JP2022176963A - 眼科組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面活性成分を含有しながら、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に対する濡れが抑制された眼科組成物を提供すること。【解決手段】(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を含有する眼科組成物であって、該眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容してなる眼科組成物。【選択図】なし

Description

本発明は眼科組成物に関する。
界面活性成分は、眼科組成物に配合されることがある(例えば、特許文献1)。
一方、眼科用医薬製剤を収容する容器として、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、及びポリエチレンテレフタレート製等の容器が汎用されている(例えば、特許文献2)。
特開2011-184463号公報 特開2009-196988号公報
本発明者は、眼科組成物に界面活性成分を含有させると、汎用される樹脂と比較して、環状オレフィン類を含有する樹脂に対しては動的接触角が小さく、濡れやすいという新規の課題を見出した。これら環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に対して濡れやすいと、液残りが生じたり、液切れが悪くなったりすることから、眼科組成物の品質の低下、及び使用性能の低下が惹起されるおそれがある。
本発明は、界面活性成分を含有しながら、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に対する濡れが抑制された眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、(A)界面活性成分に加えて、(B)緩衝剤を含有する眼科組成物が、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に対しても、動的接触角が大きくなる(すなわち、濡れが抑制される)ことを見出した。
また、本発明者は、1種の(A)成分、及び(B)成分を含有する眼科組成物が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容された場合、保存中に、臭気が悪化するという新規な課題を見出し、これに対して、当該1種の(A)成分とは異なる1種以上の(A)成分を更に含有する眼科組成物が、意外にも臭気を改善する等、においの変化を抑制することを見出した。
本発明は、この知見に基づくものであり、以下の各発明を提供するものである。
[1]
(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を含有する眼科組成物であって、該眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容してなる眼科組成物。
[2]
容器を形成する樹脂がポリエチレンを更に含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
(A)界面活性成分を2種以上含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[4]
眼科組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.00001~10w/v%である、[1]~[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
[5]
(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.001~8000質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
[6]
眼科組成物のpHが、4.0~9.5である、[1]~[5]のいずれかに記載の眼科組成物。
[7]
眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満である、[1]~[6]のいずれかに記載の眼科組成物。
[8]
環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器の波長400~700nmの可視光領域における光透過率の最大値が、50%以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の眼科組成物。
[9]
1滴あたりの滴下量が1~99μLである、[1]~[8]のいずれかに記載の眼科組成物。
[10]
使用回数が少数回又は単回である、[1]~[9]のいずれかに記載の眼科組成物。
[11]
眼科組成物に、(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れ抑制作用を付与する方法。
[12]
環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる眼科組成物に、2種以上の(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物ににおいの変化抑制作用を付与する方法。
本発明の眼科組成物は、(A)界面活性成分と(B)緩衝剤を組み合わせて含有するため、(A)成分を単独で含有する眼科組成物と比較して、環状オレフィン類を含有する樹脂に対する動的接触角が大きくなる(濡れが抑制される)という効果を奏する。これにより、眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容した場合でも、液残りが抑制され、液切れが向上するという効果を奏する。またこれにより、眼科組成物の品質の低下、及び使用性能の低下を抑制することができる。
本発明の眼科組成物は、1種の(A)成分、及び(B)成分を含有する眼科組成物が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容された場合であっても、当該1種の(A)成分とは異なる1種以上の(A)成分を更に含有すると、臭気を改善する等、においの変化を抑制する効果を奏する。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、特に記載のない限り、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。本明細書において、特に記載のない限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味し、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
〔1.眼科組成物〕
本実施形態に係る眼科組成物は、(A)界面活性成分(単に「(A)成分」とも表記する。)、及び(B)緩衝剤(単に「(B)成分」とも表記する。)を含有する。
<(A)成分>
界面活性成分は、非イオン界面活性剤、及び多価アルコールを含み、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
非イオン界面活性剤の具体例としては、例えば、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE(5)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油5)、POE(10)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10)、POE(20)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油20)、POE(30)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30)、POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)、POE(80)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80)、POE(100)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油100)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(3)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油3)、POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)、POE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)、POE(70)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油70)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(20)POP(20)グリコール(プルロニックL44)、POE(42)POP(67)グリコール(ポロクサマー403、プルロニックP123)、POE(54)POP(39)グリコール(ポロクサマー235、プルロニックP85)、POE(120)POP(40)グリコール(プルロニックF87)、POE(160)POP(30)グリコール(ポロクサマー188、プルロニックF68)、POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のPOE・POPグリコール;ステアリン酸ポリオキシル10、ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
