JP2022181182A - 活性エネルギー線硬化型液体組成物、記録方法及び記録装置 - Google Patents

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庸平 小橋
Yohei Kobashi
大介 由徳
Daisuke Yoshitoku
恭介 出口
Kyosuke Deguchi
康亮 富永
Yasusuke Tominaga
辰昌 折原
Tatsumasa Orihara
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Abstract

【課題】水性インク材料として使用した場合に、高い水溶液特性及び硬化膜特性を示す活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供する。【解決手段】水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能な活性エネルギー線硬化型液体組成物であって、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含む活性エネルギー線硬化型液体組成物;TIFF2022181182000014.tif39170(式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である)。【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型液体組成物、該活性エネルギー線硬化型液体組成物を水性インク材料として用いた記録方法及び記録装置に関する。
従来、インクジェット記録方式の画像形成方法において、インクとして、活性エネルギー線硬化型液体組成物を使用する技術が知られている。活性エネルギー線硬化型液体組成物をインクとして用いる場合、硬化性物質として非水性または水性の硬化性物質を適用することが考えられる。非水性の硬化性物質を用いたインクとしては、有機溶剤中に顔料を分散した所謂油性インクと、有機溶剤を用いず、液状のモノマー・オリゴマー及び顔料分散体を含有する所謂100%硬化型インク(ノンソルベントインク)が挙げられる。しかし、これらのインクに含まれる有機溶剤または低分子モノマーが大気中に揮散しやすいことから、環境への十分な配慮が必要である。また、100%硬化型インクにおいては、皮膚刺激性など化学安全上の懸念もある。さらに、記録媒体上に付与したインク成分を全て硬化膜としなければならないため、記録部分と非記録部分で凹凸が発生しやすく、画像の光沢感を得ることが難しい。
一方、水性の硬化性物質を用いたインクは、溶剤として水を主成分とする水系溶剤を用いるため、溶剤の揮散による環境への負荷が極端に少ない。また、100%硬化型インクを用いた場合に懸念される凹凸の発生も抑制することが可能である。以上から、インクジェット記録方法に、水性の硬化性物質を適用した活性エネルギー線硬化型液体組成物を用いる技術の開発、及び該技術に応用可能な水性の硬化性物質の開発が求められている。そのような水性の硬化性物質には、水溶液特性や硬化膜特性等の種々の特性が必要とされる。これらの特性を改善する手段として、特許文献1や特許文献2では、水溶性のアクリルアミド系モノマーやその組成物を用いることが提案されている。
特開2013-018846号公報 特開2012-214561号公報 特開2017-160380号公報 特開2007-099802号公報
特許文献1に開示される硬化性物質は、特徴的な構造を有する水溶性多官能アクリルアミド化合物であり、水溶性と光硬化性を両立するものである。また、特許文献2では、特許文献1に記載の構造を有する多官能モノマーに、単官能のアクリルアミド系モノマーを組み合わせたインク組成物が報告されている。これは、硬化性物質として、単官能のアクリルアミド系モノマーを組み合わせることにより、特許文献1に記載の構造における硬化膜が硬くもろくなるという課題に対して適度な柔軟性を付与し、優れた硬化膜特性を示すものである。しかしながら、硬化性物質を硬化する前は水溶性を有するため、耐水性の課題が残っている。
本発明者らの検討によれば、硬化性物質として水溶性の高いアクリルアミド系モノマーを用いた場合、硬化膜特性と耐水性の両立に課題があることが明らかとなった。即ち、特許文献1に記載の硬化性物質は4官能の構造を有するため、架橋密度が高くなりすぎて得られる硬化膜が硬くもろくなる。それを改善するために特許文献2に記載の単官能モノマーを組み合わせた場合、低分子で親水性の高い水溶性単官能モノマーを使用することにより、水溶性と良好な硬化膜特性を示す。しかしながら、架橋密度が低下することに加え、親水性が高いことにより耐水性が劣ることが明らかとなった。
一方、特許文献3には、構造中に水素結合性のアミド結合を有するアクリルエステル単官能モノマーを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が、アミド結合の分子内相互作用により、単官能化合物でありながら高い硬化膜特性を示すこと記載されている。しかし、特許文献3に記載の発明は、該組成物を、水を含まない非水系のインクに適用するものである。これを水系のインクに適用する場合、特許文献4に記載のようにアクリル酸エステルの加水分解によって、インクの安定性に課題が生じてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、水性インク材料として使用した場合に、高い水溶液特性及び硬化膜特性を示す活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供することである。また、本発明の目的は、該活性エネルギー線硬化型液体組成物を用いた、高品位な画像の形成に資する記録方法及び記録装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能な活性エネルギー線硬化型液体組成物であって、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含む活性エネルギー線硬化型液体組成物が提供される;
Figure 2022181182000001
(一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
また、本発明の一態様によれば、記録媒体上に、活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、を有する記録方法であって、前記活性エネルギー線硬化型液体組成物は、水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能であり、該硬化性物質が、上記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含む記録方法が提供される。
また、本発明の一態様によれば、記録媒体上に、活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与装置と、前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置と、を有する記録装置であって、前記活性エネルギー線硬化型液体組成物は、水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能であり、該硬化性物質が、上記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含む記録装置が提供される。
本発明の一態様によれば、水性インク材料として使用した場合に、高い水溶液特性及び硬化膜特性を示す活性エネルギー線硬化型液体組成物を得ることができる。また、本発明の一態様によれば、該活性エネルギー線硬化型液体組成物を用いた、高品位な画像の形成に資する記録方法及び記録装置を得ることができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの構成を示す模式図である。
