JP2022182353A - 義歯システムおよび義歯の作成方法 - Google Patents

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【課題】摩耗等によるガタが生じにくい義歯システムを提供する。【解決手段】口腔組織1内に埋め込まれる2以上のインプラント体10と、口腔内への露出部21を有して上記各インプラント体10にそれぞれ取付けられる2以上のアパットメント20と、上記各アパットメント20の上記各露出部21に固着される2以上の球体状凸部30と、上記球体状凸部30に対して着脱可能に取付けられる義歯40とを備え、上記義歯40は、上記各球体状凸部30それぞれに対して着脱可能に被冠する2以上の被冠部材50と、上記各被冠部材50に一体化することができる義歯構造体60とを含んで構成され、上記各被冠部材50は、上記義歯構造体60を一体化させるにあたって、上記球体状凸部30に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるよう調整するための被冠方向調整部材55を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、インプラント・オーバー・デンチャーによる義歯システムおよび義歯の作成方法に関するものである。
従来からインプラント・オーバー・デンチャー(IOD)による義歯が使用されている。IODでは、口腔組織内に埋め込んだインプラントを支台とし、上記インプラントに義歯を着脱するようにしたものである。
IODでは、支台としたインプラントに対して義歯を着脱するため、総義歯になると、少なくとも左右2本のインプラントを支台とする必要がある。支台とするインプラントは、極力平行性を保った状態で口腔組織に埋め込むことが望ましい。しかしながら、口腔組織内の状態等の事情は様々であり、複数のインプラントを完全に平行に埋め込むのは極めて困難である。
したがって、支台とする複数のインプラントが平行でないという前提で、そのようなインプラントに着脱できる義歯を構成しなければならない。
このような技術に関する先行技術文献として、出願人は、下記の特許文献1を把握している。
特表2015-534492号公報
上記特許文献1は、上部構造およびその製造方法に関するものであり、下記の記載がある。
[0015]
歯科用上部構造10は主本体11を備える。主本体11は、複数の支台/インプラント接続部12を接続/架橋する。支台/インプラント接続部12はそれぞれ雌受入れ部材13を備える。雌受入れ部材13は、支台20の雄部材23が雌部材13と協働して支台20の上部構造10の保持を得られるように、雄部材23に倣ってサイズ及び形状が適合される。したがって、雄部材23が球状ヘッドを備えるとき、雌部材13は同様に、雄部材23の球状ヘッドと同じ寸法の球状キャビティを備える。雄部材23を雌部材13に挿入して動かずに協働することを可能にするため、雌部材13及び雄部材23の少なくとも一方をコンプライアントな材料製にする必要がある。かかるコンプライアントな材料は、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及びポリオキシメチレン(POM)を含む群から選択される材料など、アクリレートポリマー又はアセタールポリマーなどの熱可塑性材料であってもよい。良好なしっかりした保持を得るため、雌部材13及び雄部材23の一方はコンプライアントな材料製であり、他方は剛性材料製である。かかる剛性材料は、チタン、コバルト、クロム、コバルトクロム、及び歯科業界で頻繁に使用される他の金属材料を含む群から選択される材料であってもよい。患者の口内で比較的不変に位置付けることが意図される雄部材23がかかる剛性材料製であるとき、これらの種類の剛性材料は表面が平滑であることによって洗浄が簡単なため、口腔内を衛生に保つことが簡単になる。
[0016]
一実施形態では、図1によれば、雄部材23は、チタン、コバルト、クロム、又はコバルトクロムを含む群から選択された材料などの剛性材料製であり、雌部材13は、PMMA及びPOMを含む群から選択された材料など、アクリレートポリマー又はアセタールポリマーのような熱可塑性材料などのコンプライアントな材料製である。雌部材13は、歯科用上部構造10の一体構造部として含まれる。したがって、歯科用上部構造は雌部材13を含むように一体構造的に形作られる。これは、患者の口腔内にある雄部材23に関する位置情報をCAD/CAMシステム又は焼結システムに転送することによって達成されてもよく、その後、CAD/CAMシステム又は焼結システムは、歯科用上部構造を既知の方式で粉末セットからミリング又は焼結することによって、金属の一個片から歯科用上部構造10を形作る。しかし、粉末セットは、例えば、意図される状況に倣って物理的特性を調整するために、より硬質又はより軟質の近位部とより硬質又はより軟質の遠位部とを有する歯科用上部構造10を完成させるため、粉末の分級又は粉末の種類が異なる層を含んでもよい。
[0017]
