JP2022191129A - 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体製造装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工する。【解決手段】実施形態の半導体装置製造装置は、チャンバと、チャンバの中に設けられ、基板を吸着可能なホルダであって、表面に凹部と、凹部に設けられた第1の孔と、凹部に設けられた第2の孔と、を含むホルダと、第1の孔に接続された第1のガス通路と、第2の孔に接続された第2のガス通路と、第1のガス通路に設けられた第1のバルブと、第2のガス通路に設けられた第2のバルブと、凹部に第1のガスを供給する第1のガス供給配管と、凹部からガスを排出するガス排出配管と、を備え、第1のガス通路及び第2のガス通路が第1のガス供給配管に接続されるか、又は、第1のガス通路及び第2のガス通路がガス排出配管に接続される。【選択図】図16

Description

本発明の実施形態は、半導体製造装置及び半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の微細化に伴い、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが望まれる。例えば、3次元半導体メモリを製造する際には、高いアスペクト比のメモリホールを高い加工精度で形成することが望まれる。
特開2012-199535号公報 特開2001-102435号公報
本発明の一実施形態では、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することを課題とする。
実施形態の半導体製造装置は、チャンバと、前記チャンバの中に設けられ、基板を吸着可能なホルダであって、表面に凹部と、前記凹部に設けられた第1の孔と、前記凹部に設けられた第2の孔と、を含むホルダと、前記第1の孔に接続された第1のガス通路と、前記第2の孔に接続された第2のガス通路と、前記第1のガス通路に設けられた第1のバルブと、前記第2のガス通路に設けられた第2のバルブと、前記凹部に第1のガスを供給する第1のガス供給配管と、前記凹部からガスを排出するガス排出配管と、を備え、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記第1のガス供給配管に接続されるか、又は、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記ガス排出配管に接続される。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる反応性イオンエッチング装置の一例の模式図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図。 第6の実施形態の半導体製造装置の模式図。 第6の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図。 第6の実施形態の半導体製造装置の動作の説明図。 比較例の半導体製造装置の要部の模式図。 第7の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図。 第7の実施形態の変形例の半導体製造装置の要部の模式図。 第8の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図。 第9の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する場合がある。
また、本明細書中、便宜上「上」、又は、「下」という用語を用いる場合がある。「上」、又は、「下」とは、例えば、図面内での相対的位置関係を示す用語である。「上」、又は、「下」という用語は、必ずしも、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
本明細書中の半導体装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)により行うことが可能である。また、半導体装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離等の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いることが可能である。
以下、実施形態の半導体装置の製造方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、ホルダと基板との間に、基板に接する第1のガスを供給し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御した後に、反応性イオンエッチング法を用いて被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、第1のエッチング処理の後に、第1のガスの圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第2の圧力に制御した後に、被加工層の上の反応生成物を除去する第1の反応生成物除去を行い、第1の反応生成物除去の後に、第1のガスの圧力を第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第3の圧力に制御した後に、反応性イオンエッチング法を用いて被加工層をエッチングする第2のエッチング処理を行う。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法は、チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、ホルダと基板との間に、基板に接する第1のガスを供給し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御した後に、基板の温度が60℃以下の第1の状態で、反応性イオンエッチング法を用いて被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、第1のエッチング処理の後に、第1のガスの圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第2の圧力に制御した後に、基板の温度が100℃以上の第2の状態を実現し、第2の状態を実現した後に、第1のガスの圧力を第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、第1のガスの圧力を第3の圧力に制御した後に、基板の温度が60℃以下の第3の状態で、反応性イオンエッチング法を用いて被加工層をエッチングする第2のエッチング処理を行う。
図1は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。第1の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置は、メモリセルが3次元的に配置された不揮発性メモリ100である。図1は、不揮発性メモリ100のメモリセルアレイの断面図である。
不揮発性メモリ100は、シリコン基板10、チャネル層11、複数の層間絶縁層12、ゲート絶縁層13、複数のワード線WL、及び複数のビット線BLを備える。不揮発性メモリ100は、3次元的に配置された複数のメモリセルMCを備える。図1中の点線で囲まれた領域が一個のメモリセルMCに相当する。
チャネル層11は、シリコン基板10の表面の法線方向に延びる。チャネル層11は、シリコン基板10に電気的に接続される。チャネル層11は、メモリセルMCのトランジスタのチャネル領域として機能する。チャネル層11は、半導体である。チャネル層11は、例えば、多結晶シリコンである。
ワード線WLは、シリコン基板10の表面の法線方向に積層される。ワード線WLは、メモリセルMCのトランジスタのゲート電極として機能する。ワード線WLは、例えば、板状の導電体である。ワード線WLは、例えば、タングステン(W)である。チャネル層11は、複数のワード線WLを貫通する。
層間絶縁層12は、ワード線WLとワード線WLとの間に設けられる。層間絶縁層12は、ワード線WLとワード線WLとを電気的に分離する。
ビット線BLは、シリコン基板10の表面に平行な方向に延びる。ビット線BLは、チャネル層11に電気的に接続される。
ゲート絶縁層13は、チャネル層11とワード線WLとの間に設けられる。ゲート絶縁層13は、例えば、図示しないトンネル絶縁膜、電荷蓄積膜、ブロック絶縁膜を含む。トンネル絶縁膜は、例えば、酸化シリコン膜である。電荷蓄積膜は、例えば、窒化シリコン膜である。ブロック絶縁膜は、例えば、酸化アルミニウム膜である。
ゲート絶縁層13の電荷蓄積膜に蓄えられる電荷によって、メモリセルMCがデータを記憶する。電荷蓄積膜に蓄えられる電荷の量で、メモリセルMCのトランジスタの閾値電圧が変化する。トランジスタの閾値電圧に応じて変化する、ワード線WLとビット線BLとの間に流れる電流をモニタすることにより、メモリセルMCに記憶されたデータを読み出す。
図2は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる反応性イオンエッチング装置の一例の模式図である。図2の反応性イオンエッチング装置(RIE装置)は、二周波型の容量結合プラズマ装置(CCP装置)である。
RIE装置は、例えば、チャンバ20、ホルダ22、第1の高周波電源24、第2の高周波電源26、プロセスガス供給配管30、シャワープレート32、プロセスガス排出配管34、排気装置36、冷媒ユニット38、冷媒供給配管40、冷媒排出配管42、熱伝導ガス供給部44、第1の熱伝導ガス供給配管46、熱伝導ガス排出配管48、第1の主バルブ50、第2の主バルブ52、及び制御回路54を備える。
ホルダ22は、チャンバ20の中に設けられる。ホルダ22は、例えば、半導体ウェハWを載置する。
ホルダ22は、支持部22a、静電チャック22b、及び外周リング22cを有する。
支持部22aは、下部電極として機能する。支持部22aには、高周波電力が印加される。支持部22aは、例えば、金属である。
支持部22aの内部には冷媒流路22axが設けられる。冷媒流路22axは空隙である。冷媒流路22axには、支持部22aを冷却するための冷媒が供給される。冷媒は、例えば、フッ素系不活性液体である。
静電チャック22bは、支持部22aの上に設けられる。静電チャック22bは、半導体ウェハWを吸着し、固定する機能を有する。静電チャック22bは、例えば、内部に電極を備えた誘電体で形成される。誘電体は、例えば、セラミックスである。
静電チャック22bの上面には熱伝導ガス領域76が形成される。静電チャック22bと半導体ウェハWとの間に、半導体ウェハWを冷却するための熱伝導ガスが供給される。静電チャック22bに半導体ウェハWを固定することにより、熱伝導ガス領域76が閉鎖空間となる。
熱伝導ガスは、例えば、ヘリウム(He)、水素(H)、窒素(N)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、又はキセノン(Xe)を含む。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガス、水素ガス、窒素ガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、又はキセノンガスを含む。
外周リング22cは、支持部22aの上に設けられる。外周リング22cは、静電チャック22bの周囲に設けられる。外周リング22cは、半導体ウェハWの外周を支持する機能を有する。外周リング22cの上面は、例えば、シリコンで形成される。
第1の高周波電源24は、チャンバ20の内部に第1の高周波電力を印加する機能を有する。第1の高周波電源24は、ホルダ22の支持部22aとシャワープレート32との間に高周波電力を印加する。第1の高周波電源24を用いてチャンバ20に印加される第1の高周波電力により、チャンバ20の中にプラズマが生成される。
第1の高周波電源24により印加される第1の高周波電力は、例えば、50W以上20000W以下である。第1の高周波電源24により印加される第1の周波数は、例えば、20MHz以上200MHz以下である。
第2の高周波電源26は、チャンバ20の内部に第2の高周波電力を印加する機能を有する。第2の高周波電源26は、ホルダ22の支持部22aに第2の高周波電力を印加する。ホルダ22に第2の高周波電力を印加することで、半導体ウェハWに衝突するイオンのエネルギーを制御する。
ホルダ22に印加される第2の高周波電力は、例えば、50W以上20000W以下である。ホルダ22に印加される第2の周波数は、第1の高周波電源24によりチャンバ20に印加される第1の周波数よりも低い。ホルダ22に印加される第2の周波数は、例えば、0.1MHz以上20MHz以下である。
プロセスガス供給配管30は、チャンバ20の上部に設けられる。プロセスガス供給配管30からエッチングガスがシャワープレート32に供給される。
シャワープレート32は、チャンバ20の中に設けられる。シャワープレート32は、ホルダ22の上方に設けられる。
シャワープレート32に、プロセスガス供給配管30からエッチングガスが供給される。シャワープレート32に設けられた複数のガス供給口から、チャンバ20の中にエッチングガスが供給される。
シャワープレート32は、第1の高周波電力の上部電極としても機能する。
プロセスガス排出配管34は、チャンバ20の下部に設けられる。プロセスガス排出配管34から、エッチング反応で消費されなかったエッチングガスや反応生成物がチャンバ20の外に排出される。
排気装置36は、プロセスガス排出配管34、及び熱伝導ガス排出配管48に接続される。排気装置36は、例えば、真空ポンプである。
冷媒ユニット38は、冷媒供給配管40に接続される。冷媒供給配管40は冷媒流路22axに接続される。冷媒流路22axは、冷媒排出配管42に接続される。冷媒ユニット38によって、冷媒が、冷媒供給配管40、冷媒流路22ax、及び冷媒排出配管42の中を循環する。
熱伝導ガス供給部44は、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。第1の熱伝導ガス供給配管46は、熱伝導ガス領域76に接続される。第1の主バルブ50は、第1の熱伝導ガス供給配管46に設けられる。熱伝導ガス供給部44によって、熱伝導ガス領域76に熱伝導ガスが供給される。
第1の主バルブ50は、例えば、流量制御バルブである。第1の主バルブ50を用いた制御により、熱伝導ガス領域76の中の熱伝導ガスの圧力を制御することが可能である。また、第1の主バルブ50を用いて、熱伝導ガス領域76への熱伝導ガスの供給を遮断することも可能である。
熱伝導ガス領域76は、熱伝導ガス排出配管48に接続される。熱伝導ガス排出配管48は、排気装置36に接続される。熱伝導ガス排出配管48を用いて、熱伝導ガス領域76の中の熱伝導ガスが排出される。
第2の主バルブ52は、熱伝導ガス排出配管48に設けられる。第2の主バルブ52を用いて、熱伝導ガスの排出が制御される。
制御回路54は、第1の高周波電源24、第2の高周波電源26、排気装置36、冷媒ユニット38、熱伝導ガス供給部44、第1の主バルブ50、及び第2の主バルブ52の動作を制御する機能を有する。
ホルダ22に載置された半導体ウェハWは、チャンバ20の中のシャワープレート32とホルダ22との間に生成されるプラズマを用いて、異方性エッチングされる。
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図3は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図4、図5、図6、及び図7は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図である。図4、図5、図6、及び図7は、図1の一つのチャネル層11を含む部分に対応する。
最初に、シリコン基板10の上に、積層体60を形成する(図4(a))。シリコン基板10は半導体ウェハである。積層体60は、絶縁層である。シリコン基板10は基板の一例である。積層体60は被加工層の一例である。シリコン基板10は、図2の半導体ウェハWの一例である。
積層体60は、酸化シリコン膜60aと窒化シリコン膜60bとが交互に積層された構造を含む。酸化シリコン膜60a及び窒化シリコン膜60bは、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。
酸化シリコン膜60aの一部は、最終的に層間絶縁層12となる。
次に、積層体60の上に、穴パターン62aを有する炭素層62を形成する(図4(b))。炭素層62は、マスク層である。炭素層62は、例えば、スパッタ法により形成する。穴パターン62aは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて形成する。
マスク層として、例えば、レジスト層、絶縁層、又は金属層を用いることも可能である。
次に、RIE装置のチャンバ20にシリコン基板10を搬入する。チャンバ20の中に設けられたホルダ22の上にシリコン基板10を載置する。シリコン基板10は、基板の一例である。
RIE装置のチャンバ20の中で、反応性イオンエッチング法を用いて、炭素層62をマスクにメモリホールMHを形成する(図4(c)~図5(d))。メモリホールMHのエッチングは、シリコン基板10を冷却する熱伝導ガスの圧力を周期的に変化させながら行う。メモリホールMHは、凹部の一例である。
図3は、メモリホールMHを形成する際の、熱伝導ガス圧力、総高周波電力(total high frequency power)、及びウェハ温度と、エッチング時間との関係を示す。
時刻t1において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、熱伝導ガスを供給する。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。ヘリウムガスはシリコン基板10の裏面に接する。ヘリウムガスは第1のガスの一例である。
時刻t1において、ヘリウムガスの圧力は、第1の圧力P1に制御される。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1に制御する。
第1の圧力P1は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。
また、時刻t1において、チャンバ20の内部に高周波電力が印加される。例えば、第1の高周波電源24を用いて、ホルダ22の支持部22aとシャワープレート32との間に第1の高周波電力が印加される。例えば、第2の高周波電源26を用いて、ホルダ22の支持部22aに第2の高周波電力が印加される。第1の高周波電力と第2の高周波電力との和を、総高周波電力と称する。
また、時刻t1において、チャンバ20の中に、エッチングガスが供給される。エッチングガスは、プロセスガス供給配管30からからシャワープレート32を通って、チャンバ20の中に、供給される。
エッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。エッチングガスは、例えば、CxHyFz(xは1以上の整数、yは0以上の整数、zは1以上の整数)を含む。エッチングガスは、例えば、C、C、CHを含む。
エッチングガスは、例えば、酸素ガスを含む。エッチングガスは、例えば、臭化水素ガス(HBr)を含む。
また、時刻t1において、冷媒流路22axに、冷媒が供給される。冷媒は、例えば、フッ素系不活性液体である。冷媒流路22axに、冷媒が供給されることで、ホルダ22の支持部22a及び静電チャック22bの温度が低下する。ホルダ22の支持部22a及び静電チャック22bの温度は、例えば、-196℃以上60℃以下である。
ヘリウムガスの圧力が、第1の圧力P1に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる(図4(c))。時刻t1と時刻t2との間に、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる。第1のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通しない。
第1のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上60℃以下である。第1のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第1の状態が実現されている。
第1のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。第1のエッチング処理の際に、メモリホールMHの底面及び側面に反応生成物63が形成される。第1のエッチング処理の際に形成される反応生成物63は、第1の反応生成物の一例である。
反応生成物63は、例えば、シリコン(Si)、窒素(N)、及びフッ素(F)を含む。反応生成物63は、例えば、ケイフッ化アンモニウムを含む。反応生成物63は、例えば、(NHSiFを含む。
第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2に制御する。第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に変更する。第2の圧力P2は、第1の圧力P1より低い。
ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を遮断する。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、第2の圧力P2は真空に近づく。
第2の圧力P2は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第2の圧力P2は、例えば、第1の圧力P1の100分の1以下である。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第1の反応生成物除去を行う(図4(d))。時刻t2と時刻t3との間に、積層体60の上の反応生成物63を除去する。第1の反応生成物除去によって、メモリホールMHの底面及び側面の反応生成物63を除去する。
