JP2022179278A - ガス発生器及びガス排出方法 - Google Patents

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【課題】ガス発生器において、環境温度の違いによる出力の差を低減する。【解決手段】ガス発生器は、ハウジングの一端側に取り付けられた点火装置と、ハウジングの内部に形成され、ガス発生剤を収容する燃焼室と、ハウジングにおける他端側に形成され、複数のガス排出孔を有するカップ状のディフューザ部と、ディフューザ部の内部に少なくとも一部が収容されるフィルタであって、その内部に、ディフューザ部の開放端側から閉塞端側へ向かう中空の流路を有し、当該流路は、一端が燃焼室に接続される第1区間と、当該第1区間の他端に接続される第2区間とを含む、フィルタと、作動時におけるガス発生剤の燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、第1区間と第2区間との間を閉塞状態とし、燃焼圧力が臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通状態とする、遮断部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス発生器及びガス排出方法に関する。
従来、長尺筒状の金属製のハウジング本体と、点火器が組付けられた金属製のホルダと、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室を規定する有底筒状の収容室規定部材とを備えるガス発生器が提案されていた(例えば特許文献1)。当該技術においては、ガス発生剤が燃焼することによって発生したガスがこのフィルタ中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ(残渣)等を除去する除去手段としても機能する。また、フィルタ室を規定する部分のハウジング本体には、ガス噴出口が周方向および軸方向に沿って複数個設けられている。ガス噴出口は、フィルタを通過した後のガスをハウジングの外部に導出する。
また、長尺有底円筒状の第1ハウジング部材を含むハウジング、点火器、仕切り板、区画部材、伝火薬、ガス発生剤およびフィルタを備えるシリンダ型ガス発生器も提案されていた(例えば、特許文献2)。区画部材は、作動ガス生成室に配置された有底円筒状の部材にて構成され、円筒状部、底部、第1連通孔および中空部を有する。ガス発生剤は、作動ガス生成室の上記中空部を除く部分に収容される。また、作動時の内圧により仕切り板にはハウジングの径方向外側へ向かう力が加わり、仕切り板の移動が抑制されるとされている。
特開2017-193192号公報 特開2010-260387号公報
一般的に、ガス発生器は、作動時の環境温度に応じてその出力が変化する。すなわち、環境温度が上昇するとガス発生剤の燃焼速度が上昇し、また、同一の仕様のガス発生器でも高温の環境においては作動時に出力される燃焼ガスの温度も高くなりがちである。
本開示の技術は、ガス発生器において、環境温度の違いによる出力の差を低減するための技術を提供することである。
また、ガス発生器においてフィルタとハウジングとの間に間隙が生じると、生成された燃焼ガスがフィルタを通過せずにハウジングのガス排出孔から排出されるショートパスが発生するおそれがあった。また、例えば間隙なく全周溶接を行うことによりショートパスの発生を抑止できるが、製造工程において手間がかかる。そこで、本開示の技術は、上記の目的に代えて、又は上記の目的に加えて、簡易な構成によりショートパスの発生を抑制することを目的としてもよい。
本開示のガス発生器は、外殻容器を形成する、一端側から他端側にのびるハウジングと、ハウジングに取り付けられた点火装置と、ハウジングの内部に形成され、前記点火装置によって着火されるガス発生剤を収容する燃焼室と、ハウジングにおける他端側に設けら
れ、端部が閉塞した閉塞端と複数のガス排出孔を有する側壁を含んだカップ状のディフューザ部と、ディフューザ部の内部に少なくとも一部が収容されるフィルタであって、その内部に、燃焼室側から閉塞端の側へ向かう中空の流路を有し、当該流路は、一端が燃焼室に接続される第1区間と、当該第1区間の他端に接続される第2区間とを含む、フィルタと、作動時におけるガス発生剤の燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、第1区間と第2区間との間を閉塞状態とし、燃焼圧力が臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通状態とする、遮断部とを備える。また、ディフューザ部の側壁は、第1区間の周囲に位置する第1側壁領域と、第2区間の周囲に位置する第2側壁領域とを含み、第1側壁領域及び第2側壁領域に、それぞれ1以上のガス排出孔が設けられている。
本開示のガス発生器は、遮断部が、燃焼室の内圧に応じてフィルタ内の第1区間と第2区間との間を閉塞状態又は連通状態に切り替えることができる。また、ディフューザ部は、第1区間の周囲に位置する第1側壁領域と、第2区間の周囲に位置する第2側壁領域とに、それぞれ1以上のガス排出孔が設けられている。したがって、燃焼室の内圧に応じて、フィルタのうち、ガス排出孔から排出される燃焼ガスが通過する部分を切り替えることができる。遮断部は、作動時におけるガス発生剤の燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、第1区間と第2区間との間を閉塞状態とし、燃焼圧力が臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通状態とするため、環境温度が高く燃焼室の内圧が高い場合にはフィルタのうち燃焼ガスが流通する領域を大きくし、冷却効率を向上させることができる。一方、環境温度が低く燃焼室の内圧が低い場合にはフィルタのうち燃焼ガスが流通する領域を小さくし、冷却を抑制する。ガス発生器の出力は環境温度の影響を受けるところ、本開示のガス発生器によれば、環境温度の違いによる出力の差を低減することができる。
また、フィルタは、第1区間の内径よりも第2区間の内径の方が小さく、第1区間と第2区間との境界に段部を有し、遮断部は、作動前において燃焼室と第1区間との間を閉塞し、その径が第1区間の内径以下であって且つ第2区間の内径よりも大きく、臨界閾値よりも小さい作動閾値以上の圧力で打ち抜かれるように形成された開裂部を含み、燃焼圧力が作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に、燃焼圧力により開裂部が打ち抜かれて段部へ移動することにより、第1区間と第2区間との間を閉塞させ、燃焼圧力がさらに臨界閾値以上に達した場合に、燃焼圧力により開裂部の少なくとも一部が段部を越えて第2区間へ移動し、第1区間と第2区間を連通状態とするようにしてもよい。
また、フィルタは、第1区間の内径よりも第2区間の内径の方が小さく、第1区間と第2区間との境界に段部を有し、遮断部は、作動前において燃焼室と第1区間との間を閉塞し、その径が第1区間の内径以下であって且つ第2区間の内径よりも大きく、臨界閾値よりも小さい作動閾値以上の圧力で打ち抜かれるように形成された開裂部を含み、開裂部は、貫通孔と、当該貫通孔を閉塞すると共に臨界閾値以上の圧力で開裂するシール部材とを有し、燃焼圧力が作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に、燃焼圧力により開裂部が打ち抜かれて段部へ移動することにより、第1区間と第2区間との間を閉塞させ、燃焼圧力がさらに臨界閾値以上に達した場合に、燃焼圧力によりシール部材が開裂して貫通孔を開口させ、第1区間と第2区間を連通状態とするようにしてもよい。
また、遮断部は、作動前において燃焼室と第1区間との間を閉塞すると共に、燃焼圧力が、臨界閾値よりも小さい作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に、燃焼室と第1区間とを連通させる第1遮断部材と、作動前において第1区間と第2区間との間を閉塞すると共に、燃焼圧力が、臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通させる第2遮断部材とを含むようにしてもよい。
