JP2022190899A - 保護体付ドリル - Google Patents

保護体付ドリル Download PDF

Info

Publication number
JP2022190899A
JP2022190899A JP2021099413A JP2021099413A JP2022190899A JP 2022190899 A JP2022190899 A JP 2022190899A JP 2021099413 A JP2021099413 A JP 2021099413A JP 2021099413 A JP2021099413 A JP 2021099413A JP 2022190899 A JP2022190899 A JP 2022190899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
drill bit
protector
insertion hole
drill
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021099413A
Other languages
English (en)
Inventor
進 滝ケ崎
Susumu Takigasaki
玲二 前田
Reiji Maeda
淳一 小関
Junichi Koseki
史利 近藤
Fumitoshi Kondo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HASEGAWA JABARA KK
Toho Built Co Ltd
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
HASEGAWA JABARA KK
Toho Built Co Ltd
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HASEGAWA JABARA KK, Toho Built Co Ltd, Tokyo Electric Power Co Holdings Inc filed Critical HASEGAWA JABARA KK
Priority to JP2021099413A priority Critical patent/JP2022190899A/ja
Publication of JP2022190899A publication Critical patent/JP2022190899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Drilling And Boring (AREA)

Abstract

【課題】作業者の手指などが回転中のドリルビットに巻き込まれることを抑制でき、簡易な構造である保護体付ドリルを提供する。【解決手段】保護体付ドリル100は、本体部110とドリルビット120を含み、このドリルビット120が軸周りに回転することで被削孔体を削孔していくドリルであって、保護体140と支持体150、デプスゲージ130を備えたものである。保護体140は、内径がドリルビット120の外径よりも大きい筒状であってドリルビット120の軸方向に伸縮自在である。支持体150の副挿通孔にデプスゲージ130を挿通するとともに支持体150の主挿通孔に保護体140を挿通することによって、保護体140とドリルビット120との間に離隔が設けられるように保護体140が支持体150に支持される。【選択図】図1

Description

本願発明は、板材や金属、コンクリートなどを削孔する装置に関するものであり、より具体的には、手指や手袋等がドリルビットの回転に巻き込まれることを抑制することができる保護体付ドリルに関するものである。
ホールインアンカーを設置するためにコンクリート壁に小孔を設けたり、接続用のビス等を挿通するために金属板に貫通孔を設けたり、ケーブル等を通過させるために木製壁に貫通孔を設けたり、あるいは岩塊などを小割りするために多数の小孔を設けたりするなど、様々な場面で構造物や部材、岩盤など(以下、削孔の対象となるものを「被削孔体」という。)に小孔や貫通孔を設けることがある。そして、このような小孔や貫通孔を設けるにあたっては、手持ち式ドリルが使用されることが多い。
手持ち式ドリルには、打撃機能を備えたハンマードリルや、振動機能を備えた振動ドリルなど種々のタイプのものがあるが、いずれにしろドリルビットを回転させながら被削孔体を削孔していくものが主流である。すなわち、作業者が手持ち式ドリルを持ったうえでドリルビットを被削孔体に押し当て、モーターなどの駆動装置によってドリルビットが回転することで徐々に小孔等を延伸させていくわけである。
ところで、作業者は手持ち式ドリルのうち所定の部分(例えば、メインハンドルやサイドハンドルなど)を持って削孔作業を行うものの、不測の事態や不注意などから回転しているドリルビット付近に作業者の手が伸びることがある。この場合、手指や作業用手袋(軍手や皮手袋など)がドリルビットに巻き込まれることもあり、結果として作業者が負傷し、手持ち式ドリルが故障するなど不都合が生じることもあった。
