JP2022183786A - 液晶素子、照明装置 - Google Patents

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松雄 亀井
Matsuo Kamei
博章 井戸
Hiroaki Ido
宜久 岩本
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【課題】液晶素子を用いる照明装置等における照射光の明るさを向上させること。【解決手段】第1基板及び第2基板と、カイラル材を含有する負の誘電率異方性の液晶材料を用いて構成され、90°未満のプレティルト角を有して略垂直配向している液晶層と、前記第1基板側に配置された第1偏光板と、前記第2基板側に配置された第2偏光板と、を含み、前記第1偏光板と前記第2偏光板は、互いの透過軸を略直交に配置されており、前記液晶層へ閾値の2.5倍以上の電圧が印加されたときに前記液晶層と前記第1基板及び前記第2基板の各々との界面における実質的な配向方位である第1配向方位及び第2配向方位とのなす角度が70°以上110°以下であり、前記第1偏光板の透過軸と前記第1配向方位とのなす角度が110°以下70°以上であり、かつ前記第2偏光板の透過軸と前記第2配向方位とのなす角度が110°以下70°以上である、液晶素子である。【選択図】図1

Description

本開示は、液晶素子、照明装置に関する。
特開2019-128449号公報(特許文献1)には、垂直配向型の液晶素子を用いた照明装置の一例として可変配光ヘッドランプが記載されている。しかし、照明装置から出射させる照射光の明るさ向上という観点で改良の余地があった。
特開2019-128449号公報
本開示に係る具体的態様は、液晶素子を用いる照明装置等における照射光の明るさを向上させることを目的の1つとする。
[1]本開示に係る一態様の液晶素子は、(a)対向配置される第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板の一面と前記第2基板の一面の間に配置されており、カイラル材を含有する負の誘電率異方性の液晶材料を用いて構成され、90°未満のプレティルト角を有して略垂直配向している液晶層と、(c)前記第1基板の前記一面と対向する他面側に配置された第1偏光板と、(d)前記第2基板の前記一面と対向する他面側に配置された第2偏光板と、を含み、(e)前記第1偏光板と前記第2偏光板は、互いの透過軸を略直交に配置されており、(f)前記液晶層へ前記液晶材料の閾値の2.5倍以上の電圧が印加されたときに、前記液晶層と前記第1基板との界面における実質的な配向方位である第1配向方位と、前記液晶層と前記第2基板との界面における実質的な配向方位である第2配向方位とのなす角度が70°以上110°以下であり、(g)前記第1偏光板の透過軸と前記第1配向方位とのなす角度が110°以下70°以上であり、かつ前記第2偏光板の透過軸と前記第2配向方位とのなす角度が110°以下70°以上である、液晶素子である。
[2]本開示に係る一態様の照明装置は、前記[1]の液晶素子と当該液晶素子に光を入射させる光源を含む、照明装置である。
上記構成によれば、液晶素子を用いる照明装置等における照射光の明るさを向上させることができる。
図1は、一実施形態の液晶素子の構成例を示す模式的な断面図である。 図2(A)は、実施例1及び比較例1の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。図2(B)は、実施例1及び実施例2の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。図2(C)は、実施例及び比較例2、3の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。 図3は、実質ねじれ角とd/pの関係を示す図である。 図4(A)は、実施例の液晶素子における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。図4(B)は、比較例1における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。図4(C)は、実施例2における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。 図5(A)は、実施例1の液晶素子の透過率特性の測定例を示す図である。図5(B)は、比較例1の液晶素子の透過率特性の測定例を示す図である。 図6は、透過率測定における測定系の配置を説明するための図である。 図7は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。