第1の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第1の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第2の状態が実現されている。
時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に制御した後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が100℃以上の第2の状態が実現される。ヘリウムガスの圧力が低下することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が抑制される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が抑制され、シリコン基板10の温度が上昇する。
反応生成物63は、例えば、温度が高いほど分解反応が促進され、メモリホールMHからの除去が促進される。反応生成物63は、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上となることにより、分解反応が促進される。特に、反応生成物63が、ケイフッ化アンモニウムの場合、シリコン基板10の温度が100℃以上となることにより、分解反応が促進される。
なお、例えば、第1の反応生成物除去の際に、チャンバ20の中へのエッチングガスの供給は継続される。
第1の反応生成物除去の後に、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3に制御する。第1の反応生成物除去の後に、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2から第3の圧力P3に変更する。第2の状態を実現した後に、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御する。
第3の圧力P3は、第2の圧力P2より高い。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を開けることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を開始する。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御する。
第3の圧力P3は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。第3の圧力P3は、例えば、第1の圧力P1と等しい。
ヘリウムガスの圧力が、第3の圧力P3に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる(図5(a))。第2のエッチング処理の際に、チャンバ20の中へエッチングガスの供給は継続されている。
時刻t3と時刻t4との間に、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる。第2のエッチング処理の際に、メモリホールMHの底面をエッチングする。第2のエッチング処理の際に、メモリホールMHが深くなる。第2のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通しない。
ヘリウムガスの圧力が、第2の圧力P2から第3の圧力P3に増加することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が促進される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が促進され、シリコン基板10の温度が低下する。
第2のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上60℃以下である。第2のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第3の状態が実現されている。
第2のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。第2のエッチング処理の際に、メモリホールMHの底面及び側面に反応生成物63が形成される。第2のエッチング処理の際に形成される反応生成物63は、第2の反応生成物の一例である。
第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4に制御する。第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に変更する。第4の圧力P4は、第3の圧力P3より低い。第4の圧力P4は、例えば第2の圧力P2と等しい。
第4の圧力P4は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第4の圧力P4は、例えば、第3の圧力P3の100分の1以下である。
ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第2の反応生成物除去を行う(図5(b))。時刻t4と時刻t5との間に、積層体60の上の反応生成物63を除去する。第2の反応生成物除去によって、メモリホールMHの底面及び側面の反応生成物63を除去する。
第2の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第2の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第4の状態が実現されている。
時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に変化させた後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第4の状態が実現される。
なお、例えば、第2の反応生成物除去の際に、チャンバ20の中へのエッチングガスの供給は継続される。
第2の反応生成物除去の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5に制御する。第2の反応生成物除去の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4から第5の圧力P5に変更する。第4の状態を実現した後に、ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御する。
第5の圧力P5は、第4の圧力P4より高い。第5の圧力P5は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。第5の圧力P5は、例えば、第1の圧力P1及び第3の圧力P3と等しい。
ヘリウムガスの圧力が、第5の圧力P5に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる(図5(c))。第5のエッチングの際に、チャンバ20の中へエッチングガスの供給は継続されている。
時刻t5と時刻t6との間に、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる。第3のエッチング処理の際に、メモリホールMHの底面をエッチングする。第3のエッチング処理の際に、メモリホールMHが深くなる。第3のエッチング処理の際に、メモリホールMHは積層体60を貫通し、シリコン基板10に達する。積層体60を貫通したメモリホールMHのアスペクト比は、例えば、30以上である。
ヘリウムガスの圧力が、第4の圧力P4から第5の圧力P5に増加することにより、シリコン基板10の温度が低下する。
第3のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上60℃以下である。第3のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第5の状態が実現されている。
第3のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。第3のエッチング処理の際に、メモリホールMHの底面及び側面に反応生成物63が形成される。
第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6に制御する。第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に変更する。第6の圧力P6は、第5の圧力P5より低い。第6の圧力P6は、例えば第2の圧力P2及び第4の圧力P4と等しい。
第6の圧力P6は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第6の圧力P6は、例えば、第5の圧力P5の100分の1以下である。
ヘリウムガスの圧力を第6の圧力P6に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第3の反応生成物除去を行う(図5(d))。時刻t6以降に、積層体60の上の反応生成物63を除去する。第3の反応生成物除去によって、メモリホールMHの底面及び側面の反応生成物63を除去する。
第3の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第3の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第6の状態が実現されている。
時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に変化させた後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が100℃以上の第6の状態が実現される。
なお、例えば、第3の反応生成物除去の際に、チャンバ20の中へのエッチングガスの供給は継続される。
第3の反応生成物除去の後に、時刻t7において、チャンバ20の内部への高周波電力の印加を停止する。また、時刻t7において、チャンバ20の中への、エッチングガスの供給が遮断される。
時刻t7に、メモリホールMHのエッチングが終了する。
なお、第3の反応生成物除去の後、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6より高い圧力に上げて、シリコン基板10の温度を低くした状態でメモリホールMHのエッチングを終了させても構わない。
図3に示すように、メモリホールMHのエッチングの際に、ヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1に制御している時間はtd1である。メモリホールMHのエッチングの際に、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している時間はtd2である。メモリホールMHのエッチングの際に、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御している時間はtd3である。メモリホールMHのエッチングの際に、ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御している時間はtd4である。メモリホールMHのエッチングの際に、ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御している時間はtd5である。
例えば、時間td1、時間td3、及び時間td5は等しい。また、例えば、時間td2、及び時間td4は等しい。
また、例えば、時間td1と時間td2は等しい。また、例えば、時間td3と時間td4は等しい。
また、例えば、時間td2は時間td1よりも短い。また、例えば、時間td4は時間td3よりも短い。
また、例えば、時間td2は時間td1よりも長い。また、例えば、時間td4は時間td3よりも長い。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している時間をtd2(sec)、第1のエッチング処理の際のホルダ22の温度をT(℃)、シリコン基板10の面積とチャンバ20の内壁面積との和に対するシリコン基板10の表面積の比率をk、へリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している間にチャンバ20の内部に印加される高周波電力をPw(W)、シリコン基板10の質量をm(kg)、シリコン基板10の比熱容量をc(J/(kg・℃))とした場合に、例えば、下記不等式(1)が成立する。
td2≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}・・・(1)
なお、ホルダ22の温度Tは、静電チャック22bの設定温度である。メモリホールMHのエッチングの間、静電チャック22bの設定温度は一定の温度に維持される。静電チャック22bの温度は、例えば、図2に図示しない温度計で測定される。
また、比率kは、下記式で表される。
k=シリコン基板の表面積/(シリコン基板の表面積+チャンバの内壁面積)
また、高周波電力Pwは、第1の高周波電力と第2の高周波電力との和である総高周波電力である。
同様に、へリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御している時間td4について、例えば、下記不等式(2)が成立する。
td4≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}・・・(2)
メモリホールMHのエッチングが終了した後に、RIE装置のチャンバ20からシリコン基板10を搬出する。
次に、炭素層62を除去する(図6(a))。炭素層62は、例えば、酸素プラズマを用いたアッシング処理により行う。
次に、メモリホールMHの中に、積層絶縁層66を形成する(図6(b))。積層絶縁層66は、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化アルミニウム膜の積層構造を有する。積層絶縁層66は、最終的にゲート絶縁層13となる。
次に、メモリホールMHの中に、多結晶シリコン層68を形成する(図6(c))。多結晶シリコン層68は、最終的にチャネル層11となる。
次に、窒化シリコン膜60bを選択的に除去する(図7(a))。
次に、窒化シリコン膜60bを除去した領域に第1のタングステン層70を形成する(図7(b))。第1のタングステン層70は、最終的にワード線WLとなる。
次に、多結晶シリコン層68の上に第2のタングステン層69を形成する(図7(c))。第2のタングステン層69は、最終的にビット線BLとなる。
以上の製造方法により、図1に示す不揮発性メモリ100が製造される。
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
メモリセルが3次元的に配置された不揮発性メモリ100では、メモリを大容量化するために、例えば、メモリホールの穴径を縮小し、ワード線WLの積層数を増加させる。メモリホールの穴径を縮小し、ワード線WLの積層数を増加させると、高いアスペクト比(メモリホールの深さ/メモリホールの穴径)のメモリホールの形成が必要となる。
メモリホールのアスペクト比が高くなると、メモリホールの形状が所望の形状に加工できなくなるという問題が生じる。言い換えれば、メモリホールの形状の加工精度が低下するという問題がある。
例えば、メモリホールの深さ方向に対して垂直な断面の形状が、所望の形状からゆがむ場合がある。また、例えば、メモリホールの深さ方向のエッチングが垂直に進行せず、メモリホールの深さ方向の形状が、曲がった形状になる場合がある。
上述のような、メモリホールの形状の加工精度の低下の原因の一つは、エッチングの際に、メモリホールの底面及び側面に形成される反応生成物であることが考えられる。すなわち、メモリホールの底面及び側面に形成された反応生成物が、エッチングを阻害するため、メモリホールの形状の加工精度が低下すると考えられる。
例えば、メモリホールのエッチング速度は、被加工層を有する基板の温度が低いほど速くなる。メモリホールのエッチングのスループットを向上させる観点から、被加工層を有する基板の温度を低くすることが望ましい。メモリホールのエッチングのスループットを向上させる観点から、被加工層を有する基板の温度は、60℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることが更に好ましい。
一方、メモリホールのエッチングの際に形成される反応生成物の分解温度が高い場合、基板の温度が下がることにより反応生成物が分解されにくくなる。したがって、基板の温度が下がることにより、エッチングが反応生成物により更に阻害されるおそれがある。エッチングが更に阻害されることで、メモリホールの形状の加工精度が更に低下するおそれがある。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、メモリホールMHを形成する際に、被加工層である積層体60を有するシリコン基板10の温度を変化させる。すなわち、シリコン基板10の低温状態と、シリコン基板10の高温状態を交互に繰り返す。
上記第1の状態、第3の状態、及び第5の状態が低温状態に該当する。また、上記第2の状態、第4の状態、及び第6の状態が高温状態に該当する。
シリコン基板10が低温状態にある時には、メモリホールMHのエッチング速度が高くなり、積層体60のエッチングが主に進行する。一方、シリコン基板10が高温状態にある時には、メモリホールMHの底面及び側面に形成された反応生成物63の分解反応が促進され、反応生成物63の分解が主に進行する。
シリコン基板10が高温状態から低温状態に移行した際には、反応生成物63が除去されているため、反応生成物63によるエッチングの阻害が生じにくい。したがって、メモリホールの形状の加工精度が向上する。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10の低温状態と、シリコン基板10の高温状態を交互に繰り返しながらメモリホールMHを形成することで、メモリホールの形状の加工精度が向上する。また、メモリホールMHのエッチングのスループットが向上する。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10の高温状態と低温状態の移行を、熱伝導ガスの圧力を変化させることにより行う。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。
熱伝導ガスの圧力を変化させることにより、シリコン基板10とホルダ22との間の熱の伝搬を変化させる。熱伝導ガスの圧力が高くなると熱の伝搬が加速され、熱伝導ガスの圧力が低くなると熱の伝搬が抑制される。例えば、熱伝導ガスの圧力を低下させることで、シリコン基板10を低温状態から高温状態に移行できる。また、例えば、熱伝導ガスの圧力を増加させることで、シリコン基板10を高温状態から低温状態に移行できる。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10を冷却するために用いられる熱伝導ガスの圧力の変化のみで、シリコン基板10の温度を変化させる。したがって、RIE装置にシリコン基板10の温度を変化させるための新たな構造を追加することが不要である。よって、メモリホールの形状の加工精度を容易に向上させることができる。
シリコン基板10の表面は、積層体60のエッチング中は高周波電力の印加により形成された高エネルギーのプラズマ中に晒される。シリコン基板10の温度は、高エネルギーのプラズマからの入熱により上昇する。一方、シリコン基板10の温度は、冷媒の供給により冷却されたホルダ22に向けた出熱により低下する。シリコン基板10の温度は、プラズマからの入熱とホルダ22に向けた出熱のバランスにより定まる。
ヘリウムガスの圧力を低圧力に制御している時間をtd(sec)、へリウムガスの圧力を低圧力に制御し始める前のホルダ22の温度をT(℃)、シリコン基板10の表面積のシリコン基板10の表面積とチャンバ20の内壁面積との和に対する比率をk、へリウムガスの圧力を低圧力に制御している間にチャンバ20の内部に印加される高周波電力をPw(W)、シリコン基板10の質量をm(kg)、シリコン基板10の比熱容量をc(J/(kg・℃))とした場合に、下記不等式(3)が成立することが好ましい。
td≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}・・・(3)
なお、ホルダ22の温度Tは、静電チャック22bの設定温度である。メモリホールMHのエッチングの間、静電チャック22bの設定温度は一定の温度に維持される。静電チャック22bの温度は、例えば、図2に図示しない温度計で測定される。また、ホルダ22の温度Tは、例えば、高圧力から低圧力に制御を切り替えた時に、温度計で計測される静電チャック22bの温度であっても良い。
また、比率kは、下記式で表される。
k=シリコン基板の表面積/(シリコン基板の表面積+チャンバの内壁面積)
また、高周波電力Pwは、第1の高周波電力と第2の高周波電力との和である総高周波電力である。
時間tdが上記不等式(3)を充足することにより、時間tdの間に、シリコン基板10の温度を100℃以上に上昇させることが可能となる。シリコン基板10の温度を100℃以上にすることで、反応生成物63の分解が促進される。
したがって、へリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している時間td2について、下記不等式(1)が成立することが好ましい。
td2≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}・・・(1)
