)の化合物に属する化合物群を含まない(例えば、群(1)の一つ以上化合物〔特に、R1aが、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イルである時の群(1)の化合物〕、(2)及び/又は(4)〔特に、化合物2-[(6-{[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリジン-2-イル)アミノ]-4-メチル-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾール-5-イル]-l,3-チアゾール-5-カルボキサミド及び2-[(6-{[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリジン-2-イル)アミノ]-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾ-5-イル]-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド)。
この態様の1つの実施態様において、本発明の化合物は、式(Ia)を有し、そして群(6)の1若しくは複数に属する化合物(例えば、特に、R1aが上記に特定されるように、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)の場合の群(6)(i)の化合物、(7)及び/又は(8)を包含しない。
実施例から明らかなように、本発明の化合物ならびに他の構造的に類似した化合物は、ABL1/BCR-ABL、SRC、LCK、KIT、FLT3及びそれらの変異体、及び/又は、SIK1、SIK2及びSIK3、及び/又は、PHA2、EPHA4、CSF-R1、HCK及びACK1;及び/又は、NEK11、WEE1、WNK2、Aurora-A、Aurora-B及びTBK1からなる群より選択される1若しくは複数のタンパク質-チロシンキナーゼを阻害することを本発明者らは見出した。
一実施態様では、本発明の化合物が、ダサチニブによって示される薬理学的特性よりも少なくとも1つの態様において優れた薬理学的特性(選択性、バイオアベイラビリティー、毒性、副作用、投薬、患者のコンプライアンス、適合性、安定性、半減期など)を示す。
医薬組成物
本発明に記載される化合物(特に、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)の化合物、特に、表A及び/又は表Bに示される化合物)は、好ましくは医薬組成物を調製し、それを必要とする患者に投与される。
したがって、第2の態様では本発明が「化合物」の表題で上記に特定されるキナーゼ阻害剤〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)をもつキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識型、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)の、及び/又は上記に特定されるような少なくとも一つの誘導体化ハイドロキシル基、又は、溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識型、又はそれらの組み合わせのプロドラッグ)、又はその組み合わせ〕、及び場合により1若しくは複数の薬学的に許容される賦形剤、を含む、医薬組成物を提供する。
したがって、一実施態様では、医薬組成物が「化合物」という見出しで上記に特定されたキナーゼ阻害剤及び1若しくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。さらに、医薬組成物は1若しくは複数の追加の治療薬をさらに含むことができる。したがって、特定の実施態様では、医薬組成物が(i)「化合物」という見出しで上記に特定されたキナーゼ阻害剤及び1若しくは複数の追加の治療薬;又は(ii)「化合物」という見出しで上記に特定されたキナーゼ阻害剤、1若しくは複数の追加の治療薬、及び1若しくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。
「薬学的に許容される」という用語は医薬組成物の活性成分(例えば、本発明のキナーゼ阻害剤)の(例えば、治療的)作用と相互作用しない物質(単独で、又は1若しくは複数の追加の治療剤と組み合わせて)の非毒性を指す。
医薬組成物は、経腸又は非経口などの任意の経路によって個体に投与することができる。
本明細書で使用される「経腸投与」及び「経腸的に投与」という表現は投与される薬物が胃及び/又は腸によって取り込まれることを意味する。経腸投与の例が、経口及び直腸投与を包含する。「非経口投与」及び「非経口的に投与」という表現が本明細書で使用される場合、通常、注射又は局所投与による経腸投与以外の投与様式を意味し、限定されるものではないが、局所投与(例えば、皮上、吸入、又は粘膜(頬側、舌下又は膣など)を通した)だけでなく、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、骨内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、脳内、脳室内、クモ膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内投与(注射及び/又は注入によるなど)を包含する。
本発明の化合物は、一般に、「薬学的に許容される量」及び「薬学的に許容される調製物」において適用される。このような組成物は、塩、緩衝剤、保存剤、担体及び任意に他の治療薬を含み得る。「薬学的に許容される塩」は、例えば、化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸などの薬学的に許容される酸の溶液と混合することによって形成され得る酸付加塩を含み得る。
さらに、化合物が、酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩);及び適切な有機リガンド(例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩などの対アニオンを使用して形成されるアンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオン)で形成される塩を含み得る。
薬学的に許容される塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、カルシウムエデト酸塩、カンフォレート、カンフォスルフォネート、カンシレート、カルボネート、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、シクロペンタプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ジハイドロクロライド、ドデシルスルフォネート、エデテート、エディシレート、エストレート、エシレート、エサンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマレート、ガラクテート、ガラクツロン酸塩、グルセプトネート、グルコへプトネート、グルコネート、グルタミン酸塩、グリセロホスフェート、グリコリラルサニレート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ハイドロブロミド、塩酸塩、ヨウ化水素塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフト酸塩、イオダイド、イソブチレート、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオネート、ラウリン酸塩、乳酸塩、ラウリルサルフェート、マレート、マレエート、マロネート、マンデレート、メシレート、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、ムカーテ、2-ナフタレンスルホン酸塩、ナプシレート、ニコチン酸塩、ニトレート、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、オクサレート、パモ酸塩(エムボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、フタル酸塩、ピクレート、ピバル酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、スベレート、スクシネート、タンネート、タルトレート、テオクレート、トシレート、トリエチオダイデ、ウンデカノエート、バレレートなど(例えば、Bergeら、「Pharmaceuticalsalts」、J. Pharm. Sci.,66, pp. 1-19(1977)を参照されたい)が挙げられるが、これらに限定されない。
「賦形剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、例えば、担体、結合剤、滑沢剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、香味剤、着色剤、又は抗酸化剤などの、活性成分ではない(例えば、使用される量/濃度において治療効果を全く示さない治療的に不活性な成分)医薬組成物中の全ての物質を示すことが意図される。
本発明に記載の組成物は、薬学的に許容される担体を含むことができる。本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は生理学的に適合性である任意の及びすべての溶媒、分散媒体、コ-ティング、等張剤及び吸収遅延剤などを含む。「薬学的に許容される担体」は、固体、半固体、液体、又はそれらの組み合わせの形態であり得る。
好ましくは、担体が、経腸(例えば、経口)又は非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下、脊髄又は表皮投与(例えば、注射又は注入による))に適している。 投与経路に応じて、活性化合物(例えば、本発明の化合物)は、単独で、又は1若しくは複数のさらなる治療剤と組み合わせて、活性化合物を、活性化合物を不活性化し得る酸及び他の天然条件の作用から保護するために、材料でコ-ティングされ得る。
本発明による医薬組成物に使用することができる適切な水性及び非水性担体の例には、水(例えば、注射用水)、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、塩、炭水化物、糖アルコール、又はアミノ酸の水溶液(例えば、生理食塩水又はアミノ酸水溶液)、及びそれらの適切な混合物及び/又は緩衝形態、植物油(例えば、オリ-ブ油)、ならびに注射可能な有機エステル(例えば、オレインエチル)が含まれる。
適切な流動性は、例えばコ-ティング物質を使用して、分散剤の場合は必要な粒子サイズを維持して、及び界面活性剤を使用することにより維持される。
薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末を含む。薬学的に活性な化合物のためのこのような媒体及び薬剤の使用は、当該分野で公知である。任意の従来の媒体又は薬剤が活性化合物と不適合である限りを除いて、本発明による医薬組成物におけるそれらの使用が意図される。
追加の治療剤は、本発明の化合物(特に、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)のような、上記で特定されたもの)と一緒に、前に又は後に投与され得るか、又は組成物に組み込まれ得る。
一実施態様では、本明細書に記載の医薬組成物が、上記の本発明のキナーゼ阻害剤を含む。例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)をもつキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識型、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)の、及び/又は上記に特定されるような少なくとも一つの誘導体化ハイドロキシル基、又は、溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識型、又はそれらの組み合わせを持つ)、又はその組み合わせ、及び、少なくとも1つの追加の治療剤、及び1若しくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。
「追加の治療剤」(一実施態様では、式(I)又は(Ia)のキナーゼ阻害剤ではない、又は、別の実施態様では、式(I)又は(Ia)の異なるキナーゼ阻害剤であってもよい)は、増殖性障害(例えば、本明細書の他の箇所で記載され、定義され、又は開示される癌など)の疾患、障害、症状の治療に使用することができ、及び/又は、(i)キナーゼ、例えば、SRC、ABL/BCR-ABL、LCK、SIK1、SIK2、SIK3、FLT3及び/又はKIT;及び/又はPHA2、EPHA4、CSF-R1、HCK及び/又はACK1;ならびに/又はNEK11、WEE1、WNK2、Aurora-A、Aurora-B及びTBK1などのキナーゼの(例えば異常な)発現及び/又は活性、及び/又は(ii)(例えば、細胞性)免疫応答に対する細胞抵抗性、と関連する、若しくは、によっておこる疾患、障害、症状の治療に使用することができる、いかなる関連する任意の化合物からも選択することができる。
適切な追加の治療薬の例は、本明細書の他の箇所で定義又は開示され、EGFR阻害剤、ゲムシタビン、ドセタキセル、及び免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD1、PDL1、CT1A-4、1AG3又はIDO1の阻害剤、及び特に、ニボルマブ、レラトリマブ、イピリムマブ及びBMS-986205)、TNF又はTNFR1若しくはTNFR2シグナリングのアゴニスト、腫瘍抗原に対するCAR T細胞を含む養子細胞療法、樹状細胞(DC)ベースのワクチンを含むワクチン、又はTNF若しくはTNFRlシグナリングのアゴニストに対する増殖性障害に関与する細胞のばく露を誘導又は誘導することができる薬剤であり、これを被験体に投与する。追加の治療剤は、付加的又は相乗的な治療効果を誘導することができる。
本明細書に記載の医薬組成物は、本発明のキナーゼ阻害剤に加えて、少なくとも1つ、例えば、1、2、3、4、5、6、7又は8種の追加の治療薬を含んでもよい。本教示によれば、少なくとも1つの追加の治療薬は、単一の医薬組成物中に本発明のキナーゼ阻害剤と一緒に製剤化することができる。
あるいは医薬組成物がパーツのキットとして構成化され得、ここで、本発明のキナーゼ阻害剤は、第1の製剤において提供され、少なくとも1つの追加の治療剤は第2の製剤、すなわち、第2の医薬組成物において提供される。第1及び第2の医薬組成物は、使用前に組み合わせることができる。換言すれば、薬学的組成物を投与する前に、追加の治療剤を含む製剤を、本発明のキナーゼ阻害剤を含む第1の薬学的組成物に添加してもよい。あるいは、本教示は、第1の医薬組成物中に製剤化された本発明のキナーゼ阻害剤を投与すること、及び第2の医薬組成物中に製剤化された少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを想定している。医薬組成物は、同時に又は連続して投与することができる。例えば、第1の医薬組成物は、第1の時点で投与されてもよく、第2の医薬組成物は、第2の時点で投与されてもよく、その時点は例えば、0、又は1、2、3、4、5、もしくは10分まで、1、2、3、4、5、もしくは10時間まで、1、2、3、4、5、もしくは10日まで、1、2、3、4、5、もしくは10週間まで、1、2、3、4、5、もしくは10ヶ月まで、又は1、2、3、4、5、もしくは10年までであってもよい。
組成物は、また、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、及び分散剤などのアジュバントを含有する可能性がある。微生物の存在の防止は滅菌手順によって、及び/又は種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)の含有によって確実にされ得る。砂糖、塩化ナトリウム及び類似物などの等張剤を組成物中に含むことも望ましい。さらに、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅くする薬剤を含ませることによって、注射可能剤形の吸収を長期化してよい。
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る活性化合物、及び/又は本発明による医薬組成物は当業者に公知の従来の方法によって薬学的に受容可能な剤形に処方される(例えば、Remington、「the Science and Practice of Pharmacy」(Allen, Loyd V., Jr.,22nd edition, pharmaceutical Sciences, September 2012; Anselら、「pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems」、第7版、Lippincott Williams&Wilkins Publishers,1999を参照のこと)。
医薬組成物は、当技術分野で公知の種々の方法によって投与することができる。当業者によって理解されるように、投与の経路及び/又は様式は、所望の結果に依存して変化する。1つ又は複数の活性化合物を含有する医薬組成物は、1つ又は複数の活性化合物を急速放出から保護する担体、例えば、インプラント、経皮パッチ、及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤を用いて調製することができる。エチレンビニルアセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸のような、生分解性の、生体適合性ポリマーを使用することができる。このような組成物の調製方法は、当業者に一般的に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R.Robinson, ed., Marcel Dekker,Inc.,New York, 1978を参照されたい。
特定の投与経路によって本発明の化合物を投与するために、化合物を、その不活性化を防ぐための材料でコーティングするか、又は化合物と同時に投与することが必要であり得る。例えば、この化合物は適切なキャリア(例えば、リポソーム、又は希釈剤)中で個体に投与され得る。薬学的に許容される希釈剤には、生理食塩水及び水性緩衝液が含まれる。リポソームとしては、水中油中水型CGF乳剤ならびに従来のリポソームが挙げられる(Strejanら、J. Neuroimmunol.7:27(1984))。
医薬組成物は、典型的には無菌であり、製造及び貯蔵の条件下で安定である。この組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高薬物濃度に適切な他の最適構造として処方され得る。キャリアーは、例えば、水、エタノール、ポリオール及びこれらの適当な混合物を含む溶媒又は分散媒であってよい。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用、分散液の場合に必要な粒径の維持及び界面活性剤の使用によって維持される。多くの場合に、等張剤、例えば糖質、ポリアルコール例えばマンニトール、ソルビトール、又は塩化ナトリウムを組成物中に含むのが好ましい。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物の中にモノステアリン酸塩やゼラチンなどの吸収を遅らせる物質を含める事により達成できる。
注射可能な組成物は無菌であり、組成物が注射器によって送達可能である程度まで流体であるべきである。担体は、水に加えて、等張緩衝食塩水溶液、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物であり得る。滅菌注射溶液は必要な量の活性化合物を、適切な溶媒中に、必要に応じて、上記に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に組み込み、続いて滅菌精密濾過することによって調製することができる。
一般に分散液は、分散媒体や上述の必要成分を含む無菌溶剤に活性化合物を組み入れる事により生成される。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分と先に滅菌濾過された溶液から任意のさらなる所望の成分の粉末を調製するために、真空乾燥及び凍結乾燥(凍結乾燥)される。
投与方法は、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調節される。例えば、単一のボーラスを投与することができ、いくつかの分割された用量を経時的に投与することができ、又は治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例的に減少又は増加させることができる。投与を容易かつ用量を均一化する上では、該成分を用量単位フォムに組成することが特に有用である。本明細書で使用される投薬単位形態は治療される個体のための単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。
本発明に従って使用される投薬単位形態のための明細は、(a)活性化合物の独特の特徴及び達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)個体における感受性の処置のためにこのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によって決定され、そして直接依存する。
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
治療/医薬製剤については、本発明による組成物が、経腸投与(経口又は直腸など)又は注射(鼻、局所(膣、口腔及び舌下を含む)など)に適したものを含む。組成物は単位剤形で簡便に提供することができ、薬学の分野で公知の任意の方法によって調製することができる。医薬組成物(単一剤形など)を製造するために、担体材料と組み合わせることができる活性成分の量(特に、本発明による化合物の量)は、治療される個体、及び特定の投与様式に依存して変化する。単一剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は一般に、治療効果を生じる組成物の量である。
一般に、100%(医薬製剤/組成物について)のうち、活性成分の量(特に、本発明に従う化合物の量は任意に、医薬製剤/組成物中に存在する場合、他の治療有効成分と一緒に)は、約0.01%~約99%、好ましくは約0.1%~約70%、最も好ましくは約1%~約30%の範囲であり、ここで、残る成分は、好ましくは1若しくは複数の医薬上許容される賦形剤から構成される。
単位剤形における、及び/又は個体に投与されるか、又は治療において使用される場合の、活性成分(例えば、本発明の化合物)の量は単位、投与又は治療あたり、約0.1mg~約1000mg(例えば、約1mg~約500mg、例えば、約10mg~約200mg)の範囲であり得る。特定の実施態様では、このような活性成分の適切な量が個体の質量又は体表面積を使用して算出され得、これには、約1mg/kgと10mg/kgとの間(例えば、約2mg/kgと5mg/kgとの間)、又は約1mg/m2と約400mg/m2との間(例えば、約3mg/m2と約350mg/m2との間、又は約10mg/m2と約200mg/m2との間)の量が含まれる。
本発明による医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性があることなく、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量を得るように変更され得る。
選択される用量レベルは、使用される特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄速度、治療の期間、使用される特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康及び以前の病歴、ならびに医学分野で周知の同様の因子を含む種々の薬物動態因子に依存する。
当業者技術を有する医師又は獣医師は、必要とされる医薬組成物の(例えば、治療的に)有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するために必要とされるよりも低いレベルで本発明の化合物の用量から開始し、所望の効果が達成されるまで用量を徐々に増加させることができる。一般に、本発明による組成物の適切な1日用量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量である化合物の量であろう。このような有効用量は一般に、上記の因子に依存する。投与は、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は皮下であることが好ましく、好ましくは標的部位の近位に投与される。所望であれば、医薬組成物の(例えば、治療的に)有効な1日用量は2、3、4、5、6又はそれ以上のサブ用量として、1日を通して適切な間隔で別々に、必要に応じて単位投薬形態で投与され得る。本発明に従う化合物を単独で投与することが可能であるが、医薬製剤/組成物として投与することが好ましい。
経口投与のために、本発明による医薬組成物は例えば、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム)、又は湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの医薬上許容される賦形剤と共に通常の手段によって調製された錠剤又はカプセルの形態をとることができる。経口投与のための液体調製物は、例えば、溶液、シロップ剤、又は懸濁液の形態であり得るか、又は使用前に水又は他の適切なビヒクルで構成するための乾燥製品として提供され得る。このような液体調製物は懸濁剤(例えば、ソルビトール、シロップ、セルロース誘導体、水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチン、アカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、分画植物油)、防腐剤(例えば、メチル若しくはプロピル-p-ヒドロキシカーボネート、ソルビン酸)などの薬学的に許容される添加剤を用いて通常の手段によって調製することができる。調製物は、また、適切と考えられる緩衝塩、香料、着色剤及び甘味剤を含有し得る。経口投与のための調製物は、本発明の医薬組成物の制御された放出を与えるように適切に製剤化することができる。
一実施態様では、化合物が例えば、最大100mg/kg体重(例えば、最大50mg/kg体重、最大40mg/kg体重、最大30mg/kg体重、最大20mg/kg体重、最大10mg/kg体重、最大5mg/kg体重、最大4mg/kg体重、最大3mg/kg体重、最大2mg/kg体重、最大1mg/kg体重)の濃度で経口投与される。
一実施態様では、化合物が非経口的に(例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下)、例えば、最大10mg/kg体重(例えば、最大5mg/kg体重、最大4mg/kg体重、最大3mg/kg体重、最大2mg/kg体重、最大1mg/kg体重、最大0.5mg/kg体重、最大0.4mg/kg体重、最大0.3mg/kg体重、最大0.2mg/kg体重、最大0.1mg/kg体重)の濃度で投与される。
医薬組成物は、伝統的な結合剤及び担体(例えば、トリグリセリド)と共に、坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、製薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、等の標準的担体を含むことができる。
吸入による投与のために、本発明による医薬組成物は適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、窒素、又は他の適切な気体)を使用して、加圧パック又はネブライザーからエアロゾルスプレー提供の形態で都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。吸入器又は注入器で使用するための、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、本発明による医薬組成物と、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
本発明による医薬組成物は、注射、例えば、ボーラス注射又は連続注入による非経口投与のために製剤化することができる。1つの実施態様において、本発明による化合物又は組成物は、毒性副作用を低減するために、長期間(例えば、24時間を超える)にわたるゆっくりとした連続注入によって投与され得る。投与はまた、2~24時間、例えば2~12時間の期間にわたる連続注入によって実施されていてもよい。このようなレジメは必要に応じて1回以上、例えば、6ヶ月又は12ヶ月後に繰り返され得る。
さらに別の実施態様において、本発明の化合物又は組成物は維持療法(例えば、6ヶ月以上の期間にわたって週に1回)によって投与される。
注射用製剤は、単位剤形(例えば、薬局方、複数回投与用容器)で、及び添加された防腐剤と共に提供することができる。本発明による医薬組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンのような形態をとることができ、懸濁剤、安定剤、又は分散剤のような製剤化剤を含有することができる。あるいは、薬剤が、使用前に適切なビヒクル(例えば、無菌の発熱物質を含まない水)で構成するための粉末形態であり得る。典型的には、静脈内投与のための組成物が、滅菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要に応じて、組成物は、また、可溶化剤及び局所麻酔薬(例えば、リグノカイン)を含み得、注射部位での疼痛を緩和する。一般に成分は、個別にあるいは一緒に混合された単一用量形態として、例えば活性剤の量を示すアンプルあるいは小容器として気密封入コンテナ内で減圧凍結乾燥粉末あるいは無水濃縮物として供給される。この組成物を輸注によって投与する場合は、それを無菌医薬用水又は生理食塩水を含有する輸注ビンで調剤してもよい。組成物が、注射によって投与される場合、投与前に成分を混合することができるように、注射用又は生理食塩水のための滅菌水のアンプルを提供することができる。
膣内投与に適した本発明による組成物は、また、当技術分野で適切であることが知られているような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤を含む。本発明による組成物の局所投与又は経皮投与のための投与形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌状態で、薬学的に受容可能なキャリア、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、又は噴射剤と混合され得る。
治療用/医薬組成物は、当技術分野で公知の医療装置で投与することができる。例えば、好ましい実施態様では、本発明による治療/医薬組成物が、米国特許第5,399,163号;米国特許第5,383,851号;米国特許第5,312,335号;米国特許第5,064,413号;米国特許第4,941,880号;米国特許第4,790,824号;又は米国特許第4,596,556号に開示されている装置などの無針皮下注射装置で投与することができる。本発明において有用な既知のインプラント及びモジュールの例としては、制御された速度で薬物を投与するための移植可能なマイクロ注入ポンプを開示する米国特許第4,487,603号;皮膚を通して薬物を投与するための治療デバイスを開示する米国特許第4,486,194号;正確な注入速度で薬物を送達するための薬物注入ポンプを開示する米国特許第4,447,233号;連続薬物送達のための可変流量移植可能注入装置を開示する米国特許第4,447,224号;マルチチャンバ区画を有する浸透性薬物送達システムを開示する米国特許第4,439,196号;及び浸透性薬物送達システムを開示する米国特許第4,475,916号に記載されるものが挙げられる。
多くの他のこのようなインプラント、送達システム、及びモジュールは、当業者に公知である。特定の実施態様において、本発明による化合物は、インビボでの適切な分布を確実にするように処方され得る。例えば、血液脳関門(BBB)は、多くの高親水性化合物を排除する。本発明の化合物が(所望により)BBBを通過することを確実にするために、それらは、例えば、リポソーム中に製剤化され得る。リポソームを製造する方法については、例えば、US 4,522,811; US 5,374,548;及びUS 5,399,331を参照のこと。リポソームは、特異的細胞又は器官に選択的に輸送され、したがって標的薬物送達を増強する1若しくは複数の部分を含み得る(例えば、V.V.Ranade(1989)J. Clin.Pharmacol 29: 685)を参照のこと)。例示的な標的化部分としては、葉酸又はビオチン(例えば、Louの米国特許第5,416,016号を参照のこと);マンノシド(Umezawaら、(1988)Biochem.Biophys.Res.Commun.153: 1038); 抗体(P.G. Bloeman et al.(1995)FEBSLett.357:140; M. Owaisら(1995)Antimicrob.Agents Chemother.39:180);及び界面活性剤タンパク質A受容体(Briscoeら(1995)Am.J. Physiol1-233: 134))が挙げられる。
1つの実施態様において、本発明に従う化合物は、リポソーム中に製剤化される。より好ましい実施態様において、リポソームは、標的化部分を含む。最も好ましい態様において、リポソーム中の化合物は、所望の領域の近位の部位へのボーラス注射によって送達される。このようなリポソームベースの組成物は容易な注射可能性が存在する程度まで流体であるべきであり、製造及び貯蔵の条件下で安定であるべきであり、そして微生物(例えば、細菌及び真菌)の汚染作用に対して対応されるべきである。
治療/処置のための「治療的に有効な用量」は、完全であっても部分的であってもよい客観的応答によって測定することができる。完全奏効(CR)とは、病態、障害又は疾患の臨床的、放射線学的又はその他のエビデンスがないことと定義される。部分奏効(PR)は、50%を超える疾患の減少である。無増悪期間の中央値は、客観的な腫瘍縮小効果の持続性を特徴づける指標である。
治療/処置のための「治療的に有効な投薬量」はまた、症状、障害又は疾患の進行を安定化させるその能力によって測定され得る。1若しくは複数のタンパク質キナーゼを阻害するか、又は増殖性障害に関連する細胞(例えば、癌細胞)の生存率を減少させる化合物の能力は本明細書中に記載されるもの(特に、以下の実施例において)のような、当業者に公知の適切なインビトロアッセイを使用することによって評価され得る。あるいは、本発明に記載される化合物の特性が、本明細書に記載されるものなどの当業者に公知の適切な動物モデル系(特に以下の実施例において)における化合物の能力を試験することによって評価することができる。本発明による化合物の治療有効量は、個体における身体の異常(状態)、障害もしくは疾患、又はる身体の異常(状態)、障害もしくは疾患の症状、又はる身体の異常(状態)、障害もしくは疾患に対する素因を、治癒、治癒、軽減、軽減、改変、改善、改善又は影響し得る。当業者は、個体の大きさ、個体の症状の重症度、及び選択される特定の組成物又は投与経路のような因子に基づいて、このような量を決定し得る。
本発明による医薬組成物は、また、所望であれば、活性化合物を含有する1若しくは複数の(例えば、単位)剤形を含有し得るパック又はディスペンサーデバイス中に提供され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチック箔を含むことができる。パック又はディスペンサ装置は、リーフレット又は他の情報、特に、どのように投与するか、推奨される用量、安全性及び/又は副作用情報など、パッケージに含まれる医薬組成物に関する顕著な情報又は詳細を(患者及び/又は投与医師のいずれかに)記述する情報を伴い得る。
特定の実施態様において、本発明の医薬組成物は、経口投与のために製剤化され、代替の特定の実施態様において、本発明の医薬組成物は、静脈内投与のために製剤化される。
一実施態様では、本発明の医薬組成物が、単位用量形態であり、特に、経口投与用に製剤化される。
このような単位用量形態の各々は第1の態様のキナーゼ阻害剤〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有するキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)のプロドラッグを有する、及び/又は、少なくとも1つの上記の誘導体化水酸基を有する、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、鏡像異性体、互変異性体、配座異性体、同位体標識された形態又はそれらの組み合わせを有する)又はそれらの組み合わせ〕などの化合物1~950mgを含むことができる。
特に、そのような単位用量形態(例えば、それぞれ)は、2~150mgのそのような化合物;適切には10~150mgのそのような化合物を含み得る(例えば、含有し得る)。
そのような態様の、特に、単位用量形態である(及び、特に、経口投与のために製剤化される単位用量形態)本発明の医薬組成物は、単位用量形態ごとに、2mg、5mg、15mg、20mg、50mg、70mg、80mg、100mg及び140mgからなる量のリストから選択されるそのような化合物の量;特に、約20mg、50mg、70mg又は100mgの量の本発明の化合物を含む(例えば、含有する)ことができる。
1つの特定の実施態様において、本発明の医薬組成物は、錠剤、カプレット又はカプセルであり(例えば、そのように形成される)、適切には、本発明の医薬組成物(例えば、その単位用量形態)は、カプレットである。錠剤及びカプレットを形成する(例えば、製造する)方法は例えば、本明細書の他の箇所に記載されている。
本発明の医薬組成物のための適切な賦形剤は、特に錠剤又はカプレットとして形成される場合、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物)、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸マグネシウムからなるリストから選択される1若しくは複数(例えば、全て)の賦形剤をさらに含むものを含み、本発明のそのような医薬組成物の特定の実施態様はそれらを含む。
治療及びその他の用途
第3の態様では、本出願は、例えば治療に使用するための薬剤として使用するための、「化合物」という見出しの下で上記に特定された化合物、又は「医薬組成物」という見出しの下で上記に特定された医薬組成物を提供する。
これらの局面の1つの実施態様において、本発明の化合物は式(I)を有し、及び群(1),(2),(3),(4)及び(5)の1若しくは複数の、表題「化合物」の下で上記に特定されている、化合物に属する化合物を含まない(特に、群(1)の一つ以上の化合物(特にR1aが4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イルである場合の群(1)の化合物)、(2)及び/又は(4)の化合物(特に、化合物 2-[(6-{[(3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリジン-2-イル)アミノ]-4-メチル-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾール-5-イル]-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド及び 2-[(6-{[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリジン- 2-イル)アミノ]-N-[1-(フェニルメチル)-1H-インダゾール-5-イル]-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド)。
これらの態様の一実施態様では、本発明の化合物が、式(Ia)を有し、かつ群(6)の1若しくは複数に属する化合物(例えば、特に、表題「化合物」の下で上記に特定されているように、R1aが、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イルである場合には群(6)(i)の化合物)、(7)及び/又は(8))を包含しない。
「化合物」という見出しの下で上記に特定される化合物は、(i)キナーゼ(例えば、本明細書中に記載されるもの、特に、SRC、ABL、BCR-ABL、LCK、SIK1、SIK2、SIK3、FLT3及び/又はKIT、及び/又はPHA2、EPHA4、CSF-R1、HCK及びACK1、及び/又はNEK11、WEE1、WNK2、Aurora-A、Aurora-B、及びTBK1);及び/又は(ii)(例えば、細胞性)免疫応答に対する細胞抵抗性の阻害のために使用され得ることが意図される。例えば、この化合物は、個体(特にヒト患者)における疾患、障害又は症状(ここで、この疾患又は症状はこのようなキナーゼに関連する)の処理のための方法において使用され得る。
本発明の化合物は、単独で、又は1若しくは複数のさらなる治療薬と組み合わせて、例えば、本明細書の他の箇所で定義又は開示されるものと組み合わせて、治療のために使用され得、EGFR阻害剤、ゲムシタビン、ドセタキセル、及び免疫チェックポイント阻害剤(PD1、PDLL、CT1A-4、1AG3又はIDO1の阻害剤、及び特に、ニボルマブ、レラトリマブ、イピリムマブ及びBMS-986205からなるリストから選択される免疫チェックポイント阻害剤など)、TNF、又はTNFR1-若しくはTNFR2-シグナル伝達のアゴニストを含み、腫瘍抗原に対するCAR T細胞を含む養子細胞療法、樹状細胞(DC)ベースのワクチン接種を含むワクチン、又はTNFR1-シグナル伝達のアゴニスト、又はTNFR1-シグナル伝達のアゴニストに関与する細胞のTNF又はTNFR1-シグナル伝達のアゴニストへの増殖障害に関与する細胞のばく露を誘導又は誘導することができる薬剤を対象に投与する。
このような化合物を含むか又は利用する治療は、自宅、診療所、診療所、病院の外来患者部門、又は病院で提供され得る。治療は一般に、医療従事者が治療の効果を綿密に観察し、必要な調整を行うことができるように、医学的監視下で開始する。治療の期間は、患者の年齢や症状、治療に対する反応などによって異なる。
症状(身体の異常ともいう)、障害又は疾患を発症するより大きなリスクを有する人は、その症状、障害又は疾患の症状を阻害又は遅延させるための予防的治療を受けることができる。
用語「治療」は当業者に公知であり、身体の異常、障害若しくは疾患、又は身体の異常、障害若しくは疾患の兆候、又は身体の異常、障害又は疾患に対する素因を治癒、軽減、改変、改善又は予防することを目的とする、治療剤(例えば、前記薬剤を含有する医薬組成物)の投与又は適用、又は治療剤(例えば、前記薬剤を含有する医薬組成物)の患者への投与又は適用のための処置、又は患者から単離された細胞、細胞培養物、細胞株、試料、組織又は器官への処置を含み、ここで、患者は、身体の異常、障害又は疾患、身体の異常、障害又は疾患の兆候、障害又は疾患又は身体の異常に対する素因を有している。
かくして、用語「治療」は、身体の異常、障害もしくは疾患、又は身体の異常、障害もしくは疾患の症状の予防的治療を含み得る。処理剤は、処理に使用される場合、本発明のキナーゼ阻害剤を含み、小分子、ペプチド、ペプチド模倣物、ポリペプチド/タンパク質、抗体、DNA又はRNAなどのヌクレオチド、細胞、ウイルス、リボザイム、siRNA、及びアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る追加の処理剤を含むが、これらに限定されない。
従って、1つの第4の態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は開示され得るように、本発明は「化合物」という見出しの下で特定される、被験体における増殖性障害の処置において使用するための、化合物〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有するキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有し、及び/又は少なくとも1つの上記特定される誘導体化水酸基を有する、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形、結晶形、 ジアステレオマー、鏡像異性体、互変異性体、配座異性体、同位体標識された形態又はそれらの組み合わせ)又はそれらの組み合わせ〕に関する。
別の第4の態様において、及び本明細書中にさらに記載され、定義され、特許請求され、又は開示されるように、本発明は、被験体における増殖性障害の処理における使用のための、上記の医薬組成物(例えば、「化合物」という見出しの下で特定される化合物〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)を有するキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有するプロドラッグ、及び/又は上記に特定される少なくとも1つの誘導体化水酸基を有するプロドラッグ、又は溶媒和物、酸化物、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、鏡像異性体、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態又はそれらの組み合わせ)又はそれらの組み合わせ〕に関する。
関連する第4の態様において、そして本明細書中にさらに記載、定義、請求又は開示されるように、本発明は被験体における増殖性障害の処置のための方法(例えば、被験体における増殖性障害の処置のための方法)であって、
(X)標題「化合物」で特定される化合物〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)のキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に受容可能な塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、コンフォーマー、同位体標識形態、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、及び/又は(IXd)を有するプロドラッグ、上記に特定されるような、少なくとも1つの誘導体化されたヒドロキシル基、塩、錯体、多形体、ジアステレオマー、互変異性体、配座異性体、又はそれらの組み合わせ)又はそれらの組み合わせ〕;又は
(Y)「上述の薬学的組成物(例えば、標題“化合物”で特定される化合物を含むもの」〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(IV)、(VI)、(VII)、もしくは(VIII) のキナーゼ阻害剤、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に受容可能な塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ体混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、コンフォーマー、同位体標識形態、プロドラッグ(特に式(IXa)、(IXb),(IXc)、又は(IXd)を有する、及び/又は、上記で特定されたような少なくとも1つの誘導体化されたヒドロキシル基、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識された形、又はそれらの組み合わせを有する)又はそれらの組み合わせ〕を、
投与することを含む、被験体における増殖性障害の処置のための方法に関する。
別の関連する第4の態様において、及び本明細書中にさらに記載、定義、請求又は開示され得るように、本発明は「化合物」という見出しの下で特定される化合物〔例えば、一般式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、又は(VIII)、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ(特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有する、及び/又は少なくとも1つの誘導体化水酸基を有する、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識された形態又はそれらの組み合わせ)又はそれらの組み合わせ〕の被験体における増殖性障害の治療のための医薬の製造のための使用に関する。
このような第4の態様において、このような使用又は方法の処置は、本発明の化合物又は医薬組成物を対象に(例えば、治療有効量の)投与することを含む。
このような態様の1つの特定の実施態様において、被験体は、ヒト、適切には成人ヒトである。例えば、18(又は16)歳以上のヒト、例えば、約18(又は16)~90歳、又は18(又は16)~80歳のヒト。このような実施態様のあるものでは、成人ヒトが約20歳以上、30歳以上、35歳以上、40歳以上、45歳以上、50歳以上、55歳以上である。そのような実施態様のより特定的なものでは、成人ヒトが若年成人(約18(又は16)~45(又は40)、又は約30~45(又は40))であり、中年(約45(又は40)~65(又は60)、又は約45(又は40)~55(又は50)、又は約55(又は50)~65(又は60)であり、又は高齢者(約60~90(又は92、95又は98などの高齢者)、約65~85又は約70~88)である。
このような実施態様の代替として、処置される対象は、約18(又は16)未満であるような小児科ヒトである。例えば、このようなヒトは約3~18(又は16)、例えば、約5~16、又は約10~16、又は12~17であり得る。小児科ヒトは、乳児(約2ヶ月齢から約2歳又は年齢の間など)、幼児(約2歳から約4歳の間など)、小児(約4歳から約9歳の間など)、青少年前(約9歳から約12又は13(又は11又は14)歳の間など)、又は青少年(約12又は13(又は11又は14)歳から約15(又は16又は17)歳の間など)であってもよい。
このような態様の一実施態様において、治療はそれを必要とする成人ヒト対象に、約140mg/日未満の量の本発明の化合物(例えば、医薬組成物に含まれる)を投与することを含む。例えば、選択的に、増殖性障害が存在しない場合、例えば、対象が、存慢性期Ph+ CMLでない増殖性障害に罹患している場合、である。このような態様の代替の実施態様において、処置はそれを必要とする成人ヒト対象に、約140mg/日を超える、例えば150mg/日を超える量のこのような化合物(例えば、医薬組成物に含まれるような)を投与することを含む。
このような態様の別の実施態様において、治療はそれを必要とする成人ヒト対象に、約100mg/日未満の量の本発明の化合物(例えば、医薬組成物に含まれる)を投与することを含む。例えば、選択的に、増殖性障害が慢性期Ph+ CMLである場合である(例えば、対象が罹患している)。このような態様の代替実施では、治療がそれを必要とする成人ヒト対象に、120mg/日超などの約100mg/日超の量のそのような化合物(例えば、医薬組成物に含まれる)を投与することを含む。
1つの代替の実施態様において、治療はそれを必要とする小児ヒト対象に、ある量の本発明の化合物を投与することを含む:
*体重10kg以上20kg未満の小児患者では1日40mg未満;
*体重20kg以上30kg未満の小児患者では1日60mg未満;
*重量30kg以上45kg未満の小児患者では1日約70mg未満、又は
*重量45kg以上の小児患者では1日約100mg未満。
さらなる代替の一実施態様では、治療がそれを必要とする小児ヒト対象に、ある量の本発明の化合物を投与することを含む:
*体重10kg以上20kg未満の小児患者では1日約40mgを超える;
*体重20kg以上30kg未満の小児には1日60mgを超える;
*重量30kg以上45kg未満の小児患者では1日約70mgを超える;又は
*重量45kg以上の小児患者では1日約100mgを超える。
このような化合物の量が、ヒト被験体に投与される(例えば、投与される)実施態様に関して、このような量は、毎日より少ない頻度で投与され得る。
例えば、所定量の「1日40mg未満」は、例えば、1日35、30又は20mg、又は2日に1回(又はそれ以下の頻度で)75、65又は40mgを投与することによって達成され得る。
特定の実施態様において、本発明の化合物(例えば、治療有効量)のこのような投与の際(又は後)、対象は有害反応(例えば、骨髄抑制のような)を有する(又は受けない)可能性が低い。
このような特定の実施態様の1つでは、そのような(例えば、治療有効)量の化合物の被験体への投与の際(又は後)に、心臓学的有害反応などの非血液学的有害反応を有する(又は罹患しない)可能性が低い。
このような実施態様のより具体的にはこのような化合物(例えば、治療有効量)の被験体へのこのような投与の際(又は後)に、被験体はQT延長を有する(又は受けない)可能性がより低い。
一実施態様では、対象が強力なCYP3A4阻害剤を同時に使用しないことを特徴とする。例えば、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル、テリスロマイシンを併用せず、又はグレープフルーツジュースを摂取しない。
疾患、障害又は(身体の異常)状態は、本明細書中に記載される本発明の文脈において、特定の実施態様において、増殖性障害(このような障害に関連する状態又は症状を含む)である。
「増殖性障害」とは、細胞の異常な増殖を特徴とする障害をいう。増殖性障害とは、細胞の増殖速度に関していかなる制限も意味しないが、単に、増殖及び細胞分裂に影響を及ぼす正常な制御の喪失を意味する。したがって、いくつかの実施態様では増殖性障害の細胞が正常細胞と同じ細胞分裂速度を有することができるが、そのような増殖を制限するシグナルに応答しない。「増殖性障害」の範囲内では、組織又は細胞の異常な増殖がある新生物又は腫瘍である。癌は当技術分野で理解されており、周囲の組織に侵入し、及び/又は、新しいコロニー形成部位に転移する能力を有する細胞の増殖を特徴とする様々な悪性新生物のいずれかを含む。増殖性疾患には、癌、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、特発性肺線維症及び肝硬変がある。非癌性増殖性疾患には、また、乾癬及びその多様な臨床形態のような皮膚中の細胞の過剰増殖、ライター症候群、毛孔性紅色粃糠疹、及び角化の障害の過剰増殖性変異体(例えば、日光角化症、老人性角化症)、強皮症などが含まれる。
より特定の実施では、増殖性障害が、癌又は腫瘍、特に固形腫瘍(そのような癌又は腫瘍に関連する状態又は症状を含む)である。このような、増殖性障害は、限定されないが、以下を含む;
頭頸部癌、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、生殖細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓のラブドイド腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、あらゆる血液学的悪性腫瘍(例えば、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、マスト細胞白血病、肥満細胞新生物、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性疾患、骨髄線維症、骨髄様異形成、全身性肥満細胞症)、及び、中枢神経系腫瘍(例、脳腫瘍、神経膠芽腫、非神経膠芽腫脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星細胞腫、退形成性星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫及び脈絡叢乳頭腫)、骨髄増殖性疾患(例、真性赤血球増加症、血小板血症、特発性骨髄線維症)、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド癌、又は肝癌。
特定の実施態様では、本発明の種々の局面が本明細書に記載されるものを含む増殖性障害のための処置に関する(例えば、本発明の化合物又は医薬組成物が使用される)。
従って、このような実施態様において、増殖性障害は、癌又は腫瘍であり得る。
1つの特定の実施態様では、癌は造血性又はリンパ性癌であり、そのような1つの実施態様では増殖性障害は、フィラデルフィア染色体陽性白血病;例えば、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)を患っているか、患っていることが疑われる。
特定の実施態様では、増殖性障害は(例えば、対象(例えば、成人ヒト対象)が罹患しているか、又は罹患していると疑われる)以下である:
* 慢性期に新たに診断された(Ph+ CML);
* イマチニブ(例、メシル酸イマチニブ)を含む前治療に抵抗性、又は、不耐容の、慢性期、移行期又は急性期CML;又は
* 前治療に抵抗性又は不耐容の、Ph+急性リンパ芽球性白血病(ALL)及びリンパ芽球性急性期CML。
別の特定の実施態様では、対象は、以下の、小児ヒト及び増殖性障害である(例、対象は罹患しているか、又は罹患している疑いがある):
* イマチニブを含む前治療に抵抗性又は不耐容の慢性期(Ph+ CML-CP)又はPh+ CML-CPにある、新規診断Ph+ CML。
別の特定の実施態様では、癌は固形腫瘍であり、1つのそのような実施態様では増殖性障害が、膵臓癌、乳癌、肺、前立腺、黒色腫、卵巣癌、食道癌、肉腫及び結腸直腸癌など、本明細書の他の箇所に記載されるものうちの1つ固形腫瘍である(例えば、対象が罹患しているか、又は罹患していることが疑われる)。
このような実施態様の特定では増殖性障害は(例、被験体が膵臓癌を患っているか、又はその疑いがある)膵臓癌であり;このような実施態様の別のものでは増殖性障害は(例、被験体が前立腺癌を患っているか、又はその疑いがある)前立腺癌であり;このような実施態様の別のものでは増殖性障害は(例、被験体が肺癌(例、非小細胞肺癌)を患っているか、又はその疑いがある)肺癌である。
他の箇所に記載されているように、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、別の医学的処置(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような追加の治療薬、手術又は放射線療法)を用いて被験体に投与することができる(例えば、併用療法又はレジメンとして)。次いで、このような併用治療レジメンは、このようなばく露/投与が付随する実施態様を含み得る。代替の実施態様では、このような投与が連続的であってもよく、特に、本発明の化合物(又は医薬組成物)がこのような他の手順の前に投与される実施態様では連続的であってもよい。例えば、化合物(又は医薬組成物)は他の手順の約10日、7日、5日、2日又は1日以内(例、前)など、他の手順の約14日以内(例、前)に連続的に投与することができ、化合物(又は医薬組成物)を、他の手順の約48時間、24時間、12時間、8時間、6時間、4時間、2時間、1時間、30分、15分又は5分以内(例、前)に連続的に投与することができる場合をさらに含む。
このような併用レジメンは、対象への(例えば、さらなる)以下の投与を含み得る:
* EGFR阻害薬及び/又はゲムシタビン特に増殖性疾患が膵臓癌である場合(例、被験体が膵臓癌に罹患しているか、又は罹患している疑いがある場合);
* ドセタキセル、特に、増殖性疾患が前立腺癌である場合(例、対象が前立腺癌に罹患している、又は罹患している疑いがある)場合;及び/又は
* 免疫チェックポイント阻害剤、特に、非小細胞肺癌などの増殖性疾患が肺癌である場合(例、被験体が肺癌に罹患している、又は罹患している疑いがある)。
このような併用療法又はレジメンを含み得る例示的な免疫チェックポイントインヒビターは、他の場所に記載され、そしてPD1、PDL1、CT1A-4、1AG3若しくはIDO1の抗体又は小分子インヒビターを含み、そして、特に、このような免疫チェックポイントインヒビターは、ニボルマブ、レラトリマブ、イピリムマブ及びBMS-986205の、特にニボルマブからなる、一覧から選択され得る。
他の実施態様では、併用レジメンが対象への(例えば、さらなる)以下の投与を含むことができる:
* 免疫アクチベーター(例、アゴニスト)抗体、例えば、OX40に対する抗体(例、Yang etal 2012、Blood 120:4533)、41BB、CD40又はICOS(例、Denget al 2004、Hybrid Hybridomics 23: 176)、特に、T細胞を刺激化/刺激することによってTNFレベルを増加させる抗体、及び/又は
* 樹状細胞(DC)ベースのワクチン接種(例、Loweら2014、
Oncoimmunology 3:e27589)。
1つの特定の実施態様において、増殖性障害(例えば、被験体における)は、(例えば、標準的な治療にもかかわらず)進行しており、又は別の実施態様において、被験体は、例えば、被験体がそれに対して不耐性であるため、標準的な治療を受けることができないかもしれない。そのような実施態様のいずれにおいても、被験体は、標準的な治療で進行したか、又は標準的な治療を受けることができない(例えば、不耐性)として、そのように特徴付けられる(例えば、層別化される)ことができる。
標準療法の例としては、イマチニブ(例、CML又はALLに対して)、ドセタキセル(例、前立腺癌に対して)、又はエーレインと記載されている免疫チェックポイント阻害剤などの免疫療法(例、黒色腫又は肺癌に対して)が考えられる。
免疫応答に対する敏感反応化とキナーゼの阻害
本発明の化合物は、増殖性障害に関与する細胞を、細胞媒介性免疫応答に対して敏感反応化することができる。
従って、1つの実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)を対象に投与することを含む処置は、増殖性障害に関与する細胞を細胞媒介免疫応答に対して敏感反応化することを含む(例えば、媒介される又はそれによってサポートされる)。
代替の実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)を対象に投与することを含む治療が、SIK3の阻害などの、細胞媒介免疫応答に対する耐性に関与するキナーゼの阻害を含む(例えば、媒介される、又はそれによってサポートされる)。
関連する実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)を対象に投与することを含む治療が、細胞性免疫応答に対する耐性に関与するキナーゼを阻害すること(例えば、SIK3を阻害することなど)、及び(それによって)増殖性障害に関与する細胞を細胞性免疫応答に対して敏感反応化することを含む(例えば、媒介される、又はサポートされる)。
さらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は開示されるように、本発明は、被験体における増殖性障害の処置において、増殖性障害に関与する細胞を、細胞媒介免疫応答に対して、敏感反応化するための方法に関し、この方法は本発明の化合物(又は医薬組成物)を、被験体に投与する工程を包含し;そして別のさらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は開示されるように、本発明は、被験体における増殖性障害の処置において、細胞媒介免疫応答に対する耐性に関与するキナーゼの阻害(例えば、被験体における増殖性障害の処置において、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与する工程を包含する)のための方法に関する。
関連するさらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載、定義、請求又は他の方法で開示されるように、本発明は、(i)細胞媒介免疫応答に対して、増殖性障害に関与する細胞を、敏感反応化するための;及び/又は(ii)SIKの阻害などの、細胞媒介免疫応答に対する耐性に関与するキナーゼを阻害するための医薬として使用するための本発明の化合物(又は医薬組成物)に関する。
なお関連するさらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載、定義、請求又は他の方法で開示されるように、本発明は細胞媒介免疫応答(例えば、細胞媒介免疫応答によって誘導され得る、殺(細胞死)に対する増殖性障害に関与する細胞を敏感反応化する)に対して、増殖性障害(例えば、腫瘍又は癌)に関与する細胞を敏感反応化する医薬(例えば、免疫腫瘍学医薬)として使用するための本発明の化合物(又は薬学的組成物)に関する。
免疫腫瘍学医薬は、当業者によって認識されるものであり、そのような生物に存在する癌性又は腫瘍性細胞に対する生物(例えば、ヒト)の免疫系の1若しくは複数の成分を増強することが意図される(例えば、特に設計される)薬剤を含む。
免疫腫瘍学医薬は、外因性免疫(阻害性)チェックポイント分子(例えば、本明細書の他の箇所に記載されるもの)に結合し、癌性又は腫瘍性細胞に対してT細胞機能を(例えば、直接)抑制するもの(例えば、抗体)であってもよく、又は免疫腫瘍医薬は癌性又は腫瘍性細胞に固有の免疫調節因子(例えば、本発明におけるように、SIK3)を阻害するものであってもよく、このような内因性免疫調節因子は、T細胞を能動的に(例えば、直接)抑制せず、むしろ、抵抗機構を介して腫瘍又は癌細胞を免疫応答から保護する。
このような態様の特定の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞は細胞媒介性免疫応答によって(例えば、それによって誘導されて)殺す(細胞死)ように敏感反応化され得る。
「塩誘導性キナーゼ3」又は「SIK3」(同義語QSK及びKIAA999)は、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)ファミリーに属するSIK1、SIK2、及びSIK3を含むセリン/トレオニンプロテインキナーゼのサブファミリーのメンバーである。
本発明の内容におけるSIK3タンパク質は、典型的にはタンパク質キナーゼである。
ヒトSIK3タンパク質に関する関連情報は、アクセス可能なUniProt:Q9Y2K2(2017年3月15日のエントリー版138)であり、本発明の内容におけるSIK3タンパク質は、好ましくはSIK3、2017年3月15日のエントリー版138、又は2018年3月28日のエントリー版144に示されるアミノ酸配列を有し、これらの配列は、参照により本明細書に組み込まれる。
SIK3は、セリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質タンパク質であり、LKB1複合体によるキナーゼドメインのTループにおける保存されたトレオニン残基(163位)のリン酸化を通して調節される;これは、SIK3の触媒活性に必須であると報告されているリン酸化(Lizcano, J. M.et al.; EMBO J. 23, 833-843(2004))である。本明細書中に開示される本発明の目的のために、用語「リン酸化SIK3」は、SIK3タンパク質がLKB1によってリン酸化され得る(例えば)ときに実質的にリン酸化されるSIK3タンパク質を意味し、ここで、好ましくは、このようなリン酸化SIK3が、アミノ酸位置163にリン酸化トレオニンを含む。
本発明の内容におけるリン酸化SIK3は、その細胞生物学的文脈において活性化されるSIK3タンパク質である。
SIK3遺伝子産物のオルタナティブスプライシングによって生成される少なくとも4つのタンパク質アイソフォーム(SIK3-001~SIK3-004)が知られている。ヒトSIK3遺伝子は染色体位置11q23.3(HGNC遺伝子Symbo1acc: HGNC:29165)に位置し、チンパンジー、アカゲザル、イヌ、ウシ、マウス、ラット、ニワトリ、ゼブラフィッシュ、カエルなど多くの種で保存されている。
本発明のいくつかの実施態様における用語SIK3は、例えば、Tatusova & Madden 1999(FEMS Microbiol Lett 174: 247-250)に記載されている「B1ast2配列」アルゴリズムを用いて決定されるように、上記のようなSIK3のアミノ酸配列と実質的に同一であるか、又は少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90、95、96、97、98、99、又は100%の配列同一性を有し、かつ(好ましくは)それぞれの参照SIK3と同一又は実質的に同一である(例えば、HDAC4のような1若しくは複数のクラスII(例、IIa)HDACをリン酸化する)アミノ酸配列を有するヒトSIK3タンパク質の変異体にも関連し得る。
SIK3タンパク質の好ましい変異体は、それぞれの種の集団間及び集団内の配列多型に起因するその配列変異体、ならびにSIK3の活性ループ又は活性化ループ(Tループ)中又はその近傍に位置するSIK3の野生型配列と比較した突然変異体を含む。
SIK3タンパク質の好ましい変異体は、SIK3の活性化に影響を及ぼす突然変異のようなSIK3 T163突然変異である。
好ましい実施態様において、本発明のSIK3タンパク質は、SIK1(同義語: SIK及びSNF1LK)タンパク質ではなく、及び/又はSIK2(同義語: QIK、KIAA0781及びSNF1LK2)タンパク質ではない。
ヒトSIK1(UniProt:P57059;15-Mar-2017のエントリー版168)及びヒトSIK2(UniProt: Q9H0K1;15-Mar-2017のエントリー版153)のアミノ酸配列は、参照により本明細書に組み込まれる。
用語SIK3は(より具体的に示されない場合)文脈に適用可能なように、SIK3タンパク質(例えば、上記のもの)又はこのようなSIK3タンパク質をコードするmRNA分子を意味し得る。
「SIK1」及び「SIK2」に関する類似の意味は理解されるべきである。
「SIK3の阻害剤」(又は「SIK3阻害剤」)である化合物は、SIK3、特にSIK3のタンパク質、特にリン酸化されたSIK3の活性の阻害を意味し得る、SIK3を阻害する任意の物質部分である。
SIK3阻害剤は、SIK3の1若しくは複数の活性(例えば、本明細書中に記載される活性の1若しくは複数、例えば、クラスII(例えば、IIa)HDAC(例えば、HDAC4)をリン酸化するための、及び/又は細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性障害に関与する細胞を敏感反応化するためのSIK3の活性)の効率、有効性、量又は速度を損ない得る(例えば、減少又は減少を誘導し得る)。
このようなSIK3阻害の部分は、例えば、SIK3に結合し、そしてその機能、特にキナーゼとして作用するその能力(例えば、HDAC4をリン酸化する能力)のようなSIK3の特性の1若しくは複数の量又は速度を減少させることによって、例えば、細胞におけるリン酸化されたSIK3の活性を減少させることによって、直接的に作用し得る。
SIK3阻害剤である化合物は、本明細書中に記載される適用可能な官能基及び/又は構造的特徴によって特徴付けられ得るものを含めて、本明細書中の他の箇所に記載される。
好ましい実施態様では、「対象」が特に、限定されるものではないが、ヒトだけでなく、カニクイザルなどの非ヒト霊長類も含む、すべての哺乳動物を含むことも意味する。イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウサギ、ブタ及び齧歯類(マウス及びラットなど)も含む。本発明による特に好ましい被験体は、ヒト被験体、例えば、障害、疾患又は状態、例えば、ヒト患者に罹患している(又は罹患する危険性がある)ヒトであることが理解される。
本明細書中で使用される場合、「治療」は、疾患、障害又は(身体の異常)状態を処置することと同義であり、これは、疾患、障害又は(身体の異常)状態の症状を減少させること、疾患、障害又は(身体の異常)状態の進行を阻害すること、疾患、障害又は(身体の異常)状態の退行を引き起こすこと、及び/又は疾患、障害又は状態を治癒することを含む。
好ましい実施態様では、本発明における「治療」は、また、特に、治療処置、ならびに疾患(又は障害もしくは(身体の異常)状態)のための予防的又は抑制的処置を含むことを意味し、したがって、例えば、疾患の開始前の本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与の成功は疾患の処置をもたらす。「治療」が、疾患(又はその症状)を改善又は根絶するために、疾患の出現後の本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与も包含する。臨床症状の可能な軽減及びおそらく疾患の改善を伴って、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与は、また、疾患の処置を包含する。「治療を必要とする」は、疾病、障害又は(身体の異常)状態を予防しなければならないような事象を含み、疾患、障害又は(身体の異常)状態を既に有する被験体(例えば、ヒト被験体)、ならびに疾患、障害又は(身体の異常)状態を有する傾向があるか又は有する疑いがある被験体(以下を含む)を包含する。
細胞性免疫応答に対して敏感反応化される細胞は、適当には増殖性疾患に関与する細胞(例、増殖性疾患に関連する細胞)であり、特定の実施態様において、そのような細胞は、増殖性疾患に関与する細胞(例、過剰増殖性の細胞など、異常に増殖している細胞)である。例えば、このような細胞は、その増殖及び細胞分裂に影響を及ぼす正常なコントロールの喪失を特徴とする細胞(例えば、新生物又は腫瘍の細胞)であり得る。特定の実施態様では、このような細胞が癌性細胞であってもよく、又は癌もしくは腫瘍の細胞に由来する細胞であってもよい。他の実施態様において、このような細胞は皮膚細胞(例えば、乾癬、ライター症候群、ルブラ・ピラリス・ピラリス(pityriasisrubra pi1aris)又は強皮症に関与するものなどの過剰増殖を示すもの)であり得る。
細胞は、例えば、そのような増殖性疾患における原因因子であるか、又はそのような増殖性疾患の影響を受ける場合には、「増殖性疾患に関与する」ことがある。
特に、細胞が、異常な細胞成長又は細胞分裂のような異常な増殖によって特徴づけられ、異常な細胞成長又は細胞分裂が、増殖性疾患の病理の一部であるか、又はその原因である場合には、「増殖性疾患に関与する」と定義される。
増殖性疾患が、腫瘍又は癌である態様において、「増殖性疾患に関与する」細胞は、非限定的な例として、腫瘍(又は癌)細胞、又はそのような腫瘍又は癌の(組織)に由来する細胞、特に固形腫瘍の細胞であり得る。
特定の実施態様において、本発明の化合物は、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)において、SIK3を阻害し得る。
特にそのような実施態様では、化合物が、そのような細胞中のSIK1及び/又はSIK2の阻害に対し、そのような細胞中のSIK3を優先的に阻害することができ;及び/又は、
1若しくは複数のタイプの免疫細胞中のSIK1及び/又はSIK2及び/又はSIK3を阻害すること、そのような細胞中のSIK3を優先的に阻害することができる。
例えば、本発明の化合物はマクロファージ及び/又は樹状細胞(特に、IL-10を産生することができるもの)においてSIK1及び/又はSIK2及び/又はSIK3を阻害すること、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)においてSIK3を優先的に阻害し得る。
本発明の化合物(又は医薬組成物)は、特に、SIK3に有効であり、阻害し、及び/又は増殖性障害に関与する細胞を細胞媒介性免疫応答に対して敏感反応化するのに有効である量(用量など)で、対象に投与することができる。
このような投与のための適切な量、製剤及び手段は、本明細書の他の箇所に記載される。
特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、増殖性障害に関与する細胞の(における)SIK3、好ましくはSIK3の活性を低下させるのに有効な量(治療有効量など)で投与される。
そのような実施態様では化合物(又は医薬組成物)の「治療有効量」が、SIK3の活性を適用可能なレベルまで低下させることができるが、化合物(又は医薬組成物)の他の活性に関して有意な(例えば、耐えられない)副作用又は過剰投薬をもたらさない量であり得る。
好ましくは、SIK3の活性が、好ましくは増殖性障害に関与する細胞(の)におけるSIK3キナーゼに関連して、効果的に阻害(減少)される。
例えば、「有効な」阻害(又は減少)は、活性がそれぞれのキナーゼの活性の約10%、20%、50%、又は50%超、例えば70%又は90%の減少のような、生理学的効果を有する程度(又はレベル)低下するものを含み得る。
SIK3に関して、このような減少の1つは、治療応答を誘発するために望ましいかもしれない。
用語「免疫細胞」は、そのような生物、特にヒトのような哺乳動物の免疫系に関与する生物の任意の細胞を記載することが当技術分野で認識されている。
白血球(白血球)は自然免疫系に関与する免疫細胞であり、適応免疫系の細胞はリンパ球として知られる特殊なタイプの白血球である。
B細胞とT細胞は、リンパ球の主要な種類であり、骨髄中の造血幹細胞に由来する。B細胞は、体液性免疫応答に関与するが、T細胞は、細胞性免疫応答に関与する。
本発明の好ましい態様において、免疫細胞は、骨髄細胞、例えばT細胞であり得、特に(癌を治療するためなど、細胞性免疫応答の増加が必要とされる場合のように)、T細胞は細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞傷害性T細胞、CD8+ T細胞又はキラーT細胞としても知られる)であり得る。
CTLは、癌細胞、感染した細胞(特にウイルス)、あるいは他の方法で損傷を受けた細胞の殺傷に関与するT細胞である。
このような実施態様のための他の好ましい免疫細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含み得る。TILとは、血流を離れて腫瘍に移行した白血球のことである。典型的には、TILは様々な割合で異なる種類の細胞(例、T細胞、B細胞、NK細胞、マクロファージ)の混合物であり、T細胞が最も豊富な細胞である。TILは、しばしば間質や腫瘍自体に見出され、腫瘍細胞の殺傷に関係している。腫瘍中のリンパ球の存在は、しばしばより良好な臨床転帰と関連している。
本明細書で使用される用語「細胞性免疫応答」は、T細胞の成熟、増殖、活性化、遊走、浸潤及び/又は分化、及び/又はマクロファージ、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球(又はT細胞)、ヘルパーTリンパ球、記憶Tリンパ球、サプレッサーTリンパ球、レギュレーターTリンパ球、及び/又は細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の活性化、増殖、活性化、浸潤、及び/又は活性化/調節/浸潤、及び/又はこれらの組み合わせを含む宿主生物における応答、及び/又はサイトカイン又はオートコイド(特にTNFなどの炎症性サイトカイン)などの1つ又は複数の細胞分泌性又は細胞分泌性因子、及び/又はそのようなプロセス(サイトカイン又はオートコイドなどの特定の炎症性サイトカイン、TNFなどの特定の炎症性サイトカインなど)の1つ又は複数の成分の製造、放出、及び/又は効果を含む。
本明細書で使用される「細胞媒介免疫応答」という用語は遺伝子操作された、インビトロで培養された、自己由来の、異種の、修飾された、及び/又は転移されたTリンパ球を含む細胞応答を含むことができ、又はそれは、遺伝子操作によって産生された細胞分泌性又は細胞分泌性因子(サイトカイン又はオートコイド、特にTNFなどの炎症性サイトカインなど)を含むことができる。
細胞性免疫応答は、好ましくは抗体の放出を含む免疫応答のような体液性免疫応答ではない。
特定の実施態様において、特に、増殖性障害が癌又は腫瘍である場合、細胞媒介免疫応答は、抗腫瘍細胞媒介免疫応答である。例えば、癌又は腫瘍の細胞を殺傷する細胞傷害性細胞媒介性免疫応答(細胞傷害性T細胞及び/又はTNFばく露のような)のような、腫瘍(細胞)成長の減少につながるものである。
特定の実施態様では、細胞媒介性免疫応答が、インターロイキン-1(IL-1)、IL-8及びIL-12、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロンγ(IFN-γ)、及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子からなる群より選択される1つなどの、炎症性サイトカインを分泌することができる(分泌)免疫細胞などの細胞によって媒介され得る。
特に、このような実施態様では、炎症性サイトカインは腫瘍壊死因子(TNF)[α]である。
他の実施態様では、細胞媒介性免疫応答が細胞分泌性又は細胞分泌性因子(サイトカイン又は自己コイドなど)、特に免疫細胞によって分泌可能又は分泌されるものであってもよい。特にこのような実施態様では、細胞性免疫応答が炎症性サイトカイン、特に腫瘍壊死因子(TNF)である。
「敏感反応化する」、「敏感反応化」、及び「敏感反応化すること」(及び同様のもの)という用語は、細胞媒介免疫応答に対して敏感反応化される細胞の文脈において本明細書中で使用される場合、当業者によって理解され、そして、このような細胞が、このような細胞に対する細胞媒介免疫応答が有し得る1若しくは複数の効果(例えば、処置効果)に対する増加した感受性を示し得ることの意味を含む。
特に、非常に敏感反応化された細胞は、細胞媒介性免疫応答の存在下(例、ばく露)では、それほど「敏感反応化」されていない類似の細胞よりも、より容易に殺され得る(例えば、より急速に、死滅するか、又は殺される細胞のより大きな割合、及び/又は細胞媒介性免疫応答のより低い量又はばく露時である)。
例えば、そのように非常に敏感反応化された細胞は、より少ない数のT細胞又はより低濃度のTNF(例えば、約10%、20%、30%、40%、50%もしくは50%より少ないT細胞又はより低濃度のTNF)にばく露されると、細胞死(例えば、アポトーシス)に誘導され得る。
このような細胞が、細胞媒介性免疫応答に対して敏感反応化されたかどうか(及びどの程度まで)を決定するための方法は本明細書中(例えば、実施例において)記載される。
従って、本発明の特定の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞は、細胞媒介性免疫応答(例えば、CTL又は炎症性サイトカイン(例えば、TNF))によって、細胞死/殺傷(例えば、アポトーシス発生による)に対して敏感反応化され得る。
用語「腫瘍壊死因子」及び「TNF」(以前に、したがって、代わりに腫瘍壊死因子α及びTNF-αとして知られている)は、本明細書に開示される発明の文脈において、当技術分野においてこれらの表記の下で知られている任意のタンパク質を指すと理解されるべきである。
特に、TNFという用語は、存在する任意の生物、好ましくは、ヒトなどの動物又は哺乳動物の内因性TNFを包含する。
限定ではなく、例として、ヒトTNFはとりわけ、Pennicaら、1984(Nature 312: 724-9)及びエントリー番号P01375を有するUniProtKB/Swiss-Protデータベース(例えば、15-Mar-2017のエントリー版224)に開示されるような内因性タンパク質、ならびにヒト集団間及びヒト集団内の正常配列多型に起因するその任意の配列変異体を包含し得る。
さらなる非限定的な例によって、用語は、ウシ(Q06599)、イヌ(P51742)、ヤギ(P13296)、モルモット(P51435)、ネコ(P19101)、ウマ(P29553)、マウス(P06804)、チンパンジー(Q8HZD9)、ブタ(P23563)、ウサギ(P04924)、ラット(P16599)及びその他についてUniProtKB/Swiss-Protデータベースに注釈されているような内因性TNFタンパク質、ならびにそれぞれの種の集団間及び集団内の配列多型によるそれらの任意の配列変異体を包含することができる。
さらに、用語TNFは、特に、TNFの可溶性分泌サイトカイン形成(モノマー形成を含む)、ならびに、好ましくは、その典型的により活性成分三量体形成を含む(例えば、Smith & Baglioni 1987. J Biol Chem262: 6951-4を参照のこと)。
内因性TNFの可溶性形態の一次アミノ酸配列は、それぞれの例示された生物についての上記のUniProtKB/Swiss-Protデータベースエントリーに示される。
さらに、用語TNFは、また、いくつかの細胞型の表面上で発現されるTNFの膜結合型を包含する(例えば、Krieglerら、1988. Cell 53: 45-53を参照のこと)。
さらに、用語TNFは、また、その一次アミノ酸配列が例えば、Tatusova& Madden 1999(FEMS Microbiol Lett 174: 247-250)によって記載される「B1ast 2配列」アルゴリズムを使用して決定されるように、内因性TNFの配列と同一又は実質的に同一であり(本明細書全体を通して使用される場合、一般に、80%以上、例えば、85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上又は99%以上の配列同一性をいう)、そして、例えば、Flick & Gifford 1984(J Immunol Methods 68: 167-75)によって記載される細胞毒性試験を使用して決定されるように、それぞれの内因性TNFと同一又は実質的に同一の生物学的活性を(好ましくは)保持する、合成タンパク質又は組換えタンパク質を包含し得る。
本発明の局面及び実施態様の文脈から明らかであるように、用語TNFは特に、本明細書中では、細胞、組織、器官又は生物(好ましくはヒト)によって産生される、内因性TNF、可溶性及び/又は膜結合(好ましくは可溶性)を指し得る。
それにもかかわらず、用語「TNF」によって想定されるのは腫瘍壊死因子の外因性の形態、特に組換え技術によって産生されるものであり、特定の実施態様では本発明の様々な局面及び実施態様において、対象に投与され得るか、又は細胞にばく露され得るか、又は細胞と接触され得る。
特定のこのような実施態様において、TNFは治療薬として使用される組換えTNF(例えば、タソネルミン(BEROMUN))であり得る。
或る実施態様では、細胞媒介性免疫応答が、リンパ球(例、T細胞)、特に細胞傷害性Tリンパ球(CTL)のような炎症性サイトカイン分泌細胞によって媒介され得る。
特定の実施態様では、細胞性免疫応答が、増殖性障害に関与する細胞の殺傷(例、アポトーシスを介した細胞死)を誘導することができる。例えば、治療(方法)は、細胞媒介性免疫応答が増殖性障害に関与する細胞のそのような殺傷を誘導することを含んでもよい(例えば、細胞媒介性免疫応答によって媒介されていてもよい)。
増殖性疾患に関与する細胞は、1若しくは複数の細胞傷害性処理、特にプログラム細胞死(PCD)のような、そのような細胞に内因性である処理によって殺される(例、細胞死に誘導される)ことがある。
細胞死プロセスには壊死(特にネクロプトーシス)、アポトーシス、アノイキス、オートファジー、フェロプトーシス、有糸分裂カタストロフィー及び活性化誘導細胞死が含まれるが、これらに限定されない。
特定の好ましい態様において、増殖性障害に関与する細胞(例、腫瘍細胞)は、細胞媒介性免疫応答(例、TNFによって)によって細胞死に誘導される。
さらなる実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は細胞媒介免疫応答の非存在下(例えば、TNFの非存在下)でこのような細胞を殺さないように投与される。
特にそのようなさらなる実施態様では、化合物(又は医薬組成物)が細胞媒介免疫応答の非存在下でそのような細胞を殺すのに有効でない量(例えば、用量)で投与されていてもよい。
本明細書の実施例は、本発明の化合物(又は医薬組成物)の量が、細胞媒介免疫応答の存在下でのみ、又は優先的に、このような細胞を殺すのに有効であると決定され得る種々のアッセイを記載する。
他の特定の実施態様では、細胞媒介免疫応答が、少なくとも1つの免疫細胞エフェクター分子、特に免疫細胞によって分泌可能又は分泌されるエフェクター分子を含み得る。特にこのような実施態様では、エフェクター分子が炎症性サイトカイン、好ましくは腫瘍壊死因子(TNF)であり得る。
特定の実施態様では、エフェクター分子が、Fasリガンド(FasL又はCD95L)及びTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、CD253又はTNFSF10)から選択される細胞エフェクター分子ではない。
本発明の特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、TNFによって誘導される殺傷に対し、増殖性障害に関与する細胞を(効果的に)敏感反応化することを意図して(又はそうするように)、対象に(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。例えば、化合物(又は医薬組成物)は、TNFによって誘導される殺傷(細胞死)に対して、増殖性障害に関与する細胞を敏感反応化するのに有効な量などの治療有効量で投与することができる。
例えば、本発明の化合物(又は医薬組成物)を対象に(例えば、有効な量又は用量で)投与して、細胞がTNFの存在下又はTNFと接触している場合などに、TNFによって媒介されるそのような細胞のアポトーシスを誘導することができる。
さらなる実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、TNFの非存在下で、そのような細胞の殺傷(例えば、細胞死)を誘導しないように、減少した量の細胞毒性(例えば、細胞死)を誘導するために(例えば、そのような細胞の殺傷(例えば、細胞死)を誘導しないように)対象に投与されてもよく;例えば、化合物(又は医薬組成物)は、TNFの非存在下で、細胞毒性(例えば、細胞死)において有効でない(例えば、そのような殺傷を誘導するのに有効でない)量又は用量で投与されていてもよい。
TNFは、腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)及び腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)への結合及び/又はシグナル伝達を介してアポトーシス促進処理を誘導することができる。
従って、特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、腫瘍壊死因子受容体1(TNFR1)シグナル伝達及び/又は腫瘍壊死因子受容体2(TNFR2)シグナル伝達によって媒介されるアポトーシスに対して、増殖性障害に関与する細胞を(効果的に)敏感反応化するために、対象に(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。
好ましくは、化合物(又は医薬組成物)が、増殖性障害に関与する細胞を、特にTNFR1によって媒介される細胞死に対して(効果的に)敏感反応化するために、対象に(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。
例えば、化合物(又は医薬組成物)は、TNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達、及び/又はそれによって媒介される細胞死を媒介するのに有効な治療有効量で投与することができる。
例えば、特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、活性TNFR1シグナル伝達の際などに、TNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達によってそのような細胞のアポトーシスを誘導するために(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。
特にそのような実施態様では、化合物(又は医薬組成物)が、TNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達の非存在下、例えば活性TNFR1シグナル伝達の非存在下で、そのような細胞のアポトーシスを誘導しないように、減少した量の細胞毒性(例えば、アポトーシス)を(効果的に)誘導するために、対象に(例えば、治療有効量などの量又は用量で)投与されていてもよい。
例えば、化合物(又は医薬組成物)は、細胞毒性(例えば、細胞死)において有効でない(例えば、このようなシグナル伝達の非存在下で、このような細胞死を誘導するのに有効でない)量又は量で投与され得る。
従って、特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、細胞媒介免疫応答の非存在下で増殖性障害に関与する細胞に対して、減少した量の細胞毒性(例えば、細胞死)(例えば、細胞毒性ではない)を誘導するために、対象に(例えば、量又は用量で)投与され得る。
特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、処理中に対象の腫瘍のサイズが増加しても、対象に投与され続けることができる。
理論に束縛されるものではないが、このような処置の間に腫瘍サイズの増加が観察される場合でさえ、これは腫瘍の細胞に対する(増強された)免疫反応を示し得る(例えば、細胞は細胞媒介免疫応答に対して敏感反応化されるようになり;そして腫瘍がこのような免疫応答のためにサイズが増加している)、したがって、化合物(又は医薬組成物)の処理はこのような実施態様において、このような検出感度及び関連する(増強された)免疫反応を維持するように処理され続けることができる。
PCT/EP2018/060172に記載されているように、SIK3の阻害は驚くべきことに、細胞死などの細胞に固有の細胞傷害性プロセスの制御及び/又は誘発に関与するものを含む、いくつかの重要な生物学的過程又は表現型に関連する。
例えば、腫瘍細胞は肝キナーゼB1(LKB1、STK11又はNY-REN-19)、ヒストンデアセチラーゼ4(HDAC4)、活性化B細胞の核因子κ軽鎖エンハンサー領域(NF-κB)、及びカスパーゼ8及びカスパーゼ9などのNF-κBによって調節されるアポトーシス促進性遺伝子を含む経路及びその成分を介して作用し、SIK3の阻害によって、TNFのアポトーシス/細胞傷害性作用に敏感反応化され得る。
また、c‐Jun N末端キナーゼ(JNK)は、SIK3の阻害によるTNFのアポトーシス/毒性効果への敏感反応化に関連するシグナル伝達成分である。
この実施態様(及び適用可能な場合には他の実施態様)の文脈において、「関連する」という用語は、2つの成分、変数、効果又は表現型が互いに相互に関連すること、及び/又はそれらが互いに関連する(例えば、相関する)こと、及び/又は第1の成分と第2の成分、変数、効果又は表現型との間に因果関係があることを意味することができる(例えば、第2の成分は、第1の成分に応答し、第2の成分は、第1の成分の結果であり、第2の成分は、第1の成分によって引き起こされる、又は第2の成分は、第1の成分によって引き起こされる)。
従って、1つのこのような実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与は増殖性障害に関与する細胞におけるNF-κB活性の障害(例えば、核からのNF-κBの転位の増強又は増加による)と関連し得る。
特に、このような実施態様では、このようなNF-κB活性の障害(例えば、核外へのNF-κBの増強又は転位による)はこのような細胞における(活性化された)TNF-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)と関連し得る。
特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、増殖性障害に関与する細胞におけるNF-κB活性を損なうか又は阻害するために、例えば、そのような細胞の核からのNF-κBの転座を増強又は増加させるために、対象に(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。
例えば、化合物(又は医薬組成物)は、増殖性障害に関与する細胞におけるNF-κB活性を(効果的に)損なうのに有効な量、特に、増殖性障害に関与する細胞の核からのNF-κBの転座を(効果的に)増強又は増加させるのに有効な量で、対象に投与することができる。
代替的又はさらなる実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与が増殖性障害に関与する細胞におけるクラスII(例えば、IIa)HDAC、例えば、HDAC4の活性、例えば、その細胞の核へのその転位又は局在化又はその活性;特に、そのような細胞におけるTNF及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)の活性を増加させるために、(例えば、化合物(又は医薬組成物)が有効な量又は用量などで投与される)増加と関連し得る。
他の代替的又はさらなる実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与が、核NF-κBの脱アシル化(例えば、そのp65サブユニットでの脱アシル化)及び/又は1若しくは複数の抗アポトーシス因子の減少したトランス活性化、特に、増殖性障害に関与する細胞におけるTNF-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)に関連し得る。
例えば、化合物(又は医薬組成物)は、核NF-κBの脱アシル化(例えば、そのp65サブユニットで)及び/又は1若しくは複数の抗アポトーシス因子の減少したトランス活性化を引き起こすために(例えば、有効な量又は用量で)投与され得る。
別の代替又はさらなる実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与は、増殖性疾患に関与する細胞におけるカスパーゼ8及び/又はカスパーゼ9の切断、特にそのような細胞におけるTNF-及び/又はTNFR1-媒介(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)シグナル伝達の増加(例えば、量又は用量有効など)に関連し得る。
さらに他の代替又はさらなる実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与が、増殖障害に関与する細胞における、特定TNF-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(又はTNFR2媒介シグナル伝達)時の、1若しくは複数の抗アポトーシス因子の転写の減少、例えば、そのような細胞における1若しくは複数のNF-κB標的遺伝子の転写の減少と関連し得る。
特に、化合物(又は医薬組成物)は、増殖性障害に関与する細胞におけるTNF-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)に際して、1若しくは複数のこのような抗アポトーシス因子の転写を減少させるために(例えば、用量有効量で)投与され得る。
一実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与が、増殖障害に関与する細胞において、特に、そのような細胞におけるTNF-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達(若しくはTNFR2-媒介シグナル伝達)に際して、JNK活性化(リン酸化によるなど)を増加させるのに有効な量又は用量などで、増加(例えば、化合物(又は医薬組成物)が投与される)に関連し得る。
別の実施態様では、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与が、CREB-経路シグナル伝達の有意な変化、及び/又はCREB-及び/又はCREB-調節によって媒介される有意な変化をした遺伝子発現と関連しなくてもよい。
特定の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞におけるTNF-(TNFR2-)及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達は、このような細胞におけるpLKB1のレベルの増加と関連し得る。
ここで、本発明の知識を与えられた当業者に明らかであるように、本発明の処理態様は処理効果に相加的又は相乗的に寄与するように、上記の1若しくは複数のこれらの他の経路成分の発現、活性、機能又は安定性を適切に改変する1若しくは複数の他の部分を投与する工程をさらに包含し得る。
例えば、1つのこのような実施態様において、本発明の処置態様は、LKB1のインヒビターを投与する工程をさらに含み得る。このような実施態様の別の態様において、本発明の処置態様は増殖性障害に関与する細胞の核において、1若しくは複数のクラスII(例えば、IIa)HDAC(ヒストンデアセチラーゼ)(例えば、HDAC4)を促進するか、増強するか、又は増加させる、本発明の化合物を投与する工程をさらに含み得る。
このような実施態様のさらに別の態様では、本発明の治療局面が、NF-κBの阻害剤(活性化)を投与する工程をさらに含み得る。
本発明は、また、2若しくは複数のこのような他の部分の組み合わせが、本発明の化合物(又は医薬組成物)と一緒の処置において、及び/又は、化合物(又は医薬組成物)と一緒に他の(例えば、抗癌)治療有効成分(例えば、本明細書の他の箇所に記載されるような追加の治療剤)を使用して使用され得ることを想定する。
さらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は他の方法で開示されるように、本発明は、細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性障害に関与する細胞の敏感反応化のための方法に関し、この方法は増殖性障害に関与する細胞を本発明の化合物(又は医薬組成物)にばく露する(例えば、接触させる)ことを包含する。このような方法は、典型的にはin vitro及び/又はex vivo方法として実施され得る。
特定の実施態様では、細胞媒介免疫応答が増殖性障害に関与する細胞を殺すことを含み、例えば、前記殺すことはTNF-、TNFR2-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達を含む(例えば、媒介される、又は、サポートされる)。
例えば、このような細胞の殺傷は、TNF-、TNFR2-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達によって誘導されるこのような細胞のアポトーシスを含み得る。
本発明の種々の局面のこの及び他の適用可能な実施態様において、TNFR2-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達は任意の適切なトリガー分子(例えば、TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト)によって;特に、増殖性障害に関連する細胞をトリガー分子(例えば、TNF、TNF変異体又はTNFR1アゴニスト)にばく露することによって(例えば、接触させることによって)、トリガーされ得る(例えば、活性化され得る)。
このようなばく露は、誘発分子(例、TNF、TNF変異体又はTNFR1アゴニスト)が、TNFR2及び/又はTNFR1に結合し、特にTNFR1シグナル伝達の誘発(例、活性化)を引き起こす可能性がある。
さらなる態様において、そして本明細書中にさらに記載、定義、請求又は開示され得るように、本発明は増殖性障害に関与する細胞を死滅させるための方法に関し、この方法は(i)TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-若しくはTNFR2-シグナル伝達(好ましくは、TNFR1シグナル伝達)のアゴニストに、増殖性障害に関与する細胞をばく露する(例えば、接触させる);ならびに(ii)本発明の化合物(又は医薬組成物)に、増殖性障害に関与する細胞をばく露する(例えば、接触させる)ことを包含する。
当業者によって理解されるように、このような方法は、典型的にはインビトロ及び/又はエクスビボの方法として実施され得る。
関連する態様において、本発明は、増殖性障害に関与する細胞の死滅を伴う増殖性疾患の処置において使用するための本発明の化合物(又は医薬組成物)に関し、この処置は、(i)TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト;ならびに(ii)本発明の化合物(又は医薬組成物)にこのような細胞をばく露することを包含する。
このような態様の特定の実施態様では、増殖性障害に関与する細胞の殺傷が、特に、TNF-、TNFR2-及び/又はTNFRl-媒介性シグナル伝達を含む(例、媒介される、又はそれによってサポートされる)そのような細胞の細胞死に対する感受性を誘導することによって、そのような細胞を細胞媒介性免疫応答に対して敏感反応化することによって媒介される。
増殖障害に関与する細胞は、細胞をそのようなトリガー分子に接触させることによって、TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストにばく露されてもよく;及び/又は、そのような細胞は、そのような細胞を本発明の化合物(又は医薬組成物)と接触させる(又はその中に導入する)ことによって、本発明の化合物(又は医薬組成物)にばく露されていてもよい。
本発明の(i)TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト;及び/又は(ii)化合物(又は医薬組成物)の量(又は用量)は典型的には有効量であり、すなわち、例えば、TNF-、TNFR2-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達によって誘導される細胞死によって(そのような細胞を殺すなどして)細胞を敏感反応化するのに有効な量(又は用量)である。
本発明の化合物(又は医薬組成物)のさらなる特定の特徴と同様に、本発明のこれらの態様に組み込まれ得るこれらの有効成分の適切な量(又はそれらを決定する方法)が開示される。
従って、特定の実施態様において:(i)TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト;ならびに(ii)本発明の化合物(又は医薬組成物)は増殖性障害に罹患している被験体に投与され得る(例えば、処置は、(i)TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストの投与を含み得る;ならびに(ii)本発明の化合物(又は医薬組成物)は被験体に投与され得る)。
増殖性障害に関与する細胞は、本明細書の他の箇所に記載されるものであってもよく、特に、そのような細胞は、癌性又は腫瘍細胞であってもよい。例えば、このような細胞は、固形腫瘍のものであるか、又は固形腫瘍に由来するものであり得る。
これらの態様の特定の実施態様において、この方法は、インビトロ(及び/又はエクスビボ)方法である。このような方法の代替の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)は、このような被験体(特に、その処置を必要とする被験体)に存在する。
これらの態様の方法のさらなる実施態様において、このような方法の(処理)効果(例えば、増殖性障害に関与する細胞に対する)は、SIK3を阻害することによって(例えば、処理はSIK3 mRNA又はタンパク質(例えば、リン酸化されたSIK3タンパク質の、及び/又は本明細書中の他の箇所に記載されるような)の機能及び/又は活性を阻害することによって)媒介され得る(例えば、処理は、SIK3を阻害することを含み得るか、それに関与し得るか、又はそれによって媒介され得る)。特に、このような実施態様では、SIK3活性が(例えば、効果的に)低減され、例えば、治療的に有効なレベルに低減される。
このような方法の特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)の非存在下(例えば、このような有効量又は用量)では、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)は、TNF、TNFR2-及び/又はTNFR1-媒介シグナル伝達及び/又はTNF、TNF変異体、TNFR2若しくはTNFR1アゴニスト(例えば、有効量又は用量)へのばく露時に、殺されず、又は細胞死に入るように誘導されない(例えば、それらは増殖する)。
上記のように、これらの方法の特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)中のSIK3を阻害し得る。
そのような実施態様の、特に、化合物(又は医薬組成物)の、そのような細胞における(の)SIK1及び/又はSIK2を阻害することに優先して、そのような細胞(の)におけるSIK3を阻害することができ、及び/又は、1若しくは複数のタイプの免疫細胞におけるSIK1及び/又はSIK2及び/又はSIK3を阻害することに優先して、そのような細胞における(の)SIK3を阻害することができる。
例えば、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、マクロファージ及び/又は樹状細胞(特に、IL-10を産生することができるもの)における(の)SIK1及び/又はSIK2及び/又はSIK3の阻害よりも優先的に、増殖障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)における(の)SIK3を阻害し得る。
特定の実施態様では、(処理)効果が、増殖性障害(例えば、腫瘍細胞)に関与する細胞(単数又は複数)の(における)SIK3の阻害によって媒介される(例えば、処理は、阻害を含み、阻害に関与し、阻害により、又は阻害によって媒介される);
このような態様のさらなる態様において、(処理)効果は、増殖性障害又は免疫細胞に関与する他の細胞における(の)SIK2、特にSIK2の阻害によって媒介されない〔又は、(処理)効果はSIK2を阻害しないことによって媒介される(例えば、処理はSIK2を阻害することを含まない、関与しない、又は該阻害によって媒介されない)〕、及び/又は、(処理)効果は、増殖性障害又は免疫細胞に関与する他の細胞における(の)SIK1、特にSIK1の阻害によって媒介されない〔又は、(処理)効果はSIK1を阻害しないことによって媒介される(例えば、処理はSIK1を阻害することを含まない、関与しない、又は該阻害によって媒介されない)〕。
従って、1つの実施態様において、増殖性障害に関与する細胞の(例えば、細胞中の)SIK3は(例えば、本発明の化合物又は医薬組成物によって)阻害される。
別の(又はさらなる)実施態様では、(例、CTLのような)免疫細胞の別のキナーゼ(例、SIK2、特にSIK2)は、SIK3(例、増殖性疾患に関与する細胞)よりもわずかに阻害される。
さらに別の(又はさらなる)実施態様ではSIK1、特に(例えば、CTLなどの)免疫細胞のSIK1は、そのようなSIK3よりも少ない程度で阻害される。
特定のこのような実施態様において、(例えば、本発明の化合物又は医薬組成物によって)、SIK3、SIK1、SIK2、JAK1、RET、ERBB4 PDGFR-α、及びEPHB2からなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数は、ABL1、SRC、BCR-ABL、LCK、LYN、YES、FYN、KIT、及びFLT3からなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数よりも、少ない程度で阻害される。
特定のこのような実施態様において、PDGFR-α、TGFB-R1、B-RA、p38-β、ACV-R1、BMPR1A及びRETからなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数はEPHA2、EPHA4、CSF1-R、HCK及びACK1からなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数よりも少ない程度で阻害される(例えば、本発明の化合物又は医薬組成物によって)。
特定のこのような実施態様では、NEK11、WEE1、WNK2、Aurora-A、Aurora-B及びTBK1からなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数は、ABL1、SRC、BCR-ABL、LCK、LYN、YES、FYN及びKITからなるリストから選択されるキナーゼのうちの1若しくは複数よりも少ない程度で(例えば、本発明の化合物又は医薬組成物によって)阻害される。
与えられたキナーゼ(SIK1又はSIK2のような)は、例えば、他のキナーゼ(SIK3のような)が与えられたキナーゼよりも約2倍多い量によって、例えば、与えられたキナーゼよりも約5倍、10倍、20倍、50倍、75倍又は100倍多い量によって、阻害される場合、他のキナーゼ(SIK3のような)よりも「少ない程度で」阻害され得る。
特に、他のキナーゼ(例えば、SIK3)は、所定のキナーゼよりも約5~20倍、20~50倍、又は50~100倍の間の量で阻害され得る。
例えば、SIK3(すなわち、もう一方のキナーゼ)は、SIK1及び/又はSIK2(すなわち、与えられたキナーゼ)よりも約20~50倍多く阻害され得る。
例として、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、他のキナーゼ(例えば、SIK3)を80%阻害し得る(すなわち、その非阻害活性の20%のみを有する)が所与のキナーゼ(例えば、SIK1)を4%のみ、SIK2を8%のみ阻害し得る。
したがって、もう一方のキナーゼ(例、SIK3)は、所定のキナーゼ(例、SIK1)の約20倍、別のキナーゼ(例、SIK2)の10倍も阻害される。
特定の実施態様では、他のキナーゼ(例、SIK3)は、例えば、SIK1とほぼ同程度(例、互いに約2~53倍の間)まで阻害されえ、例えば、SIK2は、例えばSIK3及びSIK1のいずれか(又は両方)の程度よりも、少なく阻害される:例えば、そのような実施態様では、例えば、SIK3及びSIK1は、例えば、SIK2よりも約20~50倍多く(例、免疫細胞において)阻害される。
本発明の化合物は、1若しくは複数のキナーゼの強力な阻害剤であることが示されている(実施例、特に図3に示す)。
特に、約50%~約25%又は約25%未満の残留活性を有する図3のキナーゼ(及び特に約10%未満の残留活性を有するキナーゼ)のいずれか(又はそれらの任意の組み合わせ)は、特定の実施態様において、本発明のそれぞれの化合物によって阻害される「キーキナーゼ」であると考えられる。
そのようなキナーゼの突然変異体もまた、同様と考慮される。
特定の例として、キーキナーゼは、SIK1、SIK2、SIK3、ABL1/BCR-ABL、SRC、FLT3、KIT、YES、LYN、FYN及びLCK;及び/又はEPHA2、EPHA4、CSF1-R、HCK、ACK1;及び/又はPDGFR-α、TGFB-R1、B-RAF及び/又はp38-β;及び/又はACV-R1及び/又はBMPR1A;及び/又はRET;及び/又はNEK11、WEE1及び/又はWNK2;及び/又はAurora-A及び/又はAurora-B;及び/又はTBK1;特にABL1/BCR-AB1ABL1/BCR-ABL及びFLT3:からなるリストから選択される1若しくは複数のキナーゼを含む
本発明者らは、本発明の化合物が、他のキナーゼ阻害剤と比較して、異なるセット(組合せ)のキナーゼ及び/又は各々を異なる程度に阻害することを見出した。例えば、化合物B3及びA8は、ABL1及びSRC(及びABL1の突然変異体)の同等の阻害剤である。
実施例に示すように、それらは、SIK1、SIK2、SIK3、及び、特にFLT3、KIT及びSYKを様々な程度で阻害する。
実施例には、また、本発明の化合物が、ダサチニブよりもABL1に対して、及び(特に)SRCキナーゼに対してより選択的であること、及びこの選択性がタンパク質-チロシンキナーゼのクラス内にも適用されることが示される。
異なるキナーゼを及び/又はキナーゼを異なる程度に、阻害する化合物は、インビボで異なる特性を有し、異なる医学的適応症のために、又は同じ医学的適応症のために使用され得るが、効力及び副作用に関して異なる特性を示す。理解されるように、キナーゼに対して異なる特異性を有する化合物は、驚くほど異なる特性及び適応を有し得る。
したがって、一実施態様では、治療が、1若しくは複数のキーキナーゼ(例えば、ABL1及び/又はSRCキナーゼ、及び/又はLCK)の阻害を含む(例えば、関与する、によっている、若しくは媒介される)。
特に、そのような実施態様では、治療が、他のキーキナーゼ(例えば、SIK3及び/又はSIK1及び/又はSIK2)の1若しくは複数の阻害を含む(例えば、関与する、によっている、若しくは媒介される)よりも多くのそのようなキーキナーゼ(単数又は複数)の阻害を含む(例えば、関与する、によっている、若しくは媒介される)。
例えば、治療は、ABL1及び/又はSRCキナーゼ、及び/又はBCR-ABL、LCK、LYN、YES、FYN及びKITからなるリストから選択される1若しくは複数のキナーゼを阻害することを含み得る。
特定の(代替又は追加の)実施態様では、治療が、1若しくは複数のキーキナーゼの阻害を含まない(例えば、関与しない、よらない、若しくは媒介されない)。
特にこのような実施態様では、治療が、SIK3の阻害を含まず(例えば、関与しない、よらない、若しくは媒介されない)、及び/又は、治療は、SIK1及び/又はSIK2の阻害を含まない(例えば、関与しない、よらない、若しくは媒介されない)。
さらなる実施態様では、治療が、以下のキナーゼ: JAK1、RET、ERBB4、PDGFR-α又はEPHB2のうちの1若しくは複数の阻害を含まなくてもよい(例えば、関与しない、よらない、若しくは媒介されない)。
別の特定の(代替又は追加の)実施態様では、治療が、SYKの阻害を含まない(例えば、関与しない、よらない、若しくは媒介されない)。
例えば、化合物B3は、25μMを超えるIC50でSYKを阻害し、一方、化合物A8は、5μM未満のSYKに対するIC50を有する。
さらに別の特定の(代替又は追加の)実施態様では、治療が、KITの阻害を含む(例えば、関与する、による、若しくは媒介される)。
例えば、化合物B3は、50nM未満のIC50でKITを阻害し、化合物A8は、50nM未満のKITに対するIC50を有する。
1つのさらなる特定の(代替又は追加の)実施態様において、治療は、FLT3の阻害を含む(例えば、関与する、による、若しくは媒介される)。
例えば、化合物B3は、10μM未満のIC50でFLT3を阻害し、一方、化合物A8は、25μM超のFLT3に対するIC50を有する。
実際、特定の(代替又は追加の)実施態様では、治療が、例えば、化合物B3の対象への投与による、KIT及びFLT3の両方の阻害を含み(例えば、関与する、による、若しくは媒介される)、例えば、治療は、ABL1、SRC及び/又はSIK3の阻害を含む(例えば、関与する、による、若しくは媒介される)。
さらなる一実施態様では、治療が、BCR-ABLの阻害などのABL1又はKITキナーゼのいずれかの突然変異体の阻害を、又はG250E、Q252H、Y253F、E255K、F317I、M351T及びH396Pからなるリストから選択される1つなどのABL1の別の突然変異体の阻害を、含む(例えば、関与する、による、若しくは媒介される)。
本明細書の他の箇所に記載されるように、1つの(代替又は追加の)実施態様において、本発明の化合物は、細胞媒介免疫応答(例えば、TNF)に対する増殖性障害に関与する細胞を敏感反応化する(例えば、処置は、関与する、による、若しくは細胞の敏感反応化によって媒介される)。
しかし、代替(代替又は追加)実施態様では、化合物が、細胞媒介免疫応答(TNFなど)に対する増殖性障害に関与する細胞を敏感反応化しない(例えば、処置は、含まれない、関与しない、によらない、若しくは細胞の敏感反応化によって媒介されない)。
キナーゼ(例えば、SIK)阻害剤を使用する他の研究とは対照的に、本発明による化合物(又は医薬組成物)による治療は、特定の実施態様において、1若しくは複数の抗炎症性サイトカインの産生の(有効な)増加と関連し得ない(例えば、抗炎症性サイトカインはIL-1ra、IL-4、IL-10、IL-11、IL-13及びTGF-βからなるリストから選択される一つであり得る)、特に、IL-10の産生の(有効な)増加と関連し得ない。
それに対応して、他の又はさらなる実施態様では、本発明による本発明の化合物(又は医薬組成物)による治療が、1若しくは複数の炎症性サイトカインの産生の(有効な)減少と関連しなくてもよく、例えば、IL-1-β、IL-6、IL-12及びTNF、IFN-γ及び顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子からなるリストから選択される一つ、そして、特定の実施態様では、TNFの産生の(有効な)減少と関連しなくてもよい。
従って、特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、(i)(治療有効量の)1若しくは複数の(例えば、このような)抗炎症性サイトカインの産生を(有効に)増加させるのに有効でない量;及び/又は(ii)(治療有効量の)1若しくは複数の(例えば、このような)炎症性サイトカインの産生を(有効に)減少させるのに有効でない量で、被験体に投与され得る。
増殖性障害に関与する特定の細胞(例えば、腫瘍細胞)は、特定の実施態様において、本発明の種々の態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)の敏感反応化効果に対してより感受性があることが予想され得る。
例えば、このような細胞は、TNFR2-及び/又はTNFR1-シグナル伝達の活性化、特に活性化TNFR1を示す(例えば、これに供される)ものであり得る。
特定の実施態様において、このような細胞は、TNFR2及び/又はTNFR1を発現する細胞、特にTNFR1を発現する腫瘍細胞である。
従って、特定の実施態様において、このような細胞は、活性化TNFR-1及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達によって区別又は特徴付けられる(又は、被験体が、そのように区別又は特徴付けられる増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)を有することによって区別又は特徴付けられる)。
当業者はこのような細胞(例えば、対象の)におけるTNFR1-及び/若しくはTNFR2-活性化の状態を決定するための技術を知っている。
例えば、TNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達経路における1若しくは複数の下流タンパク質を検出又はモニタリングすることによる。
このようなタンパク質は、本明細書中の他の箇所に記載され、そしてNF-κB及び/又はHDAC4を含む。
1つの関連する態様において、本発明は、被験体における増殖性障害(例えば、腫瘍)の処置のための方法に関し、この(処置)方法は、キナーゼ/キーキナーゼ(例えば、SIK3)を阻害することによって、被験体に、本発明の化合物(又は医薬組成物)を投与することを包含し、ここで、増殖性障害に関与する細胞は、活性化されたTNFR2-及び/又はTNFR1-シグナル伝達(例えば、活性化されたTNFR1シグナル伝達)によって特徴付けられる(例えば、示されるか、又はそれに供される)。
別の関連する態様において、本発明は、増殖性障害の処置において使用するための本発明の化合物(又は医薬組成物)に関し、ここで、増殖性障害に関与する細胞は、活性化されたTNFR2-及び/又はTNFR1-シグナル伝達(例えば、活性化されたTNFR1シグナル伝達)によって区別されるか、又は特徴付けられる(例えば、活性化されたTNFR1シグナル伝達を示すか、又はそれに供される)。
本発明の様々な態様の特定の実施態様では、増殖障害に関与する細胞が、TNF、TNFの変異体、及び/若しくはTNFR2-若しくはTNFR1-シグナル伝達のアゴニスト(好ましくはTNFR1シグナル伝達のアゴニスト)などの適切な誘発(トリガー)又は活性化分子にばく露される細胞であり、特に、有効量のそのような誘発又は活性化分子にばく露される。
特定の実施態様では、トリガー又は活性化分子が、TNFである場合、それはヒトTNFである。特定のこのような実施態様において、TNFは、組換えヒトTNF(rHuTNF)である。しかし、他の実施態様では、TNFが、対象(例えば、ヒト患者)によって産生されるか、又はそそうでなければ対象に存在するような内因性TNFである。
卵巣癌を含む多くの種類の癌で血漿TNFレベルが上昇しており(Dobrzycka et al 2009, Eur Cytokine Netw 20: 131)、例えば、クォンティカイン-ヒトTNF-α免疫測定法PDTAOOCを用いて測定すると、健常被験者の総TNFの正常上限は1.8pg/mLであることが研究により示されている。
他の癌及びアッセイ(例、TNF-α-EASIAキット、DIAsource)において、食道癌患者及び対照群のTNF血漿レベルは、それぞれ12.35±9.69及び4.62±3.06pg/mLであった(Aydin et al 2012, Turk J Med Sci 42:762)。したがって、他の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞は、約1.5、2.5又は4pg/mLより高い、例えば約5pg/mLより高い、特に約10pg/mLより高いTNFの血漿濃度を有する対象に存在するものである(例えば、Quantikine human TNF-α Immunoassay PDTAOOC又はTNF-α-ELISAキット, DIAsourceによって測定される)。
従って、1つの特定の実施態様において、本発明の処置方法に関与する被験体は、約2pg/mLより高いか、又は、約5pg/mLより高いTNFの血漿濃度を示し、保有し、又は提示することによって、本発明の治療方法に適切なものとして区別され得る(すなわち、このような被験体は、約2pg/mL又は5pg/mLより高いTNFの血漿濃度を有する被験体に存在するもの)。
実際、増殖性障害が、腫瘍である実施態様において、TNFの腫瘍内濃度は、腫瘍が固形腫瘍であり、生検のためにアクセス可能である場合など、腫瘍の特徴付けであり得る(Reissfelder et al 2015, J Clin Inv 125:739)。
例えば、腫瘍(例えば、固形腫瘍、例えば、結腸直腸癌)は、本発明のいくつかの実施態様において、約0.2、0.5又は1pg/mLを超える、例えば、約2pg/mLを超える、特に約5pg/mLを超えるTNFの腫瘍内濃度(例えば、腫瘍組織内)を有することができる(例えば、QuantikineヒトTNF-α免疫アッセイによって測定される場合)。
従って、このような実施態様において、増殖性障害が、腫瘍(例えば、固形腫瘍)である場合、固形腫瘍(例えば、対象内)は、(約)0.5pg/mLより高いか、又は約1pg/mLより高いTNFの腫瘍内濃度を示すか、有するか、又は提示することによって、本発明の治療方法に適切なものとして区別され得る(すなわち、このような対象によって区別され得る)。
従って、関連する態様において、本発明は、(i)約2pg/mLを超えるTNFの血漿濃度(好ましくは約5pg/mLを超える);及び/又は(ii)約0.5pg/mLを超えるTNFの腫瘍内濃度(好ましくは約1pg/mLを超える)を有することによって区別される、被験体におけるこのような処置において使用するための本発明の増殖性障害(又は化合物(又は医薬組成物))の処置のための方法に関し得、この処置方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与することを包含し、ここで、この化合物(又は医薬組成物)は、(a)増殖性障害に関与する細胞においてキナーゼ/キーキナーゼ(例えば、SIK3)を阻害する;及び/又は(b)増殖性障害に関与する被験体における細胞を細胞媒介性免疫応答に対して敏感反応化する。
特に、このような実施態様では、増殖性障害に関与する細胞にばく露されるか、又は被験体に投与される本発明の化合物(又は医薬組成物)の量(又は用量)は、TNFの血漿又は腫瘍内濃度に関連し(例えば、相関する)、より多い量(又は用量)の化合物(又は医薬組成物)がより高い血漿又は腫瘍内濃度のTNFの場合に、このような細胞にばく露される(又はこのような被験体に投与される)。
他の、又は、さらなる実施態様において、腫瘍は、例えば、IFN-γELISPOTによって決定され得るように、末梢血又は骨髄中に、腫瘍反応性T細胞を有する対象に存在し得る。さらに他の又はさらなる実施態様において、腫瘍は、Tregs、CD4+Tconv及び/又はCD8+ T細胞による浸潤を示す。
他の実施態様では、増殖性障害に関与する細胞が、TNFの発現の増加及び癌感受性に関連するTNFのプロモーター領域に単一ヌクレオチド多型(SNP)を含み、例えば、TNFのプロモーター領域に、-308G/A SNPでのAA又はGA遺伝子型を含み;代替の実施態様では腫瘍がTNFのプロモーター領域に、-238G/A SNP又は857T対立遺伝子でのAA又はGA遺伝子型を含まないなど、TNFの発現の減少及び癌リスクの減少に関連するSNPを含まない(Wang and Lin 2008, Acta Pharmacol Sin 281-275)。
これにより、本発明は、本発明の化合物による1若しくは複数のキナーゼ、例えば1若しくは複数のキーキナーゼ(例えばSIK3)の阻害が、TNFのアポトーシス/細胞毒性効果に対する細胞の検出感度に影響を及ぼすことができるという本発明者らの驚くべき発見に基づく代替の組合せ治療レジメンを提供する。
従って、第5の態様において、そして本明細書中にさらに記載、定義、請求又は他の方法で開示され得るように、本発明は、被験体における増殖性障害の処理のための方法に関し、この方法は被験体における増殖性障害に関与する細胞を、(i)TNF、TNF変異体及び/若しくはTNFR2-若しくはTNFR1-シグナル伝達のアゴニストにばく露する(例えば、接触させる);ならびに被験体における増殖性障害に関与する細胞を、(ii)本発明の化合物(又は医薬組成物)にばく露する(例えば、接触させる)ことを包含する。
特定の実施態様において、このような方法の工程(i)は、対象における増殖性障害に関与する細胞をTNF変異体にばく露する(例えば、接触させる)ことを含まない。
特定の実施態様では、増殖性障害及び/又はそのような細胞は腫瘍のものであり、他の実施態様では、成分(i)は、TNF、特にヒトTNF(rFluTNFなど)であり、かつ/又は成分(i)はTNFR1-シグナル伝達のアゴニストである。
特定の実施態様では、本方法が、対象における増殖性障害に関与する細胞にばく露されるTNFの量を増加させることを含む(例えば、治療は対象における増殖性障害に関与する細胞にばく露されるTNFの量を増加させることを含む、関与する、による、若しくは介在する)。
このような態様の特定の実施態様において、処置は、対象における増殖性障害に関与する細胞(の)におけるTNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達を増加させることを含み得る(例えば、関与する、による、若しくは介在する)。
従って、関連する態様において、本発明は、被験体における増殖性障害の処理のための方法に関し、この方法は、(i)増殖性障害に関与する細胞(の)におけるTNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達を増加させる工程;ならびに(ii)被験体における増殖性障害に関与する細胞を、本発明の化合物(又は医薬組成物)にばく露する工程(例えば、接触させる工程)を包含する。
特に、この方法は、例えば、キナーゼ(例えば、SIK3のようなキーキナーゼ)の阻害の結果(例えば、リン酸化されたSIK3の機能及び/又は活性の阻害)、特に、TNFR1-及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達の活性化の結果(例えば、TNF、TNF変異体及び/又はTNFR1アゴニストのTNFR1若しくはTNFR2への結合の際)と組み合わせて、達成され得る。
したがって、治療効果は、特定の実施態様において、キナーゼ(例、SIK3のようなキーキナーゼ)の阻害、及び/又はTNFR1-若しくはTNFR2-シグナルの細胞傷害性(例、アポトーシス性)効果に対する増殖性障害に関与する細胞の敏感反応化に関与するか、媒介される(例、SIK3のようなキーキナーゼ)。
特に、このような実施態様では、キナーゼ/キーキナーゼ活性が例えば治療的に有効なレベルまで(効果的に)低下させることができる。
上記のように、本発明は、また、腫瘍細胞中のキーキナーゼ(例えば、SIK3)のようなキナーゼが阻害され、そして任意に、1若しくは複数の他のキナーゼ/キーキナーゼ(例えば、SIK2及び/又はSIK1)、例えば、免疫細胞の他のキナーゼ(例えば、SIK2又はSIK1)がより少ない程度で阻害される実施態様も想定される。
また、上記のように、本発明は、治療が、キナーゼ/キーキナーゼ活性の阻害を含む、に関与する、による、又は媒介され〔例えば、本発明の化合物(又は医薬組成物)が(例えば、有効である治療有効量などの)量で投与される〕、その結果、治療有効レベルまで(例えば、有効に)低減されることも想定される実施態様も、また、想定される。
このような態様の特定の実施態様では、対象が、本発明の化合物(又は医薬組成物)を投与され得、及び/又はTNF、TNF変異体又はTNFR1-若しくはTNFR2-シグナル伝達のアゴニストを投与され得る。
このような実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)及びTNF、TNF変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストは、本明細書の他の箇所に記載されるような製剤又は投与経路を含む有効量(又は用量)にばく露(例えば、投与)され得る。特に、TNF、TNF変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストが、リポソーム又は他のナノ粒子製剤としてカプセル化される実施態様が想定される。
TNF、TNF変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストが、ばく露/投与され、本発明の化合物(又は医薬組成物)がばく露/投与される場合、そのような併用治療レジメンは、そのようなばく露/投与が付随する実施態様を含み得る。
代替の実施態様では、そのようなばく露/投与が連続的であってもよく、特に、本発明の化合物(又は医薬組成物)が、TNF、TNF変異体、又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストがばく露/投与される前にばく露/投与される実施態様である。
例えば、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、他の成分の約10日、7日、5日、2日又は1日以内(例、前)など、他の成分の約14日以内(例、前)に連続的にばく露/投与することができ;さらに、化合物(又は医薬組成物)を、他の成分の約48時間、24時間、12時間、8時間、6時間、4時間、2時間、1時間、30分、15分又は5分以内(例、前)に連続的にばく露/投与することができる場合を含む。
TNFもしくはTNF変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストは、従来の経路(例えば、s.c、i.v.又はi.m.)を介して投与され得、そして特定の実施態様では、腫瘍内に投与され得るか、又は単離された肝臓潅流(IHP)のような単離された四肢潅流(ILP)によって投与され得るか;及び/又は (特に、rHuTNFは)約5~500μg/m2/日の間の用量で投与され得る。
例えば、TNFは、約25~250μg/m2/日、例えば、約50~150μg/m2/日、又は約75~100μg/m2/日の間で投与されてもよく;又はTNFは、皮下投与される場合には、約50~75μg/m2/日のMTDまで、又は静脈内又は筋肉内投与される場合には約150~200μg/m2/日のMTDまで投与される。
したがって、特に、このような実施態様では、TNFが、約5~500μg/m2/日、特に約20~200μg/m2/日の用量で対象に投与することができる。
特定の実施態様では、rHuTNFが、ばく露/投与され得る、より高い抗腫瘍活性及びより低い全身毒性を有するTNF変異体などのTNFの変異体が例示される。
例えば、TNF変異体は、(i)TNFの-K90R変異体;(ii)TNFにコンジュゲートした腫瘍ホーミングペプチド;及び(iii)TNF-抗体コンジュゲートからなる群から選択されるものであり得る。
TNF変異体を含む本発明のそれらの実施態様において、それは、より高い細胞毒性活性及びより低い全身毒性を有するTNFの変異体形態であり得る。
他の実施態様では、TNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト、例えば、抗TNFR1モノクローナル抗体htr-9(Ferrero et al 2001, Am J Physiol Cell Physiol 281 :C1173)をばく露/投与することができ、他の実施態様では、リンホトキシン-α(Etemadi et al 2013, FEBS J 280:5283)又はその変異体をばく露/投与することができる。
代替の実施態様では、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)は、(例えば、内因性)TNF、又はTNFの変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストなどの別のトリガー分子へのそのような細胞のばく露につながり得る薬剤(例えば、そのような細胞を保有する対象)の投与を介して、TNF(又は増加したTNFR1及び/若しくはTNFR2シグナル伝達)にばく露され得る。
このような薬剤は、例えば、このような細胞のTNF(例えば、上昇したレベルの)へのばく露を誘導する(例えば、誘導する)ことができるもの、特に、このような細胞のTNFレベル、例えば、有効量の(例えば、内因性)TNF、例えば、本明細書中の他の箇所に記載される血漿又は腫瘍内TNFレベルよりも高いレベルへのばく露を誘導する薬剤であり得る。
したがって、本発明は、TNF、TNF変異体又はTNFR1若しくはTNFR2シグナル伝達のアゴニストに対する、増殖障害に関与する細胞のばく露を誘導する(例えば、誘導する)ことができる薬剤を対象に投与する実施態様を含む。
本発明は、また、対象における増殖性障害に関与する細胞のTNFR1シグナル伝達(及び/若しくはTNFR2シグナル伝達)を増加させることができ、かつ/又はそれにばく露されるTNFの量を増加させることができる薬剤を対象に投与される実施態様を含む。
特定のこのような実施態様において、薬剤は、ウイルス、特に、TNF、TNF変異体、又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニスト(特に、ヒトTNFを産生するように操作されたウイルス)であるトリガー分子を産生するように操作されたものである。
さらに、このような実施態様は、このようなウイルスが、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)に優先的に感染し、そして/又はこのような細胞の状況において(例えば、このような細胞が感染する場合)、トリガー分子を優先的に産生するものを含む。
今や明らかであるように、このようなウイルスの投与は、増殖性障害に関与する細胞の、このようなトリガー分子、特に有効量のこのようなトリガー分子(例えば、TNF)へのばく露を導き得る。
したがって、このような方法のあるものでは、この剤が、TNF、TNF変異体又はTNFR1-若しくはTNFR2-シグナルのアゴニストである増殖性疾患に関与する細胞のばく露を誘導する(例、誘導する)ことができるウイルスであり得る。
このようなウイルスは、誘発分子のばく露を誘導するのに適した任意のものであってもよく、特に組換えウイルスであってもよく、例えば、腫瘍細胞を感染させ、かつ/又はTNFを発現するように(例えば、腫瘍細胞を感染させた後に)操作されたものであってもよい。
そのように操作され得るウイルスの例としては、腫瘍溶解性ウイルス(例、アデノウイルス、FISV、ワクシニアウイルス、水疱性口内炎ウイルス又はニューカッスル病ウイルスに基づくもの)、例えば、TNFを含む炎症誘発性サイトカイン及びケモカインの血漿レベルを増加させるためのアデノウイルスベクターの腫瘍内注射(Berntら 2005、Cancer Res 65:4343)が挙げられる。
特に、このような実施態様では、腫瘍溶解ウイルスが、Kaufmanら 2015の表1(Nature Rev Drug Disc 14:642)に記載されるDNAウイルスに基づくものであってもよく、Kaufmanら 2015の表2に記載されるRNAウイルスに基づくものであることが好ましく、臨床試験中であるとしてKaufmanら 2015の表3に記載される腫瘍溶解ウイルスであることが好ましい。
他のそのような実施態様では、投与される(そして結果として、増殖性障害に関与する細胞の、TNF、TNF変異体、又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストである誘発分子へのばく露を導く)薬剤は免疫細胞である。
そのような実施態様のうちの特定のものでは、免疫細胞は、IL-10産生マクロファージでなくてもよく、例えば、免疫細胞は、炎症誘発性免疫細胞であってもよい。
特にこのような実施態様では、投与される免疫細胞が、リンパ系細胞、例えばT細胞又はナチュラルキラー(NK)細胞、例えば、TNFを産生する細胞であってもよい。
本発明のこのような実施態様において、薬剤として投与される場合、免疫細胞は養子細胞移入(ACT)を介して投与され得る;これは対象への免疫細胞の移入を意味する(例えば、注入又は他の送達技術による)。
このようなプロセスは典型的には被験体における免疫機能及び特徴を改善することを目的として行われ、そして従来、移入された免疫細胞は同じ被験体に由来するが、代わりに、別の(適切な)個体に由来し得る。
本発明のこの実施態様において使用される場合、免疫細胞は被験体から抽出され、遺伝子改変され、そしてインビトロで培養され、そして本発明の治療方法におけるように、同じ被験体に戻され得る、T細胞であり得る。
このような遺伝子改変には、免疫細胞の標的化(例、その特異性の増加)のように、免疫細胞の増殖性疾患に関与する細胞(例、腫瘍細胞)に対する特異性又は標的化を増強するものが含まれる。
例えば、このような実施態様において使用されるT細胞は、T細胞レセプター(TCR)の特異性を改変するために、又はキメラ抗原レセプター(CAR)において抗体様認識を導入するために改変され得る。
特に、CAR免疫細胞は、このような実施態様での使用が想定される。
CAR免疫細胞は遺伝子操作されたレセプターを提示する免疫細胞であり、任意の特異性(例、腫瘍細胞)を免疫エフェクター細胞(例、T細胞)に移植する。
典型的には、これらのレセプターが、モノクローナル抗体の特異性をT細胞上に移植するために使用され;それらのコード配列の転移がレトロウイルスベクターによって促進される。
CAR T細胞は癌に対する有望な治療法である(Songら2015、Oncotarget.6:21533):ACTを用いて、T細胞を個体(典型的には対象)から除去し、患者の特定の癌に特異的な受容体を発現するように改変する。
次いで、被験体の癌細胞を認識し得るこれらのT細胞は、被験体に(再)導入され、TNF(例えば、CAR T細胞によって産生される)の腫瘍細胞へのばく露、したがって、このような細胞、特に、本発明の化合物(又は医薬組成物)へのばく露(例えば、被験体への投与後)によって、このようなTNF媒介細胞毒性に敏感反応化される細胞の殺傷を導く。
したがって、特にそのような実施態様の場合、免疫細胞は、増殖性障害に関与する被験者の細胞(腫瘍細胞など)に対して高い特異性を有するように設計されたものなどのCAR T細胞とすることができる。
代替の実施態様において、増殖性障害に関与する細胞のTNF(例えば、内因性TNF)へのばく露は、他の手段又は手順によって誘導され得る。
したがって、このような実施態様では増殖性障害に関与する細胞のTNF(例えば、有効量)へのばく露は、対象の血漿中及び/又はこのような細胞の環境中のTNFの量を増加させる薬学的、治療的又は他の手順によって誘導され、これは、増殖性障害に関与する細胞中のTNFR1-シグナル伝達(及び/若しくはTNFR2-シグナル伝達)の増加によって誘導されうる。
特定の実施態様において、このようなTNFへの誘導によるばく露は、癌免疫療法の投与によってもたらされ得る。
一例では、このようなTNFへの誘導によるばく露が抗腫瘍ワクチン(例、癌ワクチン)によってもたらされる。
このような癌ワクチンには、癌細胞に特異的であると想定される(より)対象中の免疫応答(典型的には適応免疫応答)を上昇又は増加させるように、抗原(例、癌細胞に特異的な、又は癌細胞によって優先的に発現されるもの)が直接的又は間接的に対象に導入されるものが含まれる。
癌ワクチンは、例えば、そのようなウイルス(例、FIPV又はFIBV)によって引き起こされる子宮頸癌又は肝臓癌のような癌に対する使用のための弱毒化ウイルスを含み得る。
癌ワクチンは、別の方法で、対象中の免疫応答も上昇又は増加させるために対象を免疫するために使用される腫瘍関連抗原(TAA)のような、特定の腫瘍抗原(例、癌細胞に特異的又は優先的に発現されるもの)の個々(又は組合せ)であることができる。
癌ワクチンはTAA(単数又は複数)に相当する組換えタンパク質(例えば、ペプチド)を含んでもよく、又は腫瘍特異的炭水化物抗原であってもよく、したがって、投与時に被験体に直接導入される。
あるいは癌ワクチンが、タンパク質(又はペプチド)TAAをコードする核酸(例えば、DNA又はmRNA)を含み得、そして対象への核酸ワクチンの投与の際に、コードされたTAAは対象における細胞標的によって発現され、したがって、対象に間接的に導入される。
TAAは2つのカテゴリーに分けられる:共有腫瘍抗原及び特異腫瘍抗原。
共有抗原は、多くの腫瘍によって発現される。特異腫瘍抗原は、物理的あるいは化学的発がん物質(ネオ抗原としても知られる)を介して誘発される突然変異によって生じる。通常の技能を有する者は、臨床試験における癌ワクチンの実例を知ることができ、又は使用が承認された、PROSTVAC(バイアン・ノルディック社)、PROVENGE(デンドレオン社)及びCV9104(CureVac社)を含み、さらに種々TAA(ネオ抗原を含む)を認識することが可能であり、このような腫瘍抗原によるアプローチが癌ワクチンに利用され得る。
さらに、(1) 癌抗原として、「keyhole limpet hemocyanin(KLH)」と結合した、患者由来クロナールミエローマ免疫グロブリン(イディオタイプ(Id)での免疫は、TNFを含むかなりの量若しくは炎症性サイトカインを生産することが示されている(Foglietta et al 2013, Bone Marrow Transp1ant 48: 269)。及び、
(2)WT1抗原の合成マイクロ・コンセンサス・SynCon・DNAワクチンは、強力なCD4及びCD8のT細胞応答(IFN-gamma, CD107a及びTNF応答を含む)のような、自然WT1 DNA抗原によって誘導されるようなものに対し、優れている、新規で、ネオ・抗原に近い応答を誘発した。
別の例では、TNFへのこのような誘導されたばく露が、リガンド(例えば、抗体、例えば、モノクローナル抗体)、例えば、増殖性障害に関与する細胞(例えば、腫瘍細胞)の表面に結合するもの、例えば、このような細胞の表面上のTAA又は受容体に結合することによるものの投与によってもたらされ得る。
細胞表面受容体はこのようなリガンド(抗体)療法の一般的な標的であり、CD52及びCD20を含む。
このような癌抗原に一旦結合すると、例えば、抗体は抗体依存性細胞媒介性細胞傷害を誘導したり、補体系を活性化したり、又はレセプターがそのリガンドと相互作用するのを妨げたりすることができ、そのすべてが細胞死につながる可能性がある。
抗体であるこのようなリガンドとして承認されているものには、アレムツズマブ、オファツムマブ及びリツキシマブがある。
特定の実施態様において、本発明の化合物(又は医薬組成物)と組み合わせて使用されるこのようなリガンドは、T細胞又は他の細胞媒介性免疫応答を活性化するものを含み得る。
例えば、(1)抗CD137モノクローナル抗体は、サイトカイン誘導キラー(CIK)細胞の増殖及びTNFの発現を劇的に促進することができる(Zhuら2009、Biomed Pharmacother 63 :509);(2)アゴニスト抗OX40モノクローナル抗体は、T細胞分化を増強することにより抗腫瘍免疫応答を増強することができる(Redmondら2014、Cancer Immunol Res 2014、2: 142);及び、(3)T細胞を活性化する抗ICOS抗体(例、Dengら2004、Hybrid Hybridomics 23 : 176)。
さらに別の例では、対象に投与されるリガンドが、免疫(阻害)チェックポイント分子に結合するリガンドである。
例えば、このようなチェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、CT1A-4、IDO、KIR、1AG3、PD-1(又はそのリガンドPD-L1及びPD-L2の1つ)、TIM-3(又はそのリガンド ガレクチン-9)、TIGIT及びVISTAからなる群より選択される一つであり得る。
特にこのような実施態様では、リガンドがCT1A-4、PD-1及びPD-L1から選択されるチェックポイント分子に結合する。
他のより特定の実施では、リガンドがイピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、BGB-A317、アテゾリズマブ、アベルマブ及びデュルバルマからなる群より選択される抗体であり、特に、イピリムマブ(YERVOY)、ニボルマブ(OPDIVO)、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA)及びアテゾリズマブ(TECENTRIQ)からなる群より選択される抗体である。
他の実施態様では、免疫(阻害)チェックポイント分子に結合するリガンドが、非抗体ペプチド、例えば、高親和性PD-1変異体(例えば、Mauteら、2015; PNAS 112:E6506)、免疫チェックポイント分子を標的とするペプチド(例えば、Aurigene Discovery Technologies、US 2011/0318373のAUNP-12)、又は免疫チェックポイント分子間の相互作用を遮断するDペプチド(例えば、PDL1-PD1相互作用及び(D)PPA-1、Changら、2015; Anyeg Chem Int 54: 11760)であり得る。
さらに他の実施態様において、免疫(阻害性)チェックポイント分子に結合するリガンドは低分子、例えば、PDL1標的BMS-202又はBMS-8(Zakら2016; Oncotarget 7:30323)、BMS-1001又はBMS-1166として知られるPDL1/D1の阻害剤(Skalniakら2017; Oncotarget 8:72167)、第1相試験中のCuris/AurigenのPDL1及びVISTAアンタゴニストCA-170(Powderlyら、Ann One 28:suppl 5、mdx376.007)、又はPDL1及びTIM3を標的とするCuris/AurigenのCA-327であってもよい。
さらに別の特定の実施態様では、このようなTNFへの誘導によるばく露が放射線療法によってもたらされ得る。
放射線療法は癌又は腫瘍を局所領域で処理する方法であり、放射線を用いて、癌細胞を増殖させる、及び/又はそれらに対する免疫応答(死んだ又は死につつある癌細胞の存在に対する応答として生じるものなど)を刺激する能力を遮断することにより、癌細胞を破壊する。
本発明の文脈において、放射線療法は、特に、電離放射線の治療的使用からなる。前記放射線療法及び関連する電離放射線は、当業者に一般的に使用され、知られているものである。
放射線療法は、特に、電離放射線、例えばガンマ線-X線及び/又は放射性同位元素から発する放射線の使用を含む。
本発明の文脈において、それは、より詳細にはX線放射線である。放射線療法は、1~4週間、より詳細には3週間の範囲であり得るサイクルのような、1若しくは複数のサイクルの間、分画された形態で投与され得る。サイクルは、管理スキームの開始と終了との間の間隔を定義する。サイクルに3週間かかると、放射線治療を3週間かけて行うことができ、その間に1週間の間隔を設ける。放射線療法は、特に、所望の週数の間、1日1回の照射の速度、7日のうち5日で投与され得る。(光子)放射線療法で使用される放射線の量はグレイ(Gy)で測定され、治療対象となる癌の種類や病期によって異なる。治癒例では固体上皮性腫瘍の典型的な線量は、60~80Gyであるが、リンパ腫では20~40Gyで治療する。
本発明の化合物(又は医薬組成物)がこのような他の手順のいずれか(例えば、本明細書中に記載されるように、それぞれの場合において、他の薬剤、癌免疫療法、癌ワクチン、抗体又は放射線療法)と組み合わせて処理において使用される場合、このような組み合わせ治療レジメンは、このようなばく露/投与が付随する実施態様を含み得る。
代替の実施態様ではそのような投与が連続的であってもよく、特に、化合物(又は医薬組成物)がそのような他の手順の前に投与される実施態様では連続的であってもよい。
例えば、本発明の化合物(又は医薬組成物)は、他の手順の約14日以内(例えば、他の手順の約10日以内、7日以内、5日以内、2日以内、又は1日以内(例えば、他の手順の前)に連続的に投与され得;そしてさらに、化合物(又は医薬組成物)が、他の手順の約48時間、24時間、12時間、8時間、6時間、4時間、2時間、1時間、30分、15分又は5分以内(例えば、他の手順の前)に連続的に投与され得る場合を含む。
理論に束縛されるものではないが、TNF、TNF変異体又はTNFR1-もしくはTNFR2-アゴニストの投与前、又はそのような他の手順(例えば、他の薬剤、癌免疫療法、癌ワクチン、抗体、又は放射線療法)の投与前の、本発明の化合物(又は医薬組成物)の投与(したがって、例えば、腫瘍細胞における、SIK3などのキナーゼ/キーキナーゼの発現、量、機能、活性、又は安定性の阻害)は、増殖障害に関与する細胞を細胞媒介性免疫応答の細胞毒性効果に対して敏感反応化するのに特に有効であると予想される。
上記のように、TNFの投与及び/又は抗TNF分子の使用を含む既存の治療(又は臨床試験下の治療)は、特定の公知の欠点;及び特定の副作用を被る。
本発明は、このような欠点及び/又は特定の副作用を軽減(又は低減)するために使用され得る方法を提供する。
第6の態様において、そして本明細書中でさらに記載され、定義され、請求され、又は他の方法で開示され得るように、本発明は増殖性障害(例えば、癌疾患又は腫瘍)について処置される対象におけるTNFでの処置の治療指数の増加のための方法に関し、この方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を対象に投与する工程を包含する。
関連する態様において、本発明は、増殖性障害(例えば、癌疾患又は腫瘍)に罹患している被験体においてTNF治療をサポートするための方法に関し、この方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与する工程を包含する。
第7の態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は他の方法で開示され得るように、本発明は被験体へのTNFの投与を含む治療に対する、増殖性障害(例えば、癌疾患又は腫瘍)を患う被験体の敏感反応化のための方法に関し、この方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与する工程を包含する。
治療(例えば、TNFの投与を含むもの)に対して敏感反応化される対象の文脈において本明細書で使用される「敏感反応化」(及び同様のもの)という用語は、当業者によって理解され、対象が1若しくは複数の(治療)効果、特に、そのような治療が対象に対して有することができる効力効果に対する感受性を増加させることを含む。
特に、そのように敏感反応化されている被験体は、そのような治療を受けている場合、そのように「敏感反応化されていない類似の被験体よりも、増加した応答(例えば、より迅速に、より大きな程度の応答及び/又はそのような治療のより少ない量又はより少ないばく露)を示し得る。
第8の態様において、そして本明細書中にさらに記載され、定義され、請求され、又は他の方法で開示され得るように、本発明は、抗TNF剤で処置される被験体において、血液学的増殖性障害(例えば、二次障害として)のリスクを減少させるための方法に関し、この方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与することを包含する。
例えば、このような態様は代わりに、抗TNF剤で処置されている被験体における血液増殖性障害(二次障害として)の予防のための方法として考慮され得、この方法は、本発明の化合物(又は医薬組成物)を被験体に投与することを包含する。
本発明のこの態様は、リンパ腫及び他の血液悪性腫瘍を発症する抗TNF生物製剤投与を受けている患者の報告があるという上記の観察に基づく。
実際、このような障害は、抗TNF薬による治療の可能性のある(しかしまれな)副作用として、典型的には添付文書/処方情報に記載されている。
血液学的悪性腫瘍の増加が認識され、これらの薬剤や他の免疫抑制剤が広く使用されるようになったことの直接的な結果として、現在では腫瘍のWHO分類に「医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患」というカテゴリーが含まれている。
従って、典型的には、このような態様において、被験体は増殖性障害以外の適応症について抗TNF剤で処置されており、そして、特に、このような実施態様の場合、被験体は、抗TNF処置の開始時に、血液学的増殖性障害を患っていない。
実際、典型的には被験体が自己免疫疾患を患い、及び/又は、そのたための抗TNF剤処置をされているであろう; 好ましくは、自己免疫疾患は、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、プラーク乾癬、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、乾癬、化膿性汗腺炎及び難治性喘息からなる群より選択される;例えば、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、プラーク乾癬及びクローン病からなる群より選択されるもの;ならびに、特に、リウマチ性関節炎が選択される。
特定の実施態様において、抗TNF剤は、インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、ハミケード(humicade)、エタネルセプト、オネルセプト及びセルトリズマブペゴル、特に、インフリキシマブ又はハミケードからなる一覧から選択されるものである。
或る実施態様では、血液学的悪性腫瘍増殖性疾患が、リンパ増殖性疾患、特に医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患であり得る。
このような第6~第8の態様の特定の実施態様において、(処理)効果(例えば、治療指数の増加、対象の敏感反応化又はリスクの減少)は、以下によって媒介される(例えば、処理は以下を含む、による、によって媒介されるか、又はこれらに関連する):
(i)キナーゼ(例えば、SIK3のようなキーキナーゼ)の阻害(例えば、リン酸化SIK3の機能及び/又は活性の阻害による)、特に、増殖性障害に関与する細胞におけるこのようなキナーゼ(例えば、キーキナーゼ)の阻害;及び/又は(ii)このような細胞を、TNFの殺傷(アポトーシス/細胞傷害)効果に対して敏感反応化する。
さらなる実施態様において、(処理)効果は、1つ又は複数の他のキーキナーゼ(例、ABL1及び/又はSRC、又はSIK2及び/又はSIK1)を阻害することによって媒介されなくてもよく(例、処理は含まない若しくは関与しない)、特に、免疫細胞における他のキーキナーゼ(例、SIK2及び/又はSIK1(及び/若しくはSIK3))を阻害することによって媒介されなくてもよい(例、処理は、含まれない若しくは関与しない)。
前臨床試験と臨床試験
特定の実施態様では、対象が、ヒトボランティアであり、例えば、臨床試験又は化合物の他の実験的使用のために本発明の化合物(又は医薬組成物)を投与するように選択された(例えば、同意された)ものである。
別の実施態様において、被験体は実験動物、特に、マウス、ラット、ウサギ、ブタ及びサルからなる群より選択される動物である。
このような(例えば、実験的処置)実施態様において、複数のこのような対象;特に、5以上の対象(例えば、約5~20、10~50、25~200、又は75~250の対象、又は約250を超える対象)が、処置され得る。
このような実験的(又は臨床試験)処置は、(i)本発明の化合物の1つの投薬量のこのような被験体の少なくとも1つへの投与、及び/又は本発明の医薬組成物の1つの処方;ならびに(ii)このような被験体の少なくとも1つへの、化合物の異なる投薬量及び/又は医薬組成物の異なる処方の投与を含み得る。
そのような実施態様のさらなるものにおいて、そのような実験(又は臨床試験)処置は、(i)本発明の化合物の1つの投薬量のそのような対象の少なくとも1つへの投与、及び/又は本発明の医薬組成物の1つの製剤;及び(ii)(a)プラセボ;又は(b)(i)の対象の化合物及び/又は医薬組成物の製剤、ならびに追加の医薬、治療又は他の手順のいずれかのそのような対象の少なくとも1つへの投与を含んでもよい。
「プラセボ」という用語は当技術分野で認識されており、意図される処理的価値のない物質又は処理を含む。
このような実施態様において、プラセボは盲検試験におけるように、対照として機能するように、他の投与に類似するように作製され得る。
特定のこのような実施態様において、このような実験的(又は臨床試験)処置は特に、本発明の化合物の治療的に有効な投薬量の調査及び/又は決定、及び/又は本発明の医薬組成物の治療的に有効な製剤の同定のために設計される。
診断
第9の態様において、本発明は、ヒト患者のような被験体における1若しくは複数の適用可能なバイオマーカー(例えば、キナーゼ)の存在又は量によって特徴付けられる、及び/又はその(例えば、異常な)発現又は活性によって特徴付けられる、疾患、障害又は状態を診断及び処置する方法に関する:
*前記被験体からの生体サンプル中の1若しくは複数のこのような適用可能なバイオマーカーを検出し、それによって、被験体がこのような疾患、障害又は状態に罹患している(又は罹患している可能性がある)かどうかを診断し;そして有効量の本発明の化合物(及び/又はこのような化合物を含む医薬組成物)を、このように診断された被験体に投与し、特に被験体に対して本発明の処置方法を実施する。
このような実施態様の1つにおいて、疾患、障害又は(身体の異常)状態は、本明細書の他の箇所に開示されるもの(例えば、腫瘍又は癌)などの増殖性障害である。
用語「適用可能なバイオマーカー」とは、免疫応答(例、TNFなどの細胞性免疫応答)に対する(キナーゼ/キーキナーゼ媒介性)細胞抵抗性に関与する増殖性疾患に関与する細胞によって発現される遺伝子のいずれか1つ(又は複数)を意味する。
そのような遺伝子には、以下を含む:(X)1若しくは複数のキーキナーゼ、特に、SIK1、SIK2、SIK3、ABL1(BCR-ABL)、SRC、FLT3、KIT、YES、LYN、FYN及びLCKなどの本明細書に記載される、特に、ABL1(BCR-ABL)、ABL1(BCR-ABL)及びFLT3、ならびに、特に、リン酸化SIK3、(Y)突然変異ABL1キナーゼ(例、BCR-ABL)又はKITキナーゼの突然変異体などのキナーゼの突然変異体、及び/又は(Z)以下の(a)~(f)の1つ又は複数が含まれる:
(a)TNFR1(若しくはTNFR2)、特にTNFR1の存在(又はその量)又は発現及び/又は活性などの、TNFR1(若しくはTNFR2);
(b)LKB1、 例えば、LKB1の存在(又はその量)及び/又は発現及び/又は活性、特にLKB1又はpLKB1の増加した量又は活性;
(c)1若しくは複数のクラスII(例えば、IIa)HDAC、例えば、HDAC4、例えば、そのようなHDACの存在(又はその量)及び/又は発現及び/又は活性、特に、特に腫瘍細胞の細胞質におけるそのようなHDAC又はpHDACの増加した量又は活性;
(d)NF-kappa-Bの発現、特にNF-kappa-Bの恒常的発現;
(e)NF-kappa-B、特に腫瘍細胞の核におけるNF-kappa-B又はアセチル化NF-kappa-Bの存在(又はその量)及び/又は発現及び/又は活性、特にNF-kappa-B又はアセチル化NF-kappa-Bの量又は活性の増加;
(f)1若しくは複数の抗アポトーシス遺伝子、例えば、1若しくは複数の抗アポトーシス遺伝子、特に、NF-kappa-Bによる転写制御下にある1若しくは複数のそのような遺伝子の存在(又はその量)又は発現及び/又は活性。
特定の実施態様では、適用可能なバイオマーカーが、EPHA2、EPHA4、CSF1-R、HCK、ACK1;及び/又はPDGFR-α、TGFB-R1、B-RAF及び/又はp38-β;及び/又はACV-R1及び/又はBMPR1A;及び/又はRET;及び/又はNEK11、WEE1及び/又はWNK2;及び/又はAurora-A及び/又はAurora-B;及び/又はTBK1からなるリストから選択される1若しくは複数のキーキナーゼである。
診断及び処置のこの方法の投与(又は処置)工程のさらなる実施態様は、この方法の検出、決定又は診断方法工程の特定の実施態様と同様に、他の場所でより詳細に記載される。
特に、このような実施態様には、対象に投与される本発明の化合物(及び/又は医薬組成物)の量が、TNFの血漿又は腫瘍内濃度(対象における)と相関するものが含まれ、より大きな血漿又は腫瘍内濃度のTNFの場合、このような対象に投与される化合物(及び/又は医薬組成物)のより大きな量(又は用量)が含まれる。
特定の実施態様において、生体サンプルは、(好ましくは)対象の細胞もしくは組織、又は、そのような細胞もしくは組織の抽出物を含み、特に、そのような細胞は、増殖性障害に関与するもの(通常、典型的には;又は、疑われる場合、又は特定の対象)である(例えば、固形腫瘍の細胞などの腫瘍細胞)。
腫瘍又はその細胞は、本明細書の他の箇所に記載される腫瘍の1つであってもよく、又はそれに由来してもよい。
そのような態様の特定の実施態様では、その方法が以下のステップも含む:
*特に、そのような工程が、検出工程の前に行われる場合、対象から生物学的サンプルを提供する(例えば、取得することによって)。
特定の実施態様では、このような検出及び/又は決定方法が、哺乳動物被験体(例えば、ヒト被験体又は患者)が、疾患、障害又は(身体の異常)状態、特に、細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性に関連する、及び/又は適用可能なバイオマーカー(例えば、SIK3);特に、(固形)腫瘍(例えば、細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性を有するもの)の発現又は活性に関連する、癌又は腫瘍などの増殖性障害(又はこのような疾患、障害又は(身体の異常)状態を発症するリスクを有する)を有するかどうかを診断する方法などの診断方法として実施することができる。
これらの検出、決定及び/又は診断方法の特定の実施態様において、細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性は、T細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性、特に、TNF及び/又はTNFR1若しくはTNFR2シグナル伝達の殺傷(アポトーシス/細胞傷害)効果に対する細胞抵抗性である。
従って、これらの検出及び/又は診断方法の特定の実施態様は、また、試料中のTNFの存在又は量を決定する工程を含み得、ここで、試料中のTNFの存在(又は量)は対象における、細胞媒介免疫応答に対する細胞抵抗性に関連する、及び/又はキナーゼ(例えば、SIK3)の(異常な)発現又は活性に関連する、増殖性障害(又は増殖性障害を発症するリスク)を示す。
特にこのような実施態様では、試料中のTNFの量は定性的に決定される。好ましくは、対象が(i)対象からの血漿サンプル中の約2pg/mL又は5pg/mLを超えるTNFの血漿濃度;及び/又は(ii)対象からの組織試料からの約0.5pg/mL又は1pg/mLを超えるTNFの腫瘍内濃度を有するものとして区別され、対象における(増殖性障害の存在又は細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性に関連する及び/又は増殖性障害を発症する危険性(及び/又はキナーゼ(例えば、SIK3)の発現又は活性に関連する)を示す。
試料中のTNFの存在又は量を決定するための方法論は、本明細書の他の箇所に記載されている、特に、Quantitkine TNF-α免疫アッセイのようなELISAアッセイを使用するTNFの定量的検出;
試料中に存在するTNFが過剰である場合、TNFの量は、対象における細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性に関連する、及び/又はキナーゼ(例えば、SIK3)の(異常な)発現又は活性に関連する増殖性障害を示す。
特定の実施態様において、生体サンプルは、ヒト患者のような哺乳動物被験体から得られるものである。
用語「生体サンプル」はその最も広い意味で使用され、被験体(例えば、ヒト患者)から得られた身体サンプルをいうことができる。
例えば、生体サンプルは臨床サンプル、すなわち、被験体に由来するサンプルを含み得る。
このような試料としては、細胞(例えば、血液、尿、血漿、粘液、胆汁膵液、上清液、及び血清);組織又は細針生検試料;腫瘍生検試料又は切片(又はその細胞);ならびに既知の診断、処理及び/又は転帰履歴を有する保存試料が挙げられるがこれらに限定されない。
生体サンプルはまた、組織学的目的のために採取された凍結切片のような組織の切片を含み得る。
用語「生体サンプル」は、また、サンプルを処理することによって誘導される任意の材料を包含し得る。
誘導された材料は生体サンプルから単離された細胞(又はその子孫)、サンプルから抽出された核酸及び/又はタンパク質を含み得るが、これらに限定されない。
生体サンプルの処理は、濾過、蒸留、抽出、増幅、濃縮、固定、干渉成分の不活性化、試薬の添加などのうちの1若しくは複数を含み得る。
いくつかの実施態様では、これらの検出、決定、及び/又は診断方法は、コンピュータによって実施される方法、又はコンピュータによって支援又はサポートされる方法であってもよい。
いくつかの実施態様では、試料中の適用可能なバイオマーカー(例えば、ABL1/BCR-ABL、SRC及び/又はSIK3などのキーキナーゼ)の存在又は量を反映する情報は少なくとも1つのプロセッサによって得られ、及び/又は試料中のそのようなマーカー(又はその活性)の存在又は量を反映する情報は別のプロセッサによってユーザ可読フォーマットで提供される。
1若しくは複数のプロセッサは、コンピュータオペレーティングシステムの制御下で、又はそれと関連して動作するランダムアクセスメモリに結合されていてもよい。
プロセッサは、1若しくは複数のサーバ、クラスタ、又は他のコンピュータ又はハードウェアリソースに含まれてもよく、あるいはクラウドベースのリソースを使用して実装されていてもよい。
オペレーティング・システムは例えば、Linux登録商標-オペレーティング・システムのディストリビューション、Unix登録商標-オペレーティング・システム、又は他のオープン・ソース又はプロプライエタリなオペレーティング・システム又はプラットフォームであってもよい。
プロセッサは、ハードドライブ又はドライブアレイに記憶されたデータベースのようなデータ記憶装置と通信して、プログラム命令他のデータにアクセス又は記憶することができる。
プロセッサは、さらに、ネットワーク・インターフェースを介して通信することができ、ネットワーク・インターフェースは、インターネット又は他の公衆又は私設ネットワークのような1若しくは複数のネットワークを介して通信し、その結果、クエリ又は他の要求をクライアント、又は他の装置又はサービスから受信することができる。
いくつかの実施態様では、試料中の適用可能なバイオマーカー(又はその活性)の存在又は量を検出するコンピュータ実施方法がキットとして提供される。
このような検出、決定及び/又は診断方法は、インビトロ(例えばex-vivo)法として行うことができ、例えば、本発明のキット(又はその成分)を用いて実施することができる。
in vitro方法は不死化細胞株(動物又はヒトの組織外で複製、培養、又は無期限に維持されるものなど)を使用、関与、又は実践することができ、あるいは、ヒトの動物の組織から直接又は新たに得られた細胞(初代細胞など)を使用してin vitroで使用、関与、又は実践可能である(例えば、いわゆるex-vivo法として実践される)。
これらの検出、決定及び/又は診断方法のいくつかの実施態様において、生体サンプルは対象由来の組織サンプル(例えば、対象由来の腫瘍又は癌のサンプル)である。
上記のように、このような組織サンプルは、腫瘍の生検サンプル、又は癌(例えば、針生検サンプル)、又は腫瘍生検切片、又はその保存サンプルであり得る。
そのような組織試料は、腫瘍又は癌などからの生きた、死んだ、又は固定された細胞を含んでもよく、そのような細胞は決定されるべき適用可能なバイオマーカーを発現する(例えば、異常に又は局在化される)ことが疑われうる。
いくつかの実施態様では、本発明の決定及び/又は診断方法がさらなるステップなどにおいて、適用可能なバイオマーカー(例えば、SIK3などのキナーゼ/キーキナーゼ、及び特にリン酸化SIK3などのキナーゼ/キーキナーゼ)の(例えば、タンパク質又はmRNAの)検出された量(又は活性)を標準値又はカットオフ値と比較することを含むことができ、ここで、標準値又はカットオフ値より高い検出された量は、対象における細胞性免疫応答に対する細胞抵抗性に関連し、かつ/又は対象におけるキナーゼ/キー-キナーゼ(例えば、SIK3)の(異常な)発現又は活性に関連する表現型(又は表現型を発症するリスク)を示す。
このような標準値又はカットオフ値は、対照アッセイの使用から決定されてもよく、又は研究から得られた1若しくは複数の値、又は既知の表現型を有する複数のサンプルから予め決定されていてもよい。
例えば、診断試験のカットオフ値は、対照臨床試験の状況において患者から採取されたサンプルの分析、及び試験の所望の(又は得られた)検出感度及び/又は特異性に依存するカットオフの決定によって決定され得る。
適用可能なバイオマーカーは、特定の実施態様では、適用可能なバイオマーカーのタンパク質を検出することによって、又は適用可能なバイオマーカーのタンパク質をコードするmRNAを検出することによって検出することができる。
タンパク質を検出する方法(例えば、抗体検出、特に免疫組織化学による)及びmRNAを検出する方法(例えば、ハイブリダイゼーション、qPCR又は配列決定による)は周知である。
適用可能なバイオマーカー(例えば、キナーゼ/キーキナーゼ、例えば、SIK3、及び特にリン酸化SIK3)の検出(例えば、その存在又は非存在、又は量)に有用な方法の例には、そのような適用可能なバイオマーカーに特異的に結合する、抗体又はその抗原結合フラグメントのような抗原結合タンパク質(「ABP」)を使用する、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)及びラジオイムノアッセイ(RIA)のようなイムノアッセイが含まれる。
中間体・合成・製造等
本明細書中に開示される化合物は、以下に記載されるように調製され得るか、又はそれらに類似する方法によって調製され得、これらは、有機合成の当業者に容易に公知であり、そして利用可能である。
第10の態様において、本発明は、本発明の化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の化合物、又は溶媒和物、塩(特に、薬学的に許容される塩)、N-オキシド(特に、R1a及び/又はR6のN-オキシド)、錯体、多形体、結晶型、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ〔特に、式(IXa)、(IXb)、(IXc)、又は(IXd)を有するプロドラッグ、及び/又は上記特定されるような少なくとも一つの誘導化水酸基をもつもの、又は溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、又はそれらの組み合わせ〕又はそれらの組み合わせ)を調製するための化合物(例えば、中間体)の使用に関する。
ここで、該化合物(例えば、中間体)は、R6又はR1aのサブ構造を含む、又は以下の構造を含む:
Figure 2022505645000040
式中、R6、R1a、A及びBは、本明細書のいづれかで定義されるとおりである。
特に、このような実施態様では、化合物(例えば中間体)は化合物B3ではない。
特定のこのような実施態様において、化合物(例えば、中間体)は、2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(化合物IaB3)であるか、又は4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミン(化合物IbB3)である。
このような実施態様の別の特定では、化合物(例えば、中間体)は、2,4-ジメチルピリジン-3-アミン、3-メチルピリジン-2-アミン、4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-アミン、3-クロロ-5-メチルピリジン-4-アミン、3,5-ジメチルピリジン-4-アミン、2-メチルピリジン-3-アミン、2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン、1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾル-4-アミン、3,5-ジメチルイソキサゾ-ル-4-アミン、キヌクリジン-3-アミン及び2-エチル-4-メチルピリジン-3-アミンからなるリストから選択される。
このような実施態様の別のあるものでは、化合物(例えば、中間体)は、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の構造を有する化合物(例えば、中間体)からなる群から選択され、式中、R1aはハロゲン、好ましくはClなどの脱離基である。
関連する態様において、本発明は、また、化合物(例、中間体)が、2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン又は4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミンであり、特に、そのような化合物(例、中間体)が、約100gより高いなどの約1g又は10gより高い量であり、及び/又は精製された形態(例、本明細書の他の箇所で定義される)である(物質の組成物)。
第11の態様において、本発明は、(例えば)実質的に)精製された形態である本発明の化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の化合物)を調製するための方法に関し、この方法は、以下の工程を含む:
* 化合物(例えば、C2、C、C7、C8、C9又はC12)を1種以上の不純物と混合し;そして、
* 混合物から不純物の少なくとも一部を除去する。
このような態様の特定の実施態様において、不純物の画分を除去するための適切な方法は、周知であり、例えば、カラムクロマトグラフィー、選択的沈殿、粉砕、及び所望の化合物が溶解しない適切な溶媒による不純物の溶出などを含む。
除去される不純物の画分は、化合物が、実質的に純粋な形態、すなわち、例えば、上記のようなパーセンテージ純度で調製されるようなものであり得る。
他の実施態様では、混合物が化合物の不純形態を合成することによって提供される。
第12の態様において、本発明は、また、本発明の化合物(例えば、式(I)、(Ia)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は(VIII)の化合物)を、薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、本明細書中の他の箇所に記載されるもの、例えば、担体の薬学的に受容可能な安定剤)と一緒に処方する工程を包含する、医薬組成物の製造方法に関する。
そのような実施態様の特定では、医薬組成物が、約10gより高い、例えば約100gより高い、及び適切には約1Kgより高い(又は10Kgより高い)量で製造される。
そのような態様の一実施態様において、医薬組成物は、単位用量形態で製造される。
このような実施態様のあるものでは、医薬組成物が、錠剤、カプレット又はカプセル剤として、特に錠剤又はカプセル剤として形成される。
そのような実施態様のさらなるものにおいて、医薬組成物は、フィルムコーティング錠剤として、又はフィルムコーティングカプレットとして形成される。
例えば、この方法は、錠剤又はカプレットをフィルムで、特定医薬的に有効なフィルムコーティングでコーティングするさらなる工程を含み得る。
第13の態様において、本発明は、また、医薬パッケージを調製する方法に関し、以下の工程を包含する:
* 本発明の医薬組成物を包装に装填し、それによって医薬組成物を含有するパッケージを形成し;
* 任意に、医薬組成物の処方情報を記載するリーフレットをパッケージに装填する。
そのような実施態様の1つでは、医薬組成物が、完成した医薬形態であり、例えば、対象に投与される(又は最終的に投与されるように調製される)形態である。
包装は、一次及び/又は二次包装であり得る。例えば、一次包装は、ガラスバイアル又はブリスターストリップであってもよい。典型的な(しかし、非限定的な)二次包装は、箱又はカートンであり得、これは特定の実施態様において、それが含有する医薬組成物の名称、強度及び/又はブランドでマークされ得る。
包装はさらに、リーフレット又は他の情報を含んでもよい。特に、(患者及び/又は投与医師のいずれかに)パッケージに含まれる医薬組成物に関する顕著な情報又は詳細(例えば、どのように投与するか、推奨される用量、安全性及び/又は副作用情報)を記載する。
第14の態様では、本発明は、また、本発明の医薬組成物を含有する医薬パッケージに関し、好ましくは医薬組成物が完成した医薬形態である。このような態様の特定の実施態様では、医薬パッケージが医薬組成物の処方情報を記載するリーフレットをさらに含むことができる。
第15の態様では、本発明はまた、本発明の医薬組成物又は医薬パッケージを第1の場所から第2の場所に送達する方法にも関する:
* 第1の場所で、医薬組成物又は医薬パッケージの量の送達のための第2の場所からの要求を受け取り、
* 要求された量の少なくとも一部(好ましくは全て)を第1の場所から第2の場所に1若しくは複数の手段で送達し、
ここで、第1の場所及び第2の場所は約10mより高い距離だけ離れており、送達のうちの1若しくは複数は車輪付き輸送機によって、第1の場所と第2の場所との間の距離の少なくとも一部の間で輸送される。
そのような態様の実施態様では、要求が電話、電子メール、又は他のコンピュータメッセージもしくはシグナルなどの電子方法によって送信、送信、及び/又は受信され得る。
2つの位置間の距離は、約100mを超える、又は約1Kmを超えるなど、約10mを超える、特定の実施態様では、第1の位置と第2の位置との間の距離が約10Kmを超える、例えば、約100Km又は1,000Kmを超える。
車輪付き輸送器である技術的ユニットは、医薬組成物又は医薬パッケージを、2つの位置間の距離の少なくとも一部の間を、輸送するために使用される。例えば、短い距離の間、医薬組成物又は医薬パッケージは、最初に、貯蔵棚から足で運ばれ、次いで、車輪付きトロリー上に置かれて、別の部屋又は病院の一部に輸送され得る。
他の実施態様では、車輪付き輸送器が、医薬組成物又は医薬パッケージを、例えば、より長い距離にわたって輸送するビヒクル(バン又はローリーなど)であってもよい。例えば、バンを使用して、約10 Km以上離れた位置の間で医薬組成物又は医薬パッケージを輸送することができる。あるいは、自転車(又はバイク)を使用して、約10Km未満の位置間で医薬組成物又は医薬パッケージを輸送することができる。医薬組成物又は薬学的パッケージが例えば、約100Kmよりも長い距離(例えば、ある国又は大陸から別の国へ)輸送され、かつ、例えば、飛行機又は船舶によってその距離の大部分を取られる場合であっても、医薬組成物又は薬学的パッケージは、依然として、バン又はローリーのような車輪付き輸送機によって、又はトレーラー上の輸送コンテナ内の港又は空港によって、出発空港又は港(及び/又は空港又は港から)へ輸送されることが想定されるのであろう。
上記に鑑みて、本発明は、以下の項目に記載された実施態様にも関することが理解されるのであろう:
1.次式のキナーゼ阻害剤からなる群から選ばれる化合物:
Figure 2022505645000041
及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである;
ここで:
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR11、-N(R12)(R13)、-N(R11)(OR11)-S(O)0-2R11、-S(O)1-2OR11、-OS(O)1-2R11、-OS(O)1-2OR11、-S(O)1-2N(R12)(R13)、-OS(O)1-2N(R12)(R13)、-N(R11)S(O)1-2R11、-N(R11)S(O)1-2OR11、-NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、-C(=X)R11、-C(=X)XR11、-XC(=X)R11及び-XC(=X)XR11からなる群から選択される。式中、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、3-~7-員ヘテロアリール、3-員から7-員ヘテロシクリル、-O(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル )、-O(CH2)O-2(C6-10アリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロシクリル)、-NH(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル)、-NH(CH2)O-2(C6-10アリール)、-NH(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-NH(CH2)0-2(3-~7-員ヘテロシクリル)、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2, -OH、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)Z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)Zからなる群から独立して選択され、ここで、Zは、0、1若しくは2であり、及び、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-1Oアリール、3-~7-員ヘテロアリール、及び3-~7-員ヘテロシクリル基は、OH、メチル、エチル、-OCH3、-SCH3、及びNH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択される1、2、又は3つの部分で任意選択的に置換されていてもよい;
R2はHである;
R3はH、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11の群から選ばれ、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R4は、Hである;
R5は、-L-R6である;
Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び(CH2)m-[Y-(CH2)n]o-からなる群より選択され、ここで、mは1~6の間の整数であり、nは0~3の間の整数であり、0は1~3の間の整数であり、nは0である場合、oは1であり;YはO、S、及びN(R13)-から独立して選択され、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、1若しくは2の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R6は、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい;
R7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、及び/又はヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は一緒に結合して=Oを形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよく;
Aは、S、O、NR8、及びC(R9)2からなる群から選択される;
R8は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよく;
R9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール基は、任意選択に、1若しくは複数の独立して選択されたR30で置換されていてもよい。
Xは、独立して、O、S、及びN(R14)からなる群から選択される;
Eは、O又はSである;
Bは、N又はCR1dである;
R1dは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R11は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R12及びR13の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、又は、R12及びR13は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、基-N=CR15R16を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R14は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びOR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R15及びR16の各々は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びNHyR20 2-yからなる群から独立して選択され、又は、R15及びR16は、それらが結合している原子と一緒に結合して、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい環を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
yは、0 ~2 の整数である;
R20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよく;そして、
R30は、第1レベルの置換基であり、それは、各ケースにおいて、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR71、-N(R72)(R73)、 -S(O)0-2R71、 -S(O)1-2OR71、 -OS(O)1-2R71、 -OS(O)1-2OR71、 -S(O)1-2N(R72)(R73)、 -OS(O)1-2N(R72)(R73)、 -N(R71)S(O)1-2R71、 -NR71S(O)1-2OR71、 -NR71S(O)1-2N(R72)(R73)、-OP(O)(OR712、-C(=X1)R71、 -C(=X1)X1R71、 -X1C(=X1)R71、及び -X1C(=X1)X1R71からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つのR30は、共に結合し、=X1を形成することができる。ここで、第1レベルの置換基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基は1若しくは複数の第2レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよく、ここで、前記第2レベルの置換基は、各ケースで、 C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OR81、-N(R82)(R83)、 -S(O)0-2R81、 -S(O)1-2OR81、 -OS(O)1-2R81、 -OS(O)1-2OR81、 -S(O)1-2N(R82)(R83)、 -OS(O)1-2N(R82)(R83)、 -N(R81)S(O)1-2R81、 -NR81S(O)1-2OR81、 -NR81S(O)1-2N(R82)(R83)、-OP(O)(OR812、-C(=X2)R81、 -C(=X2)X2R81、 -X2C(=X2)R81、及び -X2C(=X2)X2R81からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つの第2レベルの置換基は、共に結合し、=X2を形成することができる。
ここで、第2レベルの置換基であるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、6-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル基は、1若しくは複数の第3レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよく、ここで、前記第3レベルの置換基は、各ケースで、 C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、-NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、 -S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)OH、 -C(=O)O(C1-3アルキル)、 -C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、各zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。及び/又は第2レベルの置換基である3-~14-員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合した任意の2つの第3レベルの置換基は一緒に結合して=O、=S、=NH、もしくは=N(C1-3アルキル)を形成することができる;
R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基からなる群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基は、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、-OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;
R81、R82、及びR83は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基からなる群から独立して選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基は以下からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい:C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)z、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである; 及び
X1及びX2の各々は、独立して、O、S 及びN(R84)から選択され、ここで、R84は、H又はC1-3アルキルである;
加えて、以下の条件をそなえる;
(1) R1aが4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル又はClであり、RlbがHであり、Rlcがメチルであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イルではない。
(2) R1aがメトキシであり、RlbがHであり、Rlcがメトキシであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、2,2-ジフルオロ-5H-1,3-ジオキソロ[4,5-f]ベンズイミダゾール-6-イルではない;
(3) R3がHで、AがSで、Lが結合で、R6が1-メチル-4-ピペリジニルで、R1bがHで、BがNで、EがOであり、及び
(i) R1aがメチルである場合、Rlcは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イルではない;又は
(ii) Rlcがメチルである場合、R1aは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イル若しくはN-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-3-イルではない;
(4) EがOであり、BがCRldであり、RldがH、F、Cl又はBrのいずれかである場合、R1aはHではない;及び
(5) R1aがメチル、RlbとRlcがH、BがCH、EがO、AがS、R3がメチルである場合、R5は、1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル、2-フラニルメチル、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、2-(2-チエニル)エチル、2-(4-モルホリニル)エチル、2-(2-ピリジニル)エチル、2-ピリジニルメチル、又はテトラヒドロ-2-フラニルメチルではない。

