JP2022180156A - 悪臭物処理袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】防臭性を向上させることが可能な悪臭物処理袋を提供すること。【解決手段】悪臭物処理袋(1)は、内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にしたものである。フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を有し、袋の最外層を構成する外側層(21)と、エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)を有する中間層(22)と、ポリオレフィン系樹脂および消臭剤を有し、袋の最内層を構成する内側層(23)とを含む。【選択図】図4

Description

この発明は、悪臭物処理袋に関し、特に、内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にした悪臭物処理袋に関する。
従来から、たとえば乳幼児、老人、ペットなどに使用したおむつや紙パンツを取り換えた場合、ビニール袋に入れたり、新聞紙で包んでゴミ箱に廃棄したり、おむつ処理機に投入して廃棄している。
たとえば、国際公開WO2014/185482号公報(特許文献1)には、バリア樹脂(EVOH)からなる中間層の両面に、接着性樹脂層を介して、ポリエチレンからなる外層および内層が設けられた悪臭物封止袋が開示されている。
一方、特開2006-123530号公報(特許文献2)には、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成される層の両面に、接着剤層を介してポリオレフィン系樹脂で形成される層を積層した多層フィルムが開示されている。
国際公開WO2014/185482号公報 特開2006-123530号公報
汚物臭などの悪臭は不快であるとともに、外出先などでは、使用後のおむつ等を袋に入れて、バッグ等に入れる場合もあるため、更なる防臭性の向上が求められる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、防臭性を向上させることが可能な悪臭物処理袋を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明の一態様に係る悪臭物処理袋は、内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にした悪臭物処理袋において、フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含み、当該袋の最外層を構成する外側層と、エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)を含む中間層と、ポリオレフィン系樹脂および消臭剤を含み、当該袋の最内層を構成する内側層とを備える。
好ましくは、消臭剤の成分は、アンモニア用消臭剤、硫化水素用消臭剤、およびインドール用消臭剤から選ばれる少なくとも1種である。
好ましくは、内側層に含まれる消臭剤の含有量は、フィルム全体に対して重量比で1.0%以上に設定されている。
好ましくは、内側層の厚さは、外側層の厚さおよび中間層の厚さよりも大きい。
好ましくは、内側層の厚さは、9μm以上15μm以下である。
好ましくは、外側層および内側層のポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)から選ばれる少なくとも1種である。
好ましくは、中間層の厚さは、2.0μm以上3.0μm以下である。
好ましくは、外側層と中間層とを接着する第1接着層と、中間層と内側層とを接着する第2接着層とをさらに備える。
好ましくは、第1接着層および第2接着層の厚さは、1.0μm以上2.5μm以下である。
好ましくは、外側層および内側層のポリオレフィン系樹脂は、メタロセンポリエチレン樹脂(MLLDPE)および特殊ポリエチレン樹脂(SPPE)から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の他の態様に係る悪臭物処理袋は、内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にした悪臭物処理袋において、フィルムは、袋の最外層を構成する外側層と、袋の最内層を構成する内側層とを少なくとも備える複数層であり、内側層は、消臭剤を含む。
本発明によれば、防臭性を向上させることが可能な悪臭物処理袋を提供することができる。
本発明の実施形態に係る悪臭物処理袋を示す正面図である。 図1のII線から見た横断面図である。 図1のIII線から見た縦断面図である。 図3の底部を拡大して示す図である。 フィルムを拡大して悪臭の吸収の流れを示す模式断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(悪臭物処理袋について)
