JP2022185302A - 観察光学系及びそれを有する観察装置 - Google Patents

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洋輔 酒井
Yosuke Sakai
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Abstract

【課題】高い光学性能を有しつつ小型で広角な観察光学系及びそれを有する観察装置を提供すること。【解決手段】観察光学系は、画像表示面に表示された画像を観察するための観察光学系であって、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第1レンズ群、第2レンズ群からなり、第1レンズ群は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、半透過反射素子、画像表示面側のレンズ面が凸面である第1レンズ、画像表示面側のレンズ面で第1レンズと接合する第2レンズを含み、画像表示面側のレンズ面は、半透過反射面であり、第2レンズ群は、少なくとも一つのレンズ面が非球面である第3レンズを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、観察光学系に関する。
近年、液晶ディスプレイ(LCD)等の画像表示素子に表示された原画像を、観察光学系を介して拡大表示し、大画面画像を使用者に与えることで、臨場感のある体験を提供するヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置が知られている。画像表示装置は、頭部装着するために小型・軽量であることと、頭部装着時のモーメントを低減するために薄型であることが望まれている。また、画像表示装置に用いられる観察光学系は、高い光学性能を有しつつ広角であることが求められている。
従来、小型な構成の観察光学系として反射面を用いた共心光学系が知られている(特許文献1,2参照)
特開2019-148627号公報 特許第3212784号公報
しかしながら、特許文献1の観察光学系は、ハーフミラーの反射面に殆どの屈折力を有するため、特にコマ収差と像面湾曲収差の補正が十分ではなく、高い光学性能を有することが困難である。
また、特許文献2の観察光学系は、正の屈折力のレンズのみで構成されているため、色収差を十分に補正することができない。
本発明は、高い光学性能を有しつつ小型で広角な観察光学系及びそれを有する観察装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての観察光学系は、画像表示面に表示された画像を観察するための観察光学系であって、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第1レンズ群、第2レンズ群からなり、第1レンズ群は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、半透過反射素子、画像表示面側のレンズ面が凸面である第1レンズ、画像表示面側のレンズ面で第1レンズと接合する第2レンズを含み、画像表示面側のレンズ面は、半透過反射面であり、第2レンズ群は、少なくとも一つのレンズ面が非球面である第3レンズを含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い光学性能を有しつつ小型で広角な観察光学系及びそれを有する観察装置を提供することができる。
実施例1の観察光学系のレンズ断面図である。 実施例1の観察光学系の縦収差図である。 実施例2の観察光学系のレンズ断面である。 実施例2の観察光学系の縦収差図である。 実施例3の観察光学系のレンズ断面である。 実施例3の観察光学系の縦収差図である。 実施例4の観察光学系のレンズ断面である。 実施例4の観察光学系の縦収差図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1,3,5,7はそれぞれ、画像表示面に表示された画像を観察するための実施例1乃至4の観察光学系のレンズ断面図である。各レンズ断面図において左方が観察側で、右方が画像表示面側である。
各実施例の観察光学系は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等の画像表示素子に表示された原画像を拡大表示し、観察するヘッドウントディスプレイとして用いられるものである。