同様に、へリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御している時間td4について、下記不等式(2)が成立することが好ましい。
td4≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}・・・(2)
シリコン基板10の反応生成物63の分解反応を促進する観点から、シリコン基板10の温度は高いことが好ましい。したがって、へリウムガスの圧力を低圧力に制御している時間は長いことが好ましい。よって、へリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している時間td2は、10秒より長いことが好ましく15秒より長いことがより好ましい。また、へリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御している時間td4は、10秒より長いことが好ましく15秒より長いことがより好ましい。
メモリホールのエッチングのスループットを向上させる観点から、主に反応物生成除去が進行する高温状態の時間は、主にエッチングが進行する低温状態の時間より短いことが好ましい。したがって、へリウムガスの圧力を低圧力に制御している時間は、へリウムガスの圧力を高圧力にしている時間よりも短いことが好ましい。よって、時間td2は、時間td1、時間td3、及び時間td5よりも短いことが好ましい。時間td4は、時間td1、時間td3、及び時間td5よりも短いことが好ましい。時間td6は、時間td1、時間td3、及び時間td5よりも短いことが好ましい。
シリコン基板10の温度変化率を大きくする観点から、熱伝導ガスは熱伝導率の高いヘリウムガス又は水素ガスであることが好ましい。
(変形例)
第1の実施形態の半導体装置の製造方法の変形例は、基板の温度を測定し、測定された基板の温度に基づき、第1のガスの圧力を第3の圧力に制御する点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。
変形例の半導体装置の製造方法では、メモリホールMHのエッチングに用いられるRIE装置は、図2に図示しない、シリコン基板10の温度を測定する温度計を備える。温度計は、シリコン基板10の温度を直接的又は間接的に測定する。
温度計は、例えば、シリコン基板10の温度を直接測定する蛍光体を用いた温度計、又は熱電対である。温度計は、例えば、外周リング22cの温度を直接測定する蛍光体を用いた温度計、又は熱電対である。外周リング22cの温度から、シリコン基板10の温度を間接的に導き出すことが可能である。
変形例の半導体装置の製造方法では、温度計によって測定された基板の温度に基づき、ヘリウムガスの圧力を制御する。ヘリウムガスの圧力の、シリコン基板10の温度に基づく制御は、例えば、制御回路54を用いて行われる。
例えば、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御している状態で、シリコン基板10の温度を測定する。例えば、シリコン基板10の温度が、所定の温度に達した時点で、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2から第2の圧力P2よりも高い第3の圧力P3に切り替える。所定の温度は、例えば、120℃である。シリコン基板10の温度に基づき、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御する。
シリコン基板10の温度に基づき、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2から第3の圧力P3に切り替えることで、例えば、シリコン基板10の温度が高くなりすぎることを確実に抑制できる。
また、例えば、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御している状態で、シリコン基板10の温度を測定する。例えば、シリコン基板10の温度が、所定の温度にまで低下した後、所定の時間経過後に、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3から第3の圧力P3よりも低い第4の圧力P4に切り替える。所定の温度は、例えば、20℃である。所定の時間は、例えば、10秒である。シリコン基板10の温度に基づき、ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御する。
シリコン基板10の温度に基づき、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3から第4の圧力P4に切り替えることで、例えば、積層体60のエッチング量を精度よく制御できる。
以上、第1の実施形態の半導体装置の製造方法及びその変形例によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1のガスの圧力の変更の制御と、チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる点で、第1の実施形態の製造方法と異なる。また、第2の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の反応生成物除去の際にチャンバの内部に印加される高周波電力を、第1のエッチング処理の際にチャンバの内部に印加される高周波電力よりも高くする。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図8は、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図8は、メモリホールMHを形成する際の、熱伝導ガス圧力、総高周波電力、及びウェハ温度と、エッチング時間との関係を示す。
時刻t1において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、熱伝導ガスを供給する。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。
時刻t1において、ヘリウムガスの圧力は、第1の圧力P1に制御される。時刻t1において、チャンバ20の内部に第1の電力Pw1が印加される。
また、時刻t1において、チャンバ20の中に、エッチングガスが供給される。また、時刻t1において、冷媒流路22axに、冷媒が供給される。
ヘリウムガスの圧力が、第1の圧力P1に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる。第1のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上60℃以下である。第1のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第1の状態が実現されている。第1のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。
第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2に制御する。第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に変更する。第2の圧力P2は、第1の圧力P1より低い。
また、時刻t2において、チャンバ20の内部に第2の電力Pw2が印加される。時刻t2において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に変更する。第2の電力Pw2は、第1の電力Pw1よりも高い。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御し、第2の電力Pw2が印加された後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第1の反応生成物除去を行う。
第1の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第1の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第2の状態が実現されている。
第1の反応生成物除去の後に、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3に制御する。第1の反応生成物除去の後に、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2から第3の圧力P3に変更する。第3の圧力P3は、第2の圧力P2より高い。
また、時刻t3において、チャンバ20の内部に第3の電力Pw3が印加される。時刻t3において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に変更する。第3の電力Pw3は、第2の電力Pw2よりも低い。
ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御し、第3の電力Pw3が印加された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる。
時刻t3と時刻t4との間に、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる。
ヘリウムガスの圧力が、第2の圧力P2から第3の圧力P3に増加することにより、シリコン基板10の温度が低下する。第2のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第3の状態が実現される。第2のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。
第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4に制御する。第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に変更する。第4の圧力P4は、第3の圧力P3より低い。
また、時刻t4において、チャンバ20の内部に第4の電力Pw4が印加される。時刻t4において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第3の電力Pw3から第4の電力Pw4に変更する。第4の電力Pw4は、第3の電力Pw3よりも高い。
ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御し、第4の電力Pw4が印加された後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第2の反応生成物除去を行う。
第2の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第2の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第4の状態が実現されている。
第2の反応生成物除去の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5に制御する。第1の反応生成物除去の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4から第5の圧力P5に変更する。第5の圧力P5は、第4の圧力P4より高い。
また、時刻t5において、チャンバ20の内部に第5の電力Pw5が印加される。時刻t5において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第4の電力Pw4から第5の電力Pw5に変更する。第5の電力Pw5は、第4の電力Pw4よりも低い。
ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御し、第5の電力Pw5が印加された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる。
時刻t5と時刻t6との間に、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる。
ヘリウムガスの圧力が、第4の圧力P4から第5の圧力P5に増加することにより、シリコン基板10の温度が低下する。第3のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上60℃以下の第5の状態が実現される。第3のエッチング処理の際に、積層体60の上に反応生成物63が形成される。
第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6に制御する。第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に変更する。第6の圧力P6は、第5の圧力P5より低い。
また、時刻t6において、チャンバ20の内部に第6の電力Pw6が印加される。時刻t6において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第5の電力Pw5から第6の電力Pw6に変更する。第6の電力Pw6は、第5の電力Pw5よりも高い。
ヘリウムガスの圧力を第6の圧力P6に制御し、第6の電力Pw6が印加された後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第3の反応生成物除去を行う。
第3の反応生成物除去の際、シリコン基板10の温度は、例えば、100℃以上300℃以下である。第3の反応生成物除去の際、例えば、シリコン基板10の温度が100℃以上300℃以下の第6の状態が実現されている。
第3の反応生成物除去の後に、時刻t7において、チャンバ20の内部への高周波電力の印加が停止される。また、時刻t7において、チャンバ20の中への、エッチングガスの供給が遮断される。
時刻t7において、メモリホールMHのエッチングが終了する。
次に、第2の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
第2の実施形態の半導体装置の製造方法では、伝導ガスの圧力の変更の制御と、チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる。伝導ガスの圧力の減少に同期させて、高周波電力を増加させる。また、伝導ガスの圧力の増加に同期させて、高周波電力を減少させる。
具体的には、例えば、上述のように、第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1から第2の圧力P2に減少させると同時に、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に増加させる。また、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2から第3の圧力P3に増加させると同時に、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に減少させる。
第1のエッチング処理の後の第1の反応生成物除去において、反応生成物63の除去効率を向上させるためには、シリコン基板10の温度が高いことが望ましい。また、メモリホールMHのエッチングのスループットを向上させる観点から、シリコン基板10の温度の上昇速度が速いことが好ましい。
また、メモリホールMHのエッチングのスループットを向上させる観点から、第1の反応生成物除去の後、シリコン基板10の温度の低下速度が速いことが好ましい。
時刻t2において、高周波電力を第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に増加させることで、シリコン基板10へのプラズマからの入熱が大きくなる。したがって、第1の反応生成物除去において、シリコン基板10の温度を高くすることが可能となる。また、シリコン基板10の温度の上昇速度を早くすることが可能となる。
また、時刻t3において、高周波電力を第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に減少させることで、シリコン基板10へのプラズマからの入熱が小さくなる。したがって、第1の反応生成物除去の後、シリコン基板10の温度の低下速度が遅くなることを抑制できる。
なお、伝導ガスの圧力の変更と高周波電力の変更は、必ずしも同時でなくとも構わない。例えば、高周波電力の変更が伝導ガスの圧力の変更より所定の時間早くても、高周波電力の変更が伝導ガスの圧力の変更より所定の時間遅くても構わない。
以上、第2の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1のガスの圧力の変更の制御と、チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる点で、第1の実施形態の製造方法と異なる。また、第3の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の反応生成物除去の際にチャンバの内部に印加される高周波電力を、第1のエッチング処理の際にチャンバの内部に印加される高周波電力よりも低くする点で、第2の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態又は第2の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図9は、第3の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図9は、メモリホールMHを形成する際の、熱伝導ガス圧力、総高周波電力、及びウェハ温度と、エッチング時間との関係を示す。
図9に示すように、時刻t2において、チャンバ20の内部に第2の電力Pw2が印加される。時刻t2において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に変更する。第2の電力Pw2は、第1の電力Pw1よりも低い。
また、時刻t3において、チャンバ20の内部に第3の電力Pw3が印加される。時刻t3において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に変更する。第3の電力Pw3は、第2の電力Pw2よりも高い。
また、時刻t4において、チャンバ20の内部に第4の電力Pw4が印加される。時刻t4において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第3の電力Pw3から第4の電力Pw4に変更する。第4の電力Pw4は、第3の電力Pw3よりも低い。
また、時刻t5において、チャンバ20の内部に第5の電力Pw5が印加される。時刻t5において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第4の電力Pw4から第5の電力Pw5に変更する。第5の電力Pw5は、第4の電力Pw4よりも高い。
また、時刻t6において、チャンバ20の内部に第6の電力Pw6が印加される。時刻t6において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第5の電力Pw5から第6の電力Pw6に変更する。第6の電力Pw6は、第5の電力Pw5よりも低い。
また、時刻t7において、チャンバ20の内部への高周波電力の印加が停止される。また、時刻t7において、チャンバ20の中への、エッチングガスの供給が遮断される。
時刻t7において、メモリホールMHのエッチングが終了する。
なお、伝導ガスの圧力の変更と高周波電力の変更は、必ずしも同時でなくとも構わない。例えば、高周波電力の変更が伝導ガスの圧力の変更より所定の時間早くても、高周波電力の変更が伝導ガスの圧力の変更より所定の時間遅くても構わない。
次に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、伝導ガスの圧力の変更の制御と、チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる。伝導ガスの圧力の減少に同期させて、高周波電力を減少させる。また、伝導ガスの圧力の増加に同期させて、高周波電力を増加させる。
具体的には、例えば、上述のように、第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1から第2の圧力P2に減少させると同時に、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に減少させる。また、時刻t3において、ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2から第3の圧力P3に増加させると同時に、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に増加させる。
第1のエッチング処理の後の第1の反応生成物除去において、ヘリウムガスの圧力が第1の圧力P1から第2の圧力P2に減少し、熱伝導ガス領域76の圧力が低下する。熱伝導ガス領域76の圧力が低下すると、熱伝導ガス領域76の中での放電が生じやすくなる。熱伝導ガス領域76の中で放電が生じると、例えば、シリコン基板10の損傷や静電チャック22bの損傷が生じるおそれがある。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、例えば、時刻t2において、高周波電力を第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に減少させることで、熱伝導ガス領域76の中での放電が抑制される。したがって、放電によるシリコン基板10の損傷や静電チャック22bの損傷を抑制できる。
