JP2022178498A - 受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラム - Google Patents

受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムを提供する。【解決手段】送信信号に対してプリコーディング処理及びクリッピング処理を行い、複数の送信信号を同一周波数帯域内において同時出力する送信装置から送信信号を受信する受信処理部(410A)と、送信信号に対してプリコーディング処理の逆変換を行うことにより、受信データセットを送信信号から分離する信号分離部(420A)と、受信データセットと送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した信号歪成分、雑音成分及び干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、送信データセットを推定する送信信号推定部(440A)と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムに関する。
近年、マイクロ波又はミリ波以上の高周波数帯を用いて通信を行う見通し内(LOS:Line‐Of‐Sight)通信システムでは、モバイル通信インフラストラクチャとしての需要の増加に伴って伝送容量の大容量化が求められている。伝送容量の大容量化を実現する技術として、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを使用したMIMO(Multi‐Input Multi‐Output)伝送技術が知られている。また、MIMO伝送技術においては、電磁波の軌道角運動量(Orbital Angular Momentum:OAM)を活用して多数の信号を多重化することにより大容量化する伝送方法を、MIMO技術によって実現したOAM‐MIMO伝送技術が注目されている。
例えば非特許文献1には、同心円上に複数のアンテナ素子を配置した送信アンテナ及び受信アンテナを用いることによってOAM‐MIMO伝送を実現する技術が開示されている。非特許文献1では、各同心円上に配置された複数のアンテナ素子を通して伝送される信号に対してプリコーディング処理を施すことによって電磁波のOAM伝送モードを活用して信号を多重化することにより、OAM伝送と同様の多重伝送を実現している。受信装置側では、送信装置側で行われたプリコーディング処理の逆変換を適用することにより、同心円上のアンテナ素子が伝搬する信号に対して干渉なく信号を受信することができる。
OAM伝送を含むMIMO伝送技術においては、多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)、又は偏波多重技術などと組み合わせることによって周波数利用効率を大幅に向上させ、通信の大容量化を実現することが期待されている。そのための課題の一つが、複数のアンテナ素子から出力される各送信信号のピーク電力を削減することである。
MIMO伝送においては、伝送路の効率的な利用のため、送信信号に対してプリコーディング処理を施すことが一般的である。例えば、上述したOAM‐MIMO伝送においては、信号に対して逆離散フーリエ変換で実現されるプリコーディング処理を行ってから信号をアンテナに入力する。このようなプリコーディング処理は、同心円上のアンテナ素子を通して、信号を干渉なく伝送するために必須である。一方で、プリコーディング処理によって、複数の信号が合成されることにより、ピーク電力と平均電力の比率(Peak to Average Power Ratio:以後、「PAPR」と記載する場合がある)の増大を招く。PAPRの増大は、送信アンテナに付随する電力増幅器(パワーアンプ)の利用効率を低下させる原因となるため、PAPRを低減することが求められている。
PAPRの低減を目的とした技術として、例えば、特許文献1には、MIMO伝送において、プリコーディング処理の前工程において位相回転処理を行う方法が開示されている。また、特許文献2には、OAM‐MIMO伝送に関して、逆離散フーリエ変換で実現されるプリコーディング処理の前工程において位相回転処理を行う方法が開示されている。
M. Hirabe, R. Zenkyu, H. Miyamoto, K. Ikuta, and E. Sasaki, "40m transmission of OAM mode and polarization multiplexing in E-band," 2019 IEEE Global Communication Conference (GLOBECOM), Dec. 2019.
特開2009-194732号公報 国際公開2019-116774号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている位相回転処理を適用してPAPRの低減効果を実現するには、多くの位相回転パターンを用意した上で、これらの位相回転パターンの中から最もピーク電力が小さい位相回転パターンを選択する工程が必要となる。さらに、受信装置側で送信データを復元する際には、送信装置側で施した位相回転の情報が必要である。したがって、送信装置から本来伝送するデータ以外に、送信装置側で施した位相回転の情報を伝送する必要がある。このように、特許文献1及び2においては、システム運用の複雑化、及び冗長な情報の伝送によって伝送レートの低下を招くなどの問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の受信装置は、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信する受信処理部と、受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離する信号分離部と、前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定する送信信号推定部と、を備える。
本発明の送受信システムは、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信する受信処理部と、受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離する信号分離部と、前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定する送信信号推定部と、を備える受信装置と、前記送信装置とを備える。
本発明の信号処理方法は、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、を備える。
本発明の信号処理プログラムは、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、をプロセッサに実行させる。
本発明によれば、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムを提供することができる。なお、本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果とともに、他の効果が奏されてもよい。
図1は、第1の実施形態に係る送受信システムの運用形態を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る信号処理装置のハードウェア構成を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る送信装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 図4は、第1の実施形態に係るクリッピング処理部の機能構成を示す機能ブロック図である。 図5は、第1の実施形態に係る受信装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 図6は、第1の実施形態に係る送信信号推定部の機能構成を示す機能ブロック図である。 図7は、第1の実施形態に係る送信信号推定部の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。 図8は、第1の実施形態に係る送信装置における処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、第1の実施形態に係る受信装置における処理の流れを示すフローチャートである。 図10は、第1の実施形態に係る送信データセットの推定値を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、第1の実施形態に係る受信データセットの補正値を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図12は、第1の実施形態に係る送信装置に入力した送信ビット系列と、受信装置が出力した受信ビット系列との比較結果を示す図である。 図13は、第2の実施形態に係る受信装置の概略的な構成を例示するブロック図である。 図14は、第2の実施形態に係る送受信システムの概略的な構成を例示するブロック図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の又は対応する符号を付することにより重複した説明が省略され得る。
