JP2022189609A - 撮像装置及び撮像装置の組み立て方法 - Google Patents

撮像装置及び撮像装置の組み立て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置の筐体内部で発生した熱を効率よく放熱する。【解決手段】光学素子を保持する鏡筒と、光学素子により結像された被写体像の取得のための撮像素子と、撮像素子で撮像された撮像画像の画像処理回路を備えた第1のプリント基板と、撮像素子が実装された第2のプリント基板とをカメラハウジングに収納する際に、少なくとも第1のプリント基板に設けられた放熱対象物に対して相対向するように、放熱対象物の方向に突出する伝熱部をカメラハウジングに設ける。そして、伝熱部に熱伝導材を塗布し、伝熱部と放熱対象物を、熱伝導材を介して接触するように第1のプリント基板をカメラハウジングに設けて組み立てる。これにより、第1のプリント基板の放熱対象物で発生した熱を、熱伝導材及び伝熱部を介してカメラハウジングに伝達して、効率よく放熱することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、撮像装置及び撮像装置の組み立て方法に関する。
今日において、ステレオカメラ装置の撮像画像に基づいて検知した前方の車両、障害物、歩行者又は作業者等と、運転車両との相対速度又は相対位置から衝突の危険がある場合に、運転者に注意を促し、また、自動的にブレーキをかけて衝突を回避する運転支援装置が知られている。
また、特許文献1(特開2013-114606号公報)には、車両又は障害物等の検出精度の向上を図った物体検知装置が開示されている。この物体検知装置は、ステレオ画像処理で車両間の相対距離を検出困難なほど離れた距離においては、ステレオカメラの一方のカメラ装置を用いて車両間の相対距離を求める(単眼画像処理)。そして、ステレオ画像処理で算出される相対距離と単眼画像処理で算出される相対距離とを切り替えて他車両情報を取得する。
ここで、撮像装置の撮像素子の画素数を増やすことで、車両又は障害物等の検出精度の向上を図ることができる。しかし、撮像素子の画素数を増やした場合、撮像画像の情報処理量も増加し、撮像素子及び画像処理回路の発熱量が増加し、レンズの位置ずれが発生しやすくなる。このため、レンズを保持するカメラハウジングは、レンズの位置及び姿勢を時間の経過に関わらず安定して維持すると共に、撮像素子及び画像処理回路が設けられたプリント配線基板等で発生した熱を、効率よく放熱する必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、筐体内部で発生した熱を効率よく放熱可能な撮像装置及び撮像装置の組み立て方法の提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光学素子を保持する鏡筒と、光学素子により結像された被写体像の取得のための撮像素子と、撮像素子で撮像された撮像画像の画像処理回路を備えた第1のプリント基板と、撮像素子が実装された第2のプリント基板と、鏡筒、撮像素子、第1のプリント基板、及び、第2のプリント基板を保持するカメラハウジングと、を有する撮像装置であって、カメラハウジングは、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを備え、第1のハウジング部材は、第1のプリント基板及び第2のプリント基板を収容する収容部を備え、第2のハウジング部材は、収容部を封止すると共に、少なくとも第1のプリント基板で発生した熱を移動する第1の伝熱部を有する。
本発明によれば、筐体内部で発生した熱を効率よく放熱できるという効果を奏する。
図1は、左右の単眼のカメラ装置を平行配置したステレオカメラ装置による距離計測の原理を説明するための図である。 図2は、車両に設けられた状態のステレオカメラ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、撮像画像の一例を示す図である。 図4は、ステレオカメラ装置の分解斜視図である。 図5は、ステレオカメラ装置の要部を斜め後ろ側から見た状態の分解斜視図である。 図6は、レンズが設けられている位置からステレオカメラ装置を縦切りにした状態の断面図である。 図7は、プリント基板の中央近辺からx軸方向に沿ってステレオカメラ装置を切断した切断面のうち、プリント基板の周辺部分の断面のみを示した断面図である。 図8は、プリント基板に対する接着剤の付着位置を示す図である。 図9は、上カバーの各嵌合穴に各レンズユニットを螺合した状態で、光軸に沿って上カバーを切断した状態の要部の断面図である。 図10は、各カメラ装置の相対誤差の種類を示す図である。 図11は、補正パラメータ記憶部に記憶された補正パラメータを更新する、ずれ検出部のキャリブレーション処理の流れを示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、実施の形態となるステレオカメラ装置(撮像装置の一例)の説明をする。一例ではあるが、この実施の形態のステレオカメラ装置は、自動車、船舶、飛行体等の移動体に設けられ、移動体の前方(後方又は左右でもよい)の車両、障害物、歩行者又は作業者等を撮像する。左右の撮像画像は、移動体の前方の車両等の物体の検出に用いられる。物体が検出されると、移動体との間の相対速度又は相対位置から衝突の危険度が判定され、運転者に対する注意喚起、又は、自動ブレーキによる衝突回避等の運転支援が行われる。
(距離計測の原理)
まず、図1に、左右の単眼のカメラ装置C0,C1を平行配置したステレオカメラ装置による距離計測の原理を説明するための図を示す。この図1に示すように、各カメラ装置C0,C1は、距離Bだけ離されて設置されている。
各カメラ装置C0,C1の焦点距離を「f」、光学中心を「O0,O1」、撮像面を「s0,s1」とすると、カメラ装置C0の光学中心O0から光軸方向に距離dだけ離れた位置にある被写体Aの像は、直線A-O0と撮像面s0との交点であるP0に像を結ぶ。これに対して、カメラ装置C1では、同じ被写体Aが、撮像面s1上の位置P1に像を結ぶ。
ここで、カメラ装置C1の光学中心O1を通り、直線A-O0と平行な直線(図1中、点線で示す直線)と、撮像面s1との交点をP02とし、この点P02と撮像面s1上の位置P1との距離をpとする。P02は、カメラ装置C0上の像P0と同じ位置であり、距離pは、同じ被写体の像を2台のカメラ装置C0,C1で撮像した画像上での位置のずれ量(視差)を表す。