別の実施形態では、図2によれば、雄部材23はやはり、チタン、コバルト、クロム、又はコバルトクロムを含む群から選択された材料などの剛性材料製であり、雌部材13は、PMMA及びPOMを含む群から選択された材料など、アクリレート又はアセタールポリマーのような熱可塑性材料などのコンプライアントな材料製である。しかし、雌部材13は、歯科用上部構造10の一体構造部として含まれず、その代わりに、雌部材ハウジング14内に位置付けられる。その結果、雌部材ハウジング14は、主本体11内のハウジングキャビティ15に対応する外形を有する。これらのキャビティは円筒状であるか、又は立方体などの平行六面体であってもよい。その結果、雌部材ハウジング14の外形は、ハウジングキャビティ15の形状に対応する形状を有する。次に、雌ハウジング14は、適切な接着剤又はセメントを使用することによって主本体11に定着されてもよい。このように、主本体11は、雌部材13と同じ材料製である必要はないが、その代わりに、チタン、コバルト、クロム、又はコバルトクロムなどの固体材料で作られてもよい。その結果、主本体は、別個のミリング又は焼結ステップなど、別個のプロセスで製造されてもよく、雌ハウジングも同様に、別個のミリング又は焼結ステップで別個に製造されてもよい。このように、主本体11を固体材料で製造し、いくつかの雌部材13を含むコンプライアントな材料の大型ブロックを事前製造し、次に雌部材を前記大型ブロックから切り出して、歯科用上部構造10の主本体11に形成されたハウジングキャビティ15に嵌まる形状にすることが可能である。
特許文献1では、支台20の雄部材23が球状ヘッドを備え、歯科用上部構造10は球状キャビティを有する雌部材13を備えている。雄部材23と雌部材13の一方はコンプライアントな材料製であり、他方は剛性材料製である。実施例では、雄部材23をチタン、コバルト、クロム、又はコバルトクロムなど剛性材料とし、雌部材13をアクリレートポリマー又はアセタールポリマーのような熱可塑性材料で上記剛性材料に追従するコンプライアントな材料としている。
雌部材13を熱可塑性材料のようなコンプライアントな材料とすることにより、支台とするインプラントが平行でなくても、剛性材料の雄部材23に対して義歯が着脱できるようになる。
ところが、義歯の着脱を繰り返すうち、熱可塑性材料は摩耗しガタが生じるのが早く、そのたびに義歯を新しくしなければならないという問題がある。このような問題を解決しようとして、仮に、雄部材23と雌部材13の双方を剛性材料にすると、支台とするインプラントが平行でなければ、雄部材23に対して義歯が着脱できなくなる。しかしながら上述したように、支台とする複数のインプラントを平行に埋め込むことは事実上不可能である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、つぎの目的をもってなされたものである。
摩耗等によるガタが生じにくい義歯システムおよび義歯の作成方法を提供する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の義歯システムは、つぎの構成を採用した。
口腔組織内に埋め込まれる2以上のインプラント体と、
口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる2以上のアパットメントと、
上記各アパットメントの上記各露出部に固着される2以上の球体状凸部と、
上記球体状凸部に対して着脱可能に取付けられる義歯とを備え、
上記義歯は、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する2以上の被冠部材と、上記各被冠部材に一体化することができる義歯構造体とを含んで構成され、
上記各被冠部材は、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるよう調整するための被冠方向調整部材を有する。
請求項2記載の義歯システムは、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材は、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除されるものである。
請求項3記載の義歯システムは、請求項1または2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である。
請求項4記載の義歯システムは、請求項1~3のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している。
請求項5記載の義歯システムは、請求項4記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記固定用構造は、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である。
請求項6記載の義歯システムは、請求項4記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記固定用構造は、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である。
上記目的を達成するため、請求項7記載の義歯の作成方法は、つぎの構成を採用した。
口腔組織内に埋め込まれる2以上のインプラント体と、
