JP2022191657A - インクセット、記録物、記録方法、及び記録物の製造方法 - Google Patents

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由佳 折笠
Yuka Origasa
圭士郎 吉森
Keishiro Yoshimori
貴生 松本
Takao Matsumoto
公淳 宇高
Koujun Uko
充功 田村
Mitsuisa Tamura
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Abstract

【課題】中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することのできるインクセットを提供する。【解決手段】色材と、有機溶剤と、を含有し、インクジェット法によって吐出される複数の非水性インク組成物を含むインクセットであって、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、該イエローインク組成物と該マゼンタインク組成物との中間色インク組成物と、を含み、前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤A(所定のアルキルアミド系溶剤及び所定の環状アミド系溶剤のうち少なくとも1つ)を含有する、インクセット。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、記録物、記録方法、及び記録物の製造方法に関する。
インク組成物として、各種の色材を有機溶剤との混合液に溶解又は分散させた非水性インク組成物が広く用いられている。このインク組成物をインクジェット方式により紙等の基材に直接又は他の層を介して塗布し、付着させて非水性インク組成物が乾燥することにより文字や画像を得ることができる。
そして、インクジェット法によって吐出するインクジェット方式では、所望の画像を形成するために例えば、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、ブラックインク組成物からなるインクセットが用いられる。
しかしながら、色相の異なる複数のインク組成物を使用すると得られる印字の彩度が低下してしまう。そこで、例えばそれぞれの複数のインク組成物との中間色インク組成物と、を含むインクセットが用いられることがある。
例えば、特許文献1には、所定のオレンジ顔料を含むオレンジ色のインク組成物が開示されている。
特許文献1には、このオレンジ色のインク組成物が、耐候性が高く、発色性が良好で、分散安定性に優れた効果を得たことが記載されている。
特開2017-128694号公報
さて、所望の画像を形成するために複数のインク組成物をインクジェット法によって基材(記録媒体)上に吐出すると中間色インク組成物を含む複数のインク組成物同士が混ざり合ってしまい、印字に滲みが発生することがある。
本発明は、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することのできるインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、所定の有機溶剤を含有する非水性インク組成物を含むインクセットであれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)色材と、有機溶剤と、を含有し、インクジェット法によって吐出される複数の非水性インク組成物を含むインクセットであって、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、該イエローインク組成物と該マゼンタインク組成物との中間色インク組成物と、を含み、前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する、インクセット。
有機溶剤A:下記式(1)で示されるアルキルアミド系溶剤(a1)及び下記式(2)で示される環状アミド系溶剤(a2)のうち少なくとも1つ
Figure 2022191657000001
(式(1)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
Figure 2022191657000002
(式(2)中、Rは、炭素数3以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基または不飽和炭化水素基を表す。)
(2)前記有機溶剤Aの含有量は、前記非水性インク組成物全量中1.0質量%以上90質量%以下の範囲である1に記載のインクセット。
(3)前記有機溶剤Aは、アルキルアミド系溶剤(a1)を含有する、(1)又は(2)に記載のインクセット。
(4)前記アルキルアミド系溶剤(a1)は、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド、及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有する(3)に記載のインクセット。
(5)前記有機溶剤Aは、環状アミド系溶剤(a2)を含有する、(1)又は(2)に記載のインクセット。
(6)前記環状アミド系溶剤(a2)はε-カプロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有する、(5)に記載のインクセット。
(7)前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも2つ以上の非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する、(1)から(6)のいずれかに記載のインクセット。
(8)前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、さらにグリコールエーテル系溶剤を含有する(1)から(7)のいずれかに記載のインクセット。
(9)前記グリコールエーテル系溶剤はジアルキルエーテルを含有する(8)に記載のインクセット。
(10)前記グリコールエーテル系溶剤はモノアルキルエーテルを含有する(8)又は(9)に記載のインクセット。
(11)前記グリコールエーテル系溶剤は引火点の異なる少なくとも2つの溶剤を含有する(8)から(10)のいずれかに記載のインクセット。
(12)インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は樹脂を含有する(1)から(11)のいずれかに記載のインクセット。
(13)樹脂の含有量は、非水性インク組成物全量中1質量%以上15質量%以下の範囲内である(12)に記載のインクセット。
(14)前記樹脂は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する、(13)に記載のインクセット。
(15)前記イエローインク組成物は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する(1)から(14)のいずれかに記載のインクセット。
(16)前記マゼンタインク組成物は、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する(1)から(15)のいずれかに記載のインクセット。
(17)前記中間色インク組成物は、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド57-1、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する(1)から(16)のいずれかに記載のインクセット。
(18)前記中間色インク組成物は少なくとも2種以上の中間色インク組成物を含有する、(1)から(17)のいずれかに記載のインクセット。
(19)(1)から(18)のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する記録方法。
(20)加温機構によって基材の表面に吐出された前記非水性インク組成物を乾燥する(19)に記載の記録方法。
(21)(1)から(18)のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する記録物の製造方法。
(22)(1)から(18)のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物の記録層が基材の表面に形成された記録物。
本発明のインクセットは、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。また、本明細書において、「~」との表記は、「以上」「以下」を意味する。
≪1-1.インクセット≫
本実施の形態に係るインクセットは、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、イエローインク組成物とマゼンタインク組成物との中間色インク組成物と、を含む。このような中間色インク組成物を含むことで、彩度の低減を抑制して種々の色調を再現することができる。
なお、イエローインク組成物はイエロー系の色材を含み、マゼンタインク組成物は、マゼンタ系の色材を含むインク組成物であり、中間色インク組成物は、イエロー系とマゼンタ系の中間色の色材(例えばオレンジ系色材)を含むインク組成物である。
イエローインク組成物とは、一般的にイエロー(黄色)に呈しているインク組成物であればよい。例えば、以下の式で定義される色相の角度hが45°以上120°以下の範囲のインク組成物を意味するものである。マゼンタインク組成物とは、一般的にマゼンタ(赤紫色又は紅紫色)に呈しているインク組成物であればよい。例えば、以下の式で定義される色相の角度hが-60°以上45°以下の範囲のインク組成物を意味するものである。中間色インク組成物とは、一般的にイエローとマゼンタとの中間色(例えば赤色、オレンジ色等)に呈しているインク組成物であって、色相の角度hがイエローインク組成物とマゼンタインク組成物の間であることを意味する。
