JP2022184607A - 居住空間ユニット及び居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法 - Google Patents

居住空間ユニット及び居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法 Download PDF

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悦広 尾崎
Nobuhiro Ozaki
仁 伊藤
Hitoshi Ito
宗樹 椎田
Muneki Shiida
真次 高谷
Shinji Takatani
卓哉 中山
Takuya Nakayama
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Abstract

【課題】木質材が建材として用いられる建築物の施工期間を短くする。【解決手段】予め製作され、建築物1に複数組み込まれる居住空間ユニット100は、床部10と、床部10に立設された壁部21,22,23と、を備え、床部10は、内部に鉄筋が配置されたコンクリート製であり、壁部21,22,23は、木質板材により形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、居住空間ユニット及び居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法に関する。
特許文献1には、鉄筋コンクリートにより構築された中低層建築物が開示されている。
特開2001-49882号公報
近年、温室効果ガス削減の観点から、二酸化炭素を取り込んで固定化している木材を建築物の資材として積極的に利用すること、例えば、特許文献1に記載されるような中低層の建築物については木造化を図ることが促進されている。
一方で、中低層の建築物であっても耐火性能を満たすためには、床部や壁部の一部をコンクリート造とする必要が生じる。つまり、木質材を建材として用いて比較的大きな建築物を構築する場合には、コンクリートの打設と、コンクリート部分への木質材の組み付けと、を繰り返して行わなければならない。しかしながら、コンクリートの養生期間が経過するまでは木質材の組み付けを行うことができず、また、現場で打設されるコンクリートに対する木質材の組み付けは現場合わせとなるため適宜調整作業を要することとなり、結果として、建築物の施工期間が長期化するおそれがある。
本発明は、木質材が建材として用いられる建築物の施工期間を短くすることを目的とする。
本発明は、予め製作され、建築物に複数組み込まれる居住空間ユニットであって、床部と、床部に立設された壁部と、を備え、床部は、内部に鉄筋が配置されたコンクリート製であり、壁部は、木質板材により形成される。
本発明によれば、木質材が建材として用いられる建築物の施工期間を短くすることができる。
本発明の実施形態に係る居住空間ユニットの斜視図である。 図1のA-A線に沿う断面を示した断面図である。 図2AのB-B線に沿う断面を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る居住空間ユニットが組み込まれた建築物の正面図である。 図3のC-C線に沿う断面を示した断面図である。 図4のD-D線に沿う断面を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る居住空間ユニットの変形例を示す図であり、図5に相当する断面を示す図である。 本発明の実施形態に係る居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法の変形例を示す図であり、図5に相当する断面を示す図である。 本発明の実施形態に係る居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法の別の変形例を示す図であり、図4に相当する断面を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る居住空間ユニット及び居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法について説明する。