図1~図5を参照しながら、本実施の形態に係る悪臭物処理袋1の一例を説明する。図1および図3において、矢印A1で示す縦方向は上下方向であり、図1および図2において、矢印A2で示す幅方向は左右方向である。
本実施の形態の悪臭物処理袋1は、防臭性を有し、内部に悪臭物を収容可能なものである。悪臭物としては、たとえば使用後のおむつ、ペットの排泄物、嘔吐物、生ごみ、その他、人が不快と感じる臭いを発する物などが挙げられる。悪臭物処理袋1は、上述した悪臭物を内部に入れた状態で縛ることができる。具体的には、悪臭物処理袋1の開口を閉じて細長い状態にして輪っかを作り、その輪っかに袋の先端を通して縛る、いわゆるひとつ結びなどで結ぶことができる。なお、以下の説明において、悪臭物処理袋1を単に「袋」という。
図1に示すように、袋1は、フィルムで形成され、フィルムの一部を溶着して袋状にしたものである。袋1は、たとえば、全体として平面視矩形形状である。悪臭物処理袋1は、上方が開口し、下方の底部が溶着されている。具体的には、袋1は、表フィルム部10と裏フィルム部11とを含み、その底部において表フィルム部10と裏フィルム部11の内面同士が溶着部13で互いに溶着されている。溶着部13は、たとえばヒートシール、熱シールなどにより形成される。さらに、図2に示すように、表フィルム部10と裏フィルム部11の幅方向両端部には、ガゼット部12が形成されている。ガゼット部12を広げることで、袋に幅方向のマチを形成することで、内容量を拡大することができる。
本実施の形態の悪臭物処理袋1は、たとえばボトムシール袋であり、筒状のチューブの袋を袋の長さにカットし、その底部を溶着したものである。なお、悪臭物処理袋1は、ボトムシール袋に限定されず、たとえば二方袋、三方袋、合掌袋、サイドシール袋などであってもよく、溶着により袋状に形成されるものであれば、その袋の種類は限定されない。
次に、図4および図5を参照して、フィルムの素材について説明する。図4は、図3の溶着部13近傍を拡大して示す断面図である。図5は、フィルムにおける悪臭の吸収の流れを示す模式断面図であり、紙面上の上方が袋1の外側、紙面上の下方が袋1の内側(内部)であり、袋1の内部に悪臭物が入っている状態を示している。
フィルムは、同一の素材で形成され、3つのフィルムの層と2つの接着剤の層で形成される5層フィルムである。フィルムは、袋1の最外層を構成する外側層21と、袋1の最内層を構成する内側層23と、外側層21と内側層23の間に設けられる中間層22とを含む。外側層21と中間層22とは、第1接着層24で接着されてもよい。内側層23と中間層22とは、第2接着層25に接着されてもよい。
外側層21は、たとえばポリオレフィン系樹脂を有する。このような材料としては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられ、より具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレン(MLLDPE)、特殊ポリエチレン(SPPE)などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂を単独で、または複数組み合わせて用いることができる。
本実施の形態では、外側層21は、LDPEとLLDPEとを組み合わせて使用することが好ましい。LDPEは、ソフト感があり、フィルム製品を作るのに適した素材であるが、強度が弱い。LLDPEは、ソフト感がないが、強度が高く良好な靭性を有するため、破れにくい。そのため、LDPEとLLDPEとを組み合わせて使用することで、ソフト感と強度を兼ね備える。さらに、ソフト感を有することで、開口を縛る場合に異音(パリパリ音)が出にくくなるため、外出先での人の目を気にすることがない。
さらに、外側層21は、LDPEおよびLLDPEに加えて、MLLDPEおよびSPPEを組み合わせて使用することが好ましい。MLLDPEを組み合わせることで、フィルムの引張力を向上させることが可能となる。SPPEは、臭い遮断力を特に高めることができる特別に生成されたPEであるため、SPPEを組み合わせることで、消臭効果を向上させることが可能となる。このように、LDPEおよびLLDPEに加えて、MLLDPEおよびSPPEを組み合わせて使用することで、強度と消臭効果とを向上させることが可能となる。
外側層21には、着色剤がさらに含まれることが好ましい。具体的には、着色剤は、プラスチック用接着剤である。悪臭物処理袋1内には、悪臭物が収容されるため、収容物が外から見えないようにすることが好ましいためである。なお、着色剤は、外側層21に加えて内側層23に含まれていてもよいし、外側層21または内側層23のいずれかに含まれていてもよい。なお、外側層21には、消臭剤を含有させない方が好ましい。
