JP2022180091A - 圧縮係数計算装置およびレーダ装置 - Google Patents

圧縮係数計算装置およびレーダ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】送信側の電力増幅器の歪み成分を補償することでサイドローブレベルを低減させる。【解決手段】送信信号増幅器25から出力される増幅処理後の送信信号に基づくモニタ信号の逆行列と増幅処理前の送信信号におけるパルス圧縮結果とを用いて前記モニタ信号をパルス圧縮したときに前記パルス圧縮結果になるパルス圧縮係数を計算して、受信信号のパルス圧縮処理を行うパルス圧縮部44へと前記パルス圧縮係数を供給する。【選択図】図1

Description

この発明は、圧縮係数計算装置およびレーダ装置に関し、特に、パルス圧縮処理を行うレーダ装置に適用して好適な技術に関する。
固体化レーダ装置の1つとしてパルス圧縮レーダ装置が知られている(特許文献1参照)。パルス圧縮技術が用いられることにより、尖頭電力が小さい固体化送信機においても遠探知距離や高分解能を実現することが可能となる。
再公表特許WO2016/125400号公報
ところで、パルス圧縮処理ではサイドローブが生じ、それがレンジ方向に現れることによって物標の誤検出が起こる、という問題がある。送信信号(そして、送信信号を基に作成されるパルス圧縮係数)と受信信号との相関が低くなると、サイドローブレベルが高くなる。この要因として、送信側の電力増幅器による歪みが挙げられる。すなわち、送信側の電力増幅器によって送信波形が歪んだ状態で空中線から放射/送信されることにより、受信した際に送信信号(パルス圧縮係数)と受信信号との相関が低くなり、サイドローブレベルが高くなる。
そこでこの発明は、送信側の電力増幅器の歪み成分を補償することでサイドローブレベルを低減させることが可能な、圧縮係数計算装置およびレーダ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明に係る圧縮係数計算装置は、送信信号増幅器から出力される増幅処理後の送信信号に基づくモニタ信号の逆行列と増幅処理前の前記送信信号におけるパルス圧縮結果とを用いて前記モニタ信号をパルス圧縮したときに前記パルス圧縮結果になるパルス圧縮係数を計算して、受信信号のパルス圧縮処理を行うパルス圧縮部へと前記パルス圧縮係数を供給する、ことを特徴とする。
この発明に係る圧縮係数計算装置は、前記モニタ信号の逆行列をMon-1とするとともに前記パルス圧縮結果を表す行列をComp_iとして、前記パルス圧縮係数の行列Coef_dを Coef_d = Mon-1・Comp_i によって計算する、ようにしてもよい。
この発明に係るレーダ装置は、上記のような圧縮係数計算装置を備える、ことを特徴とする。
この発明に係る圧縮係数計算装置によれば、送信信号増幅器から出力される増幅処理後の送信信号に基づくモニタ信号と増幅処理前の送信信号におけるパルス圧縮結果とを利用してパルス圧縮係数を計算するようにしているので、送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器)の歪み成分を補償することができ、サイドローブレベルを低減させることが可能となり、延いてはレンジサイドローブを改善して(言い換えると、レンジサイドローブの影響を排除して)例えばレーダの性能を向上させることが可能となる。
この発明に係る圧縮係数計算装置によれば、また、経年劣化などによって送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器)の歪み特性が変化した場合においても、歪み補償圧縮係数の更新・供給のみにより、すなわち送受信を停止することなく、送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器)の歪み成分を補償してサイドローブレベルを低減させることができるので、保守作業を必要とすることなく(つまり、例えばレーダ装置の運用状態を維持したままで)歪み成分を補償してサイドローブレベルを継続的に低減させることが可能となる。
