JP2022186382A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア含有水からアンモニアを回収するとともに、回収物を除去した後の排水から有価物および水をさらに回収することができる水処理方法および水処理装置を提供する。【解決手段】アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法であって、アンモニア含有水から蒸留装置11でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収工程と、半透膜12で仕切られた第一空間14と第二空間16とを有する半透膜モジュール10を用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、第二空間16に、蒸留処理水の一部または濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収工程と、を含む水処理方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法および水処理装置に関する。
近年、工場等からの排水中の有価物を回収する方法として、逆浸透膜を用いて透過水を回収し、水量を減容化する逆浸透法や、ガス透過膜を用いた膜蒸留法等がある。
また、特許文献1のように、半透膜モジュールの半透膜で仕切られた第一空間と第二空間に被処理水またはその濃縮水を通水し、第一空間を加圧することによって、水を濃縮する方法が知られている。このような半透膜を用いる濃縮方法は、一般的な逆浸透法と比較し、第一空間と第二空間との濃度差(浸透圧差)を小さくすることによって、より少ない消費エネルギーで排水を高濃度まで濃縮することができる。
特許文献2のように、アンモニアを含むアンモニア含有水から蒸留装置によりアンモニアをガスとして回収する方法も知られている。蒸留法による手法を用いる場合、回収物であるアンモニアを除去した後の排水が多量に発生する。また、排水中の無機塩類等の溶解固形成分(TDS)の濃度が高くなり、この排水は再利用に適さない。そのため、蒸留で発生した排水についてそのまま、またはさらなる処理を行った後、放流していた。
そのため、アンモニア含有水からアンモニアを回収するとともに、回収物を除去した後の排水から有価物および水をさらに回収し再利用することができる方法が求められていた。
特開2018-069198号公報 特開2019-098205号公報
本発明の目的は、アンモニア含有水からアンモニアを回収するとともに、回収物を除去した後の排水から有価物および水をさらに回収することができる水処理方法および水処理装置を提供することにある。
本発明は、アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法であって、前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収工程と、半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を前記第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、前記第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収工程と、を含む、水処理方法である。
本発明は、アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法であって、前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収工程と、半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収工程と、を含む、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記第二回収工程の後に、前記第二回収工程から排出される前記希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収工程と、前記逆浸透膜から排出される濃縮水を前記半透膜モジュールの前段に返送する返送工程と、をさらに含むことが好ましい。
前記水処理方法において、前記アンモニア含有水は、硫酸イオン濃度が6000mg/L以上であり、アンモニウムイオンの濃度が2000mg/L以上であることが好ましい。
本発明は、アンモニア含有水から有価物を回収する水処理装置であって、前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段と、半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を前記第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、前記第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段と、を備える、水処理装置である。
本発明は、アンモニア含有水から有価物を回収する水処理装置であって、前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段と、半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段と、を備える、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記第二回収手段の後に、前記第二回収手段から排出される前記希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収手段と、前記逆浸透膜から排出される濃縮水を前記半透膜モジュールの前段に返送する返送手段と、をさらに備えることが好ましい。
前記水処理装置において、前記アンモニア含有水は、硫酸イオン濃度が6000mg/L以上であり、アンモニウムイオンの濃度が2000mg/L以上であることが好ましい。
本発明により、アンモニア含有水からアンモニアを回収するとともに、回収物を除去した後の排水から有価物および水をさらに回収することができる水処理方法および水処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
図1に示す水処理装置1は、アンモニア含有水から有価物を回収する装置である。水処理装置1は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、第二空間16に、蒸留処理水の一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、膜モジュール10を備える。水処理装置1は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽を蒸留装置11と膜モジュール10との間に備えてもよい。
図1の水処理装置1において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、膜モジュール10の第一空間入口とは、ポンプ18を介して配管24により接続され、ポンプ18の下流側で配管24から分岐した配管26がバルブ22を介して膜モジュール10の第二空間入口に接続されている。膜モジュール10の第一空間出口にはバルブ23を介して配管28が接続され、膜モジュール10の第二空間出口には配管30が接続されている。
ポンプ18は、例えば、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、蒸留処理水を吸入して膜モジュール10に加圧吐出する加圧ポンプである。ポンプ18には、例えば、入力された指令信号に対応する駆動周波数をポンプ18に出力するインバーター20が設置されている。バルブ22、バルブ23は、例えば、手動または自動で開閉度を調節可能なバルブである。
膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有し、蒸留処理水を膜モジュール10の第一空間入口から第一空間14と第二空間入口から第二空間16とに通水し、第一空間14を加圧することによって、その第一空間14の蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、水処理装置1において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮される。膜モジュール10は、膜モジュール10の第一空間14と第二空間16の両方に蒸留処理水を供給して濃縮処理を行う装置である。
水処理装置1において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、バルブ23が開状態で、ポンプ18により配管24を通して、膜モジュール10の第一空間入口から第一空間14へ加圧送液され、通水される。また、蒸留処理水は、バルブ22が開状態で、配管24から分岐した配管26を通して、膜モジュール10の第二空間入口から第二空間16へ送液され、通水される。加圧された蒸留処理水に含まれる水の一部は半透膜12を介して第一空間14から第二空間16に向かって透過する。このとき、蒸留処理水に含まれるイオン類等の大部分は半透膜12を透過することができないので、半透膜12を透過しなかった第一空間14内の水が濃縮される。一方、第二空間16では、配管26を通して通水された蒸留処理水の一部と、半透膜12を透過したイオン濃度の低い透過水とが合流するため、希釈効果が働く。第一空間14で得られた濃縮水は、第一空間出口から配管28を通して第二回収物として排出され、第二空間16で得られた希釈水は、第二空間出口から配管30を通して排出される。ここで、膜モジュール10において、第一空間14が加圧されてその第一空間14の蒸留処理水に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過され、第一空間14で濃縮水(第二回収物)が得られる(濃縮工程)とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程)(以上、第二回収工程)。
ここで、配管24,26、ポンプ18等が、膜モジュール10の第一空間14と第二空間16の両方に蒸留処理水を供給する供給手段として機能する。