図5に示すように、外側層21の厚さD1は、5μm以上7μm以下であり、好ましくは5.5μm以上6.5μm以下である。5μm以上7μm以下、または、5.5μm以上6.5μm以下にすることで、適度な強度を保持することができるとともに、ソフト感を有することができる。
中間層22は、たとえばエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)を有する。EVOHは、酸素透過度が低くガスバリア性に優れている。中間層22には、防臭性向上のために、EVOH以外の成分が含有されていないことが好ましい。
図5に示すように、中間層22の厚さD2は、2.0μm以上3.5μm以下であり、好ましくは2.0μm以上3.0μm以下である。2.0μm以上3.5μm以下、または、2.0μm以上3.0μm以下にすることで、コストを抑えるとともに、ガスバリア性を向上させることができる。
内側層23は、たとえばポリオレフィン系樹脂および消臭剤を有する。ポレオレフィン系樹脂の材料としては、上述した外側層21に用いた材料と同じ材料を用いることができる。すなわち、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられ、より具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレン(MLLDPE)、特殊ポリエチレン(SPPE)などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂を単独で、または複数組み合わせて用いることができる。
本実施の形態では、外側層21と同様、内側層23は、LDPEとLLDPEとを組み合わせて使用することが好ましい。さらに、内側層23は、LDPEおよびLLDPEに加えて、MLLDPEおよびSPPEを組み合わせて使用することが好ましい。さらに、内側層23にも、着色剤がさらに含まれることが好ましい。
内側層23には、消臭剤をさらに含む。内側層23は、悪臭物に直接対面する部分であるため、内側層23で悪臭物の悪臭を吸収することができる。また、溶着部13から漏れる可能性がある悪臭も内側層23の消臭剤で吸収することができる。そのため、内側層23に消臭剤が含有されることで、溶着部13から外側に漏れる悪臭を大幅に軽減することが可能となる。
本実施の形態の消臭剤は、悪臭の原因となる物質を化学反応させて無臭の成分にすることで、臭気を除去するものをいう。消臭剤が対象とする悪臭成分の具体例は、たとえばアンモニア、硫化水素、インドール、スカトールなどである。したがって、消臭剤は、アンモニア用消臭剤、硫化水素用消臭剤、およびインドール用消臭剤などから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの消臭剤は、1種単独でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、消臭剤には、細菌の増殖を防ぐための抗菌剤が含有されていてもよい。
本実施の形態の消臭剤は、たとえば袋状のフィルムに特化した成型法であるインフレーション成型などに用いられる粉末状のものであり、他のフィルムの材料に混ぜ合わせられる原料であることが好ましい。このような消臭剤としては、出願時において一般的に市場で販売されているものを用いることができる。
内側層23に含まれる消臭剤の含有量は、フィルム全体に対して重量比で1%以上であり、好ましくは2.5%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。1%以上であると、内側層23で悪臭をある程度消臭することができ、2.5%以上であると、悪臭を内側層23で消臭することができ、3%以上であると、悪臭を内側層23で十分に消臭することができる。なお、消臭剤の量は、多い方が悪臭を消臭することが可能となるが、消臭剤はコストがかかるため、含有量をあまり多くすることは好ましくない。
図5に示すように、内側層23の厚さD3は、外側層21の厚さよりも大きい。つまり、内側層23の厚さは、フィルムを構成する5つの層のうち、最も厚みが大きい。これにより、悪臭物の悪臭または湿気が中間層22に到達するまでの時間を遅くできる。また、溶着部13の強度が弱いと、溶着部13が破れたり、裂けてしまうおそれがある。そのため、溶着部13の強度を考慮しても、内側層23の厚さを外側層21の厚さよりも厚く設定することが好ましい。さらに、溶着部13で溶着して、フィルムの厚みが全体として薄くなったとしても、他の層と比較して内側層23の厚さを維持することができるため、防臭性を長時間維持することができる。