以上、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置の製造方法は、第1のガスの圧力を第2の圧力に制御した後に、第1のガスに替えて、第1のガスよりも熱伝導率が低い第3のガスを、ホルダと基板との間に基板に接するように供給し、第1の反応生成物除去の後に、第3のガスに替えて第1のガスを、ホルダと基板との間に基板に接するように供給し、第1のガスの圧力を第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御する点で、第1の実施形態の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図10は、第4の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図10は、メモリホールMHを形成する際の、熱伝導ガス圧力、総高周波電力、及びウェハ温度と、エッチング時間との関係を示す。
時刻t1において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、熱伝導ガスを供給する。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。ヘリウムガスは、第1のガスの一例である。
時刻t1において、ヘリウムガスの圧力は、第1の圧力P1に制御される。時刻t1において、チャンバ20の内部に第1の電力Pw1が印加される。
また、時刻t1において、チャンバ20の中に、エッチングガスが供給される。エッチングガスは、第2のガスの一例である。また、時刻t1において、冷媒流路22axに、冷媒が供給される。
ヘリウムガスの圧力が、第1の圧力P1に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる。
第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2に制御する。第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に変更する。第2の圧力P2は、第1の圧力P1より低い。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御した後に、時刻taにおいて、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、ヘリウムガスに替えてアルゴンガスを供給する。アルゴンガスはシリコン基板10の裏面に接する。アルゴンガスは、第3のガスの一例である。アルゴンガスの熱伝導率は、ヘリウムガスの熱伝導率よりも低い。
ヘリウムガスからアルゴンガスへの供給の切り替えは、例えば、制御回路54が熱伝導ガス供給部44を制御することにより行われる。
アルゴンガスの圧力は、例えば、圧力Paに制御される。圧力Paは、第2の圧力P2よりも高い。圧力Paは、例えば、第1の圧力P1と等しい。
なお、図10において、へリウムガスの圧力は実線で、アルゴンガスの圧力は点線で示される。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第1の反応生成物除去を行う。
第1の反応生成物除去の後に、時刻t3において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、アルゴンガスに替ええてへリウムガスを供給する。ヘリウムガスはシリコン基板10の裏面に接する。ヘリウムガスの圧力は、第3の圧力P3に制御する。第3の圧力P3は、第2の圧力P2より高い。
ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御した後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる。
時刻t3と時刻t4との間に、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる。
第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4に制御する。第2のエッチング処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に変更する。第4の圧力P4は、第3の圧力P3より低い。
ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御した後に、時刻tbにおいて、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、ヘリウムガスに替えてアルゴンガスを供給する。
アルゴンガスの圧力は、例えば、圧力Pbに制御される。圧力Pbは、第4の圧力P4よりも高い。圧力Pbは、例えば、第3の圧力P3と等しい。
ヘリウムガスの圧力を第4の圧力P4に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第2の反応生成物除去を行う。
第2の反応生成物除去の後に、時刻t5において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、アルゴンガスに替えてへリウムガスを供給する。ヘリウムガスはシリコン基板10の裏面に接する。ヘリウムガスの圧力は、第5の圧力P5に制御する。第5の圧力P5は、第4の圧力P4より高い。
ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御した後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる。
時刻t5と時刻t6との間に、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる。
第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6に制御する。第3のエッチング処理の後に、時刻t6において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に変更する。第6の圧力P6は、第5の圧力P5より低い。
ヘリウムガスの圧力を第6の圧力P6に制御した後に、積層体60の上の反応生成物63を除去する第3の反応生成物除去を行う。
第3の反応生成物除去の後に、時刻t7において、チャンバ20の内部への高周波電力の印加が停止される。また、時刻t7において、チャンバ20の中への、エッチングガスの供給が遮断される。
時刻t7において、メモリホールMHのエッチングが終了する。
次に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、例えば、時刻taにおいて、熱伝導ガス領域76の中にヘリウムガスよりも熱伝導率の低いアルゴンガスを供給する。アルゴンガスの熱伝導率が、ヘリウムガスに比べて低いため、ヘリウムガスの場合と比較して、シリコン基板10の温度の変化速度が小さくなる。
したがって、例えば、シリコン基板10を安定して100℃以上の温度に保つことが可能となる。また、シリコン基板10を100℃以上の温度に保つ時間を長くすることが容易となる。よって、反応生成物の除去を促進することが可能となる。
なお、第1のガスとして、ヘリウムガスに替えて水素ガスを用いることも可能である。また、第1のガスよりも熱伝導率の低い第3のガスとして、アルゴンガスに替えて、例えば、窒素ガス、ネオンガス、クリプトンガス、又はキセノンガスを用いることも可能である。
また、圧力Paは、第1の圧力P1と異なっていても構わない。また、圧力Pbは、第3の圧力P3と異なっていても構わない。また、圧力Pcは、第5の圧力P5と異なっていても構わない。
以上、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の半導体装置の製造方法は、チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、ホルダと基板との間に、基板に接する第1のガスを供給し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、被加工層に、第1のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、凹部を形成する第1のエッチング処理を行い、第1のエッチング処理の後に、第1のガスの圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、基板の温度が200℃以上350℃以下の状態で、水素を含む第2のプロセスガスを用いて凹部に水素ラジカルを供給する第1の処理を行い、第1の処理の後に、第1のガスの圧力を第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、第3のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、凹部の底面をエッチングする第2のエッチング処理を行う。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置は、第1の実施形態の半導体装置で製造される半導体装置と同様である。第5の実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置は、メモリセルが3次元的に配置された不揮発性メモリ100である。図1は、不揮発性メモリ100のメモリセルアレイの断面図である。以下、不揮発性メモリ100の説明について、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
また、第5の実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる反応性イオンエッチング装置は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる反応性イオンエッチング装置と同様である。図2は、第5の実施形態の半導体装置の製造方法に用いられる反応性イオンエッチング装置の一例の模式図である。図2の反応性イオンエッチング装置(RIE装置)は、二周波型の容量結合プラズマ装置(CCP装置)である。以下、RIE装置の説明について、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する。
次に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
図11は、第5の実施形態の半導体装置の製造方法の説明図である。図12、図13、図14、及び図15は、第5の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式図である。図12、図13、図14、及び図15は、図1の一つのチャネル層11を含む部分に対応する。
最初に、シリコン基板10の上に、積層体60を形成する(図12(a))。シリコン基板10は半導体ウェハである。積層体60は、絶縁層である。シリコン基板10は基板の一例である。積層体60は被加工層の一例である。シリコン基板10は、図2の半導体ウェハWの一例である。
積層体60は、酸化シリコン膜60aと窒化シリコン膜60bとが交互に積層された構造を含む。酸化シリコン膜60a及び窒化シリコン膜60bは、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。酸化シリコン膜60aは第1の層の一例である。窒化シリコン膜60bは第2の層の一例である。
酸化シリコン膜60aの一部は、最終的に層間絶縁層12となる。
次に、積層体60の上に、穴パターン62aを有する炭素層62を形成する(図12(b))。炭素層62は、マスク層の一例である。炭素層62は、例えば、スパッタ法により形成する。穴パターン62aは、例えば、リソグラフィ法及びRIE法を用いて形成する。
マスク層として、例えば、レジスト層、絶縁層、又は金属層を用いることも可能である。
次に、RIE装置のチャンバ20にシリコン基板10を搬入する。チャンバ20の中に設けられたホルダ22の上にシリコン基板10を載置する。シリコン基板10は、基板の一例である。
RIE装置のチャンバ20の中で、反応性イオンエッチング法を用いて、炭素層62をマスクにメモリホールMHを形成する(図12(c)~図14(a))。メモリホールMHのエッチングは、シリコン基板10を冷却する熱伝導ガスの圧力を周期的に変化させながら行う。メモリホールMHは、凹部の一例である。
図11は、メモリホールMHを形成する際の、熱伝導ガス圧力、総高周波電力(total high frequency power)、及びウェハ温度と、エッチング時間との関係を示す。図11には、シリコン基板10に水素プラズマが供給されるタイミングも示す。
時刻t1において、ホルダ22とシリコン基板10との間の熱伝導ガス領域76に、熱伝導ガスを供給する。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。ヘリウムガスはシリコン基板10の裏面に接する。ヘリウムガスは第1のガスの一例である。
時刻t1において、ヘリウムガスの圧力は、第1の圧力P1に制御される。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1に制御する。
第1の圧力P1は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。
また、時刻t1において、チャンバ20の内部に高周波電力が印加される。例えば、第1の高周波電源24を用いて、ホルダ22の支持部22aとシャワープレート32との間に第1の高周波電力が印加される。例えば、第2の高周波電源26を用いて、ホルダ22の支持部22aに第2の高周波電力が印加される。第1の高周波電力と第2の高周波電力との和を、総高周波電力と称する。時刻t1において、チャンバ20の内部に第1の電力Pw1が印加される。
また、時刻t1において、チャンバ20の中に、第1のエッチングガスが供給される。第1のエッチングガスは、第1のプロセスガスの一例である。エッチングガスは、プロセスガス供給配管30からシャワープレート32を通って、チャンバ20の中に、供給される。
第1のエッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。
また、時刻t1において、冷媒流路22axに、冷媒が供給される。冷媒は、例えば、フッ素系不活性液体である。冷媒流路22axに、冷媒が供給されることで、ホルダ22の支持部22a及び静電チャック22bの温度が低下する。ホルダ22の支持部22a及び静電チャック22bの温度は、例えば、-150℃以上20℃以下である。
ヘリウムガスの圧力が、第1の圧力P1に制御された後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる(図12(c))。時刻t1と時刻t2との間に、積層体60をエッチングする第1のエッチング処理が行われる。第1のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通しない。
第1のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上20℃以下である。第1のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上20℃以下の第1の状態が実現されている。
第1のエッチング処理の際に、メモリホールMHの表面に第1の保護膜64aを形成する。第1の保護膜64aは、例えば、メモリホールMHの側壁に形成される。第1の保護膜64aは、メモリホールMHの形成と同時に形成される。第1の保護膜64aは、第1の膜の一例である。
第1の保護膜64aは、第1のエッチングガスに由来する反応生成物である。第1の保護膜64aは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。第1の保護膜64aは、例えば、フルオロカーボン膜である。
第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2に制御する。第1のエッチング処理の後に、時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に変更する。第2の圧力P2は、第1の圧力P1より低い。
ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を遮断する。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、第2の圧力P2は真空に近づく。
第2の圧力P2は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第2の圧力P2は、例えば、第1の圧力P1の100分の1以下である。
第1のエッチング処理の後に、例えば、時刻t3において、チャンバ20の内部に第2の電力Pw2が印加される。時刻t3において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第1の電力Pw1から第2の電力Pw2に変更する。第2の電力Pw2は、第1の電力Pw1よりも低い。
ヘリウムガスの圧力を第2の圧力P2に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第2の電力Pw2に変更した後に、第1の改質処理を行う(図12(d))。第1の改質処理において、チャンバ20の中で、メモリホールMHに水素ラジカルを供給する。第1の改質処理は、第1の処理の一例である。
第1の改質処理の際に、例えば、時刻t3において、チャンバ20の内部に第1の改質ガスが供給される。第1の改質ガスは、水素(H)を含むガスである。第1の改質ガスは、例えば、水素ガスを含む。第1の改質ガスは、第2のプロセスガスの一例である。
第1の改質処理の際に、チャンバ20の内部に供給されるガスを第1のエッチングガスから第1の改質ガスに切り替える。例えば、時刻t3においてチャンバ20の内部に供給されるガスを第1のエッチングガスから第1の改質ガスに切り替える。
第1の改質処理の際に、水素ガスに、高周波電力が印加されることにより、水素ラジカルを含むプラズマが生成される。
水素ラジカルを含むプラズマは、シリコン基板10の表面に供給される。水素ラジカルは、メモリホールMHの中に供給される。第1の保護膜64aの表面は、水素ラジカルにさらされる。
第1の改質処理は、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の状態で行われる。第1の改質処理の際、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の第2の状態が実現されている。
時刻t2において、ヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に制御した後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が200℃以上の第2の状態が実現される。ヘリウムガスの圧力が低下することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が抑制される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が抑制され、シリコン基板10の温度が上昇する。
第1の改質処理の際、第1の保護膜64aを第1の改質保護膜65aに改質する。第1の改質保護膜65aの化学組成は、例えば、第1の保護膜64aと異なる。
第1の改質処理の際、第1の保護膜64aは、例えば、還元される。第1の改質処理の際、例えば、第1の保護膜64aのフッ素濃度が低減する。
第1の改質処理の際、例えば、第1の保護膜64aの上に膜は形成されない。第1の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの内径は減少しない。第1の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの空洞部の体積は減少しない。
第1の改質処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3に制御する。第1の改質処理の後に、時刻t4において、ヘリウムガスの圧力を、第2の圧力P2から第3の圧力P3に変更する。第2の状態を実現した後に、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御する。
第3の圧力P3は、第2の圧力P2より高い。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を開けることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を開始する。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御する。
第3の圧力P3は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。第3の圧力P3は、例えば、第1の圧力P1と等しい。
第1の改質処理の後に、例えば、時刻t4において、チャンバ20の内部に第3の電力Pw3が印加される。時刻t4において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第2の電力Pw2から第3の電力Pw3に変更する。第3の電力Pw3は、第2の電力Pw2よりも高い。
また、時刻t4において、チャンバ20の中に、第2のエッチングガスが供給される。第2のエッチングガスは、第3のプロセスガスの一例である。第2のエッチングガスは、プロセスガス供給配管30からシャワープレート32を通って、チャンバ20の中に供給される。例えば、時刻t4においてチャンバ20の内部に供給されるガスを、第1の改質ガスから第2のエッチングガスに切り替える。
第2のエッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。
ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第3の電力Pw3に変更し、チャンバ20の内部へ第2のエッチングガスを供給した後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第2のエッチング処理が行われる(図13(a))。
炭素層62をマスクに第2のエッチング処理を行う。
第2のエッチング処理によりメモリホールMHの少なくとも底面をエッチングする。時刻t4と時刻t5との間に、第2のエッチング処理が行われる。第2のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通しない。
ヘリウムガスの圧力が、第2の圧力P2から第3の圧力P3に増加することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が促進される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が促進され、シリコン基板10の温度が低下する。
第2のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上20℃以下である。第2のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上20℃以下の第3の状態が実現されている。
第2のエッチング処理の際に、メモリホールMHの表面に第2の保護膜64bを形成する。第2の保護膜64bは、例えば、第2のエッチング処理で深くなった部分のメモリホールMHの側壁に形成される。第2の保護膜64bは、第2の膜の一例である。
第2の保護膜64bは、第2のエッチングガスに由来する反応生成物である。第2の保護膜64bは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。第2の保護膜64bは、例えば、フルオロカーボン膜である。
第2のエッチング処理の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4に制御する。第2のエッチング処理の後に、時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に変更する。第4の圧力P4は、第3の圧力P3より低い。
ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を遮断する。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、第4の圧力P4は真空に近づく。
第4の圧力P4は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第4の圧力P4は、例えば、第3の圧力P3の100分の1以下である。
第2のエッチング処理の後に、例えば、時刻t6において、チャンバ20の内部に第4の電力Pw4が印加される。時刻t6において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第3の電力Pw3から第4の電力Pw4に変更する。第4の電力Pw4は、第3の電力Pw3よりも低い。
ヘリウムガスの圧力を第3の圧力P3に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第4の電力Pw4に変更した後に、第2の改質処理を行う(図13(b))。第2の改質処理において、チャンバ20の中で、メモリホールMHに水素ラジカルを供給する。第2の改質処理は、第2の処理の一例である。
第2の改質処理の際に、例えば、時刻t6において、チャンバ20の内部に第2の改質ガスが供給される。第2の改質ガスは、水素(H)を含むガスである。第2の改質ガスは、例えば、水素ガスを含む。第2の改質ガスは、第4のプロセスガスの一例である。
第2の改質処理の際に、チャンバ20の内部に供給されるガスを第2のエッチングガスから第2の改質ガスに切り替える。例えば、時刻t6においてチャンバ20の内部に供給されるガスを第2のエッチングガスから第2の改質ガスに切り替える。
第2の改質処理の際に、水素ガスに、高周波電力が印加されることにより、水素ラジカルを含むプラズマが生成される。
水素ラジカルを含むプラズマは、シリコン基板10の表面に供給される。水素ラジカルは、メモリホールMHの中に供給される。第2の保護膜64bの表面は、水素ラジカルにさらされる。
第2の改質処理は、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の状態で行われる。第2の改質処理の際、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の第4の状態が実現されている。
時刻t5において、ヘリウムガスの圧力を、第3の圧力P3から、第4の圧力P4に制御した後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が200℃以上の第4の状態が実現される。ヘリウムガスの圧力が低下することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が抑制される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が抑制され、シリコン基板10の温度が上昇する。
第2の改質処理の際、第2の保護膜64bを第2の改質保護膜65bに改質する。第2の改質保護膜65bの化学組成は、例えば、第2の保護膜64bと異なる。
第2の改質処理の際、第2の保護膜64bは、例えば、還元される。第2の改質処理の際、例えば、第2の保護膜64bのフッ素濃度が低減する。
第2の改質処理の際、例えば、第2の保護膜64bの上に膜は形成されない。第2の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの内径は減少しない。第2の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの空洞部の体積は減少しない。
第2の改質処理の後に、時刻t7において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5に制御する。第2の改質処理の後に、時刻t7において、ヘリウムガスの圧力を、第4の圧力P4から第5の圧力P5に変更する。第4の状態を実現した後に、ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御する。
第5の圧力P5は、第4の圧力P4より高い。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を開けることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を開始する。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第5の圧力P5に制御する。
第5の圧力P5は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。第5の圧力P5は、例えば、第1の圧力P1と等しい。
第2の改質処理の後に、例えば、時刻t7において、チャンバ20の内部に第5の電力Pw5が印加される。時刻t7において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第4の電力Pw4から第5の電力Pw5に変更する。第5の電力Pw5は、第4の電力Pw4よりも高い。
また、時刻t7において、チャンバ20の中に、第3のエッチングガスが供給される。第3のエッチングガスは、第5のプロセスガスの一例である。第3のエッチングガスは、プロセスガス供給配管30からシャワープレート32を通って、チャンバ20の中に供給される。例えば、時刻t7においてチャンバ20の内部に供給されるガスを、第2の改質ガスから第3のエッチングガスに切り替える。
第3のエッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。
ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第5の電力Pw5に変更し、チャンバ20の内部へ第3のエッチングガスを供給した後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第3のエッチング処理が行われる(図13(c))。炭素層62をマスクに第3のエッチング処理を行う。
第3のエッチング処理によりメモリホールMHの少なくとも底面をエッチングする。時刻t7と時刻t8との間に、第3のエッチング処理が行われる。第3のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通しない。
ヘリウムガスの圧力が、第4の圧力P4から第5の圧力P5に増加することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が促進される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が促進され、シリコン基板10の温度が低下する。
第3のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上20℃以下である。第3のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上20℃以下の第5の状態が実現されている。
第3のエッチング処理の際に、メモリホールMHの表面に第3の保護膜64cを形成する。第3の保護膜64cは、例えば、第3のエッチング処理で深くなった部分のメモリホールMHの側壁に形成される。第3の保護膜64cは、第3の膜の一例である。
第3の保護膜64cは、第3のエッチングガスに由来する反応生成物である。第3の保護膜64cは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。第3の保護膜64cは、例えば、フルオロカーボン膜である。
第3のエッチング処理の後に、時刻t8において、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6に制御する。第3のエッチング処理の後に、時刻t8において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に変更する。第6の圧力P6は、第5の圧力P5より低い。
ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を遮断する。例えば、第1の主バルブ50を閉じることで、第6の圧力P6は真空に近づく。
第6の圧力P6は、例えば、0Pa以上13.3Pa(0.1Torr)以下である。第6の圧力P6は、例えば、第5の圧力P5の100分の1以下である。
第3のエッチング処理の後に、例えば、時刻t9において、チャンバ20の内部に第6の電力Pw6が印加される。時刻t9において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第5の電力Pw5から第6の電力Pw6に変更する。第6の電力Pw6は、第5の電力Pw5よりも低い。
ヘリウムガスの圧力を第6の圧力P6に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第6の電力Pw6に変更した後に、第3の改質処理を行う(図13(d))。第3の改質処理において、チャンバ20の中で、メモリホールMHに水素ラジカルを供給する。第3の改質処理は、第3の処理の一例である。
第3の改質処理の際に、例えば、時刻t9において、チャンバ20の内部に第3の改質ガスが供給される。第3の改質ガスは、水素(H)を含むガスである。第3の改質ガスは、例えば、水素ガスを含む。
第3の改質処理の際に、チャンバ20の内部に供給されるガスを第3のエッチングガスから第3の改質ガスに切り替える。例えば、時刻t9においてチャンバ20の内部に供給されるガスを第3のエッチングガスから第3の改質ガスに切り替える。
第3の改質処理の際に、水素ガスに、高周波電力が印加されることにより、水素ラジカルを含むプラズマが生成される。
水素ラジカルを含むプラズマは、シリコン基板10の表面に供給される。水素ラジカルは、メモリホールMHの中に供給される。第3の保護膜64cの表面は、水素ラジカルにさらされる。
第3の改質処理は、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の状態で行われる。第3の改質処理の際、シリコン基板10の温度が200℃以上350℃以下の第6の状態が実現されている。
時刻t8において、ヘリウムガスの圧力を、第5の圧力P5から、第6の圧力P6に制御した後に、シリコン基板10の温度が上昇し、シリコン基板10の温度が200℃以上の第6の状態が実現される。ヘリウムガスの圧力が低下することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が抑制される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が抑制され、シリコン基板10の温度が上昇する。
第3の改質処理の際、第3の保護膜64cを第3の改質保護膜65cに改質する。第3の改質保護膜65cの化学組成は、例えば、第3の保護膜64cと異なる。
第3の改質処理の際、第3の保護膜64cは、例えば、還元される。第3の改質処理の際、例えば、第3の保護膜64cのフッ素濃度が低減する。
第3の改質処理の際、例えば、第3の保護膜64cの上に膜は形成されない。第3の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの内径は減少しない。第3の改質処理の後に、例えば、メモリホールMHの空洞部の体積は減少しない。
第3の改質処理の後に、時刻t10において、ヘリウムガスの圧力を、第7の圧力P7に制御する。第3の改質処理の後に、時刻t10において、ヘリウムガスの圧力を、第6の圧力P6から第7の圧力P7に変更する。第6の状態を実現した後に、ヘリウムガスの圧力を第7の圧力P7に制御する。
第7の圧力P7は、第6の圧力P6より高い。ヘリウムガスの圧力は、例えば、第1の主バルブ50を用いた流量制御により制御される。例えば、第1の主バルブ50を開けることで、熱伝導ガス領域76へのヘリウムガスの流入を開始する。第1の主バルブ50の開度を調整することで、ヘリウムガスの圧力を第7の圧力P7に制御する。
第7の圧力P7は、例えば、133Pa(1Torr)以上13332Pa(100Torr)以下である。第7の圧力P7は、例えば、第1の圧力P1と等しい。
第3の改質処理の後に、例えば、時刻t10において、チャンバ20の内部に第7の電力Pw7が印加される。時刻t10において、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を、第6の電力Pw6から第7の電力Pw7に変更する。第7の電力Pw7は、第6の電力Pw6よりも高い。
また、時刻t10において、チャンバ20の中に、第4のエッチングガスが供給される。第4のエッチングガスは、プロセスガス供給配管30からシャワープレート32を通って、チャンバ20の中に供給される。例えば、時刻t10においてチャンバ20の内部に供給されるガスを、第3の改質ガスから第4のエッチングガスに切り替える。
第4のエッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。
ヘリウムガスの圧力を、第7の圧力P7に制御し、チャンバ20の内部に印加される高周波電力を第7の電力Pw7に変更し、チャンバ20の内部へ第4のエッチングガスを供給した後に、反応性イオンエッチング法を用いて、積層体60をエッチングする第4のエッチング処理が行われる(図14(a))。炭素層62をマスクに第4のエッチング処理を行う。
第4のエッチング処理によりメモリホールMHの少なくとも底面をエッチングする。時刻t10と時刻t11との間に、第4のエッチング処理が行われる。第4のエッチング処理の際、メモリホールMHは積層体60を貫通する。
ヘリウムガスの圧力が、第6の圧力P6から第7の圧力P7に増加することにより、ヘリウムガス中の熱の伝搬が促進される。シリコン基板10からホルダ22へのヘリウムガスを経由した放熱が促進され、シリコン基板10の温度が低下する。
第4のエッチング処理の際、シリコン基板10の温度は、例えば、-150℃以上20℃以下である。第4のエッチング処理の際、例えば、シリコン基板10の温度が-150℃以上20℃以下の第7の状態が実現されている。
第4のエッチング処理の際に、メモリホールMHの表面に第4の保護膜64dを形成する。第4の保護膜64dは、例えば、第4のエッチング処理で深くなった部分のメモリホールMHの側壁に形成される。
第4の保護膜64dは、第4のエッチングガスに由来する反応生成物である。第4の保護膜64dは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。第4の保護膜64dは、例えば、フルオロカーボン膜である。
第4のエッチング処理の後に、時刻t11において、チャンバ20の内部への高周波電力の印加を停止する。また、時刻t11において、チャンバ20の中への、第4のエッチング処理エッチングガスの供給が遮断される。
時刻t11に、メモリホールMHのエッチングが終了する。
積層体60を貫通したメモリホールMHのアスペクト比は、例えば、30以上である。
第4のエッチング処理の後、RIE装置のチャンバ20からシリコン基板10を搬出する。
なお、第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、炭素(C)及びフッ素(F)を含む。また、第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、酸素(O)を含む。また、第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、水素(H)を含む。
第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、CxHyFz(xは1以上の整数、yは0以上の整数、zは1以上の整数)を含む。第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、C、C、CHを含む。
第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、酸素ガスを含む。
第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、C、C、CH、及び酸素ガスの混合ガスである。
第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスは、例えば、同一のガスである。また、例えば、第1のエッチングガス、第2のエッチングガス、第3のエッチングガス、及び第4のエッチングガスの少なくもいずれか一つのガスが他のガスと異なる。
なお、第1の改質ガス、第2の改質ガス、及び第3の改質ガスは、水素(H)を含む。第1の改質ガス、第2の改質ガス、及び第3の改質ガスは、例えば、水素ガスを含む。
次に、炭素層62、第1の改質保護膜65a、第2の改質保護膜65b、第3の改質保護膜65c、及び第4の保護膜64dを除去する(図14(b))。炭素層62、第1の改質保護膜65a、第2の改質保護膜65b、第3の改質保護膜65c、及び第4の保護膜64dの除去は、例えば、酸素プラズマを用いたアッシング処理により行う。
次に、メモリホールMHの中に、積層絶縁層66を形成する(図14(c))。積層絶縁層66は、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、及び酸化アルミニウム膜の積層構造を有する。積層絶縁層66は、最終的にゲート絶縁層13となる。
次に、メモリホールMHの中に、多結晶シリコン層68を形成する(図14(d))。多結晶シリコン層68は、最終的にチャネル層11となる。
次に、窒化シリコン膜60bを選択的に除去する(図15(a))。
次に、窒化シリコン膜60bを除去した領域に第1のタングステン層70を形成する(図15(b))。第1のタングステン層70は、最終的にワード線WLとなる。
次に、多結晶シリコン層68の上に第2のタングステン層69を形成する(図15(c))。第2のタングステン層69は、最終的にビット線BLとなる。
以上の製造方法により、図1に示す不揮発性メモリ100が製造される。
次に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
以下、説明の都合上、第1のエッチング処理、第2のエッチング処理、第3のエッチング処理、及び第4のエッチング処理を総称して、単にエッチング処理という場合がある。また、第1の改質処理、第2の改質処理、及び第3の改質処理を総称して、単に改質処理という場合がある。また、第1の保護膜64a、第2の保護膜64b、及び第3の保護膜64cを総称して、単に保護膜64という場合がある。また、第1の改質保護膜65a、第2の改質保護膜65b、及び第3の改質保護膜65cを総称して、単に改質保護膜65という場合がある。
メモリセルが3次元的に配置された不揮発性メモリでは、メモリを大容量化するために、例えば、メモリホールの穴径を縮小し、ワード線WLの積層数を増加させる。メモリホールの穴径を縮小し、ワード線WLの積層数を増加させると、高いアスペクト比(メモリホールの深さ/メモリホールの穴径)のメモリホールの形成が必要となる。
メモリホールのアスペクト比が高くなると、メモリホールの形状がボーイング形状になるという問題が生じる。メモリホールのボーイング形状は、メモリホールを形成するエッチングの途中で穴径が広がることにより生ずる。
メモリホールのエッチングの際には、プラズマ化したエッチングガスに由来する物質が側壁に付着し、側壁に保護膜が形成される。メモリホールの側壁に保護膜が形成されることで、側壁のエッチングが防止され、穴径が広がることが抑制される。