各実施例の観察光学系は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第1レンズ群L1、第2レンズ群L2を有する。
SPは、瞳面(観察面)であり、観察者の瞳が位置する。IDは、画像表示素子の画像表示面である。
第1レンズ群L1は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、半透過反射素子11、画像表示面側のレンズ面Rが凸面である(瞳面側に凹面を向ける)第1レンズG1、レンズ面Rで第1レンズG1と接合する第2レンズG2を含む。半透過反射素子11は、例えば偏光板14を通過した際の方向と同じ方向に偏光した直線偏光を反射し、偏光板14を通過した際の方向と直交した方向に偏光した直線偏光を透過するように構成されたワイヤーグリッド偏光子である。
第1レンズG1の画像表示面側のレンズ面Rは、半透過反射面である。レンズ面Rは、例えば誘電体多層膜を形成されたハーフミラーである。
なお、第1レンズ群L1は、互いに張り合わせられた1つの素子で構成されることが好ましい。
第2レンズ群L2は、少なくとも一つのレンズ面が非球面である第3レンズGPを含む。
図2,4,6,8はそれぞれ、実施例1乃至4の観察光学系の縦収差図(アイレリーフ18mm)である。アイレリーフは、光軸上におけるアイポイントと最も観察側のレンズ面との間隔を表す。
球面収差図において、FnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図において、ΔSはサジタル像面における非点収差量、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における色収差量を示している。ωは撮像半画角(°)である。
なお、収差の評価において、画像表示面側に発光点を設けて観察側に到達した光線の収差と、観察側に発光点を設けて画像表示面側に到達した光線の収差は一対一で対応するため、便宜上、画像表示面における収差を評価している。ここで、人間の瞳径は一例としてΦ3.5mm程度であるが、各実施例のアイボックスは瞳面位置の変動を考慮してΦ3.5mmより大きくなるように設定されている。
以下、各実施例の観察光学系における光路について説明する。画像表示面IDから射出され、第2レンズ群L2で屈折した後、レンズ面Rを透過した光は半透過反射素子11に入射する。半透過反射素子11で反射された光は、レンズ面Rに入射する。レンズ面Rで反射された光は再度、半透過反射素子11に入射する。半透過反射素子11を透過した光は、瞳面SPに到達する。以上の光路を辿る際に、画像表示面ID上の点から射出された発散光束は、略平行光に変換されて瞳面SPに導かれる。そのため、画像表示面ID上に表示された画像は、瞳面SPの近傍に瞳孔を置いた観察者により、遠方に形成された虚像として観察される。
次に、各実施例の観察光学系における特徴的な構成について述べる。
第1レンズG1の画像表示面側のレンズ面Rは反射面として機能する際に正の屈折力を有するため、光路を折りたたむことができ、薄型で広角な観察光学系を実現することができる。
また、レンズ面Rが第1レンズG1と第2レンズG2との接合面として機能するため、半透過反射面が空気と接している場合と比較して、レンズ面Rを透過する際の全反射条件を回避することができる。また、第1レンズG1が正レンズ、第2レンズG2が負レンズになるため、色収差補正が可能になり、高い光学性能を実現することができる。
第1レンズ群L1はレンズ面Rの反射面に殆どの屈折力を持つため、収差補正が必要となる。第2レンズ群L2は少なくとも一つのレンズ面が非球面である第3レンズGPを含むため、特にコマ収差と像面湾曲収差の補正が可能になり、高い光学性能を実現することができる。
上述した構成を有することで、高い光学性能を有しつつ小型で広角な観察光学系及びそれを有する観察装置を実現することができる。
次に、各実施例の観察光学系が満足することが好ましい構成と条件について述べる。各実施例の観察光学系は、以下の条件式(1)乃至(3)のうち1つ以上を満足することが好ましい。ここで、νd1は第1レンズG1のd線に対するアッベ数であり、νd2は第2レンズG2のd線に対するアッベ数である。n1は第1レンズG1のd線に対する屈折率であり、n2は第2レンズG2のd線に対する屈折率である。f2は第2レンズ群L2のd線に対する焦点距離であり、fは観察光学系のd線に対する焦点距離である。
0.20<νd2/νd1<1.00 (1)