また、遮断部は、作動前において第1側壁領域に設けられたガス排出孔を閉塞し、燃焼圧力が、臨界閾値よりも小さい作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に開裂するシール
部材と、作動前において第1区間と第2区間との間を閉塞すると共に、燃焼圧力が、臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通させる遮断部材とを含むようにしてもよい。
また、遮断部は、開裂部の形状に沿って遮断部を薄肉化した脆弱部を備えるようにしてもよい。このようにすれば、開裂部を意図したとおりに打ち抜くことが容易になる。
また、第1側壁領域に設けられる前記ガス排出孔の総開口面積よりも、第2側壁領域に設けられるガス排出孔の総開口面積の方が大きくしてもよい。ガス発生器が複数のガス排出孔を有する場合、ガス排出孔の各々から排出される単位時間当たりの燃焼ガスの量には、ガス排出孔の面積に応じて差が生じる。ディフューザ部の閉塞端側に位置する第2区間の径方向の周囲に設けられるガス排出孔の総開口面積を大きくとることにより、フィルタのうちディフューザ部の閉塞端側の部分に多くの燃焼ガスを流通させることができ、ガス排出孔から排出される燃焼ガス全体の冷却効率を向上させることができる。
また、本開示に係るガス排出方法は、着火電流を供給して前記点火装置を着火させ、ガス発生剤を燃焼させること、燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、第1区間と第2区間との間を遮断部にて閉塞状態とし、燃焼圧力が臨界閾値以上の場合に、第1区間と第2区間を連通状態とすることを含む。
他の側面に係る本開示のガス発生器は、外殻容器を形成する、一端側から他端側に延在する筒状のハウジングと、ハウジングに取り付けられた点火装置と、ハウジングの内部に形成され、点火装置によって着火されるガス発生剤を収容する燃焼室と、ハウジングにおける一端側に内挿され、ガス排出孔を有する筒状のディフューザ部と、ディフューザ部に収容される本体部、及び当該本体部のハウジング側の端部に、ディフューザ部の内周よりも径方向の外側へ突出したフランジ部を有するフィルタとを備え、フランジ部の表面のうち本体部側に面する第1環状面は、ディフューザ部のハウジング側の端部と当接する。
ハウジングに内挿されたディフューザ部の端部に、フィルタのフランジ部を当接させるため、ディフューザ部とフィルタとの間隙を閉塞することができる。よって、ガス発生剤が生成する燃焼ガスが、ディフューザ部とフィルタとの間を通過して、フィルタを通過せずにガス排出孔から排出されることが抑制される。すなわち、簡易な構成によりショートパスの発生を抑制することができるようになる。
また、フランジ部は、第1環状面の裏側に面する第2環状面と、第1環状面及び第2環状面を接続する環状周面とを有し、環状周面はハウジングの内周に当接するものであってもよい。フランジ部の環状周面とハウジングの内周とを当接させることでも、燃焼ガスのショートパスを防止し、フィルタを通過せずにガス排出孔から燃焼ガスが排出されることを抑制できる。
また、フィルタの本体部は、ハウジング側からディフューザ部の軸方向に沿って延在する凹部を有し、ハウジング部の内部に、燃焼室と凹部とを区画すると共に燃焼室と凹部とを連通する貫通孔を有するオリフィスプレートを備えるものであってもよい。燃焼室とフィルタとは、例えばこのようにして区画することができる。
また、オリフィスプレートの外径はフランジ部の外径よりも小さく、フランジ部の第2環状面の外周部はハウジング側に露出するものであってもよい。このようにすれば、フランジ部の外周部からもフィルタ内へ燃焼ガスが導入され得る構成となる。
また、ディフューザ部は、ハウジングとは反対側に、端部が閉塞した閉塞端を有し、フ
ィルタは閉塞端に当接すると共に、フィルタの凹部は貫通孔であり、フィルタの厚さは、ハウジング側よりも閉塞端側の方が厚いものであってもよい。ディフューザ部の閉塞端へ衝突した燃焼ガスは、その近傍に存在するフィルタを通過してガス排出孔から排出される。特にオリフィスプレートを通過後に流速が上昇した燃焼ガスは、比較的多くがディフューザ部の閉塞端へ到達し、その近傍のフィルタを通過してガス排出孔から排出される。上述のように閉塞端側のフィルタの厚さを厚くすることで、フィルタの閉塞端側における冷却性能を向上させることができる。
また、点火装置は、ハウジングの他端側に取り付けられ、点火装置が配置される空間と燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、ガス発生剤を燃焼室内に保持するリテーナーを備え、リテーナーは、ガス発生剤を支持する平板部と、当該平板部の外周に設けられハウジングの内周に当接する接続部とを有し、平板部の周縁部に貫通孔を有するものであってもよい。ガス発生剤とハウジングの内周との間にはディフューザ部に向かって比較的直線的に伸びる間隙が形成されるところ、平板部の周縁部に設けられた貫通孔を通過した燃焼ガスはハウジングの内周に沿ってハウジングの軸方向に流れ易くなる。
また、点火装置は、ハウジングの他端側に取り付けられ、点火装置が配置される空間と燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、ガス発生剤を燃焼室内に保持するリテーナーを備え、リテーナーは、ガス発生剤を支持する平板部と、当該平板部の外周に沿って、ハウジングの内周から離間して設けられる段差部と、ハウジングの内周に当接する接続部とを有し、段差部に貫通孔を有するものであってもよい。ガス発生剤とハウジングの内周との間にはディフューザ部に向かって比較的直線的に伸びる間隙が形成されるところ、平板部の外周に沿って設けられるリテーナーの段差部に設けられた貫通孔を通過した燃焼ガスは、ハウジングの内周に向かってリテーナーを通過し、ハウジングの内周に沿ってハウジングの軸方向に流れ易くなる。
また、点火装置は、ハウジングの他端側に取り付けられ、点火装置が配置される空間と燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、ガス発生剤を燃焼室内に保持するリテーナーを備え、リテーナーは、ハウジングの内径よりも外径が小さく、ガス発生剤を支持する平板部と、ハウジングの内周に当接する接続部と、当該平板部の外周から接続部へテーパが付けられた環状傾斜面とを有し、環状傾斜面に貫通孔を有するものであってもよい。ガス発生剤とハウジングの内周との間にはディフューザ部に向かって比較的直線的に伸びる間隙が形成されるところ、平板部の外周からテーパが付けられた環状周面に設けられた貫通孔を通過した燃焼ガスは、ハウジングの内周に向かってリテーナーを通過し、ハウジングの内周に沿ってハウジングの軸方向に流れ易くなる。
本開示によれば、ガス発生器において、環境温度の違いによる出力の差を低減するための技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の概略断面図である。 図2は、ディフューザ部とその周囲を表す部分的な断面図である。 図3は、遮断部材をディフューザ部側から見た平面図である。 図4は、遮断部材が開裂し、第1部分が移動した状態の一例を示す部分的な断面図である。 図5は、遮断部材の第1部分がさらに開裂した状態の一例を示す部分的な断面図である。 図6は、図4の例における燃焼ガスの流れを模式的に示す図である。 図7は、図5の例における燃焼ガスの流れを模式的に示す図である。 図8は、第2の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。 図9は、遮断部が開裂し、第1部分が移動した状態の一例を示す部分的な断面図である。 図10は、シールテープがさらに開裂した状態の一例を示す部分的な断面図である。 図11は、第3の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。 図12は、第4の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。 図13は、他の実施形態に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。 図14は、ディフューザ部とその周囲を表す部分的な断面図である。 図15は、ディフューザ部における燃焼ガスの移動経路を説明するための模式的な図である。 図16は、燃焼室における燃焼ガスの移動経路を説明するための模式的な図である。 図17は、第6の実施形態であって実施形態5の変形例に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。 図18は、第7の実施形態であって実施形態5の変形例に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。