Figure 2022191657000003
(式中、aとはL色空間におけるaの値を意味し、bとは、L色空間におけるbの値を意味する。)
そして、インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する。
有機溶剤A:下記式(1)で示されるアルキルアミド系溶剤及び下記式(2)で示される環状アミド系溶剤のうち少なくとも1つ
Figure 2022191657000004
(式(1)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
Figure 2022191657000005
(式(2)中、Rは、炭素数3以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基または不飽和炭化水素基を表す。)
有機溶剤Aを含有することにより、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても得られる記録物における印字の滲みを効果的に抑制することができる。
≪1-2.非水性インク組成物を含むインクセット≫
以下では、本実施の形態に係るインクセットの一例として非水性インク組成物を含むインクセットを説明する。
ここで、「非水性インク組成物」とは、大気中の水分や、添加物等に由来するような不可避的に含まれる水を除き、水を意図的に含有させないインク組成物(油性インク組成物)であることを意味し、水、又は水と有機溶剤との混合液に色材を溶解又は分散させた水性インク組成物とは異なる。
本発明のインクセットは、例えば水を主成分とする水性インク組成物を含んでもよいが、非水性インク組成物をインクジェット法によって基材(記録媒体)上に未乾燥の状態で吐出すると、印字の滲みが発生するという課題がより顕著に発生することとなる。有機溶剤Aを含有するインク組成物を含む本実施の形態に係るインクセットであれば、非水性インク組成物を含むことにより発生する本発明の課題を効果的に解決することが可能となる。
なお、本発明のインクセットは、少なくとも1つ以上の非水性インク組成物を含んでいればよいが、少なくとも2つ以上の非水性インク組成物を含むことが好ましく、少なくとも3つ以上の非水性インク組成物を含むことがより好ましく、非水性インク組成物のみからなるインクセットであることがさらに好ましい。
また、本明細書において、「インクセットに含まれる複数のインク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する」との文言は、インクセットに含まれるイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物と、のいずれか1つ以上のインク組成物に有機溶剤Aを含有するインクセットであってもよいし、インクセットに含まれ、かつイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物とは異なるインク組成物(例えば、インクセットに含まれるシアンインク組成物、ブラックインク組成物、ホワイトインク組成物等)のいずれか1つ以上のインク組成物に有機溶剤Aを含有するインクセットであってもよい。有機溶剤Aを含有する非水性インク組成物は基材(記録媒体)上で乾燥しやすいため、インクセットに含まれる少なくとも1つの非水性インク組成物に有機溶剤Aを含有していれば、他の非水性インク組成物に有機溶剤Aを含んでいなくとも、印字の滲みを抑制するという本発明の課題を達成できるインクセットとなる。
なお、インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち1つ以上の非水性インク組成物が有機溶剤Aを含んでいればよいが、本発明のインクセットは、インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち2つ以上の非水性インク組成物が有機溶剤Aを含むことが好ましく、インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち3つ以上の非水性インク組成物が有機溶剤Aを含むことがより好ましく、有機溶剤Aを含む非水性インク組成物のみからなるインクセットであることがさらに好ましい。
また、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物における水分の含有量は、非水性インク組成物全量中1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量以下であることがより好ましい。原料に由来する水分や製造過程で大気中等の水分が混入すると、非水性インク組成物の保存安定性が悪化することや非水性インク組成物に含まれる成分等によって固形物が発生することがある。非水性インク組成物中に水分の含有量を低減してできるだけ水分を含まないようにすること(水分を意図的に含まないようにすること)で、保存安定性等をより効果的に向上させることが可能となる。
以下、本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物のうち、有機溶剤Aを含有する非水性インク組成物について説明する。なお、本実施の形態に係るインクセットには、有機溶剤Aを含有する非水性インク組成物とは異なるインク組成物(非水性インク組成物、水性インク組成物を含む)を含んでいてもよい。
[有機溶剤]
有機溶剤は、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物に含有される各成分を分散又は溶解することができるものである。有機溶剤は、有機溶剤A(アルキルアミド系溶剤(a1)、及び環状アミド系溶剤(a2)からなる群より選択される少なくとも1つ)を含有する。
(1)アルキルアミド系溶剤
アルキルアミド系溶剤(a1)とは、アルキル基(C2n+1-)と-C(=O)-N-基(アミド結合)を有する化合物であって、水素若しくはアルキル基と-C(=O)-N-基から構成された化合物からなる有機溶剤のうち、下記一般式(1)で表されるアルキルアミド系溶剤である。
Figure 2022191657000006
(式(1)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
なお、式(1)中のR及びRは、炭素数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数2以上4以下のアルキル基であることがより好ましい。
アルキルアミド系溶剤(a1)は、プラスチックチューブ内での密閉された空間内での揮発率が低いにも関わらず、開放された空間内での揮発率が高い。このため、有機溶剤Aとしてアルキルアミド系溶剤を使用することで、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することができる。環状アミド系溶剤についても同様である。
アルキルアミド系溶剤(a1)としては、具体的には、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジプロピルホルムアミド、N,N-ジブチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド、N,N-ジプロピルプロパンアミド、N-エチルホルムアミド、N-エチルアセトアミド等が挙げられる。この中でも、本発明の効果を特に奏するという観点から、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
アルキルアミド系溶剤(a1)の含有量は、特に限定されないが、アルキルアミド系溶剤(b1)の含有量の下限は、非水性インク組成物全量中1質量%以上の範囲であることが好ましく、5質量%以上の範囲であることがより好ましく、8質量%以上の範囲であることがさらに好ましい。
アルキルアミド系溶剤(a1)の含有量の上限は、非水性インク組成物全量中90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。
(2)環状アミド系溶剤
環状アミド系溶剤(a2)とは、環状構造を有し、その環状構造に-C(=O)-N-基を有する溶剤であって、以下の構造を有する溶剤である。
Figure 2022191657000007
(式(2)中、Rは、炭素数3以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基または不飽和炭化水素基を表す。)
不飽和炭化水素基とは、ビニル基などの少なくとも1つ以上の多重結合を含む炭化水素基を意味する。
なお、Rは、水素若しくは炭素数1以上3以下のアルキル基または不飽和炭化水素基であることが好ましく、水素若しくは炭素数1以上2以下のアルキル基または不飽和炭化水素基であることが好ましい。
環状アミド系溶剤(a2)としては、具体的には、N-メチルカプロラクタム、N-アセチルカプロラクタム、ε-カプロラクタム、N-ビニルカプロラクタム、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、N-プロピル-2-ピロリドン、N-エチル-ε-カプロラクタム、N-プロピル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム等が挙げられる。この中でも、ε-カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
