JP2022175061A - 食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置 - Google Patents

食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】柔らかい食品の盛り付けを好適に行える食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置を提供する。【解決手段】第1工程は、ハンド装置40を下方と直交する前進方向へ移動させながら、上部ベルト部50にて、採取位置に位置する食品の中間部を掬い上げる。第1工程において、食品の垂れ下がった両端部のうち、ハンド装置40が備える折り畳み部55A、55Bにて、少なくとも一方の端部を下部ベルト部に向けて折り畳む。第2工程では、採取位置から離間したリリース開始点にハンド装置40を移動させる。第3工程では、盛り付け領域に対して、ハンド装置40を、後進させながら上部ベルト部50及び下部ベルト部53を駆動して、食品の中間部及び下部ベルト部53に向けて折り畳まれた部位を両ベルト部から離脱させる。【選択図】図14

Description

本発明は、食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置に関する。
ロボットにより食品を盛り付ける装置は、例えば特許文献1で公知である。また、特許文献2では、搬送コンベア上のパウチを、ロボットのエンドエフェクタが備える真空吸着装置により、ピッキングして、他の搬送コンベア上に移動載置することが開示されている。
特許第6650119号 特開2019-10719号公報
特許文献1では、食品をコンベア上の食品容器に対して盛り付ける具体的な態様は、開示されていない。
特許文献2では、パウチを前述のごとく、真空吸着装置でピッキングして、1つずつ他のコンベア上にそれぞれ離間して載置して、前記他のコンベアで移送するようにしている。ところで、従来、スライサーによりスライスされたスライス肉は、コンベアに載せられて移送され、この移送中に、作業者により手作業でトレイに盛り付けられている。この理由は、スライス肉は、厚みが薄く、しなやかさに富むため、中間部を持つと、両端が垂れてしまう食品である点にある。従来は、このような食品についての盛り付けの自動化は、し難いため、手作業で行っていたのである。
なお、上記特許文献1、2では、食品を好適に盛り付ける方法、ハンド装置、盛り付け装置、食品盛り付け制御装置については、技術的に改良の余地がある。このため、このような食品について好適な盛り付けができる方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置が望まれている。
本発明の目的は、上記課題を解決して、柔らかい食品の盛り付けを好適に行える食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、斜め下方へ向かって延在する上部ベルト部、及び下部ベルト部を備えるハンド装置を、食品の搬送方向下流側へ前進させながら、前記上部ベルト部を駆動して採取位置に位置する食品を掬い上げて支持し、これによって垂れ下がった食品の端部を、前記ハンド装置に備える折り畳み部によって前記下部ベルト部に向けて折り畳む第1工程と、前記採取位置から離間した盛り付け領域上に前記ハンド装置を移動させる第2工程と、前記盛り付け領域上において、前記ハンド装置を後進させながら前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆方向に駆動し前記食品の前記上部ベルトによる被支持部及び前記下部ベルト部に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、前記食品を前記盛り付け領域に移載する第3工程を含む。
本発明の第2の態様は、食品盛り付け方法が提供される。この食品盛り付け方法は、前記盛り付け領域には、前記食品を所定列数で配置するための複数のリリース開始点が設定され、この実行順に並ぶリリース開始点毎に、前記第1工程、前記第2工程、及び第3工程を順次実行して前記食品を盛り付ける。
本発明の第3の態様は、前記採取位置が、前記食品を搬送するコンベアの搬送面上に設定され、前記盛り付け領域は、前記コンベアの搬送面を除く所定の位置に設定され、前記コンベアによって搬送される食品を採取位置にて採取し、前記盛り付け領域に盛り付ける。
本発明の第4の態様は、食品盛り付け方法が提供される。この食品盛り付け方法は、前記食品を搬送する前記コンベアの間歇駆動または連続駆動による前記搬送面の移動状態と、前記搬送面上の前記食品を採取するタイミングとを同期させる。
本発明の第5の態様は、食品盛り付け方法が提供される。この食品盛り付け方法は、前記コンベアによって搬送される採取対象の前記食品を撮像手段によって撮像し、この撮像結果に基づいて、前記食品における被採取時の支持基準点を、前記コンベアによる搬送方向と平面視で交差する方向における前記食品の中間部位に設定する。
本発明の第6の態様は、食品盛り付け方法が提供される。この食品盛り付け方法は、前記食品の両端部を前記折り畳み部によって折り畳む第1状態と、前記食品の一方の端部のみを前記折り畳み部によって折り畳む第2状態とを選択可能とし、前記第1状態が選択された場合には、前記コンベアによる搬送方向と平面視で交差する方向における前記食品の中心部を、この食品における被採取時の支持基準点として設定し、前記第2状態が選択された場合には、前記食品の前記中心部から設定距離偏倚した部位を、この食品における被採取時の支持基準点として設定する。
本発明の第7の態様は、ハンド装置が提供される。このハンド装置は、ロボットアームの先端に装着可能に設けられるハンド装置であって、前記ハンド装置は、
斜め下方へ向かって延在する上部ベルト部、及び下部ベルト部を含む採取部と、
両ベルト部を正逆回転駆動するベルト駆動源と、前記上部ベルト部にて掬い上げられることによって垂れ下がった食品の端部を前記下部ベルト部側へ折り畳む折り畳み部と、前記折り畳み部の折り畳み動作及び折り畳み解除動作を行わせる折り畳み部駆動源を備える。
本発明の第8の態様は、食品盛り付け装置が提供される。この食品盛り付け装置は、前記ハンド装置を複数の自由度を有するロボットアームの先端に備えるロボットを含む食品盛り付け装置であって、前記ロボットアームは、前記ハンド装置を、食品が位置する採取位置から離間した待機位置から、前記採取位置に移動させる構成とし、前記ロボットアームにて、前記上部ベルト部の下端を前記採取位置に位置する食品載置面と略同一平面上に沿わせながら前記ハンド装置を前記採取位置に前進させる際に、前記ベルト駆動源によって前記上部ベルト部と前記下部ベルト部を正回転駆動して前記食品を掬い上げながら、または掬い上げて支持した後に、前記ハンド装置を上昇させる構成とし、前記折り畳み部駆動源は、前記ハンド装置が上昇中または上昇後に、前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を前記下部ベルト部側へ折り畳む構成とし、前記ロボットアームにて、前記採取位置から離間した盛り付け領域上に前記ハンド装置を移動させた後、前記ハンド装置を後進させながら、前記ベルト駆動源によって前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆回転駆動して、前記食品の前記上部ベルトによる被支持部及び前記下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、前記食品を盛り付け領域に盛り付ける構成とする。
本発明の第9の態様は、食品盛り付け制御装置が提供される。この食品盛り付け制御装置は、前記食品盛り付け装置の制御を行う制御部を備えた食品盛り付け制御装置であって、前記制御部は、前記ロボットアームを制御する第1制御機能と、前記ハンド装置を制御する第2制御機能を備え、前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、食品に対して遠位の待機位置から前記食品が位置する近位の採取位置へ、前記上部ベルト部の下端を前記採取位置に位置する食品載置面と略同一平面上に沿わせながら前進させ、前記ハンド装置が前記採取位置へ前進する際、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御して、前記上部ベルト部及び下部ベルト部を正回転駆動して、前記食品を掬い上げて支持し、前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を上昇させて前記食品の端部を垂れ下げた状態とし、前記第2制御機能によって、前記折り畳み部駆動源を制御して、前記ハンド装置の上昇中または上昇後に前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて、垂れ下がった端部を前記下部ベルト部側へ折り畳み、前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、前記採取位置から離間した盛り付け領域上に予め設定されたリリース開始点へ移動させた後に、前記盛り付け領域上において後進させ、この後進中に、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御し、前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆回転駆動して、前記食品の被支持部及び前記下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を、両ベルト部から離脱させて、前記食品を前記盛り付け領域に盛り付ける構成とする。
本発明の第10の態様は、食品盛り付け制御装置が提供される。この食品盛り付け制御装置は、上記食品盛り付け装置の制御を行う制御部を備えるとともに、食品載置面上の採取位置に所定ピッチの間隔で配置されたj(>1,jは整数)個の食品を順次採取し、これらの食品を盛り付け領域に盛り付けるように制御する食品盛り付け制御装置であって、前記制御部は、前記ロボットアームを制御する第1制御機能と、前記ハンド装置を制御する第2制御機能とを備え、第1制御機能は、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、待機位置から、前記食品載置面上における食品の配置方向に沿って、前記上部ベルト部の下端を前記食品載置面に摺接させながら前記採取位置まで前進させ、前記ハンド装置の前進中に、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御して、前記上部ベルト部を駆動して、前記j個の食品を順に掬い上げ、前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を上昇させて前記j個の食品の端部を垂れ下げた状態に支持し、前記第2制御機能によって、前記折り畳み部駆動源を制御して、前記ハンド装置が上昇中または上昇後、前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を前記下部ベルト部に向けて折り畳み、予め設定されたリリース開始点への前記ハンド装置の前進、及び前記ハンド装置の前記リリース開始点からリリース終了点への後進を1サイクルとしたとき、前記第1制御機能によって前記ロボットアームを駆動制御してj回のサイクルを実行させ、各サイクルにおける前記ハンド装置の後進において、前記第2制御機能によって前記ベルト駆動源を駆動制御して前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を駆動し、各食品の被支持部及び前記下部ベルト部に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から順次離脱させ、離脱させた食品を前記盛り付け領域に前記配置方向に沿って盛り付ける構成とする。
本発明の第11の態様は、食品盛り付け制御装置が提供される。この食品盛り付け制御装置は、前記リリース開始点は、前記盛り付け領域において、行列状に複数設定されていて、1つのリリース開始点から前記ハンド装置の前記リリース終了点への後進中における前記食品の盛り付けが終了する毎に、隣接する他のリリース開始点において、前記第1制御機能及び前記第2制御機能による処理を実行する構成とする。
本発明の食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、食品盛り付け制御装置によれば、柔らかい食品の盛り付けを好適に行える。
