JP2022179305A - イオン分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ESIイオン源におけるイオン化効率とイオン収集効率を改善し、分析スループットを向上させつつ分析感度を向上させる。【解決手段】本発明に係るイオン分析装置の一態様は、ESI法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、該イオン源(2)は、供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリー(211~218)と、複数本のキャピラリーで囲まれるように配置された1又は複数の補助電極(23、231~238)と、1又は複数の補助電極の電位を基準とする直流高電圧を複数本のキャピラリーに印加する電圧印加部(24)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、質量分析装置及びイオン移動度分析装置を含むイオン分析装置に関し、さらに詳しくは、エレクトロスプレーイオン化(ElectroSpray Ionization:ESI)法を利用したイオン源を備えるイオン分析装置に関する。
液体クロマトグラフ(LC)の検出器として質量分析装置を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置(以下、LC-MSという)では、大気圧の下で液体試料中の化合物をイオン化する大気圧イオン化法によるイオン源が用いられる。大気圧イオン化法の中で、最も代表的であるのはESI法である。以下、ESI法を用いたイオン源をESIイオン源という。
特許文献1等に開示されているように、ESIイオン源は、細径で導電性であるキャピラリーと、キャピラリーの周囲を囲むように該キャピラリーと同心円状に配置された円筒状のガス管と、を含む。キャピラリーに液体試料を供給するとともに該キャピラリーに直流高電圧を印加すると、キャピラリー先端付近に形成された電場によって液体試料に電荷が付与される。キャピラリーの外周とガス管内周との間の間隙から吹き出すネブライジンングガスの助けを受けて、液体試料はキャピラリー先端から帯電液滴として噴出する。この帯電液滴は周囲のガス分子に接触して微細化されるとともに、該液滴中の溶媒(液体クロマトグラフで使用される移動相を含む)は気化する。その過程で、帯電液滴に含まれる化合物分子はイオンとなって該液滴から飛び出す。このようにして、ESIイオン源では、液体試料に含まれる化合物をイオン化することができる。
また、イオン化効率を高めるために、ネブライジンングガスとは別に、加熱した不活性なガスを帯電液滴の噴霧流に吹き掛け、該帯電液滴の微細化及び溶媒の気化を促進する構成のESIイオン源も知られている。
特開2015-49077号公報 特開2012-58122号公報 米国特許出願公開2009/0230296号明細書 米国特許第8207496号明細書
近年、LC-MSでは、分析のスループットを向上させるために、液体クロマトグラフにおいてカラムへ供給する移動相の送液流量を増やす傾向にある。これに伴い、質量分析装置のイオン源に供給される液体試料の送液量も増加する。しかしながら、従来の一般的なESIイオン源は、必ずしもこうした送液量の増加に対応しておらず、送液量を増加するとイオン化効率が低下する等の問題が生じる場合がある。
液体試料の送液量の増加に対応し得るESIイオン源として、特許文献2-4に開示されているように、複数本のキャピラリーを束状に設け、試料供給管を通して供給された液体試料をその複数本のキャピラリーに分配する構造のものが知られている。こうしたイオン源では、1本のキャピラリーに供給される液体試料の量を少なくすることができる。しかしながら、こうした従来のESIイオン源では、確かに原理的には帯電液滴を微細化してイオン化効率の改善が可能であるものの、実際上、分析感度の向上に繋がりにくいという問題がある。
本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、液体試料の送液量を増やした場合であっても高いイオン化効率を確保して分析感度を改善することができるイオン分析装置を提供することである。
本発明に係るイオン分析装置の一態様は、エレクトロスプレーイオン化法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、該イオン源は、
供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
前記複数本のキャピラリーで囲まれるように配置された1又は複数の補助電極と、
前記1又は複数の補助電極の電位を基準とする直流高電圧を前記複数本のキャピラリーに印加する電圧印加部と、
を備える。
本発明に係るイオン分析装置の他の態様は、エレクトロスプレーイオン化法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、該イオン源は、
供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
前記複数本のキャピラリーを囲むように配置された1又は複数の補助電極と、
前記複数本のキャピラリーの電位を基準とする直流高電圧を前記1又は複数の補助電極に印加する電圧印加部と、
を備える。
