JP2022189528A - 情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗黙知を適切に活用可能な情報処理装置及び情報処理方法等の提供。【解決手段】 情報処理装置は、介助において利用される情報であって、介助者に対して出力される出力情報と、前記出力情報を出力するための入力情報とが対応付けられた情報を含むノウハウ情報の登録要求を受け付ける処理部と、登録要求に基づいて、ノウハウ情報を記憶する記憶部と、を含み、処理部は、被介助者の状態を表す状態情報の変化と、被介助者の介助に使用されたノウハウ情報とを対応付けた対応付け情報に基づいて、ノウハウ情報の重要度を判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、情報処理装置及び情報処理方法等に関する。
従来、介助者が被介助者の介助を行う場面において利用されるシステムが知られている。特許文献1には、居住空間にセンサを配置し、当該センサにより取得された検知情報の時間変化に基づいて、居住空間に居住する居住者の状態に関する提供情報を生成する手法が開示されている。
特開2021-18760号公報
暗黙知を適切に活用可能な情報処理装置及び情報処理方法等を提供する。
本開示の一態様は、介助において利用される情報であって、介助者に対して出力される出力情報と、出力情報を出力するための入力情報とが対応付けられた情報を含むノウハウ情報の登録要求を受け付ける処理部と、登録要求に基づいて、ノウハウ情報を記憶する記憶部と、を含み、処理部は、被介助者の状態を表す状態情報の変化と、被介助者の介助に使用されたノウハウ情報とを対応付けた対応付け情報に基づいて、ノウハウ情報の重要度を判定する情報処理装置に関係する。
本実施形態の情報処理装置を含む情報処理システムの例。 サーバシステムの構成例。 端末装置の構成例。 ノウハウ情報の登録処理の流れを説明する図。 ノウハウ情報の例。 ノウハウ情報にデバイス等を対応付ける処理の流れを説明する図。 正解データのタグ付けの際に表示される画面例。 登録情報の例。 登録情報の例。 検索処理の流れを説明する図。 リスト情報の例。 ノウハウ情報を使用する処理の流れを説明する図。 第1類似度判定処理の説明図。 第1類似度判定処理の説明図。 状態情報を決定するための調査項目の例。 状態情報を決定するための調査項目の例。 状態情報の変化と使用されたノウハウ情報に基づいて重要度を判定する処理の説明図。 重要度に基づいて推奨ノウハウ情報を提示するユーザページの例。 ニューラルネットワークの構成例。 ニューラルネットワークの入出力の例。 学習処理を説明するフローチャート。 推論処理を説明するフローチャート。 複数の調査項目における評価結果を推定する場合のニューラルネットワークの入出力の例。 食事介助で用いられるノウハウ情報の例。 排泄介助で用いられるノウハウ情報の例。 移乗・移動介助で用いられるノウハウ情報の例。 調査項目ごとの入力データの例。 調査項目ごとの入力データの例。 調査項目ごとの入力データの例。 調査項目ごとの入力データの例。 調査項目ごとの入力データの例。 センシングデータが不足するか否かの判定処理を説明する図。 センシングデータが不足する場合の提案内容と、センシングデータが取得される項目の例。 ノウハウ情報と複数のデバイスとの対応付けの例。 ノウハウ情報に基づいて推奨されるサプライヤを特定する処理の説明図。 推奨されるサプライヤを提示する画面の例。 所与のユーザに関する情報を提示する画面の例。 看取りケアに関する出力情報を提示する画面の例。 介護ソフトウェア上で出力情報に関するマークを提示する画面の例。 介護ソフトウェア上で看取りケアに関する出力情報を提示する画面の例。 食事介助を行う場合のシステム構成例。 第1端末装置に表示される画面例。 出力情報に関するオブジェクトの他の例。 第2端末装置に表示される通知画面の例。 第2端末装置に表示されるステータス画面の例。 所与のユーザに関する情報を提示する画面の例。 適切なデバイスデータ(入力情報)を取得するためのる情報の例。 転倒に関する介助を行う場合のシステム構成例。 第3端末装置に表示される画面例。 第4端末装置に表示される通知画面の例。 第4端末装置に表示される通知画面の例。 第4端末装置に表示されるステータス画面の例。 第4端末装置に表示される詳細画面の例。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
1.システム構成例
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システム10の構成例である。本実施形態に係る情報処理システム10は、例えば介護施設において、介護職員の“勘”や“暗黙知”によって行われる作業について、当該“勘”や“暗黙知”をデジタル化することによって、介護職員の熟練度によらず適切な介助を行えるように、介護職員に情報を提供するものである。以下、説明を簡略化するため、“勘”や“暗黙知”を単に暗黙知とも表記する。また以下では介護施設や病院等において、介助に関する暗黙知を蓄積、利用する手法について説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば施設外で介護が行われる訪問介護で、ヘルパーの介助に関する暗黙知を蓄積、利用してもよい。さらに本実施形態の手法は、熟練者等の暗黙知を、他のユーザに提供するものであり、学校、工場、企業等、暗黙知が用いられる場面に広く適用可能である。
図1に示す情報処理システム10は、サーバシステム100と、端末装置200と、ヘッドセット300を含む。図1では、端末装置200として端末装置200-1及び端末装置200-2の2つを図示し、ヘッドセット300としてヘッドセット300-1及びヘッドセット300-2を図示している。ただし、情報処理システム10の構成は図1に限定されず、一部を省略する、他の構成を追加する等の種々の変形実施が可能である。例えば端末装置200及びヘッドセット300の数は3以上であってもよい。ヘッドセット300を使用せずに端末装置200の音入力部や音出力部で代用してもよい。また、構成の省略や追加等の変形実施が可能である点は、後述する図2や図3等においても同様である。
以下、複数の端末装置200を互いに区別する必要が無い場合、単に端末装置200と表記する。同様に複数のヘッドセット300を互いに区別する必要が無い場合、単にヘッドセット300と表記する。
本実施形態の情報処理装置は、例えばサーバシステム100に対応する。ただし、本実施形態の手法はこれに限定されず、サーバシステム100と他の装置を用いた分散処理によって、情報処理装置の処理が実行されてもよい。例えば、本実施形態の情報処理装置は、サーバシステム100と、端末装置200を含んでもよい。以下、情報処理装置がサーバシステム100である例について説明する。
サーバシステム100は、例えばネットワークを介して端末装置200及びヘッドセット300と接続される。ここでのネットワークは、例えばインターネット等の公衆通信網であるが、LAN(Local Area Network)等であってもよい。例えば、端末装置200及びヘッドセット300は、介護施設の職員や病院の看護師が勤務中に使用する装置である。なお、ヘッドセット300は、サーバシステム100と直接接続可能な機器に限定されず、端末装置200を介してサーバシステム100と接続される機器であってもよい。
また端末装置200も、サーバシステム100と直接通信を行う装置には限定されない。例えば、介護施設等に不図示の中継装置が設けられてもよい。中継装置は、ネットワークを介してサーバシステム100と通信可能な装置である。端末装置200及びヘッドセット300は、介護施設内のLANを用いて中継装置に接続され、当該中継装置を介してサーバシステム100と接続されてもよい。例えば介護施設等では複数の端末装置200、複数のヘッドセット300が同時に使用されることが想定される。中継装置は、サーバシステム100からの情報の送信対象である端末装置200又はヘッドセット300を選択する処理を行ってもよい。あるいは、中継装置は、介護施設の管理者によって使用される管理者端末であり、当該管理者の操作入力に基づいて動作してもよい。例えば中継装置の表示部にサーバシステム100からの情報が表示され、表示結果を閲覧した管理者が、送信先の端末装置200又はヘッドセット300を選択してもよい。また上述したように、本実施形態の情報処理装置は種々の変形実施が可能であり、例えば上記の中継装置が情報処理装置に含まれてもよい。
サーバシステム100は、1つのサーバであってもよいし、複数のサーバを含んでもよい。例えばサーバシステム100は、データベースサーバとアプリケーションサーバを含んでもよい。データベースサーバは、図2を用いて後述する種々のデータを記憶する。アプリケーションサーバは、図4、図6、図10、図12等を用いて後述する処理を行う。なおここでの複数のサーバは、物理サーバであってもよいし仮想サーバであってもよい。また仮想サーバが用いられる場合、当該仮想サーバは1つの物理サーバに設けられてもよいし、複数の物理サーバに分散して配置されてもよい。以上のように、本実施形態におけるサーバシステム100の具体的な構成は種々の変形実施が可能である。
端末装置200は、サーバシステム100によって提供される情報のユーザへの提示、及び、端末装置200のユーザによる情報の入力に用いられる装置である。本実施形態におけるユーザは、例えば介護施設等において、被介助者(患者、入居者)の介助を行う介助者であってもよい。あるいは端末装置200のユーザは、訪問介護を行うホームヘルパーであってもよいし、病院等において患者の介助を行う看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士であってもよい。本実施形態における介助は、日常生活のうち、自分で行える度合いの低いものを援助することを表す。介助には、食事介助、排泄介助、移乗・移動介助等、被介助者に対する種々のケアが含まれる。また本実施形態における介助は、介護や看護に拡張されてもよい。
また本実施形態におけるユーザは、業務として介助を行うユーザに限定されず、被介助者の家族であってもよい。被介助者の家族は、介助に関する専門的な知見を有さない場合もあるため、例えば図4や図6を用いて後述する暗黙知の登録を行わず、専ら他のユーザによって登録された暗黙知を利用するユーザである。ただし、被介助者の家族が、暗黙知の登録を行うことも妨げられない。
介助を行う場面で使用することを考えれば、例えば端末装置200は、携帯が容易なスマートフォンやタブレット端末等である。ただし、図16等を用いて後述する画面は、介助者が介助を行っていない場面で閲覧してもよく、端末装置200はPC(Personal Computer)等であってもよい。
またヘッドセット300は、音を出力するためのイヤホン又はヘッドホンと、音を電気信号に変換し、音声データとして出力するマイクを含む。ヘッドセット300は、ユーザによる発話を音声データとして出力する処理と、サーバシステム100からの情報を音としてユーザに提示する処理を行うデバイスである。
例えば介助者等のユーザは、1つの端末装置200及び1つのヘッドセット300を貸与され、端末装置200及びヘッドセット300を用いてサーバシステム100との通信を行う。ただし、本実施形態の手法はこれに限定されず、ユーザの使用する装置からヘッドセット300が省略されてもよいし、他のウェアラブル機器が追加されてもよい。ここでのウェアラブル機器は、メガネ型の機器であってもよいし、腕時計型の機器であってもよいし、他の形状の機器であってもよい。
図2は、サーバシステム100の詳細な構成例を示すブロック図である。サーバシステム100は、例えば処理部110と、記憶部120と、通信部130を含む。処理部110は、介助において利用される情報であって、介助者に対して出力される出力情報と、当該出力情報を出力するための入力情報とを含むノウハウ情報121の登録要求を受け付ける。記憶部120は、複数の登録要求に基づいて、複数のノウハウ情報121を記憶する。
ここでの出力情報とは、当該出力情報の提示を受けることによって、介助者であるユーザが暗黙知を利用可能となる情報である。出力情報は、例えば介助者の具体的な行動をサポートするための情報であってもよい。介助者は、食事介助、排泄介助等、種々の介助を行う。また各介助において、介助を実行するための具体的な行動を実行する。例えば、食事介助において、介助者は、被介助者を食事に適した姿勢で座らせる、食事をスプーンにとって被介助者の口まで運ぶ等の種々の介助行動を行う。出力情報は、これらの介助行動を表す介助情報であってもよい。例えば、出力情報は、行動を行うべきか否かを表す情報であってもよいし、行動を行う際の正解となるタイミング、動き、姿勢、量等を特定する情報であってもよい。
また熟練の介助者は、特定の被介助者について「転倒しやすそうな気がする」といった勘を働かせることがある。熟練の介助者は、被介助者の状態や、当該被介助者の生活環境等を適切に把握し、被介助者のリスクを自然と推定する能力を有しているためと考えられる。本実施形態の出力情報は、被介助者のリスクを表す情報であってもよい。狭義にはここでのリスクとは、インシデントの発生リスクであって、当該インシデントとは適切な介助によって抑制が可能なインシデントを表す。ここでの出力情報は、介助者に具体的な行動を指示するものである必要は無い。例えば出力情報が、転倒を防止するための具体的な行動を指示する情報でなかったとしても、被介助者の転倒リスクを適切に把握することによって、介助者は当該転倒リスクを考慮した行動を自ら決定することが可能である。
このように、本実施形態の出力情報は、具体的な行動を介助者に指示するための介助情報であってもよいし、介助において有用と考えられる知識を介助者に提供する情報であってもよい。出力情報が後者である場合、具体的な行動内容は介助者に委ねられることになるが、少なくとも出力情報が無い場合に比べて、質の高い介助の実行を促すことが可能である。なお、介助において有用な知識とはリスクに限定されない。例えば食事介助において、料理の態様を提示する情報が出力情報として用いられてもよい。出力情報は、食事介助で用いられる他の知識を表す情報であってもよいし、食事介助以外の介助で用いられる情報であってもよい。
また本実施形態における入力情報は、出力情報を出力するための情報であって、具体的には暗黙知において熟練者が考慮している要素を表す情報であってもよい。例えば出力情報が介助者によって実行される介助行動を表す介助情報である場合、入力情報とは当該介助行動の開始条件を表す条件情報であってもよい。介助においては、同じ介助行動であっても有用な場面とそうでない場面とが存在する可能性がある。例えば熟練者は、第1条件が満たされれば第1行動を実行し、第2条件が満たされれば第2行動を実行するといったように、状況(条件)にあわせて行動を調整することによって質の高い介助を提供する。よってノウハウ情報121の入力情報として条件情報を用いることによって、適切な場面で、介助者に適切な行動を実行させることが可能になる。
ただし、出力情報が介助行動を表す介助情報に限定されないように、入力情報も開始条件を表す条件情報に限定されない。例えば入力情報は、出力情報を求める際の指標となる1または複数の情報であってもよい。上記リスクの例であれば、熟練者は被介助者の身体機能、認知機能、具体的な行動内容等を総合的に判断することによって、勘や暗黙知によって被介助者のリスクを推定可能である。この場合、熟練者の暗黙知を出力情報として利用するためには、入力情報として、身体機能を表す情報、認知機能を表す情報、行動内容を表す情報等が用いられてもよい。リスク以外の情報を出力情報とする場合も同様であり、入力情報は、出力情報を求める際の判断指標となり得る情報を広く含むことが可能である。
なお以下の説明では、入力条件が、所与の開始条件を表す条件情報である例について説明する。また出力情報が、上記開始条件が満たされた場合に実行される介助行動を表す介助情報である例について説明する。ただし以上で説明したように、本明細書における条件情報は、開始条件以外を表す入力情報に拡張することが可能である。また本明細書における介助情報は、介助行動以外を表す出力情報に拡張することが可能である。
本実施形態の処理部110は、下記のハードウェアによって構成される。ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、ハードウェアは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子によって構成できる。1又は複数の回路装置は例えばIC(Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。
また処理部110は、下記のプロセッサによって実現されてもよい。本実施形態のサーバシステム100は、情報を記憶するメモリと、メモリに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサと、を含む。情報は、例えばプログラムと各種のデータ等である。プロセッサは、ハードウェアを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよいし、レジスタであってもよいし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピュータによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令をプロセッサが実行することによって、処理部110の機能が処理として実現される。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
処理部110は、例えば登録処理部111と、検索処理部112と、類似度判定部113と、状態判定部114と、重要度判定部115を含む。
登録処理部111は、ユーザの暗黙知に対応する情報を受け付け、当該情報を記憶部120に記憶するための処理を行う。例えば、登録処理部111は、図4を用いて後述するように、暗黙知をノウハウ情報121として登録するための処理を行う。また登録処理部111は、図6を用いて後述するように、暗黙知をより利用しやすい態様とするために、ノウハウ情報121に対して、デバイス、処理アルゴリズム、パラメータ等を対応付ける登録情報122を作成、更新する処理を行ってもよい。
検索処理部112は、登録処理部111によって登録されたノウハウ情報121の使用を希望するユーザがいる場合に、当該ユーザの検索要求を受け付け、検索結果を提示する処理を行う。また検索処理部112は、検索結果のうちの何れかのノウハウ情報121がユーザによって選択された場合、当該ユーザと当該ノウハウ情報121を対応付ける情報であるリスト情報123を作成、更新してもよい。これにより、各ユーザは、他者が登録したノウハウ情報121を利用することが可能になる。リスト情報123は、より具体的には、所与のユーザが使用中である1または複数のノウハウ情報121の集合である。
類似度判定部113は、2つのノウハウ情報121の間の類似度を判定する第1類似度判定処理を行う。例えば検索処理部112は、上記検索要求を取得した場合に、類似度判定部113から第1類似度判定処理の結果を取得し、当該結果に基づいて、検索結果として提示するノウハウ情報121を決定してもよい。
状態判定部114は、被介助者の状態を表す状態情報を取得する処理を行う。状態情報の詳細、及び、取得処理の詳細については後述する。
重要度判定部115は、被介助者の状態情報の変化と、被介助者の介助に使用された1または複数のノウハウ情報121とを対応付けた対応付け情報に基づいて、ノウハウ情報121の重要度を判定する処理を行う。
記憶部120は、処理部110のワーク領域であって、種々の情報を記憶する。記憶部120は、種々のメモリによって実現が可能であり、メモリは、SRAM、DRAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよいし、レジスタであってもよいし、磁気記憶装置であってもよいし、光学式記憶装置であってもよい。
記憶部120は、ノウハウ情報121、登録情報122、リスト情報123を記憶してもよい。ノウハウ情報121は、開始条件を表す条件情報と、当該開始条件が満たされた場合に実行すべき介助行動を表す介助情報とが対応付けられた情報である。条件情報及び介助情報は、例えばテキストである。
登録情報122は、ユーザによって登録された1または複数のノウハウ情報121を含む。登録情報122は、例えばノウハウ情報121に対して、少なくとも開始条件の判定を自動化するためのデバイス(センサ)や、開始判定の具体的な処理内容が対応付けられた情報である。ただし登録情報122が、デバイス等との対応付けが行われていない情報を含むことは妨げられない。リスト情報123は、所与のユーザが使用中の1または複数のノウハウ情報121の集合である。各情報の詳細については後述する。また、記憶部120はこれ以外の情報を記憶してもよい。
通信部130は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェイスであり、例えばアンテナ、RF(radio frequency)回路、及びベースバンド回路を含む。通信部130は、処理部110による制御に従って動作してもよいし、処理部110とは異なる通信制御用のプロセッサを含んでもよい。通信部130は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に従った通信を行うためのインターフェイスである。ただし具体的な通信方式は種々の変形実施が可能である。
図3は、端末装置200の詳細な構成例を示すブロック図である。端末装置200は、例えば処理部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240と、操作部250を含む。
処理部210は、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むハードウェアによって構成される。また処理部210は、プロセッサによって実現されてもよい。プロセッサは、CPU、GPU、DSP等、各種のプロセッサを用いることが可能である。端末装置200のメモリに格納された命令をプロセッサが実行することによって、処理部210の機能が処理として実現される。
記憶部220は、処理部210のワーク領域であって、SRAM、DRAM、ROM等の種々のメモリによって実現される。
通信部230は、ネットワークを介した通信を行うためのインターフェイスであり、例えばアンテナ、RF回路、及びベースバンド回路を含む。通信部230は、例えばネットワークを介して、サーバシステム100との通信を行う。
表示部240は、種々の情報を表示するインターフェイスであり、液晶ディスプレイであってもよいし、有機ELディスプレイであってもよいし、他の方式のディスプレイであってもよい。操作部250は、ユーザ操作を受け付けるインターフェイスである。操作部250は、端末装置200に設けられるボタン等であってもよい。また表示部240と操作部250は、一体として構成されるタッチパネルであってもよい。
また端末装置200は、発光部、振動部、音入力部、音出力部等、図3には不図示の構成を含んでもよい。発光部は例えばLED(light emitting diode)であり、発光による報知を行う。振動部は例えばモータであり、振動による報知を行う。音入力部は例えばマイクであり、音出力部は例えばスピーカであり、音による報知を行う。また端末装置200は、加速度センサやジャイロセンサ等のモーションセンサ、撮像センサ、GPS(Global Positioning System)センサ等の種々のセンサを含んでもよい。
2.データの登録
以下、図4~図9を用いて、サーバシステム100の記憶部120にノウハウ情報121を登録する処理について説明する。以下の処理は、介助者や看護師であるユーザが、自身の暗黙知を、他者に利用可能な態様で蓄積するための処理である。
2.1 テキストによる登録処理
まずユーザは、「xxxしたら、yyyをする」という開始条件と、当該開始条件が満たされたときに実行すべき介助行動とを含むテキストを入力する。このようにすれば、対象となるユーザが介助を行う上で重要と考える状況及び行動をサーバシステム100に蓄積することが可能になる。