まず、図1~3を参照して、本実施形態に係る居住空間ユニット100について説明する。居住空間ユニット100は、予め工場等において形成されるユニット体であり、建築現場において複数の居住空間ユニット100を水平方向に並べるとともに鉛直方向に積み重ねることによって、複数の居室空間を有する中低層の建築物1が構築される。図1は、居住空間ユニット100の斜視図であり、図2Aは、図1のA-A線に沿う居住空間ユニット100の断面を示す断面図であり、図2Bは、図2AのB-B線に沿う居住空間ユニット100の断面を示す断面図であり、図3は、複数の居住空間ユニット100が組み込まれた建築物1の任意の階の正面を部分的に示した部分正面図である。
居住空間ユニット100は、図1,図2A及び図2Bに示すように、内部に図示しない鉄筋が配置されたコンクリート製の床部10と、床部10上に居室空間を形成する空間形成部20と、を備える。なお、以下では、図3に示されるように、建築物1において居住空間ユニット100が並べられる方向を桁行方向とし、桁行方向に直交する方向を梁間方向として説明する。
床部10は、工場等で予め製造されたプレキャストコンクリート製の板状部材であり、桁行方向に隣り合って配置される居住空間ユニット100同士を接続するための接続部11と、接続部11から梁間方向に沿って延出しバルコニー部となる第1延出部12と、接続部11を挟んで第1延出部12とは反対側に延出し後述の共用廊下70に接続される第2延出部13と、を有する。
接続部11には、隣り合う居住空間ユニット100同士を緊結により一体化する後述のPC鋼線50(鋼線)が挿通するシース管15が桁行方向に沿って埋め込まれるとともに、空間形成部20を構成する後述の各壁部21,22,23を床部10に結合するための埋め込みナットや埋め込みボルトといった図示しない接合金物が予め設定された位置に埋め込まれる。
第1延出部12及び第2延出部13には、鉛直方向に積み重ねられた居住空間ユニット100同士を接続する後述の壁柱30,40(柱)を床部10に結合するためのシース管17,18が鉛直方向に沿って埋め込まれる。また、バルコニー部となる第1延出部12には、雨水等を排水するための図示しない溝や排水ダクトが設けられ、第2延出部13には、建築現場にて打設される共用廊下70に向かって延びる定着筋16が埋め込まれる。
空間形成部20は、第1延出部12側に桁行方向に沿って立設される第1外壁21(壁部)と、第2延出部13側に桁行方向に沿って立設される第2外壁22(壁部)と、梁間方向に沿って立設され第1外壁21と第2外壁22とに接続される一対の戸境壁23(壁部)と、第1外壁21、第2外壁22及び一対の戸境壁23により形成される上方の開口部を閉塞する天井部24と、を有する。
空間形成部20を構成する各壁部21,22,23及び天井部24は、間伐材等のB材で形成された直交集成板(CLT:Cross Laminated Timber)等の木質板材によって形成される。なお、耐火性能を向上させるために、ALCパネル等の耐火被覆材が各部材に重ね合わせられてもよい。
床部10に対する各壁部21,22,23の接合は、例えば、LSB(ラグスクリューボルト)接合やDP(ドリフトピン)接合といった公知の手法により、床部10に埋め込まれた接合金物と各壁部21,22,23の下端部とを結合することにより行われる。また、各壁部21,22,23間の接合や各壁部21,22,23と天井部24との間の接合は、L字金物や長ビス、接着剤を用いた公知の手法により行われる。
居住空間ユニット100の製作作業は、工場や建築現場内の組立ヤード等において予め行われ、居住空間ユニット100内には、さらにシステムキッチンやシステムバス、給排水配管、ベッド、空調装置等が据え付けられる。また、バルコニー部となる第1延出部12側に立設された第1外壁21には窓21aまたは窓枠が設けられ、共用廊下70に臨む第2延出部13側に立設された第2外壁22には居住空間の出入口となる開口部22aが設けられる。なお、開口部22aには工場等において玄関扉等が組付けられてもよい。
このように工場等で組み立てられた複数の居住空間ユニット100は、建築現場に搬入され、水平方向に並べられるとともに鉛直方向に積み重ねられる。これにより図3に示されるような複数の居室空間を有する中低層の建築物1が構築される。
次に、図3~5を参照し、上記構成の居住空間ユニット100が組み込まれる建築物1について説明する。図4は、図3のC-C線に沿う建築物1の断面を示す断面図であり、図5は、図4のD-D線に沿う建築物1の断面を示す断面図である。
図3及び図4に示すように、建築物1には、鉛直方向に積み重ねられた居住空間ユニット100の床部10間に配置され、鉛直方向の荷重を負担する壁柱30,40と、共用廊下70や図示しない階段といった建築現場にて打設される打設部と、が設けられる。