1.00<n2/n1<1.35 (2)
0.80<f2/f<10.00 (3)
条件式(1)は、第1レンズG1と第2レンズG2の分散を規定している。条件式(1)を満足することで、色収差を抑える構成となり高い光学性能を実現することができる。条件式(1)の下限値を下回って、第2レンズG2の分散が大きくなると、色収差が増加して光学性能が低下してしまうため好ましくない。一方、条件式(1)の上限値を上回ると、色収差の補正が困難になってしまうため好ましくない。
条件式(2)は、第1レンズG1と第2レンズG2の屈折率を規定している。条件式(2)の下限値を下回ると、第1レンズG1の屈折率が第2レンズG2の屈折率よりも大きくなる。ここで、第1レンズ群L1のベッツバール和に注目すると、第1レンズG1の屈折率が第2レンズG2の屈折率よりも大きい方が0に近づく。しかしながら、各実施例では第2レンズ群L2が設けられているため、第1レンズ群L1のベッツバール和を0に近づける必要はない。各実施例の観察光学系は条件式(2)を満足しながらも、第2レンズ群L2を有するため、全体ではベッツバール和を0に近づけることができる。条件式(2)の下限値を下回ると、実在する硝材の屈折率と分散の関係を考慮すると、硝材の選択上色収差の補正が困難になり、高い光学性能を実現することができないため好ましくない。条件式(2)の上限値を上回ると、第2レンズG2の屈折率が第1レンズG1の屈折率よりも大きくなり過ぎるため、レンズ面Rが透過面として機能する際の負の屈折力が強くなり過ぎる。このため、第1レンズ群L1のベッツバール和が負方向へ大きくなり過ぎ、第2レンズ群L2により投写光学系全体でベッツバール和を0に近づけることが困難になる。したがって、像面湾曲を十分に補正できず、高い光学性能を実現することができないため好ましくない。
条件式(3)は、第2レンズ群L2の屈折力を規定している。条件式(3)の下限値を下回ると、観察光学系に対する第2レンズ群L2の屈折力が強くなり過ぎる。条件式(3)の上限値を上回ると、観察光学系に対する第1レンズ群L1の屈折力が強くなり過ぎる。このため、レンズ面Rが反射面として機能する際の正の屈折力が強くなり過ぎ、第3レンズGPを配置することによる収差補正が困難になる。したがって、高い光学性能を実現することができないため好ましくない。
なお、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1a)乃至(3a)の数値範囲とすることが好ましい。
0.25<νd2/νd1<0.75 (1a)
1.05<n2/n1<1.30 (2a)
0.90<f2/f<8.00 (3a)
また、条件式(1)乃至(3)の数値範囲を以下の条件式(1b)乃至(3b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
0.30<νd2/νd1<0.50 (1b)
1.10<n2/n1<1.25 (2b)
1.00<f2/f<5.00 (3b)
また、各実施例の観察光学系では、第3レンズGPは正の屈折力を有し、第3レンズGPの少なくとも一つのレンズ面は変曲点を有する非球面であることが好ましい。第3レンズGPが正の屈折力を有することで、観察光学系の焦点距離を短くすることができる。また、第3レンズGPの少なくとも一つのレンズ面が変曲点を有することで、少ないレンズ枚数でありながら、非点収差、像面湾曲、及び歪曲収差を効率良く補正することができる。
したがって、第3レンズGPが上記構成を有することで、高い光学性能を有しつつ軽量で広角な観察光学系を実現することができる。
また、各実施例の観察光学系は、以下の条件式(4)及び(5)のうち1つ以上を満足することが好ましい。fpは、第3レンズGPのd線に対する焦点距離である。Ypaは、第3レンズGPの少なくとも一つのレンズ面が変曲点を有する非球面である場合の第3レンズGPの光軸から変曲点までの距離である。Yaは、第3レンズGPの少なくとも一つのレンズ面が変曲点を有する非球面である場合の第3レンズGPの光軸に対する最大光線高である。
1.00<fp/f<10.00 (4)
0.20<Ypa/Ya<0.75 (5)
条件式(4)は、第3レンズGPの屈折力を規定している。条件式(4)の下限値を下回ると、第3レンズGPの屈折力が強くなり過ぎるため、第3レンズGPを配置することによる収差補正が困難になる。条件式(4)の上限値を上回ると、観察光学系に対する第3レンズGPの屈折力が弱くなり過ぎるため、観察光学系の焦点距離を十分短くすることができず、広角な観察光学系を実現することができない。