非イオン界面活性剤としては、POEソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、POE・POPグリコール及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60がより好ましい。
非イオン界面活性剤は、市販のものを用いることもできる。非イオン界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多価アルコールは、分子内に水酸基を2個以上有するアルコール、及びその塩である。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びポリエチレングリコール(300、400、4000、6000)等の脂肪族多価アルコール(分子内に水酸基を2個以上有する脂肪族アルコール)、グルコース、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、及びトレハロース等の糖アルコール、並びにこれらの塩が挙げられる。
多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコール及び糖アルコールが好ましく、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(特に400、4000)、ソルビトール及びマンニトールがより好ましい。
多価アルコールは、市販のものを用いることもできる。多価アルコールは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性成分は、非イオン界面活性剤又は多価アルコールを単独で使用してもよく、又は組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物が2種以上の界面活性成分を含有する場合、該界面活性成分の組み合わせとしては特に制限はなく、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、POE・POPグリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、脂肪族多価アルコール及び糖アルコールからなる群より選択される2種以上の界面活性成分が挙げられ、好ましくは、POEソルビタン脂肪酸エステル類とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、POEソルビタン脂肪酸エステル類とポリオキシエチレンヒマシ油、POEソルビタン脂肪酸エステル類とPOE・POPグリコール、POEソルビタン脂肪酸エステル類とモノステアリン酸ポリエチレングリコール、POEソルビタン脂肪酸エステル類と脂肪族多価アルコール、POEソルビタン脂肪酸エステル類と糖アルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とPOE・POPグリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とモノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と脂肪族多価アルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と糖アルコール、POE・POPグリコールとモノステアリン酸ポリエチレングリコール、POE・POPグリコールと脂肪族多価アルコール、POE・POPグリコールと糖アルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールとポリオキシエチレンヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールと脂肪族多価アルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールと糖アルコール、POEソルビタン脂肪酸エステル類とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とPOE・POPグリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールとPOE・POPグリコールと脂肪族多価アルコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールと脂肪族多価アルコールとポリオキシエチレンヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールとPOE・POPグリコールとポリオキシエチレンヒマシ油の組み合わせである。
本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.00001~10w/v%であることが好ましく、0.0001~9w/v%であることがより好ましく、0.001~7w/v%であることが更に好ましく、0.001~5w/v%であることが更により好ましく、0.01~4w/v%であることが特に好ましく、0.01~3w/v%であることがより特に好ましく、0.01~2w/v%であることが更に特に好ましく、0.01~1.5w/v%であることがとりわけ好ましく、0.01~0.8w/v%であることがよりとりわけ好ましく、0.01~0.6w/v%であることが更にとりわけ好ましく、0.01~0.5w/v%であることが最も好ましい。
<(B)成分>
緩衝剤としては、無機緩衝剤及び有機緩衝剤を含み、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
無機緩衝剤は、無機酸由来の緩衝剤である。無機緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。
ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸又はその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸又はその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸又はその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等)などが例示できる。
有機緩衝剤は、有機酸又は有機塩基由来の緩衝剤である。有機緩衝剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、イプシロンアミノカプロン酸緩衝剤、AMPD緩衝剤等が挙げられる。
クエン酸緩衝剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。酢酸緩衝剤としては、酢酸又はその塩(酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、クエン酸緩衝剤又は酢酸緩衝剤として、クエン酸塩又は酢酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等)などが例示できる。トリス緩衝剤としては、例えば、トロメタモール又はその塩(トロメタモール塩酸塩等)が挙げられる。イプシロンアミノカプロン酸緩衝剤としては、例えば、イプシロンアミノカプロン酸又はその塩が挙げられる。AMPD緩衝剤としては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール又はその塩が挙げられる。
これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組合せ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組合せ等)、イプシロンアミノカプロン酸緩衝剤(例えば、イプシロンアミノカプロン酸)が好ましい。
緩衝剤は、市販のものを用いることもできる。緩衝剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(B)成分の含有量は特に限定されず、(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、(B)成分の総含有量が、0.0001~9w/v%であることが好ましく、0.001~9w/v%であることがより好ましく、0.005~8w/v%であることが更に好ましく、0.01~8w/v%であることが更により好ましく、0.01~6w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(B)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B)成分の含有比率としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.001~8000質量部であることが好ましく、0.01~4000質量部であることがより好ましく、0.05~1000質量部であることが更に好ましく、0.05~700質量部であることが更により好ましく、0.1~400質量部であることが特に好ましく、0.1~300質量部であることがより特に好ましく、0.1~200質量部であることが更に特に好ましく、0.1~150質量部であることがとりわけ好ましく、0.1~100質量部であることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、更にビタミン、抗酸化剤、油分、防腐剤、多糖類、ビニル化合物、アミノ酸類、及びテルペノイドからなる群より選択される1種以上の成分を含有してもよい。これらの成分は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