<活性エネルギー線硬化型液体組成物>
以下、本発明に係る活性エネルギー線硬化型液体組成物(以下、単に「液体組成物」とも称する)について詳細に説明する。
本発明に係る液体組成物は、水と下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含む硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能な液体組成物である。該液体組成物は、さらに、活性エネルギー線重合開始剤や、色材等のその他の成分を含んでいてもよい。
Figure 2022181182000002
(一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
(1)硬化性物質
硬化性物質としては、上記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含むものであれば、特に限定なく用いることができる。上記一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーは、(メタ)アクリルアミド系単官能の硬化性物質である。なお、本明細書において、「(メタ)アクリルアミド」は、「メタクリルアミド」または「アクリルアミド」を示す。
具体的に、一般式(1)で表される構造を有する重合性基は、N-置換(メタ)アクリルアミド基またはN,N-二置換(メタ)アクリルアミド基を表す。
一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示す。該飽和炭化水素基としては、炭素数1~10の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、炭素数1~10の直鎖または分岐のアルキル基等が挙げられる。飽和炭化水素基であるR1が、R2と結合して脂肪族複素環を形成しない場合、該飽和炭化水素基は、炭素数1~8の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4の直鎖または分岐のアルキル基であることがより好ましい。また、R1がR2と結合して脂肪族複素環を形成しない場合、水溶液特性(重合性モノマーを含む水溶液の保存安定性)及び硬化膜特性の観点から、R1は水素原子またはメチル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示す。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。また、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基としては、具体的に、エーテル結合(-O-)、カルボニル結合(-C(=O)-)、スルホン結合(-SO-)、スルホンアミド結合(-SO-NH-)を含む飽和炭化水素基が挙げられる。なお、該カルボニル結合によって、R2が有するアミド結合が形成されていてもよい。
該飽和炭化水素基としては、炭素数1~20の飽和炭化水素基が挙げられる。具体的には、炭素数1~20の直鎖または分岐のアルキル基等が挙げられ、炭素数4~15の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、炭素数5~10の直鎖または分岐のアルキル基がより好ましい。なお、該飽和炭化水素基は、炭素数3~10、好ましくは炭素数5~6のシクロアルキル基を有していてもよい。その場合、該シクロアルキル基の炭素数を含めた該飽和炭化水素基の炭素数が1~20の範囲内である。また、該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つまたは複数がヘテロ原子と置き換わることにより、前記アミド結合、または前記ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基(脂肪族複素環)を構成していてもよい。すなわち、該飽和炭化水素基は、脂肪族複素環を有していてもよい。具体的には、下記表1に示す硬化性物質9、10、14及び15の構造等がこれに該当する。これらの硬化性物質は、炭素数6のシクロへキシル基を有する飽和炭化水素基において、該シクロへキシル基を構成する炭素原子の1つまたは2つが、窒素原子または酸素原子と置き換わった構造を有している。そして、該窒素原子は隣り合うカルボニル基と共にアミド結合を構成し、該酸素原子はエーテル結合を構成している。該シクロアルキル基を構成する炭素原子の1つまたは複数が前記ヘテロ原子と置き換わって形成される脂肪族複素環としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロリドン等の5員環、またはピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリドン等の6員環が好ましい。これらの中でも、該脂肪族複素環は6員環であることがより好ましい。
R3は、水素原子またはメチル基を示す。反応性の観点から、R3は水素原子であることが好ましい。
一般式(1)において、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよい。R1及びR2が(メタ)アクリルアミド基の窒素原子と共に形成する脂肪族複素環としては、ピロリジン、イミダゾリジン、ピロリドン等の5員環またはピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリドン等の6員環が挙げられる。これらの中でも、該脂肪族複素環は6員環であることが好ましい。
また、前記一般式(1)において、R1で示される飽和炭化水素基とR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は、5以上である。該炭素原子の総数は、モノマーの水溶性、硬化性及び硬化膜の耐水性の観点から、5~20であることが好ましく、5~15であることがより好ましい。また、例えば下記硬化性物質1のように、R1が水素原子であり、R2が末端に水酸基を有する直鎖のアルキル基である場合は、該炭素原子の総数は5~9であることが好ましい。なお、該炭素原子の総数は、飽和炭化水素基の炭素原子の総数であるため、R2が有するアミド結合や、R2が含んでいてもよいカルボニル結合を構成する炭素原子は、該炭素原子の総数に含まれない。一方で、R2で示される飽和炭化水素基が有していてもよいシクロアルキル基や脂肪族複素環を構成する(不飽和結合を有さない)炭素原子は、該炭素原子の総数に含まれる。
一般式(1)において、R1とR2が脂肪族複素環を形成していない場合、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数は、モノマーの水溶性、硬化性及び硬化膜の耐水性の観点から、5~8であることが好ましい。なお、「(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数」とは、より詳細には、R1及びR2で示される飽和炭化水素基のうち、(メタ)アクリルアミド構造に「直接」結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数を意味する。すなわち、例えば下記硬化性物質5の場合は、R2が有するアミド結合及び該アミド結合よりも紙面右側の飽和炭化水素基の炭素原子は含まれず、前記炭素原子の総数は「5」となる。
また、一般式(1)において、R1とR2が脂肪族複素環を形成している場合、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数は、モノマーの水溶性、硬化性及び硬化膜の耐水性の観点から、4~10であることが好ましい。
