JP2022168912A - 紙送りロール - Google Patents

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Abstract

【課題】可塑剤のブリードアウトを抑えつつ低硬度化を実現できる紙送りロールを提供する。【解決手段】軸体12と、軸体12の外周面上に形成された弾性体層14と、を備え、弾性体層14は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含み、JIS-A硬度が25度以上55度以下である、紙送りロール10とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる紙送りロールに関するものである。
紙送りロールとしては、芯金などの軸体の外周面上にゴム架橋体などの弾性材料からなる弾性体層を有するものが知られている。例えば特許文献1には、弾性材料としてポリエーテルポリウレタンを用いた紙送りロールが示されている。
特許第4356801号公報
紙送りロールは、弾性体層を低硬度にすることによって、用紙とのニップ面積を広げることができ、また、摩擦係数を増加させて用紙の搬送力を向上することができる。弾性体層を低硬度にするためには、弾性体層に可塑剤を添加することが有効である。しかしながら、弾性材料としてポリエーテルポリウレタンを用いた紙送りロールでは、弾性体層に添加した可塑剤がブリードアウトしやすく、用紙への転写の問題が生じるおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、可塑剤のブリードアウトを抑えつつ低硬度化を実現できる紙送りロールを提供することにある。
本発明に係る紙送りロールは、軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、を備え、前記弾性体層は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含み、JIS-A硬度が25度以上55度以下である。
前記ポリオール成分のうち、前記ポリカーボネートポリオールの含有量は、3質量%以上60質量%以下であることが好ましい。前記エステル基を有する可塑剤は、ポリエーテル鎖を有することが好ましい。前記エステル基を有する可塑剤の含有量は、前記バインダーポリマー100質量部に対し、30質量部以上60質量部以下であることが好ましい。前記ポリエーテルポリオールは、ポリテトラメチレンエーテル鎖を有することが好ましい。前記ポリカーボネートポリオールは、ポリエーテル鎖を有することが好ましい。前記ポリエーテル鎖は、ポリテトラメチレンエーテル鎖であることが好ましい。前記弾性体層のJIS-A硬度は、30度以上40度以下であることが好ましい。
本発明に係る紙送りロールによれば、軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、を備え、前記弾性体層は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含み、JIS-A硬度が25度以上55度以下であることから、可塑剤のブリードアウトを抑えつつ低硬度化を実現できる。
前記ポリオール成分のうち前記ポリカーボネートポリオールの含有量が3質量%以上60質量%以下であると、可塑剤のブリードアウトを効果的に抑えつつ低硬度化を実現できる。
前記エステル基を有する可塑剤がポリエーテル鎖を有すると、バインダーポリマーを構成するポリオール成分との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられる。
前記エステル基を有する可塑剤の含有量が前記バインダーポリマー100質量部に対し30質量部以上60質量部以下であると、可塑剤の含有量が比較的多量であるにもかかわらず、可塑剤のブリードアウトが抑えられる。また、可塑剤の含有量が多量であるため、低硬度化の効果に優れる。
前記ポリエーテルポリオールがポリテトラメチレンエーテル鎖を有すると、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となる。
前記ポリカーボネートポリオールがポリエーテル鎖を有すると、ポリエーテル鎖およびエステル基を有する可塑剤との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられる。この際、前記ポリエーテル鎖がポリテトラメチレンエーテル鎖であると、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となる。
前記弾性体層のJIS-A硬度が30度以上40度以下であると、可塑剤のブリードアウトを効果的に抑えつつ低硬度化を実現できる。
本発明の一実施形態に係る紙送りロールの外観模式図(a)と、そのA-A線断面図(b)である。
本発明に係る紙送りロールについて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る紙送りロールの外観模式図(a)と、そのA-A線断面図(b)である。
本発明の一実施形態に係る紙送りロール10は、軸体12と、軸体12の外周面上に形成された弾性体層14と、を備える。弾性体層14は、紙送りロール10のベースとなる層(基層)である。弾性体層14は紙送りロール10の表面に現れる層となっている。
軸体12は、金属製または樹脂製の中実体、中空体(円筒体)のものなどが挙げられる。金属材料としては、鉄、ステンレス、アルミニウムなどが挙げられる。弾性体層14は、接着剤層(プライマー層)を介して軸体12に接着されていてもよい。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
弾性体層14は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含む。弾性体層14は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを含むことで、機械物性が確保され、耐摩耗性に優れるものとなる。なお、ポリオール成分としてのポリエーテルポリオールには、ポリオール成分としてのポリカーボネートポリオールであってポリエーテル鎖を有するもの(ポリエーテル鎖を有するポリカーボネートポリオール)は含まれない。