ビタミンは、公知のビタミンから適宜選択して用いることができる。ビタミンの具体例としては、例えば、ビタミンE類(d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール等)、ビタミンA類(レチナール、レチノール、レチノイン酸、カロチン、デヒドロレチナール、リコピン等)及びこれらの誘導体、及びこれらの塩等の脂溶性ビタミン、並びにビタミンB1、ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチド)、ナイアシン(ニコチン酸及びニコチン酸アミド)、パントテン酸、パンテノール、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール及びピリドキサミン)、ビオチン、葉酸及びビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン及びアデノシルコバラミン)及びこれらの塩等の水溶性ビタミンが挙げられる。ビタミンの塩の具体例としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウム等が挙げられる。ビタミンの誘導体の具体例としては、例えば、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール及びパルミチン酸レチノールが挙げられる。
ビタミンとしては、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、パンテノール、ピリドキシン、レチノール、トコフェロール及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が好ましく、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、パンテノール、塩酸ピリドキシン、パルミチン酸レチノール及び酢酸トコフェロールがより好ましい。
ビタミンは、市販のものを用いることもできる。ビタミンは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
抗酸化剤は、酸素が関与する有害な反応を抑制する化合物、及びその塩である。抗酸化剤は、公知の抗酸化剤を適宜選択して用いることができる。
抗酸化剤の具体例としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸及びこれらの塩が挙げられる。
抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、及びこれらの塩が好ましく、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンがより好ましい。
抗酸化剤は、市販のものを用いることもできる。抗酸化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
油分は、植物由来の植物油、動物由来の動物油、及び天然又は合成の鉱物油を含む。油分は、公知の油分を適宜選択して用いることができる。
油分の具体例としては、例えば、大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、アーモンド油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、ヤシ油、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油、ミツロウ、ラノリン(精製ラノリン等)、オレンジラフィー油、スクワラン及び馬油等の動物油、並びにワセリン(白色ワセリン及び黄色ワセリン等)及び流動パラフィン等の鉱物油が挙げられる。
油分としては、ゴマ油、ヒマシ油、ミツロウ、ラノリン、ワセリン及び流動パラフィンが好ましい。
油分は、市販のものを用いることもできる。油分は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
防腐剤は、殺菌作用又は静菌作用を有する化合物、及びその塩である。防腐剤は、公知の防腐剤又は抗菌剤から適宜選択して用いることができる。
防腐剤の具体例としては、例えば、第四級アンモニウム化合物(ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、アレキシジン、ポリヘキサニド)、アルキルポリアミノエチルグリシン、安息香酸、クロロブタノール、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、パラベン(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びパラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル)、オキシキノリン、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、ポリクオータニウム類、グローキル(ローディア社製、商品名)、亜鉛、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びスルファメトキサゾール、並びにこれらの塩が挙げられる。
防腐剤の塩の具体例としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、硫酸オキシキノリン、塩酸ポリヘキサニド、塩化ポリドロニウム、塩化亜鉛、スルフイソミジンナトリウム及びスルファメトキサゾールナトリウムが挙げられる。
防腐剤としては、第四級アンモニウム化合物、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ソルビン酸、パラベン、フェニルエチルアルコール及び亜鉛が好ましく、塩化ベンザルコニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド、グルコン酸クロルヘキシジン、ソルビン酸カリウム、アレキシジン、塩酸ポリヘキサニド、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、パラベン、フェニルエチルアルコール及び塩化亜鉛がより好ましい。
防腐剤は、市販のものを用いることもできる。防腐剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
多糖類は、デキストラン、酸性多糖類、セルロース系高分子化合物及びこれらの塩を含む。多糖類は、公知の多糖類から適宜選択して用いることができる。
デキストランの具体例としては、例えば、デキストラン40及びデキストラン70が挙げられる。
酸性多糖類は、酸性基を有する多糖類である。酸性多糖類の具体例としては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン、ヘパリン、ヘパラン、アルギン酸、及びこれらの誘導体(例えば、アセチル化体)等の酸性ムコ多糖類、キサンタンガム並びにジェランガムが挙げられる。
セルロース系高分子化合物としては、セルロース、及びセルロースのヒドロキシル基が他の官能基で置換された高分子化合物を用いることができる。セルロースのヒドロキシル基を置換する官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシメトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、カルボキシメトキシ基及びカルボキシエトキシ基が挙げられる。セルロース系高分子化合物の具体例としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースが挙げられる。
多糖類としては、デキストラン、酸性多糖類、セルロース系高分子化合物及びこれらの塩が好ましく、デキストラン、酸性多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩がより好ましく、デキストラン、酸性ムコ多糖類、キサンタンガム、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩が更に好ましく、デキストラン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ジェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの塩が特に好ましい。
