JP2022169819A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022169819A
JP2022169819A JP2019182501A JP2019182501A JP2022169819A JP 2022169819 A JP2022169819 A JP 2022169819A JP 2019182501 A JP2019182501 A JP 2019182501A JP 2019182501 A JP2019182501 A JP 2019182501A JP 2022169819 A JP2022169819 A JP 2022169819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
eye
light source
optical system
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019182501A
Other languages
English (en)
Inventor
ゴンザロ ムヨ
Muyo Gonzalo
デイビッド エバンス
Evans David
祐司 工藤
Yuji Kudo
智裕 宮下
Tomohiro Miyashita
浩明 中山
Hiroaki Nakayama
昌也 中嶋
Masaya Nakajima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Optos PLC
Nikon Corp
Original Assignee
Optos PLC
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Optos PLC, Nikon Corp filed Critical Optos PLC
Priority to JP2019182501A priority Critical patent/JP2022169819A/ja
Priority to PCT/JP2020/037247 priority patent/WO2021066045A1/ja
Publication of JP2022169819A publication Critical patent/JP2022169819A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions

Abstract

【課題】異なる光学系の光路を同一の光路に合成し、眼底の幅広い領域を走査する。【解決手段】眼科装置は、第1光源から射出された光で被検眼を走査するための走査部材を有する第1光学系と、第2光源から射出された光を前記被検眼に導く第2光学系と、第3光源から射出された光を前記被検眼に導く第3光学系と、前記第1光源から出射された光が前記被検眼に向けて通過する2つの対向する面の間に配置された第1ダイクロイック面及び第2ダイクロイック面とを有する光路合成部材と、を備え、前記光路合成部材は、前記第1光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面を通過し、前記第2光源から出射された光が前記第2ダイクロイック面で反射されて前記被検眼に向けて出射し、前記第3光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面で反射されて前記被検眼に向けて出射する。【選択図】図2

Description

本発明は、眼科装置に関する。
プリズムを用いて異なる光学系の光路を同一の光路に合成する眼科用の統合型装置が知られている(特許文献1)。
しかしながら、光路を合成するプリズムの狭い側面から入射するため、走査角を大きくすることができないという問題があった。
特許6027138号公報
本開示の技術の第1態様の眼科装置は、第1光源と前記第1光源から射出された光で被検眼を走査するための走査部材とを有する第1光学系と、前記第1光源とは異なる第2光源を有し、前記第2光源から射出された光を前記被検眼に導く第2光学系と、前記第1光源及び前記第2光源とは異なる第3光源を有し、前記第3光源から射出された光を前記被検眼に導く第3光学系と、前記第1光源から出射された光が前記被検眼に向けて通過する2つの対向する面と、前記2つの面の間に配置された第1ダイクロイック面と、前記2つの面の間に配置された第2ダイクロイック面とを有する光路合成部材と、を備えた眼科装置であって、前記光路合成部材は、前記第1光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面を通過し、前記第2光源から出射された光が前記第2ダイクロイック面で反射されて被検眼側の面から前記被検眼に向けて出射し、前記第3光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面で反射されて前記被検眼側の面から前記被検眼に向けて出射することにより、前記第1光学系の光路と前記第2光学系の光路と前記第3光学系の光路とを合成する。
本実施形態の眼科装置の概略構成図である。 本実施形態の撮影光学系の概略構成図である。 対物レンズとダイクロイックミラープリズム(以下、DMプリズムと言う)の光学構成を示した光路図である。 プリズムにおける屈折の原理を示した説明図である。 ダイクロイックミラーを備えたプリズムの概略図である。 本実施形態に係るDMプリズムを含む光学系の構成を示す図である。 本実施形態に係るDMプリズムの構成を示す説明図である。 本実施形態の変形例に係るDMプリズムを示した概略図である。 (A)は、眼科装置のアライメント設定に係る光学系を側方から見た概略光路図であり、(B)は、眼科装置のアライメント設定に係る光学系を上方から見た概略光路図である。 対物レンズの主点と被検眼との光軸方向の距離の算出に係る光学的な位置関係を示した説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る眼科装置110について図面を参照して説明する。図1には、眼科装置110の概略構成が示されている。
説明の便宜上、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope)を「SLO」と称する。また、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography)を「OCT」と称する。
なお、眼科装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」、撮影光学系116Aの光軸方向を「Z方向」とする。このZ方向の光軸上に被検眼の瞳孔中心が位置するように装置が被検眼に対して配置される。そして、X方向、Y方向、およびZ方向は互いに垂直である。