図1は、一実施形態の液晶素子の構成例を示す模式的な断面図である。ここではセグメント表示型の液晶素子を例示する。具体的には、液晶素子10は、対向配置された第1基板11および第2基板12、複数の画素電極13、共通電極(対向電極)14、配向膜15、16、液晶層19を含んで構成される液晶パネルと、この液晶パネルを挟んで対向配置される一対の偏光板21、22を含んで構成されている。
第1基板11および第2基板12は、それぞれ、例えば平面視において矩形状の基板であり、互いに対向して配置されている。各基板としては、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透光性基板を用いることができる。第1基板11と第2基板12の間には、例えば樹脂膜などからなる球状スペーサー(図示省略)が分散配置されており、それら球状スペーサーによって基板間隙が所望の大きさ(例えば数μm程度)に保たれている。なお、球状スペーサーに代えて、樹脂等からなる柱状体を第1基板11側若しくは第2基板12側に設け、それらをスペーサーとして用いてもよい。
複数の画素電極13は、第1基板11の一面側に設けられている。共通電極14は、第2基板12の一面側に設けられている。この共通電極14は、各画素電極13と対向するようにして一体に設けられている。各画素電極13及び共通電極14は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。
配向膜15は、第1基板11の一面側において各画素電極13を覆うようにしてそれらの上側に配置されている。配向膜16は、第2基板12の一面側において共通電極14を覆うようにしてその上側に配置されている。これらの配向膜15、16は、液晶層19の初期状態(電圧無印加時)の配向状態を規定するためのものである。各配向膜15、16は、例えばラビング処理等の一軸配向処理が施されており、その方向に沿って液晶層19の液晶分子の配向を規定する一軸配向規制力を有している。一軸配向規制力の発現する方向を配向容易軸と呼ぶ。各配向膜15、16への配向処理の方向は、例えば互い違い(アンチパラレル)となるように設定される。各配向膜15、16と液晶層19との界面近傍におけるプレティルト角は例えば89°程度である。
液晶層19は、第1基板11と第2基板12の間に設けられている。液晶層19は、例えば、流動性を有するネマティック液晶材料を用いて構成される。本実施形態では、液晶層19は、負の誘電率異方性を有し、カイラル材が添加された液晶材料を用いて構成される。液晶層19の層厚は、例えば4μm程度とすることができる。
図2(A)は、実施例1及び比較例1の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。なお、図2(A)において液晶層厚0μmの位置が裏基板の表面(配向膜表面)に対応し、4μmの位置が表基板の表面(配向膜表面)に対応する。また、方位角の座標系は、3時方位を0°、12時方位を90°、9時方位を180°、6時方位を270°とする。ここでは、実施例1として液晶層厚4μm、プレティルト角89°、裏基板(第1基板11)の配向容易軸を45°方位として表基板(第2基板12)の配向容易軸を225°としたアンチパラレル配向とし、かつ、液晶層厚dとカイラル材のピッチpの比であるd/pを0.315に設定可能な左ねじれのカイラル材を添加された液晶素子を想定し、この液晶素子に対して液晶材料の閾値の2.5倍である5Vの印加電圧を与えたときの方位角配向分布をシミュレーションにより求めた。シミュレーションにはシンテック製LCDMASTER9(一次元解析)を用いた。また、比較例1として、裏基板(第1基板11)の配向容易軸を135°方位として表基板(第2基板12)の配向容易軸の方位を315°とした以外は同条件の液晶素子を想定し、同様に方位角配向分布を求めた。また各シミュレーションでは、両基板表面でのアンカリングエネルギーとして強いアンカリング条件を設定した。
図示のように、実施例1、比較例1ともに、強いアンカリング条件を想定しているため、両基板表面ではアンチパラレル配向が維持されているが、表面近傍ではカイラル材によるねじれ力が影響して配向方位が大きく変化している。実施例1、比較例1ともに、方位角配向分布はおおよそS字状の曲線となっている。これは上記したように強いアンカリング条件を想定しているためである。実際の配向膜ではこのような強いアンカリング条件は得られないため、実際の液晶素子では図示の表面近傍における配向方位とほぼ等しい配向方位が基板表面でも得られていると考えられる。