この発明に係るレーダ装置によれば、パルス圧縮処理を行うレーダ装置において上記の作用効果を奏することが可能となる。
この発明の実施の形態に係る圧縮係数計算装置を含む実施の形態におけるレーダ装置の信号処理の仕組みの概略構成を示す機能ブロック図である。 図1のレーダ装置の信号処理の仕組みにおける処理手順を示すフロー図である。 図1の圧縮係数計算装置の処理体系を説明する図であり、図4乃至図8の相互関係を説明する図である。 送信波形(即ち、理想的な受信波形)の例を示す図である。 図4の送信波形(即ち、理想的な受信波形)におけるパルス圧縮結果(即ち、理想パルス圧縮結果)を示す図である。 増幅処理による歪み成分を含む受信波形(即ち、増幅出力モニタ信号)の例を示す図である。 図5の理想パルス圧縮結果と図6の増幅出力モニタ信号とに基づいて計算される歪み成分を補償するパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を示す図である。 図7の歪み成分を補償するパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を用いた場合のパルス圧縮結果と歪み成分を補償しないパルス圧縮係数を用いた場合のパルス圧縮結果との比較を示す図である。 送信パルスのパルス長ごとの、増幅処理による歪み成分を含む受信波形(即ち、増幅出力モニタ信号)の例を示す図である。(A)はパルス長が32μ秒の例である。(B)はパルス長が64μ秒の例である。(C)はパルス長が128μ秒の例である。 図9の増幅出力モニタ信号についての歪み成分を補償するパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を示す図である。(A)はパルス長が32μ秒の例である。(B)はパルス長が64μ秒の例である。(C)はパルス長が128μ秒の例である。 図10の歪み成分を補償するパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を用いた場合のパルス圧縮結果と歪み成分を補償しないパルス圧縮係数を用いた場合のパルス圧縮結果との比較を示す図である。(A)はパルス長が32μ秒の例である。(B)はパルス長が64μ秒の例である。(C)はパルス長が128μ秒の例である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。なお、以下では、この発明の特徴的な構成について説明し、レーダ装置としての従来と同様の仕組みについては概略を説明するに留めたり説明を省略したりする。また、各図では、複素信号を構成する実部(I信号;別言すると、同相成分(In-phase component),I信号成分)を伝送する信号線と虚部(Q信号;別言すると、直交成分(Quadrature component),Q信号成分)を伝送する信号線とをまとめて1本の信号線で表示している。
図1は、この発明の実施の形態に係る圧縮係数計算装置3を含む実施の形態におけるレーダ装置の信号処理の仕組み1の概略構成を示す機能ブロック図である。実施の形態におけるレーダ装置の信号処理の仕組み1は、送信信号処理部2と、圧縮係数計算装置3を含む受信信号処理部4と、サーキュレータ5と、空中線6と、を有するとともに、送信信号処理部2,圧縮係数計算装置3,および受信信号処理部4と協働する機序として数値制御発振器7と局部発振器8とを有する。
レーダ装置の信号処理の仕組み1は、パルス状電波(別言すると、パルス信号)を放射/送信した後に物標からの反射波(物標信号などとも呼ばれる)を捕捉/受信する種々のレーダ装置に組み込まれ得る。レーダ装置の信号処理の仕組み1が組み込まれるレーダ装置としては、具体的には例えば気象レーダ装置や港湾監視レーダ装置が挙げられる。
数値制御発振器7は、所定の発振器周波数fおよび初期位相φ0に従って、正弦波sin(f,φ0)の信号および余弦波cos(f,φ0)の信号を生成して出力する。
局部発振器8は、所定の局部周波数を有するローカル信号を生成して出力する。
(送信信号処理部)