眼科装置110は、撮影装置14および制御装置16を含む。撮影装置14は、被検眼12の眼底12Aの画像を取得するSLOユニット18と、被検眼12の断層画像を取得するOCTユニット20とを備えている。以下、SLOユニット18により取得されたSLOデータに基づいて生成された眼底画像をSLO画像と称する。また、OCTユニット20により取得されたOCTデータに基づいて生成された断層画像をOCT画像と称する。なお、SLO画像は、二次元眼底画像と言及されることもある。また、OCT画像は、被検眼12の撮影部位に応じて、眼底断層画像、前眼部断層画像と言及されることもある。SLOユニット18及びOCTユニット20は、本開示の技術の「第1光学系」の一例である。
制御装置16は、CPU(Central Processing Unit(中央処理装置))16A、RAM(Random Access Memory)16B、ROM(Read-Only memory)16C、および入出力(I/O)ポート16Dを有するコンピュータを備えている。
制御装置16は、I/Oポート16Dを介してCPU16Aに接続された入力/表示装置16Eを備えている。入力/表示装置16Eは、被検眼12の画像を表示したり、ユーザから各種指示を受け付けたりするグラフィックユーザインターフェースを有する。入力/表示装置16Eは、タッチパネル・ディスプレイを用いることができる。
また、制御装置16は、I/Oポート16Dに接続された画像処理装置17を備えている。画像処理装置17は、撮影装置14によって得られたデータに基づき被検眼12の画像を生成する。
上記のように、図1では、眼科装置110の制御装置16が入力/表示装置16Eを備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、眼科装置110の制御装置16は入力/表示装置16Eを備えず、眼科装置110とは物理的に独立した別個の入力/表示装置を備えるようにしてもよい。この場合、当該表示装置は、制御装置16のCPU16Aの制御下で動作する画像処理プロセッサユニットを備える。画像処理プロセッサユニットが、CPU16Aが出力指示した画像信号に基づいて、SLO画像等を表示するようにしてもよい。
撮影装置14は、制御装置16の制御下で作動する。撮影装置14は、SLOユニット18、撮影光学系116A、およびOCTユニット20を含む。撮影光学系116Aは、CPU16Aの制御下で、撮影光学系駆動部116MによりX、Y、Z方向に移動される。撮影装置14と被検眼12とのアラインメント(位置合わせ)は、例えば、撮影装置14のみばかりではなく、眼科装置110全体を、或いは撮影光学系116A内の一部の光学素子を、X、Y、Z方向に移動させることにより、行われてもよい。
SLOシステムは、図1に示す制御装置16、SLOユニット18、および撮影光学系116Aによって実現される。
SLOユニット18は、複数の光源を備えている。例えば、図1に示されるように、SLOユニット18は、B光(青色光)の光源40、G光(緑色光)の光源42、R光(赤色光)の光源44、およびIR光(赤外線(例えば、近赤外光))の光源46を備える。各光源40、42、44、46から出射された光は、各光学部材48、50、52、54、56を介して同一光路に指向される。光学部材48、56は、ミラーであり、光学部材50、52、54は、ビームスプリッタ―である。B光は、光学部材48、50、54を経由して、撮影光学系116Aの光路に導かれる。G光は、光学部材50、54を経由して、撮影光学系116Aの光路に導かれる。R光は、光学部材52、54を経由して、撮影光学系116Aの光路に導かれる。IR光は、光学部材56、52を経由して、撮影光学系116Aの光路に導かれる。なお、光源40、42、44、46としては、LED光源や、レーザ光源を用いることができる。なお、以下には、レーザ光源を用いた例を説明する。光学部材48、56として、全反射ミラーを用いることができる。また、光学部材50、52、54として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。
SLOユニット18は、G光、R光、B光およびIR光をそれぞれ個別に発する発光モードや、それらすべてを同時にもしくは幾つかを同時に発する発光モードなど、各種発光モードを切り替え可能に構成されている。図1に示す例では、B光(青色光)の光源40、G光の光源42、R光の光源44、およびIR光の光源46の4つの光源を備えるが、本開示の技術は、これに限定されない。例えば、SLOユニット18は、更に、白色光の光源を更に備えていてもよい。この場合、上記各種発光モードに加えて、白色光のみを発する発光モード等を設定してもよい。
SLOユニット18から撮影光学系116Aに入射されたレーザ光は、後述する走査部(120、142)によってX方向およびY方向に走査される。走査光は瞳孔27を経由して、被検眼12の後眼部(例えば、眼底12A)に照射される。眼底12Aにより反射された反射光は、撮影光学系116Aを経由してSLOユニット18へ入射される。走査部(120、142)は、本開示の技術の「走査部材」の一例である。
眼底12Aで反射された反射光は、SLOユニット18に設けられた光検出素子70、72、74、76で検出される。本実施形態では、複数の光源、すなわち、B光源40、G光源42、R光源44およびIR光源46に対応させて、SLOユニット18は、B光検出素子70、G光検出素子72、R光検出素子74およびIR光検出素子76を備える。B光検出素子70は、ビームスプリッタ64で反射されたB光を検出する。G光検出素子72は、ビームスプリッタ64を透過し、ビームスプリッタ58で反射されたG光を検出する。R光検出素子74は、ビームスプリッタ64、58を透過し、ビームスプリッタ60で反射されたR光を検出する。IR光検出素子76は、ビームスプリッタ64、58、60を透過し、ビームスプリッタ62で反射されたG光を検出する。光検出素子70、72、74、76として、例えば、APD(avalanche photodiode:アバランシェ・フォトダイオード)が挙げられる。
画像処理装置17は、CPU16Aの制御のもと、B光検出素子70、G光検出素子72、R光検出素子74、およびIR光検出素子76のそれぞれで検出された信号を用いて、各色に対応するSLO画像を生成する。各色に対応するSLO画像には、B光検出素子70で検出された信号を用いて生成されたB-SLO画像、G光検出素子72で検出された信号を用いて生成されたG-SLO画像、R光検出素子74で検出された信号を用いて生成されたR-SLO画像、及びIR光検出素子76で検出された信号を用いて生成されたIR-SLO画像である。また、B光源40、G光源42、R光源44が同時に発光する発光モードの場合、R光検出素子74、G光検出素子72、及びB光検出素子70で検出されたそれぞれの信号を用いて生成されたB-SLO画像、G-SLO画像およびR-SLO画像から、RGB-SLO画像を合成してもよい。また、G光源42、R光源44が同時に発光する発光モードの場合、R光検出素子74及びG光検出素子72で検出されたそれぞれの信号を用いて生成されたG-SLO画像およびR-SLO画像から、RG-SLO画像を合成してもよい。本実施形態では、SLO画像としてRG-SLO画像が用いられるが、これに限定されず、他のSLO画像を用いることができる。