条件式(5)は、第3レンズGPの変曲点位置を規定する。各実施例の観察光学系では、レンズ面Rの反射面に殆どの屈折力を持つため、反射面で発生するコマ収差や像面湾曲収差を補正する必要がある。そのため、非球面に変曲点を設けてパワー変化を与えることが好ましい。このとき、第3レンズGPの変曲点を有する非球面は、条件式(5)を満足することが好ましい。条件式(5)の下限値を下回ると、パワー変化の位置が光軸中心部に近くなりすぎ、コマ収差や像面湾曲の補正が過剰になる、又は高次収差の発生が大きくなりすぎ好ましくない。条件式(5)の上限値を上回ると、パワー変化の位置の位置が画面周辺部になり、画像中心部でのコマ収差や像面湾曲を十分に補正できない。
なお、第3レンズGPが変曲点を有する非球面であるレンズ面を複数備える場合、複数の変曲点を有する非球面であるレンズ面のうち少なくとも一つのレンズ面が条件式(5)を満足すればよい。また、変曲点を有する非球面であるレンズ面に複数の変曲点が設けられている場合、光軸からの最も離れた距離に位置する変曲点が条件式(5)を満足すればよい。
なお、条件式(4)及び(5)の数値範囲を以下の条件式(4a)及び(5a)の数値範囲とすることが好ましい。
1.25<fp/f<8.00 (4a)
0.23<Ypa/Ya<0.70 (5a)
また、条件式(4)及び(5)の数値範囲を以下の条件式(4b)及び(5b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
1.50<fp/f<6.00 (4b)
0.25<Ypa/Ya<0.65 (5b)
以下、各実施例の各レンズ断面図を参照して、各実施例の観察光学系における偏光利用について説明する。
第1の1/4波長板12は、半透過反射素子11と第1レンズG1との間に配置されている。第2の1/4波長板13は、第2レンズG2の画像表示面側に配置されている。偏光板14は、第2の1/4波長板13の画像表示面側に配置されている。
第1の1/4波長板12及び第2の1/4波長板13は、それぞれの遅相軸が90°傾いた状態で配置されている。また、第1の1/4波長板12は、遅相軸が偏光板14の偏光透過軸に対して45°傾いた状態で配置されている。
画像表示面IDから射出された光は、偏光板14で直線偏光となり、第2の1/4波長板13によって円偏光となり、レンズ面Rに入射する。レンズ面Rに入射した光の一部は、レンズ面Rで反射されて逆回りの円偏光となり、第2の1/4波長板13に戻る。第2の1/4波長板13に戻った逆回りの円偏光の光は、第2の1/4波長板13によって最初に偏光板14を通過した際の方向と直交した方向に偏光した直線偏光として偏光板14に戻り、偏光板14で吸収される。
一方、レンズ面Rに入射した光の他の一部は、レンズ面Rを透過して第1の1/4波長板12によって偏光板14を通過した際の方向と同じ方向に偏光した直線偏光となり、半透過反射素子11に入射する。半透過反射素子11に入射した光は、半透過反射素子11により反射され、第1の1/4波長板12によって最初に第2の1/4波長板13によって円偏光となった際と逆回りの円偏光となり、レンズ面Rに入射する。
レンズ面Rで反射された光は、レンズ面Rで反射される前の光と逆回りの円偏光となり、第1の1/4一波長板12に入射して最初に偏光板14を通過した際の方向と直交した方向に偏光した直線偏光になり、半透過反射素子11に入射する。半透過反射素子11に入射した光は、半透過反射素子11を透過して瞳面SPに導かれる。
以上説明したように、レンズ面Rを透過し、半透過反射素子11で反射し、レンズ面Rで反射し、半透過反射素子11を透過した光のみが瞳面SPに導かれる。
また、各実施例の観察光学系では、第1レンズG1の観察側の面が平面であることが好ましい。これにより、半透過反射素子11及び第1の1/4波長板12を第1レンズG1の観察側の面に容易に貼り合わせることができる。したがって、部品数が少なくなり観察光学系の小型化及び軽量化を実現することができる。
また、各実施例の観察光学系では、第2レンズG2の画像表示側のレンズ面が平面であることが好ましい。これにより、第2の1/4波長板13及び偏光板14を第2レンズG2の画面表示側の面に容易に貼り合わせることができる。したがって、部品数が少なくなり、観察光学系の小型化及び軽量化を実現することができる。