図示の方位角配向分布では、液晶層の層厚方向の中心位置(2μm位置)を挟んで約±1μmの範囲ではほぼ直線状の配向分布が得られている。この直線状部分を上下に外挿した直線を図中点線で示している。この外挿直線の液晶層厚0μmでの位置及び4μmでの位置における配向方位が実際の両基板表面での配向方位に対応すると考えられる。図中右側に示す実施例1の液晶素子での方位角配向分布によれば、実際の両基板表面での配向方位は概ね0°と90°であるので、両基板間でのねじれ角は概ね90°ということになる。以下、このように推測される実際の配向方位から得られるねじれ角を「実質ねじれ角」と呼ぶ。
また、シミュレーションから得られる基板表面近傍での配向方位に基づいて求められる最大のねじれ角は約72°となる。これは、裏基板表面近傍での配向方位が約81°であり、表基板表面近傍での配向方位が約9°であることから求められる。以下、このように求められるねじれ角を「計算によるねじれ角」と呼ぶ。
比較例1の液晶素子においても同様に求めると、実際の両基板表面での配向方位は概ね90°と180°であるので、実質ねじれ角は概ね90°となる。また、シミュレーションから得られる表基板表面近傍での配向方位が約99°であり、裏基板表面近傍での配向方位が約171°であるので、計算によるねじれ角は概ね72°となる。この比較例1の液晶素子を実施例1の液晶素子と対比すると、両基板表面における電圧印加時の実際の配向方位が略90°異なる方位となる。
図2(B)は、実施例1及び実施例2の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。ここでは、実施例2として、上記した比較例1におけるカイラル材のねじれ方向を逆に設定し、それ以外は同条件の液晶素子を想定し、同様に方位角配向分布を求めた。実施例1の方位角配向分布(図中左側)は上記図2(A)と同じである。図示のように実施例2の液晶素子では、方位角配向分布(図中右側)はおおよそ逆S字状の曲線となっている。配向分布の直線状部分を上下に外挿すると、実際の両基板表面での配向方位は概ね90°と180°であるので、両基板間での実質ねじれ角は概ね90°ということになる。両基板表面における配向方位は実施例1の液晶素子の配向方位と略平行になる。
図2(C)は、実施例1及び比較例2、3の液晶素子の方位角配向分布を示す図である。ここでは、比較例2として、両基板の配向容易軸を90°交差配置とした以外は実施例1と同条件の液晶素子を想定し、比較例3として、両基板の配向容易軸を180°交差配置(パラレル配置)とした以外は実施例1と同条件の液晶素子を想定し、それぞれの方位角配向分布を求めた。実施例1、比較例2、3のいずれにおいても電圧印加時の配向分布は液晶層厚0μmと4μmの間を直線で結ぶような配向分布とはなっていない。実施例1及び比較例3では、強いアンカリング条件のため両基板表面近傍において急激に配向方位が変化していることから、実質ねじれ角が異なっているものと考えられる。比較例2では両基板表面近傍でも配向方位の急激な変化は生じていない。すなわち、電圧印加時の実質ねじれ角は90°になっていると考えられる。実施例1と比較例3では、強いアンカリング条件により比較例2とは差異が生じているがその差はわずかであり、実質的にはほぼ同等なねじれ配向状態が得られていると考えられる。
図3は、実質ねじれ角とd/pの関係を示す図である。ここでは、上記した実施例1及び比較例2について、上記した条件のうちd/pをパラメータとして変化させてそれぞれにおける実質ねじれ角をシミュレーションにより求め、d/pを横軸、実質ねじれ角を縦軸としてプロットした。図示のように、実施例1のプロットは線形近似することができる。実質ねじれ角をy、d/pをxとすると、y=278.02286417x+1.23589346と表せる。また、比較例2についても実施例1と同様の実質ねじれ角が得られている。これらのことから、閾値の約2.5倍の印加電圧を与えた際の実質ねじれ角は、両基板表面での配向方位(配向容易軸により定まる方位)に対する依存が小さく、d/pにより定まることが分かる。したがって、図3に基づくと、実質ねじれ角を70°~110°にするには、d/pを0.247~0.391に設定することが好ましい。詳細を後述するように、この範囲においては、液晶層の層厚方向の略中央における液晶分子の配向方向の差異による透過率の差異(すなわち出射光の最大光度の差異)を生じることが確認された。なお、プレティルト角については80°~89.95°の範囲であれば同様な現象が生じると考えられる。