2. 上記1の化合物であって、R6は、3-~10-員ヘテロアリール又は3-~10-員ヘテロシクリルであり、その各々は1、2、又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
3. 上記1若しくは2の化合物であって、R6が、単環式若しくは二環式ヘテロアリール又は単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、その各々は、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
4. 上記1~3のいずれか1に記載の化合物であって、R6が、5員若しくは6員の単環式ヘテロアリール、4-員若しくは6-員の単環式ヘテロシクリル、7-員~9-員の二環式ヘテロアリール、及び7員~9員の二環式ヘテロシクリルからなる群から選択され、その各々は、独立して選択されるR7の1、2、又は3で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
5. 上記1~4のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、ピリジニル、チエニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオクサゾリル、オクサジアゾリル、イミダゾイミダゾリル、インドリル、ナフチリジニル、チエノピリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、アザビシクロヘプタニル、アザビシクロオクタニル、アザペンタシクロオクタニル、ピペラジニル、モルホリニル、及びテトラヒドロチオフェニルからなる群より選択され、これらの各々は、独立して選択されるR7の1、2又は3で、任意選択的に、置換されていてもよく、好ましくはR6が、ピリジニル、チエニル、ピラゾリル、イソオクサゾリル、ピロリル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、及びアザビシクロオクタニルからなる群より選択され、これらの各々は、独立して選択されるR7の1、2、又は3で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
5a.上記1~4のいずれか1に記載の化合物であって、R6が、5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであって、R6は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
5b.上記1~4のいずれか1に記載の化合物であって、R6が、7員~9員の二環式ヘテロシクリルであって、R6は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
6. 上記1~5bのいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)1-2(C1-6アルキル)、-NHS(O)1-2O(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、及び-OC(=O)(C1-6アルキル)からなる群から独立して、選択され、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合する任意の2つのR7は、共に結合して=Oを形成し、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、及びC2-6アルキニル基のそれぞれは、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
7. 上記1~6のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-3アルキル、ハロゲン、-CN、-O(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から独立して選択することができ、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は、互いに結合して=Oを形成することができ、ここで、C1-3アルキル基のそれぞれは、1つ又は複数の、独立して選択されたR30で、任意選択的に置換されていてもよい、化合物。
7a. 上記1~7のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-2アルキルとハロゲンからなる群から独立して選択することができ、ここで、C1-2アルキル基は、1、2若しくは3つの、独立して選択されたR30で、任意選択的に置換されていてもよい、化合物。
7b. 上記1~7aのいずれか1に記載の化合物であって、R7は、Cl、Br及びメチルからなる群から、独立して選択される、化合物。
8. 上記1~7bのいずれか1に記載の化合物であって、R6が化合物の残りに結合する、環原子に対して2位でR6の環原子に1つのR7基が結合する、化合物。
9. 上記1~8のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、以下の式から選択される化合物:
Figure 2022505645000042
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
10. 上記1~8のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、以下の式から選択される化合物:
Figure 2022505645000043
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
11. 上記1~8のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、以下の式から選択される化合物:
Figure 2022505645000044
式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
12. 上記1~11のいずれか1に記載の化合物であって、Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び-(CH2)m-[Y-(CH2)n]O-からなる群から選択され得、ここで、mは、1、2又は3であり、nは、0、1又は2であり、は、1、2、又は3であり、nが0である場合、は1であり、YはO、S、及びNHから独立して選択され、ここで、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、1つ又は複数の、独立して選択されるR30で、任意選択的に置換されていてもよい。
13. 上記1~12のいずれか1に記載の化合物であって、Lは、結合; 1つのR30で、任意選択的に、置換されていてもよいC1アルキレン; 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC2アルキレン(特に1,2-エチレン又は1,1-エチレン); 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC3アルキレン(特にトリメチレン); 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4-ブタンジイル);-(CH2)mO-;及び-(CH2)mNH-(式中、mは1、2、又は3)からなる群から選択することができる。
14. 上記1~13のいずれか1に記載の化合物であって、Lは、結合である。
15. 上記1~14のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル及びヘテロシクリル基のそれぞれは、独立して選択される、1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい。
16. 上記1~15のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、及び3-~7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、3-~7-員ヘテロシクリル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及び-NH2-Z(CH3)zからなるから群から、独立して選択される、1若しくは2の部分で、任意選択的に置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチル-ピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及び-NH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい。
17. 上記1~16のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、モルホリニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル、モルホリニル、ピペリジニル及びピロリジニル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及び-NH2-Z(CH3)zからなるから群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及び-NH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい。
18. 上記1~17のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここに、ピペラジニル基は、2-ヒドロキシエチル、メチル、-CH2COOH及び-C(=O)CH3からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく;ピペリジニル基は、-NH2及び4-メチルピペラジニルからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく;ピロリジニルは、1若しくは2のOHで任意選択的に置換されていてもよく;及びC1-3アルキル基の各々は、-OH、-OCH3及び-NH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく、ここで、zは0、1又は2である。
19. 上記1~18のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、4-(2-ヒドロキシエチル) ピペラジニル、4-メチル-ピぺラジニル、4-アセチルピぺラジニル、(2-ヒドロキシエチル)アミノ、4-アミノピペリジニル、4-(4-メチルピペラジニル)ピペリジニル、4-カルボキシメチルピペラジニル)及び3-ヒドロキシピロリジニルからなる群から選択される。
19a. 上記1~19のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-アセチルピペラジニル、及び(2-ヒドロキシエチル)アミノからなる群から選択される。
20. 上記1~19aのいずれか1に記載の化合物であって、Rlb及びRlcの各々は、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群から独立に選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシは、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、及び-NH2-Z(CH3)Z(式中、zは0、1、又は2)から独立して選択される1、2又は3の部分で任意選択的に置換されていてもよい。
21. 上記1~20のいずれか1に記載の化合物であって、Rlb及びRlcの少なくとも1つは、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)Z及びフェニルの群から選ばれ、ここで、zは0、1、又は2である。
22. 上記1~21のいずれか1に記載の化合物であって、Rlbは、メチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルであり、好ましくはメチルであり;Rlcは、Hである。
23. 上記1~21のいずれか1に記載の化合物であって、RlbはHであり、Rlcはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はフェニルであり、好ましくはメチルである。
24. 上記1~23のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、S、O、NH、N(C1-6アルキル)、及びC(C1-6アルキル)2からなる群から選択される。
25. 上記1~24のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、S、O、又はN(CH3)2である。
26. 上記1~25のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、Sである。
27. 上記1~26のいずれか1に記載の化合物であって、Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され、ここで、該C1-3アルキルの各々は、ハロゲン、-OH、OCH3、-SCH及び-NH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択された1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよく、zは0、1又は2である。
28. 上記1~26のいずれか1に記載の化合物であって、Bは、Nである。
29. 上記1~28のいずれか1に記載の化合物であって、Eは、Oである
30. 上記1~29のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N (C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)z、及び-N(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)zからなる群から選択される[式中、zは0、1、又は2であり、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及びフェニル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい]。
31. 上記1~30のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、H、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル, フェニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-4アルキル)、-OCF3、-S(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)2、-C(=O)(C1-4アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-4アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-4アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-4アルキル)、-NHC(=NH) NH2-Z(C1-4アルキル)Z及び -N(C1-4アルキル)C(=NH) NH2-Z(C1-4アルキル)Zからなる群より選択され、ここで、フェニル基は、ハロゲン、メチル、イソプロピル、-CN、- CF3、-OCF3、-OH、-NH2、NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)2、-(CH2)1-3NH2、-(CH2)1-3NH(C1-3アルキル)、 -(CH2)1-3N(C1-3アルキル)2、 -(CH2)1-3OH及び -(CH2)1-3O(C1-3アルキル)からなる群から独立して選択される、1、2若しくは複数基で、任意選択的に、置換されていてもよい、zが0、1、又は2である。
32. 上記1~31のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群から選択される。
33. 上記1~32のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、Hである。
34. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000045
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
35. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000046
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
36. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000047
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
37. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000048
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
38. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000049
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
38a. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000050
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
38b. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000051
及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
38c. 上記1~33のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
Figure 2022505645000052

