JP2022189374A - エンジンブロック及びエンジンブロックの製造方法 - Google Patents

エンジンブロック及びエンジンブロックの製造方法 Download PDF

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周 岡坂
Shu OKASAKA
義明 西島
Yoshiaki Nishijima
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Abstract

【課題】樹脂ブロックを備えたエンジンブロックにおいて、所望の熱設計を実現する技術を提供する。【解決手段】エンジンブロックの製造方法は、シリンダライナ120を有するシリンダ部20の外周面(ブロック外周面142)に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、接着剤が塗布されたシリンダ部20の外周面(ブロック外周面142)に樹脂ブロック200を取り付ける樹脂ブロック固定工程と、を有し、接着剤塗布工程は、外周面(ブロック外周面142)においてストローク方向に所定幅の領域であって周方向50%以上の領域に接着剤を塗布する。【選択図】図9

Description

本発明は、エンジンブロック及びエンジンブロックの製造方法に関する。
世界の二酸化炭素排出量を減らすために、自動車分野では、自動車の軽量化と内燃機関の効率向上が依然として不可欠である。熱効率を向上させるには、燃焼過程で動力に変換されないで捨てられているエネルギー損失を大幅に低減できる新しい技術が必要である。軽量化の観点では、エンジンの軽量化において、アルミニウム合金やマグネシウム合金といった軽金属をエンジン部品として適用するのが主流だったが、樹脂化の実現により大幅な軽量化が見込めるようになっている。
非特許文献1には、鉄製のシリンダライナを囲む樹脂を備えるエンジンが開示されている。当該文献において、エンジンの冷却損失は、樹脂がシリンダライナを囲む場合において、アルミニウムがシリンダライナを囲む場合よりも低減することが記載されている。
特許文献1及び2には、金属のシリンダライナを囲む樹脂からなるブロックを備え、シリンダライナにウォータジャケットが形成されたエンジンブロックが開示されている。
米国特許出願公開第2015/0159581号明細書 米国特許出願公開第2015/0159582号明細書
水野 貴大、辻 龍希、藤村 俊夫「1次元シミュレーションを用いたSIエンジンの燃費性能改善予測」日本機械学会東海支部第65期総会・講演会講演論文集(2016年3月17-18日)No.163-1
上述のように、シリンダライナを樹脂で囲むことで冷却損失の低減を図るエンジンが提案されているが、近年では一層のエネルギー利用効率の向上が求められており、そのようなエンジンにおいて所望の熱設計を実現する新たな技術が必要とされていた。
本発明の目的は、樹脂ブロックを備えたエンジンブロックにおいて、所望の熱設計を実現する技術を実現することにある。
本発明によれば、
シリンダライナを有するシリンダ部の外周面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記接着剤が塗布された前記シリンダ部の外周面に樹脂ブロックを取り付ける樹脂ブロック固定工程と、
を有し、
前記接着剤塗布工程は、前記外周面においてストローク方向に所定幅の領域に周方向50%以上の領域に前記接着剤を塗布する、エンジンブロックの製造方法を提供できる。
本発明によれば、上述のエンジンブロックの製造方法により製造されたエンジンブロックを提供できる。
本発明によれば、樹脂ブロックを備えたエンジンブロックにおいて、所望の熱設計を実現する技術を実現することができる。
実施形態に係るエンジンブロック及びシリンダヘッドの分解図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図である。 シリンダライナ及び金属ブロックの詳細の一例を説明するための横断面図である。 シリンダライナ及び金属ブロックの詳細の一例を説明するための縦断面図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図であって、接着剤層に着目して示す横断面図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法の一例を説明するための図であって、接着剤層に着目して示す縦断面図である。 図1に示したエンジンブロックの製造方法において接着剤層の配置例を説明するための図である
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係るエンジンブロック10の斜視図である。ここでは、エンジンブロック10の上側に取り付けられるシリンダヘッドは省いて示し、ガスケット28のみを示している。