図4(A)は、上記した実施例1の液晶素子における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。図4(A)に示すように、実施例1の液晶素子では、裏基板の配向容易軸31は45°方位、表基板の配向容易軸は225°方位である。すなわち、両基板表面(液晶層との界面)での電圧無印加時の配向方位は裏基板で45°方位、表基板で225°方位である。また、各偏光板の透過軸は、裏基板側偏光板の透過軸33が0°-180°方位、表基板側偏光板の透過軸34が90°-270°方位であり互いに直交している。そして、電圧印加時の実質的配向方位は、図示のように裏基板側の実質的配向方位35が90°方位、表基板側の実質的配向方位36が0°方位である。そして、裏基板側偏光板の透過軸33と裏基板側の実質的配向方位35は互いに直交しており、表基板側偏光板の透過軸34と裏基板側の実質的配向方位36も互いに直交している。
図4(B)は、上記した比較例1における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。図4(B)に示すように、比較例1の液晶素子では、裏基板の配向容易軸31は135°方位、表基板の配向容易軸は315°方位である。すなわち、両基板表面(液晶層との界面)での電圧無印加時の配向方位は裏基板で135°方位、表基板で315°方位である。また、各偏光板の透過軸は、裏基板側偏光板の透過軸33が0°-180°方位、表基板側偏光板の透過軸34が90°-270°方位であり互いに直交している。そして、電圧印加時の実質的配向方位は、図示のように裏基板側の実質的配向方位35が180°方位、表基板側の実質的配向方位36が90°方位である。そして、裏基板側偏光板の透過軸33と裏基板側の実質的配向方位35は互いに平行であり、表基板側偏光板の透過軸34と裏基板側の実質的配向方位36も互いに平行である。
図4(C)は、上記した実施例2における両基板の配向容易軸、電圧印加時の実質的な配向方位及び各偏光板の透過軸の関係を示した図である。上記のように実施例2は比較例1とねじれ方向を逆にしたものであり、具体的には比較例1が左ねじれ配向、実施例2が右ねじれ配向である。図4(C)に示すように、実施例2の液晶素子では、裏基板の配向容易軸31は135°方位、表基板の配向容易軸は315°方位である。すなわち、両基板表面(液晶層との界面)での電圧無印加時の配向方位は裏基板で135°方位、表基板で315°方位である。また、各偏光板の透過軸は、裏基板側偏光板の透過軸33が0°-180°方位、表基板側偏光板の透過軸34が90°-270°方位であり互いに直交している。そして、電圧印加時の実質的配向方位は、図示のように裏基板側の実質的配向方位35が90°方位、表基板側の実質的配向方位36が180°方位である。そして、裏基板側偏光板の透過軸33と裏基板側の実質的配向方位35は互いに直交しており、表基板側偏光板の透過軸34と裏基板側の実質的配向方位36も互いに直交している。
なお、上記においてはd/p=0.315の場合について示しているが、図3で示した通り、電圧印加時の実質ねじれ角はd/pが0.247~0.391の範囲において70°~110°となる。この範囲では図4(A)に示した実施例と同等の効果が得られると考えられる。このとき、裏基板側での実質的配向方位35と裏基板側偏光板の透過軸33がなす角度は90°未満70°以上、または90°より大きく110°以下となる。
図5(A)は、実施例1の液晶素子の透過率特性の測定例を示す図であり、図5(B)は、比較例1の液晶素子の透過率特性の測定例を示す図である。また、図6は、透過率測定における測定系の配置を説明するための図である。図6に示すように、極角θは液晶素子の各基板面に略直交する軸(法線方向)を基準にして定義され、方位角φは液晶素子の各基板面に略水平な軸を基準に定義される。液晶素子と各偏光板(表側偏光板、裏側偏光板)との相対的な配置関係は図4(A)、図4(B)と同様である。この測定系では、光源からの光が液晶素子を透過して受光器により受光されるように構成されており、その際の極角θ、方位角φを可変に設定できる。また、図5(A)及び図5(B)では、極角θについては同心円状に軸が設定されており、円の中心が極角θ=0に対応し、最外周が極角θ=40°に対応する。また、方位角φについては図中の左右方向が0°-180°に対応し、図中の上下方向が90°-270°に対応している。また、この測定例は、液晶素子の液晶層19に閾値電圧の2.5倍以上の十分に高い電圧(例えば12V)が印加された場合のものである。
