JP2022182067A - 燃料電池用のセパレータ - Google Patents
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Abstract
Description
なお、こうした課題は、燃料ガス用の溝流路を有するセパレータに限定されず、酸化ガス用の溝流路を有するセパレータにおいても同様に生じる。
<燃料電池スタックの単セルの全体構成>
図1に示すように、燃料電池スタックの単セルは、膜電極接合体10(以下、MEA10)と、MEA10を支持する枠部材20と、MEA10及び枠部材20を挟持する一対のセパレータ30,40とを有している。
なお、以降では、セパレータ30、MEA10及び枠部材20、セパレータ40の積層方向を第1方向Xとして説明する。
また、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交する方向を第3方向Zとして説明する。
図1に示すように、MEA10は、第2方向Yに長い平面視長方形状である。
MEA10は、図示しない固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)と、電解質膜の両面に設けられた電極11A,11Bとを有している。なお、本実施形態では、第1方向Xにおける電解質膜(図示略)の一側(図1の上下方向における上側)の面に接合された電極が、カソード電極11Aである。また、第1方向Xにおける電解質膜の他側(図1の下側)の面に接合された電極が、アノード電極11Bである。
なお、MEA10が本発明に係る燃料電池の発電部に相当する。
図1に示すように、枠部材20は、第2方向Yに長い長方形枠状である。
枠部材20は、例えば、硬質樹脂材料により形成されている。
枠部材20は、中央に第2方向Yに長い平面視長方形状の開口部27を有している。開口部27の縁部には、第1方向Xの一側(図1の上側)からMEA10が接合されている。
図1に示すように、セパレータ30は、第2方向Yに長い平面視長方形板状である。
セパレータ30は、例えば、チタンやステンレス鋼などの金属部材をプレス成形することにより形成されている。
図2に示すように、複数の溝流路37は、貫通孔31と貫通孔32とを連通する溝である。複数の溝流路37は、第1面30Aに設けられている。なお、本実施形態では、4つの溝流路37が第3方向Zに互いに間隔S1をあけて並んでいる。すなわち、4つの溝流路37の各々は、互いに独立している。
複数の溝流路37は、第3方向Zにおいて互いに隣り合う第1溝流路71及び第2溝流路72を有している。なお、本実施形態では、第1溝流路71及び第2溝流路72はそれぞれ2つずつ設けられている。第1溝流路71及び第2溝流路72は、第3方向Zにおいて交互に並んでいる。
波状部73は、分岐部73aと、各分岐部73aから下流側に複数に分岐する分岐流路73bと、複数の分岐流路73bが合流する合流部73cとを有している。
波状部74は、分岐部74aと、各分岐部74aから下流側に複数に分岐する分岐流路74bと、複数の分岐流路74bが合流する合流部74cとを有している。
分岐流路74bは、各分岐部74aから下流側に向けて2つに分岐して延びている。2つの分岐流路74bは、各合流部74cで合流している。分岐流路74b同士は、分岐部74a及び合流部74c以外において互いに独立している。詳しくは、分岐流路74b同士は、間隔S3をあけて第3方向Zに並んでいる。間隔S3の大きさは、間隔S1の大きさよりも小さい。なお、本実施形態では、間隔S3の大きさは、間隔S2の大きさと同一に設定されている。
図1に示すように、セパレータ40は、第2方向Yに長い平面視長方形板状である。
セパレータ40は、例えば、チタンやステンレス鋼などの金属部材をプレス成形することにより形成されている。
複数の溝流路48は、貫通孔43と、貫通孔44とを連通する溝である。溝流路48内では、冷却媒体が溝流路47を流れる酸化剤ガスと同方向に流れる。
図3には、溝流路37からGDL12へ潜り込む燃料ガスの流れを矢印にて示している。
(1)複数の溝流路37は、当接面30aの面方向においてそれぞれ波状に延在するとともに第3方向Zにおいて互いに隣り合う第1溝流路71及び第2溝流路72を有している。第1溝流路71は、第3方向Zに並ぶ複数の分岐流路73bを有している。第2溝流路72は、第3方向Zに並ぶ複数の分岐流路74bを有している。第1溝流路71の第1部分R1における第1流路数N1は、第2溝流路72において第1部分R1と隣り合う第4部分R4における第2流路数N2と異なっている。また、第1溝流路71の第2部分R2における第1流路数N1は、第2溝流路72において第2部分R2と隣り合う第3部分R3における第2流路数N2と異なっている。
隣り合う分岐流路73b(74b)同士の間においても、一方の分岐流路73b(74b)を流れる燃料ガスの一部が、GDL12に潜り込むとともに、他方の分岐流路73b(74b)に向けて流れることがある。ここで、分岐流路73b(74b)同士の間の間隔S2(S3)が大きいほど、GDL12のうち分岐流路73b(74b)同士の間に位置する部分に燃料ガスが潜り込みにくくなる。この点、上記構成によれば、分岐流路73b(74b)同士の間の間隔S2(S3)を相対的に小さくできる。これにより、GDL12の上記部分に対して燃料ガスが潜り込みやすくなる。したがって、発電効率の低下を抑制できる。
例えば、第1溝流路71と第2溝流路72とが連通されている場合、各溝流路71,72を流れる燃料ガスの流動圧が連通部分で均一化される。そのため、第1溝流路71と第2溝流路72とで所定部分における流路本数を異ならせることによる燃料ガスの圧力損失の調整が困難となる。この点、上記構成によれば、第1溝流路71と第2溝流路72とが互いに独立している。したがって、第1溝流路71及び第2溝流路72における燃料ガスの圧力損失の調整が容易となる。