三角形「A-O0-O1」及び三角形「O1-P02-P1」は相似であるため、距離dは、「d=Bf/p」の演算式で算出できる。各カメラ装置C0,C1の距離B(基線長)と焦点距離fは設計上及び製作上、予め分かっている距離であるため、視差pから被写体Aまでの距離dを求めることができる。
このようなステレオカメラ装置を用いた三角測量で遠距離障害物に対する距離測定精度を向上させるには、各カメラ装置C0,C1の軸間距離である基線長を伸ばすか、各カメラ装置C0,C1の焦点距離を長くする必要がある。しかしながら、基線長を長くすると、各カメラ装置C0,C1間の配置が遠くなり、ステレオカメラ装置が大型化して、車両搭載時に前方の視界を阻害するおそれがある。
一方、車両付近の近距離障害物に対しては、車両の斜め前方まで認識できることが求められる。このため、近距離障害物を撮像するために、視野角の広いカメラ装置を用いる必要がある。しかし、距離測定精度を向上させるためにカメラ装置の焦点距離を長くすると、レンズの特性上、近距離の障害物の測定精度が低下し、カメラ装置の視野角が狭くなるため、測定できる視野が狭くなってしまう。
このため、実施の形態のステレオカメラ装置では、焦点距離が短い一組の広角カメラ装置を用いてステレオカメラ装置を構成する。そして、低速走行時の車両近辺の近距離物体の監視には、ステレオカメラ装置による距離計測によって測距精度を維持する。一方で、測距精度が不十分となる、例えば比較的高速で走行している場合等で必要となる車両の例えば50m以上先の遠距離物体の監視には、ステレオカメラ装置の一方のカメラを用いた単眼による距離計測を行う。これにより、ステレオカメラ装置を大型化することなく、広角近距離から遠距離までの監視を可能としている。
(ステレオカメラ装置のハードウェア構成)
図2は、車両に設けられた状態のステレオカメラ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。この図2において、ステレオカメラ装置100は、左カメラ装置C0、右カメラ装置C1と、各カメラ装置C0、C1の露出及び撮像タイミングを制御するカメラ制御部11とを有している。また、ステレオカメラ装置100は、A/D変換処理された左右の撮像データを、それぞれフレーム単位で記憶するフレームメモリ45,46と、1フレーム毎に読み出した撮像データに対して所定の演算処理を施す画像処理部12とを有している。
画像処理部12は、補正パラメータ記憶部13と、基準となる左カメラ装置C0による撮像データを用いて距離情報を算出する単眼測距部14とに接続されている。補正パラメータ記憶部13としては、例えば不揮発性メモリを用いることができる。補正パラメータ記憶部13には、各カメラ装置C0,C1で発生するディストーション(歪曲収差)を補正するための補正パラメータが記憶されている。この補正パラメータは、多項式近似を用いてディストーションを補正するための補正パラメータとなっている。この補正パラメータは、左カメラC0と右カメラC1のそれぞれのディストーション、及び、車両設置時に付加されるフロントウインドシールド70を含めた光学系全体でのディストーションを、製造時等に計測用パターンの撮像画像を参照して検査し、この検査結果に基づいて生成される。
画像処理部12は、補正パラメータ記憶部13に記憶されている補正パラメータに基づいて、左カメラ装置C0及び右カメラ装置C1で撮像された各撮像データに対して、望遠領域及び広角領域に応じたディストーション補正処理を行う。
単眼測距部14は、基準となる左カメラC0による望遠領域の撮像データについて、オプティカルフローによって画像上の特徴点の動きの差分から距離を推定し、望遠領域の距離情報を算出する。この望遠領域の距離情報は、各カメラ装置C0,C1の撮像データと共に、インタフェイス部15及び車載ネットワーク(CAN:Controller Area Network)を介して、デジタル画像処理モジュール200に送信される。
デジタル画像処理モジュール200は、ステレオカメラ装置100から送信された望遠領域の距離情報及び各カメラ装置C0,C1の撮像データを、インタフェイス部47を介して取得する。ずれ検出部16は、左カメラC0の撮像データに対する、右カメラC1の撮像データの位置ずれを検出し、検出結果を視差演算部17に供給する。
また、ずれ検出部16は、各撮像データに基づいて環境温度及び経年劣化によるディストーション(歪曲収差)の変動を検出し、補正パラメータ記憶部13の補正パラメータを更新するキャリブレーション処理を実行する。
ずれ検出部16は、基準画像となる左カメラC0による広角領域の撮像データに対して、参照画像となる右カメラC1による広角領域画像を順次シフトして基準画像と重ね合わせる。視差演算部17は、両者が一致した時のずれ量(視差)を求める。この処理を、画素単位又は微小領域毎に繰り返し実行することで、広角領域の視差画像データを生成する。このような補正パラメータ記憶部13及びずれ検出部16による処理は、例えばステレオマッチング処理と呼ばれる。
距離画像生成部18は、視差演算部17により出力される広角領域の距離情報の一部を、画像処理部12により出力される望遠領域の距離情報に置き換え、全画角領域の距離画像データを出力する。図3に示すように、例えば120度×40度の全画角のうち、望遠視野に相当する中央の点線の四角で示す40度×10度の画角領域90は、左カメラ装置C0の撮像データのみを用いて距離情報を算出する。また、その周辺の近視野に相当する広画角領域についてのみ計算負荷が高いステレオマッチング処理を行い、距離情報を算出する。こうして生成された距離情報(距離画像データ)は認識処理部19へ送られる。
これにより、人間と物体を見分ける分解能を確保できる。また、例えば広角領域の分解能に合わせる等のように、検出領域の全域にわたって一様の画素数としたことで発生する、望遠領域で処理する画素数が増え、計算の負荷が増大する等の不都合を防止できる。
次に、画像認識処理部19は、距離情報に基づいて、例えば前方車両、歩行者、障害物等の三次元的な形状を認識し、色情報を付加して、車両のECU(Electronic Control Unit)に送信する。車両のECUは、画像認識処理部19の認識結果に基づいて、例えば警報音を鳴動制御し又はブレーキアクチュエータを介して車両を制動制御して衝突防止又は車間距離の調整等を図る運転支援制御を行う。