及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである。
39. 上記1~38又は上記38a~38cのいずれか1に記載の化合物であって、化合物は、実質的に、純粋な形態であり、特に約90%、約95%、約98%、若しくは99%以上の純度である。
40. 上記1~38及び39のいずれか1に記載又は上記38a~38cのいずれか1に記載の化合物であって、化合物は、水和物である。
41. 上記1~38,39及び40又は38aから38cのいずれか1に記載の化合物の約10g又は50g以上を含む、又は好適には当該化合物の約l00g以上を含む、又はより好適には当該化合物の約500g以上の当該化合物を含み、それは、各々個々に、あるいは全体として、含む、一つ若しくはそれ以上の容器。
42. 上記1~38、39及び40、又は38a~38cのいずれか1に記載の化合物を含み、任意選択的に、薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい、医薬組成物。
43. 経口投与用に製剤化された上記42に記載の医薬組成物。
44. 単位用量形態の上記42又は43に記載の医薬組成物。
45. 単位用量形態当たり1~950mgの化合物を含む、上記44に記載の医薬組成物。
46. 単位用量形態当たり2~150mgの化合物を含む、上記45に記載の医薬組成物。
47. 単位用量形態当たり10~150mgの化合物を含む、上記45に記載の医薬組成物。
48. 2mg、5mg、15mg、20mg、50mg、70mg、80mg、100mg及び140mgからなる量のリストから選択される単位用量形態当たりの量の化合物を含む、上記45又は46に記載の医薬組成物。
49. 単位用量形態が錠剤、カプレット又はカプセルである上記42~48のいずれか一に記載の医薬組成物。
50. ラクトース、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びステアリン酸Mgからなるリストから選択される1種以上、好ましくは全ての賦形剤をさらに含む、上記42~49のいずれか一に記載の医薬組成物。
51. 単位用量形態が、フィルムコーティングされた錠剤又はフィルムコーティングされたカプセルである、上記44~50のいずれか一項記載の医薬組成物。
52. フィルムコーティングが、ヒプロメロース、二酸化チタン及びマクロゴール400からなるリストから選択される賦形剤の1若しくは複数、好ましくはすべてを含む、上記51に記載の医薬組成物。
53. 治療に使用するための、上記1~38、39及び40のいずれか一の化合物、又は上記38a~38cのいずれか一の化合物、又は上記42~52のいずれか一の医薬組成物。
54. 対象における増殖性障害の治療に使用するための化合物若しくは医薬組成物であって、化合物若しくは医薬組成物を対象に投与することを含み、化合物が上記1~38、39及び40のいずれか1つ、若しくは上記38a~38cのいずれか1つの化合物である、又は、医薬組成物が、上記42~52のいずれか1つの医薬組成物である、化合物若しくは医薬組成物。
55. 対象が、成体ヒトであり;好適には、成体ヒトが、約30歳以上であり;特に、成体ヒトが、若年成体であり、中年であり、又は高齢である、上記53若しくは54に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
56. 対象が、小児ヒト、好適には、小児ヒトであり、小児ヒトが、約16歳未満であり;特に、小児ヒトが、青年期前、児童、幼児若しくは乳児である、上記53又は54に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
57. 処置が、SIK3キナーゼの阻害に関与しない、上記53~56のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
58. 上記53~57のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、処置が:
* SIK3キナーゼの阻害に関与しない;
* SIK1及び/又はSIK2キナーゼの阻害に関与しない;
* JAK1キナーゼの阻害に関与しない;
* RETキナーゼの阻害に関与しない;
* ERBB4キナーゼの阻害に関与しない;
* PDGFR-αキナーゼの阻害に関与しない;及び/又は
* EPHB2キナーゼの阻害に関与しない。
59. 上記53~58のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、処置が:
* PDGFR-αキナーゼの阻害に関与しない;
* TGFB-R1、B-RAF及び/又はp38-βキナーゼの阻害に関与しない;
* ACV-R1及び/又はBMPR1Aキナーゼの阻害に関与しない;及び/又は
* RETキナーゼの阻害に関与しない。
60. 細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性疾患に関与する細胞を、敏感反応化することを含まない、上記53~59のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
61. 上記53~60のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、処置が、
* ABL1及び/又はSRCキナーゼの阻害に関与する、;
* BCR-ABLキナーゼの阻害に関与する;
* LCKキナーゼの阻害に関与する;
* LYNキナーゼの阻害に関与する;
* YESキナーゼの阻害に関与する;
* FYNキナーゼの阻害に関与する;及び/又は
* KITキナーゼの阻害に関与する。
62. 上記53~61のいずれか1項に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、処置が、
* EPHA2キナーゼの阻害に関与する、
* EPHA4キナーゼの阻害に関与する;
* CSF1-Rキナーゼの阻害に関与する;
* HCKキナーゼの阻害に関与する;及び/又は
* ACK1キナーゼの阻害に関与する。
63. 処置が、SIK3を阻害することより以上に、及び/又は、SIK1及び/又はSIK2を阻害することより以上に、ABL1及び/又はSRCキナーゼを阻害することに関与する、上記53~62のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
64. 処置が、FLT3キナーゼの阻害に関与する、上記53~63のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
65. 上記53~64のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、処置が:
* NEK11、WEE1及び/又はWNK2キナーゼの阻害に関与する;
* Aurora-A及び/又はAurora-Bキナーゼの阻害に関与する;及び/又は
* TBK1キナーゼの阻害に関与する。
66. 処置が、キナーゼ突然変異を阻害することに関与し;特に、BCR-ABLキナーゼ及び/又はABL1キナーゼの別の突然変異体を阻害するこに関与し、及び/又はKITキナーゼの突然変異体を阻害することに関与する、上記53~65のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
67. 処置が、約140mg/日未満の量の化合物を、それを必要とする成人ヒト対象に投与することを含み、任意選択的に、増殖性疾患が、慢性期Ph+ CMLではない増殖性疾患である、上記53~66のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
68. 処置が、必要とする成人ヒト対象に、約100mg/日未満の量の化合物を投与することを含み、任意選択的に、増殖性疾患が、慢性期Ph+ CMLである、上記67に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
69. 処置が、それを必要とする小児ヒト対象に、以下の量の前記化合物を投与することを含む、上記53~66のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物:
* 体重10kg以上20kg未満の小児患者では1日40mg未満;
* 体重20kg以上30kg未満の小児患者では1日60mg未満;
* 重量30kg以上45kg未満の小児患者では1日約70mg未満;又は
* 重量45kg以上の小児患者では1日約100mg未満。
70. 前記ヒト対象に、前記化合物の量を、1日1回未満の頻度で投与する、上記67~69のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
71. 上記67~70のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物であって、ここで、ヒト被験体が、細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性疾患に関与する細胞を、敏感反応にする(sensitise)ために、該化合物のある量で及びある頻度で投与され、特に、TNFの殺傷(アポトーシス/細胞傷害性)効果に対して、増殖性障害に関与する細胞を敏感反応にするために、該化合物のある量で及びある頻度で投与される、化合物若しくは医薬組成物。
72. 対象が、副反応を有さない、上記53~71のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
73. 前記副反応が、骨髄抑制である、上記72に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
74. 前記副反応が、非血液学的有害反応である、上記72に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
75. 前記副反応が、心臓学的有害反応である、上記72に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
76. 対象が、強力なCYP3A4阻害剤を併用しない、上記53~75のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
77. 増殖性疾患が、癌又は腫瘍である、上記53~76のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
78. 前記癌が、造血又はリンパ系癌である、上記77に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
79. 増殖性疾患が、フィラデルフィア染色体陽性白血病である、上記53~78のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
80. 増殖性障害が、フィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)である、上記53~79のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
81. 増殖性疾患が以下である、上記53~80のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物:
* 慢性期において新たに診断された(Ph+ CML);
* イマチニブを含む前治療に抵抗性若しくは不耐容の、慢性期、移行期又は急性期CML;又は、
* 前治療に、抵抗性若しくは不耐容の、Ph+急性リンパ芽球性白血病(ALL)及びリンパ芽球性CML。
82. 対象が、小児ヒトであり、そして、以下の増殖性疾患である、上記53~80のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物:
* 慢性期において(Ph+ CML-CP)新たに診断されたPh+CML、又はイマチニブを含む前治療に抵抗性又は不耐容のPh+ CML-CP。
83. 前記癌が、固形腫瘍である、上記77に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
84. 前記固形腫瘍が、膵臓、乳房、肺、前立腺、皮膚、卵巣、食道及び結腸/直腸からなる組織のリストから選択される組織の癌である、上記83に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
85. 増殖性疾患が、膵臓癌である、上記53~77、83又は84のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
86. 処置が、EGFR阻害剤及び/又はゲムシタビンの投与をさらに含む、上記85に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
87. 増殖性疾患が、前立腺癌である、上記53~77、83又は84のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
88. 処置が、ドセタキセルの投与をさらに含む、上記87に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
89. 増殖性疾患が、肺癌、特に非小細胞肺癌である、上記53~77、83又は84のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
90. 処置が、免疫チェックポイント阻害剤の投与をさらに含む、上記53~89のいずれか1項に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
91. 免疫チェックポイント阻害剤が、ニボルマブ、レラトリマブ、イピリムマブ又はBMS-986205である、上記90に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
92. 増殖性疾患が、対象における標準治療で進行している、上記53~91のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
93. 対象が、標準治療を受けることができない、上記53~91のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
94. 標準療法が、免疫療法である、上記92又は93に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
95. 増殖性疾患が、耐性を有するCML又はALLであり、及び/又は、対象が、前治療に不耐容であり、特に、対象が、前イマチニブ治療に耐性又は不耐容である、上記53~91のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
96. 処置が、SIK3の阻害に関与する、上記53~95のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
97. 前記化合物若しくは医薬組成物が、SIK3;好ましくは増殖性障害に関与する細胞中のSIK3、の活性を低下させるのに有効である、治療上有効な量で投与される、上記96に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
98. 前記化合物若しくは医薬組成物が、ABL1及び/又はSRCキナーゼ、好ましくは増殖性疾患に関与する細胞におけるABL1及び/又はSRCキナーゼ、の活性を低下させるのに有効でない、治療上有効量で投与される、上記96又は97に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
99. 処置が、SIK3を阻害することによって媒介され; 処置がABL1及び/又はSRCキナーゼを阻害することによって媒介されない、上記96~98のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
100. 前記処置が、増殖性障害に関与する細胞中のSIK3が阻害されること; 好ましくは、SIK3の活性が低下すること; 及び増殖性障害に関与する細胞中のABL1及び/又はSRCが阻害されないこと; 好ましくはABL1及び/又はSRCの活性が低下しないことを含む、上記96~99のいずれか1項に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
101. 前記処置が、細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性疾患に関与する細胞を、敏感反応性にする(sensitizing)ことに関係する、上記53~100のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
102. 細胞媒介性免疫応答が、増殖性疾患に関与する細胞の殺傷を誘導することを含む、上記53~101のいずれか1項に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
103. TNFによって誘導される殺傷に対し、増殖性障害に関与する細胞を、敏感反応性にするために、前記化合物若しくは医薬組成物が、前記対象に投与される、上記53~102のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
104. 増殖性疾患に関与する細胞が、TNF及び/又はTNFRl-シグナル伝達のアゴニストにばく露される、上記101~103のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
105.
(x)対象が、約5pg/mLを超えるTNFの血漿濃度を有することによって区別され;及び/又は、
(y)増殖性疾患が対象において、固形腫瘍であり、対象が、約1pg/mLを超えるTNFの腫瘍内濃度を有することによって、区別される、上記101~104のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
106. 前記処置が、(i)TNF及び/又はTNFRl-シグナル伝達のアゴニスト、ならびに(ii)前記化合物若しくは医薬組成物に、前記対象における増殖性疾患に関与する細胞をばく露することを含む、上記53~105のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
107. 対象における増殖性疾患に関与する細胞にばく露されるTNFの量が増加される、上記106に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
108.
(i)TNF又はTNFR1-シグナル伝達のアゴニストが対象に投与される;
(ii)増殖障害に関与する細胞へのTNFのばく露を誘導又は誘導することができる薬剤又はTNFR1シグナル伝達のアゴニストが対象に投与される;又は
(iii)増殖障害に関与する細胞へのTNFのばく露が対象の血漿中及び/又はそのような細胞の環境中のTNFの量を増加させる医薬、処置又は他の手順によって誘導される、
上記106又は107に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
109. 処置が、化合物若しくは医薬組成物が、SIK3、特に増殖性疾患に関与する細胞中のSIK3を阻害するのに有効な治療有効量で対象に投与されることを含む、上記106~108のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
110. 前記処置が、前記化合物若しくは医薬組成物が、ABL1及び/又はSRC、特に、前記増殖性疾患に関与する細胞におけるABL1及び/又はSRCを阻害するのに有効でない治療有効量で前記対象に投与されることを含む、上記106~109のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
111. 前記処置が、前記TNF又は前記TNFRl-シグナル伝達アゴニストを前記対象に投与することを含む、上記106~110のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
112. 前記処置が、増殖性疾患に関与する細胞のTNF又はTNFRl-シグナル伝達のアゴニストへのばく露を誘導又は誘導することができる薬剤を、対象に投与されることを含む、上記106~110のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
113. 増殖性疾患に関与する細胞へのTNFのばく露が、対象の血漿中及び/又はそのような細胞の環境中のTNFの量を増加させるような医薬的、処置的又は他の手順によって誘導される、上記106~110のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
114. 前記医薬、処置又は他の手順が、癌免疫療法及び/又は放射線療法を含む、上記113に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
115. 対象が、SIK3の発現及び/又は活性によって特徴付けられる増殖性疾患に関与する細胞を有することによって区別され、特に、そのような細胞が、SIK3のmRNA及び/又はタンパク質を発現し、及び/又はそのようなSIK3の発現及び/又は活性に対して陽性である、上記106~114のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
116. 増殖性疾患が、腫瘍、特に固形腫瘍である、上記106~115のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
117. 前記対象が、免疫療法で以前に処置され、その腫瘍が進行し、特にその腫瘍がぶり返し、再発し、又は反応しなかったものとして区別される、上記116に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
118. 前記対象が、放射線療法で以前に処置された腫瘍が進行した、特に、ぶり返した、再発した、又は反応しなかった腫瘍を有するものとして識別される、上記116又は117に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
119. 上記1~38、39及び40のいずれか1つ、又は上記38a~38cのいずれか1つの化合物、又は上記42~52のいずれか1つの医薬組成物を投与することを含む、抗TNF剤で処置されている対象における二次障害としての血液増殖性障害を発症するリスクの低減のための処置に使用するための化合物若しくは医薬組成物。
120. 対象が自己免疫疾患;好ましくは、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、尋常性乾癬及びクローン病、最も好ましくは、関節リウマチからなる群から選択される自己免疫疾患を患っている、及び/又は、対象が自己免疫疾患のための抗TNF剤で処置されている、上記119に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
121. 前記化合物が、SIK3(又はSIK3特異的)阻害剤であるか、又は、前記医薬組成物が、SIK3(又はSIK3特異的)阻害剤を含む、上記53~120のいずれか1項に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
122. 化合物が、ABL1及び/若しくはSRCキナーゼを阻害するよりも強力にSIK3を阻害する(又はそれ以上に)SIK3阻害剤を含み、該SIK3阻害剤が、SIK2及び/又はSIK2を阻害するよりも強力にSIK3を阻害する、上記53~121のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
123. 対象が、ヒトボランティアである、上記53~122のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
124. 対象が、実験動物、特にマウス、ラット、ウサギ、ブタ及びサルからなる群から選択される動物である、上記53~122のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
125. 複数の被験者が、特に、約5~20、10~50、25~200、又は75~250人の被験者、又は約250以上の被験者のように、5人以上の被験者が処置される、上記123又は124に記載の化合物又は医薬品組成物。
126.
(i)化合物の1つの投薬量及び/又は医薬組成物の1つの製剤の、そのような対象の少なくとも1つへの投与;及び
(ii)化合物の異なる投薬量及び/又は医薬組成物の異なる製剤の、そのような対象の少なくとも1つへの投与を含む、上記125に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
127.
前記処置が、
(i)前記化合物の1つの投与量及び/又は前記医薬組成物の1つの製剤の前記対象の少なくとも1つへの投与、及び
(ii)
(a)プラセボ、又は
(b)(i)の前記化合物の前記投与量及び/又は前記対象の前記医薬組成物の前記製剤、ならびに追加の医薬、処置又は他の手順のいずれか、
の前記対象の少なくとも1つへの投与を含む、上記125又は126に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
128. 前記処置が、前記化合物の治療有効投与量の検討及び/若しくは決定、及び/又は前記医薬組成物の治療有効製剤の同定のために、特に、設計される、上記125~127のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
129. 対象における適用可能なバイオマーカーの存在又はその量によって特徴付けられる、及び/又はその発現又は活性によって特徴付けられる増殖性障害を診断及び処置する方法であって、以下のステップを含む、方法:
* 前記対象からの生体サンプル中の適用可能なバイオマーカーを検出することにより、対象がそのような疾患、障害又は(身体の異常)状態に罹患している(又は罹患している可能性がある)かどうかを診断し;そして、
* 上記1~38、39及び40、又は上記38a~38cのいずれか1つの化合物、又は上記42~52のいずれか1つの医薬組成物の有効量を、そのように診断された対象に投与する(特に、対象に対して本発明の処置方法を実施する)。
130. 上記1~38、39及び40のいずれか1つ、又は上記38a~38cのいずれか1つの化合物を調製するための中間体としての使用であって、中間体がR6又はR1aの構造を含むか、又は以下の構造を含む、中間体の使用:
Figure 2022505645000053
式中、R6、R1a、A及びBは、上記1~38のいずれか1つ又は上記38a~38cのいずれか1つに定義されるとおりである。
131. 前記中間体が、次のリストから選択される、上記130に記載の中間体の使用:
* 4-クロロ-2-メチルピリジン3-アミン;
* 2,4-ジエチルピリジン-3-アミン;
* 3-メチルピリジン-2-アミン;
* 4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-アミン;
* 3-クロロ-5-メチルピリジン-4-アミン;
* 3,5-ジメチルピリジン-4-アミン;
* 2-メチルピリジン-3-アミン;
* 2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン;
* 1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-アミン;
* 3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-アミン;
* キヌクリジン-3-アミン;及び
* 2-エチル-4-メチルピリジン-3-アミン。
131a. 前記中間体が、以下からなるリストから選択される、上記130に記載の中間体の使用:
* 2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン。
131b. 前記中間体が、以下からなるリストから選択される、上記130に記載の中間体の使用:
* 4-クロロ-2-メチルチオフェン-3-アミン;
* 2,4-ジメチルチオフェン-3-アミン;
* 2-メチルチオフェン-3-アミン;
* 4-メチルチオフェン-3-アミン;
* 2-クロロチオフェン-3-アミン;
* 2-ブロモチオフェン-3-アミン;及び
* 2,4-ジクロロチオフェン-3-アミン。
132. R1aが、脱離基、例えばハロゲン、好ましくはClである、上記1~38のいずれか1項又は上記38a~38cのいずれか1項に記載の式(I)の構造を有する化合物からなる群から選択される中間体。
133. 上記39に記載の化合物を調製する方法であって、以下の工程を含む、方法:
* 上記1~38又は40のいずれか、又は上記38a~38cのいずれか1つの化合物を、1若しくは複数の不純物と混合し、
* 混合物から不純物の少なくとも一部を除去する。
134. 前記混合物が、上記1~38若しくは40の(いずれか1つ)の化合物、又は上記38a~38cのいずれか1つの不純型を合成することによって提供される、上記133に記載の方法。
135. 上記1~38、39及び40のいずれか1つ、又は上記38a~38cのいずれか1つの化合物を、薬学的に許容される賦形剤と一緒に製剤化する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
136. 前記医薬組成物が、単位用量形態で製造される、上記135に記載の方法。
137. 前記医薬組成物が、錠剤、カプレット又はカプセルとして、特にフィルム被覆錠剤として、又はフィルム被覆カプレットとして形成される、上記135又は136に記載の方法。
138. 医薬パッケージを調製する方法であって、以下の工程を含む、方法:
* 上記42~52のいずれか1項に記載の医薬組成物(好ましくは完成した医薬形態)を包装にふし、それによって医薬組成物を含有する包装を形成し;
* 任意選択で、医薬組成物の処方情報を記載するリーフレットを包装に挿入する。
139. 上記42~52のいずれか1項に記載の医薬組成物を含有する医薬パッケージであって、好ましくは、該医薬組成物が完成した医薬形態である、医薬パッケージ。
140. 前記医薬組成物の処方情報を記載するリーフレットをさらに含む、上記139に記載の医薬パッケージ。
141. 第1の場所から第2の場所に、上記42~52のいずれか1つ又は複数の医薬組成物、又は上記139又は140の医薬パッケージを送達する方法であって、以下の工程を含む、方法:
* ある量の医薬組成物又は医薬パッケージの送達のための第2の場所からの要求を第1の場所で受け取り、
* 要求された量(医薬組成物又は医薬パッケージの)の少なくとも一部(好ましくはすべて)を第1の場所から第2の場所に1若しくは複数の送りで送達する;
ここで、第1の場所及び第2の場所は、約10mを超える距離だけ離れており、そして、送達のうちの1若しくは複数は車輪付き輸送器によって第1の場所と第2の場所との間の距離の少なくとも一部分だけ輸送される。
上記に鑑みて、本発明は、以下の追加的な上記の実施形態にも関することが理解されるのであろう:
Al. 以下の化合物のキナーゼ阻害剤からなる群より選択される化合物
Figure 2022505645000054