送信信号処理部2は、送信信号を生成して空中線6へと送出するための仕組みであり、送信種信号発生器21,複素乗算器22,D/A変換器23,送信側ミキサ24,および送信信号増幅器25を有する。
送信種信号発生器21は、所定の時間間隔(別言すると、所定の送信周期)で、送信種信号(具体的には、パルス信号/パルス波形の、複素数形態の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号;尚、デジタル信号である)を生成して出力する。
複素乗算器22は、送信種信号発生器21から出力される送信種信号の入力を受けるとともに数値制御発振器7から出力される正弦波sin(f,φ0)の信号や余弦波cos(f,φ0)の信号の入力を受け、前記送信種信号の同相成分であるI信号と前記正弦波sin(f,φ0)の信号とを用いてミキシングを行い、また、前記送信種信号の直交成分であるQ信号と前記余弦波cos(f,φ0)の信号とを用いてミキシングを行い、ミキシング処理後の送信種信号を出力する。
D/A変換器23(Digital to Analog converter)は、複素乗算器22から出力されるミキシング処理後の送信種信号(尚、デジタル信号である)の入力を受け、前記送信種信号をアナログ信号に変換して送信信号として出力する。
送信側ミキサ24は、D/A変換器23から出力される送信信号(尚、中間周波数(Intermediate Frequency:IF)である)の入力を受けるとともに局部発振器8から出力されるローカル信号の入力を受け、前記送信信号と前記ローカル信号とを混合することによって前記送信信号を高周波数(Radio Frequency:RF)へと周波数変換(即ち、中間周波数から高周波数へのアップコンバート)して出力する。
なお、局部発振器8と送信側ミキサ24との組み合わせが複数組設けられて、複数段の周波数変換処理が行われるようにしてもよい。
送信信号増幅器25は、具体的には電力増幅器によって構成され、送信側ミキサ24から出力される送信信号の入力を受け、前記送信信号を所定の信号レベルまで増幅して出力する。
サーキュレータ5は、送信信号処理部2(具体的には、送信信号増幅器25)から出力される増幅処理後の送信信号の入力を受けるとともに空中線6から出力される受信高周波信号の入力を受け、送信時における前記送信信号の送信信号処理部2(具体的には、送信信号増幅器25)から空中線6への伝送と、受信時における前記受信高周波信号の空中線6から受信信号処理部4への伝送と、の切り換えを行う。
空中線6は、サーキュレータ5から出力される送信信号の入力を受け、前記送信信号を(パルス状電波/パルス信号として)空間へと放射/送信するとともに、前記送信信号が物標で反射して戻ってくる反射波信号を捕捉/受信して受信高周波信号として出力する。
(受信信号処理部)
受信信号処理部4は、空中線6から出力される受信高周波信号を取り込んで前記受信高周波信号を周波数変換するとともにデジタル信号に変換して信号処理を行うための仕組みであり、受信側ミキサ41,A/D変換器42,直交検波器43,およびパルス圧縮部44を有する。
受信側ミキサ41は、サーキュレータ5から出力される受信高周波信号の入力を受けるとともに局部発振器8から出力されるローカル信号の入力を受け、前記受信高周波信号と前記ローカル信号とを混合することによって前記受信高周波信号を受信中間周波信号へと周波数変換(即ち、高周波数から中間周波数へのダウンコンバート)して出力する。
なお、送信信号処理部2と同様に、局部発振器8と受信側ミキサ41との組み合わせが複数組設けられて、複数段の周波数変換処理が行われるようにしてもよい。
A/D変換器42(Analog to Digital converter)は、受信側ミキサ41から出力される受信中間周波信号(尚、アナログ信号である)の入力を受け、前記受信中間周波信号をデジタル信号に変換して出力する。