第1実施形態の食品盛り付け装置の概略側面図。 第1実施形態の食品盛り付け装置の概略平面図。 第1実施形態のハンド装置の側面図。 第1実施形態のハンド装置における上部ベルト部及び下部ベルト部の基端側の拡大断面図。 第1実施形態の上部ベルト部の基端側の平断面図。 第1実施形態のハンド装置における上部ベルト部及び下部ベルト部の要部断面図。 第1の折り畳み部が折り畳み前の初期位置の正面図。 第1の折り畳み部が折り畳み時の正面図。 第1実施形態の食品盛り付け制御装置のブロック図。 第1実施形態の食品盛り付け制御装置が実行するフローチャート。 第1実施形態の食品盛り付け制御装置が実行するフローチャート。 第1実施形態のハンド装置の軌道を側面視した説明図。 (a)及び(b)は第1実施形態においてスライス肉が盛り付け領域において、行列配置されるスライス肉配置の説明図。 第1実施形態のハンド装置の上部ベルト部、及び下部ベルト部によりスライス肉が採取される直前状態を正面視した説明図。 第1実施形態の上部ベルト部及び下部ベルト部によりスライス肉が盛り付けられる状態の説明図。 第2実施形態の可撓性物品盛り付け装置の概略平面図。 第2実施形態の食品盛り付け制御装置が実行するフローチャート。 第2実施形態の食品盛り付け制御装置が実行するフローチャート。 第2実施形態のハンド装置の軌道を側面視した説明図。 (a)及び(b)は第1実施形態においてスライス肉が盛り付け領域において、行列配置される状態を示す説明図。 第2実施形態のハンド装置の上部ベルト部、及び下部ベルト部によりスライス肉が採取される直前状態を正面視した説明図。 第2実施形態の上部ベルト部及び下部ベルト部により1つ目のスライス肉が盛り付けられる状態の説明図。 第2実施形態の上部ベルト部及び下部ベルト部により2つ目のスライス肉が盛り付けられる状態の説明図。 (a)及び(b)は、他の実施形態の移載装置の説明図。
(第1実施形態)
以下、本発明の食品盛り付け方法、ハンド装置、食品盛り付け装置、及び食品盛り付け制御装置を具体化した第1実施形態を説明する。本実施形態では、食品をスライス肉としている。なお、食品はスライス肉に限定するものではなく、他の食品であってもよい。本実施形態では、スライサー12が切断したスライス肉Eを搬送する第1搬送装置14の搬送方向において、スライサー12側を上流とし、その反対側を下流側とする。図2において、「-Y」及び「+Y」は、上流及び下流の方向を示す。後述するハンド装置40の+Y側への方向を前進方向という。-Y側への方向の移動を後進という。「-X」及び「+X」は、スライサー12側から見て、右方向及び左方向を示す。「-Z」及び「+Z」は、下方及び上方を示す。X、Y、Zで示す方向は相互に直交する。
<第1搬送装置14及び第2搬送装置18>
図2に示すように、食品盛り付け装置10は、塊状肉を連続的にする切断するスライサー12から出されたスライス肉Eを搬送する第1搬送装置14の下流側の左側に設けられる。なお、食品盛り付け装置10の配置は、搬送装置14の下流側の左側に限定するものではなく、右側であってもよく、或いは、第1搬送装置14の下流側部位の直上方に対して天吊装置(図示しない)を介して吊り下げ支持してもよい。第1搬送装置14の終端側には、搬送装置14の搬送方向とは直交する左右方向に延出する第2搬送装置18が配置されている。本実施形態では、第1搬送装置14及び第2搬送装置18のベルト15、19の搬送面15a、19aは、同一高さとなるように配置されているが、同一の高さに限定されない。搬送面15aは、食品載置面に相当する。
第1搬送装置14及び第2搬送装置18は、従動ローラ群と駆動ローラ(ともに図示しない)にわたって無端のベルト15、19が巻回されることによりコンベア16、20が構成されている。コンベア16は、減速機を介したサーボモータ91(図9参照)を備える。スライサー12により細長くスライスされたスライス肉Eは、図2に示すように、その長手方向が、搬送装置14の搬送方向とは直交する方向に沿うようにして第1搬送装置14のベルト15上に載置される。
本実施形態では、スライス肉Eは、3枚の積み重ねられた状態で、第1搬送装置14にて、搬送される。
サーボモータ91の回転位置は、図9に示すエンコーダ92により検出され、その検出値は、スライサーコントローラ90に入力されて、サーボモータ91のフィードバック制御等に使用される。
図9に示すスライサーコントローラ90は、サーボモータ91を制御してベルト15を間歇駆動、または連続駆動させることにより、その長手方向をX軸方向に沿って平行に鱗列配置したスライス肉E群を、図2に示す採取位置Tまで搬送する。すなわち、スライス肉E群のうち、最も上流側に位置するスライス肉Eの上流側縁部が採取位置Tに位置するようにスライス肉E群は、ベルト15にて搬送される。
なお、本実施形態では、スライス肉E群を盛り付け領域に盛り付けする場合について説明するが、単品であるスライス肉Eについても同様に適用できることは勿論のことである。
間歇駆動では、スライス肉E群が採取位置Tまで搬送されると、ベルト15が一旦停止される。連続駆動では、スライス肉Eが採取されてから、次のスライス肉が採取位置Tに到着するまでの時間が、ハンド装置40のポイントP0~P8~P0までの移動時間よりも長い場合に採用される。
図1及び図2に示すように、第1搬送装置14のベルト15において、採取位置Tよりも上流側の上方には、撮像手段としてのカメラ87が配置されている。なお、図2では、食品盛り付け装置10等を平面視しているため、搬送面15aの上方にあるカメラ87の位置を二点鎖線で示している。カメラ87は、採取位置Tに搬送されるスライス肉Eの画像を取得する。
図2に示すように第2搬送装置18において、第1搬送装置14のベルト15と相対するベルト19の一部領域は、Y軸方向長さをr1とし、X軸方向長さをr2とする盛り付け領域Rとしている。
盛り付け領域R上には、スライス肉Eが盛り付けられる収納容器としての周壁88aを有する内底面が四角形状のトレイ88が載置される。第2搬送装置18は、食品盛り付け装置10によるトレイ88へのスライス肉Eの盛り付けが完了するまでは、搬送が停止され、トレイ88へのスライス肉Eの盛り付けが完了後に該トレイ88を移送する。
<食品盛り付け装置10>
図1に示すように、食品盛り付け装置10は、6軸の自由度を有する多関節型のロボットアーム22を有するロボットからなる。ロボットアーム22は、6つの能動関節J1、J2、J3、J4、J5、J6を有していて、それぞれが回転または捻れを行うことにより、ロボットアーム22を構成する各部または全体が回転、旋回、揺動または傾動する。図1に示す、J1、J2、J3、J4、J5、J6は、能動関節の軸を示す。
前記能動関節の軸J1、J2、J3、J4、J5、J6は、図9に示すように軸毎にサーボモータ71~76を備える。ロボットアーム22は、サーボモータ71~76毎に図9に示すように位置検出器としてのエンコーダ81~86を備える。具体的には、ロボットアーム22は、基台25、旋回ベース26、ロアアーム27、アッパアーム28、手首支持腕29、及びハンド取付台30を含む。
基台25は、フロアに固定された支持台24上に固定される。基台25には能動関節の軸J1周りに旋回ベース26が旋回自在に設けられる。旋回ベース26には、水平軸である能動関節の軸J2周りにロアアーム27が、揺動自在に軸支される。軸J1は、鉛直方向に延出される。軸J2は、軸J1とは直交する。ロアアーム27の上端には、水平軸である軸J3周りにアッパアーム28の基部28aが上下方向に揺動自在に軸支される。アッパアーム28は、前記基部28aと、基部28aの先端に連結された回転体28bとを有する。回転体28bは、基部28aの軸線に沿って平行に配置された水平軸である能動関節の軸J4の周りに回転自在にされる。軸J4は、軸J3とは直交する。
アッパアーム28の回転体28bの先端には、手首支持腕29が能動関節の軸J5により、傾動又は揺動可能に支持されている。軸J5は、軸J4とは直交する。能動関節の軸J5は、アッパアーム28の先端部において手首支持腕29を傾動させたり揺動させることにより、ハンド取付台30を俯仰させる機構として働く。手首支持腕29の先端には、ハンド取付台30が能動関節の軸J6により旋回可能に装着される。各能動関節の軸J1、J2、J3、J4、J5、J6は、図示しない減速機を介したサーボモータ71~76が装備され、後述する食品盛り付け制御装置70からの指令を受けて駆動される。図1に示すようにハンド取付台30の下面には、上部ベルト部50及び下部ベルト部53を含む採取部35を有するハンド装置40が装着される。
<ハンド装置40>
ハンド装置40を構成する各装置及びこれらを支持する各部材の配置方向については、スライス肉Eの採取及び盛り付け時における状態の場合を前提として説明する。
<採取部35>
図3に示すようにハンド取付台30の下面には、取付部材本体41が固定される。取付部材本体41は、+Y端側が斜め上向きに、かつ-Y端側が搬送面15aに指向するように斜状に延出される。
取付部材本体41の下部には、ベルト駆動源44が取り付けられている。ベルト駆動源44は、例えば、サーボモータ42(図9参照)とサーボモータ42により作動する図示しないボールネジ機構を備える。サーボモータ42が正逆回転することにより、前記ボールネジ機構を介して連結された直動体43が+Y側への斜め上向きの移動と、-Y側への斜め下向きの移動が可能である。ベルト駆動源をサーボモータ42及びボールネジ機構の代わりにリニアモータで構成してもよい。
取付部材本体41の略中央部には、+Y側に斜め下方に延出された第1吊下部41aを有する。第1吊下部41aには、採取部支持枠体45が固定される。
図4、図7に示すように採取部支持枠体45は、天板45aと、天板45aの左右両側縁から、下方へ延出する一対の側壁45bを有する。図5に示すように一対の側壁45bの内面間には、上部支持部材46が配置されている。上部支持部材46は、左右一対の側壁46aと両側壁46a間を連結する連結壁46bとにより略チャンネル状に形成されている。上部支持部材46は、両側壁46aにて一対の側壁45bの内面に対してそれぞれ一体に固定される。図5に示すように左右一対の側壁46aには、上部ガイド板47a及び下部ガイド板47bの基端が一体に連結されている。
上部ガイド板47a及び下部ガイド板47bは、間隙を有するようにして略平行に配置されて、両先端(下端)は、-Y側において、図6に示すように斜め下方へ延出される。
この延出方向は、後述する上部ベルト部50及び下部ベルト部53の延出方向と同じで有り、この方向をこれらの長手方向ということがある。
なお、図6は、説明の便宜上、拡大して図示したものであり、前記両先端(下端)間の間隙が広く図示されているが、実際の両先端間の間隙は、mm単位の間隙である。
図5に示すように、連結壁46bのX方向の中央には、チャンネル状のローラ支持部材48が、取付けられる。ローラ支持部材48の左右両側壁には、上部ローラ49が回転自在に軸支される。上部ベルト部50は、上部ガイド板47aの先端(下端)と上部ローラ49に無端状に巻き掛けたベルトとしている。
図4に示すように、側壁45bの下部間には、連結片45cが架設されている。連結片45cのX方向の中央には、チャンネル状のローラ支持部材51が、取付けられる。ローラ支持部材51の左右両側壁には、下部ローラ52が回転自在に軸支される。下部ベルト部53は、下部ガイド板47bの先端(下端)と下部ローラ52に無端状に巻き掛けたベルトとしている。上部ガイド板47a、下部ガイド板47b、下部ベルト部53及び上部ベルト部50の幅は同一幅としている。また、上部ベルト部50(下部ベルト部53)のベルト幅(X軸方向長さ)は、スライス肉EのX軸方向長さよりも長くしている。
図4及び図6に示すように、上部ベルト部50と下部ベルト部53間には、作動板54が上部ガイド板47a、下部ガイド板47bが延出された長手方向に移動自在に挿入されている。図6に示すように、作動板54は、上部ベルト部50と下部ベルト部53とが相対する内面部に対してそれぞれ連結される。図3に示すように作動板54の基端は、連結部材43aを介して直動体43に対して一体に連結される。
以下の説明では、説明の便宜上、連結部材43aの位置を示すI1、I2で、直動体43の位置を説明する。すなわち、「直動体43が位置I1に位置する」とは、「直動体43が、連結部材43aを位置I1に位置させる」と解釈されたい。同様に、「直動体43が位置I2に位置する」とは、「直動体43が、連結部材43aを位置I2に位置させる」と解釈されたい。
図3において、直動体43が、図3に示すI2の位置からI1へ向かう直線移動により、上部ベルト部50の上行部は、図6に示すA方向に作動して、搬送面15a上のスライス肉Eの掬い上げが可能である。上部ベルト部50の上行部により掬い上げられたスライス肉Eの部位が、被支持部に相当する。一方、直動体43が、図3に示すI2の位置からI1へ向かう直線移動により、下部ベルト部53の下行部は図6に示すC方向に作動する。
直動体43が、図3に示すI1の位置からI2へ向かう直線移動により、上部ベルト部50の上行部は、図6に示すB方向に作動して、上部ベルト部50の上行部に一旦掬い上げたスライス肉Eを降ろすことが可能である。一方、直動体43が、図3に示すI1の位置からI2へ向かう直線移動により、下部ベルト部53の下行部は図6に示すD方向に作動する。これにより、後述する折り畳み部55A、55Bにて折り畳まれた状態のスライス肉Eの端部を、下部ベルト部53の先端(下端)側から離脱させることが可能である。
<折り畳み部55A、55B>
図3に示すように取付部材本体41において、-Y側の端部には、第2吊下部41bを有する。第2吊下部41bには左右一対の折り畳み部55A、55B(図7、図8参照)が設けられている。