回転中のドリルビット付近に作業者の手が伸びたとしても手指などが巻き込まれないようにするため、ドリルビットの周囲を覆う保護管を設置することが考えられる。例えば金属製の保護管でカバーすることによってドリルビットと外部を遮断し、手指などがドリルビットに直接触れないようにするわけである。しかしながら、被削孔体の削孔が進行していくと、これに伴ってドリルビットも被削孔体内に進入していく必要があるが、保護管を設置するとこの保護管が障壁になってドリルビットが進入することができず、すなわち削孔を進めることができないこととなってしまう。また、保護管が堅固に固定されていないと、回転中のドリルビットに保護管が接触することも考えられ、その結果、作業者が負傷したり、手持ち式ドリルが故障したりするおそれもある。
これまで、手指などが巻き込まれないことを目的として保護管などを取り付ける技術が提案されることはなかったものの、特許文献1のように削孔時の騒音低減、切屑や粉塵等の収集のために手持ち式ドリルにカバーを装着する技術が提案されることはあった。
公開実用昭和63-128006号公報
特許文献1に開示される技術(特に、カバー部材20)を用いれば、作業者の手指などが回転中のドリル14に巻き込まれないうえに、カバー部材21が伸縮可能であることからカバー部材20が削孔の障害になることもない。しかしながらこの技術によれば、カバー部材21がドリル14に接触しないようにするため、多点数の部品が必要であり、しかも複雑な構造が必要である。すなわち、カバー部材21の一端(ケーシング2側)には筒状の接続部材22が取り付けられるとともに、カバー部材21の他端(ドリル14の先端側)には円環状の当接部材23が取り付けられ、さらにカバー部材21をその軸方向に支えるためドリル14の両脇には支持部材24とガイド杆25が設置され、しかも当接部材23とガイド杆25との間、ガイド杆25と支持部材24との間にはコイルバネ26が設けられている。
このように特許文献1に開示される技術は、多点数の部品や複雑な構造が必要であり、したがって、製作に掛かる費用が嵩むという問題や、故障が生じやすいうえに修理が困難であるといった問題を指摘することができる。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、作業者の手指などが回転中のドリルビットに巻き込まれることを抑制でき、しかも特許文献1など従来技術に比して簡易な構造である保護体付ドリルを提供することである。
本願発明は、ドリルビットを収容し得る保護体を配置するとともに、ドリルビットに接触しないよう支持体によって保護体の位置を安定させ、しかも手持ち式ドリルが本来有する部品(例えば、デプスゲージなど)を利用して支持体を取り付ける、という点に着目してなされたものであり、これまでにない発想に基づいて行われたものである。
本願発明の保護体付ドリルは、本体部とドリルビットを含み、このドリルビットが軸周りに回転することで被削孔体を削孔していくドリルであって、保護体と支持体、デプスゲージを備えたものである。このうち保護体は、内径がドリルビットの外径よりも大きい筒状であってドリルビットの軸方向に伸縮自在であり、デプスゲージは、ドリルビットの軸方向と略平行(平行を含む)に配置されて本体部に取り付けられる。なお保護体は、ドリルビットを収容するように配置される。また支持体には、保護体が挿通される主挿通孔とデプスゲージが挿通される副挿通孔が形成される。そして、支持体の副挿通孔にデプスゲージを挿通するとともに支持体の主挿通孔に保護体を挿通することによって、保護体とドリルビットとの間に離隔が設けられるように保護体が支持体に支持され、さらにこの状態を維持しつつ、削孔によってドリルビットが被削孔体内に貫入していくとこれに伴って保護体がドリルビットの軸方向に収縮していく。
本願発明の保護体付ドリルは、集塵筒をさらに備えたものとすることもできる。この集塵筒は、本体部に取り付けられ、削孔に伴うくり粉を流過させるものである。この場合、支持体には集塵筒の断面形状に応じた嵌合部が形成される。そして、支持体の副挿通孔にデプスゲージを挿通するとともに、支持体の主挿通孔に保護体を挿通し、さらに支持体の嵌合部を集塵筒の一部に嵌合させることによって、保護体とドリルビットとの間に離隔が設けられた状態で保護体が支持体に支持される。
本願発明の保護体付ドリルは、支持体に係止孔が形成されたものとすることもできる。この係止孔は、外部から副挿通孔まで貫通し、内周面にねじ溝が設けられる小孔である。この場合、副挿通孔にデプスゲージを挿通するとともに主挿通孔に保護体を挿通した状態では、支持体はドリルビット軸方向にスライド可能であるが、係止孔内に挿通した係止具(外周にねじ山が設けられた治具)を副挿通孔内のデプスゲージに当接するまで締め込むと、支持体のドリルビット軸方向のスライドは規制される。