以下に、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の概略断面図である。ガス発生器1は、例えばエアバッグを膨張させるためのガス発生装置として利用できる。図1のガス発生器1は、筒状のハウジング2と、ハウジング2の軸方向の一端側に取り付けられる点火装置3と、ハウジング2の他端側に形成されるディフューザ部4とを備える。
点火装置3は、点火電流により着火する装置であり、公知のガス発生器において用いられるものと同じである。例えば、点火装置3は、点火薬を収容して封止された金属製のカップ体31と、外部から電流の供給を受けるための一対の導電ピン32、32とを有し、これらが金属製の点火器保持部33に樹脂部材34で固定されたものである。また、点火装置3の点火器保持部33は、ハウジング2の軸方向の一端側の開口部に例えば全周溶接により取り付けられる。全周溶接とは、円周方向に連続した環状の溶接であり、溶接対象の2つの部材間を隙間なく閉塞した状態にすることをいうものとする。
ハウジング2は、例えば内径及び外径がそれぞれほぼ均一な筒状の部材であり、ガス発生器1の外殻容器を形成する。ハウジング2の材質は、例えば金属である。ハウジング2の内部には点火装置3から所定の距離を離間させて、カップ状の隔壁5が配設されている。
隔壁5は、換言すれば有底筒状の部材であり、側部は径の大きな大径部51と径の小さな小径部52とを含む。隔壁5の大径部51の外径はハウジング2の内径と略同一である
。よって、底部53がディフューザ部4側に位置するように、ハウジング2は、隔壁5を収容することができる。なお、ハウジング2と大径部51の外周とは溶接されていてもよいし、ハウジング2の内周及び大径部51の外周に設けられた、互いに係合する凹凸等の係合部(図示せず)によって接続されていてもよい。また、隔壁5の底部53には、所定の形状の貫通孔54が1以上形成されている。貫通孔54は、後述するガス発生剤の燃焼生成物を通過させる。なお、隔壁5の小径部52における側部にも、貫通孔を設けてもよい。また、隔壁5は、ハウジング2の内部空間を、点火装置3と隔壁5との間に形成される第1燃焼室21(「エンハンサ室」とも呼ぶものとする)と、隔壁5とディフューザ部との間に形成される第2燃焼室22とに区画する。なお、隔壁5と点火装置3とが当接する程度に、隔壁5の側部(大径部51又は小径部52)を延伸し、隔壁5と点火装置3とで第1燃焼室21を形成してもよい。
第1燃焼室21は、第1ガス発生剤61(「伝火薬」又は「エンハンサ剤」とも呼ぶものとする)を収容する。第2燃焼室22は、第2ガス発生剤62を収容する。ガス発生剤(第1ガス発生剤61及び第2ガス発生剤62)は、例えば、硝酸グアニジン(41重量%)、塩基性硝酸銅(49重量%)及びバインダーや添加物によって形成されるなど、公知の組成を含む。ガス発生剤の個々の形状は、たとえばペレット形状やディスク状、柱状状、貫通孔を有した単孔円柱状のものを用いることができる。但し、ガス発生剤は、上記のものに限定されない。また、第1ガス発生剤61及び第2ガス発生剤62は、同種類、同形状、同寸法のガス発生剤であってもよいし、別種類、別形状、別寸法のガス発生剤であってもよい。なお、第1ガス発生剤61が第1燃焼室21に充填されず、点火装置3に
よって第2ガス発生剤62を着火させる構造であってもよい。また、例えば隔壁5を設け
ず、点火装置3が第2ガス発生剤62と接触して囲まれた状態であってもよい。
ディフューザ部4は、ハウジング2の他端側を閉塞するように取り付けられるカップ状の部材であり、その内部にフィルタ7を収容する。ディフューザ部4は、換言すれば有底筒状であり、開放端が第2燃焼室22に臨むように配置されている。すなわち、ディフューザ部4は、側壁41と閉塞端42とを有し、側壁41のうち閉塞端42とは反対側である開放端側がハウジング2と接続されている。図1の例では、側壁41の外径はハウジング2の内径と略同一であり、側壁41の開放端側の一部はハウジング2内に収容される。側壁41の開放端側は、ハウジング2に対しかしめで固定されていてもよいし、ディフューザ部4とハウジング2とは溶接されていてもよい。なお、例えば絞り加工等により、ディフューザ部4はハウジング2と一体に形成されていてもよい。
図1に示すように、ディフューザ部4の側壁41には、1以上のガス排出孔43が形成されている。図1の例では、ガス排出孔43は、第1ガス排出孔431(「第1ガス排出孔群」とも呼ぶ)と、第2ガス排出孔432(「第2ガス排出孔群」とも呼ぶ)と、第3ガス排出孔433(「第3ガス排出孔群」とも呼ぶ)を含む。第1ガス排出孔431の数、第2ガス排出孔432の数、及び第3ガス排出孔433の数はそれぞれ1以上である。また、本実施形態においては、複数の第1ガス排出孔431、複数の第2ガス排出孔432、及び複数の第3ガス排出孔433が設けられ、それぞれの数は等しいものとする。また、複数の第1ガス排出孔431、複数の第2ガス排出孔432、及び複数の第3ガス排出孔433は、それぞれディフューザ部4の周方向に等間隔に形成されている。また、ディフューザ部4の開放端側(第2燃焼室22の側)から閉塞端側へ向けて、第1ガス排出孔431、第2ガス排出孔432、第3ガス排出孔433の順に位置し、第2燃焼室22から遠くなるほどそれぞれ排出孔1つ当たりの開口面積(すなわち直径)が大きくなっている。したがって、本実施形態では、第1ガス排出孔431、第2ガス排出孔432、第3ガス排出孔433の順に、それぞれの総開口面積は大きくなる。ここで、「総開口面積」とは、1又は複数のガス排出孔43の開口面積の合計(すなわち、第1ガス排出孔群に含まれるガス排出孔の開口面積の合計、第2ガス排出孔群に含まれるガス排出孔の開口面
積の合計、第3ガス排出孔群に含まれるガス排出孔の開口面積の合計、のそれぞれ)を指している。
また、カップ状であるディフューザ部4の内部には、フィルタ7を収容する収容空間が形成されている。そして、フィルタ7の少なくとも一部は、ディフューザ部4の収容空間に収容される。ガス発生剤61、62が生成する燃焼ガスがフィルタ7を通過する際には、フィルタ7は、燃焼ガスを冷却する冷却部として機能すると共に、燃焼ガスの燃焼残渣を捕集することで燃焼ガスを濾過する。
図2は、ディフューザ部とその周囲を表す部分的な断面図である。フィルタ7はその外径がディフューザ部4の内径とほぼ同一である筒状であり、ディフューザ部4の開放端の側から閉塞端42の側に向かって延在する。また、フィルタ7の内部には燃焼ガスが通過する中空の流路(71、72)が設けられている。流路は、ディフューザ部4の開放端の側に位置する第1区間71と、ディフューザ部4の閉塞端の側に位置する第2区間72とを含む。なお、ディフューザ部4の側壁41のうち、第1区間71の径方向の周囲の部分(すなわち第1区間71に対応する側壁41の領域)を第1側壁領域、第2区間72の径方向の周囲の部分(すなわち第2区間72に対応する側壁41の領域)を第2側壁領域というものとする。換言すれば、ディフューザ部4の側壁41のうち、第1区間71の径方向の周囲の部分とは、第1区間71よりも、その軸方向と直交する径方向の外側に位置する側壁41の一部である。同様に、ディフューザ部4の側壁41のうち、第2区間72の径方向の周囲の部分とは、第2区間72よりも、その軸方向と直交する径方向の外側に位置する側壁41の一部である。第1側壁領域には、ガス排出孔431及びガス排出孔432が位置し、第2側壁領域には、ガス排出孔433が位置している。第1区間71と第2区間72とは連通しており、燃焼ガスは第1区間71から第2区間72へ流入し得る。また、第1区間71の内径よりも第2区間72の内径の方が小さい。よって、フィルタ7は、第1区間71と第2区間72との境に段部73を有する。なお、第2区間72のうちディフューザ部4の閉塞端側の端部がフィルタ7の本体によって閉じられ、流路はフィルタ7を貫通しなくてもよい。フィルタ7の本体部分は、第1区間71の径方向の外側に存在する第1領域74と、第2区間72の径方向の外側に存在する第2領域75とを含む。フィルタ7は外径が一定であるため、第1領域74の厚さは第2領域75の厚さよりも薄い。