図4は、ノウハウ情報121の登録処理の流れを説明する図である。この処理が開始されると、まずユーザは、ヘッドセット300のマイクに向かって、上記の「xxxしたら、yyyをする」という内容の発話を行う。ステップS101において、ヘッドセット300は、ユーザの発話を音声データに変換し、当該音声データを端末装置200に送信する。なお音声入力の前段として、所与のトリガーワードの認識処理が行われてもよいし、ヘッドセット300に設けられた操作部の操作が行われてもよい。
ステップS102において、端末装置200は、ヘッドセット300から送信された音声データに対して音声認識処理を行う。音声認識処理では、まず音声データから特徴量を抽出する音響分析が行われる。音響分析の結果に対して、音響モデルを用いて特徴の近い音素を特定する処理が行われる。さらに発音辞書や言語モデルを用いて、音素を単語、文章に変換することによって音声認識結果が取得される。音声認識結果とは、音声データをテキストに変換した変換結果を表すデータである。なお本実施形態の音声認識処理では、公知の手法を広く適用可能であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
ステップS103において、端末装置200は、音声認識処理の結果であるテキストをサーバシステム100に送信する。ステップS103で送信されるデータは、例えば、「xxxしたら、yyyをする」というテキストである。あるいは、端末装置200は、音声認識処理において、「・・・したら」「場合に」「ときに」等のワードを検出することによって、開始条件と介助行動を表す2つのテキストを取得してもよい。上記の例であれば「xxxした」が開始条件を表すテキストであり、「yyyをする」が介助行動を表すテキストである。
ステップS104において、サーバシステム100の登録処理部111は、取得したテキストに基づいて、ノウハウ情報121を記憶部120に記憶する処理を行う。例えば、登録処理部111は、テキストの送信元であるユーザを特定する情報を記憶する。ユーザを特定する情報は、ヘッドセット300に割り当てられた識別情報であってもよいし、端末装置200に割り当てられた識別情報であってもよい。あるいは、ユーザを特定する情報は、ユーザを一意に特定するユーザIDであってもよい。例えば登録処理部111は、ユーザIDと、開始条件を表すテキストと、介助行動を表すテキストを含む情報を、ノウハウ情報121として記憶部120に記憶する。
図5は、ステップS104において記憶されるノウハウ情報121の例である。図5におけるIDは、ノウハウ情報121を一意に特定する情報である。なお、開始条件と介助行動の組によってノウハウ情報121を一意に特定可能である場合、IDは省略されてもよい。登録ユーザは、対象のノウハウ情報121を登録したユーザを表すユーザID等である。開始条件、介助行動については上記の通り、ユーザ入力に基づくテキストである。なお開始条件を表す条件情報は、テキストのみに限定されず、音声データを含んでもよいし、音声認識処理の結果を含んでもよい。音声認識処理の結果とは、例えば形態素解析の結果であって、形態素と品詞を対応付けた情報等である。また介助行動を表す介助情報についても同様であり、音声データや、音声認識処理の結果を含んでもよい。
また図5に示すように、登録処理部111は、ノウハウ情報121として上記以外の情報を登録する処理を行ってもよい。例えばノウハウ情報121は、介助行動が行われる状況を特定する情報を含んでもよい。例えばノウハウ情報121は、介助行動が食事介助、排泄介助、移乗・移動介助等の種々の介助のうち、いずれの種類の介助において実行されるかを表す情報を含む。またノウハウ情報121は、ユーザが介助を行う対象である被介助者の属性を表す情報を含んでもよい。ここでの属性は、被介助者の年齢、性別、身長、体重、既往歴、投薬履歴等の情報を含む。またノウハウ情報121は、被介助者の身体的評価を表す身体評価データを含んでもよい。身体評価データは、ADL(Activities of Daily Living)の評価値、リハビリの履歴、転倒リスク、褥瘡リスク等の情報を含む。このようにすれば、暗黙知を表すノウハウ情報121を、どのような種類の介助において、どのような被介助者を対象として使用すればよいかを記憶することが可能になる。
なお、介助の種類、被介助者の属性、身体評価データ等の付加情報は、ユーザが自発的に入力を行うものであってもよい。例えば、ユーザは、「xxxしたら、yyyをする」との発話の他に、「食事」、「高身長」等のワードを含む発話を行う。またユーザは、「高身長の患者が食事中にxxxしたら、yyyをする」等、付加情報を含む一連の発話を行ってもよい。
またサーバシステム100が、「どのような場面で使用しますか?」、「どのような被介助者に対して使用しますか?」等の質問をヘッドセット300に送信してもよい。ユーザが当該質問に音声で回答し、回答結果を表すテキストがサーバシステム100に送信されることによって、上記付加情報が取得される。
このように本実施形態では、暗黙知が、テキストを含むノウハウ情報121としてサーバシステム100の記憶部120に蓄積される。ユーザは、介助を行っていく中で自身が重要と考えた開始条件及び介助行動を、ヘッドセット300を用いてつぶやけばよいため、複雑な操作入力が不要である。そのため、介護や医療の現場で使用されている暗黙知を、大量に収集することが容易になる。
またノウハウ情報121の収集が進んだ場合、サーバシステム100は当該ノウハウ情報121の解析処理を行ってもよい。例えば処理部110は、各ノウハウ情報121に基づいて特徴量を求めることによって、各ノウハウ情報121を特徴量空間上にマッピングする処理を行ってもよい。例えば処理部110は、特徴量空間において密な領域を求めることによって、暗黙知の中でも特に重要な情報を推定することが可能になる。
なお、図4では端末装置200において音声認識処理が行われる例を示したがこれには限定されない。例えば端末装置200はヘッドセット300から受信した音声データをサーバシステム100に送信してもよい。この場合、サーバシステム100の処理部110が、音声認識処理を行ってもよい。また音声認識処理は外部の音声認識サーバにおいて実行されてもよい。
またユーザの入力は音声ではなく、テキストを用いて行われてもよい。例えば端末装置200は、ユーザによる文字入力操作を受け付けることによって、「xxxしたら、yyyをする」等のテキストを取得してもよい。テキストを取得した後の処理については、図4の例と同様である。
2.2 デバイスと対応付け
図4に示す処理を行うことによって、例えば「食事中に顔がふらふらし出したら」という開始条件と、「食事の提供を中止する」という介助行動を含むノウハウ情報121が登録されたとする。これらのテキストは、食事介助における注意喚起を行うことができるため、意義のある情報である。
ただし本実施形態の手法は、暗黙知をテキストデータとして蓄積するものに限定されず、さらなる情報を関連付けてもよい。例えば登録処理部111は、開始条件を自動的に判定するための情報を、ノウハウ情報121に関連付ける。このようにすれば、「顔がふらふらし出した」という条件が満たされたか否かを、サーバシステム100において自動的に判定できる。結果として、ユーザごとの判断のばらつきを抑制できるため、熟練度の低いユーザに、熟練度の高いユーザと同様の行動を行わせることが可能になる。
具体的には、本実施形態では、データ収集を行うセンサを有するデバイスを特定する情報、及びセンサからのセンサ情報に対する具体的な処理内容を特定する情報等が、ノウハウ情報121に関連付けられてもよい。以下、図6~図8を用いて説明する。
図6は、自動化用の情報を収集する処理の流れを説明する図である。まずステップS201において、登録処理部111は、開始条件を表す条件情報から、解釈が必要な部分を抽出する。解釈が必要な部分とは、具体的には、サーバシステム100による自動的な判定の対象となる部分であり、例えば被介助者の動き、被介助者の状態、被介助者の環境等を表すテキストである。
例えば「食事中に顔がふらふらし出したら」という開始条件であれば、「ふらふら」というテキストは開始条件の判定において検出すべき被介助者の動きを表す。また、「顔が」という部分は、動きの検出対象となる部位を特定する情報である。よって登録処理部111は、「食事中に顔がふらふらし出したら」のうち、「顔がふらふらし出した」という部分を解釈が必要な部分として抽出する。
同様に、「スプーンのご飯を少ししか食べなかったら」という開始条件に、「食べやすい姿勢に変更する」という介助行動が対応付けられたノウハウ情報121であれば、「食べなかった」が直接的な被介助者の動きを表す。またこの場合、「ご飯を」は食べる対象となるものを表すため判定に利用される。また「スプーンの」という部分も、ご飯の位置する箇所を特定するものであり、判定に利用可能である。また「少ししか」も量の基準を与えるものであり、判定に利用可能である。よって登録処理部111は、例えば「スプーンのご飯を少ししか食べなかった」というテキストを、解釈が必要な部分として抽出する。
以上のように、登録処理部111は、例えば自然言語処理における形態素解析等を行うことによって、解釈が必要な部分を特定してもよい。例えば登録処理部111は、上記のように、形態素解析の結果に基づいて、まず動きや状態を表す語句を抽出する。さらに登録処理部111は、目的語となる名詞句や、動きや状態を修飾する副詞句、形容詞句等を順次抽出する処理を行ってもよい。例えば図4のステップS102に示した音声認識処理の中で形態素解析が行われる場合、登録処理部111は、音声認識処理の結果に基づいて、解釈が必要な部分を抽出してもよい。
あるいは、サーバシステム100の記憶部120は、介助において検出すべき必要性の高い動き、状態等を表すワードをあらかじめ記憶しておいてもよい。登録処理部111は、それらのワードと、開始条件を表すテキストの比較処理に基づいて、解釈が必要な部分を抽出してもよい。その他、解釈が必要な部分を抽出する処理は種々の変形実施が可能である。例えばノウハウ情報とそのノウハウ情報のうち解釈が必要な部分の情報の訓練データを用いてニューラルネットワーク等に機械学習をさせて、学習済みのモデルを用いて解釈が必要な部分を自動的に抽出してもよい。以下、ニューラルネットワークをNNと表記する。またNNの例については図17等を用いて後述する。
ステップS202において、登録処理部111は、解釈が必要な部分の抽出結果に基づいて、処理に必要なセンサを含むデバイスを特定する。例えば登録処理部111は、「顔がふらふらし出した」という開始条件を判定する場合、被介助者の顔(頭部)の動きを検出する必要があると判定する。例えば登録処理部111は、被介助者の顔を撮像可能なカメラや、頭部に装着可能であってモーションセンサを含むウェアラブル機器等を、処理に必要なデバイスとして特定する。例えば、サーバシステム100の記憶部120は、被介助者の部位ごとに、当該部位の動きを検出可能な1または複数のデバイスをあらかじめ記憶しておいてもよい。また、例えば開始条件のテキスト情報と、処理に必要なデバイスの訓練データを用いてニューラルネットワーク等に機械学習をさせて、学習済みのモデルを用いて処理に必要なデバイスを自動的に特定してもよい。
また「スプーンのご飯を少ししか食べなかった」ことを判定するデバイスとしては、介助者の手元又は被介助者の口元を撮像可能なカメラ等が、処理に必要なセンサを含むデバイスとして特定される。
ステップS203において、登録処理部111は、対象のユーザが特定されたデバイスを利用可能であるかを判定する。ここでのユーザは、例えば図4の処理を行うことによってノウハウ情報121を登録した登録ユーザである。
例えば記憶部120は、各ユーザについて、当該ユーザが利用可能なデバイスリストをあらかじめ記憶している。デバイスリストは、スマートフォン、ヘッドセット、メガネ型ウェアラブル機器、時計型ウェアラブル機器、被介助者の生体情報を取得できる機器等の具体的な機器を特定する情報である。より具体的には、デバイスリストは、単にスマートフォンという情報を記憶するだけでなく、当該スマートフォンのメーカや、製品の型番等を記憶してもよい。
またユーザが利用可能なデバイスは、当該ユーザが装着、携帯する機器に限定されず、介護施設等に配置されるデバイスであってもよい。例えばデバイスリストは、対象ユーザの勤務環境に配置されるカメラを含んでもよいし、他のセンサデバイスを含んでもよい。センサデバイスに含まれるセンサは種々の変形実施が可能であり、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、気圧センサ、活動量計、臭気センサ等、種々のセンサを利用できる。
ステップS203において、登録処理部111は、ステップS202で特定されたデバイスと、登録ユーザが使用可能なデバイスリストとを比較する。上記の例であれば、登録処理部111は、デバイスリストに含まれる各デバイスが、被介助者の顔を撮像可能であるか、あるいは、モーションセンサを含み且つ頭部に装着可能であるかを判定する。
登録処理部111は、登録ユーザが特定されたデバイスを利用可能でないと判定した場合、ステップS204以下の処理を省略する。この場合、登録されたノウハウ情報121には、デバイス等が対応付けられない。即ち、当該ノウハウ情報121は、「xxxした」場合に「yyyをする」といったテキストの形式で利用され、自動的な開始条件の判定等は行われない。
なお、登録処理部111は、通信部130を介して特定されたデバイスを利用可能でない旨の情報を端末装置200に指示し、端末装置200がメッセージを表示してもよい。登録ユーザが特定されたデバイスを利用可能であると判定した場合、登録処理部111は、開始条件を自動的に判定するために必要な情報を決定する。例えば、登録処理部111は、デバイスがデバイスデータを収集するための第1処理アルゴリズム、収集されたデバイスデータに対する処理を行うための第2処理アルゴリズム、及び、当該第2処理アルゴリズムにおいて利用されるパラメータの決定を行う。なおデバイスデータとは、具体的には、デバイスが有するセンサによって検出されるセンサ情報である。例えば、スマートフォン等のカメラを有するデバイスが特定された場合のデバイスデータ(センサ情報)は、カメラによって撮像された画像データである。
ステップS204において、登録処理部111は、上記第1処理アルゴリズムを決定する。換言すれば、登録処理部111は、センサ情報を取得する際の処理内容を決定する。
例えば「顔がふらふら」したという開始条件の判定を自動化する場合、登録処理部111は、「顔がふらふら」している場合と、「顔がふらふら」していない場合とで、識別可能な差異が生じる情報を、センサ情報として取得する必要がある。即ち、この場合のセンサ情報は、被介助者の顔の動きを検出した結果を表す情報であり、例えば被介助者の頭部を含む範囲を撮像した1秒程度の動画像であってもよいし、被介助者の頭部に装着されたモーションセンサの1秒程度の時系列データであってもよい。
例えば記憶部120は、「ふらふら」等の動きを表すワードに対して、複数の第1処理アルゴリズムを対応付けたテーブルを記憶してもよい。「顔がふらふら」したか否かを検出する例であれば、第1処理アルゴリズムとは、動画像を撮像し、1秒ずつに区分して出力する処理をカメラ(撮像センサ)に実行させるアルゴリズムである。あるいは第1処理アルゴリズムとは、加速度データ及び角速度データを時系列に取得し、1秒ずつに区分して出力する処理をモーションセンサに実行させるアルゴリズムである。登録処理部111は、ステップS201で抽出したワードに基づいてテーブルを特定し、当該テーブルに含まれる第1処理アルゴリズムのいずれかを選択する処理を行う。なお、図6では省略しているが、登録処理部111は、特定したテーブルに含まれる複数の第1処理アルゴリズムを端末装置200で表示する処理を行い、ユーザによる選択操作を受け付けてもよい。
第1処理アルゴリズムが決定されることによって、デバイスデータ(センサ情報)の収集が可能になる。次に処理部110(登録処理部111)は、デバイスによって取得される複数のデバイスデータを収集する処理と、複数のデバイスデータのそれぞれについて、正解タグの付加要求を、登録ユーザが使用する端末装置200に送信する処理を行う。ここでの正解タグは、複数のデバイスデータのそれぞれが、開始条件を満たす場合のデータであるか否かの、登録ユーザによる判定結果を表す。このようにすれば、開始条件の判定処理における入力データと、当該入力データが入力された際に出力されるべき正解データとを対応付けた情報を収集できる。登録処理部111は、これらに基づいて、第2処理アルゴリズムにおいて使用されるパラメータを決定できる。パラメータについては後述する。本実施形態の手法によれば、登録ユーザの判定基準がパラメータに反映されるため、当該登録ユーザの暗黙知を適切にデジタル化することが可能になる。以下、具体的な処理を説明する。
ステップS205において、登録処理部111は、通信部130を介してサンプルとなるデバイスデータ(以下、サンプルデータとも記載)の収集を端末装置200に指示する。例えば登録処理部111は、上述した第1処理アルゴリズムに対応する処理を実行させるプログラムを送信してもよい。ステップS206において、端末装置200は、センサにサンプルデータの収集を指示する。なお、ここでのセンサは、端末装置200に含まれてもよいし、端末装置200とは異なるセンサデバイスに含まれてもよい。即ち、ステップS206において、端末装置200は、内部のセンサを制御する処理を行ってもよいし、外部のデバイスにデータ収集を指示する情報を送信してもよい。端末装置200又はセンサデバイスは、登録処理部111から送信された上記プログラムをインストールすることによって、サンプルデータの収集を開始する。
ステップS207において、センサはサンプルデータを収集する。ステップS208において、センサは収集したサンプルデータを端末装置200に送信する。ステップS209において、端末装置200はサンプルデータをサーバシステム100に送信する。ステップS210において、サーバシステム100の登録処理部111は、受信したサンプルデータを記憶部120に記憶する。
ステップS207~S210の処理によって、1つのサンプルデータがサーバシステム100の記憶部120に記憶される。本実施形態では、所定数のサンプルデータが蓄積されるまで、ステップS207~S210の処理が繰り返される。例えば登録ユーザが、図4に示す処理を行った後、通常の業務を継続していく中で、徐々にサンプルデータの収集が進められる。例えば「食事中に顔がふらふらし出した」という開始条件が登録された場合、登録ユーザが食事介助を行う際に、スマートフォンのカメラがONに制御されることで、被介助者の頭部を撮像したサンプルデータが自動的に収集される。そして登録ユーザがある程度の期間、食事介助を含む業務を継続することで、所定数のサンプルデータの収集が完了する。
所定数のサンプルデータの収集が完了したと判定した場合、ステップS211において、登録処理部111は、サンプルデータ表示用の画面情報を生成する処理を行う。ステップS212において、登録処理部111は、画面情報を端末装置200に送信する。ステップS213において、端末装置200の表示部240は、サンプルデータを表示する。なおここでの画面情報は、表示画面そのものであってもよいし、表示画面を特定可能な情報であってもよい。
図7は、ステップS213において表示部240に表示される画面の例である。例えば、サンプルデータが、被介助者の頭部を撮像した1秒程度の動画像である場合、表示部240は各動画像のサムネイルを含む画面を表示する。また表示部240は、各サンプルデータが開始条件を満たしているか否かの入力をユーザに促す画面を表示してもよい。図7の例であれば、表示部240は、『「顔がふらふらし出した」データを選択してください』というテキストを表示している。
ステップS214において、端末装置200は、各サンプルデータが開始条件を満たしているか否かを表す正解データを取得する。例えばユーザは、図7の画面に基づいて、操作部250を用いて「顔がふらふらし出した」データを選択する操作を行う。例えば端末装置200は、選択されたサンプルデータに対応する正解データとして、正解であることを表す正解タグを取得する。また端末装置200は、ユーザ操作完了時に選択されていないサンプルデータに対応する正解データとして、不正解であることを表す不正解タグを取得する。
またステップS214において、端末装置200は、ユーザによる判断の観点に関する情報を取得してもよい。例えば「顔がふらふら」したか否かを判断する際、基準となる位置からの最大の移動量の大小を判断基準とすることが考えられる。ここでの基準位置とは、例えば椅子やベッドにまっすぐ座っている状態における顔の位置であってもよいし、撮像画像における中央等が用いられてもよい。あるいは、基準位置とは無関係に1回の頭の移動量の大小を判断基準とすることも可能である。即ち、同じ「ふらふら」というワードが抽出されたとしても、それに対する判断はユーザに応じて異なる場合がある。
記憶部120は、例えば「ふらふら」等の動きを表すワードに対して、複数の観点を表す情報を対応付けたテーブルを記憶してもよい。例えばテーブルは、「画像の基準位置に対する頭部の最大の移動角度が閾値αより大きい」という観点と、「1回の頭部の移動角度が閾値βより大きい」という観点の2つを記憶する。登録処理部111は、例えばステップS212において、テーブルに含まれる複数の観点のいずれかの選択を促す表示画面を送信してもよい。そして端末装置200は、ステップS214において、正解データの受付とともに、判断の観点に関する情報を受け付ける。
ステップS215において、端末装置200は、正解データをサーバシステム100に送信する。また上記のように判断の観点が入力された場合、端末装置200は、当該観点に関する情報をサーバシステム100に送信する。
ステップS216において、まず登録処理部111は、デバイスデータを入力とし、開始条件が満たされたか否かを表す出力データを出力するための第2処理アルゴリズムを決定する処理を行う。例えば登録処理部111は、ステップS215において取得した、判断の観点に関するユーザ入力に基づいて、第2処理アルゴリズムを決定する。例えば、「画像の基準位置に対する頭部の最大の移動角度が閾値αより大きい」という観点が選択された場合、第2処理アルゴリズムは、「画像の基準位置に対する頭部の最大の移動角度」を求める処理と、求められた移動角度と閾値αを比較する処理を含むアルゴリズムである。「1回の頭部の移動角度が閾値βより大きい」という観点が選択された場合、第2処理アルゴリズムは、「1回の頭部の移動角度」を求める処理と、求められた移動角度と閾値βを比較する処理を含むアルゴリズムである。また、動画像を対象とする場合と、時系列の加速度データ等を対象とする場合とで、具体的な処理内容は異なることが想定される。よって第2処理アルゴリズムは、デバイスの種類(センサの種類)や第1処理アルゴリズムの内容に応じて決定されてもよい。
ただし、上記第2処理アルゴリズムにおけるパラメータであるαやβは未知である。よってステップS216において、登録処理部111は、サンプルデータと正解データに基づいて、パラメータを演算する処理を行う。例えば登録処理部111は、サンプルデータに対して、第2処理アルゴリズムに従って「画像の基準位置に対する頭部の最大の移動角度」を求める。そして登録処理部111は、正解タグが付されたサンプルデータについては移動角度がαより大きくなり、且つ、不正解タグが付されたサンプルデータについては移動角度がα以下となるような最も確からしいαを求める処理を行う。
例えば登録処理部111は、正解タグが付与されたサンプルデータと、不正解タグが付与されたサンプルデータをSVM(support vector machine)を用いて分類してもよい。例えば登録処理部111は、正解タグが付与されたサンプルデータと、不正解タグが付与されたサンプルデータを分離する超平面を求め、当該超平面に基づいてαやβ等のパラメータを決定する。
なお第2処理アルゴリズムは上記の例に限定されず、NNが用いられてもよい。例えば記憶部120は、複数の第2処理アルゴリズムとして、互いに構造の異なる複数のNNを記憶してもよい。例えば記憶部120は、画像データを入力とする処理に好適なNNであるNN1と、モーションセンサからの加速度データや角速度データを入力とした処理に好適なNNであるNN2を記憶する。ステップS216において、登録処理部111は、自動的に、又は、ユーザ入力に基づいて、NN1及びNN2を含む複数のNNのいずれかを選択する処理を行う。なお、NN1は例えばCNN(Convolutional Neural Network)である。NN2は例えばDNN(Deep Neural Network)である。