環状アミド系溶剤(a2)の含有量は、特に限定されないが、環状アミド系溶剤(a2)の含有量の下限は、非水性インク組成物全量中1質量%以上の範囲であることが好ましく、5質量%以上の範囲であることがより好ましく、8質量%以上の範囲であることがさらに好ましい。
環状アミド系溶剤(a2)の含有量の上限は、非水性インク組成物全量中90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、75質量%以下であることがさらに好ましい。
有機溶剤Aの中でも、「アルキルアミド系溶剤(a1)を含むもの」がより好ましい。「アルキルアミド系溶剤(a1)を含むもの」であれば、上記の効果をさらに効果的に奏する非水性インク組成物となる。
有機溶剤Aは、アルキルアミド系溶剤(a1)、環状アミド系溶剤(a2)のうち少なくとも1種類を含むことにより十分本発明の効果を発揮するものであるが、有機溶剤Aの溶剤の中から2種類以上を混合してもよい。2種類以上混合することによって、吐出安定性と得られる記録物の表面乾燥性とのバランスを任意のものとすることができる。有機溶剤Aの溶剤を2種類以上混合する場合は、有機溶剤Aの合計含有量の下限は、非水性インク組成物全量中1質量%以上の範囲であることが好ましく、5質量%以上の範囲であることがより好ましく、10質量%以上の範囲であることがさらに好ましい。有機溶剤Aの合計含有量の上限は、非水性インク組成物全量中90質量%以下であることが好ましい。
(3)その他の有機溶剤
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物は、上記の有機溶剤A以外の有機溶剤を含有していてもよい。具体的には、グリコールの両末端のOH基がアルキル置換されたグリコールエーテルジアルキルやグリコールの片方のOH基がアルキル置換されたグリコールエーテルモノアルキルや炭酸エステル、環状エステル等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤は、グリコールの両末端のOH基がアルキル置換されたグリコールエーテルジアルキルやグリコールの片方のOH基がアルキル置換されたグリコールエーテルモノアルキルを挙げられる。グリコールエーテル系溶剤は、例えば、下記式(5)で表されるグリコールエーテルジアルキル、およびグリコールエーテルモノアルキル少なくとも一つ以上を含むものを挙げることができる。
-(-O-R-O-R10・・・(3)
(式(3)中、R、R10は、それぞれ独立して、水素または炭素数1以上8以下の分岐しても良いアルキル基であり、Rは炭素数1以上4以下の分岐しても良いアルキレン基を表す。nは1以上6以下の整数を表す。)
このようなグリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-イソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル)エーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル)エーテル、トリプロピレングリコールモノメチル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)エーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーエル(又はエチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、2-エチルヘキシル)、等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル-2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル-2-エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル等の多価アルコールのジアルキルエーテル類が挙げられる。
この中でも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル-2-エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルプロピルエーテル、プロピレングリコールメチルブチルエーテル、プロピレングリコールメチル-2-エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル等が、好ましいものとして挙げられる。
また、これらのグリコールエーテル系溶剤のうち引火点が異なる2種類以上のグリコールエーテル系溶剤を組み合わせることが好ましい。引火点の高い(例えば引火点が70℃以上)のグリコールエーテル系溶剤を含有させることにより、高いクリーニング回復性を有する非水性インク組成物となる。引火点の低い(例えば引火点が70℃未満)のグリコールエーテル系溶剤を含有させることにより、基材上での表面乾燥性の高い非水性インク組成物となる。引火点が70℃以上のグリコールエーテル系溶剤と引火点が70℃未満のグリコールエーテル系溶剤を含有することにより、高いクリーニング回復性と基材上での表面乾燥性とを両立させることができる。
また、グリコールエーテル系溶剤以外のその他の溶剤を含有してもよい。具体的には、γーブチロラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサノラクトン、ε-カプロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、δ-ヘプタラクトン、δ-オクタラクトン、δ-ノナラクトン、δ-デカラクトン、δ-ウンデカラクトン等の環状エステル;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル;3-メチル-2-オキサゾリジノン、3-エチル-2-オキサゾリジノン、N-ビニルメチルオキサゾリジノン等のオキサゾリジノン系溶剤;トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテ-ト、2-メチルブチルアセテート、3-メトキシブチルエーテルアセテート、シクロヘキシルアセテート等のアセテート系溶剤;3-メトキシプロパンアミド、3-ブトキシプロパンアミド、N,N-ジメチル-3-メトキシプロパンアミド、N,N-ジブチル-3-メトキシプロパンアミド、N,N-ジブチル-3-ブトキシプロパンアミド、N,N-ジメチル-3-ブトキシプロパンアミド等のアルキルアミド系溶剤(a1)や環状アミド系溶剤(a2)とは異なるアミド系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n-ペンタノール等の炭素数1~5のアルキルアルコール類;3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-1-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-n-ブタノール等の1価のアルコール系溶剤;アセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、ジエチルケトン、エチル-n-プロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、エチル-n-ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、アセチルケトン等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、イソブチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール等のトリオール類:メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル等の酢酸エステル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、乳酸エチルヘキシル、乳酸アミル、乳酸イソアミル等の乳酸エステル類;n-ヘキサン、イソヘキサン、n-ノナン、イソノナン、ドデカン、イソドデカン等の飽和炭水素類、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等の不飽和炭化水素類;シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7-シクロオクタテトラエン、シクロドデセン等の環状不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-ホルミルモルホリン等のモルホリン類、テルペン系溶剤;シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジメチル、グルタル酸ジエチル等の二塩基酸エステル類、等が挙げられる。組み合わせる樹脂や分散剤等に応じて、適切なHLB値の溶剤を選択することが好ましい。
その他の有機溶剤の含有量は、特に制限はされないが、その他の有機溶剤の含有量の下限は、10質量%以上の範囲であることが好ましく、20質量%以上の範囲であることがより好ましく、30質量%以上の範囲であることがさらに好ましい。その他の有機溶剤の含有量の上限は、85質量%以下の範囲であることが好ましく、80質量%以下の範囲であることがより好ましく、75質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
[色材]
本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物のうち、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物は色材を含有する。色材は、特に限定されるものではなく、染料系であってもよいし、顔料系であってもよいが、記録物の耐水性や耐光性等の耐性が良好であるという観点から顔料(顔料系色材)を使用することが好ましい。