第1レンズG1の観察側の面が平面であること、及び第2レンズG2の画像表示側の面が平面であることにより、第1レンズ群L1はレンズ面Rの反射面に殆どの屈折力を持ち、また収差補正のための自由度が殆どない構成となる。そのため、第3レンズGPを設けることで、収差補正が可能になり、高い光学性能を実現することができる。
また、各実施例の観察光学系では、第1レンズ群L1の第1レンズG1及び第2レンズG2は共に、ガラスレンズであることが好ましい。半透過反射素子11は直線偏光の偏光方向に応じて反射と透過を行うため、半透過反射素子11と偏光板14との間に複屈折性を有する光学素子が配置されると、瞳面SPにゴースト光が入射するおそれがある。このため、第1レンズ群L1を構成する各レンズは、複屈折性の低いガラスレンズよりなることが好ましい。
また、各実施例の観察光学系では、第3レンズGPは樹脂レンズよりなることが好ましい。第3レンズGPは半透過反射素子11と偏光板14との間に配置されないため、第3レンズGPが複屈折性を有する樹脂レンズであっても、ゴースト光による問題は発生しない。第3レンズGPが樹脂レンズよりなることで、少なくとも一つのレンズ面を容易に非球面とすることができると共に、樹脂レンズはガラスレンズに比べて比重が小さいため、軽量化することができる。
次に、各実施例の観察光学系について詳細に述べる。
実施例1の観察光学系は、全画角が70度、設計上の最大瞳径がΦ10mmである。第2レンズ群L2は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第3レンズGP、正レンズより構成される。第2レンズ群L2が第3レンズGP及び正レンズより構成されることで、より像面湾曲を抑制し、高い光学性能を実現することができる。
実施例2の観察光学系は、全画角が80度、設計上の最大瞳径がΦ10mmである。第2レンズ群L2は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第3レンズGP、正レンズより構成される。実施例2では、実施例1と比較して、第3レンズGPにより強い正の屈折力を持たせることで、より広角な観察光学系を実現することができる。
実施例3の観察光学系は、全画角が65度、設計上の最大瞳径がΦ10mmである。第2レンズ群L2は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第3レンズGPより構成される。第2レンズ群L2が第3レンズGPのみより構成されることで、より軽量な観察光学系を実現することができる。
実施例4の観察光学系は、全画角が70度、設計上の最大瞳径がΦ10mmである。第2レンズ群L2は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、第3レンズGPより構成される。実施例4では、実施例3と比較して、第2レンズ群L2の屈折力をより強くすることで、より広角な観察光学系を実現することができる。
以下に、実施例1乃至4にそれぞれ対応する数値実施例1乃至4を示す。
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表している。ただし、mは瞳面SP側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A2,A4,A6,A8,A10,A12を各次数の非球面係数とするとき、
X=(h2/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)21/2+A2×h2+A4×h4
+A6×h6+A8×h8+A10×h10
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1(SP) ∞ 18.00
2 ∞ 0.20 1.51 50.0
3 ∞ 0.20 1.58 50.0
4 ∞ 6.63 1.48749 70.2
5 -57.143 -6.63 反射面
6 ∞ -0.20 1.58 50.0
7 ∞ -0.20 1.51 50.0
8 ∞ 0.20 反射面
9 ∞ 0.20 1.58 50.0
10 ∞ 6.63 1.48749 70.2
11 -57.143 1.34 1.80518 25.4
12 ∞ 0.20 1.58 50.0
13 ∞ 0.20 1.46 50.0
14 ∞ 2.27
15* -64.926 3.00 1.54390 56.0
16* -32.290 1.78
17 36.118 4.98 1.96300 24.1
18 ∞ 0.51
像面 ∞