そしてステップS216において、登録処理部111は、NNを用いた学習処理を行ってもよい。例えば登録処理部111は、サンプルデータをNNに入力し、その際の重みを用いて順方向の演算を行うことによって、出力データを求める。また登録処理部111は、出力データと正解データに基づいて目的関数(例えば平均2乗誤差関数等の誤差関数)を求め、誤差逆伝播法等を用いて誤差を小さくするように重みを更新する。登録処理部111は、学習が終了した際の重みを含むNNを、学習済モデルとして記憶部120に記憶してもよい。即ち、NNを用いる場合、当該NNの構造が第2処理アルゴリズムに対応し、重みがパラメータに対応する。
ステップS217において、登録処理部111は、サンプルデータの取得に使用されたデバイス、当該デバイスのデバイスデータ(センサ情報)に対する処理内容、及び、特定したパラメータを、ノウハウ情報121に対応付けて記憶部120に記憶する。
図8は、ステップS217において記憶される登録情報122の例である。図8に示すように登録情報122は、デバイスを対応付けたユーザを表すユーザIDと、ノウハウ情報121を表すIDと、デバイスと、処理プログラムと、を含む。なお、ここでのユーザは、例えば図4を用いてノウハウ情報121を登録した登録ユーザである。登録情報122に含まれるデバイスは、例えば上記の通り、機器のメーカや型番等の情報である。処理プログラムは、例えば第2処理アルゴリズムとパラメータの組であり、重みを含むNNであってもよい。また、以下では登録情報122に含まれる処理プログラムが、第2処理アルゴリズム及びパラメータである例について説明するが、ここでの処理プログラムは、上述した第1処理アルゴリズムを含んでもよい。このようにすれば、第2処理アルゴリズムの処理対象となるデバイスデータを取得するための第1処理アルゴリズムについても、登録情報122を用いて管理することが可能になる。
図5のノウハウ情報121と図8の登録情報122を用いることによって、開始条件の自動判定が可能になる。例えば、図5のID1に対応するノウハウ情報121であれば、Device1のデバイスデータに対して、PG1に従った処理を行うことによって、if1という開始条件が満たされたか否かを自動的に判定できる。
以上のように、処理部110(登録処理部111)は、条件情報のテキスト解析処理を行うことによって、条件情報が表す開始条件の判定に用いられるデバイスを特定する処理を行い(例えばステップS202及びS203)、特定されたデバイスを表す情報をノウハウ情報121に対応付けてもよい(例えばステップS217)。このようにすれば、条件情報が具体的なデバイスと対応付けられるため、開始条件が満たされたか否かを、当該デバイスを用いて判定することが可能になる。
なお、本実施形態におけるノウハウ情報121は、デバイスとの対応付けという観点から3つに分けて考えることが可能である。第1に、ステップS203でデバイスが使用可能と判定され、且つ、ステップS217の処理が完了したノウハウ情報121である。これは、デバイスの対応付けに加えて、第2処理アルゴリズム及びパラメータまで特定されているため、開始条件の自動判定が可能なノウハウ情報121である。
第2に、ステップS203でデバイスが使用不可と判定され、ステップS204以降の処理が行われなかったノウハウ情報121である。当該ノウハウ情報121は、テキストの形式で利用されるため、開始条件が満たされたか否かは例えばユーザ自身が判定する。
第3に、ステップS203でデバイスが使用可能と判定されたが、ステップS217の処理が完了していないノウハウ情報121である。これは、パラメータを決定できるだけのサンプルデータが収集されていないノウハウ情報121である。例えば登録処理部111は、このノウハウ情報121については登録情報122を生成せず、ステップS203でデバイスが使用不可と判定されたノウハウ情報121と同様に扱ってもよい。将来的に十分なサンプルデータが蓄積された場合、ステップS217の処理が完了し、登録情報122が生成されるため、開始条件の自動判定が可能になる。また、時間が経過してもサンプルデータの収集が完了せずに、登録情報122の生成が行われないケースもあり得る。
なお、図6ではステップS216で求められたパラメータが、ステップS217においてそのまま記憶される例を示した。ただし本実施形態の処理はこれに限定されない。例えば、登録処理部111は、サンプルデータと正解データの組み合わせの一部をバリデーションデータとし、当該バリデーションデータを用いて、第2処理アルゴリズム及びパラメータを用いた判定処理の正解率を求めてもよい。登録処理部111は、当該正解率を端末装置200に送信する。端末装置200は正解率の提示、及びパラメータを採用するか否かのユーザ入力の受付を行う。そして登録処理部111は、ユーザがパラメータを採用する旨の入力を行った場合に、ステップS217の処理を行ってもよい。また登録処理部111は、ユーザがパラメータを採用しない旨の入力を行った場合、例えばパラメータをリセットし、サンプルデータの収集を再開してもよい。
2.3 正解動作を決定
以上では、ノウハウ情報121に含まれる開始条件と介助行動のうち、開始条件の判定を自動化するための手法について説明した。ただし本実施形態の手法はこれに限定されず、介助行動に関する処理を自動化してもよい。例えば、「スプーンのご飯を少ししか食べなかった」ら、「被介助者を食べやすい姿勢に変更する」というノウハウ情報121があった場合、「食べやすい姿勢」の正解を求める処理が行われてもよいし、ユーザが取らせた姿勢と正解の姿勢が乖離した場合に警告する処理が行われてもよい。介助行動の正解を求めることによって、ユーザの熟練度によらず、登録されたノウハウ情報121に従った介助動作を行わせることが可能になる。
具体的な処理の流れは、図6と同様である。即ち、登録処理部111は、ステップS201と同様に、介助行動を表すテキストから、解釈が必要な部分を抽出する。上記の例であれば、登録処理部111は「食べやすい姿勢」を抽出する。
次に登録処理部111は、ステップS202、S203と同様に、食べやすい姿勢を検出するためのデバイスとして、ユーザを撮像するカメラや、姿勢を検出するモーションセンサ等を含むデバイスを特定し、当該デバイスが使用可能であるかを判定する。
使用可能である場合、ステップS207~S215と同様に、登録処理部111は、被介助者の姿勢を表すサンプルデータを収集し、収集結果に対してユーザによるタグ付けを指示する。例えばサンプルデータは、食事中のユーザの全身を撮像した静止画像であり、登録処理部111は、複数の静止画像のうち食べやすい姿勢となっている静止画像の選択操作を受け付ける処理を行う。
登録処理部111は、ステップS216と同様に、付与されたタグに基づいてパラメータを決定する。デバイスデータに対する処理内容を表す第2処理アルゴリズムは、関節等の屈曲角度と閾値との比較処理であってもよいし、他の処理であってもよい。また、静止画像そのものを入力とするNNが用いられてもよい。パラメータは、上記閾値であってもよいし、NNの重みであってもよい。
登録処理部111は、ステップS217と同様に、介助行動を判定する際のデバイス、第2処理アルゴリズム、及びパラメータを含む登録情報122を、ノウハウ情報121に対応付ける。
図9は、登録情報122の他の例である。図9に示すように登録情報122は、デバイスを対応付けたユーザを表すユーザIDと、ノウハウ情報121を表すIDと、開始判定に用いるデバイスであるデバイスInと、開始判定に用いる処理プログラムである処理プログラムInと、介助行動の判定に用いるデバイスであるデバイスOutと、介助行動の判定に用いる処理プログラムである処理プログラムOutと、を含む。デバイスOutは、例えばデバイスInと同様に、機器のメーカや型番等の情報である。処理プログラムOutは、処理プログラムInと同様に、例えば第2処理アルゴリズムとパラメータの組であり、重みを含むNNであってもよい。
なお、例えば「食事中に顔がふらふらし出した」ら、「食事の提供を停止する」というノウハウ情報121の場合、「食事の提供を停止」という介助動作を行うことは容易であり、サーバシステム100において正解となる動作を求める必要性が低い。よってこの場合、介助行動について、上述した処理が省略されてもよい。例えば図9のID1のノウハウ情報121のように、デバイスOutと処理プログラムOutがデータ無しとなってもよい。
また、介助行動の判定についても、デバイスは使用可能と判定されたが、十分なサンプルデータが集まらない等の要因によって第2処理アルゴリズム及びパラメータが決定されない場合がある。この場合も、デバイスOutと処理プログラムOutがデータ無しとなる。
3.データの利用
以上の処理によって、ユーザの暗黙知がノウハウ情報121として蓄積される。また、条件が満たされたノウハウ情報121については、開始条件の判定や介助行動の判定を自動化するためのデバイス等を特定する登録情報122が対応付けられる。以下、取得されたノウハウ情報121を利用する手法について説明する。
3.1 検索処理
熟練度の低いユーザが、熟練者の暗黙知を利用できれば、ユーザの熟練度によらず適切な介助を実行可能になる。例えば情報処理システム10を利用する複数のユーザのそれぞれは、サーバシステム100の記憶部120に蓄積されたノウハウ情報121の何れかを選択し、選択したノウハウ情報121を使用する。
図10は、各ユーザがノウハウ情報121を選択、利用する処理の流れを説明する図である。まずステップS301においてユーザはヘッドセット300を用いて、検索のためのワードを入力する処理を行う。例えばユーザは、開始条件又は介助行動をヘッドセット300のマイクに向かって発話する。
ステップS302において、端末装置200は音声認識処理を行い、開始条件を表すテキスト又は介助行動を表すテキストを取得する。ステップS303において、端末装置200は取得したテキストを検索キーとしてサーバシステム100に送信する。
ステップS304において、サーバシステム100は取得した検索キーを用いた検索処理を実行する。即ち、サーバシステム100の処理部110(検索処理部112)は、開始条件に対応するテキスト、及び、介助行動に対応するテキストの何れか一方である検索用情報(検索キー)を含む検索要求に基づいて、複数のノウハウ情報121のうちのいずれかのノウハウ情報121を検索結果として出力する。例えば検索処理部112は、検索キーとの一致度合い等の条件を満たすノウハウ情報121を検索結果として出力してもよい。また、図13A、図13B等を用いて後述するように、検索処理部112は、第1類似度判定処理の結果が所与の条件を満たすノウハウ情報121を検索結果として出力してもよい。
開始条件が検索キーとして用いられる場面とは、例えばユーザが適切な介助行動を決定できない場面である。例えばユーザは、被介助者がある動きをした、被介助者が生活する環境がこのように変化した、等の状況を認識できたが、その状況で実行すべき介助行動が分からなかったとする。この場合、当該状況を開始条件とした検索処理を行うことによって、当該状況における適切な対処を表すノウハウ情報121が提供される。
また介助行動とは、スプーンで食事を与える、声かけをする、姿勢を変える等の介助者による具体的な行動を表す。例えばユーザは、被介助者の食事や排泄等を介助するために必要な行動を認識しているが、それをどのような場面、タイミングで実行するかの判断力に乏しいとする。この場合、介助行動に基づく検索処理を行うことによって、当該介助行動を実行すべき開始条件を表すノウハウ情報121が提供される。
このように、本実施形態の手法によれば、開始条件又は介助行動を検索キーとして検索処理を行うことによって、暗黙知を表す複数のノウハウ情報121のうち、ユーザに適したノウハウ情報121を決定、提示することが可能になる。
なおステップS304の具体的な処理は種々の変形実施が可能である。例えば検索処理部112は、検索キーとして開始条件を表すテキストが入力された場合、ノウハウ情報121に含まれる開始条件を表すテキストの少なくとも一部が検索キーと一致したときに、当該ノウハウ情報121が条件を満たすと判定してもよい。また検索処理部112は、検索キーとして介助行動を表すテキストが入力された場合、ノウハウ情報121に含まれる介助行動を表すテキストの少なくとも一部が検索キーと一致したときに、当該ノウハウ情報121が条件を満たすと判定してもよい。あるいは検索処理部112は、テキスト間の類似度を判定し、当該類似度が閾値以上である場合に条件を満たすと判定してもよい。
ステップS305において、サーバシステム100は、条件を満たすと判定された1または複数のノウハウ情報121を端末装置200に送信する。ステップS306において、端末装置200の表示部240は、取得した1または複数のノウハウ情報121を表示する。ステップS307において、端末装置200は、例えば操作部250を用いたユーザによる選択操作を受け付ける。即ち、ユーザは、検索結果として提示されたノウハウ情報121から、自身が使用したいノウハウ情報121を選択する。
なお、ノウハウ情報121に図5に示した登録情報122が対応付けられている場合、当該ノウハウ情報121を十分に利用するためには、具体的なデバイスの選択が必要となる。例えば、対象となるノウハウ情報121を登録した登録ユーザは、開始条件の判定にメーカAAAの型番BBBのスマートフォンを用いており、その旨を表す登録情報122が記憶されていたとする。しかし、ノウハウ情報121を利用するユーザが同じメーカAAAの型番BBBのスマートフォンを保有しているとは限らない。また、スマートフォンのカメラを使用するだけであれば、同じメーカの異なる型番の製品が使用されてもよいし、他のメーカの製品が使用されてもよい。更に言えば、例えば登録ユーザのスマートフォンが被介助者の顔を撮像する目的で使用されていた場合、自動判定に用いるデバイスとして、例えば介護ベッド等に設置されたカメラ、居室に設置されたカメラ、移動可能な装置に搭載されたカメラ等が用いられてもよい。よって登録ユーザによって登録されたノウハウ情報121を、登録ユーザ以外のユーザが使用する場合、ユーザごとにデバイスの選択が行われてもよい。
ステップS308において端末装置200は、ユーザによるデバイスの選択操作を受け付ける。例えばサーバシステム100の記憶部120は、検索処理を行ったユーザが保有するデバイスを表すデバイスリストを保持しており、その中から、登録情報122に含まれるデバイスに近いデバイスを選択、提示する処理を行ってもよい。例えば上記のように、登録ユーザのデバイスがスマートフォンである場合、検索処理部112は、検索処理を行ったユーザが保有するスマートフォンやそれに類するデバイスの一覧を端末装置200の表示部240に表示する処理を行ってもよい。なお、ノウハウ情報121に登録情報122が対応付けられていない場合、ステップS308の処理は省略される。
次にステップS309において、端末装置200は、ユーザによって選択されたノウハウ情報121をサーバシステム100に送信する。ステップS310において、サーバシステム100は、対象となるユーザが使用中のノウハウ情報121を表すリスト情報123を更新する。ステップS308の処理が行われた場合、選択されたデバイスの情報もあわせて送信され、リスト情報123に追加される。
図10に示したように、処理部110は、記憶部120に記憶された複数のノウハウ情報121のうちのいずれかの使用要求を複数のユーザから取得可能である。そして記憶部120は、複数のユーザのそれぞれについて、使用中の1または複数のノウハウ情報121を含むリスト情報123を対応付けて記憶してもよい。このようにすれば、記憶部120に蓄積される多数のノウハウ情報121のうち、各ユーザが使用しているノウハウ情報121を適切に管理することが可能になる。
例えば、熟練度の低いユーザは、積極的にノウハウ情報121を使用することによって、熟練者の暗黙知を利用できる場面を増やしてもよい。また情報が過剰であり把握しきれない場合には、使用するノウハウ情報121を重要なものに限定するといった調整も可能である。また、ある程度の経験があるユーザは、ノウハウ情報121を用いずとも介助を適切に実行できる場面が多いため、使用するノウハウ情報121の数を初心者に比べて減らしてもよい。
図11は、リスト情報123の例である。リスト情報123は、ユーザを特定する情報と、当該ユーザが使用中のノウハウ情報121を特定する情報と、当該ノウハウ情報121を使用するためのデバイスを特定する情報と、を含む。図11の例では、UserIDaに対応するユーザaは、UserID1に対応する登録ユーザが登録したID1のノウハウ情報121を使用中である。図8に示したように、登録ユーザはID1のノウハウ情報121を自動化するために、Device1を登録していた。これに対して、ユーザaは、図11に示すように、ID1のノウハウ情報121を自動化するためのデバイスとしてDevice1aを選択している。即ち、同じノウハウ情報121であっても、ユーザに応じて使用されるデバイスが異なってもよく、記憶部120は、1つのノウハウ情報121に対応付けられた複数のデバイスを記憶可能である。
また図11の例では、ユーザaは、UserID2に対応する登録ユーザが登録したID2のノウハウ情報121を使用中である。ID2のノウハウ情報121は登録ユーザもデバイスを登録していないため、ユーザaが使用する際にもデバイスは対応付けられない。なお、図11のID2のように、デバイスが対応付けられていないノウハウ情報121は、例えばテキストの形式で利用される。例えば、ノウハウ情報121に付加情報として「食事」等の情報が含まれる場合、食事介助を開始するタイミングで、ノウハウ情報121に対応するテキストがユーザに報知されてもよい。
一方、図11のID1のように、デバイスが対応付けられているノウハウ情報121では、開始条件の判定等の自動化が可能である。
図12は、デバイスが対応付けられているノウハウ情報121を使用する処理の流れを説明する図である。まずノウハウ情報121がリスト情報123に追加されると、ステップS401において、対応するデバイスがセンサ情報の収集を開始する。なお、センサ情報の収集は常時行われてもよいし、当該ノウハウ情報121に関連する特定の状況で使用されてもよい。例えば、ノウハウ情報121に付加情報として「排泄」等の情報が含まれる場合、排泄介助を開始するタイミングで、デバイスがセンサ情報の収集を開始してもよい。
ステップS402において、センサはセンサ情報を端末装置200に送信する。なお、ここでのデバイスが端末装置200である場合、ステップS402の処理は、端末装置200内におけるセンサからプロセッサへのデータの受け渡しに対応する。ステップS403において、端末装置200はセンサ情報をサーバシステム100に送信する。
ステップS404において、処理部110は、センサ情報に基づいて開始条件を自動で判定する。例えば処理部110は、図8の登録情報122に基づいて、第2処理アルゴリズムとパラメータを決定する。処理部110は、センサ情報を入力データとして、上記第2処理アルゴリズム及びパラメータに従った処理を行うことによって、開始条件が満たされたか否かを表す出力データを求める。
開始条件が満たされたと判定した場合、ステップS405において、処理部110は、ノウハウ情報121に基づいて介助行動を特定する。ステップS406において、処理部110は、特定した介助行動を表す情報を端末装置200に送信する。ステップS407において、端末装置200は介助行動を表す情報をヘッドセット300に送信する。ステップS408において、ヘッドセット300は、スピーカを用いて介助行動をアナウンスする。なお、ここでの介助行動を表す情報はテキストであり、ステップS408における処理は音声の読み上げ処理であってもよい。ただし、図9を用いて上述したように、処理部110は介助行動の正解を求め、当該正解に基づく報知を行ってもよい。
以上のように、本実施形態の手法によれば、熟練のユーザの暗黙知をデータ化し、熟練度の低いユーザにも適切な介助を行わせることが可能である。例えば、熟練度の低いユーザでも熟練者と同等の介助が可能になるため、介助の再現性が向上する。またケアスキルのばらつきが抑制され、組織マネジメントも容易になるため、被介助者の転倒等のインシデントが発生することが抑制される。結果として、例えば介護施設等において、入院に伴う空床の発生、事故報告書の作成に伴う残業の発生を抑制できる。またインシデントが抑制されれば、ユーザがリスクに敏感になりすぎることも抑制されるため、ストレスの低減が可能になり、結果として離職率の抑制も可能になる。またユーザのスキル向上、労働環境の改善が可能になることによって、被介助者やその家族の満足度の向上、QOL(Quality of Life)の向上も可能になる。
なお、本実施形態の情報処理システム10、サーバシステム100、端末装置200等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することで、本実施形態の情報処理システム10等が実現される。具体的には、非一時的な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク、HDD、或いはメモリ(カード型メモリ、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサは、情報記憶媒体に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記憶される。
また本実施形態の手法は、情報処理装置10において実行される処理を含む情報処理方法に適用できる。本実施形態の情報処理方法は、所与の開始条件を表す条件情報と、開始条件が満たされた場合に実行される介助行動を表す介助情報とが対応付けられた情報を含むノウハウ情報121の登録要求を受け付け、開始条件、及び、介助行動の何れか一方を特定する検索用情報を含む検索要求に基づいて、複数の登録要求に基づいて記憶された複数のノウハウ情報121のうちのいずれかのノウハウ情報121を検索結果として出力する。
3.2 ノウハウ情報間の類似判定
また本実施形態のサーバシステム100(類似度判定部113)は、所与のノウハウ情報121と、他のノウハウ情報121との類似度を判定する処理を行ってもよい。例えば検索処理部112は、図10のステップS304において、検索キーを用いて抽出されたノウハウ情報121だけでなく、当該ノウハウ情報121に類似するノウハウ情報121である類似ノウハウ情報についても条件を満たすと判定してもよい。
例えば類似度判定部113は、ノウハウ情報121に含まれる付加情報に基づいて、2つのノウハウ情報121の類似度を判定してもよい。例えば付加情報は、図5に示したように、介助の種類や、被介助者の属性を表すワードを含む。類似度判定部113は2つのノウハウ情報121に同じワードが含まれる場合に、類似度が高いと判定する。あるいは、各ワードには類義語が定義されており、類似度判定部113は、一方のノウハウ情報121に含まれるワードの類義語が、他方のノウハウ情報121に含まれる場合、2つのノウハウ情報121の類似度が高いと判定してもよい。
あるいは、類似度判定部113は、テキストマイニングに基づいて類似度を判定してもよい。例えば類似度判定部113、開始条件を表すテキスト、及び、介助行動を表すテキストの少なくとも一方を対象とするテキストマイニングを行う。類似度判定部113は、テキストマイニングによって抽出されたワードのそれぞれについて、当該ワードの重要度を表すtf-idfを求める。tfは単語の出現頻度であり、idfは逆文書頻度を表す。tf-idfは、出現頻度が高いワードの重要度が高くなり、且つ、多くの文書に出現するワードの重要度が低くなる指標である。例えば類似度判定部113は、ノウハウ情報121に出現するワードのそれぞれにtf-idfを値として対応付けたベクトルを求める。類似度判定部113は、2つのノウハウ情報121についてそれぞれベクトルを求め、求められた2つのベクトルのなす角度θに基づいて、当該2つのノウハウ情報121の類似度を求める。例えば類似度はcosθである。ただし、2つの文書の類似度を求める手法は種々知られており、本実施形態ではそれらを広く適用可能である。またテキストマイニングの対象となる部分は開始条件及び介助行動の少なくとも一方に限定されず、付加情報を含んでもよい。
また類似度判定部113は、所与のノウハウ情報121とともによく使われるか否かという観点から、当該ノウハウ情報121の類似ノウハウ情報を求めてもよい。