メモリホールのエッチングの途中で穴径が広がる原因として、エッチングの際にメモリホールの側壁に形成される保護膜と、メモリホールの側壁に露出した材料が反応し、メモリホールの側壁のエッチングが進行することが考えられる。保護膜と側壁に露出した材料の反応は、例えば、エッチングの際に保護膜に入射されるイオンの運動エネルギーによって進行する。メモリホールの側壁のエッチングが進行することで、メモリホールの穴径が広がる。
メモリホールの側壁は、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなど、シリコン(Si)を含む材料で形成される。メモリホールの側壁に形成される保護膜は、例えば、炭素及びフッ素を含むフルオロカーボン膜である。
例えば、側壁を形成する材料に含まれるシリコンと、保護膜に含まれるフッ素が反応してフッ化ケイ素が形成される。フッ化ケイ素が形成されてガスとして離脱することで、メモリホールの側壁のエッチングが進行する。メモリホールの側壁のエッチングが進行することで、メモリホールの穴径が広がる。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、メモリホールMHのエッチングの際に、側壁に形成された保護膜64を改質し、改質保護膜65を形成する。保護膜64を、改質保護膜65に改質することで、改質保護膜65とメモリホールMHの側壁を形成する材料との反応を抑制する。
具体的には、例えば、保護膜64を還元して改質保護膜65を形成する。具体的には、例えば、保護膜64のフッ素濃度を低減して改質保護膜65を形成する。
具体的には、例えば、保護膜64の表面に水素ラジカルを供給し、水素ラジカルと保護膜64の中のフッ素を反応させ、フッ化水素を発生させる。発生したフッ化水素はガスとして離脱し、保護膜64よりもフッ素濃度が低減された改質保護膜65が形成される。
改質保護膜65のフッ素濃度が低減されているため、改質保護膜65とメモリホールMHの側壁を形成する材料との反応が抑制される。したがって、メモリホールMHの側壁のエッチングが抑制され、メモリホールMHの穴径の広がりが抑制される。
また、改質保護膜65のフッ素濃度が低減されることで、改質保護膜65中では、炭素とフッ素の結合(C-F結合)の結合エネルギーよりも、結合エネルギーが高い炭素と炭素の結合(C-C結合)の割合が高くなる。したがって、メモリホールMH形成時の保護膜のエッチング耐性も高くなる。
よって、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、メモリホールMHの側壁のエッチングが抑制され、メモリホールの形状がボーイング形状になることが抑制できる。
改質処理により保護膜64の改質を行う場合、アスペクト比の大きい深いトレンチの底部では、保護膜64の改質が困難になる場合がある。トレンチの底部の保護膜64の改質が不十分な場合、トレンチの底部の形状がボーイング形状となる。-
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、改質処理を行う際に、水素ラジカルを用いる。水素ラジカルは、例えば、水素イオンと比較して失活が生じにくい。このため、水素ラジカルは、アスペクト比の大きい、深いトレンチの底部にまで、失活することなく到達しやすいと考えられる。
水素ラジカルを用いて保護膜64を改質させるためには、水素ラジカルと保護膜64の中のフッ素を反応させるためのエネルギーの付与が必要となる。第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10の温度を高くする。第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、水素ラジカルと保護膜64の中のフッ素を反応させるためのエネルギーとして熱エネルギーを用いる。
発明者による検討の結果、水素ラジカルと、フルオロカーボン膜中のフッ素とを反応させ、フルオロカーボン膜からフッ素を引き抜くためには、200℃以上の温度が必要であることが明らかになった。また、酸化シリコン膜と接するフルオロカーボン膜は、350℃を超えた温度で反応し、酸化シリコン膜のエッチングが進行することが明らかになった。また、300℃を超える温度で、フルオロカーボン膜の分解が顕在化することが明らかになった。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、積層体60が形成されたシリコン基板10の温度を200℃以上に制御する。したがって、水素ラジカルと、保護膜64中のフッ素の反応が進行し、保護膜64を改質することが可能となる。
また、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、積層体60が形成されたシリコン基板10の温度を350℃以下に制御する。したがって、メモリホールMHの側壁の材料と保護膜64の反応を抑制し、側壁の材料がエッチングされることを抑制する。よって、メモリホールMHの穴径の広がりが抑制され、メモリホールMHの形状がボーイング形状になることが抑制できる。
保護膜64の改質を促進する観点から、改質処理の際のシリコン基板10の温度は225℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。また、側壁の材料のエッチングを抑制し、保護膜64の分解を抑制する観点から、改質処理の際のシリコン基板10の温度は325℃以下であることが好ましく。300℃以下であることがより好ましい。なお、この範囲にシリコン基板の温度を制御することで、第1の実施形態の反応生成物63の除去も可能である。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、積層体60のエッチング速度を向上させ、エッチング処理のスループットを向上させる観点から、積層体60が形成されたシリコン基板10の温度は低いことが好ましい。第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、エッチング処理の際のシリコン基板10の温度は、例えば、20℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。改質処理の際のシリコン基板10の温度は、エッチング処理の際のシリコン基板10の温度よりも高いことが好ましい。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、メモリホールMHを形成する際に、被加工層である積層体60を有するシリコン基板10の温度を変化させる。すなわち、シリコン基板10の低温状態と、シリコン基板10の高温状態を交互に繰り返す。
上記第1の状態、第3の状態、及び第5の状態が低温状態に該当する。また、上記第2の状態、第4の状態、及び第6の状態が高温状態に該当する。
シリコン基板10が低温状態にある時に、メモリホールMHのエッチング処理を行う。一方、シリコン基板10が高温状態にある時に、保護膜64の改質処理を行う。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、同一のRIE装置内で、シリコン基板10の低温状態と、シリコン基板10の高温状態を交互に繰り返しながらメモリホールMHを形成することで、メモリホールの形状の加工精度が向上する。また、メモリホールMHのエッチングのスループットが向上する。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10の高温状態と低温状態の移行を、熱伝導ガスの圧力を変化させることにより行う。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガスである。
熱伝導ガスの圧力を変化させることにより、シリコン基板10とホルダ22との間の熱の伝搬を変化させる。熱伝導ガスの圧力が高くなると熱の伝搬が加速され、熱伝導ガスの圧力が低くなると熱の伝搬が抑制される。例えば、熱伝導ガスの圧力を低下させることで、シリコン基板10を低温状態から高温状態に移行できる。また、例えば、熱伝導ガスの圧力を増加させることで、シリコン基板10を高温状態から低温状態に移行できる。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、シリコン基板10を冷却するために用いられる熱伝導ガスの圧力の変化で、シリコン基板10の温度を変化させる。したがって、RIE装置にシリコン基板10の温度を変化させるための新たな構造を追加することが不要である。よって、メモリホールの形状の加工精度を容易に向上させることができる。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、改質処理の際に、プラズマ中のイオンが炭素層62に衝突し、炭素層62がエッチングされることを抑制する観点から、改質処理の際にシリコン基板10に印加される高周波電力は、エッチング処理の際にシリコン基板10に印加される高周波電力よりも低いことが好ましい。
以上、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、メモリホールの形状がボーイング形状になることを抑制でき、メモリホールを高い加工精度で形成できる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態の半導体製造装置は、チャンバと、チャンバの中に設けられ、基板を吸着可能なホルダであって、表面に凹部と、凹部に設けられた第1の孔と、凹部に設けられた第2の孔と、を含むホルダと、第1の孔に接続された第1のガス通路と、第2の孔に接続された第2のガス通路と、第1のガス通路に設けられた第1のバルブと、第2のガス通路に設けられた第2のバルブと、凹部に第1のガスを供給する第1のガス供給配管と、凹部からガスを排出するガス排出配管と、を備え、第1のガス通路及び第2のガス通路が第1のガス供給配管に接続されるか、又は、第1のガス通路及び第2のガス通路がガス排出配管に接続される。
第6の実施形態の半導体製造装置は、例えば、第1ないし第5の実施形態の半導体装置の製造方法の実施に用いられる。
第6の実施形態の半導体装置の製造方法は、チャンバの中に設けられ、表面に設けられた凹部と、凹部に設けられた第1の孔と、凹部に設けられた第2の孔とを有するホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、第1の孔に接続された第1のガス通路に設けられた第1のバルブ、及び第2の孔に接続された第2のガス通路に設けられた第2のバルブを開いて、第1のガス通路及び第2のガス通路を経由して、ホルダと基板との間に、基板に接する第1のガスを供給し、第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、反応性イオンエッチング法を用いて被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、第1のエッチング処理の途中又は第1のエッチング処理の後に、第1のバルブ及び第2のバルブを閉じ、第1のバルブ及び第2のバルブを閉じた後に、第1のバルブ及び第2のバルブを開いて、第1のガス通路及び第2のガス通路を経由して、ホルダと基板との間から、第1のガスを排出し、第1のガスの圧力を第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、被加工層の上の反応生成物を除去する第1の反応生成物除去を行う半導体装置の製造方法である。そして、第1のガスを供給する際に、第1のバルブ又は第2のバルブのいずれか一方を先に開くか、又は、第1のガスを排出する際に、第1のバルブ又は第2のバルブのいずれか一方を先に開く。第6の実施形態の半導体装置の製造方法は、第6の実施形態の半導体製造装置を用いる点で、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と異なる。以下、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図16は、第6の実施形態の半導体製造装置の模式図である。第6の実施形態の半導体製造装置は、反応性イオンエッチング装置(RIE装置)である。第6の実施形態の反応性イオンエッチング装置は、二周波型の容量結合プラズマ装置(CCP装置)である。
RIE装置は、例えば、チャンバ20、ホルダ22、第1の高周波電源24、第2の高周波電源26、プロセスガス供給配管30、シャワープレート32、プロセスガス排出配管34、排気装置36、冷媒ユニット38、冷媒供給配管40、冷媒排出配管42、熱伝導ガス供給部44、第1の熱伝導ガス供給配管46、熱伝導ガス排出配管48、第1の主バルブ50、第2の主バルブ52、制御回路54、熱伝導ガス通路56、及び熱伝導ガスバルブ58を備える。
熱伝導ガス通路56は、第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、第3の熱伝導ガス通路56c、第4の熱伝導ガス通路56d、及び第5の熱伝導ガス通路56eを含む。また、熱伝導ガスバルブ58は、第1の熱伝導ガスバルブ58a、第2の熱伝導ガスバルブ58b、第3の熱伝導ガスバルブ58c、第4の熱伝導ガスバルブ58d、及び第5の熱伝導ガスバルブ58eを含む。
第1の熱伝導ガス供給配管46は、第1のガス供給配管の一例である。熱伝導ガス排出配管48は、ガス排出配管の一例である。第1の熱伝導ガス通路56aは、第1のガス通路の一例である。第2の熱伝導ガス通路56bは、第2のガス通路の一例である。第3の熱伝導ガス通路56cは、第3のガス通路の一例である。第4の熱伝導ガス通路56dは、第4のガス通路の一例である。第5の熱伝導ガス通路56eは、第5のガス通路の一例である。
第1の熱伝導ガスバルブ58aは、第1のバルブの一例である。第2の熱伝導ガスバルブ58bは、第2のバルブの一例である。第3の熱伝導ガスバルブ58cは、第3のバルブの一例である。第4の熱伝導ガスバルブ58dは、第4のバルブの一例である。第5の熱伝導ガスバルブ58eは、第5のバルブの一例である。
図17は、第6の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図である。図17(a)は、ホルダ22の上面図である。図17(a)は、静電チャック22bの上面図である。図17(b)は、静電チャック22b、熱伝導ガス通路56、熱伝導ガスバルブ58、第1の熱伝導ガス供給配管46、熱伝導ガス排出配管48、第1の主バルブ50、及び第2の主バルブ52の関係を示す図である。図17(b)は、図17(a)のAA’断面を含む図である。
ホルダ22は、チャンバ20の中に設けられる。ホルダ22は、例えば、半導体ウェハWを載置する。ホルダ22は、半導体ウェハWを吸着可能である。半導体ウェハWは、基板の一例である。
ホルダ22は、支持部22a、静電チャック22b、及び外周リング22cを有する。
支持部22aは、下部電極として機能する。支持部22aには、高周波電力が印加される。支持部22aは、例えば、金属である。
支持部22aの内部には冷媒流路22axが設けられる。冷媒流路22axは空隙である。冷媒流路22axには、支持部22aを冷却するための冷媒が供給される。冷媒は、例えば、フッ素系不活性液体である。
静電チャック22bは、基板支持部71、凹部72、及び熱伝導ガス孔74を含む。熱伝導ガス孔74は、第1の熱伝導ガス孔74a、第2の熱伝導ガス孔74b、第3の熱伝導ガス孔74c、第4の熱伝導ガス孔74d、及び第5の熱伝導ガス孔74eを含む。第1の熱伝導ガス孔74aは、第1の孔の一例である。第2の熱伝導ガス孔74bは、第2の孔の一例である。第3の熱伝導ガス孔74cは、第3の孔の一例である。第4の熱伝導ガス孔74dは、第4の孔の一例である。第5の熱伝導ガス孔74eは、第5の孔の一例である。
静電チャック22bは、支持部22aの上に設けられる。静電チャック22bは、半導体ウェハWを吸着し、固定する機能を有する。静電チャック22bは、例えば、内部に電極を備えた誘電体で形成される。誘電体は、例えば、セラミックスである。
静電チャック22bの表面に、基板支持部71が設けられる。基板支持部71は、例えば、静電チャック22bの外周に設けられる環状部と、環状部の内側に設けられる複数の突起部を有する。ホルダ22に半導体ウェハWが載置された場合、半導体ウェハWの裏面が基板支持部71に接する。
静電チャック22bの表面に、凹部72が設けられる。ホルダ22に半導体ウェハWが載置された場合、静電チャック22bの上面に半導体ウェハWの裏面と凹部72で囲まれる熱伝導ガス領域76が形成される。
静電チャック22bの表面に、複数の熱伝導ガス孔74が設けられる。熱伝導ガス孔74は凹部72に設けられる。熱伝導ガス孔74を通って、熱伝導ガス領域76に半導体ウェハWを冷却するための熱伝導ガスが供給される。
複数の熱伝導ガス孔74は、例えば、静電チャック22bの表面に均等な間隔で設けられる。隣り合う2つの熱伝導ガス孔74の距離は、例えば、10cm以上20cm以下である。
熱伝導ガスは、例えば、ヘリウム(He)、水素(H)、窒素(N)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、又はキセノン(Xe)を含む。熱伝導ガスは、例えば、ヘリウムガス、水素ガス、窒素ガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、又はキセノンガスを含む。
外周リング22cは、支持部22aの上に設けられる。外周リング22cは、静電チャック22bの周囲に設けられる。外周リング22cは、半導体ウェハWの外周を支持する機能を有する。外周リング22cの上面は、例えば、シリコンで形成される。
第1の高周波電源24は、チャンバ20の内部に第1の高周波電力を印加する機能を有する。第1の高周波電源24は、ホルダ22の支持部22aとシャワープレート32との間に高周波電力を印加する。第1の高周波電源24を用いてチャンバ20に印加される第1の高周波電力により、チャンバ20の中にプラズマが生成される。
第1の高周波電源24により印加される第1の高周波電力は、例えば、50W以上20000W以下である。第1の高周波電源24により印加される第1の周波数は、例えば、20MHz以上200MHz以下である。
第2の高周波電源26は、チャンバ20の内部に第2の高周波電力を印加する機能を有する。第2の高周波電源26は、ホルダ22の支持部22aに第2の高周波電力を印加する。ホルダ22に第2の高周波電力を印加することで、半導体ウェハWに衝突するイオンのエネルギーを制御する。
ホルダ22に印加される第2の高周波電力は、例えば、50W以上20000W以下である。ホルダ22に印加される第2の周波数は、第1の高周波電源24によりチャンバ20に印加される第1の周波数よりも低い。ホルダ22に印加される第2の周波数は、例えば、0.1MHz以上20MHz以下である。
プロセスガス供給配管30は、チャンバ20の上部に設けられる。プロセスガス供給配管30からプロセスガスがシャワープレート32に供給される。プロセスガス供給配管30から、例えば、エッチングガス又は改質ガスがシャワープレート32に供給される。
シャワープレート32は、チャンバ20の中に設けられる。シャワープレート32は、ホルダ22の上方に設けられる。
シャワープレート32に、プロセスガス供給配管30からプロセスガスが供給される。シャワープレート32に設けられた複数のガス供給口から、チャンバ20の中にプロセスガスが供給される。
シャワープレート32は、第1の高周波電力の上部電極としても機能する。
プロセスガス排出配管34は、チャンバ20の下部に設けられる。プロセスガス排出配管34から、例えば、エッチング反応で消費されなかったエッチングガスや反応生成物がチャンバ20の外に排出される。
排気装置36は、プロセスガス排出配管34、及び熱伝導ガス排出配管48に接続される。排気装置36は、例えば、真空ポンプである。
冷媒ユニット38は、冷媒供給配管40に接続される。冷媒供給配管40は冷媒流路22axに接続される。冷媒流路22axは、冷媒排出配管42に接続される。冷媒ユニット38によって、冷媒が、冷媒供給配管40、冷媒流路22ax、及び冷媒排出配管42の中を循環する。
熱伝導ガス供給部44は、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。熱伝導ガス供給部44は、例えば、熱伝導ガスを貯留するガスボンベである。熱伝導ガス供給部44から第1の熱伝導ガス供給配管46に熱伝導ガスが供給される。熱伝導ガスは第1のガスの一例である。
第1の熱伝導ガス供給配管46は、凹部72に接続される。第1の熱伝導ガス供給配管46は、熱伝導ガス通路56に接続される。第1の熱伝導ガス供給配管46から熱伝導ガス通路56に熱伝導ガスが供給される。
第1の主バルブ50は、第1の熱伝導ガス供給配管46に設けられる。第1の主バルブ50は、例えば、流量制御バルブである。第1の主バルブ50を用いて、熱伝導ガス通路56への熱伝導ガスの供給が制御される。第1の主バルブ50を用いて、熱伝導ガス通路56への熱伝導ガスの供給を遮断することも可能である。
排気装置36は、チャンバ20及び熱伝導ガス排出配管48に接続される。熱伝導ガス排出配管48を通って、熱伝導ガスがRIE装置の外へ排出される。
熱伝導ガス排出配管48は、凹部72に接続される。熱伝導ガス排出配管48は、熱伝導ガス通路56に接続される。熱伝導ガス通路56を通って、熱伝導ガスがRIE装置の外へ排出される。
第2の主バルブ52は、熱伝導ガス排出配管48に設けられる。第2の主バルブ52を用いて、熱伝導ガス通路56からの熱伝導ガスの排出が制御される。
熱伝導ガス通路56は、熱伝導ガス孔74に接続される。例えば、第1の熱伝導ガス通路56aは、第1の熱伝導ガス孔74aに接続される。例えば、第2の熱伝導ガス通路56bは、第2の熱伝導ガス孔74bに接続される。例えば、第3の熱伝導ガス通路56cは、第3の熱伝導ガス孔74cに接続される。例えば、第4の熱伝導ガス通路56dは、第4の熱伝導ガス孔74dに接続される。例えば、第5の熱伝導ガス通路56eは、第5の熱伝導ガス孔74eに接続される。
