JP2022177161A - すぐに使える凍結保存細胞 - Google Patents

すぐに使える凍結保存細胞 Download PDF

Info

Publication number
JP2022177161A
JP2022177161A JP2022147054A JP2022147054A JP2022177161A JP 2022177161 A JP2022177161 A JP 2022177161A JP 2022147054 A JP2022147054 A JP 2022147054A JP 2022147054 A JP2022147054 A JP 2022147054A JP 2022177161 A JP2022177161 A JP 2022177161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
cryopause
cell
treated
population
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022147054A
Other languages
English (en)
Inventor
トミシマ マーク
Tomishima Mark
ウォン カレン
Wong Karen
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Memorial Sloan Kettering Cancer Center
Original Assignee
Memorial Sloan Kettering Cancer Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Memorial Sloan Kettering Cancer Center filed Critical Memorial Sloan Kettering Cancer Center
Publication of JP2022177161A publication Critical patent/JP2022177161A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/0603Embryonic cells ; Embryoid bodies
    • C12N5/0606Pluripotent embryonic cells, e.g. embryonic stem cells [ES]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0205Chemical aspects
    • A01N1/021Preservation or perfusion media, liquids, solids or gases used in the preservation of cells, tissue, organs or bodily fluids
    • A01N1/0221Freeze-process protecting agents, i.e. substances protecting cells from effects of the physical process, e.g. cryoprotectants, osmolarity regulators like oncotic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0205Chemical aspects
    • A01N1/021Preservation or perfusion media, liquids, solids or gases used in the preservation of cells, tissue, organs or bodily fluids
    • A01N1/0226Physiologically active agents, i.e. substances affecting physiological processes of cells and tissue to be preserved, e.g. anti-oxidants or nutrients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N1/00Preservation of bodies of humans or animals, or parts thereof
    • A01N1/02Preservation of living parts
    • A01N1/0278Physical preservation processes
    • A01N1/0284Temperature processes, i.e. using a designated change in temperature over time
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/48Reproductive organs
    • A61K35/54Ovaries; Ova; Ovules; Embryos; Foetal cells; Germ cells
    • A61K35/545Embryonic stem cells; Pluripotent stem cells; Induced pluripotent stem cells; Uncharacterised stem cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2510/00Genetically modified cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2523/00Culture process characterised by temperature