第二空間16で得られた希釈水は、配管30を通して系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽へ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽に送液され、蒸留処理水槽において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニアを含むアンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水が第二回収物として回収されて、希釈水が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
膜モジュール10の第一空間14と第二空間16に蒸留処理水を通水することによって、半透膜12の第一空間14側と第二空間16側の浸透圧差を小さくし、より少ない消費エネルギーで蒸留処理水中の高濃度のイオンを濃縮することができる。すなわち、高濃度でイオンを含む蒸留処理水を低コストで濃縮可能であり、高イオン濃度の廃液量を低減することができる。
膜モジュール10への蒸留処理水の供給流量と透過水流量と濃縮水流量とを調節する調節方法として、例えば、以下の方法を行えばよい。
ポンプ18に駆動周波数を制御するインバーター20を設け、膜モジュール10への蒸留処理水の供給流量を調節する。ポンプ18にインバーター20を設置することが好ましいが、設置しなくてもよい。蒸留処理水の供給を第一空間14側と第二空間16側の両方に行い、第二空間16の入口前にバルブ22を設け、第一空間14の出口にバルブ23を設け、バルブ22とバルブ23の開度を手動または自動で調節することにより第一空間14側への供給水流量と第二空間16側への供給水流量との比を調節すればよい。
透過水流量、濃縮水流量が不足する場合は、ポンプ18のインバーター20の周波数を上げて蒸留処理水の供給量を増やせばよい。
配管28の第一空間14の出口に開閉度を調節できるバルブ23を設け、バルブ23の開度によって濃縮水流量や第一空間14の入口および第一空間14の出口の圧力調整を行うことができる。
これらの操作によって所定の第一空間14側の圧力、各種流量に調節することができる。
また、蒸留処理水の第一空間14側、第二空間16側への供給を別々のポンプにより行ってもよい。別々のポンプによって蒸留処理水の供給を行う場合には、個々のポンプに駆動周波数を制御するインバーターを設けてもよい。
第一空間14側と第二空間16側の両方に対して同一または近い濃度の蒸留処理水を通水することによって、半透膜12により生じる浸透圧を低減し、必要圧力を低減することができる。その結果、従来の逆浸透膜法では濃縮することができなかった濃度の蒸留処理水を濃縮することができる。
このように、アンモニア含有水からアンモニアを回収するとともに、回収物を除去した後の蒸留処理水から有価物および水をさらに回収することができる。蒸留法を用いてアンモニア含有水からアンモニアを回収しつつ、蒸留処理水を半透膜モジュールを用いて高濃度に濃縮し、回収物の増加、放流水量の低減、水回収率の向上を行うことができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例の概略を図2に示し、その構成について説明する。
図2に示す水処理装置2は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、第二空間16に、濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、膜モジュール10を備える。水処理装置2は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽を蒸留装置11と膜モジュール10との間に備えてもよい。
図2の水処理装置2において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、膜モジュール10の第一空間入口とは、ポンプ18を介して配管24により接続されている。膜モジュール10の第一空間出口にはバルブ23を介して配管28が接続されている。バルブ23の上流側で配管28から分岐した配管34がバルブ32を介して膜モジュール10の第二空間入口に接続されている。膜モジュール10の第二空間出口には配管36が接続されている。
ポンプ18は、例えば、入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動され、蒸留処理水を吸入して膜モジュール10に加圧吐出する加圧ポンプである。ポンプ18には、例えば、入力された指令信号に対応する駆動周波数をポンプ18に出力するインバーター20が設置されている。バルブ23、バルブ32は、例えば、手動または自動で開閉度を調節可能なバルブである。
膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有し、蒸留処理水を膜モジュール10の第一空間入口から第一空間14に通水するとともに、膜モジュール10の第一空間14の第一空間出口から排出された濃縮水の少なくとも一部を膜モジュール10の第二空間入口から第二空間16に通水し、第一空間14を加圧することによって、その第一空間14の蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、水処理装置2において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮される。膜モジュール10は、膜モジュール10の第一空間14に蒸留処理水を供給し、第一空間14の出口から得られた濃縮水の少なくとも一部を膜モジュール10の第二空間16に供給して濃縮処理を行う装置である。
水処理装置2において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、バルブ23が開状態で、ポンプ18により配管24を通して、膜モジュール10の第一空間入口から第一空間14へ加圧送液され、通水される。加圧された蒸留処理水に含まれる水の一部は半透膜12を介して第一空間14から第二空間16に向かって透過する。このとき、イオン類等の大部分は半透膜12を透過することができないので、半透膜12を透過しなかった第一空間14内の水が濃縮される。一方、第二空間16では、配管34を通して通水された濃縮水の一部と、半透膜12を透過したイオン濃度の低い透過水とが合流するため、希釈効果が働く。第一空間14で得られた濃縮水は、第一空間出口から配管28を通して第二回収物として排出され、濃縮水の少なくとも一部は、バルブ32が開状態で、配管28から分岐した配管34を通して、膜モジュール10の第二空間入口から第二空間16へ送液され、通水される。第二空間16で得られた希釈水は、第二空間出口から配管36を通して排出される。ここで、膜モジュール10において、第一空間14が加圧されてその第一空間14の蒸留処理水に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過され、第一空間14で濃縮水(第二回収物)が得られる(濃縮工程)とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程)(以上、第二回収工程)。
ここで、配管24,28,34、ポンプ18等が、膜モジュール10の第一空間14に蒸留処理水を供給し、第一空間14の出口から得られた濃縮水の少なくとも一部を膜モジュール10の第二空間16に供給する供給手段として機能する。
第二空間16で得られた希釈水は、配管36を通して系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽へ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽に送液され、蒸留処理水槽において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニアを含むアンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水が第二回収物として回収されて、希釈水が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
膜モジュール10の第一空間14に蒸留処理水を通水し、第二空間16に第一空間14で得られた濃縮水の少なくとも一部を通水することによって、半透膜12の第一空間14側と第二空間16側の浸透圧差を小さくし、より少ない消費エネルギーで蒸留処理水中の高濃度のイオンを濃縮することができる。すなわち、高濃度でイオンを含む蒸留処理水を低コストで濃縮可能であり、高イオン濃度の廃液量を低減することができる。
膜モジュール10への蒸留処理水の供給流量と透過水流量と濃縮水流量とを調節する調節方法として、例えば、以下の方法を行えばよい。
ポンプ18に駆動周波数を制御するインバーター20を設け、膜モジュール10への蒸留処理水の供給流量を調節する。ポンプ18にインバーター20を設置することが好ましいが、設置しなくてもよい。蒸留処理水の供給を第一空間14側に行い、第一空間14の出口にバルブ23を設け、第二空間16の入口前にバルブ32を設け、バルブ23、バルブ32の開度を手動または自動で調節することにより第一空間14側への供給水流量と第二空間16側への供給水流量との比を調節すればよい。
透過水流量、濃縮水流量が不足する場合は、ポンプ18のインバーター20の周波数を上げて蒸留処理水の供給量を増やせばよい。
配管28の第一空間14の出口に開閉度を調節できるバルブ23を設け、バルブ23の開度によって濃縮水流量や第一空間14の入口および第一空間14の出口の圧力調整を行うことができる。
これらの操作によって所定の第一空間14側の圧力、各種流量に調節することができる。
また、配管34の途中に濃縮水を貯留する濃縮水槽を設け、蒸留処理水の第一空間14側、濃縮水の第二空間16側への供給を別々のポンプにより行ってもよい。別々のポンプによって蒸留処理水および濃縮水の供給を行う場合には、個々のポンプに駆動周波数を制御するインバーターを設けてもよい。