例えば、複数のノウハウ情報121は、第1ノウハウ情報、第2ノウハウ情報及び第3ノウハウ情報を含み、処理部110(類似度判定部113)は、記憶部120に記憶された複数のノウハウ情報121のうちの、いずれか2つの間の類似度を判定する類似度判定処理を行う。この際、類似度判定部113は、リスト情報123に第1ノウハウ情報及び第2ノウハウ情報が含まれるユーザの数と、リスト情報123に第1ノウハウ情報及び第3ノウハウ情報が含まれるユーザの数に基づいて類似度を判定する。
図13A、図13Bは類似度判定処理を説明する図である。図13Aは、IDaに対応する第1ノウハウ情報と、IDbに対応する第2ノウハウ情報の両方を使用中のユーザに関するリスト情報123の例である。図13Aの例であれば、UserIDx1~UserIDx100に対応する100人のユーザが、第1ノウハウ情報と第2ノウハウ情報の両方を使用中である。
図13Bは、IDaに対応する第1ノウハウ情報と、IDcに対応する第3ノウハウ情報の両方を使用中のユーザに関するリスト情報123の例である。図13Bの例であれば、UserIDy1に対応する1人のユーザのみが、第1ノウハウ情報と第3ノウハウ情報の両方を使用中である。
この場合、第2ノウハウ情報は第1ノウハウ情報とともに利用されやすく、第3ノウハウ情報は第1ノウハウ情報とともに利用されにくい。類似度判定部113は、第1ノウハウ情報と第2ノウハウ情報の類似度は、第1ノウハウ情報と第3ノウハウ情報の類似度よりも高いと判定する。
このようにすれば、一緒に使用することが有用であるノウハウ情報121を、類似ノウハウ情報としてユーザに提示することが可能になる。例えば、図10を用いて上述した検索処理を行ったユーザに対して、有用なノウハウ情報121の組み合わせを提示することが可能である。なおここでの第1ノウハウ情報と第2ノウハウ情報は、介助の種類が異なってもよい。例えば第1ノウハウ情報が食事介助に関連する場合、第2ノウハウ情報は排泄介助や移乗介助に関連する。このようにすれば、付加情報等の観点からは類似度が低いと判定されるノウハウ情報121を、類似ノウハウ情報に含めることが可能になる。
3.3 ノウハウ情報の重要度判定
上述したように、本実施形態ではユーザがノウハウ情報121を容易に登録可能である。また、検索処理によって、登録ユーザ以外のユーザがノウハウ情報121を利用することも可能である。しかし、ノウハウ情報121の登録が容易である場合、記憶部120には多数のノウハウ情報121が蓄積される蓋然性が高い。この場合、多数のノウハウ情報121を効率的に利用するために、各ノウハウ情報121の重要度が判定されてもよい。以下、ノウハウ情報121を使用した介助を受ける被介助者の観点における第1重要度と、介助を実行する介助者の観点における第2重要度について説明する。また以下の説明では、第1重要度と単に重要度とも表記する。
3.3.1 被介助者を考慮した重要度
<状態情報>
本実施形態の処理部110は、被介助者の状態を表す状態情報の変化と、被介助者の介助に使用されたノウハウ情報121とを対応付けた対応付け情報に基づいて、ノウハウ情報121の重要度を判定してもよい。このようにすれば、ノウハウ情報121を用いて行った介助が、被介助者の状態にどのような影響を及ぼしたか、という観点から重要度を判定できる。即ち、被介助者の状態を改善する、あるいは、維持する(悪化を抑制する)ことへの寄与度に応じて、ノウハウ情報121の重要度が判定される。
ここでの状態情報とは、被介助者が介助を必要とする度合いを表す要介護度であってもよい。要介護度を数値データとして求める手法は種々知られているため、評価が容易な指標を、状態情報として用いることが可能になる。
要介護度とは、対象者が要介護状態あるいは要支援状態であるか否か、またその中での程度を判定するための指標である。要介護状態とは、例えば常時介護を必要とする状態である。要支援状態とは、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態である。
例えば要介護度は、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/gaiyo2.htmlに記載された手法によって特定される要支援1-2、要介護1-5の7段階での評価結果を表す情報であってもよい。例えば要介護度は、身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応等、種々の調査項目について認定調査員が調査を行った結果に基づいて判定される。以下、調査項目を単に項目とも表記する。
図14A、図14Bは、要介護度の判定に用いられる項目の例である。各項目は、能力、介助、有無のいずれかの評価軸を用いて判定される。能力とは、対象の項目を実行する能力をどの程度有しているかが評価されることを表す。例えば身体機能・起居動作のうちの1-3に示した「寝返り」であれば、「つかまらないでできる」、「何かにつかまればできる」、「できない」等の段階のうちのいずれかが評価結果となる。介助とは、対象の項目を実行する際の介助度合いが評価されることを表す。例えば身体機能・起居動作のうちの1-10に示した「洗身」であれば、「自立」、「一部介助」、「全介助」等の段階のうちのいずれかが評価結果となる。有無とは、対象の項目に対応する事象の有無が評価されることを表す。また各項目は、対象の患者や高齢者の生活にどのような影響を与えるかについて、ADL/起居動作、認知機能、行動、社会生活、医療の5つの分類のうちのいずれかに分類されている。
なお、これらの項目については、例えばhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000077237.pdfに開示されており、これが本実施形態における要介護度の決定に用いられてもよい。また要介護度を判定するための項目には、看取り介護を開始すべきか、リフト・車椅子・歩行器を使用すべきかどうか、トイレ誘導すべきか否か等、図14A、図14Bには不図示の項目が含まれてもよい。
また被介助者の状態情報は、被介助者のADL(Activities of Daily Living)の評価結果であってもよい。ADLの評価は、例えばFIM(Functional Independence Measure)を用いて取得されてもよい。FIMでは、運動ADLに関する13項目と認知ADLに関する5項目のそれぞれについて、1~7点の7段階評価を行うことによって、ADLが18~126点の数値で評価される。なおADLの評価手法はFIMに限定されず、種々の手法を適用可能である。
ただし、本実施形態における状態情報は上記の例に限定されず、被介助者の介助に関する状態を表す指標に拡張可能である。介助に関する状態とは、具体的には介助の必要性の有無や、必要な介助の種類、度合い等を特定する情報である。
以下、状態情報が要介護度である例について説明する。また以下では、状態情報が1~7の何れかの数値であるものとする。当該数値は、1が要支援1を表し、2が要支援2を表し、3が要介護1を表し、4が要介護2を表し、5が要介護3を表し、6が要介護4を表し、7が要介護5を表す。即ち、以下の例では、状態情報を表す数値が小さいほど、被介助者の状態が良いことを表す。
<重要度判定処理の流れ>
図15は、本実施形態における手法を説明する図である。図15の横軸は時間を表し、t1とt2は所与のタイミングを表す。またstateは、各タイミングにおける状態情報の値を表す。本実施形態の状態判定部114は、所与の長さの期間を設定し、当該期間ごとに被介助者の状態情報を取得する。ここでの所与の長さは例えば1ヶ月等であるが、異なる長さの期間であってもよい。図15の例では、状態判定部114は、t1とt2のそれぞれのタイミングにおいて、被介助者の状態情報を取得する処理を行う。
例えば、状態情報の決定は、認定を受けた調査員による調査結果に基づいて医師等の専門家が行ってもよい。サーバシステム100は、医師等によって決定された状態情報の入力を受け付ける。状態判定部114は、送信された状態情報を取得する。あるいは、調査員による調査結果が取得された場合、状態判定部114が状態情報を演算してもよい。例えば上述したhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/gaiyo2.htmlには、樹形モデルを用いて要介護認定等基準時間を推定する手法と、要介護認定等基準時間と要介護度の対応付けが記載されている。状態判定部114は、これと同様の処理を行うことによって、調査結果から状態情報を演算してもよい。あるいは状態判定部114は、図18等を用いて後述するように、各項目に関する評価結果を推定する処理を行ってもよい。この場合、調査員による調査を省略することも可能である。
また本実施形態では、処理部110は、各被介助者の介助に使用されるノウハウ情報121(暗黙知)を取得する。例えば、介助者であるユーザは、被介助者の家族であってもよい。家族は仕事として介助を行うのではなく、被介助者のみを対象として介助を行っている蓋然性が高い。そのため、家族であるユーザのリスト情報123に含まれるノウハウ情報121は、対象とする被介助者の介助に使用されたと考えることが可能である。
また、ここでのユーザは、介護施設や病院に勤務する介護士や看護師であることは妨げられない。ただしユーザが被介助者Aと被介助者Bの担当をしている場合、当該ユーザのリスト情報123に含まれるすべてのノウハウ情報121が被介助者Aと被介助者Bに共通に使用されているとは限らない。例えばユーザは、リスト情報123に含まれるノウハウ情報121の一部を被介助者Aの介助に利用し、他の一部を被介助者Bの介助に利用することも考えられる。例えば記憶部120は、図11に示したリスト情報123の他に、各ノウハウ情報121の適用対象となる被介助者を特定可能な情報を記憶してもよい。この場合、ユーザが複数の被介助者を担当する場合にも、各被介助者に対して使用されるノウハウ情報121を特定できる。
図15は、例えばt1からt2の期間において、3人の被介助者を対象として取得された3つの対応付け情報の例である。例えばt1において状態情報の値が4であった被介助者は、t1~t2の期間において、IDがそれぞれ1,2,34,56である4つのノウハウ情報121を用いた介助を受け、t2における状態情報の値が5になった。なお以下では説明を簡略化するため、IDがiのノウハウ情報121をaiとも表記する。iは1以上の整数である。
図15の例では、同様に、例えばt1において状態情報の値が2であった被介助者は、t1~t2の期間において、IDがそれぞれ1,2,31である3つのノウハウ情報121を用いた介助を受け、t2における状態情報の値が1になった。同様に、t1において状態情報の値が2であった被介助者は、t1~t2の期間において、IDが1であるノウハウ情報121を用いた介助を受け、t2における状態情報の値は2で変わらなかった。
このように、1人の被介助者を対象として、1単位の期間が経過したときの状態情報の変化、及び、当該1単位の期間で使用されたノウハウ情報121を特定することによって、1つの対応付け情報が取得される。図15では3つの対応付け情報を例示したが、対象とする被介助者の数を増やすこと、及び、対象とする期間を長くすることによって、より多くの対応付け情報を取得可能である。
重要度判定部115は、対応付け情報に基づいて、ノウハウ情報121の重要度を判定する。例えば、a1のノウハウ情報121が使用された被介助者の状態が改善される傾向が見られた場合、重要度判定部115はa1の重要度を高く判定する。上述の例であれば、状態情報の値が大きいほど介助(介護)が必要であるため、状態の改善とは数値の減少に対応する。しかし、図15の例からも分かるように、a1というノウハウ情報121を用いて介助を行った場合に、状態が改善する場合もあれば、悪化する場合もあれば、維持される場合もある。また複数のノウハウ情報121が組み合わされた場合、いずれのノウハウ情報121が状態情報の変化または維持に寄与しているかを特定しなくてはならない。また所与のノウハウ情報121を単体で用いるよりも、他のノウハウ情報121と組み合わせて用いることが状態情報の改善・維持に寄与する場合も考えられる。即ち、個別のノウハウ情報121に着目しただけでは、当該ノウハウ情報121が状態情報の変化にどの程度影響を及ぼしているのかがわかりにくい。
よって処理部110(重要度判定部115)は、状態情報に関する値を目的変数とし、ノウハウ情報121の使用/不使用を表す情報を説明変数とする回帰分析に基づいて、重要ノウハウ情報を特定する処理を行ってもよい。ここでの回帰分析は、具体的には、複数のノウハウ情報121のそれぞれの使用/不使用を表す情報を説明変数とする重回帰分析であってもよい。ここでの重要ノウハウ情報とは、重要度が所定以上と判定されたノウハウ情報121を表す。
状態情報に関する値は、例えば対象とする期間の始点における状態情報の値Initialと、終点における状態情報の値Outputの差分に基づく値である。ここでは、上記の通り、状態が良いほど値が小さい例を考慮しているため、状態情報に関する値として下式(1)に示すrewardを用いてもよい。rewardは、状態の改善度合いが大きくなるほど値が大きくなる数値データであって、状態が改善した場合に正の値となり、状態が変わらないときに0となり、状態が悪化した場合に負の値となる数値である。
reward = Initial - Output …(1)
またaiに対応するノウハウ情報121の使用/不使用を表す変数をAiとする。例えばAiは、対象の被介助者の介助にaiが用いられた場合に1となり、用いられない場合に0となる変数である。この場合、下式(2)の回帰式に基づいて重回帰分析が行われる。下式(2)におけるα1~αnは偏回帰係数であり、βは定数項である。nはノウハウ情報121の数を表す正の整数である。狭義には、nは、記憶部120に記憶されたノウハウ情報121のうち、処理対象の複数の対応付け情報のなかで少なくとも1回出現したノウハウ情報121の数を表す。換言すれば、重要度判定部115は、対応付け情報に1回も現れないノウハウ情報121を重要度判定の対象から除外してもよい。
reward = β + α1×A1 + α2×A2 + … + αn×An …(2)
例えば重要度判定部115は、複数の対応付け情報に基づいて、最小二乗法を用いて最も確からしいα1~αn及びβを求める処理を行う。重回帰分析については公知の手法であるため詳細な説明は省略する。
また重要度判定部115は、各偏回帰係数の有意性を検定する。有意性の検定は例えばt検定である。重要度判定部115は、各偏回帰係数についてt検定を行うことでt値を求め、さらにt値からp値を求める。重要度判定部115は、p値が所与の閾値よりも小さい場合に、対象の偏回帰係数が有意である、即ち、当該偏回帰係数に対応する説明変数であるノウハウ情報121の使用/不使用が、目的変数である状態情報の変化に影響を及ぼすと判定する。ここでの所与の閾値は例えば0.05であるが、他の値が用いられてもよい。
また上式(2)では、被介助者の状態がよくなるほど、目的変数であるrewardの値が大きくなる。よって偏回帰係数が正の場合、対象のノウハウ情報121は状態が良くなる方向に寄与する可能性があり、偏回帰係数が負の場合、対象のノウハウ情報121は状態が悪くなる方向に寄与する可能性がある。よって重要度判定部115は、p値が0.05よりも小さく、且つ、偏回帰係数が正である場合に、対応するノウハウ情報121の重要度が高いと判定する。
重要度判定部115は、重要度を高/低の2段階で判定してもよい。上記の例であれば、p値が閾値より小さく且つ偏回帰係数が正であるノウハウ情報121は重要度が高く、それ以外のノウハウ情報121は重要度が低い。ただし重要度判定部115は、p値の値や偏回帰係数の値に応じて3段階以上で重要度を判定してもよい。
本実施形態では、上述したとおり暗黙知を表すノウハウ情報121の登録が容易である。例えば多数のユーザがそれぞれ自身の暗黙知をノウハウ情報121として登録することによって、記憶部120は膨大な数のノウハウ情報121を蓄積可能である。例えばノウハウ情報121の数が数万~数十万となる可能性もある。その点、重要度判定部115が上記処理を行うことによって、ノウハウ情報121の重要度を判定できる。
また上述した目的変数に有意に影響を及ぼし、且つ、偏回帰係数が正である説明変数は1つに限定されず、複数の場合もあり得る。即ち、重要度判定部115は、重要度が高いノウハウ情報121として、複数のノウハウ情報121を特定してもよい。例えば重要度判定部115は、a1~anに対応するn個のノウハウ情報121のうち、asとatの2つの重要度が高いと判定したとする。s及びtは、それぞれ1以上n以下の整数であって、s≠tである。
この場合、asとatは、それぞれ単独で用いることも可能であるが、この2つを組み合わせて用いることによって、より介助の質を向上させることが可能であると考えられる。よって重要度判定部115は、1回の重回帰分析において複数のノウハウ情報121の重要度が高いと判定した場合、その組み合わせを特定する情報を記憶部120に記憶してもよい。
<被介助者の属性>
以上の処理によって、複数のノウハウ情報121のうち、被介助者の状態改善・維持に重要と考えられるノウハウ情報121を特定できる。ただし、被介助者の属性が大きく異なれば、対象の被介助者にとって重要な介助も異なる可能性がある。ここでの属性とは、例えば対象の期間の始点における状態情報である。例えば、現在の状態が比較的良好である要支援1の被介助者は、自ら実行できることも多く、要介護への移行を抑制するための介助、自立を促すための介助が有効である。一方で、要介護3以上の被介助者は、施設での手厚い介助が、状態の悪化抑制に有効であると考えられる。即ち、状態が相対的に良い被介助者と、状態が相対的に悪い被介助者とでは重要なノウハウ情報121が異なる可能性がある。
よって記憶部120は、被介助者の属性を表す属性情報を記憶してもよい。処理部110は、属性情報に基づいて所与の属性を有すると判定された被介助者に対応する対応付け情報に基づいて、所与の属性を有する被介助者に対する介助における重要ノウハウ情報を特定する。なお重要ノウハウ情報は例えば回帰分析に基づいて求められる情報であり、具体的には所与の属性を有すると判定された複数の被介助者に対応する複数の対応付け情報が処理に用いられてもよい。
例えば属性情報は状態情報であり、重要度判定部115は、状態情報が1(要支援1)である被介助者を対象として取得された対応付け情報に基づいて、要支援1の被介助者にとって重要であるノウハウ情報121を特定する処理を行う。また重要度判定部115は、状態情報が2(要支援2)である被介助者を対象として取得された対応付け情報に基づいて、要支援2の被介助者にとって重要であるノウハウ情報を特定する処理を行う。他の状態についても同様であり、重要度判定部115は、要介護1~要介護5のそれぞれについて、ノウハウ情報121の重要度を判定する。なお、ここでは状態情報が7段階の情報であり、属性情報によって表される属性も7通りである例を示した。この場合、重要度判定部115は、7通りの属性ごとに、重要度判定を行う。ただし要支援1と要支援2をまとめて1つの属性として処理する等、状態情報と属性情報の関係は種々の変形実施が可能である。
このように被介助者の属性を考慮することによって、重要度判定部115における処理精度の向上が可能になる。即ち、属性ごとに、状態改善・維持に適したノウハウ情報121を適切に特定することが可能になる。
なお、本実施形態における属性は期間の始点における状態情報に限定されない。例えば図5のノウハウ情報121における被介助者の属性として上述したように、ここでの属性は、被介助者の年齢、性別、身長、体重、既往歴、投薬履歴等の情報を含んでもよい。また属性は、被介助者の身体的評価を表す身体評価データを含んでもよく、身体評価データは、リハビリの履歴、転倒リスク、褥瘡リスク等の情報を含んでもよい。
<重要度を用いた処理の例>
また処理部110は、所与の被介助者の介助に使用されるノウハウ情報121と、重要度判定部115によって重要度が高いと判定されたノウハウ情報121とに基づいて、上記所与の被介助者の介助に推奨される推奨ノウハウ情報を提示する処理を行ってもよい。このようにすれば、重要度の高いノウハウ情報121、即ち、被介助者の状態改善・維持に有用と考えられるノウハウ情報121の使用を、被介助者を介助する介助者に促すことが可能になる。
より具体的には、処理部110は上記のとおり被介助者の属性情報に基づいて推奨ノウハウ情報を決定してもよい。例えば属性として第1属性~第m属性が規定されており、重要度判定部115は、第1属性~第m属性のそれぞれについて、重要度の高いノウハウ情報121を求める処理を行う。mは2以上の整数である。そして対象の被介助者が第k属性を有すると判定された場合、処理部110は、当該第k属性に対応する重要度の高いノウハウ情報121に基づいて、推奨ノウハウ情報を特定する。kは1以上m以下の整数である。このようにすれば、被介助者の属性にあわせたノウハウ情報121を推奨することが可能になる。
推奨ノウハウ情報は、例えば、使用中のノウハウ情報121に類似し、且つ、重要度の高いノウハウ情報121である。また推奨ノウハウ情報は、例えば、使用中のノウハウ情報121と組み合わせて使用することが有効であるノウハウ情報121である。以下、表示画面の例を用いて、それぞれの例について説明する。
図16は、本実施形態の情報処理システム10のサービス利用画面であって、所与のユーザに関する情報が表示されるユーザページの例である。ここでのユーザは、介助を実行する介助者であって、被介助者の家族であってもよいし、介護施設等に勤務する介護士等であってもよい。ユーザページは、例えばサーバシステム100の処理部110の制御に基づいて、端末装置200の表示部240に表示される。処理部110は、図16に示す画像の生成及び送信を行ってもよい。また処理部110は、画像生成用の情報を端末装置200に送信し、端末装置200の処理部210が画像の生成を行ってもよい。
図16に示すように、ユーザページは、対象のユーザが使用中のノウハウ情報121を表示する領域RE1、登録したノウハウ情報121を表示する領域RE2を含む。RE1には、例えば図11を用いて上述したリスト情報123に含まれるノウハウ情報121が表示される。RE2には、例えば対象のユーザが登録したノウハウ情報121が表示される。このような表示を行うことによって、ユーザは、ノウハウ情報121の登録、利用状況を容易に把握することが可能になる。
またユーザページは、使用中のノウハウ情報121の置換を提案するための表示を含んでもよい。例えば処理部110は、重要度が高いと判定されたノウハウ情報121と類似するノウハウ情報121を特定する。重要度の判定は上述したように重要度判定部115によって行われる。また類似するノウハウ情報121は、上述したように類似度判定部113によって行われる。説明の便宜上、重要度判定部115によって重要度が高いと判定されたノウハウ情報121を重要ノウハウ情報と表記する。また類似度判定部113によって、重要ノウハウ情報と類似すると判定されたノウハウ情報を置換対象ノウハウ情報と表記する。
そして処理部110は、対象のユーザが使用中のノウハウ情報121に置換対象ノウハウ情報が含まれる場合、当該置換対象ノウハウ情報を重要ノウハウ情報へ置換することを提案する。例えば、重要度判定部115は、重回帰分析によってa34に対応するノウハウ情報121の重要度が高いと判定した。また類似度判定部113は、a34とa5の類似度が高いと判定した。この場合、a34が重要ノウハウ情報であり、a5が置換対象ノウハウ情報である。
図16に示すように、対象のユーザはa5に対応するノウハウ情報121を使用中である。なお図16において、a5は、開始条件と介助行動を用いて「if5-then5」と表記されている。他のノウハウ情報121についても同様である。a5とa34は類似するため、例えば同じ種類の介助の、同じような場面で使用することが可能である。例えばa5とa34はともに食事介助において、食事のペースを適切に決定するためのノウハウ情報である。そのため使用中のノウハウ情報121を、類似するノウハウ情報121に置換しても、ユーザは置換前と同じような場面でノウハウ情報121の利用が可能であると考えられる。
そしてa34はa5に比べて重要度が高いと判定されている。即ち、a5をa34に置換することによって、ユーザは、同様の場面でノウハウ情報121を利用しつつ、より被介助者の状態改善・維持に有用な介助を実行することが可能になる。
図16の例では、RE1の領域に使用中のノウハウ情報121に対応する「if5-then5」を表示しつつ、置換を推奨する重要ノウハウ情報である「if34-then34」を、Replaced tacit knowledgeとして表示する。このように使用中のノウハウ情報121に類似し、且つ、重要度が高いノウハウ情報121への置換を提案することによって、ユーザによる介助を、より被介助者の状態に寄与する質の高いものへと変更させることが可能になる。