バインダーポリマーのポリエーテルポリウレタンは、ウレタン組成物の硬化物からなる。ウレタン組成物は、ポリオール成分と、イソシアネート成分と、を含有する。
ポリエーテルポリオールは、分子内に2つ以上のエーテル結合と2つ以上のヒドロキシル基を有するものである。ポリエーテルポリオールは、環状エーテルの開環重合または共重合などによって得られるものなどが好適に挙げられる。環状エーテルとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α-メチルトリメチレンオキサイド、3,3’-ジメチルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキサミン等が挙げられる。ポリエーテルポリオールは、具体的には、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となるなどの観点から、ポリテトラメチレン鎖を有するものが好ましい。ポリテトラメチレン鎖を有するポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、数平均分子量(Mn)1000~3500のものが好ましい。より好ましくは数平均分子量(Mn)1500~2500のものである。ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が1000以上であることで、ポリウレタンの物性を確保することができる。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が3500以下であることで、ウレタンプレポリマーの粘度上昇が抑えられ、成形性を良好にすることができる。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンに換算したときの分子量である。
ポリオール成分のうち、ポリエーテルポリオールの含有量は、40質量%以上97質量%以下であることが好ましい。ポリエーテルポリオールの含有量が40質量%以上であると、機械特性が確保され、耐摩耗性に優れるものとなる。また、上記観点から、ポリエーテルポリオールの含有量は、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。一方、ポリエーテルポリオールの含有量が97質量%以下であると、可塑剤のブリードアウトを抑制する効果に優れる。また、上記観点から、ポリエーテルポリオールの含有量は、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは93質量%以下である。
ポリカーボネートポリオールは、分子内に2つ以上のカーボネート結合と2つ以上のヒドロキシル基を有するものである。ポリカーボネートポリオールとしては、低硬度、弾性回復性などの観点から、ポリカーボネートジオールが好ましい。ポリカーボネートポリオールは、ポリオールとカーボネート化合物の縮合反応によって得られるものが好適である。カーボネート化合物としては、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート、アルキレンカーボネートなどが挙げられる。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールは、ヘキサンジオール、ブタンジオールなどの非重合性(低分子)のポリオールであってもよいし、ポリエーテルポリオールのような重合性(高分子)のポリオールであってもよい。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールとしては、ヘキサンジオール、ブタンジオールなどのジオール、2,4-ブタントリオールなどのトリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、数平均分子量(Mn)1000~3500のものが好ましい。より好ましくは数平均分子量(Mn)1500~2500のものである。ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が1000以上であることで、ポリウレタンの物性を確保することができる。また、ポリエーテルポリオールの数平均分子量(Mn)が3500以下であることで、ウレタンプレポリマーの粘度上昇が抑えられ、成形性を良好にすることができる。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレンに換算したときの分子量である。
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリエーテル鎖およびエステル基を有する可塑剤との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられるなどの観点から、ポリエーテル鎖を有するものが好ましい。また、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となるなどの観点から、ポリエーテル鎖のうちでも、ポリテトラメチレンエーテル鎖が好ましい。
ポリオール成分のうち、ポリカーボネートポリオールの含有量は、3質量%以上60質量%以下であることが好ましい。ポリカーボネートポリオールの含有量が3質量%以上であると、可塑剤のブリードアウトを効果的に抑えつつ低硬度化を実現できる。また、上記観点から、ポリカーボネートポリオールの含有量は、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上である。一方、ポリカーボネートポリオールの含有量が60質量%以下であると、給紙ロールとして好まれる反発弾性率が低下していく。また、上記観点から、ポリカーボネートポリオールの含有量は、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
ポリカーボネートポリオールとしては、以下の化学式(1)の構造のものが好適である。