直交検波器43は、A/D変換器42から出力されるデジタル変換された受信中間周波信号の入力を受けるとともに数値制御発振器7から出力される正弦波sin(f,φ0)の信号や余弦波cos(f,φ0)の信号の入力を受け、前記受信中間周波信号を直交検波して出力する。直交検波器43は、具体的には、受信中間周波信号と同位相のI信号および受信中間周波信号とπ/2だけ位相が異なるQ信号から構成される複素信号を生成して受信信号として出力する。
パルス圧縮部44は、具体的にはFIRフィルタを含んで構成され(FIR:Finite Impulse Response の略)、直交検波器43から出力される同相成分のI信号と直交成分のQ信号とから構成される複素信号である受信信号の入力を受けるとともに圧縮係数計算装置3の逆行列演算部36から出力される歪み補償圧縮係数の入力を受け、前記歪み補償圧縮係数を用いて前記受信信号のパルス圧縮処理(即ち、パルス幅の圧縮処理)を行い、パルス圧縮処理後のI信号およびQ信号を生成して出力する。
(圧縮係数計算装置)
実施の形態に係る圧縮係数計算装置3は、送信信号増幅器25から出力される増幅処理後の送信信号に基づくモニタ信号の逆行列と増幅処理前の送信信号におけるパルス圧縮結果とを用いて前記モニタ信号をパルス圧縮したときに前記パルス圧縮結果になるパルス圧縮係数を計算して、受信信号のパルス圧縮処理を行うパルス圧縮部44へと前記パルス圧縮係数を供給する、ようにしている。
圧縮係数計算装置3は、送信信号増幅器25の歪み特性に応じた歪み成分を補償してサイドローブレベルを低減させるための仕組みであり、補償用ミキサ31,A/D変換器32,直交検波器33,理想結果計算部34,理想結果記憶部35,および逆行列演算部36を有する。
なお、理想結果計算部34,理想結果記憶部35,および逆行列演算部36は、例えばDSP(Digital Signal Processor の略)が用いられて構成されるようにしてもよい。
補償用ミキサ31は、送信信号処理部2(具体的には、送信信号増幅器25)から出力される増幅処理後の送信信号(尚、高周波数である)の入力を受けるとともに局部発振器8から出力されるローカル信号の入力を受け、前記送信信号と前記ローカル信号とを混合することによって前記送信信号を中間周波信号へと周波数変換(即ち、高周波数から中間周波数へのダウンコンバート)して出力する。
なお、送信信号処理部2と同様に、局部発振器8と補償用ミキサ31との組み合わせが複数組設けられて、複数段の周波数変換処理が行われるようにしてもよい。
A/D変換器32は、補償用ミキサ31から出力される中間周波信号(尚、アナログ信号である)の入力を受け、前記中間周波信号をデジタル信号に変換して出力する。
直交検波器33は、A/D変換器32から出力されるデジタル変換された中間周波信号の入力を受けるとともに数値制御発振器7から出力される正弦波sin(f,φ0)の信号や余弦波cos(f,φ0)の信号の入力を受け、前記中間周波信号を直交検波して出力する。直交検波器33は、具体的には、中間周波信号と同位相のI信号および中間周波信号とπ/2だけ位相が異なるQ信号から構成される複素信号を生成して出力する。圧縮係数計算装置3の直交検波器33から出力される複素信号のことを「増幅出力モニタ信号」と呼ぶ。
直交検波器33から出力される増幅出力モニタ信号は、送信信号増幅器25による増幅処理によって歪んだ(言い換えると、送信信号増幅器25の歪み特性に応じた歪み成分を含む)送信波形/受信波形である。
理想結果計算部34は、送信信号増幅器25による増幅処理に伴う歪みが無い理想的な受信波形(受信信号)におけるパルス圧縮結果を計算して出力する。理想結果計算部34から出力されるパルス圧縮結果を「理想パルス圧縮結果」と呼ぶ。理想的な受信波形(受信信号)は、すなわち送信種信号発生器21から出力される送信種信号であり、つまり増幅処理前の送信信号である。
理想結果記憶部35は、具体的には種々のデータなどを記憶する機能を備える記憶領域として構成され、理想結果計算部34から出力される理想パルス圧縮結果の入力を受け、前記理想パルス圧縮結果を記憶する。