また、ユーザページは、使用中のノウハウ情報121と組み合わせて使用することが推奨されるノウハウ情報121を提案するための表示を含んでもよい。
上述したように、重要度判定部115は、重要度が高いと判定されたノウハウ情報121が複数存在する場合、その組み合わせを特定する情報を記憶部120に記憶する。処理部110は、ユーザが使用中のノウハウ情報121が当該組み合わせに含まれる場合、当該組み合わせに含まれる他のノウハウ情報121の追加をユーザに提案する処理を行う。
例えば、重要度判定部115は、a6、a7、a10、a34の4つのノウハウ情報121の重要度が高いと判定し、この組み合わせに関する情報を記憶部120に記憶したとする。そして図16の例では、ユーザはa6のノウハウ情報121を使用中である。よって処理部110は、a6を単体で利用するのではなく、a7、a10、a34を追加してこれらと組み合わせることを提案する。なお、図16の例では、a34は置換先としてRE1に表示されるため、追加提案の対象となるノウハウ情報121は、a7、a10の2つであってもよい。
例えばユーザページは、図16に示すように、使用が推奨されるノウハウ情報121を表示するRE3を含んでもよい。RE3には、例えば、使用中のノウハウ情報121との組み合わせが推奨されるノウハウ情報121が、Recommend tacit knowledgeとして表示される。上述した例であれば、a7、a10に対応する「if7-then7」及び「if10-then10」がRE3に表示される。このようにすれば、被介助者の状態改善・維持に有用と考えられる複数のノウハウ情報121を組み合わせて使用することを提案できるため、介助の質のさらなる向上が可能である。
なお図16に示すように、RE1に示す領域には、使用中のノウハウ情報121に加えて、当該ノウハウ情報121に対応付けられているデバイスが表示されてもよい。ここで表示されるデバイスは、図8又は図9に示したように、リスト情報123に含まれるデバイスである。このようにすれば、使用中のノウハウ情報121で用いられるデバイスの情報をわかりやすくユーザに提示できる。
また図16に示すように、RE2に示す領域には、対象ユーザが登録したノウハウ情報121に関するデバイスの登録状況を表す情報が表示されてもよい。例えば、図6のデバイスが対応付けられていない(ステップS203におけるNo)ノウハウ情報121には、その旨を表す“No device”とのテキストを含むオブジェクトが表示される。
またデバイスは対応付けられたが(ステップS203におけるYes)、サンプルデータが十分集まっていない(ステップS207-S210のループ継続中)ため、ユーザによる正解データ付加の準備ができていないノウハウ情報121には、その旨を表す“Not ready”とのテキストを含むオブジェクトが表示される。
またサンプルデータが十分集まったため(ステップS207-S210のループ終了)、ユーザによる正解データ付加の準備ができたノウハウ情報121には、その旨を表す“ready”とのテキストを含むオブジェクトが表示される。例えばユーザが“ready”と表示されたオブジェクトの選択操作を行うことによって、図6のステップS211以降の処理が開始される。
また図16には不図示であるが、ユーザによる正解データ付加、及び、第2処理アルゴリズムとパラメータの決定(ステップS216)、及び、登録情報122の作成(ステップS217)が完了したノウハウ情報121には、その旨を表す“completed”とのテキストを含むオブジェクトが表示されてもよい。以上のように、ノウハウ情報121を特定する情報だけでなく、当該ノウハウ情報121に対応付けられた情報を表示することによって、対象のユーザのノウハウ情報121の使用状況、登録状況を分かりやすく提示することが可能になる。
また図16には不図示であるが、上述した重要度は、デバイスとの対応付けの優先度判定に用いられてもよい。重要度が高いノウハウ情報121を優先的にデバイスと対応付けることによって、被介助者の状態改善、状態維持に有用と考えられるノウハウ情報121の利用を容易にすることが可能になる。
例えば処理部110は、重要度が高いが“Not ready”であるノウハウ情報121について、積極的に対象となる介助を実行することを促す画面を表示することによって、サンプルデータの収集を促進してもよい。また処理部110は、重要度が高いが“ready”であるノウハウ情報121について、ユーザにステップS211以降の処理の実行を促す画面を表示することによって、デバイスとの対応付けを促進してもよい。
<重要度判定とその結果の提示における変形例>
以上では、主に重要度判定部115の判定結果が重要であるか否かを表す2値データである例を説明した。また以上の説明では、1回の回帰分析において重要であると判定されたノウハウ情報121が重要ノウハウ情報となり、当該1回の回帰分析において複数の重要ノウハウ情報が検出された場合、そのすべてを組み合わせて用いることが有用と判定される。ただし、重要ノウハウ情報であるか否かと、組み合わせた際に有用であるか否かは、異なる条件を用いて判定されてもよい。
例えば重要度判定部115は、上述したように3段階以上の多段階で重要度を判定してもよい。重要度判定部115は、例えば重要度が所与の第1閾値th1以上のノウハウ情報121を重要ノウハウ情報と判定する。また重要度判定部115は、重要度が第1閾値th1よりも大きい第2閾値th以上であるノウハウ情報121が複数存在する場合に、それらのノウハウ情報121を組み合わせて用いることが有用であると判定してもよい。換言すれば、重要度判定部115は、重要ノウハウ情報のうち、特に重要度の高い一部のノウハウ情報121について、それらを組み合わせることが有用と判定してもよい。
例えば、重要度判定部115は、a6、a7、a10、a34の4つのノウハウ情報121の重要度が高いと判定し、さらにそのうちのa6とa7の組み合わせが有用であると判定した場合を考える。この場合、a6、a7、a10、a34の4つが置換先の候補となる。例えば図16に示したように、ユーザが使用するa5がa34と類似する場合、a34を表す情報がReplaced tacit knowledgeの項目に表示される。
また上記の例ではa6とa7が組み合わせての使用が推奨されるノウハウ情報121の候補となる。例えば図16に示したように、ユーザがa6を使用している場合、a7が推奨されるノウハウ情報121として提示される。このようにすれば、RE1に表示する情報と、RE3に表示する情報を異なる条件に基づいて柔軟に決定することが可能になる。
また、重要度判定部115は、回帰分析を時系列的に繰り返し実行してもよい。例えば重要度判定部115は、txのタイミングにおいて、t1~txの期間で取得された対応付け情報に基づいて回帰分析を行い、tyのタイミングにおいて、tx~tyの期間で取得された対応付け情報に基づいて回帰分析を行う。例えばx、yはx<yを満たす整数であり、tyはtxよりも後のタイミングを表す。ただし、tyのタイミングにおいて、t1~tyの期間で取得された対応付け情報に基づいて回帰分析を行う等、具体的な手法は種々の変形実施が可能である。
このように繰り返し回帰分析の結果が取得される場合、重要度判定部115は、複数回の回帰分析の結果を統合することによって判定を行ってもよい。
例えば重要度判定部115は、複数回の回帰分析のうち、所定割合以上の回数だけ重要度が高いと判定されたノウハウ情報121を重要ノウハウ情報と判定する。例えば重要度判定部115は、複数回の回帰分析において、a1の重要度が高いと判定された回数が所与の閾値であるth3以上である場合に、a1を重要ノウハウ情報と判定する。
また、重要度判定部115は、同時に重要度が高いと判定された回数が所与の閾値th4以上である複数のノウハウ情報121を、組み合わせて用いることが有用なノウハウ情報121と判定する。例えば所与の回帰分析においてa1が重要と判定され、且つ、同じ回帰分析においてa2が重要と判定された場合、重要度判定部115は(a1,a2)という組み合わせに関するカウント値をカウントアップする。重要度判定部115は、複数回の回帰分析の結果に基づいて、すべての組み合わせについてカウントアップ処理を行う。例えば所与の回帰分析において(a1,a2,a3)の重要度が高いと判定された場合、重要度判定部115は、(a1,a2)と(a1,a3)と(a2,a3)と(a1,a2,a3)の組み合わせに関するカウント値をカウントアップしてもよい。重要度判定部115は、最終的なカウント値がth4以上である組み合わせを特定し、特定された組み合わせに基づいて上述したRE3の提示を行う。そのため、例えば上記th3を用いた判定において、a1がth3以上且つa2がth3以上であったとしても、これらが同時に現れる回数が少なければ(a1,a2)の組み合わせは有用と判定されない。
このようにしても、重要ノウハウ情報の判定と、組み合わせて用いることが有用なノウハウ情報121とを、それぞれ柔軟に決定することが可能になる。
また重要度判定部115は、組み合わせて用いられることが多いノウハウ情報121をあらかじめ限定してもよい。例えば重要度判定部115は、複数の対応付け情報に基づいて、用いられる頻度の高いノウハウ情報121の組み合わせを特定する。例えば、複数の対応付け情報のうち、(a1,a2,a3,a4)の4つのノウハウ情報121のすべてを含む対応付け情報の数が、所与の閾値th5以上であるとする。この場合、重要度判定部115は、(a1,a2,a3,a4)の4つのノウハウ情報121を含む複数の対応付け情報に基づいて、(a1,a2,a3,a4)の4つのノウハウ情報121の重要度を判定してもよい。そして重要度判定部115は、(a1,a2,a3,a4)のうち、重要度が所与の閾値th6以上のノウハウ情報121が複数検出された場合に、当該複数のノウハウ情報121を、組み合わせて用いることが有用なノウハウ情報121と判定する。例えば、a1とa3の重要度がth6以上であり、且つ、a2とa4の重要度がth6未満の場合、重要度判定部115は、(a1,a3)の組み合わせが有用と判定する。
このように、組み合わせて用いられる頻度の高い複数のノウハウ情報121を対象として重要度を判定することによって、当該組み合わせのうち、特に重要と考えられるノウハウ情報121を特定することが可能になる。なおここでは(a1,a2,a3,a4)という組み合わせを例示したが、他の組み合わせについても同様の処理が可能である。
その他、本実施形態の手法は、状態情報の変化と、使用されるノウハウ情報121とに基づいて、ノウハウ情報121の重要度を判定するものを広く含み、具体的な手法は上記の例に限定されない。
3.3.2 介助者の選択に基づく重要度
また重要度判定部115は、各ノウハウ情報121のユーザによる利用度合いや人気度合いに基づいて第2重要度を判定してもよい。上述した重要度が被介助者の状態を考慮した情報であるのに対して、第2重要度は、介助を行う介助者の判断に基づく情報である。
例えば、重要度判定部115は、各ノウハウ情報121について使用するためにダウンロードされた回数をカウントしてもよい。ダウンロード数は、対象のノウハウ情報121がどれだけのユーザに有用と判定されたかを表している。よって重要度判定部115は、ダウンロード数が多いほど、対象のノウハウ情報121の第2重要度が高いと判定する。
また重要度判定部115は、各ノウハウ情報121を現在使用しているユーザの数をカウントしてもよい。使用ユーザ数も、対象のノウハウ情報121がどれだけのユーザに有用と判定されたかを表している。よって重要度判定部115は、使用ユーザ数が多いほど、対象のノウハウ情報121の第2重要度が高いと判定する。
また本実施形態では、各ユーザが使用したノウハウ情報121を評価可能であってもよい。評価の態様は種々考えられるが、例えば各ユーザは、ノウハウ情報121にスコアをつける。重要度判定部115は、対象のノウハウ情報121に付与されたスコアの統計量(平均値等)を求め、当該統計量に基づいて第2重要度を決定してもよい。
またダウンロード数、使用ユーザ数、評価を表すスコアはそれぞれ単体で用いられるものには限定されず、2以上を組み合わせてもよい。例えば重要度判定部115は、ダウンロード数、使用ユーザ数、評価を表すスコアのうちの2以上を入力とする所与の関数に基づいて、第2重要度を求める処理を行ってもよい。
また処理部110は、所与の被介助者の介助に使用される1または複数のノウハウ情報121と、重要度判定部115によって第2重要度が高いと判定されたノウハウ情報121とに基づいて、上記所与の被介助者の介助に推奨される第2推奨ノウハウ情報を提示する処理を行ってもよい。このようにすれば、第2重要度の高いノウハウ情報121、即ち、介助者が有用と考えるノウハウ情報121の使用を促すことが可能になる。第2推奨ノウハウ情報は、例えば、使用中のノウハウ情報121に類似し、且つ、第2重要度の高いノウハウ情報121である。
3.4 被介助者の状態判定
以上で説明したように、本実施形態の手法ではノウハウ情報121の重要度判定に被介助者の状態情報が用いられてもよい。状態情報は、例えば調査員による調査結果に基づいて求められる。ただし本実施形態では、調査員による調査の一部または全部を自動化してもよい。
本実施形態の情報処理装置は、調査における各項目の評価結果を推定する処理を行ってもよい。以下、評価結果を推定する手法の具体例として機械学習について説明する。ただし、本実施形態の手法は機械学習を用いるものに限定されず、種々の変形実施が可能である。また以下では機械学習としてNNを用いる例について説明するが、機械学習はSVM等の他の手法が用いられてもよいし、NNやSVMを発展させた手法が用いられてもよい。
図17は、NNの基本的な構造例である。図17の1つの円をノード又はニューロンと呼ぶ。図17の例では、NNは、入力層と、2以上の中間層と、出力層を有する。入力層がIであり、中間層がH1及びHnであり、出力層がOである。また図17の例においては、入力層のノード数が2、中間層のノード数がそれぞれ5、出力層のノード数が1である。ただし、中間層の層数や、各層に含まれるノードの数は種々の変形実施が可能である。また図17では、所与の層に含まれる各ノードが、次の層に含まれるすべてのノードと接続される例を示しているが、この構成についても種々の変形実施が可能である。
入力層は、入力値を受け付け、中間層H1に出力する。図17の例では、入力層Iは、2種類の入力値を受け付ける。なお入力層の各ノードは、入力値に対して何らかの処理を行い、当該処理後の値を出力してもよい。
NNにおいて、接続される2つのノードの間には重みが設定されている。図17のW1は、入力層Iと第1中間層H1の間の重みである。W1は入力層に含まれる所与のノードと、第1中間層に含まれる所与のノードとの間の重みの集合を表す。例えば図17のW1は、10個の重みを含む情報である。
第1中間層H1の各ノードでは、当該ノードに接続される入力層Iのノードの出力を、重みW1を用いて重み付け加算し、さらにバイアスを加算する演算を行う。さらに各ノードでは、加算結果に非線形関数である活性化関数を適用することによって、当該ノードの出力が求められる。活性化関数は、ReLU関数であってもよいし、シグモイド関数であってもよいし、他の関数であってもよい。
また、これ以降の層についても同様である。即ち、所与の層では、重みWを用いて、1つ前の層の出力を重み付け加算し、バイアスを加算した上で活性化関数を適用することによって、次の層への出力を求める。NNは、出力層の出力を、当該NNの出力とする。
以上の説明からわかるように、NNを用いて入力データから所望の出力データを得るためには、適切な重みとバイアスを設定する必要がある。学習では、所与の入力データと、当該入力データでの正しい出力データを表す正解データとを対応付けた訓練データを用意しておく。NNの学習処理とは、訓練データに基づいて、最も確からしい重みを求める処理である。なお、NNの学習処理では、誤差逆伝播法(Backpropagation)等の学習手法が種々知られている。本実施形態においては、それらの学習手法を広く適用可能であるため、詳細な説明は省略する。また、NNは、図17に示した構成には限定されず、CNNやRNN(Recurrent neural network)等が用いられてもよい。
図18は、調査項目の一例である「麻痺等の有無」に関する評価結果の推定に用いられる麻痺等の有無判定用NNの入力データと出力データを例示する図である。ここでの入力データは、被介助者の生活環境に配置されたセンサの出力データを含んでもよい。センサの出力データをセンシングデータと表記する。また入力データは、被介助者の介助に使用された1または複数のノウハウ情報121に関する情報を含んでもよい。
例えば麻痺等の有無に関する評価結果を推定する場合、センシングデータは、被介助者の筋肉量を検出したデータ、筋電を検出したデータ、対象部位を撮像したデータのうちの少なくとも1つを含む。筋肉量は、例えば体重計(体組成計)を用いて検出されてもよい。また近年では携帯可能な小型の体組成計も知られており、具体的なセンサ形状は種々の変形実施が可能である。また筋電は、複数の電極を有するセンサを被介助者の体表に固定することによって検出される。また対象部位を撮像したデータは、被介助者を撮像可能なカメラ(撮像センサ)によって取得される。ここでのカメラは、被介助者の居室やベッド等に固定されるものであってもよいし、介助者が使用する端末装置200やヘッドセット300に搭載されるものであってもよい。
また入力データは、「拘縮、麻痺がある場合のオムツ交換の仕方」に関するノウハウ情報121の使用有無を表す情報を含む。このノウハウ情報121は、四肢に拘縮または麻痺がある被介助者のオムツ交換を行う際に用いられる情報であって、例えば介助行動はオムツ交換における正解動作を含む。拘縮、麻痺がある場合、被介助者の四肢の動きが制限されるため、拘縮、麻痺がない場合とは異なる正解動作が用いられる。「拘縮、麻痺がある場合のオムツ交換の仕方」に関するノウハウ情報121が使用されている場合、対象となる被介助者は拘縮または麻痺がある蓋然性が高い。よってこのノウハウ情報121の使用有無は、麻痺等の有無の評価結果を推定する際に有用な入力データである。ここでの入力データの値は、例えば対象のノウハウ情報121が使用されている場合に第1の値になり、使用されていない場合に第2の値となる2値データである。
また入力データは、「拘縮、麻痺がある場合の体位変換の仕方」に関するノウハウ情報121の使用有無を表す情報を含む。このノウハウ情報121は、四肢に拘縮または麻痺がある被介助者の体位変換を行う際に用いられる情報であって、例えば介助行動は体位変換における正解動作を含む。この場合も、拘縮、麻痺がない場合とは正解動作が異なると考えられる。「拘縮、麻痺がある場合の体位変換の仕方」に関するノウハウ情報121が使用されている場合、対象となる被介助者は拘縮または麻痺がある蓋然性が高い。よってこのノウハウ情報121の使用有無は、麻痺等の有無の評価結果を推定する際に有用な入力データである。
また入力データは、「拘縮、麻痺予防の体操の仕方、体の動かし方」に関するノウハウ情報121の使用有無を表す情報を含む。この場合の介助行動は、被介助者によって実行される体操や体の動かし方の正解動作であってもよいし、当該体操等を行わせる際の介助者の動きに関する正解動作であってもよい。「拘縮、麻痺予防の体操の仕方、体の動かし方」に関するノウハウ情報121が使用されている場合、対象となる被介助者は麻痺等の予備軍である蓋然性が高い。よってこのノウハウ情報121の使用有無は、麻痺等の有無の評価結果を推定する際に有用な入力データである。
麻痺等の有無の評価結果は、例えば、「1.ない」、「2.左上肢」、「3.右上肢」、「4.左下肢」、「5.右下肢」、「6.その他」について、当てはまる番号をすべて選択した結果である。なお「6.その他」とは四肢の欠損等を表す。
よって出力データは、「1.ない」が選択される確からしさ、「2.左上肢」が選択される確からしさ、「3.右上肢」が選択される確からしさ、「4.左下肢」が選択される確からしさ、「5.右下肢」が選択される確からしさ、「6.その他」が選択される確からしさ、のそれぞれを表す6つのデータである。例えば6つのデータはそれぞれ0以上1以下の数値データであって、値が1に近いほど、対象の番号を選択すべきことを表す。
なお麻痺等の有無判定用NNの構成は図18に限定されず、入力データ及び出力データは種々の変形実施が可能である。例えば入力データのうちの一部のセンシングデータが省略されてもよいし、他のセンシングデータが入力データに追加されてもよい。またノウハウ情報121についても、一部のノウハウ情報121に関する入力データが省略さてもよいし、他のノウハウ情報121に関する入力データが追加されてもよい。
学習段階では、複数の被介助者を対象として、上記入力データに対して、正解データを対応付けることによって、麻痺等の有無判定用NNを作成するための訓練データが取得される。例えば被介助者の生活環境に配置されたセンサのセンシングデータや、被介助者に対して使用されるノウハウ情報121に基づいて入力データが取得される。ノウハウ情報121は、例えば対象の被介助者を介助する介助者のリスト情報123から特定される。
また正解データは、例えば調査員等の専門的な知識を有するエキスパートによって付与されてもよい。エキスパートは、例えば上記のURLに示した認定調査員テキストに従って調査を行い、上記6つのうち当てはまる番号をすべて選択する。例えばエキスパートが「1.ない」のみを選択し、他の5つを選択しなかった場合、正解データは、「1.ない」に対応する値が1となり、他の5つに対応する値が0となるデータである。
例えばサーバシステム100の処理部110は、訓練データを取得し、当該訓練データに基づいて機械学習を行うことによって、麻痺等の有無判定用NNを作成する。なお、機械学習はサーバシステム100とは異なる装置によって行われてもよい。
図19は、麻痺等の有無判定用NNを生成する学習処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まずステップS501において、処理部110は、学習用の入力データを取得する。ここでの入力データは上述したとおりであり、例えばセンシングデータ、及び、ノウハウ情報121の使用有無を表す情報を含む。なお、入力データは、被介助者がコミュニケーションを行った結果を表す情報を含んでもよい。例えば、入力データは、コミュニケーションロボットの出力を含んでもよい。コミュニケーションロボットの詳細については後述する。
またステップS502において、処理部110は、入力データに対応付けられた正解データを取得する。例えば処理部110は、学習段階において取得された訓練データのうちの何れか1つのデータセットを読み出すことによって、ステップS501及びS502の処理を実行する。
ステップS503において、処理部110はNNの重みを更新する処理を行う。具体的には、処理部110は、麻痺等の有無判定用NNにステップS501で取得した入力データを入力し、その段階での重みを用いて順方向の演算を行うことによって出力データを取得する。処理部110は、当該出力データと、正解データに基づいて目的関数を求める。ここでの目的関数は、例えば出力データと正解データの差分に基づく誤差関数、または出力データの分布と正解データの分布に基づく交差エントロピー関数である。
処理部110は、例えば誤差関数が減少するように、重みを更新する。重みの更新手法としては上述した誤差逆伝播法等が知られており、本実施形態でもそれらの手法を広く適用可能である。
ステップS504において、処理部110は学習処理を終了するか否かを判定する。例えば、訓練データに含まれる複数のデータセットは、学習用データとバリデーションデータに分けられてもよい。処理部110は、すべての学習用データを用いて重みを更新する処理が行われた場合に学習処理を終了してもよいし、バリデーションデータによる正解率が所与の閾値を超えた場合に学習処理を終了してもよい。
学習処理を終了しない場合、処理部110はステップS501に戻って処理を継続する。即ち、処理部110は、訓練データから新たなデータセットを読み出し、当該データセットに基づいて重みを更新する処理を行う。
学習処理を終了する場合、処理部110はその段階での麻痺等の有無判定用NNを学習済モデルとして記憶部120に記憶する。学習済モデルとは、順方向の演算を行うためのアルゴリズムと、重み付け係数を含む。なお、図19は学習処理の一例であり、本実施形態の手法はこれには限定されない。例えば、機械学習ではバッチ学習等の手法も広く知られており、本実施形態ではこれらの手法を広く適用可能である。