Abstract

【課題】in vitro培養用の細胞を調製する旧来の方法に関連する問題をなくすための、ならびに高品質で非常に一貫性のあるPSCを生成するための、方法および組成物を提供する。【解決手段】本発明で開示される主題は、解凍後の拡大および/または継代なしに下流の応用に直接使用することができる、解離された細胞のすぐに使用可能な凍結保存集団の組成物に関する。本発明で開示される主題は、そのような組成物を調製する方法、およびそのような組成物を使用するin vitroでの方法も提供する。この主題は、実験で使用される品質管理された多能性幹細胞(PSC)、および大型バッチを生成することによるバッチ間変動の排除を提供し、すぐに使用可能なアリコートとして凍結保存されるので異なる時間に異なる場所で繰り返し使用し得る。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2017年4月26日に出願された米国仮出願番号第62/490,432号、2017年6月13日に出願された米国仮出願番号第62/518,891号、および2017年6月13日に出願された米国仮出願番号第62/519,006号に基づく優先権を主張しており、これら出願の各々の内容は、それらの全体が参考として援用され、そしてこれら出願の各々への優先権が主張される。
1.序論
本発明で開示される主題は、解凍後の拡大および/または継代なしに下流の応用に直接使用することができる、すぐに使用可能な(ready-to-use)凍結保存細胞の組成物、ならびに前記組成物の調製方法、前駆組成物、および前記組成物中の細胞のin vitroでの培養方法に関する。
2.発明の背景
ヒト多能性幹細胞(hPSC)は、疾患モデリングおよび細胞置換療法に革命をもたらしている。PSCは、今では患者から(例えば、誘導PSC、またはiPSCとして)日常的に作製され、疾患の原因となる疑いがある遺伝子変異を意のままに変更して、遺伝子型と表現型の関係を詳しく調査することができる。これらの技術は、ゲノムワイドな関連性と因果関係を橋わたししており、疾患関連コンテクストの提供に欠かせないステップであるPSC分化を誘導する能力の益々の高度化と併用されれば、疾患の発症機序に対するかつてない見識をもたらす。疾患モデリングに加えて、PSCを臨床的に意義のある細胞型に誘導して、細胞置換療法に無限の資源を提供することができる。両方のPSC応用は強力であるが、hPSCの維持および分化についての多くの実際の態様には改善の余地がありうる。
疾患モデリング実験における1つの実際の複雑化要因は、hPSC株を維持し、同時に、それらの分化を誘導することである。iPSC疾患モデリング研究における「最優良事例」は、多くのiPSC株の拡大と分化を並行して何度も行うことを必要とし、このプロセスは、本明細書では「連続継代」と定義される。異なる細胞株は、異なる速度で拡大することが多いので、PSCを同期することは、難題である。もう1つの複雑化要因は、各PSC細胞株が、連続継代中にドリフトしうるため、分化不良が、病的状態または最適以下のPSC培養のどちらかを招くことがあることである。連続継代は、他の細胞株または微生物による夾雑のリスクを増大させ、実験の過程で遺伝子不安定性を促進することもある。複数のiPS株の連続継代および並行した分化に関連する仕事量は、人為的ミスの機会も増大させる。段階的アプローチは、拡大の仕事量と分化の仕事量を分け、実験を行う前に適正な品質管理を行う時間をもたらすことができるだろう。
連続継代は、細胞療法のよりいっそう大きな問題を生じさせることもありうる。多能性幹細胞は、cGMP条件下で貯蔵され、その後、細胞バンクの完全性および無菌性を検証する一連の高価な試験を受ける。検証後、預けられたPSCは、解凍され、拡大された後、バンクを臨床的に意義のある細胞型に変換するための分化が開始される。解凍、拡大およびPSC継代は、主要変数および製造中の複雑性増加を生じさせる。このステップは、分化プロセスに入るPSCのタイミング、収量および質を変化させることもある。
したがって、in vitro培養用の細胞を調製する旧来の方法に関連する問題をなくすための、ならびに高品質で非常に一貫性のあるPSCを生成するための、方法および組成物が、当技術分野において必要とされている。
3.発明の要旨
本発明で開示される主題は、解凍後の拡大および/または継代なしに下流の応用に直接使用することができる、すぐに使用可能な凍結保存細胞の組成物、そのような組成物の調製方法、前駆組成物、ならびに前記組成物中の細胞のin vitroでの培養方法および他の使用方法に関する。
本発明で開示される主題は、実験で使用される品質管理された多能性幹細胞(PSC)、および大型バッチを生成することによるバッチ間変動の排除を提供し、この大型バッチは、すぐに使用可能なアリコートとして凍結保存されるので異なる時間に異なる場所で繰り返し使用することができる。
開示される主題の一態様に従って、細胞の凍結集団と凍結保存用培地とを含む組成物が提供される。別の態様では、本開示は、異種核酸がトランスフェクトされた細胞を含む組成物であって、細胞の凍結集団および凍結保存用培地を解凍することにより得られる細胞にトランスフェクトすることにより調製される組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、凍結細胞の集団は、細胞の解離された集団である。ある特定の実施形態では、凍結細胞の集団は、少なくとも細胞約50万、100万、500万、1000万、2000万、3000万、4000万、5000万、6000万、7000万、8000万、9000万、または1億個/mlの濃度である。ある特定の実施形態では、凍結集団内の細胞の濃度は、少なくとも細胞約100万個/mlである。ある特定の実施形態では、凍結集団内の細胞の濃度は、少なくとも細胞約500万個/mlである。ある特定の実施形態では、凍結集団内の細胞の濃度は、少なくとも細胞約3000万個/mlである。ある特定の実施形態では、凍結集団内の細胞の濃度は、少なくとも細胞約5000万個/mlである。
ある特定の実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。ある特定の実施形態では、哺乳動物細胞は、多能性幹細胞(PSC)である。ある特定の実施形態では、多能性幹細胞は、誘導多能性幹細胞(iPSC)であるか、または胚性幹細胞(ESC)から調製される。
さらに、本発明で開示される主題は、凍結細胞を含む組成物を調製する方法であって、培養培地で培養された細胞の集団を解離させるステップ、解離された細胞を凍結保存用培地に浮遊させるステップであって、細胞浮遊液を形成するステップ、および細胞浮遊液を凍結させるステップであって、凍結細胞の組成物を形成するステップを含む方法を提供する。加えて、本開示は、トランスフェクト細胞を調製する方法であって、(i)凍結細胞を含む組成物を、培養培地で培養された細胞の集団を解離させるステップと、解離された細胞を凍結保存用培地に浮遊させるステップであって、細胞浮遊液を形成するステップと、細胞浮遊液を凍結させるステップであって、凍結細胞の組成物を形成するステップとを含む方法により、調製するステップ;および(ii)組成物(i)からの細胞に異種核酸をトランスフェクトするステップを含む、方法を提供する。
ある特定の実施形態では、凍結細胞の組成物は、少なくとも細胞約50万、100万、500万、1000万、2000万、3000万、4000万、5000万、6000万、7000万、8000万、9000万、または1億個/mlの濃度を有する。
ある特定の実施形態では、細胞の集団を解離させるステップは、細胞の集団を有効量の細胞解離溶液に曝露することをさらに含む。ある特定の実施形態では、細胞解離溶液は、酵素不含細胞解離溶液および酵素含有溶液からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、酵素含有細胞解離溶液は、1つまたは複数の酵素を含む。ある特定の実施形態では、酵素は、Accutase(商標)、コラゲナーゼ、プロテアーゼ、トリプシンおよび誘導体、パパイン、ヒアルロニダーゼ、ならびにDNaseからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、酵素不含細胞解離溶液は、キレート剤を含む。ある特定の実施形態では、キレート剤は、EDTAであるか、または基材と細胞の相互作用を除去するために使用される他のCa++/Mg++不含薬剤である。ある特定の実施形態では、培養培地は、フィーダーフリー培地である。
開示される主題の別の態様に従って、本発明で開示される主題は、細胞を培養するin vitroでの方法であって、解離され凍結された細胞の集団と凍結保存用培地とを含む組成物を解凍するステップ、および細胞を下流の処置に付すステップを含み、細胞が、下流の処置の前に、基本的に拡大および/または継代されない、方法を提供する。ある特定の実施形態では、凍結細胞の組成物は、少なくとも細胞約50万、100万、500万、1000万、2000万、3000万、4000万、5000万、6000万、7000万、8000万、9000万、または1億個/mlの濃度を有する。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、凍結後に拡大される。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、集団内の細胞が最大1、2、3、4または5ラウンド、細胞分裂するように、一定の期間、拡大される。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、細胞が細胞分裂するように、一定の期間、拡大され、前記拡大は、指数関数的拡大ではない。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、凍結後に継代される。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、最大1、2、3、4または5回、継代される。ある特定の実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。ある特定の実施形態では、哺乳動物細胞は、多能性幹細胞(PSC)である。ある特定の実施形態では、多能性幹細胞は、誘導多能性幹細胞(iPSC)であるか、または胚性幹細胞(ESC)から調製される。
ある特定の実施形態では、下流の処置は、凍結保存細胞を分化させるin vitroでの方法を含む。ある特定の実施形態では、凍結保存細胞は、多数の体細胞、例えば、神経細胞またはそれらの前駆体に分化し、前記の分化した細胞は、前記細胞の、検出可能なレベルの、1つまたは複数のマーカーを発現する。ある特定の実施形態では、凍結保存細胞は、神経堤または神経堤由来細胞に分化する。ある特定の実施形態では、凍結保存細胞は、ドーパミン産生細胞、例えば中脳ドーパミン細胞、またはそれらの前駆体に分化する。ある特定の実施形態では、ドーパミン前駆細胞は、検出可能なレベルのフォークヘッドボックスタンパク質A2(FOXA2)、LIMホメオボックス転写因子1アルファ(LMX1A)および/またはチロシンヒドロキシラーゼ(tyrosine hydroxylast)(TH)を発現する。
ある特定の実施形態では、iPSCは、疾患または障害、例えば神経変性疾患、と診断された対象に由来する。ある特定の実施形態では、神経変性疾患は、パーキンソン病である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞に、凍結保存前、または凍結保存して解凍した後、核酸がトランスフェクトされる。ある特定の実施形態では、核酸は、トランスフェクションまたはヌクレオフェクションにより導入される。ある特定の実施形態では、細胞は、凍結保存されたことのない細胞と比較して核酸の取込みおよび/または発現の増加を示す。ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団の発現レベルは、凍結されたことのない細胞の集団の発現レベルより少なくとも約2倍高い。ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団の発現レベルは、凍結されたことのない細胞の集団の発現レベルより少なくとも約5%高い。
したがって、様々な実施形態は、トランスフェクト細胞を産生する方法であって、解離され凍結された細胞の集団と凍結保存用培地とを含む組成物を解凍するステップ、および、次いで、目的の核酸を細胞にトランスフェクトするステップを含み、細胞が、トランスフェクションの前に、基本的に拡大されず、および/または基本的に継代されず、トランスフェクション効率が、トランスフェクション前に凍結保存されなかった対照細胞のトランスフェクション効率と比較して実質的に上昇され、および/またはトランスフェクトされた核酸の発現が、トランスフェクション前に凍結保存されなかった対照細胞におけるトランスフェクトされた核酸の発現と比較して実質的に増加される、方法を提供する。ある特定の実施形態では、上述の方法により調製されるトランスフェクト細胞の組成物であって、前記細胞が、トランスフェクトされた核酸、例えば異種核酸、を含有する、組成物が提供され、前記異種核酸は、挿入、欠失、置換または再構成により変更された配列を含む核酸配列であって、その少なくとも一部分がトランスフェクション前の細胞に見られないものである、核酸配列を含む。
4.図面の簡単な説明
図1A~1Lは、CryoPause処理(CryoPaused)細胞の生存率、バンク一貫性、およびPSCマーカー発現を図示する。(1A、1F)新鮮(対照)およびCryoPause処理WA09細胞の解凍後の生存パーセント。生存率は、アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム蛍光(死)蛍光(CPについてはn=15、対照についてはn=28)を使用してNexcelom自動細胞計数器で測定した。(1B)13の独立したCryoPause処理PSC細胞バンクにおける、凍結前(赤色三角)および解凍後(黒丸)の細胞の生存率。(1C~1E)フローサイトメトリーによる対照またはCryoPause処理細胞における幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(1C)、平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値(1D、n=3)または免疫蛍光(1E、スケールバー=100μm)。(1G)対照およびCryoPause処理細胞の多能性を評定するためのPluriTestアッセイ。対照(n=2)またはCryoPause処理(n=2)WA09培養物を使用してRNAを得た後、マイクロアレイにハイブリダイズした。PluriTestアルゴリズムを使用してアレイデータを処理した。各サンプルが、2つの関連パラメーター、多能性スコアおよび新規性スコア、としてプロットされている。4つのサンプルすべてが、PluriTestの多能性評定に合格した。赤色クラウドは、PluriTestに合格したサンプルの代表であり、その一方で、青色クラウドは、PluriTestに不合格であったサンプルである。(1H)対照およびCryoPause処理細胞のメチル化を評価するMAプロット。相補的CpG部位(反対の鎖上の1塩基ずれた)についてのメチル化値を組み合わせて、CpGユニットのメチル化を得た。10リードの最小閾値カバー度を使用してCpGユニットをフィルタリングし、その結果、対照サンプルおよびCryoPauseサンプルについてそれぞれ3,714,418および3,408,158のCpGユニットを得た。両方のサンプルによりカバーされる3,155,482の共通CpGユニットのメチル化レベルの統計的分散を推定する、外れ値の影響を受けない変動性の堅牢な尺度である、中央絶対偏差(MAD)により、メチル化レベルの一致を評価した。(1I)CryoPause処理細胞には奇形腫を生じさせる能力がある。すべてのパネルについて、赤色矢印は、外胚葉を指し、緑色および青色アスタリスクは、中胚葉を示し、黒色矢印は、内胚葉を指す。(上)CryoPause処理WA09 hESCに由来する、ヘマトキシリン(hemotoxylin)およびエオシンで染色された奇形腫切片を示す、低倍率画像。スケールバー=1mm。(中央)内胚葉(杯細胞、黒色矢印)および中胚葉(緑色アスタリスク)を含有する領域を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(下)外胚葉(黒色性神経外胚葉、赤色矢印)および中胚葉(脂肪細胞、青色アスタリスク)を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(1J)Operettaハイコンテントイメージャーを用いてγH2AX発現により測定した対照およびCryoPause処理細胞におけるDNA損傷の定量(左)、ならびにアッセイの陽性対照としての、およびDNA損傷に対する脆弱性について試験するための、0.5μMカンプトテシンでの1時間の処置後の定量(右、n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(1K)0.5μMカンプトテシンで1時間処置したまたはしていない、対照およびCryoPause処理細胞における、γH2AX発現の代表免疫蛍光。(1L)染色体分析を、20の中期DAPIバンドを用いて行い、これらのすべてを十分に核型分析した。対照(20/20)およびCryoPause処理細胞(20/20)両方が、正常な46、XX核型を有した。(1A)、(1C)および(1J)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。図5Aも参照されたい。 図1A~1Lは、CryoPause処理(CryoPaused)細胞の生存率、バンク一貫性、およびPSCマーカー発現を図示する。(1A、1F)新鮮(対照)およびCryoPause処理WA09細胞の解凍後の生存パーセント。生存率は、アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム蛍光(死)蛍光(CPについてはn=15、対照についてはn=28)を使用してNexcelom自動細胞計数器で測定した。(1B)13の独立したCryoPause処理PSC細胞バンクにおける、凍結前(赤色三角)および解凍後(黒丸)の細胞の生存率。(1C~1E)フローサイトメトリーによる対照またはCryoPause処理細胞における幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(1C)、平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値(1D、n=3)または免疫蛍光(1E、スケールバー=100μm)。(1G)対照およびCryoPause処理細胞の多能性を評定するためのPluriTestアッセイ。対照(n=2)またはCryoPause処理(n=2)WA09培養物を使用してRNAを得た後、マイクロアレイにハイブリダイズした。PluriTestアルゴリズムを使用してアレイデータを処理した。各サンプルが、2つの関連パラメーター、多能性スコアおよび新規性スコア、としてプロットされている。4つのサンプルすべてが、PluriTestの多能性評定に合格した。赤色クラウドは、PluriTestに合格したサンプルの代表であり、その一方で、青色クラウドは、PluriTestに不合格であったサンプルである。(1H)対照およびCryoPause処理細胞のメチル化を評価するMAプロット。相補的CpG部位(反対の鎖上の1塩基ずれた)についてのメチル化値を組み合わせて、CpGユニットのメチル化を得た。10リードの最小閾値カバー度を使用してCpGユニットをフィルタリングし、その結果、対照サンプルおよびCryoPauseサンプルについてそれぞれ3,714,418および3,408,158のCpGユニットを得た。両方のサンプルによりカバーされる3,155,482の共通CpGユニットのメチル化レベルの統計的分散を推定する、外れ値の影響を受けない変動性の堅牢な尺度である、中央絶対偏差(MAD)により、メチル化レベルの一致を評価した。(1I)CryoPause処理細胞には奇形腫を生じさせる能力がある。すべてのパネルについて、赤色矢印は、外胚葉を指し、緑色および青色アスタリスクは、中胚葉を示し、黒色矢印は、内胚葉を指す。(上)CryoPause処理WA09 hESCに由来する、ヘマトキシリン(hemotoxylin)およびエオシンで染色された奇形腫切片を示す、低倍率画像。スケールバー=1mm。(中央)内胚葉(杯細胞、黒色矢印)および中胚葉(緑色アスタリスク)を含有する領域を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(下)外胚葉(黒色性神経外胚葉、赤色矢印)および中胚葉(脂肪細胞、青色アスタリスク)を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(1J)Operettaハイコンテントイメージャーを用いてγH2AX発現により測定した対照およびCryoPause処理細胞におけるDNA損傷の定量(左)、ならびにアッセイの陽性対照としての、およびDNA損傷に対する脆弱性について試験するための、0.5μMカンプトテシンでの1時間の処置後の定量(右、n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(1K)0.5μMカンプトテシンで1時間処置したまたはしていない、対照およびCryoPause処理細胞における、γH2AX発現の代表免疫蛍光。(1L)染色体分析を、20の中期DAPIバンドを用いて行い、これらのすべてを十分に核型分析した。対照(20/20)およびCryoPause処理細胞(20/20)両方が、正常な46、XX核型を有した。(1A)、(1C)および(1J)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。図5Aも参照されたい。 図1A~1Lは、CryoPause処理(CryoPaused)細胞の生存率、バンク一貫性、およびPSCマーカー発現を図示する。(1A、1F)新鮮(対照)およびCryoPause処理WA09細胞の解凍後の生存パーセント。生存率は、アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム蛍光(死)蛍光(CPについてはn=15、対照についてはn=28)を使用してNexcelom自動細胞計数器で測定した。(1B)13の独立したCryoPause処理PSC細胞バンクにおける、凍結前(赤色三角)および解凍後(黒丸)の細胞の生存率。(1C~1E)フローサイトメトリーによる対照またはCryoPause処理細胞における幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(1C)、平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値(1D、n=3)または免疫蛍光(1E、スケールバー=100μm)。