図5(A)に示すように、実施例1の液晶素子における最良視認方位はφ=225°の方位(7時半方位)であり、図中に当該方位における透過率の具体的な数値例を示すように極角θが大きいほど透過率が上昇する傾向にある。また、最良視認方位に直交する2つの方位においても透過率は比較的高くなるが、最良視認方位と180°異なる方位である反視認方向(φ=45°の方位)では透過率が相対的に低くなっている。これは、電圧印加時の液晶層では液晶分子が一方位に傾斜配向する状態であるモノドメイン配向が生じているからである。他方で、図5(B)に示すように、比較例1の液晶素子における最良視認方位はφ=315°の方位(4時半方位)であるが、むしろそれと直交する2つの方位において極角θが大きくなるほど透過率が高くなる傾向が見られ、最良視認方位の極角θが大きい領域では透過率が相対的に低くなる傾向が見られる。更に、反視認方位では透過率の低下度合いが大きい。
以上のように、閾値の2.5倍以上の印加電圧を与えている状態での両基板表面での実質的配向方位と、各基板に近接して配置される各偏光板の透過軸との配置を互いに略直交する状態にするか、又は両者のなす角度を110°以下70°以上とすることで、実質ねじれ角が70°~110°である場合に、透過光の透過率をより高くすることが可能となる。そして、このような液晶素子を用いる照明装置において、出射光の光度を上昇させることができる。次に、液晶素子を用いる照明装置の一例として車両用灯具並びにこれを備える車両用灯具システムの一実施形態を説明する。
図7は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示す図である。図1に示す車両用灯具システムは、車両用灯具(ランプユニット)100と、コントローラ102と、カメラ103を含んで構成されている。この車両用前照灯システムは、カメラ103によって撮影される画像に基づいて自車両の周囲に存在する前方車両や歩行者の顔等の位置を検出し、前方車両等の位置を含む一定範囲を非照射範囲(減光領域)に設定し、それ以外の範囲を光照射範囲に設定して選択的な光照射を行うとともに、路面上へ種々形状の光照射を行うものである。
車両用灯具101は、車両前部の所定位置に配置されており、車両前方を照明するための照射光を形成する。なお、車両用灯具101は車両の左右それぞれに1つずつ設けられるがここでは1つのみ図示する。
コントローラ102は、車両用灯具101の光源110や液晶素子115の動作制御を行うものである。このコントローラ102は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータシステムを用い、このコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって実現される。本実施形態のコントローラ102は、運転席に設置されたライトスイッチ(図示せず)の操作状態に応じて光源110を点灯させるとともに、カメラ103によって検出される前方車両(対向車両、先行車両)、歩行者、道路標識、路上白線などの対象体に応じた配光パターンを設定し、この配光パターンに対応する像を形成するための制御信号を液晶素子115へ供給する。
カメラ103は、自車両の前方空間を撮影して画像を生成し、この画像に対して所定の画像認識処理を行って上記した前方車両等の対象体の位置、範囲、大きさ、種別などを検出する。画像認識処理による検出結果は、カメラ103と接続されているコントローラ102へ供給される。カメラ103は、自車両の車室内の所定位置(例えば、フロントガラス上部)に設置されるか、または自車両の車室外の所定位置(例えば、フロントバンパー内)に設置される。車両に他の用途(例えば、自動ブレーキシステム等)のためのカメラが備わっている場合にはそのカメラを共用してもよい。
なお、カメラ103における画像認識処理の機能をコントローラ102にて代替してもよい。その場合には、カメラ103は、生成した画像をコントローラ102へ出力、この画像に基づいてコントローラ102側で画像認識処理が行われる。あるいは、カメラ103から画像とそれに基づく画像認処理の結果の双方がコントローラ102へ供給されてもよい。その場合に、コントローラ102は、カメラ103から得た画像を用いてさらに独自の画像認識処理を行ってもよい。