図20は、推論段階での状態判定部114の処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まずステップS601において、状態判定部114は、現タイミングが、被介助者の状態情報を求めるタイミングであるか否かを判定する。例えば、図15を用いて上述したように、状態情報が1ヶ月等の所定の間隔で求められるものである場合、状態判定部114は、前回の処理から当該所定の間隔が経過したか否かを判定する。
状態情報を求めるタイミングでないと判定された場合、状態判定部114は、ステップS602以降を行わずに処理を終了する。
状態情報を求めるタイミングであると判定された場合、ステップS602において、状態判定部114は、処理対象である被介助者に関する入力データを取得する。例えば記憶部120は、被介助者の生活環境に配置されたセンサ群が収集したセンサ情報等を取得、記憶している。状態判定部114は、収集されたデータのうち、対象となる被介助者に関するデータであって、入力データとして用いられるデータを読み出す処理を行う。例えば状態判定部114は、体組成計の出力、筋電を検出するセンサの出力、対象部位を撮像したカメラの出力等を読み出す。
また状態判定部114は、被介助者を介助する介助者のリスト情報123等に基づいて、被介助者に対して使用されたノウハウ情報121を特定する。具体的には、状態判定部114は、対象となる被介助者に対して、「拘縮、麻痺がある場合のオムツ交換の仕方」、「拘縮、麻痺がある場合の体位変換の仕方」、「拘縮、麻痺予防の体操の仕方、体の動かし方」の3つのノウハウ情報121が使用されたか否かをそれぞれ求める。
ステップS603において、状態判定部114は、記憶部120から麻痺等の有無判定用NNを読み出す。そして麻痺等の有無判定用NNにステップS602で取得した入力データを入力し、順方向の演算を行うことによって出力データを求める。麻痺等の有無判定用NNの出力データは、例えば上述したように、6つの番号のそれぞれが選択される確からしさを表す6つの数値データである。状態判定部114は、例えば数値が0<th<1を満たす閾値th以上である場合に、対象の番号が選択されると判定する。例えば、「1.ない」に対応する数値データがth以上であり、他の5つの数値データがth未満である場合、状態判定部114は、麻痺等の有無に関する評価結果として「1.ない」を選択し、他の5つを選択しないという推定結果を出力する。
このように本実施形態の手法によれば、麻痺等の有無という調査項目における評価結果を自動的に推定することが可能になる。なお以上では麻痺等の有無という具体的な項目を例に説明を行ったが、センシングデータ及びノウハウ情報121の使用有無に基づいて評価結果を推定可能である点は、他の項目についても同様である。
図21は、p個の調査項目における評価結果を推定する場合のNNの構成例である。図21では、1項目について1つのNNが作成される例を示している。各NNは、入力データとして、センシングデータと、ノウハウ情報121の使用有無を表す情報と、コミュニケーションロボットを用いたコミュニケーション結果を表す情報を取得する。ただし、各NNはこの3種類のすべての入力を受け付ける必要は無く、一部が省略されてもよい。
特に、図21に示したように、ノウハウ情報121の使用有無については対象の項目にあわせて、一部を抽出するフィルタリング処理が行われてもよい。上述したように、ノウハウ情報121は膨大な数になる可能性がある。フィルタリング処理を行わない場合、入力データの大部分をノウハウ情報121の使用有無が占めてしまい、センシングデータやコミュニケーションロボットによる問診結果が出力に及ぼす影響が極端に低下するおそれがある。その点、フィルタリング処理を行うことによって入力データとなるノウハウ情報121の数が限定されるため、評価結果の推定を精度良く行うことが可能である。
またセンシングデータを出力するセンサは、上述した体組成計、筋電センサ、撮像センサ(カメラ)に限定されず、加速度センサや角速度センサ等のモーションセンサ、圧力センサ、臭気センサ等の排泄検知センサ、GPS(Global Positioning System)等の位置センサ、脈拍や心拍等を検出する睡眠検知センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサ気圧センサ等、種々のセンサを利用可能である。そして各NNは、これらのすべてを入力として受け付ける必要は無く、例えば図23A~図23Eを用いて後述するように、一部のセンシングデータを取得してもよい。
ノウハウ情報121は、上述したように複数のユーザによって多様な情報が登録される。図22A~図22Cは、ノウハウ情報121の一例である。図22Aは、被介助者の食事を介助する食事介助において用いられるノウハウ情報121の例である。例えば食事介助では介助者が被介助者の特徴を把握し、且つ、それを分かりやすく被介助者自身にも説明することによって、食事の実行をスムーズにするという介助行動が行われる。例えば咀嚼能力が低いという特徴がある被介助者の場合、そのことを介助者が把握していれば誤嚥を抑制する対処が可能であるし、被介助者に「ご飯を軟らかくしてあるのでよく噛みましょう」といった案内を行うことも有用である。図22AのNumber 2は、介助者に「利用者の特徴を伝える(理解させる)」ためのノウハウ情報121であり、例えば所定の開始条件が満たされた場合に、介助者に被介助者の特徴を表すデータの取得、閲覧という介助行動を実行させる。また上述したように、介助行動として、介助者が被介助者に、当該被介助者の特徴を伝えるという動作を含んでもよい。これ以外のノウハウ情報121についても同様であり、図22Aに示すノウハウ情報121は、食事介助における介助者の種々の行動をサポートするための情報を含む。
図22Bは、被介助者の排泄を介助する排泄介助において使用されるノウハウ情報121の例である。なお排泄介助は、トイレで行われてもよいし、オムツを用いて行われてもよい。Number 66-72がトイレでの排泄介助を行う場合のノウハウ情報121を表し、Number 73-75がオムツを用いた排泄介助を行う場合のノウハウ情報121を表す。
図22Cは、被介助者の移乗又は移動を介助する移乗介助、移動介助において使用されるノウハウ情報121の例である。なお移乗・移動介助は、被介助者の状態やリフト等の空き状況に応じて、器具の有無、あるいは器具の種類が異なる。図22Cの例では、Number 92-103が車椅子を用いた介助を行う場合のノウハウ情報121を表し、Number 104-107が杖を用いた介助を行う場合のノウハウ情報121を表し、Number 108-112がリフトを用いた介助を行う場合のノウハウ情報121を表す。
またノウハウ情報121は、これに限定されず、食事、排泄、移乗・移動以外の場面で使用されるノウハウ情報121が処理に用いられてもよい。また図18を用いて上述した「拘縮、麻痺がある場合のオムツ交換の仕方」は、排泄介助で使用されるノウハウ情報121であって、図22Bに記載の例よりも具体的な状況に対応するための情報である。このように、食事、排泄、移乗・移動で使用されるノウハウ情報121も図22A~図22Cに限定されず、種々の変形実施が可能である。
またコミュニケーションロボットとは、被介助者とコミュニケーションを行うためのロボットである。コミュニケーションロボットは、例えば2本のアームを有する人型のロボットであって、音声認識及び音声合成が可能な機器であってもよい。このようなコミュニケーションロボットを用いた場合、被介助者と会話を行いつつ、例えば腕を曲げてみせることで、被介助者に同じ動きができるか否かを問いかけることが可能である。ただしコミュニケーションロボットは人型に限定されず、音声認識及び音声合成を行うことによって会話を行うものであってもよい。この場合、コミュニケーションロボットはPC等の機器によって実現され、ディスプレイ上に表示されたアバターと会話を実行可能な態様であってもよい。また被介助者とのコミュニケーションは音声を用いた会話に限定されず、テキストを用いたものであってもよい。例えばコミュニケーションロボットによる発話と、被介助者による受け答えの少なくとも一方がテキストを用いて行われてもよい。コミュニケーションロボットを用いたコミュニケーションの結果は、主に認知機能を評価する際の入力データとして有用である。
図23A~図23Eは、各項目がどのような評価を行うものであるかを表す評価内容と、当該項目の評価結果を推定する際の具体的な入力データの例である。入力データは、センシング対象、暗黙知(ノウハウ情報121)、コミュニケーションロボットのそれぞれに分けて記載している。コミュニケーションロボットに関する欄は、使用される場合に○を記載し、使用されない場合に空欄となっている。図23Aは、身体機能・起居動作に関する項目を表す。図23Bは、生活機能に関する項目を表す。図23Cは、認知機能に関する項目を表す。図23Dは、精神・行動障害に関する項目を表す。図23Eは、社会生活への適応に関する項目を表す。1-1等の番号は、図14Aまたは図14Bに記載された番号に対応する。
図23Aに示すように、身体機能・起居動作は、被介助者が所定の動作を実行できるか否かを評価する項目が多く、当該動作における所定部位の動き、所定箇所との接触、荷重分布等のセンシングデータが入力データとして用いられる。また一部の項目については、ノウハウ情報121の使用有無が入力データとなる。一方、コミュニケーションロボットの出力は聴力等の一部の項目のみで使用される。
図23Bに示すように、生活機能は、食事、排泄、移乗・移動、清潔等に関するものであるため、被介助者が介助を受けているか等のセンシングデータが使用される項目が多い。センシングデータは、例えば撮像画像等である。また、ノウハウ情報121の使用有無については、図22A~図22Cに示した情報を利用可能である。図23BにおけるNumberとは、図22A~図22CにおけるNumberを表す。コミュニケーションロボットの出力は、図23Bの例では使用されない。
図23Cに示すように、認知機能については被介助者の言動が評価結果の推定において重要となる。そのため、多くの項目でコミュニケーションロボットの出力が入力データとなる。また状態判定部114は、問い掛けに対する回答を、撮像センサやマイク等を用いたセンシングデータとして取得、利用してもよい。ノウハウ情報121の使用有無については、図23Cの例では使用されない。
図23Dに示すように、精神・行動障害に関する項目についても被介助者の言動が評価結果の推定において重要となる。そのため、多くの項目でコミュニケーションロボットの出力が入力データとなる。また状態判定部114は、問い掛けに対する回答を、撮像センサやマイク等を用いたセンシングデータとして取得、利用してもよい。またセンシングデータとして、一定の期間において所定の行動がどの程度の回数、頻度で実行されたかの検出結果が用いられてもよい。ノウハウ情報121の使用有無については、図23Dの例では使用されない。
図23Eに示すように、社会生活への適応に関する項目は、一定の期間において所定の行動がどの程度の回数、頻度で実行されたかの検出結果を表すセンシングデータが用いられる項目が多い。また薬の服用については、ノウハウ情報121の使用有無が使用される。また集団への不適応等、コミュニケーションロボットの出力が用いられる項目があってもよい。
図21、図23A~図23Eに示したように、本実施形態の手法によれば、被介助者の状態情報を求める際に使用される項目ごとの評価結果を、センシングデータやノウハウ情報121の使用有無から推定することが可能である。特に、ノウハウ情報121の使用有無を用いることによって、被介助者に対して実行されている介助を考慮することが可能になるため、推定精度の向上が可能になる。
例えば処理部110(状態判定部114)は、被介助者の介助に使用されたノウハウ情報と、被介助者の生活環境に配置されたセンサの出力データとに基づいて、状態情報を演算する処理を行ってもよい。即ち、状態判定部114は、調査項目における評価結果を推定する処理に加えて、推定結果に基づいて状態情報を演算してもよい。例えば状態情報が要介護度である場合、状態判定部114は、状態情報として要支援1~要介護5のいずれかを表す情報を求める。このようにすれば、状態情報を自動的に演算することが可能になる。そのため、例えば状態情報の変化に基づいてノウハウ情報121の重要度を判定する処理を容易に実現することが可能になる。
ただし本実施形態の手法は、状態情報を自動的に演算するものに限定されない。例えば、本実施形態の手法によって求められた各項目についての推定結果が、調査員に提供されてもよい。この場合、調査員が被介助者を訪問する点は従来手法と同様になる。しかし、調査員は推定結果が適切か否かを確認すれば良いため、一から各項目の調査を行う場合に比べて負担軽減が可能であり、調査時間を短くできる。
また処理部110は、各項目についての推定結果に基づいて状態情報に関する一次判定を行い、当該一次判定の結果が医師等の専門家に提供されてもよい。この場合、医師等が一次判定結果に基づいて状態情報の最終的な結果を決定する。調査員による調査が省略されるため、状態情報を求めることが容易になる。
<行動の提案>
また以上では、調査項目における評価結果を推定する際の入力データとして、センサの出力データであるセンシングデータを用いる場合があることを説明した。ただし、センシングデータを用いた判定を行うためには、ある程度の数が必要になることもある。
例えば状態判定部114は、図23Aに示すように、1-3の「寝返り」の評価結果を判定する際に、体圧や荷重の変動を表すセンシングデータを用いてもよい。この際、例えばベッドへの荷重が大きく減少した場合、被介助者が何かにつかまった、あるいは介助者の介助をうけたと考えられるため、状態判定部114は能力が低い可能性があると推定する。
しかし、寝返りが自力でできるとは、センシングデータのすべてにおいて荷重が減少しないことを表すものには限定されない。例えば、複数回の寝返りに相当するセンシングデータのうち、所定の割合を表す閾値以上のセンシングデータで荷重が大きく減少していなければ、自力で寝返りできるといった判定が行われてもよい。この場合、前回の状態判定から今回の状態判定の期間において取得されたセンシングデータのうち、所与の条件を満たすセンシングデータの割合が重要となるため、センシングデータの数がある程度多いことが望ましい。例えば寝返り実行時のセンシングデータが1つしか取得されなかったとすると、すべてのセンシングデータで荷重が減少している、あるいは、すべてのセンシングデータで荷重が減少していない、のいずれかという極端な結果が得られてしまうため、寝返りに関する評価結果の推定精度が低下するおそれがある。
またセンシングデータの数が重要である点は、他のセンシングデータについても同様であり、少数のセンシングデータを入力データとすることによって、評価結果の推定精度が低下する可能性がある。
よって処理部110は、所与の判定期間においてセンサの出力データの数が不足すると判定された場合、被介助者または被介助者を介助する介助者に特定の行動を指示する出力を行ってもよい。このようにすれば、センシングデータを取得する機会が増えるため、状態判定部114における入力データを増やすこと、それにより推定精度を向上させることが可能になる。
図24は、センシングデータの数が不足するか否かを判定する処理を説明する図である。図24の横軸は時間を表し、縦軸はセンシングデータの数を表す。またt1及びt2は、図15と同様に状態情報を取得するタイミングを表す。
例えば状態判定部114は、図24のt2において状態情報を取得するために、t1からt2の期間でのセンシングデータに基づいて、評価結果を推定する。状態判定部114は、例えば各項目の入力データとなるセンシングデータごとに、必要なデータ数をあらかじめ決定しておく。状態判定部114は、t1からt2の間の所与のタイミングにおいて、それまでに取得されたセンシングデータの数に基づいて、t2の時点で取得されるセンシングデータの数を推定する。例えば状態判定部114は、図24に示すようにセンシングデータの数が直線的に増加すると仮定してもよいし、t1からのセンシングデータ数の推移を表現する近似関数を求め、当該近似関数に基づいてt2時点でのセンシングデータ数を推定してもよい。状態判定部114は、t2時点におけるセンシングデータ数の推定値が必要データ数より少ない場合、センシングデータが不足すると判定する。
例えば状態判定部114は、寝返りに関するセンシングデータが不足すると判定した場合、被介助者に寝返りの実行を提案する出力を行ってもよい。あるいは状態判定部114は、被介助者に寝返りを行わせることを、介助者に提案する出力を行ってもよい。このようにすれば、実際にt2のタイミングになる前にセンシングデータを取得できるため、t2での評価結果の推定精度を高くできる。
なお、状態判定部114が行う指示出力は、寝返りや起き上がり等を直接的に提案するものに限定されない。例えば状態判定部114は、複数の評価項目に関連する一連の動作の実行を提案する出力を行ってもよい。
図25は、状態判定部114による提案内容と、当該提案によってセンシングデータが取得可能な調査項目とを対応付けた図である。例えば状態判定部114は、「○○日に××まで買い物に行きましょう」といった提案をしてもよい。被介助者が所定の場所まで買い物に行くためには、準備として歯磨き、洗顔、整髪、爪切り、着替え等が必要になる。また、準備段階及び外出後において、両足や片足での立位保持、歩行、立ち上がり等の動作が行われる。即ち、買い物の提案を行うことによって、図25に示した複数の項目に関するセンシングデータをまとめて取得することが可能になる。即ち、個別に提案を行わなくても、多くのセンシングデータを効率的に収集することが可能になる。
その他、状態判定部114は、図25に示すように、掃除の提案や、外出準備の提案をしてもよい。また外出準備を行うことが難しい場合、口腔の洗浄、整髪、衣類着脱を提案してもよい。この場合も、それぞれの提案を実行するためには立ち上がりや歩行等の動作を伴うため、センシングデータを効率的に収集することが可能である。
3.5 GPO(Group Purchasing Organization)
医療施設が医療機器を購入する際、GPO(Group Purchasing Organization)が利用されることがある。GPOは、メーカ等販売元との価格交渉を専門に行う業種であり、大量のロットの購入を確約することで単価を下げるサービスを加盟者に提供する。メーカが希望する最低購入ロットが大きい場合にも、GPOを利用することによって、加盟者である医療施設は、単価が高い製品を必要分だけ購入しつつコストを押さえることが可能になる。例えば米国では、医療施設の多くがGPOに加盟しており、GPOを介して、種々の医療機器を購入する。
GPOは購買条件(コントラクト)を提供しており、加盟者がそのコントラクトを利用する際には購入額の一部を手数料としてGPOに支払う。コントラクトの内容はメーカごとに価格を設定するものや、購買量に応じた割引を設定したもの等、多様である。
GPOに好適なコンピュータシステムや方法が、“COMPTER-BASED SYSTEMS SPECIFICALLY CONFIGURED TO MANAGE SOFTWARE OBJECTS THAT ARE INTERRELATED VIA TRIGGER CONDITIONS AND METHODS OF USE THEREOF”という2017年10月13日に出願された米国特許出願第15/783,992号、及び、“METHODS AND SYSTEMS FOR PROVIDING IMPROVED MECHANISM FOR UPDATING HEALTHCARE INFORMATION SYSTEMS”という2020年8月5日に出願された米国特許出願第16/985,609号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
米国特許出願第15/783,992号のFIG.6には、バイヤがコントラクトのパラメータや、ディスカウントの条件等を入力することによって、RFP(Request For Proposal)を作成するための画面例が開示されている。この例では、UNSPSC(United Nations Standard Products and Services Code)等の製品分類コードを用いた製品カテゴリの指定に基づいてRFPが作成され、作成されたRFPは1または複数のサプライヤに送信される。
RFPに基づいてサプライヤから具体的な製品を含む返信が行われた場合、バイヤには例えばFIG.22に対応する画面が提示される。FIG.22は製品を選択する際のインターフェイスとなる画面である。FIG.22では、複数の製品を相互に参照しながら、バイヤの必要に応じた製品を選択可能である。
また米国特許出願第16/985,609号のFIG.10には、所与の製品を別の製品に置き換えたときの効果を評価するための画面が開示されている。
これらの記載からも分かるように、バイヤの要求にあわせて、適切な製品を提案することがGPOにとって重要である。本実施形態の手法は、GPOに対するコンサルティング、具体的にはGPOによる製品提案のサポートのために用いられてもよい。
例えば処理部110は、所与のノウハウ情報121に、デバイスとして複数のデバイスが対応付けられている場合に、複数のデバイスのうちの第1デバイスの代替デバイスとして、複数のデバイスのうちの第1デバイス以外のデバイスを提示する処理を行ってもよい。
図26は、上述したノウハウ情報121、登録情報122、リスト情報123の例である。上述したように、登録ユーザが図6に示す処理を行うことによって、ノウハウ情報121に対して、当該ノウハウ情報121の開始条件、又は介助行動のいずれかを判定するためのデバイスが対応付けられる。また各ユーザが、図10(特にステップS308)に示す処理を行うことによっても、ノウハウ情報121に対して、当該ノウハウ情報121の開始条件、又は介助行動のいずれかを判定するためのデバイスが対応付けられる。これにより、図26に示すように、所与のノウハウ情報121に対応付けられた1または複数のデバイスを特定できる。なお図26に示すように、さらにノウハウ情報121自体を用いることによって、具体的な開始条件や介助行動等、より詳細な情報をデバイスと対応付けることが可能である。
上述したように、登録情報122に含まれるDevice1は、登録ユーザが開始条件等を判定するために指定したデバイスである。リスト情報123に含まれるDevice1aは、他のユーザが、登録ユーザの暗黙知を使用するために指定したデバイスである。即ち、所与のノウハウ情報121に対応付けられた複数のデバイスは、いずれも同じ開始条件等を判定するためのデバイスであるため、類似している蓋然性が高い。Device1bについても同様である。
よって処理部110は、例えばバイヤがDevice1の置き換えを検討している場合、代替デバイスとして、Device1a及びDevice1bを提案する処理を行う。このようにすれば、UNSPSC等の製品分類コードとは異なる観点から、ユーザの要求に合致する製品を特定、提示することが可能になる。
さらに処理部110は、例えばバイヤが所与のノウハウ情報121で用いられるデバイスの置き換えを検討している場合、当該ノウハウ情報121に類似する類似ノウハウ情報に対応付けられた1または複数のデバイスを、代替デバイスとして提案してもよい。類似ノウハウ情報は、上述したように、第1類似度判定処理に基づいて決定される。ノウハウ情報121と類似ノウハウ情報は、例えば開始条件を表すテキスト間の類似度や、使用される介助の種類等の類似度が高い。そのため、ノウハウ情報121と類似ノウハウ情報は類似する状況で使用される蓋然性が高く、類似ノウハウ情報に対応付けられたデバイスも、置き換え対象であるデバイスに類似すると考えられる。このように類似ノウハウ情報を用いることで、提示できるデバイスの数を増やし、幅広い提案をサポートすることが可能である。
なお本実施形態の手法は、ノウハウ情報121を用いてデバイスを提案する手法に固定される必要は無い。例えば、処理部110は、UNSPSC等のコードを用いた代替デバイスの決定処理と、ノウハウ情報121を用いた代替デバイスの決定処理とを切り替え可能であってもよい。例えば処理部110は、ユーザ入力に基づいて、コードとノウハウ情報121のいずれを用いるかを決定する。