口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる2以上のアパットメントと、
上記各アパットメントの上記各露出部に固着される2以上の球体状凸部と、
上記球体状凸部に対して着脱可能に取付けられる義歯とを準備し、
上記義歯を、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する2以上の被冠部材と、上記各被冠部材に一体化することができる義歯構造体とを含んで構成し、
上記各被冠部材を、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるための被冠方向調整部材による調整を行う。
請求項8記載の義歯の作成方法は、請求項7記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材を、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除する。
請求項9記載の義歯の作成方法は、請求項7または8記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である。
請求項10記載の義歯の作成方法は、請求項7~9のいずれか一項に記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している。
請求項11記載の義歯の作成方法は、請求項10記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記固定用構造は、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である。
請求項12記載の義歯の作成方法は、請求項10記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記固定用構造は、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である。
請求項1記載の義歯システムは、2以上のインプラント体と、2以上のアパットメントと、球体状凸部と、義歯とを備えている。上記各インプラント体は、口腔組織内に埋め込まれるものである。上記各アパットメントは、口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる。上記球体状凸部は、上記各アパットメントの上記各露出部に固着される。上記義歯は、上記球状体凸部に対して着脱可能に取付けられる。
上記義歯は、2以上の被冠部材と義歯構造体とを含んで構成される。上記被冠部材は、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する。上記義歯構造体は、上記各被冠部材に一体化することができるものである。上記各被冠部材は、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるよう調整するための被冠方向調整部材を有している。
このように、上記各球体状凸部に上記各被冠部材を被冠させ、上記被冠方向調整部材により上記各被冠部材相互の被冠方向を一致させるよう調整し、その状態の上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯が構成される。したがって、口腔組織内に埋め込まれた2以上のインプラント体が互いに平行でなくても、各球体状凸部に被冠する各被冠部材の被冠方向が一致している。このため、従来のようなコンプライアントな材料を使用しなくても、上記義歯は上記被冠方向において容易かつ確実に着脱できる。したがって、球体状凸部と被冠部材の双方に剛性材料を用いることが可能で、上記義歯は繰り返し使用に耐え、摩耗によるガタが生じにくくなる。
請求項2記載の義歯システムは、上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材は、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除されるものである。
このようにすることにより、被冠方向を調整するときには調整作業が行いやすく、義歯を構成するときの各被冠部材には被冠方向調整部材が残存しない。
請求項3記載の義歯システムは、上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である。
このようにすることにより、シンプルな構成によって被冠方向を調整する作業を行いやすくできる。
請求項4記載の義歯システムは、上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している。
インプラント体からの露出部である球体状凸部に対する固定用構造を備えることにより、義歯の固定が確実になる。
請求項5記載の義歯システムは、上記固定用構造が、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である。
ホールドの具合を調整しやすい上記ホールド構造により、球体状凸部に対して被冠部材をホールドさせることができる。
請求項6記載の義歯システムは、上記固定用構造が、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である。