壁柱30,40は、工場等で予め製造されたプレキャストコンクリート製の柱状部材であり、隣り合う2つの居住空間ユニット100に跨るようにして、第1延出部12側と第2延出部13側とにそれぞれ設けられる。
第1延出部12側に配置される第1壁柱30は、図4に示すように、第1壁柱30に沿って配置された複数の主筋31と、複数の主筋31に巻き付けられた図示しない補強筋と、主筋31の下端が挿入された第1鉄筋継手32と、主筋31の上端が挿入された第2鉄筋継手33と、を有する。
鉄筋継手32,33は、両端が開口した筒状のモルタル充填式継手であり、主筋31が挿入される側とは反対側の端面が露出するように第1壁柱30にそれぞれ埋め込まれている。なお、鉄筋継手32,33としては、モルタル充填式継手に限定されず、無機グラウト充填式継手や樹脂グラウト充填式継手、溶接継手が用いられてもよい。
第2延出部13側に配置される第2壁柱40は、第1壁柱30と同様に、第2壁柱40に沿って配置された複数の主筋41と、複数の主筋41に巻き付けられた図示しない補強筋と、主筋41の下端が挿入された第1鉄筋継手42と、主筋41の上端が挿入された第2鉄筋継手43と、を有する。
上階に設けられた壁柱30,40と下階に設けられた壁柱30,40とは、後述のように、床部10に設けられたシース管17,18を挿通する接続筋35,45を介して互いに接続され、これにより壁柱30,40は、上階の居住空間ユニット100の床部10と下階の居住空間ユニット100の床部10とを接続した状態となる。
また、建築物1には、図5に示すように、水平方向に並べられた複数の居住空間ユニット100を緊結により一体化するPC鋼線50が設けられる。
PC鋼線50は、水平方向に並べられた居住空間ユニット100の接続部11に埋め込まれたシース管15を挿通するように設けられた単線または撚り線からなる線状鋼材であり、公知のポストテンション方式のプレストレス定着工法によって、緊張力が付与された状態で両端に設けられた図示しない定着具を介して固定される。
続いて、図3~5を参照し、上記構成の居住空間ユニット100が組み込まれる建築物1の建築方法について説明する。なお、建築物1の各階の構築手順はほぼ同じであることから、以下では任意の階であるN階の部分を構築する手順について説明する。
まず、先に構築されたN-1階の居住空間ユニット100の上方にN階となる居住空間ユニット100(別の居住空間ユニット)を設置する工程が行われる。N階となる居住空間ユニット100は、トラック等の運搬車両によって製造工場から建築現場へと搬入され、クレーン等の揚重機械を用いて先に構築されたN-1階の居住空間ユニット100の上に直接的に載置される。
このようにN階となる居住空間ユニット100を載置する際、居住空間ユニット100の水平度を確保するために、N-1階の居住空間ユニット100の天井部24とN階となる居住空間ユニット100の床部10との間にはレベル調整用の金属プレート61が適宜配置される。また、この部分には、外部から水等が侵入することを防止するためにシール部材62が設けられる。シール部材62は樹脂等によって形成された弾性部材であり、天井部24と床部10との間に圧縮された状態で設けられる。なお、共用廊下70が内廊下である場合には、廊下側にはシール部材62を設けなくともよい。
N階となる居住空間ユニット100の隣にも別の居住空間ユニット100が順次載置され、N階となるすべての居住空間ユニット100が水平方向に並べられることによりこの工程は完了する。なお、この工程が完了した時点では、N階となる居住空間ユニット100の荷重は、N-1階の居住空間ユニット100によって支持されている。
続いて、N階となる複数の居住空間ユニット100を一体化する工程が行われる。
この工程では、まず、隣り合って配置された居住空間ユニット100の床部10間の隙間にモルタルが充填される。床部10間に充填されたモルタルが固化することによって、N階となる複数の居住空間ユニット100は互いに接合される。このように水平方向に並べられた複数の居住空間ユニット100が一体的に接合されると、各居住空間ユニット100の接続部11に埋め込まれたシース管15は互いに連通した状態になる。なお、隣り合って配置された居住空間ユニット100の床部10間の隙間には、モルタルに代えて、コンクリートが充填されてもよく、また、床部10間に隙間がほとんどなく、ほぼ接触した状態となっている場合には、接触面にエポキシ樹脂等の接着剤が塗布されてもよい。