及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである;
ここで:
R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR11、-N(R12)(R13)、-N(R11)(OR11)-S(O)0-2R11、-S(O)1-2OR11、-OS(O)1-2R11、-OS(O)1-2OR11、-S(O)1-2N(R12)(R13)、-OS(O)1-2N(R12)(R13)、-N(R11)S(O)1-2R11、-N(R11)S(O)1-2OR11、-NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、-C(=X)R11、-C(=X)XR11、-XC(=X)R11及び-XC(=X)XR11からなる群から選択される。式中、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、3-~7-員ヘテロアリール、3-員から7-員ヘテロシクリル、-O(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル )、-O(CH2)O-2(C6-10アリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-O(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロシクリル)、-NH(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル)、-NH(CH2)O-2(C6-10アリール)、-NH(CH2)O-2(3-から7-員ヘテロアリール)、-NH(CH2)O-2(3-~7-員ヘテロシクリル)、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2, -OH、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)Z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)Zからなる群から独立して選択され、ここで、Zは、0、1若しくは2であり、及び、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-1Oアリール、3-~7-員ヘテロアリール、及び3-~7-員ヘテロシクリル基は、-OH、メチル、エチル、-OCH3、-SCH3、及びNH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択される1、2、又は3つの部分で任意選択的に置換されていてもよい;
R2はHである;
R3はH、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11の群から選ばれ、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R4は、Hである;
R5は、-L-R6である;
Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び(CH2)m-[Y-(CH2)n]o-からなる群より選択され、ここで、mは1~6の間の整数であり、nは0~3の間の整数であり、0は1~3の間の整数であり、nは0である場合、oは1であり;YはO、S、及びN(R13)-から独立して選択され、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、1若しくは2の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R6は、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい;
R7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、及び/又はヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は一緒に結合して=Oを形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
Aは、S、O、NR8、及びC(R9)2からなる群から選択される;
R8は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール基は、任意選択に、1若しくは複数の独立して選択されたR30で置換されていてもよい。
Xは、独立して、O、S、及びN(R14)からなる群から選択される;
Eは、O又はSである;
Bは、N又はCRldである;
Rldは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R11は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R12及びR13の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、又は、R12及びR13は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、基-N=CR15R16を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R14は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びOR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
R15及びR16の各々は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びNHyR20 2-yからなる群から独立して選択され、又は、R15及びR16は、それらが結合している原子と一緒に結合して、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい環を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
yは、0 ~2 の整数である;
R20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換され;そして、
R30は、第1レベルの置換基であり、それは、各ケースにおいて、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR71、-N(R72)(R73)、 -S(O)0-2R71、 -S(O)1-2OR71、 -OS(O)1-2R71、 -OS(O)1-2OR71、 -S(O)1-2N(R72)(R73)、 -OS(O)1-2N(R72)(R73)、 -N(R71)S(O)1-2R71、 -NR71S(O)1-2OR71、 -NR71S(O)1-2N(R72)(R73)、-OP(O)(OR71)2、-C(=X1)R71、 -C(=X1)X1R71、 -X1C(=X1)R71、及び -X1C(=X1)X1R71からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つのR30は、共に結合し、=X1を形成することができる。ここで、第1レベルの置換基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基は1若しくは複数の第2レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよく、ここで、前記第2レベルの置換基は、各ケースで、 C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OR81、-N(R82)(R83)、 -S(O)0-2R81、 -S(O)1-2OR81、 -OS(O)1-2R81、 -OS(O)1-2OR81、 -S(O)1-2N(R82)(R83)、 -OS(O)1-2N(R82)(R83)、 -N(R81)S(O)1-2R81、 -NR81S(O)1-2OR81、 -NR81S(O)1-2N(R82)(R83)、-OP(O)(OR81)2、-C(=X2)R81、 -C(=X2)X2R81、 -X2C(=X2)R81、及び -X2C(=X2)X2R81からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つの第2レベルの置換基は、共に結合し、=X2を形成することができる。
ここで、第2レベルの置換基であるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル基は、1若しくは複数の第3レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよく、ここで、前記第3レベルの置換基は、各ケースで、 C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、 -S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)OH、 -C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、各zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは、独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。及び/又は、第2レベルの置換基である3-~14-員のシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合した任意の2つの第3レベルの置換基は一緒に結合して=O、=S、=NH、もしくは=N(C1-3アルキル)を形成することができる;
R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基からなる群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基は、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、-OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよく、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;
R81、R82、及びR83は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基からなる群から独立して選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基は以下からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい:C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、-OCF3、=O、-S(C1-3アルキル)、-NH2、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)z、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである; 及び
X1及びX2の各々は、独立して、O、S 及びN(R84)から選択され、ここで、R84は、H又はC1-3アルキルである;
加えて、以下の条件をそなえる;
(1) R1aが4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル又はClであり、RlbがHであり、Rlcがメチルであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イルではない。
(2) R1aがメトキシであり、RlbがHであり、Rlcがメトキシであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、2,2-ジフルオロ-5H-1,3-ジオキソロ[4,5-f]ベンズイミダゾール-6-イルではない;
(3) R3がHで、AがSで、Lが結合で、R6が1-メチル-4-ピペリジニルで、R1bがHで、BがNで、EがOであり、及び
(i) R1aがメチルである場合、Rlcは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イルではない;又は
(ii) Rlcがメチルである場合、R1aは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イル若しくはN-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-3-イルではない;
(4) EがOであり、BがCRldであり、RldがH、F、Cl又はBrのいずれかである場合、R1aはHではない;及び
(5) R1aがメチル、RlbとRlcがH、BがCH、EがO、AがS、R3がメチルである場合、R5は、1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル、2-フラニルメチル、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、2-(2-チエニル)エチル、2-(4-モルホリニル)エチル、2-(2-ピリジニル)エチル、2-ピリジニルメチル、又はテトラヒドロ-2-フラニルメチルではない。
A2.
R6が、単環もしくは二環式ヘテロアリール又は単環もしくは二環式ヘテロシクリルであり、その各々が1、2又は3の独立して選択されたR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、前記Alに記載の化合物。
A3.
R6が、1、2又は3の独立して選択されたR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、5~6員の単環式ヘテロアリールである、前記Al又はA2に記載の化合物。
A4.
前記Al~A3のいずれか1つに記載の化合物であって、R7がC1-3アルキル、ハロゲン、-CN、-O(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群から独立して選択され、及び/又はヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7が、互いに結合して=0を形成することができ、C1-3アルキル基のそれぞれは、任意選択的に、1つ又は複数の独立して選択されたR30で置換されていてもよい、化合物。
A5.
前記Al~A4のいずれか1つに記載の化合物であって、R7がハロゲン及びC1-2アルキルからなる群から独立して選択され、C1-2アルキル基が独立して選択された1個、2個、又は3個のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい化合物。
A6.
1つのR7基が、R6が化合物の残りに結合する環原子に対する位置2において、R6の環原子に結合している、前記Al~A5のいずれか1つに記載の化合物
2は、。
A7.
前記Al~A6のいずれか1つに記載の化合物であって、Lが結合;任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC1アルキレン;任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC2アルキレン(特に1,2-エチレン又は1,1-エチレン);任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC3アルキレン(特にトリメチレン);任意選択的に1つのR30で置換されていてもよいC4アルキレン(特にテトラメチレン又は2,4-ブタンジイル);-(CH2)mO-;及び(CH2)mNH-(式中、mは1、2、又は3)からなる群から選択される化合物。
A8.
Lが結合である、前記Al~A7のいずれか一に記載の化合物。
A9.
R1aが、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、モルホリジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル、モルホリジニル、ピペリジニル、及びピロリジニル基の各々が、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及びNH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2である)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい;及び、C1-3アルキル基は、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及びNH2-Z(CH3)z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で置換されていてもよい、
前記Al~A8のいずれか1に記載の化合物。
A10.
R1aが、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-アセチルピペラジニル、及び(2-ヒドロキシエチル)アミノからなる群より選択される、前記Al~A9のいずれか一に記載の化合物。
A11.
R1bがHであり、R1cがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はフェニル、好ましくはメチルである、前記Al~A10のいずれか1に記載の化合物。
A12.
AがS、O、又はN(CH3)2である、前記A1~A11のいずれか1に記載の化合物。
A13.
AがSである、前記A1~A12のいずれか1に記載の化合物。
A14.
BがN又はCRldであり、RldがC1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及びN(C1-3アルキル)2からなる群より選択され、ここで、C1-3アルキル基の各々は、ハロゲン、-OH、-OCH3、-SCH、及びNH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよく、ここで、zは0、1、又は2である、前記A1~A13のいずれか一に記載の化合物。
A15.
BがNである、前記A1~A13のいずれか一に記載の化合物。
A16.
EがOである、前記A1~A15のいずれか一に記載の化合物。
A17.
R3が、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群より選択される、前記A1~A16のいずれか一に記載の化合物。
A18.
前記A1~A17のいずれか1項に記載の化合物であって、以下からなる群より選択される、化合物:
Figure 2022505645000055
及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形成、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
A19.
前記A1~A18のいずれか1に記載の化合物を含み、任意選択的に、薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、医薬組成物。
A20.
対象における増殖性障害の治療に使用するための化合物又は医薬組成物であって、化合物又は医薬組成物を対象に投与することを含む医薬であって、化合物が、前記A1~A18のいずれか1に記載の化合物であるか、又は医薬組成物が前記A19の医薬組成物である、化合物又は医薬組成物。
(実施例)
[417]
種々の例示的又は好ましいR1a置換基、Rlb置換基、Rlc置換基、R2置換基、R3置換基、R4置換基、R5部分、A部分、B部分及び/又はE部分(それぞれ個別に又は任意の組み合わせで、本発明のさらなる化合物を合成のために有用である)の例を表す、本発明の範囲内の化合物、及び/又は、本発明の方法内での使用のための化合物の選択は、表A及び/又は表Bに列挙される。
表A及び/又は表Bの化合物は、本明細書に記載されるように合成され、試験される。
実施例は以下に示す:
実施例1:
式(I)のキナーゼ阻害剤を含むキナーゼ阻害剤の合成。
方法と材料。
MPLC精製が、Biotage Isolera Fourシステムを使用して、工業グレードの有機溶媒、すなわち、ジクロロメタン及びメタノール、MeOH中3~4N NH3で、KP-Silカートリッジを使用して行った。
最終化合物の精製には、DCMの3N NH3(MeOH中)への0%~25%の勾配(10 CVを超える)を使用した。
1HNMRスペクトルを、Bruker DPX 400MHz分光計で記録し、内部標準として使用した溶媒共鳴[7.26ppmでのCDCl3、2.50ppmでのDMSO-d6]を用いてppmで報告する。
ピークは、(s =一重項、d=二重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項又は未分解、bs =広いシグナル、Hzでの結合定数、積分)として報告される。
逆相HPLCを、以下の系[溶媒A:アセトニトリル、溶媒B:水中0.1%ギ酸]を用いてShimadzu HPLCシステムで行った。ギ酸をHPLCグレードとして使用した。全ての分離は周囲温度で行った。分析用RP-HPLC分析[Interchim: Uptisphere Strategy IO0Å、5μm、100×4.6mm]について、流速は、1.0ml/分;注入容量: 20 μL、検出波長: 220nm及び254nmであった。以下の勾配を使用した:2.0分 100% B、8分かけて10% B、5分 10% B。
LC-MSスペクトルは、以下のシステム[溶媒A:アセトニトリル、溶媒B:水中0.1%ギ酸]を使用して、Dionex Ultimate 3000システムで記録した。ギ酸をHPLCグレードとして使用した。全ての分離は周囲温度で行った。分析用RP-HPLC分析[Interchim : Uptisphere Strategy C18、2.6μm、50×4.6mm]について、流速は1.0ml/分であり、検出波長は220nm及び254nmであった。以下の勾配を使用した:5分間にわたる90%B~5%B。MSは、以下の設定で記録した: Dionex Surveyor MSQ plus、ESI+、Probe T(℃)350、Cone 30(v)、Needle(KV)3.0。
方法
I. エチル2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキシレート
Figure 2022505645000056