本願発明の保護体付ドリルは、支持体が支持本体と副孔体を含んで構成されたものとすることもできる。板状の支持本体には、主挿通孔が形成されるとともにガイド溝(長穴)が形成され、一方の副孔体には副挿通孔が形成される。そしてデプスゲージは、副孔体の副挿通孔とガイド溝に挿通され、デプスゲージの挿通位置はガイド溝内で調整可能である。
本願発明の保護体付ドリルには、次のような効果がある。
(1)作業者の手指などが回転中のドリルビットに巻き込まれることを抑制することができ、その結果、作業者の負傷や、手持ち式ドリルの故障などを回避しやすくなる。
(2)例えば特許文献1などの従来技術に比べて、少ない部品点数で足り、しかも簡易な構造とされるため、製作コストを抑制することができ、故障も生じにくく修理も容易となる。
(3)削孔時に生ずる破片(例えば、コンクリート破片)やくり粉などの飛散を抑えることができ、そのため破片等が目に入る危険や皮膚に当たったときの擦過傷などの危険を抑制することができ、すなわちより安全な作業を提供することができる。
本願発明の保護体付ドリルを模式的に示す側面図。 (a)は保護体を模式的に示す側面図、(b)保護体を模式的に示す断面図。 支持体を模式的に示す正面図。 (a)は支持体が配置された位置での断面図、(b)は支持体が配置されない位置での断面図。 (a)はスライド移動が可能となった状態の支持体を模式的に示す正面図、(b)はスライド移動が可能となった状態の支持体を模式的に示す断面図。 (a)は副挿通孔の位置調整が可能な支持体を模式的に示す図であり、(a)はその正面図、(b)は断面図。 本願発明の保護体付ドリルを使用したときの主な工程を示すステップ図。 集塵機構を備えた本願発明の保護体付ドリルを模式的に示す側面図。 嵌合部が形成された支持体を模式的に示す正面図。 後方集塵筒の一部に嵌合部が嵌合された支持体を模式的に示す正面図。 (a)は筒状支持体を備えた本願発明の保護体付ドリルを模式的に示す断面図、(b)は(a)のうちD-D矢視の断面図、(c)はのうちE-E矢視の断面図。 筒状支持体を備えた保護体付ドリルを使用したときの主な工程を示すステップ図。
本願発明の保護体付ドリルの実施形態の一例を、図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の保護体付ドリル100を模式的に示す側面図である。なおこの図では、保護体付ドリル100としてハンマードリルを利用した例を示しているが、そのほか振動ドリルを利用するなど種々の手持ち式ドリルを利用して本願発明の保護体付ドリル100を構成することができる。
図1に示すように保護体付ドリル100は、本体部110とドリルビット120、デプスゲージ130、保護体140、支持体150を含んで構成され、そのほか後述する集塵筒160を含んで構成することもできる。以下、保護体付ドリル100を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
(本体部とドリルビット)
本体部110は、モーターやギアなどドリルビット120を回転させるための機構と、これらを収容するいわゆるハウジングからなり、作業者の持ち手となるハンドルHDを取り付けたものとすることもできる。またドリルビット120は、本体部110に装着され、ハウジング内のモーターやギアなどによって軸周りに回転し、これにより被削孔体(削孔の対象となるコンクリート構造物など)を削孔していくものである。ここで図1に示す「軸方向」とは、ドリルビット120の中心軸の方向であり、すなわち削孔方向のことである。なお、便宜上ここでは、図1に示すように削孔が進行していく側(図1では左側)を「前方」、その反対側(図1では右側)を「後方」としたうえで説明する。
(デプスゲージ)
デプスゲージ130は、棒状あるいは管状の部材であり、ドリルビット120の軸方向と略平行(平行を含む)に配置されたうえで本体部110に取り付けられる。なお図1では、ハンドルHDの上部がデプスゲージ130の一部を把持するように取り付けられているが、これに限らずハウジングに直接取り付けるなど、種々の手法でデプスゲージ130を本体部110に取り付けることができる。このデプスゲージ130は、計画した孔の長さ(以下、「計画削孔長」という。)を確認するためのものである。すなわち、保護体付ドリル100を用いて削孔を行う際、デプスゲージ130の前方端が被削孔体に当接すると、作業者は計画削孔長が達成されたことを認識するわけである。したがって、ドリルビット120の前方端とデプスゲージ130の前方端との間隔が、計画削孔長とされる。もちろん、利用するたびに計画削孔長は異なることから、デプスゲージ130の前方端位置が任意に調整できる構成とされる。なお、本体部110とドリルビット120、デプスゲージ130に関しては、保護体付ドリル100専用のものとして製造することもできるし、既に市場で流通(市販やリースなど)しているハンマードリルや振動ドリルを利用することもできる。
(保護体)