(ステレオカメラ装置の外観及び内部構成)
次に、図4は、ステレオカメラ装置100の分解斜視図である。また、図5は、ステレオカメラ装置100の要部を斜め後ろ側から見た状態の分解斜視図である。また、図6は、レンズが設けられている位置からステレオカメラ装置100を縦切りにした状態の断面図である。
この図4~図6に示すように、左右のカメラ装置C0,C1は、それぞれ同じ光学特性のレンズユニット21,22、イメージセンサ23,24(撮像素子及び放熱対象物の一例)を実装するプリント基板25、26を備えている。プリント基板25、26は、第2のプリント基板の一例である。イメージセンサ23,24としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等を用いることができる。この左右のカメラ装置C0,C1は、カメラハウジングを構成するアルミダイキャスト又は鉄部材等の耐熱部材により形成された上カバー20と一体的に支持されている。
上カバー20の内面側は、イメージセンサ23,24が設けられたプリント基板25、26及び画像処理部12が設けられたプリント基板41の収納部48となっている。下カバー78は、アルミダイキャスト、鉄部材又はプラスチック部材等により、L字状に成形されている。下カバー78は、上カバー20の下側の開口部に蓋をし、また、上カバー20の後ろ側の開口部に蓋をするかたちで上カバー20と係合し、ねじ52で上カバー20に固定される。この際、プリント基板41は、上カバー20と下カバー78との間に挟まれてねじ52により共締めされる。これにより、プリント基板41の外縁部を介してプリント基板41が電気的に接地される。なお、プリント基板41は、第1のプリント基板の一例である。また、上カバー20は、第1のハウジング部材の一例であり、また、下カバー78は、第2のハウジング部材の一例である。そして、上カバー20及び下カバー78で、カメラハウジングを構成している。
また、ステレオカメラ装置100は、プリント基板41に設けられるコネクタ端子42により、CANに対してケーブル接続される。これにより、ステレオカメラ装置100が、CANを介して、車両のECUの一部に組込まれたデジタル画像処理モジュール200に接続される。
また、コネクタ端子42は、上述のインタフェイス部15に相当する。コネクタ端子42は、上カバー20に形成された仕切壁43により、前面部(被写体側の面部)、上面部及び両側面部が被覆されるように、プリント基板41上に設けられている。換言すると、仕切壁43は、コネクタ端子42の露出している面部のうち、ケーブルが接続される端子が設けられた後面部以外の面部を被覆する。これにより、コネクタ端子42が設けられている物理的領域と上カバー20の収容部48とが、仕切壁43で仕切られるため、コネクタ端子42の周囲の隙間から収納部48に対して塵又は湿気が侵入する不都合を防止でき、電気回路のショート等を回避できる。
なお、プリント基板25,26及びプリント基板41は、車両のフロントウインドシールド70の角度に沿って、運転者の視界の邪魔にならないように、各基板面が直交するように配置されている。また、プリント基板25,26及びプリント基板41を接続するケーブル(FPC:Flexible Printed Circuits)は、内側に折り込んで収納部48内に収納されている。これにより、放射ノイズをシールドすることができる。
次に、2つのレンズユニット21,22は、上カバー20に設けられている嵌合穴27,28に螺合される。これにより、レンズユニット21,22は、それぞれの光軸が平行となるように固定される。なお、レンズユニット21,22及び各嵌合穴27,28で鏡筒を形成している。
イメージセンサ23,24が設けられたプリント基板25,26は、上カバー20に固定されたレンズユニット21,22に対して光軸方向(z方向)及び光軸と直交するxy平面内での位置、及び、xyzの各軸周りのチルト成分αβγの傾きの6軸に対して、適正な結像特性を示すようにアライメント調整される。
(レンズ鏡筒とイメージセンサのプリント基板との接着)
ここで、上カバー20の後面部49には、プリント基板25が接着される「ロの字状」の面部を備えた第1の取付面部31、プリント基板26が接着される「ロの字状」の面部を備えた第1の取付面部32が設けられている。この第1の取付面部31,32に、イメージセンサ23,24が設けられたプリント基板25,26が接着される。
また、上カバー20の後面部49には、第1の取付面部31の左右の側面部の略中央近傍の外側からそれぞれ突出して、第1の取付面部31と同一面上に位置するように、一対の第2の取付面部33が設けられている。同様に、上カバー20の後面部49には、第1の取付面部32の左右の側面部の略中央近傍の外側からそれぞれ突出して、第1の取付面部32と同一面上に位置するように、一対の第2の取付面部34が設けられている。換言すると、一対の第2の取付面部33,34は、第1の取付面部31,32の外周部から、イメージセンサ23,24の反対方向に所定分離間した位置に設けられている。
図7は、プリント基板25の中央近辺からx軸方向に沿ってステレオカメラ装置100を切断した切断面のうち、プリント基板25の周辺部分の断面のみを示した断面図である。この図7において、内側に突出している一対の突出部が、プリント基板25が接着される「ロの字状」の面部を備えた第1の取付面部31である。一対の第2の取付面部33は、第1の取付面部31からそれぞれ所定の距離だけ離れた位置に設けられる。換言すると、第1の取付面部31と一対の第2の取付面部33との間には、溝部55が形成されている。これにより、第1の取付面部31と一対の第2の取付面部33との間は、所定の距離分、離間してる。なお、プリント基板26が接着される「ロの字状」の面部を備えた第1の取付面部32に対する第2の取付面部34の位置関係も、同様の位置関係である。
図7に示す第2の取付面部33とプリント基板25との間、及び、第2の取付面部34とプリント基板26との間には、紫外線硬化型接着剤(UV硬化型接着剤)53が装填される。そして、上述のようにアライメント調整されたプリント基板25、26の位置及び姿勢を維持した状態で、UV硬化型接着剤53に対してUV光を照射し、UV硬化型接着剤53を硬化させる。