フィルタ7は、例えば、金属製の線材を平編みしたものを成形型に収容し、円柱形状に圧縮成形して、第1区間71及び第2区間72に相当する貫通孔を設けたものであってもよい。また、フィルタ7は、第1区間71及び第2区間72の形状に形成された棒状の芯材に、金属製の線材を複数層をなすように巻き付け、線材同士が交差することにより網目を有する柱状に形成したものであってもよい。また、フィルタ7は、エキスパンドメタル、パンチングメタル、メタルラス、平織金網、畳織金網等のようなシート状の多孔板を円柱状に巻き上げたものに対し、第1区間71及び第2区間72に相当する貫通孔を設けたものであってもよい。
以上のように、フィルタ7は、第1区間71および第2区間72を除く本体部が中実状であり、全体として筒状に形成された金属製のフィルタである。なお、金属は、ステンレスや鉄等であり、銅やニッケル等でメッキ又はコーティングされていてもよい。また、「中実状」とは、燃焼ガスの燃焼残渣を捕集すると共に、燃焼ガスを冷却するために、所定の密度で金属材料が含まれていることをいうものとする。すなわち、燃焼ガスは、上述した流路だけでなく、冷却部として機能するフィルタ7の第1領域74及び第2領域75も通過し得る。ただし、燃焼ガスは、第1領域74及び第2領域75よりも、第1区間71及び第2区間72を流れ易い。
また、フィルタ7は、ディフューザ部4から第2燃焼室22側に突出し、その外径がディフューザ部4の内径よりも大きいフランジ部76を有する。フランジ部76は、フィルタ7をディフューザ部4内に挿入した状態において、ディフューザ部4の開放端に当接する。また、フランジ部76とハウジング2との間には間隙が設けられている。
また、ガス発生器1は、第2燃焼室22とディフューザ部4との間に、遮断部8が設けられている。本実施形態に係る遮断部8は、1つの円板状の金属部材であり、第2燃焼室22のディフューザ部4側を閉塞する。すなわち、遮断部8の径は第2燃焼室22の内径とほぼ同一であり、ハウジング2の外側からハウジング2と遮断部8とが全周溶接されている。図2においては、黒い三角形で溶接個所が例示されている。
図3は、遮断部材をディフューザ部側から見た平面図である。図2及び図3に示す遮断部8には、ガス発生器1の軸方向の厚さが異なる3つの部分が同心円状に設けられている。図2からわかるように、中央の第1部分81は、第1部分81の周囲に位置する第2部分82よりも厚い。また、第1部分81の径は、第1区間71の内径よりも小さく、第2区間72の内径よりも大きい。そして、第1部分81は、そのディフューザ部4側の一部が、第1区間71に挿入されている。第2部分82の周囲に位置する第3部分83は、ディフューザ部4側に突出し、ハウジング2とフィルタ7のフランジ部76との間に挟み込まれている。なお、第1部分81は、ガス発生器1の作動時においてガス発生剤61、62の燃焼圧力により第2部分82との境界で打ち抜かれる開裂部である。第1部分81と第2部分82との間には、部分的に又は全周にわたって、遮断部8の厚さが薄肉化された溝やノッチ等の脆弱部が設けられていてもよい。
遮断部8は、燃焼ガスによる第1燃焼室21及び第2燃焼室22の内圧の上昇に応じて、段階的に開裂する。具体的には、内圧がまず第1の閾値に達すると、第1部分81と第2部分82との境界に沿って開裂し、第1部分81が打ち抜かれる。第1の閾値は、ガス発生器1の作動時に発生するガス発生剤による燃焼圧力値であり、本開示において作動閾値ともいうものとする。そして、遮断部8の第1部分81は、燃焼ガスの流れにより第1部分81と第2部分82との境の段部73まで移動する。
図4は、遮断部材が開裂し、第1部分が移動した状態の一例を示す部分的な断面図である。図4の状態においては、遮断部8の第1部分81が、第1区間71から第2区間72への燃焼ガスの流入を遮断する。ガス発生剤による燃焼圧力は、室温の状態では第1の閾値を越えて徐々に上昇するが、後述する第2の閾値を越えないように設定しておく。そのため室温での作動時には、第1部分81は開裂せずに第2区間を閉塞し続ける。また、高温環境下での作動では第1部分81は、上述した第1の閾値が発生した後、より大きい第2の閾値以上の圧力までさらに到達し、その圧力が第1部分81にかかる。そのため第1部分は開裂し、第1区間71と第2区間72とが連通する。第2の閾値は、本開示において臨界閾値ともいうものとする。
図5は、遮断部材の第1部分がさらに開裂した状態の一例を示す部分的な断面図である。図5においては、第1部分81の中央がさらに打ち抜かれ、第1部分81の一部がディフューザ部4の閉塞端側へ移動している。なお、第1部分81は、第2の閾値以上の圧力により開裂するよう設計された溝やノッチ等の脆弱部(図示せず)をさらに備えていてもよい。また、第1部分81は、第2の閾値以上の圧力で破断して第1区間71と第2区間72とを連通させることができればよい。例えば、図5に示すように第1部分81の一部が打ち抜かれず、第1部分81の全体が屈曲して第2区間72へ移動するものであってもよい。以上のように、遮断部8は段階的に開裂して第1区間71と第2区間72との間を閉塞したり開放したりする。
<動作>
ガス発生器1が例えば自動車のエアバッグ等に組み付けられた状態では、コネクタ(図示せず)が一対の導電ピン32、32と接続されており、点火装置3に対して給電可能になっている。この状態で、自動車等に搭載されたセンサ(図示せず)が衝撃を感知すると、点火装置3は、一対の導電ピン32、32に供給される着火電流により作動する。点火装置3は、カップ体31内の点火薬を燃焼させ、その燃焼生成物をカップ体31の外部に放出させる。また、点火薬の燃焼生成物である火炎や燃焼ガスにより、第1ガス発生剤61が着火する。また、第1ガス発生剤61は、燃焼生成物として燃焼ガスを生成し、燃焼ガスは隔壁5の貫通孔54を通過して第2燃焼室22の第2ガス発生剤62を着火させる。また、第2ガス発生剤62も、燃焼生成物として燃焼ガスを生成する。
上述した図4の例は、換言すれば、ガス発生器1が動作したときの状態を表している。図6は、図4の例における燃焼ガスの流れを模式的に示す図である。ガス発生器1が動作する環境が所定の温度以下の場合、ガス発生剤の燃焼の反応速度は比較的小さい。このとき、第1燃焼室21及び第2燃焼室22の内部の圧力は、上述した第1の閾値を越えて、上述した第2の閾値よりも低い値まで上昇するよう設計されている。よって、第1燃焼室21及び第2燃焼室22の燃焼ガスの圧力が第1の閾値に到達した時点で遮断部8の第1部分81の周囲が開裂し、第1部分81が段部73にとどまる。そして第1区間71と第2区間72との間は遮断部8の第1部分81によって燃焼ガスの流れが遮断される。よって、図6に示すように、燃焼ガスはフィルタ7のうち主として第1領域74を通過してろ過および冷却され、主としてディフューザ部4の第1ガス排出孔431及び第2ガス排出孔432から排出される。なお、燃焼ガスの一部は、フィルタ7の本体部分のうち第2領域75へも流入し、第3ガス排出孔433からも排出されるが、その量は比較的少ない。よって燃焼ガスは第2領域75を通過する割合が非常に少ないので、過剰な冷却が抑制される。
上述した図5の例は、換言すれば、所定の温度より高い環境でのガス発生器1の動作を表している。図7は、図5の例における燃焼ガスの流れを模式的に示す図である。ガス発生器1が動作する環境が所定の温度より高い場合、ガス発生剤の燃焼の反応速度は図4及