折り畳み部55A、55Bは、第2吊下部41bに支持された折り畳み部駆動源としてのエアー作動式のロータリーアクチュエータ56と、ロータリーアクチュエータ56の出力軸56aに連結されたアーム57と、アーム57の先端(下端)に取り付けられた折り畳み材58を有する。図7及び図8に示すように折り畳み部55A、55Bは、上部ベルト部50の長手方向に延びる中心線O1(図7参照)を含む仮想鉛直平面Hに対して面対称の関係に配置される。折り畳み部55A、55Bの両ロータリーアクチュエータ56は上部ベルト部50よりも上方に配置される。両ロータリーアクチュエータ56は、アーム57を図7に示すようにその下端同士が広く離間する開位置と、図8に示すように前記下端同士が接近する閉位置の間を往復回動する。すなわち、折り畳み部55Aのロータリーアクチュエータ56と、折り畳み部55Bのロータリーアクチュエータ56は、アーム57を閉位置から開位置へ移動させる回転方向、及びアーム57を開位置から閉位置へ移動させる回転方向を、逆方向としている。
図3及び図7に示すように、両アーム57は、上部ベルト部50及び下部ベルト部53の長手方向の略中間部において、その左右方向に離間して相対配置される。また、両アーム57は、閉位置に位置した際に、搬送面15aに干渉しないように配置される。
図8に示すように、両アーム57は、閉位置に位置した際、上部ベルト部50及び下部ベルト部53に干渉しないように、その中間部はチャンネル状に折り曲げ形成される。アーム57の下端は、図8に示すようにアーム57が閉位置に位置した際、上向き(+Z方向)となる取付部57aを有している。
取付部57aには、支持部材59を介して折り畳み材58が固定される。折り畳み材58は、本実施形態では、金属製の複数の棒材からなる。折り畳み材58は、棒材に限定するものではなく、板材、ブロック状等の形状であってもよい。
図3、及び図8に示すように折り畳み材58は、両アーム57が閉位置に位置した際、下部ベルト部53の長手方向に延出されるようにその下行部に沿って平行また略平行に、かつ、接近した状態で配置される。また、折り畳み材58は、アーム57が閉位置に位置した状態で、採取部35が、スライス肉Eを降ろす際に、トレイ88の内底面等の盛り付けする面に対して、干渉しないように配置される。折り畳み材58は、上部ベルト部50にてスライス肉E群を掬い上げた際に、該スライス肉E群の垂れ下がった端部の全てを折り畳み可能な長さ(Y軸方向長さ)を有する。
<食品盛り付け制御装置70>
図9に示すように、食品盛り付け制御装置70はロボットコントローラからなる。以下、ロボットコントローラに「70」の符号を付す。ロボットコントローラ70は、制御部77、記憶部78、画像処理部79等を備える。記憶部78は、ロボット制御プログラムが記憶されている。制御部77は、前記ロボット制御プログラムに基づいて、第1制御機能によりロボットアーム22を制御し、第2制御機能により、ハンド装置40を制御する。具体的には、制御部77は第1制御機能により、各サーボモータ71~76に対して指示を出力する。各サーボモータ71~76は、ロボットコントローラ70からの指示に従って軸J1~J6軸を駆動する。各エンコーダ81~86は、各サーボモータ71~76の位置を検出し、検出した位置を示す位置データをロボットコントローラ70に送信する。
制御部77は第2制御機能により、サーボモータ42及び両ロータリーアクチュエータ56に対して指示を出力する。前記指示を受けたサーボモータ42は、直動体43をI2の位置からI1へ向かう移動、または、直動体43をI1の位置からI2へ向かう移動が可能である。なお、直動体43をI2の位置からI1の位置までの全移動、または、直動体43をI1の位置からI2の位置への全移動に限定するものではない。掬い上げるスライス肉E群のY軸方向の長さに応じた掬い上げ量での掬い上げ移動と、リリース移動量によるリリース移動を行うように、制御部77は指示をサーボモータ42に出力してもよい。
また、制御部77から前記指示を受けた両ロータリーアクチュエータ56は、アーム57を開位置から閉位置へ、または閉位置から開位置へ位置させる。
画像処理部79は、採取位置Tへ移動するスライス肉E毎にその画像をカメラ87から入力して画像処理を行うようにしている。画像処理部79は、この画像処理の結果(撮像結果)に基づいて、スライス肉Eの大きさ(スライス肉Eの長手方向の長さ)を算出する。制御部77は、採取位置Tに配置された際のスライス肉E群において、被採取時の支持基準点Bの座標を算出する。この被採取時の支持基準点Bは、図2に示すように、コンベア16による搬送方向と平面視で交差する方向におけるスライス肉Eの中心部に設定する(請求項6の「第1状態」が選択された場合)。前記座標は、ロボットアーム22の基台25の設置位置に基づいて設定されたワールド座標系である。
ロボットコントローラ70は、キーボード80またはスライサーコントローラ90に接続されたタッチパネル(図示省略)による被採取時の支持基準点Bの変更が可能となっている。搬送面15a上の平面において、キーボード80により入力された数値は、X軸方向のオフセット量としてセットされて、記憶部78に記憶される。例えば、オフセット量が+値であれば、スライス肉Eの前記中心部から+X方向にオフセットされる。オフセット量が-値であれば、スライス肉Eの前記中心部から-X方向にオフセットされる。これにより、スライス肉Eの前記中心部から設定距離偏倚した部位が、このスライス肉Eにおける被採取時の支持基準点として設定される(請求項6の「第2状態」が選択された場合)。
前記ロボットコントローラ70は、演算機能及び記憶部を有するコンピュータで構成してもよく、或いは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成してもよい。図9に示すように、ロボットコントローラ70は、スライサー12を制御するスライサーコントローラ90と、通信を行う。スライサーコントローラ90は、ロボットコントローラ70から盛付完了信号を入力すると、前記サーボモータ91を制御してコンベア16を前記間歇駆動、或いは、前記連続駆動して、加工されたスライス肉Eを採取位置Tまで搬送する。
具体的には、図2に示すように、コンベア16によって搬送されるスライス肉E群が採取位置Tに到達した際に、スライサーコントローラ90から、ロボットコントローラ70に採取開始信号が出力される。採取位置Tに順次到達するスライス肉Eの盛り付け領域への盛付けが全て完了した際には、ロボットコントローラ70からスライサーコントローラ90に盛付完了信号が出力される。ここで、スライサーコントローラ90は、サーボモータ91を制御して、切り出されたスライス肉Eを、ベルト15により下流側へ搬送する。このように、ロボットコントローラ70への、スライサーコントローラ90からの「採取開始信号」の入力によって、搬送面15aのスライス肉E群の移動状態と、該搬送面15a上の食品であるスライス肉E群を採取するタイミングとを同期させるようにしている。
(第1実施形態の作用)
次に、上記のように構成された食品盛り付け方法、ハンド装置40、食品盛り付け装置10、及び食品盛り付け制御装置70の作用を説明する。図10及び図11は、前記ロボット制御プログラムをロボットコントローラ70の制御部77が実行する場合のフローチャートである。ロボットアーム22の制御対象である制御点は、ハンド装置40において、上部ベルト部50が巻回される上部ガイド板47aの先端(下端)の幅方向(X軸方向)の中央部である。前記ロボット制御プログラムにより、図12に示すように制御点を後述するポイントP0~P7に移動させることになる。なお、制御点は、ポイントP0~P7の円の中心である。
(S10)
ロボット制御プログラムが起動されると、S10では、制御部77は、ロボットアーム22及びハンド装置40の直動体43及びアーム57をそれぞれ開始位置(初期位置)に設定する。直動体43の初期位置は、位置I2(図3参照)である。アーム57の初期位置は、開位置(図7参照)である。
ロボットアーム22の開始位置(初期位置)は、スライス肉Eの採取位置Tから、該スライス肉Eに接触しないように-Y側へ所定距離離間したオフセット位置の略直上方において、ハンド装置40が搬送面15a上から所定距離離間したポイントP0である。ポイントP0は、待機位置に相当する。
(S12)
S12では、制御部77は、第1搬送装置14のベルト15に載置されて採取位置Tへ搬送中の複数枚が鱗列配置されたスライス肉E群の種類等の属性をスライサーコントローラ90から入力する。前記属性には、スライサー12に設けられた図示しない厚さ(高さ)センサからスライス前の塊状肉の先端部の厚さ(高さ)の検出結果も含む。なお、厚さ(高さ)は、スライス肉Eを搬送面15a上に寝かせて置いたときの搬送面15a上でのY軸方向での長さに相当する。
また、前記スライス肉E群の種類の中には、スライス肉E群を構成するスライス肉Eの枚数を含む。
画像処理部79は、カメラ87で撮像したスライス肉E群の画像の画像処理を行い、この画像処理の結果に基づいて、スライス肉E群の大きさ(スライス肉Eの長手方向(X軸方向)での長さ)と面積を取得する。ここで、スライス肉Eの厚さ(高さ)及び大きさが、予め設定された厚さ基準値及び大きさ基準値に達していない場合、このスライス肉を図示しない装置等により排除する。なお、排除方法は、本明細書の開示目的ではないため、説明を省略する。
以下では、スライス肉Eが両基準値を満たしている場合として説明する。
(S14)
S14では、制御部77は、スライス肉Eの厚さ(高さ)及び大きさ、スライス肉Eの枚数、盛り付け領域R上のトレイ88の大きさ(縦×横×高さ)に基づき参照テーブルの参照により、列当たりの上限実行回数N及び所定列数Mを設定する。
列当たりの上限実行回数Nは、列当たりに配置されるスライス肉E群の数と一致する。参照テーブルは、記憶部78に予め記憶されている。この設定により、トレイ88(盛り付け領域R)に盛り付けられるスライス肉Eの総数が決定される。
例えば、所定の大きさのトレイを前提として、スライス肉E群の鱗列配置されたスライス肉Eの枚数が3枚の場合は、上限実行回数Nを「3」とし、所定列数Mは「2」とされる。一方、同じ所定の大きさのトレイを前提として、スライス肉E群の鱗列配置されたスライス肉Eの枚数を7枚としたときは、上限実行回数Nを「1」とし、所定列数Mは「1」と設定される。なお、これらは例示であって、限定するものではない。
(S16)
S16では、制御部77は、列数カウンタのカウント値m及び実行回数カウンタのカウント値nをそれぞれ1をセットし、S18の「スライス肉盛り付け処理」に移行する。
(S18:スライス肉盛り付け処理)
図11に示すS100~S120は、S18におけるスライス肉盛り付け処理のフローチャートである。本実施形態では、前述したように盛り付け領域Rに載置されたトレイ88に対してスライス肉Eが盛り付けられる。図13(a)及び図13(b)は、第1実施形態の盛り付け領域に配置されたトレイ88のスライス肉配置の説明図である。
<リリース開始点Rmn>
図13(a)に示すようにトレイ88内、またはトレイ88内と下流側近傍には、複数のスライス肉配置を実現するための、リリース開始点Rmnが行列状に配置される。図13(a)、図13(b)では、リリース開始点Rmnは「×」で示している。図13(a)に示すように各列は行方向に並ぶ。なお、リリース開始点Rmnの設定については、後述する。
リリース開始点に付した(m,n)中のmは、前述の列数カウンタのカウント値mと一致する列番号である。(m,n)中のnは、前述の実行回数カウンタのカウント値nと一致する番号である。
本実施形態では、(m,n)=(1,1),(2,1)……,(1,2),(2,2)……,(M,N)のように第1列から実行順にスライス肉盛り付け処理され、1つの列が終了すると、次の若い列において同様に処理される。
本実施形態では、第1列を意味する「m=1」は、トレイ88において、第1搬送装置14の最右側に並ぶ列である。各列において、「n=1」は、トレイ88において、スライサー12側から見て最下流側である。本実施形態では上記の通りであるが、これに限定されない。食品の態様によって、第1列を意味する「m=1」を、トレイ88において、第1搬送装置14の最左側に並ぶ列とするように逆にしてもよい。以下、「スライス肉盛り付け処理」を詳述する。
(S100)
S100では、制御部77は「採取目標位置設定処理」及び「軌道生成処理」を行う。
<採取目標位置設定処理>
採取目標位置設定処理を説明する。画像処理部79で得られたスライス肉E群の大きさに基づいて、スライス肉Eの長さの半分の中心部または中心部の近傍の位置を被採取時の支持基準点Bとして設定する。図2、図13(a)、及び図13(b)では、スライス肉E群のうち、最下流側に位置するスライス肉の側縁部に対して支持基準点Bを示している。
記憶部78には、被採取時の支持基準点BのX軸方向のオフセット量、及び-Y側へのオフセット量Δyが予め記憶されている。制御部77は、記憶部78から、+軸方向、-Y側へオフセットしたオフセット量を読み出して、そのオフセット量分加算または減算する。
-Y側へのオフセット量Δyは、スライス肉E群の種類により、予め設定される。-Y側へのオフセット量Δyは、スライス肉E群が、三枚重ね、4枚重ね等のように鱗列配置におけるスライス肉Eの枚数が多くなるほど、長くされ、かつ、当該スライス肉E群のY軸方向長さを若干超えるように設定される。このように-Y側へのオフセット量Δyを有することにより、後述するポイントP1は、被採取時の支持基準点Bを基準にして-Y側へオフセット量Δy分偏倚した値に設定される(図13(a)参照)。
また、X軸方向のオフセット量は、前記キーボード80、テンキー等により、変更可能である。
<軌道生成処理>
軌道生成処理は、図12に示すポイントP0~P7、及びポイントP7からポイントP0へ戻る軌道の生成処理であり、時間毎のハンド装置40の位置、姿勢、速度、加速度を制御部77が演算する。