第一空間14側に対して蒸留処理水を通水し、第二空間16側に対して近い濃度の濃縮水を通水することによって、半透膜12により生じる浸透圧を低減し、必要圧力を低減することができる。その結果、従来の逆浸透膜法では濃縮することができなかった濃度の蒸留処理水を濃縮することができる。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、蒸留装置11へ送液される前(前処理手段を備える場合は、前処理後であって蒸留装置11へ送液される前)のアンモニア含有水は、例えば、硫酸イオン濃度が6000mg/L以上であり、アンモニウムイオンの濃度が2000mg/L以上である。アンモニア含有水の硫酸イオン濃度は、20000mg/L以上であることが好ましく、20000~250000mg/Lの範囲であることがより好ましい。アンモニア含有水のアンモニウムイオンの濃度は、2000mg/L以上であることが好ましく、2000~100000mg/Lの範囲であることがより好ましい。
第一空間14の入口圧力は、7MPa以下の範囲とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力よりも小さい圧力とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力の50%以下にすることがより好ましい。これによって、圧力による半透膜の破損リスクを低減することができる。
第一空間14側の流量を第二空間16側の流量よりも大きくすることが好ましい。第一空間14側の流量が第二空間16側の流量以下であると、透過流束が高くなりすぎる場合がある。例えば、ポンプ18、インバーター20、バルブ22、バルブ23、バルブ32等が、第一空間の流量を第二空間の流量よりも大きくなるようにする流量調節手段として機能する。
透過流束が大きすぎると濃度差が大きくなり、ファウリングリスクが高くなる、圧力が高くなりすぎるといった問題が生じる場合がある。また、透過流束が小さすぎると、濃縮効率が悪くなる場合がある。これらの点から、膜モジュール10の透過流束を、0.005m/d~0.05m/dの範囲とすることが好ましく、0.015m/d~0.04m/dの範囲とすることがより好ましい。なお、透過流束は、単位時間、単位膜面積当たりの透過流量として定義される。例えば、ポンプ18、インバーター20、バルブ22、バルブ23、バルブ32等が、透過流束を上記範囲に制御する透過流束調節手段として機能する。
なお、バルブの設置位置や設置数は一例にすぎず、図1、図2に示している数よりも多くてもよく、他の配管のうち少なくとも1つに設置してもよい。また、流量を測定する流量測定手段として流量計や、圧力を測定する圧力測定手段として圧力計を、各配管のうち少なくとも1つに設置してもよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、多段式の半透膜モジュールを用いてもよい。このような構成の水処理装置の例を図3、図4、図5に示す。図3、図4、図5に示す水処理装置は、半透膜モジュールが直列で3段に組み合わせた構造を有している。
図3に示す水処理装置3は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間16に、蒸留処理水の一部または濃縮水の一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、1段目膜モジュール10a、2段目膜モジュール10b、3段目膜モジュール10cを備える。それぞれの膜モジュールは、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する。水処理装置3は、1段目膜モジュール10aからの希釈水を貯留する希釈水槽60a、2段目膜モジュール10bからの希釈水を貯留する希釈水槽60b、3段目膜モジュール10cからの希釈水を貯留する希釈水槽60cを備えてもよい。膜モジュール10は、第1段の膜モジュールの第一空間および第二空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間および第二空間に供給して濃縮処理を行う装置である。水処理装置3は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽を蒸留装置11と膜モジュール10との間に備えてもよい。
図3の水処理装置3において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、1段目膜モジュール10aの第一空間入口とはポンプ18を介して配管40により接続されている。配管40のポンプ18の下流側から分岐した配管42がバルブ22aを介して膜モジュール10aの第二空間入口に接続されている。1段目膜モジュール10aの第二空間出口と希釈水槽60aの入口とは、配管46により接続されている。1段目膜モジュール10aの第一空間出口と2段目膜モジュール10bの第一空間入口とは、配管44により接続されている。配管44から分岐した配管48がバルブ22bを介して2段目膜モジュール10bの第二空間入口に接続されている。2段目膜モジュール10bの第二空間出口と希釈水槽60bの入口とは、配管52により接続されている。2段目膜モジュール10bの第一空間出口と3段目膜モジュール10cの第一空間入口とは、配管50により接続されている。配管50から分岐した配管54がバルブ22cを介して3段目膜モジュール10cの第二空間入口に接続されている。3段目膜モジュール10cの第二空間出口と希釈水槽60cの入口とは、配管58により接続されている。3段目膜モジュール10cの第一空間出口には、バルブ23を介して配管56が接続されている。
膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する多段式の膜モジュールを用い、第1段の膜モジュールの第一空間および第二空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間および第二空間に供給し、各段の第一空間14を加圧することによってその第一空間14に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、膜モジュール10において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮され、その濃縮水がさらに次の段の半透膜12を用いて濃縮される。
水処理装置3において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、バルブ23が開状態で、ポンプ18により配管40を通して、1段目膜モジュール10aの第一空間14aへ送液され、配管40から分岐された蒸留処理水は、バルブ22aが開状態で、配管42を通して、1段目膜モジュール10aの第二空間16aへ送液される。1段目膜モジュール10aにおいて、第一空間14aが加圧されてその第一空間14aに含まれる水が半透膜12aを介して第二空間16aに透過される(濃縮工程(1段目))とともに、第二空間16aで希釈水が得られる(希釈工程(1段目))。1段目膜モジュール10aの第二空間16aで得られた希釈水は、配管46を通して必要に応じて希釈水槽60aに貯留された後、系外へ排出される。
1段目膜モジュール10aの第一空間14aで得られた濃縮水は、配管44を通して、2段目膜モジュール10bの第一空間14bへ送液され、配管44から分岐された濃縮水は、バルブ22bが開状態で、配管48を通して、2段目膜モジュール10bの第二空間16bへ送液される。2段目膜モジュール10bにおいて、第一空間14bが加圧されてその第一空間14bに含まれる水が半透膜12bを介して第二空間16bに透過される(濃縮工程(2段目))とともに、第二空間16bで希釈水が得られる(希釈工程(2段目))。2段目膜モジュール10bの第二空間16bで得られた希釈水は、配管52を通して必要に応じて希釈水槽60bに貯留された後、系外へ排出される。
2段目膜モジュール10bの第一空間14bで得られた濃縮水は、配管50を通して、3段目膜モジュール10cの第一空間14cへ送液され、配管50から分岐された濃縮水は、バルブ22cが開状態で、配管54を通して、3段目膜モジュール10cの第二空間16cへ送液される。3段目膜モジュール10cにおいて、第一空間14cが加圧されてその第一空間14cに含まれる水が半透膜12cを介して第二空間16cに透過される(濃縮工程(3段目))とともに、第二空間16cで希釈水が得られる(希釈工程(3段目))(以上、第二回収工程)。3段目膜モジュール10cの第二空間16cで得られた希釈水は、配管58を通して必要に応じて希釈水槽60cに貯留された後、系外へ排出される。3段目膜モジュール10cの第一空間14cで得られた濃縮水は、配管56を通して第二回収物として排出される。
ここで、ポンプ18、配管40,42,44,48,50,54等が、各段の膜モジュール10a,10b,10cの第一空間14a,14b,14c、第二空間16a,16b,16cに蒸留処理水または濃縮水を供給する供給手段として機能する。
各段の膜モジュール10a,10b,10cの第二空間16a,16b,16cで得られた希釈水は、系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽60a,60b,60cへ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽に送液され、蒸留処理水槽において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水(最終段の濃縮水)が第二回収物として回収されて、希釈水(各段の希釈水)が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
図4に示す水処理装置4は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間16に、濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、1段目膜モジュール10a、2段目膜モジュール10b、3段目膜モジュール10cを備える。それぞれの膜モジュールは、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する。水処理装置4は、1段目膜モジュール10aからの希釈水を貯留する希釈水槽62a、2段目膜モジュール10bからの希釈水を貯留する希釈水槽62b、3段目膜モジュール10cからの希釈水を貯留する希釈水槽62cを備えてもよい。膜モジュール10は、第1段の膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間および自身の第二空間に供給して濃縮処理を行う装置である。水処理装置4は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽を蒸留装置11と膜モジュール10との間に備えてもよい。