4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン(10g、61.4ミリモル、1.0当量)及び2-アミノチアゾール-5-カルボキシレート(10.6g、61.4ミリモル、1.0当量)のDMF(210ml)溶液に、不活性雰囲気下の0℃で、水素化ナトリウム(5.40g、135ミリモル、2.0当量)を少しずつ加え、反応混合物をゆっくりと室温に温め、3日間撹拌した。
過剰のNaHを塩化アンモニウムの飽和溶液の添加によりクエンチし、反応混合物を水(3000ml)上に注ぎ、室温で1h撹拌した。
得られた沈殿物を濾過し、風乾して、ベージュ色の固体としてエチル2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキシレート(18g、60.0mmol、収率98%)を得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ 1.34-1.51(t, 3H),2.75(s, 3H),4.41(q,J=7.1Hz,2H),6.73(s,1H),8.14(s,1H).LCMS:m/z = 297.1[M-H]-.
II. 2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸:
Figure 2022505645000057

メタノール(350ml)及び水(150ml)中のエチル2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキシレート(36.0g 121mmol、1.0当量)の懸濁液に、水酸化ナトリウム(38.6g、964mmol、8.0当量)を室温で加え、混合物を室温で16時間撹拌した。
LCMS分析は、出発物質の当該物質への完全な変換を示した。
反応混合物を濃縮して、溶媒の大部分を除去し、次いで水層を6M HCl水溶液を用いて酸性化した。
得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、高真空下で3分間乾燥させて、ベージュ色の粉末として2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(27.0g、99.7mmol、収率83%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ 2.57(s, 3H), 6.93(s, 1H), 8.04(s, 1H),12.46(bs. 1H).LCMS: m/z = 269.0[M-H]-.
一般手順A1 - GP A1-アミド形成:
Figure 2022505645000058

アセトニトリル(0.2M)中の2-(6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(1.0当量)とアニリン(1.1当量)の懸濁液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.5当量)とテトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(1.2当量)を、窒素雰囲気下、室温で添加した。
反応混合物を室温で一晩撹拌した。
アセトニトリルを真空下で除去し、次いで反応物を水(100mL/mmol)に注いだ。
得られた沈殿物を濾別し、水[5×]で洗浄し、風乾し、高真空下で乾燥させて、それぞれのアミドを黄色粉末として得、これをさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
全ての物質を1H NMR分析によって確認した。
一般手順 B - GP B:
Figure 2022505645000059

n-ブタノール(2ml)中のクロロピリミジン誘導体(1.0当量)の懸濁液に、2-(ピペラジン-
1-イル)エタン-1-オール(5.0当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.4当量)を、窒素雰囲気下、室温で添加した。
チューブを密封し、マイクロ波条件(Biotage Initiator+)下、120℃で30分間照射した。
室温に冷却した後、反応混合物を水(200ml/mmol)に注ぎ、最低30分間撹拌した。
得られた沈殿物を濾別し、水[5×]で洗浄し、風乾して、それぞれの標的物を得た。
沈殿物が生じなかったか、又は10%未満であった場合、水層をDCM/IPA(2:1、3*)で抽出した。
合わせた有機層をNa2S04上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。
粗生成物又は純度が95%未満の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(Biotage cartridge,10 CV、80%DCM/3N NH3にわたって、MeOHで、DCM 100%1CV~80% DCM/3N NH3)。
95%未満の純度を有するいくつかの物質については、Et20中での粉砕を行い、特に断らない限り、>95%の純度が得られるまで、すべての物質を高真空下(必要であれば65℃まで)で乾燥させた。
全ての物質を、1H NMR及びLC-MS分析によって確認した。
化合物A8:
N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000060

工程1はGP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(750mg、2.77mmol)、2-クロロ-6-メチルアニリン(959mg、6.77mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(959mg、3.42mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.25g、9.70mmol)及びアセトニトリル(6.0mL、0.42 M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)チアゾール-5-カルボキサミド(480mg、1.22mmol)は黄色固体としてH2Oから沈殿させた後に得、次の工程でさらに精製することなく使用した。
工程2は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)チアゾール-5-カルボキサミド(250mg、0.634mmol)、2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(413mg、3.17mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(33mg、0.25mmol)及び1-ブタノール(2.0mL、0.3M)を用いてGP Bに従って行った。A8(図1A)
化合物B3:
N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5カルボキサミド
スキーム1:B3の合成
Figure 2022505645000061