多糖類は、市販のものを用いることもできる。多糖類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニル化合物は、ビニル系高分子化合物及びこれらの塩を含む。ビニル化合物は、公知のビニル化合物から適宜選択して用いることができる。
ビニル化合物の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)等のビニルアルコール系高分子、ポリビニルピロリドン等のビニルピロリドン系高分子及びカルボキシビニルポリマー、並びにこれらの塩が挙げられる。
ビニル化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー及びこれらの塩が好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー及びその塩がより好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンK17、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK90、カルボキシビニルポリマー及びこれらの塩が更に好ましく、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK90、カルボキシビニルポリマー及びその塩が特に好ましい。
ビニル化合物は、市販のものを用いることもできる。ビニル化合物は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アミノ酸類は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物、及びその誘導体、並びにこれらの塩である。アミノ酸類は、公知のアミノ酸類から適宜選択して用いることができる。
アミノ酸類としては、例えば、アミノ酸及びその塩、並びにアミノ酸誘導体及びその塩が挙げられる。アミノ酸及びその塩の具体例としては、例えば、グリシン、アラニン、アミノ酪酸、及びアミノ吉草酸等のモノアミノモノカルボン酸、アスパラギン酸、及びグルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸、アルギニン、及びリジン等のジアミノモノカルボン酸、並びにこれらの塩が挙げられる。アミノ酸誘導体及びその塩の具体例としては、例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等のアミノ酸誘導体及びその塩が挙げられる。アミノ酸類は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。
アミノ酸類としては、モノアミノジカルボン酸、アミノ酸誘導体、及びこれらの塩が好ましく、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、タウリン及びこれらの塩がより好ましく、グリシン、アスパラギン酸カリウム、グルタミン酸ナトリウム、アルギニン及びタウリンが更に好ましい。
アミノ酸類は、市販のものを用いることもできる。アミノ酸類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
テルペノイドは、環式テルペン及び非環式テルペンを含む。
環式テルペンは、分子内に少なくとも1つの環構造を有するテルペノイドである。環式テルペンとしては、例えば、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール(「リュウノウ」ともいう)、シネオール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ピネン、これらの誘導体等が挙げられる。
非環式テルペンは、分子内に環構造を有しないテルペノイドである。非環式テルペンとしては、例えば、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、酢酸リナリル、これらの誘導体等が挙げられる。
また、本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。
テルペノイドはd体、l体及びdl体のいずれでもよく、l-メントール、d-メントール、dl-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、dl-ボルネオール、d-ボルネオールが例示される。ただし、ゲラニオール及びシネオール等のようにテルペノイドによっては光学異性体が存在しない場合もある。
テルペノイドとしては、メントール、カンフル、及びボルネオール、並びにこれらのいずれかを含有する精油が好ましく、メントール、カンフル、及びボルネオールがより好ましい。
テルペノイドは、市販のものを用いることもできる。テルペノイドは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0~9.5であってよく、4.0~9.0であることが好ましく、4.5~9.0であることがより好ましく、4.5~8.5であることが更に好ましく、5.0~8.5であることが更により好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0.4~5.0とすることができ、0.6~3.0とすることが好ましく、0.8~2.2とすることがより好ましく、0.8~2.0とすることが更に好ましい。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(RE550型粘度計、東産業社製、ローター;1°34’×R24)で測定した20℃における粘度が0.01~10000mPa・sであることが好ましく、0.05~8000mPa・sであることがより好ましく、0.1~1000mPa・sであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他に種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ケトチフェン、塩酸オロパタジン、塩酸レボカバスチン等。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、プラノプロフェン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、トラネキサム酸、ε-アミノカプロン酸、ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、甘草等。
充血除去剤:塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
局所麻酔剤:例えば、リドカイン、プロカイン等。
その他:レバミピド等。
本実施形態に係る眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。
代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
安定化剤:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン等。
陰イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N-アシルタウリン塩等。
両性界面活性剤:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等。
本実施形態に係る眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満であることが好ましく、85w/v%以上99.5w/v%以下であることがより好ましく、90w/v%以上99.2w/v%以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物に用いられる水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る眼科組成物は、所望量の(A)成分及び(B)成分、並びに必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加及び混和することにより調製することができる。例えば、精製水でこれらの成分を溶解又は分散させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物は、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、人工涙液、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]として用いることができる。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本実施形態に係る眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1~2滴、1日4回点眼して用いる方法、1回2~3滴、1日5~6回点眼して用いる方法を例示できる。
<容器>
本実施形態に係る眼科組成物は、該眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂(単に「環状オレフィン類含有樹脂」とも表記する。)で形成された容器に収容して提供される。