図4の水処理装置4において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、1段目膜モジュール10aの第一空間入口とはポンプ18を介して配管40により接続されている。1段目膜モジュール10aの第一空間出口と2段目膜モジュール10bの第一空間入口とは、配管44により接続されている。配管44から分岐した配管64がバルブ32aを介して膜モジュール10aの第二空間入口に接続されている。1段目膜モジュール10aの第二空間出口と希釈水槽62aの入口とは、配管66により接続されている。2段目膜モジュール10bの第一空間出口と3段目膜モジュール10cの第一空間入口とは、配管50により接続されている。配管50から分岐した配管68がバルブ32bを介して膜モジュール10bの第二空間入口に接続されている。2段目膜モジュール10bの第二空間出口と希釈水槽62bの入口とは、配管70により接続されている。3段目膜モジュール10cの第一空間出口には、バルブ23を介して配管56が接続されている。バルブ23の上流側で配管56から分岐した配管72がバルブ32cを介して膜モジュール10cの第二空間入口に接続されている。3段目膜モジュール10cの第二空間出口と希釈水槽62cの入口とは、配管74により接続されている。
膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する多段式の膜モジュールを用い、第1段の膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間および自身の第二空間に供給し、各段の第一空間14を加圧することによってその第一空間14に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、膜モジュール10において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮され、その濃縮水がさらに次の段の半透膜12を用いて濃縮される。
水処理装置4において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、バルブ23が開状態で、ポンプ18により配管40を通して、1段目膜モジュール10aの第一空間14aへ送液される。1段目膜モジュール10aにおいて、第一空間14aが加圧されてその第一空間14aに含まれる水が半透膜12aを介して第二空間16aに透過される(濃縮工程(1段目))とともに、第二空間16aで希釈水が得られる(希釈工程(1段目))。1段目膜モジュール10aの第一空間14aで得られた濃縮水は、配管44を通して、2段目膜モジュール10bの第一空間14bへ送液され、配管44から分岐された濃縮水は、バルブ32aが開状態で、配管64を通して、1段目膜モジュール10aの第二空間16aへ送液される。1段目膜モジュール10aの第二空間16aで得られた希釈水は、配管66を通して必要に応じて希釈水槽62aに貯留された後、系外へ排出される。
2段目膜モジュール10bにおいて、第一空間14bが加圧されてその第一空間14bに含まれる水が半透膜12bを介して第二空間16bに透過される(濃縮工程(2段目))とともに、第二空間16bで希釈水が得られる(希釈工程(2段目))。2段目膜モジュール10bの第一空間14bで得られた濃縮水は、配管50を通して、3段目膜モジュール10cの第一空間14cへ送液され、配管50から分岐された濃縮水は、バルブ32bが開状態で、配管68を通して、2段目膜モジュール10bの第二空間16bへ送液される。2段目膜モジュール10bの第二空間16bで得られた希釈水は、配管70を通して必要に応じて希釈水槽62bに貯留された後、系外へ排出される。
3段目膜モジュール10cにおいて、第一空間14cが加圧されてその第一空間14cに含まれる水が半透膜12cを介して第二空間16cに透過される(濃縮工程(3段目))とともに、第二空間16cで希釈水が得られる(希釈工程(3段目))(以上、第二回収工程)。3段目膜モジュール10cの第一空間14cで得られた濃縮水は、配管56を通して第二回収物として排出される。配管56から分岐された濃縮水は、バルブ32cが開状態で、配管72を通して、3段目膜モジュール10cの第二空間16cへ送液される。3段目膜モジュール10cの第二空間16cで得られた希釈水は、配管74を通して必要に応じて希釈水槽62cに貯留された後、系外へ排出される。
ここで、ポンプ18、配管40,44,64,50,68,56,72等が、各段の膜モジュール10a,10b,10cの第一空間14a,14b,14c、第二空間16a,16b,16cに蒸留処理水または濃縮水を供給する供給手段として機能する。
各段の膜モジュール10a,10b,10cの第二空間16a,16b,16cで得られた希釈水は、系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽62a,62b,62cへ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽に送液され、蒸留処理水槽において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水(最終段の濃縮水)が第二回収物として回収されて、希釈水(各段の希釈水)が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
多段式の膜モジュールを用いる場合、第二空間側の通水を直列的に行ってもよい。このような構成の水処理装置の一例を図5に示す。
図5に示す水処理装置5は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間16に、濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、1段目膜モジュール10a、2段目膜モジュール10b、3段目膜モジュール10cを備える。それぞれの膜モジュールは、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する。膜モジュール10は、第1段の膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間に供給して濃縮処理を行う装置である。水処理装置5は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽を蒸留装置11と膜モジュール10との間に備えてもよい。
図5の水処理装置5において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、1段目膜モジュール10aの第一空間入口とはポンプ18を介して配管40により接続されている。1段目膜モジュール10aの第一空間出口と2段目膜モジュール10bの第一空間入口とは、配管44により接続されている。2段目膜モジュール10bの第一空間出口と3段目膜モジュール10cの第一空間入口とは、配管50により接続されている。3段目膜モジュール10cの第一空間出口には、バルブ23を介して配管56が接続されている。バルブ23の上流側で配管56から分岐した配管76がバルブ32を介して膜モジュール10cの第二空間入口に接続されている。3段目膜モジュール10cの第二空間出口と2段目膜モジュール10bの第二空間入口とは、配管78により接続されている。2段目膜モジュール10bの第二空間出口と1段目膜モジュール10aの第二空間入口とは、配管80により接続されている。1段目膜モジュール10aの第二空間出口には、配管82が接続されている。
膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する多段式の膜モジュールを用い、第1段の膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間に直列的に通水し、最終段の膜モジュールの濃縮水の少なくとも一部を自身の第二空間に供給し、得られる希釈水をその前段の膜モジュールの第二空間に直列的に通水し、各段の第一空間14を加圧することによってその第一空間14に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、膜モジュール10において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮され、その濃縮水がさらに次の段の半透膜12を用いて濃縮される。
水処理装置5において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、バルブ23が開状態で、ポンプ18により配管40を通して、1段目膜モジュール10aの第一空間14aへ送液される。一方、後述する3段目膜モジュール10cの第二空間16c、2段目膜モジュール10bの第二空間16bを経由して送液された希釈水が配管80を通して、1段目膜モジュール10aの第二空間16aへ送液される。1段目膜モジュール10aにおいて、第一空間14aが加圧されてその第一空間14aに含まれる水が半透膜12aを介して第二空間16aに透過される(濃縮工程(1段目))とともに、第二空間16aで希釈水が得られる(希釈工程(1段目))。1段目膜モジュール10aの第一空間14aで得られた濃縮水は、配管44を通して、2段目膜モジュール10bの第一空間14bへ送液される。1段目膜モジュール10aの第二空間16aで得られた希釈水は、配管82を通して系外へ排出される。
2段目膜モジュール10bにおいて、後述する3段目膜モジュール10cの第二空間16cを経由して送液された希釈水が配管78を通して、2段目膜モジュール10bの第二空間16bへ送液される。第一空間14bが加圧されてその第一空間14bに含まれる水が半透膜12bを介して第二空間16bに透過される(濃縮工程(2段目))とともに、第二空間16bで希釈水が得られる(希釈工程(2段目))。2段目膜モジュール10bの第一空間14bで得られた濃縮水は、配管50を通して、3段目膜モジュール10cの第一空間14cへ送液される。2段目膜モジュール10bの第二空間16bで得られた希釈水は、配管80を通して1段目膜モジュール10aの第二空間16aへ送液される。