<エンジンブロック10概要>
図1を用いて、エンジンブロック10の概要を説明する。エンジンブロック10は、シリンダライナ120及び樹脂ブロック200を備えている。図1では便宜的に樹脂ブロック200を墨塗りで示している。以下では、2気筒エンジンのエンジンブロック10について例示する。
樹脂ブロック200は、第1部分210及び空隙230を含んでいる。第1部分210は、シリンダライナ120の金属外周面122を覆っている。空隙230は、第1部分210より外側に位置しており、ウォータジャケット232を画定している。
上述した構成によれば、シリンダライナ120から発生する熱による樹脂ブロック200の損傷を低減することができる。
具体的には、上述した構成においては、樹脂ブロック200の第1部分210は、ウォータジャケット232によって囲まれている。ウォータジャケット232に流れる冷媒(例えば、水)によって樹脂ブロック200の第1部分210の熱損傷を低減することができる。
<エンジンブロック10>
図1を用いて、エンジンブロック10の詳細を説明する。
エンジンブロック10は、ブロック部材110、シリンダライナ120、金属ブロック140、突起130及び樹脂ブロック200を備えている。
ブロック部材110は、金属(例えば、鋳鉄、アルミニウム合金またはマグネシウム合金)からなっている。図1に示す例において、ブロック部材110は、樹脂ブロック200を支持するためのベースとして機能している。
シリンダライナ120は、ブロック部材110に取り付けられている。シリンダライナ120は、ブロック部材110と一体となっていてもよいし、またはブロック部材110に取り付け可能かつ取り外し可能であってもよい。
シリンダライナ120は、金属(例えば、鉄またはアルミニウム)からなっている。シリンダライナ120は、金属からなる外周面(すなわち、金属外周面122)を有している。
金属ブロック140は、ブロック部材110の一部であり、シリンダライナ120の金属外周面122を覆うように筒状に設けられている。筒状は単一であってもよいし複数連結した構造であってもよい。金属ブロック140のブロック外周面142を覆うように樹脂ブロック200が設けられている。なお、金属ブロック140が省かれて直接シリンダライナ120に樹脂ブロック200が設けられてもよい。
突起130は、ブロック部材110からシリンダヘッド(またはガスケット28)に向けて突出している。突起130は、開口132を有している。開口132には、固定具22を挿入可能である。固定具22は、ガスケット28を挟んでシリンダヘッドをエンジンブロック10に固定する。固定具22は、例えば、ボルトにすることができる。
<樹脂ブロック200>
樹脂ブロック200は、第1部分210、第2部分220及び空隙230を含んでいる。第2部分220は、空隙230の外側に位置している。空隙230は、第1部分210及び第2部分220の間にある。第1部分210及び第2部分220は、樹脂ブロック200の下方部分で互いに一体となっている。
樹脂ブロック200の第1部分210は、例えば接着剤層300(図4参照)を介して金属ブロック140のブロック外周面142に取り付けられる。接着剤層300の接着剤は、樹脂ブロック200の第1部分210及び金属ブロック140のブロック外周面142の間に位置し、樹脂ブロック200の第1部分210及び金属ブロック140のブロック外周面142を互いに接着する。接着剤は、応力緩和層として機能してもよい。
樹脂ブロック200の第1部分210は、接着剤を介さないで金属ブロック140のブロック外周面142と一体的に接合されていてもよい。この場合、樹脂ブロック200の第1部分210及び金属ブロック140のブロック外周面142の間の界面では、樹脂(樹脂ブロック200)及び金属(金属ブロック140)の直接接合が形成される。
樹脂ブロック200は上面202を有している。上面202は空隙230を形成する溝を有しており、空隙230がブロック部材110から露出している。このような構造においては、シリンダライナ120の上端及びその近傍における樹脂ブロック200の熱損傷を特に低減することができる。したがって、上述した構造は、金属ブロック140やシリンダライナ120の温度がそれらの上端及びその近傍において特に上昇する場合において特に有意義である。更に、上述した構造においては、空隙230は、樹脂ブロック200を金属ブロック140に取り付ける前だけでなく、樹脂ブロック200を金属ブロック140に取り付けた後であっても、形成可能である。したがって、空隙230を形成するためのプロセスの自由度を高くすることができる。
空隙230は、樹脂ブロック200の上面202から露出されていなくてもよく、樹脂ブロック200の内部に存在していてもよい。この場合においても、ウォータジャケット232に流れる冷媒によって樹脂ブロック200の第1部分210の熱損傷を低減することができる。