逆行列演算部36は、直交検波器33から出力される増幅出力モニタ信号の入力を受けるとともに理想結果記憶部35に記憶されている理想パルス圧縮結果を参照し、前記増幅出力モニタ信号(即ち、送信信号増幅器25による増幅処理によって歪んだ送信波形/受信波形)をパルス圧縮したときに前記理想パルス圧縮結果(即ち、増幅処理前であるために送信信号増幅器25による増幅処理に伴う歪みが無い送信波形/理想的な受信波形におけるパルス圧縮結果)になるようなバルス圧縮係数を逆行列演算によって計算して出力する。逆行列演算部36から出力されるパルス圧縮係数のことを「歪み補償圧縮係数」と呼ぶ。
ここで、パルス圧縮部44(具体的には、FIRフィルタ)によるパルス圧縮結果は下記の数式1に従って計算される。
(数1)Comp = Rx・Coef
ここに、Comp:パルス圧縮結果
Rx :受信信号
Coef:パルス圧縮係数
上記の数式1は、下記の数式2のように行列形式で表される。なお、下記の数式2において、ldは受信データ長を表し、lはフィルタタップ数を表す。
Figure 2022180091000002
そして、パルス圧縮係数Coefは、受信信号Rxの逆行列Rx-1を用いて下記の数式3のように計算できる。
(数3)Comp = Rx・Coef
Rx-1・Comp = Rx-1・Rx・Coef
Rx-1・Comp = Coef
したがって、パルス圧縮結果Compを理想パルス圧縮結果Comp_iとするとともに受信信号Rxを増幅出力モニタ信号Mon(逆行列:Mon-1)とすることにより、増幅出力モニタ信号(即ち、送信信号増幅器25による増幅処理によって歪んだ送信波形/受信波形)をパルス圧縮したときに理想パルス圧縮結果(即ち、増幅処理前であるために送信信号増幅器25による増幅処理に伴う歪みが無い送信波形/理想的な受信波形におけるパルス圧縮結果)になるようなバルス圧縮係数として、歪み補償圧縮係数Coef_dが、下記の数式4に従って求められる。
(数4)Coef_d = Mon-1・Comp_i
逆行列演算部36によって計算される歪み補償圧縮係数は、送信信号増幅器25による増幅処理によって歪んだ(言い換えると、送信信号増幅器25の歪み特性に応じた歪み成分を含む)送信波形/受信波形である増幅出力モニタ信号(図3,図6参照)に対して、理想的な受信波形(即ち、送信波形)についての理想パルス圧縮結果(即ち、増幅処理前であるために送信信号増幅器25による増幅処理に伴う歪みが無い送信波形/理想的な受信波形におけるパルス圧縮結果;図3,図4,図5参照)となるように逆算して求められるので、送信信号増幅器25の歪み特性に応じた歪み成分を補償するパルス圧縮係数となっている(図3,図7参照)。
このため、歪み補償圧縮係数を用いることにより、送信信号増幅器25による増幅処理によって歪んだ受信波形(受信信号)についても、歪み成分を補償した信号としてパルス圧縮が行われて、サイドローブレベルが改善される(図3,図8参照)。
図8に示す例では、歪み成分を補償する圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)が用いられることにより、歪み成分を補償しない圧縮係数が用いられる場合と比べて、25 dB 程度サイドローブレベルが低減する。なお、図4乃至図8について、増幅出力モニタ信号は実際の観測結果であり、パルス圧縮結果はシミュレーションによる計算結果である。また、図8は、歪み成分を補償する圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を用いた場合と歪み成分を補償しない圧縮係数を用いた場合との各々の最大値が0で正規化された結果を示している。
逆行列演算部36によって計算される歪み補償圧縮係数は、受信信号処理部4のパルス圧縮部44へと供給される。
パルス圧縮部44は、逆行列演算部36から出力される歪み補償圧縮係数を用いて、直交検波器43から出力される同相成分のI信号と直交成分のQ信号とから構成される複素信号である受信信号のパルス圧縮処理を行い、パルス圧縮処理後の信号を出力する。