ビームスプリッタ58、60、62、64として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。
OCTシステムは、図1に示す制御装置16、OCTユニット20、および撮影光学系116Aによって実現される三次元画像取得装置である。OCTユニット20は、光源20A、センサ(検出素子)20B、第1の光カプラ20C、参照光学系20D、コリメータレンズ20E、および第2の光カプラ20Fを含む。
光源20Aは、光干渉断層撮影のための光を発生する。光源20Aとしては、例えば、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode;SLD)を用いることができる。光源20Aは、広いスペクトル幅をもつ広帯域光源の低干渉性の光を発生する。光源20Aから射出された光は、第1の光カプラ20Cで分割される。分割された一方の光は、測定光として、コリメータレンズ20Eで平行光にされた後、撮影光学系116Aに入射される。測定光は、後述する走査部(148、168)によってX方向およびY方向に走査される。走査光は、被検眼の前眼部や、瞳孔27を経由して後眼部に照射される。前眼部又は後眼部で反射された測定光は、撮影光学系116Aを経由してOCTユニット20へ入射され、コリメータレンズ20Eおよび第1の光カプラ20Cを介して、第2の光カプラ20Fに入射する。なお、本実施形態では、光源20AとしてSLDを用いるSD-OCTが例示されているが、これに限定されず、SLDに替えて波長掃引光源を用いるSS-OCTが採用されてもよい。
光源20Aから射出され、第1の光カプラ20Cで分岐された他方の光は、参照光として、参照光学系20Dへ入射され、参照光学系20Dを経由して、第2の光カプラ20Fに入射する。
被検眼12で反射および散乱された測定光(戻り光)と、参照光とは、第2の光カプラ20Fで合成されて干渉光が生成される。干渉光はセンサ20Bで検出される。画像処理装置17は、センサ20Bからの検出信号(OCTデータ)に基づいて、被検眼12の断層画像を生成する。
本実施形態では、OCTシステムは、被検眼12の前眼部又は後眼部の断層画像を生成する。
被検眼12の前眼部は、前眼セグメントとして、例えば、角膜、虹彩、隅角、水晶体、毛様体、および硝子体の一部を含む部分である。被検眼12の後眼部は、後眼セグメントとして、例えば、硝子体の残りの一部、網膜、脈絡膜、及び強膜を含む部分である。なお、前眼部に属する硝子体は、硝子体の内、水晶体の最も眼球中心Oに近い点を通るX-Y平面を境界として、角膜側の部分であり、後眼部に属する硝子体は、硝子体の内、前眼部に属する硝子体以外の部分である。
OCTシステムは、被検眼12の前眼部が撮影対象部位である場合、例えば、角膜の断層画像を生成する。また、被検眼12の後眼部が撮影対象部位である場合、OCTシステムは、例えば、網膜の断層画像を生成する。
眼科装置110は、被検眼12の視線を所定方向に向かせるように点灯される発光装置(例えば、LED)により構成される固視標を点灯させる固視標制御装置90を備えている。
図2には、撮影光学系116Aの概略構成が示されている。撮影光学系116Aは、被検眼12側から順に配置された対物レンズ130、光路合成部材であるダイクロイックミラー(DM)プリズム178、水平走査部142、168、リレーレンズ装置140、160、反射鏡147、垂直走査部120、148、フォーカス調整装置150、及びコリメータレンズ20Eを備えている。
ダイクロイックミラープリズム(以下、DMプリズムと略称する)178は、後述するように、3つのプリズムが結合されて構成され、プリズム同士の結合面がダイクロイックミラー面となっている。DMプリズム178は、本開示の技術の「光路合成部材」の一例であり、SLO光学系から出射された光とOCT光学系から出射された光と固視標投影系138から出射された固視標の光とを合成する光学部材である。
水平走査部142は、リレーレンズ装置140を介して入射したSLOのレーザ光を水平方向に走査する光学スキャナであり、水平走査部168は、リレーレンズ装置160を介して入射したOCTの測定光を水平方向に走査する光学スキャナである。
コリメータレンズ20Eは、OCTユニット20から出射した光が進むファイバの端部158から出射される測定光を平行光にする。
フォーカス調整装置150は、複数のレンズ152、154を備える。被検眼12における撮影部位に応じて、複数のレンズ152、154それぞれを、適宜光軸方向に移動させることにより、被検眼12における測定光のフォーカス位置を調整する。なお、図示しないが、フォーカス検出装置を備える場合には、焦点検出の状態に応じてフォーカス調整装置にてレンズ152、154を駆動して、自動的に焦点合わせをおこなうようにして、オートフォーカス装置を実現することが可能である。
垂直走査部148は、フォーカス調整装置150を介して入射した測定光を垂直方向に走査する光学スキャナである。
垂直走査部120は、SLOユニット18から入射したレーザ光を垂直方向に走査する光学スキャナである。
リレーレンズ装置140は、複数の正のパワーを有するレンズ144、146を備える。複数のレンズ144、146により、垂直走査部120の位置と水平走査部142の位置とが共役になるように、リレーレンズ装置140が構成されている。より具体的には、両走査部の角度走査の中心位置が共役になるように、リレーレンズ装置140が構成されている。
リレーレンズ装置160は、リレーレンズ装置140と同様に複数の正のパワーを有するレンズ164、166を備える。複数のレンズ164、166により、垂直走査部148の位置と水平走査部168の位置とが共役になるように、リレーレンズ装置160が構成されている。より具体的には、両走査部の角度走査の中心位置が共役になるように、リレーレンズ装置160が構成されている。
反射鏡147は、リレーレンズ装置140と垂直走査部120との間に、配置されている。反射鏡147は、SLOユニット18から出射されたSLO光をリレーレンズ装置140に向けて反射する。SLOユニット18から出射された光は、SLO光学系を構成する垂直走査部120および水平走査部142により二次元走査される。二次元走査されたSLOレーザ光は対物レンズ130を介して被検眼12へ入射される。被検眼12で反射されたSLOレーザ光は、対物レンズ130、DMプリズム178、水平走査部142、リレーレンズ装置140、反射鏡147および垂直走査部120を経由して、SLOユニット18に入射される。