これにより、アライメント調整された位置を維持した状態の各プリント基板25,26が、UV硬化型接着剤53を介して第2の取付面部33,34に仮固定される。換言すると、レンズユニット21,22に対してイメージセンサ23,24の撮像面の配置を維持した状態で、各プリント基板25,26の両端部が第2の取付面部33,34に仮固定される。
図8は、各プリント基板25,26のうち、プリント基板25側に対する接着剤の付着位置を示す図である。この図8からわかるように、第2の取付面部33に塗布されたUV硬化型接着剤53が、プリント基板25の左右の両端部近傍に付着してUV硬化されることで、プリント基板25が第2の取付面部33に仮固定される。なお、プリント基板26も、同様に、第2の取付面部34に仮固定される。また、一例ではあるが、UV硬化型接着剤53としては、ヤング率の低いアクリル樹脂又はウレタン樹脂を主剤としたUV硬化型接着剤53を用いることができる。
なお、この例では、第2の取付面部33,34に塗布されたUV硬化型接着剤53にUV光を照射してUV硬化させる例である。しかし、第2の取付面部33,34に熱硬化型接着剤50を塗布し、例えば高エネルギーのレーザ光を照射して熱硬化させ、又は、熱風をノズル噴射して熱硬化させてもよい。これにより、仮固定用の接着剤として、UV硬化型接着剤53の代わりに熱硬化型接着剤50を用いることができる。
一方、第1の取付面部31、32には、「ロの字状」の面部に対して、例えばガラス転移温度が高いエポキシ樹脂を主剤とした熱硬化型接着剤50が、予め塗布されている。このため、プリント基板25をUV硬化型接着剤53で第2の取付面部33に仮固定すると、図8に示すようにイメージセンサ23を囲むように、熱硬化型接着剤50がプリント基板25に付着する。プリント基板26側も同様に、イメージセンサ24を囲むように、熱硬化型接着剤50がプリント基板25に付着する。この状態で、ステレオカメラ装置100を加熱炉に投入すると、熱硬化型接着剤50が熱硬化する(本固定)。これにより、車載で求められる-40℃~80℃の温度環境下でも接着強度を維持可能なステレオカメラ装置100を製造することができる。
このように、上カバー20は、イメージセンサ23,24の周囲を囲うように土手状に形成された第1の取付面部31,32を備えている。また、上カバー20は、第1の取付面部31,32の外側において、プリント基板25,26の外縁近傍を複数個所にわたって仮固定するための第2の取付面部33、34を備えている。
第1の取付面部31,32に対して熱硬化型接着剤50を塗布すると共に、第2の取付面部33、34に対してUV硬化型接着剤53を塗布する。第2の取付面部33、34はイメージセンサ23,24の中心軸に対して対称となる位置に形成されている。
換言すると、視差演算精度に対する影響が大きい方向である、各カメラ装置C0,C1の並列方向に対して、プリント基板25,26の接着個所での引張力が均衡するように、イメージセンサ23,24のy軸を境にして対称となる位置に、第2の取付面部33,34を設けている。なお、x軸(左右軸)の方向は、各カメラ装置C0,C1が並列する方向であり、y軸の方向は、x軸(左右軸)に対して2次元平面上で直交する方向である。これにより、各カメラ装置C0,C1間の光軸の平行度がずれることで、視差演算の精度が低下する不都合を防止できる。
また、UV硬化型接着剤53は、硬化収縮に伴う偏った引張力をプリント基板25,26に与えることがない。このため、アライメント調整されたイメージセンサ23,24の位置を維持した状態でプリント基板25,26を上カバー20に固定することができる。
すなわち、実施の形態のステレオカメラ装置100は、UV硬化型接着剤53として、衝撃と引っ張りに強く、柔軟性が高いアクリル樹脂又はウレタン樹脂を主剤とした接着剤を用いている。これに対して、熱硬化型接着剤50には、耐熱性が高く、硬く強靭なエポキシ樹脂を主剤とした接着剤を用いている。熱硬化型接着剤50及びUV硬化型接着剤53は、図5及び図7等に、第1の取付面部31,32及び第2の取付面部33、34として示すように、それぞれ離隔した位置に塗布している。そして、柔軟性が高いUV硬化型接着剤53を外側となる第2の取付面部33,34に配置している。これにより、上カバー20とプリント基板25,26との熱膨張収縮の違いによるせん断応力により、プリント基板25,26が上カバー20から剥離する不都合を防止できる。
さらに詳細に説明すると、実施の形態のステレオカメラ装置100は、熱硬化型接着剤50として、UV硬化型接着剤53よりも分子間の凝集力、つまりヤング率(弾性率)が同等か、高い物性を有する接着剤を選択する。なお、UV硬化型接着剤53と熱硬化型接着剤50とは主剤が同一であっても構わない。例えば、エポキシ樹脂を主剤として物性を揃え、配合する硬化促進剤を選択することで、工程設計の要件に応じてUV硬化型か、熱硬化型かを使い分けてもよい。
UV硬化型接着剤53を用いることで、アライメント調整後の各部を維持した状態で、上カバー20とプリント基板25,26を短時間で固着できる。また、この状態で熱硬化型接着剤50を熱硬化させることで、アライメント調整後の各部をUV硬化型接着剤53で維持した状態で熱硬化型接着剤50を熱硬化させ、上カバー20及びプリント基板25,26を固着できる。このため、第1の取付面部31、32が、UV光が到達しにくい深部に形成されている場合でも、第2の取付面部33,34及びUV硬化型接着剤53による仮固定により、調整後のアライメントを維持した状態で、熱硬化型接着剤50の熱硬化により、プリント基板25,26を上カバー20に、強固に固着させることができる。また、熱硬化型接着剤50により、イメージセンサ23,24の周囲を包囲するように、第1の取付面部31,32及びプリント基板25,26の隙間を封止できる。このため、第1の取付面部31,32及びプリント基板25,26の隙間から塵又は水滴等が侵入する不都合を防止できる。
なお、本固定用の接着剤として、熱硬化型接着剤50の代わりに、空気中の湿気で硬化する湿気硬化型接着剤等を用いてもよい。または、熱硬化型接着剤50及び湿気硬化型接着剤を併用してもよい。
(温度変化による結像特性の変化の抑制構造)
次に、実施の形態のステレオカメラ装置100の温度変化による結像特性の変化の抑制構造を説明する。実施の形態のステレオカメラ装置100の場合、広角化を図るために、図6に示すように、レンズユニット21、22として、前段の凹レンズと後段の凸レンズの軸芯を合わせてレンズセル60に収納して形成された、いわゆるレトロフォーカスレンズ(逆望遠レンズ)が用いられている。レンズセル60の外周には、光軸を位置決めするための嵌合部62、光軸方向に所定の軸力で締付けるための螺合部63及び係止部64が形成されている。