なお、受信信号処理部4よりも後段の構成は、言い換えると、パルス圧縮部44から出力されるパルス圧縮処理後の信号の利用方法は、この発明において必須の構成や利用方法ではなく、また、様々な構成や利用方法があり得るので具体的な説明は省略するものの、例えば、圧縮係数計算装置3を含む信号処理の仕組み1が気象レーダ装置へと組み込まれて、受信信号処理部4(具体的には、パルス圧縮部44)から出力されるパルス圧縮処理後の信号に対して周知の所定の処理が施されて表示用信号が生成されて表示装置(図示していない)へと入力され、前記表示装置においてレーダ画像(別言すると、エコー画像)として表示されることが考えられる。
(動作)
次に、上記のような構成の圧縮係数計算装置3を含む実施の形態におけるレーダ装置の信号処理の仕組み1の処理手順について図2も参照しながら説明する。
送信種信号発生器21から出力される送信種信号(具体的には、パルス信号/パルス波形の、複素数形態の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号;尚、デジタル信号である)が複素乗算器22によってミキシングされるとともにD/A変換器23によってアナログ信号に変換されて送信信号として出力される(ステップS1)。
D/A変換器23から出力される送信信号が送信側ミキサ24によって中間周波数(IF)から高周波数(RF)へと周波数変換(即ち、アップコンバート)されて出力される(ステップS2)。
送信側ミキサ24から出力される送信信号が送信信号増幅器25によって増幅されて出力される(ステップS3)。この際、送信信号増幅器25による増幅処理によって送信信号が歪む。
送信信号増幅器25から出力される増幅処理後の送信信号(尚、高周波数である)が補償用ミキサ31によって中間周波数に周波数変換(即ち、ダウンコンバート)されたうえでA/D変換器32によってデジタル信号に変換されるとともに直交検波器33によって直交検波されて、複素信号(即ち、I信号およびQ信号)が増幅出力モニタ信号として逆行列演算部36へと供給される(ステップS4)。
逆行列演算部36により、増幅出力モニタ信号がパルス圧縮されたときに理想パルス圧縮結果になるようなパルス圧縮係数が計算されて歪み補償圧縮係数として出力される(ステップS5)。
逆行列演算部36から出力される歪み補償圧縮係数が用いられてパルス圧縮部44によって受信信号のパルス圧縮処理が行われる(ステップS6)。
なお、逆行列演算部36による歪み補償圧縮係数の計算および出力(言い換えると、歪み補償圧縮係数の更新)は、手動で行われるようにしてもよいし、自動で行われるようにしてもよい。
また、逆行列演算部36による歪み補償圧縮係数の計算および出力(言い換えると、歪み補償圧縮係数の更新)が行われる間隔は、特定の時間長さに限定されるものではなく、例えば経年劣化などによる送信信号増幅器25の歪み特性の変化に的確に対応する歪み補償圧縮係数が用いられて受信信号のパルス圧縮処理が適切に行われ得ることが考慮されるなどしたうえで、適当な時間長さに適宜設定される。また、例えば、グランドクラッタを意図的に受信した際のサイドローブレベルが増大している場合に歪み補償圧縮係数の計算および出力(言い換えると、歪み補償圧縮係数の更新)が行われるようにしてもよい。
実施の形態に係る圧縮係数計算装置3によれば、送信信号増幅器25から出力される増幅処理後の送信信号に基づく増幅出力モニタ信号と増幅処理前の送信信号におけるパルス圧縮結果(即ち、理想パルス圧縮結果)とを利用してパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を計算するようにしているので、送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器25)の歪み成分を補償することができ、サイドローブレベルを低減させることが可能となり、延いてはレンジサイドローブを改善して(言い換えると、レンジサイドローブの影響を排除して)例えばレーダの性能を向上させることが可能となる。
以下に、この発明に係る圧縮係数計算装置の作用効果の検証例として、送信パルスのパルス長が異なる条件下での圧縮係数計算装置の動作の検証例を図9乃至図11を用いて説明する。