環状オレフィン類含有樹脂としては、例えば、環状オレフィンポリマーを含有する樹脂(単に「COP含有樹脂」とも表記する。)、環状オレフィンコポリマーを含有する樹脂(単に「COC含有樹脂」とも表記する。)が挙げられる。環状オレフィン類含有樹脂としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、好ましくはCOC含有樹脂である。
COP含有樹脂は、1種単独の環状オレフィンを共重合させたポリマー、若しくは2種以上の環状オレフィンを共重合させたポリマー、又はそれらの水素添加物を含有するものであれば、特に制限されない。COP含有樹脂は、環状オレフィンの開環重合体又はその水素添加物を含有するものが好ましい。また、COP含有樹脂は、非結晶性の重合体を含むものが好ましい。
COC含有樹脂は、環状オレフィンと非環状オレフィンとを共重合させたポリマー、又はそれらの水素添加物を含有するものであれば、特に制限されない。
環状オレフィンとしては、例えば、ビニル基を有する単環式若しくは多環式シクロアルカン、単環式若しくは多環式シクロアルケン、及びこれらの誘導体が挙げられる。環状オレフィンとして、好ましくは、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及びこれらの誘導体である。非環状オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等のα-オレフィンが挙げられる。
COP含有樹脂としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィンの重合体またはその水素添加物を含有する樹脂が好ましい。COC含有樹脂としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、ノルボルネンとエチレンとを共重合させたポリマーを含有する樹脂が好ましい。なお、環状オレフィンと非環状オレフィンとを共重合させたポリマーには、当該ポリマーの構成成分として他のモノマーが含まれていてもよい。
また、環状オレフィン類含有樹脂には、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、(メタ)アクリル酸系重合体、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリアリレート等の他のポリマーが含まれていてもよい。本発明による効果をより顕著に奏する観点から、環状オレフィン類含有樹脂は、更にポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)を含有するのが好ましい。環状オレフィン類含有樹脂がポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)を含有する場合、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)の含有量は、環状オレフィン類含有樹脂の総量を基準として、0.001~50質量%であることが好ましく、0.01~45質量%であることがより好ましく、0.05~40質量%であることが更に好ましく、0.1~35質量%であることが更により好ましく、0.5~30質量%であることが特に好ましく、1~25質量%であることがより特に好ましく、2~20質量%であることが更に特に好ましく、5~15質量%であることが最も好ましい。また、環状オレフィン類含有樹脂がポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)を含有する場合、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)の含有量は、容器全体の質量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、25質量%以上であることが更により好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、35質量%以上であることがより特に好ましく、38質量%以上であることが更に特に好ましく、40質量%以上であることが最も好ましい。また、環状オレフィン類含有樹脂がポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)を含有する場合、ポリエチレン(PE)及び/又はポリプロピレン(PP)の含有量は、容器全体の質量を基準として、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以下であることが更により好ましく、75質量%以下であることが特に好ましく、70質量%以下であることがより特に好ましく、65質量%以下であることが更に特に好ましく、60質量%以下であることが最も好ましい。
本実施形態に係る環状オレフィン類含有樹脂は、環状オレフィンと非環状オレフィンとを共重合させたポリマーの含有量が、環状オレフィン類含有樹脂の総量を基準として、55~98質量%であることが好ましく、60~98質量%であることがより好ましく、65~98質量%であることが更に好ましく、70~98質量%であることが更により好ましく、75~98質量%であることが特に好ましく、80~98質量%であることがより特に好ましく、85~98質量%であることが更に特に好ましく、90~95質量%であることが最も好ましい。また、本実施形態に係る環状オレフィン類含有樹脂は、環状オレフィンと非環状オレフィンとを共重合させたポリマーの含有量が、容器全体の質量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、25質量%以上であることが更により好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、35質量%以上であることがより特に好ましく、40質量%以上であることが更に特に好ましく、45質量%以上であることが最も好ましい。また、本実施形態に係る環状オレフィン類含有樹脂は、環状オレフィンと非環状オレフィンとを共重合させたポリマーの含有量が、容器全体の質量を基準として、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以下であることが更により好ましく、75質量%以下であることが特に好ましく、70質量%以下であることがより特に好ましく、65質量%以下であることが更に特に好ましく、60質量%以下であることが最も好ましい。
環状オレフィン類含有樹脂は、安定化剤、改質剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、環状オレフィン共重合体含有樹脂は、ガラス繊維などの補強剤を含んで強化したものであってもよい。
環状オレフィン類含有樹脂は、市販されているものを特に制限なく用いることができる。市販品のCOP含有樹脂としては、例えば、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)が挙げられる。市販品のCOC含有樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(ポリプラスチックス社製)、アペル(登録商標)(三井化学株式会社製)が挙げられる。
環状オレフィン類含有樹脂容器の種類としては、眼科分野で一般的に使用されている容器であってよく、具体的には、例えば、点眼容器、洗眼液容器、コンタクトレンズ装着液収容容器、コンタクトレンズケア用液収容容器(コンタクトレンズ洗浄液収容容器、コンタクトレンズ保存液収容容器、コンタクトレンズ消毒液収容容器、コンタクトレンズマルチパーパスソリューション収容容器等が含まれる)であってよい。環状オレフィン類含有樹脂容器の種類は、点眼容器、コンタクトレンズ装着液収容容器、コンタクトレンズケア用液収容容器であることが好ましい。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。これら容器のうち眼科組成物と接する部分は、例えば、中栓、穴あき中栓、容器内面(容器が複数の層からなる構造の場合、最も内側の層)が挙げられる。
本実施形態に係る環状オレフィン類含有樹脂容器は、眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類含有樹脂で形成されている。例えば、環状オレフィン類含有樹脂容器が穴あき中栓(ノズル)を有する容器の場合、穴あき中栓部分のみが環状オレフィン類含有樹脂で形成されていてもよく、穴あき中栓以外の収容部分等が環状オレフィン類含有樹脂で形成されていてもよく、また、容器全体が環状オレフィン類含有樹脂で形成されていてもよい。
環状オレフィン類含有樹脂容器は、眼科組成物と接する部分の一部が環状オレフィン類含有樹脂で形成されていればよいが、本発明による効果をより一層顕著に奏するという観点から、眼科組成物と接する部分の全部が環状オレフィン類含有樹脂で形成されていることが好ましい。容器の一部が環状オレフィン類含有樹脂で形成されている場合、他の部分を形成する樹脂の種類については特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル、エチレン酢酸ビニル共重合体及びエチレンビニルアルコール共重合体よりなる群から選択される1種以上のポリマーが構成成分として含まれていてもよい。
環状オレフィン類含有樹脂容器の形状及び容量は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。また、環状オレフィン類含有樹脂容器は、多数回(例えば、25回以上)の使用量の組成物が収容される容器であってもよく、少数回(例えば、2回以上25回未満)の使用量の組成物が収容される容器であってもよく、単回の使用量の組成物が収容される容器であってもよい。