締付けの具合を調整しやすい上記ねじ構造により、球体状凸部に対して被冠部材をホールドさせることができる。
請求項7記載の義歯の作成方法は、2以上のインプラント体と、2以上のアパットメントと、球体状凸部と、義歯とを準備する。上記各インプラント体は、口腔組織内に埋め込まれる。上記各アパットメントは、口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる。上記球体状凸部は、上記各アパットメントの上記各露出部に固着される。上記義歯は、上記球状体凸部に対して着脱可能に取付けられる。上記義歯は、2以上の被冠部材と義歯構造体とを含んで構成される。上記被冠部材は、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する。上記義歯構造体は、上記各被冠部材に一体化することができるものである。上記各被冠部材を、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるための被冠方向調整部材による調整を行う。
このように、各球体状凸部に上記各被冠部材を被冠させ、上記被冠方向調整部材により上記各被冠部材相互の被冠方向を一致させるよう調整し、その状態の上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯が構成される。したがって、口腔組織内に埋め込まれた2以上のインプラント体が互いに平行でなくても、各球体状凸部に被冠する各被冠部材の被冠方向が一致している。このため、従来のようなコンプライアントな材料を使用しなくても、上記義歯は上記被冠方向において容易かつ確実に着脱できる。したがって、球体状凸部と被冠部材の双方に剛性材料を用いることが可能で、上記義歯は繰り返し使用に耐え、摩耗によるガタが生じにくくなる。
請求項8記載の義歯の作成方法は、上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材を、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除する。
このようにすることにより、被冠方向を調整するときには調整作業が行いやすく、義歯を構成するときの各被冠部材には被冠方向調整部材が残存しない。
請求項9記載の義歯の作成方法は、上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である。
このようにすることにより、シンプルな構成によって被冠方向を調整する作業を行いやすくできる。
請求項10記載の義歯の作成方法は、上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している。
インプラント体からの露出部である球体状凸部に対する固定用構造を備えることにより、義歯の固定が確実になる。
請求項11記載の義歯の作成方法は、上記固定用構造は、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である。
ホールドの具合を調整しやすい上記ホールド構造により、球体状凸部に対して被冠部材をホールドさせることができる。
請求項12記載の義歯の作成方法は、上記固定用構造は、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である。
締付けの具合を調整しやすい上記ねじ構造により、球体状凸部に対して被冠部材をホールドさせることができる。
本発明の第1実施形態の義歯システムの全体構成を説明する図である。 上記義歯システムを説明する写真である。 上記義歯システムを説明する写真である。 上記義歯システムを説明する写真である。 上記義歯システムを説明する写真である。 調整治具の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態の義歯の作成方法を説明する図である。 上記義歯の作成方法を説明する図である。 上記義歯の作成方法を説明する図である。 上記義歯の作成方法を説明する図である。 上記義歯の作成方法を説明する図である。 上記義歯の作成方法を説明する図である。 本発明の第2実施形態の義歯システムおよび義歯の作成方法の第1例を説明する図である。 本発明の第2実施形態の義歯システムおよび義歯の作成方法の第2例を説明する図である。
以下、本発明の義歯システムおよび義歯の作成方法の実施形態について詳細に説明する。
◆義歯システム
図1~図6は、第1実施形態の義歯システムを説明する図である。
〔全体構成〕
図1は、本実施形態の全体構成を説明する図である。
本実施形態の義歯システムは、2以上のインプラント体10と、2以上のアパットメント20と、2以上の球体状凸部30と、義歯40とを備えている。
〔インプラント体10〕
上記各インプラント体10は、口腔組織1内に埋め込まれる。上記インプラント体10は、チタンやチタン合金等の生体材料に、必要に応じて表面加工を施したもので、顎の歯槽骨等の口腔組織1内に埋め込まれ、骨と生着する。
〔アパットメント20〕