図1に示す車両用灯具101は、光源110、リフレクタ(反射部材)111、113、偏光ビームスプリッタ112、1/2波長板114、液晶素子115、光学補償板116、偏光板117、投影レンズ118を含んで構成されている。これらの各要素は、例えば1つのハウジング(筐体)に収容されて一体化されている。また、光源110と液晶素子115は、それぞれコントローラ102と接続されている。
光源110は、コントローラ102による制御を受けて光を放出する。この光源110は、例えばいくつかの白色LED(Light Emitting Diode)などの発光素子と駆動回路を含んで構成される。なお、光源110の構成はこれに限定されない。例えば、なお、光源110としては、レーザ素子、さらには電球や放電灯など車両用灯具に一般的に使用されている光源が使用可能である。
リフレクタ111は、光源110に対応づけて配置されており、光源110から放出される光が液晶素子115の位置で焦点を結ぶように反射および集光して偏光ビームスプリッタ112の方向へ導き、液晶素子115へ入射させる。リフレクタ111は、例えば楕円面状の反射面を有する反射鏡である。この場合、光源110は、リフレクタ111の反射面の焦点付近に配置することができる。なお、リフレクタ111に代えて集光部として集光レンズを用いてもよい。
偏光ビームスプリッタ112は、入射光のうち特定方向の偏光を透過し、これと直交方向の偏光を反射させる透過反射型偏光素子であり、液晶素子115の光入射面側に配置されている。このような偏光ビームスプリッタ112としては、例えばワイヤーグリッド型偏光板(偏光素子)や光学多層膜による透過反射型偏光板(偏光素子)などを用いることができる。
リフレクタ113は、偏光ビームスプリッタ112によって反射される光が入射し得る位置に設けられており、入射した光を偏光ビームスプリッタ112の方向へ反射させる。
1/2波長板114は、偏光ビームスプリッタ112とリフレクタ113の間の光路上に配置されている。なお、1/4波長板が配置されてもよいし、1/2波長板と1/4波長板の両方が配置されてもよい。後者の場合、1/2波長板114を偏光ビームスプリッタ112に近い側へ配置する。
液晶素子115は、リフレクタ111、113のそれぞれにより反射および集光された光の焦点に対応して配置され、当該光が入射するように配置されている。液晶素子115は、互いに独立に制御可能な複数の画素部(光変調部)を備えている。本実施形態では、液晶素子115は、各画素部に駆動電圧を与えるためのドライバ(図示せず)を有している。ドライバは、コントローラ102から供給される制御信号に基づいて、液晶素子115に対して、各画素部を個別に駆動するための駆動電圧を与える。図示のように液晶素子115に入射する光は、液晶素子115の光入射面に対して広角に入射する。具体的には、光入射面の法線方向に対して40°~50°くらいの広角に光が入射する。この液晶素子115として上記した実施形態(実施例)の液晶素子10が用いられる。
光学補償板116は、液晶素子115を透過した光の位相差を補償し、偏光度を高めるためのものであり、液晶素子115の光出射面側に配置されている。具体的には、光学補償板116は、液晶層15の位相差と合算した位相差が0またはそれに近い値となるようにその位相差が設定される。なお、光学補償板116は省略されてもよい。
偏光板117は、液晶素子115の光出射面側に配置されている。偏光ビームスプリッタ112、偏光板117とこれらの間に配置された液晶素子115によって、自車両の前方へ照射する光の配光パターンに対応した像が形成される。
投影レンズ118は、リフレクタ111、13により反射および集光され、液晶素子115を透過した光が入射し得る位置に配置されており、この入射した光を自車両の前方へ投影する。投影レンズ118は、その焦点が液晶素子115の液晶層の位置に対応するように配置されている。
上記した構成の車両用灯具システムにおいて、偏光板117として光学多層膜による透過反射型偏光板を用い、1/2波長板114としてノルボルネン系環状オレフィンポリマー製の光学波長板を用い、光学補償板116としてノルボルネン系環状オレフィンポリマー製で厚さ方向位相差が440nmの光学波長板を用い、かつ、上記した実施例1の液晶素子において液晶層に左ねじれカイラル材がd/p=0.31となるように添加された誘電率異方性が負の液晶材料を用い、液晶層厚dと屈折率異方性Δnの積で表されるリターデーションΔn・dを約400nmとし、プレティルト角を89°程度としたものを液晶素子115として用いて、出射光(照射光)の光度の測定を行った。また、同様の条件にした比較例1の液晶素子を液晶素子115として用いた場合についても光度の測定を行った。光度の測定は、車両用灯具システムから10m離れた位置に投影角度0.1°未満のサイズの照度計を配置し、上下左右に照射方向を回転させて回転角度依存性を測定した。その中で得られた最大光度を比較すると、実施例の液晶素子を用いた場合には最大光度が約71000cdであり、比較例1の液晶素子を用いた場合には最大光度が約60000cdであり、両者には明確な明るさの差異を生じることが分かった。