(1G)対照およびCryoPause処理細胞の多能性を評定するためのPluriTestアッセイ。対照(n=2)またはCryoPause処理(n=2)WA09培養物を使用してRNAを得た後、マイクロアレイにハイブリダイズした。PluriTestアルゴリズムを使用してアレイデータを処理した。各サンプルが、2つの関連パラメーター、多能性スコアおよび新規性スコア、としてプロットされている。4つのサンプルすべてが、PluriTestの多能性評定に合格した。赤色クラウドは、PluriTestに合格したサンプルの代表であり、その一方で、青色クラウドは、PluriTestに不合格であったサンプルである。(1H)対照およびCryoPause処理細胞のメチル化を評価するMAプロット。相補的CpG部位(反対の鎖上の1塩基ずれた)についてのメチル化値を組み合わせて、CpGユニットのメチル化を得た。10リードの最小閾値カバー度を使用してCpGユニットをフィルタリングし、その結果、対照サンプルおよびCryoPauseサンプルについてそれぞれ3,714,418および3,408,158のCpGユニットを得た。両方のサンプルによりカバーされる3,155,482の共通CpGユニットのメチル化レベルの統計的分散を推定する、外れ値の影響を受けない変動性の堅牢な尺度である、中央絶対偏差(MAD)により、メチル化レベルの一致を評価した。(1I)CryoPause処理細胞には奇形腫を生じさせる能力がある。すべてのパネルについて、赤色矢印は、外胚葉を指し、緑色および青色アスタリスクは、中胚葉を示し、黒色矢印は、内胚葉を指す。(上)CryoPause処理WA09 hESCに由来する、ヘマトキシリン(hemotoxylin)およびエオシンで染色された奇形腫切片を示す、低倍率画像。スケールバー=1mm。(中央)内胚葉(杯細胞、黒色矢印)および中胚葉(緑色アスタリスク)を含有する領域を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(下)外胚葉(黒色性神経外胚葉、赤色矢印)および中胚葉(脂肪細胞、青色アスタリスク)を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(1J)Operettaハイコンテントイメージャーを用いてγH2AX発現により測定した対照およびCryoPause処理細胞におけるDNA損傷の定量(左)、ならびにアッセイの陽性対照としての、およびDNA損傷に対する脆弱性について試験するための、0.5μMカンプトテシンでの1時間の処置後の定量(右、n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(1K)0.5μMカンプトテシンで1時間処置したまたはしていない、対照およびCryoPause処理細胞における、γH2AX発現の代表免疫蛍光。(1L)染色体分析を、20の中期DAPIバンドを用いて行い、これらのすべてを十分に核型分析した。対照(20/20)およびCryoPause処理細胞(20/20)両方が、正常な46、XX核型を有した。(1A)、(1C)および(1J)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。図5Aも参照されたい。 図1A~1Lは、CryoPause処理(CryoPaused)細胞の生存率、バンク一貫性、およびPSCマーカー発現を図示する。(1A、1F)新鮮(対照)およびCryoPause処理WA09細胞の解凍後の生存パーセント。生存率は、アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム蛍光(死)蛍光(CPについてはn=15、対照についてはn=28)を使用してNexcelom自動細胞計数器で測定した。(1B)13の独立したCryoPause処理PSC細胞バンクにおける、凍結前(赤色三角)および解凍後(黒丸)の細胞の生存率。(1C~1E)フローサイトメトリーによる対照またはCryoPause処理細胞における幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(1C)、平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値(1D、n=3)または免疫蛍光(1E、スケールバー=100μm)。(1G)対照およびCryoPause処理細胞の多能性を評定するためのPluriTestアッセイ。対照(n=2)またはCryoPause処理(n=2)WA09培養物を使用してRNAを得た後、マイクロアレイにハイブリダイズした。PluriTestアルゴリズムを使用してアレイデータを処理した。各サンプルが、2つの関連パラメーター、多能性スコアおよび新規性スコア、としてプロットされている。4つのサンプルすべてが、PluriTestの多能性評定に合格した。赤色クラウドは、PluriTestに合格したサンプルの代表であり、その一方で、青色クラウドは、PluriTestに不合格であったサンプルである。(1H)対照およびCryoPause処理細胞のメチル化を評価するMAプロット。相補的CpG部位(反対の鎖上の1塩基ずれた)についてのメチル化値を組み合わせて、CpGユニットのメチル化を得た。10リードの最小閾値カバー度を使用してCpGユニットをフィルタリングし、その結果、対照サンプルおよびCryoPauseサンプルについてそれぞれ3,714,418および3,408,158のCpGユニットを得た。両方のサンプルによりカバーされる3,155,482の共通CpGユニットのメチル化レベルの統計的分散を推定する、外れ値の影響を受けない変動性の堅牢な尺度である、中央絶対偏差(MAD)により、メチル化レベルの一致を評価した。(1I)CryoPause処理細胞には奇形腫を生じさせる能力がある。すべてのパネルについて、赤色矢印は、外胚葉を指し、緑色および青色アスタリスクは、中胚葉を示し、黒色矢印は、内胚葉を指す。(上)CryoPause処理WA09 hESCに由来する、ヘマトキシリン(hemotoxylin)およびエオシンで染色された奇形腫切片を示す、低倍率画像。スケールバー=1mm。(中央)内胚葉(杯細胞、黒色矢印)および中胚葉(緑色アスタリスク)を含有する領域を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(下)外胚葉(黒色性神経外胚葉、赤色矢印)および中胚葉(脂肪細胞、青色アスタリスク)を示す高倍率画像、スケールバー=200μm。(1J)Operettaハイコンテントイメージャーを用いてγH2AX発現により測定した対照およびCryoPause処理細胞におけるDNA損傷の定量(左)、ならびにアッセイの陽性対照としての、およびDNA損傷に対する脆弱性について試験するための、0.5μMカンプトテシンでの1時間の処置後の定量(右、n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(1K)0.5μMカンプトテシンで1時間処置したまたはしていない、対照およびCryoPause処理細胞における、γH2AX発現の代表免疫蛍光。(1L)染色体分析を、20の中期DAPIバンドを用いて行い、これらのすべてを十分に核型分析した。対照(20/20)およびCryoPause処理細胞(20/20)両方が、正常な46、XX核型を有した。(1A)、(1C)および(1J)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。図5Aも参照されたい。 図2A~2Mは、CryoPause処理細胞の分化誘導の動態および程度を図示する。(2Aおよび2L)神経誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびPAX6発現(n=5;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2B~2C)神経誘導の0、3、6および9日後の代表フローサイトメトリー(2B)および免疫蛍光(2C)。(2D)中内胚葉誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびブラキウリ発現(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。中内胚葉誘導の0、1、2および4日後の代表フローサイトメトリー(2E、2K)および免疫蛍光(2F)。(2G)細胞100万、500万、1000万、2000万および3000万個/mLで凍結された場合の解凍後のCryoPause処理細胞の生存率。アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム(死)蛍光を用いて自動細胞計数器で生存細胞のパーセントを決定した(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2H、2M)Cell Factoryで拡大された対照およびCryoPause処理細胞においてフローサイトメトリーにより測定された幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(n=3;2Hには平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値、2Mには代表例)。(2I)CryoPause処理細胞の中脳ドーパミンニューロン分化の21日後のFOXA2(赤色)およびTH(緑色)発現。スケールバー=100μm。(2J)対照およびCryoPause処理WA09 hESCならびに中脳ドーパミンニューロンの遺伝子発現。サンプルをWA09 hES対照細胞に正規化し、発現の倍率変化を色分けした。対照hESと比較して高い発現レベルが赤色で示され、低いレベルが青色で示されている。(2A)、(2D)、(2G)および(2H)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。 図2A~2Mは、CryoPause処理細胞の分化誘導の動態および程度を図示する。(2Aおよび2L)神経誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびPAX6発現(n=5;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2B~2C)神経誘導の0、3、6および9日後の代表フローサイトメトリー(2B)および免疫蛍光(2C)。(2D)中内胚葉誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびブラキウリ発現(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。中内胚葉誘導の0、1、2および4日後の代表フローサイトメトリー(2E、2K)および免疫蛍光(2F)。(2G)細胞100万、500万、1000万、2000万および3000万個/mLで凍結された場合の解凍後のCryoPause処理細胞の生存率。アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム(死)蛍光を用いて自動細胞計数器で生存細胞のパーセントを決定した(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2H、2M)Cell Factoryで拡大された対照およびCryoPause処理細胞においてフローサイトメトリーにより測定された幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(n=3;2Hには平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値、2Mには代表例)。(2I)CryoPause処理細胞の中脳ドーパミンニューロン分化の21日後のFOXA2(赤色)およびTH(緑色)発現。スケールバー=100μm。(2J)対照およびCryoPause処理WA09 hESCならびに中脳ドーパミンニューロンの遺伝子発現。サンプルをWA09 hES対照細胞に正規化し、発現の倍率変化を色分けした。対照hESと比較して高い発現レベルが赤色で示され、低いレベルが青色で示されている。(2A)、(2D)、(2G)および(2H)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。 図2A~2Mは、CryoPause処理細胞の分化誘導の動態および程度を図示する。(2Aおよび2L)神経誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびPAX6発現(n=5;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2B~2C)神経誘導の0、3、6および9日後の代表フローサイトメトリー(2B)および免疫蛍光(2C)。(2D)中内胚葉誘導中にフローサイトメトリーにより定量されたOCT4およびブラキウリ発現(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。中内胚葉誘導の0、1、2および4日後の代表フローサイトメトリー(2E、2K)および免疫蛍光(2F)。(2G)細胞100万、500万、1000万、2000万および3000万個/mLで凍結された場合の解凍後のCryoPause処理細胞の生存率。アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム(死)蛍光を用いて自動細胞計数器で生存細胞のパーセントを決定した(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(2H、2M)Cell Factoryで拡大された対照およびCryoPause処理細胞においてフローサイトメトリーにより測定された幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)(n=3;2Hには平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値、2Mには代表例)。(2I)CryoPause処理細胞の中脳ドーパミンニューロン分化の21日後のFOXA2(赤色)およびTH(緑色)発現。スケールバー=100μm。(2J)対照およびCryoPause処理WA09 hESCならびに中脳ドーパミンニューロンの遺伝子発現。サンプルをWA09 hES対照細胞に正規化し、発現の倍率変化を色分けした。対照hESと比較して高い発現レベルが赤色で示され、低いレベルが青色で示されている。(2A)、(2D)、(2G)および(2H)では、少なくとも3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。 図3A~3Eは、CryoPause処理細胞の遺伝子改変。A~B)GFPプラスミドでのヌクレオフェクションの24時間後の対照およびCryoPause処理細胞におけるGFP発現の代表免疫蛍光(A)およびフローサイトメトリー(B)。(C)GFPプラスミドでのヌクレオフェクションの24時間後に対照およびCryoPause処理細胞においてフローサイトメトリーにより定量されたGFP発現(n=3;平均±SDとして示されている独立した生物学的反復実験についての値)。(D)EmGFPを含有するセンダイウイルスベクターでの形質導入後のCryoPause処理細胞におけるGFP発現の代表免疫蛍光。最初の形質導入からの個々のサブクローンを少なくも10継代にわたってGFP+コロニーとして維持することができた。(E)CryoPause処理WA01 iCRISPR細胞におけるHPRTガイドRNAを用いるゲノム切断検出キットの使用後の切断産物のアガロースゲル分析。+または-は、検出酵素あり(+)およびなし(-)を示す。(1)陽性対照;(2)CryoPause処理前にCas9を誘導したがガイドRNAを用いなかったiCRISPR細胞;(3)Cas9誘導を用いずHPRTガイドRNAを用いたiCRISPR細胞;(4)Cas9誘導およびHPRTガイドRNAを用いたiCRISPR細胞;(5)Cas9誘導およびHPRTガイドRNAを用いた(CryoPause処理していない)iCRISPR細胞。(C)では、3回の独立した実験でウィルコクソンの符号付き順位検定を行い、対照とCryoPauseの間に統計的差異(p>0.05)は見られなかった。 図4A~4Cは、CryoPause処理細胞の遺伝子改変を図示する。対照およびCryoPause処理細胞へのGFPプラスミドのヌクレオフェクションの24および48時間後のフローサイトメトリー(4A)または蛍光顕微鏡観察(4B)によるGFP発現。(4C)酵素あり(レーン1)およびなし(レーン2)での、GeneArt Genomic Cleavage Detection Kit陽性対照。酵素あり(レーン3)およびなし(レーン4)で、CryoPause処理前に細胞にDox添加、しかしヌクレオフェクション中にガイドRNAなし。酵素あり(レーン5)およびなし(レーン6)で、CryoPause処理前に細胞へのDox添加なし、しかしヌクレオフェクション中にHPRTガイドRNAを施した。酵素あり(レーン7)およびなし(レーン8)での、CryoPause処理前にDoxを、解凍後にHPRTガイドRNAを施した細胞。酵素あり(レーン9)およびなし(レーン10)での、DoxおよびHPRTガイドRNAを施した(しかし決して凍結させなかった)新鮮対照細胞。 図5A~5Fは、凍結保存条件に変更を加えたCryoPause処理細胞の生存率を図示する。図1に関連する。生存率は、アクリジンオレンジ(生)およびヨウ化プロピジウム(死)蛍光を使用して自動細胞計数器で測定した。(5A)WA09、960.1B、153.3A、およびWA01 iCRISPR細胞株におけるCryoPause処理および対照細胞の生存パーセント。(5B)FreSR-SまたはPSC Cryopresevation Kitでの速度制御フリーザーまたは従来の凍結のどちらかを使用するCryoPause処理WA09細胞の解凍後生存率。(5C)速度制御フリーザーまたは従来の凍結(方法を参照されたい)のどちらかを使用するCryoPause処理WA09細胞の解凍後生存率。(5D)フィーダーフリー(Geltrex(商標))条件またはフィーダーベースの条件のどちらかで成長したCryoPause処理WA09細胞の解凍後生存率。「CRF」は、速度制御フリーザーの使用を示し、その一方で、「-80」は、液体窒素タンクに移す前に24時間、-80℃の細胞凍結容器内でのバイアルの保管を示す。DMSOは、10%DMSOの凍結保存用培地としての使用を示す。速度制御フリーザーまたは従来の凍結のどちらかを使用して、細胞をCryoPause処理した。(5E)1年より長きにわたり凍結された対照またはCryoPause処理細胞におけるフローサイトメトリーによる幹細胞マーカー発現(または自発的分化、SSEA-1)。(5F)対照およびCryoPause処理WA09 hESCを使用する奇形腫成長速度。 図6は、凍結保存細胞の調製および使用に関する従来の方法およびCryoPause方法の略図である。 図7は、従来のPSC培養と比較したCryoPause方法の異なる略図である。(上)従来の(対照)ワークフローは、凍結保存からコロニーを回復させ、長期間にわたってそれらを拡大させて、目的の細胞型への分化誘導などの特定の応用のために培養物の一部分を定期的に使用する。徐々に、PSCは、遺伝子変化、夾雑、または自発的分化量の変化を獲得する可能性があり、これらのいずれもが結果に影響を及ぼしうる。(下)CryoPauseは、可能な最小継代数でPSCの大型プールを拡大させる。次いで、大型バッチを解離させて単一細胞浮遊液にした後、凍結保存する。この凍結プロセスは、PSCの産生をそれらの使用から分離し、その結果、各バンクの適正な品質管理および特徴付けを行うための時間が確保される。このプロセスはまた、複数の実験での同一の細胞の使用を可能にし、世界中のどこにでも出荷できるようにし、したがって、他の研究所が、PSCの全く同じ出発集団を用いて独立した実験を開始することができる。 図8A~8Cは、新鮮非凍結対照WA09細胞と比較して、遺伝子改変されたCryoPause処理WA09ヒト胚性幹細胞の集団により発現された構築物の発現レベル分布を図示する。(8A)CryoPause処理され、解凍され次第、3.4kb GFPプラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団(青色グラフ、a)、GFPベクターがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団(赤色グラフ、b)、およびヌクレオフェクトされていないWA09細胞の集団(緑色グラフ、c)における、フローサイトメトリーにより測定されたGFP発現レベルの分布。(8B)CryoPause処理され、解凍され次第、mCherryを発現する9.3kb CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団、およびmCherry CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団における、フローサイトメトリーで測定されたmCherry発現レベルの分布。細胞に、2.5μg、5μg、7.5μg、10μgまたは12.5μgのプラスミドをヌクレオフェクトした。(8C)2.5μg、5μg、7.5μg、10μgおよび12.5μgのプラスミドのヌクレオフェクション後のmCherryを発現するCryoPause処理細胞および新鮮非凍結対照細胞のパーセント。CryoPauseおよび新鮮非凍結条件下で2.5μgのプラスミドを用いて、第2のヌクレオフェクション溶液であるHSC2も試験し、mCherry発現について分析した。 図8A~8Cは、新鮮非凍結対照WA09細胞と比較して、遺伝子改変されたCryoPause処理WA09ヒト胚性幹細胞の集団により発現された構築物の発現レベル分布を図示する。(8A)CryoPause処理され、解凍され次第、3.4kb GFPプラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団(青色グラフ、a)、GFPベクターがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団(赤色グラフ、b)、およびヌクレオフェクトされていないWA09細胞の集団(緑色グラフ、c)における、フローサイトメトリーにより測定されたGFP発現レベルの分布。(8B)CryoPause処理され、解凍され次第、mCherryを発現する9.3kb CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団、およびmCherry CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団における、フローサイトメトリーで測定されたmCherry発現レベルの分布。細胞に、2.5μg、5μg、7.5μg、10μgまたは12.5μgのプラスミドをヌクレオフェクトした。(8C)2.5μg、5μg、7.5μg、10μgおよび12.5μgのプラスミドのヌクレオフェクション後のmCherryを発現するCryoPause処理細胞および新鮮非凍結対照細胞のパーセント。CryoPauseおよび新鮮非凍結条件下で2.5μgのプラスミドを用いて、第2のヌクレオフェクション溶液であるHSC2も試験し、mCherry発現について分析した。 図8A~8Cは、新鮮非凍結対照WA09細胞と比較して、遺伝子改変されたCryoPause処理WA09ヒト胚性幹細胞の集団により発現された構築物の発現レベル分布を図示する。(8A)CryoPause処理され、解凍され次第、3.4kb GFPプラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団(青色グラフ、a)、GFPベクターがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団(赤色グラフ、b)、およびヌクレオフェクトされていないWA09細胞の集団(緑色グラフ、c)における、フローサイトメトリーにより測定されたGFP発現レベルの分布。(8B)CryoPause処理され、解凍され次第、mCherryを発現する9.3kb CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされたWA09幹細胞の集団、およびmCherry CRISPR/CAS9プラスミドがヌクレオフェクトされた新鮮非凍結対照WA09細胞の集団における、フローサイトメトリーで測定されたmCherry発現レベルの分布。細胞に、2.5μg、5μg、7.5μg、10μgまたは12.5μgのプラスミドをヌクレオフェクトした。(8C)2.5μg、5μg、7.5μg、10μgおよび12.5μgのプラスミドのヌクレオフェクション後のmCherryを発現するCryoPause処理細胞および新鮮非凍結対照細胞のパーセント。CryoPauseおよび新鮮非凍結条件下で2.5μgのプラスミドを用いて、第2のヌクレオフェクション溶液であるHSC2も試験し、mCherry発現について分析した。