非球面データ
第15面
K = 0.00000e+000 A 4= 5.22826e-005 A 6=-1.15849e-007 A 8=-1.72985e-010
A10= 2.60573e-012 A12=-4.34549e-015

第16面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.25599e-004 A 6=-7.33671e-007 A 8= 2.74067e-009
A10=-3.57083e-012

焦点距離 18.14
Fナンバー 1.81
半画角(度) 35.00
像高 12.70
レンズ全長 53.36
BF 0.51

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
SP 1 ∞
L1 2 20.31
L2 15 28.23

[数値実施例2]
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
1(SP) ∞ 18.00
2 ∞ 0.20 1.51 50.0
3 ∞ 0.20 1.58 50.0
4 ∞ 7.47 1.53996 59.5
5 -56.731 -7.47 反射面
6 ∞ -0.20 1.58 50.0
7 ∞ -0.20 1.51 50.0
8 ∞ 0.20 反射面
9 ∞ 0.20 1.58 50.0
10 ∞ 7.47 1.53996 59.5
11 -56.731 1.50 1.80810 22.8
12 ∞ 0.20 1.58 50.0
13 ∞ 0.20 1.46 50.0
14 ∞ 0.70
15* 49.176 4.19 1.54390 56.0
16* -19.000 0.50
17 39.365 4.10 2.00100 29.1
18 ∞ 0.50
像面 ∞

非球面データ
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.78860e-004 A 6= 3.55858e-006 A 8=-1.47846e-008
A10= 2.95192e-011 A12=-2.23370e-014

第16面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.17084e-004 A 6= 1.55977e-007 A 8=-1.50577e-009
A10= 3.53048e-012

焦点距離 15.14
Fナンバー 1.51
半画角(度) 40.00
像高 12.70
レンズ全長 53.50
BF 0.50

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
SP 1 ∞
L1 2 19.16
L2 15 15.87

[数値実施例3]
面データ
面番号 r d nd νd
1(SP) ∞ 18.00
2 ∞ 0.20 1.51 50.0
3 ∞ 0.20 1.58 50.0
4 ∞ 5.25 1.48749 70.2
5 -60.425 -5.25 反射面
6 ∞ -0.20 1.58 50.0
7 ∞ -0.20 1.51 50.0
8 ∞ 0.20 反射面
9 ∞ 0.20 1.58 50.0
10 ∞ 5.25 1.48749 70.2
11 -60.425 1.50 1.70585 30.2
12 ∞ 0.20 1.58 50.0
13 ∞ 0.20 1.46 50.0
14 ∞ 6.50
15* -133.015 4.00 1.53110 55.9
16* -18.437 2.95
像面 ∞

非球面データ
第15面
K = 0.00000e+000 A 4=-6.58095e-005 A 6= 4.82916e-008 A 8= 3.03270e-009
A10=-9.81761e-012 A12= 1.08924e-014

第16面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.06395e-005 A 6=-3.34017e-007 A 8= 3.39605e-009
A10=-3.40888e-012

焦点距離 19.94
Fナンバー 1.99
画角 32.50
像高 12.70
レンズ全長 50.30
BF 2.95

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
SP 1 ∞
L1 2 21.29
L2 15 39.82

[数値実施例4]
単位mm

面データ
面番号 r d nd νd
1(SP) ∞ 18.00
2 ∞ 0.20 1.51 50.0
3 ∞ 0.20 1.58 50.0
4 ∞ 6.27 1.69680 55.5
5 -60.762 -6.27 反射面
6 ∞ -0.20 1.58 50.0
7 ∞ -0.20 1.51 50.0
8 ∞ 0.20 反射面
9 ∞ 0.20 1.58 50.0
10 ∞ 6.27 1.69680 55.5
11 -60.762 1.34 1.96300 24.1
12 ∞ 0.20 1.58 50.0
13 ∞ 0.20 1.46 50.0
14 ∞ 4.69
15* -54.430 3.00 1.53110 55.9
16* -19.707 2.85
像面 ∞

非球面データ
第15面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.15880e-007 A 6= 5.69825e-007 A 8=-2.61510e-009
A10= 5.49014e-012 A12=-5.21942e-015

第16面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.51686e-004 A 6= 8.58463e-008 A 8=-1.19285e-009
A10= 1.43287e-012

焦点距離 18.14
Fナンバー 1.81
半画角(度) 35.00
像高 12.70
レンズ全長 50.31
BF 2.85

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
SP 1 ∞
L1 2 18.72
L2 15 56.47