本発明の上記態様のイオン分析装置では、分析対象である成分を含む液体試料が複数のキャピラリーに分配され、各キャピラリーからそれぞれ帯電液滴が噴霧される。従って、本発明の上記態様のイオン分析装置によれば、イオン源に導入する液体試料全体の量を増加させることができ、それにより、分析のスループットを向上させることができる。或いは、1本のキャピラリーに流す液体試料の量を減らすことができ、それにより、噴霧される液滴を微細化してイオンの生成を促進することができる。
また、本発明の上記態様のイオン分析装置によれば、キャピラリーの先端付近における電場強度が増強されるので、キャピラリー先端に達した液体試料の電荷分離が促進され、イオン化効率が向上する。また同時に、補助電極により形成される電場の作用によって、キャピラリーから噴霧された帯電液滴や該液滴から発生したイオンは広がらず、逆に収束されるように進行する。そのため、生成されたイオンが、例えば真空室内へとイオンを輸送するための輸送管に入り易くなり、イオンの捕集効率が向上する。それによって、分析に供するイオンの量が増加し、高い分析感度を達成することができる。
本発明の一実施形態である質量分析装置の全体構成図。 本実施形態の質量分析装置におけるESIイオン源の正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)。 図2に示したESIイオン源の一変形例を示す構成図。 図2に示したESIイオン源の他の変形例を示す構成図。 図2に示したESIイオン源のさらに他の変形例を示す正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)。 図2に示したESIイオン源のさらに他の変形例を示す正面平面図。 本発明の他の実施形態の質量分析装置におけるESIイオン源の正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)。
本発明に係るイオン分析装置は、質量分析装置、イオン移動度分析装置、及びそれらを組み合わせたイオン移動度-質量分析装置、を含む。本発明に係るイオン分析装置におけるイオン源はESIイオン源であり、イオン源以外の全ての構成、例えば、質量分析装置における質量分離の手法や、イオン解離操作の有無及びその解離の手法などは、適宜に選択することができる。
[第1実施形態]
本発明に係るイオン分析装置の一実施形態である質量分析装置について、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の質量分析装置の全体構成図である。図2は、該質量分析装置におけるESIイオン源の構成を示す正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)である。
この質量分析装置は、シングルタイプの大気圧イオン化四重極型質量分析装置である。なお、説明の便宜上、図1、図2中に示すように、互いに直交するX、Y、Zの3軸を空間内に定義する。
図1に示すように、本実施形態の質量分析装置においてチャンバー1の内部は、イオン化室11、第1中間真空室12、第2中間真空室13、及び分析室14、の四つに区画されている。イオン化室11内は略大気圧雰囲気であり、分析室14内は図示しない高性能の真空ポンプ(通常、ターボ分子ポンプとロータリーポンプとの組合せ)による真空排気によって高真空雰囲気に維持される。第1中間真空室12及び第2中間真空室13内もそれぞれ真空ポンプにより真空排気され、イオン化室11から分析室14に向かうに従い順番に真空度が高まる多段差動排気系の構成となっている。
イオン化室11内にはイオン化のためのESIプローブ2がイオン源として配置され、試料成分を含む液体試料はESIプローブ2から微細な帯電液滴として概ねX軸方向に噴霧される。ESIプローブ2から噴霧された帯電液滴は、イオン化室11内のガスに接触して微細化される。また、液滴から盛んに溶媒が揮発することによっても液滴は小さくなる。その過程で液滴中の試料成分は電荷を有して飛び出してイオンとなる。
イオン化室11と第1中間真空室12との間は、細径の脱溶媒管3を通して連通している。脱溶媒管3のイオン化室11側の開口であるイオン取込み口3aの中心軸は、Z軸に略平行に延伸している。即ち、ESIプローブ2からの噴霧の方向とイオン取込み口3aの中心軸(つまりイオンの吸い込み方向)とは略直交している。脱溶媒管3の両開口端の間には圧力差があるため、この圧力差によって、脱溶媒管3を経てイオン化室11から第1中間真空室12に流れるガス流が形成される。イオン化室11内で生成された試料成分由来のイオンは、主としてこのガス流に乗ってイオン取込み口3aを経て脱溶媒管3に吸い込まれ、ガス流とともに第1中間真空室12に吐き出される。
第1中間真空室12の内部には多重極型のイオンガイド4が配置されており、第1中間真空室12と第2中間真空室13とを隔てる隔壁には頂部に小孔を有するスキマー5が設けられている。イオンはイオンガイド4により形成される電場の作用によってスキマー5の小孔近傍に収束され、該小孔を通して第2中間真空室13へと送られる。