3段目膜モジュール10cにおいて、下記の通り3段目膜モジュール10cの第一空間14cで得られた濃縮水が、配管56,76を通して第二空間16cへ送液される。第一空間14cが加圧されてその第一空間14cに含まれる水が半透膜12cを介して第二空間16cに透過される(濃縮工程(3段目))とともに、第二空間16cで希釈水が得られる(希釈工程(3段目))(以上、第二回収工程)。3段目膜モジュール10cの第一空間14cで得られた濃縮水は、配管56を通して第二回収物として排出される。配管56から分岐された濃縮水は、バルブ32が開状態で、配管76を通して、3段目膜モジュール10cの第二空間16cへ送液される。3段目膜モジュール10cの第二空間16cで得られた希釈水は、配管78を通して2段目膜モジュール10bの第二空間16bへ送液される。
ここで、ポンプ18、配管40,44,50、56,76,78,80等が、各段の膜モジュール10a,10b,10cの第一空間14a,14b,14c、第二空間16a,16b,16cに蒸留処理水または濃縮水または希釈水を供給する供給手段として機能する。
膜モジュール10aの第二空間16aで得られた希釈水は、系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽へ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽に送液され、蒸留処理水槽において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水(最終段の濃縮水)が第二回収物として回収されて、希釈水(第1段の希釈水)が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
図3に示す水処理装置3、図4に示す水処理装置4、図5に示す水処理装置5では、1段目から後段の膜モジュールに行くにつれて各膜モジュールに供給される濃縮水は濃縮されていくため、高濃度となっていく。最終的に高濃度に濃縮されるため、浸透圧を低減することが可能な本方法によって、従来の逆浸透膜法では浸透圧の影響により濃縮が困難であった濃度にまで濃縮することが可能となる。
1段目膜モジュール10aに蒸留処理水が供給される際に例えば7MPa以下の圧力を加え、後段の膜モジュールへの濃縮水の供給は1段目膜モジュール10aに加えられた圧力により行われればよい。各膜モジュールにおける第一空間14の入口圧力は、7MPa以下の範囲とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力よりも小さい圧力とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力の50%以下にすることがより好ましい。これによって、圧力による半透膜の破損リスクを低減することができる。
各膜モジュール10における第一空間14側の流量を第二空間16側の流量よりも大きくすることが好ましい。第一空間14側の流量が第二空間16側の流量以下であると、後段の膜モジュールの第一空間14側の流量が不足する場合がある。例えば、ポンプ18、インバーター20、バルブ22a,22b,22c、バルブ23、バルブ32a,32b,32c、バルブ32等が、第一空間の流量を第二空間の流量よりも大きくなるようにする流量調節手段として機能する。
透過流束が大きすぎると膜面の濃度分極が大きくなり、ファウリングリスクが高くなる、圧力が高くなりすぎるといった問題が生じる場合がある。また、透過流束が小さすぎると、濃縮効率が悪くなる場合がある。これらの点から、各膜モジュール10の透過流束を、0.005m/d~0.05m/dの範囲とすることが好ましく、0.015m/d~0.04m/dの範囲とすることがより好ましい。例えば、ポンプ18、インバーター20、バルブ22a,22b,22c、バルブ23、バルブ32a,32b,32c、バルブ32等が、透過流束を上記範囲に制御する透過流束調節手段として機能する。
なお、バルブの設置位置や設置数は一例にすぎず、図3、図4、図5に示している数よりも多くてもよく、他の配管のうち少なくとも1つに設置してもよい。また、流量を測定する流量測定手段として流量計や、圧力を測定する圧力測定手段として圧力計を、各配管のうち少なくとも1つに設置してもよい。
また、図3、図4、図5は装置構成の一例であり、半透膜モジュールの配列や供給水の供給方法等は、適宜変更してもよい。
図5の水処理装置は、各段の膜モジュールの第一空間および第二空間のそれぞれに直列的に通水していくため、図3、図4の水処理装置に比べて、全体の水量を抑制することができ、ポンプの動力を低減することができるため、好ましい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、多段式の膜モジュールを用いて、各段の膜モジュールとして、並列的に接続された複数本の膜モジュールを備える膜モジュールユニットを用いてもよい。このような構成の水処理装置の例を図6、図7に示す。図6、図7に示す水処理装置は、1段目では半透膜モジュールを4列の並列に組み合わせ、2段目では半透膜モジュールを4列の並列に組み合わせ、3段目では半透膜モジュールを2列の並列に組み合わせ、4段目には半透膜モジュールを2列の並列に組み合わせて、直列で4段に接続した構造を有している。
図6に示す水処理装置6は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間16に、蒸留処理水の一部または濃縮水の一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、1段目膜モジュールユニット100a、2段目膜モジュールユニット100b、3段目膜モジュールユニット100c、4段目膜モジュールユニット100dを備える。1段目膜モジュールユニット100aは、例えば、並列的に接続された4本の膜モジュールを備え、2段目膜モジュールユニット100bは、例えば、並列的に接続された4本の膜モジュールを備え、3段目膜モジュールユニット100cは、例えば、並列的に接続された2本の膜モジュールを備え、4段目膜モジュールユニット100dは、例えば、並列的に接続された2本の膜モジュールを備える。それぞれの膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する。水処理装置6は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽84と、4段目膜モジュールユニット100dからの濃縮水を貯留する濃縮水槽86と、を備えてもよい。膜モジュールユニット100は、第1段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間および第二空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間および第二空間に供給して濃縮処理を行う装置である。
図6の水処理装置6において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、蒸留処理水槽84の入口とは、配管29により接続されている。蒸留処理水槽84の出口と1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間入口および第二空間入口とは、ポンプ18を介して配管88により接続されている。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間出口と2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間入口および第二空間入口とは、配管90により接続されている。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間出口と3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間入口および第二空間入口とは、配管94により接続されている。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間出口と4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間入口および第二空間入口とは、配管98により接続されている。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間出口と濃縮水槽86の入口とは、配管104により接続されている。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間出口には、配管92が接続され、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間出口には、配管96が接続され、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間出口には、配管102が接続され、4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間出口には、配管106が接続され、配管96、102,106は、配管92に合流してもよい。
膜モジュールユニット100は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する膜モジュール10を備える多段式の膜モジュールユニットを用い、第1段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間および第二空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間および第二空間に供給し、各段の膜モジュールの第一空間14を加圧することによってその第一空間14に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、膜モジュールユニット100において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮され、その濃縮水がさらに次の段の半透膜12を用いて濃縮される。
水処理装置6において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、必要に応じて蒸留処理水槽84に貯留された後、蒸留処理水槽84からポンプ18により配管88を通して、1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間14および第二空間16へ送液される。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールにおいて、第一空間14aが加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(1段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(1段目))。1段目膜モジュール10の第二空間16で得られた希釈水は、配管92を通して必要に応じて希釈水槽に貯留された後、系外へ排出される。