OCTユニット20から出射された測定光は、垂直走査部148および水平走査部168によって二次元走査される。また、被検眼12を経由したOCT測定光は、対物レンズ130、DMプリズム178、水平走査部168、リレーレンズ装置160、垂直走査部148、フォーカス調整装置150、およびコリメータレンズ20Eを経由して、OCTユニット20へ入射される。
水平走査部142、168及び垂直走査部120、148としては、例えば、レゾナントスキャナ、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、回転ミラー、ダボプリズム、ダブルダボプリズム、ローテーションプリズム、MEMSミラースキャナー、音響光学素子(AOM)等が好適に用いられる。本実施形態では、垂直走査部148としてガルバノミラーが用いられ、また、垂直走査部120としてポリゴンミラーが用いられている。なお、ポリゴンミラーや、ガルバノミラーなどの光学スキャナに替えて、MEMSミラースキャナーなどの二次元光学スキャナを用いる場合には、入射光をその反射素子で二次元的に角度走査することが可能であるため、リレーレンズ装置140を無くしてもよい。また、垂直走査部120、148が水平方向にも走査可能に構成されているのであれば、水平走査部142、168を省略してもよい。
図3は、対物レンズ130、DMプリズム178及び固視標投影系138の光学構成を示した光路図である。固視標投影系138からの光束がDMプリズム178での反射を介して対物レンズ130を通過し、被検眼12に向けて平行光束となる。これによって、被検眼12は固視標の像を凝視することができ、固視標の位置を変えることによって、被検眼12の向き変えることができ、被検眼12の眼底の必要な領域の撮影が可能となる。また、SLO光学系18とOCT光学系20との関係も示している。対物レンズ130は、水平走査部142側から順に、第1レンズ群134と第2レンズ群132とを備える。第1レンズ群134は被検眼側からくる光線をDMプリズム178に向けて平行光にして出力する機能を有する。また、第2レンズ群132は超広角による走査光を被検眼12の瞳孔に向けて出力するための機能を有する。そして、少なくとも第2レンズ群132は全体として正のパワーを有する正レンズ群である。
本実施形態では、第1レンズ群134も全体として正のパワーを有する正レンズ群である。図3の光路図に示す通り、被検眼12の眼底からの反射光は、被検眼12を平行光束として第2レンズ群132に入射して、第1レンズ群134と第2レンズ群132との間に集光点として眼底像を形成する。そして、第1レンズ群134により平行光に変換されて、DMプリズム178に入射する。換言すれば、被検眼12側の第2レンズ群132は、被検眼の眼底からの光により第1レンズ群134と第2レンズ群132との間に眼底像を形成し、第1レンズ群134は眼底像からの光束を光路合成部材178に向けて平行光に変換する。第1レンズ群134及び第2レンズ群132の各々は、少なくとも1つの正レンズを備える。第1レンズ群134及び第2レンズ群132の各々が複数のレンズを備える場合、第1レンズ群134及び第2レンズ群132の各々は全体として正のパワーを有すれば、負レンズを含んでいてもよい。具体的には、第1レンズ群134は、水平走査部142側から順に、貼り合せの正レンズL11、負レンズL12、貼り合せレンズL13、正レンズL14を有する。また、第2レンズ群132は、水平走査部142側から順に、貼り合せの正レンズL21、正レンズL22、水平走査部142側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23を有する。
対物レンズ130を構成する第1レンズ群134と第2レンズ群132とは、対物レンズにおけるレンズ面間の光軸上での最大空気間隔によって隔てられている。なお、第1レンズ群134と第2レンズ群132との間の位置に、パワーを有しないガラス板があったとしても、当該ガラス板は、第1レンズ群134及び第2レンズ群132の何れかに属するレンズとしては考慮されず、第1レンズ群134と第2レンズ群132とは、レンズ面間隔としての最大空気間隔によって隔てられる。
DMプリズム178は、対物レンズ130と走査部(142及び168)との間の光路中に配置される。固視標投影系138から出射された固視標の光は、DMプリズム178の第1ダイクロイック面178DM1で反射される。そして、再び第2ダイクロイック面178DM2を通過し、第2透過面178S2を通過し、対物レンズ130を介して被検眼12に導かれる。固視標を含む固視標投影系138は、本開示の技術の「第3光学系」の一例である。なお、DMプリズム178の詳細構成については、図6と図7にて後に詳述する。
対物レンズ130の光軸190上には、前述のリレーレンズ装置140及びSLO光学系18を構成する水平走査部142が設けられている。水平走査部142から出射された光は、DMプリズム178の第1透過面178S1、第1ダイクロイック面178DM1、第2ダイクロイック面178DM2及び第2透過面178S2を通過し、対物レンズ130を介して被検眼12に導かれる。SLO光学系18は、本開示の技術の「第1光学系」の一例である。
OCT光学系20から出射された光は、水平走査部168を介してDMプリズム178に入射し、第2ダイクロイック面178DM2で反射され、第2透過面178S2を通過し、対物レンズ130を介して被検眼12に導かれる。OCT光学系20は、本開示の技術の「第2光学系」の一例である。
図4は、プリズムにおける屈折の原理を示した説明図である。角度ε1の斜光線がプリズム200に入射する場合、プリズム200内での光線の角度ε2は、プリズム200を構成する媒質の屈折率がnの場合、下記の式のように表される。
sinε1=n・sinε2
また、屈折による光線の変位Δhは、プリズム200の厚さがDの場合、下記の式で与えられる。
Δh=D(tanε1 - tanε2)
ここで、角度ε1が小さい場合には、近似的に
Δh=D(1 - 1/n)ε1
とすることができる。
従って、屈折による光路の変位Δhは、プリズム200の屈折率nが高いほど、またプリズム200の厚さDが大きいほど、大きくなる。変位Δhを大きくすると、例えば垂直走査部120等によって光軸190に対して角度ε1の範囲でプリズム200に入射したSLO光学系からの光がプリズム200から出射する範囲をプリズム200が存在しない場合よりも収束でき、プリズム200に後続する光学系のレンズの口径をより小口径にすることが可能となる。