以下に説明される各実施形態は、本発明を実現可能な構成の一例に過ぎない。以下の各実施形態は、本発明が適用される装置の構成や各種の条件に応じて適宜に修正又は変更することが可能である。以下の各実施形態に含まれる要素の組合せの全てが本発明を実現するに必須であるとは限られず、要素の一部を適宜に省略することが可能である。したがって、本発明の範囲は、以下の各実施形態に記載される構成によって限定されるものではない。相互に矛盾のない限りにおいて、実施形態内に記載された複数の構成を組み合わせた構成も採用可能である。
説明は、以下の順序で行われる。
1.本発明の実施形態の概要
2.第1の実施形態
2.1.送受信システムの運用形態
2.2.信号処理装置のハードウェア構成
2.3.送信装置の機能構成
2.4.受信装置の機能構成
2.5.送信装置における処理の流れ
2.6.受信装置における処理の流れ
2.7.送信データセットを推定する処理の流れ
2.8.ピーク電力低減効果
3.第2の実施形態
4.その他の実施形態
<1.本発明の実施形態の概要>
まず、本発明の実施形態の概要を説明する。
(1)技術的課題
近年、マイクロ波又はミリ波以上の高周波数帯を用いて通信を行う見通し内(LOS:Line‐Of‐Sight)通信システムでは、モバイル通信インフラストラクチャとしての需要の増加に伴って伝送容量の大容量化が求められている。伝送容量の大容量化を実現する技術として、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを使用したMIMO(Multi‐Input Multi‐Output)伝送技術が知られている。また、MIMO伝送技術においては、電磁波の軌道角運動量(Orbital Angular Momentum:OAM)を活用して多数の信号を多重化することにより大容量化する伝送方法を、MIMO技術によって実現したOAM‐MIMO伝送技術が注目されている。
例えば、同心円上に複数のアンテナ素子を配置した送信アンテナ及び受信アンテナを用いることによってOAM‐MIMO伝送を実現する技術が開示されている。非特許文献1では、各同心円上に配置された複数のアンテナ素子を通して伝送される信号に対してプリコーディング処理を施すことによって電磁波のOAM伝送モードを活用して信号を多重化することにより、OAM伝送と同様の多重伝送を実現している。受信装置側では、送信装置側で行われたプリコーディング処理の逆変換を適用することにより、同心円上のアンテナ素子が伝搬する信号に対して干渉なく信号を受信することができる。
OAM伝送を含むMIMO伝送技術においては、多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)、又は偏波多重技術などと組み合わせることによって周波数利用効率を大幅に向上させ、通信の大容量化を実現することが期待されている。そのための課題の一つが、複数のアンテナ素子から出力される各送信信号のピーク電力を削減することである。
MIMO伝送においては、伝送路の効率的な利用のため、送信信号に対してプリコーディング処理を施すことが一般的である。例えば、上述したOAM‐MIMO伝送においては、信号に対して逆離散フーリエ変換で実現されるプリコーディング処理を行ってから信号をアンテナに入力する。このようなプリコーディング処理は、同心円上のアンテナ素子を通して、信号を干渉なく伝送するために必須である。一方で、プリコーディング処理によって、複数の信号が合成されることにより、ピーク電力と平均電力の比率(Peak to Average Power Ratio:以後、「PAPR」と記載する場合がある)の増大を招く。PAPRの増大は、送信アンテナに付随する電力増幅器(パワーアンプ)の利用効率を低下させる原因となるため、PAPRを低減することが求められている。
PAPRの低減を目的とした技術として、例えば、MIMO伝送において、プリコーディング処理の前工程において位相回転処理を行う方法が開示されている。また、例えば、OAM‐MIMO伝送に関して、逆離散フーリエ変換で実現されるプリコーディング処理の前工程において位相回転処理を行う方法が開示されている。
しかしながら、上述した技術における位相回転処理を適用してPAPRの低減効果を実現するには、多くの位相回転パターンを用意した上で、これらの位相回転パターンの中から最もピーク電力が小さい位相回転パターンを選択する工程が必要となる。さらに、受信装置側で送信データを復元する際には、送信装置側で施した位相回転の情報が必要である。したがって、送信装置から本来伝送するデータ以外に、送信装置側で施した位相回転の情報を伝送する必要がある。このように、上述した技術においては、システム運用の複雑化、及び冗長な情報の伝送によって伝送レートの低下を招くなどの問題がある。
以上の事情に鑑み、本発明は、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムを提供することを目的とする。
(2)技術的特徴
本発明の実施形態では、例えば、受信装置が、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信する受信処理部と、受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離する信号分離部と、前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定する送信信号推定部と、を備える。
これにより、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置を提供することが可能となる。なお、上述した技術的特徴は本発明の実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
<2.第1の実施形態>
<2.1.送受信システムの運用形態>
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る送受信システム1000の運用形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る送受信システム1000の運用形態を示す図である。送受信システム1000は、送信装置1、送信アンテナユニット2、受信アンテナユニット3、及び受信装置4を備える。
送信装置1は、送信する信号を送信アンテナユニット2に入力する。送信装置1は、送信する信号に対し、プリコーディング処理及びクリッピング処理を行い、プリコーディング処理及びクリッピング処理後の信号を送信アンテナユニット2に入力する。プリコーディング処理は、同心円状に配置されたアンテナ素子を介して、信号を送信する際に、信号同士の干渉を抑制する目的で行われる処理である。また、クリッピング処理は、予め定めた閾値以上の振幅を削除することにより、送信する信号を増幅するための電力を抑制する目的で行われる処理である。送信装置1が行うプリコーディング処理及びクリッピング処理の詳細については後述する。
送信アンテナユニット2は、アンテナ素子21、22、23、24、25、26、27、28が同心円状に配置されて構成されている。送信装置1は、アンテナ素子21、22、23、24、25、26、27、28のそれぞれに信号を入力する。アンテナ素子21、22、23、24、25、26、27、28は、それぞれ、送信装置1から入力された信号を空間へと放射する。アンテナ素子21、22、23、24、25、26、27、28は、それぞれ、送信装置1から入力された信号を、同時に、又は略同時に放射することができる。なお、送信アンテナユニット2が備えるアンテナ素子の数は、図1に示す以外の数でもよい。
受信アンテナユニット3は、アンテナ素子31、32、33、34、35、36、37、38が同心円状に配置されて構成されている。アンテナ素子31、32、33、34、35、36、37、38が受信した信号は、受信装置4に入力される。なお、受信アンテナユニット3が備えるアンテナ素子の数は、図1に示す以外の数でもよい。
受信装置4は、アンテナ素子31、32、33、34、35、36、37、38が受信した信号に対して、送信装置1で行われたプリコーディング処理の逆変換に相当する処理を行う。また、受信装置4は、逆変換後の信号と、信号が送信される伝送路の利得情報とに基づいて、送信装置1から送信された信号を推定し、推定した信号を出力する。
図1に示すように、送受信システム1000は、送信側と受信側とにおいて、各々が円上に均等に配置された8個のアンテナ素子を有するMIMO伝送システムの一例である、OAM‐MIMO伝送システムに相当する。
MIMO伝送においては、伝送路の効率的な利用のため、送信する信号に対してプリコーディング処理を施すことが一般的である。一方で、プリコーディング処理によって、複数の信号を合成することにより、ピーク電力と平均電力との比率(PAPR)が増大する。PAPRの増大は、送信アンテナに付随する電力増幅器の利用効率を低下させる原因となるため、PAPRを低減することが求められている。
従来、PAPRの低減を目的として、送信側で位相回転を行う手法が試行されている。このような手法では、送信装置から送信する信号に加え、送信装置側で施した位相回転の情報を送信する必要があるため、システム運用の複雑化、及び冗長な情報の伝送による伝送レートの低下を招く等の課題が存在する。
このような課題に対し、本実施形態では、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な送受信システムについて説明を行う。
<2.2.信号処理装置のハードウェア構成>
