JP2022184044A - 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性に優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供する。【解決手段】(A)樹脂と、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤と、(C)縮合環を含むチャー形成剤と、を含有する、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージである。【選択図】図3

Description

本実施形態は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージに関する。
従来、プリント配線板、半導体封止材等の電子部品に使用される樹脂組成物の難燃剤として、臭素等のハロゲンを含むハロゲン系難燃剤が使用されてきた。
しかし、近年では、環境問題への配慮の点から、従来のハロゲンを含む臭素系難燃剤を使用しないハロゲンフリー製品の導入が進められている。
ここで、ハロゲンフリーとは、ハロゲン原子を全く含んでいないこと、又はその含有量が極微量の場合を意味する。例えば、社団法人日本電子回路工業会では、ハロゲンフリープリント配線板用銅張積層板の定義を塩素(Cl)、臭素(Br)の含有率がそれぞれ900ppm以下で、その含有率総量が1500ppm以下と定義している。
そこで、ハロゲン含有化合物に代わる難燃剤として、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、縮合リン酸エステル系化合物、イントメッセント系難燃剤等のハロゲンを含有しない難燃剤が検討されている。これらの中でも、イントメッセント系難燃剤は、金属水酸化物、縮合リン酸エステル系化合物等よりも、高い難燃性が期待される材料として注目されている。
イントメッセント系難燃剤としては、リン原子と窒素原子を含むポリリン酸アンモニウムが用いられることが多い。イントメッセント系難燃剤は、燃焼時に発泡膨張層(イントメッセント層)である炭化被膜を表面に形成し、該発泡膨張層が、断熱効果とガス遮断効果を発現することによって、燃焼を停止させる作用を及ぼすものである。
特許文献1には、樹脂に混合することによって、樹脂に加工成形性と難燃性とを付与できる組成物、及び、該組成物と樹脂とを含有し、優れた加工成形性及び難燃性を有する難燃性樹脂組成物として、(A)成分:オルトリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンよりなる群から選択される少なくとも1種のメラミン塩、(B)成分:オルトリン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン及びポリリン酸ピペラジンよりなる群から選択される少なくとも1種のピペラジン塩、及び、(C)成分:アルミナの一水和物、を含有する組成物が開示されている。
国際公開第2019/049668号
ところで、近年、ネットワークインフラ機器、大型コンピュータ等における情報通信量、通信速度等の著しい向上に伴い、これらの電子機器に搭載される半導体パッケージには高周波化対応が必要となっている。そのため、半導体パッケージ用の各種材料に対しては、伝送損失の低減を可能とする低誘電率及び低誘電正接を有する材料が求められている。
しかしながら、特許文献1の技術で用いられているポリリン酸メラミン塩、ポリリン酸ピペラジン塩等は、樹脂組成物の誘電特性を悪化させる傾向にある。そのため、これらの難燃剤を用いながら、優れた難燃剤と、高周波化に対応可能な誘電特性とを両立させることは困難であった。
また、イントメッセント系難燃剤以外のリン系難燃剤も、一般に、プリント配線板用の基板、半導体封止材等を構成する材料の中でも誘電特性に劣る材料である。そのため、難燃性を向上させるために、これらの難燃剤の添加量を増加させると、半導体パッケージの誘電特性が損なわれる場合がある。
すなわち、高周波化に対応するべく樹脂組成物の誘電特性を良好にするためには、可能な限り少ない難燃剤の添加量で十分な難燃性を得ることが必要であるが、そのような技術は未だ確立されていない。
本実施形態は、このような現状に鑑み、難燃性に優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供することを課題とする。
本発明者等は上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、特定の構造を有する難燃剤と、特定の構造を有するチャー形成剤とを併用することによって、上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本実施形態は、下記[1]~[15]に関する。
[1](A)樹脂と、
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤と、
(C)縮合環を含むチャー形成剤と、
を含有する、樹脂組成物。
[2]前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、ホスホン酸ジエステル構造を含む、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、2個のリン原子を含み、前記スピロ環を構成する2つの環が、各々、環形成原子として前記リン原子を1個含み、該リン原子が、各々、前記ホスホン酸ジエステル構造を形成するものである、上記[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、下記一般式(B-1)で表される、上記[3]に記載の樹脂組成物。
Figure 2022184044000002

(式中、RB1は、各々独立して、アルキル基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示す。)
[5]前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、カルボニル基、ヒドロキシ基、チオール基及びアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で、30℃から850℃まで昇温したときの質量残存率が、20質量%以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記(C)縮合環を含むチャー形成剤の炭素数が25以上である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、3個以上の環が縮合された縮合環を含む、上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]前記(A)樹脂が、熱硬化性樹脂である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10]多層プリント配線板用又は半導体封止材用である、上記[9]に記載の樹脂組成物。
[11]上記[9]に記載の樹脂組成物を含有してなるプリプレグ。
[12]上記[9]に記載の樹脂組成物を含有してなる樹脂フィルム。
[13]上記[9]に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する積層板。
[14]上記[9]に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する多層プリント配線板。