一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーの添加量は、特に限定されない。ただし、該添加量は、インクの吐出性能の観点から、液体組成物の総量に対して、50質量%以下であることが好ましい。前記添加量は、30質量%以下であることがより好ましく、画像の光沢均一性の観点から20質量%以下であることが特に好ましい。前記単官能の重合性モノマーの添加量が50質量%以下であれば、得られた画像の光沢均一性の悪化を抑制することができる。なお、一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーの添加量は、液体組成物の総量に対して、例えば、2質量%以上、好ましくは5質量%以上とすることができる。
本発明に係る硬化性物質は、前記一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーを2種以上含有していてもよい。また、硬化性物質として、前記一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーと、それ以外の公知の硬化性物質とを併用することも可能である。公知の硬化性物質として、具体的には、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルピロリドン、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、オリゴエチレンオキシドのモノアクリル酸エステル、及び2塩基酸のモノアクリル酸エステル等を挙げることができる。また、硬化膜特性の観点から、前記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーと共に用いる硬化性物質として、多官能の重合性モノマーを用いることが好ましい。公知の硬化性物質の市販品としては、FOM-03008(水溶性2官能アクリルアミド)、FOM-03007(水溶性3官能アクリルアミド)、FOM-03006(水溶性4官能アクリルアミド)、及びFOM-03009(水溶性4官能アクリルアミド)(いずれも商品名、富士フイルム和光純薬社製)等の多官能の重合性モノマーを挙げることができる。
組み合わせて使用する公知の硬化性物質の含有量は、特に限定されない。ただし、本発明に係る重合性モノマーに対する該公知の硬化性物質の含有量が多すぎる場合には、本発明の効果が低下する場合がある。そのため、公知の硬化性物質を組み合わせて用いる場合、液体組成物に含まれる重合性モノマー(硬化性物質)の総量に対する、前記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーの割合が10質量%~90質量%であることが好ましい。該割合は、20質量%~90質量%であることがより好ましい。なお、硬化性物質として、一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーと公知の硬化性物質を組み合わせる場合、これら硬化性物質の合計が、前述した範囲、すなわち液体組成物の総量に対して50質量%以下となるように配合することが好ましい。より好ましい範囲等についても同様である。
本発明の一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーの合成方法は、特に限定されるものではない。例えば、公知の方法により、アミン化合物に、(メタ)アクリル酸クロリド、無水(メタ)アクリル酸などを縮合させることによって得られる。
一般式(1)で表される構造を有する重合性モノマーの具体的な構造を以下の表1に示すが、該重合性モノマーはこれらの構造に限られるものではない。
Figure 2022181182000003
(2)活性エネルギー線重合開始剤(以下、「重合開始剤」と略する)
重合開始剤としては、活性エネルギー線の授受により、硬化性物質が重合を開始する活性種を生成し得るものであれば、特に限定なく用いることができる。ただし、前記硬化性物質においては、ラジカルの生成によって著しく硬化反応が進行するため、活性エネルギー線の授受によりラジカルを生成する重合開始剤が好ましい。
重合開始剤は、本発明に係る液体組成物を、水性インクとして使用する場合には、硬化性を最大限に発揮するためにも水溶性基を有することが好ましい。水溶性基としては、具体的に、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、リン酸塩基、エーテル基、アミド基等が挙げられる。また、アニオン性基を有する色材と併用する場合には、加水分解を抑制するために、エステル基以外の有機基を有することが必要となる。重合開始剤の具体例としては、以下の化合物A~Cが挙げられるが、重合開始剤はこれらに限定されるものではない。
Figure 2022181182000004
また、本発明においては、上記重合開始剤と増感剤を組み合わせて用いたり、2種類以上の重合開始剤を組み合わせて用いたりすることもできる。2種類以上の重合開始剤を組み合わせて用いることで、1種類の重合開始剤では有効に利用できない波長の活性エネルギー線を利用して、さらなるラジカルの発生を期待することができる。なお、前記重合開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いて液体組成物を硬化する電子線硬化法を採用する場合には、必ずしも用いる必要はない。
重合開始剤の含有量は、液体組成物の総量に対して、0.01質量%~20質量%の範囲が好ましく、0.01質量%~10質量%の範囲がより好ましく、0.01質量%~5質量%の範囲がさらに好ましい。重合開始剤の含有量が20質量%以下であれば、未反応の重合開始剤が硬化膜中に残存することに起因する硬化膜の強度の低下を抑制することができる。
(3)溶媒
本発明に係る液体組成物は、溶媒として少なくとも水を含み、必要に応じて、さらに有機溶剤を含んでもよい。水としては、特に限定されないが、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。水の含有量は、用途や様式により異なるため一概には言えないが、液体組成物の総量に対して10質量%以上が好ましい。特に該液体組成物をインクジェット記録方式に用いる水性インクとして適用する場合には、水の含有量は、該液体組成物の総量に対して30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。なお、水の含有量は、該液体組成物の総量に対して、例えば、90質量%以下とすることができる。
有機溶剤は、インクに特に水分の不揮発性を付与すること、インクの粘度や表面張力を調整すること、記録媒体への濡れ性を付与すること等の目的で添加される。有機溶媒を添加する場合、有機溶媒の添加量は、液体組成物の総量に対して0.1質量%~40質量%とすることができる。以下に、本発明に用いることのできる有機溶剤を列挙する。本発明の液体組成物においては、これらの中から任意に選択したものを添加することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等の1価のアルコール;グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール等の多価アルコール;2-ピロリドン等のアミド等。
また、本発明において、硬化性物質は溶媒中に完全に溶解させずに、公知の分散技術を適宜用いて乳化分散し、エマルジョンとして用いてもよい。同様に、様々なカプセル化技術を用いることもできる。
(4)その他の成分
また、本発明に係る液体組成物は色材を含んでいてもよい。色材を含む場合、本発明に係る液体組成物は、ある種のインクとして利用することができる。色材を含む場合、色材の含有量は、液体組成物の総量に対して、0.3質量%~15質量%であることが好ましい。以下、色材を含む場合の構成と用いる色材について述べる。
本発明の液体組成物は、色材を含有するインクに応用することで、活性エネルギー線等の照射によって硬化する、着色された活性エネルギー線硬化型インクとして利用することができる。この場合に用いる色材としては、顔料を水性媒体に均一に分散した顔料分散体が好ましい。顔料分散体としては、水性グラビアインク、水性の筆記具用の顔料分散液や、従来知られているインクジェット用インクに用いられる顔料分散体等を全て好適に用いることができる。これらの中でも、アニオン性基により水性媒体中に顔料が安定に分散した顔料分散体は極めて好適である。