本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物において顔料を用いる場合には、後述する分散剤や分散助剤(顔料誘導体)を使用することで、顔料の分散安定性を向上させることができる。
イエロー系の色材(顔料)としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有するものが挙げられる。
マゼンタ系の色材(顔料)としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有するものが挙げられる。
中間色の色材(顔料)としては、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド57-1、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有するものが挙げられる。
本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物において、含有することのできる顔料の平均分散粒径は、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。用いる顔料の種類によっても異なるが、顔料の分散性及び分散安定性が良好で、充分な着色力を得る点から、体積平均粒子径が5nm以上の範囲内であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。体積平均粒子径が上記の下限値以上であることで、非水性インク組成物の耐光性を向上させることができる。体積平均粒子径が300nm以下の範囲内であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。体積平均粒子径が上記の上限値以下であることで、インクジェットの吐出安定性を向上させることができる。なお、本実施形態において、顔料の体積平均粒子径は、粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル(株)製粒度分析計NANOTRACWAVE)を用いて25℃の条件下で測定した体積平均粒子径(D50)である。
また、本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物において、それぞれの非水性インク組成物に含まれる顔料の体積平均粒子径は同一であってもいいし、異なる関係であってもよい。例えば、本実施の形態に係るインクセットのイエローインク組成物と中間色インク組成物において、イエローインク組成物に含まれる顔料の体積平均粒子径と、マゼンタインクに含まれる顔料の体積平均粒子径と、中間色インク組成物に含まれる中間色の顔料が同一であってもよく、異なるものであってもよい。
本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物において、顔料の含有量としては、所望の画像を形成可能であれば特に限定されるものではなく適宜調整されるものである。具体的には、顔料の種類によっても異なるが、非水性インク組成物全量中0.05質量%以上の範囲であることが好ましく、0.1質量%以上の範囲であることがより好ましい。非水性インク組成物全量中20質量%以下の範囲であることが好ましく、10質量%以下の範囲であることがより好ましい。顔料の含有量が0.05質量%以上の範囲、又は20質量%以下の範囲内であることにより、顔料の分散安定性と着色力のバランスに優れたものとすることができる。
また、本実施の形態に係るインクセットに含まれるインク組成物は記録(印刷)する色は特に制限はされず、目的に色に応じて色材を選択し、組み合わせて使用してもよい。色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色のインクや、ライトマゼンタ、ライトシアン、ライトブラック、オレンジ、グリーン、レッド、ホワイト等にも使用することができる。この際、本実施の形態に係る非水性インク組成物を含むインクセットにおいて、同一種類の色の色材を選択してもよい。
[顔料分散剤]
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物は必要に応じて顔料分散剤を用いてもよい。分散剤としては、非水性インク組成物において用いられている任意の顔料分散剤を用いることができる。顔料分散剤としては、高分子分散剤を用いるとよい。こうした分散剤としては、主鎖がポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系等からなり、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基等の極性基を有するものである。ポリアクリル系分散剤では、例えば、Disperbyk-2000、2001、2008、2009、2010、2020、2020N、2022、2025、2050、2070、2095、2150、2151、2155、2163、2164、BYKJET-9130、9131,9132,9133,9151(ビック・ケミー社製)、EfkaPX4310、PX4320、PX4330、PA4401、4402、PA4403、4570、7411、7477、PX4700、PX4701(BASF社製)、TREPLUS D-1200、D-1410、D-1420、MD-1000(大塚化学社製)、フローレンDOPA-15BHFS、17HF、22、G-700、900、NC-500、GW-1500(共栄社化学(株)製)、等が用いられる。ポリカプロラクトン系分散剤では、例えば、アジスパーPB821、PB822、PB881(味の素ファインテクノ(株)製)、ヒノアクトKF-1000、T-6000、T-7000、T-8000、T-8000E、T-9050(川研ファインケミカル(株)製)、Solsperse20000、24000、32000、32500、32550、32600、33000、33500、34000、35200、36000、37500、39000、71000、76400、76500、86000、88000、J180、J200(ルーブリゾール社製)、TEGO Dispers652、655、685、688、690(エボニック・ジャパン社製)等が用いられる。好ましい分散剤としては、BYKJET-9130、9131,9132,9133,9151、EfkaPX4310、PX4320、PX4330、PX4700、PX4701、Solsperse20000、24000、32000、33000、33500、34000、35200、39000、71000、76500、86000、88000、J180、J200、TEGO Dispers655、685、688、690等が用いられる。これらの単独、又はそれらの混合物を用いることができる。
顔料分散剤の含有量は、特に制限されないが、顔料分散剤の含有量の下限は、非水性インク組成物中の顔料100質量部に対して5質量部以上であることが好ましいく、15質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。顔料分散剤の含有量の上限は、非水性インク組成物中の顔料100質量部に対して150質量部以下であることが好ましく、125質量部以下であることがより好ましく、100質量部以下であることがさらに好ましい。
[分散助剤]
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物において必要に応じて分散助剤を用いてもよい。分散助剤は色材(顔料)の表面に吸着し、官能基が非水性インク組成物中の有機溶剤や分散剤との親和力を高め、分散安定性を向上させる。分散助剤としては、有機顔料残基に酸性基、塩基性基、中性基等の官能基を有する公知の顔料誘導体を用いることができる。
[樹脂]
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物は樹脂を含有しなくともよいが、樹脂を含有していてもよい。インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は樹脂を含有することにより、非水性インク組成物により形成される記録層の定着性、耐水性並びに延伸性を向上させることができる。さらに、得られる記録物の光沢性を向上させることができる。
なお、本明細書において、「インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は樹脂を含有する」との文言は、インクセットに含まれるイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物と、のいずれか1つ以上のインク組成物に樹脂を含有するインクセットであってもよいし、インクセットに含まれ、かつイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物とは異なるインク組成物(例えば、インクセットに含まれるシアンインク組成物、ブラックインク組成物、ホワイトインク組成物等)のいずれか1つ以上のインク組成物に樹脂を含有するインクセットであってもよい。
樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ロジン変性樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニルトルエン-α-メチルスチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル系共重合体、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シリコーン(シリコン)系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはこれらの共重合樹脂や混合物を用いることができる。この中でも、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびポリウレタン系樹脂を含むものが好ましい。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成するモノマーの主成分として含むものであれば特に限定されるものではない。アクリル系樹脂は、1種のラジカル重合性モノマーの単独重合体であってもよいし、ラジカル重合性モノマーを2種以上選択して用いた共重合体のいずれであってもよく、特に、本実施の形態に係る非水性インク組成物として好ましいアクリル系樹脂は、メタクリル酸メチル単独の重合体、或いは、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エトキシエチル、及びメタクリル酸ベンジルよりなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の化合物との共重合体である。又、市販の(メタ)アクリル樹脂としては、例えばロームアンドハース社の「パラロイドB99N」「パラロイドB60」「パラロイドB66」「パラロイドB82」等が例示される。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマーからなる単独重合体であっても重合性モノマーを2種以上選択して用いた共重合体のいずれであってもよい。塩化ビニル系樹脂の共重合体としては、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂が挙げられる。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂は、塩化ビニル単量体及び酢酸ビニル単量体の重合物である。塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂としては、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル/ヒドロキシアルキルアクリレート共重合体等、及びそれらの混合物が挙げられる。上記の塩化ビニル酢酸ビニル系共重合樹脂としては、日信化学工業(株)社から「ソルバインC」、「ソルバインCL」、「ソルバインCNL」、「ソルバインCLL」、「ソルバインCLL2」、「ソルバインC5R」、「ソルバインTA2」、「ソルバインTA3」、「ソルバインA」、「ソルバインAL」、「ソルバインTA5R」、「ソルバインM5」等の商品名で入手して使用することができる。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂は塩化ビニル単量体及び酢酸ビニル単量体の重合することにより得ることができる。重合する方法は、従来公知の重合方法であればよい。重合する方法は、乳化重合または懸濁重合であることが好ましく、懸濁重合であることがより好ましい。
セルロース系樹脂とは、セルロースを原料として生物的または化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する樹脂である。例えば、セルロース系樹脂としては、例えばセルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートプロピオネートブチレート樹脂等のセルロースアセテートアルキレート樹脂、セルロースアセテート樹脂、ニトロセルロース樹脂及びそれらの混合物が挙げられる。上記セルロース樹脂としてはEASTMAN社の「CAB551-0.01」「CAB551-0.2」、「CAB553-0.4」、「CAB531-1」、「CAB381-0.1」、「CAB381-0.5」、「CAB381-2」、「CAB381-20」「CAP504」、「CAP482-0.5」等の商品名で入手して使用することができる。
ポリエステル系樹脂とは、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させて得られる構成単位を少なくとも含むものである。ポリエステル系樹脂は、変性されたポリエステル系樹脂を含んでもよい。ポリエステル系樹脂としては、東洋紡社の「VYLON226」、「VYLON270」、「VYLON560」、「VYLON600」、「VYLON630、「VYLON660」、「VYLON885」、「VYLONGK250」、「VYLONGK810」、「VYLON GK890」等やユニチカ社の「elitleUE-3200」「elitleUE-3285」、「elitleUE-3320」、「elitleUE-9800」、「elitleUE-9885」等の商品名で入手して使用することができる。
ポリウレタン系樹脂とは、アルコール成分とイソシアネート成分を共重合させて得られる構成単位を少なくとも含むものである。ポリウレタン系樹脂は、ポリエステルやポリエーテルやカプロラクトンにより変性されたポリウレタン系樹脂を含んでもよい。上記のポリウレタン系樹脂としては、荒川化学工業社の「ユリアーノKL-424」、「ユリアーノKL-564」、「ユリアーノKL-593」、「ユリアーノ3262」等やDIC社の「パンデックス372E」、「パンデックス390E」、「パンデックス394E」、「パンデックス304」、「パンデックス305E」、「パンデックスP-870」、「パンデックスP-910」、「パンデックスP-895」、「パンデックス4030」、「パンデックス4110」等の商品名で入手して使用することができる。
また、これらのアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびポリウレタン系樹脂は、単独で使用してもよいが、2種を混合して使用することが好ましく、アクリル系樹脂と塩化ビニル系樹脂と、を混合した樹脂を使用することがより好ましい。アクリル系樹脂と塩化ビニル系樹脂との含有比率により、非水性インク組成物に要求される発色、乾燥性、塗膜物性、印字適性等の要求を満たすように制御することができる。アクリル系樹脂と塩化ビニル系樹脂と、を混合する場合、混合比は特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物に含有される樹脂の含有量は、特に限定されないが、非水性インク組成物全量中0.05質量%以上の範囲で含有することが好ましく、0.1質量%以上の範囲で含有することがより好ましく、0.5質量%以上の範囲で含有することがさらに好ましい。これにより、得られる記録物の表面乾燥性を向上させることができる。非水性インク組成物に含有される樹脂は、非水性インク組成物全量中15.0質量%以下の範囲で含有することが好ましく、13.0質量%以下の範囲で含有することがより好ましく、10.0質量%以下の範囲で含有することがさらに好ましい。これにより、インクジェットヘッドのノズル内での詰まりを効果的に解消し、吐出安定性及びクリーニング回復性を向上させ、非水性インク組成物の保存安定性を向上させることができる。
[界面活性剤]
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物においては、ノズル部やチューブ内等の機器内での非水性インク組成物の揮発抑制、固化防止、又、固化した際の再溶解性を目的として、又、表面張力を低下させ記録媒体(基材)との濡れ性を向上させる目的で、また、インク組成物の基材上でのにじみ抑制を目的として、また、塗膜の耐擦性向上を目的として、また、記録物の光沢性の向上を目的として、界面活性剤を添加してもよい。
この中でも界面活性剤は、シロキサン骨格を有する界面活性剤を含有することが好ましい。シロキサン骨格を有する界面活性剤を含有した非水性インクであれば、印字の滲みをより効果的に抑制し、耐擦性が向上した記録物が得られる。
シロキサン骨格を有する界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-313、315N、322、326、331、347、348、BYK-UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)等を使用することができる。
また、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物には、シロキサン骨格を有する界面活性剤とは異なる界面活性剤を含有してもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類であるノニオンP-208、P-210、P-213、E-202S、E-205S、E-215、K-204、K-220、S-207、S-215、A-10R、A-13P、NC-203、NC-207(日本油脂(株)製)、エマルゲン106、108、707、709、A-90、A-60(花王(株)製)、フローレンG-70、D-90、TG-740W(共栄社化学(株)製)、ポエムJ-0081HV(理研ビタミン(株)製)、アデカトールNP-620、NP-650、NP-660、NP-675、NP-683、NP-686、アデカコールCS-141E、TS-230E((株)アデカ製)等、ソルゲン30V、40、TW-20、TW-80、ノイゲンCX-100(第一工業製薬(株)製)等、フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-340(ビックケミー・ジャパン社製)等、アセチレングリコール系界面活性剤としては、具体例として、サーフィノール(登録商標)82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィン(登録商標)STG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)等が例示される。界面活性剤としては、上記に限られずアニオン系、カチオン系、両性又は非イオン系のいずれの界面活性剤も用いることができる。