図9乃至図11は、具体的には、送信種信号発生器21から出力される送信種信号(送信パルス)のパルス長が32μ秒,64μ秒,および128μ秒のそれぞれの場合の増幅出力モニタ信号(図9),歪み補償圧縮係数(図10),およびパルス圧縮結果(図11)を示す。なお、図9乃至図11について、増幅出力モニタ信号は実際の観測結果であり、パルス圧縮結果はシミュレーションによる計算結果である。また、図11は、歪み成分を補償するパルス圧縮係数(即ち、歪み補償圧縮係数)を用いた場合と歪み成分を補償しないパルス圧縮係数を用いた場合との各々の最大値が0で正規化された結果を示している。
図9乃至図11に示す結果から、送信パルスのパルス長がどのような条件であっても、増幅出力モニタ信号を利用して計算される歪み補償圧縮係数が用いられることにより、サイドローブレベルが低減することが確認される。
実施の形態に係る圧縮係数計算装置3によれば、また、経年劣化などによって送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器25)の歪み特性が変化した場合においても、歪み補償圧縮係数の更新・供給のみにより、すなわち送受信を停止することなく、送信側の電力増幅器(即ち、送信信号増幅器25)の歪み成分を補償してサイドローブレベルを低減させることができるので、保守作業を必要とすることなく(つまり、例えばレーダ装置の運用状態を維持したままで)歪み成分を補償してサイドローブレベルを継続的に低減させることが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
具体的には、上記の実施の形態では図1に概略構成を示すレーダ装置(例えば、気象レーダ装置)の信号処理の仕組み1にこの発明に係る圧縮係数計算装置3が組み込まれるようにしているが、この発明に係る圧縮係数計算装置が組み込まれ得る仕組みは図1に概略構成を示すレーダ装置の信号処理の仕組み1に限定されるものではなく、他の仕組みにこの発明に係る圧縮係数計算装置が組み込まれるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では理想結果計算部34によって計算された理想パルス圧縮結果が理想結果記憶部35に記憶されるようにしているが、理想パルス圧縮結果の与えられ方は上記の実施の形態における態様に限定されるものではなく、圧縮係数計算装置3の処理系外(さらに、レーダ装置の信号処理の仕組み1の処理系外)で計算された理想パルス圧縮結果が記憶媒体や通信機能などを介して取り込まれて理想結果記憶部35に記憶されるようにしてもよい。
1 レーダ装置の信号処理の仕組み
2 送信信号処理部
21 送信種信号発生器
22 複素乗算器
23 D/A変換器
24 送信側ミキサ
25 送信信号増幅器
3 圧縮係数計算装置
31 補償用ミキサ
32 A/D変換器
33 直交検波器
34 理想結果計算部
35 理想結果記憶部
36 逆行列演算部
4 受信信号処理部
41 受信側ミキサ
42 A/D変換器
43 直交検波器
44 パルス圧縮部
5 サーキュレータ
6 空中線
7 数値制御発振器
8 局部発振器

Claims (3)

  1. 送信信号増幅器から出力される増幅処理後の送信信号に基づくモニタ信号の逆行列と増幅処理前の前記送信信号におけるパルス圧縮結果とを用いて前記モニタ信号をパルス圧縮したときに前記パルス圧縮結果になるパルス圧縮係数を計算して、
    受信信号のパルス圧縮処理を行うパルス圧縮部へと前記パルス圧縮係数を供給する、
    ことを特徴とする圧縮係数計算装置。
  2. 前記モニタ信号の逆行列をMon-1とするとともに前記パルス圧縮結果を表す行列をComp_iとして、前記パルス圧縮係数の行列Coef_dを Coef_d = Mon-1・Comp_i によって計算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮係数計算装置。
  3. 請求項1または2に記載の圧縮係数計算装置を備える、
    ことを特徴とするレーダ装置。
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