第2部分220は、開口222を有している。樹脂ブロック200は、突起130が第2部分220の開口222を貫通するように、位置している。突起130は、樹脂ブロック200をブロック部材110に取り付けるためのガイドとして機能することができる。
<樹脂ブロック200の材料および物性>
樹脂ブロック200の第1部分210及び第2部分220は、熱硬化樹脂の硬化物を含んでいる。言い換えると、樹脂ブロック200は、熱硬化性樹脂からなっている。樹脂ブロック200は、無機フィラー(例えば、ガラス繊維)を更に含んでいてもよい。樹脂ブロック200は、樹脂ブロック200の全重量に対して、例えば50重量%以上の無機フィラーを含んでいてもよい。樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂は、例えば、フェノール樹脂にすることができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の熱伝導率は、低くすることができ、例えば、1.00W/m・K以下にすることができる。当該熱伝導率が低いことで、エンジンブロック10の冷却損失を低減することができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の密度は、小さくすることができ、例えば、2.2g/cm以下にすることができる。当該密度が小さいことで、エンジンブロック10を軽量化することができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂のガラス転移点は、高くすることができ、例えば、160℃以上、好ましくは200℃以上にすることができる。当該ガラス転移点が高いことで、エンジンブロック10を高温下で使用することができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の線膨張係数は、金属ブロック140のブロック外周面142を形成する金属の線膨張係数と等しくし、または近似させることができる。例えば、樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の機械方向(MD)線膨張係数は、金属ブロック140を形成する金属のMD線膨張係数の75%以上125%以下にしてもよく、樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の横断方向(TD)線膨張係数は、金属ブロック140を形成する金属のTD線膨張係数の75%以上125%以下にしてもよい。樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂の線膨張係数及び金属ブロック140を形成する金属の線膨張係数が等しくし、または近似させることで、金属ブロック140及び樹脂ブロック200の双方が加熱された際における金属ブロック140から樹脂ブロック200への応力を緩和することができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂のMD線膨張係数及び金属ブロック140を形成する金属のMD線膨張係数のそれぞれは、例えば、10ppm以上40ppm以下にすることができる。
樹脂ブロック200を形成する熱硬化性樹脂のTD線膨張係数及び金属ブロック140を形成する金属のTD線膨張係数のそれぞれは、例えば、10ppm以上40ppm以下にすることができる。
なお、金属ブロック140が省かれシリンダライナ120に樹脂ブロック200が設けられる場合は、上記の熱硬化性樹脂の線膨張係数はシリンダライナ120との関係で上記値とすることができる。
<エンジンブロック10の製造方法>
図2から図5は、図1に示したエンジンブロック10の製造方法の一例を説明するための図である。
図2、図3及び図5を用いて、エンジンブロック10の製造方法の一例の概要を説明する。まず、図2に示すように、ベースブロック100を形成する。ベースブロック100は、シリンダライナ120及び金属ブロック140を有している。シリンダライナ120は、金属外周面122を有している。金属ブロック140は、シリンダライナ120を囲んでいる。次いで、図3に示すように、ベースブロック100から金属ブロック140の肉厚が薄くなるように一部を除去するように加工する。加工前の金属ブロック140が所望の肉厚であれば除去する加工は不要である。つづいて図5に示すように、金属ブロック140を樹脂ブロック200で囲む。
上述したプロセスによれば、金属ブロック140及びシリンダライナ120を樹脂ブロック200で囲むための製造プロセスを低コストで実現することができる。具体的には、上述したプロセスにおいては、金属ブロック140を含むベースブロック100は、既存のエンジンブロックを形成するための既存の設備(例えば、既存のエンジンブロックを形成するための鋳造に用いられる金型)を用いて形成することができる。つまり、金属ブロック140を一部除去加工する場合でも、金属ブロック140が取り除かれたベースブロック100を形成するための新規の設備を設ける必要がない。したがって、金属ブロック140及びシリンダライナ120を樹脂ブロック200で囲むための製造プロセスを低コストで実現することができる。