本実施の形態に係る非水性インク組成物は、シロキサン骨格を有する界面活性剤とともにこれらの界面活性剤を含有してもよく、シロキサン骨格を有する界面活性剤を含有せずに、これらの界面活性剤を含有してもよい。
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物において、界面活性剤の含有量としては、特に限定されないが、界面活性剤の含有量の下限としては、0.01質量%以上の範囲であることが好ましく、0.05質量%以上の範囲であることがより好ましく、0.1質量%以上の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量の下限としては、1.0質量%以下の範囲であることが好ましく、0.9質量%以下の範囲であることがより好ましく、0.8質量%以下の範囲であることがさらに好ましい。
[その他の成分]
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物は、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の光安定剤、エポキシ化物等、多価カルボン酸、表面調整剤、スリップ剤、レベリング剤(アクリル系やシリコン系等)、消泡剤、pH調整剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤等の公知の添加剤を任意成分として含んでもよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドラジン系酸化防止剤等が挙げられる。具体的には、BHA(2,3-ブチル-4-オキシアニソール)、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール)等が例示される。また、紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系化合物、又はベンゾトリアゾール系化合物を用いることができる。また、エポキシ化物の具体例としては、エポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、およびエポキシヘキサヒドロフタレート等が例示され、具体的にはアデカサイザーO-130P、アデカサイザーO-180A(ADEKA社製)等が例示される。多価カルボン酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸等が例示される。
≪1-3.非水性インク組成物の製造方法≫
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物の製造方法は、有機溶剤A(アルキルアミド系溶剤(a1)、及び環状アミド系溶剤(a2)からなる群より選択される少なくとも1つ)と、色材と必要に応じてその他の成分(例えば樹脂等)をペイントシェイカーを用いて混合することにより製造することができる。この際、ジルコニアビーズにて各成分を分散させてもよい。また、得られた非水性インク組成物は、必要に応じて脱気処理する等して所望の溶存酸素量や溶存窒素量に調整してもよい。
この際、有機溶剤を予め乾燥させておくことが好ましい。有機溶剤を予め乾燥させておくことで、非水性インク組成物に含まれる水分量を軽減することができる。有機溶剤を乾燥させる方法としては、例えば窒素等の不活性ガス雰囲気下で乾燥させた不活性ガス(例えば、窒素ガス)を所定時間吹き付ける方法や、有機溶剤を蒸留精製する方法や、水を選択的に透過する半透過膜に有機溶剤を透過させる方法や、水を吸着する水吸着剤に有機溶剤に混入した水を選択的に吸着させる方法等を挙げることができる。
(インク組成物の粘度及び表面張力)
本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物の粘度は、インクジェット吐出性、吐出安定性の点から、25℃での粘度が30mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましく、15mPa・s以下であることがさらに好ましい。又、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物の粘度は、2.0mPa・s以上であることが好ましく、3.0mPa・s以上であることがより好ましく、3.5mPa・s以上であることがさらに好ましい。
又、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物の表面張力は、インクジェットの吐出性、吐出安定性、基材へのレベリング性の点から、25℃での表面張力が20mN/m以上であることが好ましく、22mN/m以上であることがより好ましく、24mN/m以上あることがさらに好ましい。又、本実施の形態に係るインクセットに含まれる非水性インク組成物の表面張力は、40mN/m以下であることが好ましく、37mN/m以下であることがより好ましく、35mN/m以下であることがさらに好ましい。
≪2.インクセットを用いた記録方法≫
本実施の形態に係る記録方法は、上記のインクセットを構成するインク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する記録方法である。上記のインクセットは、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することができるものであり、本実施の形態に係る記録方法においても滲みが抑制された記録物を得ることができる。さらに、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物とともに、中間色インク組成物を用いることで、彩度の低減を抑制して種々の色調を再現することが可能となる。
上記のインクセットを構成するインク組成物をインクジェット法により吐出するインクジェット記録装置は、従来公知のものを使用することができる。例えば、VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製のようなインクジェットプリンター等を使用することができる。
インクジェット記録装置の構成の一例として、オンキャリッジタイプであってシリアルプリンタータイプのインクジェット記録装置を説明するが、本実施の形態に係る記録方法を実施することのできるインクジェット記録装置は、インクカートリッジが外部に固定されたオフキャリッジタイプのインクジェット記録装置であってもよく、インクジェットヘッドヘッドが移動せずに記録媒体(基材)上にインク組成物を吐出するラインプリンタータイプのインクジェット記録装置であってもよい。
また、インクジェット記録装置は、加温機構と、基材を固定する固定機構と、を備えていることが好ましい。本実施の形態に係る記録方法において、このような機構を使用することは必須の構成ではないが、インクジェット記録装置に備えられる加温機構によって基材表面温度を制御して、基材(記録媒体)に着弾した非水性インク組成物を乾燥させることで、非水性インク組成物に含有される有機溶剤を揮発させることが可能となる。
さらに、基材を固定する固定機構によって、基材(記録媒体)を固定した状態で非水性インク組成物を乾燥させることが可能となり、加温により基材がたわむことにより熱のかかり方が不均一になることを抑制できる。これにより、基材(記録媒体)に着弾した非水性インク組成物を効果的に乾燥させることが可能となるので、複数のインク組成物を吐出することにより発生し得る印字の滲みをより効果的に抑制することができる。
インクジェット記録装置に備えられる加温機構は、プレヒーター、プラテンヒーター、アフターヒーター等であってもよく、記録物に温風を送風する機構であってもよい。また、これらの加温機構を複数組み合わせるものであってもよい。
加温機構により加温される基材の表面温度としては、非水性インク組成物に含まれる有機溶剤を揮発させることができれば特に制限はされず、基材の表面温度の下限は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。基材の表面温度の上限は、70℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることがさらに好ましい。
インクジェット法により吐出する方式は、圧電素子を用いたピエゾ方式であっても、発熱体を用いたサーマル方式であってもよく、特に限定されない。
≪3.インクセットを用いた記録物の製造方法≫
上記のインクセットを用いた記録方法は、記録物の製造方法と定義することもできる。上記のインクセットは、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みを効果的に抑制することができるものであり、本実施の形態に係る記録物の製造方法においても滲みが抑制された記録物を製造することができる。さらに、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物とともに、中間色インク組成物を用いることで、彩度の低減を抑制して種々の色調を再現することが可能となる。
≪6.記録物≫
上述した実施形態の記録物の製造方法により製造された記録物を構成する各層について説明する。なおこの実施形態における記録物は、上記のインクセットを構成するインク組成物を記録層が基材の表面に形成された記録物ではあるが、上記のインクセットを構成するインク組成物は記録層の形成に用いられるものに限定されるものではなく、例えば、上記のインクセットを構成するインク組成物は下地層や上地層の形成に用いられるものであってもよく、特に限定されない。