一般に、広角レンズは、焦点距離が短く、図6に「×印」で示す光学系の主点位置65が、イメージセンサ23側に偏った配置となる。従って、このような配置であっても、嵌合穴27、28内でレンズの位置ずれ及び姿勢変化による主点位置65の変動を生ずることがない保持構造が望まれる。
このため、実施の形態のステレオカメラ装置100の場合、レンズセル60のイメージセンサ23側の端部近傍に設けられた嵌合部62により、少なくとも光学系の主点位置65の位置及び光軸の平行度を維持している。
螺合部63は、レンズセル60の嵌合部62よりも被写体側(レンズセル60の反イメージセンサ23側の端部近傍)に設けられている。係止部64は、螺合部63よりも、さらに被写体側に設けられている。係止部64は、各嵌合穴27,28に螺合したレンズユニット21,22に対して所定の軸力で突き当たる。これにより、各イメージセンサ23,24の中心とレンズユニット21,22の光軸が合致するように位置決めされる。このように、各嵌合穴27,28に対してレンズユニット21,22を螺合させることで、温度変化による膨張収縮、経年劣化によるクリープ(歪みの増大)、振動又は衝撃に耐え得る軸力を保持できる。
また、温度が上昇すると、熱膨張によって、レンズユニット21,22の螺合部63に螺合している部分は、イメージセンサ23,24から遠ざかる方向に移動する。これに対して、レンズユニット21,22の篏合部62に篏合している部分は、イメージセンサ23,24に近づくように移動する。このため、レンズユニット21,22の熱膨張時には、主点位置65は、イメージセンサ23,24に近づくように移動するため、主点位置65とイメージセンサ23,24との間の距離変動を低減でき、温度変化による結像特性の変化を抑制できる。
レトロフォーカスレンズは、絞りを挟んで前群、後群に区分けされ、それぞれ絞りに近いほど光束径が小さく、レンズ口径が小さいため、レンズセル60の前後の開口部から口径の小さい順に奥側に突き当てるかたちで各レンズを挿入し、開口端に留め環を螺合することで所定の軸力をかける構造が用いられる。
各レンズは、レンズセル60内の嵌合穴に各レンズの外周部を嵌合させることで、軸芯が位置決めされ、各レンズ間に間隔環を挟んで光軸方向の位置決めが行われる。つまり、間隔環は、挟持する前後のレンズから受ける光軸方向の圧接力によって、周方向位置が保持される。しかし、間隔環の周方向位置によっては、低温時にレンズセル60の嵌合穴の内径が縮まった際に、周方向に外力が掛かり、歪みが発生することがある。これにより、昇温した際の復元力により、レンズセル60内の嵌合穴のクリアランス内でレンズ軸芯がずれ、ディストーションが変動する不都合を生ずる。
図9は、上カバー20の各嵌合穴27,28にレンズユニット21,22を螺合させた状態で、光軸に沿って上カバー20を切断した状態の要部の断面図である。この図9に示すように、実施の形態のステレオカメラ装置100の場合、間隔環80を調芯して組込んだ状態で、留め環85を締付けて軸力を掛けることで、間隔環80の周方向の位置決めをしている。これにより、低温時にレンズセル60内の嵌合穴の内径が縮まった際にも、レンズ同士が接触しないようにクリアランス82を確保できる。
ここで、カメラ装置C0,C1の平行度の精度には限界があり、各カメラ装置C0,C1の微少な位置ずれより、相対的な誤差が発生する。図10は、各カメラ装置C0,C1の相対的な誤差の種類を示す図である。図10(a)は、横方向の回転ずれを示しており、図10(b)は、縦方向の並進ずれを示している。また、図10(c)は、縦方向の回転ずれを示しており、図10(d)は、光軸周りの回転ずれを示している。
このように各カメラ装置C0,C1には、この図10(a)~図10(c)に例示した相対誤差があり、また、車両搭載時には、フロントウインドシールド70の面うねり等によって光学的な誤差も発生する。このため、左右のカメラ装置C0,C1の各撮像画像の差分により視差演算を行う場合には、複雑なディストーション補正後に補正誤差として残るカメラ装置C0,C1間の映像のずれが許容値以上となると、測距精度の維持が困難となる。
また、イメージセンサ23,24の画素数の増加に伴い、情報処理量が増加する傾向にあっても、イメージセンサ23,24や画像処理回路による発熱の影響を最小限に抑えることが望まれる。
このため、実施の形態のステレオカメラ装置100は、各カメラ装置C0,C1の撮像画像(輝度画像)に対して、それぞれ単眼でのディストーションを補正するまでの画像処理部12を、ステレオカメラ装置100内に設ける。これに対して、双眼での視差演算を実行する視差演算部17は、ステレオカメラ装置100外に設けられたデジタル画像処理モジュール200側に設ける。ステレオカメラ装置100から視差演算部17等の視差演算機能を物理的に切り離すことで、画像処理部12の演算負荷を軽減でき、上カバー20内の温度上昇を抑制して、レンズユニット21、22の位置ずれを防止できる。
(放熱構造)
次に、実施の形態のステレオカメラ装置100の放熱構造を説明する。実施の形態のステレオカメラ装置100は、画像処理部12(放熱対象物の一例)のLSI(Large Scale Integration)素子又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)が設けられたプリント基板41で発生した熱を、主に下カバー78に伝達して放熱する構成となっている。同様に、実施の形態のステレオカメラ装置100は、イメージセンサ23,24が設けられたプリント基板25,26で発生した熱も、主に下カバー78に伝達して放熱する構成となっている。なお、上カバー20及び下カバー78でステレオカメラ装置100の筐体を構成している。
具体的には、図4に示すように、下カバー78には、プリント基板41及びプリント基板25,26の背面に対向する位置に、絞り加工により形成された凸状の台座面部75、76,77が設けられている。台座面部75及び台座面部76は、第2の伝熱部の一例である。台座面部77は、第1の伝熱部の一例である。