また本実施形態の処理部110は、複数のノウハウ情報121から、デバイスが対応付けられていない第4ノウハウ情報との類似度が高く、且つ、デバイスが対応付けられている第5ノウハウ情報を特定する処理を行ってもよい。処理部110は、第4ノウハウ情報の開始条件を判定するデバイスのサプライヤとして、第5ノウハウ情報に対応付けられたデバイスのサプライヤを決定する処理を行う。
図27は、第4ノウハウ情報、及び第5ノウハウ情報に基づいてサプライヤを特定する処理を説明する図である。例えば、ID43のノウハウ情報121が第4ノウハウ情報に対応する。ID43のノウハウ情報121は対応する登録情報122が存在せず、デバイスが対応付けられていない。類似度判定部113は、第1類似度判定処理に基づいて、ID43のノウハウ情報121に類似する類似ノウハウ情報を求める。例えば、ID10のノウハウ情報121が類似ノウハウ情報であり、第5ノウハウ情報に対応する。
ここでID10のノウハウ情報121は、図27に示すように対応する登録情報122が存在し、デバイスとしてDevice10が対応付けられている。また記憶部120は、別途、デバイスと、当該デバイスを供給するサプライヤを対応付ける情報を記憶している。例えばDevice10にはSupplier10が対応付けられている。
この場合、処理部110は、ID43のノウハウ情報121に利用するデバイスのサプライヤとして、Supplier10を提案する処理を行う。上述したように、ID43のノウハウ情報121とID10のノウハウ情報121は類似するため、ID43のノウハウ情報121の自動判定には、Device10に類似するデバイスが利用可能である蓋然性が高い。即ち、ID43のノウハウ情報121の自動判定に用いられるデバイスは、Supplier10との親和性が高く、Supplier10が開発、提供できる可能性がある。
上述したように、ID43のノウハウ情報121にはデバイスが対応付けられていないため、開始条件や介助行動の自動判定に適したデバイスが市場に広く出回っていない可能性がある。しかしノウハウ情報121として登録された以上、それはいずれかのユーザの暗黙知を表す情報であるため、介助の場面で有用な可能性がある。その点、本実施形態の手法によれば、既存のデバイスでは対応できなかったノウハウ情報121の処理を自動化するための情報を提示できる。結果として、新たなセンシングデバイス市場の開拓等が可能になる。
図28は、推奨されるサプライヤを提示する画面の例である。図28の例では、デバイスが対応付けられていないノウハウ情報121のID番号と、当該ノウハウ情報に対応付けられた推奨サプライヤとが表示される。なお、図28におけるCategoryとは、例えばUNSPSC等の製品分類コードに基づいて決定されるカテゴリを表す。例えば図28の例では、ID11のノウハウ情報121に対応するデバイスのサプライヤとして、Supplier1とSupplier2が提示されている。なお、第5ノウハウ情報に対応付けられたデバイスが図26のように複数存在する場合、あるいは、1つの第4ノウハウ情報に類似する第5ノウハウ情報が複数選択された場合等に、推奨されるサプライヤが複数となり得る。同様に、ID43のノウハウ情報121に対応するデバイスのサプライヤとしてSupplier10が提示される。その他のノウハウ情報121についても同様である。このようにすれば、各ノウハウ情報121について推奨されるサプライヤを分かりやすく提示することが可能になる。
この際、処理部110は、各ノウハウ情報121のランキング(第2重要度)を提示してもよい。ランキングを決定する指標は、上述したように、ダウンロード数であってもよいし、使用ユーザ数であってもよいし、評価値であってもよいし、これらをあわせて求められる情報であってもよい。例えばID11のノウハウ情報121はランキングが高く、この判定を自動化するデバイスが供給された場合、使用を望むユーザが多いと考えられる。このように、ランキングは、サプライヤによる新規デバイス供給を促す材料となるため、処理に用いることが有用である。例えば図28は、デバイスが対応付けられていない複数のノウハウ情報121のうち、所与の条件を満たすノウハウ情報121を、ランキング順に表示する画面である。
また処理部110は、各ノウハウ情報121について、被介助者の状態を考慮した重要度を提示してもよい。ここでの重要度は、図28のCare to improve qualityに対応し、図28では重要度がA~Cの3段階で表示される。被介助者の状態を考慮した重要度は、上述したように、例えば状態情報の変化と、ノウハウ情報の使用有無とに基づいた重回帰分析によって求められる。例えばID11のノウハウ情報121はランキングが高く、且つ、被介助者の状態改善・維持に寄与する度合いも高い。即ち、介助者と被介助者のいずれの観点からも重要度が高いことが分かるため、サプライヤによる新規デバイス供給を促す材料となる。
一方、例えばID43のノウハウ情報121のように、介助者による評価は高いものの、被介助者の状態情報を考慮すると重要度が低いと判定されるノウハウ情報121が存在する可能性がある。逆に、ID44のノウハウ情報121のように、介助者による評価は相対的に低いものの、被介助者の状態情報を考慮すると重要度が高いと判定されるノウハウ情報121が存在する可能性もある。図28に示すように2つの観点からの重要度をそれぞれ表示することによって、ノウハウ情報121の重要度合いに関する情報量が増えるため、閲覧者(例えばGPO)に適切な判断を行わせることが可能になる。
また、ここでは推奨されるサプライヤをGPOに対して提示する画面において、2つの重要度を表示する例を示した。しかし重要度及び第2重要度が用いられる場面はこれに限定されない。例えば、図10を用いて上述した検索処理において、検索結果を表示する際に2つの重要度が表示されてもよい。このようにすれば、介護施設や病院等に勤務する介助者、当該介助者を指揮監督する管理者、ホームヘルパー、被介助者等、種々の対象に2つの重要度を提示することが可能である。あるいは、検索処理部112において、重要度に基づく検索処理が行われてもよい。また、ノウハウ情報121にデバイス等を対応付ける際の優先順位を判定する際に2つの重要度が用いられてもよい。
また2つの重要度が提示される画面も図28に限定されない。例えば、ダウンロード数や使用ユーザ数等を第1軸とし、被介助者の状態情報に基づく重要度を第2軸とする平面において、所与のノウハウ情報121の重要度が図示されてもよい。あるいは処理部110は、2つの重要度に基づいて、総合的な重要度を求め、当該総合的な重要度を提示する処理を行ってもよい。その他、具体的な提示内容は種々の変形実施が可能である。
4.変形例
上記の実施形態では、ノウハウ情報121の具体例を複数示したが、その他に多数考えられ、そのいくつかの具体例を以下に列挙する。例えば、ノウハウ情報121は、(1)患者等の被介助者ごとに適切な食形態を選択する情報、(2)患者等の被介助者ごとに看取りケアを所定期間後に開始すべきかを示唆する情報、看取りケア開始後にケアの内容を変更するタイミングを示唆する情報、(3)介助者が食事の提供を中止するタイミングに関する情報、(4)食事中に被介助者が誤嚥した際の介助者の対応に関する情報、(5)転倒するリスクが高い場面を検知する情報等を含んでもよい。
(1)患者等の被介助者ごとに適切な食形態を選択するノウハウ情報121では、入力情報として、咀嚼能力及び嚥下能力に関する医師等の診断結果、被介助者またはその家族の要望、被介助者が提供された食事を噛み切れていない様子の有無、食事中における被介助者の誤嚥(ムセや咳等)が生じている様子の有無、食事中に被介助者の負の感情情報(不快、嫌悪、悲しみ、驚き、恐怖などを指数化したもの)が表出しているか否か、の5種類の情報が入力される。また、患者等の被介助者ごとに適切な食形態を選択するノウハウ情報121では、出力情報として、食形態(例えば常食、刻食、極刻食、軟菜、ミキサー食、トロミ食、ゼリー食のいずれか)が出力される。
ここで、医師等の診断結果は、例えば反復唾液嚥下テスト(30秒間唾液を飲み続け、連続して何回ゴックンと飲み込めるかのテスト)では、その回数を情報として入力してもよいし、医師等の判断結果を分類しそれぞれの分類毎にタグ付けして情報として入力してもよい。被介助者またはその家族の要望は、要望を分類しそれぞれの分類毎にタグ付けして情報として入力してもよい。例えば「できれば常食を食べさせたい」という要望と「安全を優先させて食べされてほしい」という要望を異なるタグ付けをすればよい。被介助者が提供された食事を噛み切れていない様子の有無、食事中における被介助者の誤嚥(ムセや咳等)が生じている様子の有無、負の感情情報が表出しているか否かの有無は、カメラで撮像した被介助者の食事中の動画から、噛み切れていない様子や誤嚥が生じている様子を抽出して情報として入力する。
(2)患者等の被介助者ごとに看取りケアを所定期間後に開始すべきかを示唆するノウハウ情報121では、入力情報として、各食事における種類(例えば主菜・副菜としてもよいし、肉類、魚類等材料ごとでもよい)毎の摂取量または摂取割合、水分の摂取量、摂取のタイミング、疾病に関する情報、体重(またはBMI)の5種類の情報が入力される。患者等の被介助者ごとに看取りケアを所定期間後に開始すべきか、看取りケア開始後にケアの内容を変更するタイミングか否か、を示唆するノウハウ情報121では、出力情報として、看取りケアを所定期間後に開始すべきか否か、看取りケア開始後にケアの内容を変更するタイミングか否か、を示す情報が出力される。看取りケアとは、近い将来に死亡する可能性が高いと考えられる被介助者に対する介助を表す。看取りケアでは、身体的苦痛や精神的苦痛の緩和、対象の被介助者にとって尊厳のある生活の支援等が重視される点で、通常の介助とは異なる。また看取りケアを行っている中でも、時間の経過とともに被介助者の状態が変化することによって、対象の患者に適した介助が変化していく可能性もある。即ち、看取りケアの開始タイミングや、看取りケアの中での介助内容の変更タイミングを提示することによって、被介助者に対して最期まで適切な介助を行うことが可能になる。例えば、熟練の介助者は食事量等の種々の観点から、看取りケアが必要となるタイミングやケア内容を推定する暗黙知を備えており、当該暗黙知をデジタル化することによって、他の介助者も適切な看取りケアが可能になる。
上記(1)及び(2)に関する介助情報を介助者に提供するシステムは、例えば図1に示したように、端末装置200とサーバシステム100を含む。ここでの端末装置200は、例えばPCである。なお上述したように、本実施形態の情報処理システム10は種々の態様によって実現が可能であり、サーバシステム100が省略されてもよい。端末装置200は、上記の5種類の情報を含む入力情報を取得する。端末装置200は、センサを用いて入力情報を自動的に取得してもよいし、介助者の入力操作に基づいて入力情報を取得してもよい。また介護施設等において、本実施形態に係る情報処理システム10とは別に、介護ソフトウェアが利用されてもよい。介護ソフトウェアとは、被介助者の属性や介護履歴等を記憶するためのソフトウェアである。従来、種々の介護ソフトウェアが用いられており、ここでの介護ソフトウェアはそれらを広く適用可能である。情報処理システム10は、介護ソフトウェアから上記の5種類の情報を含む入力情報を取得してもよい。
端末装置100は、入力情報に基づく分析開始の指示を受けると、各入力情報をサーバシステム200に送り、サーバシステム200は分析結果を端末装置100に出力する。図29Aは、この場合のマイページの例である。図29Aのマイページとは、図16に示したユーザページと同様に所与のユーザに関する情報を提示する画面であって、対象のユーザが使用中のノウハウ情報121と、登録したノウハウ情報121を表示する。
図29Aの例では、対象のユーザは、上記(2)に対応する看取りケアの開始タイミングであるか否かを推定するためのノウハウ情報121を使用中である。図29Aに示すマイページは、当該ノウハウ情報121に対応する領域にアップロードのためのオブジェクトを含む。当該オブジェクトの選択操作が行われた場合、端末装置200は、対象の被介助者に関する入力情報をサーバシステム100にアップロードする。
サーバシステム100は、例えば予め作成した看取りケアに関する学習済モデルに、アップロードされた入力情報を入力することによって、分析結果を求める。サーバシステム100は、分析結果を端末装置200に送信する。端末装置200は、分析結果を表す情報をユーザに提示する。
図29Bは、分析結果を表示する画面の例であり、例えば端末装置200の表示部に表示される画面である。分析結果は例えば上述したように、看取りケアを所定期間後に開始すべきか否かの判定結果、または、看取りケア開始後にケアの内容を変更するタイミングか否かの判定結果である。例えば分析結果は、図29Bに示すように、入力情報に基づいて求められる特徴量の時系列変化と、看取りケアを所定期間後に開始すべきか否かの判定結果を含んでもよい。ここでの特徴量は、食事量の移動平均等、入力情報のうち重要と判定された情報であってもよいし、上記5つの入力情報に基づいて演算される情報であってもよい。例えば、NNが用いられる場合、特徴量は所与の中間層または出力層の出力であってもよい。図29Bでは、所定タイミング(例えば10月)までの特徴量の実績値と、それ以降(例えば11月以降)の特徴量の推定値を提示するとともに、当該推定値を用いて判定された看取りケアの開始タイミングを表示している。このようにすれば、看取りケアに関する情報を適切にユーザに提示することが可能になる。
なお、看取りケアの開始タイミング等の判定が必要となる頻度は、食事、排泄、移乗等の日常的な介助に関する判定の頻度に比べて十分低い。よって上述したように、端末装置200におけるユーザ操作をアップロード及び分析処理のトリガーとすることによって、通信負荷及び処理負荷の軽減が可能になる。ただし、看取りケアに関するノウハウ情報121の処理は、ユーザ操作をトリガーとしたものに限定されず、対象の入力情報が収集された場合に自動的に実行されてもよい。
また上記(1)及び(2)に関する情報では、入力情報に相当する情報が介護ソフトウェアを用いて管理されている場合もある。よって上述したように、入力情報の一部または全部が、当該介護ソフトウェアを介して取得されてもよい。この場合、本実施形態に係る情報処理システム10と介護ソフトウェアが連動する形態としてもよい。例えばサーバシステム100による分析結果が、介護ソフトウェアの表示画面上で表示されてもよい。
図30Aは、介護ソフトウェアの表示画面の例である。例えば介護ソフトウェアは、所与の被介助者に対して実行された介助内容を時系列的に並べた画面を表示する。ただし介護ソフトウェアの表示画面はこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば介護ソフトウェアにいずれかの入力情報が入力されるたびに、かかる入力情報がサーバシステム100に送信されて自動的に分析されてもよい。介護ソフトウェアは、例えば表示画面の所定欄に分析結果を示すマークを表示してもよい。図30Aの例であれば、入力情報の1つとして用いられる食事における種類毎の摂取量または摂取割合の表示欄に、感嘆符を含むマークが表示される。図30Bは、例えば図30Aのマークを選択する操作が実行された場合の表示画面の例である。図30Bに示す例では、介護ソフトウェアの表示画面上に、図29Bと同様の分析結果がポップアップ表示される。このように、本実施形態に係る情報処理システム10と介護ソフトウェアを連動させることによって、例えば介護記録と分析結果をあわせて表示できるため、ユーザに適切な情報を提示することが可能になる。なお、介護ソフトウェア上での分析結果の表示手法は図30Bに限定されず、種々の変形実施が可能である。
(3)介助者が食事の提供を中止するタイミングに関するノウハウ情報121では、入力情報として、「被介助者が提供された食事を噛み切れていない様子が続いたら」、「食事中における被介助者の誤嚥(ムセや咳等)が頻繁に生じていたら」、「食事中に被介助者が眠そうにしていたら」の3種類の情報が入力され、3種類の情報のいずれか1個の条件を満たしているときに、出力情報として、「食事の提供を中止する」を出力する。
(4)食事中に被介助者が誤嚥した際の介助者の対応に関するノウハウ情報121では、入力情報として、「被介助者が誤嚥して、姿勢が崩れていたら」が入力され、この条件を満たしているときに出力情報として「姿勢を確認してください」を出力する。入力情報として、「被介助者が誤嚥して、眠そうにしていたら」が入力され、この条件を満たしているときに出力情報として「眠そうです。声掛けしてください」を出力する。入力情報として、「被介助者が誤嚥して、眠そうでもなく姿勢も崩れていないなら」または「被介助者が誤嚥して、食形態があっていないなら」が入力され、この条件を満たしているときに出力情報として「食事(例えば食形態)を確認してください」を出力する。入力情報として、「食事中における被介助者の誤嚥(ムセや咳等)が増えていたら」が入力され、この条件を満たしているときに出力情報として「食事の提供を中止する」を出力する。
ここで上記(3)及び(4)のノウハウ情報121に係る各入力情報は、例えばカメラで撮像した動画及び/又は嚥下を測るウェアラブルデバイス(例えば“Swallowing action measurement device and swallowing action support system”という2019年2月15日に出願された米国特許出願第16/276768号に記載されている。この特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている)の波形等の出力データから抽出される。
上記(3)及び(4)に関する介助情報を介助者に提供するシステムは、図31に示すように、嚥下を測るウェアラブルデバイス400、第1端末装置200A、第2端末装置200B、サーバシステム100を含む。被介助者は、首回りにウェアラブルデバイス400を装着する。第1端末装置200Aは、例えば被介助者の食事をする卓上に置かれ、被介助者の食事の様子を撮像する機能を有する。第1端末装置200Aは例えばカメラ装置やアプリがインストールされたスマートフォンである。第2端末装置200Bは介助者が携帯する端末であり、アプリを介して通知を受ける機能を有する。第1端末装置200Aはウェアラブルデバイス400と通信してデータの授受を行う。なお、図31では、サーバシステム100、第1端末装置200A及び第2端末装置200BがLANやインターネット等のネットワークNWを介して接続され、第2端末装置200Bとウェアラブルデバイス400が近距離無線通信等を用いて直接接続される例を示した。ただし、各機器の具体的な接続態様は種々の変形実施が可能である。以下に示す実施例では第1端末装置200Aは一人の被介助者を撮像している例で説明するが、これに限定されることなく、第1端末装置200Aが複数の被介助者を撮像してそれぞれの被介助者の出力情報を出力してもよい。
第1端末装置200Aは、被介助者を撮像した画像と、ウェアラブルデバイス400の出力データをサーバシステム100に送信する。サーバシステム100は、当該画像及び出力データに基づいて、上記(3)または(4)に関する処理を実行し、「食事の提供を中止する」等の出力情報を求める。
第1端末装置200Aのアプリ上では、ウェアラブルデバイス400のデータと撮像された画像が表示されるだけでなく、出力情報も表示される。図32Aは、第1端末装置200Aの表示部に表示される画面の例である。ここでの表示部は、例えば図3の表示部240に対応する。図32Bに示す画面では、撮像画像IMの一部の領域に、ウェアラブルデバイス400によって測定されたデータを示すオブジェクトOB1が重畳表示される。オブジェクトOB1に含まれる情報は、例えばウェアラブルデバイス400による測定値の時系列変化を表すグラフである。
また撮像画像IMの他の一部の領域に、サーバシステム100から取得した出力情報を示すオブジェクトOB2が重畳表示される。出力情報は、例えば上記(4)に示したように、「姿勢を確認してください」、「眠そうです。声掛けしてください」、「食事を確認してください」、「食事を中止してください」等の出力を含む。また出力情報は、上記のいずれについても出力不要であることを表す「ムセを検出していません」という情報を出力可能であってもよい。例えば図32Aに示すオブジェクトOB2では、正常状態を表すチェックマークを含む第1マークとともに、「ムセを検出していません」というテキストが表示される。図32Bは、オブジェクトOB2として表示される他の情報の例である。例えばオブジェクトOB2は、感嘆符を含む第2マークとともに、「姿勢を確認してください」、「眠そうです。声掛けしてください」、「食事を確認してください」等のテキストを表示するオブジェクトであってもよい。またオブジェクトOB2は、感嘆符を含む第3マークとともに、「食事を中止してください」というテキストを表示するオブジェクトであってもよい。図32Bの例では、第2マークは感嘆符を丸で囲んだマークであり、第3マークは感嘆符を三角で囲んだマークである。
「ムセを検出していません」は、被介助者の異常が検出されていない場合に提示される情報であり、緊急性は低い。これ以外の4つについては、何らかの異常が検出されているため、相対的に緊急性が高い。例えば、「姿勢を確認してください」、「眠そうです。声掛けしてください」、「食事を確認してください」の3つは、食事の提供に際し注意が必要な状況に対応する。また「食事を中止してください」という情報は、誤嚥が頻繁に起きている状況に対応するため、特に緊急性が高い。図32A、図32Bを用いて上述したように、第1マーク~第3マークをそれぞれ対応するテキストとともに用いることによって、被介助者の状態を適切に介助者に伝えることが可能になる。また、緊急性に応じた提示手法は、マークやテキストを異ならせるものに限定されず、オブジェクトOB2の色を変更してもよい。例えば第1マークを含むオブジェクトOB2は緑色で表示され、第2マークを含むオブジェクトOB2は黄色で表示され、第3マークを含むオブジェクトOB2は赤色で表示されてもよい。
第1端末装置200Aにこれらの情報が表示されることによって、被介助者の近傍で食事介助を行う介助者(図31における介助者A)は、被介助者の状態を適切に把握することが可能になる。具体的には介助者は、被介助者を目視で確認するだけでなく、センサの出力(オブジェクトOB1)や、サーバシステム100からの出力情報(オブジェクトOB2)を閲覧できるため、適切な介助を実行することが可能である。
また、端末装置200は、LED等の照明(発光部)を含んでもよい。端末装置200は、出力情報に応じて当該照明を制御してもよい。具体的には、被介助者に食事の提供を継続してよい場合(正常な場合)には、その照明は緑色を示し、被介助者に食事の提供をするに際し注意が必要である場合には、その照明は黄色を示し、食事の提供を中止する場合には、その照明は赤色を示す。その結果として、被介助者に食事介助している介助者(図31における介助者A)は、第1端末装置200Aの照明を用いて提示された出力情報に基づいて通知を認識することができる。なお以上ではサーバシステム100が出力情報を算出する例を示したが、これに限定されず、第1端末装置200Aが出力情報を算出してもよい。この場合、第1端末装置200Aは自身で算出した出力情報の表示処理を行う。
また出力情報は、第1端末装置200Aにおいて提示されるものに限定されない。例えば第1端末装置200Aを直接視認できない位置にいる介助者(図31における介助者B)が使用する第2端末装置200Bにおいて、出力情報が提示されてもよい。例えば介助者Bは、被介助者の食事介助を行う担当者であるが、対象の被介助者は比較的状態がよく、自立して食事を実行可能である蓋然性が高いとする。この場合、介助者Bは第1端末装置200Aを所定位置にセットして被介助者に食事を開始させた後、優先度の高い他の介助を実行してもよい。この場合、介助者Bが携帯する第2端末装置200Bにおいて出力情報を提示することによって、介助者Bは必要に応じて被介助者の食事介助に戻ることが可能である。あるいは、介助者Bは、本来の食事介助の担当者でなくてもよい。例えば担当者である介助者Aが他の被介助者の対応中である場合等には、介助者Bが携帯する第2端末装置200Bにおいて出力情報を提示することによって、介助者Bが適切にヘルプに入ることが可能になる。