<ハンド装置40の位置について>
ポイントP0~P7を図12を参照して説明する。以下、ここでは、前述した制御点をハンド装置40の位置ということもある。ポイントP0は前述したロボットアーム22の初期位置であり固定値である。ポイントP0は、第1搬送装置14のベルト15の中心線O(図2、図13(a)参照)の直上方において、上部ベルト部50、及び下部ベルト部53を含む採取部35が搬送面15aに接触しない高さを有する位置である。
ポイントP1は、ポイントP0の下方に位置して、採取位置Tの被採取時の支持基準点Bから-Y側にオフセット量Δy分偏倚した位置に位置するスライス肉Eを採取するときのハンド装置40の位置である。ポイントP1は前記採取目標位置である。
ポイントP1は、図14に示すように、採取部35の上部ベルト部50の先端(下端)が、搬送面15aに対して摺動可能な高さに設定される。ポイントP1は、後のS104で変更(補正)されるが、S100での扱いは固定値である。S104で変更される前のポイントP1のX座標は、ポイントP0と同じ値である。
ポイントP2は、ポイントP1のX座標値及びZ座標値を同じ値とする。ポイントP2のY座標値は、ポイントP1のY座標値よりも下流側(+Y側)に位置する値である。この値は、スライス肉E群のY方向長さよりも長くしている。ポイントP2のY座標値は、ベルト15で採取位置Tまで搬送されるスライス肉E群が、予め設定されている大きさの範囲内であれば、固定値としてもよい。ポイントP2のY座標値を可変値とする場合は、画像処理部79において、画像処理結果に基づいてスライス肉E群のY方向長さを取得し、この長さ分をポイントP1のY座標値に加算した値よりも若干大きな値にすることが好ましい。
ポイントP1からポイントP2まで、ハンド装置40が+Y側へ、すなわち、前進方向へ移動することにより、搬送面15a上(略同一平面上)にある採取位置Tに位置するスライス肉E群を採取部35が掬い上げを可能とする。
ポイントP3のX及びY座標値は、ポイントP2のX及びY座標値と同じとしている。ポイントP3のZ座標値は、ポイントP2のZ座標値よりも大きく(高く)している。このポイントP3の搬送面15aからの高さは、ハンド装置40の採取部35がスライス肉E群を掬い上げた状態で、ポイントP3まで上昇した際に、該スライス肉E群の両端が、搬送面15aに触れない高さとしている。
(ポイントP4~P7について)
次にポイントP4~P7について説明する。
説明の便宜上、ポイントP5から説明する。スライス肉Eを採取部35からリリースを開始するリリース開始点Rmnは前述したように行列状に配置されるため、複数設定される。図12に示すポイントP4~ポイントP7中、ポイントP5がリリース開始点Rmnとなる。
ポイントP5は、ベルト19の搬送面19a上から離間するように配置する。搬送面19aからのポイントP5の離間距離(高さ)は、掬い上げられたスライス肉E群が採取部35からトレイ88または盛り付け領域Rに降ろされる際に、折り畳み部55A、55Bにて折り畳まれた端部がその状態を保持する高さであればよい。なお、ポイントP5は、トレイ88の上方に位置せずに、トレイ88から外れた領域にある場合もある。この場合は、ポイントP5のZ座標値は、トレイ88の周壁88aを通過する際に、ハンド装置40の採取部35及び閉位置にアーム57が位置しているときの折り畳み材58が、周壁88aと干渉しない高さに設定される。
ポイントP4は、そのX及びY座標値を、ポイントP5(リリース開始点Rmn)のX及びY座標値と同じ値としている。ポイントP4のZ座標値は、ポイントP5のZ座標値よりも高さが高くなるように設定される。ポイントP4のZ座標値は、たとえば、ポイントP3のZ座標値と同じ座標値であってもよいが、この値に限定されない。
ポイントP6は、リリース終了点である。ポイントP6のX座標値及びZ座標値は、ポイントP5のX座標値及びZ座標値と同じとしている。ポイントP6のY座標値は、ポイントP5のY座標値よりも-Y側(上流側)に位置するように設定される。詳しくは、ハンド装置40が、ポイントP5からポイントP6まで移動(後進)する時間内に、採取部35が掬い上げたスライス肉E群のリリースを完了するように、そのY座標値が設定される。すなわち、ハンド装置40の両ポイント間の後進時の移動速度、上部ベルト部50上に掬い上げられたスライス肉E群の掬い上げ量(すなわち、ベルト上での移動量)、及び上部ベルト部50(下部ベルト部53)のリリース速度に応じて設定される。なお、前記両ポイント間の後進時の移動速度と、前記掬い上げ量は、スライス肉E群の種類により、予め設定される。すなわち、スライス肉E群の上部ベルト部50上への掬い上げはハンド装置40がポイントP1からポイントP2間を移動する際に実行され、このときの上部ベルト部50の速度と実行時間により、算出可能である。
ポイントP7のX座標値及びY座標値は、ポイントP6のX座標値及びY座標値と同じに設定される。ポイントP7のZ座標値は、ポイントP6のZ座標値よりも高さを高くするように設定される。たとえば、ポイントP0のZ座標値と同じにしてもよい。なお、ポイントP7のZ座標値はポイントP0のZ座標値と同じに限定する必要はなく、異なっていてもよい。ただし、ポイントP0に効率的に戻るためには、ポイントP7のZ座標値は、ポイントP0のZ座標値と同値、或いは近い値が好ましい。
<リリース開始点Rmnについて>
リリース開始点Rmnについて説明する。
リリース開始点は、スライス肉E群の種類、トレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)に応じて作成された前記参照テーブルが記憶部78に記憶されている。前記参照テーブルには、スライス肉E群の種類、及びトレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)の組み合わせが記述されている。その組み合わせ毎に、スライス肉E群の列数、列当たりの上限実行回数Nが記述されている。これに合わせて、各列におけるリリース開始点Rmnについての属性データが記述されている。
各リリース開始点Rmnは、属性データとしてX軸比率(Xkmn)及びY軸比率(Ykmn)を有する。リリース開始点RmnのX座標値と基準点RaのX座標値との差をΔXmnとする。X軸比率(Xkmn)は、下記式で得られている。なお、本実施形態では、基準点Raを盛り付け領域Rの1コーナの点としているが、これに限定するものではなく、他の点であってもよい。
Xkmn=ΔXmn/r2(盛り付け領域RのX軸方向長さ)
従って、リリース開始点RmnのX座標値は、下記式にて算出される。
リリース開始点RmnのX座標値=
RaのX座標値 + r2×Xkmn
リリース開始点RmnのY座標値と基準点RaのY座標値との差をΔYmnとする。Y軸比率(Ykmn)は、下記式で得られている。
Ykmn=ΔYmn/r1(盛り付け領域RのY軸方向長さ)
従って、リリース開始点RmnのY座標値は、下記式にて算出される。
リリース開始点RmnのY座標値=
RaのY座標値 - r1×Ykmn
各リリース開始点RmnのZ座標値は、基準点Raと同じ水平面にあるとして、同じ値としている。各リリース開始点Rmnは、図13(a)に示す盛り付け領域Rに設定された基準点Raの三次元座標を基準にした三次元座標で与えられる。
上記説明では、各リリース開始点Rmnの属性データとして、X軸比率、X軸比率を有するようにしている。これに代えて、各リリース開始点Rmnの属性データをベクトルで表してもよい。このベクトルは、既知とした基準点からの距離及び前記基準点を通過する基準線と各リリース開始点Rmnを通過する直線間の角度とする。このベクトルに基づいて、各リリース開始点RmnのX座標値及びY座標値を算出してもよい。
また、S14の参照テーブルに各リリース開始点Rmnの三次元座標をトレイ88の大きさ毎に関連付けし、S14でトレイ88の大きさが決定された際、トレイ88に関連付けした各リリース開始点Rmnの三次元座標を参照するようにしてもよい。
なお、二列目以後の列のリリース開始点Rmnは、先に盛り付けされた隣接する他の列のスライス肉E群に対して当該列に降ろされるスライス肉E群が、重なった状態で盛り付けが可能であることが好ましい。かつ、二列目以後のリリース開始点Rmnは、トレイ88の-X側に位置する周壁88aにかからないように配置されることが好ましい。
また、参照テーブルには、スライス肉E群の種類、及びトレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)の組み合わせ毎に、各列におけるスライス肉Eの端部の折り畳み種類が記述されている。スライス肉Eの端部の折り畳み種類には、スライス肉Eの一方の端部のみを折り畳む場合と、両方の端部を折り畳むことを含む。
本実施形態では、トレイ88に対して2列のスライス肉E群の盛り付けがされるとともに、折り畳み種類が下記のように設定されているものとして説明する。+X側(右側)の周壁88aに近い側から、盛り付けが開始される際、最初の列(第1列)では、+X側(右側)のスライス肉Eの端部が折り畳まれ、第2列では、+X側(右側)及び-X側(左側)の両端部が折り畳まれる。
すなわち、スライス肉Eの両端部を折り畳み部55A,55Bによって折り畳む第1状態と、スライス肉Eの一方の端部のみを折り畳み部55A/55Bによって折り畳む第2状態とが、盛り付けが行われる列に応じて自動的に選択される構成とする。
これにより、第1状態が選択された場合には、コンベア16による搬送方向と平面視で交差する方向におけるスライス肉Eの中心部が、このスライス肉Eにおける被採取時の支持基準点として設定される。一方、第2状態が選択された場合には、スライス肉Eの中心部から設定距離偏倚した部位が、このスライス肉Eにおける被採取時の支持基準点として設定される。
<ハンド装置40の姿勢について>
制御部77は、全軌道において、ハンド装置40の採取部35が図14に示すように、上部ベルト部50(下部ベルト部53)の先端(下端)が、+Y側及び下向くように、すなわち、搬送面15aに対して所定角度で傾くように姿勢保持する姿勢制御を行う。
<各ポイトン間の速度、加速度について>
制御部77は、前記ハンド装置40(制御点)の各ポイント間の速度、加速度について、例えば、等速度制御、台形速度制御を可能に算出する。後述する各ステップにおける各ポイントへのハンド装置40の移動は、S100で算出され、或いは設定された座標値、速度、加速度、及び姿勢(前記関節角度)に基づいてロボットアーム22が制御されることにより実現される。
以下の説明では、ハンド装置40のポイント間の移動と、ハンド装置40の採取部35及び折り畳み部55A、55Bに関する動作を主に説明する。ハンド装置40の姿勢及びハンド装置40(制御点)の速度、加速度等については、上述した演算結果等に基づいて制御するものと理解されたい。
(S102)
S102では、制御部77は、スライサーコントローラ90からスライス肉Eが採取位置Tに移載した際に出力する採取開始信号の受信を待つ。採取開始信号を受信すると、制御部77は、S104に移行する。
(S104)
S104では、制御部77は、ポイントP1の3次元座標のうち、X座標値をS100で得られた採取目標位置におけるX座標値に変更する。なお、採取目標位置のY座標値及びZ座標値は変更しない。
ポイントP1は、図14に示すように、採取部35の上部ベルト部50の先端(下端)が、搬送面15aに対して摺動可能な高さに設定される。
(S106)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40を開始位置(ポイントP0)からポイントP1へ移動させて、上部ベルト部50の先端(下端)を搬送面15aに接するように配置する。
(S108)
図12に示すように、制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP1から+Y側に位置する採取目標位置であるポイントP2まで前進させる。この移動中にあわせて、制御部77は、サーボモータ42を制御して上部ベルト部50の上行部を図6に示すA方向を作動して、図14に示すように搬送面15a上のスライス肉Eを前記掬い上げ量で掬い上げる。前記掬い上げ量は、スライス肉E群の種類がスライス肉の枚数が多いほどスライス肉E群のY軸方向の長さは長くなる。このため、その長さ分のスライス肉E群を掬い上げ可能に、掬い上げ量を大きくしている。
(S110)
図12に示すように制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP2からポイントP3に移動させる。この移動中、制御部77は、+X側(右側)の折り畳み部55Aのロータリーアクチュエータ56を制御して、開位置に位置するアーム57を閉位置に移動させる。
ポイントP2からハンド装置40が上昇した際に、スライス肉E群の一端部が垂れ下がるが、この端部は、閉位置に移動するアーム57の折り畳み材58により、下部ベルト部53の下行部に接するようにして折り畳まれる。図8には、折り畳み部55Aのアーム57が閉位置に位置している場合に、スライス肉Eの下端部を折り畳みしている状態が示されている。なお、S110では、ハンド装置40の上昇中に折り畳み部55Aを閉位置に移動させたが、ハンド装置40が上昇した後に折り畳み部55Aを閉位置に移動させてもよい。