具体的には、内側層23の厚さは、8μm以上12μm以下であり、好ましくは9μm以上10μm以下である。8μm以上12μm以下、または、9μm以上10μm以下にすることで、防臭性を向上させることができるとともに、コストを抑えることができる。
内側層23は、離型剤が含まれていてもよい。離型剤は、粉末状であることが好ましい。離型剤を内側層23に混ぜ合わせることで、静電気で内側層23同士がくっつくことを防止することができ、使用状態を向上することができる。
第1,2接着層24,25は、同一の成分であることが好ましい。第1,2接着層24,25の成分は、たとえば変性ポリオレフィンなどである。中間層22のEVOHと、外側層21および内側層23のポリエチレン(PE)は成分の関係上、それ自体では接着することができない。そのため、上述した接着剤を用いて、第1,2接着層24,25を形成して接着する必要がある。
図5に示すように、第1接着層24の厚さD4および第2接着層25の厚さD5は、1.0μm以上2.0μm以下であることが好ましい。1.0μm以上2.0μm以下であることで、外側層21、中間層22、および内側層23を位置ずれなく保持することができるとともに、接着剤の量を抑えることができる。
引き続き図4および図5を参照して、袋1の臭いの吸収の流れについて説明する。図5の矢印は、悪臭物が発する臭い(悪臭)の流れを示す。
特に図5を参照して、袋1の溶着部13以外での悪臭の吸収の流れについて説明する。袋1の内部に悪臭物を収容すると、悪臭は、内側層23を通過し、第2接着層25を通過して、中間層22に到達する。具体的には、悪臭は、内側層23の消臭剤に吸収された後、その消臭剤で消臭されなかった悪臭だけが中間層22のEVOHに到達し、防臭される。これにより、内側層23および中間層22の2層で防臭することが可能となるため、防臭性を向上させることが可能となる。
特に図4を参照して、袋1の溶着部13における悪臭の吸収の流れについて説明する。袋1の底部において、内側から外側(紙面上の上方から下方)に向かって出ていく悪臭は、内側層23の消臭剤で吸収される。これにより、溶着部13から臭いが漏れないようにすることができ、防臭性を向上させることが可能となる。なお、内側層23の消臭剤で吸収されなかった悪臭は、中間層22のEVOHで吸収される。これにより、溶着部13以外の部分と同様に、内側層23および中間層22の2層で防臭することが可能となるため、溶着部13でも防臭性を向上させることが可能となる。
本発明者は、鋭意研究の結果、フィルムの一部を溶着した袋1は、溶着部13から悪臭が漏れ出る可能性があるということを始めて見出した。具体的には、溶着部13は、内側層23同士が当接し、対向する部分であるが、この内側層23は、防臭成分であるEVOHを含まないため、悪臭が漏れる可能性がある。そのため、発明者は、溶着部13から悪臭が漏れ出ることを防止するために、内側層23に消臭剤を含有させることを始めて見出した。内側層23に消臭剤を含有させることで、溶着部13から漏れ出る可能性のある悪臭を内側層23の消臭剤で消臭することができるため、袋1全体の防臭性を向上させることが可能となる。
本実施の形態の袋1は、消耗品であり、悪臭物を収容した後には廃棄するだけであるため、なるべくコストを抑えたい。一方で、消臭剤は、袋1の原料の中で最も高価であるため、消臭剤の含有量を抑えたいが、消臭性は向上させたい。そのため、コストと防臭性を向上させる観点から、消臭剤の含有量が最も重要となる。消臭剤の含有量を2.5%以上5%にすることで、消臭性を向上させるとともに、コストを最低限に抑えることが可能となる。
また、本実施の形態の袋1はフィルムの底部を溶着部13で溶着して袋状にしたものであるため、溶着部13の強度が弱いと、溶着部13が破れたり、裂けてしまうおそれがある。強度のある成分で形成された内側層23および外側層21の厚さを中間層22の厚さより大きくすることで、溶着部13の強度を高くすることができる。さらに、内側層23の厚さを外側層21の厚さより大きくすることで、悪臭が中間層22のEVOHに到達するまでの時間を遅くすることができるため、防臭性を長時間持続することができる。
(発明の経緯について)
本実施の形態に係る袋1を発明した経緯について説明する。
発明者は、防臭性が良好なおむつ処理袋を製造したいと考えた。一般的に、EVOHは、ガスバリア性に優れており、おむつ処理袋のフィルムに用いられていることが知られている。まず、発明者は、防臭性を向上させるために、消臭剤を用いることについて検討を行った。
表1には、5層構造のフィルムの比較例1,2について開示されている。表1の左の表には、外側層、中間層、内側層、第1接着層、および第2接着層の厚みが記載されており、右の表には、外側層および内側層への消臭剤の含有量が示されている。
Figure 2022180156000002
(比較例1)