環状オレフィン類含有樹脂容器が、点眼剤又はコンタクトレンズ装着液を収容する容器の場合、例えば、容量が0.01mL以上50mL以下であってよく、0.05mL以上40mL以下であることが好ましく、0.1mL以上25mL以下であることがより好ましい。環状オレフィン類含有樹脂容器が、点眼剤又はコンタクトレンズ装着液を収容する容器であって、使用回数が少数回(例えば、2回以上25回未満)又は単回の容器である場合は、例えば、容量が0.01mL以上7mL以下であってよく、0.05mL以上6mL以下であることが好ましく、0.1mL以上5mL以下であることがより好ましく、0.1mL以上3mL以下であることが更に好ましく、0.2mL以上2mL以下であることが更により好ましく、0.2mL以上1mL以下であることが特に好ましい。また、環状オレフィン類含有樹脂容器が、洗眼剤又はコンタクトレンズケア用液を収容する容器の場合、例えば、容量が40mL以上600mL以下であってよく、45mL以上550mL以下であることが好ましい。環状オレフィン類含有樹脂容器が、洗眼剤又はコンタクトレンズケア用液を収容する容器であって、使用回数が少数回(例えば、2回以上25回未満)又は単回の容器である場合は、例えば、容量が10mL以上150mL以下であってよく、10mL以上130mL以下であることが好ましい。
環状オレフィン類含有樹脂容器は、組成物の収容部と注出口が一体成形された容器であってもよく、穴あき中栓を有する容器であってもよい。環状オレフィン類含有樹脂容器が点眼剤又はコンタクトレンズ装着液を収容する容器であって、使用回数が少数回(例えば、2回以上25回未満)又は単回の容器であって、容量が0.1mL以上3mL以下である場合は、組成物の収容部と注出口が一体成形された容器であることが好ましい。
環状オレフィン類含有樹脂容器は、異物の確認、残存量の確認等を肉眼で観察できる観点から、透明性を有する容器であることが好ましい。環状オレフィン類含有樹脂容器は、透明性を有すれば、無色であってもよく、有色であってもよい。環状オレフィン類含有樹脂容器は、内部を肉眼で観察可能な程度の内部視認性が確保された透明性を有する容器であればよく、容器の一部分に上記の内部視認性が確保されていれば、必ずしも容器の全面が均一な透明性を有する必要はない。透明性としては、例えば、環状オレフィン類含有樹脂容器の波長400~700nmの可視光領域における光透過率の最大値(以下、「最大光透過率」ともいう)が、50%以上であってよく、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。最大光透過率は、例えば、マイクロプレートリーダー等を使用して、波長400~700nmの間で10nm毎に光透過率を測定し、得られる各光透過率から求めることができる。なお、中栓部分が環状オレフィン類含有樹脂で形成されている場合であって、その形状、大きさ等から、最大光透過率を測定することができない場合、肉眼の観察による透明性が類似する市販の環状オレフィン類含有樹脂について最大光透過率を求めて、中栓の透明性とすることもできる。また、日本薬局方で規定されている不溶性異物検査法を実施することにより、中栓の透明性を確認することもできる。
環状オレフィン類含有樹脂容器の厚みは、液切れが向上するという効果をより顕著に奏する観点から、0.01~3.0mmであってよく、0.05~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.5mmであることがより好ましく、0.1~1.2mmであることが更に好ましく、0.1~1.0mmであることが更により好ましく、0.1~0.8mmであることが特に好ましく、0.1~0.6mmであることがより特に好ましく、0.1~0.5mmであることが更に特に好ましく、0.1~0.4mmであることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物の1滴あたりの滴下量は、本発明による効果をより一層顕著に奏するという観点から、1~99μLとなるように設計されることが好ましく、1~79μLであることがより好ましく、7~79μLであることが更に好ましく、13~79μLであることが更により好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、使用回数が少数回又は単回となるように、眼科組成物の容量、1滴あたりの滴下量、容器の大きさ、中栓の形状、注出口の形状等を適宜設計することができる。
本実施形態に係る眼科組成物は、環状オレフィン類含有樹脂容器入り眼科組成物としても提供され得る。本発明はまた、環状オレフィン類含有樹脂容器に本発明の眼科組成物が収容された眼科用製品(点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ関連製品等)と捉えることもできる。
〔2.環状オレフィン類含有樹脂に対する濡れの抑制〕
本実施形態に係る眼科組成物は、環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れが抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、眼科組成物に、(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れ抑制作用を付与する方法が提供される。また、本発明の別の実施形態として、眼科組成物に、(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れを抑制する方法が提供される。
なお、本実施形態における、(A)成分及び(B)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.眼科組成物〕で説明したとおりである。
〔3.においの変化の抑制〕
本実施形態に係る、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる眼科組成物は、2種以上の(A)界面活性成分を含有すると、臭気が抑制されている等、においの変化が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる眼科組成物に、2種以上の(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物ににおいの変化抑制作用を付与する方法が提供される。また、本発明の別の実施形態として、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる眼科組成物に、2種以上の(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該眼科組成物のにおいの変化を抑制する方法が提供される。
なお、本実施形態における、(A)成分及び(B)成分の種類及び含有量等、その他の成分の種類及び含有量等、眼科組成物の製剤形態及び用途等については、〔1.眼科組成物〕で説明したとおりである。
また、本発明の一実施形態として、眼科組成物の使用方法であって、前記眼科組成物は(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を含有し、かつ環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなり、使用回数が少数回又は単回であることを特徴とする、使用方法が提供される。なお、特に少数回又は単回の使用においては、所望の薬理効果を発揮させるために液残りの抑制、液切れの向上が求められているところ、本実施形態において、(A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を含有する眼科組成物が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されていることで、液残りが抑制され、かつ液切れが向上するという効果が奏される。
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験方法:動的接触角(前進角)の測定方法〕
接触角計DM-501(協和界面科学株式会社製)を用いて、同接触角計の拡張/収縮法の測定手順に従い、各試験液の動的接触角(前進角)を測定した。動的接触角(前進角)は、固体と液体の界面が運動する際の接触角である。
具体的には、厚さ0.2mmのシート状の各容器材質(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))又はこれらを2種以上含有する樹脂)を接触角計のステージの上に置き、試験液をディスペンサにセットした。室温下で試験液の液滴1μLを各容器材質上に滴下して半球状に着滴させた。次に、速やかに、半球上部にディスペンサの液吐出部の先端を着液させた。その状態で、試験液を吐出速度6μL/秒で連続的に吐出し、液滴の形状を側面から0.1秒毎に15回撮影した。測定条件を合せるため、動的接触角の変化率を算出する際に対にする試験液は、同一の各容器材質を使用して同一の温度条件下(室温下)で続けて測定した。