各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
Figure 2022185302000002
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
G1 第1レンズ
G2 第2レンズ
GP 第3レンズ
ID 画像表示面
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
R レンズ面
11 半透過反射素子

Claims (19)

  1. 画像表示面に表示された画像を観察するための観察光学系であって、
    観察側から画像表示面側へ順に配置された、第1レンズ群、第2レンズ群からなり、
    前記第1レンズ群は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、半透過反射素子、画像表示面側のレンズ面が凸面である第1レンズ、前記画像表示面側のレンズ面で前記第1レンズと接合する第2レンズを含み、
    前記画像表示面側のレンズ面は、半透過反射面であり、
    前記第2レンズ群は、少なくとも一つのレンズ面が非球面である第3レンズを含むことを特徴とする観察光学系。
  2. 前記第1レンズのアッベ数をνd1、前記第2レンズのアッベ数をνd2とするとき、
    0.20<νd2/νd1<1.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の観察光学系。
  3. 前記第1レンズの屈折率をn1、前記第2レンズの屈折率をn2とするとき、
    1.00<n2/n1<1.35
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の観察光学系。
  4. 前記第2レンズ群のd線に対する焦点距離をf2、前記観察光学系のd線に対する焦点距離をfとするとき
    0.80<f2/f<10.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の観察光学系。
  5. 前記第3レンズは、正の屈折力を有し、
    前記第3レンズの少なくとも一つのレンズ面は、変曲点を有する非球面であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の観察光学系。
  6. 前記第3レンズのd線に対する焦点距離をfp、前記観察光学系のd線に対する焦点距離をfとするとき、
    1.00<fp/f<10.00
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の観察光学系。
  7. 前記第3レンズの少なくとも一つのレンズ面は、変曲点を有する非球面であり、
    前記第3レンズの光軸から前記変曲点までの距離をYpa、前記第3レンズの光軸に対する前記非球面の最大光線高をYaとするとき、
    0.20<Ypa/Ya<0.75
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の観察光学系。
  8. 前記半透過反射素子と前記第1レンズとの間に配置された第1の1/4波長板を更に有することを請求項1乃至7の何れか一項に記載の観察光学系。
  9. 前記第2レンズの画像表示面側に配置された第2の1/4波長板を更に有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の観察光学系。
  10. 前記半透過反射素子と前記第1レンズとの間に配置された第1の1/4波長板と、
    前記第2レンズの画像表示面側に配置された第2の1/4波長板とを更に有し、
    前記第1の1/4波長板及び前記第2の1/4波長板は、それぞれの遅相軸が90°傾いた状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の観察光学系。
  11. 前記半透過反射素子と前記第1レンズとの間に配置された第1の1/4波長板と、
    前記第2レンズの画像表示面側に配置された第2の1/4波長板と、
    前記第2の1/4波長板の画像表示面側に配置された偏光板とを更に有し、
    前記第1の1/4波長板は、遅相軸が前記偏光板の偏光透過軸に対して45°傾いた状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の観察光学系。
  12. 前記第1レンズの観察側のレンズ面は、平面であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の観察光学系。
  13. 前記第2レンズの画像表示側のレンズ面は、平面であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載の観察光学系。
  14. 前記第1レンズ及び前記第2レンズは共に、ガラスレンズであることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の観察光学系。
  15. 前記第3レンズは、樹脂レンズよりなることを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載の観察光学系。
  16. 前記第2レンズ群は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、前記第3レンズ、正レンズからなることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の観察光学系。
  17. 前記第2レンズ群は、観察側から画像表示面側へ順に配置された、前記第3レンズからなることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の観察光学系。
  18. 前記画像表示面から射出された光は、前記第2レンズ群で屈折し、前記画像表示面側のレンズ面を透過し、前記半透過反射素子で反射され、前記画像表示面側のレンズ面で反射され、前記半透過反射素子を透過し、瞳面に到達することを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載の観察光学系。
  19. 請求項1乃至18の何れか一項に記載の観察光学系を有することを特徴とする観察装置。
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