[15]上記[9]に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する半導体パッケージ。
本実施形態によれば、難燃性に優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたプリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージを提供することができる。
参考例及び参考比較例における850℃質量残存率測定後の残存物の外観写真である。 参考例及び参考比較例における850℃質量残存率測定後の残存物の外観写真である。 参考例における850℃質量残存率測定後の残存物の外観写真である。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
例えば、数値範囲「X~Y」(X、Yは実数)という表記は、X以上であるY以下である数値範囲を意味する。そして、本明細書における「X以上」という記載は、X及びXを超える数値を意味し、数値が異なる場合もこれに準ずる。また、本明細書における「Y以下」という記載は、Y及びY未満の数値を意味する。
本明細書中に記載されている数値範囲の下限値及び上限値は、それぞれ他の数値範囲の下限値又は上限値と任意に組み合わせられる。
本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の下限値又は上限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「樹脂組成物」とは、後述する各成分の混合物、当該混合物を半硬化させた物を含む。
本明細書において、「固形分」とは、溶剤等の揮発する物質を除いた不揮発分のことであり、樹脂組成物を乾燥させた際に、揮発せずに残る成分を示し、室温で液状、水飴状及びワックス状のものも含む。ここで、本明細書において室温とは25℃を示す。
本明細書に記載されている作用機序は推測であって、本実施形態に係る樹脂組成物の効果を奏する機序を限定するものではない。
本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本実施形態に含まれる。
[樹脂組成物]
本実施形態の樹脂組成物は、(A)樹脂と、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤と、(C)縮合環を含むチャー形成剤と、を含有する、樹脂組成物である。
本実施形態の樹脂組成物が、優れた難燃性を有する理由は定かではないが、以下のように推察される。
本実施形態の樹脂組成物が含有する(C)縮合環を含むチャー形成剤は、熱分解し難い縮合環を含むものであるため、燃焼時においても低分子量化し難く、チャーを形成し易い性質を有する。そのため、(C)縮合環を含むチャー形成剤を含有する本実施形態の樹脂組成物は、燃焼時において、(C)縮合環を含むチャー形成剤に由来するチャーが、効率良く十分な量で形成される。
一方、本実施形態の樹脂組成物が含有する(B)スピロ環を含むリン系難燃剤も、熱安定性が高く、燃焼時においても完全に分解し難い傾向にある。そのため、(C)縮合環を含むチャー形成剤がチャーに変化する温度において、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤は熱分解せずに系内に存在し続け、上記チャー同士の架橋剤として機能するものと考えられる。
そして、十分な量の架橋を有するチャーは、空隙が少ない緻密なスキン層の形成及び、表層の直下に発泡により膨張したイントメッセント層の形成に寄与すると考えられる。このイントメッセント層の断熱効果及び燃焼ガスの遮蔽効果によって、本実施形態の樹脂組成物は、優れた難燃性を有するものになったと考えられる。
以下、本実施形態の樹脂組成物が含有し得る各成分について順に説明する。
<(A)樹脂>
(A)樹脂としては、特に限定されず、樹脂組成物の用途に応じて、適宜選択すればよい。
(A)樹脂としては、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態の樹脂組成物を高い耐熱性等が要求される電子部品用途に適したものにするという観点から、(A)樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂であることがより好ましい。
(A)樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物中における(A)樹脂の含有量は、特に限定されないが、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中、好ましくは50~99質量%、より好ましくは70~95質量%、さらに好ましくは80~90質量%である。
(A)樹脂の含有量が上記下限値以上であると、(A)樹脂に由来する特性を十分に得られ易い傾向にある。また、(A)樹脂の含有量が上記上限値以下であると、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤に基づく優れた難燃性を得られ易い傾向にある。
<(B)スピロ環を含むリン系難燃剤>
本実施形態の樹脂組成物は、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤を含有するものである。
なお、本明細書において「スピロ環」とは、1個の原子が2個の環に共有されている化学構造をいう。2個の環に共有される原子は、炭素原子であることが好ましいが、炭素原子以外の原子であってもよい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤は、難燃性の観点から、ホスホン酸ジエステル構造を含むものであることが好ましい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が有するホスホン酸ジエステル構造としては、下記一般式(B-2)で表される構造が好ましい。
Figure 2022184044000003

(式中、RB1は、アルキル基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基である。*は、リン酸エステルを構成する有機基に結合する部位である。)
上記一般式(B-2)中のRB1で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1~10、より好ましくは1~5、さらに好ましくは1~3である。なお、該アルキル基の炭素数には置換基の炭素数は含めないものとする。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、後述する芳香族炭化水素基;後述する芳香族複素環基;ハロゲン原子;アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジルエーテル基;これらが組み合わされた基などが挙げられる。アルキル基の置換基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~12、さらに好ましくは1~10である。
上記一般式(B-2)中のRB1で表される芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~20、より好ましくは6~15、さらに好ましくは6~12である。なお、該芳香族炭化水素基の炭素数には置換基の炭素数は含めないものとする。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。
芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記したアルキル基;後述する芳香族複素環基;ハロゲン原子;アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジルエーテル基;これらが組み合わされた基などが挙げられる。芳香族炭化水素基の置換基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~12、さらに好ましくは1~10である。
上記一般式(B-2)中のRB1で表される芳香族複素環基の炭素数は、好ましくは6~20、より好ましくは6~15、さらに好ましくは6~12である。なお、該芳香族複素環基の炭素数には置換基の炭素数は含めないものとする。
芳香族複素環基としては、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5-トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジヒドロアクリジン等の芳香族複素環の残基が挙げられる。
芳香族複素環基は置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。
芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記したアルキル基;上記した芳香族炭化水素基;ハロゲン原子;アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、グリシジルエーテル基;これらが組み合わされた基などが挙げられる。芳香族複素環基の置換基の炭素数は、好ましくは1~20、より好ましくは1~12、さらに好ましくは1~10である。
上記で説明したRB1の選択肢の中でも、難燃性の観点から、RB1はアルキル基であることが好ましく、芳香族炭化水素基で置換されたアルキル基であることがより好ましく、フェニル基で置換されたアルキル基であることがさらに好ましく、フェニル基で置換されたメチル基又はエチル基であることがよりさらに好ましく、フェニル基で置換されたメチル基であることが特に好ましい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、分子構造中に有するリン原子の数は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個、さらに好ましくは1個又は2個である。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、複数のリン原子を有する場合、各々のリン原子が、上記一般式(B-2)で表される構造を有していることが好ましい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が有するスピロ環を構成する2つ環の環員数は、各々独立に、好ましくは4~10、より好ましくは5~8、さらに好ましくは5~7、特に好ましくは6である。すなわち、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が有するスピロ環は、6員環と6員環とが1個の原子を共有してなる構造を有することが好ましく、6員環と6員環とが1個の炭素原子を共有してなる構造を有することがより好ましい。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤は、難燃性の観点から、2個のリン原子を含み、前記スピロ環を構成する2つの環が、各々、環形成原子として前記リン原子を1個含み、該リン原子が、各々、前記ホスホン酸ジエステル構造を形成するものであることが好ましい。
なお、本明細書において、環形成原子とは、原子が環状に結合した構造の化合物の当該環自体を構成する原子を表し、環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子に結合した水素原子)等は環形成原子には含まない。
このような(B)スピロ環を含むリン系難燃剤は、下記一般式(B-1)で表されるものが好ましい。
Figure 2022184044000004

(式中、RB1は、各々独立して、アルキル基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示す。)
上記一般式(B-1)中のRB1についての説明は、上記一般式(B-2)中のRB1についての説明と同じである。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤としては、例えば、3,9-ビス(フェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(1-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3、9-ビス(2-フェニルエチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(ジフェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。これらの中でも、3,9-ビス(フェニルメチル)-3,9-ジオキソ-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中における(B)スピロ環を含むリン系難燃剤の含有量は、特に限定されないが、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中、好ましくは0.1~20質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは4~10質量%である。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤の含有量が上記下限値以上であると、より優れた難燃性が得られ易い傾向にある。また、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤の含有量が上記上限値以下であると、良好な誘電特性が得られ易い傾向にある。
<(C)縮合環を含むチャー形成剤>
本実施形態の樹脂組成物は、(C)縮合環を含むチャー形成剤を含有するものである。
(C)縮合環を含むチャー形成剤は、上記した通り、縮合環を含むことによって、チャーになり易い性質を有するものである。
(C)縮合環を含むチャー形成剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤は、加熱下において(B)スピロ環を含むリン系難燃剤との反応性を有し、より良好なイントメッセント層を形成するという観点から、官能基を有することが好ましく、カルボニル基、ヒドロキシ基、チオール基及びアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を有することがより好ましく、カルボニル基を有することがさらに好ましい。