上記各アパットメント20は、口腔内への露出部21を有して上記各インプラント体10にそれぞれ取付けられる。上記アパットメント20は、雄ねじによってインプラント体10に固定されて連結される。上記アパットメント20は、チタン、チタン合金、ジルコニア等の材料が用いられる。
〔球体状凸部30〕
上記各球体状凸部30は、上記各アパットメント20の上記各露出部21に固着される。上記球体状凸部30は、大略球体状であり、その一か所に(図の下端にあたる極である)、上記露出部21が嵌合する嵌合凹部31が形成されている。上記球体状凸部30には、メタル材料やセラミック材料等の剛性材料を用いることができる。上記メタル材料としては、たとえばチタン、チタン合金等をあげることができ、上記セラミック材料としては、たとえばジルコニア等をあげることができる。上記球体状凸部30は、後述するように、義歯40が着脱される支台となるものであり、摩耗に強い剛性材料を持ちることにより、十分な耐用年数を得ることができる。
〔義歯40〕
上記義歯40は、上記球体状凸部30に対して着脱可能に取付けられる。上記義歯40は、2以上の被冠部材50と義歯構造体60とを含んで構成されている。
〔被冠部材50〕
上記各被冠部材50は、上記各球体状凸部30それぞれに対して着脱可能に被冠する。上記被冠部材50は、大略ドーム状を呈しており、図の下面にあたる面に、上記球体状凸部30を嵌入するための嵌入空間51が形成されている。上記被冠部材50が上記球体状凸部30に被冠した状態で、ドーム状の下端のラインは、上記球体状凸部30の赤道ラインEよりも下側に位置している。
上記嵌入空間51の内面は、上記被冠部材50が上記球体状凸部30に被冠した状態で、上記赤道ラインEより上側になる部分は半球状である。それより下側はストレートに開口している。上記被冠部材50の外周面は、上記被冠部材50が上記球体状凸部30に被冠した状態で、上記赤道ラインEより上側になる部分は半球状である。それより下側は下にいくほど少しずつ窄まっている。
上記被冠部材50には、メタル材料やセラミック材料等の剛性材料を用いることができる。上記メタル材料としては、たとえばチタン、チタン合金等をあげることができ、上記セラミック材料としては、たとえばジルコニア等をあげることができる。上記被冠部材50は、後述するように、義歯構造体60と一体化して義歯40を鋼製するものであり、摩耗に強い剛性材料を持ちることにより、十分な耐用年数を得ることができる。
〔義歯構造体60〕
上記義歯構造体60は、床63と人口歯64とを含んで構成される。上記床63には、たとえば、ポリメチルメタクリレートやシリコーン等の樹脂材料を使用することができる。上記人口歯64は、硬質レジンやセラミック等の材料から構成することができる。
上記義歯構造体60は、上記各被冠部材50に一体化することができる。図1は一体化する前の状態を示しており、上記義歯構造体60には、上記各被冠部材50を収容するための収容空間61が形成されている。上記各収容空間61は、後述する被冠方向調整部材55を上側に露呈させるよう、義歯構造体60を上下に貫通している。上記収容空間61に樹脂等が埋め込まれることにより、上記義歯構造体60と各被冠部材50は一体化される。
〔被冠方向調整部材55〕
上記各被冠部材50は、被冠方向調整部材55を有している。上記被冠方向調整部材55は、上記義歯構造体60を一体化させるにあたって、上記球体状凸部30に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるよう調整するためのものである。
図示した例では、上記被冠方向調整部材55は、互いの平行性によって上記各被冠部材50の相互の被冠方向を一致させるピン部材56である。つまり、ドーム状の被冠部材50の上端に位置する極に、上記ピン部材56が軸方向上方に延びるよう形成されている。
上記各被冠部材50の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材55は、上記各被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯40を形成するにあたって、上記各被冠部材50から切除されるものである。
上記各被冠部材50から上記被冠方向調整部材55を切除するにあたって、上記収容空間61に樹脂等が埋め込まれて、上記義歯構造体60と各被冠部材50が一体化される。このとき、上記被冠部材50は、義歯構造体60を構成する床63と一体化するとともに人口歯64とも一体化し、義歯40の一部を構成するようになる。
図2~図5は、上記義歯システムを説明する写真である。
図2は、口腔組織1(図では模型である)に埋め込んだインプラント体10(隠れて見えない)にアパットメント20を取り付けた状態である。この例では、口腔組織1の左右にぞれぞれインプラント体10とアパットメント20を配置している。
図3(A)は、上記各アパットメント20にそれぞれ上記球体状凸部30を取り付けた状態である。
図3(B)は、義歯構造体60であり、上記各球体状凸部30に対応する部分に収容空間61が形成されている。
図4は、上記各アパットメント20に取り付けた上記各球体状凸部30に、ピン部材56(被冠方向調整部材55)がついた被冠部材50を被冠させた状態を示す。
図5は、図4の状態に義歯構造体60を取り付けた状態である。