[媒体(記録媒体)]
本実施の形態に係る記録方法に使用することのできる基材(記録媒体)としては、特に限定はされず、樹脂基材、金属板ガラス等の非吸収性基材であっても、紙や布帛等の吸収性基材であっても、受容層を備える基材のような表面塗工が施された基材であってもよく、種々の基材を使用することができる。
水を含有しない非水性インク組成物を使用する場合には、表面が主として樹脂からなるものが好ましい。特に、上記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、樹脂基材に対して浸透性を示す有機溶剤Aを含んでいるため、中間色インク組成物を含むインクセットであっても表面が樹脂からなる媒体(記録媒体)での印字の滲みが少なくなり印字が鮮明となる。樹脂としては、ポリ塩化ビニル系重合体やアクリル、PET、ポリカーボネート、PE、PP等が挙げられる。また、記録物の記録表面に対してフィルムを張り合わせことを前提とするような樹脂基材(いわゆるラミネート用の樹脂基材)に用いられてもよい。特に、表面が硬質又は軟質ポリ塩化ビニル系重合体からなる基材(記録媒体)が好ましい。表面がポリ塩化ビニル重合体からなる基材(記録媒体)としては、ポリ塩化ビニル基材(フィルム又はシート)等が例示できる。
水を主成分とする水性インク組成物を使用する場合には、紙や布帛等の吸収性基材や、受容層を備える基材のような表面塗工が施された基材が好ましい。
[記録層]
記録層とは、上記のインク組成物に含まれる溶媒が揮発することにより形成される層であり、所望の画像を形成する層である。上記のインクセットは、イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、中間色インク組成物と、を含んでおり、彩度の低減を抑制して種々の色調を再現することができる。さらに、インクセットに含まれる複数のインク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有しており、中間色インク組成物を含む複数のインク組成物からなるインクセットであっても印字の滲みが抑制された記録層となる。
[その他の層]
本実施の形態に係る記録物は、さらに、記録層の上表面に所望の機能を有する層を備えてもよい。例えば、記録物に耐擦性や光沢性をさらに付与する目的で、樹脂、ワックスの少なくとも1つを含有するオーバーコート層が形成されていてもよい。また、フィラーを含有させ、又は膜厚をピクセル単位で変化させること等により、表面に凹凸感(マット面)を表現された層が形成されていてもよい。また、記録物に耐候性を付与するために、紫外線吸収剤や光安定化剤等を含む耐候層や光輝性顔料を含む光輝性層等が形成されていてもよい。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
1.樹脂の作製
(1)アクリル系樹脂
100℃に保たれたジエチレングリコールジエチルエーテル300g中に、メタクリル酸メチル150g及びメタクリル酸ブチル50gと所定量のt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(重合開始剤)1.20gとの混合物を1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で2時間反応させた後冷却して、無色透明のメタクリル酸メチルの重合体溶液を得た。その後、この重合体溶液から溶媒を十分に留去して、重合平均分子量を30000のメタクリル酸メチルの重合体を得た。
(2)塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂
撹拌装置を備えたオートクレーブに、窒素置換後、脱イオン水100質量部、メタノール40質量部、塩化ビニル32質量部、酢酸ビニル5質量部、グリシジルメタクリレート0.2質量部、ヒドロキシプロピルアクリレート3.55質量部、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(懸濁剤)を0.1質量部、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(重合開始剤)を0.026質量部、ジ-3,5,5-トリメチルヘキサノールパーオキサイド(重合開始剤)0.58gを所定量仕込み、窒素ガス雰囲気下に撹拌しながら63℃に昇温し、63℃に到達直後に塩化ビニル48質量部を6時間で、グリシジルメタクリレート0.6質量部、ヒドロキシプロピルアクリレート10.65部を混合したものを5.4時間で連続圧入し、共重合反応させた。オートクレーブ内圧が0.3MPaになった時点で残圧を抜き、冷却して樹脂スラリーを取り出し、ろ過、乾燥して重合平均分子量を30000の塩化ビニル系共重合樹脂を得た。
(3)ポリエステル系樹脂
テレフタル酸104質量部、イソフタル酸104質量部、エチレングリコール79質量部、ネオペンチルグリコール89質量部、テトラブチルチタネート0.1質量部を丸底フラスコに仕込み、4時間かけて240℃まで徐々に昇温し、留出物を系外に除きながらエステル化反応を行った。エステル化反応終了後30分かけて10mmHgまで減圧、温度を250℃まで昇温し初期重合を行った。その後1mmHg以下で1時間後期重合を行い、ポリエステル系樹脂を得た。
(4)ポリウレタン系樹脂
ポリカーボネートジオール(プラクセルCD-220:ダイセル製)192.5質量部とイソホロンジイソシアネート(IPDI:エボニック製)41.6質量部、N,N-ジエチルホルムアミド(DEF)100質量部を丸底フラスコに入れ均一に混合後、T100BHJ(触媒)0.01質量部とN,N-ジエチルホルムアミド(DEF)0.09質量部の混合液を入れ75℃で3時間反応させて末端にイソシアネート基をもつプレポリマーを得た。これにN,N-ジエチルホルムアミド(DEF)を250質量部投入し均一に溶解後、3アミノメチル3,5,5トリメチルシクロヘキシルアミン(IPD:エボニック製)12質量部をN,N-ジエチルホルムアミド(DEF)100質量部に溶解した鎖伸長剤溶液を添加し60℃でさらに40分撹拌した。その後モノイソプロパノールアミン(MIPA:ダイセル製)3.8質量部をN,N-ジエチルホルムアミド50質量部に溶解した反応停止剤を添加し、最後にN,N-ジエチルホルムアミド(DEF)を250質量部添加して固形分25.0%のポリウレタン溶液を得た。
2.インクセットの製造
実施例及び比較例のインクセットを製造した。具体的には、まず、ペイントシェイカーを用いてジルコニアビーズにて表1の「残部」と記載された有機溶剤で表2に記載の各成分(樹脂、分散剤、添加剤、顔料)を分散させた。そして、表1に基材の他の有機溶剤を加えて試験例1~25の非水性インク組成物を調製した。このとき、試験例1~25の非水性インク組成物に含まれる有機溶剤の含有量は表1の割合になるようになり、試験例1~25の非水性インク組成物に含まれる各成分(樹脂、分散剤、添加剤、顔料)の含有量は表2の割合になるようにした。
次に、試験例1~25の非水性インク組成物を表3のように組み合わせて実施例及び比較例のインクセットを得た。ここで、表3中のa~zの表記は、表1の混合溶剤a~zに対応しており、それぞれの混合溶剤a~zを使用して非水性インク組成物を調製したことを意味する。表3中の試験例1~25の表記は、表2の試験例1~25の非水性インク組成物に対応しており、表2の組成比により非水性インク組成物を調製したことを意味する。単位は質量%である。
(滲み性)
実施例及び比較例のインクセットについて滲み性を評価した。具体的には、実施例及び比較例のインクセットのそれぞれの非水性インク組成物をインクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製)を使用)を用いたインクジェット方式にて、記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)、基材表面温度40℃で各色のベタ部中にベタ部と異なる色の6ptの文字がある画像を印刷し、得られた印字物を60℃のオーブンで5分間乾燥後、当該印字物の滲みを目視・ルーペ(x10)で観察した(表中、「滲み性」と表記)。
評価基準
評価5:ルーペの観察でインクの滲みが観察されない。
評価4:目視でインクの滲みが観察されず、6ptの文字が鮮明である。
評価3:目視でインクの滲みがわずかに観察されたが、意匠性は損なわれない。
評価2:目視でインクの滲みが観察されたが、6ptの文字は識別可能である。
評価1:目視でインクの滲みが顕著に観察され、6ptの文字は視認できなかった。
(吐出安定性)
実施例及び比較例のインクセットについて吐出安定性を評価した。具体的には、上記滲み性評価と同様にして記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)で、基材表面温度40℃にて連続印刷でベタ及び細線を印刷し、ドット抜け、飛行曲がり、インクの飛び散りの有無を目視により観察し、発生回数を計測した(表中、「吐出安定性」と表記)。
評価基準
評価5:細線が正しく再現できている。
評価4:細線がおおむね正しく再現できている。
評価3:わずかに細線に曲がりがみられる。
評価2:着弾位置がずれており、曲がりが見られる。
評価1:着弾位置のずれが酷く、細線を再現できない。
(表面乾燥性)
実施例及び比較例のインクセットについて表面乾燥性を評価した。具体的には、上記滲み性評価と同様にして記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)でベタ画像の印刷を行い、40℃で乾燥するまでの時間を計測した(表中、「表面乾燥性」と表記)。