なお、例えば、(A)樹脂として熱硬化性樹脂を選択し、(C)縮合環を含むチャー形成剤が該熱硬化性樹脂と反応し得る官能基を有する場合、(C)縮合環を含むチャー形成剤の官能基が(A)樹脂との反応によって消費されることがある。その現象を抑制する観点からは、(C)縮合環を含むチャー形成剤は、(A)熱硬化性樹脂との反応性を有しない官能基を有することが好ましい。同様の観点から、(C)縮合環を含むチャー形成剤は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基及びエポキシ基からなる群から選択される1種以上を有しないものであってもよい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤は、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で、30℃から850℃まで昇温したときの質量残存率(以下、「850℃質量残存率」と称する場合がある。)が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。
(C)縮合環を含むチャー形成剤の850℃質量残存率が上記下限値以上であると、(C)縮合環を含むチャー形成剤に由来するチャーが十分に形成され易い傾向にある。
また、(C)縮合環を含むチャー形成剤の850℃質量残存率の上限値に特に制限はなく、100質量%であってもよいが、製造容易性等の観点から、98質量%以下であってもよく、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
なお、850℃質量残存率は、具体的には、実施例に記載する方法によって測定することができる。
(C)縮合環を含むチャー形成剤の炭素数は、好ましくは25以上、より好ましくは27以上、さらに好ましくは30以上である。
(C)縮合環を含むチャー形成剤の炭素数が上記下限値以上であると、(C)縮合環を含むチャー形成剤に由来するチャーが十分に形成され易い傾向にある。
また、(C)縮合環を含むチャー形成剤の炭素数の上限値に特に制限はないが、取り扱い性、入手容易性等の観点から、100以下であってもよく、80以下であってもよく、50以下であってもよい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤は、3個以上の環が縮合された縮合環を含むことが好ましく、5個以上の環が縮合された縮合環を含むことがより好ましく、7個以上の環が縮合された縮合環を含むことがさらに好ましい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤が、上記下限値以上の環が縮合された縮合環を含むことによって、(C)縮合環を含むチャー形成剤に由来するチャーが十分に形成され易い傾向にある。
また、(C)縮合環を含むチャー形成剤は、取り扱い性の観点から、20個以下の環が縮合された縮合環を含むものであってもよく、15個以下の環が縮合された縮合環を含むものであってもよく、12個以下の環が縮合された縮合環を含むものであってもよい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤が有する縮合環を構成する環は、芳香族環、脂肪族環又は複素環のいずれであってもよいが、チャーが形成され易いという観点から、芳香族環を含むことが好ましい。
(C)縮合環を含むチャー形成剤が有する縮合環の数は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個、さらに好ましくは1個又は2個である。なお、ここでの「縮合環の数」は、2個以上の環が縮合された縮合環を1個として数えるものである。
(C)縮合環を含むチャー形成剤としては、例えば、アントロン、ベンズアントロン、イソビオラントロン、ラバントロン、インダントロン等のアントロン系化合物;スーダンブラック、スーダンI、スーダンII、スーダンR等のアゾ系化合物などが挙げられる。
これらの中でも、チャー形成性の観点から、アントロン系化合物が好ましく、イソビオラントロンがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物中における(C)縮合環を含むチャー形成剤の含有量は、特に限定されないが、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中、好ましくは0.1~20質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは4~10質量%である。
(C)縮合環を含むチャー形成剤の含有量が上記下限値以上であると、より優れた難燃性が得られ易い傾向にある。また、(C)縮合環を含むチャー形成剤の含有量が上記上限値以下であると、(C)縮合環を含むチャー形成剤が樹脂組成物の機械物性等に与える影響を小さくし易い傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物中における(C)縮合環を含むチャー形成剤と(B)スピロ環を含むリン系難燃剤との質量比[(C)/(B)]は、特に限定されないが、好ましくは0.1~9、より好ましくは0.3~4、さらに好ましくは0.7~1.5である。
(C)縮合環を含むチャー形成剤と(B)スピロ環を含むリン系難燃剤との質量比が上記範囲であると、より優れた難燃性が得られ易い傾向にある。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、上記各成分以外にも、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
その他の成分としては、例えば、無機充填材、硬化促進剤、(B)成分以外の難燃剤、有機溶媒、その他の添加剤等が挙げられる。
これらは、各々について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.05~10μm、より好ましくは0.1~5μm、さらに好ましくは0.2~1μm、特に好ましくは0.3~0.8μmである。
ここで、本実施形態における平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
本実施形態の樹脂組成物が無機充填材を含有する場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分中、好ましくは20~90質量%、より好ましくは30~80質量%、さらに好ましくは40~70質量%である。
無機充填材の含有量が、上記下限値以上であると、良好な低熱膨張性及び高周波特性が得られ易い傾向にある。また、無機充填材の含有量が、上記上限値以下であると、成形性が良好になり易い傾向にある。
硬化促進剤は、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である場合に、硬化反応を促進させる目的で使用される成分である。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体等のイミダゾール系硬化促進剤;有機リン系化合物;第二級アミン類、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
本実施形態の樹脂組成物が硬化促進剤を含有する場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.01~15質量部、より好ましくは0.1~10質量部、さらに好ましくは1~5質量部である。
硬化促進剤の含有量が、上記下限値以上であると、(A)樹脂の硬化反応をより効率良く進行させ易い傾向にある。また、硬化促進剤の含有量が、上記上限値以下であると、均質な反応を進行させ易い傾向にある。