1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管90を通して、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間14および第二空間16へ送液される。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールにおいて、第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(2段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(2段目))。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管96を通して必要に応じて希釈水槽に貯留された後、系外へ排出される。
2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管94を通して、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間14および第二空間16へ送液される。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールにおいて、第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(3段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(3段目))。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管102を通して必要に応じて希釈水槽に貯留された後、系外へ排出される。
3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管98を通して、4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間14および第二空間16へ送液される。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールにおいて、第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(4段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(4段目))(以上、第二回収工程)。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管104を通して、必要に応じて濃縮水槽86に貯留された後、第二回収物として排出される。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管106を通して必要に応じて希釈水槽に貯留された後、系外へ排出される。
ここで、ポンプ18、配管88,90,94,98等が、各段の膜モジュールユニット100a,100b,100c,100dの各膜モジュールの第一空間14、第二空間16に蒸留処理水または濃縮水を供給する供給手段として機能する。
各段の膜モジュールユニット100a,100b,100c,100dの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽へ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽84に送液され、蒸留処理水槽84において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水(最終段の濃縮水)が第二回収物として回収されて、希釈水(各段の希釈水)が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
図7に示す水処理装置7は、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段として、蒸留装置11と、半透膜12で仕切られた第一空間(濃縮側)14と第二空間(透過側)16とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、蒸留装置11の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間14に通水し、第一空間14を加圧して蒸留処理水に含まれる水を半透膜12を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間16に、濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段として、例えば、1段目膜モジュールユニット100a、2段目膜モジュールユニット100b、3段目膜モジュールユニット100c、4段目膜モジュールユニット100dを備える。1段目膜モジュールユニット100aは、例えば、並列的に接続された4本の膜モジュールを備え、2段目膜モジュールユニット100bは、例えば、並列的に接続された4本の膜モジュールを備え、3段目膜モジュールユニット100cは、例えば、並列的に接続された2本の膜モジュールを備え、4段目膜モジュールユニット100dは、例えば、並列的に接続された2本の膜モジュールを備える。それぞれの膜モジュール10は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する。水処理装置7は、蒸留処理水を貯留する蒸留処理水槽84と、4段目膜モジュールユニット100dからの濃縮水を貯留する濃縮水槽86と、を備えてもよい。膜モジュールユニット100は、第1段の膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールの第一空間に供給して濃縮処理を行う装置である。
図7の水処理装置7において、蒸留装置11の入口には、配管25が接続されている。蒸留装置11の第1回収物出口には、配管27が接続されている。蒸留装置11の蒸留処理水出口と、蒸留処理水槽84の入口とは、配管29により接続されている。蒸留処理水槽84の出口と1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間入口とは、ポンプ18を介して配管108により接続されている。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間出口と2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間入口とは、配管110により接続されている。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間出口と3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間入口とは、配管112により接続されている。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間出口と4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間入口とは、配管114により接続されている。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間出口と濃縮水槽86の入口とは、配管116により接続されている。配管116から分岐した配管118が、4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間入口に接続されている。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間出口と、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間入口とは、配管120により接続されている。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間出口と、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間入口とは、配管122により接続されている。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間出口と、1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間入口とは、配管124により接続されている。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間出口には、配管126が接続されている。
膜モジュールユニット100は、半透膜12で仕切られた第一空間14および第二空間16を有する膜モジュール10を備える多段式の膜モジュールユニットを用い、第1段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間に蒸留処理水を供給し、その濃縮水を順次次段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第一空間に直列的に通水し、最終段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの濃縮水の少なくとも一部を自身の第二空間に供給し、得られる希釈水をその前段の膜モジュールユニットの各膜モジュールの第二空間16に直列的に通水し、各段の第一空間14を加圧することによってその第一空間14に含まれる水を半透膜12を介して第二空間16に透過させて水を濃縮する装置である。すなわち、膜モジュールユニット100において、半透膜12を用いて蒸留処理水が濃縮され、その濃縮水がさらに次の段の半透膜12を用いて濃縮される。
水処理装置7において、アンモニアを含むアンモニア含有水は、配管25を通して蒸留装置11へ供給される。蒸留装置11において蒸留が行われ、アンモニア含有水からアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収される(第一回収工程)。第一回収物は、配管27を通して排出される。