続いて、本実施形態に係る送信装置1及び受信装置4等の信号処理装置のハードウェア構成について説明する。図2は、信号処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
信号処理装置は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、記憶媒体54、及びインタフェース(I/F)55がバス56を介して相互に接続されている。なお、図2に示す以外に、信号処理装置は、キーボード及びマウス等の入力装置、又はディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよい。
CPU51は、演算手段であり、信号処理装置全体の動作を制御する。RAM53は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU51が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM52は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。記憶媒体54は、HDD(Hard Disk Drive)等の情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OSや各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F55は、バス56と各種のハードウェアとを接続し制御する。
このようなハードウェア構成において、送信装置1のROM52に格納されたプログラム、又は、送信装置1の記憶媒体54から送信装置1のRAM53にロードされたプログラムに従って、送信装置1のCPU51が演算を行うことにより、送信装置1のソフトウェア制御部が構成される。そして、以上のようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、送信装置1の機能(図3参照)を実現する機能ブロックが構成される。
また、このようなハードウェア構成において、受信装置4のROM52に格納されたプログラム、又は、受信装置4の記憶媒体54から受信装置4のRAM53にロードされたプログラムに従って、受信装置4のCPU51が演算を行うことにより、受信装置4のソフトウェア制御部が構成される。そして、以上のようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、受信装置4の機能(図4から図6参照)を実現する機能ブロックが構成される。
<2.3.送信装置の機能構成>
続いて、図3及び図4を参照して、送信装置1の機能構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る送信装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。図4は、送信装置1のクリッピング処理部150の機能構成を示す機能ブロック図である。
送信装置1は、直列並列変換処理部110、ビット信号変換処理部120-1、120-2、・・・、120-N、フィルタ処理部130-1、130-2、・・・、130-N、プリコーディング処理部140、クリッピング処理部150-1、150-2、・・・、150-N、及び送信処理部160-1、160-2、・・・、160-Nを備える。なお、ビット信号変換処理部120-N、フィルタ処理部130-N、クリッピング処理部150-N、及び送信処理部160-Nの数値Nは、正の整数である。図3は、N≧3の正の整数であるときの送信装置1の機能構成を示している。
直列並列変換処理部110は、直列並列変換処理部110に入力された単一のビット系列に対して、予め設定した数値Nと同数の系列に並び替える変換を行い、N個のビット系列を出力する。直列並列変換処理部110は、ビット系列を1個ずつ、ビット信号変換処理部120-1、120-2、・・・、120-Nのそれぞれに対して入力する。以後の説明では、数値Nを送信アンテナユニット2及び受信アンテナユニット3のアンテナ素子と同数(8個)と仮定するが、並び替えられたビット系列の数は、送信アンテナユニット2のアンテナ素子と同数でなくてもよい。直列並列変換処理部110が出力するN個のビット系列のそれぞれが、本実施形態の送信データセットの一例である。
ビット信号変換処理部120-1、120-2、・・・、120-Nは、入力されたビット系列を複素信号に変換する。以後の説明において、ビット信号変換処理部120-1、120-2、・・・、120-Nを区別する必要のないときは、「ビット信号変換処理部120」と記載する。ビット信号変換処理部120は、ビット系列を符号化するための誤り訂正符号の符号化回路、及び、直交振幅変調(Quadratic Amplitude Modulation:QAM)方式を使う場合には、ビット系列をQAM信号点へ変換する回路によって実現される。
ビット信号変換処理部120-1は、複素信号をフィルタ処理部130-1に入力する。ビット信号変換処理部120-2は、複素信号をフィルタ処理部130-2に入力する。ビット信号変換処理部120-Nは、複素信号をフィルタ処理部130-Nに入力する。
フィルタ処理部130-1、130-2、・・・、130-Nは、複素信号を所定の周波数帯域を有する送信信号に変換する波形整形フィルタ処理を行い、プリコーディング処理部140に入力する。以後の説明において、フィルタ処理部130-1、130-2、・・・、130-Nを区別する必要のないときは、「フィルタ処理部130」と記載する。フィルタ処理部130は、例えば、ルート・レイズド・コサイン(Root Raised Cosine:RRC)フィルタによって、波形整形フィルタ処理を行う。
プリコーディング処理部140は、直列並列変換処理部110が出力するデータセット数と同数のN個の信号系列を合成するプリコーディング処理を行うことにより、送信アンテナユニット2のアンテナ素子と同じN個の信号を出力する。プリコーディング処理部140は、プリコーディング処理後の信号に含まれる要素を、1個ずつクリッピング処理部150-1、150-2、・・・、150-Nのそれぞれに対して入力する。
クリッピング処理部150-1、150-2、・・・、150-Nは、それぞれ、絶対値位相分離処理部151、比較処理部152、及び絶対値位相合成処理部153(図4参照)を有する。以後の説明において、クリッピング処理部150-1、150-2、・・・、150-Nを区別する必要のないときは、「クリッピング処理部150」と記載する。クリッピング処理部150は、クリッピング処理部150に入力された信号の振幅値が、予め設定した値よりも大きい場合に、超過分の振幅を削除するクリッピング処理を行い、送信信号を出力する。
絶対値位相分離処理部151は、クリッピング処理部150に入力された送信信号を絶対値成分と位相成分とに分離する。そして、絶対値位相分離処理部151は、送信信号から分離した絶対値成分に相当する絶対値Sを比較処理部152に入力し、送信信号から分離した位相成分に相当する偏角θを絶対値位相合成処理部153に入力する。
比較処理部152は、絶対値位相分離処理部151から入力された絶対値Sと、予め設定されている数値A(Aは正の実数)とを比較し、絶対値Sと数値Aとのうち、数値が小さい一方を出力値S´として絶対値位相合成処理部153に入力する。
絶対値位相合成処理部153は、絶対値位相分離処理部151から入力された偏角θと、比較処理部152の出力値S´とに基づいて、絶対値位相分離処理部151とは逆の変換を行うことにより、送信信号として、絶対値がS´であり、かつ偏角がθである複素数値を出力する。
クリッピング処理部150-1は、送信信号を送信処理部160-1に入力する。クリッピング処理部150-2は、送信信号を送信処理部160-2に入力する。クリッピング処理部150-Nは、送信信号を送信処理部160-Nに入力する。
送信処理部160-1、160-2、・・・、160-Nは、ベースバンド信号を高周波の無線信号に変換する回路、及び信号電力を増幅する電力増幅器(Power Amplifier:PA)等を含み、送信信号を電磁波として送信アンテナユニット2に入力する。送信処理部160-1は、送信信号をアンテナ素子21(図1参照)に入力する。送信処理部160-2は、送信信号をアンテナ素子22(図1参照)に入力する。送信処理部160-Nは、例えば、送信信号をアンテナ素子28(図1参照)に入力する。以後の説明において、送信処理部160-1、160-2、・・・、160-Nを区別する必要のないときは、「送信処理部160」と記載する。アンテナ素子21、22、・・・、28は、電磁波を空間へと放射する。
<2.4.受信装置の機能構成>
続いて、図5から図7を参照して、受信装置4の機能構成について説明する。図5は、第1の実施形態に係る受信装置4の機能構成を示す機能ブロック図である。図6は、受信装置4に含まれる送信信号推定部440の機能構成を示す機能ブロック図である。図7は、送信信号推定部440の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。
受信装置4は、受信処理部410-1、410-2、・・・、410-N、信号分離処理部420、フィルタ処理部430-1、430-2、・・・、430-N、送信信号推定部440、ビット信号変換処理部450-1、450-2、・・・、450-N、及び直列並列変換処理部460を備える。なお、受信処理部410-N、フィルタ処理部430-N、及びビット信号変換処理部450-Nの数値Nは、正の整数である。図4は、N≧3の正の整数であるときの受信装置4の機能構成を示している。