第2中間真空室13の内部にも多重極型のイオンガイド6が配設されており、イオンガイド6により形成される電場の作用によってイオンは収束されて分析室14に送られる。分析室14の内部には、四重極マスフィルター7とイオン検出器8とが配置されている。イオンはイオン光軸Cに沿って四重極マスフィルター7の長軸方向の空間に導入され、四重極マスフィルター7に印加されている電圧により形成される電場の作用によって、特定の質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルター7を通り抜けイオン検出器8に到達する。イオン検出器8は、到達したイオンの量に応じた検出信号を生成し、図示しないデータ処理部へと送る。この質量分析装置では、より多くの量のイオンを四重極マスフィルター7に送り込む、つまりは分析に供することで、分析感度を向上させることができる。
次に、図2を参照して、ESIプローブ2の構成について詳しく述べる。
図2(A)は、ESIプローブ2を、帯電液滴の噴霧流の進行方向前方から見た図である。図2(B)は図2(A)中のA-AA矢視線断面図である。
図2(A)に示すように、ESIプローブ2は、同一円周U上に略同一角度間隔(この例では45°角度間隔)で配置され、その円の軸Sに平行な方向に延伸する8本の導電性であるキャピラリー211~218と、その8本のキャピラリー211~218それぞれに対し、各キャピラリー211~218と同心の二重管構造である円筒状のネブライジングガス管221~228と、を含む。また、ESIプローブ2は、8本のキャピラリー211~218が配置された円の中心である軸Sの位置に、その軸Sに平行な方向に延伸する円柱状の補助電極23を含む。補助電極23の先端は、キャピラリー211~218の先端よりもX軸方向に突出している。
即ち、ESIプローブ2において、一つの補助電極23は、8本のキャピラリー211~218で囲まれるように配置されている。補助電極23と8本のキャピラリー211~218それぞれとの距離はほぼ同一である。1本のキャピラリー及びそれと二重円筒構造であるネブライジング管の構成は、従来の一般的なESIプローブにおけるキャピラリー及びネブライジング管の構成と同等である。
補助電極23は接地され、電位はゼロに固定されている。各キャピラリー211~218には、直流高電圧電源24から例えば数kV程度以上の直流高電圧が印加される。この電圧の極性は測定対象のイオンの極性と同じであり、測定対象が正イオンである場合には、正極性の直流高電圧Vhがキャピラリー211~218に印加される(但し、図面が煩雑になるのを避けるために、図2(A)では1本のキャピラリー214に接続される電圧印加線のみを描いている)。
ESIプローブ2におけるイオン生成動作を説明する。ここでは、一例として測定対象は正イオンであるとする。
図示しないが、例えば液体クロマトグラフのカラムで分離された化合物を含む液体試料がESIプローブ2に供給されると、この液体試料は8本のキャピラリー211~218にほぼ同量ずつ分配され、キャピラリー211~218の先端部に到達する。一方、適宜の不活性ガスがネブライジングガスとして、ネブライジングガス管221~228に供給される。
キャピラリー211~218に正極性の高電圧が印加されると、電位がゼロである補助電極23と各キャピラリー211~218との間の電位差によって、各キャピラリー211~218の先端部付近には強い強度の電場が形成される。一般的なESIイオン源では、キャピラリーの電位の基準となる電位(通常、接地電位)は、図1中の脱溶媒管3の入口端付近の電位である。これに対し、本実施形態の質量分析装置では、キャピラリー211~218に近接して、基準となる接地電位である補助電極23が配置されている。そのため、各キャピラリー211~218の先端部付近に形成される電場の強度は強く、各キャピラリー211~218の先端で形成される帯電液滴において作用するクーロン斥力は大きくなる。その結果、帯電液滴は微細化され易く、ネブライジングガスの助けを受けて、各キャピラリー211~218から微細な帯電液滴が大量に噴霧される。
キャピラリーを複数にし、且つキャピラリーに近接して基準電位である補助電極を配置したことで、大量の微細な帯電液滴が噴霧されるものの、それら帯電液滴は同極性に帯電しているため、帯電液滴同士の間にクーロン斥力が作用する。そのために、外部からの電場の影響がないとすると、帯電液滴の噴霧流は進行するに伴ってその軸に直交する方向に広がってしまい、帯電液滴から発生するイオンを効率良く脱溶媒管3に吸い込むことが難しくなる。
これに対し、本実施形態の質量分析装置では、軸S上に配置されている補助電極23の電位がその周囲のキャピラリー211~218の電位よりも低いため、軸Sに直交する面(Y-Z面)内では周囲から軸Sに向かう電位勾配が形成される。即ち、キャピラリー211~218の先端の前方には、正に帯電した粒子(帯電液滴、イオン)を軸S付近に収束させるような収束電場が形成される。キャピラリー211~218から噴霧された帯電液滴やその帯電液滴から発生したイオンは、この収束電場によって、図2(B)中に太線矢印で示すように、軸Sに近付く方向の力を受ける。このため、帯電液滴やイオンを含む噴霧流がクーロン斥力によって広がることが抑えられ、そこから発生したイオンは効率良く脱溶媒管3に吸い込まれる。
以上のように、本実施形態の質量分析装置において補助電極23は、キャピラリー211~218の先端部付近における電場強度を増強させる作用と、帯電液滴やイオンを含む噴霧流を軸S付近に収束させる作用とを有する。それにより、このESIプローブ2では、イオン化効率を高めて、より多くの量のイオンを生成することができるとともに、イオンの収集効率を高め、生成されたイオンをより効率良く脱溶媒管3に取り込んで後段へと送ることができる。
[第1実施形態の第1の変形例]