5.発明の詳細な説明
本発明で開示される主題は、解凍後の拡大および/または継代なしに下流の応用に直接使用することができ、したがって、連続継代に関連する複数の問題、例えば夾雑および細胞の質の非一貫性、をなくす、すぐに使用可能な凍結保存細胞の組成物に関する。本発明で開示される主題は、そのような組成物の調製方法、前駆組成物、ならびに下流の応用、例えば、細胞分化、細胞療法および疾患モデリングに前記組成物中の細胞を使用するin
vitroでの方法にも関する。
開示を明確にするために、限定としてではなく、この詳細な説明は、以下のサブセクションに分割される:
5.1.定義;
5.2.すぐに使用可能な凍結保存細胞の組成物;
5.3.すぐに使用可能な凍結保存細胞の調製方法;および
5.4.すぐに使用可能な凍結保存細胞の使用方法。
5.1 定義
本明細書において使用される用語は、本発明に関する文脈の中で、および各用語が使用される特定の文脈において、当技術分野におけるそれらの通常の意味を一般に有する。本発明の組成物および方法ならびにそれらの製造および使用方法を説明する追加のガイダンスを実施者に提供するために、ある特定の用語が下でまたは本明細書の他の箇所で論じられる。
用語「約」または「おおよそ」は、当業者によって決定される特定の値について許容される誤差範囲内を意味し、この許容される誤差範囲は、値が測定または決定される方法、すなわち、測定システムの制約にある程度依存することになる。例えば、「約」は、当技術分野での実務に従って、3または3超の標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、例えば、最大10%、最大5%または最大1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に生体系または生物学的プロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、例えば、5倍以内、または2倍以内を意味し得る。
本明細書で使用される場合、用語「アリコート」は、溶液、例えば細胞浮遊溶液、の総量の一部分を意味する。「細胞のアリコート」は、細胞浮遊液から分割され、別の容器で保管される、細胞浮遊液の総量の一部分を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「細胞培養」は、研究または医療処置のための人工培地におけるin vitroでの細胞の成長を指す。
本明細書で使用される場合、用語「接着細胞培養」は、細胞を、組織培養フラスコまたはプレートの底に接着した状態で細胞培養培地において成長させる、細胞培養方法を指す。
本明細書で使用される場合、用語「培養培地」は、ペトリプレート、マルチウェルプレートおよびこれらに類するものなどの培養用の器の中の細胞を覆う液体であって、細胞に栄養を与えて細胞を支持するための栄養素を含有する液体を指す。培養培地は、細胞の所望の変化を生じさせるために添加される増殖因子も含むことがある。
本明細書で使用される場合、用語「細胞浮遊液」は、単一細胞または小さい細胞凝集体が容器の壁に接着せずに液体培地中に浮遊している溶液を指す。「単一細胞浮遊液」は、単一細胞が液体培地中に浮遊している細胞浮遊液を指す。
本明細書で使用される場合、用語「凍結保存する」または「凍結保存」は、細胞が極低温への冷却により保存されるプロセスである。
本明細書で使用される場合、用語「凍結保存法用培地」は、凍結保存細胞と混合され、保管される、液体を指す。凍結保存法用培地は、氷形成に起因する凍結傷害から細胞を保護するために使用される物質の有効量を含有することもある。
本明細書で使用される場合、用語「拡大」または「拡大させる(する)」は、細胞数の増加を指す。
本明細書で使用される場合、用語「継代」は、培養用の器から培養培地を除去し、培養用の器の中で培養された細胞を新たな培養培地に移すプロセスを指す。継代プロセスは、培養細胞のさらなる拡大を可能にする。
本明細書で使用される場合、用語「in vitro」は、人工環境を指し、かつ人工環境で起こるプロセスまたは反応を指す。ペトリ皿、コニカルチューブおよび細胞培養がin vitro環境の実例だが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「in vivo」は、天然の環境(例えば、動物または細胞)を指し、かつ、天然の環境で起こるプロセスまたは反応、例えば、胚の発生、細胞分化、神経管形成などを指す。
本明細書で使用される場合、用語「分化」は、特定されていない細胞、例えば、多能性幹細胞、例えば胚性幹細胞(ESC)および/または誘導多能性幹細胞(iPSC)が、心臓、肝臓、ニューロンもしくは筋肉細胞などの、特定の細胞またはその前駆体の特色を獲得するプロセスを指す。分化は、細胞と細胞外の物理的および化学的条件との相互作用により、例えば、遺伝子発現を直接または間接的に調節する細胞表面に埋め込まれたタンパク質が関与するシグナル伝達経路によって、制御される。
本明細書で使用される場合、用語「細胞の集団」または「細胞集団」は、細胞の群を指す。非限定的な例では、細胞集団は、少なくとも約10万個、少なくとも約50万個、少なくとも約100万個、少なくとも約200万個、少なくとも約300万個、少なくとも約400万個、少なくとも約500万個、少なくとも約1000万個、少なくとも約2000万個、少なくとも約3000万個、少なくとも約4000万個、少なくとも約5000万個、少なくとも約6000万個、少なくとも約7000万個、少なくとも約8000万個、少なくとも約9000万個、少なくとも約1億個の細胞、少なくとも約2億個の細胞、少なくとも約5億個の細胞、少なくとも約10億個の細胞、少なくとも約15億個の細胞、少なくとも約20億個の細胞、少なくとも約25億個の細胞、少なくとも約30億個の細胞、またはこれらの間の値を含むことができる。集団は、1つの細胞型を含む純粋な集団であることもある。あるいは、集団は、1つより多くの細胞型、例えば、混合細胞集団を含むこともある。
本明細書で使用される場合、用語「幹細胞」は、培養で無期限に分裂し、特定の細胞を生じさせる能力を有する細胞を指す。ヒト幹細胞は、ヒトからのものである幹細胞を指す。
本明細書で使用される場合、用語「胚性幹細胞」は、着床前期の胚に由来し、培養で長期間にわたって分化せずに分裂することができ、3種の一次胚葉の細胞および組織に発達することが公知である、原始(未分化)細胞を指す。ヒト胚性幹細胞は、ヒトからのものである胚性幹細胞を指す。本明細書で使用される場合、用語「ヒト胚性幹細胞」または「hESC」は、培養で長期間にわたって分化せずに分裂することができ、3種の一次胚葉の細胞および組織に発達することが公知である、胚盤胞期までのおよび胚盤胞期を含む早期ヒト胚に由来する多能性幹細胞の種類を指す。
本明細書で使用される場合、用語「多能性」は、内胚葉、中胚葉および外胚葉を含む生物の3種の発生学的胚葉に発達する能力を指す。
本明細書で使用される場合、用語「誘導多能性幹細胞」または「iPSC」は、体細胞、例えば、CI 4、C72およびこれらに類するものへの、ある特定の胚性遺伝子(例えば、OCT4、SOX2、およびKLF4導入遺伝子)の導入により形成される(例えば、参照により本明細書に組み入れられる、TakahashiおよびYamanaka、Cell、126巻
、663~676頁(2006年)を参照されたい)、胚性幹細胞と類似している、多能性幹細胞(PSC)の種類を指す。
本明細書で使用される場合、用語「多能性幹細胞株」または「PSC株」は、最長数日、数カ月~数年にわたって分化せずに増殖することを可能にするin vitro条件下で培養された多能性幹細胞の集団を指す。
有効量は、所望の効果を生じさせる量である。
本明細書で使用される場合、細胞に関しての用語「分化を誘導すること」は、デフォルト細胞型(遺伝子型および/または表現型)を非デフォルト細胞型(遺伝子型および/または表現型)に変化させることを指す。したがって、「幹細胞において分化を誘導すること」は、幹細胞とは異なる特徴、例えば遺伝子型(例えば、マイクロアレイなどの遺伝子分析により判定される遺伝子発現の変化)および/または表現型(例えば、TUJI、DCX、TBR1、REELINおよびFOXG1などの、タンパク質の発現の変化)を有する子孫細胞に分裂するように、幹細胞(例えば、ヒト幹細胞)を誘導することを指す。「個体」または「対象」は、本明細書では、脊椎動物、例えば、ヒトまたは非ヒト動物、例えば哺乳動物である。哺乳動物には、ヒト、霊長類、家畜、競技用動物、げっ歯類およびペットが含まれるが、これらに限定されない。非ヒト動物対象の非限定的な例としては、げっ歯類、例えば、マウス、ラット、ハムスターおよびモルモット;ウサギ;イヌ;ネコ;ヒツジ;ブタ;ヤギ;ウシ;ウマ;ならびに非ヒト霊長類、例えば類人猿およびサルが挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「疾患」は、細胞、組織もしくは器官の正常機能を損なわせる、またはそれらの正常機能に干渉する、任意の状態または障害を指す。
本明細書で使用される場合、用語「処置すること」または「処置」は、処置を受ける個体もしくは細胞の疾患経過を変えようとする臨床的介入を指し、予防のために行われることもあり、または臨床病理検査の過程で行われることもある。処置の治療的効果としては、限定ではないが、疾患の発生または再発の防止、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的病理学的帰結の減少、転移の防止、疾患進行速度の低下、病的状態の改善または緩和、および寛解または予後改善が挙げられる。疾患または障害の進行を防止することにより、処置は、罹患したもしくは診断された対象または障害を有することが疑われる対象において障害に起因する悪化を防止することができるが、処置は、障害のリスクがあるまたは障害を有することが疑われる対象において障害または障害の症状の発生を防止することもできる。
5.2 すぐに使用可能な凍結保存細胞の組成物
本発明で開示される主題は、解離された細胞の凍結集団と凍結保存用培地とを含む組成物を提供する。細胞の凍結集団は、すぐに使用可能であり、細胞を解凍後の拡大および/または継代なしに、またはほとんどなしに、下流の応用に使用することができる。
ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団は、集団内の各細胞が、解離されていない細胞の集団と比較して他の細胞への接着レベルの低下を示すような、単一細胞浮遊液を含む。ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団は、解離されていない細胞の集団と比較して低下したレベルまたは量の細胞凝集体を含む。ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団は、解離されていない細胞の集団と比較してサイズが小さい細胞凝集体を含む。
ある特定の実施形態では、解離された細胞の集団は、集団内の各細胞が集団内の他の細胞と接着していない、したがって、集団が細胞凝集体を含まない、単一細胞浮遊液を含む。
凍結された細胞を凍結保存用培地中で、高濃度で保管することができ、したがって、組成物の単一アリコートは、解凍後の拡大なしに、またはほとんどなしに、下流の応用に十分な数の細胞を提供することができる。例えば、限定によるものではないが、アリコート中の細胞の濃度は、細胞100万個/mlより高い、または細胞500万個/mlより高い、または細胞1000万個/mlより高い、または細胞2000万個/mlより高いこともある。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、解凍後の拡大なしに下流の応用に十分な数の細胞を提供する。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、解凍後の継代なしに下流の応用に十分な数の細胞を提供する。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、解凍後の拡大および継代なしに下流の応用に十分な数の細胞を提供する。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、下流の応用に十分な数の細胞を提供するか、または解凍後、細胞の集団は、集団内の細胞が、限られた量の細胞分裂、例えば、最大0.5ラウンド、最大1ラウンド、最大2ラウンド、最大3ラウンド、最大4ラウンド、または最大5ラウンド細胞分裂するように、一定の期間、拡大される(0.5ラウンドの細胞分裂は、細胞集団の倍加時間の半分である期間にわたって培養することを意味する)。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、解凍後、集団内の細胞が細胞分裂するように、一定の期間、拡大され、前記拡大は、指数関数的拡大ではない。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、解凍後継代される。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、最大1回、最大2回、最大3回、最大4回、または最大5回、継代される。
ある特定の実施形態では、凍結保存用培地中の細胞の濃度は、少なくとも細胞約10万個/ml、少なくとも細胞約50万個/ml、少なくとも細胞約100万個/ml、少なくとも細胞約500万個/ml、少なくとも細胞約1000万個/ml、少なくとも細胞約1500万個/ml、少なくとも細胞約2000万個/ml、少なくとも細胞約2500万個/ml、少なくとも細胞約3000万個/ml、少なくとも細胞約3500万個/ml、少なくとも細胞約4000万個/ml、少なくとも細胞約4500万個/ml、少なくとも細胞5000万個/ml、少なくとも細胞約5500万個/ml、少なくとも細胞約6000万個/ml、少なくとも細胞約6500万個/ml、少なくとも細胞約7000万個/ml、少なくとも細胞約7500万個/ml、少なくとも細胞約8000万個/ml、少なくとも細胞約8500万個/ml、少なくとも細胞約9000万個/ml、少なくとも細胞約9500万個/ml、少なくとも細胞約1億個/ml、少なくとも細胞約1億5000万個/ml、少なくとも細胞約2億個/ml、少なくとも細胞約2億5000万個/ml、少なくとも細胞約3億個/ml、少なくとも細胞約3億5000万個/ml、少なくとも細胞約4億個/ml、少なくとも細胞約4億5000万個/ml、少なくとも細胞約5億個/mlである。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、少なくとも約1ml、少なくとも約2ml、少なくとも約3ml、少なくとも約4ml、少なくとも約5ml、少なくとも約6ml、少なくとも約7ml、少なくとも約8ml、少なくとも約9ml、少なくとも約10ml、少なくとも約15ml、少なくとも約20ml、少なくとも約25ml、少なくとも約30ml、少なくとも約35ml、少なくとも約40ml、少なくとも約45ml、少なくとも約50ml、少なくとも約55ml、少なくとも約60ml、少なくとも約65ml、少なくとも約70ml、少なくとも約75ml、少なくとも約80ml、少なくとも約85ml、少なくとも約90ml、少なくとも約95ml、少なくとも約100ml、少なくとも約150ml、少なくとも約200ml、少なくとも約250ml、少なくとも約300ml、少なくとも約350ml、少なくとも約400ml、少なくとも約450ml、少なくとも約500ml、少なくとも約1000mlの体積を有する。
ある特定の実施形態では、細胞は、幹細胞、例えば、多能性幹細胞(例えば、ヒト多能性幹細胞)である。ヒト幹細胞の非限定的な例としては、ヒト胚性幹細胞(hESC)、ヒト多能性幹細胞(hPSC)、ヒト誘導多能性幹細胞(hiPSC)、ヒト単為生殖性幹細胞、始原生殖細胞様多能性幹細胞、胚盤葉上層幹細胞、Fクラス多能性幹細胞、体性幹細胞、がん幹細胞、または細胞系列特異的分化が可能な任意の他の細胞が挙げられる。ある特定の実施形態では、ヒト幹細胞は、ヒト胚性幹細胞(hESC)である。ある特定の実施形態では、ヒト幹細胞は、ヒト誘導多能性幹細胞(hiPSC)である。ある特定の実施形態では、ヒト幹細胞は、ヒト多能性幹細胞株である。ヒト多能性幹細胞株の非限定的な例としては、WA09(H9)、960.1B、15.3A、およびWA01 iCRISPR細胞株が挙げられる。ある特定の実施形態では、幹細胞は、非ヒト幹細胞である。非ヒト幹細胞 非ヒト霊長類幹細胞、げっ歯類幹細胞、イヌ幹細胞、ネコ幹細胞の非限定的な例。ある特定の実施形態では、幹細胞は、多能性幹細胞である。ある特定の実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞である。ある特定の実施形態では、幹細胞は、誘導多能性幹細胞である。
接着細胞培養で成長することができるいずれの種類の細胞も、本発明で開示される主題に適している。そのような細胞の非限定的な例としては、動物細胞、昆虫細胞および植物細胞が挙げられる。ある特定の実施形態では、細胞は、CHO細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、COS細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、HEK細胞、例えば、HEK293細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、HeLa細胞である。ある特定の実施形態では、細胞は、網膜細胞である。
当技術分野において公知の任意の種類の凍結保存用培地を、本発明で開示される主題とともに使用することができる。凍結保存用培地は、基質、例えば、氷形成に起因する凍結傷害から細胞を保護することができる凍結保存剤を含有することができる。凍結保存剤の非限定的な例としては、グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ならびにトレハロース(trehalos)が挙げられる。凍結保存用培地の非限定的な例としては、FreSR(商標)-S、PSC Cryopreservation medium(ThermoFisher Scientific)、Stem-CellBanker GMP、10%DMSOを含むEssential 8(商標)(ThermoFisher Scientific)、CryoStor(登録商標)Freeze Media(Biolife)、およびCryoStem凍結保存用培地(Stemgent)が挙げられる。ある特定の実施形態では、凍結保存用培地は、FreSR(商標)-Sである。
細胞と凍結保存用培地とを含む組成物をアリコートにし、凍結保存に適している当技術分野において公知の任意の種類の保管容器または保管用の器で保管することができる。凍結保存容器の非限定的な例としては、例えば、ガラス製バイアル(例えば、これに限定されないが、フリントガラス製バイアル)、アンプル、プラスチック製可撓性容器、例えば、これらに限定されないが、PVC(ポリ塩化ビニル)製容器、CZ樹脂製容器、ポリプロピレン製容器および注射器、ならびにガラス製注射器などの、バイアル、プラスチックバッグ、チューブおよびボックスが挙げられる。
5.3 すぐに使用可能な凍結保存細胞の調製方法
本発明で開示される主題は、解離され凍結された細胞の集団を含む組成物を調製する方法を提供する。組成物を、解凍後の拡大および/または継代なしに、またはほとんどなしに、下流の応用に直接使用することができる。
ある特定の非限定的実施形態では、解離され凍結された細胞の集団を調製する方法は、培養培地で培養された細胞の集団を解離させるステップ、解離された細胞を凍結保存用培地に浮遊させて細胞浮遊液を形成するステップ、および細胞浮遊液を凍結させて凍結細胞の組成物を形成するステップを含む。ある特定の実施形態では、細胞は、凍結の前に拡大される。
ある特定の実施形態では、細胞の少なくとも60、65、70、75、80、85、90または95%は、解凍後に生存可能である。