受信処理部410-1に対しては、アンテナ素子31が受信した電磁波が入力される。受信処理部410-2に対しては、アンテナ素子32が受信した電磁波が入力される。受信処理部410-Nに対しては、アンテナ素子38が受信した電磁波が入力される。受信処理部410-1、410-2、・・・、410-Nは、受信した電磁波を受信信号へと変換する。以後の説明において、受信処理部410-1、410-2、・・・、410-Nを区別する必要のないときは、「受信処理部410」と記載する。なお、受信装置4においても、数値Nを送信アンテナユニット2及び受信アンテナユニット3のアンテナ素子と同数(8個)と仮定するが、数値Nは、受信アンテナユニット3のアンテナ素子と同数でなくてもよい。
信号分離処理部420は、プリコーディング処理部140が行うプリコーディング処理の逆変換に相当する処理を受信アンテナユニット3から受信した信号に対して行うことにより、受信アンテナユニット3のアンテナ素子と同じ数(N個)の受信信号を出力する。信号分離処理部420は、受信信号を1個ずつ、フィルタ処理部430-1、430-2、・・・、430-Nのそれぞれに対して入力する。信号分離処理部420が出力する受信信号のそれぞれが、本実施形態の受信データセットの一例である。また、信号分離処理部420が、本実施形態の信号分離部の一例である。
フィルタ処理部430-1、430-2、・・・、430-Nは、ルート・レイズド・コサインフィルタ等の整合フィルタであり、信号分離処理部420から受け取った受信信号の信号対雑音電力比を最大化するフィルタ処理を行う。以後の説明において、フィルタ処理部430-1、430-2、・・・、430-Nを区別する必要のないときは、「フィルタ処理部430」と記載する。フィルタ処理部430は、フィルタ処理を行った受信信号を、送信信号推定部440に入力する。
送信信号推定部440は、フィルタ処理部430から受け取った受信信号から、送信装置1におけるクリッピング処理によって生じる信号の歪の補償と、送信装置1から受信装置4に信号を送信する際に生じる信号の干渉とを除去する。送信信号推定部440は、信号歪と干渉成分とを除去した後の受信信号に相当するデータセットを、ビット信号変換処理部450-1、450-2、・・・、450-Nのそれぞれに対して1個ずつ入力する。
送信信号推定部440は、図5に示すように、推定信号出力部441-1、441-2、・・・、441-Nと、推定信号出力部443-1、443-2、・・・、443-Nと、推定信号出力部446-1、446-2、・・・、446-Nと、を有する。なお、推定信号出力部441-N、推定信号出力部443-N、及び推定信号出力部446-Nの数値Nは、正の整数である。図6は、N≧3の正の整数であるときの送信信号推定部440の構成を示している。また、送信信号推定部440は、補正信号出力部442、444を有する。以後の説明において、推定信号出力部441-1、441-2、・・・、441-Nを区別する必要のないときは、「推定信号出力部441」と記載する。以後の説明において、推定信号出力部443-1、443-2、・・・、443-Nを区別する必要のないときは、「推定信号出力部443」と記載する。以後の説明において、推定信号出力部446-1、446-2、・・・、446-Nを区別する必要のないときは、「推定信号出力部446」と記載する。
推定信号出力部441は、推定情報算出部4411及び推定情報変換部4412を含み、送信信号の推定値を出力する。推定信号出力部443は、推定情報算出部4431及び推定情報変換部4432を含み、送信信号の推定値を出力する。推定信号出力部446は、推定情報算出部4461及び推定情報変換部4462を含み、送信信号の推定値を出力する。補正信号出力部442は、差分処理部4421、干渉信号算出部4422、及び補正信号算出部4423を含み、受信信号を補正するための補正信号を出力する。補正信号出力部444は、差分処理部4441、干渉信号算出部4442、及び補正信号算出部4443を含み、受信信号を補正するための補正信号を出力する。送信信号推定部440に含まれる要素の詳細については、後述する。
ビット信号変換処理部450-1、450-2、・・・、450-Nは、ビット信号変換処理部120が行う処理の逆変換を行うことにより、受信信号をN個の受信ビット系列に変換する。以後の説明において、ビット信号変換処理部450-1、450-2、・・・、450-Nを区別する必要のないときは、「ビット信号変換処理部450」と記載する。ビット信号変換処理部450は、受信信号を復号するための誤り訂正符号の復号回路、及び、QAM方式を使う場合には、受信信号をQAM信号点からビット系列へ変換する回路によって実現される。ビット信号変換処理部450-1、450-2、・・・、450-Nが出力するビット系列は、直列並列変換処理部460に入力される。
直列並列変換処理部460は、N個のビット系列を並び替えて単一のビット系列に変換し、出力する。つまり、直列並列変換処理部460は、入力されるデータセットに対して、直列並列変換処理部110とは、逆の変換を行う。
本実施形態の送受信システム1000においては、以上説明したような要素により、信号の送信及び受信が行われる。
<2.5.送信装置における処理の流れ>
続いて、送信装置1における処理の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、送信装置1における処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態において、ハットが付された文字を示す場合、その文字の後に「(ハット)」を記載する。また、本実施形態において、チルダが付された文字を示す場合、その文字の後に「(チルダ)」を記載する。
送信装置1に入力された単一のビット系列からなる情報は、直列並列変換処理部110に入力される。ステップS11において、直列並列変換処理部110は、単一のビット系列を、N個のビット系列に並び替える。直列並列変換処理部110は、N個のビット系列に含まれるビット系列を1個ずつ、ビット信号変換処理部120-1、120-2、・・・、120-Nのそれぞれに対して入力する。
ステップS12において、ビット信号変換処理部120は、直列並列変換処理部110から受け取ったビット系列に対して、誤り訂正符号化処理とQAM信号点への変換処理とを行うことにより、複素信号に変換する。ビット信号変換処理部120は、複素信号をフィルタ処理部130に入力する。
ステップS13において、フィルタ処理部130は、ビット信号変換処理部120から受け取った複素信号を、所定の周波数帯域を有するデータセット
Figure 2022178498000002
に変換する。フィルタ処理部130は、ベクトルであるデータセットxを、プリコーディング処理部140に入力する。
ステップS14において、プリコーディング処理部140は、ベクトルであるデータセットxに対して、(式1)に示す演算を行い、
Figure 2022178498000003
データセット
Figure 2022178498000004
を得る。
尚、(式1)において、
Figure 2022178498000005
はサイズがN×Nの逆離散フーリエ変換行列であり、その(i,j)成分fi,jは、(式2)で与えられる(i,jは0からN-1の間の整数)。
Figure 2022178498000006
プリコーディング処理部140は、ベクトルであるデータセット
Figure 2022178498000007
の要素(S、S、・・・、SN-1)を、1個ずつクリッピング処理部150-1、150-2、・・・、150-Nに入力する。
ステップS15において、クリッピング処理部150は、プリコーディング処理部140から受け取ったベクトルであるデータセットsの要素に対してクリッピング処理を行う。以後の説明において、プリコーディング処理部140から受け取ったベクトルであるデータセットsの要素を単に「要素s」と記載することがある。
プリコーディング処理部140から受け取った要素sに対して、クリッピング処理部150が行うクリッピング処理について説明する。プリコーディング処理部140から受け取った要素sは、クリッピング処理部150において、まず、絶対値位相分離処理部151に入力される。
絶対値位相分離処理部151は、要素sを絶対値成分と位相成分とに分離する。要素sを複素数で表した場合の絶対値をS、偏角をθとすると、要素
Figure 2022178498000008
と表すことができる。絶対値位相分離処理部151は、要素sに関して、絶対値Sを比較処理部152に入力し、偏角θを絶対値位相合成処理部153に入力する。
続いて、比較処理部152は、絶対値位相分離処理部151から受け取った絶対値Sと予め定めた閾値に相当する数値A(Aは正の実数値)との大小を比較する。そして、比較処理部152は、絶対値S又は数値Aのうち、いずれか小さい一方を出力値S´として、絶対値位相合成処理部153に出力する。なお、比較処理部152は、絶対値S=数値Aである場合には、数値A=出力値S´として絶対値位相合成処理部153に出力する。
すなわち、絶対値位相分離処理部151から受け取った絶対値Sに対して、比較処理部152は、
Figure 2022178498000009
として、出力値S´を出力する。