図4および図5は、模型であるため、長いピン部材56を用いて視覚的にわかりやすくしているが、実際には口腔内で作業できる短いピン部材56を用いる。
図6は、上記ピン部材56の平行性を調整するための調整治具80の一例を示す図である。
この例では、上記調整治具80は、上記2本のピン部材56を平行な状態に挿通させる2個のガイド穴81が形成されている。上記各ガイド穴81は、上記ピン部材56の入り口側がラッパ状に広がって、上記ピン部材56の受け入れを容易にしている。この例では、調整治具80は、第1部材82と第2部材83が組み合わせられて構成されている。上記第1部材82と第2部材83を互いにスライドすることにより、両ガイド穴81同士の距離を調節しうるようになっている。
上記調整治具80により、2本のピン部材56を互いに平行な状態に調節することができる。上記2本のピン部材56を平行にすることにより、2つの被冠部材50の相互の被冠方向が一致する。両被冠部材50の被冠方向を一致させた状態で、両被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させる。このようにして形成された義歯40は、2つの被冠部材50の、それぞれ対応する球体状凸部30に対する着脱方向が一致する。
つまり、口腔組織1内に埋め込まれた2以上のインプラント体10が互いに平行でなくても、各球体状凸部30に被冠する各被冠部材50の被冠方向が一致している。このため、従来のようなコンプライアントな材料を使用しなくても、上記義歯40は上記被冠方向において容易かつ確実に着脱できる。
本実施形態の義歯システムは、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の義歯システムは、上記各球体状凸部30に上記各被冠部材50を被冠させ、上記被冠方向調整部材55により上記各被冠部材50相互の被冠方向を一致させるよう調整し、その状態の上記各被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯40が構成される。したがって、口腔組織1内に埋め込まれた2以上のインプラント体10が互いに平行でなくても、各球体状凸部30に被冠する各被冠部材50の被冠方向が一致している。このため、従来のようなコンプライアントな材料を使用しなくても、上記義歯40は上記被冠方向において容易かつ確実に着脱できる。したがって、球体状凸部30と被冠部材50の双方に剛性材料を用いることが可能で、上記義歯40は繰り返し使用に耐え、摩耗によるガタが生じにくくなる。
本実施形態の義歯システムは、上記各被冠部材50の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材55は、上記各被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材50から切除されるものである。
このようにすることにより、被冠方向を調整するときには調整作業が行いやすく、義歯40を構成するときの各被冠部材50には被冠方向調整部材55が残存しない。
本実施形態の義歯システムは、上記被冠方向調整部材55は、互いの平行性によって上記各被冠部材50の相互の被冠方向を一致させるピン部材56である。
このようにすることにより、シンプルな構成によって被冠方向を調整する作業を行いやすくできる。
◆義歯の作成方法
図7~図12は、第1実施形態の義歯の作成方法を説明する図である。
図7は、口腔組織1内にインプラント体10、アパットメント20、球体状凸部30を取り付けた状態である。
まず、口腔組織1内にインプラント体10を埋め込み、上記インプラント体10にアパットメント20を取り付ける。ついで、上記アパットメント20の露出部21に、球体状凸部30を固着する。この例では、インプラント体10を2つ埋め込み(顎の左右である)、各インプラント体10にそれぞれアパットメント20と球体状凸部30を取り付けている。
図8は、上記各球体状凸部30にそれぞれ被冠部材50を被冠させた状態である。上記各被冠部材50は、被冠方向調整部材55(ピン部材56)を有する。この状態では、各被冠部材50の被冠方向は定まらない。つまり、各ピン部材56が、どのような角度にも変位しうる状態である。
図9は、上記各球体状凸部30にそれぞれ被冠部材50を被冠させ、さらに義歯構造体60を被せた状態である。この状態で、上記義歯構造体60に形成された各収容空間61に上記各被冠部材50が収容される。
図10は、上記各球体状凸部30に被冠させた各被冠部材50の被冠方向を一致させるための調整治具80を示す。上記調整治具80により、上記2本のピン部材56を平行な状態にして各被冠部材50の被冠方向を一致させるよう調整した状態である。上記調整治具80は、上記2本のピン部材56を平行な状態に挿通させる2個のガイド穴81が形成されている。上記各ガイド穴81は、上記ピン部材56の入り口側がラッパ状に広がって、上記ピン部材56の受け入れを容易にしている。
この状態で、上記2本のピン部材56が、それぞれ上記調整治具80の2個のガイド穴81に挿通されて互いに平行になる。つまり、2本のピン部材56が平行で、各球体状凸部30に対する各被冠部材50の被冠方向が一致している。上記各ピン部材56はそれぞれ、ドーム状の被冠部材50の上端に位置する極において、軸方向に延びるよう形成されている。このため、ピン部材56を平行にすることにより、各球体状凸部30に被冠した被冠部材50の被冠方向が一致する。つまり、上記各被冠部材50の双方が、ピン部材56が延びるおなじ軸方向に着脱できることになる(図で矢印で示す方向である)。