工程1 :
2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(化合物IaB3):
無水TFA(200mL、0.27 M)中の4-クロロピリジン-3-アミン(7.00g、54.0mmol、1.0当量)の溶液に、窒素雰囲気下、室温でNBS(10.7g、60.1mmol、1.1当量)を加え、溶液を室温で18時間撹拌した。
溶媒を減圧下で除去し、残渣を2N NaOH(200mL)に溶解した。
水層をEtOAc(3*200mL)で抽出した。
合わせた有機層をNa2S04上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(340gのバイオテージカートリッジ、10 CV、2 CV 40% EtOAcにわたってcHex100%1CV~40% EtOAc)により精製し、ベージュ色の固体として2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(3.07g、14.8ミリモル、27%)を得た。IaB3
Rf = 0.82(cHex/EtOAc 1 : 1, UV 254 nm). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ 5.70(s, 2H), 7.35(d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.56(d, J = 5.0 Hz, 1H).
工程2:
4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミン(化合物IbB3):
10mLマイクロ波バイアル中に、2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(200mg、0.96mmol、1.0当量)、トリメチルボロキシン(141μL、1.01mmol、1.05当量)、K2CO3(466mg、3.37mmol、3.5当量)、及びPdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(79mg、0.096mmol、0.1当量)の混合物を、1,4-ジオキサン: H20(10: 1、3.3mL、0.28M)中排気し、3回窒素で逆充填し、アルミニウム/テフロン登録商標クリンプトップで密封した。
次いで、反応混合物を120℃で45分間照射した。
反応の完了後、バイアルを室温に冷却し、開封した。
反応混合物をEtOAcで希釈し、シリカ(2g)を加え、反応混合物を減圧下で濃縮した。
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(25g biotage cartridge 100% cHex 1CV~100% EtOAc(10 CV)、5 CV 100% EtOAc)により精製して、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミン(58mg、0.041mmol、42%)をバイオレット油として得た。IbB3.
Rf = 0.24(UV 254 nm, cHex/EtOAc 1 : 1). 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ 2.34(s, 3H), 5.28(s, 2H), 7.11(d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.61(d, J = 5.2 Hz, 1H).
工程3及び4:
N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物B3、図IB):
工程3は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミン(363mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルアミジニウム ヘキサフルオロリン酸(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)及びアセトニトリル(5.8mL、0.3M)を用いて実施した。N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(化合物IcB3)(326mg、0.825mmol)は、黄色固体としてH2Oから沈殿させた後に得られ、次の工程でさらに精製することなく使用した。IcB3
工程4は、N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(320mg、0.810mmol)、2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(527mg、4.05mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(42mg、0.32mmol)及び1-ブタノール(2.5mL、0.3M)を用いてGP Bに従って行った。B3(90mg,0.18mmol,2段階10%収率)が、EtOACで抽出、フラッシュ精製(10 CVでMeOH中100%DCM~85% DCM/3 N NH3)、そしてEt2Oで粉砕後に白色固体として得られた。
化合物C1:
N-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000062

工程1は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(266mg、0.982mmol)、2,4-ジメチルピリジン-3-アミン(120mg、0.982mmol、1.0当量)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(331mg、1.18mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(444mg、3.44mmol)及びアセトニトリル(5.0mL、0.2M)を用いてGP A1に従って行った。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(123mg、0.328mmol、33%)を、フラッシュ精製(10 CVで100%DCM~75% DCM/MeOH)後に黄色固体として得た。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(118mg、0.315mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(0.205g、1.57mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16mg、0.13mmol)及び1-ブタノール(2.5mL、0.1M)を用いてGP Bに従って工程2を実施した。フラッシュ精製(10 CVにわたって100%DCM~75% DCM/MeOH)後にベージュ色固体としてCl(図1C、133mg、0.284mmol、21%収率2段階)を得た。
純度(HPLC、254nm):90%(粉砕、第2シリカカラム又はRPカラムでは除去できなかった)。
化合物C2:
N-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3-メチルピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000063

工程1は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、3-メチルピリジン-2-アミン(275mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)及びアセトニトリル(5.8mL、0.3M)を用いてGP A1に従って実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3-メチルピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(326mg、0.903 mmolが、黄色固体として、EtOAcでの抽出後にえられ、次の工程で更なる精製なしでつかった。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3-メチルピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(510mg、1.41mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(920mg、7.07mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(73mg、0.57mmol)及び1-ブタノール(4.3mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を行った。C2(図1C、105mg、0.231mmol、2工程で8%収率)が、フラッシュ精製(10 CVでMeOH中の100%DCM~85% DCM/3NFb)後にわずかに灰色がかった白色固体として得られた。
化合物C3:
N-(4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000064

工程1は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(145mg、0.535mmol)、4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-アミン(100mg、0.535mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(180mg、0.642mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(242mg、1.87mmol)及びアセトニトリル(2.7mL、0.2M)、N-(4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(67mg、0.15mmol)を、黄色固体としてEtOAcで抽出した後に得、次の工程でさらに精製せずに使用した。
工程2は、N-(4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(65mg、0.15mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(96mg、0.74mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(7.6mg、0.059mmol)及び1-ブタノール(0.50mL、0.3M)を用いてGP Bに従って実施した。C3(図1C、68mg、0.13mmol、2工程で24%収率)が、フラッシュ精製(10 CVでMeOH中の100%DCM~85% DCM/3NFb)及びEt20中の粉砕後、わずかに黄色い固体として得られた。
化合物C4:
N-(3-クロロ-5-メチルピリジン-4-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000065

工程1は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、3-クロロ-5-メチルピリジン-4-アミン(363mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)及びアセトニトリル(5.8mL、0.3M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3-クロロ-5-メチルピリジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(113mg、純度約60%)が、黄色固体としてEtOAcで抽出した後に得、次の工程でさらなる精製なしで使用された。
工程2が、GP Bに従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3-クロロ-5-メチルピリジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(110mg、0.278mmol)、2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(181mg、1.39mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(14mg、0.11mmol)、及び1-ブタノール(0.84mL、0.3M)を用いて行った。C4(図1C、28mg、0.058mmol、2段階で12%収率、88%純度)を、フラッシュ精製(10 CVで100%DCM~80% DCM/MeOH)及びEt20中の粉砕後に黄色固体として得た。
化合物C5:
N-(3,5-ジメチルピリジン-4-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000066
工程1は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(500mg、1.85mmol)、3,5-ジメチルピリジン-4-アミン(271mg、2.22mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(622mg、2.22mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(836mg、6.46mmol)及びアセトニトリル(10mL、0.2M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3,5-ジメチルピリジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(273mg)が緑色固体としてH2Oから沈殿させた後得られ、次の工程でさらなる精製なしで使用された。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3,5-ジメチルピリジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(270mg、0.720mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(469mg、3.60mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(37mg、0.29mmol)及び1-ブタノール(2.5mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を行った。C5(図1C、110mg、0.235mmol、12%収率2段階)は、フラッシュ精製(10 CVにわたって100%DCM~80% DCM/MeOH)及びEt20中での粉砕後にわずかな黄色固体として得られた。
化合物C6:
2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-メチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000067

工程1は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、2-メチルピリジン-3-アミン(275mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)及びアセトニトリル(5.8mL、0.3M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-メチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(442mg、1.22mmol)が、黄色固体としてH2Oから沈殿させた後に得られ、次の工程でさらなる精製なしで使用された。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-メチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(440mg、1.41mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(920mg、7.07mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(73mg、0.57mmol)及び1-ブタノール(4.3mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を実施した。C6(図1C、355mg、0.781mmol、2工程で40%収率)が、H2Oからの沈殿後、オフホワイト(わずかに灰色がかった白色)固体としてえられた。
化合物C7:
N-(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
スキーム2:C7の合成
Figure 2022505645000068

工程1 :
tert-ブチル(4-メチルチオフェン-3-イル)カルバメート:
H2O(5.1mL)中のメチル-3-アミノ-4-メチルチオフェン-2-カルボキシレート(1.71g、10.0mmol)の溶液に、KOH溶液(45%、1.90mL、14.0mmol、1.4当量)を室温で加えた。
反応物を80℃で30分間撹拌し、その後室温に冷却した。
この溶液を、50℃で6M HCl溶液(5.50mL、33.0mmol、3.3当量)にゆっくりと添加した。
添加終了後、反応物を60℃で15分間撹拌した(ガス発生、透明な溶液が得られた)。
溶液を5℃(氷浴)に冷却し、ヘキサン(3.5mL)を加え、溶液を-10℃(アセトン、ドライアイス)に冷却した。
KOH (45%、3.70mL、27.0mmol、2.7当量)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(2.40mL、10.5mmol、1.05当量)の溶液を-10℃で添加した。
反応溶液を一晩撹拌し、ゆっくりと室温に温めた。
形成された懸濁液をEtOAc(3×15mL)で抽出した。
合わせた有機層をNaHCO3の飽和水溶液(1×25mL)で洗浄し、Na2S04上で乾燥し、濃縮し、濾過した。オレンジ色固体としてtert-ブチル(4-メチルチオフェン-3-イル)カルバメート(2.32g、定量収率)を得、さらに精製することなく使用した。
Rf = 0.68(cHex/EtOAc 9:1, UV 254 nm). 1H NMR (CDCl3, 400 MHz):δ 7.40(s, 1H), 6.86(dq, J = 3.3 Hz, J = 1.1 Hz, 1H), 6.36(s, 1H), 2.14(d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.53(s, 9H).
工程2:
tert-ブチル(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)カルバメート:
無水EtOAc(8mL)中の(4-メチル-チオフェン-3-イル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.07g、5.00mmol、1.0当量)の溶液に、N-クロロスクシンイミド(0.700g、5.25mmol、1.05当量)及びEtOH中の希塩酸溶液(1.25 N、200μL、0.05当量)を、窒素雰囲気下、室温で添加した。
5時間後、TLCは出発物質がまだ存在することを示した(cHex/EtOAc 9:1:わずかに多い極性スポット:0.76出発物質、製品:0.68、より長い反応時間はより良好な変換をもたらさなかった)。
反応を、1.0N水酸化ナトリウム(5.50mL、5.50mmol、1.1当量)及び亜硫酸水素ナトリウム(40%、0.05当量)の溶液の添加によって抑制した。
下の水層を廃棄した。
有機相を水(10mL)で洗浄した。
有機層をNa2S04上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。
粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(100g biotageカートリッジ、cHex 100% 1 CV、10 CVで15% EtOAc、5 CVで100% EtOAc)により精製して、橙色固体としてtert-ブチル(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)カルバメート(734mg、2.96mmol、59%)を得た。
Rf = 0.76(cHex/EtOAc 9:1, UV 254 nm).1H NMR (CDC3, 400 MHz): δ 6.71(s, 1H), 5.91(s, 1H), 2.13(d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.49(s, 9H).
工程3:
2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン塩酸塩:
無水ジオキサン(4.6mL)中のtert-ブチル(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)カルバメート(567mg、2.29mmol、1.0当量)の溶液に、窒素雰囲気下、室温で、HCl溶液(ジオキサン中4.0N、1.70mL、6.80mmol、3.0当量)を加えた。
反応混合物を室温で16時間撹拌した。
TLC (cHex/EtOAc 9:1、UV 254nm)は、依然として出発物質が存在することを示した。
HCl溶液(ジオキサン中4.0N、1.20mL、4.80mmol、2.1当量)及び懸濁液を室温で5時間撹拌した。
溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をEt20(5mL)中で5分間超音波処理し、室温で3時間撹拌しながら粉砕した。
2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン塩酸塩(360mg、1.89mmol、86%)が、濾過及び高真空下での乾燥後に灰色固体として得られた。
Rf = 0.00(cHex/EtOAc 9:1, UV 254 nm).1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ7.06(s, 1H), 5.54(s, 3H), 2.14(d, J = 1.2 Hz, 3H).
工程4は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(367mg、1.35mmol)、2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン塩酸塩(200mg、1.16mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(456mg、1.63mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(700mg、5.42mmol、4.0当量)及びアセトニトリル(6.9mL、0.3M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(462mg、1.15mmol、純度約70%)を、黄色固体としてEtOAcで抽出後得、次の工程でさらに精製することなく使用した。
工程5は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(230mg、0.575mmol)、2-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オール(374mg、2.87mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(30mg、0.23mmol)及び1-ブタノール(2.0mL、0.3M)を用いてGP Bに従って実施した。C7(図1C,92mg,0.19mmol,33%収率2工程で)が、フラッシュ精製(10 CVにわたって100%DCM~25% DCM/MeOH)及びEt2O中での粉砕後にオフホワイト固体として得た。
化合物C8:
2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000069

工程1は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、l,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-アミン(319mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジウムヘキサフルオロフォスフェート(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)、及びアセトニトリル(5.8mL,0.3M)を使用した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(l,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(177mg,0.468mmol)を黄色固体として沈殿後得、次の段階でそれ以上精製せずに用いた。
工程2は、GP Bに従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(l,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(175mg、0.463mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(301mg、2.32mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(24mg、0.19mmol)及び1-ブタノール(1.4mL、0.3M)を用いて行った。C8(図1C、142mg、0.301mmol、16%収率2段階で)は、フラッシュ精製(10 CV以上のMeOH中の100%DCM~85% DCM/3 N NH3 MeOH 10 CV中の85% DCM/3 N NH3)及びEt2Oで粉砕後オフホワイト固体として得た。
化合物C9:
N-(3,5-ジメチル-1,2-イソオキサゾリル)-3-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000070

工程1は、GP A1に従って、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(530mg、1.96mmol)、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-アミン(285mg、2.55mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(659mg、2.35mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(886mg、6.85mmol)及びアセトニトリル(5.8mL、0.3M)を用いて実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(525mg、1.44mmol)はH2Oから沈殿させた後、Et20で洗浄し、黄色固体を得、次の工程でさらに精製することなく使用した。。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(530mg、1.45mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(946mg、7.26mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(75mg、0.58mmol)及び1-ブタノール(4.4mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を行った。C9(図1C、280mg、0.611mmol、31%収率2段階で)は、フラッシュ精製(10 CV、75% DCM/MeOH 5 CV、100%DCM~75%DCM/MeOH)後、オフホワイト固体を得た。
化合物C10:
N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((2-メチル)-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000071

ステップ1-3は、B3のための手順に従って行った。
ステップ4は、N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(206mg、0.521mmol)、1-メチルピペラジン(261mg、2.61mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(27mg、0.21mmol)及び1-ブタノール(1.5mL、0.3M)を用いてGP Bに従って実施した。C10(図1C、50mg、0.11mmol、6%収率2ステップ)が、EtOAcで抽出、フラッシュ精製(10 CV以上でMeOH中100%DCM~80% DCM/3NFb)した後、白色固体を得た。
化合物Cll:
N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000072

ステップ1-3は、B3のための手順に従って行った。
ステップ4は、N-(4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド(200mg、0.506mmol)、2-アミノエタン-1-オール(155mg、2.30mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(26mg、0.20mmol)及び1-ブタノール(1.5mL、0.3M)を用いてGP Bに従って実施した。Cll(図1C、15mg、0.036mmol、2ステップで1%収率)は、EtOAcで抽出、フラッシュ精製(10 CVでMeOH中の100%DCM~80% DCM/3N NH3)及びDCM/MeOH(96/4)で粉砕し、灰色固体を得た。
化合物C12:
(R)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(キヌクリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000073

工程1は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(500mg、1.85mmol)、(R)-キヌクリジン-3-アミンジヒドロクロリド(441mg、2.22mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(622mg、2.22mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.31g、10.2mmol、5.5当量)及びアセトニトリル(10mL、0.2M)を用いてGP A1に従って実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(キヌクリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(250mg、0.491mmol)を、黄色固体としてH2Oから沈殿させた後に得、さらに精製せずに次の工程で使用した。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(キヌクリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(222mg、0.540mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(553mg、4.25mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(44mg、0.34mmol)及び1-ブタノール(2.5mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を行った。C12(図1C、30mg、0.063mmol、2工程で3%収率)は、分取TLC(DCM/MeOH 4: 1、Rf = 0.00、UV 254nm)後、白色固体として得た。
化合物C13:
N-(2-(エチル-4-メチルピリジン-3-イル)-2-((6-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボキサミド
Figure 2022505645000074

工程1は、2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)チアゾール-5-カルボン酸(170mg、0.628mmol)、2-エチル-4-メチルピリジン-3-アミン(103mg、0.754mmol)、テトラメチルクロロホルムアミジニウム ヘキサフルオロホスフェート(211mg、0.754mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(284mg、2.20mmol)及びアセトニトリル(5.0mL、0.1M)を用いてGP A1に従って実施した。2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-エチル-4-メチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(90mg、0.23 mmol)が、EtOAcで抽出後緑色固体として得、さらに精製せずに次の工程で使用した。。
2-((6-クロロ-2-メチルピリミジン-4-イル)アミノ)-N-(2-エチル-4-メチルピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボキサミド(87mg、0.22mmol)、2-(ピペラジン-l-イル)エタン-l-オール(150mg、1.10mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(12mg、0.089mmol)及び1-ブタノール(0.7mL、0.3M)を用いて、GP Bに従って工程2を実施した。C13(図1C、48mg、0.099mmol、2工程で16%収率)は、フラッシュ精製(10 CVにわたって100%DCM~75% DCM/MeOH)後、オフホワイト固体として得た。
化合物C1~C15、B3及び化合物A8(ダサチニブ)を、以下の表1Aに示すように特徴付けた。
表1A:キナーゼ阻害剤の合成。
化合物番号
Figure 2022505645000075
Figure 2022505645000076
化合物D1~D10
化合物D1~D10(図1D)は、適用可能なアミンが工程4(GP Al)で使用され、適用可能なピペラジニル誘導体が工程5(GP B)で使用されることを除いて、スキーム2を介して化合物C7と同様に製造される。
表Bから合成された化合物は、以下の表1Bに記載されるように特徴付けられた。
表1B:さらなるキナーゼ阻害剤の合成。
Figure 2022505645000077
* Bruker AV300 機械を使用して300MHzで決定。
オフダサチニブ(A8)の構造活性相関(SAR)に基づく本発明のさらなるキナーゼ阻害剤:
本発明のさらなるキナーゼ阻害剤を合成して、式(I)の(特に、R1a、Rlc、R7及びBにおける)さらに多様な置換のセットが、キナーゼ阻害剤である及び/又は細胞抗増殖活性を有する化合物を提供するものであることを例示する。
例えば、
(i)図8A(Lombardo et al 2004 J Med Chem 47:6658の表1)を参照することにより、式(I)の化合物は、図8Aに示されるように、R2、RI及びX(それぞれ)から独立して選択されるものに類似するR1a、Rlc及びBでの置換基をもって作製され;及び/又は
(ii)図8B(Das et al 2006 J Med Chem 49:6819の表4)を参照することにより、式(I)の化合物は、図8Bに示されるように、R1及びR(それぞれ)から独立して選択されるものに類似するB/R1a/Rlc及びR7での置換基をもって作製される。
実施例2:式(I)のキナーゼ阻害剤及びダサチニブによるSIK; Abl及びSrcキナーゼの阻害。
本発明者らは驚くべきことに、式(I)のキナーゼ阻害剤(例えば、C1~C12及びB3、ならびに表B、D1~D10の化合物)が、SIK、ABL1及び/又はSRCキナーゼを強力に阻害し(表3A及び表3A1)、多くの化合物が低一桁nM IC50でSRCを阻害し、低二桁nM IC50でSIK(esp SIK3及び/又はSIK2)及び/又はABL1を阻害することを実証する。
化合物C13を同様に試験する。
ダサチニブ、C7及びB3によるABL1の阻害に対するIC50は、それぞれ、約1.5nM、5.1nM及び1.6nMであり、SRCでのIC50は、それぞれ、ダサチニブ、C7及びB3で、1.5nM、1.5nM及び1.5nMである(表3A)。
化合物C12は、また、SRCの強力な阻害剤(<100nM IC50)であり、驚くべきことに、ABL1よりもSRCに対して選択的である。
簡単に述べると、放射測定プロテインキナーゼアッセイ(33PanQinase(登録商標)活性アッセイ)を、5つのプロテインキナーゼのキナーゼ活性を測定するために使用した。
全てのキナーゼアッセイを、PerkinElmer(Boston, MA, USA)からの96ウェルF1ashP1atesTMにおいて、50μLの反応容量で行った。
反応カクテルを以下の順序で4段階でピペットで移した:
- アッセイ緩衝液(標準緩衝液/[γ-33P]-ATP)の25μL
- ATP溶液(水中)の10μL
- 試験化合物の5μL(10% DMSO中)
- 20μL酵素/基質混合物
全てのタンパク質キナーゼについてのアッセイは、70mM HEPES-NaOH pH7.5、3mM MgCl2、3mM MnCl2、3μM Na-オルトバナジン酸塩、1.2mM DTT、ATP(それぞれのキナーゼの見かけのATP-Kmに対応する可変濃度、表2A参照)、[γ-33P]-ATP(ウェルあたり約8×105 cpm)、タンパク質キナーゼ(可変量、表2A参照)、及び基質(可変量、表2A参照)を含有した。
ウェル当たり以下の量の酵素及び適用可能な基質を使用した:
表2A:試験したプロテインキナーゼのアッセイパラメータ。
* 最大モル酵素アッセイ濃度活性酵素100%のみを含む酵素製剤を意味する
Figure 2022505645000078
反応カクテルを30℃で60分間インキュベートした。
反応を50μLの2%(v/v)H3P04で停止させ、プレートを吸引し、200μLの0.9%(w/v)NaClで2回洗浄した。
33Piの取り込みを、マイクロプレートシンチレーションカウンター(Microbeta, Wal1ac)を用いて決定した。
全てのアッセイは、BeckmanCoulter/SAGIAN(商標)Core Systemを用いて行った。
実施例3:式(I)のキナーゼ阻害剤の改善されたキナーゼ選択性。
しかしながら、さらに驚くべきことに、本発明者らは、式(I)のキナーゼ阻害剤(例、C1~C2及びB3、ならびに表B、D1~D10の化合物)が、キナーゼ阻害剤であるダサチニブよりも選択的(特に、SRC選択的)タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例、ABL1及び特にSRCキナーゼの阻害に有利)であると思われることを見出した。
化合物C13を同様に試験する。
特に、これらのキナーゼ阻害薬の多くはSIKファミリーキナーゼ(SIK1、SIK2及びSIK3)のそれぞれ(又は1若しくは複数)を阻害し、一部はサブマイクロモル濃度でも阻害したが、これらのタンパク質セリン/トレオニンキナーゼに対する阻害作用はダサチニブより弱かった(表3A及び表3A1)。
特に、例として、化合物C3、C8、及びC12は、ダサチニブよりも、少なくともSIK1、SIK2、及びSIK3の有意に活性の低い阻害剤であるが、SRC及びABL1の両方、特にSRCの強力な阻害剤である(IC50:<2nM、<25nM、及び<100nM、それぞれ)。

表3A:式(I)のキナーゼ阻害剤の生物学的活性
表3A1:式(I)のさらなるキナーゼ阻害剤の生物学的活性。
Figure 2022505645000079
タンパク質セリン/スレオニンキナーゼ(SIK1、SIK2及びSIK3)のSIKファミリーに対する化合物のIC50sは、実施例2(特に、表2Aを参照のこと)に記載されているように決定され、図2(AからE)に示すB3及びA8、ならびに図2(FからJ)に示すC3及びC12についての阻害曲線を有する。例えば(図2FからJ)、化合物C3及びC12は、SRC(IC50s: <2nM及び<100nM、それぞれ)に対する潜在的抑制活性を保持するが、ダサチニブ(図2AからE、右列を参照のこと)と比較すると、ABL1に対する活性抑制剤は有意に少なく、特にSIK1、SIK2及びSIK3に対して活性が低い。
さらに、320個の野生型タンパク質の多様なセット(ProQinase "Kinase Profiler"; ProQinase, Freiburg, Germany)に対して単一点(lμM)阻害アッセイを(二連で)行い、式(I)の化合物が、ダサチニブよりも選択的であることを示した(図3及び4、表3AA)。
式(I)の他の化合物も同様に試験される(例えば、化合物D1~D10の1若しくは複数)。
実際、全体的に(及び式(I)の化合物の一例について)キナーゼ阻害剤B3は、ダサチニブ(A8)よりも数値的に選択性が高く、B3はダサチニブについての0.188と比較して0.163の選択性スコアを有する。
Karamanら(2008; Nat Biotech 26: 127)によれば、選択性スコアは特定のプロジェクトの全ての試験されたキナーゼに関して、所定の程度(例えば、50%を超える)を超えて阻害されるキナーゼの部分を示す化合物濃度依存性パラメーターである。
表3AA:式(I)の化合物及びダサチニブ(A8)についての320キナーゼに関する選択性スコア。
* TK:チロシンキナーゼ、TKL:チロシンキナーゼ様、CAMK:カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ。
Figure 2022505645000080
試験した濃度での化合物の選択性スコアを、<50%の残留活性、すなわち>50%の阻害について計算した。
特定の濃度での特定の化合物についての選択性スコアを、以下の式を使用することによって計算した:
選択性スコア=(データ点数<50%)/(データ点数の全数)
実際、式(I)の実質的に全ての試験化合物は、ダサチニブよりも有意に増強された選択的スコアを示した(すなわち、それらは、50%を超えてより少ない数のキナーゼを阻害した)。
この選択性は、すべての320キナーゼにわたってだけでなく、キナーゼファミリー特異的選択スコアによっても示され;例えば、式(I)の実質的にすべての試験化合物は、ダサチニブよりもキナーゼのタンパク質-チロシン及びタンパク質-チロシン様ファミリー内でさえも選択的であり、すべて(C7を含む)は、ダサチニブよりもキナーゼのCAMKファミリーに対してより選択的であった。
実際、化合物C9は、いずれのCAMKキナーゼ(SIK1、SIK2又はSIK3でも)も50%以上阻害しないことが示された。
さらなる例として、式(I)の1つの特定のキナーゼ阻害剤、化合物B3、特に少数の例外(例、FLT3、1μMの化合物B3での処理後にわずか32%の残留活性を示すが、その活性の80%以上が両方の化合物によって同等に阻害されるABL1及びSRCなどのキナーゼとは異なり、1μMダサチニブでの処理時に残存する)を除いて、式(I)のこのキナーゼ阻害剤は、試験されたこれらのキナーゼのほとんどのより強力な阻害剤であった(図3及び4)。
例えば、WNK2は、B3によって阻害されず(1μM B3での残存活性は100%)、WNK2活性の62%のみが1μMダサチニブによる治療後に残存する;同様に、JAK1は、1μM B3によって阻害されないが、1μMダサチニブによる治療後に残存する活性はわずか41%である;1μM B3による治療後にはRET活性のほぼ100%が残存するが、1μMダサチニブによる治療後に残存する活性は40%未満である。
また、セリン/トレオニンキナーゼMAP4K5を1μMダサチニブで処理すると、残存活性はわずか3%であるが、1μM B3で処理すると28%の残存活性を示す。
実際、多くのキナーゼは1μMダサチニブによる阻害後に残存活性が20%未満であるが、1μM B3で阻害した場合にはその活性のほぼ50%を保持している。
例えば、B-RAFは、1μM B3で阻害された場合、ほぼ50%の活性を保持するが、1μMダサチニブで阻害された場合、15%のみを保持する。
式(I)のキナーゼ阻害剤は、ダサチニブによって阻害される多くの他のキナーゼ及びキナーゼファミリーメンバーに異なる阻害を示す;それは、例えば、特に、式(I)のキナーゼ阻害剤である化合物B3(表3B)によるEphA/Bサブファミリーの特定のメンバー及びKITへの阻害を示す。
表3B:式(I)の化合物とダサチニブ(A8)の間で異なる阻害を示すある種のキナーゼ/キナーゼサブファミリー。
* TK:チロシンキナーゼ; STE:酵母Sterile7、Sterile11、Sterile20キナーゼの相同体
Figure 2022505645000081
全体として、1μMダサチニブは、これらのキナーゼのうち23種類を1%未満又は残存活性まで阻害し、一方、1μM B3は、13種類のキナーゼを1%未満の残存活性まで阻害する。
同様に、残存活性の閾値が5%未満であれば、ダサチニブは、38種類のキナーゼを阻害し、1μM B3は、30種類のキナーゼを阻害し、残存活性の閾値が10%未満であれば、ダサチニブは、43種類のキナーゼを阻害し、1μM B3は、34種類のキナーゼを阻害する。
表3Cは、一方の化合物で処理した場合に50%を超える活性を保持し、他方の化合物で処理した場合に50%以下の残留活性を示すキナーゼを示す。
化合物A8(ダサチニブ)は、9つのキナーゼを50%を超えて阻害する。このようなキナーゼは、式(I)のキナーゼ阻害剤である化合物B3で処理した場合には、それらの活性の50%を超えて保持する。
対照的に、試験したすべてのキナーゼのうち、式(I)(B3)のキナーゼ阻害剤は、ダサチニブによっても50%以上阻害されなかった1種類のキナーゼ(FLT3)のみを50%以上阻害した。
表3C:式(I)の化合物であるB3とダサチニブ(A8)との間で示差的阻害(50%の残留活性)を示すキナーゼ。
* TK:チロシンキナーゼ; STE:酵母Sterile7、Sterile11、Sterile20キナーゼの相同体
; TKL:チロシンキナーゼ様; CMGC:CDK、MAPK、GSK3及びCLKファミリーを含む。
Figure 2022505645000082
実際、ダサチニブ(A8)と比較して、式(I)のキナーゼ阻害剤(例えば、C2、C4、C7、C8、及びC9、ならびにB3)は、IC50を決定するために生化学アッセイで試験した場合(表3D)、上記キナーゼの1若しくは複数に対する示差的生物学的阻害活性を示すことが確認され、対応するIC50曲線を図5A~Dに示す(式(I)の他の化合物を同様に試験する)。
実際、化合物B3及びA8は、両方とも(また)キナーゼLCK及びKITの強力な阻害剤であるが、ダサチニブ(A8)とは対照的に、化合物B3はSYKよりもはるかに強力にFLT3を阻害する(B3についてはそれぞれIC50s 6.9μM及び26.0μM;A8についてはそれぞれ25.7μM及び4.8μM)。
したがって、B3(式(I)のキナーゼ阻害剤)は、一般にキナーゼ阻害剤A8(ダサチニブ)よりも選択性が高いが、B3は、化合物A8よりも強力にFLT3を阻害することが示されている(そして、FLT3を表す図4Aの単一の外れ点によって反映される)。
表3D:さらなるキナーゼに対して試験したダサチニブ(A8)と比較した式(I)の化合物の生物学的活性
Figure 2022505645000083
これらのキナーゼに対する各化合物のIC50を、以下の量の酵素及び適用可能な基質をウェルあたり使用したことを除いて、上記実施例2に記載のIC50アッセイと同様に試験した(表3E):
表3E:追加で試験したプロテインキナーゼのアッセイパラメータ。
* 最大モル酵素アッセイ濃度、100%活性酵素のみを含む酵素製剤を意味する
Figure 2022505645000084
実際、本発明の1つの好ましい化合物(C7)は、キナーゼ阻害のさらに他のプロファイルを有し(図3)、化合物A8及び化合物B3の両方と異なるプロファイルを示した。
図9は、320個の野生型タンパク質キナーゼ(上記のようなプロキナーゼ「キナーゼプロフィラー」)の多様なセットの残留活性%(二連のlμM単一点阻害アッセイの平均)の散布プロットを示し、化合物C7の残留活性%を各Y軸に示し、化合物A8及びB3の残留活性%をそれぞれ図9A及び9BのX軸に示す。
驚くべきことに、化合物C7は、例えば、図9A及び9Bに特定された破線群に含まれるキナーゼについて、化合物A8(ダサチニブ)及びB3(それぞれ、表3F.1及び3F.2)の両方よりも、多くのキナーゼを阻害することにおいて有意に強力であった。
さらに、化合物C7は、FLT3を阻害する際のC7の相対的不活性によって化合物B3と著しく異なっていた(B3の32%残留活性と比較して、C7の60%残留活性)。
表3F.1:化合物C7とダサチニブ(A8)の間で異なる阻害を示すある種のキナーゼ/キナーゼサブファミリー
Figure 2022505645000085
表3F.2:化合物C7と化合物B3の間で異なる阻害を示すある種のキナーゼ/キナーゼサブファミリー。
Figure 2022505645000086
実際、以下のキナーゼについての化合物A8及びB3の両方と比較した、化合物C7によって示される阻害の差次的パターンが特に重要である(表3G)。
化合物C7は、表3Gに列挙される多数の重要なキナーゼ、特にTKL(例、ACVファミリーのキナーゼ、RAF1及びBRAF及びTBFB-R1)、ならびにCMGCキナーゼp38-α及びβに対して、先行技術の化合物A8(ダサチニブ)よりも驚くほど強力であることが実証される。
さらに、化合物C7(式(I)の化合物)は、化合物B3(また、式(I)の化合物)よりも、このようなキナーゼに対する阻害剤として有意に強力である。
特に注目すべきは、化合物C7が、NEK11の非常に強力な阻害剤(10%の残留活性のみ)であるが、そのようなキナーゼは、ダサチニブによって中程度にしか阻害されず(50%を超える残留活性)、化合物B3によっては、ほとんど阻害されない(ほぼ90%の残留活性)ことである。
表3G:ダサチニブ(A8)及び化合物B3と比較した、化合物C7によって示される阻害の異なるパターン
Figure 2022505645000087
IC50試験は、これらの(又は他の)差異の1若しくは複数を反映し、そして化合物A8(ダサチニブ)[及び/又は化合物B3]と比較して、式(I)の化合物C7が、多数の上記キナーゼに対する阻害活性の差次的プロファイルを示すことを確認する。
例えば、キナーゼTGFB-R1に対する化合物C7のIC50は、C7については約490nMであり、A8については880nMであると決定された(International Centre For Kinase Profiling, Dundee)。
実施例4:式(I)のキナーゼ阻害剤及びダサチニブによるABL1キナーゼ突然変異体の阻害。
本発明者らは、式(I)のキナーゼ阻害薬(例、C3、C4及びC7、及びB3)も、臨床的に重要なABL1変異体、例、CLLに対する標準治療であるイマチニブに対するCLL抵抗性と関連するABL1変異体を阻害することができることを実証した(表4A)。
例えば、式(I)の阻害剤は、イマチニブよりもABL1野生型(wt)のより強力な阻害剤であるだけでなく(2.60μM対1,060 nM)、それらはまた、ABLのすべてのこれらの関連する突然変異体(T315I以外)の強力な阻害剤であり、A8に匹敵するIC50を示す。
式(I)の他の化合物も同様に試験する。
表4A: ABL1キナーゼ突然変異体の阻害
Figure 2022505645000088
簡単に述べると、[γ-33P]-ATP活性が、ウェル当たり約7×105 cpmであり、ABL1キナーゼの各形態の量及び基質が表4Bに示されるとおりであったことを除いて、実施例1に記載のABL1放射性プロテインキナーゼアッセイを行った。
表4B:ABL1突然変異体プロテインキナーゼのアッセイパラメータ。
* 最大モル酵素アッセイ濃度、100%活性酵素のみを含む酵素製剤を意味する
Figure 2022505645000089
実施例5.1:式(I)のキナーゼ阻害剤の改善されたADMET特性。
本発明者らは、式(I)のキナーゼ阻害剤(例えば、C2、C4、C8、C9及びC12、ならびにB3)が驚くべきことに、溶解度、安定性、血漿タンパク質結合、CYP450阻害及びhERG阻害アッセイを含む、いくつかのインビトロADMET(吸収、分布、代謝、排泄、毒性)アッセイにおいて改善された薬物様特性を示すことを実証した(表5A、5B、5C、及び5D)。
式(I)の他の化合物も同様に試験する
経口投与された薬物について、ダサチニブは、5μM未満の測定された速度論的溶解度を有する難溶性化合物である。しかしながら、キナーゼ阻害剤B3は、82μMの有意に改善された溶解度を示す。
別々の実験において、式(I)の化合物C2、C4、C7、C8、C9及びC12を同様に試験し、すべて(C7を除く)は128~195μM(化合物C12について)でさえ、さらに増強された動的溶解度を示した。
さらに、上記のように、ダサチニブは、ヒトにおいて極めて短い半減期を有する(わずか3~5時間の総平均終末半減期;SPRYCELの完全処方情報の12.3節「薬物動態」)。
これは、ヒト(h)及びマウス(m)生ミクロソーム(LM)安定性アッセイで試験した場合に、非常に短い半減期を示すことに反映される。
対照的に、キナーゼ阻害剤B3は、hLMアッセイ及びmLMアッセイの両方において有意に改善された安定性を示し、40分のインキュベーション後に有意に改善された半減期、固有クリアランス及び化合物の%が残存し、hLMアッセイにおいてダサチニブよりも40分でほぼ6倍長い半減期及び10倍多い薬物が残存する。
別の実験では、化合物C2、C4、C7、C8、C9、及びC12が同様に試験され、すべて(C7を除く)がヒト及びマウスの肝ミクロソームの両方において改善された安定性を示し、化合物C8、C9、及びC12は、100分以上の半減期を有する。
ダサチニブ及び式(I)(例、C2、C4、C8及びC9、B3)のキナーゼ阻害薬は、いずれも、式(I)のキナーゼ阻害薬のある種(例、C2、C8及びC9、B3)とヒト及びマウスの血漿タンパクの両方で、中程度に結合することが示され、ヒト血漿中の遊離型薬物の量(すなわち、血漿タンパクに結合しておらず、薬理活性に利用できる可能性がある)は非結合型ダサチニブの量よりも顕著に増加(最大で2~5倍)した。
実際、式(I)の特定の化合物は、非常に低い血漿-タンパク質結合を示した:化合物C12がヒト血漿及びマウス血漿の両方において90%を超えて未結合のままであった。
従って、式(I)のキナーゼインヒビターは、いくつかの場合(例えば、C2、C8、C9及びC12、ならびにB3)、これらのインビトロADMETパラメーターについて、ダサチニブよりも非常に改善された薬物様特性を示す(表5A)。
式(I)の他の化合物、例えば、化合物D1~D10の1若しくは複数を同様に検討する。
表5A:式(I)のものを含むキナーゼ阻害剤の改善された溶解性及び安定性。
Figure 2022505645000090
溶解度及び安定性試験は、Charles River Inc.の英国Discoveryサイト(Cambridge, UK)において、それらの適用可能な標準操作手順(溶解度についてはADME-SOP-01;ミクロソーム安定性についてはAMDE-SOP-100;血漿タンパク質結合についてはAMDE-SOP-90)に従って、Charles River Inc.によって行われた。
ダサチニブは、その代謝に関与するものである、特定のある種のチトクロームP450(CYP450)酵素を阻害することが知られている。
実際、ダサチニブは、ヒトにおいて主にチトクロームP450酵素3A4(CYP3A4)により代謝されるが、それは、時間依存的なCYP3A4の阻害剤でもある。
実際、患者が、強力なCYP3A4阻害剤(前述参照)を併用している場合は、ダサチニブの用量を有意に減量しなければならない(例、100mg/日から20mg/日へ)。
しかし、キナーゼ阻害剤B3は、試験したいずれのCYP450酵素も有意に阻害しないことが示され、重要なことに、B3は、ダサチニブによっても阻害されることが知られているCYP3A4又はCYP2C8の阻害剤ではなかった(表5B)。
式(I)の他のキナーゼインヒビター(例えば、Cl~C13、及び/又はD1~D10の1若しくは複数)を、CYP450阻害について同じ、類似又は相同なアッセイで試験する。
表5B:キナーゼ阻害剤B3は、CYP450酵素2C8及び3A4を阻害しない。
* NDA 21-986 Pre-clinical Review for SPRYCEL(ダサチニブ)、P.33より得られた値
Figure 2022505645000091
CYP450阻害アッセイ(A8についてではない)は、Charles River Inc.によって、それらの適用可能な標準操作手順(ADME-SOP-97)に従って、それらのUK Discoveryサイト(Cambridge, UK)で行った。ダサチニブのCYP450阻害値は、SPRYCEL(ダサチニブ)に関するNDA 21-986の前臨床レビューの33ページから引用する。
ダサチニブ(SPRYCELの完全な処方情報)の1つ「警告及び使用上の注意」は、心室再分極(QT間隔)を延長させる可能性があることである。
実際、以下のことが報告されている。臨床試験におけるCML患者の最大1%でQT延長が認められ、心臓の副作用はダサチニブ投与患者258例の5.8%で報告されており、その内訳は心筋症、うっ血性心不全、拡張機能不全、致死性心筋梗塞、左室機能不全患者の1.6%であった。
ダサチニブの潜在的な心臓リスクは、NDA(新薬承認)プロセスの間に既に認識されており、その3ページに要約されたNDA21-986の薬理/毒性審査及び評価:「インビトロ・hERG及びラブビット・パーキンジェファイバー・アッセイに基づくと、ダサチニブはQTの長期化を引き起こす可能性がある」と、ダサチニブは31ページに報告されており、3、10及び3μMでそれぞれ約6%、36%及び77%のhERG現象を阻害し、14.3μMの計算IC50を報告した。
対照的に、表5Cに示すように、キナーゼ阻害剤B3は、本質的にhERG依存性を示さず、試験した最高濃度(30μM)以上のIC50値を生じ、30μMでは、hERGを7.7%(+/-1.0%)だけ阻害したのに対し、ダサチニブ30μM群ではhERGが、76.8%(+/4.5%)抑制された。
式(I)の他のキナーゼ阻害剤(例えば、Cl~C13、及び/又はD1~D10の1若しくは複数)を、hERG阻害について同じ、類似又は類似のアッセイで試験した。
表5C:キナーゼ阻害剤B3は、hERFGを阻害しない。
* SPRYCELのNDA 21-986 薬理/毒性審査及び評価のP. 31から得られた値
Figure 2022505645000092
hERG阻害アッセイ(A8についてではない)を、Charles River Inc、のUK Discovery site(Cambridge, UK)で行った。
簡潔には、hERGカリウムチャネルを阻害する試験化合物の可能性を、Sophion Qube自動電気生理学プラットフォーム上のCharles River test(登録商標)hERG-HEK安定トランスフェクト細胞株を使用して決定した。
アッセイを室温で行い、個々の細胞からのhERGテール電流の記録を、シングルホールQChipを用いて行った。
細胞を-80 mVの電圧に保持し、次いで+40mVに2秒間ステップした後、-40 mVにさらに2秒間ステップし、これは1回の実験掃引(sweep)を表す。
この電圧プロトコルは、実験の間中、15秒ごとに適用された。
ビヒクル及び第2の化合物添加ピリオドの両方を20回の掃引に適用した。
第1の化合物添加ピリオドを10回の掃引に適用した。
hERGチャネルを阻害する試験化合物の効力(IC50)を、1濃度当たり4回までの反復で、8個までの試験化合物濃度によって生成された濃縮応答曲線から決定した。
化合物濃度を試験ウェルに2回添加して、外部緩衝液と試験化合物との完全な交換を確実にした。
合計で、化合物を450秒間ウェルに適用した。
使用した品質制御フィルターは、全細胞膜抵抗>200MOhm、及びビヒクル電流振幅>400pAであった。
-40mVまでの工程によって誘発されたピークテール電流を、試験化合物による阻害パーセンテージの分析のために測定した。
ピークテール電流を、最初に、同じウェル中のビヒクル添加(0.3% DMSO)に対して正規化した。
阻害パーセント対LoglO化合物濃度データをプロットし、S字形用量応答式を用いてIC50を決定した。
ダサチニブのhERG阻害値は、「SPRYCEL(ダサチニブ)のためのNDA 21-986の薬理学的/毒性審査及び評価」の31ページから引用する。
MDR1-MDCK有効排出比を測定するアッセイから、ダサチニブはMDR1ポンプの基質であり、この排出ポンプを発現する細胞から能動的に排出されることが示唆された(有効排出比18.3)。
MDCK-MDR1細胞におけるA>B方向の化合物の検出限界のために、式(I)の化合物(>9.6の有効流出比)のB3の相対流出について決定的な結論を下すことはできないが、キナーゼ阻害剤B3がダサチニブと比較してこのアッセイにおいて有意に異なるパラメーターを示すことが示される(表5D)。
式(I)の他のキナーゼインヒビター(例えば、Cl~C13、及び/又はD1~D10の1若しくは複数)を、MDR1-MDCK有効流出比について同じ、類似又は相同のアッセイで試験する。
表5D:MDCK野生型及びMDC-MDR1細胞での平均流出率
Figure 2022505645000093
MDR1-MDCK有効流出アッセイは、それらの適用可能な標準操作手順(ADME-SOP-56)に従って、Charles River Inc, UK Discovery site(Cambridge, UK)によって、彼らのUK Discovery siteにおいて行った。
実施例5.2:本明細書に開示されるキナーゼ阻害剤の薬物動態及び耐容性試験。
本発明者らは、化合物C7(式Iの化合物)が、ダサチニブ又は化合物B3(また式Iの化合物)と比較して、より好ましくないインビトロADMET特性を示したが、インビボで試験した場合、化合物C7は、化合物B3と比較して、実質的に改善された薬物動態特性(及びダサチニブを参照した適切な薬物動態プロファイル)を示したことを観察したことに驚いた。
例えば、表5A(実施例5.1)は、化合物C7が、ヒト又はマウスの肝臓ミクロソームを用いてin vitroで試験した場合、代謝安定性が減少し、それぞれの場合において、ダサチニブ(及び化合物B3)と比較して、ヒト及びマウスの血漿タンパク質への結合がより高いことを示す。
しかし、インビボで試験した場合、化合物C7は、構造的に関連する化合物B3よりも有意に改善された薬物代謝及び薬物動態(DMPK)特性を示した(表5.2A)。
本発明者らは、また、化合物C7の適切な薬物動態特性が、ダサチニブ(A8)と比較してなお明確であり、これがダサチニブを使用する可能性と比較してこの活性化合物C7を投与する新たな可能性を提供することを観察したことに驚いた。
例えば、経口投与後、化合物C7は、ダサチニブと同様の半減期及びバイオアベイラビリティを示したが、ダサチニブのより高いクリアランス及びAUCの約1/3を示した(表5.2A)。
投与方法は、特に、他の治療薬との組み合わせ(その順序及びタイミング)において、多くの重要かつ成功した抗癌治療の基礎を形成することが周知である。
したがって、C7のような化合物をえることは、これはダサチニブと類似したキナーゼ活性を有するが、異なる薬物動態プロファイルを有する化合物であることにより、癌の治療のための新しい、及び(潜在的に)治療的に有効な治療レジメンの設計、研究及び(臨床的)試験が可能となる。
特に、最近、ダサチニブがCAR T細胞のための薬理学的オン/オフスイッチとして作用し得ることが示された(Mestermann et al 2019, Sci Transl Med 11: eau5907)。
CAR T細胞は、シングルショットの「リビング薬」治療として投与される。
これらは患者において数年間持続し、抗原への(再)ばく露の際にインビボで連続的な拡大expansion、収縮、及び再拡大re-expansionを受けることができ、その結果、CAR T細胞療法は高度に専門化された癌センターの患者に医学的に適合するために臨床利用を制限する、実質的な急性及び慢性の副作用と関連している。
CAR T細胞療法に伴う最も一般的な急性毒性はサイトカイン放出症候群(CRS)であり、これはCAR T細胞からの炎症性サイトカインの放出、続いて重要なCRSサイトカインであるインターロイキン6(IL-6)を産生する自然免疫細胞からの放出によって誘発される。
Mestermannは、in vitro及びin vivoにおいて、ダサチニブによる治療が細胞溶解活性、サイトカイン産生、CAR T細胞の増殖を停止させることを示した。
ダサチニブの用量は、CAR T細胞機能の部分的又は完全な阻害を達成するために漸増可能であった。
ダサチニブの投与中止により、抑制効果は速やかかつ完全に回復し、CAR T細胞は抗腫瘍機能を再開した。
類似した阻害プロファイルを有するが、ダサチニブに対する異なる薬力学的特性を有するキナーゼ阻害剤として、化合物C7を利用して、リアルタイムで、かつダサチニブの場合とは異なるタイミングで「機能オン-オフ-オン」順におけるCAR T細胞の活性を制御することができる。さらなる(前及び臨床)試験により、化合物C7のどの用量がこのようなCAR T細胞の「機能スイッチ」効果に有効であるかが決定されるのであろう。そして、この用量は実施例8によって示されるような単独療法セットにおける腫瘍増殖抑制(及び免疫応答の関連修飾)のためのC7に必要な用量よりも非常に異なる(例えば、低い)ことができる。
表5.2A:ダサチニブ及びB3と比較した化合物C7のDMPK特性。