蒸留装置11で得られた蒸留処理水は、必要に応じて蒸留処理水槽84に貯留された後、蒸留処理水槽84からポンプ18により配管108を通して、1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間14へ送液される。一方、後述する4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間16を経由して送液された希釈水が配管124を通して、1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールにおいて、第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(1段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(1段目))。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管110を通して、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間14へ送液される。1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管126を通して系外へ排出される。
2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールにおいて、後述する4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16を経由して送液された希釈水が配管122を通して、2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(2段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(2段目))。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管112を通して、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間14へ送液される。2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管124を通して1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。
3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールにおいて、後述する4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16を経由して送液された希釈水が配管120を通して、3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(3段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(3段目))。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管114を通して、4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間14へ送液される。3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管122を通して2段目膜モジュールユニット100bの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。
4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールにおいて、下記の通り4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水が、配管116,118を通して第二空間16へ送液される。第一空間14が加圧されてその第一空間14に含まれる水が半透膜12を介して第二空間16に透過される(濃縮工程(4段目))とともに、第二空間16で希釈水が得られる(希釈工程(4段目))(以上、第二回収工程)。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第一空間14で得られた濃縮水は、配管116を通して、必要に応じて濃縮水槽86に貯留された後、第二回収物として排出される。配管116から分岐された濃縮水は、配管118を通して、4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。4段目膜モジュールユニット100dの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、配管120を通して3段目膜モジュールユニット100cの各膜モジュールの第二空間16へ送液される。
ここで、ポンプ18、配管108,110,112、114,116,118,120,122,124等が、各段の膜モジュールユニット100a,100b,100c,100dの各膜モジュールの第一空間14、第二空間16に蒸留処理水または濃縮水または希釈水を供給する供給手段として機能する。
膜モジュールユニット100aの各膜モジュールの第二空間16で得られた希釈水は、系外へ排出されてもよいし、必要に応じて希釈水槽へ送液されて貯留された後、系外へ排出されてもよく、再利用されてもよい。希釈水の少なくとも一部は、蒸留処理水槽84に送液され、蒸留処理水槽84において蒸留処理水と混合されてもよい。希釈水の少なくとも一部について、さらに他の処理、例えば後述するように逆浸透膜処理が行われてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水(最終段の濃縮水)が第二回収物として回収されて、希釈水(各段の希釈水)が得られ、アンモニア含有水の減容化が行われる。また、第一回収物、第二回収物、希釈水は再利用が可能である。
1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールに蒸留処理水が供給される際に例えば7MPa以下の圧力を加え、後段の膜モジュールユニットへの濃縮水の供給は1段目膜モジュールユニット100aの各膜モジュールに加えられた圧力により行われればよい。各膜モジュールにおける第一空間14の入口圧力は、7MPa以下の範囲とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力よりも小さい圧力とすることが好ましく、第二空間16の入口圧力は第一空間14の入口圧力の50%以下にすることがより好ましい。これによって、圧力による半透膜の破損リスクを低減することができる。
各膜モジュール10における第一空間14側の流量を第二空間16側の流量よりも大きくすることが好ましい。第一空間14側の流量が第二空間16側の流量以下であると、後段の膜モジュールの第一空間14側の流量が不足する場合がある。例えば、ポンプ18等が、第一空間の流量を第二空間の流量よりも大きくなるようにする流量調節手段として機能する。
透過流束が大きすぎると濃度差が大きくなり、ファウリングリスクが高くなる、圧力が高くなりすぎるといった問題が生じる場合がある。また、透過流束が小さすぎると、濃縮効率が悪くなる場合がある。これらの点から、各膜モジュール10の透過流束を、0.005m/d~0.05m/dの範囲とすることが好ましく、0.015m/d~0.04m/dの範囲とすることがより好ましい。例えば、ポンプ18等が、透過流束を上記範囲に制御する透過流束調節手段として機能する。
なお、各配管のうち少なくとも1つにバルブを設置してもよく、バルブの設置位置や設置数は特に制限はない。また、流量を測定する流量測定手段として流量計や、圧力を測定する圧力測定手段として圧力計を、各配管のうち少なくとも1つに設置してもよい。
また、図6、図7は装置構成の一例であり、半透膜モジュールの段数、並列数、配列や供給水の供給方法等は、適宜変更してもよい。
膜モジュールにおいて第二回収物として蒸留処理水中の回収したい物質を好ましい濃度まで濃縮するために、膜モジュールは直列で複数段組むことが好ましい。水処理装置3,4,5,6,7のように多段式の膜モジュールを用いる場合、膜モジュールの段数は、目的の処理水の濃度等によって決めればよい。例えば、より薄い濃度の蒸留処理水からより濃い濃度の処理水を得たい場合には、膜モジュールユニットの段数を増やせばよい。
水処理装置6,7のように各段の膜モジュールとして、並列的に接続された複数本の膜モジュールを備える膜モジュールユニットを用いる場合、各膜モジュールユニットにおける膜モジュールの本数は、蒸留処理水の流量等によって決めればよい。
1つ以上の段の膜モジュールに、濃縮水槽や希釈水槽を設けてもよいし、各段の膜モジュールに、濃縮水槽や希釈水槽を設けてもよい。
被処理水であるアンモニア含有水は、アンモニウムイオンを含む水であればよく、特に制限はない。アンモニア含有水は、例えば、硫酸イオンとアンモニウムイオンを含む水であり、例えば、半導体工場から排出される排水、化学工場から排出される排水等が挙げられる。特に半導体工場では、ウエハの洗浄等のためにアンモニアが使用され、アンモニアを処理するスクラバ処理のために硫酸が使用される。そのため、排水中にアンモニウムイオンと硫酸イオンが含まれている。排水の有効活用として、排水中のアンモニアと硫酸を回収し再利用する。
蒸留装置11としては、アンモニアを含むアンモニア含有水から蒸留によってアンモニアを回収することができるものであればよく、特に制限はない。蒸留装置11としては、例えば、揮発性のアンモニアをガス透過膜を介して回収する膜蒸留装置、減圧蒸留装置等が挙げられる。例えば、蒸留装置11でガスとして回収したアンモニアを硫酸中に添加して硫酸アンモニウムとして回収してもよい。これにより、純度の高い硫酸アンモニウムを回収することができる。
膜モジュールが備える半透膜12としては、例えば、逆浸透膜(RO膜)、正浸透膜(FO膜)、ナノろ過膜(NF膜)等の半透膜が挙げられる。半透膜は、逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜が好ましい。