(B)スピロ環を含むリン系難燃剤以外の難燃剤としては、例えば、スピロ環を含まないリン系難燃剤、金属水和物、ハロゲン系難燃剤等が挙げられる。これらの中でも、環境問題の観点から、リン系難燃剤、金属水和物が好ましい。
リン系難燃剤は、無機系のリン系難燃剤であってもよいが、誘電特性、導体との接着性、耐熱性、ガラス転移温度、低熱膨張性及び難燃性の観点から、有機系のリン系難燃剤が好ましい。
無機系のリン系難燃剤としては、例えば、赤リン;リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム;リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物;リン酸;ホスフィンオキシドなどが挙げられる。
有機系のリン系難燃剤としては、例えば、芳香族リン酸エステル、1置換ホスホン酸ジエステル、2置換ホスフィン酸エステル、2置換ホスフィン酸の金属塩、有機系含窒素リン化合物、環状有機リン化合物、ホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。ここで、2置換ホスフィン酸の金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、チタン塩、亜鉛塩等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤以外の難燃剤を含有しないものであってもよいが、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤以外の難燃剤を含有する場合においては、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤以外の難燃剤の含有量は、無機充填材を除く樹脂組成物の固形分中、0質量%超、5質量%以下であってもよく、0質量%超、1質量%以下であってもよく、0質量%超、0.1質量%以下であってもよい。
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、4-メチル-2-ペンタノン、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
その他の添加剤としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤、スチレン化フェノール酸化防止剤等の酸化防止剤;ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素化合物、シランカップリング剤等の密着性向上剤;シアナミド系架橋剤等の架橋剤などが挙げられる。
その他の添加剤の含有量は特に限定されず、必要に応じて、本実施形態の効果を阻害しない範囲で使用すればよい。
無機充填材を除く本実施形態の樹脂組成物の固形分中、(A)樹脂、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤の合計含有量は、好ましくは90~100質量%、より好ましくは93~99質量%、さらに好ましくは96~98質量%である。
(A)樹脂、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤の合計含有量が、上記範囲であると、(A)樹脂に由来する特性を十分に得ながらも、より優れた難燃性が得られ易い傾向にある。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、上記各成分を混合することによって製造することができる。
各成分を混合する際には、各成分は撹拌しながら溶解又は分散させてもよい。また、原料を混合する順序、混合温度、混合時間等の条件は、特に限定されず、原料の種類等に応じて任意に設定すればよい。
<樹脂組成物の用途>
本実施形態の樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、樹脂フィルム、プリプレグ等の多層プリント配線板用;半導体封止材用;ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材用などの電子部品用途に好適である。また、電子部品用途以外にも、建材、内装材、包装材等の難燃性が要求される様々な用途に適用することが可能である。これらの中でも、本実施形態の樹脂組成物は、(A)樹脂が熱硬化性樹脂であって、多層プリント配線板用又は半導体封止材用であることが好ましい。
[プリプレグ]
本実施形態のプリプレグは、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である、本実施形態の樹脂組成物を含有してなるプリプレグである。
本実施形態のプリプレグは、本実施形態の樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化することによって得られるものであることが好ましい。なお、本明細書においてB-ステージ化とは、JIS K6900(1994年)にて定義されるB-ステージの状態にすることであり、半硬化とも称される。
本実施形態のプリプレグが含有するシート状繊維補強基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている公知のシート状繊維補強基材を使用することができる。
シート状繊維補強基材の材質としては、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、Qガラス等の無機物繊維;ポリイミド、ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらのシート状繊維補強基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状を有する。
シート状繊維補強基材の厚さは、特に限定されないが、機械強度及びプリプレグの薄型化の観点から、好ましくは0.01~0.5mm、より好ましくは0.02~0.3mm、さらに好ましくは0.03~0.1mmである。
シート状繊維補強基材は、樹脂組成物の含浸性、積層板とした際の耐熱性、耐吸湿性及び加工性の観点から、カップリング剤等で表面処理したものであってもよく、機械的に開繊処理を施したものであってもよい。
本実施形態のプリプレグは、例えば、本実施形態の樹脂組成物を、シート状繊維補強基材に含浸又は塗布してから、必要に応じて、乾燥することによって製造することができる。
本実施形態の樹脂組成物をシート状繊維補強基材に含浸又は塗布する方法としては、例えば、ホットメルト法、ソルベント法等を採用できる。
ホットメルト法は、有機溶媒を含有しない樹脂組成物を、シート状繊維補強基材に含浸又は塗布する方法である。
ホットメルト法の一態様としては、有機溶媒を含有しない本実施形態の樹脂組成物を、剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングしてから、該コーティングした樹脂組成物をシート状繊維補強基材にラミネートする方法が挙げられる。
ホットメルト法の別の態様としては、有機溶媒を含有しない本実施形態の樹脂組成物をダイコーター等によってシート状繊維補強基材に直接塗布する方法が挙げられる。
ソルベント法は、有機溶媒を含有する樹脂組成物を、シート状繊維補強基材に含浸又は塗布する方法である。具体的には、例えば、有機溶媒を含有する本実施形態の樹脂組成物にシート状繊維補強基材を浸漬した後、乾燥する方法が挙げられる。乾燥することによって、樹脂組成物中の有機溶媒を除去すると共に、樹脂組成物をBステージ化させることができる。