Figure 2022505645000094
雄CD1マウス(Charles River Inc, UK Discovery site)において、強制飼養投与当たりの各化合物の単回投与後に、C7、B3及びA8の薬物動態特性を調査した。
化合物をプロピレングリコール:水=1 : 1混合物(v:v)中に希釈した。
C7、A8及びB3の血漿レベル(薬物投与後サンプリング:0.25h; 0.5h; 1h; l.5h; 2h; 4h; 7h; 24h)をLC‐MS/MSにより分析し、薬物動力学パラメータをノン-コンパートメント分析及び名目用量レベル30mg/kgを用いて測定した。
1時点あたり3匹の動物を分析し、各マウスを合計3回の血漿サンプリングに使用した。
本発明の他のキナーゼ阻害剤(例えば、表B、D1~D10からのもの)のDMPK特性を同様に試験し、C7、A8(ダサチニブ)及びB3のものと比較することができる。
例えば、30mg/kg経口(経口あたり)投与マウスの投与後の化合物の遊離濃度を、投与後の特定の時点について決定することができる(表5.2B)。
表5.2B:ダサチニブ及びB3と比較した式(I)のある種のキナーゼ阻害剤のスクリーニングPK特性。
ND = 決定不能
Figure 2022505645000095
C7化合物の最大耐量(MTD)を、雌C57BI/6マウスに、異なる濃度(33及び100mg/kg)のC7を1日1回(QD)又は1日2回(BID)強制飼養投与により、7日間連続して検討した。
化合物C7を、4%(v/v)DMSO、72%(v/v)プロピレングリコール+24%(v/v)dd水で希釈した。
化合物C7は、雌C57BL/6動物で7日間、100mg/kg BIDまで耐容性を示した。
化合物C7は安全であり、不耐容の徴候(姿勢、発声、扱いやすさ、流涙、色素性涙漏出、流涎、無傷の被毛/被毛、飼育、覚醒、立毛、正常な運動運動、尾のつまみ、下痢)を示さなかった。
2日目の血漿試料採取によって引き起こされた、非処置対照動物と比較して、すべての投与群で体重のわずかな減少が観察され(図10A及びB)、C7の血漿レベルをLC-MS/MSによって測定し、血漿濃度の用量依存的増加を示した(図10C)。
実施例6:キナーゼ阻害剤のインビトロ細胞ベースの抗癌及び抗白血病有効性。
式(I)のキナーゼインヒビター(例えば、Cl~C13、又はB3、及び/又はD1~D10のうちの1若しくは複数)を、1若しくは複数の細胞ベースのアッセイによって抗癌活性を試験し、このようなアッセイにおける各活性を、ダサチニブ(A8)と比較して、その差異及び/又は優位性を決定する。
1つの方法において、このような化合物の1若しくは複数の直接的な細胞毒性効果は、CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)発光細胞生存能アッセイ(Promega, Cat. G7570)を用いてインビトロで固形腫瘍細胞株に対して試験される。
MDA-MB-231(乳癌)、M579原発黒色腫培養物(Khandelwal et a I, 2015, EMBO Mol Med 7:540に記載)、PANC-1(膵臓癌)、SW480(結腸直腸癌)、DMS273(肺癌)又はB16.ova、MC38、4T1、1956などのマウス腫瘍細胞株を、ダサチニブ(A8)又は式(I)のキナーゼ阻害剤(例、C2、C8、C9又はC12、B3、及び/又はD1~D10の1若しくは複数)とマイクロタイタープレートのウェル中で48時間インキュベート(37℃/5% CO2)する(例、0、1、10、100、1,000、1万nM)。
タンパク質-チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)感受性K562細胞株を、100nMダサチニブを用いて対照として使用する。
生存細胞は、CTG試薬の100μLをウェルに添加し、10分間室温でインキュベートしてから、Tecan Spark 10Mルミノメーターを用いてルミネセンス準備を行うことにより決定される。
実際、化合物C7は、多数の血液癌及び細胞株(Oncolead, Karlsfeld Germany)を代表する細胞パネルを網羅してその抗癌活性について試験され、多数のそのような細胞株の増殖を阻害することが見出された;約5のそのような細胞株でサブ-ナノモルのGI50活性及び約10のそのような細胞株で10nM未満のGI50活性を示す。
例えば、96時間後、化合物C7は、WSU-NKL B細胞リンパ腫細胞株の増殖において約8nMのGI50を示し(図15A)、DIHH-2 B細胞リンパ腫細胞株の増殖において約9nMのGI50を示した(図15B)。
式(I)の他のキナーゼ阻害剤(例えば、Cl~C13、又はB3、及び/又はD1~D10のうちの1若しくは複数)も同様に研究された。
さらなる又は代替の方法において、1若しくは複数のこのような化合物の抗白血病活性が、特に、BCR-ABL又はその変異体によって導かれる1若しくは複数の細胞株において試験される(例えば、Gibbonsら、2014、PNAS 111 :3550によって記載される)。
野生型(wt)及びT315I突然変異体Bcr-Abl(eGFPでC-末端タグ付けされた)のための遺伝子構築物は、以前に記載されたように構築される(Donato et al 2004, Cancer Res 64:672)。
wt又はT351I単一突然変異体pMX/eGFP-Bcr-Ablテンプレートは、白血病の種々TKI(例えば、T315I/V299L、T315I/F317L、T315I/F359V、又は表6Aに記載されている他のミューテーション)に対する薬物治療への抵抗性にも関連するBCR-ABLのさらなる又は二重突然変異体のためのテンプレートを生成するために使用される。
突然変異誘発に続いて、突然変異体(又は二重突然変異体)を有する4-kb-XhoI/SgrAI配列を配列決定し、pMX/eGFP-BcrAbl鋳型(XhoI/SgrAI部位)にサブクローン化して、突然変異誘発中に他の突然変異が導入されないことを保証する。
表6A:*TKIに対する耐性及び治療選択肢と関連するBCR-ABL変異。細胞株モデルを用いて得られたIC50値を報告する研究から編集した。
* Pophali & Patnik 2016, Cane J 22:40 から入手
Figure 2022505645000096
親Ba/F3細胞(マウスIL-3依存性マウスプロB細胞株)を、10% FBS及び1ng/mLマウスIL-3を含むRPMI培地中で維持する。
2.5×106の親Ba/F3細胞を、Amaxa Nucleofectorシステムを用いて2.5μgプラスミドでエレクトロポレーションする。
エレクトロポレーション後、Ba/F3細胞を一晩静置し、次いで、ピューロマイシンを、1μg/mLの最終濃度で培地に添加する。
トランスフェクトしたBa/F3細胞を、RPMI培地/IL-3/ピューロマイシン培地中で1週間以上培養する。
野生型細胞と突然変異細胞との間でBCR-ABL1の同等の発現を保証するために、Ba/F3細胞を、eGFP陽性についてフローサイトメトリーによって仕分ける。
選別したeGFP陽性Ba/F3細胞を、IL-3を含まない培地中でさらに選択する。
すべてのBCR-ABLl形質転換細胞において、細胞増殖速度は同等であることが確認される。
IL-3の非存在下で1週間以上維持された細胞を用いて、インヒビター活性を試験する。
このために、細胞を、適用可能なTKIと共に72時間インキュベートして、以前に記載されたように(Wuら、2010、Leukemia 24:869);例えば、上記の式(I)のキナーゼインヒビター又はダサチニブの濃度系列を使用することによって、BaF3細胞の増殖及び生存に対するそれらの効果を決定する。
同様に、KIT突然変異を保有する白血病細胞モデルにおける式(I)のキナーゼ阻害薬(例、C1-C13、又はB3、及び/又はD1~D10の1若しくは複数)又はダサチニブの効果を検査される。
例えば、KIT wt又は突然変異(例えば、薬物耐性に関連するもの)を保有するベクターを、トランスフェクトFDC-P1マウス骨髄細胞にトランスフェクトすることができ、化合物の効果を、Liuら(2010, Cancer Cell 17:333)によって記載されているものなどに基づいて、FDC-P1/KIT(wt又は突然変異体)細胞の増殖及びクローン形成活性について検討される。
実施例7[予備的]:式(I)及びダサチニブのキナーゼ阻害剤のIn-vivo抗白血病効果。
ダサチニブのin vivo薬理活性、及びそれを示すために用いた実験は、2006年のダサチニブに関するEMEAのCommittee for Medicinal Products for Human Use(CMHP)科学討論会に記載されている。
特に、次のようになる:
SCIDマウスの皮下(SC)で増殖させたヒトCML異種移植モデルを用いて、ダサチニブの腫瘍抑制作用が検討された。
治癒とは、投与中止後に腫瘍体積倍加時間の10倍を超える時間が経過しても検出可能な腫瘍が認められない場合と定義した。
K562 ヒトCML腫瘍マウスに「5日間処置及び2日間休薬」の用法・用量で1日1回10日間反復経口投与したとき、ダサチニブは8~50mg/kgの用量範囲で治癒した。
腫瘍の大きさが200~500mgに達した時点で処理を開始した。
高用量のイマチニブは、比較応答をもたらさなかった。
ダサチニブの最小有効量は2.5mg/kgと判断した。
加えて、ダサチニブは、IV投与した場合、このモデルにおいて非常に効率的であった。
ダサチニブは、50mg/kg/日を5日間投与した場合、大型のKU812腫瘍(最大> lg腫瘍)を有するマウスにおいて治癒的であった。
1、5、15又は50mg/kgのダサチニブを投与したヒト前立腺癌細胞(PC‐3)担癌マウスから採取した末梢単核細胞(PBMC)でSRCリン酸化を調べた。
ダサチニブ投与により、SRCのリン酸化が用量依存的に阻害され、15及び50mg/kgの投与後5時間以内にほぼ完全な阻害が認められた。
5mg/kgの投与はSRCのリン酸化の44%阻害をもたらしたが、lmg/kgはほとんど不活性であった。
AUC 0-24h値に基づくと、ヒト血漿中ばく露量比は5mg/kg及び15mg/kg投与群でそれぞれ0.8及び1.9であった。
薬物動態データに基づいて、ホスホ-SRCの50%を阻害するのに必要なダサチニブ血漿濃度は、PBMC中で91nMであると推定された。
ダサチニブ処理(10mg/kg/日)は、K562 CML細胞を頭蓋内接種したマウスの生存率を上昇させ、生存効果はイマチニブ(300mg/kg/日)で観察されたものよりも優れていた。
同様の試験ではダサチニブ10及び30mg/kg/日の投与後に生存率の上昇が認められたが、イマチニブ200mg/kg/日では頭蓋内腫瘍の増殖を抑制することができなかった。
したがって、頭蓋内CMLの治療において、ダサチニブはイマチニブを上回る治療上の優位性を有すると考えられる。
マウスを用いたヒトCMLモデルに対して、ダサチニブを10日間連日投与した場合と、短いレジメン(5日間のレジメン及び2日間のレジメン)を導入した場合のいずれにおいても、ダサチニブは有効であった。
さらに、1日2回投与法では、1日1回投与法よりも優れた有効性が得られた。
その結果、K562ヒトCML腫瘍マウスにおいて、ダサチニブ2.5mg/kgを1日1回投与した群と比較して、1.25mg/kgを1日2回投与した群で優れた抗腫瘍活性(治癒)が認められた(増殖抑制)。
式(I)の1若しくは複数のキナーゼインヒビター(例えば、Cl~C13、又はB3、及び/又はD1~D10)を、1若しくは複数のこのような研究(例えば、1、1.25、2.5、5、10、25、30、又は50mg/Kg/日の用量)において試験して、ダサチニブ(A8)と比較したその差異及び/又は優位性を決定し;特に、C2、C8、C9、又はC12、又はB3の1若しくは複数をそのように試験する。
それに加えて、又はその代わりに、そのような化合物の1若しくは複数を、Puttiniら(2006, Cancer Res 66: 11314)によって記載された動物モデルにおいて、以下のように簡単に比較する:
5~7週齢の雌CD1 nu/nuマウスをCharles River Breeding 1aboratoriesから購入し、標準的な実験室条件下で維持する。
ヒトKU812Bcr-Abl+細胞を0.5mLのPBS中に5000万細胞で懸濁し、この細胞懸濁液を各動物の左側腹部に皮下注射する。
別の群のマウスでは、Bcr-Abl WT又はイマチニブ耐性点突然変異体(Y253F、E255K、D276G、及びT315I)を発現するマウスBa/F3プロB細胞を、0.4mLのPBS中に1000万細胞で懸濁し、同系ヌードマウスに皮下注射する。
腫瘍重量及び体重量は週に2回又は月に1回、監視される。
腫瘍重量は式:腫瘍重量(mg)=(d2 D/2)によって計算され、ここで、d及びDはそれぞれ、ミリメートルで測定された腫瘍の最短直径及び最長直径である。
腫瘍重量は、腫瘍を有する動物のみを考慮して計算される。
ダサチニブ(A8)、又は式(I)のキナーゼ阻害剤(例、C2、C8、C9、又はC12、又はB3)は細胞注入後の日から(例えば、1.25、2.5、5、10、30、又は50mg/Kg/日の用量で)、腫瘍が増殖期に入った細胞注入後8日目、又は測定可能な腫瘍を有するマウスに15日目に経口強制飼養投与する。
プラセボを投与した動物には、溶媒のみを投与した場合と同じレジメンを投与した。
さらなる追加の又は代替の方法として、1若しくは複数のこのような化合物が、Fauvelら(2013, Am J Can Sci 2:28)によって記載される動物モデルにおいて、以下のように簡潔に比較される:
Ba/F3 BCR-ABLT315I(lxl08cell/mlの滅菌PBS)を、胸腺欠損ヌード雄マウスの右側片側(right frank)(HSD、6~7週歳)に皮下注射することにより、イマチニブ-耐性白血病の異種移植マウスモデルを作製する。
腫瘍体積が約50mm3に達した時点で、ビヒクル単独群又は処置(ダサチニブ又は化合物B3)群(各群5匹)にマウスを無作為に割り付ける。
マウスをビヒクル中でビヒクル(例、DMSO又はプロピレングリコール:水= 1 : 1)又は化合物(例、5、10又は40mg/kg、毎日;経口で11日間連続)のいずれかで処置する。
腫瘍体積(mm3)を、デジタルキャリパーで週3回測定し、以下の式を使用して計算する:腫瘍体積(mm3)=長さ(mm)×幅(mm)×幅(mm)×1/2。
週3回体重を測定し、そしてマウスを、ストレスの徴候をモニターして、可能性のある毒性を検出するために、毎日観察する。
Prism 5.0b (GraphPad Software)を使用して、Bonferroni post hocを用いたONE-WAY ANOVAによる統計的比較のために、ONE-WAY ANOVAを使用する。
実施例8:式(I)及びダサチニブのキナーゼ阻害剤のインビボ抗癌(固形腫瘍)効果
固形腫瘍に対する式(I)のキナーゼ阻害薬(例えば、Cl~C13、又はB3)及びダサチニブ(A8)の抗がん活性をin vivo同系マウスモデルで調べる。このモデルでは、マウス大腸がん細胞MC38をC57BI/6Nマウスの脇腹皮下に移植し、試験化合物(C2、C8、C9、又はC12、又はB3又はA8、用量、2.5mg/mL/日~50、60又は100mg/Kg/日*)で処理する。
詳細には、雌C57BI/6Nマウス(4~6週齢)に、lxlO6 MC38結腸直腸癌細胞(PBS中の100μI)を移植する。
マウスは、150mm3の腫瘍体積に達した後、処置群に無作為化され、そして処置群は例えば、無作為化の24時間以内に処置を開始し、表8Aに記載されるような処置群を含み得る。
表8A:処置群の例
* 最後の体重測定に基づいて、** po =経口、強制飼養投与による経口投与
# 少なくとも3週間、約5~8週間まで。
C2、C8、C9及びC12のより低い用量(例、10、15又は20mg/Kg)は、それらのADMET/PK特性に従って適合させることができる。** プロピレングリコール:水=1 : 1
Figure 2022505645000097
マウスの体重及び腫瘍体積(mm3)を、週2回、8週間まで、投与終了基準(腫瘍体積>2000mm3)に達するまで、カリパー測定により測定する。
さらに、群あたり5匹のマウスを、最初の処置の9日後に屠殺して、種々の免疫応答マーカー(例えば、以下の表8Bに記載されるもの)について腫瘍及び血液サンプルを分析する(ならびにAqua Zombie(BioLegend)を使用して、生/死細胞を決定する)。
簡潔には、末梢血サンプルを、これらのマウスから、マウスの尾に切開を行うことによって、ヘパリンでプレコートされたチューブ中に収集する(しかし、屠殺の前日)。
血液サンプルを塩化アンモニウム-カリウム(ACK)溶解緩衝液(Life Technologies、カタログA10492-01)で処理した後、細胞を、例示的な免疫表現型マーカーの1若しくは複数に対する蛍光色素結合mAbで染色する(例えば、表8B)。
腫瘍の免疫表現型検査では、屠殺当日にメスで腫瘍を外科的に摘出し、その後半分に分ける。
腫瘍の一部を、免疫表現型マーカーの例の1若しくは複数についての免疫組織化学のために、4%パラホルムアルデヒド(PFA)中で固定する。
IHCについては、PFA固定腫瘍組織をパラフィンブロックに包埋し、4mmの厚さに切断する。
スライドガラス上に固定し、抗原回収工程後、切片を抗CD8抗体で染色し、Mayer-ヘマトキシリンで対比染色する。
腫瘍浸潤CD8 T細胞の計数はカプセル領域(Capsule Area)から開始し、組織のコアに向かって3つのフィールドを計数し、50倍の倍率で行われる。
同じプロセスを3回繰り返した。
全てのカウントを合計し、中央値を計算した(Hekim et al 2017, Can Imm Res 5: 157に記載されているように)。
腫瘍の他の半分を、RPMI 1640培地を含む1.5mLチューブに移し、次いで、マイクロチューブペレット乳棒を使用して手動でホモジナイズする。
300×gで遠心分離した後、上清を捨て、細胞を腫瘍重量に等しいRPMI培地に再懸濁した。
腫瘍ホモジネートをPBS中で1 : 1に希釈し、1若しくは複数の例示的な免疫表現型マーカーについて蛍光色素標識抗体で染色する。
全てのFoxp3-特異的染色(末梢又は腫瘍内)について、細胞は製造業者(eBioscience)によって推奨されるように、細胞内固定及び浸透化キットを使用して、抗Foxp3抗体と共にインキュベートする前に、最初に抗CD4抗体で標識される。
表8B:免疫表現型マーカーの例
Figure 2022505645000098
本発明者らは、インビボ同系マウスモデルにおける固形腫瘍に対する、ダサチニブ(A8)と比較したキナーゼ阻害剤C7の抗癌活性、ならびに式(I)のこの化合物の免疫腫瘍学的効果の両方を実証した。
式(I)の化合物(例えば、C7)の用量及び投与レジメンは、それらのSIK3 IC50値に対する血漿遊離薬物濃度が、ダサチニブのものに匹敵するように、それらのそれぞれのSIK3キナーゼ阻害及びDMPK特性(以前の実施例を参照のこと)に従って適合される。
化合物A8(ダサチニブ)を、以前に記載されたように処理した(Hekimら、2017)。
式(I)の1若しくは複数の他のキナーゼ阻害薬(例、C1-13、又はB3、及び/又はD1-D10)を同様に検討した。
C7(100mg/kg)の1日2回投与は、有意な腫瘍増殖遅延(44% TGI)を示したが、C7の1日1回投与は、ビヒクル対照と比較して29%の腫瘍増殖阻害を示した(図11A)。
一方、A8(30mg/kg)の連日投与では、38%の腫瘍増殖抑制が認められた。
動物の体重を、研究が完了するまで、週に少なくとも2回測定した。
処理に関連した副作用及び体重減少などの臨床徴候は認められなかった(図11B)。
さらに、化合物C7は、腫瘍微小環境に存在する免疫細胞に対して有意な効果を有することが実証された(図12)。
C7による1日2回の処置は、顕著な抗腫瘍免疫表現型を誘導した;制御性T細胞(CD3+CD4+CD25+FoxP3+)に対する細胞傷害性Tリンパ球(CD3+CD8+)の比率(図12A)の有意な増加、ならびにCD25+CD69+によって示される細胞傷害性Tリンパ球の活性化の増加(図12B)、及びグランザイムB(図12C)発現を伴った。
さらに、免疫抑制M2マクロファージ(CD206+MHC-II+)は、A8と同様にC7による1日1回及び2回の治療により有意に減少した(図12D)。
in vivo同系マウスモデルで以下のように実施した:雌C57BI/6Nマウス(4~6週齢)に5xl0e5 MC38結腸直腸癌細胞(PBS中の10μl)を移植した。
マウスを平均腫瘍体積100mm3に達するように投与群に割り付け(表8C)、無作為化から24時間以内に強制経口投与による1回当たりの投与を開始した。
表8C:治療群。
* 最終体重測定値に基づく; ** p.o. =経口、強制経口投与;#4%(v/v)DMSO、72%(v/v)プロピレングリコール及び2%(v/v)dd-水
Figure 2022505645000099
18日目において、最終投与から2時間後に、各群6匹の全血の少なくとも100μL、ならびに腫瘍組織を、CD4+及びCD8+ T細胞、Treg、顆粒球及び単球MDSC、Ml及びM2マクロファージ、ならびにNK細胞について、フローサイトメトリーにより分析した。
採血直後、腫瘍を切除し、フローサイトメトリーによる分析のために処理した。
腫瘍及び血液サンプルを、種々の免疫応答マーカーについて分析し(表8D)、ならびにZombie色素(BioLegend)を使用して、生細胞/死細胞を決定した。
T細胞を、PMA/イオノマイシン/Brefeldin Aで、ex vivo刺激した後、リンパ系パネル内の細胞内サイトカインを検出した。
表8D:免疫表現型マーカー。
Figure 2022505645000100
フローサイトメトリーのための試料調製を以下のように行った:全血試料を、周囲温度で10倍容量のアンモニウム-クロライドポタシム(ACK)緩衝液を添加することによって処理し、穏やかに混合し、室温で3~5分間インキュベートした。
インキュベーション直後、10倍容量の冷PBSを添加して溶解反応を停止させ、細胞400gを5分間でペレット化し、PBSで再び洗浄した。
マウス腫瘍試料を、gentleMACS(TM)プロトコル「Tumor Dissociation Kit」を使用して、製造業者の説明書に従って解離させた。
簡単に述べると、腫瘍を切除し、小片(2~4mm)に切断し、酵素緩衝剤に入れ、gentleMACS Dissociator上で処理し、連続回転しながら37℃で20分間インキュベートした。
試料を70μm細胞ストレーナーで濾過し、PBS/2.5% FBS緩衝剤で2回リンスして酵素緩衝剤を除去した。
全ての単細胞懸濁液を、PBS中~1x10e7細胞/mLで調製し、氷上に保持した。
サンプルのEx vivo刺激をPMA/イオノマイシン/ブレフェルジンAでT細胞マーカーパネル集団について実施し、単一細胞懸濁液の100μLを96ウェルプレートに添加し、染色し、LSRFortessaTM(BD)で分析し、FlowJoソフトウェア(Tree Star, Inc.; version 10.0.7r2)で分析した。
実施例9:式(I)のキナーゼ阻害剤及びダサチニブによるin vitro TNF攻撃に対する腫瘍細胞の敏感反応化
本発明者らは、式(I)のキナーゼ阻害剤(例えば、C2、C8、C9もしくはC12、又はC4、又はC7もしくはB3;又は特にC7;及び/又はD1~D10の1若しくは複数)及び比較のための対照であるデサチニブ(A8)の、腫瘍細胞に対するTNFの殺傷(アポトーシス/細胞傷害)効果に対する効果を、インビトロで比較して検討し、改変PANC1又はM579-A2細胞株のTNF攻撃に対する式(I)のキナーゼ阻害剤による敏感反応化を決定した。
C5のような式(I)の他の化合物も同様に試験する。
キナーゼ阻害剤(例えば、C7又はB3)による処理(例えば、DMSO中の、約10nM、25nM、50nM、100nM、150nM、500nM、1,000nM、2,500nM及び/又は5,000nMなどの約1nMから1万nMの間の濃度で試験)が、組み換えヒトTNF(rHuTNF; R&Dシステム)の細胞毒性効果に対するPANC-l-luc又はM579-A2-luc腫瘍細胞の感受性を調べるのに使われ、また、この効果のオンセットのスピードを調べるために使用される。
PANCl-lucは、H1A-A2.1+ルシフェラーゼ発現膵臓腺癌(PDAC)腫瘍細胞株であり、M579-A2-lucは、H1A-A2.1+ルシフェラーゼ発現黒色腫瘍細胞株である。
示されたPANC-1-luc細胞の生存率に対するrHuTNF処理の用量応答効果は、それぞれの試験化合物(例、B3又はA8)又はコントロール(例、DMSO)で、それぞれの濃度で、rHuTNFで処理した後の腫瘍細胞の相対(細胞毒性/生存率)のグラフ(図6)として示され、Y軸は、ルシフェラーゼに基づく殺傷アッセイを用いて測定された、TNFなしとの相対での、+TNF(細胞毒性)の標準化されたRLU(細胞毒性の尺度として)である(生存能力):
細胞、試験化合物、次いでrHuTNF(10ng/mL)を37℃で24時間インキュベートし、5%CO2、培養後に上清を除去し、残りのPANC-1-Luc細胞をルシフェラーゼ細胞溶解試薬(水中0.3% Triton-X)で1分間溶解する。溶解後、ルシフェラーゼアッセイ緩衝液を添加し、直ちにルシフェラーゼ強度を、TECAN-Sparkマイクロプレートリーダーを用いて測定した。
細胞死の開始速度を決定するために、腫瘍細胞を、YOYO-1色素の核取り込みで前標識し、そして上記のように阻害剤及びTNFで処理する。
腫瘍死動態は6時間刺激後の画像のYOYO-1+細胞/ウェル(μm2/ウェル)の面積(すなわち、アポトーシス細胞面積)を示すグラフによって、IncuCyte Zoom(Essen BioScience)を用いたリアルタイム生細胞顕微鏡法を用いて評価し、同じ実験からの(例えば、5~10)異なる画像の累積データを得る。
実際、化合物C7は、このようなリアルタイム生細胞アッセイ(図13A)において、そしてまた上記のルシフェラーゼに基づく腫瘍細胞生存率読取りにおいて、rHuTNFの効果に対してPANC-1細胞を敏感反応化することが示されている(データは示さず)。
PANC1-luc細胞系を以下のように構築する:American Type Cell Culture(ATCC)から入手したPANC-1細胞。
腫瘍細胞を、トランスフェクション試薬としてTransIT-LT1(Mirus)を使用して、pEGFP-Lucプラスミドでトランスフェクトする。
トランスフェクトした細胞を、1mg/mLのG418/ジェネチシンで選択し、選択後14日目に、EGFP+細胞を、例えば、BD FACSARIA II細胞ソーターを使用して選別する。
腫瘍免疫腫瘍学的効果は、SIKファミリーメンバー、特にSIK3によって媒介されることが実証される。
上記のルシフェラーゼベースの腫瘍細胞生存率読取り値を使用すると、腫瘍細胞は、阻害剤単独(正方形)の存在下と比較して、約10~100nM(円)の間の濃度で、TNF(10ng/mL)及びpan-SIK及びABL1- & SRC-阻害剤(化合物Bl)の存在下で増加した細胞毒性を示す(図7A)。
しかし、対照的に、強力なABL1- & SRC-阻害剤であるが、SIKファミリーメンバー(特にSIK3)に対して低い阻害活性を有する化合物B8は、阻害剤単独(正方形)と比較して、TNF(円)との組み合わせで、このような濃度範囲では、M579 A2細胞の細胞毒性を示さない(図7B)。
化合物B4は、ABL1&SRCの強力な阻害剤であるだけでなく、SIK1及びSIK2の強力な阻害剤であり、SIK3の弱い阻害剤であるにもかかわらず、阻害剤単独(四角印)と比較して、実際、TNFとの組み合せにおいて、化合物B4(丸印)は、このような濃度範囲でM579 A2細胞の細胞毒性を示すことができない(図7C)。
まとめると、これらのデータは、SIKファミリーメンバー、特にSIK3が抗腫瘍免疫腫瘍効果のメディエータであり、他のキナーゼABL1又はSRCではそうではないことを示唆している。
化合物B1、B4及びB8は、PCT/EP2018/060172において、それらの合成を含めて記載されており、表9Aに示されている。
表9A:化合物B1、B4及びB8
Figure 2022505645000101
式(I)の他のキナーゼ阻害剤(例えば、C7のようなC1-C13に対する1若しくは複数、及び/又は表B、D1~D10の1若しくは複数の化合物)を用いて、MC38マウス腫瘍細胞株を用いたTNF敏感反応化(100ng/mL)細胞生存性アッセイを含む、組換えヒトTNFの毒性効果に対する腫瘍細胞の敏感反応化性を検討する(表9B)。
実際、MC38腫瘍細胞は、化合物C7によるTNFの細胞毒性効果に対して敏感反応化される(図13B)。
表9B:式(I)の化合物によるMC38細胞のTNF媒介殺傷に対する敏感反応化
++ = < 100nM; + = <200nM; / = >200nM
Figure 2022505645000102
式(I)の化合物が、MC38細胞をTNF媒介殺傷に対して敏感反応化することを実証するアッセイは、以下のように行われる。
MC38腫瘍細胞の細胞生存率を、CellTiter-Glo(CTG)発光細胞生存率アッセイ(Promega, Madison, USA)を製造者のプロトコールに従って使用して測定した。
要するに、1x103 MC38細胞を、384ウェルプレートに24時間播種し、続いて37℃及び5% CO2で72時間、異なる濃度の、式(I)/ C7の化合物及び100ng/ml rMuTNFで処理した。
インキュベーション後、CTG試薬をウェルに添加し、細胞を10minで溶解した。
O.lsec計数時間を有するTecanリーダーを用いて読み出しを行った。
化合物C7は、また、用量依存的にNFkBのTNF誘導活性を阻害すること(図14A)、及びNFkB活性の重要なメディエーターであるHDAC4のリン酸化を阻害すること(図14B)も示す。
ダサチニブ(A8)、及び/又は化合物C2~C12及び/又はD1~D10から選択されるものなど、本明細書に開示される他の化合物を、類似の活性について検討する(表9C)。
表9C:式(I)の化合物によるNFKB活性及びHDAC4リン酸化の阻害
+ = = 有意な阻害; ++ =強く有意な阻害
Figure 2022505645000103
PANC-1細胞におけるTNF誘導NFKB活性を、NFKB依存性ルシフェラーゼ活性を用いて測定した。
NFKBプロモーターの制御下でルシフェラーゼを発現するPANC-1 クローンを作製した。
NFKBレポーターPANC-1細胞(ウェル当たり1,250個)を、384ウェルプレートに24時間播種した。
その後、細胞を、異なる濃度の式(I)/ C7の化合物で37℃及び5%CO2で1時間処理した後、10ng/ml rHuTNFを添加した。
7時間インキュベートした後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性を前述のように測定した。
PANC-1細胞におけるHDAC4リン酸化レベルは、Mesoスケールディスカバリー(MSD)アッセイを用いて測定した。
PANC-1 細胞(6xl04)を、96ウェルプレートに24hr播種し、続いて37℃及び5%CO2で3時間、異なる濃度の式(I)/ C7の化合物(10ng/mL rHuTNFの存在下)で処理した。
RIPA溶解緩衝液(Thermo Scientific)を用いて全細胞溶解物を生成し、抗全HDAC4抗体(Abcam abl2171)でコーティングしたGAMプレート上で4℃で一晩インキュベートした。
その後、pHDAC4抗体(CST#3443)を用いてリン酸化HDAC4を検出した。
MSDリーダーを用いてECLシグナルを測定した。
実施例10[予測]:式(I)のキナーゼ阻害剤の生体内免疫腫瘍活性
TNF誘導療法(例、マウス抗PD1クローン: RMP1-14、BioLegend)と式(I)のキナーゼ阻害剤(例、C2、C7、C8、C9又はC12、又はB3;及び/又は1若しくは複数の化合物D1~D10)、及びダサチニブ(A8)との相乗効果を比較(例、2.5mg/Kg/日~50、60又は100mg/Kg/日*の用量)して調べるために、実施例9に記載されているさらなるin vivo同系マウスモデルを実施するが、適用可能な組み合わせ(及び対照)を含む治療群、例えば、以下の表10Aに記載されているような治療群を含むことがある。
表10A:治療群の例。
* 最後の体重測定に基づいて;
** po =経口投与、強制滋養投与、ip =腹腔内投与
# 化合物は、少なくとも3週間、5~8週間の間投与される。治療期間中抗PD-1及びビヒクル。
C2、C7、C8、C9及びC12の低用量(例、10、15又は20mg/Kg)又はそれ以上の用量(例、50、75又は100mg/Kg)は、ADMET/PK特性に応じて適応させることができる。
** プロピレングリコール:水=1 : 1
Figure 2022505645000104
実施例8に記載されているように、(i)マウスは、終了基準(腫瘍体積>2000mm3)に達するまで、週2回、最長8週間、カリパー測定によって体重及び腫瘍体積(mm3)を測定する;及び(ii)最初の処理の9日後に1群あたり5匹のマウスを屠殺して、様々な免疫応答マーカー(例8に記載されているように)について腫瘍及び血液サンプルを分析する。
実施例11[予測]:経口投与のための式(I)のキナーゼ阻害剤の単位用量形態の製剤及び調製。
本発明の医薬組成物のカプレット単位用量形態は、簡単には以下のように製造される。
最初に、式(I)のキナーゼ阻害剤(例えば、C7、C8又はB3)を含む錠剤ブレンドを、1若しくは複数の賦形剤と一緒にある量のC7又はC8(又はB3)の乾燥顆粒化によって調製する。
錠剤化ブレンド中の賦形剤の例としては、ラクトース(一水和物)、微結晶セルロース及び/ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、及び任意にデンプンなどの崩壊剤を挙げることができる。
ブレンドはまた、ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤を含んでもよい。
あるいは、錠剤化ブレンドが湿式造粒、続いて乾燥によって調製される。
第2に、ロータリータブレットプレスを使用して、ブレンドを上から適切に成形されたダイに充填し、上部パンチをダイに下げることによって、約5%~20%の間の多孔度に圧縮する。
圧縮は、1若しくは2の段階(主圧縮、及び任意選択で予備圧縮又はタンピング)で歩調を合わせることができ、圧縮はスケーリングされた製造のために迅速に行われる(例えば、キャプレット当たり500ms以内)。
上部パンチを引き上げてダイから出し(減圧)、キャプレットをダイから取り出す。
第3に、自動コーターを用いてカプレットをコーティングする。
コーティングは、ヒプロメロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコール及び精製水を含むことができる。
錠剤化ブレンドは、各カプレットが治療有効量のC7又はC8(又はB3)を含むように作製され、C7又はC8(又はB3)の正確な総用量の投与を補助するために異なる用量のカプレットが作製され得るような量のキナーゼ阻害剤(使用されるようなC7、C8又はB3)を含む。
例えば、各カプレットは、約20mg、50mg又は70mgのC7又はC8(又は適用可能な場合にはB3)を含み得るか、又は約5mg、10mg又は40mgのC7又はC8(又は適用可能な場合にはB3)などのこれらの量未満を含み得る。