図2は保護体140を模式的に示す図であり、(a)は保護体140を側方から(ドリルビット120の軸方向に対して垂直方向に)見た側面図、(b)は保護体140の断面図である。保護体140は、回転中のドリルビット120に作業者の手指などが巻き込まれることを防ぐために設けられるものであり、いわば外部環境からドリルビット120を遮断する部材である。そのため保護体140は、ドリルビット120の外径よりも大きい内径をもつ中空の筒状とされ、ドリルビット120の軸方向と略平行(平行を含む)に配置されるとともに、ドリルビット120の略全長(全長を含む)を収容するように配置されたうえで、その後方端が本体部110に固定される。
ところで、保護体付ドリル100を用いて削孔を進めていくと、次第にドリルビット120が被削孔体内に貫入していくが、このとき保護体140がドリルビット120の貫入の妨げになることは避けなければならない。そのため保護体140は、ドリルビット120の軸方向に収縮可能な構成にするとよい。削孔が進行していく際、被削孔体と本体部110の間に挟まれた保護体140が徐々に収縮していき、これにより保護体140が障壁となることなくドリルビット120は被削孔体に貫入していくわけである。一方、削孔が完了して次の削孔に移るときには、保護体140が自然に(人が操作することなく)通常の状態、すなわちドリルビット120の略全長(全長を含む)を収容する状態に戻ることが望ましい。したがって保護体140は、収縮可能であって伸長可能な構成、つまり伸縮自在な構成(弾性構造)にするとよい。これにより、削孔完了後にドリルビット120を被削孔体から抜き取っていくと、保護体140は次第に通常の状態に戻るべく伸長していくわけである。
保護体140を伸縮自在な構成にするには、図2(a)に示すようないわゆるジャバラ構造にすることができる。このとき保護体140を形成する材料としては、やはり伸縮自在な弾性材料、例えばクロロプレン(CR)ゴムといった合成樹脂などを利用するとよい。あるいは、ジャバラ構造に代えて、コイルバネを利用した保護体140とすることもできる。すなわち、コイルバネの周囲を覆うように布状の部材を貼り付けることで保護体140を形成し、この布状の部材がドリルビット120への接触を防ぐとともに、コイルバネの伸縮に追随することで伸縮自在性を確保するわけである。
ドリルビット120を収容するように保護体140が配置された結果、削孔中のドリルビット120に保護体140が接触し、これによって保護体付ドリル100が故障することも考えられる。そこで、保護体140の内径をドリルビット120の外径よりもやや大きい寸法とし、図2(b)に示すように保護体140の内面とドリルビット120の外面との間に離隔(クリアランス)が設けられた状態で、ドリルビット120を保護体140内に配置するとよい。
(支持体)
既述したように保護体140は、その後方端が本体部110に固定され、しかもドリルビット120と略同一(同一を含む)の軸長とされる。したがって、保護体140はいわば片持ち梁(キャンチレバー)の状態となり前方にいくほど撓みが大きくなり、保護体140の材質や軸長によるものの図2(b)に示す離隔が設けられた状態を全長にわたって維持することが難しい。このような不都合を解消するため、保護体付ドリル100には支持体150が設けられる。この支持体150は、適当な位置で保護体140を支持することによってドリルビット120と保護体140との離隔を確保するものであり、換言すれば、保護体140が支点機能を果たすことによって保護体140の片持ち梁状態が解消され、この結果、保護体140の撓みが抑制されてドリルビット120と保護体140との離隔が確保されるわけである。
支持体150が支点機能を果たすためには、すなわち支持体150が保護体140の自重を支えるためには、支持体150そのものが何らかに固定されている必要がある。とはいえ、複雑な構造によって支持体150を固定すると、保護体付ドリル100の製作費用が嵩むという問題や、故障が生じやすいうえに修理が困難であるといった問題を抱えることになる。そこで、本願発明の保護体付ドリル100は、簡易な構造でしかも容易に脱着することができる支持体150を採用している。
図3は支持体150を模式的に示す正面図である。この図に示すように支持体150は、概ね板状であり、部材を貫通する挿通孔(以下、「主挿通孔151」という。)と、同じく部材を貫通し主挿通孔151より小径の挿通孔(以下、「副挿通孔152」という。)が形成されたものである。この主挿通孔151は保護体140を挿通するものであり、当然ながら保護体140の外径よりやや大きな孔径とされ、同様に副挿通孔152はデプスゲージ130を挿通するものであり、デプスゲージ130の外径よりやや大きな孔径とされる。なお支持体150は、鋼製や硬質樹脂製とするなど、種々の材質を用いて形成することができる。
図1に示すようにデプスゲージ130を副挿通孔152に挿通することによって、支持体150はこのデプスゲージ130に支持され(吊り下げられ)る。したがって、保護体140が主挿通孔151に挿通された状態のままデプスゲージ130を副挿通孔152に挿通すると、保護体140は支持体150に支持され(吊り下げられ)る。つまり保護体140は、支持体150を介してデプスゲージ130に支持されるわけである。このように、支持体150は主挿通孔151と副挿通孔152を設けるだけの簡易な構成であり、しかもデプスゲージ130と保護体140をそれぞれ主挿通孔151と副挿通孔152に挿通するだけで、ドリルビット120との離隔を確保したうえで保護体140を支持することができる。