各台座面部75、76,77には、放熱グリス51(熱伝導材の一例)が塗布されている。この状態で上カバー20に下カバー78を篏合させると、台座面部75、76,77及びプリント基板25,26,41により押し潰された放熱グリス51が、台座面部75、76,77及びプリント基板25,26,41の隙間に広がる。これにより、各台座面部75、76,77とプリント基板25,26,41とが、それぞれ放熱グリス51を介して接触し、両者の密着性を向上させることができる。また、放熱グリス51が、言わば伝熱回路として機能するため、プリント基板25,26,41で発生した熱を、冷却部材である下カバー78に伝達して放熱できる。
放熱グリス51としては、例えばシリコンオイルに酸化アルミニウム(アルミナ)等の熱伝導性のよい粉末を配合したペースト状の樹脂を用いることができる。また、各台座面部75、76,77及びプリント基板25,26,41により潰されて広がる放熱グリス51の広がり面積は、発熱源であるイメージセンサ23,24及び画像処理部12等を集積するLSI素子又はFPGAの発熱量(消費電力)と放熱グリス51の熱抵抗に基づいて決定している。
また、プリント基板25,26は、直立壁となるため(ステレオカメラ装置100が車両に設置された際に地面と垂直となるため)、台座面部75、76に流れ落ちないように、少なくとも台座面部75,76に塗布する放熱グリス51は、硬化型の放熱グリス51を用いている。
このようなペースト状の放熱グリス51を使用することで、上カバー20及び下カバー78を篏合させた際に、各台座面部75、76,77で押圧されてプリント基板25,26,41に負荷が掛かる不都合を防止できる。なお、放熱グリス51の代わりに、例えばシート状のシリコンパッド等を用いてもよい。この場合も、同様の効果を得ることができる。
また、台座面部75、76,77は、発熱源に近い(温度が高い)部位に対向させて位置させることが、効率のよい排熱の観点からも望ましい。このため、台座面部75,76は、イメージセンサ23,24の実装部に相当するプリント基板25,26の背面に対向するように、また、台座面部77は、プリント基板41に実装される画像処理部12等のLSI素子又はFPGAのパッケージ表面に対向するように、それぞれ下カバー78に設けられている。これにより、効率のよい放熱が可能となっている。
また、下カバー78の外気側の表面は、黒色の塗料が塗布された表面処理が施されており、又は(及び)、下カバー78の外気側の表面は、全体的に凹凸を形成して表面積を広げる表面処理が施されている。これにより、放熱グリス51及び台座面部75、76,77を介して下カバー78に伝達された、イメージセンサ23、24及び画像処理部12等で発生した熱を、下カバー78を介して効率よく放熱できる。
また、図4に示すように、上カバー20には、レンズユニット21,22と篏合する各嵌合穴27,28の間に、放熱フィン29が設けられている。これにより、上カバー20の表面積を広げることができ、レンズユニット21,22の各嵌合穴27,28の近傍の放熱効果を高めることができる。
また、イメージセンサ23、24の画素数を増やすことで、画像処理部12の情報処理量が増加して発熱量が増加しても、上カバー20及び下カバー78を介して効率よく放熱できる。このため、レンズユニット21,22のレンズの、発熱による位置ずれを防止でき、撮像精度を維持することができる。
(キャリブレーション処理)
次に、ステレオカメラ装置100におけるキャリブレーション処理を説明する。実施の形態のステレオカメラ装置100は、ステレオカメラ装置100とは物理的に異なるデジタル画像処理モジュール200に視差演算部17を設けている。視差演算を実行するためには、左のカメラ装置C0で撮像された基準画像に対して、右のカメラ装置C1で撮像された参照画像を順次シフトして基準画像と重ね合わせる必要がある。
図2に示すずれ検出部16は、2台のカメラ装置C0,C1で撮像された画像(輝度画像)に基づいて、フレーム毎の撮像画像の水平方向の位置ずれdx、垂直方向の位置ずれdyを検出する。視差演算部17は、ずれ検出部16で検出された水平方向の位置ずれdx及び垂直方向の位置ずれdyに基づいて、例えばアフィン変換等を用いて撮像画像を水平方向及び垂直方向に移動して画像位置を補正する。そして、視差演算部17は、このように画像位置が補正された各撮像画像に基づいて視差演算処理を行う。
なお、図2に示すステレオカメラ装置100のカメラ制御部11は、ずれ検出部16で検出された位置ずれに応じて、2台のカメラ装置C0,C1のうち、いずれか一方の撮像タイミングを制御する。
ここで、視差演算部17における視差演算精度を向上させるためには、ずれ検出部12で検出されたフレーム毎の撮像画像の位置ずれ(dx,dy)以外に、各カメラ装置C0,C1の光学系の誤差及びフロントウインドシールド70の形状誤差により発生するディストーション(歪曲収差)も補正する必要がある。
左右のカメラ装置C0,C1にそれぞれ設けられた各レンズユニット21,22は、望遠領域のディストーションは小さいが、広角領域のディストーションは大きくなる。図2に示す補正パラメータ記憶部13には、初期(組立時)のディストーション特性に応じて最適化された補正パラメータが記憶されている。
画像処理部12は、広角領域におけるディストーションの増加量に合わせて、ディストーション補正量を段階的に大きくする幾何学的な補正を実行する。これにより、望遠領域のディストーション補正処理画像、及び、広角領域のディストーション補正処理画像が作成される。
また、温度変動等の線形的に発生するレンズの位置ずれ又は姿勢変化に対しては、ずれ検出部16は、撮像画像に発生するディストーションを予め計測して多項式近似処理することで、レンズユニット21、22で理想の元画像を再現可能な補正パラメータを算出して、補正パラメータ記憶部13に設定する。
しかし、各レンズユニット21,22の初期位置は、車両の振動又は環境変化の影響等により、時間の経過と共に変化する。このため、予め想定される線形的な撮像画像のディストーションの変化の傾向に基づいて生成した補正パラメータで撮像画像に発生するディストーションを正確に補正することは、時間経過と共に困難となる。
このため、所定の時間が経過したタイミングで、撮像画像の特徴点に基づいて、撮像画像の歪み方の傾向を検出して撮像画像のディストーションを補正する、二次的な補正が必要となる。ただし、レンズユニット21,22の位置ずれ又は姿勢の変化は、x軸、y軸、z軸、α軸、β軸及びγ軸の各変化が複雑に絡んで発生することが多い。