図3及び図4は、いずれも上記実施形態の質量分析装置におけるESIプローブ2の一変形例を示す図である。なお、キャピラリー211~218及びネブライジングガス管221~228については一部しか記載していないが、これらの構成は図2に示したものと同じである。
図3に示したESIプローブ2Aは、複数のキャピラリー211~218を取り囲むように配置された、ドーナツ形状の加熱ガス供給部25を備える。この加熱ガス供給部25は、軸Sの周りの全周に連続的である、又は軸Sの周りに所定角度間隔で設けられた加熱ガス噴出口251を有する。この加熱ガス噴出口251は、噴出されたガスが軸Sに向かうように、内方側に傾けて設けられている。そのため、加熱ガス噴出口251から噴出する加熱ガスは、帯電液滴の噴霧流を囲み、且つその外周に当たる。
ESIプローブ2Aでは、上述した補助電極23により形成される収束電場と、各ネブライジングガス管221~228から噴出するネブライジングガス流との両方の作用によって、移動度の小さい、つまりはサイズの大きい帯電液滴ほど、噴霧流Pの外周側に位置するような液滴の分布を示す。サイズの大きい帯電液滴はその内部でクーロン斥力が作用しにくいため、微細化が進みにくくイオン化効率も上がりにくい。
これに対し、加熱ガス噴出口251から噴出する加熱ガスは、噴霧流Pの外周部に位置するサイズの大きな帯電液滴に効率良く当たる。そのため、そうした帯電液滴の溶媒の気化を促進し、該液滴の微細化とイオン生成とを促進することができる。これによって、この変形例によるESIプローブ2Aでは、イオン化効率をより一層高めることができる。
一方、図4に示したESIプローブ2Bは、複数のキャピラリー211~218からの帯電液滴の噴霧流Pを横切るように加熱ガスを噴出する加熱ガス供給部26を備える。この構成でも、加熱ガスは噴霧流Pの外周部に位置するサイズの大きな帯電液滴に効率良く当たり、帯電液滴からの溶媒の気化を促進させることができる。
[第1実施形態の第2の変形例]
上記実施形態の質量分析装置におけるESIプローブ2、2A、2Bでは、複数のキャピラリー211~218が略同一の円周U上に略同一の角度間隔で配置されている。それにより、補助電極23の周りで周方向に、概ね均等な量の帯電液滴が噴霧される。しかしながら、そうして噴霧される帯電液滴から生成され脱溶媒管3に吸い込まれるイオンの量は、補助電極23の周りで周方向に均等とはなりにくい。その理由の一つは、脱溶媒管3及びイオン化室11と第1中間真空室12とを隔てる隔壁は接地電位又はそれに近い電位(少なくともキャピラリー211~218の電位に比べて遥かに接地電位に近い電位)であるため、脱溶媒管3や上記隔壁に近い位置にあるキャピラリーからの噴霧流においてはイオンの生成効率が相対的に低くなるからである。また、理由の二つ目は、補助電極23による電場による収束作用はあるものの、ESIプローブ2から噴霧された帯電液滴やそれから発生したイオンはビーム状に集束されるわけではないため、脱溶媒管3に近い位置にあるキャピラリー(図1ではZ軸の正方向に位置するキャピラリー)による噴霧流から発生したイオンは相対的に脱溶媒管3に吸い込まれにくいからである。
また、脱溶媒管3に近い位置にあるキャピラリーから噴霧された帯電液滴やそれから発生したイオンは、脱溶媒管3のイオン取込み口3aや管路外面に付着して汚染の原因となり易い、という問題もある。図5に示す上記実施形態の質量分析装置の一変形例は、こうした問題に対応し得るものである。図5は、この変形例のESIプローブ2Cの正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)である。図5では、図2では記載されていない脱溶媒管3も部分的に記載してある。図中、図2に示した構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付し、特に要しない限り説明を省略する。
このESIプローブ2Cにおいて、8本のキャピラリー211~218は同一の円周U上に配置されており、図5(A)において時計回り方向にキャピラリー211からキャピラリー218までの範囲では、周方向に隣接する2本のキャピラリーの角度間隔は同一である。一方、キャピラリー218とそれに隣接するキャピラリー211との間の角度間隔は他よりも広くなっている。具体的には、前者は40°であり、後者はその2倍の80°である。ESIプローブ2Cの8本のキャピラリー211~218は、その8本を含む9本のキャピラリーが等角度間隔で同一の円周U上に配置された状態から1本のキャピラリーが抜去された状態であるとみることもできる。その抜去された1本のキャピラリーは、そのキャピラリーの中心軸の延長線上にちょうど脱溶媒管3が存在する位置にあるようなキャピラリーである。
そのため、図5(A)に示すようにY-Z面内で脱溶媒管3と複数本のキャピラリー211~218との位置関係を見ると、複数本のキャピラリー211~218がちょうど存在しない位置、つまりは円周U上で周方向に隣接する2本のキャピラリーの間隔が広い箇所に、脱溶媒管3の管路が位置している。また、Y-Z面内では脱溶媒管3と重なり、X軸の負方向に離れた位置に、補助電極23を保持するとともに該補助電極23に接地電位を与えるために、該補助電極23と実質的に一体化されている導電性の電極保持部28が配置されている。