ある特定の実施形態では、解離され凍結された細胞の組成物は、少なくとも細胞約10万個/ml、少なくとも細胞約50万個/ml、少なくとも細胞約100万個/ml、少なくとも細胞約500万個/ml、少なくとも細胞約1000万個/ml、少なくとも細胞約1500万個/ml、少なくとも細胞約2000万個/ml、少なくとも細胞約2500万個/ml、少なくとも細胞約3000万個/ml、少なくとも細胞約3500万個/ml、少なくとも細胞約4000万個/ml、少なくとも細胞約4500万個/ml、少なくとも細胞5000万個/ml、少なくとも細胞約5500万個/ml、少なくとも細胞約6000万個/ml、少なくとも細胞約6500万個/ml、少なくとも細胞約7000万個/ml、少なくとも細胞約7500万個/ml、少なくとも細胞約8000万個/ml、少なくとも細胞約8500万個/ml、少なくとも細胞約9000万個/ml、少なくとも細胞約9500万個/ml、少なくとも細胞約1億個/ml、少なくとも細胞約1億5000万個/ml、少なくとも細胞約2億個/ml、少なくとも細胞約2億5000万個/ml、少なくとも細胞約3億個/ml、少なくとも細胞約3億5000万個/ml、少なくとも細胞約4億個/ml、少なくとも細胞約4億5000万個/ml、少なくとも細胞約5億個/mlの濃度を有する。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、少なくとも約1ml、少なくとも約2ml、少なくとも約3ml、少なくとも約4ml、少なくとも約5ml、少なくとも約6ml、少なくとも約7ml、少なくとも約8ml、少なくとも約9ml、少なくとも約10ml、少なくとも約15ml、少なくとも約20ml、少なくとも約25ml、少なくとも約30ml、少なくとも約35ml、少なくとも約40ml、少なくとも約45ml、少なくとも約50ml、少なくとも約55ml、少なくとも約60ml、少なくとも約65ml、少なくとも約70ml、少なくとも約75ml、少なくとも約80ml、少なくとも約85ml、少なくとも約90ml、少なくとも約95ml、少なくとも約100ml、少なくとも約150ml、少なくとも約200ml、少なくとも約250ml、少なくとも約300ml、少なくとも約350ml、少なくとも約400ml、少なくとも約450ml、少なくとも約500ml、少なくとも約1000mlの体積を有する。
ある特定の実施形態では、細胞は、解離される前に培養培地で培養される。細胞を培養するのに適している任意の種類の培養培地を、本発明で開示される主題とともに使用することができる。ある特定の実施形態では、培養培地は、フィーダーフリー培養培地である。ある特定の実施形態では、培養培地は、フィーダー培地である。ある特定の実施形態では、培地は、Essential 8(商標)培地である。
培養培地で培養された細胞は、細胞解離溶液を使用して、培養プレートまたはフラスコなどの培養面から解離される。解離は、単一細胞浮遊液を形成するための、細胞の互いの分離を補助することもできる。細胞接着から細胞を解離させるのに適している当技術分野において公知の任意の種類の薬剤または溶液を、本発明で開示される主題とともに、細胞解離溶液として使用することができる。細胞解離溶液は、タンパク質分解および/またはコラーゲン分解機能を有する酵素を含有することができる。そのような酵素の非限定的な例としては、Accutase(商標)、コラゲナーゼ、プロテアーゼ、トリプシンおよび誘導体、パパインが挙げられる。細胞解離溶液は、ヒアルロニダーゼおよびDNaseなどの、他の酵素も含有することができる。ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の分解を触媒することができる酵素のファミリーである。DNaseは、解離培地に漏出する核酸を消化することができる酵素のファミリーである。そのような酵素含有溶液の非限定的な例としては、トリプシン緩衝液、トリプシン-EDTA緩衝液、Accutase、Detachin(商標)Cell Detachment Solution(Genlantis)、およびAccumaxが挙げられる。細胞解離溶液は、酵素不含であることもある。ある特定の実施形態では、酵素不含細胞解離溶液は、溶液中の遊離カルシウムおよびマグネシウムイオンをキレートし、これにより細胞を解離させるために、キレート剤を含有することができる。キレート剤の非限定的な例は、EDTAであるか、または基材と細胞の相互作用を除去するために使用される他のCa++/Mg++不含薬剤、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレンである。そのような酵素不含溶液の非限定的な例としては、Gentle Cell Dissociation Reagent(GCDR、STEMCELL Technologies);細胞解離緩衝液、酵素不含、ハンクス平衡塩類溶液(ThermoFisher);および細胞解離緩衝液、酵素不含、PBS(ThermoFisher);またはEDTAが挙げられる。ある特定の実施形態では、細胞は、Accutaseを使用して解離される。
ある特定の実施形態では、細胞の解離集団は、洗浄され、その後、凍結保存用培地に浮遊される。細胞の解離集団を、細胞の洗浄に適している当技術分野において公知の任意の溶液で、洗浄することができる。ある特定の実施形態では、細胞の解離集団は、Essential 8(商標)培地で洗浄される。
細胞浮遊液をアリコートにし、凍結保存に適している当技術分野において公知の任意の種類の保管容器で保管することができる。凍結保存容器および凍結保存用の器の非限定的な例は、上記である。
細胞を凍結保存するために細胞浮遊液を凍結させるのに適している当技術分野において公知の任意の凍結方法、例えば、速度制御フリーザープログラムを、本発明で開示される主題とともに使用することができる。
ある特定の実施形態では、凍結方法は、以下のプログラムを用いてプログラムされた速度制御フリーザーの使用を含む:
ステップ1:4℃で待機;
ステップ2:-4℃に1.2℃/分(サンプル);
ステップ3:-40℃に25℃/分(チャンバー);
ステップ4:-12℃に10℃/分(チャンバー);
ステップ5:-40℃に1.0℃/分(チャンバー);
ステップ6:-90℃に10℃/分(チャンバー);そして
ステップ7:-90℃で待機。
ある特定の実施形態では、速度制御フリーザーが-90℃に達した後、細胞の凍結アリコートを液体窒素タンクに移すことができる。
ある特定の実施形態では、凍結方法は、従来の緩速冷却方法である。
5.4 すぐに使用可能な凍結保存細胞の使用方法
本発明で開示される主題は、解離され凍結された細胞の集団と凍結保存用培地とを含む組成物を培養する、または別様に使用する、in vitroでの方法も提供する。ある特定の実施形態では、in vitroでの方法は、組成物を下流の処置に付すステップを含み、細胞は、下流の処置の前に拡大および/または継代されない。
ある特定の実施形態では、解離され凍結された細胞の集団を含む組成物は、下流の処置に適切な数の細胞を含有する。例えば、組成物の単一アリコートは、下流の処置に十分な数の細胞を含むことができる。
ある特定の実施形態では、組成物の単一アリコートは、下流の応用に十分な数の細胞を提供し、解凍後に細胞の集団は、集団内の細胞が細胞分裂、例えば、少なくとも1、2、3、4または5ラウンド細胞分裂するように、一定の期間、拡大される。ある特定の非限定的実施形態では、細胞の集団は、使用前に、最大2回の細胞分裂に十分な期間、または最大5回の細胞分裂に十分な期間、培養で(必要に応じて、細胞培養培地を加えて)維持される。
ある特定の非限定的実施形態では、細胞の集団は、使用前に、例えば細胞の集団が解凍された後、最長約1、5、10、15、20、25または30時間の期間、培養で(必要に応じて、細胞培養培地を加えて)維持される。
ある特定の非限定的実施形態では、細胞の集団は、使用前に、例えば細胞の集団が解凍された後、最長約24時間の期間、培養で(必要に応じて、細胞培養培地を加えて)維持される。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、解凍後、集団内の細胞が細胞分裂するように、一定の期間、拡大され、前記拡大は、指数関数的拡大ではない。
ある特定の実施形態では、細胞の集団は、解凍後継代される。ある特定の実施形態では、細胞の集団は、最大1、2、3、4または5回、継代される。
ある特定の実施形態では、解離され凍結された細胞の集団は、ヒトiPSCまたはヒトESCを含む。ある特定の実施形態では、下流の処置は、細胞の集団を多数の体性細胞、例えば、ニューロンまたはその前駆体に分化させる方法を含む。ある特定の実施形態では、前記の分化させた細胞は、治療に使用するための治療用組成物、例えば医薬組成物に含まれることがある。ある特定の実施形態では、分化させた細胞をin vitroで疾患モデリングに使用することができる。例えば、多能性幹細胞を分化させる方法は、国際公開番号WO/2010/096496、WO/2011/149762、WO/2013/067362、WO/2016/19666、WO/2014/176606、WO/2015/077648、ならびに国際出願番号PCT/US16/068430(2016年12月22日に出願された)、PCT/US17/016723(2017年2月6日に出願された)およびPCT/US17/015480(2017年1月27日に出願された)において開示されており、これらの各々の内容は、それら全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み入れられる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞の集団は、多数のドーパミン細胞、例えば中脳ドーパミン細胞、またはそれらの前駆体に分化する。ある特定の実施形態では、ドーパミン前駆細胞は、検出可能なレベルのフォークヘッドボックスタンパク質A2(FOXA2)、LIMホメオボックス転写因子1アルファ(LMX1A)および/またはチロシンヒドロキシラーゼ(TH)を発現する。ある特定の実施形態では、解離され凍結された細胞の集団は、神経変性疾患、例えばパーキンソン病、を有すると診断されたまたは有するリスクがある対象に由来するiPSCを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞に外来性核酸がトランスフェクトされ、例えば、本明細書に記載される細胞は、ヌクレオフェクション方法、エレクトロポレーション方法、液体/リポソームベースの方法、リン酸カルシウムにより誘導される方法、または外来性遺伝物質を哺乳動物細胞に移す他の方法に付される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞は、凍結されたことのない対照細胞と比較して、トランスフェクション後の核酸取込みおよび/または核酸の発現レベル上昇を示す。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞による発現レベル上昇は、非凍結対照細胞による発現レベルより少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20または25倍高い。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される細胞による発現レベル上昇は、非凍結対照細胞による発現レベルより少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70または75%高い。
ある特定の実施形態では、発現レベル上昇は、核酸を発現する集団内の細胞の量を指す。
ある特定の実施形態では、発現レベル上昇は、1つもしくは複数の細胞によりまたは細胞の集団により発現されるmRNAまたはタンパク質の強度または量を指す。
ある特定の実施形態では、凍結保存前に、細胞に核酸がトランスフェクトされる。
ある特定の実施形態では、凍結保存後、例えば解凍後に、細胞に核酸がトランスフェクトされる。ある特定の実施形態では、凍結保存後、解凍の少なくとも約0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24時間後に、細胞にトランスフェクトされる。
ある特定の実施形態では、核酸は、CRISPR遺伝子編集に使用される核酸分子、例えば、Cas9タンパク質をコードする核酸、CPF1タンパク質をコードする核酸、および/または所定の標的のガイドRNAをコードする核酸を含む(例えば、Congら、Science、2月15日;339巻(6121号):819~23頁(2013年);Hsuら、Cell.2014年6月5日;157巻(6号):1262~78頁;Ranら、Nature Protocols、11月;8巻(11号):2281~308頁.(2013年);Gilbertら、Cell、2013年7月18日;154巻(2号):442~51頁;Staahlら、Nat Biotechnol.2017年5月;35巻(5号):431~434頁;およびMaliら、Science.2013年2月15日;339巻(6121号):823~6頁を参照されたく、これらの各々の内容は、それら全体が参照により組み入れられる)。
ある特定の実施形態では、トランスフェクト細胞の組成物が提供される。ある特定の実施形態では、上記方法の1つまたは複数を実施するための材料を含むキットが提供される。そのようなキットは、例えば、凍結保存細胞、およびCRISP遺伝子編集のための分子をコードする核酸、またはプロモーター配列を含む発現カセットなどを含みうる。
6.実施例
本発明で開示される主題は、以下の実施例を参照することによってより良く理解されるであろう。この実施例は、本発明で開示される主題の例示として提供するものであり、限定として提供するものではない。
(実施例1)
解凍後に継代なしに使用するための、解離され凍結保存された多能性幹細胞
概要
ヒト多能性幹細胞(PSC)は、細胞置換療法および疾患モデリングのための無限の細胞源を提供する。それらには並外れた活力(enormous power)があるにもかかわらず、
技術的態様が再現性を妨げてきた。ここに記載するのは、ほぼすべてのPSC実験についての主要変数(PSC出発物質の質および量)を排除する、PSCワークフローの単純な改良である。ほとんどの研究所は、PSCを連続的に継代し、拡大後に少量を使用するが、これらの実験の「ジャストインタイム」性は、品質管理が使用前にめったに行われないことを意味する。品質管理の欠如は、PSCの質、無菌性および遺伝的完全性を損なわせることがありえ、これは、得られる結果の交絡因子を生じさせる。CryoPauseと呼ばれる、ここで開示する方法(図7)は、PSCの培養物を解離させて単一細胞にし、これらのPSCを、解凍して直ちに分化などの実験に使用することができる使い捨て凍結保存バイアルとして、貯蔵する。
ここで、CryoPauseを使用して凍結保存した細胞を、旧来の方法で培養した細胞と対照して試験した。短期生存率または多能性に差がないことをここに示す。さらに、CryoPauseは、中胚葉および神経分化の分化効率の損失を示さなかった。解凍後生存率は、常に90%より高く、解凍後の幹細胞マーカー発現に有意差がないことが判明した。CryoPause処理細胞を解凍し、拡大なしに、直接、分化させることまたは遺伝子改変することができることが判明した。最新のデータは、再現性を増大させ、分化前に異なるPSC株を同期させるのに役立ち、細胞療法および疾患モデリング応用のためのPSCの拡大中の遺伝子不安定性および夾雑の可能性をなくすことになる、PSCの簡単な新規使用方法を、あらゆる研究所に提供する。
CryoPauseは、品質管理された同じPSCから複数の実験を繰り返すことを可能にし、細胞療法応用と疾患モデリング応用の両方のためのPSCの拡大中の遺伝子不安定性および夾雑の可能性をなくす。加えて、CryoPauseは、同一の出発PSC集団から異なる時点で複数の分化または遺伝子改変実験を行うことを可能にする。CryoPauseは、地理的に離れている研究所が同一の出発PSC集団を用いて実験することを可能にする。一貫性に加えて、高い自発的分化、夾雑または遺伝的完全性レベルが実験を損なわせた可能性を低下させるために、各バンクを使用前に予備検証することができる。いずれの研究所も、CryoPauseを実装して、疾患モデリング応用と細胞療法応用の両方において再現性を増大させることができる。
結果
最新の研究は、播種効率のわずかな低下が観察されたが、生存率、多能性および分化能に差がないことを示す。CryoPauseを規模拡大させることができる。例えば、4段セルファクトリーから2億8000万の細胞バンクを構築することができる。本実施例は、解凍後生存率を有意に低下させることなく1バイアル当たり細胞3000万個ほど高い濃度で細胞を凍結させた。
CryoPause条件の開発
解凍後の拡大をなくして幹細胞実験の再現性を向上させることができるかどうかを判定した。回復および拡大の迂回には、解凍後の高い生存率が現実的であることが求められる可能性が高い。Essential 8(商標)培地(E8;Chenら、2011年)でのWA09(H9)フィーダーフリー培養を使用する臨床パラダイムを使用した。WA09細胞をAccutaseで処置して単一細胞浮遊液を生成した後、洗浄し、単分散ヒト多能性幹細胞凍結保存用に設計された市販の培地であるFreSR(商標)-Sに再浮遊させた。標準プログラムを使用して速度制御フリーザーで細胞を凍結保存した後、「すぐに使用可能な」アリコートとして液体窒素中で長期保管した(材料および方法を参照されたい)。最初の実験は、驚くほど高い解凍後生存率を実証した。解凍後生存率への、細胞株の影響、凍結保存用培地の影響、および速度制御フリーザーの寄与の影響を詳しく調査し、E8培地でのフィーダーフリー培養を使用したとき、これらの変数のいずれかに対しても明らかな依存性がないことが判明した。異なるPSC株(図5A)、異なる凍結保存用培地(図5B)および従来の緩速冷却(図5C)には、効率のはっきりした差はなかった。主な要因は、初期培養条件であるようだった。旧来のフィーダーベースの方法を使用して拡大させたWA09細胞のほうが、生存率が低かったが、この生存率低下がFreSR(商標)-Sでは軽減されたからである(図5D)。
実験のバランスをとるために、ベースライン条件は、別段の断り書きがない限り、速度制御フリーザーでのFreSR(商標)-SにおけるCryoPause処理したWA09であった。この条件は、アクリジンオレンジ/ヨウ化プロピジウム(AOPI)を使用して、偏りのない自動細胞計数器で測定したとき、凍結させなかった対照WA09細胞よりほんの数パーセントしか低くない解凍後生存率を常に生じさせた(図1Aおよび1F)。複数のバンクを生成して、解凍後生存率がインプット培養物の生存率CryoPause処理によってのみ制限されることが分かった(図1B)。今までに試験した最長時点である最長1年の液体窒素中での保管について、生存率の損失も、多能性の損失も、観察されなかった(図5E)。並外れた解凍後生存率にもかかわらず、24時間の培養後の播種効率の低下があり(データを示さない)、そのため、播種効率のこの差を相殺するために、より多くのCryoPause処理細胞(新鮮対照での細胞200,000個/cm2に対してCryoPause処理細胞での細胞400,000個/cm2)を播種した。
CryoPause細胞の検証
CryoPause処理細胞の健常性を評定するために、分化が正常に誘導されたであろう播種の翌日に、PSCマーカーを検査した。フローサイトメトリーで測定することができたCryoPause処理細胞と新鮮対照細胞の間の多能性幹細胞マーカーSSEA3、SSEA4、OCT4、SOX2およびNANOGに明らかな差はなかった(図1Cおよび1D)。自発的分化マーカーSSEA1の増加もなかった(図1Cおよび1D)。免疫蛍光分析によってフロー結果を独立して確認し、2集団間に識別可能な差はなかった(図1E)。
CryoPause処理PSCの多能性の特色についてのより包括的な検査を行うために、PluriTestを使用して、対照培養物とCryoPause処理培養物を比較した(Mullerら、2011年;Williamsら、2011年;Mullerら、2012年)。PluriTestは、全ゲノム転写プロファイルに基づくものであり、未分化幹細胞培養物の多能性についての信頼できる評定を可能にする。簡単に言うと、PluriTestは、多数の多能性関連転写物の発現を「多能性スコア」を用いて分析し、「新規性スコア」と称される第2の指標を用いて、遺伝的におよびエピジェネティック的に正常なヒト多能性幹細胞において典型的に観察される全般的転写パターンとの被験サンプルの適合性について試験する。PluriTestを用いて、対照とCryoPause処理WA09サンプルの両方が、経験的に定義された多能性および新規性スコア閾値に合格し、新規性1クラス分類器モデルへの適合を示すことが判明し、これは、両方のサンプル群が、十分に特徴付けられたhESCおよびhiPSC細胞株で観察されるものと非常に類似した遺伝子発現パターンを示すことを示す(図1G)。CryoPause細胞のエピジェネティックな景観も縮小表示バイサルファイト(bisulfide)シークエンシング(RRBS)に
よって調査し、対照細胞とCryoPause細胞間に共通CpGユニットのメチル化レベルの強い一致を見いだした(図1H;MAD=0.122)。これは、技術的反復実験間で観察された一致したメチル化レベル(Kacmarczykら、2016年)に匹敵する。
多能性のもう1つの尺度は、奇形腫の生成である。対照およびCryoPause培養物は、大体同じサイズおよび動態で奇形腫を生成した(図5F)。CryoPause奇形腫のヘマトキシリンおよびエオシン染色切片は、3種の胚葉すべての派生物を示した(図1I:内胚葉[黒色矢印]、中胚葉[緑色および青色アスタリスク]および外胚葉[赤色矢印])。まとめると、これらのデータは、解凍後に直接CryoPause細胞を使用して肝要な多能性マーカーの発現に差がないことを、フローサイトメトリー、PluriTest、CpGメチル化および奇形腫形成により実証する。
ゲノムに二本鎖DNA破断がある細胞の割合を評定するために、ハイコンテント顕微鏡を用いて核gH2AXの定量的免疫蛍光検査を行った(図1Jおよび1K;概説についてはRedonら、2002年を参照されたい)。gH2AXを発現する細胞のパーセンテージ
に統計的差異はなかった。このアッセイを検証し、CryoPause細胞のほうがDNA傷害剤に対して感受性が高かったかどうかを確かめるために、細胞傷害性キノロンアルカロイドであるカンプトテシンを添加した。カンプトテシンへの曝露後にγH2AXを発現する細胞のパーセンテージに統計的差異はなかった。最後に、本発明者らは、解凍後のCryoPause細胞に関する核型を分析して、全般的な遺伝子異常について試験した。正常な核型が対照(20/20分裂中期スプレッド)およびCryoPause培養物(20/20分裂中期スプレッド;図1L)に見られた。
分化誘導および細胞療法
CryoPause処理細胞と対照細胞の間にほとんど差がないこと見いだすことができたため、CryoPause処理細胞のin vitro分化能を評定した。対照およびCryoPause処理細胞を二重SMAD阻害に曝露して、WA09 hESCを神経運命に誘導した(Chambersら、2009年)。OCT4およびPAX6を経時的に測定して、神経分化の効率および動態を評定した。神経誘導のタイミングにも程度にも差がなかった(図2A~2C、および2K)。中内胚葉運命に誘導されたCryoPause処理細胞もまた、分化の程度および動態に関して区別不能であった(図2D~2F、および2L)。これらの細胞の両方の運命は、相対的に未熟であり、したがって、作製がより容易であるため、CryoPause処理細胞からの中脳ドーパミンニューロンの作製を試みた(Barkerら、2015年)。WA09 CryoPause処理細胞は、臨床的に適合する「標準操作手順」から、FOXA2/TH二重陽性の有糸分裂後中脳ドーパミンニューロンを効率的に生成し、対照細胞に由来するニューロンと同様の遺伝子発現プロファイルを示す(図2Iおよび2J)。