図2から図5を用いて、エンジンブロック10の製造方法の一例の詳細を説明する。
まず、図2に示すように、ベースブロック100を形成する。ベースブロック100は、ブロック部材110、シリンダライナ120及び金属ブロック140を有している。ブロック部材110、シリンダライナ120及び金属ブロック140のそれぞれは、金属からなっている。特に、金属ブロック140は、例えば、鋳鉄、アルミニウム合金またはマグネシウム合金からなっている。
ベースブロック100は、シリンダライナ120及び金属ブロック140の間の空隙150を有している。空隙150は、ウォータジャケット152を画定している。ベースブロック100は、既存のエンジンブロック(すなわち、ウォータジャケット152を有するエンジンブロック)を形成するための既存の設備を用いて形成することができる。一例において、ベースブロック100は、鋳造、より具体的には、ダイカストによって形成することができる。この例において、ダイカストに用いられる金型は、既存のエンジンブロックを形成するための金型を用いることができる。
ベースブロック100は、開口132を更に有している。図1を用いて説明したように、開口132には、固定具22(図1)を挿入可能である。ベースブロック100は、図3に示す突起130を形成する部分を含んでいる。この部分は、図3に示す工程(金属ブロック140を除去する工程)において、突起130を形成する。
次いで、図3に示すように、ベースブロック100から金属ブロック140の一部を除去し肉厚を薄くする。図3に示す例では、金属ブロック140は、シリンダライナ120の周囲に肉厚が薄くなるように加工されるとともに、突起130が形成され、かつ開口132が残るように、除去されている。
次いで、図4に示すように、金属ブロック140のブロック外周面142上に接着剤層300を形成する。図4に示すように、接着剤層300は、突起130の外周面上にも形成してもよい。接着剤層300の接着剤として、例えば、高放熱1成分縮合型RTVシリコン接着シール剤(熱伝達率:0.83W/mk)を用いることができる。
次いで、図5に示すように、樹脂ブロック200を金属ブロック140に囲むように嵌め込む。樹脂ブロック200は、突起130が樹脂ブロック200の開口222を貫通するように取り付けられる。樹脂ブロック200の第1部分210及び金属ブロック140のブロック外周面142は、接着剤層300を介して互いに接着され、樹脂ブロック200の開口222の内面及び突起130の外周面は、接着剤層300を介して互いに接着される。
接着剤層300は形成しなくてもよい。接着剤層300を形成しない場合、樹脂ブロック200の第1部分210は、接着剤を介さないで金属ブロック140のブロック外周面142と一体的に接合されていてもよい。
図5に示す例において、樹脂ブロック200は、第1部分210、第2部分220及び空隙230を含んでいる。空隙230は、ウォータジャケット232を画定している。空隙230は、金属ブロック140を樹脂ブロック200で囲む前に形成されてもよいし、または金属ブロック140を樹脂ブロック200で囲んだ後に形成されてもよい。
エンジンブロック10の製造方法は、図2から図5に示した例に限定されない。エンジンブロック10は、以下の例のようにして製造されてもよい。
第1に、図2に示したベースブロック100を形成することなく、図3に示したブロック(ブロック部材110、シリンダライナ120及び突起130)を形成してもよい。図3に示したブロックは、鋳造、より具体的には、ダイカストによって形成することができる。この例において、ダイカストに用いられる金型は、図3に示すブロックに沿った形状を有している。
第2に、エンジンブロック10をインサート成形によって製造してもよい。この例においては、図3に示したブロック(ブロック部材110(金属ブロック140)、シリンダライナ120及び突起130)を金型内に配置して、樹脂ブロック200を形成する樹脂を金型内に供給する。この例によれば、図4に示した接着剤層300を設けることなく、樹脂ブロック200を金属ブロック140に直接的に接合させることができる。
<シリンダライナ120及び金属ブロック140>
図6及び図7は、シリンダライナ120及び金属ブロック140の詳細の一例を説明するための断面図である。図6はシリンダライナ120及び金属ブロック140の横断面を示している。図7はシリンダライナ120及び金属ブロック140の横断面を示している。