各キャピラリー211~218に直流高電圧Vhが印加されることで、各キャピラリー211~218の先端部付近に強い電場が形成される。各キャピラリー211~218に分配された液体試料はこの電場によって電荷を付与され、ネブライジングガスの助けを受けて微小な帯電液滴として噴霧される。これは上記実施形態の質量分析装置と同様である。この変形例の質量分析装置では、いずれのキャピラリー211~218も脱溶媒管3から比較的離れており、各キャピラリー211~218の先端部付近に形成される電場は脱溶媒管3や隔壁の電位の影響を受けにくい。そのため、いずれのキャピラリー211~218においても良好に帯電液滴が生成され、イオン化が効率良く行われる。また、どのキャピラリー211~218による噴霧流の前方にも脱溶媒管3が存在しないため、噴霧流中の微細な帯電液滴や噴霧流から発生したイオンは脱溶媒管3のイオン取込み口3aや管路に付着せずに、脱溶媒管3中に吸い込まれ易い。そのため、イオンの収集効率も向上する。
これによって、より多くの量のイオンを後段へと送ることができ、高い分析感度を達成することができる。また、脱溶媒管3のイオン取込み口3aや管路に帯電液滴やイオンが付着することによる汚染も軽減することができる。それによって、装置の性能を長い時間に亘り維持することができ、装置のメンテナンス作業の負担を軽減することができる。さらにまた、隣接するキャピラリーの間隔を広く確保した空間に、補助電極23を保持する電極保持部28を位置させることにより、電極保持部28と各キャピラリー211~218及びネブライジングガス管221~228との間の電気的絶縁性を確実に確保しつつ、補助電極23を安定的に保持することができる。
なお、この変形例においても、図3、図4に示したような加熱ガス供給部25、26を追加する構成とすることができることは明らかである。
また、広い空間を設ける以外の箇所において隣接するキャピラリーの間隔が上述したように等角度間隔であることは必須ではない。また、脱溶媒管3のイオン取込み口3aの中心軸とESIプローブ2Cの軸Sとは直交でなく斜交していてもよい。
[そのほかの変形]
また、上記実施形態及び変形例におけるESIプローブ2、2A、2B、2Cの構成は様々に変形することができる。
例えば、キャピラリーの本数は上記記載に限らず、複数本であれば適宜に決めることができる。また、その複数本のキャピラリー211~218を同一の円周U上に配置することは必須ではなく、適宜に配置することができる。但し、キャピラリー毎に補助電極23との間の距離が異なると、キャピラリーの先端部付近に形成される電場の強度がばらつき、キャピラリーから噴霧される帯電液滴のサイズのばらつきも大きくなる。従って、帯電液滴のサイズをできるだけ揃えてイオン化効率を高めるには、複数本のキャピラリー211~218のそれぞれと補助電極23との間の距離ができるだけ同じ又は近いほうがよい。
また、補助電極23の形状も上述したような円柱状に限らない。特に、補助電極23の先端部の形状はY-Z面に平行な平面形状ではなく、半球面状等、適宜の形状にすることで、収束電場の電位勾配を調整して噴霧流の収束性を向上させ得る。
また、補助電極23は1個に限らず、複数の補助電極を設けてもよい。
図6は、8本のキャピラリー211~218にそれぞれ対応して1個ずつ補助電極231~238を設けた変形例を示す図である。この図は、ESIプローブ2を図2(A)と同じ視点から見たときの正面平面図である。このような構成とした場合でも、各キャピラリー211~218の先端部付近に強い強度の直流電場を形成することができるとともに、各キャピラリー211~218から噴出した帯電液滴の噴霧流を軸S付近に収束させるような電場を形成することができる。
[第2実施形態]
次いで、本発明に係るイオン分析装置の他の実施形態である質量分析装置について説明する。この質量分析装置の全体構成は第1実施形態の装置と同じであるので説明を省略する。図7は、本実施形態の質量分析装置におけるESIイオン源の構成を示す正面平面図(A)及びA-AA矢視線断面図(B)である。図7では、第1実施形態の質量分析装置におけるESIイオン源の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ符号を付し、特に要しない限り説明を省略する。
このESIイオン源におけるESIプローブ2Eでは、キャピラリー211~218及びネブライジングガス管221~228の構成及び配置は第1実施形態と同じであるが、補助電極の形状及び配置、さらには印加される電圧が第1実施形態と異なる。
即ち、補助電極27は、キャピラリー211~218を取り囲むように配置された略円筒形状の導電体である。この補助電極27の軸は、8本のキャピラリー211~218が配置される円の軸Sに一致している。従って、この実施形態においても、補助電極27と各キャピラリー211~218との距離はほぼ同一である。
8本のキャピラリー211~218はいずれも接地されている(但し、図面が煩雑になるのを避けるために、図7(A)では1本のキャピラリー215に接続される接地線のみを描いている)。一方、補助電極27には、直流高電圧電源24から例えば数kV程度以上の直流高電圧が印加される。この電圧の極性は測定対象のイオンの極性と同じであり、測定対象が正イオンである場合には、正極性の直流高電圧である。