び図6に示す例よりも大きくなる。また発生する燃焼ガスの温度も常温での作動時に発生する燃焼ガスの温度よりも高くなっている。このとき、第1燃焼室21及び第2燃焼室22の内部の圧力は、第1の閾値に達した後に上述した第2の閾値を超えるよう設計されている。よって、第1燃焼室21及び第2燃焼室22の燃焼ガスの圧力により遮断部8の第1部分81の周囲が開裂し、遮断部8の第1部分81がフィルタ7の段部73まで移動すると共に、さらに第1部分81が開裂し、第1区間71と第2区間72とが連通する。よって、図7に示すように、燃焼ガスはフィルタ7のうち第1領域74及び第2領域75を通過してろ過および冷却され、ディフューザ部4の第1ガス排出孔431、第2ガス排出孔432及び第3ガス排出孔433から排出される。
<効果>
一般的に、ガス発生器は、作動時の環境温度に応じてその出力が変化する。すなわち、環境温度が上昇するとガス発生剤の燃焼速度も上昇するため、同一の仕様のガス発生器でも高温の環境においては作動時の出力が高くなりがちである。本実施形態においては、所定の温度以上の環境(図7)においては、所定の温度未満の環境(図6)での動作と比較し、第1燃焼室21及び第2燃焼室22において生成される燃焼ガスの温度は高くなる。一方、図7の例においては、図6の例と比較し、フィルタ7のうち、より広い部分を冷却部として利用できるため冷却効率は高くなる。これにより、燃焼ガスの温度の上昇も抑制され、作動時の環境温度の違いによるガス発生器の出力性能の違いを小さく抑えることができる。図6の例では、フィルタ7のうち燃焼ガスが流通する領域を狭くし、図7の例と比較すると燃焼ガスの冷却が抑制される。ガス発生器1から排出される燃焼ガスは、第1
ガス排出孔431から排出された燃焼ガスと第2ガス排出孔432から排出された燃焼ガスと第3ガス排出孔433から排出された燃焼ガスとを混合した温度を有するところ、本開示のガス発生器1によれば、環境温度の違いによる出力の差を低減することができる。
<実施形態2>
図8は、第2の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。本実施形態においては、遮断部8が第1の実施形態と異なっている。よって、上述した第1の実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
図8の遮断部8は、第1部分81の中央に貫通孔84を有し、貫通孔84はシールテープ85で閉塞されている。シールテープ85は、例えばアルミニウム箔やステンレス箔の片面に粘着層が形成されたシール部材である。また、本実施形態においては、第1部分81と第2部分82との境界よりも、シールテープ85は、開裂するために大きな力を要するように設計される。すなわち、第1の実施形態と同様に、遮断部8は、燃焼ガスによって第1燃焼室21及び第2燃焼室22の内圧が第1の閾値を越えると第1部分81と第2部分82との境界が開裂する。また、シールテープ85は、燃焼ガスによって第1燃焼室21及び第2燃焼室22の内圧が、上述した第1の閾値よりも大きい第2の閾値の圧力以上になると開裂する。なお、シールテープ8の破断強度は、シールテープ8の材質や厚さを変更したり、2以上のシールテープ85を重ねたりして調整することができる。本実施形態においては、第1部分81及び第2部分82と、シールテープ85とを個別に強度設計できるため、設計し易いといえる。
図9は、遮断部が開裂し、第1部分が移動した状態の一例を示す部分的な断面図である。本実施形態においても、遮断部8の第1部分81が、フィルタ7の段部73まで移動すると、第1区間71から第2区間72への燃焼ガスの流入を遮断する。また、図10は、シールテープがさらに開裂した状態の一例を示す部分的な断面図である。上述した第2の閾値以上の圧力を受けると、シールテープ85がさらに開裂して貫通孔84が開口し、第1区間71と第2区間72とが連通する。以上のように、遮断部8は段階的に開裂して第1区間71と第2区間72との間を閉塞したり開放したりする。本実施形態に係るガス発生器1によっても、環境温度に応じてフィルタ7のうち冷却部として利用する部分の大きさを段階的に変更することができる。
<実施形態3>
図11は、第3の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。本実施形態においては、フィルタ7及び遮断部8が、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なっている。そして上述した第1の実施形態及び第2の実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
本実施形態においては、遮断部8は、別体である第1遮断部材86及び第2遮断部材87を含む。また、フィルタ7の第1領域74と第2領域75とが別体として形成されており、両者の間に第2遮断部材87が配置されている。第1遮断部材86は、第1の実施形態における遮断部8に対応する構成要素であり、燃焼時の圧力が少なくとも第1の閾値を越えると開裂するように設計されている。なお、本実施形態において第1遮断部材86のうち開裂時に打ち抜かれる部分は、第1区間71の内径及び第2区間72の内径よりも小さい。また、本実施形態においては、第1区間71の内径と第2区間72の内径とは同じであってもよいし、第1区間71の内径よりも第2区間72の内径の方が大きくてもよい。第2遮断部材87は、円板状の金属部材であり、フィルタ7の第1領域74と第2領域75との間に配置される。第2遮断部材87の径はディフューザ部4の内径とほぼ同一であり、ディフューザ部4の外側からディフューザ部4と第2遮断部材87とが溶接されていてもよい。また、第2遮断部材87は、第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上の圧力
で開裂するように設計されている。したがって、本実施形態に係る遮断部8も圧力に応じて段階的に開裂し、第2燃焼室22と第1区間71との間、及び第1区間71と第2区間72との間を順に開放することができる。よって、本実施形態に係るガス発生器1によっても、環境温度に応じてフィルタ7のうち冷却部として利用する部分の大きさを段階的に変更することができる。なお、フィルタ7の第1領域74と第2領域75とが接するように配置し、第1領域74と第2領域75との間に第2遮断部材87を保持するための環状溝を有するフィルタ7を用いるようにしてもよい。
<実施形態4>
図12は、第4の実施形態に係るガス発生器の一例を示す軸方向の部分的な概略断面図である。本実施形態においては、フィルタ7及び遮断部8が、他の実施形態とは異なっている。そして上述した他の実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
本実施形態においては、第3の実施形態と同様に、フィルタ7の第1領域74と第2領域75とが別体として形成されており、両者の間に間隙を有する。また、第1区間71の内径と第2区間72の内径とが同じであってもよいし、第1区間71の内径よりも第2区間72の内径の方が大きくてもよい。また、ハウジング2内の第2燃焼室22とフィルタ7の第1区間71とは連通しており、第1区間71内にも第2ガス発生剤62が充填されているものとする。なお、第2燃焼室22と第1区間71との間を例えば第2ガス発生剤62よりも小さな網目の金網(図示せず)で仕切り、第2燃焼室22のみに第2ガス発生剤62が充填されるようにしてもよい。
本実施形態に係る遮断部8は、シールテープ88及び第3遮断部材89を含む。本実施形態に係るシールテープ88も、例えばアルミニウム箔やステンレス箔の片面に粘着層が形成されたものである。シールテープ88は、第1区間71の径方向の周囲に設けられたガス排出孔431及びガス排出孔432をすべて閉塞する。また、本実施形態に係るシールテープ88は、燃焼圧力が第1の閾値を越えると開裂するように設計されている。第3遮断部材89は、第3の実施形態に係る第2遮断部材87と同様の部材である。すなわち、第3遮断部材89も、円板状の金属部材であり、フィルタ7の第1領域74と第2領域75との間に配置される。第3遮断部材89の径はディフューザ部4の内径とほぼ同一であり、ディフューザ部4の外側からディフューザ部4と第3遮断部材89とが全周溶接されている。また、第3遮断部材89は、第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上の圧力で開裂するように設計されている。