アニオン性基により水性媒体中に顔料が安定に分散した顔料分散体としては、特開平8-143802号公報、特開平8-209048号公報、特開平10-140065号公報、米国特許第5,837,045号明細書及び米国特許第5,851,280号明細書に開示されている。本発明の液体組成物においては、上記したような種々の顔料分散体をその色材として用いることができる。
また、用いる顔料としては、カーボンブラックや有機顔料等が挙げられる。カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。もちろんこれら以外にも、従来公知のカーボンブラックを用いることができる。また、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を顔料として用いてもよい。
有機顔料としては、例えば以下のものを用いることができる。
トルイジンレッド、ハンザイエロー等のアゾ顔料。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ等のイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。
以下に、使用可能な有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、55、74、83、86、93、97、98、109、110、117、120、125、128、137、138、139等。C.I.ピグメントイエロー:147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185等。C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、202、209、215、216、217等。又、C.I.ピグメントレッド:220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。C.I.ピグメントグリーン:7、36等。C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。
もちろんこれら以外にも、従来公知の各種有機顔料を用いることができる。
なお、上記各種顔料を用いる場合には、分散剤を併用してもよい。分散剤は、顔料を水性媒体に安定に分散することができるものであれば特に限定されないが、例えばブロックポリマー、ランダムポリマー、グラフトポリマー等を用いることができる。一例として下記のものが挙げられる。
スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体、またはこれらの塩等。ベンジルメタクリレート-メタクリル酸共重合体、またはこれらの塩等。
また、上記各種顔料を用いる場合には、顔料粒子の表面にイオン性基を結合させることにより、分散剤を用いることなく顔料粒子を媒体に分散することができる、所謂自己分散型顔料を用いることもできる。
本発明の液体組成物は、色材として、各種染料を用いることもできる。以下に使用可能な染料を、カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示す。
C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71等。C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、87、98、100、130、132、142等。C.I.アシッドレッド1、6、8、32、35、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、254、256、289、315、317等。C.I.ダイレクトレッド1、4、13、17、23、28、31、62、79、81、83、89、227、240、242、243等。C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254等。C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、78、86、90、106、199等。C.I.ダイレクトブラック:7、19、51、154、174、195等。
本発明の液体組成物は、前記色材を含有することなく、言うなれば「透明インク」の形態として用いることもできる。この場合には、色材を含有しないため、実質的に無色透明の皮膜を得ることができる。このような「透明インク」の用途としては、以下のものが挙げられる。例えば、画像記録への種々の適性を記録媒体に付与するためのアンダーコート、または通常のインクで形成した画像の表面保護、さらには装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート等。この場合、本発明の液体組成物は、酸化防止や退色防止等の用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有することもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートの何れにおいても、記録物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上することができる。
さらに、本発明に係る液体組成物は、界面活性剤や硬化促進剤、架橋剤、水溶性助剤、粘度調整剤を含んでいてもよい。なお、上記界面活性剤等については、公知のものを適宜選択して用いることができる。
本発明の液体組成物を硬化するために用いる活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、X線等を挙げることができる。これらの中でも紫外線が好ましい。また、積算照射エネルギーは、例えば、20mJ/cm~20000mJ/cmとすることができる。なお、積算照射エネルギーは、液体組成物に含まれる成分、例えば色材の有無や種類等に応じて、適宜調整することができる。
<記録装置>
本発明に係る記録装置は、記録媒体上に、本発明に係る活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与装置と、前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置と、を少なくとも有する。インク付与装置としては、本発明に係る水性インクを記録媒体に付与できるいかなる記録方式のインク付与装置であってもよい。本発明に係る液体組成物は、特にインクジェット記録方式の記録装置に適用した場合に優れた効果をもたらすものである。すなわち、インク付与装置が、インクジェット記録方式でインクを吐出する記録ヘッドを備えることが好ましい。また、本発明の液体組成物は、液体収容部を有するカートリッジ(液体カートリッジ)に収容される液体としても、また該液体カートリッジの充填用液体としても非常に有効である。また、本発明に係る液体組成物は、柔軟なアミド結合、飽和炭化水素結合を含む構造を有する。そのため、PET、PC、PMMAなどの非吸収性媒体、オフセット印刷用光沢紙などの難吸収性媒体、PPC用紙などの吸収性媒体など様々な記録媒体への密着性に優れている。
インクジェット記録装置は、インクジェット記録方式でインクを吐出する記録ヘッドを備える。インクジェット記録方式としては、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化が容易に実現でき、高解像度及び高品質の画像を高速で記録し得る、熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式が好ましい。
熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式の記録ヘッドとしては、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を採用したものが好ましい。このような方式は、いわゆるオンデマンド型及びコンティニュアス型のいずれにも適用可能である。オンデマンド型の場合には、インクが保持されているシートや液路に対応して配置された電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することが好ましい。これにより、電気熱変換体に熱エネルギーを発生させ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応し、インク内に気泡を形成することができるので有効である。
気泡の成長及び収縮により吐出口からインクを吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡が成長収縮するので、特に応答性よくインクを吐出することができるために好ましい。パルス形状の駆動信号は、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、米国特許第4,313,124号明細書に記載されている、熱作用面の温度上昇率に関する条件を採用することが好ましい。
記録ヘッドの構成は、上述の各明細書に開示されているような、吐出口、液路、及び電気熱変換体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流路)が適している。その他に、米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書に開示された、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成も適している。さらに、特許第2962880号公報、特許第3246949号公報、及び特開平11-188870号公報に記載されている大気連通方式の吐出方式も有効である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する吐出口を電気熱変換体の吐出部とする構成(特開昭59-123670号公報など)も有効である。
インクジェット記録装置が記録し得る最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、以下のものを用いることができる。例えば、上述の明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。さらに、インクジェット記録装置に装着することで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドや、記録ヘッドに一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドも有効である。
記録ヘッドの回復手段や予備的な補助手段などを付加することも好ましい。具体的には、記録ヘッドのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱変換体、加熱素子、予備加熱手段、及び予備吐出モードなどを挙げることができる。
図1は、インクジェット記録装置の構成の一例を模式的に示す斜視図である。図1に示すインクジェット記録装置は、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録するシャトル方式を採用した記録装置である。キャリッジ100は、無端ベルト101に連結され、かつ、ガイドシャフト102に沿って移動可能となっている。無端ベルト101は、プーリ103及び104の間に架け渡されている。プーリ103には、モータ105の駆動軸が連結されている。このため、キャリッジ100は、モータ105の回転駆動により、ガイドシャフト102に沿って矢印Aの主走査方向に往復移動する。
キャリッジ100上には、複数のインク吐出ノズルが並設された記録ヘッド(不図示)と、インクを収納する容器としてのインクタンクITが搭載されている。主走査方向Aにおけるキャリッジ100の少なくとも一端に活性エネルギー線照射部20を備える。このため、記録媒体上にインクを付与した直後に、活性エネルギー線照射部20から記録面に活性エネルギー線を照射することが可能である。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、X線などを挙げることができる。これらの中でも紫外線が好ましい。この活性エネルギー線照射部20が、記録媒体上に付与されたインクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置である。なお、図1では、キャリッジ100の両端に活性エネルギー線照射部20を設けている。活性エネルギー線の照射は、同図に示すようにインク付与直後に行ってもよく、記録媒体にインク吸収性があれば、インク付与からある程度間隔をあけて行ってもよい。また、活性エネルギー線は、1回の照射に限定されず、多段階に照射してもよい。
記録ヘッドには、記録媒体としての用紙Pと対向する吐出口面に、用紙Pの搬送方向(矢印Bの副走査方向)に並ぶ複数のインク吐出口が形成されている。また、記録ヘッドには、複数のインク吐出口のそれぞれに連通するインク路が設けられている。それぞれのインク路に対応して、インクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気熱変換体が設けられている。
電気熱変換体は、駆動データに応じた電気パルスが印加されることによって熱を発生し、その熱によってインクに膜沸騰を生じさせ、気泡の生成に伴ってインク吐出口からインクを吐出させる。各インク路には、それらに共通する共通液室が連通しており、共通液室はインクタンクITに接続されている。
図1に示すインクジェット記録装置には、キャリッジ100の移動位置を検出するためのリニアエンコーダ106が設けられている。すなわち、キャリッジ100の移動方向に沿って設けられたリニアスケール107には、1インチ間に、例えば等間隔で1,200個のスリットが形成される。一方、キャリッジ100側には、例えば、発光部と受光センサを有するスリット検出系108及び信号処理回路が設けられている。したがって、リニアエンコーダ106からは、キャリッジ100の移動に応じて、インク吐出タイミングを示す吐出タイミング信号、及びキャリッジ100の移動位置の情報が出力される。リニアスケール107のスリットの検出毎にインクを吐出することにより、主走査方向に1,200dpiの解像度の画像を記録することができる。
記録媒体としての用紙Pは、キャリッジ100の操作方向と直交する矢印Bの副走査方向に間欠的に搬送される。用紙Pは、搬送方向上流側の一対のローラユニット109及び110と、搬送方向下流側の一対のローラユニット111及び112とにより支持される。そして、一定の張力が印加され、記録ヘッドに対する平面性が確保された状態で搬送される。ローラユニット111及び112に対する駆動力は、不図示の用紙搬送モータから供給される。
図1に示すインクジェット記録装置では、キャリッジ100を移動させつつ記録ヘッドの吐出口の配列幅に対応した幅の記録と、用紙Pの送りとを交互に繰り返すことで、用紙P全体に画像を記録することができる。キャリッジ100は、記録開始時または記録中に、必要に応じてホームポジションに停止する。このホームポジションには、各記録ヘッドの吐出面側をキャッピングするキャップ部材113が設けられている。このキャップ部材113には、吐出口から強制的にインクを吸収して、吐出口の目詰まりを防止するための吸引回復手段(不図示)が接続されている。
上述のシャトル方式の他に、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるライン方式がある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで、記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。このため、短尺ヘッドを走査するキャリッジなどの搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要となり、記録媒体のみが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化することができる。