支持体150は、デプスゲージ130や保護体140の軸長に応じて、適数だけ配置することができ、また適当な間隔で配置することができる。例えば図1では2箇所に支持体150を配置しているが、デプスゲージ130や保護体140が短いときは1箇所のみに支持体150を配置することもできるし、デプスゲージ130や保護体140が長いときは3以上の箇所に支持体150を配置することもできる。また、図4(a)に示すように支持体150を配置した位置(図1のA-A矢視断面)ではドリルビット120との離隔が確実に確保された状態で保護体140を支持することができるが、これに対して図4(b)に示すように支持体150が配置されない位置(図1のB-B矢視断面)では支持体150位置に比べて保護体140がやや撓むこともある。この場合、保護体140が撓んだとしてもなお、ドリルビット120との間に一定の離隔(クリアランス)が確保されるよう、支持体150の配置(個所数や間隔)を計画し、保護体140の孔径を計画するとよい。
支持体150は、その主挿通孔151に保護体140が挿通され、その副挿通孔152にデプスゲージ130が挿通されることから、図5(a)に示すようにドリルビット120の軸方向と略平行(平行を含む)な方向にスライド移動することができる。支持体150の位置を調整するうえでは支持体150が自在にスライド移動できる方が好ましいが、他方、削孔する際には支持体150がスライド移動しない方が好ましい。
そこで、支持体150のスライド移動を可能にするとともに、そのスライドを規制することができる機構(以下、便宜上ここでは「スライド制御機構」という。)を、支持体150に設けるとよい。例えば図5(b)に示すように、支持体150に係止孔153を形成することとし、さらにねじBTを利用することによってスライド制御機構を実現することができる。この係止孔153は、外部(図5(b)では上方)から副挿通孔152まで貫通しており、その内周面にはねじ溝(雌ねじ)が設けられている。そして、ねじ溝(雄ねじ)が設けらたねじBTを係止孔153内に挿通して双方のねじ溝を螺合し、デプスゲージ130に当接するまでねじBTを締め込むことによって支持体150のスライド移動が規制される。一方、デプスゲージ130から離れるまでねじBTを緩めると、今度は支持体150のスライド移動が可能になるわけである。
先に、本体部110とドリルビット120、デプスゲージ130は、市販品やリース品などを利用することもできると説明したが、ドリルビット120とデプスゲージ130の配置(特に、図1に示す上下の間隔)は、当然ながら製品ごとによって異なる。つまり、支持体150の主挿通孔151と副挿通孔152の配置は製品ごとに変更する必要があるが、製品ごとに支持体150を作製するのでは製作コストがかかるうえ、保管の手間や適合する支持体150を選別する手間がかかることとなる。そこで、主挿通孔151に対する副挿通孔152の位置を調整することができる支持体150を使用するとよい。
図6は、副挿通孔152の位置調整が可能な支持体150を模式的に示す図であり、(a)はその正面図、(b)は断面図である。この図に示す支持体150は、支持本体150Mと副孔体150Hを含んで構成される。このうち支持本体150Mは、支持体150の本体部分を形成するものであって板状の部材に主挿通孔151とガイド溝154が形成されたものであり、一方の副孔体150Hには副挿通孔152が形成されている。この場合、デプスゲージ130は副孔体150Hの副挿通孔152に挿通されたうえで、さらに支持本体150Mのガイド溝154に挿通される。このガイド溝154は、図6(a)に示すようにいわゆる長孔となっているため、ガイド溝154内であれば所望の位置にデプスゲージ130を挿通することができ、すなわちデプスゲージ130の挿通位置(特に、挿通高さ)を調整することができる。
図6(b)に示す副孔体150Hは、筒状の副挿通孔152と、ガイド溝154を通過しないフランジとによって構成されており、支持本体150Mを挟んで両側に配置して使用される。すなわち、ガイド溝154と2つの副挿通孔152の位置を合わせたうえで、支持本体150Mの両側に副孔体150Hを配置し、デプスゲージ130を一方の副孔体150Hの副挿通孔152に挿通するとともに、ガイド溝154を通過したデプスゲージ130をさらに他方の副孔体150Hの副挿通孔152に挿通する。そして、副挿通孔152に挿通されたデプスゲージ130がガイド溝154内で移動(図6(b)の場合は上下移動)しないように、副孔体150Hの位置を固定する。例えば図6(b)では、副孔体150Hのフランジ部分にねじ孔が設けられており、このねじ孔に挿通したねじBTを支持本体150M(ただし、ガイド溝154以外の部分)に当接するまで締め込むことによって副孔体150Hの移動(図6(b)の場合は落下)を防いでいる。また、ドリルビット120の軸方向のスライド移動を規制するため、副孔体150Hの筒状の副挿通孔152に図5に示すようなスライド制御機構を設けることもできる。