以上のように、本実施形態に係るガス発生器1は、初期的に第2燃焼室22と第1区間71との間が開放されている。また、圧力に応じて、ガス排出孔431及びガス排出孔432を閉塞するシールテープ88と、第1区間71と第2区間72との間の第3遮断部材89とが段階的に開裂し、ガス排出孔43が開口する。よって、本実施形態に係るガス発生器1によっても、環境温度に応じてフィルタ7のうち冷却部として利用する部分の大きさを段階的に変更することができる。
<実施形態5>
図13は、他の実施形態に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
本実施形態においては、遮断部8は、予め中央に開孔が設けられたオリフィスプレートであり、ガス発生器1の内圧に応じて段階的に開裂するものではない。また、ハウジング2の内部には、第1燃焼室21に代えて、ガス発生剤を保持していない中空部23が形成
される。すなわち、ハウジング2は隔壁5によって、点火装置3及び隔壁5の間に形成される中空部23と、隔壁5及びディフューザ部4の間に形成される燃焼室24とに区画される。
本実施形態においては、遮断部8の周囲はハウジング2の内周に当接していない。また、フィルタ7と、ハウジング2及びディフューザ部4との間には、縦断面視においてクランク状の境界が形成される。なお、遮断部8の外径はハウジング2の内径よりも小さく、第3部分83を備えていない。遮断部8の外周にはハウジング2との間に間隙が設けられている。このような遮断部8は、フィルタ7とガス発生剤6との間に挟持されていてもよいし、遮断部8とフィルタ7とが少なくとも一部において溶接されていてもよい。フィルタ7が貫通孔又は凹部を備える場合は、遮断部8の第1部分81がフィルタ7の貫通孔又は凹部に挿入されることによって位置合わせされていてもよい。また、遮断部8は1以上の貫通孔84を有し、本実施形態においてはシール部材等により遮蔽されていないものとする。このような構成において、本実施形態に係るガス発生器1は、燃焼ガスがフィルタ7を通過せずにディフューザ部4のガス排出孔43から排出されることを抑制する。
本実施形態においても、フィルタ7は、第1領域74及び第2領域75(第1領域74および第2領域75を合わせて「本体部」とも呼ぶ)と、フランジ部76とを有する。また、フィルタ7のフランジ部76は、フィルタ7をディフューザ部4内に挿入した状態において、ディフューザ部4の開放端に当接する。図14は、ディフューザ部とその周囲を表す部分的な断面図である。フィルタ7のフランジ部76は、フィルタ7をディフューザ部4に内挿した状態においてディフューザ部4の開放端に当接する第1環状面761と、第1環状面761とは反対側であって燃焼室24側を向く第2環状面762と、第1環状面761及び第2環状面762を接続し、外周方向を向く環状周面763とを含む。
第1環状面761は、ディフューザ部4の開放端に当接する。特に、ガス発生器1の作動時においては、ガス発生剤6の燃焼により生じた燃焼ガスが燃焼室24の内圧を上昇させ、フィルタ7はディフューザ部4の方向に付勢される。このとき、第1環状面761とディフューザ部4の開放端との間隙がなくなるため、フィルタ7とハウジング2及びディフューザ部4との間の縦断面視におけるクランク状の境界に沿ってフィルタ7を通過せずに燃焼ガスが排出されることが抑制される。なお、第1環状面761の少なくとも一部は、ディフューザ部4の開放端に溶接されていてもよい。
また、環状周面763は、ハウジング2の内周と当接するように圧入されていてもよい。このような構成によっても、フィルタ7とハウジング2及びディフューザ部4との間の縦断面視におけるクランク状の境界に沿ってフィルタ7を通過せずに燃焼ガスが排出されることが抑制される。
また、第2環状面762のうち外周に沿った領域(「外周部」とも呼ぶ)は、遮断部8に覆われずに燃焼室24に露出している。したがって、燃焼ガスは、第2環状面762の外周部からもフィルタ7に侵入する。図15は、ディフューザ部における燃焼ガスの移動経路を説明するための模式的な図である。図15においては、破線の矢印で、ディフューザ部4内における燃焼ガスの移動経路を例示している。第2環状面762の外周部からフィルタ7内に侵入する燃焼ガスは、遮断部8の貫通孔84を通過してフィルタ7内の流路からフィルタ7内に侵入する燃焼ガスよりも、比較的フィルタ7内を通過する距離が長く又は回数が多い。よって、第2環状面762の外周部から燃焼ガスをフィルタ7内に取り入れることで、燃焼ガスの冷却効率や燃焼残渣の捕集効果は高まるといえる。
また、遮断部8の貫通孔84を通過してフィルタ7内の流路へ侵入する燃焼ガスの一部は、ディフューザ部4の閉塞端42に衝突して方向を変え、フィルタ7内を通過してガス
排出孔43から排出される。フィルタ7とディフューザ部4の閉塞端42とが当接するように構成することで、フィルタ7と閉塞端42との境界に沿ってフィルタ7を通過せずに燃焼ガスが排出されることが抑制される。また、燃焼ガスは、オリフィスプレートである遮断部8の貫通孔84を通過した後に流速が上昇し、比較的多くの燃焼ガスがディフューザ部4の閉塞端42に到達する。フィルタ7の厚さを、ディフューザ部4の開放端側よりも閉塞端42側を厚くすることで、閉塞端42に到達した燃焼ガスの冷却効率や燃焼残渣の捕集効果を向上させることができる。なお、本実施形態においては、フィルタ7の内部に形成される流路は、貫通孔でなく、ディフューザ部4の閉塞端42側において閉塞された凹部であってもよいし、フィルタ7は流路(71、72)を有していなくてもよい。
また、本実施形態においては、ハウジング2は隔壁5によって、点火装置3及び隔壁5の間に形成される中空部23と、隔壁5及びディフューザ部4の間に形成される燃焼室24とに区画されている。中空部23は、ガス発生剤を収容していないが、図1のようにガス発生剤が充填されていてもよい。また、燃焼室24は、その内部にガス発生剤6を保持している。ガス発生剤6は、公知の組成によって形成され、燃焼して燃焼ガスを発生させる。ガス発生剤6は、第1ガス発生剤61又は第2ガス発生62と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
隔壁5は、燃焼室24に収容される粒状のガス発生剤6をディフューザ部4の方向に押さえ付け、ガス発生剤6が揺れ動くことを規制するホルダ(「リテーナー」とも呼ぶ)として機能する。すなわち、隔壁5は、ハウジング2に例えば圧入され、隔壁5の側部のうち大径部51はハウジング2の内周に当接する接続部として機能する。また、隔壁5の底部53は平板部であり、燃焼室24に収容される粒状のガス発生剤6をディフューザ部4の方向に押さえ付ける。
隔壁5は、貫通孔54を、底部53のうち中央には有しておらず、外周寄りに有している。例えば、底部53の外周に沿って、複数の貫通孔54が設けられている。図16は、燃焼室における燃焼ガスの移動経路を説明するための模式的な図である。燃焼室24内には、粒状のガス発生剤6が充填されている。ガス発生剤6の形状は例えば円柱状であり、ガス発生剤6の間には不規則に間隙が形成される。なお、ガス発生剤6の大きさや形状は図示したものには限定されない。
燃焼ガスが燃焼室24を流れる場合、入り組んで充填されたガス発生剤6の間を縫って移動するためその経路長はハウジング2の長さよりも長くなる。ただし、ハウジング2の内周面とガス発生剤6とは互いに入り組むことがないため、ハウジング2の内周面に沿ってディフューザ部4まで比較的直線的に伸びる間隙が形成される。よって、図16において破線の矢印で示すように、燃焼ガスはハウジング2の内周面に沿ってハウジング2の軸方向に比較的直線的に流れることができる。上述のように、貫通孔54を、隔壁5の底部53のうち外周寄りに設けることで、貫通孔54を通過した点火装置3の燃焼生成物が、燃焼室24内をハウジング2の内周面に沿って流れ易くなり、ガス発生器1の作動から燃焼ガスの排出までの時間を短縮することができる。この場合、もちろん底部53の中央にも貫通孔54が併存してもよい。