製造者は、FreSR(商標)-Sで凍結保存するとき、細胞100万個/mLの細胞密度を指定している。この密度は、より小規模の実験には妥当であるが、1実験当たり数十億個の細胞を必要とする細胞療法などの、多くの細胞数を必要とする応用には制約になる。それ故、凍結保存中に細胞密度を増加させることが、生存率または播種効率に悪影響を及ぼすかどうかを試験した。試験した最高密度である3000万個/mLの密度までは細胞を凍結させたときに生存率(図2G)にも播種効率(データを示さない)にも明らかな差は認められなかった。高密度調製は、製造前に数十億個のインプットPSCを通常は必要とするほとんどの治療応用に、合理的なワークフローを提供するはずである。
CryoPauseの強みは、大型の、特徴付けられた、すぐに使用可能な細胞バンクの生成である。この戦略には多くの利点があるが、不利な点は、凍結保存および品質管理の前に、すべてのPSC拡大をすべて一度に行う必要がある点である。拡大の規模を大きくするための努力の一環として、自動で閉じた系になるように容易に構成することができる、すべての層を一度に容易に供給することを可能にする、結合されたフラスコである、「セルファクトリー」を使用した。4層フラスコサイズ(2528cm2、またはおおよそ44×6ウェルプレート)を使用してPSCを拡大させ、これらは、1ファクトリー(n=3)当たり細胞約2億5000万個の平均収量を有した。そのような「ファクトリー」での成長の複雑化要因は、層状のフラスコを直接顕微鏡で観察することができないので、拡大中に形態をモニターすることが困難であることである。CryoPauseバンクが正確に拡大されたことを検証するために、PSCマーカーを試験し、ファクトリーで拡大された細胞は、同等のマーカー発現を有すること(図2Hおよび2M)および分化することができること(データを示さない)を見いだした。
遺伝子改変
CryoPause処理細胞は、通常は解凍の24時間後に挙動するため、細胞を解凍直後に遺伝子操作することができるかどうかを調査した。解凍直後のCryoPause処理WA09細胞のヌクレオフェクション効率を新鮮対照細胞と比較した。GFPプラスミドでのヌクレオフェクションの24時間後、蛍光顕微鏡検査は、両方の条件でGFP+細胞を明示し、フローサイトメトリー定量は、>85%がGFPを発現したことを明示した(図3A~3Cおよび4A~4B)。直ちに解凍したCryoPause処理細胞は、形質導入の24時間後に蛍光顕微鏡検査により示される通り、EmGFPを発現するセンダイウイルスベクターによる形質導入にも成功することができた(図3D)。CP由来のセンダイ形質導入サブクローンを、少なくとも15継代(試験した最長)にわたって増殖させることができた。
ヌクレオフェクション成功は、解凍し次第のゲノム改変がうまくいくことを示唆した。標的ゲノム改変を試験するために、AAVS1遺伝子座に組み込まれた誘導性Cas9を含有するPSCである、iCRISPRシステム(Gonzalezら、2014年)を使用した。WA01(H1)iCRISPR細胞を拡大させ、次いで、ドキシサイクリンで処置した24時間後にCryoPause処理した:これは、凍結前にCas9を予め発現するCryoPause処理細胞を生成した。解凍した時点で、HPRTガイドRNAをこれらの細胞にヌクレオフェクトし、その後、ゲノム分析を行った。発現されたCas9を伴うCryoPause処理されたiCRISPR細胞を解凍し、解凍直後にそれらの細胞にHPRTガイドRNAをヌクレオフェクトした。CryoPause処理iCRISPR WA01(H1)細胞と対照iCRISPR WA01(H1)細胞の間にHPRT標的化突然変異効率の明らかな差はなかった(図3Eおよび4C)。
考察
新規方法(CryoPause)は、ほとんどの多能性幹細胞ベースの応用にとって非常に重要な変数(分化またはゲノム改変前の多能性細胞の性質)を、排除すると言える。凍結保存hPSCは、使用前に回復、拡大および継代を必要とすることは、一般に認知されている。本実験は、解離させたヒト多能性幹細胞を、CryoPause処理しなかった対応する「新鮮」細胞と比較して、解凍後生存率をほとんど損なうことなく、播種効率のわずかな低下で、単一細胞浮遊液として凍結保存することができることを実証した。最新のデータは、このパラダイム変化を可能にする技術的駆動因子が、多数の凍結保存パラダイム(LiuおよびChen、2014年)を使用してE8で拡大させた細胞に関して回復向
上が観察された、培養システムであることを示す。
CryoPauseは、従来のPSC培養と比較して多数の利点を提供する。CryoPauseは、いつでも分化できる状態になっている細胞の大型バンクを、規定された状態に固定すること、したがって、再現性を向上させることが可能である。継続的監視ではなく、夾雑(細胞株、マイコプラズマ、細菌)、遺伝子不安定性、複数のiPS株の同期、および培養の純度を測定することなどの、品質試験によって、バンク全体を検証することができる。
疾患モデリング研究は、非常に多くの健常および罹病個体に由来する複数のiPSCクローンを用いて、最良に行われる。従来の並行培養方法は、実験のための新鮮出発物質の継続的な供給源を提供するために複数の細胞株の維持を分化誘導と並行して行う必要があるので、沢山の人手を要し、多大な時間を必要とする。異なる速度で拡大するiPS株は、分化および並行した継代の同期した開始を複雑にし、通常は、結果として、ある時点で準備が整う培養の数を最大にし、残部は過小または過剰拡大されることが多いということを妥協することになる。連続培養は、細胞株の相互夾雑のリスク、実験中の微生物の偶発的導入、または拡大培養中にゲノム異常を獲得する細胞の使用も増加させる。CryoPauseは、PSC拡大の作業を分化実験から切り離す。CryoPauseは、PSCの同一プールからの反復分化を可能にし、したがって、PSC調製の変動性を完全になくす。PSCマーカーステータス、遺伝的完全性、無菌性、および細胞株認証などの、十分な一連の品質管理基準により、使用前に各バンクを検証することができる。ほとんどの研究所は、現在のところ、使用中に、または恐らく、連続的な継代を開始する前にも、「抜き取り検査」を行う。「ジャストインタイム」PSCワークフローの変数は、ほぼすべてのPSC応用の堅牢性および再現性をほぼ確実に低下させる。それは、PSC拡大速度の不確実性のため、分化をいつ開始することができるのかを分かりにくくするので、不便でもありうる。
CryoPauseの利点は、細胞治療薬の製造については、よりいっそう重大でありうる。典型的な細胞療法ワークフローでは、hPSCは、拡大され、GMP施設に貯蔵された後、細胞バンクを検証するための高価で多大な時間がかかる試験を受ける。このPSCバンクの治療に有用な細胞型への変換には、通常は、治療用細胞型への分化を開始させる前に、凍結保存状態からの回復および限定数の細胞継代が必要である。これは、PSCが最適以下の状態である細胞バンクの分化を開始させる可能性を生じさせ、したがって、再現性および製品収量を低下させる恐れがある。製造実行は、時間および金銭面でとてつもなく高価でありえ、患者の有害事象の原因となる恐れもありうるだろう。製造の再現性もまた、ヒトに使用するための細胞製品を評定する際に規制当局が検査する重要な特質の1つである。PSC拡大のタイミング、収量および品質を、細胞療法についての変数として、CryoPauseをそのような応用について検証することができる場合には、完全に排除することができる。臨床的に適合するSOPを使用してCryoPause処理WA09細胞を中脳ドーパミンニューロンに誘導することができることを、ここに示す。
一部の細胞置換療法におけるPSC派生物の使用についての1つの大きな複雑化要因は、細胞のHLAステータスを患者に適合させることである。自家iPSCは、患者適合細胞を生じさせ、免疫不適合を回避する、1つの戦略である。しかし、自家戦略に伴う実際的および潜在的安全性複雑化要因がかなりある。このことが、それらを臨床使用の前に注意深く品質管理することができ、その上、さらに、同種異系移植のために特定の患者にHLAを厳密に一致させることができるように、多数のPSC株を貯蔵するための、複数の大規模な取り組みを招いた。このシナリオでのCryoPause処理の使用は、多くの異なるPSCを臨床的に有用な細胞に変換するために使用される手順を単純化することができるだろう。
方法および材料
ヒト多能性幹細胞維持
WA09(H9)および960.1B iPSC株を、DMEM/F12(Thermo Fisher、#11330032)で1:50希釈したGeltrex(Thermo Fisher、#A1413202)上のEssential 8(商標)(E8、Thermo Fisher、#A1517001)培地で、最初に維持し、短時間(3分)の0.05%トリプシン-EDTA(Thermo Fisher、#25300054)処置、その後、剥離(コロニー構造を維持するために)、そして新たなE8培地での2回の洗浄を使用して、3~4日ごとにクラスターとして継代させた。細胞を、24時間、10μM Y-27632で再度播種した。30~55継代の間の細胞を使用し、異常な核型は見られなかった。
図5Dは、使用したロット(Applied StemCell,Inc)に依存して細胞10,500個/cm2の密度で播種してMEF上で維持したWA09細胞を使用した。PSCに、その週の間、毎日、hPSC培地[DMEM/F12、20%ノックアウト血清代替物(Thermo Fisher、#10828028)、3.5mM L-グルタミン(Thermo Fisher、#25030081)、0.1mM MEM
NEAA(Thermo Fisher、#11140050)、55μM 2-メルカプトエタノール(Thermo Fisher、#21985023)、および6ng/mLの塩基性rhFGF(R&D Systems、#233-FB)で構成されたもの]を供給した。金曜日には、月曜日の供給まで培養物を静的状態で維持できるようにするために、FGF2を徐放するStemBeads(StemCultures,Inc.、SB500)を補給した培地を細胞に供給することが多かった。hPSCのフィーダーベースの培養についての作業プロトコールは、http://stemcells.mskcc.orgで入手することができる。
CryoPause処理細胞の産生
CryoPause処理細胞バンクを生成するために、E8培地で成長させたPSCを37℃インキュベーターにおいて30分間、Accutase(Innovative Cell Technologies、#AT-104)で解離させた。細胞を2容量(細胞:Accutaseに対して)のE8で洗浄し、遠心分離して細胞をペレットにした(200×g、室温、5分間)。上清を吸引し、すすぎを繰り返した。最後に、細胞をFreSR-S(商標)(Stem Cell Technologies、#05859)に別段の指示がない限り細胞1000万個/mLで再浮遊させた。FreSR-S:細胞混合物を予冷したクライオチューブに添加し、その後、次のプログラムを使用して速度制御フリーザーで凍結させた:
ステップ1:4℃で待機;ステップ2:-4℃に1.2℃/分(サンプル);ステップ3:-40℃に25℃/分(チャンバー);ステップ4:-12℃に10℃/分(チャンバー);ステップ5:-40℃に1.0℃/分(チャンバー);ステップ6:-90℃に10℃/分(チャンバー);ステップ7:-90℃で待機。速度制御フリーザーが-90℃に達したら迅速にクライオチューブを液体窒素タンクに移した。
図5Bおよび5Cで使用した他の凍結保存用培地は、PSC Cryopreservation Kit(Thermo Fisher、#A2644601)、Stem-CellBanker GMP(AMSBIO、#11890)、およびE8培地中の10%DMSO(Sigma Aldrich、#2650)である。図5Cで使用した従来の凍結は、-80℃の細胞凍結容器内でバイアルを24時間保管した後、液体窒素タンクに移すことと定義する。
幹細胞マーカーのフローサイトメトリーおよび免疫蛍光分析
Human Pluripotent Stem Cell Sorting and
Analysis Kit(BD Biosciences、#560461)およびHuman Pluripotent Transcription Factor Analysis Kit(BD Biosciences、#560589)を製造業者のプロトコール通りに使用して、BD FACS Aria IIIで幹細胞マーカーを定量した。免疫蛍光染色のために、次の一次抗体を使用した:NANOG(1:200、BD Biosciences、#560482);OCT4(1:200、Santa Cruz Biotechnology、#sc-9081);SOX2(1:100、R&D Systems、#AF2018)。適切なAlexa Fluor結合二次抗体(Thermo Fisher)を1:400で使用した。
PluriTestアッセイ
PluriTestは、全ゲノムトランスクリプトームマイクロアレイデータ分析に基づく。簡単に言うと、以前に記載された手順(Mullerら、2011年;Williamsら、2011年;Mullerら、2012年)と同じ手順を利用した。Qiagen RNeasy単離キットを製造業者(Qiagen、Hilden、Germany)の説明書に従って使用して、培養条件(対照およびCryoPause、1サンプル当たり細胞1×10個)ごとに2回の生物学的反復実験からRNAを単離した。Illumina HT12v4マイクロアレイを製造業者の説明書に従ってハイブリダイズした(Mullerら、2011年;Williamsら、2011年;Mullerら、2012年)。得られた生データをR/Bioconductor lumi-package(Duら、2008年;Linら、2008年;Mullerら、2011年)で処理した。スキャナー技術の変化およびIlluminaによるハイブリダイゼーションプロトコールの改良のため、近年のPluriTestの結果に、より低い多能性およびより高い新規性スコアを示す傾向があることは、認知されている(Bernhard Schuldt、University Hospital Schleswig-Holstein、Kiel、Germany、私信)。この技術的偏りを考慮したとしても、両方(対照サンプルおよびCryoPauseサンプル)は、両方の生物学的反復実験で経験的多能性およびより高い新規性スコア閾値に合格する。
縮小表示バイサルファイトシークエンシング
シークエンシングライブラリー作製のために、1μgの高品質ゲノムDNAを、NEXTFlex Bisulfite-Seq Kit(Bioo、#5119-01)で、製造業者の説明書に従って使用した。非メチル化ラムダDNAを1%で加えて、バイサルファイト(bisulfate)転化レベルを評定した。12サイクルのPCRを行った。サンプルをHiseq 2500 Rapid mode Paired End 125にかけ、サンプルごとに平均1億4000万リードを生成した。
RRBS DNAメチル化分析
FASTQファイルをbcl2fastq(V2.17)により生成し、Illuminaのchastity filterに基づいてパスフィルターリードについてフィルタリングした。シークエンシングアダプターを、FLEXBAR(V2.4)(Dodtら、2012年)、参照ヒトゲノムhg19とのBismark(V0.14.4)(Kruegerら、2011年)およびBowtie2(V2.2.5)(Langmeadら、2012年)
を使用するゲノムアラインメント、によりトリミングし、塩基ごとのCpGメチル化指標をカスタムPERLスクリプト(Garrett-Bakelmannら、2015年)で計算した。
γH2AX定量的免疫蛍光検査
Geltrex被覆皿の上の10μM Y-27632を含むE8培地に単一PSCを細胞100,000個/cm2で播種した。24時間後、細胞をE8中0.5μMカンプトテシン(Sigma、#C9911)で1時間、37℃で処置した。次いで、細胞をホスホヒストンH2A.X(1:300、Millipore、#05-636)に対して染色し、適切なAlexa Fluor結合二次抗体を1:400で使用した。画像を獲得し、eHarmonyソフトウェアを使用してPerkin-Elmer Operettaで分析した。
神経誘導
Chambersら、2009年の派生物を使用した。神経誘導前に、Geltrex被覆皿の上の10μM Y-27632を含むE8培地(1:30)に単一PSCを細胞200,000個(新鮮対照)または400,000個/cm2(CryoPause)で播種した。24時間後、培地を除去し、100nM LDN189193および10μM SB431542(LSB)を含むEssential 6(商標)(E6)培地(Thermo Fisher、#A1516401)を添加した。細胞に3日間、E6培地+LSBを供給した後、3回の供給の間に段階的にN2培地(下記参照)に移行し、2日ごとに新たな培地と交換した。神経変換効率をOCT4(BD Biosciences、#560186)およびPAX6(BD Biosciences、#562249)についてのフロー分析により定量した。OCT4およびPAX6(1:200、BD Biosciences、#561462)対する抗体を使用して、培養物を染色もした。Kriksら、2011年の改良版を使用して、中脳ドーパミンニューロンを作製した。簡単に言うと、上記の通りGeltrex上で成長させたWA09細胞を、SHHおよびWNTシグナルでの二重SMAD阻害に付した後、最終的に回収した。回収後、Kriksら、2011年(準備中の原稿)の中で見つけられる同じ増殖因子および小分子を含有する中脳ドーパミン支持培地を添加した。チロシンヒドロキシラーゼ(1:1000、Thermo Fisher、#P21962)およびFOXA2(1:200、R&D Systems、#AF2400)に対する抗体を使用して、培養物を染色した。適切なAlexa Fluor結合二次抗体を1:400で使用した。
0日目:E6 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
1日目:E6 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
2日目:E6 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
4日目:3:1 E6対N2 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
6日目:1:1 E6対N2 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
8日目:1:3 E6対N2 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
10日目:N2 + 100nM LDN189193および10μM SB431542
N2培地は、1gの重炭酸ナトリウム(Sigma-Aldrich、#S5761)と、0.78gのグルコース(Sigma-Aldrich、#G7021)と、0.5mLの2-メルカプトエタノール(Thermo Fisher、#21985023)とを含む500mLのDMEM/F12を含有する。培地を滅菌濾過(22μm)した後、5mLのN2 Supplement B(Stem Cell Technologies、#07156)および0.02nMプロゲステロン(100%エタノールに溶解された1mMストックからの10μL、Sigma-Aldrich、#P8783)を添加した。
中内胚葉誘導
単一PSCを上記の通り播種した。24時間後、培地を除去し、5μM CHIR99021(Stemgent #04-0004-10)を含むE6培地を添加して、中内胚葉を生じさせた(Lamら、2014年)。5μM CHIR99021を含むE6を、最長4日間、24時間ごとに交換した。変換効率をOCT4(BD Biosciences、#560186)およびブラキウリ(R&D Systems、#IC2085A)についてのフロー分析により定量した。OCT4およびブラキウリに対する抗体(1:40、R&D Systems、#AF2085)を使用して培養物を染色し、適切なAlexa Fluor結合二次抗体を1:400で使用した。
定量的RT-PCR
RNase-Free DNaseセット(Qiagen、#79254)およびRNeasy Mini Kit(Qiagen、#74106)を使用して、RNAを細胞ペレットから単離した。RT2 First Strand Kit(Qiagen、#330404)およびEppendorf Mastercycler PCRマシンを使用して、RNAサンプルの逆転写およびcDNA合成を行った。RT2 SYBR Green Mastermix(Qiagen、#330503)を使用して、qPCR分析用のcDNAサンプルを調製した。次のQiagenプライマーを含有するカスタムRT2 Profiler PCR Arrayにサンプルをかけた:OTX2(PPH16151)、FOXA2(PPH00976)、CORIN(PPH58029)、SHH(PPH02405)、LMX1A(PPH22219)、LMX1B(PPH12240)、EN1(PPH00986)、NR4A2(PPH02082)、NEUROG2(PPH11564)、ASCL1(PPH07090)、TH(PPH02062)、CHRNB3(PPH01891)、DDC(PPH19374)、CCK(PPH22272)、DRD2(PPH01876)、PITX3(PPH12380)、SLC18A(PPH01437)、KCNJ6(PPH01415)、SLC17A6(PPH14888)、POU4F1(PPH14485)、NKX6-1(PPH17340)、SIM1(PPH11011)、NKX2-1(PPH00246)、FEV(PPH02033)、NKX2-2(PPH01574)、GBX2(PPH13900)、DBH(PPH02066)、ISL1(PPH02461)、FOXG1(PPH01973)、HOXB2(PPH05804)、DLX2(PPH01943)、GATA3(PPH02143)、PHOX2A(PPH15630)、PHOX2B(PPH10361)、PAX6(PPH02598)、FABP7(PPH02438)、MAP2(PPH02419)、POU5F1(PPH02394)、PRR16(PPH13057)、KRT19(PPH01004)、MKI67(PPH01024)、TOP2A(PPH01520)、GFAP(PPH02408)、ACTB(PPH00073)、TBP(PPH01091)、HGDC(PPH65835)、RTC(PPX63340)およびPPC(PPX63339)。Bio-Rad c1000 Touch Thermal Cycler CFX96 Real-time System(Bio-Rad、#1855195)を使用して、分析を行った。
奇形腫
NSGマウス(Jackson Laboratories)をin vivo研究に使用し、MSKCC Institutional Animal Care and Use CommitteeおよびResearch Animal Resource