Figure 2022168912000002
式(1)において、l,mはそれぞれ1以上の整数からなる繰り返し単位数であり、Rはアルキレン基である。式(1)において、lが2以上のものは、ポリエーテル鎖を有するポリカーボネートポリオールである。lは2以上が好ましく、3以上が特に好ましい。Rは炭素数2~4が好ましく、炭素数4が特に好ましい。
イソシアネートとしては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルイソシアネート(PAPI)、オルトトルイジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート(DDI)などが挙げられる。これらは、イソシアネート成分として、1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、耐摩耗性の向上、取扱いやすさ、入手容易、コストなどの観点から、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が特に好ましい。
イソシアネートは、上記するMDIなどのイソシアネートとポリオールとを反応させて得られるNCO末端のウレタンプレポリマーであってもよい。イソシアネートとして用いられるウレタンプレポリマーは、NCO末端とするため、NCO%が5~30質量%の範囲内であることが好ましい。NCO%は、下記の式で算出される。
Figure 2022168912000003
イソシアネートの配合量は、耐摩耗性の向上を図りやすい、強度を確保しやすい、ヘタリにくいなどの観点から、NCOインデックス(イソシアネートインデックス)が110以上となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは115以上、さらに好ましくは120以上、125以上、130以上である。一方、硬くなりすぎない、成形しやすいなどの観点から、NCOインデックスが160以下となるように設定することが好ましい。NCOインデックスは、より好ましくは155以下、さらに好ましくは150以下、145以下である。NCOインデックスは、イソシアネート基と反応する活性水素基(水酸基、アミノ基など)の合計当量100に対するイソシアネート基の当量として算出する。
エステル基を有する可塑剤は、ポリウレタンに配合可能な可塑剤が好適である。エステル基を有する可塑剤としては、ポリエーテルエステル、アジピン酸エーテルエステル、アジピン酸ポリエステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、安息香酸エステル、アゼライン酸エステル、トリメリット酸エステル、フタル酸エステルなどが挙げられる。
エステル基を有する可塑剤としては、バインダーポリマーを構成するポリオール成分との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられるなどの観点から、ポリエーテル鎖を有するものが好ましい。ポリエーテル鎖およびエステル基を有する可塑剤としては、ポリエーテルエステル、アジピン酸エーテルエステル、安息香酸エステル系などが挙げられる。また、これらのうちでも、ポリエーテルエステルが特に好ましい。
ポリエーテルエステル系可塑剤としては、以下の化学式(2)の構造のものが好適である。
Figure 2022168912000004
式(2)において、nは2以上の整数からなる繰り返し単位数であり、Rはアルキル基またはアリール基であり、Rはアルキレン基である。Rは、炭素数4以上が好ましい。Rは炭素数2~4が好ましく、炭素数4が特に好ましい。
ポリエーテルエステル系可塑剤は、成形性などの観点から、数平均分子量400~2000が好ましい。
ポリエーテルエステル系可塑剤としては、例えば、ADEKA製のアデカライザーRS-700,RS-735,RS-966,RS-1000などが挙げられる。アジピン酸エーテルエステル系可塑剤としては、例えば、ADEKA製のアデカライザーRS-107などが挙げられる。アジピン酸ポリエステル系可塑剤としては、例えば、ADEKA製のアデカライザーPN-150,PN-170,P-200,PN-350などが挙げられる。
アジピン酸エステルとしては、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)などが挙げられる。セバシン酸エステルとしては、セバシン酸ジオクチルなどが挙げられる。安息香酸エステルとしては、エチレングリコールジベンゾアート、ジエチレングリコールジベンゾアート、プロピレングリコールジベンゾアート、ジプロピレングリコールジベンゾアート、トリエチレングリコールジベンゾアート、1,4-シクロヘキセンジメタノールジベンゾアート、ポリエチレングリコールジベンゾアートなどが挙げられる。アゼライン酸エステルとしては、アゼライン酸ジオクチルなどが挙げられる。
トリメリット酸エステルとしては、トリメリット酸2-エチルヘキシル、トリメリット酸イソノニルなどが挙げられる。フタル酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジブチル(DBP)などが挙げられる。
エステル基を有する可塑剤の含有量は、バインダーポリマー100質量部に対し、30質量部以上60質量部以下であることが好ましい。上記含有量が30質量部以上であると、弾性体層をより一層、低硬度にすることができる。そして、この観点から、上記含有量としては、より好ましくは35質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上である。また、上記含有量が60質量部以下であると、可塑剤のブリードアウトが抑えられやすい。そして、この観点から、上記含有量としては、より好ましくは55質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
ウレタン組成物は、必要に応じて、鎖延長剤、架橋剤、触媒を含有してもよい。また、ウレタン組成物は、必要に応じて、イオン導電剤、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、安定剤、離型剤などを適宜含有していてもよい。