図6(b)に示す副孔体150Hは、筒状の副挿通孔152とフランジを備え、2つ一組で使用するものであるが、これに限らず種々の副孔体150Hを使用することができる。例えば、ガイド溝154を通過しないフランジと、このフランジを貫通する筒状の副挿通孔152によって、副孔体150Hを構成することもできる。この場合、フランジの両側に筒状の副挿通孔152が突出することになるが、一方の筒状の副挿通孔152をガイド溝154に嵌め込むことによって、筒状の副挿通孔152がガイド溝154内をスライド移動する(つまり、デプスゲージ130の挿通位置を調整する)ことができるうえ、支持本体150Mの両側に副孔体150Hを配置する必要もない(つまり、1の副孔体150Hの使用で足りる)。
(使用例)
図7は、本願発明の保護体付ドリル100を使用したときの主な工程を示すステップ図である。まず、ドリルビット120の前方端とデプスゲージ130の前方端との間隔が計画削孔長となるように、デプスゲージ130の配置を調整する。そして、保護体140を挿通孔151に挿通したうえでデプスゲージ130を副挿通孔152に挿通することによって、保護体140を適切な位置(特に、高さ)で支持する。このとき、デプスゲージ130上でスライド移動させながら支持体150の位置を調整し、調整後はスライド制御機構(例えば図5(b))によって支持体150の位置を固定するとよい。
ここまでの準備が整うと、作業者は保護体付ドリル100を持ち、計画削孔位置となるようにドリルビット120の前方端を被削孔体であるコンクリート構造物COに当接したうえで、モーター等の動力を起動してドリルビット120を回転させる。削孔が進行していくと、図7(a)に示すように次第にドリルビット120が被削孔体内に貫入していくが、保護体140はいわばコンクリート構造物COに押された状態となってその軸方向に収縮し、これにより保護体140が障壁となることなくドリルビット120は貫入していくことができる。
さらに削孔が進行していくと、図7(b)に示すように最終的にはデプスゲージ130の前方端がコンクリート構造物COに当接し、つまり作業者は計画削孔長が達成されたことを確認し、モーター等の動力を停止して削孔作業を終了する。このとき、当然ながら図7(a)に示す保護体140よりも、図7(b)に示す保護体140の方がより収縮している。そして、ドリルビット120をコンクリート構造物COから抜き取ると、保護体140が伸長してドリルビット120の略全長を収容する状態に戻り、次の削孔作業に円滑に移ることができる。
(変形例1)
本願発明の保護体付ドリル100として市販品やリース品などを利用する場合、削孔に伴って発生する粉黛や塵、破片(以下、これらを総称して「くり粉」という。)を収集する集塵機構を備えたものもある。つまり、本願発明の保護体付ドリル100も集塵機構を備えたものとすることができるわけである。図8は、集塵機構を備えた本願発明の保護体付ドリル100を模式的に示す側面図である。図8に示す集塵機構は、削孔に伴うくり粉の吸引口となる開口部APと、そのくり粉を流過させる集塵筒160を含んで構成される。この集塵筒160は、開口部APに連接される前方集塵筒162と、この前方集塵筒162に連続する後方集塵筒161からなり、開口部APとから吸引されたくり粉は前方集塵筒162から後方集塵筒161の順で流過していく。なお、後方集塵筒161の後方側にバキュームなどの吸引手段を設置して、より強制的にくり粉を流過させる仕様とすることもできる。
保護体付ドリル100が集塵機構を備える場合、支持体150には図9に示す嵌合部155を形成するとよい。この嵌合部155は、集塵筒160(特に後方集塵筒161)の断面形状に応じた形状で切り抜かれたいわば欠損部である。すなわち、嵌合部155が形成された支持体150を配置するにあたっては、図10に示すように、保護体140が主挿通孔151に挿通された状態のままデプスゲージ130を副挿通孔152するとともに、嵌合部155を後方集塵筒161の一部(図では上部)に嵌合させるとよい。なお、図10に示す後方集塵筒161は、その上部が概ね台形の断面形状である。このように支持体150の上方がデプスゲージ130によって支持され、下方が後方集塵筒161によって支持される結果、支持体150はより堅固に支持され、すなわち保護体140をより堅固に支持することができるわけである。
(変形例2)
本願発明の保護体付ドリル100は、ここまで説明した板状の支持体150に代えて、中の筒状の支持体150(以下、「筒状支持体150R」という。)を用いたものとすることもできる。図11は、筒状支持体150Rを備えた本願発明の保護体付ドリル100を示す図であり、(a)はドリルビット120の軸方向に沿って切断した断面図であり、(b)は図11(a)のうちD-D矢視の断面図、(c)は図11(a)のうちE-E矢視の断面図である。