比較例1に係るフィルムは、外側層および内側層がLDPEおよびLLDPEであり、中間層がEVOHであり、第1,2接着層が変性ポリオレフィンであった。各層の厚みは表1の左の表に示す通りである。表1の右の表に示すように内側層だけに少量の消臭剤が含有されていた。消臭剤としては、アンモニア用消臭剤、硫化水素用消臭剤、およびインドール用消臭剤の3種を混合したものと、抗菌剤とで構成されたものを用いた。内側層に含まれる消臭剤の含有量は、フィルム全体に対して重量比で0%より大きく1%未満であった。
(比較例2)
比較例2に係るフィルムの成分は、消臭剤を除いて、比較例1と同様であった。各層の厚みは、表1の左の表に示す通りである。外側層および内側層のいずれにも消臭剤が含有されていなかった。
Figure 2022180156000003
(実験方法)
比較例1,2のフィルムを用いて200mm×320mmの袋を製造した。袋の内部に、できるだけ水を切ったキムチ30gを入れて、しっかりと袋の口をひとつ結びで結んだ。別に準備したタッパの中に、キムチを入れた袋を保管した。3人の専門のパネラーにより「無臭」「少し臭う」「臭う」「大変臭う」の4段階で評価を行った。具体的には、専門のパネラーが臭いをかぐときには、タッパから試験対象物を取り出し、袋の3cmまで鼻を近づけた。
(評価結果)
表2には、比較例1,2のモニター結果が示されている。表2の「●」は、1人のパネラーの判断結果を示している。たとえば、比較例1のモニター結果は、0分後は3人が「無臭」であると判断し、1時間後は2人が「無臭」であると判断し、1人が「少し臭う」と判断していることを示している。
内側層だけに少量の消臭剤が含有されている比較例1は、1日後に「臭う」と評価されているのに対し、消臭剤が含有されていない比較例2は、6時間後および1日後に「臭う」と評価されている。この結果により、消臭剤を用いた比較例1の方が、消臭剤を用いていない比較例2よりも防臭性が向上していることが分かった。
上記実験により、消臭剤をフィルムに含有させれば、消臭効果が向上することが分かった。しかし、消臭剤は高価なため、使用量を極力抑えたい。そこで、発明者は、消臭剤の含有量と、消臭剤をどの層に含有させるかについて鋭意研究を重ねた。
Figure 2022180156000004
Figure 2022180156000005
(実施例1~6)
実施例1~6に係るフィルムは、外側層および内側層がLDPE、LLDPE、MLLDPE、SPPE、および緑色の着色剤が含有されていた。中間層はEVOHであり、第1,2接着層は変性ポリオレフィンであった。各層の厚みは表3に示す通りであった。消臭剤としては、アンモニア用消臭剤、硫化水素用消臭剤、およびインドール用消臭剤の3種を混合したものと、抗菌剤とで構成されたものを用いた。
表4には、外側層または内側層のフィルム全体に対する重量%濃度が示されている。表4に示すように、実施例1~3の外側層には、消臭剤が一切含有されていなかった。特に、実施例1,2では、内側層に含まれる消臭剤の含有量が4%であり、実施例3では、内側層の消臭剤の含有量が3%であった。実施例4~6の外側層および内側層のいずれにも、消臭剤が含有されていた。具体的な消臭剤の含有量は、表4に示す通りであった。
Figure 2022180156000006
(実験方法)
実施例1~6のフィルムを用いて200mm×320mmの袋を製造した。袋の内部に、できるだけ水を切ったキムチ30gを入れて、しっかりと袋の口をひとつ結びで結んだ。別に準備したタッパの中に、キムチを入れた袋を保管した。複数の専門のパネラーにより6段階の6点法で評価を行った。具体的には、「無臭」は0点、「やっと感知できるにおい」は1点、「何のにおいであるか分かる弱い臭い」は2点、「楽に感知できるにおい」は3点、「強いにおい」は4点、「強烈なにおい」は5点として、複数人で評価を行い、その平均点で評価を行った。具体的に専門のパネラーが臭いをかぐときには、タッパから試験物を取り出し、袋の3cmまで鼻を近づけた。パネラーの判断で、端数での得点もありとした。
(評価結果)
表5には、実施例1~6のモニター結果が示されている。モニター結果の数値は、上述したパネラーの評価結果を集計して、平均を記載したものである。数値が大きいほど、臭いが漏れていることを示している。上述のように、2点は、何のにおいであるか分かる弱い臭いという評価であるため、3日後に2点以下であれば製品として成立すると判断した。
表5に示すように、実施例1~6のすべては、3日後でも2点未満であるため、製品として成立することが分かった。また、実施例5と実施例6を比較すると、表4に示すように、実施例5は、消臭剤が内側層および外側層にいずれも1%含有されているのに対し、実施例6は、消臭剤が内側層に1%、外側層に2%含有されている。表5に示すように、実施例5は、すべての時間で実施例6よりも評価結果が悪いことが分かった。これらの結果から、内側層の消臭剤の含有量を増加させると、袋の防臭性を向上できることが分かった。