乾燥温度は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にBステージ化させるという観点から、好ましくは50~200℃、より好ましくは100~190℃、さらに好ましくは150~180℃である。
乾燥時間は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にBステージ化させるという観点から、好ましくは1~30分間、より好ましくは2~15分間、さらに好ましくは3~10分間である。
本実施形態のプリプレグ中の樹脂組成物由来の固形分濃度は、特に限定されないが、積層板とした際に、より良好な成形性が得られるという観点から、好ましくは20~90質量%、より好ましくは25~80質量%、さらに好ましくは30~75質量%である。
本実施形態のプリプレグの厚さは、特に限定されないが、成形性及び高密度配線を可能にするという観点から、好ましくは0.01~0.5mm、より好ましくは0.02~0.3mm、さらに好ましくは0.03~0.1mmである。
[樹脂フィルム]
本実施形態の樹脂フィルムは、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である、本実施形態の樹脂組成物を含有してなる樹脂フィルムである。
本実施形態の樹脂フィルムは、例えば、有機溶媒を含有する本実施形態の樹脂組成物、つまり樹脂ワニスを支持体に塗布してから、加熱乾燥させることによって製造することができる。
支持体としては、例えば、プラスチックフィルム、金属箔、離型紙などが挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム;ポリエチレンテレフタレート[以下、「PET」と称する場合がある。]、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、経済性及び取り扱い性の観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。支持体に銅箔を用いる場合には、銅箔をそのまま導体層とし、回路を形成することもできる。この場合、銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等を用いることができる。厚さの薄い銅箔を用いる場合には、作業性を向上させる観点から、キャリア付き銅箔を使用してもよい。
支持体は、マット処理、コロナ処理等の表面処理を施したものであってもよい。また、支持体は、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等による離型処理を施したものであってもよい。
支持体の厚さは、特に限定されないが、取り扱い性及び経済性の観点から、好ましくは10~150μm、より好ましくは20~100μm、さらに好ましくは25~50μmである。
樹脂ワニスを塗布するための塗布装置としては、例えば、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の当業者に公知の塗布装置を用いることができる。これらの塗布装置は、形成する膜厚に応じて、適宜選択すればよい。
樹脂ワニスを塗布した後の乾燥条件は、有機溶媒の含有量、沸点等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。
例えば、40~60質量%の芳香族炭化水素系溶媒を含有する樹脂ワニスの場合、乾燥温度は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にBステージ化させるという観点から、好ましくは50~200℃、より好ましくは100~190℃、さらに好ましくは150~180℃である。
また、上記樹脂ワニスの場合、乾燥時間は、特に限定されないが、生産性及び本実施形態の樹脂組成物を適度にBステージ化させるという観点から、好ましくは1~30分間、より好ましくは2~15分間、さらに好ましくは3~10分間である。
本実施形態の樹脂フィルムの厚さは、該樹脂フィルムの用途に応じて適宜決定することができるが、成形性及び高密度配線を可能にするという観点から、好ましくは5~150μm、より好ましくは10~100μm、さらに好ましくは15~60μmである。
本実施形態の樹脂フィルムは、保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムは、本実施形態の樹脂フィルムの支持体が設けられている面とは反対側の面に設けられるものであり、樹脂フィルムへの異物等の付着及び傷付きを防止する目的で使用される。保護フィルムは、本実施形態の樹脂フィルムをラミネート、熱プレス等で回路基板等に積層する前に剥離される。
本実施形態の樹脂フィルムは、多層プリント配線板を製造する場合において、絶縁層を形成するために用いられることが好ましい。
本実施形態の樹脂フィルムは、例えば、多層プリント配線板を製造する場合、回路基板にラミネートすることによって溶融及び流動して、回路基板を埋め込む役割を果たす層である。
また、本実施形態の樹脂フィルムは、例えば、回路基板にスルーホール、ビアホール等が存在する場合、それらの中へ流動して、該ホール内を充填する役割を果たす。
[積層板]
本実施形態の積層板は、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である、本実施形態の樹脂組成物の硬化物を含有する積層板である。なお、金属箔を有する積層板は、金属張積層板と称されることもある。
金属箔の金属としては、電気絶縁材料用途で用いられるものであれば特に限定されず、例えば、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、これらの金属元素を1種以上含有する合金等が挙げられる。合金としては、例えば、銅系合金、アルミニウム系合金、鉄系合金等が挙げられる。銅系合金としては、銅-ニッケル合金等が挙げられる。鉄系合金としては、鉄-ニッケル合金等が挙げられる。
これらの中でも、導電性及び入手容易性の観点から、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄-ニッケル合金が好ましく、銅、アルミニウムがより好ましく、銅がさらに好ましい。
金属箔の厚さは、特に限定されないが、好ましくは1~200μm、より好ましくは2~100μm、さらに好ましくは3~50μmである。
本実施形態の積層板は、例えば、本実施形態のプリプレグの片面又は両面に金属箔を配置してから、加熱加圧成形することによって製造することができる。
通常、この加熱加圧成形によって、半硬化された状態であるプリプレグを硬化させて本実施形態の積層板が得られる。
加熱加圧成形する際、プリプレグは1枚のみを用いてもよいし、2枚以上のプリプレグを積層させてもよい。また、プリプレグ及び金属箔の他にも、内層回路加工を施した基板を含めて加熱加圧成形してもよい。
加熱加圧成形は、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用することができる。
加熱加圧成形の加熱温度は、特に限定されないが、好ましくは100~300℃、より好ましくは150~280℃、さらに好ましくは200~250℃である。