絶対値位相合成処理部153は、絶対値位相分離処理部151から受け取った偏角θと、比較処理部152から受け取った出力値S´とに基づいて、絶対値位相分離処理部151とは逆の変換を行い、絶対値がS´であり、かつ偏角θとなる複素数値
Figure 2022178498000010
を出力する。
つまり、クリッピング処理部150は、プリコーディング処理部140から受け取った要素sの絶対値Sが、予め定めた閾値(数値A)以上の場合に、その絶対値のみを数値Aに置換え、かつ位相は変えずに出力する。一方で、クリッピング処理部150は、プリコーディング処理部140から受け取った要素sの絶対値が、予め定めた閾値(数値A)よりも小さい場合には、要素sの絶対値Sを数値Aに置き換えることなく出力する。このようにすることにより、送信装置1においては、予め定めた閾値(例えば、数値A)以上の振幅を削除した上で送信信号を出力することが可能となる。クリッピング処理部150は、クリッピング処理した要素(S、S、・・・、SN-1)を、送信処理部160-1、160-2、・・・、160-Nに対して、1個ずつ入力する。
ステップS16において、送信処理部160は、クリッピング処理部150から受け取った要素sに対して、ベースバンド信号から無線信号への変換処理及び電力増幅器による増幅処理を行い、送信信号として送信アンテナユニット2に入力する。送信アンテナユニット2のアンテナ素子21、22、・・・、28は、それぞれ送信処理部160から受け取った送信信号を電磁波として空間に放射する。
<2.6.受信装置における処理の流れ>
続いて、受信装置4における処理の流れについて図9を参照して説明する。図9は、受信装置4における処理の流れを示すフローチャートである。
アンテナ素子31、32、・・・、38は、送信アンテナユニット2から放射された信号、つまり、送信装置1の送信信号を受信して受信装置4に入力する。アンテナ素子31が受信した信号は、例えば、受信処理部410-1に入力される。また、アンテナ素子32が受信した信号は、例えば、受信処理部410-2に入力される。また、アンテナ素子38が受信した信号は、例えば、受信処理部410-Nに入力される。
受信処理部410は、受信アンテナユニット3から受け取った信号を、無線信号からベースバンド信号に変換し、信号分離処理部420に入力する。ここでは、受信処理部410によって信号分離処理部420に入力されたベースバンド信号を、データセット
Figure 2022178498000011
とする。
ステップS21において、信号分離処理部420は、プリコーディング処理とは逆の変換を行うことにより、ベクトルであるデータセットsから送信装置1において合成された信号を分離する。具体的に、信号分離処理部420は、ベクトルであるデータセットsを、(式3)のように演算して
Figure 2022178498000012
ベクトルであるデータセット
Figure 2022178498000013
を出力する。信号分離処理部420が出力する、ベクトルであるデータセットx´が、本実施形態の受信データセットの一例である。ここで、(式3)において、行列
Figure 2022178498000014
はサイズが、N×Nの離散フーリエ変換行列であって、(式1)中のN×N行列
Figure 2022178498000015
の共役転置行列となる。また、行列
Figure 2022178498000016
の(i,j)成分
Figure 2022178498000017
は(式4)で与えられる(i,jは0からN-1の間の整数)。
Figure 2022178498000018
信号分離処理部420が出力する信号の要素x,x,…,xN-1のそれぞれは、フィルタ処理部430-1、430-2、・・・、430-Nに入力される。以後の説明において、信号分離処理部420から受け取ったベクトルであるデータセットx´の要素を単に「要素x´」と記載することがある。
ステップS22において、フィルタ処理部430は、信号分離処理部420から受け取った要素x´に対しての信号対雑音電力比を最大化するフィルタ処理を行う。フィルタ処理部430は、フィルタ処理後の要素x´に相当するデータセットyを送信信号推定部440に入力する。
<2.7.送信データセットを推定する処理の流れ>
ステップS23において、送信信号推定部440は、送信データセットを推定する。ここで、図10及び図11を参照して、送信データセットを推定する処理の流れについて説明する。図10は、送信データセットの推定値を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図11は、受信データセットの補正値を算出する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図10及び図11に示すフローチャートは、図9のステップS23において行われる工程に相当する。
ステップS31において、推定信号出力部441には、フィルタ処理部430から受け取ったデータセットy、補正信号y(err)、及び伝送路利得hが入力される。なお、伝送路利得hは、送信装置1と受信装置4との間の伝送路に関する利得情報に相当し、予め受信装置4に記憶されている情報としてもよい。また、推定信号出力部441においては、補正信号y(err)が、0であるとする。推定信号出力部441が、本実施形態の第1推定信号出力部の一例である。
ステップS32において、推定情報算出部4411は、フィルタ処理部430から受け取ったデータセットy、補正信号y(err)、及び伝送路利得hに基づいて、推定データセットx(チルダ)を算出する(式5)。推定情報算出部4411が、本実施形態の第1推定情報算出部の一例である。また、推定情報算出部4411が算出する推定データセットx(チルダ)が、本実施形態の第1推定情報の一例である。
Figure 2022178498000019
(式5)において、
Figure 2022178498000020
は、伝送路利得hの複素共役を表す。また、(式5)において、
Figure 2022178498000021
は、伝送路利得hの絶対値を表す。また、(式5)において、ρは正の実数の範囲で任意に設定可能なパラメータであって、逆誤差伝搬法を用いた学習によって最適と考えられる値に基づいて定められた値である。正の実数の範囲で任意に設定可能なパラメータであるρが、本実施形態の第1パラメータの一例である。
ステップS33において、推定情報変換部4412は、推定データセットx(チルダ)を、パラメータ付き非線形関数ψτとパラメータ付き非線形関数pθとの合成関数
Figure 2022178498000022
によって変換して、データセット
Figure 2022178498000023
を得る。
パラメータ付き非線形関数ψτの一例を(式6)に示す。
Figure 2022178498000024
より正確には、複素数で表現された要素xの実部と虚部に対して、(式6)の関数を適用したものとして構成される。
なお、(式6)において、Qは、ビット信号変換処理部120において設定した変調方式に依存して定まる信号点の集合であって、例えば、ビット信号変換処理部120の変調方式が16QAMの場合、Q={-3,-1,+1,+3}と定めることができる。また、ReLU(x)は、深層ニューラルネットワークで度々利用される、xと0を比較して大きい方を出力する関数である。
(式6)のτ(qは信号点集合Qの元)は、0ではない実数値として任意に設定可能なパラメータであって、誤差逆伝搬法を用いた学習を通して最適と考えられる値に基づいて定められる値である。0ではない実数値として任意に設定可能なパラメータであるτが、本実施形態の第2パラメータの一例である。
続いて、パラメータ付き非線形関数pθの一具体例を(式7)に示す。
Figure 2022178498000025
パラメータ付き非線形関数ψτの場合と同様に、複素数で表現された要素xの実部と虚部に対して、上記(式7)の関数を適用する。(式7)のpθ(x)は、次数mの多項式であって(mは正の整数)、各項の係数
Figure 2022178498000026
は任意に設定可能なパラメータである。パラメータθ,θ,・・・,θは、(式6)中のパラメータτと同様に、誤差逆伝搬法を用いた学習を通して最適と考えられる値に基づいて定められる値である。パラメータθ,θ,・・・,θが、本実施形態の第3パラメータの一例である。
ステップS34において、推定信号出力部441は、データセットx(ハット)を、送信信号の推定値として出力する。推定信号出力部441が出力する推定データセットx(ハット)が、本実施形態の第1推定値の一例である。また、推定情報変換部4412が、本実施形態の第1推定情報変換部の一例である。
このように、推定信号出力部441は、(式5)によって算出した推定データセットx(チルダ)を、学習パラメータを持つ非線形関数ψτと非線形関数pθとを用いて補正した上でデータセットx(ハット)を出力する。
推定信号出力部441-1、441-2、・・・、441-Nから出力されたデータセットx(ハット)は、ベクトルで表すと、データセット
Figure 2022178498000027
として、補正信号出力部442に入力される。
続いて、補正信号出力部442における処理の流れについて、図11を参照して説明する。ステップS41において、補正信号出力部442には、ベクトルであるデータセットx(ハット)、及びN個の伝送路利得hi,j(i,jは各々0からN-1の間の整数)が入力される。なお、N個の伝送路利得hi,jのうち、i=jとなるN個の情報
Figure 2022178498000028