上部ベルト部50にて採取位置Tに位置するスライス肉E群の中間部を掬い上げること、及び折り畳み部55Aにて、スライス肉E群の一方の端部を下部ベルト部53に向けて折り畳むことは請求項1の第1工程に相当する。
(S112)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP3からポイントP4に移動させる。このとき、制御部77は台形の上辺の移動速度が高速の速度となるように台形速度制御を行う。このポイントP4へのハンド装置40の移動により、この後にハンド装置40が盛り付け領域R上に移動する際、スライス肉Eまたはハンド装置40と周壁88aとの干渉が回避される。
(S114)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP4かポイントP5のリリース開始点に移動させる。このポイントP5は、今回、スライス肉Eが降ろされるリリース開始点Rmnが属する第m番目の列の上に存在する。
ポイントP3からポイントP4を介してポイントP5へのハンド装置40の移動は、請求項1の第2工程に相当する。
(S116)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図12に示すようにハンド装置40をポイントP5からポイントP6へ後進させる。なお、ポイントP5からポイントP6までの移動は、下方及び下方とは直交する方向の移動である。
このポイントP5からポイントP6への後進中に、制御部77は、サーボモータ42を制御して、直動体43を作動させて上部ベルト部50の上行部を図6のB方向にリリース移動させる。これにより、上部ベルト部50の上行部に掬い上げられていたスライス肉E群は、図15に示すように、上部ベルト部50から降ろされてトレイ88の内底面に盛り付けられる(図13(a)参照)。
S116のポイントP5からポイントP6への後進中に、制御部77は、サーボモータ42を制御して、直動体43を作動させて上部ベルト部50の上行部を図6のB方向にリリース移動させることは、請求項1の第3工程に相当する。
(S118)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図12に示すようにハンド装置40をポイントP6からポイントP7に移動させる。
(S120)
制御部77は、ハンド装置40がポイントP7に移動した後、+X側(右側)の折り畳み部55Bのロータリーアクチュエータ56を制御して、閉位置に位置するアーム57を開位置に移動させる。
(S122)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図12に示すようにハンド装置40をポイントP7から開始位置のポイントP0に移動させる。
以上で、今回のリリース開始点Rmnを含む各ポイントの移動及び盛り付け処理が終了する。
(S20)
上記のように今回のスライス肉盛り付け処理が終了後、図10に示すようにS20では、制御部77は、実行回数カウンタのカウント値nをインクリメントする。
(S22)
S22では、制御部77は、実行回数カウンタのカウント値nが、上限実行回数Nを超えているか否かを判定する。カウント値nが上限実行回数Nを超えていない場合、制御部77は、スライサーコントローラ90に盛付完了信号を出力後、S18にリターンして、現在の列mにおいて、次の実行順のリリース開始点Rmnに対するスライス肉盛り付け処理を行う。従って、このスライス肉盛り付け処理は、列当たりに上限実行回数N分実行されることになる。カウント値nが、上限実行回数Nを超えている場合には、S24に移行する。
(S24)
S24では、制御部77は、列数カウンタのカウント値mをインクリメントする。
(S26)
S26では、制御部77は、列数カウンタのカウント値mが、所定列数Mを超えていない場合には、S28に移行し、列数カウンタのカウント値mが、所定列数Mを超えている場合には、このフローチャートの処理を一旦終了する。すなわち、トレイ88へのスライス肉Eの盛り付けが終了する。所定列数M及び上限実行回数Nは、それぞれ少なくとも1以上であればよい。
(S28)
S28では、制御部77は、実行回数カウンタのカウント値nを1にセットし、スライサーコントローラ90に対して盛付完了信号を出力してS18にリターンする。従って、S28からS18にリターンすると、次の列におけるスライス肉盛り付け処理が実行される。
なお、上述のように、本実施形態では、トレイ88に対して2列のスライス肉E群の盛り付けがされるとともに、最初の列(第1列)ではスライス肉Eの+X側(右側)の端部のみが折り畳まれ、第2列では、スライス肉Eの+X側(右側)及び-X側(左側)の両端部が折り畳まれることとしている。
このため、第2列においては、S110では、折り畳み部55A、55Bのアーム57が開位置から閉位置に移動して、折り畳み材58にてスライス肉Eの左右両端部を折り畳む。なお、折り畳み部55A、55Bのアーム57が開位置から閉位置に移動は、ハンド装置40の上昇後において行ってもよい。また、第2列において、S118では折り畳み部55A、55Bのアーム57が閉位置から開位置に移動する。
図13(a)は、リリース開始点Rmn=R11に、スライス肉Eの盛り付けが終了した状態のトレイ88を平面視した例である。図13(a)において、スライス肉E群の+X側の太線は、スライス肉の右側端部が折り畳まれたことを示している。図13(b)は、リリース開始点Rmn=R21に、スライス肉Eの盛り付けが終了した状態のトレイ88を平面視した例である。図13(b)において、スライス肉E群の+X側及び-X側の太線は、スライス肉の左右両端部が折り畳まれたことを示している。
本実施形態及び変形例では、下記の特徴を有する。
(1)食品盛り付け方法の第1工程は、ハンド装置40を、食品の搬送方向下流側へ前進させながら、上部ベルト部50を駆動して採取位置Tに位置する食品を掬い上げて支持する。これによって垂れ下がった食品の端部をハンド装置40が備える折り畳み部55A、55Bによって前記下部ベルト部53に向けて折り畳む。第2工程では、採取位置Tから離間した盛り付け領域R上にハンド装置40を移動させる。第3工程では、盛り付け領域Rにおいて、前記ハンド装置40を、後進させながら上部ベルト部50及び下部ベルト部53を逆方向に駆動し食品の前記上部ベルト部50による被支持部及び下部ベルト部53に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、食品を盛り付け領域Rら移載する。
この結果、柔らかい食品の盛り付けを好適に行える。また、ロボットのロボットアームに前記ハンド装置を搭載して、コンピュータでこの方法のステップで制御することにより、食品の盛り付けの自動化を容易に行うことも可能となる。
(2)本実施形態の方法では、盛り付け領域Rには、食品を所定列数Mで配置するための複数のリリース開始点Rmnが設定され、この実行順に並ぶリリース開始点Rmn毎に、前記第1工程、前記第2工程、及び第3工程を順次実行する。そして、食品を盛り付ける。この結果、柔らかい食品の盛り付けを列状に配置することができる。また、列において配置されるリリース開始点Rmnを行方向にずらして配置すれば、行列状に配置することも可能となる。
(3)本実施形態の食品盛り付け方法では、採取位置Tが、食品を搬送するコンベア16の搬送面15a上に設定される。盛り付け領域Rは、コンベア16の搬送面15aを除く所定の位置に設定される。コンベア16によって搬送される食品を採取位置Tにて採取し、盛り付け領域Rに盛り付ける。この結果、本実施形態によれば、コンベア16の搬送面15aを除く所定の位置に設定される盛り付け領域Rにおいて、柔らかい食品の盛り付けを好適に行える。
(4)本実施形態の食品盛り付け方法では、食品を搬送するコンベア16の間歇駆動または連続駆動による搬送面15aの移動状態と、搬送面15a上の食品を採取するタイミングとを同期させる。この結果、効率よく、食品を採取位置Tから盛り付け領域Rに盛り付けができる。
(5)本実施形態の食品盛り付け方法では、コンベア16によって搬送される採取対象の食品をカメラ87(撮像手段)によって撮像する。そして、この撮像結果に基づいて、食品における被採取時の支持基準点Bを、コンベア16による搬送方向と平面視で交差する方向における食品の中間部位に設定する。この結果、採取部35は、食品の中間部に被採取時の支持基準点Bを含まれるようにしているため、食品を安定して採取することが可能となる。
(6)本実施形態の食品盛り付け方法では、食品の両端部を折り畳み部55A、55Bによって折り畳む第1状態と、食品の一方の端部のみを前記折り畳み部55Aによって折り畳む第2状態とを選択可能とする。第1状態が選択された場合には、前記コンベア16による搬送方向と平面視で交差する方向における食品の中心部を、この食品における被採取時の支持基準点Bとして設定する。第2状態が選択された場合には、食品の中心部から設定距離偏倚した部位を、この食品における被採取時の支持基準点として設定する。この結果、第1状態と第2状態の選択に応じて、食品の端部の折り畳み状態に適した被採取時の支持基準点Bを取得することができる。
(7)本実施形態のロボットアーム22の先端に装着可能に設けられたハンド装置40は、斜め下方へ向かって延在する上部ベルト部50、及び下部ベルト部53を含む採取部35と、両ベルト部を正逆回転駆動するベルト駆動源を備える。ハンド装置40は、上部ベルト部50にて掬い上げられることによって垂れ下がった食品の端部を下部ベルト部側へ折り畳む折り畳み部55A、55Bを備える。ハンド装置40は、折り畳み部55A、55Bの折り畳み動作及び折り畳み解除を行わせる折り畳み部駆動源(ロータリーアクチュエータ56)を備える。上記構成により、上記(1)の食品盛り付け方法を容易に実現できる。
(8)本実施形態の食品盛り付け装置では、ロボットアーム22は、ハンド装置40を、食品が位置する採取位置Tから離間したポイントP0(待機位置)から、採取位置Tに移動させる構成とする。本装置では、ロボットアーム22にて、上部ベルト部50の先端(下端)を採取位置Tに位置する食品載置面(搬送面15a)と略同一平面上を沿わせながら前記ハンド装置を前記採取位置に前進させる。この際、ベルト駆動源44によって上部ベルト部50と下部ベルト部53を正回転駆動して食品を掬い上げて支持した後に、ハンド装置40を上昇させる構成とする。本装置ではハンド装置40の折り畳み部駆動源(ロータリーアクチュエータ56)は、ハンド装置40が上昇中、または上昇後に折り畳み部55A、55Bの折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を下部ベルト部53側へ折り畳む。本装置は、ロボットアーム22にて、採取位置Tから離間した盛り付け領域R上にハンド装置40を移動させた後、ハンド装置40を後進させながら、ベルト駆動源44によって両ベルト部を逆回転駆動して、食品の上部ベルト部による被支持部及び下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、食品を盛りつけ領域Rに盛り付ける。この上記構成により、上記(1)の食品盛り付け方法を容易に実現できる。なお、本実施形態では、ハンド装置40をポイントP1からP2へ前進させる際に、上部ベルト部50と下部ベルト部53を正回転駆動して食品を掬い上げて支持した後、ポイントP3へ上昇させる構成とした。これに代えて、ハンド装置40をポイントP1からP2への前進及びポイントP2からP3への上昇中において、上部ベルト部50と下部ベルト部53を正回転駆動して食品を掬い上げて支持してもよい。
(9)本実施形態の食品盛り付け制御装置は、制御部77が、ロボットアーム22を制御する第1制御機能とハンド装置40を制御する第2制御機能とを備える。第1制御機能により、ロボットアーム22を駆動制御して、ハンド装置40を食品に対して遠位のポイントP0(待機位置)から、食品が位置する近位の採取位置Tへ前進させる。このとき、上部ベルト部50の下端を採取位置Tに位置する搬送面15a(食品載置面)と略同一平面上を沿わせる。
第1制御機能により、ハンド装置40が採取位置Tへ前進する際、第2制御機能によって、ベルト駆動源44を駆動制御して、上部ベルト部50及び下部ベルト部53を正回転駆動して、食品を掬い上げて支持する。また、第1制御機能によって、ロボットアーム22を駆動制御して、ハンド装置40を上昇させて食品の端部を垂れ下げた状態にする。第2制御機能により、折り畳み部駆動源(ロータリーアクチュエータ56)を制御して、ハンド装置40の上昇中または上昇後に、折り畳み部55A、55Bの折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を下部ベルト部側へ折り畳む。第1制御機能によって、ロボットアームを駆動制御して、ハンド装置40を採取位置から離間した盛り付け領域R上に予め設定されたリリース開始点Rmnへ移動させた後に、盛り付け領域R上において後進させる。この後進中に、第2制御機能によって、ベルト駆動源44を駆動制御し、上部ベルト部50及び下部ベルト部53を逆回転駆動して、食品の被支持部及び下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を、両ベルト部から離脱させて食品を盛り付け領域Rに盛り付ける。この結果、本実施形態の制御装置により、上記(1)の食品盛り付け方法を容易に自動化できる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図16~図23を参照して説明する。