加熱加圧成形の加熱加圧時間は、特に限定されないが、好ましくは10~300分間、より好ましくは30~200分間、さらに好ましくは80~150分間である。
加熱加圧成形の圧力は、特に限定されないが、好ましくは1.5~5MPa、より好ましくは1.7~3MPa、さらに好ましくは1.8~2.5MPaである。
但し、これらの条件は、使用する原料の種類等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
[多層プリント配線板]
本実施形態の多層プリント配線板は、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である、本実施形態の樹脂組成物の硬化物を含有する多層プリント配線板である。
本実施形態の多層プリント配線板は、例えば、本実施形態のプリプレグの硬化物、本実施形態の樹脂フィルムの硬化物又は本実施形態の積層板を含有する多層構造と導体回路層とを含む。
以下、本実施形態の樹脂フィルムを用いて本実施形態の多層プリント配線板を製造する方法について説明する。
本実施形態の樹脂フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する際、まず、本実施形態の樹脂フィルムを回路基板の片面又は両面にラミネートする。本実施形態の樹脂フィルムが回路基板と接するように配置した後、例えば、真空ラミネーターによって加圧及び加熱しながら回路基板に圧着することによって、回路基板上に本実施形態の樹脂フィルムを積層することができる。
多層プリント配線板に用いられる回路基板としては、例えば、ガラスエポキシ、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板等の片面又は両面に、パターン加工された導体層(回路)が形成されたものなどが挙げられる。
回路基板の導体層の表面は、接着性の観点から、黒化処理等によって、予め粗化処理が施されていてもよい。
次いで、必要に応じて樹脂フィルムの支持体を剥離した後、樹脂フィルムを加熱硬化させて絶縁層を形成する。
加熱硬化させる際の加熱温度は、特に限定されないが、好ましくは100~300℃、より好ましくは120~280℃、さらに好ましくは150~250℃である。
加熱硬化させる際の加熱時間は、特に限定されないが、好ましくは2~300分間、より好ましくは5~200分間、さらに好ましくは10~150分間である。
上記の方法によって絶縁層を形成した後、必要に応じて穴あけを行ってもよい。穴あけは、回路基板及び形成された絶縁層に、ドリル、レーザー、プラズマ、これらの組み合わせ等の方法によって穴あけを行い、ビアホール、スルーホール等を形成する工程である。穴あけに用いるレーザーとしては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、UVレーザー、エキシマレーザー等が用いられる。
次いで、絶縁層の表面を酸化剤によって粗化処理してもよい。また、絶縁層及び回路基板にビアホール、スルーホール等が形成されている場合には、これらを形成する際に発生する、所謂「スミア」を、酸化剤によって除去してもよい。粗化処理と、スミアの除去は同時に行うことができる。粗化処理によって、絶縁層の表面に凹凸のアンカーを形成することができる。
酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素、硫酸、硝酸などが挙げられる。これらの中でも、ビルドアップ工法による多層プリント配線板の製造に汎用されている酸化剤である、過マンガン酸カリウムの水酸化ナトリウム水溶液、過マンガン酸ナトリウムの水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
次いで、粗化処理された絶縁層の表面に導体層を形成する。導体層は、例えば、めっきによって形成することができる。
めっき方法としては、無電解めっき法、電解めっき法等が挙げられる。めっき用の金属は、例えば、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、これらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。これらの中でも、銅、ニッケルが好ましく、銅がより好ましい。
なお、先に配線パターンとは逆パターンのめっきレジストを形成しておき、その後、無電解めっきのみによって配線パターンを形成する方法を採用することもできる。
また、導体層を形成した後に、アニール処理を施してもよい。アニール処理を施すことによって、層間絶縁層と導体層との間の接着強度がさらに向上及び安定化する傾向にある。
導体層をパターン加工し、回路形成する方法としては、例えば、サブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法(SAP:SemiAdditive Process)、モディファイドセミアディティブ法(m-SAP:modified Semi Additive Process)等の公知の方法を利用することができる。
[半導体パッケージ]
本実施形態の半導体パッケージは、(A)樹脂が熱硬化性樹脂である、本実施形態の樹脂組成物の硬化物を含有する半導体パッケージである。
本実施形態の半導体パッケージとしては、例えば、本実施形態の多層プリント配線板に半導体を搭載してなるものが挙げられる。
本実施形態の半導体パッケージは、例えば、本実施形態の多層プリント配線板上に、公知の方法によって、半導体チップ、メモリ等を搭載することによって製造することができる。
以下、実施例を挙げて、本実施形態を具体的に説明する。ただし、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
[850℃質量残存率の測定]
原料及び原料混合物の850℃質量残存率は、示差熱熱重量同時測定装置「STA7200」(株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて、以下の手順で測定した。
測定対象であるサンプルを、白金パン(直径5.2mm、高さ5.0mm)に10mg仕込み、窒素流量100mL/分、昇温速度20℃/分の条件下で、30℃から850℃まで昇温させた後、850℃で10分間保持した。その後、昇温前の30℃における質量に対する、850℃で10分間保持した後の質量の残存率を、850℃質量残存率として求めた。
実施例1、比較例1~3
(樹脂組成物の製造)
表1に記載の各成分を、メチルエチルケトンと共に表1に記載の配合量に従って配合した後、撹拌及び混合することによって、固形分濃度が62質量%の樹脂組成物を調製した。なお、表1中、各成分の配合量の単位は質量部であり、溶液の場合は、固形分換算の質量部を意味する。
なお、表1に示す(B)成分は、下記式(B-3)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2022184044000005
また、(C)成分であるイソビオラントンの850℃質量残存率は、77.7質量%であった。
(プリプレグの製造)
次に、上記で得られた樹脂ワニスを、厚さ0.095mmのEガラスクロスに含浸した後、120℃で5分間乾燥することによって、プリプレグを得た。
(積層板の製造)
上記で得られたプリプレグ4枚を重ねたものの両面に、厚さ18μmの銅箔を重ねた後、温度230℃、圧力2.0MPaにて、90分間、加熱加圧成形し、厚さ0.42mmの両面銅張積層板を作製した。
[難燃性の評価]