鎖延長剤は、ポリウレタンと反応可能な、ジオールやジアミンなどの2官能の化合物である。数平均分子量300以下のものが好ましい。鎖延長剤としては、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)、エチレングリコール(EG)、1,6-ヘキサンジオール(1,6-HD)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、トリエチレングリコールなどのジオールや、2,2’,3,3’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジフェニルメタン、トリメチレン-ビス(4-アミノベンゾエート)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。これらは、鎖延長剤として1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、物性確保、成形性の向上が得られやすいなどの観点から、1,4-ブタンジオール(1,4-BD)、エチレングリコール(EG)、1,6-ヘキサンジオール(1,6-HD)などが好適である。
架橋剤は、ポリウレタンと反応可能な、トリオールやトリアミンなどの3官能以上の化合物である。数平均分子量300以下のものが好ましい。架橋剤としては、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオールなどが挙げられる。これらは、架橋剤として1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、物性確保、成形性の向上が得られやすいなどの観点から、トリメチロールプロパン(TMP)などが好適である。
ウレタン組成物における鎖延長剤の含有量は、ウレタン化反応を好適に促進する範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリオール100質量部に対し、1~5質量部の範囲内が好ましい。また、ウレタン組成物における架橋剤の含有量は、ウレタン化反応を好適に促進する範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリオール100質量部に対し、1~5質量部の範囲内が好ましい。
触媒としては、特に限定はなく、例えば、第三級アミン等のアミン系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげられる。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン等のテトラアルキルジアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミノアルコール、エトキシル化アミン,エトキシル化ジアミン,ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート等のエステルアミン、トリエチレンジアミン(TEDA)、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシルアミン誘導体、N-メチルモルホリン,N-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルモルホリン等のモルホリン誘導体、N,N’-ジエチル-2-メチルピペラジン,N,N’-ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等が挙げられる。また、有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)等のジアルキル錫化合物や、2-エチルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等が挙げられる。これらは、触媒として1種単独で用いられてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、加水分解しにくい、ブリードによる汚染が少ないなどの観点から、トリエチレンジアミン(TEDA)が好適に用いられる。
ウレタン組成物における触媒の含有量は、ウレタン化反応を好適に促進する範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリオール100質量部に対し、0.01~5質量部の範囲内が好ましい。より好ましくは0.1~3質量部の範囲内である。
紙送りロール10は、軸体12となる芯金をセットしたロール成形金型内にウレタン組成物を注型し、反応・硬化させることにより、作製することができる。注型成形は、プレポリマー法、セミワンショット法、ワンショット法に準じて行うことができる。ウレタン組成物は、ポリオール成分とイソシアネート成分を予め反応させてNCO末端のウレタンプレポリマーとした後、ポリオール成分や鎖延長剤、架橋剤、触媒等を添加することにより調製することができる。
弾性体層14は、可塑剤を含むことで、低硬度とされている。具体的には、弾性体層14は、JIS-A硬度が25度以上55度以下である。弾性体層14のJIS-A硬度は、より好ましくは30度以上40度以下である。弾性体層14をより低硬度にすることによって、用紙とのニップ面積を広げるとともに、摩擦係数を増加させて、用紙の搬送力を向上することができる。
弾性体層14の厚さは、特に限定されるものではないが、1~10mmなどであればよい。
以上の構成の紙送りロール10によれば、弾性体層14が、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含み、JIS-A硬度が25度以上55度以下であることから、可塑剤のブリードアウトを抑えつつ低硬度化を実現できる。