評価基準
評価5:2分未満で乾燥する。
評価4:2分以上4分未満で乾燥する。
評価3:4分以上6分未満で乾燥する。
評価2:6分以上8分未満で乾燥する。
評価1:8分以上で乾燥する。
(ドット形状評価)
上記インクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製)にて、記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)、基材表面温度50℃で、複数色の合計印字率が50%になるように、複数色の印字率が同じになるように画像を印刷し、得られた印字物を50℃のオーブンで2分間乾燥後、当該印字物を顕微鏡を使用し目視(x300)で観察した。(表中、「ドット形状評価」と表記)。
評価基準
評価5:顕微鏡を使用した目視でどの色においてもドットが円形であり、複数色のにじみは観察されなかった。
評価4:顕微鏡を使用した目視で一部の色はドットが円形にならなかったが、複数色のにじみは観察されなかった。
評価3:顕微鏡を使用した目視でどの色においてもドットが円形にならなかったが、複数色のにじみは観察されなかった。
評価2:顕微鏡を使用した目視でどの色においてもドットが円形にならず、複数色のにじみがわずかに観察された。
評価1:顕微鏡を使用した目視でどの色においてもドットが円形にならず、複数色のにじみが多数観察された。
(色域面積評価)
インクジェットプリンター(商品名 VersaArt RE-640、ローランドDG(株)製)にて、記録媒体(糊付きポリ塩化ビニルフィルム(IMAGin JT5829R:MACtac社製))に高品質印刷モード(1440x720dpi)で各インクの印字率100%ベタ画像を印字した。Lの値は、JIS Z 8781に基づき、X-Rite eXact(エックスライト社製)を用い、視野角2°、測定範囲 4mmφ、D65光源の条件で測定を行うことにより求めた。インクセットに搭載されている各インクのベタ画像のa測定結果から、色域面積を算出した。(表中、「色域面積」と表記)。
評価基準
評価5:色域面積が12000以上である。
評価4:色域面積が11000以上、12000未満である。
評価3:色域面積が10000以上、11000未満である。
評価2:色域面積が9000以上、10000未満である。
評価1:色域面積が9000未満である。
Figure 2022191657000008
Figure 2022191657000009
Figure 2022191657000010
Figure 2022191657000011
上記表から分かるように、複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物が有機溶剤Aを含有する実施例のインクセットであれば、中間色インク組成物を含でいても印字の滲みを効果的に抑制することができることが分かる。
そして、実施例のインクセットは、いずれも中間色インクを含んでおり、色域面積は広いものであった。このことから中間色インクを含む実施例のインクセットであれば、印字の彩度の低下を抑制することが可能となり、色再現性の高いインクセットであることが分かる。
特に、有機溶剤Aの種類を変更した実施例1,6,24,25,45~47のインクセットにおいて、アルキルアミド系溶剤を含有した実施例1,24,25のインクセットは、実施例6,45~47のインクセットと比較しても印字の滲みをさらに効果的に抑制することができることが分かる。
また有機溶剤Aの含有量を変更した実施例1,7,8,9のインクセットにおいて、有機溶剤Aの含有量が1質量%以上90質量%以下の範囲である実施例1,8,9は実施例7と比較しても印字の滲みをさらに効果的に抑制することができることが分かる。
一方、有機溶剤Aを含有しない比較例1~14のインクセットは、印字の滲みを効果的に抑制することができていない。また、中間色インクを含まない比較例15のインクセットは、印字の滲みは良好であったが、色域面積は狭いものであった。

Claims (22)

  1. 色材と、有機溶剤と、を含有し、インクジェット法によって吐出される複数の非水性インク組成物を含むインクセットであって、
    イエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、該イエローインク組成物と該マゼンタインク組成物との中間色インク組成物と、を含み、
    前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する、
    インクセット。
    有機溶剤A:下記式(1)で示されるアルキルアミド系溶剤(a1)及び下記式(2)で示される環状アミド系溶剤(a2)のうち少なくとも1つ
    Figure 2022191657000012
    (式(1)中、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
    Figure 2022191657000013
    (式(2)中、Rは、炭素数3以上5以下のアルキレン基であり、Rは、水素若しくは炭素数1以上4以下のアルキル基または不飽和炭化水素基を表す。)
  2. 前記有機溶剤Aの含有量は、前記非水性インク組成物全量中1.0質量%以上90質量%以下の範囲である
    請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記有機溶剤Aは、アルキルアミド系溶剤(a1)を含有する、
    請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記アルキルアミド系溶剤(a1)は、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロパンアミド、及びN,N-ジエチルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1つを含有する
    請求項3に記載のインクセット。
  5. 前記有機溶剤Aは、環状アミド系溶剤(a2)を含有する、
    請求項1又は2に記載のインクセット。
  6. 前記環状アミド系溶剤(a2)はε-カプロラクタム、N-メチル-ε-カプロラクタム、及びN-ビニルカプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1つを含有する、
    請求項5に記載のインクセット。
  7. 前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも2つ以上の非水性インク組成物は、有機溶剤Aを含有する、
    請求項1から6のいずれかに記載のインクセット。
  8. 前記インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は、さらにグリコールエーテル系溶剤を含有する
    請求項1から7のいずれかに記載のインクセット。
  9. 前記グリコールエーテル系溶剤はジアルキルエーテルを含有する
    請求項8に記載のインクセット。
  10. 前記グリコールエーテル系溶剤はモノアルキルエーテルを含有する
    請求項8又は9に記載のインクセット。
  11. 前記グリコールエーテル系溶剤は引火点の異なる少なくとも2つの溶剤を含有する
    請求項8から10のいずれかに記載のインクセット。
  12. インクセットに含まれる複数の非水性インク組成物のうち少なくとも1つの非水性インク組成物は樹脂を含有する
    請求項1から11のいずれかに記載のインクセット。
  13. 樹脂の含有量は、非水性インク組成物全量中1質量%以上15質量%以下の範囲内である
    請求項12に記載のインクセット。
  14. 前記樹脂は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する、
    請求項13に記載のインクセット。
  15. 前記イエローインク組成物は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する
    請求項1から14のいずれかに記載のインクセット。
  16. 前記マゼンタインク組成物は、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する
    請求項1から15のいずれかに記載のインクセット。
  17. 前記中間色インク組成物は、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド57-1、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する
    請求項1から16のいずれかに記載のインクセット。
  18. 前記中間色インク組成物は少なくとも2種以上の中間色インク組成物を含有する、
    請求項1から17のいずれかに記載のインクセット。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する
    記録方法。
  20. 加温機構によって基材の表面に吐出された前記非水性インク組成物を乾燥する
    請求項19に記載の記録方法。
  21. 請求項1から18のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物を、インクジェット方式にて基材の表面に吐出する
    記録物の製造方法。
  22. 請求項1から18のいずれかに記載のインクセットに含まれる非水性インク組成物の記録層が基材の表面に形成された
    記録物。
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