このため、ずれ検出部16は、例えば深層学習等を利用して、撮像画像の歪み方の傾向と、x軸、y軸、z軸、α軸、β軸及びγ軸の各変化とを関連付けし、ディストーションの変化を発生した軸の変動の組み合わせを分析する。そして、ずれ検出部16は、分析結果に基づいて、補正パラメータ記憶部13の補正パラメータを、所定のタイミングで更新する。
これにより、レンズユニット21,22における、x軸、y軸、z軸、α軸、β軸及びγ軸の位置ずれ又は姿勢の変化に対応したキャリブレーション処理を実行でき、時間経過に影響されることなく、理想の元画像を再現することができる。
このように、ずれ検出部16は、カメラ装置C0,C1の撮像画像の位置ずれ及び回転ずれの検出に加え、ディストーション補正処理後の各撮像画像の歪み方の差を検出し、画像処理部12における補正精度を担保している。
図11は、補正パラメータ記憶部13に記憶された補正パラメータを更新する、ずれ検出部16のキャリブレーション処理の流れを示すフローチャートである。ずれ検出部16は、1フレームのステレオ画像(基準画像、参照画像)に対して、図11のフローチャートに示すキャリブレーション処理を実行する。
この図11のフローチャートにおいて、まず、ステップS1では、画像処理部12が、平行配置された2台のカメラ装置C0,C1で同時に撮像された1フレームの基準画像及び参照画像を取得する。ステップS2では、画像処理部12が、補正パラメータ記憶部13に、現在、記憶されている補正パラメータに基づいてディストーションの補正処理を行う。
次に、ずれ検出部16は、ステップS3において、基準画像内の複数の特徴点を抽出する。また、ずれ検出部16は、ステップS4において、基準画像から抽出した特徴点の周囲の画像と相関性が高い画像を、参照画像から探索する対応点探索を実行する。換言すると、ずれ検出部16は、基準画像から抽出した特徴点に対応する参照画像上の特徴点を探索する対応点探索を実行する。
具体的には、ずれ検出部16は、左右のカメラ装置C0,C1が平行等位であると仮定して、上下左右に対応点の探索を行い、縦横2次元方向の対応位置差(dx,dy)を、基準画像内の複数の特徴点毎に求める。これにより、ずれ検出部16は、基準画像内の複数の特徴点毎に、参照画像上の特徴点の位置と基準画像上の特徴点の位置との差を示す視差の水平方向(横方向)の成分dx及び垂直方向(縦方向)の成分dyと、参照画像上の特徴点の像位置の水平方向の成分xiおよび垂直方向の成分yiと、を含む対応点を求める。
次に、ステップS5では、ずれ検出部16が、探索した対応点の数が閾値を超える数であるか否かを判別する。探索した対応点の数が閾値を超える数である場合(ステップS5:Yes)、ずれ検出部16は、ステップS6において、基準画像上の複数の特徴点に対する参照画像上の対応点とのずれ量が許容値を超えているか否かを判別する。基準画像上の複数の特徴点に対する参照画像上の対応点とのずれ量が許容値を超えていない場合(ステップS6:Yes)、処理がステップS7に進む。そして、このステップS7において、視差演算部17により、基準画像及び参照画像の視差演算が行われる。
これに対して、ステップS5で、対応点の数が閾値未満の数であると判別された場合(ステップS5:No)、及び、基準画像上の複数の特徴点に対する参照画像上の対応点とのずれ量が許容値を超えていない場合(ステップS6:No)、処理がステップS8に進む。ステップS8では、ずれ検出部16が、予め学習させた歪み方のパターン認識によりディストーションを増加させているレンズユニット21、22のずれ因子を特定する。そして、ずれ検出部16は、ずれ因子の特定結果に基づいて、補正パラメータ記憶部13に記憶されている補正パラメータを更新する(ステップS9)。
このようなステップS1~ステップS6、及び、ステップS8~ステップS9の処理を繰り返し実行することで、ディストーションを徐々に改善して元画像に近づけることができる。また、望遠領域と広角領域とに分けてそれぞれ所定の画像処理(補正処理)を実行することで、広角領域での識別精度を確保できると共に、望遠領域での測距精度を確保し、かつ、温度変動及び経時的な変動に伴う精度劣化を最小限に抑えることができる。
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態のステレオカメラ装置100は、下カバー78に、プリント基板41及びプリント基板25,26の背面に対向する位置に、凸状の台座面部75、76,77を設ける。そして、各台座面部75、76,77には、放熱グリス51を塗布し。上カバー20に下カバー78を篏合させる。これにより、台座面部75、76,77及びプリント基板25,26,41により押し潰された放熱グリス51が、台座面部75、76,77及びプリント基板25,26,41の隙間に広がり、両者が放熱グリス51を介して密着する。これにより、放熱グリス51が、言わば伝熱回路として機能し、プリント基板25,26,41で発生した熱を、冷却部材である下カバー78に伝達して放熱できる。
また、実施の形態のステレオカメラ装置100は、イメージセンサ23、24が設けられるプリント基板25,26を、上カバー20に直接締結する構造ではなく、UV硬化型接着剤53及び熱硬化型接着剤50等の接着剤を介して固定する構造としている。UV硬化型接着剤53及び熱硬化型接着剤50等の接着剤は主材が樹脂であるため、熱抵抗が高い。このため、接着剤を介してプリント基板25,26を上カバー20に固定する構造とすることで、プリント基板25,26で発生した熱を、上カバー20に近接するレンズユニット21、22の支持部となっている篏合穴27,28へ伝熱する不都合を防止できる。
また、実施の形態のステレオカメラ装置100は、放熱グリス51を介して下カバー78に熱を移動する熱回路を形成したことで、下カバー78及び下カバー78と接合する上カバー20に効率よく熱を伝熱して放熱できる。このため、プリント基板25,26に実装されるイメージセンサ23,24の温度上昇を回避することができる。
また、直立壁となるプリント基板25,26に対する台座面部75、76には、硬化型の放熱グリス51を用いている。これにより、直立壁となるプリント基板25,26に対応する台座面部75、76から放熱グリス51が流れ落ちる不都合を防止できる。
また、放熱グリス51は、ペースト状であるため、上カバー20及び下カバー78を篏合させた際に、各台座面部75、76,77で押圧されてプリント基板25,26,41に負荷が掛かる不都合を防止できる。