のそれぞれは、推定信号出力部441-1、441-2、・・・、441-Nにおいてそれぞれ用いられた伝送路利得hと一致する。
ステップS42において、差分処理部4421は、(式8)の演算を行い、
Figure 2022178498000029
ベクトルであるデータセットx(ハット)に対して送信装置1におけるプリコーディング処理及びクリッピング処理を施したデータと、ベクトルであるデータセットx(ハット)との差分データセット
Figure 2022178498000030
を算出する。差分処理部4421が算出するベクトルである差分データセットx(c)が、本実施形態の第1差分データセットの一例である。また、差分処理部4421が、本実施形態の第1差分処理部の一例である。
なお、(式8)において、行列
Figure 2022178498000031
は(式1)の離散フーリエ変換行列に相当する。また、(式8)において、
Figure 2022178498000032
は、(式1)の離散フーリエ変換行列の逆離散フーリエ変換行列であり、プリコーディング処理によって合成された信号成分を分離する処理に相当する。また、γ(s)はベクトルsの要素ごとに、閾値が数値Aのクリッピング処理(図4参照)を適用する関数を表す。また、データセット
Figure 2022178498000033
が、プリコーディング処理においてベクトルであるデータセットx(ハット)に対して合成された信号成分を分離することにより得られる要素の一例であり、送信装置1におけるクリッピング処理に起因する信号歪成分と雑音成分とを含む要素に相当する。
また、ステップS42において、干渉信号算出部4422は、(式8)によって算出した差分信号x(c)と、N個の伝送路利得hi,jを(i,j)成分とするN×N行列
Figure 2022178498000034
とに基づいて、
Figure 2022178498000035
の演算を行い、送信装置1から受信装置4に送信される信号同士の干渉成分に相当する干渉信号
Figure 2022178498000036
を算出する。干渉信号算出部4422が算出するベクトルである干渉信号y(c)が、本実施形態の第1干渉信号の一例である。また、干渉信号算出部4422が、本実施形態の第1干渉信号算出部の一例である。
続いて、ステップS43において、補正信号算出部4423は、
Figure 2022178498000037
の演算を行い、補正信号
Figure 2022178498000038
を算出する。補正信号算出部4423が算出するベクトルである補正信号y(err)が、本実施形態の第1補正信号の一例である。また、補正信号算出部4423が、本実施形態の第1補正信号算出部の一例である。
(式10)において、
Figure 2022178498000039
は任意に設定可能なパラメータであって、誤差逆伝搬法を用いた学習を通して最適な値に設定する。補正信号算出部4423は、(式10)によって求めたベクトルである補正信号y(err)を出力する。
なお、上述したように、推定信号出力部441が用いる補正信号y(err)は、
Figure 2022178498000040
である。換言すると、推定信号出力部441は、フィルタ処理部430から受け取ったデータセットy、及び伝送路利得hに基づいて、推定データセットx(チルダ)を算出し、推定データセットx(チルダ)を変換することより、推定データセットx(ハット)を得ることができる。
推定信号出力部443は、補正信号出力部442が出力した補正信号y(err)と、フィルタ処理部430の出力信号であるデータセットyと、伝送路利得hとに基づいて、図10のフローチャートに示す一連の処理を行う。そして、推定信号出力部443は、補正信号出力部444に、推定データセットx(ハット)を出力する。
つまり、推定信号出力部443は、(式5)より、フィルタ処理部430の出力信号yに補正信号出力部442が出力した補正信号y(err)を足し合わせた信号(第1加算信号)と、伝送路利得hとに基づいて、推定データセットx(ハット)を出力する。推定信号出力部443が本実施形態の第2推定信号出力部の一例であり、推定信号出力部443から出力される推定データセットx(ハット)が、本実施形態の第2推定値の一例である。また、推定情報算出部4431が、本実施形態の第2推定情報算出部の一例である。さらに、推定情報算出部4431が算出する推定データセットx(チルダ)が、本実施形態の第2推定情報の一例である。さらに、推定情報変換部4432が、本実施形態の第2推定情報変換部の一例である。
補正信号出力部444は、推定信号出力部443から受け取った推定データセットx(ハット)、及びN2個の伝送路利得hi,j(i,jは、各々0からN-1の間の整数)に基づいて、図11のフローチャートに示す一連の処理を行う。そして、補正信号出力部444は、補正信号y(err)を出力する。補正信号出力部444が、本実施形態の第2補正信号出力部の一例であり、補正信号出力部444が出力する補正信号y(err)が、本実施形態の第2補正信号の一例である。
また、補正信号出力部444に含まれる差分処理部4441が、本実施形態の第2差分処理部の一例であり、差分処理部4441が算出するベクトルである差分データセットx(c)が、本実施形態の第2差分データセットの一例である。さらに、干渉信号算出部4442が、本実施形態の第2干渉信号算出部の一例であり、干渉信号算出部4442がベクトルである干渉信号y(c)が、本実施形態の第2干渉信号の一例である。さらに、補正信号算出部4443が、本実施形態の第2補正信号算出部の一例である。
なお、送信信号推定部440において、2以上の正の整数であるk番目の推定信号出力部(例えば、推定信号出力部446)には、第k-1番目の補正信号出力部(例えば、補正信号出力部444)が出力した補正信号y(err)が入力される。k番目の推定信号出力部(例えば、推定信号出力部446)は、第k-1番目の補正信号出力部(例えば、補正信号出力部444)が出力した補正信号y(err)、フィルタ処理部430の出力信号y、及び伝送路利得hに基づいて、図10のフローチャートに示す一連の処理を行う。そして、k番目の推定信号出力部(例えば、推定信号出力部446)は、推定データセットx(ハット)を出力する。
つまり、推定信号出力部446は、(式5)より、フィルタ処理部430の出力信号yに補正信号出力部444が出力した補正信号y(err)を足し合わせた信号(第2加算信号)と、伝送路利得hとに基づいて、推定データセットx(ハット)を出力する。推定信号出力部446が本実施形態の第3推定信号出力部の一例であり、推定信号出力部446から出力される推定データセットx(ハット)が、本実施形態の第3推定値の一例である。また、推定情報算出部4461が、本実施形態の第3推定情報算出部の一例である。さらに、推定情報算出部4461が算出する推定データセットx(チルダ)が、本実施形態の第3推定情報の一例である。さらに、推定情報変換部4462が、本実施形態の第3推定情報変換部の一例である。
本実施形態では、k番目の推定信号出力部(例えば、推定信号出力部446)の推定データセットx(ハット)が、送信信号推定部440から出力されたと仮定して、図9に戻って説明を続ける。
ステップS24において、ビット信号変換処理部450は、ビット信号変換処理部120が行う処理の逆変換を行うことにより、送信信号推定部440から受け取った推定データセットx(ハット)をN個の受信ビット系列に変換する。
ステップS25において、直列並列変換処理部460は、N個のビット系列を並び替えて単一のビット系列に変換し、出力する。
以上説明したように、本実施形態の送受信システム1000においては、送信装置1から受信装置4に対して信号を送信する際に、送信する信号に対してプリコーディング処理及びクリッピング処理を行う。また、受信装置4においては、送信装置1において送信する信号に対して施された処理に関する情報が無くとも、送信装置1から送信された信号を推定可能であるため、送信装置から信号を送信する際に、冗長な情報を送信する必要がなくなる。
<2.8.ピーク電力低減効果>
続いて、本実施形態の送受信システム1000におけるピーク電力低減効果について具体例を用いて説明する。図12は、送受信システム1000において、送信装置1に入力した送信ビット系列と、受信装置4が出力した受信ビット系列との比較結果を示す図である。図12は、送信装置1に入力した送信ビット系列と、受信装置4が出力した受信ビット系列とを比較して算出したビット誤り確率(Bit Error Rate:BER)をグラフ化した図を示している。
送信装置1のビット信号変換処理部120における変調方法を16QAMとし、フィルタ処理部130における波形整形フィルタがロールオフ係数0.1のRRCフィルタであると仮定した場合、送信装置1が出力する送信信号と平均信号電力との比は、最大10dB以上となる。クリッピング処理部150によって、最大振幅値Aを実効値の1.6倍とした場合、PAPRは、およそ4dB(≒20×log101.6)に低減することが可能である。しかしながら、一方で、およそ10%の送信信号が、クリッピング処理による歪の影響を受けることになる。
図12では、受信装置4が受信した送信信号に対して、推定信号出力部441、補正信号出力部442、推定信号出力部443、補正信号出力部444、推定信号出力部446による処理を行った後の受信信号に関するBERを示している。なお、パラメータρ、パラメータτ、パラメータθ,θ,・・・,θは、それぞれ、ランダムなサンプルデータを使い、バッチサイズ8192シンボル、エポック数10000と仮定し、誤差逆伝搬法によって学習した結果得られるパラメータであるとする。