シリンダライナ120は、鉄層120a及びアルミニウム層120bを含んでいる。鉄層120aは、シリンダライナ120の内周面を形成している。鉄層120aは、鉄及び合金鉄のうちの少なくとも一方を含んでいる。アルミニウム層120bは、鉄層120aの外側に位置しており、金属外周面122を形成している。アルミニウム層120bは、アルミニウム及びアルミニウム合金のうちの少なくとも一方を含んでいる。
金属ブロック140は、シリンダライナ120のアルミニウム層120bの周囲を囲むように設けられている。
金属ブロック140のブロック外周面142の表面粗さRa(算術平均粗さ)は、例えば、0.2μm以上3.0μm以下にすることができる。
金属ブロック140のブロック外周面142は、90°未満の先端角を有する突出部を有しないようにしてもよい。このような突出部は、金属ブロック140及び樹脂ブロック200の熱応力の集中部になり得、樹脂ブロック200のクラックを引き起こし得る。このような突出部がない場合、樹脂ブロック200のクラックを低減することができる。
<接着剤層300の配置>
図8および図9を参照して、上述のエンジンブロック10の製造法において、特に接着剤層300の配置に着目して金属ブロック140に樹脂ブロック200を取り付ける工程を説明する。図8は、金属ブロック140に接着剤層300を設けて樹脂ブロック200を取り付ける工程を説明する横断面図である。図9は、金属ブロック140に接着剤層300を設けて樹脂ブロック200を取り付ける工程を説明する縦断面図である。図9(a)は図8(a)のX1-X1断面図、図9(b)は図8(b)のX2-X2断面図、図9(c)は図8(c)のX3-X3断面図である。
図8(a)及び図9(a)に示すように、樹脂ブロック200を取り付ける直前の状態の金属ブロック140を用意する。この状態は、上述の図3で示した金属ブロック140に対応しており、並んで配置された2つのシリンダライナ120の周面を金属ブロック140が所定厚さで囲んでいる。
つぎに、図8(b)及び図9(b)に示すように、接着剤塗布工程として、金属ブロック140のブロック外周面142の所定領域に接着剤を塗布して接着剤層300を設ける。樹脂ブロック200とシリンダ部20を有する金属ブロック140とを確実に接着でき、樹脂ブロック200と金属ブロック140との間の熱伝達を設計通りにすることができる。
このとき、接着剤層300は、ブロック外周面142においてストローク方向に所定幅の領域であって周方向50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上の領域に設けられる。これによって、金属ブロック140と樹脂ブロック200とを確実に接着できる。
なお、図示のように、シリンダ部20(ここでは金属ブロック140)が、樹脂ブロック200の底面209が当接する着座面149を有する場合、着座面149に接着剤を塗布することを要しない。着座面149に接着剤を設けないことで、シリンダヘッドを締結する際に、接着剤層300の厚みによりシリンダ部20と樹脂ブロック200の各上端部分がズレてしまい適切に締結できなってしまうことを回避できる。
接着剤は、ブロック外周面142において周方向に複数箇所に分けて塗布される。すなわち、接着剤層300は、周方向に複数箇所に分けて設けられている。複数箇所の接着剤層300の周方向の領域を合計したときに、上記のように周方向において50%以上の領域となっている。このとき、接着剤層300間の間隔は一定であることが好ましい。接着剤層300間の間隔は、樹脂ブロック200が取り付けられたときに空気層として機能する。空気層では、熱抵抗Rtが接着剤層300とは異なり一般には大きい値となる。そこで接着剤層300の配置、領域の面積を適宜調整することで、シリンダ部20の各領域における保温性能や放熱性能を所望に設定することができる。その結果、このようなエンジンブロック10を有するエンジンでは、エネルギー利用効率の向上を実現できる。
また、接着剤は、ストローク方向の所定幅として、ブロック外周面142のストローク方向の50%以下の領域に塗布される。すなわち、接着剤層300は、ブロック外周面142のストローク方向の50%以下の領域に塗布される。例えば、接着剤層300が設けられる領域のストローク方向の長さL2は、ブロック外周面142のストローク方向の長さL1に対して、50%以下であることが好ましい。
ブロック外周面142において、上死点TDC側から少なくともストローク方向の20%以内の領域に接着剤165を塗布する。すなわち、上死点TDC側から少なくともストローク方向の20%以内の領域には、周方向に50%以上の領域に接着剤層300が設けられる。