次に、この工程では、複数の居住空間ユニット100を構造的に一体化させるために、PC鋼線50を用いた定着工法であるポストテンション方式のプレストレス定着工法が行われる。
PC鋼線50を定着させる定着工法では、まず、連通状態となったシース管15にモルタルが注入されるとともにPC鋼線50が挿入される。続いて、挿入されたPC鋼線50の一端が定着具により固定され、他端がジャッキによって引張される。これにより、PC鋼線50に緊張力が付与される。
そして、緊張力が付与されたPC鋼線50の他端が、一端と同様に定着具によって固定されることにより、N階となる複数の居住空間ユニット100は、両端が定着具によって定着されたPC鋼線50に生じる緊張力(復元力)によって緊結され、構造的に一体化される。
このようにN階となる複数の居住空間ユニット100が一体化された後、続いて、建築現場においてコンクリートを打設する工程が行われる。
この工程では、N階の共通床である共用廊下70が打設されるとともに、N-1階の共用廊下70からN階の共用廊下70へ向かって延びるN-1階からの立上り躯体である階段等の構造部分が打設される。なお、共用廊下70や階段は、すべての部分が現場打設により構築される必要はなく、部分的に工場等においてプレキャスト化されてもよい。
コンクリートを打設する工程が完了すると、N-1階の居住空間ユニット100の床部10とN階となる居住空間ユニット100の床部10とを壁柱30,40(柱)により接続する工程が行われる。
この工程では、まず、N階となる居住空間ユニット100の床部10に設けられたシース管17,18と、N-1階に設置された壁柱30,40の第2鉄筋継手33,43と、に渡って接続筋35,45が挿入される。そして、接続筋35,45が挿入されたシース管17,18及び第2鉄筋継手33,43内にモルタルが充填される。なお、モルタルは、壁柱30,40の上端面と床部10の下端面との間の隙間にも充填される。
充填されたモルタルが固化することによりN階の居住空間ユニット100の床部10とN-1階の居住空間ユニット100の床部10とは、壁柱30,40を介して接続された状態となる。すなわち、N階の居住空間ユニット100の鉛直方向荷重は、N-1階の居住空間ユニット100ではなく、N-1階の壁柱30,40によって支持された状態となる。
このように最終的に壁柱30,40によって鉛直方向荷重を支持する構成とすることにより、居住空間ユニット100の各壁部21,22,23を比較的耐荷重が小さい直交集成板等の木質板材で形成することが可能となる。
なお、居住空間ユニット100の各壁部21,22,23に鉛直方向荷重が作用することを確実に避けるためには、金属プレート61に代えて図示しない小型ジャッキを天井部24と床部10との間に配置しておき、壁柱30,40が床部10に接合された後、小型ジャッキを取り外し、天井部24と床部10とが剛体接触しないようにすることが好ましい。このように小型ジャッキが配置されたことによって天井部24と床部10との間に生じたスペースは、給排水配管等の配管スペースとして利用することが可能である。
N-1階の居住空間ユニット100の床部10とN階となる居住空間ユニット100の床部10とを壁柱30,40により接続する上述の工程は、コンクリート打設工程の完了を待つことなく、コンクリート打設工程と並行して行われてもよいし、コンクリート打設工程より先に行われてもよい。
N-1階の壁柱30,40がN階となる居住空間ユニット100の床部10に接合された後、これらを接合する際に用いられた接続筋35,45を用いて、N階の壁柱30,40を設ける工程が行われる。
上述の接続筋35,45の一端は、床部10から上方に向かって突出した状態となっている。N階の壁柱30,40を設ける工程は、床部10から突出した接続筋35,45の一端を壁柱30,40の第1鉄筋継手32,42に差し込み、接続筋35,45が差し込まれた第1鉄筋継手32,42内にモルタルを充填することで行われる。なお、モルタルは、壁柱30,40の下端面と床部10の上端面との間の隙間にも充填される。
充填されたモルタルが固化することによって、N階となる居住空間ユニット100の床部10に対してN階の壁柱30,40が立設された状態となる。
このように隣り合う居住空間ユニット100に跨るようにして壁柱30,40が取付けられた後、壁柱30,40と居住空間ユニット100との間の隙間や隣り合う居住空間ユニット100の戸境壁23間の隙間には耐火材(耐火シール、耐火ガスケット等)が適宜充填される。