各キャピラリー211~218にそれぞれ液体試料が導入され、補助電極27に正極性の直流高電圧が印加されると、各キャピラリー211~218と補助電極27とは近接しているため、各キャピラリー211~218の先端部付近には強い強度の電場が形成される。それによって、各キャピラリー211~218の先端で形成される帯電液滴は微細化され易く、ネブライジングガスの助けを受けて、各キャピラリー211~218から微細な帯電液滴が大量に噴霧される。
この帯電液滴は正の電荷を有するが、8本のキャピラリー211~218を取り囲む補助電極27には正極性の高電圧が印加されているため、正に帯電した液滴(及び液滴から飛び出した正イオン)を内周側、つまり軸Sに近付く方向に押す力が作用する電場が形成される。それによって、第1実施形態と同様に、帯電液滴同士のクーロン斥力はあるものの帯電液滴の噴霧流は広がりにくく、軸S付近に収束する。その結果、帯電液滴から効率良く発生したイオンが、脱溶媒管3に効率良く吸い込まれ、後段へと輸送される。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の各種の変形が可能である。
即ち、図3及び図4に示した構成と同様に、補助電極27の外周側にドーナツ形状の加熱ガス供給部25を追加したり、複数のキャピラリー211~218からの帯電液滴の噴霧流Pを横切るように加熱ガスを噴出する加熱ガス供給部26を追加したりしてもよい。
また、キャピラリーの本数やその配置を適宜に変更してもよい。補助電極27の形状も円筒形状に限るものではなく、補助電極27を適宜に複数に分割してもよい。
また、上記第1、第2実施形態、及びはそれらの変形例はいずれも本発明の一例に過ぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
例えば、上記実施形態はシングルタイプの四重極型質量分析装置であるが、上述したように質量分離の手法や、イオン解離操作の有無及びその解離の手法などは、適宜に選択することができるから、飛行時間型質量分析装置、イオントラップ型質量分析装置、トリプル四重極型質量分析装置、四重極-飛行時間型質量分析装置、イオントラップ飛行時間型質量分析装置などの各種の質量分析装置に本発明を適用可能であることは当然である。
また、本発明は、ESIイオン源により試料成分をイオン化して分析する装置全般に適用可能であるから、質量分析装置に限らず、イオン移動度分析装置や、イオン移動度分析装置と質量分析装置とを組み合わせたイオン移動度-質量分析装置などであってもよい。
[種々の態様]
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)本発明に係るイオン分析装置の一態様は、ESI法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、前記イオン源は、
供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
前記複数本のキャピラリーで囲まれるように配置された1又は複数の補助電極と、
前記1又は複数の補助電極の電位を基準とする直流高電圧を前記複数本のキャピラリーに印加する電圧印加部と、
を備える。
(第10項)本発明に係るイオン分析装置の他の態様は、ESI法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、該イオン源は、
供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
前記複数本のキャピラリーを囲むように配置された1又は複数の補助電極と、
前記複数本のキャピラリーの電位を基準とする直流高電圧を前記1又は複数の補助電極に印加する電圧印加部と、
を備える。
第1項及び第10項に記載のイオン分析装置では、分析対象である成分を含む液体試料が複数のキャピラリーに分配され、各キャピラリーからそれぞれ帯電液滴が噴霧される。これにより、イオン源に導入する液体試料全体の量を増加させることができ、分析のスループットを向上させることができる。或いは、1本のキャピラリーに流す液体試料の量を減らすことができ、それにより、噴霧される液滴を微細化してイオンの生成を促進することができる。
また、第1項及び第10項に記載のイオン分析装置では、補助電極がキャピラリーの至近に配置されるため、キャピラリーの先端付近における電場強度が増強される。それにより、キャピラリー先端に達した液体試料の電荷分離が促進され、イオン化効率が向上する。また同時に、補助電極により形成される電場の作用によって、キャピラリーから噴霧された帯電液滴や該液滴から発生したイオンは広がらず、逆に収束されるように進行する。そのため、生成されたイオンが、例えば真空室内へとイオンを輸送するための輸送管に入り易くなり、イオンの捕集効率が向上する。それによって、分析に供するイオンの量が増加し、高い分析感度を達成することができる。
(第2項、第11項)第1項又は第10項に記載のイオン分析装置において、前記イオン源は、前記複数本のキャピラリーに対し個別に設けられた、該キャピラリーからの液体試料の噴霧方向と同方向にネブライジングガスを噴出するネブライジングガス管、をさらに備えるものとすることができる。
第2項及び第11項に記載のイオン分析装置によれば、キャピラリー先端部から帯電液滴を良好に噴霧することができる。
(第3項)第1項又は第2項に記載のイオン分析装置において、
前記複数本のキャピラリーは略同一円周上に配置され、
前記補助電極は一つであって、前記複数本のキャピラリーが配置される円の略中心位置に配置されるものとすることができる。