<実施形態6>
図17は、第6の実施形態であって実施形態5の変形例に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
図17は、点火器及び中空部とその周囲を表している。本実施形態に係るガス発生器1の隔壁5は、側部のうち小径部52に、貫通孔54を有している。また、隔壁5は、底部
53には貫通孔54を有していない。このような隔壁5であれば、点火装置3の燃焼生成物は、中空部23から燃焼室24へハウジング2の内周に向けて放出される。よって、点火装置3の燃焼生成物は、図16に破線の矢印で示したハウジング2の内周面に沿った経路を通過し易くなる。すなわち、ガス発生器1の作動から燃焼ガスの排出までの時間を短縮することができる。なお、小径部52とハウジング2の間の環状空間にはガス発生剤6が存在しない。すなわち、小径部52とハウジング2との間の長さ、又は小径部52の、ハウジング2の軸方向の長さは、例えば円柱形状であるガス発生剤6の径及び高さよりも小さい。
<実施形態7>
図18は、第7の実施形態であって実施形態5の変形例に係るガス発生装置の一例を示す軸方向の概略断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と同一の構成要素には対応する符号を付し、又は図示を省略する。
図18は、点火器及び中空部とその周囲を表している。本実施形態に係るガス発生器1の隔壁5は、その側部に小径部52を備えておらず、大径部51から底部53の外縁に向けてテーパが付けられた環状傾斜面55を有する。そして、環状斜面55は、貫通孔54を有している。また、隔壁5は、底部53には貫通孔54を有していない。このような隔壁5であっても、点火装置3の燃焼生成物は、中空部23から燃焼室24へハウジング2の内周に向けて放出される。よって、点火装置3の燃焼生成物は、図16に破線の矢印で示したハウジング2の内周面に沿った経路を通過し易くなる。すなわち、ガス発生器1の作動から燃焼ガスの排出までの時間を短縮することができる。環状傾斜面55とハウジング2の間の環状空間にはガス発生剤6が存在しない。すなわち、当該環状空間のハウジング2の径方向の長さ又は軸方向の長さは、例えば円柱形状であるガス発生剤6の径及び高さよりも小さい。
<その他>
以上、本開示に係るガス発生装置の実施形態について説明したが、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他の特徴と組み合わせることができる。たとえば、図11の第1遮断部材86及び第2遮断部材87、図12の第3遮断部材89は、それぞれ貫通孔と当該貫通孔を閉塞するシールテープとを有し、所定の圧力を受けてシールテープが開裂するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、第1ガス排出孔431、第2ガス排出孔432及び第3ガス排出孔433は、第2燃焼室22から遠くなるほどそれぞれの開口面積が大きくなっている。ディフューザ部の側壁のうち、第1区間71の周囲に位置する第1側壁領域に設けられるガス排出孔の総開口面積よりも、第2区間72の周囲に位置する第2側壁領域に設けられるガス排出孔の総開口面積の方が大きくしてもよい。ガス発生器1の内圧が十分に高い場合、各ガス排出孔43から排出される燃焼ガスの量の単位時間当たりの量の比は、ガス排出孔43の各々の面積の比に応じたものになる。よって、第3ガス排出孔433の開口面積を大きくすることで、第1区間71と第2区間72とが連通した状態においては、燃焼ガスをできるだけフィルタ7の第2領域75を通過させ、冷却効率を高めることができる。なお、第1側壁領域に設けられるガス排出孔43よりも第2側壁領域に設けられるガス排出孔43の方が個々の開口面積(直径)が大きくなるようにしてもよいし、排出孔1つあたりの開口面積(直径)を同じにして、ガス排出孔43の数が第2側壁領域において多くなるようにしてもよい。また、ディフューザ部4の面積に対するガス排出孔43の開口率が、第1側壁領域よりも第2側壁領域の方が高くなるようにしてもよい。ただし、ガス排出孔43の開口面積や形状は図示したものには限定されず、たとえばすべての開口面積が同一であってもよいし、第2側壁領域よりも第1側壁領域の方が、開口率が高くてもよい。
また、ガス発生器1の遮断部8は、冷却部として利用するフィルタ7の領域を、燃焼室の内圧に応じて3段階以上に切り替え得るようにしてもよい。また、ガス発生器1は、エアバッグ以外の装置に組み込まれるものであってもよい。
実施形態1から4に示した第1燃焼室21及び第2燃焼室22を、実施形態5から7に適用してもよいし、実施形態5から7に示した中空部23及び燃焼室24を、実施形態1から4に適用してもよい。
1:ガス発生器
2:ハウジング
21:第1燃焼室
22:第2燃焼室
23:中空部
24:燃焼室
3:点火装置
4:ディフューザ部
41:側壁
42:閉塞端
43(431-433):ガス排出孔
5:隔壁
6:ガス発生剤
61:第1ガス発生剤
62:第2ガス発生剤
7:フィルタ
71:第1区間
72:第2区間
73:段部
74:第1領域
75:第2領域
8:遮断部
81:第1部分
82:第2部分
83:第3部分
84:貫通孔
85:シールテープ
86:第1遮断部材
87:第2遮断部材
88:シールテープ
89:第3遮断部材

Claims (16)

  1. 外殻容器を形成する、一端側から他端側にのびるハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられた点火装置と、
    前記ハウジングの内部に形成され、前記点火装置によって着火されるガス発生剤を収容する燃焼室と、
    前記ハウジングにおける他端側に設けられ、端部が閉塞した閉塞端と複数のガス排出孔を有する側壁を含んだディフューザ部と、
    前記ディフューザ部の内部に少なくとも一部が収容されるフィルタであって、その内部に、前記燃焼室の側から前記閉塞端の側へ向かう中空の流路を有し、当該流路は、一端が前記燃焼室に接続される第1区間と、当該第1区間の他端に接続される第2区間とを含む、フィルタと、
    作動時における前記ガス発生剤の燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞状態とし、前記燃焼圧力が前記臨界閾値以上の場合に、前記第1区間と前記第2区間を連通状態とする、遮断部と、
    を備え、
    前記ディフューザ部の側壁は、前記第1区間の周囲に位置する第1側壁領域と、前記第2区間の周囲に位置する第2側壁領域とを含み、前記第1側壁領域及び前記第2側壁領域に、それぞれ1以上の前記ガス排出孔が設けられている
    ガス発生器。
  2. 前記フィルタは、前記第1区間の内径よりも前記第2区間の内径の方が小さく、前記第1区間と前記第2区間との境界に段部を有し、
    前記遮断部は、作動前において前記燃焼室と前記第1区間との間を閉塞し、その径が前記第1区間の内径以下であって且つ前記第2区間の内径よりも大きく、前記臨界閾値よりも小さい作動閾値以上の圧力で打ち抜かれるように形成された開裂部を含み、
    前記燃焼圧力が前記作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に、前記燃焼圧力により前記開裂部が打ち抜かれて前記段部へ移動することにより、前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞させ、
    前記燃焼圧力がさらに前記臨界閾値以上に達した場合に、前記燃焼圧力により前記開裂部の少なくとも一部が前記段部を越えて前記第2区間へ移動し、前記第1区間と前記第2区間を連通状態とする
    請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記フィルタは、前記第1区間の内径よりも前記第2区間の内径の方が小さく、前記第1区間と前記第2区間との境界に段部を有し、
    前記遮断部は、作動前において前記燃焼室と前記第1区間との間を閉塞し、その径が前記第1区間の内径以下であって且つ前記第2区間の内径よりも大きく、前記臨界閾値よりも小さい作動閾値以上の圧力で打ち抜かれるように形成された開裂部を含み、