筒状支持体150Rは、ドリルビット120の外径よりも大きい内径をもち、ドリルビット120の軸方向と略平行(平行を含む)に配置されるとともに、ドリルビット120の一部を収容するように配置されたうえで、その後方端が本体部110に固定される。そして保護体140は、筒状支持体150Rの外周に被せるように(保護体140内に筒状支持体150Rを挿通するように)取り付けられる。つまり図11に示すように、筒状支持体150Rの内面とドリルビット120の外面との間に離隔(クリアランス)を設けることによって、保護体140の内面とドリルビット120の外面との間にも離隔が設けられ、これにより回転中のドリルビット120に作業者の手指などが巻き込まれることを防ぐわけである。
筒状支持体150Rは、ドリルビット120との離隔を確保するためその断面形状が容易に変形しないような構造が望ましく、例えば鋼管や樹脂製管など相当の強度を有する材質製にするとよい。そのため筒状支持体150Rは、ジャバラ構造のような伸縮(弾性変形)が難しく、筒状支持体150Rの長さによっては削孔時におけるドリルビット120の被削孔体への貫入の妨げになることもある。そこで、筒状支持体150Rの長さは、保護体140より短い寸法にするとよい。より詳しくは、筒状支持体150Rの前方端が、保護体140の前方端よりも後方側に位置するように、筒状支持体150Rは本体部110に取り付けられる。この場合、筒状支持体150Rをデプスゲージ130として利用し、すなわちドリルビット120の前方端と筒状支持体150Rの前方端との間隔を計画削孔長とすることもできる。
削孔を行うための一連の準備が整うと、作業者は保護体付ドリル100を持ち、計画削孔位置となるようにドリルビット120の前方端を被削孔体であるコンクリート構造物COに当接したうえで、モーター等の動力を起動してドリルビット120を回転させる。削孔が進行していくと、図12(a)に示すように次第にドリルビット120が被削孔体内に貫入していくが、保護体140はいわばコンクリート構造物COに押された状態となってその軸方向に収縮し、これにより保護体140が障壁となることなくドリルビット120は貫入していくことができる。
さらに削孔が進行していくと、図12(b)に示すように最終的には筒状支持体150Rの前方端がコンクリート構造物COに当接し、つまり作業者は計画削孔長が達成されたことを確認し、モーター等の動力を停止して削孔作業を終了する。このとき、当然ながら図12(a)に示す保護体140よりも、図12(b)に示す保護体140の方がより収縮している。そして、ドリルビット120をコンクリート構造物COから抜き取ると、保護体140が伸長してドリルビット120の略全長を収容する状態に戻り、次の削孔作業に円滑に移ることができる。
本願発明の保護体付ドリルは、ホールインアンカーを設置するためにコンクリート壁に小孔を設けたり、接続用のビス等を挿通するために金属板に貫通孔を設けたり、ケーブル等を通過させるために木製壁に貫通孔を設けたり、あるいは岩塊などを小割りするために多数の小孔を設けたりするなど、様々なケースで利用することができる。本願発明によれば、作業者の手指がドリルビットに巻き込まれることを抑え、破片等が目に入る危険をより回避することができ、すなわち本願発明がより安全な作業を提供することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 本願発明の保護体付ドリル
110 本体部
120 ドリルビット
130 デプスゲージ
140 保護体
150 支持体
151 主挿通孔
152 副挿通孔
153 係止孔
154 ガイド溝
155 嵌合部
150M 支持本体
150H 副孔体
150R 筒状支持体
160 集塵筒
AP 開口部
BT ねじ
CO コンクリート構造物
HDハンドル

Claims (4)

  1. 本体部とドリルビットを含み、該ドリルビットが軸周りに回転することによって被削孔体を削孔し得るドリルにおいて、
    内径が前記ドリルビットの外径よりも大きい筒状であって、該ドリルビットの軸方向に伸縮自在な保護体と、
    1又は2以上の支持体と、
    前記ドリルビットの軸方向と平行又は略平行に配置され、前記本体部に取り付けられるデプスゲージと、を備え、
    前記保護体は、前記ドリルビットを収容するように配置され、
    前記支持体には、前記保護体が挿通される主挿通孔と、前記デプスゲージが挿通される副挿通孔と、が形成され、
    前記支持体の前記副挿通孔に前記デプスゲージを挿通するとともに、該支持体の前記主挿通孔に前記保護体を挿通することによって、該保護体と前記ドリルビットとの間に離隔が設けられた状態で該保護体が該支持体に支持され、
    削孔による前記被削孔体内への前記ドリルビットの貫入に伴って、前記保護体が該ドリルビットの軸方向に収縮していく、
    ことを特徴とする保護体付ドリル。
  2. 前記本体部に取り付けられ、削孔に伴うくり粉を流過させる集塵筒を、さらに備え、
    前記支持体には、前記集塵筒の断面形状に応じた嵌合部が形成され、