本実施形態のハンド装置、食品盛り付け装置及び食品盛り付け制御装置は、第1実施形態のハンド装置、食品盛り付け装置及び食品盛り付け制御装置のハード構成と同じであるため、第1実施形態と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
以下では、第2実施形態の食品盛り付け方法、及び食品盛り付け制御装置が実行するロボット制御プログラムについて説明する。
本実施形態では、図16に示すように、第1搬送装置14のベルト15上には、X軸方向に延在したスライス肉Eが所定ピッチで並んで搬送される。図16では、説明の便宜上、2つのスライス肉Eのみが図示されているが、採取位置Tから、-Y側のベルト15上には、さらに、複数のスライス肉Eが前記所定ピッチで搬送されてくると理解されたい。
(第2実施形態の作用)
図17及び図18は、前記ロボット制御プログラムをロボットコントローラ70の制御部77が実行する場合のフローチャートである。前記ロボット制御プログラムにより、図19に示すように制御点を後述するポイントP0~P18、及びP18~P0に移動させることになる。なお、制御点の移動位置はポイントP0~P18の円の中心である。以下のフローチャートでは、第1実施形態とは異なるステップを中心に説明する。
(S10)
S10は、第1実施形態と同様である。
(S12A)
S12Aでは、制御部77は、第1搬送装置14のベルト15にて採取位置Tへ搬送中のスライス肉Eの属性をスライサーコントローラ90から入力する。前記属性には、スライサー12に設けられた図示しない厚さ(高さ)センサからスライス前の塊状肉の先端部の厚さ(高さ)の検出結果も含む。なお、厚さ(高さ)は、スライス肉Eを搬送面15a上に寝かせて置いたときの搬送面15a上でのY軸方向での長さに相当する。また、前記属性には、前記スライス肉Eが並ぶ前記所定ピッチの値を含む。なお、所定ピッチは、記憶部78に予め記憶しておき、S12Aにおいて、制御部77が記憶部78から読み出してもよい。
画像処理部79は、カメラ87で撮像したスライス肉Eの画像の画像処理を行い、この画像処理の結果に基づいて、スライス肉Eの大きさ(スライス肉Eの長手方向(X軸方向)での長さ)と面積を取得する。ここで、スライス肉Eの厚さ(高さ)及び大きさが、予め設定された厚さ基準値及び大きさ基準値に達していない場合、このスライス肉を図示しない装置等により排除する。なお、排除方法は、本明細書の開示目的ではないため、説明を省略する。
以下では、スライス肉Eが両基準値を満たしている場合として説明する。
(S14A)
S14Aでは、制御部77は、スライス肉Eの厚さ(高さ)及び大きさ、トレイ88の大きさに基づく参照テーブルの参照により、トレイ88に盛り付けるスライス肉Eの総数、所定列数M及び列当たりの上限実行回数Nを設定する。参照テーブルは、記憶部78に予め記憶されている。
所定の大きさのトレイではスライス肉Eを複数列(たとえば2列)で並べる場合、スライス肉Eが配置されたスライス肉Eの大きさが中サイズ(普通サイズ)の場合は、盛り付け枚数を6枚、大サイズの場合は4枚、小サイズの場合は6枚とする。なお、これらは例示であって、限定するものではない。
(S16)
S16は、第1実施形態と同様である。
(S18A:スライス肉盛り付け処理)
図18に示す、S200~S224はS18Aにおけるスライス肉盛り付け処理のフローチャートである。本実施形態では、前述したように盛り付け領域Rに載置されたトレイ88に対してスライス肉Eが盛り付けられる。図20(a)及び図20(b)は、第2実施形態の盛り付け領域に配置されたトレイ88のスライス肉配置の説明図である。
(1サイクル目のリリース開始点Rmnの定義)
図20(a)に示すようにトレイ88内、またはトレイ88内と下流側近傍には、複数のスライス肉配置を実現するための、1サイクル目のリリース開始点Rmnが行列状に配置される。図20(a)に示すように各列は行方向(X軸方向)に並ぶ。なお、リリース開始点Rmnの設定については、後述する。図20(a)、図20(b)では、リリース開始点Rmnは「×」で示している。図20(a)及び図20(b)において、前述の「×」に隣接した「●」は、後述する2サイクル目のリリース開始点を示している。
1サイクル目のリリース開始点に付した(m,n)中のmは、前述の列数カウンタのカウント値mと一致する列番号である。(m,n)中のnは、前述の実行回数カウンタのカウント値nと一致する番号である。
本実施形態では、(m,n)=(1,1),(2,1)……,(1,2),(2,2)……,(M,N)のように第1列から実行順にスライス肉盛り付け処理され、1つの列が終了すると、次の若い列において同様に処理される。
本実施形態では、第1列を意味する「m=1」は、トレイ88において、第1搬送装置14の最右側に並ぶ列である。各列において、「n=1」は、トレイ88において、スライサー12側から見て最下流側である。本実施形態で上記の通りであるが、これに限定されない。食品の態様によって、第1列を意味する「m=1」を、トレイ88において、第1搬送装置14の最左側に並ぶ列とするように逆にしてもよい。以下、「スライス肉盛り付け処理」を詳述する。
(S200)
S200では、制御部77は「採取目標位置設定処理」及び「軌道生成処理」を行う。
<採取目標位置設定処理>
採取目標位置設定処理を説明する。画像処理部79で得られたスライス肉Eの大きさに基づいて、スライス肉Eの長手方向の中心部から設定距離偏倚した部位を被採取時の支持基準点Bにして、この被採取時の支持基準点B(ワールド座標系の三次元座標)を算出する。図20(a)、及び図20(b)では、スライス肉Eのうち、最下流側に位置するスライス肉の側縁部に対して被採取時の支持基準点Bを示している。ここで、図16に示す一対のスライス肉Eのうち、採取位置Tの線に最も近い(最下流側)のスライス肉Eは、基準位置食品に相当する。この基準位置食品から上流側に所定ピッチで離間する残りのスライス肉Eは離間食品に相当する。
本実施形態では、j(=2)個のスライス肉Eをハンド装置40で同時に採取して、個別に盛り付けるのである。なお、jは2以上の整数である。本実施形態では、前述のようにj=2とする。
記憶部78には、被採取時の支持基準点BのX軸方向のオフセット量、及び-Y側へのオフセット量Δyが予め記憶されている。制御部77は、記憶部78から、+軸方向、-Y側へオフセットしたオフセット量を読み出して、そのオフセット量分加算または減算する。
-Y側へのオフセット量Δyは、前記所定ピッチに応じて、予め設定される。本実施形態では、相互に隣接する一対のスライス肉Eを同時に掬い上げが可能に、-Y側へのオフセット量Δyは、前記所定ピッチが、長くなるほど大きく設定され、かつ、上流側のスライス肉EのY軸方向長さを若干超えるように設定される。このように-Y側へのオフセット量Δyを有することにより、後述するポイントP11は、被採取時の支持基準点Bを基準にして-Y側へオフセット量Δy分偏倚した値に設定される(図13(a)参照)。また、X軸方向のオフセット量は、前記キーボード80、テンキー等により、変更可能である。スライス肉Eの一方の端部のみを折り畳み部によって折り畳み、他方の端部を折り畳まない場合、折り畳まない方の端部の全部が、上部ベルト部50の上行部にて支持されるように、X軸方向のオフセット量が設定される。すなわち、折り畳まれない端部が垂れ下がらないようにX軸方向のオフセット量が設定される。
<軌道生成処理>
軌道生成処理は、図19に示すポイントP0~P18、及びP18~P0を含む軌道の生成処理であり、時間毎のハンド装置40の位置、姿勢、速度、加速度を制御部77が演算する。
<ハンド装置40の位置について>
ポイントP0~P16を図19を参照して説明する。ロボットアーム22の制御点は、第1実施形態と同様である。
ポイントP0は第1実施形態と同様にロボットアーム22の初期位置であり固定値である。ポイントP0は、第1搬送装置14のベルト15の中心線O(図16参照)の直上方において、上部ベルト部50、及び下部ベルト部53を含む採取部35が搬送面15aに接触しない高さを有する位置である。
ポイントP11は、ポイントP0の下方に位置して、採取位置Tの被採取時の支持基準点Bから-Y側にオフセット量Δy分偏倚した位置に位置するスライス肉Eを採取するときのハンド装置40の位置である。ポイントP11は前記採取目標位置である。
ポイントP11は、図21に示すように、採取部35の上部ベルト部50の先端(下端)が、搬送面15aに対して摺動可能な高さに設定される。ポイントP11は、後のS204で変更(補正)されるが、S200での扱いは固定値である。S204で変更される前のポイントP11のX座標は、ポイントP0と同じ値である。
ポイントP12は、ポイントP11のX座標値及びZ座標値を同じ値とする。ポイントP12のY座標値は、ポイントP1のY座標値よりも下流側(+Y側)に位置する値である。ポイントP12とポイントP11のY方向における離間距離は前記オフセット量Δyに等しくする。ポイントP11からポイントP12まで、ハンド装置40が+Y側へ、すなわち、前進方向へ移動することにより、ポイントP11からポイントP12間に位置する一対のスライス肉Eを採取部35が掬い上げを可能とする。
ポイントP13のX及びY座標値は、ポイントP12のX及びY座標値と同じとしている。ポイントP13のZ座標値は、ポイントP12のZ座標値よりも大きく(高く)している。このポイントP13の搬送面15aからの高さは、ハンド装置40の採取部35がスライス肉Eを掬い上げた状態で、ポイントP13まで上昇した際に、このポイントP13で折り畳み部55A,55Bを作動させ、スライス肉Eの端部を折り畳む。
(ポイントP14~P16について)
次にポイントP14~P16について説明する。
説明の便宜上、ポイントP15から説明する。スライス肉Eを採取部35からリリースを開始する1サイクル目のリリース開始点Rmnは前述したように行列状に配置されるため、複数設定される。図19に示すポイントP14~ポイントP16中、ポイントP1が1サイクル目のリリース開始点Rmnとなる。
ポイントP15は、ベルト19の搬送面19aから離間するように配置する。搬送面19aからのポイントP5の離間距離は、採取部35にて掬い上げたスライス肉Eが採取部35からトレイ88または盛り付け領域Rに降ろされる際、折り畳み部55A、55Bにて折り畳まれた端部がその状態を保持する高さであればよい。なお、ポイントP15は、トレイ88の上方に位置せずに、トレイ88から外れた領域にある場合もある。この場合は、ポイントP5のZ座標値は、ハンド装置40の採取部35(特に、下部ベルト部53)及び閉位置にアーム57が位置しているときの折り畳み材58が、トレイ88の周壁88aを通過する際に、周壁88aと干渉しない高さに設定される。
ポイントP14は、そのX及びY座標値を、ポイントP15(1サイクル目のリリース開始点Rmn)のX及びY座標値と同じ値としている。ポイントP14のZ座標値は、ポイントP15のZ座標値よりも高さが高くなるように設定される。ポイントP14のZ座標値は、たとえば、ポイントP13のZ座標値と同じ座標値であってもよいが、この値に限定されない。
<1サイクル目のリリース終了点>
ポイントP16は、1サイクル目のリリース終了点である。ポイントP16のX座標値及びZ座標値は、ポイントP15のX座標値及びZ座標値と同じとしている。ポイントP16のY座標値は、ポイントP15のY座標値よりも-Y側に位置するように設定される。詳しくは、ハンド装置40が、ポイントP15からポイントP16まで移動(後進)する時間内に、採取部35が掬い上げた一対のスライス肉Eのうち、下流側に位置するスライス肉Eのリリースを完了するように、そのY座標値が設定される。すなわち、ハンド装置40の両ポイント間の移動速度と、下流側に位置するスライス肉Eの上部ベルト部50上への上部ベルト部50上に掬い上げられたスライス肉Eの最下部の移動量と、上部ベルト部50のリリース速度に応じて設定される。なお、前記両ポイント間の移動速度と、スライス肉Eの上部ベルト部50上への掬い上げ量は、前記所定ピッチに基づいて、予め設定される。
<2サイクル目のリリース開始点>
ポイントP17は、2サイクル目のリリース開始点である。ポイントP17のX座標値及びZ座標値は、ポイントP16と同じである。なお、図19では、ポイントP17、P18のベルト19からの高さを説明の便宜上、ポイントP16よりも高く図示している。
ポイントP17のY座標値は、ポイントP16よりも+Y側へ移動した値で設定される。前記Y座標値は、ポイントP15~P16へハンド装置40が後進中に採取部35からリリースされてトレイ88の内底面に載置された下流側のスライス肉Eに対して、上流側に隣接する位置、または、上流側の一部を覆い被す位置となるように設定される。このY座標値は、予め試験値等により得られた値を採用すればよい。
<2サイクル目のリリース終了点>
ポイントP18は、2サイクル目のリリース終了点である。ポイントP18のX座標値及びZ座標値は、ポイントP17のX座標値及びZ座標値と同じに設定される。ポイントP18のY座標値は、ハンド装置40が、ポイントP17からポイントP18まで移動(後進)する時間内に、残るスライス肉Eのリリースを完了するように、そのY座標値が設定される。
<1サイクル目のリリース開始点Rmnについて>