図10は、接着剤層300のストローク方向の別の配置例を2種類示している。図9で示した接着剤層300は、ストローク方向において1つの塊として設けている。図10(a)は、ストローク方向で複数の領域、具体的には、3つの領域に分けた例である。それぞれの接着剤層300は、ストローク方向において同じ幅を有している。接着剤層300間の間隔、すなわち樹脂ブロック200が取り付けられたときに空気層となる領域は、例えば、接着剤層300の幅と同じにすることができる。図10(b)は、ストローク方向に複数(ここでは3つ)の領域に、上死点TDC側で接着剤層300の幅が広く、下死点BDC側で幅が狭くした例である。ストローク方向についても上述の周方向と同様に、接着剤層300の配置、領域の面積を適宜調整することで、シリンダ部20の各領域における保温性能や放熱性能を所望に設定することができる。
つづいて、図8(c)及び図9(c)に示すように、樹脂ブロック固定工程として、接着剤165が塗布され接着剤層300が設けられたシリンダ部20の外周面(ここでは金属ブロック140のブロック外周面142)に樹脂ブロック200を取り付ける。これによって、図1や図5に示したエンジンブロック10が得られる。接着剤塗布工程において接着剤を塗布しない領域(すなわち接着剤層300が設けられていない領域)を設けることで、樹脂ブロック固定工程において、シリンダ部20のブロック外周面142に樹脂ブロック200を取り付けた状態となったときに、ブロック外周面142と樹脂ブロック200との間に接着剤が介在しない空気層が設けられる。空気層は、接着剤層300より熱抵抗Rtが大きい(すなわち熱伝導率が小さい)。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、上記の実施形態では、樹脂ブロック200を2気筒のエンジン(エンジンブロック10)へ適用した例を説明したが、気筒数に拘わらず単気筒のエンジンや3気筒以上のエンジンに適用することができる。
10 エンジンブロック
20 シリンダヘッド
100 ベースブロック
110 ブロック部材
120 シリンダライナ
120a 鉄層
120b アルミニウム層
122 金属外周面
140 金属ブロック
142 ブロック外周面
149 着座面
150 空隙
152 ウォータジャケット(冷却用水路)
200 樹脂ブロック
209 底面
210 第1部分
220 第2部分
230 空隙
232 ウォータジャケット(冷却用水路)
300 接着剤層

Claims (10)

  1. シリンダライナを有するシリンダ部の外周面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤が塗布された前記シリンダ部の外周面に樹脂ブロックを取り付ける樹脂ブロック固定工程と、
    を有し、
    前記接着剤塗布工程は、前記外周面においてストローク方向に所定幅の領域であって周方向50%以上の領域に前記接着剤を塗布する、エンジンブロックの製造方法。
  2. 前記接着剤塗布工程は、前記接着剤を周方向に複数箇所に分けて塗布する、請求項1に記載のエンジンブロックの製造方法。
  3. 前記接着剤塗布工程は、前記所定幅として前記外周面のストローク方向の50%以下の領域に前記接着剤を塗布する、請求項1または2に記載のエンジンブロックの製造方法。
  4. 前記接着剤塗布工程は、上死点側から少なくともストローク方向の20%以内の領域に前記接着剤を塗布する、請求項3に記載のエンジンブロックの製造方法。
  5. 前記接着剤塗布工程は、前記上死点側から少なくともストローク方向の20%以内の領域に塗布する接着剤の量を、それ以外の領域に塗布する接着剤の量より多くする、請求項4に記載のエンジンブロックの製造方法。
  6. 前記シリンダ部が前記シリンダ部に前記樹脂ブロックを取り付けたときに前記樹脂ブロックが着座する着座面を有する場合に、前記接着剤塗布工程は、前記着座面に前記接着剤を塗布しない、請求項1から5までのいずれか1項に記載のエンジンブロックの製造方法。
  7. 前記接着剤塗布工程は、前記接着剤をストローク方向に複数箇所に分けて塗布する、
    請求項1から6までのいずれか1項に記載のエンジンブロックの製造方法。
  8. 前記接着剤塗布工程において前記接着剤を塗布しない領域を設けることで、前記樹脂ブロック固定工程において、前記シリンダ部の外周面に前記樹脂ブロックを取り付けた状態で、前記シリンダ部の前記外周面と前記樹脂ブロックとの間に接着剤が介在しない空気層を設ける、
    請求項1から7までのいずれか1項に記載のエンジンブロックの製造方法。
  9. 前記シリンダ部は、金属材料からなるシリンダブロックと、前記シリンダブロックに設けられたシリンダライナとを有し、
    前記接着剤が塗布される前記外周面は、前記シリンダブロックの外周面である、
    請求項1から8までのいずれか1項に記載のエンジンブロックの製造方法。
  10. 請求項1から9までのいずれか1項に記載のエンジンブロックの製造方法により製造されたエンジンブロック。
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