    前記支持体の前記副挿通孔に前記デプスゲージを挿通するとともに、該支持体の前記主挿通孔に前記保護体を挿通し、さらに該支持体の前記嵌合部を前記集塵筒の一部に嵌合させることによって、該保護体と前記ドリルビットとの間に離隔が設けられた状態で該保護体が該支持体に支持される、
    ことを特徴とする請求項1記載の保護体付ドリル。
  3. 前記支持体には、外部から前記副挿通孔まで貫通し、内周面にねじ溝が設けられる係止孔が形成され、
    前記副挿通孔に前記デプスゲージを挿通するとともに、前記主挿通孔に前記保護体を挿通した状態で、前記支持体は前記ドリルビットの軸方向にスライド可能であり、
    外周にねじ山が設けられた係止具を前記係止孔内に挿通するとともに、該係止具が前記副挿通孔内の前記デプスゲージに当接するまで該係止具を締め込むことによって、前記支持体の前記ドリルビットの軸方向のスライドを規制し得る、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保護体付ドリル。
  4. 前記支持体は、板状の支持本体と、前記副挿通孔が形成された副孔体と、を含んで構成され、
    前記支持本体には、前記主挿通孔が形成されるとともに、ガイド溝が形成され、
    前記デプスゲージは、前記副孔体の前記副挿通孔と、前記ガイド溝と、に挿通され、該デプスゲージの挿通位置は該ガイド溝内で調整可能である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の保護体付ドリル。
JP2021099413A 2021-06-15 2021-06-15 保護体付ドリル Pending JP2022190899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021099413A JP2022190899A (ja) 2021-06-15 2021-06-15 保護体付ドリル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021099413A JP2022190899A (ja) 2021-06-15 2021-06-15 保護体付ドリル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022190899A true JP2022190899A (ja) 2022-12-27

Family

ID=84612855

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021099413A Pending JP2022190899A (ja) 2021-06-15 2021-06-15 保護体付ドリル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022190899A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101947768A (zh) 吸尘装置
JP2011230285A (ja) 付属装置、および付属装置を有する電動作業機よりなるシステム
KR20100002251A (ko) 착암 드릴링 장치의 소음 감쇠 차폐물 구조
JP2022190899A (ja) 保護体付ドリル
JP2013247744A (ja) 掴線器
KR102070412B1 (ko) 앙카의 시공이 용이한 앙카링 장치 및 이를 이용한 앙카 시공방법
JP5436071B2 (ja) 作業工具
JP6125392B2 (ja) 打撃工具
CN104057286B (zh) 一种电动机转子上轴承的安装装置
KR20150139393A (ko) 천공작업과 항타작업을 병행할 수 있도록 진동장치를 일체로 갖춘 오거 크레인
KR20130051360A (ko) 앵커 볼트 고정장치
KR101141414B1 (ko) 타공장치
KR100490471B1 (ko) 휴대형 천공기
JP5555130B2 (ja) 簡易建物の基礎用孔の掘削方法と掘削装置
JP5537335B2 (ja) 集塵装置
JP6412832B2 (ja) 分線金物外し装置及び分線金物の外し方法
KR101825020B1 (ko) 샌드위치 패널의 전기 배선홈 가공장치 및 이를 이용한 전기 배선홈 가공 방법
KR102332269B1 (ko) 틸팅 타입 바이브로 해머
CN211491316U (zh) 一种装载机用轴承快速安装工具
KR102015455B1 (ko) 바이브로 해머 관리장치 및 이의 작동방법
JPH0236008A (ja) アンカーボルトの穴あけ装置
US850885A (en) Means for mounting rock-drilling machines or engines.
JP2005248665A (ja) 鋼管継手管の施工用保護治具および鋼管の施工方法
CN103707264A (zh) 一种射钉枪打钉深度调控装置
KR102565259B1 (ko) 간접활선 작업용 타격공구