また、台座面部75,76は、イメージセンサ23,24の実装部に相当するプリント基板25,26の背面に対向するように、また、台座面部77は、プリント基板41に実装される画像処理部12等のLSI素子又はFPGAのパッケージ表面に対向するように、それぞれ下カバー78に設けられている。これにより、効率のよく放熱を行うことができる。
また、下カバー78の外気側の表面は、黒色の塗料が塗布された表面処理が施されており、又は(及び)、下カバー78の外気側の表面は、全体的に凹凸を形成して表面積を広げる表面処理が施されている。これにより、放熱グリス51及び台座面部75、76,77を介して下カバー78に伝達された、イメージセンサ23、24及び画像処理部12等で発生した熱を、下カバー78を介して効率よく放熱できる。
また、上カバー20には、レンズユニット21,22と篏合する各嵌合穴27,28の間に、放熱フィン29が設けられている。これにより、上カバー20の表面積を広げることができ、レンズユニット21,22の各嵌合穴27,28の近傍の放熱効果を高めることができる。
また、イメージセンサ23、24の画素数を増やすことで、画像処理部12の情報処理量が増加して発熱量が増加しても、上カバー20及び下カバー78を介して効率よく放熱できる。このため、レンズユニット21,22のレンズの、発熱による位置ずれを防止でき、撮像精度を維持することができる。
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。このような実施の形態及び実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
11 カメラ制御部
12 画像処理部
13 補正パラメータ記憶部
14 単眼測距部
15 インタフェイス部
16 ずれ検出部
17 視差演算部
18 距離画像生成部
19 画像認識処理部
20 上カバー
21 レンズユニット
22 レンズユニット
23 イメージセンサ
24 イメージセンサ
25 プリント基板
26 プリント基板
27 篏合穴
28 篏合穴
29 上カバーの放熱フィン
31 第1の取付面部
32 第1の取付面部
33 第2の取付面部
34 第2の取付面部
41 プリント基板
42 コネクタ端子
43 仕切壁
48 上カバーの収容部
49 上カバーの後面部
50 熱硬化型接着剤
51 放熱グリス
52 ねじ
53 UV硬化型接着剤
60 レンズセル
62 嵌合部
63 螺合部
64 係止部
65 主点位置
70 フロントウインドシールド
75 台座面部
76 台座面部
77 台座面部
78 下カバー
100 ステレオカメラ装置
200 デジタル画像処理モジュール
C0 左のカメラ装置
C1 右のカメラ装置
特開2013-114606号公報

Claims (7)

  1. 光学素子を保持する鏡筒と、
    前記光学素子により結像された被写体像の取得のための撮像素子と、
    前記撮像素子で撮像された撮像画像の画像処理回路を備えた第1のプリント基板と、
    前記撮像素子が実装された第2のプリント基板と、
    前記鏡筒、前記撮像素子、前記第1のプリント基板、及び、前記第2のプリント基板を保持するカメラハウジングと、
    を有する撮像装置であって、
    前記カメラハウジングは、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを備え、
    前記第1のハウジング部材は、前記第1のプリント基板及び前記第2のプリント基板を収容する収容部を備え、
    前記第2のハウジング部材は、前記収容部を封止すると共に、少なくとも前記第1のプリント基板で発生した熱を移動する第1の伝熱部を有すること
    を特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2のプリント基板で発生した熱を移動する第2の伝熱部をさらに有すること
    を特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の伝熱部は、前記第1のプリント基板の放熱対象物の方向に突出する第1の台座面部を備え、
    前記第2の伝熱部は、前記第2のプリント基板の放熱対象物の方向に突出する第2の台座面部を備えること
    を特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の台座面部及び前記第2の台座面部は、それぞれ前記放熱対象物に対して熱伝導材を介して接触すること
    を特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記熱伝導材は、塗布時には未硬化状態であるペースト状の熱伝導グリスであること
    を特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記第1のプリント基板及び前記第2のプリント基板のうち、当該撮像装置が設置された際に地面と垂直となるプリント基板に設けられている放熱対象物と接触する前記第1の台座面部又は前記第2の台座面部に塗布される前記熱伝導材は、硬化型の熱伝導材であること
    を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の撮像装置。
  7. 光学素子を保持する鏡筒と、
    前記光学素子により結像された被写体像の取得のための撮像素子と、
    前記撮像素子で撮像された撮像画像の画像処理回路を備えた第1のプリント基板と、
    前記撮像素子が実装された第2のプリント基板と、
    前記鏡筒、前記撮像素子、前記第1のプリント基板、及び、前記第2のプリント基板を収納するカメラハウジングと、
    を有する撮像装置の組み立て方法であって、
    少なくとも前記第1のプリント基板に設けられた放熱対象物に対して相対向するように、前記放熱対象物の方向に突出する伝熱部を前記カメラハウジングに設け、
    前記伝熱部に熱伝導材を塗布し、前記伝熱部と前記放熱対象物を、前記熱伝導材を介して接触するように前記第1のプリント基板を前記カメラハウジングに設けて組み立てること
    を特徴とする撮像装置の組み立て方法。
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