両面銅張積層板の外層銅箔を、銅エッチング液に浸漬することによって除去し、長さ125mm、幅13mm、厚さ0.42mmに切り出したものを試験片とした。次に、UL94の試験法(V法)に準拠して、垂直に保持した試験片の下端に20mm炎による10秒間の接炎を2回行ない、試験片の燃焼距離を測定した。なお、燃焼距離は試験片の幅方向における中央部の、試験片の長さ方向への燃焼距離を測定し、各例について5個の試験片の平均値として求めた。結果を表1に示す。
Figure 2022184044000006
表1から、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤を含有する実施例1の樹脂組成物は、リン系難燃剤の添加量が2倍である比較例3と同等の燃焼距離であり、少ないリン系難燃剤の使用量で高い難燃化効果が得られていることが分かる。一方、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤を含有しない比較例1の樹脂組成物、及び、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤を含有しない比較例2の樹脂組成物は、燃焼距離が大きく、難燃性に劣っていた。
参考例1、参考比較例1~3
次に、本実施形態の樹脂組成物の原料である(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤を混合した原料混合物を用いて、イントメッセント層の形成性を確認した。
表2に記載の各成分を、表2に記載の配合量に従って配合したものをサンプルとして、上記した方法によって、850℃質量残存率を測定した。また、850℃質量残存率を測定した後、サンプルを窒素流量100mL/分下で冷却し、白金パン内の残存物の寸法及び外観を確認した。850℃質量残存率及び寸法を表2、残存物の外観写真を図1~図3に示す。
なお、表2に示すスピロ環を含むリン系難燃剤は、実施例1で使用したものと同じものである。
Figure 2022184044000007
表2から、本実施形態の樹脂組成物の原料である(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤の混合物である参考例1は、(B)スピロ環を含むリン系難燃剤に代えて、比較用成分である芳香族縮合リン酸エステルを用いた参考比較例2及び3よりも、850℃質量残存率が高いことが分かる。
また、参考例1は、残存物の寸法に収縮が見られず、高さが測定前の高さよりも高くなっていた。一方、参考比較例2及び3の残存物の寸法は、いずれも測定前よりも収縮していた。
図1(a)に参考例1、図1(b)に参考比較例2、図1(c)に参考比較例3の示差熱熱重量同時試験後の外観写真を示す。
図1(a)に示す参考例1の残存物1は、白金パンの底部が見えず、測定前におけるサンプルの高さ位置よりも、残存物の高さの位置が高くなっていた。一方、図1(b)に示す参考比較例2の残存物1、及び図1(c)に示す参考比較例3の残存物1は示差熱熱重量同時試験中に収縮しており、収縮によって白金パンの底部(図1(b)及び(c)中の2)が露出していた。なお、図1(a)の白金パン内において白く見える箇所は、残存物1が光を反射して白く見えている箇所であり、白金パンの底部ではない。
図2(a)に参考例1、図2(b)に参考比較例2、図2(c)に参考比較例3の残存物の表面における光学顕微鏡写真を示す。
図2(a)に示す参考例1の残存物の表面には大きな空隙(図2(a)中の3)が数個観察されるものの、空隙以外の部分においては明確な空隙が見られず、平滑な表面構造を有するスキン層が形成されていた。
一方、図2(b)に示す参考比較例2の残存物、及び図2(c)に示す参考比較例3の残存物の表面には、全体を覆うように小さな空隙が多数存在していた。
図3には、参考例1の残存物の側面における光学顕微鏡写真を示す。参考例1の残存物は、側面において、大きな細孔がピラー(図3中の4)によって支持されている構造が確認された。
以上の通り、本実施形態の樹脂組成物の原料である(B)スピロ環を含むリン系難燃剤及び(C)縮合環を含むチャー形成剤を併用することによって、表層における空隙が少ない緻密なスキン層、及び、表層の直下に発泡により膨張した良好なイントメッセント層が形成されることが確認された。
1 850℃質量残存率測定後の残存物
2 白金パンの底部
3 残存物の空隙
4 残存物ピラー

Claims (15)

  1. (A)樹脂と、
    (B)スピロ環を含むリン系難燃剤と、
    (C)縮合環を含むチャー形成剤と、
    を含有する、樹脂組成物。
  2. 前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、ホスホン酸ジエステル構造を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、2個のリン原子を含み、前記スピロ環を構成する2つの環が、各々、環形成原子として前記リン原子を1個含み、該リン原子が、各々、前記ホスホン酸ジエステル構造を形成するものである、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(B)スピロ環を含むリン系難燃剤が、下記一般式(B-1)で表される、請求項3に記載の樹脂組成物。
    Figure 2022184044000008

    (式中、RB1は、各々独立して、アルキル基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示す。)
  5. 前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、カルボニル基、ヒドロキシ基、チオール基及びアミノ基からなる群から選択される1種以上の官能基を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分の条件で、30℃から850℃まで昇温したときの質量残存率が、20質量%以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(C)縮合環を含むチャー形成剤の炭素数が25以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記(C)縮合環を含むチャー形成剤が、3個以上の環が縮合された縮合環を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記(A)樹脂が、熱硬化性樹脂である、請求項1~8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 多層プリント配線板用又は半導体封止材用である、請求項9に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項9に記載の樹脂組成物を含有してなるプリプレグ。
  12. 請求項9に記載の樹脂組成物を含有してなる樹脂フィルム。
  13. 請求項9に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する積層板。
  14. 請求項9に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する多層プリント配線板。
  15. 請求項9に記載の樹脂組成物の硬化物を含有する半導体パッケージ。
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