<記録方法>
本発明に係る記録方法は、記録媒体上に、本発明に係る活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与工程と、前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、を少なくとも有する。インク付与工程は、本発明に係る水性インクを記録媒体に付与できるいかなる記録方式であってもよいが、特にインクジェット記録方式にて行うことが好ましい。
以上好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明したとおり、本発明によれば、水性インク材料として使用した場合に、優れた水溶液特性と硬化膜特性を有する活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供することができる。また、本発明によれば、インクジェット記録装置に適用した場合には、吐出方式に依存せず、優れた吐出性能を示し、さらに、高い長期保存安定性を示す活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供することができる。
以下、本発明に係る活性エネルギー線硬化型液体組成物のより具体的な実施例及びその比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の実施例で用いた硬化性物質は、上記表1に示す硬化性物質から選択した。比較例では、下記表2に示す硬化性物質(以下、「比較化合物」という)を用いた。なお、比較化合物1は、商品名:DAAM(ジアセトンアクリルアミド、KJケミカルズ社製)、比較化合物2は、商品名:HEAA(N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、KJケミカルズ社製)である。また、比較化合物3は、商品名:ACMO(アクリロイルモルフォリン、KJケミカルズ社製)である。比較化合物4及び5については、合成したものを用いた。比較化合物4及び5の合成方法については、後述する。
Figure 2022181182000005
(1)硬化性物質の合成
[合成例1:硬化性物質2、3、及び16、並びに、比較化合物4及び5の合成]
遮光下で、アクリル酸87.3g(1.21モル)をTHF484mlに加えた液体に、ヒドロキノン1000ppmと4-アミノ-3-メチル-1-ブタノール25g(0.242モル)を加え、30分間撹拌した。撹拌して得られた液体に、さらにDMT-MM(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルフォリニウムクロライド)を67g(0.242モル)加え、2時間撹拌することによって反応させた。反応後の液体をセライト濾過し、得られた濾液を400mLのTHFで洗浄した。洗浄された濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を分取し、重合禁止剤であるメトキシフェノール500ppmを加えて濃縮することにより、硬化性物質2を得た。
また、4-アミノ-3-メチル-1-ブタノールを6-アミノ-1-ヘキサノールに変更した以外は、硬化性物質2と同様の合成方法で、硬化性物質3を得た。
また、4-アミノ-3-メチル-1-ブタノールを8-アミノ-1-オクタノールに変更した以外は、硬化性物質2と同様の合成方法で、硬化性物質16を得た。
また、4-アミノ-3-メチル-1-ブタノールを3-アミノ-1-プロパノールに変更した以外は、硬化性物質2と同様の合成方法で、比較化合物4を得た。
また、4-アミノ-3-メチル-1-ブタノールを4-アミノ-1-ブタノールに変更した以外は、硬化性物質2と同様の合成方法で、比較化合物5を得た。
[合成例2:硬化性物質4の合成]
遮光下で、4-ピペリジンエタノール44g(0.341モル)をTHF440mlに加えた液体に、ヒドロキノン1000ppmと氷冷したアクリル酸35.1g(0.511モル)を加え、30分間撹拌した。撹拌して得られた液体に、さらにDMT-MMを94.4g(0.341モル)加え、3時間撹拌することによって反応させた。反応後の液体をセライト濾過し、得られた濾液を400mLのTHFで洗浄した。洗浄された濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を分取し、重合禁止剤であるメトキシフェノール500ppmを加えて濃縮することにより、硬化性物質4を得た。
[合成例3:硬化性物質5、8、12、及び13の合成]
4-アミノ-3-メチル-1-ブタノールを6-アミノヘキサン酸に変更した以外は、硬化性物質2と同様の合成方法で、硬化性物質1のOH基がCOOH基に変更された化合物を得た。この化合物を塩化メチレン700mlに35g(0.189モル)加えた液体に、ヒドロキノン1000ppmを加え、30分間撹拌した。撹拌して得られた液体に、さらにカルボジイミド系縮合剤WSC(Water Soluble Carbodiimide)である1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド36.2g(0.189モル)と、2-メトキシエチルアミン21.1g(0.282モル)を順次加え、1時間半撹拌することによって反応させた。反応後の液体にメタノールを加え、その後濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物を分取し、濃縮することにより、硬化性物質5を得た。
また、2-メトキシエチルアミンをN,N’-ジエチルアミンに変更した以外は、硬化性物質5と同様の合成方法で、硬化性物質8を得た。
また、2-メトキシエチルアミンを2-アミノ-1-プロパノールに変更した以外は、硬化性物質5と同様の合成方法で、硬化性物質12を得た。
また、2-メトキシエチルアミンを4-アミノ-2-メチル-1-ブタノールに変更した以外は、硬化性物質5と同様の合成方法で、硬化性物質13を得た。
(2)インクの調製
[実施例1~8、比較例1~5]
下記表3-1及び3-2に示す各硬化性物質を用いて、実施例1~8及び比較例1~5に係る活性エネルギー線硬化型液体組成物からなるインク1~8及びC1~C5を以下の組成で調製した。以下に示す各成分中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル社製のノニオン性界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)の商品名である。
(インクの組成)
・硬化性物質 :20質量%
・活性エネルギー線重合開始剤(前記化合物A):2質量%
・界面活性剤(アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル社製)):1質量%
・イオン交換水 :77質量%
(3)インク(液体組成物)の水溶性の特性評価(重合性モノマーを含む水溶液の保存安定性)
得られたインク1~8及びC1~C5を1時間放置し、放置後のインク中において溶解されていない重合性モノマーの有無を目視により観察することによって、重合性モノマーを含む水溶液(水性インク)の保存安定性を評価した。その結果、インク1~8及びC1~C5のいずれにおいても、重合性モノマーがインクに溶解されており、重合性モノマーがインクから分離されていないことが確認された。
(4)バーコートを用いた硬化膜の形成
得られたインク1~8及びC1~C5を、PETフィルム(商品名:易接着白PET、帝人社製)に、バーコートで10g/m塗布し、塗膜を形成した。続いて、ウシオ電機社製UV-LED照射装置(商品名:L60II、波長395nm)を用いて、1,000mJ/cmの積算照射エネルギーで塗膜を照射して、硬化膜を形成した。