図11は、上記被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯40を構成した状態を示す。つまり、上記義歯構造体60の収容空間61に樹脂等を埋め込んで、上記義歯構造体60と各被冠部材50を一体化する。このとき、上記被冠部材50は、義歯構造体60を構成する床63と一体化するとともに人口歯64とも一体化し、義歯40の一部を構成するようになる。
このとき、上記被冠方向調整部材55は、上記各被冠部材50から切除される。上記被冠部材50の裾部分を樹脂で義歯構造体60と一体化し、上記被冠部材50の被冠方向が変わらないように固定した状態で被冠方向調整部材55を切除し、さらに残る部分に樹脂を埋めて義歯構造体60と一体化する。
図12は、上記のように構成した義歯40を球体状凸部30から取り外した状態を示す。各球体状凸部30に被冠した被冠部材50の被冠方向が一致しており、上記各被冠部材50の双方をおなじ軸方向に着脱できる。
本実施形態の義歯の作成方法は、以下の作用効果を奏する。
本実施形態の義歯の作成方法は、各球体状凸部30に上記各被冠部材50を被冠させ、上記被冠方向調整部材55により上記各被冠部材50相互の被冠方向を一致させるよう調整し、その状態の上記各被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯40が構成される。したがって、口腔組織1内に埋め込まれた2以上のインプラント体10が互いに平行でなくても、各球体状凸部30に被冠する各被冠部材50の被冠方向が一致している。このため、従来のようなコンプライアントな材料を使用しなくても、上記義歯40は上記被冠方向において容易かつ確実に着脱できる。したがって、球体状凸部50と被冠部材50の双方に剛性材料を用いることが可能で、上記義歯40は繰り返し使用に耐え、摩耗によるガタが生じにくくなる。
本実施形態の義歯の作成方法は、上記各被冠部材50の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材55を、上記各被冠部材50に上記義歯構造体60を一体化させて上記義歯40を形成するにあたって、上記各被冠部材50から切除する。
このようにすることにより、被冠方向を調整するときには調整作業が行いやすく、義歯40を構成するときの各被冠部材50には被冠方向調整部材55が残存しない。
本実施形態の義歯の作成方法は、上記被冠方向調整部材55は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材56である。
このようにすることにより、シンプルな構成によって被冠方向を調整する作業を行いやすくできる。
◆第2実施形態
図13および図14は、第2実施形態の義歯システムおよび義歯の作成方法を説明する図である。
第2実施形態は、上記被冠部材50は、上記球体状凸部30に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部30に対して義歯を固定するための固定用構造70を有している。
インプラント体10からの露出部である球体状凸部30に対する固定用構造70を備えることにより、義歯40の固定が確実になる。
図13は、第2実施形態の第1例を説明する図である。
第1例では、上記固定用構造70は、上記球体状凸部30の赤道ラインEよりも下側において、上記球体状凸部30をホールドするホールド構造71である。
この例では、上記ホールド構造71としてクラスプ構造72が採用されている。上記クラスプ構造72は、スリット73と2本のクラスプ74から構成される。上記スリット73は、上記球体状凸部30の口腔の外側に面する壁部に、左右に延びるように設けられている。上記スリット73の下側中央部において、上記被冠部材50の下端縁が切れている。これにより、左右から対向するように延びる2本のクラスプ74が形成されている。この例では、上記被冠部材50は、弾性変形しうる金属製である。これにより、上記2本のクラスプ74はバネ性を有し、上記球体状凸部30をホールドする。
また変形例として、上記図1に示したようなドーム状の被冠部材50の内面に、らせん状のワイヤークラスプを埋め込んで、その下端部分により上記球体状凸部30の赤道ラインEよりも下側をホールドするようなホールド構造71とすることもできる。このように、上記固定用構造70は、上記球体状凸部30の赤道ラインEよりも下側において、バネ性を有し弾性変形する構造で上記球体状凸部30をホールドしうるものであれば各種の構造のものを採用することができる。
この例では、ホールドの具合を調整しやすい上記ホールド構造71により、球体状凸部30に対して被冠部材50をホールドさせることができる。
図14は、第2実施形態の第2例を説明する図である。
第2例では、上記固定用構造70は、上記球体状凸部30に対してねじ77の先端を当接させるためのねじ構造76である。