変位Δhを大きくするために、プリズム200の厚さDを大きくするとプリズム200の重量増及び製造コストの上昇を招くのみならず、大型化したプリズム200を構成する光学ガラスの均一性の担保が困難になるおそれがある。本実施形態ではコストの面からプリズム200の厚さDは、DMプリズム178のダイクロイック面178DM1、178DM2が、例えば、SLO光学系からの光路をカバー可能な程度であるとし、変位Δhの拡大は、プリズム200を構成する光学ガラスの屈折率を高めることにより達成する。プリズム200を構成する光学ガラスの屈折率nは、実際上は1.7<n<2.0とすることが好ましく、更には1.8以上とすることが効果的である。
図5は、プリズム202を第1プリズム202Aと第2プリズム202Bとの接合で構成し、第1プリズム202Aと第2プリズム202Bとの接合面にダイクロイックミラーであるダイクロイック面202DMを構成した場合の概略図である。前述のように、プリズム202の屈折により、例えばSLO光学系からの光が、垂直走査部120等によって光軸190を挟んで角度δの範囲でプリズム202に入射した場合、SLO光学系からの光は光路194Aと光路194Bとの間の領域を通過する。
図5に示したように、ダイクロイック面202DMは光軸190に対して角度ηで傾斜して設けられている。また、プリズム202に入射した光は、光路194Aと光路194Bとの間の領域を透過する。
プリズム202に入射する走査光は、光路194Aと光路194Bとの間で変化することにより、当該光のダイクロイック面202DMに対する入射角も変化する。また、ダイクロイック面202DMは、光学ガラスの表面に特定波長を反射・透過するように誘電体の多層膜コーティングが施されている。ダイクロイックミラーの反射特性は当該多層膜の膜厚に依存しており、当該多層膜の膜厚が異なれば、波長特性が異なり、ダイクロイック面202DMに対する光の入射角に応じて、実効的な膜厚が変化することになり波長特性が変動することになる。
そして、ダイクロイック面202DMの波長特性の変動は、ダイクロイック面202DMの光軸190に対する角度ηが小さくなるほど顕著になる。従って、図3に示したDMプリズム178を構成するには、第1ダイクロイック面178DM1及び第2ダイクロイック面178DM2の各々の光軸190に対する角度ηをできるだけ大きく設定することが望ましい。角度ηを大きくできない場合は、第1ダイクロイック面178DM1及び第2ダイクロイック面178DM2をリニアバリアブルフィルタ(LVF: Linear Variable Filter)にしてもよい。LVFは、誘電体の多層膜コーティングの膜厚を一方向に対して連続的に変化させた誘電体多層膜フィルタである。LVFは、誘電体の多層膜コーティングの膜厚が連続的に変化することにより、透過率及び反射率が連続的に変化する。従って、第1ダイクロイック面178DM1及び第2ダイクロイック面178DM2の各々にかかるLVFを用いることにより、第1ダイクロイック面178DM1及び第2ダイクロイック面178DM2の各々に入射する角度の異なる入射光線に対して、反射率(透過率)の特性変化を抑制することが可能となる。
図6は、本実施形態に係るDMプリズム178の構成と3つの光学系、すなわちSLO光学系18、OCT光学系20、そして固視標投影系138の組合せを示した概略図である。これら3つの光学系は図2に示すとおり、対物レンズ130を共通にしている。DMプリズム178は、3つのプリズム、すなわち第1プリズム178Aと第2プリズム178Bと第3プリズム178Cとの貼り合わせで構成されており、全体として基本的には直方体或いは立方体の形状である。このDMプリズム178は、各光学系からの光を透過するための3つの透過面として第1透過面178S1、第2透過面178S2、第3透過面178S3を有している。SLO光学系18からの光が入射する第1透過面178S1を備えた図中三角形状の第1プリズム178Aは三角形状の第2のプリズム178Bと接合され、さらに対物レンズ側に透過面178S2を有するほぼ三角形状の第3プリズム178Cと接合されている。第1プリズム178Aと第2プリズム178Bとの接合面に第1ダイクロイック面178DM1が形成され、第2プリズム178Bと第3プリズム178Cとの接合面に第2ダイクロイック面178DM2が形成されている。第1ダイクロイック面178DM1は、固視標投影系138からの光を反射し、SLO光学系18からの光を透過する波長選択的反射膜であり、第2ダイクロイック面178DM2は、OCT光学系20からの光を反射し、SLO光学系18からの光及び固視標投影系138からの光を透過する波長選択的反射膜である。
SLO光学系18からの光の光路は、破線で示したように走査角ε3+ε3の範囲で変化するが、DMプリズム178の屈折により、一点鎖線で示したように収束する。かかる収束により、図4で前述したとおり、プリズム178に後続する対物レンズ130の口径を、DMプリズム178を有しない場合よりも小口径にすることが可能となる。
DMプリズム178を透過する光路は、図示のとおり、SLO光学系18からの出射時と同様に、光軸190に対してε3の走査角を維持するので、被検眼12の眼底の広い領域を走査することができる。
固視標投影系138からの光は、第1ダイクロイック面178DM1に入射して反射されることにより、光軸190に沿って被検眼12に向けて出射される。図6に示したように、固視標投影系138からの光は光軸190に対して90°未満の角度で入射するので、第1ダイクロイック面178DM1の傾斜角θ1は45°よりも大きくなり、SLO光学系18からの走査光の入射角度が変化した際の、当該光の第1ダイクロイック面178DM1での波長特性の変化が抑制される。なお、固視標投影系138は、図9にて説明する通り、対物レンズ130を通して被検眼12の位置を検出するための前眼部観察光学系としても機能し、アライメント光学系と呼ぶこともできる。
OCT光学系20からの光は第2ダイクロイック面178DM2に入射して反射されることにより、光軸190に沿って被検眼12に出射される。図6に示したように、OCT光学系20からの光は光軸190に対して90°の角度で入射するので、第2ダイクロイック面178DM2傾斜角θ2は45°になり、SLO光学系18からの走査光の入射角度が変化した場合に、当該光の第2ダイクロイック面178DM2での波長特性の変化が顕著になりやすい。第2ダイクロイック面178DM2を前述のLVFにするのであれば、SLO光学系18からの走査光の第2ダイクロイック面178DM2での波長特性の変化を抑制できる。例えば、第2ダイクロイック面178DM2を一端から他端にかけて誘電体の多層膜が徐々に変化するようなLVFを適用することにより、SLO光学系18からの走査光の入射角度が変化した際の、当該光の第2ダイクロイック面178DM2での波長特性の変化が抑制される。また、LVFは、第1ダイクロイック面178DM1に適用してもよい。