Centerにより承認されたガイドラインに従ってケアした。8週齢雌マウスの側腹部に、300万個のH9細胞を、1:2でHEPES緩衝HBSSに混合したMatrigel(商標)(BD Biosciences)とともに皮下注射した。マウスを罹患/死亡の兆候について毎日観察し、体重を少なくとも週に2回評定した。ノギスを使用して週に2回、腫瘍を測定し、長さ×幅2×0.52という式を使用して体積を計算した。研究の最後に、腫瘍を10%ホルマリンで固定し、処理し、パラフィンに包埋し、切片を作製し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した。顕微鏡スライドを病理医が再調査した。
セルファクトリーの使用
CryoPause処理の前に、Nunc(商標)Cell Factory(商標)System、4トレイ層(Thermo Fisher、#140004)を使用して、大型バンクを拡大させた。継代後の最初の2日間、細胞に500mLのE8培地を供給し、3日目に600mLを供給した。単一細胞浮遊液を生成するために、140mLのAccutaseを30分間、37℃で添加し、次いで、トレイを100mLの培地で洗浄した。
ヌクレオフェクション/iCRISPR
CryoPause処理細胞にヌクレオフェクトするために、Amaxa(商標)Cell Line Nucleofector(商標)Kit V(Lonza、#VCA-1003)を使用した。WA09 CryoPause処理細胞を解凍し、洗浄した。100μLのSolution Vを22.2μLのSupplement 1と混合し、500万個のCryoPause処理細胞を100μLのこの混合物に添加した。10μlのGFP対照プラスミドを反応物に添加した後、プログラムB-016(Lonza
Nucleofector(商標)2bデバイス)を用いてヌクレオフェクトした。ヌクレオフェクト細胞を、上記の通りGeltrex上の10μM Y-27632を含むE8に添加した。生細胞を図3Aおよび4Bのために撮像し、Accutaseでの培養物の処置、洗浄、および0.1%BSAを含むPBSへの再浮遊の後、BD FACS Aria IIIで蛍光を測定することにより、蛍光を発する細胞の数を判定した。フローデータをFlowJoで分析し、免疫蛍光画像をAdobe Photoshopで補正した。
CryoPause処理iCRISPR遺伝子改変を行うために、WA01(H1)iCRISPR細胞を上記の通り拡大させた後、24時間のDox処置を行って、Cas9を誘導した(Gonzalezら、2014年)。Cas9誘導細胞を回収し、上記の通り洗浄し、その後、CryoPause処理した。CryoPause処理細胞を解凍し、洗浄した後、GeneArt(Thermo Fisher)から購入した200ngのHPRTガイドRNAを用いてヌクレオフェクションを行った。ガイド配列は、CATTTCTCAGTCCTAAACAである。
センダイ形質導入
CryoPause処理WA09細胞を解凍し、洗浄し、10μM Y-27632を補給したE8培地に再浮遊させ、EmGFPを発現するセンダイウイルスベクター(CytoTune(商標)EmGFP、ThermoFisher Scientific、#A16519)を感染多重度5で添加した。形質導入CP細胞をE8に再度播種して拡大させた。形質導入細胞を少なくとも15継代にわたって拡大させることができた。
参考文献
Barker RA, Studer L, Cattaneo E, Takahashi J & G-Force PD consortium. G-Force PD: a global initiative in coordinating stem cell-based dopamine treatments for Parkinson’s disease. NPJ Parkinsons Dis. 2015; 1.
pii 15017. Chambers SM, Fasano CA, Papapetrou EP, Tomishima M, Sadelain M, Studer L. Highly efficient neural conversion of human ES and iPS cells
by dual inhibition of SMAD signaling. Nat Biotechnol. 2009 Mar;27(3):275-80.
Chen G, Gulbranson DR, Hou Z, Bolin JM, Ruotti V, Probasco MD, Smuga-Otto K, Howden SE, Diol NR, Propson NE, Wagner R, Lee GO, Antosiewicz-Bourget J, Teng JM, Thomson JA. Chemically defined conditions for human iPSC derivation and culture. Nat Methods. 2011 May;8(5):424-9.
Dodt M, Roehr JT, Ahmed R, Dieterich C. FLEXBAR-Flexible Barcode and
Adapter Processing for Next-Generation Sequencing Platforms. Biology (Basel). 2012;1(3):895-905.
Du P, Kibbe WA, Lin SM. lumi: a pipeline for processing Illumina microarray. Bioinformatics. 2008 Jul 1; 24(13):1547-8.
Garrett-Bakelman FE, Sheridan CK, Kacmarczyk TJ, Ishii J, Betel D, Alonso A, et al. Enhanced reduced representation bisulfite sequencing for assessment of DNA methylation at base pair resolution. J Vis Exp. 2015;(96):e52246.
Gonzalez F, Zhu Z, Shi ZD, Lelli K, Verma N, Li QV, Huangfu D.
An iCRISPR platform for rapid, multiplexable, and inducible genome editing in human pluripotent stem cells. Cell Stem Cell. 2014 Aug 7;15(2):215-26.
Kacmarczyk TJ, Fall MP, Zhang X, Xin Y, Li Y, Alonso A, Betel D.
“Same Difference”: Comprehensive evaluation of three DNA methylation
measurement platforms. bioRxiv 077941 (2016).
Kriks S, Shim JW, Piao J, Ganat YM, Wakeman DR, Xie Z, Carrillo-Reid L, Auyeung G, Antonacci C, Buch A, Yang L, Beal MF, Surmeier DJ,
Kordower JH, Tabar V, Studer L. Dopamine neurons derived from human ES cells efficiently engraft in animal models of Parkinson's disease. Nature. 2011 Nov 6;480(7378):547-51.
Krueger F, Andrews SR. Bismark: a flexible aligner and methylation caller for Bisulfite-Seq applications. Bioinformatics . 2011;27(11):1571-2.
Lam AQ, Freedman BS, Morizane R, Lerou PH, Valerius MT, Bonventre JV. Rapid and Efficient Differentiation of Human Pluripotent Stem Cells into Intermediate Mesoderm That Forms Tubules Expressing Kidney Proximal Tubular Markers. J Am Soc Nephrol. 2014 Jun;25(6):1211-25.
Langmead B, Salzberg S. Fast gapped-read alignment with Bowtie 2. Nature Methods. 2012, 9:357-359.
Lin SM, Du P, Huber W, Kibbe WA. Model-based variance-stabilizing transformation for Illumina microarray data. Nucleic Acids Res. 2008
Feb;36(2):e11-1.
Liu W and Chen G. Cryopreservation of human pluripotent stem cells
in defined medium. Curr Protoc Stem Cell Biol. 2014 Nov 3;31:1C.17.1-1C.17.13.
Mueller F-J, Braendl B, Loring JF. Assessment of human pluripotent
stem cells with PluriTest. StemBook. Cambridge (MA): Harvard Stem
Cell Institute; 2012.
Mueller F-J, Schuldt BM, Williams R, Mason D, Altun G, Papapetrou EP, et al. A bioinformatic assay for pluripotency in human cells. Nat Methods. 2011 Mar 6;8:315-7. Redon C, Pilch D, Rogakou E, Sedelnikova O, Newrock K, Bonner W. Histone H2A variants H2AX and H2AZ. CurrOpin Genet Dev 2002; 12: 162-169.
Watanabe K, Ueno M, Kamiya D, Nishiyama A, Matsumura M, Wataya T, Takahashi JB, Nishikawa S, Nishikawa S, Muguruma K, Sasai Y. A ROCK
inhibitor permits survival of dissociated human embryonic stem cells.
Nature Biotechnology. 2007 Jun;25(6):681-6.
Williams R, Schuldt B, Mueller F-J. A guide to stem cell identification: Progress and challenges in system-wide predictive testing with complex biomarkers. Bioessays. 2011 Sep 8.
(実施例2)
解離され凍結保存された多能性幹細胞は、非凍結保存細胞より高レベルで外来性核酸を発現する。
WA09ヒト胚性幹細胞を凍結保存し、解凍し、解凍後直ちにそれらの細胞に、実施例1により説明したように3.4kb GFPプラスミドをヌクレオフェクトした。凍結保存しなかった新鮮非凍結対照WA09細胞に同様にヌクレオフェクトし、ヌクレオフェクションの24時間後にフローサイトメトリーを使用してGFP発現を分析した。非トランスフェクトWA09細胞も陰性対照として使用した。図8Aにより示される通り、CryoPause処理細胞は、異なる小分子DNA取込みパターンを示した:全体としては、小プラスミドからGFPを発現した細胞は若干少なかったが、より明るく発現した。これは、CryoPauseによって大量のDNAを取り込む細胞の能力がより高くなることを示唆する。細胞の全プール内のより小さい構築物に関するより低いパーセンテージが、DNA力価測定の結果でありうる:すなわち、大量のプラスミドを取り込む細胞は、より少ないDNAを通常は取り込むであろう集団内の細胞のためのものをほとんど残さない。
WA09 CryoPause処理および新鮮非凍結細胞に、mCherryを発現する、より大きい9.3kb CRISPR/Cas9プラスミドもヌクレオフェクトした。細胞に2.5μg、5μg、7.5μg、10μgまたは12.5μgのプラスミドをヌクレオフェクトした。CryoPauseおよび新鮮非凍結条件下で2.5μgのプラスミドを用いて、第2のヌクレオフェクション溶液であるHSC2も試験した。図8Bおよび8Cにより示される通り、HSC緩衝液CryoPause処理WA09細胞は、すべての濃度で、新鮮非凍結細胞と比較して高い発現レベルを示した。
本発明で開示される主題およびその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される通りの本発明の趣旨および精神から逸脱することなく、ここに様々な変化、置換および変更を加えることができることは、理解されるはずである。さらに、本願の範囲は、本明細書に記載するプロセス、機械、製造(物)、物の組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることを意図したものではない。本発明で開示される主題の開示から当業者には容易に理解されるであろうが、本明細書に記載する対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすまたは実質的に同じ結果を達成する、現在存在するまたは後に開発されるプロセス、機械、製造(物)、物の組成物、手段、方法またはステップを、本発明で開示される主題に従って用いることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、それらの範囲内にそのようなプロセス、機械、製造(物)、物の組成物、手段、方法またはステップを含むことを意図したものである。
特許、特許出願、公表文献、製品説明およびプロトコールを本願の至る所に引用しており、それらの開示は、それら全体が参照によりあらゆる目的で本明細書に組み入れられる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
解離された細胞の凍結集団と凍結保存用培地とを含む組成物であって、前記凍結集団内の細胞の濃度が、少なくとも細胞約100万個/mlである、組成物。
(項目2)
異種核酸がトランスフェクトされた細胞を含む組成物であって、解離された細胞の凍結集団および凍結保存用培地を解凍することにより得られる細胞にトランスフェクトすることにより調製され、前記凍結集団内の細胞の濃度が、少なくとも細胞約100万個/mlである、組成物。
(項目3)
前記凍結集団内の細胞の濃度が、少なくとも細胞約500万個/mlである、項目1または2に記載の組成物。
(項目4)
前記凍結集団内の細胞の濃度が、少なくとも細胞約3000万個/mlである、項目1~3のいずれか一項に記載の組成物。
(項目5)
前記凍結集団内の細胞の濃度が、少なくとも細胞約5000万個/mlである、項目1~4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目6)
前記細胞が、哺乳動物細胞である、項目1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
前記哺乳動物細胞が、多能性幹細胞(PSC)である、項目6に記載の組成物。
(項目8)
前記多能性幹細胞が、誘導多能性幹細胞(iPSC)または胚性幹細胞(ESC)である、項目7に記載の組成物。
(項目9)
凍結細胞を含む組成物を調製する方法であって、
培養培地で培養された細胞の集団を解離させるステップ、
解離された細胞を凍結保存用培地に浮遊させるステップであって、細胞浮遊液を形成するステップ、および
前記細胞浮遊液を凍結させるステップであって凍結細胞の組成物を形成するステップを含み、
凍結細胞の前記組成物が、少なくとも細胞約100万個/mlの濃度を有する、方法。
(項目10)
トランスフェクト細胞を調製する方法であって、
(i)凍結細胞を含む組成物を、
培養培地で培養された細胞の集団を解離させるステップと、
解離された細胞を凍結保存用培地に浮遊させるステップであって、細胞浮遊液を形成するステップと、
前記細胞浮遊液を凍結させるステップであって、凍結細胞の組成物を形成するステップと
を含む方法であって、凍結細胞の前記組成物が、少なくとも細胞約100万個/mlの濃度を有する、方法により、調製するステップ;および
(ii)組成物(i)からの細胞に異種核酸をトランスフェクトするステップ
を含む方法。
(項目11)
前記細胞の集団を解離させるステップが、細胞の前記集団を有効量の細胞解離溶液に曝露することをさらに含む、項目9または10に記載の方法。
(項目12)
前記細胞解離溶液が、酵素不含細胞解離溶液および酵素含有溶液からなる群から選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
酵素含有細胞解離溶液が、1つまたは複数の酵素を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記酵素が、コラゲナーゼ、プロテアーゼ、トリプシン、パパイン、ヒアルロニダーゼ、およびDNaseからなる群から選択される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記酵素不含細胞解離溶液が、1つまたは複数のキレート剤を含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記キレート剤がEDTAである、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記培養培地が、フィーダーフリー培地である、項目9~16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記組成物中の前記凍結細胞の濃度が、少なくとも細胞約500万個/mlである、項目9~17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記組成物中の前記凍結細胞の濃度が、少なくとも細胞約3000万個/mlである、項目9~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記細胞が、哺乳動物細胞である、項目9~19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記哺乳動物細胞が、PSCまたはESCである、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記PSCがiPSCである、項目21に記載の方法。
(項目23)
細胞を培養するin vitroでの方法であって、
解離された細胞の集団と凍結保存用培地とを含む凍結細胞の組成物を解凍するステップ、および
前記細胞を下流の処置に付すステップ
を含み、前記細胞が、前記下流の処置の前に、指数関数的に拡大されない、方法。
(項目24)
前記凍結細胞の組成物が、少なくとも細胞約100万個/mlの濃度を有する、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記凍結細胞の組成物が、少なくとも細胞約500万個/mlの濃度を有する、項目23または24に記載の方法。
(項目26)
前記凍結細胞の組成物が、少なくとも細胞約3000万個/mlの濃度を有する、項目23~25のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記細胞が、哺乳動物細胞である、項目23~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記哺乳動物細胞が、PSCまたはESCである、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記PSCがiPSCである、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記下流の処置が、前記細胞を分化させるin vitroでの方法を含む、項目23~29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記細胞が、多数のドーパミン産生前駆細胞に分化する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記ドーパミン産生前駆細胞が、検出可能なレベルのフォークヘッドボックスタンパク質A2(FOXA2)、LIMホメオボックス転写因子1アルファ(LMX1A)、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)またはこれらの組合せを発現する、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記iPSCが、神経変性疾患と診断された対象に由来する、項目29~32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記神経変性疾患が、パーキンソン病である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記解離された細胞の集団が、外来性核酸を発現し、その発現レベルが、凍結されたことのない細胞の集団による前記外来性核酸の発現レベルより高い、項目1~8のいずれか一項に記載の組成物。
(項目36)
前記解離された細胞の集団の発現レベルが、前記凍結されたことのない細胞の集団の発現レベルより少なくとも約2倍高い、項目35に記載の組成物。
(項目37)
前記解離された細胞の集団の発現レベルが、前記凍結されたことのない細胞の集団の発現レベルより少なくとも約5%高い、項目35または36に記載の組成物。
(項目38)
凍結される細胞の集団に核酸を導入するステップをさらに含む、項目9~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記核酸が、トランスフェクションまたはヌクレオフェクションにより導入される、項目38に記載の方法。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載の発明。
JP2022147054A 2017-04-26 2022-09-15 すぐに使える凍結保存細胞 Pending JP2022177161A (ja)