Claims (80)

  1. 次式のキナーゼ阻害剤からなる群から選ばれる化合物:
    Figure 2022505645000105
    及び溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、ラセミ混合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、配座異性体、同位体標識形態、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである;
    ここで:
    R1aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-OR11、-N(R12)(R13)、-N(R11)(OR11)-S(O)0-2R11、-S(O)1-2OR11、-OS(O)1-2R11、-OS(O)1-2OR11、-S(O)1-2N(R12)(R13)、-OS(O)1-2N(R12)(R13)、-N(R11)S(O)1-2R11、-N(R11)S(O)1-2OR11、-NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、-C(=X)R11、-C(=X)XR11、-XC(=X)R11及び-XC(=X)XR11からなる群から選択され、式中、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、3-~7-員ヘテロアリール、3-員~7-員ヘテロシクリル、-O(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル )、-O(CH2)O-2(C6-10アリール)、-O(CH2)O-2(3-~7-員ヘテロアリール)、-O(CH2)O-2(3-~7-員ヘテロシクリル)、-NH(CH2)0-2(C3-7シクロアルキル)、-NH(CH2)O-2(C6-10アリール)、-NH(CH2)O-2(3-~7-員ヘテロアリール)、-NH(CH2)O-2(3-~7-員ヘテロシクリル)、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2, -OH、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)Z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)Z、及びN(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)Zからなる群から独立して選択され、ここで、Zは、0、1若しくは2であり、及び、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-7シクロアルキル、C6-1Oアリール、3-~7-員ヘテロアリール、及び3-~7-員ヘテロシクリル基は、OH、メチル、エチル、-OCH3、-SCH3、及びNH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択される1、2、又は3つの部分で任意選択的に置換されていてもよい;
    R2はHである;
    R3はH、アルキル、アルキニル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11の群から選ばれ、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R4は、Hである;
    R5は、-L-R6である;
    Lは、結合、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、及び(CH2)m-[Y-(CH2)n]o-からなる群より選択され、ここで、mは1~6の間の整数であり、nは0~3の間の整数であり、0は1~3の間の整数であり、nは0である場合、oは1であり;YはO、S、及びN(R13)-から独立して選択され、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、-(CH2)m-、及び-(CH2)n-基のそれぞれは、1若しくは2の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R6は、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、これらの各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR7で任意選択的に置換されていてもよい;
    R7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、 -C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、及び/又はヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合した任意の2つのR7は一緒に結合して=Oを形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    Aは、S、O、NR8、及びC(R9)2からなる群から選択される;
    R8は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、及びヘテロアリール基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R9は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール基は、任意選択に、1若しくは複数の独立して選択されたR30で置換されていてもよい;
    Xは、独立して、O、S、及びN(R14)からなる群から選択される;
    Eは、O又はSである;
    Bは、N又はCRldである;
    Rldは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR11、-N(R12)(R13)、 -N(R11)(OR11)、-S(O)0-2R11、 -S(O)1-2OR11、 -OS(O)1-2R11、 -OS(O)1-2OR11、 -S(O)1-2N(R12)(R13)、 -OS(O)1-2N(R12)(R13)、 -N(R11)S(O)1-2R11、 -NR11S(O)1-2OR11、 -NR11S(O)1-2N(R12)(R13)、-P(O)(OR11)2、-OP(O)(OR11)2、-C(=X)R11、 -C(=X)XR11、 -XC(=X)R11、及び -XC(=X)XR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロシクリル基、及びヘテロアリール基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R11は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されるR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R12及びR13の各々は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、又は、R12及びR13は、それらが結合している窒素原子と一緒に結合して、基-N=CR15R16を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R14は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びOR11からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は、1つ又は複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    R15及びR16の各々は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びNHyR20 2-yからなる群から独立して選択され、又は、R15及びR16は、それらが結合している原子と一緒に結合して、1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい環を形成することができ、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよい;
    yは、0 ~2 の整数である;
    R20は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択され、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル基の各々は1若しくは複数の独立して選択されたR30で任意選択的に置換されていてもよく;そして、
    R30は、第1レベルの置換基であり、それは、各ケースにおいて、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、 -OR71、-N(R72)(R73)、 -S(O)0-2R71、 -S(O)1-2OR71、 -OS(O)1-2R71、 -OS(O)1-2OR71、 -S(O)1-2N(R72)(R73)、 -OS(O)1-2N(R72)(R73)、 -N(R71)S(O)1-2R71、 -NR71S(O)1-2OR71、 -NR71S(O)1-2N(R72)(R73)、-OP(O)(OR71)2、-C(=X1)R71、 -C(=X1)X1R71、 -X1C(=X1)R71、及び -X1C(=X1)X1R71からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つのR30は、共に結合し、=X1を形成することができ、ここで、第1レベルの置換基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基は1若しくは複数の第2レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよい、ここで、前記第2レベルの置換基は、各ケースで、 C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OR81、-N(R82)(R83)、 -S(O)0-2R81、 -S(O)1-2OR81、 -OS(O)1-2R81、 -OS(O)1-2OR81、 -S(O)1-2N(R82)(R83)、 -OS(O)1-2N(R82)(R83)、 -N(R81)S(O)1-2R81、 -NR81S(O)1-2OR81、 -NR81S(O)1-2N(R82)(R83)、-OP(O)(OR81)2、-C(=X2)R81、 -C(=X2)X2R81、 -X2C(=X2)R81、及び -X2C(=X2)X2R81からなる群から独立して選択され、及び/又はシクロアルキル又はヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合する何れか2つの第2レベルの置換基は、共に結合し、=X2を形成することができ、ここで、第2レベルの置換基であるC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、3-~14-員アリール、3-~14-員ヘテロアリール、3-~14-員シクロアルキル、3-~14-員ヘテロシクリル基は、1若しくは複数の第3レベルの置換基によって任意選択的に置換されていてもよい、ここで、前記第3レベルの置換基は、各ケースで、 C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、-NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、 -S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)OH、 -C(=O)O(C1-3アルキル)、 -C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から独立して選択され、ここで、各zは独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであり、及び/又は、第2レベルの置換基である3-~14-員のシクロアルキル若しくはヘテロシクリル基の同じ炭素原子に結合した任意の2つの第3レベルの置換基は一緒に結合して=O、=S、=NH、もしくは=N(C1-3アルキル)を形成することができる;
    R71、R72及びR73は、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基からなる群から選択され、ここで、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~7-員シクロアルキル、3-~7-員ヘテロシクリル基は、それぞれ独立して、C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、-OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)zからなる群から選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよく、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである;
    R81、R82、及びR83は、それぞれ独立して、H、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基からなる群から独立して選択され、ここで、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、5-~6-員アリール、5-~6-員ヘテロアリール、3-~6-員シクロアルキル、3-~6-員ヘテロシクリル基は以下からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で任意選択的に置換されていてもよい:C1-3アルキル、ハロゲン、-CF3 、-CN、アジド、-NO2、 -OH、 -O(C1-3アルキル)、 -OCF3、=O、 -S(C1-3アルキル)、 -NH2、 -NH(C1-3アルキル)、 -N(C1-3アルキル)2、 -NHS(O)2(C1-3アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -C(=O)(C1-3アルキル)、 -C(=O)OH、-C(=O)O(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)z、 -NHC(=O)(C1-3アルキル)、 -NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、 及び -N(C1-3アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-3アルキル)z、ここで各zは、独立して0、1又は2であり、各C1-3アルキルは独立してメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである; 及び
    X1及びX2の各々は、独立して、O、S 及びN(R84)から選択され、ここで、R84は、H又はC1-3アルキルである;
    加えて、以下の条件をそなえる;
    (1) R1aが4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル又はClであり、RlbがHであり、Rlcがメチルであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、4-クロロ-2-メチルピリジン-3-イルではない;
    (2) R1aがメトキシであり、RlbがHであり、Rlcがメトキシであり、BがNであり、EがOであり、R3がHであり、AがSであり、Lが結合である場合、R6は、2,2-ジフルオロ-5H-1,3-ジオキソロ[4,5-f]ベンズイミダゾール-6-イルではない;
    (3) R3がHで、AがSで、Lが結合で、R6が1-メチル-4-ピペリジニルで、R1BがHで、BがNで、EがOであり、及び
    (i) R1aがメチルである場合、Rlcは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イルではない;又は
    (ii) Rlcがメチルである場合、R1aは、N-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イル若しくはN-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-3-イルではない;
    (4) EがOであり、BがCRldであり、RldがH、F、Cl又はBrのいずれかである場合、R1aはHではない;及び
    (5) R1aがメチル、RlbとRlcがH、BがCH、EがO、AがS、R3がメチルである場合、R5は、1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル、2-フラニルメチル、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、2-(2-チエニル)エチル、2-(4-モルホリニル)エチル、2-(2-ピリジニル)エチル、2-ピリジニルメチル、又はテトラヒドロ-2-フラニルメチルではない。
  2. 上記請求項1に記載の化合物であって、R6が、単環式若しくは二環式ヘテロアリール又は単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、その各々は、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  3. 上記請求項1又は2に記載の化合物であって、R6は、5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであって、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  4. 上記請求項1~3のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、5員の単環式ヘテロアリールであって、N,O及びSからなる群から選ばれる少なくとも一つの環ヘテロ原子を含み、及び独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  5. 上記請求項1~3のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、5員若しくは6員の単環式ヘテロアリールであって、少なくとも一つのS環原子を含み、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  6. 上記請求項1~5のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、チエニルであって、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  7. 上記請求項1~6のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、置換されている、化合物。
  8. 上記請求項1~7のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-3アルキル、ハロゲン、-CN、-O(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2からなる群から独立して、選択され、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合する任意の2つのR7が、共に結合して=Oを形成し、ここで、C1-3アルキルは、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  9. 上記請求項1~8のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-2アルキル及びハロゲンからなる群から独立して、選択され、ここで、C1-2アルキルは、独立して選択される1、2又は3のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  10. 上記請求項1~9のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、Cl、Br及びメチルからなる群から、独立して選択される、化合物。
  11. 上記請求項1~10のいずれか1に記載の化合物であって、R6が該化合物の残りに結合する環原子に対して2位で、R6の環原子に1つのR7基が結合する、化合物。
  12. 上記請求項1~4のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、以下の式から選択される化合物:
    Figure 2022505645000106
    式中、波線は、R6が化合物の残りに結合する結合を表す。
  13. 上記請求項1~12のいずれか1に記載の化合物であって、Lは、結合; 1つのR30で、任意選択的に、置換されていてもよいC1アルキレン; 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC2アルキレン、特に1,2-エチレン又は1,1-エチレン; 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC3アルキレン、特にトリメチレン; 1つのR30で任意選択に置換されていてもよいC4アルキレン、特にテトラメチレン又は2,4-ブタンジイル;-(CH2)mO-;及び-(CH2)mNH-、(式中、mは1、2、又は3)からなる群から選択することができる、化合物。
  14. 上記請求項1~13のいずれか1に記載の化合物であって、Lは、結合である、化合物。
  15. 上記請求項1~14のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル及びヘテロシクリル基のそれぞれは、独立して選択される、1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい、化合物。
  16. 上記請求項15に記載の化合物であって、R1aを任意選択的に置換していてもよい1若しくは複数の独立して選択されたR30は、(i)C1-3アルキル、フェニル、チアゾリジニル、ハロゲン、-NH2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、及び-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、ここでzは、0、1、若しくは2であり、及び、C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル、若しくはイソプロピルである;(ii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、=O、及び=S;又は(iii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ハロゲン、及びCF3、から選択される、化合物。
  17. 上記請求項1~15のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル及びヘテロシクリル基のそれぞれは、独立して選択される、1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよい、化合物。
  18. 上記請求項1~15のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、モルホリニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル、モルホリニル、ピペリジニル及びピロリジニル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及び-NH2-Z(CH3)zからなるから群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよく、ただし、zは0、1、又は2;及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチル-ピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及び-NH2-Z(CH3)Z、ただし、zは0、1、又は2、からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  19. 上記請求項1~15のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここで、ピペラジニル基は、2-ヒドロキシエチル、メチル、-CH2COOH及び-C(=O)CH3からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい;ピペリジニル基は、-NH2及び4-メチルピペラジニルからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい;ピロリジニル基は、1若しくは2のOHで任意選択的に置換されていてもよい;及びC1-3アルキル基の各々は、-OH、-OCH3及び-NH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよい、ここで、zは0、1又は2である、化合物。
  20. 上記請求項1~15及び17~19のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、4-(2-ヒドロキシエチル) ピペラジニル、4-メチルピぺラジニル、4-アセチルピぺラジニル、及び(2-ヒドロキシエチル)アミノからなる群から選択される、化合物。
  21. 上記請求項1~20のいずれか1に記載の化合物であって、Rlb及びRlcの各々は、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、及びフェニルからなる群から独立に選択され、ここでzは0、1、又は2である、化合物。
  22. 上記請求項1~21のいずれか1に記載の化合物であって、RlbはHであり、Rlcはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、若しくはフェニルである、又は、RlbはHであり、Rlcはメチルである、化合物。
  23. 上記請求項1~22のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、S、O、又はN(CH3)2である、化合物。
  24. 上記請求項1~23のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、Sである、化合物。
  25. 上記請求項1~24のいずれか1に記載の化合物であって、Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され、ここで、該C1-3アルキルの各々は、ハロゲン、-OH、OCH3、-SCH及び-NH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択された1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、zは0、1又は2である、化合物。
  26. 上記請求項1~24のいずれか1に記載の化合物であって、Bは、Nである、化合物。
  27. 上記請求項1~26のいずれか1に記載の化合物であって、Eは、Oである、化合物。
  28. 上記請求項1~27のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群から選択される、化合物。
  29. 上記請求項1~28のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、Hである、化合物。
  30. 請求項1に記載の化合物であって、以下である化合物:
    Lは、結合;及び
    (A)R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル基及びヘテロシクリル基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよく、ここで、好適には、各R30は、独立して、(i)C1-3アルキル、フェニル、チアゾリジニル、ハロゲン、-NH2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、及び-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、ここでzは0、1、もしくは2であり、各C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル、若しくはイソプロピルある;(ii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、=O及び=S;又は(iii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ハロゲン及びCF3、である;
    (B)Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群から選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシは、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、及び-NH2-Z(CH3)Z(式中、zは0、1、又は2)から独立して選択される1、2又は3の部分で任意選択的に置換されていてもよい;
    (C)R3は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)z、及び-N(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)zからなる群から選択される[式中、zは0、1、又は2であり、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及びフェニル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい];
    (D)R6は、3-員若しくは10-員のヘテロシクリル、又は、3-員~10-員のヘテロアリールであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (E)Aは、S、O、NH、N(C1-6アルキル)、及びC(C1-6アルキル)2からなる群から選択される;
    (F)Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され、ここで、該C1-3アルキルの各々は、ハロゲン、-OH、OCH3、-SCH及び-NH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択された1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、zは0、1又は2である;及び/又は
    (G)Eは、O若しくはS、又はSである。
  31. 請求項1に記載の化合物であって、以下である化合物:
    Lは、結合;及び
    (A)R1aは、アルキル、-O(アルキル)、-S(アルキル)、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、及びヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、アルキル基及びヘテロシクリル基の各々は独立して選択される1若しくは複数のR30で任意選択的に置換されていてもよく、ここで、好適には、各R30は、独立して、(i)C1-3アルキル、フェニル、チアゾリジニル、ハロゲン、-NH2、-NHS(O)2(C1-3アルキル)、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、及び-NHC(=NH)NHZ-2(C1-3アルキル)z、ここでzは0、1、もしくは2であり、各C1-3アルキルは、独立して、メチル、エチル、プロピル、若しくはイソプロピルある;(ii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、=O及び=S;又は(iii)メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ハロゲン及びCF3、である;
    (B)Rlb及びRlcの各々は、独立して、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシからなる群から独立に選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び フェニル、ピリジニル、ピラゾリル、フェノキシ、ピリジニルオキシ、イミダゾリルアミノ、及びテトラヒドロフラニルメトキシ基の各々は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、及び-NH2-Z(CH3)Z(式中、zは0、1、又は2)から独立して選択される1、2又は3の部分で任意選択的に置換されていてもよい;
    (C)R3は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、アジド、-NO2、-O(C1-6アルキル)、-OCF3、-S(C1-6アルキル)、-NH2、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)2、-NHS(O)2(C1-6アルキル)、-S(O)2NH2-Z(C1-6アルキル)z、-C(=O)(C1-6アルキル)、C(=O)OH、-C(=O)O(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-6アルキル)z、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-6アルキル)z、及び-N(C1-6アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-6アルキル)zからなる群から選択される[式中、zは0、1、又は2であり、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、及びフェニル基の各々は、独立して選択される1若しくは複数のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい];
    (D)R6は、3-員若しくは10-員のヘテロシクリル、又は、3-員~10-員のヘテロアリールであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (E)Aは、S、O、NH、N(C1-6アルキル)、及びC(C1-6アルキル)2からなる群から選択される;
    (F)Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され、ここで、該C1-3アルキル基の各々は、ハロゲン、-OH、OCH3、-SCH及び-NH2-Z(CH3)Zからなる群から独立して選択された1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい、zは0、1又は2である;及び
    (G)Eは、O若しくはS、又はSである。
  32. 請求項1に記載の化合物であって、以下である化合物:
    Lは、結合;及び
    (A')R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、3-~7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、3-~7-員ヘテロシクリル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル)、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及び-NH2-Z(CH3)Zからなるから群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及び-NH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (B')Rlb及びRlcの少なくとも一つは、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、及びフェニルからなる群から選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び Rlb及びRlcの他は、請求項30の(B)に定義される;
    (C')R3は、H、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-4アルキル)、-OCF3、-S(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)2、-C(=O)(C1-4アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-4アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-4アルキル)z、-NHC(=O)(C1-4アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-4アルキル)z、及び-N(C1-4アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-4アルキル)zからなる群から選択され、ここで、フェニル基は、ハロゲン、メチル、イソプロピル、-CN、- CF3、-OCF3、-OH、-NH2、NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-(CH2)1-3NH2、-(CH2)1-3NH(C1-3アルキル), -(CH2)1-3N(C1-3アルキル)2, -(CH2)1-3OH, 及び -(CH2)1-3O(C1-3アルキル)からなる群から独立して選択される、1、2若しくは複数基で、任意選択的に、置換されていてもよく、zが0、1、又は2である;
    (D')R6は、N、O、Sからなる群から選ばれる少なくとも1の環ヘテロ原子をふくむ3-員若しくは10-員のヘテロアリール、又は、N、O、Sからなる群から選ばれる少なくとも1の環ヘテロ原子をふくむ3-員~10-員のヘテロシクリルであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;又は、
    R6は、単若しくは二環ヘテロアリール、又は、単若しくは二環ヘテロシクリルであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (E')Aは、S、O、又はN(CH3)2
    (F')Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され;及び/又は
    (G')Eは、O若しくはS、又はSである。
  33. 請求項1に記載の化合物であって、ここで以下である化合物:
    Lは、結合;
    (A')R1aは、C1-3アルキル、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、3-~7-員ヘテロシクリルからなる群から選択され、ここで、3-~7-員ヘテロシクリル基は、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、4-メチルピペラジニル、-C(=O)(C1-3アルキル)、-(CH2)1-3COOH、及び-NH2-Z(CH3)zからなるから群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい(ただし、zは0、1、又は2);及びC1-3アルキル基のそれぞれは、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、ピペラジニル、4-メチルピペラジニル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、及び-NH2-Z(CH3)Z(ただし、zは0、1、又は2)からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (B')Rlb及びRlcの少なくとも一つは、H、メチル、エチル、-OH、-OCH3、-SCH3、シクロプロピル、2-ハイドロキシエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ、2-アミノエチル、2-(N-メチルアミノ)エチル、2-(メトキシ)エチル、-NH2-Z(CH3)z、及びフェニルからなる群から選択され、ここでzは0、1、又は2であり;及び Rlb及びRlcの他は、請求項30の(B)に定義される;
    (C')R3は、H、C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、ハロゲン、-CN、-O(C1-4アルキル)、-OCF3、-S(C1-4アルキル)、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、-N(C1-4アルキル)2、-C(=O)(C1-4アルキル)、-C(=O)OH、-C(=O)O(C1-4アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-4アルキル)z、-NHC(=O)(C1-4アルキル)、-NHC(=NH)NHZ-2(C1-4アルキル)z、及び-N(C1-4アルキル)C(=NH)NH2-Z(C1-4アルキル)zからなる群から選択され、ここで、フェニル基は、ハロゲン、メチル、イソプロピル、-CN、- CF3、-OCF3、-OH、-NH2、NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2、-NHC(=O)(C1-3アルキル)、-C(=O)NH2-Z(C1-3アルキル)Z、-(CH2)1-3NH2、-(CH2)1-3NH(C1-3アルキル), -(CH2)1-3N(C1-3アルキル)2, -(CH2)1-3OH, 及び -(CH2)1-3O(C1-3アルキル)からなる群から独立して選択される、1、2若しくは複数基で、任意選択的に、置換されていてもよく、zが0、1、又は2である;
    (D')R6は、N、O、Sからなる群から選ばれる少なくとも1の環ヘテロ原子をふくむ3-員若しくは10-員のヘテロアリール、又は、N、O、Sからなる群から選ばれる少なくとも1の環ヘテロ原子をふくむ3-員~10-員のヘテロシクリルであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;又は、
    R6は、単若しくは二環ヘテロアリール、又は、単若しくは二環ヘテロシクリルであり、その各々は、1、2又は3つの、独立して選択されるR7で、任意選択的に、置換されていてもよい;
    (E')Aは、S、O、又はN(CH3)2
    (F')Bは、N又はCRldであり、ここで、Rldは、C1-3アルキル、ハロゲン、-O(C1-3アルキル)、-S(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、及び-N(C1-3アルキル)2からなる群から選択され;及び/又は
    (G')Eは、O若しくはS、又はSである。
  34. 上記請求項30~33のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、5員の単環式ヘテロアリールであって、N,O及びSからなる群から選ばれる少なくとも一つの環ヘテロ原子を含み、及び独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  35. 上記請求項30~33のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、5-若しくは6-員の単環式ヘテロアリールであって、少なくとも1のSである環ヘテロ原子を含み、及び独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  36. 上記請求項30~35のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、任意選択的に、置換されていてもよい、チエニルである、化合物。
  37. 上記請求項30~36のいずれか1に記載の化合物であって、R6は、独立して選択される1、2、又は3つのR7で、置換されている、化合物。
  38. 上記請求項30~37のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-3アルキル、ハロゲン、-CN、-O(C1-3アルキル)、-NH(C1-3アルキル)、-N(C1-3アルキル)2からなる群から独立して、選択され、及び/又は、ヘテロシクリル基であるR6の同じ原子に結合する任意の2つのR7が、共に結合して=Oを形成し、ここで、C1-3アルキルの各々は、独立して選択される1若しくは複数のR30で、置換されていてもよい、化合物。
  39. 上記請求項30~38のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、C1-2アルキル及びハロゲンからなる群から独立して、選択され、ここで、C1-2アルキル基は、独立して選択される1、2若しくは3のR30で、任意選択的に、置換されていてもよい、化合物。
  40. 上記請求項30~39のいずれか1に記載の化合物であって、R7は、Cl、Br及びメチルからなる群から、独立して選択される、化合物。
  41. 上記請求項30~40のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、-NH(C1-3アルキル)、ピペラジニル、ピペリジニル及びピロリジニルからなる群から選択され、ここに、ピペラジニル基は、2-ヒドロキシエチル、メチル、-CH2COOH及び-C(=O)CH3からなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく;ピペリジニル基は、-NH2及び4-メチルピペラジニルからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく;ピロリジニルは、1若しくは2のOHで任意選択的に置換されていてもよく;及びC1-3アルキル基の各々は、-OH、-OCH3及び-NH2-Z(CH3)zからなる群から独立して選択される1若しくは2の部分で任意選択的に置換されていてもよく、ここで、zは0、1又は2である、化合物。
  42. 上記請求項30~41のいずれか1に記載の化合物であって、R1aは、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、4-メチルピぺラジニル、4-アセチルピぺラジニル、(2-ヒドロキシエチル)アミノ、からなる群から選択される、化合物。
  43. 上記請求項30~42のいずれか1に記載の化合物であって、RlbはHであり、Rlcはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、若しくはフェニルであり、又は、RlbはHであり、Rlcはメチルである、化合物。
  44. 上記請求項30~43のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、Sであり、Bは、Nであり、及び/又は、Eは、Oである、化合物。
  45. 上記請求項30~44のいずれか1に記載の化合物であって、Aは、Sであり、Bは、Nであり、及び、Eは、Oである、化合物。
  46. 上記請求項30~45のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、及びハロゲンからなる群から選択される、化合物。
  47. 上記請求項30~46のいずれか1に記載の化合物であって、R3は、Hである、化合物。
  48. 上記請求項1~47のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
    Figure 2022505645000107
    及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
  49. 上記請求項1~34及び37~47のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
    Figure 2022505645000108
    及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
  50. 上記請求項1~47のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
    Figure 2022505645000109
    及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
  51. 上記請求項1~47のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
    Figure 2022505645000110
    及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
  52. 上記請求項1~47のいずれか1に記載の化合物であって、以下の群から選択される:
    Figure 2022505645000111
    及び、それらの溶媒和物、塩、N-オキシド、錯体、多形体、結晶形、互変異性体、配座異性体、同位体標識形、プロドラッグ、及びそれらの組み合わせである、化合物。
  53. 上記請求項1~49のいずれか1に記載の化合物であって、化合物は、実質的に、純粋な形態であり、又は、約90%、約95%、約98%、若しくは99%以上の純度である、化合物。
  54. 上記請求項1~49、又は53のいずれか1に記載の化合物を含み、任意選択的に、薬学的に許容される賦形剤をさらに含むことができる、医薬組成物。
  55. 経口投与用に製剤化された上記請求項54に記載の医薬組成物。
  56. 単位投与用量形態の上記請求項54又は55に記載の医薬組成物。
  57. 治療に使用するための、上記1~49及び53のいずれか一に記載の化合物、又は上記請求項54~56のいずれか一に記載の医薬組成物。
  58. 任意選択的に、疾患、疾病若しくは(身体の異常)状態が、キナーゼと関連してもよい、上記1~49及び53のいずれか一に記載の化合物、又は上記請求項54~56のいずれか一に記載の医薬組成物を、個体に投与することを含む、個体における疾患、疾病若しくは(身体の異常)状態の処置方法(のための医薬)。
  59. 対象における増殖性障害疾患若しくは症状の治療の方法(のための医薬)であって、化合物若しくは医薬組成物を対象に投与することを含み、化合物が上記請求項1~49及び53のいずれか1つに記載の化合物、又は、医薬組成物が、上記請求項54~56のいずれか1つに記載の医薬組成物である、方法(のための医薬)。
  60. 対象における増殖性障害の治療に使用するための化合物若しくは医薬組成物であって、化合物若しくは医薬組成物を対象に投与することを含み、化合物が上記請求項1~49及び53のいずれか1つに記載の化合物である、又は、医薬組成物が、上記請求項54に記載の医薬組成物である、化合物若しくは医薬組成物。
  61. 増殖性疾患が、癌又は腫瘍である、上記請求項57若しくは60のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  62. 前記癌が、固形腫瘍である、上記請求項61に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  63. 処置が、免疫チェックポイント阻害剤の投与をさらに含む、上記請求項57及び60~62のいずれか1に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  64. (i)増殖性疾患が、対象における標準治療で進行した、若しくは(ii)対象が、標準治療を受けることができない、上記請求項57及び60~63のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  65. 処置が、SIK3の阻害に関与する、上記請求項57及び60~64のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  66. 処置が、細胞媒介性免疫応答に対して、増殖性疾患に関与する細胞を、敏感反応性にすることに関係する、上記請求項57及び60~65のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  67. 前記化合物若しくは医薬組成物が、TNFによって誘導される殺傷に対して、増殖性障害に関与する細胞を敏感反応性にするために、対象に投与される、上記請求項57及び60~66のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  68. 処置が、対象における増殖性疾患に関与する細胞に、(i)TNF、TNFバリアント及び/又はTNFRl-若しくはTNFRl-シグナル伝達のアゴニストを;及び(ii)当該化合物若しくは医薬組成物を、ばく露される、上記請求項57及び60~67のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  69. 対象における増殖性疾患に関与する細胞へのTNFのばく露の量が増加される、上記請求項68に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  70. (i)TNF、TNFバリアント及び/又はTNFRl-若しくはTNFRl-シグナル伝達のアゴニストが、対象に投与される;(ii)増殖性疾患に関与する細胞の、TNF、TNFバリアント及び/又はTNFRl-若しくはTNFRl-シグナル伝達のアゴニストへの、ばく露を誘導できる若しくは誘導する、薬剤が、対象に投与される;又は(iii)増殖性疾患に関与する細胞へのTNFのばく露が、対象の血漿中及び/又はそのような細胞の環境中のTNFの量を増加させるような医薬的、処置的又は他の手段によって誘導される、上記請求項68若しくは69に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  71. 増殖性疾患に関与する細胞へのTNFのばく露が、対象の血漿中及び/又はそのような細胞の環境中のTNFの量を増加させるような医薬的、処置的又は他の手段によって誘導される、上記請求項68~70のいずれか一に記載の使用のための化合物若しくは医薬組成物。
  72. 上記請求項1~49のいずれか1つの化合物を調製するための中間体としての使用であって、中間体が、R6又はR1aの構造を含む、若しくは以下の構造を含む、中間体の使用:
    Figure 2022505645000112
    式中、R6、R1a、A及びBは、上記1~49のいずれか1つに定義されるとおりである。
  73. 前記中間体が、次のリストから選択される、上記請求項72に記載の中間体の使用:
    * 4-クロロ-2-メチルピリジン-3-アミン;
    * 2,4-ジエチルピリジン-3-アミン;
    * 3-メチルピリジン-2-アミン;
    * 4-ブロモ-2-メチルピリジン-3-アミン;
    * 3-クロロ-5-メチルピリジン-4-アミン;
    * 3,5-ジメチルピリジン-4-アミン;
    * 2-メチルピリジン-3-アミン;
    * 2-クロロ-4-メチルチオフェン-3-アミン;
    * 1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-アミン;
    * 3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-アミン;
    * キヌクリジン-3-アミン;及び
    * 2-エチル-4-メチルピリジン-3-アミン。
  74. R1aが、脱離基、若しくはハロゲン、若しくはClである、上記請求項1~49のいずれか1項に記載の式(I)の構造を有する化合物からなる群から選択される中間体。
  75. 上記請求項53に記載の化合物を調製する方法であって、以下の工程を含む、方法:
    * 上記請求項1~49のいずれか1に記載のいずれか1つの化合物を、1若しくは複数の不純物と混合し、
    * 混合物から不純物の画分を少なくとも除去する。
  76. 上記請求項1~49及び53のいずれか1に記載のいずれか1つの化合物を、薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
  77. 医薬パッケージを調製する方法であって、以下の工程を含む、方法:
    * 上記請求項54~56のいずれか1項に記載の医薬組成物若しくは完成した医薬形態を包装し、それによって医薬組成物を含有する包装を形成し;
    * 任意選択で、医薬組成物の処方情報を記載するリーフレットを包装に挿入する。
  78. 上記請求項54~56のいずれか1項に記載の医薬組成物を含有する医薬パッケージであって、該医薬組成物が完成した医薬形態である、医薬パッケージ。
  79. 第1の場所から第2の場所に、上記請求項54~56のいずれか1に記載の医薬組成物、又は上記請求項78に記載の医薬パッケージを送達する方法であって、以下の工程を含む、方法:
    * ある量の医薬組成物又は医薬パッケージの送達のための第2の場所からの要求を第1の場所で受け取り、
    * 医薬組成物若しくは医薬パッケージの要求された量の少なくとも一部若しくはすべてを第1の場所から第2の場所に1若しくは複数の送りで送達する;
    ここで、第1の場所及び第2の場所は、少なくとも10mを超える距離だけ離れており、そして、送達のうちの1若しくは複数は車輪付き輸送器によって第1の場所と第2の場所との間の距離の少なくとも一部分だけ輸送される。
  80. 第1の場所から第2の場所に、医薬組成物、又は医薬パッケージを送達する方法であって、以下の工程を含む、方法:
    * ある量の医薬組成物又は医薬パッケージの送達のための第2の場所からの要求を第1の場所で受け取り、
    * 医薬組成物若しくは医薬パッケージの要求された量の少なくとも一部若しくはすべてを第1の場所から第2の場所に1若しくは複数の送り工程で送達する;
    ここで、第1の場所及び第2の場所は、少なくとも10mを超える距離だけ離れており、そして、送達のうちの1若しくは複数は車輪付き輸送器によって第1の場所と第2の場所との間の距離の少なくとも一部分だけ輸送される;及び、ここで、
    (A)該医薬組成物が次の化合物、
    Figure 2022505645000113
    、及び、所望選択的に、さらに、薬学的に許容される賦形剤を、含み;及び/又は
    (B)該医薬パッケージが、(A)の医薬組成物を含む;又は該医薬パッケージが、(A)の医薬組成物を含み、該医薬組成物が完成した医薬形態である。
JP2021522057A 2018-10-23 2019-10-22 複素環キナーゼ阻害剤及びその使用 Pending JP2022505645A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP18202164.2A EP3643713A1 (en) 2018-10-23 2018-10-23 Heterocyclic kinase inhibitors and uses thereof
EP18202164.2 2018-10-23
PCT/EP2019/078751 WO2020083926A1 (en) 2018-10-23 2019-10-22 Heterocyclic kinase inhibitors and uses thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022505645A true JP2022505645A (ja) 2022-01-14
JPWO2020083926A5 JPWO2020083926A5 (ja) 2022-10-31

Family

ID=64270595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021522057A Pending JP2022505645A (ja) 2018-10-23 2019-10-22 複素環キナーゼ阻害剤及びその使用

Country Status (12)

Country Link
US (1) US20210387982A1 (ja)
EP (2) EP3643713A1 (ja)
JP (1) JP2022505645A (ja)
KR (1) KR20210081353A (ja)
CN (1) CN112955447A (ja)
AU (1) AU2019368654A1 (ja)
BR (1) BR112021007643A2 (ja)
CA (1) CA3116674A1 (ja)
IL (1) IL282588A (ja)
MX (1) MX2021004568A (ja)
SG (1) SG11202103142TA (ja)
WO (1) WO2020083926A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7099654B1 (ja) * 2020-08-31 2022-07-12 日本製鉄株式会社 鋼板およびその製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3901151A1 (en) * 2020-04-21 2021-10-27 iOmx Therapeutics AG Halogenated-heteroaryl and other heterocyclic kinase inhibitors, and uses thereof
AU2022369036A1 (en) * 2021-10-19 2024-05-02 Iomx Therapeutics Ag A synthesis scheme and procedures for preparing a sik3 inhibitor and intermediates thereof
CN116813608B (zh) * 2023-06-08 2024-03-22 英矽智能科技(上海)有限公司 噻唑类化合物及其应用

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4447233A (en) 1981-04-10 1984-05-08 Parker-Hannifin Corporation Medication infusion pump
US4475916A (en) 1982-03-18 1984-10-09 Merck & Co., Inc. Osmotic drug delivery system
US4439196A (en) 1982-03-18 1984-03-27 Merck & Co., Inc. Osmotic drug delivery system
US4522811A (en) 1982-07-08 1985-06-11 Syntex (U.S.A.) Inc. Serial injection of muramyldipeptides and liposomes enhances the anti-infective activity of muramyldipeptides
US4447224A (en) 1982-09-20 1984-05-08 Infusaid Corporation Variable flow implantable infusion apparatus
US4487603A (en) 1982-11-26 1984-12-11 Cordis Corporation Implantable microinfusion pump system
US4486194A (en) 1983-06-08 1984-12-04 James Ferrara Therapeutic device for administering medicaments through the skin
US4596556A (en) 1985-03-25 1986-06-24 Bioject, Inc. Hypodermic injection apparatus
US5374548A (en) 1986-05-02 1994-12-20 Genentech, Inc. Methods and compositions for the attachment of proteins to liposomes using a glycophospholipid anchor
MX9203291A (es) 1985-06-26 1992-08-01 Liposome Co Inc Metodo para acoplamiento de liposomas.
US4790824A (en) 1987-06-19 1988-12-13 Bioject, Inc. Non-invasive hypodermic injection device
US4941880A (en) 1987-06-19 1990-07-17 Bioject, Inc. Pre-filled ampule and non-invasive hypodermic injection device assembly
US5108921A (en) 1989-04-03 1992-04-28 Purdue Research Foundation Method for enhanced transmembrane transport of exogenous molecules
US5064413A (en) 1989-11-09 1991-11-12 Bioject, Inc. Needleless hypodermic injection device
US5312335A (en) 1989-11-09 1994-05-17 Bioject Inc. Needleless hypodermic injection device
US5383851A (en) 1992-07-24 1995-01-24 Bioject Inc. Needleless hypodermic injection device
US7125875B2 (en) * 1999-04-15 2006-10-24 Bristol-Myers Squibb Company Cyclic protein tyrosine kinase inhibitors
EP1558609A4 (en) * 2002-10-30 2008-05-28 Merck & Co Inc KINASE INHIBITORS
CA2579002C (en) * 2004-09-02 2012-11-27 Genentech, Inc. Pyridyl inhibitors of hedgehog signalling
KR100919905B1 (ko) * 2005-01-26 2009-10-06 아이알엠 엘엘씨 단백질 키나제 억제제로서의 화합물 및 조성물
WO2008033746A2 (en) * 2006-09-11 2008-03-20 Curis, Inc. Tyrosine kinase inhibitors containing a zinc binding moiety
US20090281089A1 (en) * 2008-04-11 2009-11-12 Genentech, Inc. Pyridyl inhibitors of hedgehog signalling
US8907053B2 (en) 2010-06-25 2014-12-09 Aurigene Discovery Technologies Limited Immunosuppression modulating compounds
US9422262B2 (en) * 2010-09-24 2016-08-23 The Broad Institute, Inc. Compounds and methods for treating diseases mediated by protease activated receptors
BR112014032581A8 (pt) * 2012-06-27 2018-08-14 4Sc Discovery Gmbh inibidores de bifluorodioxalano-amino-benzimidazol quinase para o tratamento de câncer, distúrbios do snc e inflamação autoimune
DK3391907T3 (da) 2017-04-20 2020-03-09 Iomx Therapeutics Ag Intracellulær kinase sik3, der er associeret med resistens over for antitumorimmunresponser, og anvendelser deraf

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7099654B1 (ja) * 2020-08-31 2022-07-12 日本製鉄株式会社 鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020083926A1 (en) 2020-04-30
CN112955447A (zh) 2021-06-11
CA3116674A1 (en) 2020-04-30
AU2019368654A1 (en) 2021-05-06
US20210387982A1 (en) 2021-12-16
MX2021004568A (es) 2021-09-08
SG11202103142TA (en) 2021-05-28
EP3870580A1 (en) 2021-09-01
BR112021007643A2 (pt) 2021-07-27
KR20210081353A (ko) 2021-07-01
EP3643713A1 (en) 2020-04-29
IL282588A (en) 2021-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11992531B2 (en) C3-carbon linked glutarimide degronimers for target protein degradation
US9938273B2 (en) Compounds and methods for kinase modulation, and indications therefor
CN107108637B (zh) 三唑并嘧啶化合物及其用途
Singh et al. Design of novel 3-pyrimidinylazaindole CDK2/9 inhibitors with potent in vitro and in vivo antitumor efficacy in a triple-negative breast cancer model
JP2022505645A (ja) 複素環キナーゼ阻害剤及びその使用
EP3901151A1 (en) Halogenated-heteroaryl and other heterocyclic kinase inhibitors, and uses thereof
JP2021524842A (ja) Pd−l1免疫調節剤としてのテトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン誘導体
CN109790166A (zh) 咪唑并吡啶化合物用于治疗癌症
JP2018527398A (ja) ヘテロ環式化合物およびそれらの使用
US20230192701A1 (en) Bicyclic kinase inhibitors and uses thereof
US20210379067A1 (en) Dasatinib and another 5-thiazolecarboxamide kinase inhibitor, and uses thereof
US20210130352A1 (en) Oga inhibitor compounds
TW202108572A (zh) Cdk抑制劑
US20220064188A1 (en) Vinyl imidazole compounds as inhibitors of kras
TW202115077A (zh) Malt1抑制劑及其用途
CN108473472B (zh) 作为p70s6激酶抑制剂的2-氨基喹唑啉衍生物
JP2023545588A (ja) ヘテロ環式カリンringユビキチンリガーゼ化合物及びその使用
TW201609106A (zh) 用於治療cns惡性病之btk抑制劑
KR20220132538A (ko) 디하이드로오로테이트 데하이드로게나제를 억제하는 방법 및 조성물
CN117015380A (zh) 多环IRAK和flt3抑制化合物以及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231129

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20240110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240112

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240227

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240523