熱伝導ガス通路56から熱伝導ガス孔74を通って、熱伝導ガス領域76に熱伝導ガスが供給される。また、熱伝導ガス領域76から熱伝導ガス孔74を通って、熱伝導ガス通路56に熱伝導ガスが排出される。
熱伝導ガス通路56の少なくとも一部は、ホルダ22の中に設けられる。
熱伝導ガス通路56は、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。例えば、第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、第3の熱伝導ガス通路56c、第4の熱伝導ガス通路56d、及び第5の熱伝導ガス通路56eは、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。
また、熱伝導ガス通路56は、熱伝導ガス排出配管48に接続される。例えば、第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、第3の熱伝導ガス通路56c、第4の熱伝導ガス通路56d、及び第5の熱伝導ガス通路56eは、熱伝導ガス排出配管48に接続される。
熱伝導ガスバルブ58は、熱伝導ガス通路56に設けられる。例えば、第1の熱伝導ガスバルブ58aは、第1の熱伝導ガス通路56aに設けられる。例えば、第2の熱伝導ガスバルブ58bは、第2の熱伝導ガス通路56bに設けられる。例えば、第3の熱伝導ガスバルブ58cは、第3の熱伝導ガス通路56cに設けられる。例えば、第4の熱伝導ガスバルブ58dは、第4の熱伝導ガス通路56dに設けられる。例えば、第5の熱伝導ガスバルブ58eは、第5の熱伝導ガス通路56eに設けられる。例えば、第1ないし第5の熱伝導ガス通路56a~56e以外の熱伝導ガス通路56にも、熱伝導ガスバルブ58が設けられる。
複数の熱伝導ガス通路56を共通化して、1個の熱伝導ガスバルブ58を設ける構成とすることも可能である。すなわち、複数の熱伝導ガス孔74に対して、1個の熱伝導ガスバルブ58を設ける構成とすることも可能である。例えば、静電チャック22bの表面に環状に配置された複数の熱伝導ガス孔74に対して、1個の熱伝導ガスバルブ58を設ける構成とすることも可能である。また、例えば、静電チャック22bの表面に扇状に配置された複数の熱伝導ガス孔74に対して、1個の熱伝導ガスバルブ58を設ける構成とすることも可能である。
熱伝導ガスバルブ58により、例えば、熱伝導ガス通路56から熱伝導ガス領域76に供給される熱伝導ガスの流量を、熱伝導ガス通路56毎に制御することが可能である。また、熱伝導ガスバルブ58により、例えば、熱伝導ガス領域76から熱伝導ガス通路56に排出される熱伝導ガスの流量を、熱伝導ガス通路56毎に制御することが可能である。
熱伝導ガスバルブ58は、例えば、流量制御バルブ又は圧力制御バルブである。
熱伝導ガスバルブ58は、例えば、ホルダ22の中に設けられる。熱伝導ガスバルブ58は、例えば、支持部22aの中に設けられる。
制御回路54は、第1の高周波電源24、第2の高周波電源26、排気装置36、冷媒ユニット38、熱伝導ガス供給部44、第1の主バルブ50、第2の主バルブ52、及び熱伝導ガスバルブ58の動作を制御する機能を有する。
制御回路54は、例えば、熱伝導ガスバルブ58の開閉を制御する。制御回路54は、例えば、複数の熱伝導ガスバルブ58の開閉を独立して制御する。制御回路54は、例えば、第1の熱伝導ガスバルブ58aの開閉と、第2の熱伝導ガスバルブ58bの開閉を独立して制御する。
また、制御回路54は、例えば、熱伝導ガスバルブ58の開度を制御する。制御回路54は、例えば、複数の熱伝導ガスバルブ58の開度を独立して制御する。制御回路54は、例えば、第1の熱伝導ガスバルブ58aの開度と、第2の熱伝導ガスバルブ58bの開度を独立して制御する。
制御回路54は、例えば、ハードウェア及びソフトウェアで構成される。制御回路54は、例えば、電子回路を含む。
ホルダ22に載置された半導体ウェハWは、チャンバ20の中のシャワープレート32とホルダ22との間に生成されるプラズマを用いて、異方性エッチングされる。
次に、第6の実施形態の半導体製造装置を用いた第6の実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。以下、第6の実施形態のRIE装置を用いて、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様の方法で、積層体60のエッチングを実施する場合を例に説明する。以下、第1の実施形態の図4を参照しつつ説明する。
図18は、第6の実施形態の半導体製造装置の動作の説明図である。図18は、半導体ウェハWの温度を変化させる際の、第1の主バルブ50、第2の主バルブ52、及び熱伝導ガスバルブ58の制御シークエンスの一例を示す図である。
例えば、図4(c)に示すように、第1のエッチング処理を行う場合、図18(a)に示すように、第1の主バルブ50及び熱伝導ガスバルブ58を開き、第1の熱伝導ガス供給配管46からヘリウムガスを、熱伝導ガス領域76に供給する。例えば、熱伝導ガス領域76のヘリウムガスの圧力を第1の圧力P1に制御する。
シリコン基板10は、低温状態になる。シリコン基板10が低温状態にある時には、メモリホールMHのエッチング速度が高くなり、積層体60のエッチングが主に進行する。
次に、第1のエッチング処理の途中又は第1のエッチング処理の後に、図18(b)に示すように、第1の主バルブ50及び熱伝導ガスバルブ58を閉じる。そして、第2の主バルブ52を開けることにより、熱伝導ガス通路56に接続された熱伝導ガス排出配管48から、熱伝導ガスバルブ58と熱伝導ガス排出配管48との間の熱伝導ガス通路56の中のヘリウムガスを排出する。熱伝導ガスバルブ58の下流側の熱伝導ガス通路56が真空状態になる。
次に、図4(d)に示す第1の反応生成物除去の際、熱伝導ガス領域76のヘリウムガスの圧力を、第1の圧力P1から、第2の圧力P2に変更する。第2の圧力P2は、第1の圧力P1より低い。
まず、最初に図18(c)に示すように、第4の熱伝導ガスバルブ58d及び第5の熱伝導ガスバルブ58eを、先に開ける。あらかじめ、熱伝導ガスバルブ58の下流側の熱伝導ガス通路56が真空状態になっていることにより、熱伝導ガス領域76の圧力の低下が促進される。
次に、図18(d)に示すように、第1の熱伝導ガスバルブ58a、第2の熱伝導ガスバルブ58b、及び第3の熱伝導ガスバルブ58cを、開ける。
熱伝導ガス領域76の圧力が低下することで、シリコン基板10は、高温状態になる。シリコン基板10が高温状態にある時には、メモリホールMHの底面及び側面に形成された反応生成物63の分解反応が促進され、反応生成物63の分解が主に進行する。
次に、第2のエッチング及び第2の反応生成物除去を行う場合は、図18(a)~図18(d)の動作を繰り返す。図18(a)~図18(d)の動作を繰り返すことで、熱伝導ガス領域76の伝導ガスの圧力を変化させ、シリコン基板10の低温状態と、シリコン基板10の高温状態を交互に繰り返すことができる。
次に、第6の実施形態の半導体製造装置の作用及び効果について説明する。
図19は、比較例の半導体製造装置の要部の模式図である。図19(a)は、ホルダ22の上面図である。図19(a)は、静電チャック22bの上面図である。図19(b)は、静電チャック22b、熱伝導ガス通路56、熱伝導ガスバルブ58、第1の熱伝導ガス供給配管46、熱伝導ガス排出配管48、第1の主バルブ50、及び第2の主バルブ52の関係を示す図である。図19(b)は、図19(a)のBB’断面を含む図である。図19は、第6の実施形態の図17に対応する図である。
比較例のRIE装置は、熱伝導ガスの供給用に熱伝導ガス通路56、熱伝導ガスバルブ58、及び熱伝導ガス孔74が一個ずつ設けられ、熱伝導ガスの排出用に熱伝導ガス通路56、熱伝導ガスバルブ58、及び熱伝導ガス孔74が一個ずつ設けられる点で、第6の実施形態のRIE装置と異なる。
具体的には、比較例のRIE装置は、熱伝導ガスの供給用に熱伝導ガス通路56x、熱伝導ガスバルブ58x、及び熱伝導ガス孔74xを有する。比較例のRIE装置は、熱伝導ガスの排出用に熱伝導ガス通路56y、熱伝導ガスバルブ58y、及び熱伝導ガス孔74yを有する。
比較例のRIE装置の場合、熱伝導ガス領域76の伝導ガスの圧力を変化させ、半導体ウェハWの低温状態と、半導体ウェハWの高温状態を交互に繰り返す場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきが大きくなるという問題がある。半導体ウェハWの温度の面内ばらつきが大きくなると、例えば、エッチング処理や反応生成物除去の際のばらつきが大きくなり、被加工層をドライエッチングで加工する際の加工精度が低下する。
半導体ウェハWの温度の面内ばらつきが生じる一つの理由は、熱伝導ガス領域76の伝導ガスの圧力変化の位置依存性が大きいことが考えられる。
例えば、半導体ウェハWを高温状態から低温状態に移行する場合、すなわち、熱伝導ガス領域76の伝導ガスの圧力を上昇させる場合、静電チャック22bの外周部で熱伝導ガスの供給が遅れると、半導体ウェハWの外周部の温度が下がりにくくなる。逆に、静電チャック22bの内周部で熱伝導ガスの供給が遅れると、半導体ウェハWの内周部の温度が下がりにくくなる。
また、例えば、半導体ウェハWを低温状態から高温状態に移行する場合、すなわち、熱伝導ガス領域76の伝導ガスの圧力を低下させる場合、静電チャック22bの外周部で熱伝導ガスの排出が遅れると、半導体ウェハWの外周部の温度が上がりにくくなる。逆に、静電チャック22bの内周部で熱伝導ガスの排出が遅れると、半導体ウェハWの内周部の温度が上がりにくくなる。
第6の実施形態のRIE装置は、熱伝導ガスの供給用に複数の熱伝導ガス通路56、及び複数の熱伝導ガス孔74が設けられる。したがって、熱伝導ガス領域76への熱伝導ガスの供給が比較例と比べ、促進される。よって、半導体ウェハWを高温状態から低温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきが抑制される。
また、第6の実施形態のRIE装置は、熱伝導ガスの排出用に複数の熱伝導ガス通路56、及び複数の熱伝導ガス孔74が設けられる。したがって、熱伝導ガスの熱伝導ガス領域76からの排出が比較例と比べ、促進される。よって、半導体ウェハWを低温状態から高温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきが抑制される。
さらに、第6の実施形態のRIE装置は、複数の熱伝導ガス通路56のそれぞれに、熱伝導ガスバルブ58が設けられる。熱伝導ガスバルブ58の開閉又は開度は、独立に制御することが可能である。
したがって、例えば、熱伝導ガス領域76への熱伝導ガスの供給を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が下がりにくい領域への熱伝導ガスの供給を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを高温状態から低温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを更に抑制できる。
また、例えば、熱伝導ガス領域76からの熱伝導ガスの排出を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が上がりにくい領域からの熱伝導ガスの排出を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを低温状態から高温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを更に抑制できる。
図18は、例えば、シリコン基板10を低温状態から高温状態に移行する場合であって、シリコン基板10の外周部の温度が上がりにくい場合の、第1の主バルブ50、第2の主バルブ52、及び熱伝導ガスバルブ58の制御シークエンスの一例を示す。図18(c)に示すように、第4の熱伝導ガスバルブ58d及び第5の熱伝導ガスバルブ58eを、先に開けることによって、シリコン基板10の外周部に対応する熱伝導ガス領域76からの熱伝導ガスの排出を促進させる。したがって、シリコン基板10の外周部の温度が上がりやすくなる。よって、シリコン基板10を低温状態から高温状態に移行する場合のシリコン基板10の温度の面内ばらつきを抑制できる。
なお、図18(c)では第4の熱伝導ガスバルブ58d及び第5の熱伝導ガスバルブ58eを、先に開けているが、先に開けるバルブはこれに限定されない。例えば、第1の熱伝導ガスバルブ58aを、第2の熱伝導ガスバルブ58bよりも先に開けても構わない。また、例えば、第2の熱伝導ガスバルブ58bを、第1の熱伝導ガスバルブ58aよりも先に開けても構わない。
なお、例えば、シリコン基板10を高温状態から低温状態に移行する場合、すなわち、第1の主バルブ50及び熱伝導ガスバルブ58を開き、第1の熱伝導ガス供給配管46からヘリウムガスを、熱伝導ガス領域76に供給する場合、熱伝導ガスバルブ58の内の一部を先に開くことも可能である。例えば、第1の熱伝導ガスバルブ58aを、第2の熱伝導ガスバルブ58bよりも先に開ける。これにより、第1の熱伝導ガス孔74aの上のシリコン基板10の温度を、第2の熱伝導ガス孔74bの上のシリコン基板10の温度よりも速く下げることが可能となる。また、例えば、第2の熱伝導ガスバルブ58bを、第1の熱伝導ガスバルブ58aよりも先に開ける。これにより、第2の熱伝導ガス孔74bの上のシリコン基板10の温度を、第1の熱伝導ガス孔74aの上のシリコン基板10の温度よりも速く下げることが可能となる。
以上、第6の実施形態の半導体装置製造装置及び半導体装置の製造方法によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態の半導体製造装置は、第1のガス通路及び第2のガス通路がガス排出配管に接続され、第1のガス通路及び第2のガス通路が第1のガス供給配管に接続されない点で、第6の実施形態の半導体製造装置と異なる。以下、第6の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図20は、第7の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図である。図20は、第6の実施形態の図17(b)に対応する図である。
熱伝導ガス通路56のうちの一つが、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。第4の熱伝導ガス通路56dが、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。
また、熱伝導ガス通路56の一部は、熱伝導ガス排出配管48に接続される。第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、第3の熱伝導ガス通路56c、及び第5の熱伝導ガス通路56eが、熱伝導ガス排出配管48に接続される。
第7の実施形態のRIE装置は、例えば、熱伝導ガス領域76からの熱伝導ガスの排出を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が上がりにくい領域からの熱伝導ガスの排出を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを低温状態から高温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを抑制できる。
(変形例)
図21は、第7の実施形態の変形例の半導体製造装置の要部の模式図である。図21は、第7の実施形態の図20に対応する図である。第7の実施形態の半導体製造装置は、第1のガス通路及び第2のガス通路がガス排出配管に接続されず、第1のガス通路及び第2のガス通路が第1のガス供給配管に接続される点で、第7の実施形態の半導体製造装置と異なる。
熱伝導ガス通路56のうちの一部が、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、第3の熱伝導ガス通路56c、及び第4の熱伝導ガス通路56dが、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。
また、熱伝導ガス通路56の一つが、熱伝導ガス排出配管48に接続される。第5の熱伝導ガス通路56eが、熱伝導ガス排出配管48に接続される。
第7の実施形態の変形例のRIE装置は、例えば、熱伝導ガス領域76への熱伝導ガスの供給を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が下がりにくい領域への熱伝導ガスの供給を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを高温状態から低温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを抑制できる。
以上、第7の実施形態及び変形例の半導体装置製造装置によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態の半導体製造装置は、第1のガス通路、第2のガス通路、及び第3のガス通路が、第1のガス供給配管に接続され、かつ、ガス排出配管に接続されず、第4のガス通路及び第5のガス通路が第1のガス供給配管に接続されず、かつ、ガス排出配管に接続される点で、第6の実施形態の半導体製造装置と異なる。以下、第6の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図22は、第8の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図である。図22は、第6の実施形態の図17(b)に対応する図である。
熱伝導ガス通路56のうちの一部が、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。第1の熱伝導ガス通路56a、第2の熱伝導ガス通路56b、及び第3の熱伝導ガス通路56cが、第1の熱伝導ガス供給配管46に接続される。
また、熱伝導ガス通路56の一部は、熱伝導ガス排出配管48に接続される。第4の熱伝導ガス通路56d及び第5の熱伝導ガス通路56eが、熱伝導ガス排出配管48に接続される。
第8の実施形態のRIE装置は、例えば、熱伝導ガス領域76からの熱伝導ガスの排出を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が上がりにくい領域からの熱伝導ガスの排出を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを低温状態から高温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを抑制できる。
また、例えば、熱伝導ガス領域76への熱伝導ガスの供給を、熱伝導ガス領域76の位置毎に調整することが可能となる。例えば、半導体ウェハWの温度が下がりにくい領域への熱伝導ガスの供給を促進させることが可能となる。よって、半導体ウェハWを高温状態から低温状態に移行する場合、半導体ウェハWの温度の面内ばらつきを抑制できる。
以上、第8の実施形態及び半導体装置製造装置によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態の半導体製造装置は、凹部に第1のガスと異なる第2のガスを供給する第2のガス供給配管を、更に備え、第1のガス通路及び第2のガス通路が、第1のガス供給配管及び第2のガス供給配管に接続される点で、第6の実施形態の半導体製造装置と異なる。以下、第6の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図23は、第9の実施形態の半導体製造装置の要部の模式図である。図23は、第6の実施形態の図17(b)に対応する図である。
第9の実施形態のRIE装置は、第2の熱伝導ガス供給配管47、及び第3の主バルブ53を備える。
第2の熱伝導ガス供給配管47は、凹部72に接続される。第2の熱伝導ガス供給配管47は、熱伝導ガス通路56に接続される。第2の熱伝導ガス供給配管47から熱伝導ガス通路56に熱伝導ガスが供給される。
第2の熱伝導ガス供給配管47から、第1の熱伝導ガス供給配管46から供給される熱伝導ガスとは異なる熱伝導ガスが供給される。第2の熱伝導ガス供給配管47から供給される熱伝導ガスは、第2のガスの一例である。
第2の熱伝導ガス供給配管47から供給される熱伝導ガスは、例えば、第1の熱伝導ガス供給配管46から供給される熱伝導ガスよりも熱伝導率が低い。
例えば、第1の熱伝導ガス供給配管46から供給される熱伝導ガスがヘリウムガス、第2の熱伝導ガス供給配管47から供給される熱伝導ガスがアルゴンガス又は窒素ガスである。
第3の主バルブ53は、第2の熱伝導ガス供給配管47に設けられる。第3の主バルブ53は、例えば、流量制御バルブである。第3の主バルブ53を用いて、熱伝導ガス通路56への熱伝導ガスの供給が制御される。第3の主バルブ53を用いて、熱伝導ガス通路56への熱伝導ガスの供給を遮断することも可能である。
第9の実施形態のRIE装置は、例えば、2種の熱伝導ガスを用いる第4の実施形態の半導体装置の製造方法の実施に用いられる。
以上、第9の実施形態及び半導体装置製造装置によれば、被加工層をドライエッチングで加工する際に、高い精度で加工することが可能となる。
第1ないし第4の実施形態では、エッチングを3回行い、それぞれのエッチングの後に反応生成物除去を行う場合を例に説明した。しかし、エッチングの回数は3回に限定されるものではない。エッチングの回数は2回以上であれば、任意の回数とすることが可能である。
第5の実施形態では、エッチングを4回行う場合を例に説明した。しかし、エッチングの回数は4回に限定されるものではない。エッチングの回数は2回以上であれば、任意の回数とすることが可能である。
第1ないし第5の実施形態では、半導体装置が不揮発性メモリである場合を例に説明したが、半導体装置は、不揮発性メモリに限定されるものではない。