    前記開裂部は、貫通孔と、当該貫通孔を閉塞すると共に前記臨界閾値以上の圧力で開裂するシール部材とを有し、
    前記燃焼圧力が前記作動閾値以上、且つ臨界閾値未満の場合に、前記燃焼圧力により前記開裂部が打ち抜かれて前記段部へ移動することにより、前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞させ、
    前記燃焼圧力がさらに前記臨界閾値以上に到達した場合に、前記燃焼圧力により前記シール部材が開裂して前記貫通孔を開口させ、前記第1区間と前記第2区間を連通状態とする
    請求項1に記載のガス発生器。
  4. 前記遮断部は、作動前において前記燃焼室と前記第1区間との間を閉塞すると共に、前
    記燃焼圧力が、前記臨界閾値よりも小さい作動閾値で開裂し前記燃焼室と前記第1区間とを連通させる第1遮断部材と、作動前において前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞すると共に、前記燃焼圧力が、さらに前記臨界閾値を越えた場合に、前記第1区間と前記第2区間を連通させる第2遮断部材とを含む
    請求項1に記載のガス発生器。
  5. 前記遮断部は、作動前において前記第1側壁領域に設けられた前記ガス排出孔を閉塞し、前記燃焼圧力が、前記臨界閾値よりも小さい作動閾値で開裂するシール部材と、作動前において前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞すると共に、前記燃焼圧力が、さらに前記臨界閾値を越えた場合に、前記第1区間と前記第2区間を連通させる遮断部材とを含む
    請求項1に記載のガス発生器。
  6. 前記遮断部は、前記開裂部の形状に沿って前記遮断部を薄肉化した脆弱部を備える
    請求項2又は3に記載のガス発生器。
  7. 前記第1側壁領域に設けられる前記ガス排出孔の総開口面積よりも、前記第2側壁領域に設けられる前記ガス排出孔の総開口面積の方が大きい
    請求項1から6のいずれか一項に記載のガス発生器。
  8. ガス発生器が行うガス排出方法であって、
    ガス発生器は、
    外殻容器を形成する一端側から他端側にのびるハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられた点火装置と、
    前記ハウジングの内部に形成され、前記点火装置によって着火されるガス発生剤を収容する燃焼室と、
    前記ハウジングにおける他端側に設けられ、端部が閉塞した閉塞端と複数のガス排出孔を有する側壁を含んだディフューザ部と、
    前記ディフューザ部の内部に少なくとも一部が収容されるフィルタであって、その内部に、前記燃焼室の側から前記閉塞端の側へ向かう中空の流路を有し、当該流路は、一端が前記燃焼室に接続される第1区間と、当該第1区間の他端に接続される第2区間とを含む、フィルタと、
    作動時における前記ガス発生剤の燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、前記第1区間と前記第2区間との間を閉塞状態とし、前記燃焼圧力が前記臨界閾値を越えた場合に、前記第1区間と前記第2区間を連通状態とする、遮断部と、
    を備え、
    前記ディフューザ部の側壁には、前記第1区間の周囲に位置する第1側壁領域と、前記第2区間の周囲に位置する第2側壁領域とを含み、前記第1側壁領域及び前記第2側壁領域に、それぞれ1以上の前記ガス排出孔が設けられており、
    ガス排出方法は、
    着火電流を供給して前記点火装置を着火させ、前記ガス発生剤を燃焼させること、
    前記燃焼圧力が所定の臨界閾値未満の場合に、前記第1区間と前記第2区間との間を前記遮断部にて閉塞状態とし、前記燃焼圧力が前記臨界閾値以上の場合に、前記第1区間と前記第2区間を連通状態とすること、を含む
    ガス排出方法。
  9. 外殻容器を形成する、一端側から他端側に延在する筒状のハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられた点火装置と、
    前記ハウジングの内部に形成され、前記点火装置によって着火されるガス発生剤を収容する燃焼室と、
    前記ハウジングにおける一端側に内挿され、ガス排出孔を有する筒状のディフューザ部と、
    前記ディフューザ部に収容される本体部、及び当該本体部の前記ハウジング側の端部に、前記ディフューザ部の内周よりも径方向の外側へ突出したフランジ部を有するフィルタと、
    を備え、
    前記フランジ部の表面のうち前記本体部側に面する第1環状面は、前記ディフューザ部の前記ハウジング側の端部と当接する
    ガス発生器。
  10. 前記フランジ部は、前記第1環状面の裏側に面する第2環状面と、前記第1環状面及び前記第2環状面を接続する環状周面とを有し、
    前記環状周面は前記ハウジングの内周に当接する
    請求項9に記載のガス発生器。
  11. 前記フィルタの前記本体部は、前記ハウジング側から前記ディフューザ部の軸方向に沿って延在する凹部を有し、
    前記ハウジングの内部に、前記燃焼室と前記凹部とを区画すると共に前記燃焼室と前記凹部とを連通する貫通孔を有するオリフィスプレートを備える
    請求項9又は10に記載のガス発生器。
  12. 前記フィルタの前記本体部は、前記ハウジング側から前記ディフューザ部の軸方向に沿って延在する凹部を有し、
    前記ハウジングの内部に、前記燃焼室と前記凹部とを区画すると共に前記燃焼室と前記凹部とを連通する貫通孔を有するオリフィスプレートを備え、
    前記オリフィスプレートの外径は前記フランジ部の外径よりも小さく、前記フランジ部の前記第2環状面の外周部は前記ハウジング側に露出する
    請求項10に記載のガス発生器。
  13. 前記ディフューザ部は、前記ハウジングとは反対側に、端部が閉塞した閉塞端を有し、
    前記フィルタは前記閉塞端に当接すると共に、前記フィルタの前記凹部は貫通孔であり、前記フィルタの厚さは、前記ハウジング側よりも前記閉塞端側の方が厚い
    請求項11又は12に記載のガス発生器
  14. 前記点火装置は、前記ハウジングの前記他端側に取り付けられ、
    前記点火装置が配置される空間と前記燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、前記ガス発生剤を前記燃焼室内に保持するリテーナーを備え、
    前記リテーナーは、前記ガス発生剤を支持する平板部と、当該平板部の外周に設けられ前記ハウジングの内周に当接する接続部とを有し、前記平板部の周縁部に貫通孔を有する
    請求項9から13の何れか一項に記載のガス発生器。
  15. 前記点火装置は、前記ハウジングの前記他端側に取り付けられ、
    前記点火装置が配置される空間と前記燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、前記ガス発生剤を前記燃焼室内に保持するリテーナーを備え、
    前記リテーナーは、前記ガス発生剤を支持する平板部と、当該平板部の外周に沿って、前記ハウジングの内周から離間して設けられる段差部と、前記ハウジングの内周に当接する接続部とを有し、前記段差部に貫通孔を有する
    請求項9から13の何れか一項に記載のガス発生器。
  16. 前記点火装置は、前記ハウジングの前記他端側に取り付けられ、
    前記点火装置が配置される空間と前記燃焼室とを区画し、開口を有するリテーナーであって、前記ガス発生剤を前記燃焼室内に保持するリテーナーを備え、
    前記リテーナーは、前記ハウジングの内径よりも外径が小さく、前記ガス発生剤を支持する平板部と、前記ハウジングの内周に当接する接続部と、当該平板部の外周から前記接続部へテーパが付けられた環状傾斜面とを有し、前記環状傾斜面に貫通孔を有する
    請求項9から13の何れか一項に記載のガス発生器。
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