以上のような工程によって、居住空間ユニット100が組み込まれる建築物1の任意の階であるN階部分が構築される。そして、同じ工程を繰り返すことによりN+1階以降の部分が順次構築される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
上記居住空間ユニット100は、内部に鉄筋が配置されたコンクリート製の床部10に直交集成板等の木質板材によって形成された各壁部21,22,23が立設された構成を有し、予め工場等で製作される。このように木質板材が鉄筋コンクリート製の床部10に立設された構造体を、工場等で予め製作される居住空間ユニット100とすることによって、建築現場で打設されるコンクリートに対して現場合わせで木質板材を組み付けるような作業が不要になるとともに、建築現場でコンクリートを打設しなければならない部分、すなわち、養生期間を要する部分を減少させることが可能となる。この結果、木質材が建材として用いられる建築物1の施工期間を短くすることができる。
また、二酸化炭素を取り込んで固定化している木材を中低層の建築物1に比較的多く採用することが可能となるため、二酸化炭素の削減に貢献することができる。さらに、間伐材やB材、製材端材により形成される直交集成板を建築物1の建材として用いることが可能となることで、森林資源の有効活用に貢献することもできる。
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、居住空間ユニット100の壁部21,22,23は、4面に設けられている。壁部21,22,23は、天井部24を連結可能に設けられていれば4面に設けられている必要はなく、例えば、平面視において直交する2面または平行する2面のみに設けられていてもよいし、平面視でコ字状となるよう3面に設けられていてもよい。なお、この場合、居住空間ユニット100に設けられていない壁部は、建築現場において取り付けられるが、工場等から建築現場へ搬送する際には、居住空間ユニット100内に据え付けられた設備等を保護するために、仮の壁部が設けられてもよい。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100に天井部24が設けられている。これに代えて、居住空間ユニット100に天井部24を設けず、上階に配置される居住空間ユニット100の床部10の下面を天井面として利用してもよい。なお、この場合、居住空間ユニット100内に据え付けられた設備等を保護するために、工場等から建築現場へ居住空間ユニット100を搬送する際には、上面を覆う保護カバーが適宜設けられる。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100は、内装も含めて工場等で組み立てられてから建築現場へと搬送される。これに代えて、居住空間ユニット100の組み立てのすべてまたはその一部は、建築現場内の組立ヤードにおいて行われてもよい。また、内装工事は、建築物1に居住空間ユニット100が組み込まれた後に行われてもよい。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100の床部10の形状は、平面視において略矩形状である。床部10の形状はこれに限定されず、隣り合う居住空間ユニット100に設けられたシース管15を接続可能な形状であれば、どのような形状であってもよく、例えば、共用廊下70の形状や階段、エレベータの配置に合わせて一部が切り欠かれていたり出張っていたりしてもよい。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100の床部10に、バルコニー部となる第1延出部12が一体的に設けられている。これに代えて、バルコニー部となる部分は、床部10とは別に設けられていてもよい。特にバルコニー部にコンクリート製の手摺部が設けられている場合やバルコニー部の面積が大きい場合には、トラック等の運搬車両で搬送可能な大きさや重量を超えるおそれがあることから、別構成とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100の床部10は、鉄筋コンクリート製である。これに代えて、床部10は、鉄骨鉄筋コンクリート製であってもよい。
また、上記実施形態では、壁柱30,40はプレキャスト化されたものが用いられている。これに代えて、壁柱30,40は現場で打設される鉄筋コンクリート製または鉄骨鉄筋コンクリート製であってもよい。この場合、任意の階であるN階の壁柱30,40は、N+1階の共通床である共用廊下70が打設されるとともにN階の共用廊下70からN+1階の共用廊下70へ向かって延びるN階からの立上り躯体である階段等の構造部分が打設される際に、立上り躯体として一緒に打設される。つまり、この場合、N階の壁柱30,40を設ける工程は、N+1階を構築する際に行われるコンクリート打設工程と併せて行われる。また、壁柱30,40は単に鉄骨材であってもよく、この場合、この場合、任意の階であるN階の壁柱30,40は、例えば、床部10に予め埋め込まれた金属金物に接合される。