図33A、図33Bは、第2端末装置200Bに表示される画面の例である。図33Aは、第2端末装置200Bのロック画面(通知画面)の例である。例えば図33Aに示すように、第2端末装置200Bは、出力情報に対応するオブジェクトOB21-OB24を表示してもよい。オブジェクトOB21-OB24は、いずれも図32A、図32BにおけるオブジェクトOB2に対応する。オブジェクトOB21は、上述した出力情報のうち、「食事を中止してください」に対応する。オブジェクトOB22は、「食事を確認してください」に対応する。オブジェクトOB23は、「眠そうです。声掛けしてください」に対応する。オブジェクトOB24は、「姿勢を確認してください」に対応する。
オブジェクトOB21-OB24に対応する通知は、そのすべてが通知対象となるものには限定されない。例えば、ユーザの熟練度合いに応じて、通知対象となる出力情報が選択されてもよい。例えば熟練度の低いユーザに対しては、可能な限り被介助者への注意を促すため、すべての出力情報を通知する設定が行われ、熟練度の高いユーザに対しては緊急性の高い出力情報に限定した通知が行われてもよい。上述した例であれば、「食事を中止してください」は他の3つに比べて緊急性が高いため、例えば熟練度の高いユーザを対象とする場合、オブジェクトOB21は表示対象となり、オブジェクトOB22-OB24は表示対象とならなくてもよい。
また第2端末装置200Bは、出力情報に関する詳細な情報を示すステータス画面を表示してもよい。図33Bはステータス画面の例である。例えばステータス画面は、モニター種類、利用者またはデバイス、ステータス、対応、の各項目を含む。
モニター種類とは、モニター対象となる場面(介助)を特定する情報であり、上記の例であれば「食事」である。利用者またはデバイスとは、対象の被介助者を特定する情報である。なお、これは被介助者の氏名であってもよいし、対象の被介助者の介助に使用されるデバイスのID等であってもよい。ここでのデバイスは、ウェアラブルデバイス400であってもよいし、第1端末装置200Aであってもよいし、他のデバイスであってもよい。ステータスは出力情報を表す。例えば、「ムセを検出していません」が正常に対応する。「姿勢を確認してください」、「眠そうです。声掛けしてください」、「食事を確認してください」は注意に対応する。「食事を中止してください」は中止に対応する。
対応は、介助者による対応状況を表す情報である。ステータスが正常である場合、介助者による行動は不要である。ステータスが注意である場合、介助者による行動が必要とは限らず、例えば出力情報の通知のみが行われてもよい。この場合、対応として通知の有無や、通知対象となったユーザを特定する情報が表示されてもよい。ステータスが中止である場合、介助者による行動が必要である蓋然性が高い。よって対応として、対応/未対応を特定する情報が表示される。また未対応である場合、図33Bに示すように自身が対応する旨を表すオブジェクトが表示されてもよい。例えばユーザ名「Sato」であるユーザがこの操作を行った場合、対応を表す情報が、「Satoによって対応済」を表す情報に更新される。これにより、緊急時の対応漏れを抑制すること、及び、複数の介助者が特定の被介助者の介助に重複して対応することを抑制できる。
図33Bに示すステータス画面を表示することによって、被介助者の食事状況を適切に把握することや、介助者による対応が必要か否かを即座に判断することが可能になる。なお以上では第2端末装置200Bの表示部を用いて通知を行う形態を説明したが、通知の形態はこれに限定されず、例えばヘッドセット300を介して音声で介助者に通知してもよい。
また上記(3)及び(4)のノウハウ情報121を例に、所与のノウハウ情報121の使用時に表示される画面の例について説明する。図6のステップS203に示したように、ノウハウ情報121の登録の際に、当該ノウハウ情報121にデバイスが対応付けられてもよい。また図6のステップS216に示したように、ノウハウ情報121に、デバイスデータに対する処理内容が対応付けられてもよい。上記(3)及び(4)のノウハウ情報121であれば、デバイスとはカメラ(端末装置200)や、ウェアラブルデバイス400である。また処理内容とは、撮像画像から被介助者の姿勢等を検出する処理であってもよいし、ウェアラブルデバイス400から出力される波形の振幅や周波数等を検出する処理であってもよい。
ただし、類似するノウハウ情報121であっても必要なデバイスデータはノウハウ情報121によって異なる場合もある。例えば上記(3)及び(4)に示すノウハウ情報121やそれに類似するノウハウ情報121では、カメラによって撮像した画像に基づいて、被介助者の姿勢等が検出される。この際のデバイスデータは、被介助者の姿勢を検出可能な画像データであればよく、被介助者を正面から撮像したデータであってもよいし、側方から横顔を撮像したデータであってもよいし、その中間的な方向(斜め方向)から撮像したデータであってもよい。例えばノウハウ情報121を登録する熟練のユーザが、いずれの方向から被介助者を観察すべきと考えるかによって、デバイスデータの内容が異なる。あるいは登録ユーザの所属する介護施設等の設備に応じて、カメラを設置可能な位置が異なることによって、デバイスデータが異なることも考えられる。
即ち、上記(3)及び(4)に示すノウハウ情報121は、1つに限定されず、複数の登録ユーザによって登録された、デバイスデータの異なる複数のノウハウ情報121を含んでもよい。また1人の登録ユーザが、同一または類似する介助を行うために、デバイスデータの異なる複数のノウハウ情報121を登録することも妨げられない。
このようなノウハウ情報121を利用する場合、デバイスデータを整合させることが重要である。例えば、被介助者を正面から撮像したデバイスデータに対して画像処理を行うことによって、食事の中止等を判定するノウハウ情報121を使用する場合、被介助者を側面や斜めから撮像したデバイスデータを入力情報としたのでは、処理の精度が低下するおそれがある。当該ノウハウ情報121において、デバイスデータに対する処理内容は、被介助者を正面から撮像したデータを対象とすることを想定しているためである。よってノウハウ情報121は、適切なデバイスデータを取得するための情報を含んでもよい。例えばデバイスがカメラである場合、適切なデバイスデータを取得するための情報とは、被写体を撮像する際の撮像方向を特定する情報である。また適切なデバイスデータを取得するための情報は、被介助者の全身を含むか、バストアップであるか、顔を含めばよいか、といった撮像範囲を特定する情報であってもよいし、撮像画像の特性を決定するための他の情報であってもよい。また、使用されるデバイスがカメラ以外である場合に、ノウハウ情報121が適切なデバイスデータを取得するための情報を含むことも妨げられない。
図34Aは、マイページの他の例である。図29Aと同様に、マイページは使用中のノウハウ情報121と、登録したノウハウ情報121を含む。図34Aの例では、ユーザは、上記(3)や(4)に対応するノウハウ情報121を使用中である。そしてマイページは、当該ノウハウ情報121の使用を開始するためのオブジェクトとして、カメラの起動を指示するカメラ起動オブジェクトを含む。
図34Bは、図34Aに示すカメラ起動オブジェクトに対する操作が行われた場合の表示画面の例である。図34Bに示す画面は、適切なデバイスデータを取得するための情報を含む。適切なデバイスデータを取得するための情報とは、例えば、画像における被介助者の顔の方向を指示するためのガイド用のオブジェクトである。図34Bにおけるガイド用のオブジェクトとは、輪郭を表すオブジェクトOB5及び顔を描いたイラストであるオブジェクトOB6を含む。ただし、オブジェクトOB5及びOB6は何れか一方が省略されてもよい。また顔の適切な方向を表す情報としてオブジェクトOB5及びOB6のいずれとも異なる情報が用いられてもよい。例えば、「被介助者を正面から撮像してください」といったテキストが表示されてもよいし、当該テキストが端末装置200やヘッドセット300を用いて音声として出力されてもよい。その他、適切なデバイスデータを取得するための情報の提示手法は種々の変形実施が可能である。
例えばノウハウ情報121は、図6のステップS207-S210の処理によって蓄積されたサンプルデータに基づいて、適切なデバイスデータを取得するための情報が対応付けられる。例えばサーバシステム100は、サンプルデータとして複数の画像を取得した場合に、当該複数の画像に基づいて、平均的な顔の方向を求める。サーバシステム100は、求めた平均的な顔の方向に基づいて、適切なデバイスデータを取得するための情報としてオブジェクトOB5やOB6を求め、求めたオブジェクトOB5及びOB6等をノウハウ情報121に対応付けてもよい。端末装置200は、ノウハウ情報121の使用時に、ノウハウ情報121に対応付けられた情報に基づいて、図34Bに例示したように、オブジェクトOB5やOB6を含む情報を提示する。
このようにすれば、例えばノウハウ情報121を使用するユーザは、使用するノウハウ情報121に応じてカメラの配置等を適切に調整できる。そのため、使用するノウハウ情報121に適した入力情報を取得することが可能になる。
あるいは、図10に示すノウハウ情報121の検索処理において、デバイスデータに関する情報が提示されてもよい。例えば図10のステップS309において、正面から撮像したデータを用いるノウハウ情報121と、側面から撮像したデータを用いるノウハウ情報121と、斜めから撮像したデータを用いるノウハウ情報121とがそれぞれ異なるノウハウ情報121として提示される。その際、例えば図6のステップS210で取得したサンプルデータや、適切なデバイスデータを取得するための情報等がノウハウ情報121と対応付けて表示されてもよい。検索を行ったユーザは、自身の環境に適したデータを用いるノウハウ情報121を選択する等、使用するノウハウ情報121を決定する際に、デバイスデータの取得手法を検討することが可能になる。例えば、ユーザの環境にすでに被介助者を正面から撮像できるカメラが配置されている場合、当該カメラを流用するために正面から撮像したデータを用いるノウハウ情報121を採用することも可能であるし、評価の高いノウハウ情報121を利用するために敢えて斜めから撮像したデータを用いるノウハウ情報121を採用することも可能である。後者の場合、例えばユーザは、「既存のカメラでは対応できないため、位置調整が容易な端末装置200のカメラを使用する」といった判断を行うことが可能である。
なお、ここでは(3)や(4)のノウハウ情報121を例として、適切なデバイスデータを取得するための情報をノウハウ情報121に対応付ける手法、及び、ノウハウ情報121の使用時に適切なデバイスデータを取得するための情報を提示する手法を説明した。ただしこれらの手法は、本実施形態に係るノウハウ情報121に広く適用可能であり、(3)や(4)のノウハウ情報121に限定されるものではない。
(5)転倒するリスクが高い場面を検知するノウハウ情報121では、入力情報として、「自力歩行できないが介助なしで歩き出したら」、「自身の置かれた状況の理解が困難・自己の身体機能や空間認識が衰え、段差が認識できないなら」、「トイレの場所がわからないなら」の3種類の情報が入力され、3種類の情報のいずれか1個の条件を満たしているときに、出力情報として、「転倒リスクが高い場面である」ことを出力する。
ここで上記の3種類の情報は、例えば足圧センサの情報(例えばインソールの複数の場所に圧力センサが設けられており、各圧力センサの時系列変化や重心位置の時系列変化)と、カメラで撮像した動画から抽出される。出力情報は、例えば「転倒リスクが高い場面である」と判断された場合のみ、その旨を転倒リスクが高いと判断された被介助者に関する情報とともに介助者にヘッドセット300を介して通知される。通知される介助者は、転倒リスクが高いと判断された被介助者の近くまたは周辺にいる介助者のみであってもよい。
上記(5)に関する介助情報(出力情報)を介助者に提供するシステムは、図35に示すように、カメラ500、第3端末装置200C、第4端末装置200D、サーバシステム100、足圧センサ600を含む。カメラ500は、例えば広域カメラであり、部屋の天井や天井付近の壁に設けられる。このカメラ500は複数あってもよく、図35では天井に設けられるカメラ500-1と、壁面に設けられるカメラ500-2の2つを例示している。第3端末装置200Cは、例えばステーションに置かれ、カメラ500が撮像した被介助者の様子を表示する機能を有する。第4端末装置200Dは、所与の介助者によって使用される端末装置である。なお、図35では、サーバシステム100、第3端末装置200C、第4端末装置200D、カメラ500、足圧センサ600がLANやインターネット等のネットワークNWを介して接続される例を示した。ただし、各機器の具体的な接続態様は種々の変形実施が可能である。
カメラ500は、被介助者を撮像した画像をサーバシステム100に送信する。また足圧センサ600は、センシング結果をサーバシステム100に送信する。サーバシステム100は、取得した情報に基づいて、上記(5)に関する処理を実行し、転倒リスクを表す出力情報を求める。
図36は、第3端末装置200Cの表示部に表示される画面の例である。第3端末装置200Cは、撮像された被介助者と対応付けて、当該被介助者の足圧センサ600の情報と、リスクの度合いを示す情報を表示する。図36の例では、画面内に2人の被介助者が撮像されており、各被介助者の近傍に足圧センサ600の情報を示すオブジェクトOB31及びOB32と、リスクの度合いを示すオブジェクトOB41及びOB42が表示される。リスクの度合い示す情報とは、上記(5)の出力情報に対応する。なお、画像上に撮像される被介助者の数は1人であってもよいし、3人以上であってもよい。また足圧センサ600の情報を示す情報、及び、リスクの度合いを示す情報は、撮像されたすべての被介助者を対象として表示されてもよいし、一部の被介助者を対象として表示されてもよい。なお被介助者を特定する手段として例えば公知の顔認証技術を用いればよい。
例えば、カメラ500は、介護施設等の種々の箇所に配置されており、足圧センサ600は転倒の見守り対象となる被介助者に装着されている。第3端末装置200Cは、介護施設等のステーションに配置され、管理者等によって使用される。そのため、図36に示す画像を第3端末装置200Cに表示することによって、施設内における転倒のリスクを適切に把握させることが可能になる。
また出力情報の提示は第3端末装置200Cにおいて行われるものに限定されない。例えば出力情報は、第4端末装置200Dにおいて提示されてもよい。図37A-図37Dは、第4端末装置200Dに表示される画面の例である。図37A及び図37Bは、第4端末装置200Dのロック画面(通知画面)の例である。例えば図37Aに示すように、第4端末装置200Dは、上記(5)の出力情報に基づいて、特定の被介助者が転倒しそうである旨や、転倒防止のために特定の被介助者を監視すべき旨を示す情報を表示してもよい。
また所与のタイミングにおいて転倒リスクの高低を判定することも重要であるが、所与の被介助者が転倒により怪我を負うことを抑制する観点からすれば、当該被介助者がどのような状態で歩行を行っているかを時系列的に観察することも重要である。換言すれば、転倒防止のための介助においては、過去の転倒リスクの履歴を含めた時系列的な情報が重要である。よって第4端末装置200Dは、図37Bに示すように、対象の被介助者の時系列的な出力情報を通知してもよい。例えば、図37Aに示す画面において、所与の通知に含まれる「対応する」を選択する操作が行われた場合に、図37Bに示すような表示が可能となってもよい。例えば図37Bでは、監視する旨の通知が17時27分に実行されているが、当該通知以降に対象の被介助者に関して演算された出力情報が同じオブジェクトの中であわせて通知されている。例えば、監視対象とすべき被介助者は、17時28分、及び17時29分にも転倒しそうであると判定されており、その旨を表す出力情報が、17時27分に通知された出力情報とあわせて表示されている。
また第4端末装置200Dは、出力情報に関する処理詳細な情報を示すステータス画面を表示してもよい。例えば上述した図33Bに示すステータス画面は、転倒に関する情報を含む。転倒に関するステータス画面は、場所、時間、検出者、ステータス、対応、詳細等の項目を含む。
「場所」は転倒しそうな被介助者が存在する場所を表す。例えば、サーバシステム100は予めカメラ500のIDと設置場所を対応付けた情報を記憶しておき、当該情報に基づいて場所を特定する。「時間」は転倒可能性が高いと判定されたタイミングを表す情報である。「検出者」とは、転倒可能性が高いと判定された被介助者を表す情報であり、例えば被介助者の氏名である。ただし、「検出者」は、足圧センサ600のID等、被介助者の特定に利用可能な他の情報であってもよい。「ステータス」とは、介助者による対応が行われたか否かを表す情報であり、対応済み/未対応等の情報を含む。「対応」とは、自身が対象の被介助者を介助する旨を表すためのオブジェクトが表示される領域である。例えば対応欄には、「対応する」というテキストを含むオブジェクトが表示される。「詳細」とは、転倒可能性が高いと判定された被介助者の状態を表す詳細な情報であり、例えば図37Dを用いて後述する画面へ遷移するためのリンク情報であってもよい。このようなステータス画面を表示することによって、いつ、どこで、だれが転倒しそうになっており、それに対してどのような対応が行われているかを適切にユーザに提示することが可能になる。
図37Cは、ステータス画面の他の例である。図37Cに示すように、ステータス画面は所与の被介助者の転倒に関する時系列の情報を含んでもよい。このようにすれば、対象の被介助者の転倒リスクの推移、及び、各タイミングでの介助者の対応を分かりやすく提示することが可能になる。図37Cの例では、17時23分の転倒リスクについては、例えば目視の上で問題ないと判断した等の要因により、介助者による対応が行われていない。また、同じ被介助者に発生した17時27分、17時28分、17時29分の転倒リスクについては、例えばユーザ名がSatoである介助者が対応している。
なお、被介助者の骨折等のリスクを考慮すれば、転倒は未然に防ぐことが重要である。そのため安全を考慮した制御を行う場合、実際には転倒しなかった場面でも転倒しそうである旨の通知が行われる可能性がある。換言すれば、サーバシステム100によって転倒可能性が高いと判定された場面の中でも、本当に被介助者を支える等の対応が必要な場合もあれば、見守るという対応で十分な場合もあり得る。
よって第4端末装置200Dのユーザは、転倒可能性が高いと判定された場合の詳細情報を閲覧してもよい。例えば第4端末装置200Dは、図37Cの詳細欄に表示された「View」というテキストを含むオブジェクトの選択操作が行われた場合に、詳細情報を表示し、当該詳細情報に基づくフィードバックを受け付けてもよい。
図37Dは、詳細情報を表示する画面の例である。図37Dに示すように詳細情報とは対象の被介助者を撮像した動画像であってもよい。ここでの動画像は、撮像された動画像そのものであってもよいし、図36に示すように足圧センサ600の情報を示すオブジェクト(OB31等に対応)や、リスクの度合いを示すオブジェクト(OB41等に対応)を含む情報であってもよい。例えば、サーバシステム100が10秒間の動画像に基づいて転倒リスクを表す出力情報を求める場合、ここでの動画像は転倒リスクが高いと判定された際の10秒間の動画像である。
第4端末装置200Dのユーザは、動画像を閲覧した上で、被介助者が本当に転倒しそうな場面であったのか、特に問題が無く介助者による対応が不要な場面であったのかを図37Dにおいて入力する。入力された情報は、介護施設内で蓄積されてもよいし、サーバシステム100にフィードバックされて転倒リスクを判定する学習済モデルの更新処理に利用されてもよい。
なお以上では第4端末装置200Dの表示部を用いて通知を行う形態を説明したが、通知の形態はこれに限定されず、例えばヘッドセット300を介して音声で介助者に通知してもよい。
また、以上では(3)から(5)に関する情報について、各端末装置200で例えばステータス画面を表示し、被介助者ごとの状況を確認する例を示したが、上記(1)や(2)に関する情報についてステータス画面が表示されてもよい。またステータス画面の表示対象となるノウハウ情報121は(1)~(5)に限定されず、端末装置200等の機器は、他の情報に関するステータス画面を表示してもよい。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また情報処理システム、情報処理装置、サーバシステム、端末装置の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…情報処理システム、100…サーバシステム、110…処理部、111…登録処理部、112…検索処理部、113…類似度判定部、114…状態判定部、115…重要度判定部、120…記憶部、121…ノウハウ情報、122…登録情報、123…リスト情報、130…通信部、200,200-1,200-2…端末装置、200A…第1端末装置、200B…第2端末装置、200C…第3端末装置、200D…第4端末装置、210…処理部、220…記憶部、230…通信部、240…表示部、250…操作部、300,300-1,300-2…ヘッドセット、400…ウェアラブルデバイス、500,500-1,500-2…カメラ、600…足圧センサ、NW…ネットワーク、RE1,RE2、RE3…領域、OB1,OB2,OB21-OB24,OB31,OB32,OB41,OB42…オブジェクト

Claims (8)

  1. 介助において利用される情報であって、介助者に対して出力される出力情報と、前記出力情報を出力するための入力情報とが対応付けられた情報を含むノウハウ情報の登録要求を受け付ける処理部と、
    前記登録要求に基づいて、前記ノウハウ情報を記憶する記憶部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    被介助者の状態を表す状態情報の変化と、前記被介助者の介助に使用された前記ノウハウ情報とを対応付けた対応付け情報に基づいて、前記ノウハウ情報の重要度を判定する情報処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記状態情報は、前記被介助者が介助を必要とする度合いを表す要介護度、及び、前記被介助者のADL(Activities of Daily Living)の評価結果の少なくとも一方を含む情報処理装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記記憶部は、
    前記被介助者の属性を表す属性情報を記憶し、
    前記処理部は、
    前記属性情報に基づいて所与の属性を有すると判定された前記被介助者に対応する前記対応付け情報に基づいて、前記所与の属性を有する前記被介助者に対する介助における前記重要度が所定以上と判定された前記ノウハウ情報である重要ノウハウ情報を特定する情報処理装置。
  4. 請求項3において、
    前記処理部は、
    前記状態情報に関する値を目的変数とし、前記ノウハウ情報の使用/不使用を表す情報を説明変数とする回帰分析に基づいて、前記重要ノウハウ情報を特定する情報処理装置。
  5. 請求項3または4において、
    前記処理部は、
    所与の被介助者が前記所与の属性を有すると判定された場合、前記所与の被介助者の介助に使用される前記ノウハウ情報と、前記重要ノウハウ情報に基づいて、前記所与の被介助者の介助に推奨される推奨ノウハウ情報を提示する情報処理装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項において、
    前記処理部は、
    前記被介助者の介助に使用された前記ノウハウ情報と、前記被介助者の生活環境に配置されたセンサの出力データとに基づいて、前記状態情報を演算する情報処理装置。
  7. 請求項6において、
    前記処理部は、
    所与の判定期間において前記センサの前記出力データの数が不足すると判定された場合、前記被介助者または前記被介助者を介助する介助者に特定の行動を指示する出力を行う情報処理装置。
  8. 介助において利用される情報であって、介助者に対して出力される出力情報と、前記出力情報を出力するための入力情報とが対応付けられた情報を含むノウハウ情報の登録要求を受け付け、
    前記登録要求に基づいて、前記ノウハウ情報を記憶し、
    被介助者の状態を表す状態情報の変化と、前記被介助者の介助に使用された前記ノウハウ情報とを対応付けた対応付け情報に基づいて、前記ノウハウ情報の重要度を判定する、
    情報処理方法。
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