(第12項)同様に、第10項又は第11項に記載のイオン分析装置において、
前記複数本のキャピラリーは略同一円周上に配置され、
前記補助電極は一つであって、前記複数本のキャピラリーが配置される円と同軸の円筒形状であるものとすることができる。
第3項及び第12項に記載のイオン分析装置では、各キャピラリーの先端付近における電場強度がほぼ同程度であるため、各キャピラリーからそれぞれ同程度に微細化された帯電液滴を噴霧することができる。それにより、イオン化効率を高めることができる。また、第3項及び第12項に記載のイオン分析装置では、各キャピラリーの電位と補助電極の電位とによって、帯電液滴の噴霧流が形成される領域における電場の電位勾配が、該噴霧流の軸の周りに概ね回転対称となる。それにより、帯電液滴の噴霧流がその軸の付近に収束し易くなり、帯電液滴から発生するイオンの利用効率が向上する。そうしたことによって、より多くの量のイオンを分析に供することができ、分析感度をより一層向上させることができる。
(第4項)第3項に記載のイオン分析装置は、前記複数本のキャピラリーからの噴霧流より発生したイオンを収集して後段へと輸送するものであり、該噴霧流の前方にイオン取込み口を有し、前記キャピラリーからの噴霧の方向と交差する方向に延伸する管路を含むイオン輸送管、を備え、
前記複数本のキャピラリーは、略同一円周上であって、前記噴霧の方向の延長上に前記イオン輸送管が存在する位置を除いて配置されているものとすることができる。
(第5項)また第4項に記載のイオン分析装置において、前記イオン輸送管の管路は、前記キャピラリーからの噴霧の方向と略直交する方向に延伸しているものとすることができる。
一般的にイオン輸送管は接地電位又はそれに比較的近い電位に定められるため、その影響により、イオン輸送管に近い位置のキャピラリー先端に形成される電場は弱まり易い。それに加え、イオン輸送管の近くに位置するキャピラリーから噴霧された帯電液滴やそれにより発生したイオンは、イオン輸送管中に流れ込むガス流に乗りにくくイオン輸送管に取り込まれにくい。これに対し、第4項及び第5項に記載のイオン分析装置によれば、複数本のキャピラリーの全てがイオン輸送管から比較的離れて配置されているため、キャピラリー先端部付近に強い電場が形成され、帯電液滴が良好に生成される。また、噴霧流に含まれる微細な帯電液滴やそれから発生したイオンが効率良くイオン輸送管に取り込まれる。これによって、後段へとより多くのイオンを送ることができ、分析感度を高めることができる。また、イオン輸送管やそのイオン取込み口に帯電液滴やイオンが付着して汚染が生じることを軽減することができる。
(第6項)第4項又は第5項に記載のイオン分析装置において、前記複数本のキャピラリーは、前記円周上で周方向に隣接するキャピラリーの間隔が、前記噴霧の方向の延長上に前記イオン輸送管が存在する位置で最も広いように配置され、
該隣接するキャピラリーの間隔が最も広く空いた空間に、前記補助電極を保持する保持部及び/又は該補助電極に電位を与える配線が配置されているものとすることができる。
第6項に記載のイオン分析装置によれば、隣接するキャピラリーの間の十分に広い空間に補助電極の保持部や配線を配置することができ、その保持部又は配線とキャピラリーとの間の電気的絶縁性を十分に確保することができる。
(第7項、第13項)第1項~第6項のいずれか1項、又は、第10項~第12項のいずれか1項に記載のイオン分析装置は、前記複数本のキャピラリーからの噴霧流を囲むようにその外側に加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備えるものとすることができる。
第7項及び第13項に記載のイオン分析装置では、加熱ガス供給部から噴出する加熱ガスは、主として、複数本のキャピラリーから噴出する帯電液滴の噴霧流の外周側の部分に当たる。この部分には比較的大きなサイズの帯電液滴が存在するが、そうした帯電液滴中の溶媒の気化が促進されるので、イオン化効率を高めるのに有効である。また、帯電液滴の噴霧流を取り囲むように加熱ガス流が形成されるので、該噴霧流の広がりをより一層抑えることができ、イオンの利用効率もさらに改善される。
(第8項、第14項)第1項~第6項のいずれか1項、又は、第10項~第12項のいずれか1項に記載のイオン分析装置は、前記複数本のキャピラリーからの噴霧流に対し、その噴霧流に交差するように加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備えるものとすることができる。
第8項及び第14項に記載のイオン分析装置において、加熱ガス供給部から噴出する加熱ガスは、主として、複数本のキャピラリーから噴出する帯電液滴の噴霧流の外周側の部分に当たる。この部分には比較的大きなサイズの帯電液滴が存在するが、そうした帯電液滴中の溶媒の気化が促進されるので、イオン化効率を高めるのに有効である。
(第9項、第15項)第1項~第8項のいずれか1項、又は、第10項~第14項のいずれか1項に記載のイオン分析装置は、前記イオン源を有する、シングルタイプ四重極型質量分析装置、トリプル四重極型質量分析装置、又は四重極-飛行時間型質量分析装置であるものとすることができる。
こうした質量分析装置では、大気圧雰囲気にあるイオン源から後段の真空室へと脱溶媒管やサンプリングコーンなどを通してイオンを輸送する必要があるが、第9項及び第15項に記載の質量分析装置では、イオン源で生成されたイオンを効率良く収集して後段へと輸送することができる。これにより、第9項及び第15項に記載の質量分析装置によれば、高い分析感度を達成することができる。