また、上記実施形態では、PC鋼線50を用いた定着工法によって、複数の居住空間ユニット100が構造的に一体化される。これに代えて、図6に示すように、同一階の居住空間ユニット100は、鉄筋を介した定着により一体化されてもよい。なお、図6は、図5に相当する断面を示す断面図である。
図6に示される変形例では、居住空間ユニット100の床部10の接続部11に、シース管15に代えて、複数の鉄筋51が桁行方向に沿って埋め込まれている。これらの鉄筋51は、両端部が定着筋として突出した状態となっている。そして、2つの居住空間ユニット100の間には、建築現場で打設される床部210を有し、建築現場で組み立てられる居住空間200が設けられる。
居住空間200の床部210は、両脇に配置された居住空間ユニット100の接続部11から突出する鉄筋51同士を接続配筋52により接続した後、現場で打設される。そして、床部210が打設された後、床部210上に居室空間を形成する空間形成部が木質板材により形成される。
つまり、この変形例では、複数の居住空間ユニット100は、接続部11に埋め込まれた鉄筋51と、建築現場において居住空間ユニット100間で組み立てられる居住空間200の床部210と、によって一体化される。
なお、居住空間200の床部210を打設する際、下階の居住空間200の天井部224が打設用型枠として利用されてもよい。
また、上記実施形態では、隣り合う居住空間ユニット100は、それぞれに設けられた戸境壁23のみによって隔てられている。これに代えて、防音性及び耐火性を向上させるために、図7に示すように、隣り合う居住空間ユニット100の戸境壁23間にコンクリート壁72を設けてもよい。なお、図7は、図5に相当する断面を示す断面図である。
図7に示される変形例では、隣り合う居住空間ユニット100は、所定の間隔だけ離された状態で載置され、戸境壁23間と床部10間に、現場で打設されるコンクリート壁72,73がそれぞれ設けられる。
この場合、N階となる複数の居住空間ユニット100を一体化する工程において、隣り合う居住空間ユニット100に設けられたシース管15を接続管74により接続した後、隣り合う居住空間ユニット100の床部10間に高強度コンクリートが床部10上面まで打設される。なお、床部10と下階の居住空間ユニット100の天井部24との間には、高強度コンクリートの流入を防止するためにノロ止め部材64が予め設けられる。
そして、高強度コンクリートが固化し隣り合う居住空間ユニット100の床部10間に比較的強度が高いコンクリート壁73が形成された後、上記実施形態と同様に、PC鋼線50を用いた定着工法であるポストテンション方式のプレストレス定着工法が行われる。なお、コンクリート壁73を普通コンクリートにより形成した場合であっても、PC鋼線50による定着に対して十分な強度を発揮できると予測される場合には、コンクリート壁73は高強度コンクリートに代えて普通コンクリートにより形成されてもよい。
N階となる複数の居住空間ユニット100が構造的に一体化された後、隣り合う居住空間ユニット100の戸境壁23間には、図示しない鉄筋が配筋される。そして、上記実施形態と同様にして、N階の壁柱30,40を設ける工程が行われた後、隣り合う居住空間ユニット100の戸境壁23と壁柱30,40とに囲まれた空間内には、天井部24の上面に至るまでコンクリートが打設される。このようにして隣り合う居住空間ユニット100間には、コンクリート壁72,73が形成される。
なお、コンクリート壁72と壁柱30,40との結合性を向上させるために、各壁柱30,40には、隣り合う居住空間ユニット100の戸境壁23間の空間に向かって突出して設けられたU字状またはフック状の定着筋を設けておくことが好ましい。
また、上記実施形態では、壁柱30,40は、居住空間ユニット100の床部10に直接的に接合されており、いわゆるパネルゾーンは床部10としてプレキャスト化されている。これに代えて、図8に示すように、パネルゾーンとなる部分を現場で打設される現場打設部76,77とし、壁柱30,40が現場打設部76,77を介して居住空間ユニット100の床部10に間接的に接合されるようにしてもよい。なお、図8は、図4に相当する断面を示す断面図である。