1サイクル目のリリース開始点Rmnについて説明する。
1サイクル目のリリース開始点は、トレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)に応じて作成された前記参照テーブルが記憶部78に記憶されている。前記参照テーブルには、及びトレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)の組み合わせが記述されている。その組み合わせ毎に、スライス肉Eの列数、列当たりの上限実行回数Nが記述されている。これに合わせて、各列における1サイクル目のリリース開始点Rmnについての属性データが記述されている。
各リリース開始点Rmnは、属性データとしてX軸比率(Xkmn)及びY軸比率(Ykmn)を有する。リリース開始点RmnのX座標値と基準点RaのX座標値との差をΔXmnとする。X軸比率(Xkmn)及びY軸比率(Ykmn)は、第1実施形態で説明した式で得られる。各リリース開始点RmnのZ座標値は、基準点Raと同じ水平面にあるとして、同じ値としている。
各リリース開始点Rmnは、図13(a)に示す盛り付け領域Rに設定された基準点Raの三次元座標を基準にした三次元座標で与えられる。
上記説明では、各リリース開始点Rmnの属性データとして、X軸比率、X軸比率を有するようにしている。これに代えて、各リリース開始点Rmnの属性データを第1実施形態と同様にベクトルで表してもよい。
さらに、前記参照テーブルに対して各リリース開始点Rmnの三次元座標をトレイ88の大きさ毎に関連付けし、S14Aでトレイ88の大きさが決定された際、トレイ88に関連付けられた各リリース開始点Rmnの三次元座標を参照してもよい。
なお、二列目以降の列のリリース開始点Rmnは、先に盛り付けされた隣接する他の列のスライス肉Eに対して当該列に降ろされるスライス肉Eが、重なった状態で盛り付けが可能であることが好ましい。かつ、二列目以降のリリース開始点Rmnは、トレイ88の-X側に位置する周壁88aにかからないように配置されることが好ましい。
また、参照テーブルには、及びトレイ88の大きさ(または、盛り付け領域Rの大きさ)の組み合わせ毎に、各列におけるスライス肉Eの端部の折り畳み種類が記述されている。スライス肉Eの端部の折り畳み種類には、スライス肉Eの一方の端部のみを折り畳む場合と、両方の端部を折り畳むことを含む。
本実施形態では、トレイ88に対して2列のスライス肉Eの盛り付けがされるとともに、各列とも、+X側(右側)のスライス肉Eの端部が折り畳まれる。
<ハンド装置40の姿勢について>
制御部77は、全軌道において、ハンド装置40の採取部35が図21に示すように、上部ベルト部50(下部ベルト部53)の先端(下端)が、+Y側及び下向くように、すなわち、搬送面15aに対して所定角度で傾くように姿勢保持する姿勢制御を行う。
<各ポイント間の速度、加速度について>
制御部77は、前記ハンド装置40(制御点)の各ポイント間の速度、加速度について、例えば、等速度制御、台形速度制御を可能に算出する。後述する各ステップにおける各ポイントへのハンド装置40の移動は、S100で算出され、或いは設定された座標値、速度、加速度、及び姿勢(前記関節角度)に基づいてロボットアーム22が制御されることにより実現される。
以下の説明では、ハンド装置40のポイント間の移動と、ハンド装置40の採取部35及び折り畳み部55A、55Bに関する動作を主に説明する。ハンド装置40の姿勢及びハンド装置40(制御点)の速度、加速度等については、上述した演算結果等に基づいて制御するものと理解されたい。
(S202)
S202では、制御部77は、スライサーコントローラ90からスライス肉Eが採取位置Tに移載した際に出力する採取開始信号の受信を待つ。採取開始信号を受信すると、制御部77は、S204に移行する。
(S204)
S204では、制御部77は、ポイントP11の3次元座標のうち、X座標値をS200で得られた採取目標位置におけるX座標値に変更する。なお、採取目標位置のY座標値及びZ座標値は変更しない。ポイントP11は、図21に示すように、採取部35の下部ベルト部53の先端(下端)が、搬送面15aに対して摺動可能な高さに設定される。
(S206)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40を開始位置(ポイントP0)からポイントP11へ移動させて、上部ベルト部50の先端(下端)を搬送面15aに接するように配置する。
(S208)
図20に示すように、制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP11から+Y側に位置する採取目標位置であるポイントP12まで移動させる。この移動中にあわせて、制御部77は、サーボモータ42を制御して上部ベルト部50の上行部を図6に示すA方向に掬い上げ量(移動量)分を作動して、図21に示すように搬送面15a上のスライス肉Eを掬い上げる。
(S210)
図19に示すように制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP12からポイントP13に移動させる。この移動中、制御部77は、+X側(右側)の折り畳み部55Aのロータリーアクチュエータ56を制御して、開位置に位置するアーム57を閉位置に移動させる。これにより、ポイントP12からハンド装置40が上昇した際に、スライス肉Eの両端部が垂れ下がるが、右側の端部は、閉位置に位置したアーム57の折り畳み材58により、下部ベルト部53の下行部に接するようにして折り畳まれる。
図8には、折り畳み部55Aのアーム57が閉位置に位置している場合に、スライス肉Eの下端部を折り畳みしている状態が示されている。なお、S210では、ハンド装置40の上昇中に折り畳み部55Aを閉位置に移動させたが、ハンド装置40が上昇した後に折り畳み部55Aを閉位置に移動させてもよい。S208の上部ベルト部50にて採取位置Tに位置するスライス肉Eの中間部を掬い上げること、及びS210の折り畳み部55Aにて、スライス肉Eの端部を下部ベルト部53に向けて折り畳むことは請求項1の第1工程に相当する。
(S212)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP13からポイントP14に移動させる。このとき、制御部77は台形の上辺の巡航速度が高速の速度となるように台形速度制御を行う。このポイントP14へのハンド装置40の移動により、スライス肉Eおよびハンド装置40がトレイ88の周壁88aの高さ以上にされて、この後にハンド装置40が盛り付け領域R上に移動する際、周壁88aとの干渉が回避される。
(S214)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、ハンド装置40をポイントP14からポイントP15のリリース開始点に移動させる。このポイントP15は、今回、スライス肉Eが降ろされるリリース開始点Rmnが属する第m番目の列の上に存在する。なお、ポイントP13からポイントP14を介してポイントP15までの前進は、1サイクル目の前進に相当する。ポイントP13からポイントP14を介してポイントP15へのハンド装置40の移動は、請求項1の第2工程に相当する。
(S216)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図19に示すようにハンド装置40をポイントP15から1サイクル目のリリース終了点であるポイントP16へ後進させる。なお、ポイントP15からポイントP16までの移動は、下方及び下方とは直交する方向の移動である。ここで、ポイントP15からポイントP16までの後進は、jを「1」とする、すなわち、1サイクル目の後進に相当する。
このポイントP15から1サイクル目のリリース終了点であるポイントP16への後進中に、制御部77は、サーボモータ42を制御して、直動体43を作動させて上部ベルト部50の上行部を図6のB方向にリリース作動させる。これにより、上部ベルト部50の上行部に掬い上げられていた際に下流側に位置するスライス肉Eは、図22に示すように、上部ベルト部50から降ろされてトレイ88の内底面に盛り付けられる。
S216のポイントP15からポイントP16への後進中に、制御部77が、サーボモータ42を制御して、直動体43を作動させて上部ベルト部50の上行部を図6のB方向にリリース移動させることは、請求項1の第3工程に相当する。
(S218)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図19に示すようにハンド装置40をポイントP16から2サイクル目のリリース開始点であるポイントP17に移動(前進)させる。なお、ポイントP16からポイントP17までの前進は、jを「2」とする、すなわち、2サイクル目の前進に相当する。
(S220)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図19に示すようにハンド装置40を2サイクル目のリリース開始点であるポイントP17から2サイクル目のリリース終了点であるポイントP18に移動(後進)させる。なお、ポイントP17からポイントP18までの後進は、2サイクル目の後進に相当する。
このポイントP17からポイントP18への後進中に、制御部77は、サーボモータ42を制御して、直動体43を作動させて上部ベルト部50の上行部を図6のB方向にリリース作動させる。これにより、上部ベルト部50の上行部に掬い上げられていた残りのスライス肉E(離間食品)は、図23に示すように、上部ベルト部50から降ろされてトレイ88の内底面に盛り付けられる。これにより、今回リリースされたスライス肉Eは、先にリリースされたスライス肉Eの上流側に隣接、または重なった状態で盛り付けられる。
(S222)
次に、制御部77は、ハンド装置40がポイントP18に移動した後、+X側(右側)の折り畳み部55Aのロータリーアクチュエータ56を制御して、閉位置に位置するアーム57を開位置に移動させる。なお、折り畳み部55A、55Bが閉位置に位置している例では、両アーム57を開位置に移動させる。或いは、折り畳み部55Bが閉位置に位置している例では、折り畳み部55Bのアーム57を開位置に移動させる。
(S224)
制御部77は、ロボットアーム22を制御して、図19に示すようにハンド装置40をポイントP7から開始位置のポイントP0に移動させる。
以上で、今回のリリース開始点Rmnを含む各ポイントの移動及び盛り付け処理が終了する。
図17のフローチャートに戻って、S18Aの「スライス肉盛り付け処理」tが終了すると、S20~S28の処理が制御部77により実行される。S20~S28の処理は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図20(a)は、リリース開始点Rmn=R11でリリースを開始して、2サイクルのスライス肉Eの盛り付けが終了した状態のトレイ88を平面視した例である。図20(a)において、スライス肉E群の+X側の太線は、スライス肉の右側端部が折り畳まれたことを示している。図20(b)は、リリース開始点Rmn=R21でリリースを開始して、2サイクルのスライス肉Eの盛り付けが終了した状態のトレイ88を平面視した例である。図20(b)において、スライス肉E群の+X側の太線は、スライス肉の右側端部が折り畳まれたことを示している。
本実施形態及び変形例では、下記の特徴を有する。
(1)本実施形態の食品盛り付け制御装置では、制御部77の第1制御機能は、ロボットアーム22を駆動制御する。この制御により、ハンド装置40は、待機位置から待機位置から搬送面15a(食品載置面)上における配置方向に沿って、上部ベルト部50の下端を食品載置面(搬送面15a)に摺接させながら前記採取位置まで前進させる。ハンド装置40の前進中に、制御部77は第2制御機能によって、ベルト駆動源44を駆動制御して、上部ベルト部50を駆動して、j(=2)個の食品を順に掬い上げる。制御部77は、第1制御機能によって、ロボットアーム22を駆動制御して、ハンド装置40を上昇させてj(=2)個の食品の端部を垂れ下げた状態に支持する。制御部77は、第2制御機能によって、折り畳み部駆動源(ロータリーアクチュエータ56)を制御して、ハンド装置40が上昇中または上昇後、折り畳み部55Aの折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を下部ベルト部53に向けて折り畳む。ハンド装置40を、予め設定されたリリース開始点へのハンド装置40の前進、及びハンド装置40のリリース開始点からリリース終了点への後進を1サイクルとしたとき、制御部77は、第1制御機能によって、ロボットアーム22を駆動制御して、jサイクルを実行させる。制御部77は、各サイクルにおけるハンド装置40の後進において、第2制御機能によってベルト駆動源44を駆動制御する。これにより、上部ベルト部50及び下部ベルト部53は、各食品の被支持部及び前記下部ベルト部に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から順次離脱させ、離脱させた食品を盛り付け領域Rに配置方向に沿って盛り付ける。
なお、本実施形態では、j=2としたが、jを3以上としてもよい。この場合、3サイクル目以降のリリース開始点及びリリース終了点は、例えば本実施形態の2サイクル目について、説明した方法で設定すればよい。