図7は、図6にて説明したDMプリズム178の拡大図であり、プリズム内で発生する迷光の防止処理を例示した説明図である。DMプリズム178にはSLO光学系18からの走査光が第1透過面178S1を通して、またOCT光学系20からの走査光が第3透過面178S3を通して、さらに固視標投影系138からの光が微小三角プリズム178Fを介して各々入射する。このような構成において、それらの光の一部がDMプリズム178内の各面で反射して生じた迷光が対物レンズ130に入射する恐れがある。本実施形態に係るDMプリズム178は、SLO光学系18からの光、OCT光学系20からの光及び固視標投影系138からの光の入射と出射とに関与しない面に、反射防止部材178D、178Eを設ける等の処理を施し、かかる反射防止部材178D、178Eで迷光を吸収する。反射防止部材178D、178Eは、例えば黒色塗装、粗面にした表面及び黒色植毛等のいずれかである。
本実施形態に係るDMプリズム178は、走査によって光路が変化するSLO光学系18からの光を、面積に余裕がない側面からではなく、面積に余裕がある第1透過面178S1から入射させ、第1透過面178S1と同様に面積に余裕がある第2透過面178S2から出射させている。そのため、SLO光学系18からの光を幅広い角度の範囲で走査することができ、被検眼12の眼底の広い領域を撮影できる。
また、本実施形態に係るDMプリズム178は、第1透過面178S1から入射したSLO光学系18からの光路を、光軸190に対する走査角を維持したまま、屈折により収束させるので、DMプリズム178に後続する対物レンズ130の口径を、DMプリズム178を有しない場合よりも小口径にすることが可能となる。
本実施形態では、被検眼12から順に、対物レンズ130及びDMプリズム178を設けたが、本開示の技術はこれに限定されない。DMプリズム178を、対物レンズ130の第1レンズ群134と第2レンズ群132との間に配置してもよい。
図8は、本実施形態の変形例に係るDMプリズム180を示した概略図である。図8に示したように、本変形例に係るDMプリズム180は、OCT光学系20が、固視標投影系138とは光軸190を挟んで反対側に設けられている点で、前述したDMプリズム178と相違する。
DMプリズム180は、図視されるように3つの三角形状のプリズム180A、180Bおよび80Cが接合されて構成されている。SLO光学系18からの光が入射する第1透過面180S1を備えた第1プリズム180Aは、第2プリズム180Bを挟んで、透過面180S2を有する第3プリズム180Cと接合されている。第1プリズム180Aと第2プリズム180Bとの接合面に固視標投影系138からの光を反射する第1ダイクロイック面180DM1を有し、第2プリズム180Bと第3プリズム180Cとの接合面にOCT光学系20からの光を反射する第2ダイクロイック面180DM2を有する。第1ダイクロイック面180DM1は、固視標投影系138からの光を反射し、SLO光学系18からの光を透過する波長選択的反射膜であり、第2ダイクロイック面180DM2は、OCT光学系20からの光を反射し、SLO光学系18からの光及び固視標投影系138からの光を透過する波長選択的反射膜である。第1ダイクロイック面180DM1及び第2ダイクロイック面180DM2は、LVFであってもよい。
DMプリズム180の第1ダイクロイック面180DM1の傾斜角θ1は、DMプリズム178の第1ダイクロイック面178DM1の傾斜角θ1と同じである。しかしながら、DMプリズム180の第2ダイクロイック面180DM2の傾斜角θ3は、DMプリズム178の第2ダイクロイック面180DM2の傾斜角θ2とは異なる。第2ダイクロイック面180DM2は、固視標投影系138とは異なる側に設けられたOCT光学系20からの光を光軸190方向に反射させるために、傾斜角θ3が例えば略135°のような角度に設定される。
図8に示したDMプリズム180は、固視標投影系138とOCT光学系20との各々をDMプリズム180に対して左右相称に近い状態で実装できる。従って、DMプリズム180を用いると、固視標投影系138とOCT光学系20とがDMプリズム178に対して同じ側に設けられる場合に比して、固視標投影系138とOCT光学系20とを余裕をもって配置することができる。
本実施形態では、リレーレンズ装置140を介してSLO光学系18からの光をDMプリズム178、180に、リレーレンズ装置160を介してOCT光学系20からの光をDMプリズム178、180に各々入射させたが、かかる構成に限定されない。例えば、許第3490088号及び特許第5330236号に開示されている構成のように、リレーレンズ装置140、160に替えて楕円の凹面反射面を有する楕円面鏡を備え、SLO光学系18からの光及びOCT光学系20からの光の各々を楕円面鏡で反射させてDMプリズム178、180に入射させてもよい。
続いて、本実施形態に係る眼科装置110における、対物レンズ130と被検眼12との位置関係の調整、すなわちアライメントについて説明する。眼科装置110は、観察部位の正確な位置合わせのために、被検眼12と眼科装置の対物レンズ130の光軸に対する被検眼の水平および垂直方向での位置の関係、そして対物レンズ130との距離、すなわちフォーカス調整を行う必要がある。
図9(A)は、眼科装置110のアライメントに係る光学系の構成を側方から見た光路図であり、図9(B)は、眼科装置110のアライメントに係る光学系の構成を上方から見た光路図であり、図9(A)から視点を上方に90°移した状態を示している。なお、図示した光線は、アライメントのための軸外光束の主光線のみである。
図9(A)、図9(B)に示したように、被検眼12からの光は対物レンズ130の第2レンズ群132と第1レンズ群134とを介してDMプリズム178に到達する。DMプリズム178に到達した光は、DMプリズム178の第1ダイクロイック面178DM1で反射され、集光レンズ222A、222Bを介して光軸190を挟んで左右対称に配置された一対の画像センサ220A、220Bに各々入射する。画像センサ220A、220Bは被検眼の像を形成し、それらの像位置から被検眼の位置を検出することが可能である。画像センサ220A、220Bは、本開示の技術の「被検眼からの光を受光するセンサ」の一例である。
本実施態様のように対物レンズを通して被検眼の位置を検出する構成は、言わばスルーザレンズ(TTL:Through the Lems)アライメント系と言える。このように対物レンズ130を通して被検眼の位置検出を行う構成は、広角の眼底像を得るための広画角の対物レンズを用いる場合に作動距離が極めて小さくなってしまう場合に有効であり、特に作動距離が20mm程度となる画角130度を超える超広角の所謂UWF眼底観察装置においては、極めて有用である。そして、このようなTTLアライメント系では、被検眼側の第2レンズ群132により広角による走査光を被検眼12の瞳孔に向けて出力するため、図9(A)に示す光路図のとおり、被検眼12の前眼部に対する主光線の角度が大きくなって、アライメントの位置検出精度を向上することが可能である。この構成はUWF対物レンズであるほど有利であることは言うまでもない。