図12のグラフの横軸は、加法的ガウス雑音通信路に関する信号対雑音電力比(Signal-to-Noise Ratio:SNR)を表しており、縦軸は、BERを表している。また、図12では、本実施形態に係る受信装置4におけるBER特性を黒い三角形のマーカーで示し、送信信号推定部440に相当する要素を含まない参考例としての従来の受信装置におけるBER特性を黒い丸のマーカーで示している。
図12に示すように、参考例の受信装置は、送信装置におけるクリッピング処理によって、実効値の1.6倍以上の信号成分が制限されている影響を受けて、SNRの増加に対するBERの低下量が小さい。一方で、本実施形態の受信装置4は、SNRの増加に対してBERが低下しており、参考例と比較して、送信装置1におけるクリッピング処理の影響が少ないことが観測できる。
図12に示すように、本実施形態の送受信システム1000においては、クリッピング処理を行った上で信号を送信した場合であっても、通信品質を大幅に劣化させることなく、送信信号のPAPRを低減することができる。上述したように、受信装置4においては、送信装置1において送信する信号に対して施された処理に関する情報が無くとも、送信装置1から送信された信号を推定可能であるため、送信装置から信号を送信する際に、冗長な情報を送信する必要がない。したがって、本実施形態では、MIMO伝送等の送受信システムにおいて、ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立することが可能である。
<3.第2の実施形態>
次いで、図13及び図14を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態は具体的な実施形態であるが、第2の実施形態はより一般化された実施形態である。以下の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の技術的効果が奏される。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る受信装置4Aの概略的な構成を例示するブロック図である。受信装置4Aは、受信処理部410A、信号分離部420A、及び送信信号推定部440Aを備える。
受信処理部410Aは、2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置(例えば、図14の送信装置1A)から送信信号を受信する。
信号分離部420Aは、受信した送信信号に対してプリコーディング処理の逆変換を行うことにより、送信データセットと同数の受信データセットを送信信号から分離する。
送信信号推定部440Aは、受信データセットと送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した信号歪成分、雑音成分及び干渉成分を受信データセットから除去することにより、送信データセットを推定する。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る送受信システム1000Aの概略的な構成を例示するブロック図である。送受信システム1000Aは、送信装置1A、及び受信装置4Aを備える。
-第1の実施形態との関係
一例として、第2の実施形態に係る受信装置4Aが、第1の実施形態に係る受信装置4の動作を実行してもよい。以上の場合、第1の実施形態についての説明が第2の実施形態にも適用可能である。なお、第2の実施形態は以上の例に限定されるものではない。
<4.その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
また、本明細書において説明した受信装置4の構成要素(例えば、受信処理部410、信号分離処理部420、及び送信信号推定部440に相当する要素)を備える装置が提供されてもよい。また、上記構成要素の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本発明に含まれる。
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信する受信処理部と、
受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離する信号分離部と、
前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定する送信信号推定部と、を備える、
受信装置。
(付記2)
前記送信信号推定部は、
前記受信データセットと、前記利得情報とに基づいて、前記送信データの第1推定値を出力する第1推定信号出力部と、
前記第1推定値及び前記利得情報に基づいて前記信号歪成分と前記雑音成分とを示す第1差分データセットを推定し、前記第1差分データセット及び前記利得情報に基づいて前記干渉成分を示す第1干渉信号を推定し、前記第1差分データセット及び前記第1干渉信号に基づいて前記受信データセットを補正するための第1補正信号を出力する第1補正信号出力部と、
前記第1補正信号を前記受信データセットに足し合わせた第1加算信号と、前記利得情報とに基づいて、前記送信データセットの第2推定値を出力する第2推定信号出力部と、
前記第2推定値及び前記利得情報に基づいて前記信号歪成分と前記雑音成分とを示す第2差分データセットを推定し、前記第2差分データセット及び前記利得情報に基づいて前記干渉成分を示す第2干渉信号を推定し、前記第2差分データセット及び前記第2干渉信号に基づいて前記受信データセットを補正するための第2補正信号を出力する第2補正信号出力部と、
前記第2補正信号を前記受信データセットに足し合わせた第2加算信号と、前記利得情報とに基づいて、前記送信データセットの第3推定値を出力する第3推定信号出力部と、
を備える、
付記1に記載の受信装置。
(付記3)
前記第1推定信号出力部は、
前記受信データセットと、前記利得情報と、正の実数である第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第1推定情報を算出する第1推定情報算出部と、
ゼロではない実数である第2パラメータ、及び、次数が正の整数の多項式である第3パラメータによって前記第1推定情報を前記第1推定値に変換する第1推定情報変換部と、を有し、
前記第2推定信号出力部は、
前記第1補正信号と、前記利得情報と、前記第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第2推定情報を算出する第2推定情報算出部と、
前記第2パラメータ及び前記第3パラメータによって前記第2推定情報を前記第2推定値に変換する第2推定情報変換部と、を有し、
前記第3推定信号出力部は、
前記第2補正信号と、前記利得情報と、前記第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第3推定情報を算出する第3推定情報算出部と、
前記第2パラメータ及び前記第3パラメータによって前記第3推定情報を前記第3推定値に変換する第3推定情報変換部と、を有する、
付記2に記載の受信装置。
(付記4)
前記第2パラメータ及び前記第3パラメータは、
誤差逆伝搬法を用いた学習によって定まるパラメータである、
付記3に記載の受信装置。
(付記5)
前記第1補正信号出力部は、
前記第1推定値に対して前記プリコーディング処理及び前記クリッピング処理を行った後、前記プリコーディング処理において前記第1推定値に対して合成された信号成分を分離することにより得られる要素と、前記第1推定値とに基づいて前記第1差分データセットを算出する第1差分処理部と、
前記第1差分データセットと、前記利得情報とに基づいて前記第1干渉信号を算出する第1干渉信号算出部と、
前記第1推定値と、前記第1干渉信号と、前記利得情報とに基づいて、前記第1補正信号を算出する第1補正信号算出部と、を有し、
前記第2補正信号出力部は、
前記第2推定値に対して前記プリコーディング処理及び前記クリッピング処理を行った後、前記第2推定値に対して前記プリコーディング処理において前記第2推定値に対して合成された信号成分を分離することにより得られる要素と、前記第2推定値とに基づいて前記第2差分データセットを算出する第2差分処理部と、
前記第2差分データセットと、前記利得情報とに基づいて前記第2干渉信号を算出する第2干渉信号算出部と、
前記第2推定値と、前記第2干渉信号と、前記利得情報とに基づいて、前記第2補正信号を算出する第2補正信号算出部と、を有する、
付記2から4のいずれか1項に記載の受信装置。
(付記6)
前記閾値は、予め定められた数値であり、
前記クリッピング処理は、
信号の振幅が前記数値を超えた場合に、位相を変更することなく前記信号の振幅を前記数値に置き換える処理である、
付記1から5のいずれか1項に記載の受信装置。
(付記7)
複数のアンテナ素子が同心円状に配置されたアンテナユニットを備え、
前記受信処理部は、前記アンテナユニットを介して前記送信信号を受信する、
付記1から6のいずれか1項に記載の受信装置。
(付記8)
付記1から6のいずれか1項に記載の受信装置と、
前記送信装置と、を備える、
送受信システム。
(付記9)
2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、