同構成によれば、溝流路71,72の各々において、溝流路71(72)と隣り合う溝流路72(71)との間でGDL12を介した燃料ガスの流れが発生する。したがって、GDL12のより広い範囲に対して燃料ガスを潜り込ませることができる。
外側溝流路37Aにおいては、自身よりも第3方向Zの外側に溝流路37が存在しない。そのため、外側溝流路37A全体が、第3方向Zにおいて当接面30aよりも内側に位置している場合、GDL12のうち外側溝流路37Aよりも外側に位置する部分には、上記のように燃料ガスの圧力損失の差を利用して燃料ガスが潜り込みにくい。その結果、発電効率を低下させる一因となっている。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・溝流路37の溝幅、すなわち流路断面積は、本発明に係る作用効果を奏するのであれば、溝流路37の延在方向の全体にわたって一定でなくてもよい。
・第1溝流路71の波状部73の形状を以下のように変更することもできる。すなわち、上記実施形態の作用を奏する範囲において、波状部73の振幅、波長及び波数を適宜変更してもよい。例えば、図4に示すように、第1部分R1及び第2部分R2の各々の波数を複数にしてもよい。また、こうした変更に伴って、分岐部73a及び合流部73cの配置及び数を適宜変更してもよい。例えば、合流部73cを省略することもできる。こうした場合であっても、第1溝流路71の波状部73の所定部分における第1流路数N1が、第2溝流路72の波状部74において当該所定部分と隣り合う部分の第2流路数N2と異なっていればよい。
・セパレータ30,40に用いる材料としては、チタンやステンレス鋼に限定されず、アルミニウムやカーボンを用いることもできる。
N2…第2流路数
R1…第1部分
R2…第2部分
R3…第3部分
R4…第4部分
S1…間隔
S2…間隔
S3…間隔
X…第1方向
Y…第2方向
Z…第3方向
10…膜電極接合体、MEA
11A…カソード電極
11B…アノード電極
12…ガス拡散層、GDL
20…枠部材
21…貫通孔
22…貫通孔
23…貫通孔
24…貫通孔
25…貫通孔
26…貫通孔
27…開口部
30…セパレータ
30A…第1面
30a…当接面
30B…第2面
30b…面
31…貫通孔
32…貫通孔
33…貫通孔
34…貫通孔
35…貫通孔
36…貫通孔
37…溝流路
37A…外側溝流路
38…溝流路
38a…波状部
40…セパレータ
40A…第1面
40B…第2面
41…貫通孔
42…貫通孔
43…貫通孔
44…貫通孔
45…貫通孔
46…貫通孔
47…溝流路
48…溝流路
51…凹部
52…リブ
61…凹部
62…リブ
71…第1溝流路
72…第2溝流路
73…波状部
73a…分岐部
73b…分岐流路
73c…合流部
74…波状部
74a…分岐部
74b…分岐流路
74c…合流部
91…導入孔
92…導入孔
93…導入孔
94…導出孔
95…導出孔
96…導出孔
Claims (6)
- 燃料電池の発電部に当接する当接面を有し、前記当接面に、反応ガスが流通する複数の溝流路が並んで設けられている燃料電池用のセパレータであって、
前記溝流路の各々が並ぶ方向を並び方向とするとき、
複数の前記溝流路は、前記当接面の面方向においてそれぞれ波状に延在するとともに前記並び方向において互いに隣り合う第1溝流路及び第2溝流路を含んでおり、
前記第1溝流路及び前記第2溝流路のうち少なくとも一方は、前記並び方向に並ぶ複数の分岐流路を有しており、
前記第1溝流路において前記並び方向における流路の数を第1流路数とし、
前記第2溝流路において前記並び方向における流路の数を第2流路数とするとき、
前記第1溝流路の所定部分における前記第1流路数は、前記第2溝流路において当該所定部分と隣り合う部分における前記第2流路数と異なっている、
燃料電池用のセパレータ。 - 前記第1溝流路及び前記第2溝流路の双方が、前記並び方向に並ぶ複数の前記分岐流路を有しており、
前記第1溝流路は、第1部分と、前記第1部分より前記第1流路数の少ない第2部分と、を有しており、
前記第2溝流路において前記第1部分と隣り合う部分の前記第2流路数は、前記第1部分の前記第1流路数よりも少なく、
前記第2溝流路において前記第2部分と隣り合う部分の前記第2流路数は、前記第2部分の前記第1流路数よりも多い、
請求項1に記載の燃料電池用のセパレータ。 - 前記並び方向における前記分岐流路同士の間の間隔は、前記第1溝流路と前記第2溝流路との間の間隔よりも小さい、
請求項1または請求項2に記載の燃料電池用のセパレータ。 - 前記第1溝流路と前記第2溝流路とは、互いに独立している、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池用のセパレータ。 - 前記第1溝流路及び前記第2溝流路が、前記並び方向において交互に設けられている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料電池用のセパレータ。 - 前記並び方向において最も外側に位置する前記溝流路である外側溝流路は、前記並び方向において前記当接面の外縁と同一の位置または前記外縁よりも外側に位置する部分を有している、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池用のセパレータ。
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