本実施形態では、CPU16Aの制御下で、対物レンズ130と被検眼12との光軸190方向の距離は、左右一対の画像センサ220A、220Bによって取得した画像から算出することができる。
図10は、対物レンズ130の主点224と被検眼12との光軸190方向の距離Δdの算出に係る光学的な位置関係を示した説明図である。図10は、右被検眼12Rの像220AI及び左被検眼12Lの像220BIの各々が対物レンズ130を含むアライメント系の光学系で生成されていることを示している。
対物レンズ130の開口数(NA)に対応する計測主光線の傾斜角をαとし、対物レンズ130、DMプリズム178及び集光レンズ222A、222Bを含むアライメント系全体の結像倍率をMとすると、下記の式(1)が成り立つ。
M・Δh=Δd tanα …(1)
上記の式から距離Δdを算出する下記の式(2)が導かれる。
Δd =M・Δh/ tanα …(2)
上記の式(2)は、画像センサ220A、220Bの各々で受光する一対の像間隔2Δhの値から、対物レンズ130と被検眼12との距離Δdが求められることを示している。また、上記の式(2)は、画像センサ220A、220Bの間隔を2Δhとし、アライメント系全体の結像倍率Mとし、前記対物レンズの光軸190と前記一対の受光素子に入射する光束とがなす角をαとして定義してもよい。
眼科装置110では、対物レンズ130と被検眼12との上下及び左右方向の位置関係も適切に設定することを要するが、上下方向の位置関係の判別は画像処理又は光路中の軸外遮蔽絞りの挿入により判別は容易である。しかしながら、対物レンズ130と被検眼12との距離Δdの適切な設定は、作業が煩雑であり、思いのほか手間と時間を要する。本実施形態によれば、上記の式(2)に基づいて容易に対物レンズ130と被検眼12との距離Δdを算出できるので、被検眼12の迅速な検査が可能となり、検査における患者の負担を軽減できる。
本実施形態では、左右一対の画像センサ220A、220Bを用いたが、これに限定されない。原理的には、左右一対の画像センサ220A、220Bではなく、画像センサ220A又は画像センサ220Bの一方からの出力に基づいて得たΔhの値から対物レンズ130と被検眼12との距離Δdの算出は可能であるが、左右一対の画像センサ220A、220Bを用いることにより、距離Δdの計測精度を高めることが可能となる。
なお、図9に示した被検眼のアライメント系について、被検眼12への照明は、対物レンズ130の先端部に照明光源を設けることが可能であり、例えば対物レンズ130の光軸190を中心として対称な位置にLED等の光源を配置することや、対物レンズ130の先端部にリング状の光源を設けることも可能である。但し、本実施態様の眼科装置110においては無散瞳での眼底観察が可能となるため、装置の設置される室内の照明のみで十分とすることも可能である。
12 被検眼
12L 左被検眼
12R 右被検眼
18 SLOユニット
20 OCTユニット
20A 光源
40 B光源
42 G光源
44 R光源
46 IR光源
110 眼科装置
116A 撮影光学系
116M 撮影光学系駆動部
120 垂直走査部
130 対物レンズ
138 固視標投影系
142 水平走査部
148 垂直走査部
168 水平走査部
178 DMプリズム
178D 反射防止部材
178DM1 第1ダイクロイック面
178DM2 第2ダイクロイック面
178E 反射防止部材
178S1 第1透過面
178S2 第2透過面
178S3 第3透過面
190 光軸
220A、220B センサ
220AI、220BI 像

Claims (13)

  1. 第1光源と前記第1光源から射出された光で被検眼を走査するための走査部材とを有する第1光学系と、
    前記第1光源とは異なる第2光源を有し、前記第2光源から射出された光を前記被検眼に導く第2光学系と、
    前記第1光源及び前記第2光源とは異なる第3光源を有し、前記第3光源から射出された光を前記被検眼に導く第3光学系と、
    前記第1光源から出射された光が前記被検眼に向けて通過する2つの対向する面と、前記2つの面の間に配置された第1ダイクロイック面と、前記2つの面の間に配置された第2ダイクロイック面とを有する光路合成部材と、を備えた眼科装置であって、
    前記光路合成部材は、前記第1光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面を通過し、前記第2光源から出射された光が前記第2ダイクロイック面で反射されて被検眼側の面から前記被検眼に向けて出射し、前記第3光源から出射された光が前記第1ダイクロイック面で反射されて前記被検眼側の面から前記被検眼に向けて出射することにより、前記第1光学系の光路と前記第2光学系の光路と前記第3光学系の光路とを合成する眼科装置。
  2. 前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面の各々は、光軸に対して同一方向に異なる角度で傾斜して配置される請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記第2ダイクロイック面は前記第1ダイクロイック面よりも前記被検眼側に配置され、前記光軸に対する前記第2ダイクロイック面の傾斜角は、前記光軸に対する前記第1ダイクロイック面の傾斜角よりも小さい請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記第1光学系は、前記第1光源から出射された光を前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面を通過して被検眼へ導く走査型レーザ検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope)の光路を含み、前記第2光学系は、前記第2光源から出射された光を前記第2ダイクロイック面で反射して被検眼へ導く光干渉断層撮影(OCT:Optical Coherence Tomography)の光路を含み、前記第3光学系は、前記第3光源による固視光を前記第1ダイクロイック面で反射し、前記第2ダイクロイック面を通過して被検眼に導く固視標投影光路を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の眼科装置。
  5. 前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源からの各々の光を前記被検眼に向けて供給する前記第1光学系、前記第2光学系及び前記第3光学系に共通の対物レンズを更に有し、
    前記光路合成部材は、前記第1光学系の走査部材と前記対物レンズとの間の光路中に配置される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の眼科装置。