次に、同接触角計の解析ソフトFAMASを用いて、各画像ごとに左右の接触角を求めた。ここで接触角は、厚さ0.2mmのシート状の各容器材質の表面、試験液及び空気の接触点Pから試験液に引いた接線と、シート状の各容器材質の表面に引いた接線のなす角のうち、試験液を含む側の角を意味する。接触点Pは、各液滴について左右の2点存在する。試験液の吐出に従い液滴が拡張するにつれて、接触角は変化し、次いでほぼ一定になる挙動を示した。そこで、各画像ごとに左右の接触角の平均値を算出し、画像を撮影した順番に当該平均値を並べて連続した5つを選択したとき、当該5つの平均値の標準偏差が最初に2.0°以下になったときの最初の平均値(5つの平均値のうち最も先に撮影した画像における左右の接触角の平均値)を、同測定における動的接触角の測定値とした。なお、全ての試験液について、標準偏差が最初に2.0°以下となった以降に、2.0°より大きい標準偏差は認められなかった。液滴が拡張する過程で接触角が変化しなかった場合も、上記基準に従い動的接触角の測定値を得た。
各試験液について、上記操作を3回繰り返し行い、得られた3つの測定値の平均値をその試験液の動的接触角とした。3つの測定値の標準偏差は、全ての試験液で2.0°以下であった。
〔試験例1:動的接触角(前進角)の評価(1)〕
表1に示す各処方を常法により調製し、試験液とした。表1における各成分の含有量の単位はw/v%である。なお、各試験における(A)成分液は、表1に示す(A)成分を表1に示す含有量で含有した処方である(残部は精製水)。
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。使用した容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))、又は低密度ポリエチレン(LDPE)である。次いで、下記[式1]により、低密度ポリエチレン(LDPE)に接触した(A)成分液に対する、環状オレフィンコポリマー(COC)に接触した(A)成分液の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表1に示す。
[式1]動的接触角の変化率(%)={((A)成分液とCOCの動的接触角/(A)成分液とLDPEの動的接触角)-1}×100
Figure 2022176963000001
表1に示すとおり、容器材質として環状オレフィンコポリマー(COC)を用いると、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた場合と比較して、(A)成分を含有する試験液の動的接触角は小さくなっており、環状オレフィンコポリマー(COC)に対して濡やすくなる課題がある。
〔試験例2:動的接触角(前進角)の評価(2)〕
表2~7に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表2~7における各成分の単位はw/v%である。なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(A)成分以外の成分を除き、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。また、容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))、又はCOC90w/w%及び低密度ポリエチレン(LDPE)10w/w%を含有する容器材質である。
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。次いで、下記[式2]により、対応する処方液に対する試験例の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表2~7に示す。
[式2]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液のCOCの動的接触角)-1}×100
Figure 2022176963000002
Figure 2022176963000003
Figure 2022176963000004
Figure 2022176963000005
Figure 2022176963000006
Figure 2022176963000007
表2~7に示すとおり、容器材質として環状オレフィンコポリマー(COC)を用いると、(A)成分及び(B)成分を含有する試験液の動的接触角は(B)成分を含有しない試験液の動的接触角よりも大きくなっており、容器に対する濡れを抑制できる(試験例2-1~2-64)。また、容器材質として環状オレフィンコポリマー(COC)に加えて低密度ポリエチレン(LDPE)を更に含有する樹脂を用いると、(A)成分及び(B)成分を含有する試験液の動的接触角は(B)成分を含有しない試験液の動的接触角よりも大きくなっており、容器に対する濡れを抑制できる(試験例2-1~2-64)。
〔試験例3:動的接触角(前進角)の評価(3)〕
表8~13に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表8~13における各成分の単位はw/v%である。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))を含有する容器材質である。
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。次いで、下記[式3]により、対応する試験液に対する試験例の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表8~13に示す。
[式3]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する試験液の動的接触角)-1}×100
なお、対応する試験液とは、試験例3-2~3-11については試験例3-1、試験例3-13~3-17については試験例3-12、試験例3-19~3-22については試験例3-18、試験例3-24~3-29については試験例3-23、試験例3-31~3-35については試験例3-30、試験例3-37~3-39については試験例3-36、試験例3-41~3-43については試験例3-40、試験例3-45~3-47については試験例3-44、試験例3-49~3-55については試験例3-48、試験例3-57~3-63については試験例3-56、試験例3-65及び3-66については試験例3-64である。
Figure 2022176963000008
Figure 2022176963000009
Figure 2022176963000010
Figure 2022176963000011
Figure 2022176963000012
Figure 2022176963000013
表8~13に示すとおり、2種以上の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液は、1種の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液と比べて、動的接触角がより大きくなっており、容器に対する濡れをより一層抑制できる。
〔試験例4:官能評価(1)〕
表14に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表14における各成分の単位はw/v%である。なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(A)成分以外の成分を除き、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))である。次に、恒温槽にて60℃で静置する熱処理を行った。熱処理の期間は表14に示す通りとした。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理前後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、10cmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭いに相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式4-1]により、熱処理前後のVAS変化値を算出した。その後、下記[式4-2]により、対応する処方液に対する試験例の試験液の臭い改善率を算出した。算出した結果は、表14に示す。
[式4-1]VAS変化値=熱処理前の試験液のVAS値-熱処理後の試験液のVAS値
[式4-2]臭い改善率(%)={1-(各試験例のVAS変化値/対応する処方液のVAS変化値)}×100
Figure 2022176963000014
表14に示すとおり、(A)成分及び(B)成分を含有する試験液にCOC含有樹脂容器材質を浸漬した試験例は、(A)成分を含有する試験液にCOC含有樹脂容器材質を浸漬した試験液と比べて、臭いが悪化するという課題があることが明らかとなった。
〔試験例5:官能評価(2)〕
表15~17に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表15~17における各成分の単位はw/v%である。各試験液に横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))である。次に、恒温槽にて60℃で静置する熱処理を行った。熱処理の期間は表15~17に示す通りとした。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、10cmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭いに相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式5]により、対応する試験例に対する試験例の試験液の臭いの改善率を算出した。算出した結果は、表15~17に示す。