第1ないし第5の実施形態では、被加工層が、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とが交互に積層された構造を含む場合を例に説明したが、被加工層は特に限定されるものではない。例えば、被加工層が、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜以外の絶縁膜が交互に積層された構造を含んでも構わない。また、例えば、被加工層が、絶縁膜と半導体膜とが交互に積層された構造を含んでも構わない。また、例えば、被加工層が、絶縁膜と金属膜とが交互に積層された構造を含んでも構わない。また、被加工層は単一膜で構成されていても構わない。
第1ないし第5の実施形態では、被加工層にエッチングによりメモリホールMHを形成する場合を例に説明したが、被加工層に形成するパターンは穴パターンに限定されるものではない。被加工層に形成するパターンは、例えば、溝パターンであっても構わない。また、被加工層を全面エッチングする形態を採用することも可能である。
第1ないし第5の実施形態では、反応性イオンエッチング装置(RIE装置)が、二周波型の容量結合プラズマ装置(CCP装置)である場合を例に説明した。しかし、RIE装置の種類は特に限定されない。
第1ないし第4の実施形態では、反応生成物除去の際にもエッチングガスをチャンバ20の中に供給する場合を例に説明したが、例えば、反応生成物除去の際にはエッチングガスに替えて水素ガス、窒素ガス、又はアルゴンガス等をチャンバ20の中に供給しても構わない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
(付記1)
チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、
前記ホルダと前記基板との間に、前記基板に接する第1のガスを供給し、
前記第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、
前記被加工層に、第1のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、凹部を形成する第1のエッチング処理を行い、
前記第1のエッチング処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、
前記基板の温度が200℃以上350℃以下の状態で、水素を含む第2のプロセスガスを用いて前記凹部に水素ラジカルを供給する第1の処理を行い、
前記第1の処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、
第3のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、前記凹部の底面をエッチングする第2のエッチング処理を行う半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記第1のエッチング処理、前記第1の処理及び前記第2のエッチング処理は同一チャンバ内で行われる付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記第1のプロセスガスは、炭素及びフッ素を含む付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記第1のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、前記凹部の表面に第1の膜を形成する付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記第1の膜は、炭素及びフッ素を含む付記4記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記第1の処理において、前記第1の膜を還元する付記4記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記第1の処理において、前記第1の膜のフッ素濃度を低減する付記4記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記第2のプロセスガスは、水素ガスを含む付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記第1のエッチング処理を行う前に、前記被加工層の上にパターンを有するマスク層を形成し、前記マスク層をマスクに前記凹部を形成する付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記マスク層は炭素を含む付記9記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第1のエッチング処理の際の前記基板の温度は20℃以下である付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記第1の処理の際に前記基板に印加される高周波電力は、前記第1のエッチング処理の際に前記基板に印加される高周波電力よりも低い付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記被加工層は、シリコンを含む付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記被加工層は、第1の層と前記第1の層と異なる第2の層とが交互に積層された構造を含む付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記第1の層は酸化シリコン膜であり、前記第2の層は窒化シリコン膜である付記14記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記第2のエッチング処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第3の圧力よりも低い第4の圧力に制御し、
前記基板の温度が200℃以上350℃以下の状態で、水素を含む第4のプロセスガスを用いて前記凹部に水素ラジカルを供給する第2の処理を行い、
前記第2の処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第4の圧力よりも高い第5の圧力に制御し、
第5のプロセスガスを用いた反応性イオンエッチング法により、前記凹部の底面をエッチングする第3のエッチング処理を行う付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、
前記ホルダと前記基板との間に、前記基板に接する第1のガスを供給し、
前記第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、
反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、
前記第1のエッチング処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、
前記被加工層の上の反応生成物を除去する第1の反応生成物除去を行い、
前記第1の反応生成物除去の後に、前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、
反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第2のエッチング処理を行う半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記第1のエッチング処理及び前記第2のエッチング処理の際に、前記チャンバの中に炭素(C)及びフッ素(F)を含む第2のガスを供給する付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記19)
前記第1の反応生成物除去の際に、前記チャンバの中に前記第2のガスを供給する付記18記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)
前記被加工層は、シリコン(Si)及び窒素(N)を含む付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記21)
前記被加工層は、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とが交互に積層された構造を含む付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記22)
前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力に制御している時間をtd(sec)、前記第1のエッチング処理の際の前記ホルダの温度をT(℃)、前記基板の面積と前記チャンバの内壁面積との和に対する前記基板の面積の比率をk、前記チャンバの内部に印加される高周波電力をPw(W)、前記基板の質量をm(kg)、前記基板の比熱容量をc(J/(kg・℃))とした場合に、下記不等式が成立する付記17記載の半導体装置の製造方法。
td≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}
(付記23)
前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力に制御している時間は10秒より長い付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記24)
前記第1のガスの圧力の変更の制御と、前記チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記25)
前記第1の反応生成物除去の際に前記チャンバの内部に印加される高周波電力を、前記第1のエッチング処理の際に前記チャンバの内部に印加される高周波電力よりも高くする付記24記載の半導体装置の製造方法。
(付記26)
前記第1の反応生成物除去の際に前記チャンバの内部に印加される高周波電力を、前記第1のエッチング処理の際に前記チャンバの内部に印加される高周波電力よりも低くする付記24記載の半導体装置の製造方法。
(付記27)
前記第1のエッチング処理の際に前記被加工層に凹部を形成し、
前記第2のエッチング処理の際に前記凹部の底面をエッチングする付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記28)
前記第1のガスは、ヘリウム(He)、水素(H)、窒素(N)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、又はキセノン(Xe)を含む付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記29)
前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力に制御した後に、前記第1のガスに替えて、前記第1のガスよりも熱伝導率が低い第3のガスを、前記ホルダと前記基板との間に前記基板に接するように供給し、
前記第1の反応生成物除去の後に、前記第3のガスに替えて前記第1のガスを、前記ホルダと前記基板との間に前記基板に接するように供給し、
前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御する付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記30)
前記第2の圧力は前記第1の圧力の100分の1以下である付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記31)
前記第1のエッチング処理の際の前記基板の温度は60℃以下であり、
前記第1の反応生成物除去の際の前記基板の温度は100℃以上である付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記32)
前記第2のエッチング処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第3の圧力よりも低い第4の圧力に制御し、
前記被加工層の上の反応生成物を除去する第2の反応生成物除去を行い、
前記第2の反応生成物除去の後に、前記第1のガスの圧力を前記第4の圧力よりも高い第5の圧力に制御し、
反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第3のエッチング処理を行う付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記33)
前記基板の温度を測定し、測定された前記基板の温度に基づき、前記第1のガスの圧力を前記第3の圧力に制御する付記17記載の半導体装置の製造方法。
(付記34)
チャンバの中に設けられたホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、
前記ホルダと前記基板との間に、前記基板に接する第1のガスを供給し、
前記第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、
前記基板の温度が60℃以下の第1の状態で、反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、
前記第1のエッチング処理の後に、前記第1のガスの圧力を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、
前記基板の温度が100℃以上の第2の状態を実現し、
前記第2の状態を実現した後に、前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力よりも高い第3の圧力に制御し、
前記基板の温度が60℃以下の第3の状態で、反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第2のエッチング処理を行う半導体装置の製造方法。
(付記35)
前記第1のガスの圧力を前記第2の圧力に制御している時間をtd(sec)、前記第1のエッチング処理の際の前記ホルダの温度をT(℃)、前記基板の面積の前記基板の面積と前記チャンバの内壁面積との和に対する比率をk、前記チャンバの内部に印加される高周波電力をPw(W)、前記基板の質量をm(kg)、前記基板の比熱容量をc(J/(kg・℃))とした場合に、下記不等式が成立する付記34記載の半導体装置の製造方法。
td≧(100-T)/{(k×Pw)/(m×c)}
(付記36)
前記第1のガスの圧力の変更の制御と、前記チャンバの内部に印加される高周波電力の変更の制御とを同期させる付記34記載の半導体装置の製造方法。
10 シリコン基板(基板)
20 チャンバ
22 ホルダ
22b 静電チャック
46 第1の熱伝導ガス供給配管(第1のガス供給配管)
47 第2の熱伝導ガス供給配管(第2のガス供給配管)
48 熱伝導ガス排出配管(ガス排出配管)
50 第1の主バルブ
52 第2の主バルブ
54 制御回路
56a 第1の熱伝導ガス通路(第1のガス通路)
56b 第2の熱伝導ガス通路(第2のガス通路)
56c 第3の熱伝導ガス通路(第3のガス通路)
58a 第1の熱伝導ガスバルブ(第1のバルブ)
58b 第2の熱伝導ガスバルブ(第2のバルブ)
58c 第3の熱伝導ガスバルブ(第3のバルブ)
60 積層体(被加工層)
60a 酸化シリコン膜(第1の層)
60b 窒化シリコン膜(第2の層)
62 炭素層(マスク層)
64a 第1の保護膜(第1の膜)
72 凹部
74a 第1の熱伝導ガス孔(第1の孔)
74b 第2の熱伝導ガス孔(第2の孔)
74c 第3の熱伝導ガス孔(第3の孔)
100 不揮発性メモリ(半導体装置)
MH メモリホール(凹部)

Claims (14)

  1. チャンバと、
    前記チャンバの中に設けられ、基板を吸着可能なホルダであって、表面に凹部と、前記凹部に設けられた第1の孔と、前記凹部に設けられた第2の孔と、を含むホルダと、
    前記第1の孔に接続された第1のガス通路と、
    前記第2の孔に接続された第2のガス通路と、
    前記第1のガス通路に設けられた第1のバルブと、
    前記第2のガス通路に設けられた第2のバルブと、
    前記凹部に第1のガスを供給する第1のガス供給配管と、
    前記凹部からガスを排出するガス排出配管と、を備え、
    前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記第1のガス供給配管に接続されるか、又は、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記ガス排出配管に接続される半導体製造装置。
  2. 前記第1のバルブの開閉と、前記第2のバルブの開閉を、独立して制御可能な制御回路を、更に備える請求項1記載の半導体製造装置。
  3. 前記ホルダは静電チャックを含む請求項1記載の半導体製造装置。
  4. 前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記第1のガス供給配管に接続され、かつ、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が前記ガス排出配管に接続される請求項1記載の半導体製造装置。
  5. 前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路と前記第1のガス供給配管との間に設けられた第1の主バルブと、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路と前記ガス排出配管との間に設けられた第2の主バルブと、を更に備える請求項4記載の半導体製造装置。
  6. 前記第1のバルブ及び前記第2のバルブは、流量制御バルブ又は圧力制御バルブである請求項1記載の半導体製造装置。
  7. 前記第1のバルブ及び前記第2のバルブは、前記ホルダの中に設けられる請求項1記載の半導体製造装置。
  8. 前記ホルダは、前記凹部に設けられた第3の孔を、更に含み、
    前記第3の孔に接続された第3のガス通路と、
    前記第3のガス通路に設けられた第3のバルブと、を更に備え、
    前記第1のガス通路、前記第2のガス通路、及び前記第3のガス通路が前記第1のガス供給配管に接続されるか、又は、前記第1のガス通路、前記第2のガス通路、及び前記第3のガス通路が前記ガス排出配管に接続される請求項1記載の半導体製造装置。
  9. 前記凹部に第1のガスと異なる第2のガスを供給する第2のガス供給配管を、更に備え、
    前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路が、前記第1のガス供給配管及び前記第2のガス供給配管に接続される請求項1記載の半導体製造装置。
  10. 前記第1のガスはヘリウムガスである請求項1記載の半導体製造装置。
  11. チャンバの中に設けられ、表面に設けられた凹部と、前記凹部に設けられた第1の孔と、前記凹部に設けられた第2の孔とを有するホルダの上に、被加工層を有する基板を載置し、
    前記第1の孔に接続された第1のガス通路に設けられた第1のバルブ、及び前記第2の孔に接続された第2のガス通路に設けられた第2のバルブを開いて、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路を経由して、前記ホルダと前記基板との間に、前記基板に接する第1のガスを供給し、
    前記第1のガスの圧力を第1の圧力に制御し、
    反応性イオンエッチング法を用いて前記被加工層をエッチングする第1のエッチング処理を行い、
    前記第1のエッチング処理の途中又は前記第1のエッチング処理の後に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉じ、
    前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉じた後に、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを開いて、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路を経由して、前記ホルダと前記基板との間から、前記第1のガスを排出し、
    前記第1のガスの圧力を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に制御し、
    前記被加工層の上の反応生成物を除去する第1の反応生成物除去を行う半導体装置の製造方法であって、
    前記第1のガスを供給する際に、前記第1のバルブ又は前記第2のバルブのいずれか一方を先に開くか、又は、
    前記第1のガスを排出する際に、前記第1のバルブ又は前記第2のバルブのいずれか一方を先に開く、半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1のガスを供給する際に、前記第1のバルブ又は前記第2のバルブのいずれか一方を先に開く請求項11記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1のガスを排出する際に、前記第1のバルブ又は前記第2のバルブのいずれか一方を先に開く請求項11記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを閉じた後、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブを開く前に、前記第1のガス通路及び前記第2のガス通路に接続されたガス排出配管から、前記第1のバルブと前記ガス排出配管との間の前記第1のガス通路の中の前記第1のガス、及び、前記第2のバルブと前記ガス排出配管との間の前記第2のガス通路の中の前記第1のガスを排出する請求項11記載の半導体装置の製造方法。
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