(5)硬化膜の特性評価(耐擦過性)
硬化膜を形成してから3時間後に、形成した各硬化膜について、JIS K 5600-5-4:1999(引っかき硬度(鉛筆法))に準じて鉛筆硬度試験を行った。圧痕以外の傷や剥がれの程度を目視で観察し、以下の評価基準で耐擦過性の評価を行った。評価結果を表3-1及び3-2に示す。なお、表中、鉛筆硬度について、「4B」は、Dランクではあるが4Bでは剥がれが生じないレベルを意味し、「5B以下」は、4Bでも剥がれが生じることを意味する。
A:鉛筆硬度2Hでも、傷や剥がれが見られなかった。
B:鉛筆硬度H以下では、傷や剥がれが見られなかった。
C:鉛筆硬度HB以下では、傷、剥がれが見られなかった。
D:鉛筆硬度2B以下でも、傷や剥がれが見られた。
Figure 2022181182000006
Figure 2022181182000007
[実施例9~17]
(1)インク9の調製
顔料(C.I.ピグメントレッド122)、及び分散剤(スチレン/アクリル酸/エチルアクリレートのランダムコポリマー、重量平均分子量=3,500、酸価=150mgKOH/g)を混合した後、ビーズミルにて分散処理した。これにより、顔料固形分10質量%、顔料:分散剤(質量比率)=3:1であるマゼンタ顔料分散体を得た。次いで、以下に示す各成分を混合して十分撹拌した後、混合物をポアサイズ0.5μmのフィルタで加圧濾過し、インク9(マゼンタインク)を得た。得られたマゼンタインクのpHは9であった。なお、以下に示す成分中、「FOM-03008」は、富士フイルム和光純薬社製の硬化性物質(水溶性2官能アクリルアミド)の商品名である。
(インク9の組成)
・マゼンタ顔料分散体 :40質量%
・硬化性物質13 :17質量%
・重合性モノマー(FAM-03008(商品名、富士フイルム和光純薬社製)):3質量%
・活性エネルギー線重合開始剤(前記化合物A):3質量%
・界面活性剤(アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル社製)):1質量%
・イオン交換水 :36質量%
(2)インクジェット記録装置を用いた硬化膜の形成(画像の記録)
実施例1~8において調製したインク1~8及び上記マゼンタインク9を、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与して吐出するオンデマンド型インクジェット記録装置(商品名:Pro-10、キヤノン社製)に搭載した。そして、この記録装置の記録ヘッドに隣接する部分に、UV-LED照射装置(商品名:M30、ウシオ電機社製、波長395nm)を搭載した。具体的には、図2に示すように、記録ヘッド10のインクカートリッジ装着位置50における装着位置(10)(GYカートリッジ装着位置)に隣接する箇所に、UV-LED照射装置30として上記装置を搭載した。片方向1パスの描画条件における活性エネルギー線の積算照射エネルギーは、2,000mJ/cmであった。このインクジェット記録装置では、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.8ngのインクを8滴付与する条件で記録した画像の記録デューティが100%であると定義する。このインクジェット記録装置を用いて、PETフィルム(商品名:易接着白PET、帝人社製)に、以下の(3)に示すように画像を記録し、各特性評価を行った。
(3)画像の特性評価
[吐出特性の評価]
(基本吐出性)
インク1~8及びマゼンタインク9、並びに上記インクジェット記録装置を用いて、吸引回復を行い、1分間放置した後、1200dpi、100%dutyベタ画像を1pass印字した。印字後の紫外線照射は行わなかった。印字されたベタ画像の状態を目視で観察し、以下の評価基準に基づき、インクの基本吐出性を評価した。評価結果を表4に示す。
A:均一なベタ画像が形成され、画像のかすれは見られなかった。
C:画像の書き出し部にかすれが見られた(不吐)。
(保存安定性)
基本吐出性の評価において、吸引回復後3日間放置した以外は基本吐出性評価と同様の方法及び評価基準で、インクの保存安定性を評価した。評価結果を表4に示す。
[硬化膜特性の評価]
(耐擦過性)
インク1~8及びマゼンタインク9、並びに上記インクジェット記録装置を用いて、PETフィルム(商品名:易接着白PET、帝人社製)に100%ベタの画像を形成した。そして、上記(2)で述べた画像の記録における照射条件と同様の照射条件(積算照射エネルギー:2,000mJ/cm)で、記録と平行する形で紫外線を照射し、硬化膜(画像)を得た。硬化膜形成の3時間後に、JIS K 5600-5-4:1999(引っかき硬度(鉛筆法))に準じて鉛筆硬度試験を行った。圧痕以外の傷や剥がれの程度を目視で観察し、以下の評価基準でインクの耐擦過性を評価した。評価結果を表4に示す。
A:鉛筆硬度2Hでも、傷や剥がれが見られなかった。
B:鉛筆硬度H以下では、傷や剥がれが見られなかった。
C:鉛筆硬度HB以下では、傷や剥がれが見られなかった。
D:鉛筆硬度2B以下で、傷や剥がれが見られた。
(耐水性)
調製したインク1~8及びマゼンタインク9、並びに上記インクジェット記録装置を用いて、PETフィルム(商品名:易接着白PET、帝人社製)に100%ベタの画像を形成した。そして、上記(2)で述べた画像の記録における照射条件と同様の照射条件で、記録と平行する形で紫外線を照射し、硬化膜(画像)を得た。硬化膜形成の1日後に、前記記録媒体上の画像に0.2mlのイオン交換水を滴下し、1分後に該画像上にシルボン紙を載せ、記録面に40g/cmの荷重をかけた状態でシルボン紙を引っ張った。そして、擦れによって記録媒体の画像部の剥がれが生ずるか否かを目視で観察した。さらに、非記録部(白地部)及びシルボン紙に、画像部の擦れによって汚れが生じるか否かを目視で観察し、以下の評価基準で、インクの耐水性を評価した。評価結果を表4に示す。
A:擦れによる画像部の剥がれが塗工膜の面積中3%未満であり、汚れが全く見られない領域がシルボン紙の面積中90%以上であった。
C:擦れによる画像部の剥がれが塗工膜の面積中3%以上であるか、または、汚れが全く見られない領域がシルボン紙の面積中90%未満であった。
Figure 2022181182000008
[実施例18~20]
(1)インクの調製
C.I.ピグメントレッド122に代えて、C.I.ピグメントイエロー13を顔料として用いたこと以外は、マゼンタインク9と同様に、イエロー顔料分散体を得た。得られたイエロー顔料分散体の顔料固形分は10質量%、顔料:分散剤(質量比率)=3:1、平均粒子径は130nmであった。また、C.I.ピグメントレッド122に代えて、C.I.ピグメントレブルー15:3を顔料として用いた以外は、マゼンタインク9と同様に、シアン顔料分散体を得た。得られたシアン顔料分散体の顔料固形分は10質量%、顔料:分散剤(質量比率)=3:1、平均粒子径は125nmであった。
そして、マゼンタ顔料分散体に代えて、イエロー顔料分散体及びシアン顔料分散体をそれぞれ用いた以外は、マゼンタインク9と同様にして、インク10(イエローインク)及びインク11(シアンインク)を調製した。
(2)画像の特性評価
調製したイエローインク10、シアンインク11及びマゼンタインク9を用いて実施例9と同様に特性評価を行った。ただし、「硬化膜特性」の評価においては、PETフィルムに代えて、オフセット記録用紙(商品名:OK金藤、三菱製紙社製)を用いた。結果を表5に示す。なお、マゼンタインク9及びシアンインク11を1:1で組み合わせて2色のインクセットを構成し、該インクセットを用いて同様の評価を行った結果、実施例18~20に示す結果と同様の結果が得られた。
Figure 2022181182000009
なお、本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能な活性エネルギー線硬化型液体組成物であって、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型液体組成物;