以上のような各実施形態によれば、液晶素子を用いる照明装置等における照射光の明るさを向上させることが可能となる。
なお、本開示は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では照明装置の一例として車両用灯具を挙げていたが本開示の適用範囲はこれに限定されない。例えば街路灯、踏切照明装置、方向案内照明装置など種々の照明装置に本開示に係る構成を適用することができる。また、車両用灯具の光学系についても上記した実施形態の構成に限定されない。
11:第1基板、12:第2基板、13:画素電極、14:共通電極、15、16:配向膜、19:液晶層、21、22:偏光板、31、32:配向容易軸、33、34:透過軸、35、36:電圧印加時の実質的配向方位

Claims (10)

  1. 対向配置される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板の一面と前記第2基板の一面の間に配置されており、カイラル材を含有する負の誘電率異方性の液晶材料を用いて構成され、90°未満のプレティルト角を有して略垂直配向している液晶層と、
    前記第1基板の前記一面と対向する他面側に配置された第1偏光板と、
    前記第2基板の前記一面と対向する他面側に配置された第2偏光板と、
    を含み、
    前記第1偏光板と前記第2偏光板は、互いの透過軸を略直交に配置されており、
    前記液晶層へ前記液晶材料の閾値の2.5倍以上の電圧が印加されたときに、前記液晶層と前記第1基板との界面における実質的な配向方位である第1配向方位と、前記液晶層と前記第2基板との界面における実質的な配向方位である第2配向方位とのなす角度が70°以上110°以下であり、
    前記第1偏光板の透過軸と前記第1配向方位とのなす角度が110°以下70°以上であり、かつ前記第2偏光板の透過軸と前記第2配向方位とのなす角度が110°以下70°以上である、
    液晶素子。
  2. 前記液晶層のプレティルト角が80°以上90°未満である、
    請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記第1配向方位は、前記液晶層へ電圧が印加されていないときの当該液晶層と前記第1基板との界面における配向方位と異なり、
    前記第2配向方位は、前記液晶層へ電圧が印加されていないときの当該液晶層と前記第2基板との界面における配向方位と異なる、
    請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 前記カイラル材のピッチpと前記液晶層の層厚dの比であるd/pが0.22以上0.42以下である、
    請求項1~3の何れか1項に記載の液晶素子。
  5. 前記第1偏光板及び/又は前記第2偏光板は、光学多層膜による透過反射型偏光板又はワイヤーグリッド型偏光板である、
    請求項1~4の何れか1項に記載の液晶素子。
  6. 前記液晶層へ電圧が印加されていないときの当該液晶層と前記第1基板との界面における配向方位及び前記液晶層へ電圧が印加されていないときの当該液晶層と前記第2基板との界面における配向方位は、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の各々の透過軸と略45°の角度をなす、
    請求項1~5の何れか1項に記載の液晶素子。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載の液晶素子と当該液晶素子に光を入射させる光源を含む、照明装置。
  8. 前記光源から出射する光を前記液晶素子の位置へ集光させるリフレクタ又はレンズを更に含む、
    請求項7に記載の照明装置。
  9. 前記液晶素子へ入射する光が直線偏光である、
    請求項7又は8に記載の照明装置。
  10. 前記液晶素子の光出射側に配置される投影レンズを更に含む、
    請求項7~9の何れか1項に記載の照明装置。
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