上記ねじ構造76は、ねじ77とナット78から構成されている。上記ナット78は、口腔の外側から内側に向かってねじ77を螺進させるよう、義歯構造体60に埋め込まれる。これにより、ねじ77をねじ込むと、その先端が上記球体状凸部30に対して当接する。
この例では、締付けの具合を調整しやすい上記ねじ構造76により、球体状凸部30に対して被冠部材50をホールドさせることができる。
◆その他の変形例
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示の実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
1:口腔組織
10:インプラント体
20:アパットメント
21:露出部
30:球体状凸部
31:嵌合凹部
40:義歯
50:被冠部材
51:嵌入空間
55:被冠方向調整部材
56:ピン部材
60:義歯構造体
61:収容空間
63:床
64:人口歯
70:固定用構造
71:ホールド構造
72:クラスプ構造
73:スリット
74:クラスプ
76:ねじ構造
77:ねじ
78:ナット
80:調整治具
81:ガイド穴
82:第1部材
83:第2部材
E:赤道ライン

Claims (12)

  1. 口腔組織内に埋め込まれる2以上のインプラント体と、
    口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる2以上のアパットメントと、
    上記各アパットメントの上記各露出部に固着される2以上の球体状凸部と、
    上記球体状凸部に対して着脱可能に取付けられる義歯とを備え、
    上記義歯は、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する2以上の被冠部材と、上記各被冠部材に一体化することができる義歯構造体とを含んで構成され、
    上記各被冠部材は、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるよう調整するための被冠方向調整部材を有する
    ことを特徴とする義歯システム。
  2. 上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材は、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除されるものである
    請求項1記載の義歯システム。
  3. 上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である
    請求項1または2記載の義歯システム。
  4. 上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している
    請求項1~3のいずれか一項に記載の義歯システム。
  5. 上記固定用構造は、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である
    請求項4記載の義歯システム。
  6. 上記固定用構造は、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である
    請求項4記載の義歯システム。
  7. 口腔組織内に埋め込まれる2以上のインプラント体と、
    口腔内への露出部を有して上記各インプラント体にそれぞれ取付けられる2以上のアパットメントと、
    上記各アパットメントの上記各露出部に固着される2以上の球体状凸部と、
    上記球体状凸部に対して着脱可能に取付けられる義歯とを準備し、
    上記義歯を、上記各球体状凸部それぞれに対して着脱可能に被冠する2以上の被冠部材と、上記各被冠部材に一体化することができる義歯構造体とを含んで構成し、
    上記各被冠部材を、上記義歯構造体を一体化させるにあたって、上記球体状凸部に被冠した状態で相互の被冠方向を一致させるための被冠方向調整部材による調整を行う
    ことを特徴とする義歯の作成方法。
  8. 上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるよう調整した上記被冠方向調整部材を、上記各被冠部材に上記義歯構造体を一体化させて上記義歯を形成するにあたって、上記各被冠部材から切除する
    請求項7記載の義歯の作成方法。
  9. 上記被冠方向調整部材は、互いの平行性によって上記各被冠部材の相互の被冠方向を一致させるピン部材である
    請求項7または8記載の義歯の作成方法。
  10. 上記被冠部材は、上記球体状凸部に被冠した状態で、口腔の外側に面する壁部に、上記球体状凸部に対して義歯を固定するための固定用構造を有している
    請求項7~9のいずれか一項に記載の義歯の作成方法。
  11. 上記固定用構造は、上記球体状凸部の赤道ラインよりも下側において、上記球体状凸部をホールドするホールド構造である
    請求項10記載の義歯の作成方法。
  12. 上記固定用構造は、上記球体状凸部に対してねじの先端を当接させるためのねじ構造である
    請求項10記載の義歯の作成方法。
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