[式5]臭い改善率(%)={1-(熱処理後の試験例のVAS値/熱処理後の対応する試験液のVAS値)}×100
なお、対応する試験液とは、試験例5-1~5-6については試験液4-1、試験例5-7~5-11については試験液4-2、試験例5-12~5-19については試験液4-3、試験例5-20~5-26については試験液4-4、試験例5-27~5-32については試験液4-5である。
Figure 2022176963000015
Figure 2022176963000016
Figure 2022176963000017
表15~17に示すとおり、2種の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液は、1種の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液と比べて、臭い改善率が向上した。
〔試験例6:動的接触角(前進角)の評価(4)〕
表19に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表19における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質として、表18に示す環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))を含有する樹脂(容器材質A)、及びCOCと低密度ポリエチレン(LDPE)又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有する樹脂(容器材質B、C、D及びE)を用いた。表18において、容器材質に含まれる各構成成分の単位はw/w%である。
Figure 2022176963000018
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。次いで、下記[式6]により、対応する処方液に対する試験例の試験液の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表19に示す。
[式6]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質Aに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する試験液とは、試験例6-1及び6-2については試験例3-1、試験例6-3については試験例3-48、試験例6-4及び6-5については試験例3-56である。対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては容器材質Aを使用した。
Figure 2022176963000019
容器材質としてCOC及びLDPE、又はCOC及びLLDPEを含有する樹脂を用いると、2種以上の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液は、1種の(A)成分、及び(B)成分を含有する試験液と比べて、動的接触角がより大きくなっており、容器に対する濡れをより一層抑制できる。特にCOC及びLLDPEを含有する樹脂では、動的接触角が一層大きくなった。
〔試験例7:動的接触角(前進角)の評価(5)〕
表20に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表20における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質は、試験例6の表18に示す容器材質を用いた。
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。次いで、下記[式7]により、対応する処方液に対する試験例の試験液の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表20に示す。
[式7]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質Cに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(B)成分を除き、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては容器材質Cを使用した。
Figure 2022176963000020
容器材質としてCOC及びLLDPEを含有する樹脂を用いると、(A)成分及び(B)成分を含有する試験液の動的接触角は(B)成分を含有しない試験液の動的接触角よりも大きくなっており、容器に対する濡れを抑制できる。
〔試験例8:動的接触角(前進角)の評価(6)〕
表21に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表21における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質は、試験例6の表18に示す容器材質を用いた。
上記の試験方法に示した手順に従い、各試験液の動的接触角を求めた(3つの測定値の平均値)。次いで、下記[式8]により、対応する処方液に対する試験例の試験液の動的接触角の変化率を算出した。算出した結果は、表21に示す。
[式8]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質Aに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方において(A)成分及び(B)成分のみを含有し、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては容器材質Aを使用した。
Figure 2022176963000021
容器材質としてCOCを用いると、(A)成分及び(B)成分に加えて、油分、多糖類、ビニル化合物、又は薬理活性成分を含有する試験液の動的接触角は(A)成分及び(B)成分のみを含有する試験液の動的接触角よりも大きくなっており、容器に対する濡れを一層抑制できる。また、容器材質としてCOC及びLDPE、又はCOC及びLLDPEを含有する樹脂を用いると、容器材質としてCOCのみを含有する樹脂を用いる場合と比べて動的接触角が大きくなっており、容器に対する濡れをより一層抑制できる。特にCOC及びLLDPEを含有する樹脂では、動的接触角が一層大きくなった。
〔試験例9:官能評価(3)〕
表22に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表22における各成分の単位はw/v%である。各試験液に横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、試験例6の表18に示す容器材質を用いた。次に、恒温槽にて60℃で静置する熱処理を行った。熱処理の期間は表22に示す通りとした。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、10cmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭いに相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式9]により、対応する試験例に対する試験例の試験液の臭いの改善率を算出した。算出した結果は、表22に示す。
[式9]臭い改善率(%)={1-(熱処理後の試験例のVAS値/熱処理後の対応する試験液のVAS値)}×100
なお、対応する試験液とは、試験例9-1については試験例4-1、試験例9-2については試験例4-3、試験例9-3については試験例4-4である。対応する試験液のVAS値を求めるに際しては容器材質Aを使用した。
Figure 2022176963000022
試験液として(A)成分及び(B)成分を含有し、容器材質としてCOC及びLDPE、又はCOC及びLLDPEを含有する樹脂を用いた試験例9-1~9-3は、いずれも臭いが改善した。特に容器材質としてCOC及びLLDPEを含有する樹脂(試験例9-1~9-3の容器材質D)を用いると、臭いが一層改善した。
以上の結果より、本実施形態に係る眼科組成物は濡れが抑制される効果を奏するので、液残りが抑制される。これにより、菌・異物の混入による汚染等が抑えられ、繊細な眼粘膜組織に求められる高い衛生品質を実現できる。また、本実施形態に係る眼科組成物は濡れが抑制される効果を奏するので、液切れが向上する。これにより、比較的小さな部位である眼又はコンタクトレンズへの使用に求められる滴下量のバラツキを小さくすることができる。更に、本実施形態に係る眼科組成物はにおいの変化を抑制する効果を奏するので、容器との接触による異臭の発生を抑制することができる。

Claims (1)

  1. (A)界面活性成分、及び(B)緩衝剤を含有する眼科組成物であって、該眼科組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容してなる眼科組成物。
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