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762490432P 2017-04-26 2017-04-26
US62/490,432 2017-04-26
US201762518891P 2017-06-13 2017-06-13
US201762519006P 2017-06-13 2017-06-13
US62/518,891 2017-06-13
US62/519,006 2017-06-13
PCT/US2018/029529 WO2018200784A1 (en) 2017-04-26 2018-04-26 Ready-to-use cryopreserved cells
JP2019557763A JP2020517281A (ja) 2017-04-26 2018-04-26 すぐに使える凍結保存細胞

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019557763A Division JP2020517281A (ja) 2017-04-26 2018-04-26 すぐに使える凍結保存細胞

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022177161A true JP2022177161A (ja) 2022-11-30

Family

ID=63919999

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019557763A Pending JP2020517281A (ja) 2017-04-26 2018-04-26 すぐに使える凍結保存細胞
JP2022147054A Pending JP2022177161A (ja) 2017-04-26 2022-09-15 すぐに使える凍結保存細胞

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019557763A Pending JP2020517281A (ja) 2017-04-26 2018-04-26 すぐに使える凍結保存細胞

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20200056149A1 (ja)
EP (1) EP3614837A4 (ja)
JP (2) JP2020517281A (ja)
KR (1) KR20190141218A (ja)
CN (1) CN110868853A (ja)
AU (1) AU2018258495A1 (ja)
CA (1) CA3061165A1 (ja)
WO (1) WO2018200784A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022266346A1 (en) * 2021-06-17 2022-12-22 Q-State Biosciences, Inc. Methods for producing neural cells
CN114214330A (zh) * 2021-12-20 2022-03-22 杭州百凌生物科技有限公司 一种检测脊索瘤的质控品及其制备方法和应用
WO2023229819A1 (en) * 2022-05-24 2023-11-30 Bluerock Therapeutics Lp Methods of making oligodendrocyte progenitor cells

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050106554A1 (en) * 2003-11-19 2005-05-19 Palecek Sean P. Cryopreservation of pluripotent stem cells
CN1978655A (zh) * 2005-12-09 2007-06-13 中国人民解放军军事医学科学院野战输血研究所 一种定向诱导nsc分化为多巴胺能神经细胞的方法及应用
CN101250502A (zh) * 2008-04-01 2008-08-27 中国科学院上海生命科学研究院 一种诱导的多潜能干细胞的制备方法
JP6718431B2 (ja) * 2014-03-21 2020-07-08 フジフィルム セルラー ダイナミクス,インコーポレイテッド 中脳ドーパミン作動性ニューロンの生産およびその使用方法
JP6469371B2 (ja) * 2014-06-27 2019-02-13 国立大学法人千葉大学 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から成る胚様体に複数の外来遺伝子を発現させる方法
CN107106670A (zh) * 2014-10-31 2017-08-29 宾夕法尼亚大学董事会 用于修饰的t细胞的方法和组合物
LT3303564T (lt) * 2015-06-01 2022-05-10 Memorial Sloan Kettering Cancer Center Vidurinių smegenų dopamininių (mda) neuronų diferenciacijos in vitro būdai
CN104988115A (zh) * 2015-07-14 2015-10-21 中国科学院过程工程研究所 喹啉或异喹啉类小分子化合物在人多能干细胞培养及冷冻保存中的应用
WO2017010544A1 (ja) * 2015-07-15 2017-01-19 テルモ株式会社 多能性幹細胞または脂肪組織もしくは骨髄由来の間葉系幹細胞由来の心筋細胞の凍結保存方法

Also Published As

Publication number Publication date
CA3061165A1 (en) 2018-11-01
WO2018200784A1 (en) 2018-11-01
EP3614837A4 (en) 2020-12-30
JP2020517281A (ja) 2020-06-18
KR20190141218A (ko) 2019-12-23
CN110868853A (zh) 2020-03-06
US20200056149A1 (en) 2020-02-20
AU2018258495A1 (en) 2019-11-14
EP3614837A1 (en) 2020-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022177161A (ja) すぐに使える凍結保存細胞
JP6979946B2 (ja) ヒト内耳感覚上皮および感覚ニューロンを生成する方法
US20220073884A1 (en) Systems and methods for producing stem cells and differentiated cells
JP2015502747A (ja) 人工多能性幹細胞または分化細胞を作製するための自動化されたシステム
Wong et al. CryoPause: a new method to immediately initiate experiments after cryopreservation of pluripotent stem cells
US20140342369A1 (en) Haploid cells
US20160222355A1 (en) Systems and methods for producing stem cells differentiated cells, and genetically edited cells
Mirakhori et al. Induction of neural progenitor-like cells from human fibroblasts via a genetic material-free approach
JP2021520215A (ja) リプログラミングベクター
Cao et al. Live birth of chimeric monkey with high contribution from embryonic stem cells
Cuesta-Gomez et al. Suspension culture improves iPSC expansion and pluripotency phenotype
Dell'Amico et al. Genome editing in stem cells for genetic neurodisorders
Taelman et al. WNT inhibition and increased FGF signaling promotes derivation of less heterogeneous primed human embryonic stem cells, compatible with differentiation
Medina-Cano et al. Rapid and robust directed differentiation of mouse epiblast stem cells into definitive endoderm and forebrain organoids
EP3013941B1 (en) Improved systems and methods for producing stem cells and differentiated cells
Qiao et al. SEPHS1 is dispensable for pluripotency maintenance but indispensable for cardiac differentiation in mouse embryonic stem cells
WO2023169076A1 (en) Induced totipotent potential stem cells, methods of making and using
WO2023242398A1 (en) Process for obtaining functional lymphocytes cells
US20240026262A1 (en) Methods and devices for ex-utero mouse embryonic development
US20220162550A1 (en) Induced stem cells
Rajamani et al. Human-Induced Pluripotent Stem Cells: Banking and Characterization
Lee et al. The Rho-associated kinase inhibitor fasudil can replace Y-27632 for use in human pluripotent stem cell research
Wong et al. Elisa De Stanchina, 2 Franz-Josef Müller, 3 Thadeous J. Kacmarczyk, 4 Chao Zhang, 4 Doron Betel, 4 and Mark J. Tomishima
Phillips Analysis of TBP-Associated Factor (Taf5, 12, And 13) Early Lethal Phenotypes in the Mouse
Wang et al. Identification of Potential Molecular Determinants of Murine Embryonic Stem Cell Differentiation by a Transposon-Based Approach

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230814

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240305