図8に示される変形例では、居住空間ユニット100の床部10に、壁柱30,40の断面形状に合わせて切り欠かれた切欠部12a,13aが予め形成されている。これら切欠部12a,13aには、N階の共用廊下70を打設する際にコンクリートが打設され、現場打設部76,77が形成される。
第1延出部12に形成された切欠部12aにコンクリートが打設される前に、床部10から切欠部12a内に突出して設けられた図示しない定着筋と階下の第1壁柱30から延びる主筋31とは、切欠部12a内において、図示しない補強筋とともに結束線等によって括られる。同様に、第2延出部13に形成された切欠部13aにコンクリートが打設される前に、共用廊下70に向かって延びる定着筋16と階下の第2壁柱40から延びる主筋41とは、切欠部13a内において、図示しない補強筋とともに結束線等によって括られる。
これにより壁柱30,40の上端部は、現場打設部76,77を介して居住空間ユニット100の床部10に間接的に接合されることになる。
そして、現場打設部76,77が固化した後、現場打設部76,77から上方に突出した階下の壁柱30,40の主筋31,41を用いて、上記実施形態と同様にしてN階の壁柱30,40を設ける工程が行われる。これにより壁柱30,40の下端部も、現場打設部76,77を介して居住空間ユニット100の床部10に間接的に接合されることになる。
また、上記実施形態では、居住空間ユニット100は、共用廊下70に向かって延びる定着筋16を介して建築現場にて打設される共用廊下70と一体化されている。これに代えて、共用廊下70を居住空間ユニット100の床部10と同様にシース管が埋め込まれたプレキャストコンクリート製とすることにより、居住空間ユニット100と共用廊下70とを、PC鋼線を用いた定着工法であるポストテンション方式のプレストレス定着工法によって緊結により一体化してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100・・・居住空間ユニット
1・・・建築物
10・・・床部
12・・・第1延出部(バルコニー部)
15・・・シース管
20・・・空間形成部
21・・・第1外壁(壁部)
22・・・第2外壁(壁部)
23・・・戸境壁(壁部)
24・・・天井部
30・・・第1壁柱(柱)
40・・・第2壁柱(柱)
50・・・PC鋼線(鋼線)

Claims (6)

  1. 予め製作され、建築物に複数組み込まれる居住空間ユニットであって、
    床部と、
    前記床部に立設された壁部と、を備え、
    前記床部は、内部に鉄筋が配置されたコンクリート製であり、
    前記壁部は、木質板材により形成される、
    居住空間ユニット。
  2. 木質板材により形成された天井部をさらに備え、
    前記壁部は、少なくとも2面設けられ、前記天井部によって連結される、
    請求項1に記載の居住空間ユニット。
  3. 前記床部には、バルコニー部が一体的に設けられる、
    請求項1または2に記載の居住空間ユニット。
  4. 前記床部には、水平方向に並べられた前記居住空間ユニット同士を緊結する鋼線が挿通するシース管が埋め込まれる、
    請求項1から3の何れか1つに記載の居住空間ユニット。
  5. 請求項1から4の何れか1つに記載の居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法であって、
    前記居住空間ユニットの上方に別の居住空間ユニットを設置する工程と、
    前記居住空間ユニットの前記床部と前記別の居住空間ユニットの前記床部とを接続する柱を設ける工程と、を含む、
    居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法。
  6. 請求項4に記載の居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法であって、
    前記居住空間ユニットの隣に別の居住空間ユニットを設置する工程と、
    前記居住空間ユニットの前記シース管と前記別の居住空間ユニットの前記シース管とに前記鋼線を挿通する工程と、
    前記鋼線に緊張力を付与し前記居住空間ユニットと前記別の居住空間ユニットとを緊結する工程と、を含む、
    居住空間ユニットが組み込まれる建築物の建築方法。
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