また、本実施形態では、折り畳み部55Aの折り畳み動作を行わせて垂れ下がった一方の端部を下部ベルト部53に向けて折り畳むようにした。これに代えて、折り畳み部55A、55Bの折り畳み動作を行わせて垂れ下がった両方の端部を下部ベルト部53に向けて折り畳みしてもよい。
この結果、本実施形態によれば、離間した食品に対して、一括して掬い上げることにより、個別に掬い上げる場合に比して、効率よく、食品の採取ができる。また、掬い上げた食品を、盛り付け領域上には、個別に盛り付けることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
第1及び第2実施形態では、コンベア20のベルト19上に盛り付け領域Rを設定するとともに、該盛り付け領域R上にトレイ88を載置した。この代わりに、コンベア20の上に、移載装置300を配置し、移載装置300側に図24(a)及び図24(b)に示すように盛り付け領域R1、R2を設定してもよい。
移載装置300は、一対の移載ベルト304と、一対の受板308と、各受板308の直下に配置された一対の牽引板306とを有する。図24(a)、図24(b)に示すように、両受板308は、ベルト19上方の仮想平面に含まれるとともに相互に対向するように配置され、図示しない駆動源により、±X方向(左右方向)に開閉自在に駆動される。各受板308は、両対向縁部が最接近して、ベルト19の上方を閉鎖する閉鎖位置と開放位置の間を、前記駆動源により往復駆動される。図24(a)において、閉鎖位置と開放位置は、それぞれ対向縁部の位置を示す。前記開放位置は、ベルト19上に載置されたベルト19の搬送方向に配置された一対のトレイ88の上方が開口された位置である。各受板308が開放位置に位置したときの位置よりも、±X方向側の位置には、±Y方向(紙面に直交する方向)へ延出する一対のフレーム302が固定される。各移載ベルト304は、各フレーム302に対して一端が連結されるとともに他端が牽引板306に対して連結されることにより、中間部が両受板308の対向縁部間の間隙を通過して±Y方向へ延出する受板308の対向縁部に巻き掛けられる。牽引板306は、図示しない駆動源により、±X方向(左右方向)に往復移動自在に駆動される。
盛り付け領域R1、R2は、図24(a)に示す両受板308が閉鎖位置に位置し、かつ、両受板308の下方のベルト19にそれぞれトレイ88が配置されている状態のときに、移載ベルト304上にスライス肉Eが盛り付けられ領域である。この盛り付け領域R1、R2に対して、ロボットコントローラ70は、食品盛り付け装置10を制御して、スライス肉Eを、第1実施形態の盛り付け態様、または第2実施形態の盛り付け態様でそれぞれ盛り付ける。移載装置300は、移載ベルト304の上部を介して盛り付け領域R1、R2上にスライス肉の集団が盛り付けられると、受板308、及び牽引板306が、それぞれ図示しない駆動源により、±X方向へ駆動される。すると、図24(b)に示すように、受板308の対向縁部での移載ベルト304の折り返し移動によって、移載ベルト304上の図示しない盛り付けられたスライス肉Eの集団が移載ベルト304の表面から剥離され、トレイ88内に落下して収容される。スライス肉Eを収容したトレイ88は、コンベア20により、+X側へ搬出される。なお、盛り付け領域R1、R2の一方を省略してもよい。
10…食品盛り付け装置
12…スライサー
15…ベルト
15a…搬送面
11…ベルト
19a…搬送面
22…ロボットアーム
35…採取部
40…ハンド装置
50…上部ベルト部
53…下部ベルト部
54…作動板
55A、55B…折り畳み部
56…ロータリーアクチュエータ
57…アーム
57a…取付部
58…折り畳み材
59…支持部材
70…ロボットコントローラ(食品盛り付け制御装置)
77…制御部
78…記憶部
79…画像処理部
87…カメラ(撮像手段)
B…被採取時の支持基準点
E…スライス肉
G…仮想平面、
M…所定列数
N…上限実行回数
R…盛り付け領域
Rmn…リリース開始点
T…採取位置

Claims (11)

  1. 斜め下方へ向かって延在する上部ベルト部、及び下部ベルト部を備えるハンド装置を、食品の搬送方向下流側へ前進させながら、前記上部ベルト部を駆動して採取位置に位置する食品を掬い上げて支持し、これによって垂れ下がった食品の端部を、前記ハンド装置に備える折り畳み部によって前記下部ベルト部に向けて折り畳む第1工程と、
    前記採取位置から離間した盛り付け領域上に前記ハンド装置を移動させる第2工程と、
    前記盛り付け領域上において、前記ハンド装置を後進させながら前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆方向に駆動し前記食品の前記上部ベルトによる被支持部及び前記下部ベルト部に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、前記食品を前記盛り付け領域に移載する第3工程を含む食品盛り付け方法。
  2. 前記盛り付け領域には、前記食品を所定列数で配置するための複数のリリース開始点が設定され、この実行順に並ぶリリース開始点毎に、前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を順次実行して前記食品を盛り付ける請求項1に記載の食品盛り付け方法。
  3. 前記採取位置が、前記食品を搬送するコンベアの搬送面上に設定され、
    前記盛り付け領域は、前記コンベアの搬送面を除く所定の位置に設定され、
    前記コンベアによって搬送される食品を前記採取位置にて採取し、前記盛り付け領域に盛り付ける請求項1または請求項2に記載の食品盛り付け方法。
  4. 前記食品を搬送する前記コンベアの間歇駆動または連続駆動による前記搬送面の移動状態と、
    前記搬送面上の前記食品を採取するタイミングとを同期させる
    請求項3に記載の食品盛り付け方法。
  5. 前記コンベアによって搬送される採取対象の前記食品を撮像手段によって撮像し、
    この撮像結果に基づいて、前記食品における被採取時の支持基準点を、前記コンベアによる搬送方向と平面視で交差する方向における前記食品の中間部位に設定する請求項4に記載の食品盛り付け方法。
  6. 前記食品の両端部を前記折り畳み部によって折り畳む第1状態と、前記食品の一方の端部のみを前記折り畳み部によって折り畳む第2状態とを選択可能とし、
    前記第1状態が選択された場合には、前記コンベアによる搬送方向と平面視で交差する方向における前記食品の中心部を、この食品における被採取時の支持基準点として設定し、
    前記第2状態が選択された場合には、前記食品の前記中心部から設定距離偏倚した部位を、この食品における被採取時の支持基準点として設定する請求項5に記載の食品盛り付け方法。
  7. ロボットアームの先端に装着可能に設けられるハンド装置であって、
    前記ハンド装置は、
    斜め下方へ向かって延在する上部ベルト部、及び下部ベルト部を含む採取部と、
    両ベルト部を正逆回転駆動するベルト駆動源と、
    前記上部ベルト部にて掬い上げられることによって垂れ下がった食品の端部を前記下部ベルト部側へ折り畳む折り畳み部と、
    前記折り畳み部の折り畳み動作及び折り畳み解除動作を行わせる折り畳み部駆動源を備えたことを特徴とするハンド装置。
  8. 請求項7に記載のハンド装置を複数の自由度を有するロボットアームの先端に備えるロボットを含む食品盛り付け装置であって、
    前記ロボットアームは、前記ハンド装置を、食品が位置する採取位置から離間した待機位置から、前記採取位置に移動させる構成とし、
    前記ロボットアームにて、前記上部ベルト部の下端を前記採取位置に位置する食品載置面と略同一平面上に沿わせながら前記ハンド装置を前記採取位置に前進させる際に、前記ベルト駆動源によって前記上部ベルト部と前記下部ベルト部を正回転駆動して前記食品を掬い上げながら、または掬い上げて支持した後に、前記ハンド装置を上昇させる構成とし、
    前記折り畳み部駆動源は、前記ハンド装置が上昇中または上昇後に、前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を前記下部ベルト部側へ折り畳む構成とし、
    前記ロボットアームにて、前記採取位置から離間した盛り付け領域上に前記ハンド装置を移動させた後、前記ハンド装置を後進させながら、前記ベルト駆動源によって前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆回転駆動して、前記食品の前記上部ベルトによる被支持部及び前記下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を両ベルト部から離脱させて、前記食品を盛り付け領域に盛り付ける構成とした食品盛り付け装置。
  9. 請求項8に記載の食品盛り付け装置の制御を行う制御部を備えた食品盛り付け制御装置であって、
    前記制御部は、前記ロボットアームを制御する第1制御機能と、
    前記ハンド装置を制御する第2制御機能を備え、
    前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、食品に対して遠位の待機位置から前記食品が位置する近位の採取位置へ、前記上部ベルト部の下端を前記採取位置に位置する食品載置面と略同一平面上に沿わせながら前進させ、
    前記ハンド装置が前記採取位置へ前進する際、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御して、前記上部ベルト部及び下部ベルト部を正回転駆動して、前記食品を掬い上げて支持し、
    前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を上昇させて前記食品の端部を垂れ下げた状態とし、
    前記第2制御機能によって、前記折り畳み部駆動源を制御して、前記ハンド装置の上昇中または上昇後に前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて、垂れ下がった端部を前記下部ベルト部側へ折り畳み、
    前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、前記採取位置から離間した盛り付け領域上に予め設定されたリリース開始点へ移動させた後に、前記盛り付け領域上において後進させ、
    この後進中に、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御し、前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を逆回転駆動して、前記食品の被支持部及び前記下部ベルト部側へ折り畳まれた端部を、両ベルト部から離脱させて、前記食品を前記盛り付け領域に盛り付ける構成とした食品盛り付け制御装置。
  10. 請求項8に記載の食品盛り付け装置の制御を行う制御部を備えるとともに、食品載置面上の採取位置に所定ピッチの間隔で配置されたj(>1,jは整数)個の食品を順次採取し、これらの食品を盛り付け領域に盛り付けるように制御する食品盛り付け制御装置であって、
    前記制御部は、前記ロボットアームを制御する第1制御機能と、
    前記ハンド装置を制御する第2制御機能とを備え、
    第1制御機能は、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を、待機位置から、前記食品載置面上における食品の配置方向に沿って、前記上部ベルト部の下端を前記食品載置面に摺接させながら前記採取位置まで前進させ、
    前記ハンド装置の前進中に、前記第2制御機能によって、前記ベルト駆動源を駆動制御して、前記上部ベルト部を駆動して、前記j個の食品を順に掬い上げ、
    前記第1制御機能によって、前記ロボットアームを駆動制御して、前記ハンド装置を上昇させて前記j個の食品の端部を垂れ下げた状態に支持し、
    前記第2制御機能によって、前記折り畳み部駆動源を制御して、前記ハンド装置が上昇中または上昇後、前記折り畳み部の折り畳み動作を行わせて垂れ下がった端部を前記下部ベルト部に向けて折り畳み、
    予め設定されたリリース開始点への前記ハンド装置の前進、及び前記ハンド装置の前記リリース開始点からリリース終了点への後進を1サイクルとしたとき、前記第1制御機能によって前記ロボットアームを駆動制御してj回のサイクルを実行させ、
    各サイクルにおける前記ハンド装置の後進において、前記第2制御機能によって前記ベルト駆動源を駆動制御して前記上部ベルト部及び前記下部ベルト部を駆動し、各食品の被支持部及び前記下部ベルト部に向けて折り畳まれた端部を両ベルト部から順次離脱させ、離脱させた食品を前記盛り付け領域に前記配置方向に沿って盛り付ける構成とした食品盛り付け制御装置。
  11. 前記リリース開始点は、前記盛り付け領域において、行列状に複数設定されていて、
    1つのリリース開始点から前記ハンド装置の前記リリース終了点への後進中における前記食品の盛り付けが終了する毎に、隣接する他のリリース開始点において、前記第1制御機能及び前記第2制御機能による処理を実行する構成とした請求項9または請求項10に記載の食品盛り付け制御装置。
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