半透膜12を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、酢酸セルロース系樹脂等のセルロース系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂等のポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。
半透膜12の形状としては、平膜、中空糸膜、スパイラル膜等が挙げられる。半透膜の表面積を大きくすることができる等の点から中空糸膜が好ましい。
第二回収物は、蒸留処理水に含まれる溶解固形成分(TDS)であり、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機塩等が挙げられる。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置は、第一回収工程(第一回収手段)の前段に、例えば、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)等を用いる膜処理工程(膜処理手段)、逆浸透膜処理工程(逆浸透膜処理手段)、凝集沈殿処理工程(凝集沈殿処理手段)、有機物除去処理工程(有機物除去処理手段)、pH調整工程(pH調整手段)、水温調整工程(水温調整手段)のうち少なくとも1つの前処理工程(前処理手段)を含んでもよい。
例えば、蒸留装置11の前段では蒸留により回収したい物質を効率よく回収するために、pH調整や水温調整が行われてもよい。アンモニア含有水の水質、第一回収物の濃度条件等にもよるが、アンモニア含有水のpHは、10~12の範囲、水温は、30~40℃の範囲とすることが好ましい。
蒸留装置11の後段で半透膜モジュールに通水する前に、再度、pH調整と水温調整が行われてもよい。半透膜モジュールでの通水のときのpH、水温は、アンモニア含有水の水質、半透膜モジュールの材質等によりに決定すればよい。例えば、アンモニア含有水のpHは、3~8の範囲、水温は、15~40℃の範囲とすることが好ましい。
pH調整は、例えば、pH調整槽においてpH調整剤を添加してpHを調整すればよい。pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸や、水酸化ナトリウム等のアルカリ等が挙げられる。
水温調整は、例えば、水温調整槽を設け、水温調整槽においてヒータ等の加熱装置によって加熱してもよいし、熱交換器を設けて調整してもよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置は、第二回収工程(第二回収手段)の後に、第二回収工程(第二回収手段)から排出される希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収工程(水回収手段)と、逆浸透膜から排出される濃縮水を半透膜モジュールの前段に返送する返送工程(返送手段)と、をさらに含んでもよい。
このような構成の水処理装置の一例を図8に示す。
図8の水処理装置8は、図1の水処理装置1の構成に加えて、膜モジュール10から排出される希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収手段として、逆浸透膜処理装置200を備える。
図8の水処理装置8において、膜モジュール10の第二空間出口と、逆浸透膜処理装置200の入口とは、配管30により接続されている。逆浸透膜処理装置200のRO透過水出口には、配管202が接続されている。逆浸透膜処理装置200のROの濃縮水出口と、配管24におけるポンプ18の上流側とは、返送手段である配管204により接続されている。その他の構成は、図1の水処理装置1の構成と同様である。図2~図7の水処理装置2~7において、逆浸透膜処理装置200、返送手段である配管204が設けられてもよい。
水処理装置8において、図1の水処理装置1と同様にして、第一回収工程および第二回収工程が行われる。膜モジュール10の第二空間16で得られた希釈水は、配管30を通して、逆浸透膜処理装置200へ送液される。逆浸透膜処理装置200において逆浸透膜を用いて逆浸透膜処理が行われ、RO濃縮水とRO透過水とが得られる(水回収工程)。得られたRO透過水は、配管202を通して系外へ排出され、再利用することができる。RO濃縮水は、配管204を通して膜モジュール10の前段、例えば配管24へ返送され、蒸留処理水と混合される(返送工程)。RO濃縮水は、蒸留装置11の前段へ返送され、アンモニア含有水と混合されてもよい。
以上のようにして、処理対象である、アンモニア含有水から、アンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つが第一回収物として回収され、さらに、イオンが濃縮された濃縮水が第二回収物として回収されて、アンモニア含有水の減容化が行われる。第一回収物、第二回収物は再利用が可能である。また、希釈水についてさらに逆浸透膜処理を行うことによって、より再利用に適した水質とすることができる。RO濃縮水を半透膜モジュールの前段に返送することによって、排水の量を低減することができる。
1,2,3,4,5,6,7,8 水処理装置、10,10a,10b,10c 膜モジュール、11 蒸留装置、12,12a,12b,12c 半透膜、14,14a,14b,14c 第一空間、16,16a,16b,16c 第二空間、18 ポンプ、20 インバーター、22,22a,22b,22c,23,32,32a,32b,32c バルブ、24,25,26,27,28,29,30,34,36,40,42,44,46,48,50,52,54,56,58,64,66,68,70,72,74,76,78,80,82,88,90,92,94,96,98,102,104,106,108,110,112,114,116,118,120,122,124,126,202,204 配管、60a,60b,60c,62a,62b,62c 希釈水槽、84 蒸留処理水槽、86 濃縮水槽、100,100a,100b,100c,100d 膜モジュールユニット、200 逆浸透膜処理装置。

Claims (8)

  1. アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法であって、
    前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収工程と、
    半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を前記第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、前記第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  2. アンモニア含有水から有価物を回収する水処理方法であって、
    前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収工程と、
    半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収工程と、
    を含むことを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の水処理方法であって、
    前記第二回収工程の後に、前記第二回収工程から排出される前記希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収工程と、
    前記逆浸透膜から排出される濃縮水を前記半透膜モジュールの前段に返送する返送工程と、
    をさらに含むことを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の水処理方法であって、
    前記アンモニア含有水は、硫酸イオン濃度が6000mg/L以上であり、アンモニウムイオンの濃度が2000mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
  5. アンモニア含有水から有価物を回収する水処理装置であって、
    前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段と、
    半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を前記第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水として第二回収物を得るとともに、前記第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段と、
    を備えることを特徴とする水処理装置。
  6. アンモニア含有水から有価物を回収する水処理装置であって、
    前記アンモニア含有水から蒸留装置でアンモニアおよびアンモニウムイオンのうち少なくとも1つを第一回収物として回収する第一回収手段と、
    半透膜で仕切られた第一空間と第二空間とを有する、複数段に接続された半透膜モジュールを用いて、前記蒸留装置の蒸留処理水を第1段の半透膜モジュールの第一空間に通水し、前記第一空間を加圧して前記蒸留処理水に含まれる水を前記半透膜を透過させることによって濃縮水を得て、その濃縮水をさらに次段以降の半透膜モジュールを用いて濃縮水として第二回収物を得るとともに、各段の半透膜モジュールの第二空間に、前記蒸留処理水の一部または前記濃縮水の少なくとも一部または他の半透膜モジュールから得られる希釈水の少なくとも一部を通水して希釈水を得る第二回収手段と、
    を備えることを特徴とする水処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の水処理装置であって、
    前記第二回収手段の後に、前記第二回収手段から排出される前記希釈水の少なくとも一部を逆浸透膜に通水し、透過水を得る水回収手段と、
    前記逆浸透膜から排出される濃縮水を前記半透膜モジュールの前段に返送する返送手段と、
    をさらに備えることを特徴とする水処理装置。
  8. 請求項5~7のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    前記アンモニア含有水は、硫酸イオン濃度が6000mg/L以上であり、アンモニウムイオンの濃度が2000mg/L以上であることを特徴とする水処理装置。
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