また、実施例1,2と実施例4とを比較すると、表4に示すように、実施例1,2は消臭剤が内側層に4%含有されているのに対し、実施例4は消臭剤が内側層に4%に加えて外側層に2%含有されている。それにも関わらず、表5に示すように、実施例1,2と実施例4の評価結果はあまり変わらない。消臭剤は、内側層と外側層のどちらにも含有させるよりも、内側層だけに含有させる方が、消臭性の観点だけでなくコストの観点からも好ましいことが分かった。
上述のように、表4の実施例5の試験結果から、少なくとも内側層に1%以上の消臭剤を含有させることが好ましいことが分かった。さらに、実施例1~3の試験結果から、内側層だけに消臭剤を含有させる場合には、消臭剤は2.5%以上、好ましくは3%以上にする方が袋の防臭性を向上できることが分かった。
なお、上記実施の形態では、外側層、中間層、および内側層の3層が設けられていたが、少なくとも外側層および内側層の2層が設けられ、内側層に消臭剤が含まれていればよいし、3層以上設けられていてもよい。また、それら複数層は2つの第1接着層および第2接着層で接着されていたが、たとえば、複数層の素材が接着しやすい成分で形成されている場合などは、接着材で接着されていなくてもよい。
また、上記実施の形態では、外側層および内側層がポリオレフィン系樹脂、中間層がEVOHであるとしたが、その成分は限定されない。また、中間層にはEVOHしか含有されていないとしたが、EVOH以外の他の成分が含まれていてもよく、たとえばポリエチレンなどが含まれていてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 悪臭物処理袋(袋)、10 表フィルム部、11 裏フィルム部、12 ガゼット部、13 溶着部、21 外側層、22 中間層、23 内側層、24 第1接着層、25 第2接着層。

Claims (11)

  1. 内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にした悪臭物処理袋において、
    前記フィルムは、
    ポリオレフィン系樹脂を含み、当該袋の最外層を構成する外側層と、
    エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)を含む中間層と、
    ポリオレフィン系樹脂および消臭剤を含み、当該袋の最内層を構成する内側層とを備える、悪臭物処理袋。
  2. 前記消臭剤は、アンモニア用消臭剤、硫化水素用消臭剤、およびインドール用消臭剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の悪臭物処理袋。
  3. 前記内側層に含まれる前記消臭剤の含有量は、前記フィルム全体に対して重量比で1.0%以上に設定されている、請求項1または2に記載の悪臭物処理袋。
  4. 前記内側層の厚さは、前記外側層の厚さおよび前記中間層の厚さよりも大きい、請求項1~3のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  5. 前記内側層の厚さは、9μm以上15μm以下である、請求項1~4のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  6. 前記外側層および前記内側層のポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  7. 前記中間層の厚さは、2.0μm以上3.0μm以下である、請求項1~6のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  8. 前記外側層と前記中間層とを接着する第1接着層と、前記中間層と前記内側層とを接着する第2接着層とをさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  9. 前記第1接着層および前記第2接着層の厚さは、1.0μm以上2.5μm以下である、請求項8に記載の悪臭物処理袋。
  10. 前記外側層および前記内側層のポリオレフィン系樹脂は、メタロセンポリエチレン樹脂(MLLDPE)および特殊ポリエチレン樹脂(SPPE)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~9のいずれかに記載の悪臭物処理袋。
  11. 内部に悪臭物を収容可能であり、フィルムの一部を溶着して袋状にした悪臭物処理袋において、
    前記フィルムは、当該袋の最外層を構成する外側層と、当該袋の最内層を構成する内側層とを少なくとも備える複数層であり、
    前記内側層は、消臭剤を含む、悪臭物処理袋。
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