  6. 前記対物レンズは前記走査部材側から順に、正の第1レンズ群と正の第2レンズ群とを有し、
    前記第1レンズ群は、被検眼からの光束を前記光路合成部材に向けて平行光に変換し、
    前記第2レンズ群は、被検眼を超広角で走査すべく入射光束を被検眼の瞳孔に向けて偏向する
    請求項5に記載の眼科装置。
  7. 前記第2レンズ群は、前記被検眼の眼底からの光を集光して前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に眼底像を形成し、前記第1レンズ群は前記眼底像からの光束を前記光路合成部材に向けて平行光に変換する請求項6に記載の眼科装置。
  8. 前記第1ダイクロイック面及び前記第2ダイクロイック面の各々の透過率及び反射率の少なくとも一方は、前記第1光源の光が出射する一方の面に近い端部から前記第1光源の光が入射する他方の面に近い端部まで連続的に変化する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の眼科装置。
  9. 前記光路合成部材は、迷光を防止する反射防止部材を有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の眼科装置。
  10. 前記第3光学系に設けられ、前記被検眼からの光を受光するセンサを有し、前記センサからの光情報に基づいて、前記第3光学系の光軸と前記被検眼との位置関係を検出する位置検出装置を更に備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の眼科装置。
  11. 前記センサは、前記第3光学系の光軸を挟んで配置された一対の受光素子を有し、前記一対の受光素子は前記第1光源、前記第2光源及び前記第3光源からの各々の光を前記被検眼に向けて供給する前記第1光学系、前記第2光学系及び前記第3光学系に共通の対物レンズの光軸外からの光束を受光し、
    前記位置検出装置は、前記一対の受光素子からの前記被検眼の光情報に基づいて、前記対物レンズと前記被検眼との位置関係を検出する請求項10に記載の眼科装置。
  12. 前記位置検出装置は、前記一対の受光素子の各々に形成された前記被検眼の前眼部像に基づいて、前記対物レンズの光軸に対する前記被検眼の垂直方向の位置検出及び前記対物レンズと前記被検眼との距離の算出を行う請求項11に記載の眼科装置。
  13. 前記位置検出装置は、前記一対の受光素子の間隔を2Δhとし、前記第2光学系及び前記対物レンズを含む光学系の結像倍率をMとし、前記対物レンズの光軸と前記一対の受光素子に入射する光束とがなす角をαとしたとき、前記対物レンズと前記被検眼との距離Δdを以下の式を用いて算出する請求項12に記載の眼科装置。
    Δd=M・Δh/tanα
JP2019182501A 2019-10-02 2019-10-02 眼科装置 Pending JP2022169819A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019182501A JP2022169819A (ja) 2019-10-02 2019-10-02 眼科装置
PCT/JP2020/037247 WO2021066045A1 (ja) 2019-10-02 2020-09-30 眼科装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019182501A JP2022169819A (ja) 2019-10-02 2019-10-02 眼科装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022169819A true JP2022169819A (ja) 2022-11-10

Family

ID=75338092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019182501A Pending JP2022169819A (ja) 2019-10-02 2019-10-02 眼科装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2022169819A (ja)
WO (1) WO2021066045A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010279442A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Nidek Co Ltd 前眼部測定装置
EP2797492B1 (en) * 2011-12-30 2017-12-06 WaveLight GmbH An integrated device for ophthalmology

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021066045A1 (ja) 2021-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4287290B2 (ja) 光学的特性の測定
US10568504B2 (en) Ophthalmologic apparatus
JP6775302B2 (ja) 眼科撮影装置
JP6756498B2 (ja) 眼科撮影装置
JP6734642B2 (ja) 眼科装置
EP3150109B1 (en) Fundus imaging device
JP2018167000A (ja) 眼底撮影装置および眼科装置
CN109008942A (zh) 一种基于裂隙灯平台的全眼光学相干断层成像装置及成像方法
JP6701659B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2017148097A (ja) 眼科撮影装置
JP2017064407A (ja) 眼底撮影装置
CN209172278U (zh) 一种基于裂隙灯平台的全眼光学相干断层成像装置
JP2017169672A (ja) 眼科撮影装置
WO2021066045A1 (ja) 眼科装置
JPH02264632A (ja) 視線検出装置
WO2021066047A1 (ja) 眼科装置
JP6456444B2 (ja) 眼底撮影装置
WO2019194283A1 (ja) 眼科装置及び凹面反射部材
JP7443400B2 (ja) 眼科装置及び断層画像生成装置
JP6818391B2 (ja) 眼科用顕微鏡及び機能拡張ユニット
WO2022065260A1 (ja) 眼科光学装置
WO2021060203A1 (ja) 眼科用光学系及び眼科装置
JP7255646B2 (ja) 眼科装置
KR102636219B1 (ko) 주사 레이저 검안경
WO2020241699A1 (ja) 光干渉断層撮影装置及び光学モジュール