受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、
前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、を備える、
信号処理方法。
(付記10)
2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、
受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、
前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、をプロセッサに実行させる、
信号処理プログラム。
ピーク電力の低減と、伝送レートの低下とを両立可能な受信装置、送受信システム、信号処理方法、及び信号処理プログラムを提供する。
1、1A 送信装置
2 送信アンテナユニット
3 受信アンテナユニット
4、4A 受信装置
110 直列並列変換処理部
120 ビット信号変換処理部
130 フィルタ処理部
140 プリコーディング処理部
150 クリッピング処理部
151 絶対値位相分離処理部
152 比較処理部
153 絶対値位相合成処理部
160 送信処理部
410、410A 受信処理部
420 信号分離処理部
420A 信号分離部
430 フィルタ処理部
440、440A 送信信号推定部
441 推定信号出力部
442 補正信号出力部
443 推定信号出力部
444 補正信号出力部
446 推定信号出力部
450 ビット信号変換処理部
460 直列並列変換処理部
1000、1000A 送受信システム
4411 推定情報算出部
4412 推定情報変換部
4421 差分処理部
4422 干渉信号算出部
4423 補正信号算出部
4431 推定情報算出部
4432 推定情報変換部
4441 差分処理部
4442 干渉信号算出部
4443 補正信号算出部
4461 推定情報算出部
4462 推定情報変換部

Claims (10)

  1. 2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行い、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信する受信処理部と、
    受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離する信号分離部と、
    前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定する送信信号推定部と、を備える、
    受信装置。
  2. 前記送信信号推定部は、
    前記受信データセットと、前記利得情報とに基づいて、前記送信データセットの第1推定値を出力する第1推定信号出力部と、
    前記第1推定値及び前記利得情報に基づいて前記信号歪成分と前記雑音成分とを示す第1差分データセットを推定し、前記第1差分データセット及び前記利得情報に基づいて前記干渉成分を示す第1干渉信号を推定し、前記第1差分データセット及び前記第1干渉信号に基づいて前記受信データセットを補正するための第1補正信号を出力する第1補正信号出力部と、
    前記第1補正信号を前記受信データセットに足し合わせた第1加算信号と、前記利得情報とに基づいて、前記送信データセットの第2推定値を出力する第2推定信号出力部と、
    前記第2推定値及び前記利得情報に基づいて前記信号歪成分と前記雑音成分とを示す第2差分データセットを推定し、前記第2差分データセット及び前記利得情報に基づいて前記干渉成分を示す第2干渉信号を推定し、前記第2差分データセット及び前記第2干渉信号に基づいて前記受信データセットを補正するための第2補正信号を出力する第2補正信号出力部と、
    前記第2補正信号を前記受信データセットに足し合わせた第2加算信号と、前記利得情報とに基づいて、前記送信データセットの第3推定値を出力する第3推定信号出力部と、
    を備える、
    請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記第1推定信号出力部は、
    前記受信データセットと、前記利得情報と、正の実数である第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第1推定情報を算出する第1推定情報算出部と、
    ゼロではない実数である第2パラメータ、及び、次数が正の整数の多項式である第3パラメータによって前記第1推定情報を前記第1推定値に変換する第1推定情報変換部と、を有し、
    前記第2推定信号出力部は、
    前記第1補正信号と、前記利得情報と、前記第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第2推定情報を算出する第2推定情報算出部と、
    前記第2パラメータ及び前記第3パラメータによって前記第2推定情報を前記第2推定値に変換する第2推定情報変換部と、を有し、
    前記第3推定信号出力部は、
    前記第2補正信号と、前記利得情報と、前記第1パラメータとに基づいて、前記送信信号に関する第3推定情報を算出する第3推定情報算出部と、
    前記第2パラメータ及び前記第3パラメータによって前記第3推定情報を前記第3推定値に変換する第3推定情報変換部と、を有する、
    請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記第2パラメータ及び前記第3パラメータは、
    誤差逆伝搬法を用いた学習によって定まるパラメータである、
    請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記第1補正信号出力部は、
    前記第1推定値に対して前記プリコーディング処理及び前記クリッピング処理を行った後、前記プリコーディング処理において前記第1推定値に対して合成された信号成分を分離することにより得られる要素と、前記第1推定値とに基づいて前記第1差分データセットを算出する第1差分処理部と、
    前記第1差分データセットと、前記利得情報とに基づいて前記第1干渉信号を算出する第1干渉信号算出部と、
    前記第1推定値と、前記第1干渉信号と、前記利得情報とに基づいて、前記第1補正信号を算出する第1補正信号算出部と、を有し、
    前記第2補正信号出力部は、
    前記第2推定値に対して前記プリコーディング処理及び前記クリッピング処理を行った後、前記第2推定値に対して前記プリコーディング処理において前記第2推定値に対して合成された信号成分を分離することにより得られる要素と、前記第2推定値とに基づいて前記第2差分データセットを算出する第2差分処理部と、
    前記第2差分データセットと、前記利得情報とに基づいて前記第2干渉信号を算出する第2干渉信号算出部と、
    前記第2推定値と、前記第2干渉信号と、前記利得情報とに基づいて、前記第2補正信号を算出する第2補正信号算出部と、を有する、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の受信装置。
  6. 前記閾値は、予め定められた数値であり、
    前記クリッピング処理は、
    信号の振幅が前記数値を超えた場合に、位相を変更することなく前記信号の振幅を前記数値に置き換える処理である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の受信装置。
  7. 複数のアンテナ素子が同心円状に配置されたアンテナユニットを備え、
    前記受信処理部は、前記アンテナユニットを介して前記送信信号を受信する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の受信装置。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の受信装置と、
    前記送信装置と、を備える、
    送受信システム。
  9. 2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、
    受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、
    前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、を備える、
    信号処理方法。
  10. 2以上の整数個の送信データセットに対してプリコーディング処理を行って生成される送信信号に対して、閾値以上の振幅を除去するクリッピング処理を行って、複数の前記送信信号を同一周波数帯域内において同時又は略同時に出力する送信装置から前記送信信号を受信することと、
    受信した前記送信信号に対して前記プリコーディング処理の逆変換を行うことにより、前記送信データセットと同数の受信データセットを前記送信信号から分離することと、
    前記受信データセットと前記送信信号が送信される伝送路に関する利得情報とに基づいて、前記クリッピング処理による信号歪成分及び雑音成分と、前記送信信号同士の干渉成分とを推定し、推定した前記信号歪成分、前記雑音成分及び前記干渉成分を前記受信データセットから除去することにより、前記送信データセットを推定することと、をプロセッサに実行させる、
    信号処理プログラム。
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