Figure 2022181182000010
(一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
(構成2)前記一般式(1)において、前記R1と前記R2が前記脂肪族複素環を形成していない場合、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数が5~8である、構成1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成3)前記一般式(1)において、前記R1が飽和炭化水素基であり、前記R1と前記R2が結合して、5員環または6員環の脂肪族複素環を形成している、構成1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成4)前記一般式(1)において、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数が4~10である、構成3に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成5)前記一般式(1)において、前記R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数が5~20である、構成1~4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成6)さらに多官能の重合性モノマーを含有する、構成1~5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成7)前記活性エネルギー線硬化型液体組成物の総量に対する前記水の含有量が30質量%以上である、構成1~6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(構成8)前記活性エネルギー線硬化型液体組成物に含まれる重合性モノマーの総量に対する、前記単官能の重合性モノマーの割合が10質量%~90質量%である、構成6または7に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
(方法1)記録媒体上に、構成1~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与工程と、
前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、
を有する記録方法。
(方法2)前記インク付与工程がインクジェット記録方式にて行われる、方法1に記載の記録方法。
(構成9)記録媒体上に、構成1~8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与装置と、
前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置と、
を有する記録装置。
(構成10)前記インク付与装置がインクジェット記録方式でインクを吐出する記録ヘッドを備える、構成9に記載の記録装置。
10 記録ヘッド
20 活性エネルギー線照射部
IT インクタンク

Claims (12)

  1. 水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能な活性エネルギー線硬化型液体組成物であって、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含むことを特徴とする活性エネルギー線硬化型液体組成物;
    Figure 2022181182000011
    (一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
  2. 前記一般式(1)において、前記R1と前記R2が前記脂肪族複素環を形成していない場合、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数が5~8である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  3. 前記一般式(1)において、前記R1が飽和炭化水素基であり、前記R1と前記R2が結合して、5員環または6員環の脂肪族複素環を形成している、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  4. 前記一般式(1)において、(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に直接結合している飽和炭化水素基の炭素原子の総数が4~10である、請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  5. 前記一般式(1)において、前記R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数が5~20である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  6. さらに多官能の重合性モノマーを含有する、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  7. 前記活性エネルギー線硬化型液体組成物の総量に対する前記水の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  8. 前記活性エネルギー線硬化型液体組成物に含まれる重合性モノマーの総量に対する、前記単官能の重合性モノマーの割合が10質量%~90質量%である、請求項6に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  9. 記録媒体上に、活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射工程と、
    を有する記録方法であって、
    前記活性エネルギー線硬化型液体組成物は、水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能であり、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含むことを特徴とする記録方法;
    Figure 2022181182000012
    (一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
  10. 前記インク付与工程がインクジェット記録方式にて行われる、請求項9に記載の記録方法。
  11. 記録媒体上に、活性エネルギー線硬化型液体組成物を含む水性インクを付与するインク付与装置と、
    前記記録媒体上に付与された水性インクに対して活性エネルギー線を照射する活性エネルギー線照射装置と、
    を有する記録装置であって、
    前記活性エネルギー線硬化型液体組成物は、水と硬化性物質とを含有し、活性エネルギー線で硬化可能であり、該硬化性物質が、下記一般式(1)で表される構造を有する単官能の重合性モノマーを含むことを特徴とする記録装置;
    Figure 2022181182000013
    (一般式(1)において、R1は、水素原子または飽和炭化水素基を示し、R2は、水酸基及びアミド結合の少なくとも1つを有する、ヘテロ原子を含んでいてもよい飽和炭化水素基を示し、R3は、水素原子またはメチル基を示し、R1が飽和炭化水素基である場合は、R1とR2が結合して、それらが置換している窒素原子と共に脂肪族複素環を形成していてもよく、R1及びR2で示される飽和炭化水素基の炭素原子の総数は5以上である。)。
  12. 前記インク付与装置がインクジェット記録方式でインクを吐出する記録ヘッドを備える、請求項11に記載の記録装置。
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