1…チャンバー
11…イオン化室
12…第1中間真空室
13…第2中間真空室
14…分析室
2、2A、2B、2C、2D、2E…ESIプローブ
211~218…キャピラリー
221~228…ネブライジングガス管
23、231~238、27…補助電極
24…直流高電圧電源
25、26…加熱ガス供給部
251…加熱ガス噴出口
28…電極保持部
3…脱溶媒管
4、6…イオンガイド
5…スキマー
7…四重極マスフィルター
8…イオン検出器

Claims (15)

  1. エレクトロスプレーイオン化法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、前記イオン源は、
    供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
    前記複数本のキャピラリーで囲まれるように配置された1又は複数の補助電極と、
    前記1又は複数の補助電極の電位を基準とする直流高電圧を前記複数本のキャピラリーに印加する電圧印加部と、
    を備えるイオン分析装置。
  2. 前記イオン源は、前記複数本のキャピラリーに対し個別に設けられた、該キャピラリーからの液体試料の噴霧方向と同方向にネブライジングガスを噴出するネブライジングガス管、をさらに備える、請求項1に記載のイオン分析装置。
  3. 前記複数本のキャピラリーは略同一円周上に配置され、
    前記補助電極は一つであって、前記複数本のキャピラリーが配置される円の略中心位置に配置される、請求項1又は2に記載のイオン分析装置。
  4. 前記複数本のキャピラリーからの噴霧流より発生したイオンを収集して後段へと輸送するものであり、該噴霧流の前方にイオン取込み口を有し、前記キャピラリーからの噴霧の方向と交差する方向に延伸する管路を含むイオン輸送管、を備え、
    前記複数本のキャピラリーは、略同一円周上であって、前記噴霧の方向の延長上に前記イオン輸送管が存在する位置を除いて配置されている、請求項3に記載のイオン分析装置。
  5. 前記イオン輸送管の管路は、前記キャピラリーからの噴霧の方向と略直交する方向に延伸している、請求項4に記載のイオン分析装置。
  6. 前記複数本のキャピラリーは、前記円周上で周方向に隣接するキャピラリーの間隔が、前記噴霧の方向の延長上に前記イオン輸送管が存在する位置で最も広いように配置され、
    該隣接するキャピラリーの間隔が最も広く空いた空間に、前記補助電極を保持する保持部及び/又は該補助電極に電位を与える配線が配置されている、請求項4又は5に記載のイオン分析装置。
  7. 前記複数本のキャピラリーからの噴霧流を囲むようにその外側に加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
  8. 前記複数本のキャピラリーからの噴霧流に対し、その噴霧流に交差するように加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
  9. 前記イオン源を有する、シングルタイプ四重極型質量分析装置、トリプル四重極型質量分析装置、又は四重極-飛行時間型質量分析装置である、請求項1~8のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
  10. エレクトロスプレーイオン化法を利用したイオン源を具備するイオン分析装置であって、前記イオン源は、
    供給された液体試料を同方向に噴霧する複数本のキャピラリーと、
    前記複数本のキャピラリーを囲むように配置された1又は複数の補助電極と、
    前記複数本のキャピラリーの電位を基準とする直流高電圧を前記1又は複数の補助電極に印加する電圧印加部と、
    を備えるイオン分析装置。
  11. 前記複数本のキャピラリーに対し個別に設けられた、該キャピラリーからの液体試料の噴霧方向と同方向にネブライジングガスを噴出するネブライジングガス管、をさらに備える、請求項10に記載のイオン分析装置。
  12. 前記複数本のキャピラリーは略同一円周上に配置され、
    前記補助電極は一つであって、前記複数本のキャピラリーが配置される円と同軸の円筒形状である、請求項10又は11に記載のイオン分析装置。
  13. 前記複数本のキャピラリーからの噴霧流を囲むようにその外側に加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備える、請求項10~12のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
  14. 前記複数本のキャピラリーからの噴霧流に対し、その噴霧流に交差するように加熱ガスを吹き掛ける加熱ガス供給部、をさらに備える、請求項10~12のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
  15. 前記イオン源を有する、シングルタイプ四重極型質量分析装置、トリプル四重極型質量分析装置、又は四重極-飛行時間型質量分析装置である、請求項10~14のいずれか1項に記載のイオン分析装置。
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