ポリオール成分のうちポリカーボネートポリオールの含有量が3質量%以上60質量%以下であると、可塑剤のブリードアウトを効果的に抑えつつ低硬度化を実現できる。そして、エステル基を有する可塑剤がポリエーテル鎖を有すると、バインダーポリマーを構成するポリオール成分との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられる。そして、エステル基を有する可塑剤の含有量がバインダーポリマー100質量部に対し30質量部以上60質量部以下であると、可塑剤の含有量が比較的多量であるにもかかわらず、可塑剤のブリードアウトが抑えられる。また、可塑剤の含有量が多量であるため、低硬度化の効果に優れる。そして、ポリエーテルポリオールがポリテトラメチレンエーテル鎖を有すると、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となる。そして、ポリエーテル鎖およびエステル基を有する可塑剤との相溶性が向上し、可塑剤のブリードアウトがより一層抑えられる。この際、ポリエーテル鎖がポリテトラメチレンエーテル鎖であると、分子骨格の強靭性に優れ、耐摩耗性が良好となる。
弾性体層14のバインダーポリマーを構成するウレタン組成物として特に好適な組み合わせとしては、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリエーテル鎖を有するポリカーボネートポリオールを含み、可塑剤としてポリエーテル鎖およびエステル基を有する可塑剤を含むものが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態では、紙送りロール10は弾性体層14のみの単層構造であるが、必要に応じて、弾性体層14の外周面上に表層を形成してもよい。弾性体層14の外周面は、平坦面であってもよいし、シボ形状などの凹凸形状を有していてもよい。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<ウレタン組成物の調製>
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)65質量部、ポリプロピレングリコール(PPG)25質量部、ポリエーテル鎖を有するポリカーボネートジオール(PEPCD<1>)10質量部を80℃にて1時間真空脱泡、脱水した後、イソシアネート(MDI)を25.5質量部混合し、窒素雰囲気下で80℃にて3時間反応させ、ウレタンプレポリマー<1>を調製した。次いで、調製したウレタンプレポリマー<1>を90℃にて30分間真空脱泡した後、ウレタンプレポリマー<1>100質量部に対し、ポリエーテルエステル(可塑剤<1>)10質量部、鎖延長剤(1,4-ブタンジオール(1,4-BD))3.0質量部、架橋剤(トリメチロールプロパン(TMP))2.0質量部、触媒(トリエチレンジアミン(TEDA))0.01質量部を配合し、減圧下で2分間攪拌混合することで、未架橋のウレタン組成物を調製した。
<紙送りロールの作製>
軸体となる芯金(直径8mm、SUS304製)をセットしたロール成形金型を準備し、140℃に加熱した。次いで、調製したウレタン組成物を金型内に注型し、140℃で60分間硬化反応させて硬化体を得た。得られた硬化体を脱型し、110℃にて12時間、二次硬化させた後、表面を研磨することにより、軸体の外周面に弾性体層(厚み6mm)が形成された紙送りロールを作製した。
(実施例2~6)
表3に記載の組成にて実施例1と同様にウレタン組成物を調製した。また、実施例1と同様にして紙送りロールを作製した。
(実施例7~16)
表1に記載の組成にて、ウレタンプレポリマー<1>と同様に各ウレタンプレポリマー<2>~<11>を調製した。調製した各ウレタンプレポリマーを用い、表3に記載の組成にて実施例1と同様にウレタン組成物を調製した。また、実施例1と同様にして紙送りロールを作製した。
(比較例1~10)
表2に記載の組成にて、ウレタンプレポリマー<1>と同様に各ウレタンプレポリマーA~Fを調製した。調製した各ウレタンプレポリマーを用い、表4に記載の組成にて実施例1と同様にウレタン組成物を調製した。また、実施例1と同様にして紙送りロールを作製した。
用いた材料は以下の通りである。
(ポリエーテルポリオール)
・PTMG:保土谷化学製「PTG2000」、Mn=2000
・PPG:AGC製「エクセノール2020」、Mn=3000
(ポリカーボネートポリオール)
・PEPCD<1>:三菱ケミカル製「NT2002」、Mn=2000
・PEPCD<2>:三菱ケミカル製「NT2006」、Mn=2000
・PCD:宇部興産製「PH-200」、Mn=2000
(エステル基を有する可塑剤)
・可塑剤<1>(ポリエーテルエステル系可塑剤):ADEKA製「アデカサイザーRS-1000」
・可塑剤<2>(安息香酸エステル系可塑剤):DIC製「モノサイザーPB10」
・可塑剤<3>(アジピン酸エーテルエステル系可塑剤):ADEKA製「アデカサイザーRS-107」
作製した紙送りロールの弾性体層のJIS-A硬度を測定した。また、作成した紙送りロールの可塑剤がブリードアウトするか否かを調べた。
(JIS-A硬度)
JIS K 7321に準じ、タイプAデュロメータで荷重9.8Nにて弾性体層の外周面の硬度を測定した。
(ブリードアウト)
紙送りロールを荷重150g重で用紙(レッドリバー)に押し付け、32.5℃×85%RH環境にて48時間放置した。その後、紙送りロールを用紙から離し、用紙に転写した跡から評価した。跡がなかったか、跡の幅が1mm未満の場合を「〇」、跡の幅が1mm以上2mm未満の場合を「△」、跡の幅が2mm以上の場合を「×」とした。
Figure 2022168912000005
Figure 2022168912000006
Figure 2022168912000007
Figure 2022168912000008
比較例1は、弾性体層が可塑剤を含まないため、JIS-A硬度が60度と硬い。比較例2~10は、弾性体層が可塑剤を含み低硬度であるが、弾性体層はポリエーテル系のポリウレタンとエステル基を有する可塑剤で構成されているため、可塑剤がブリードアウトしている。
一方、実施例は、弾性体層がポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテル系のポリウレタンとエステル基を有する可塑剤で構成されているため、低硬度でありながらも可塑剤のブリードアウトが抑えられている。そして、実施例2,5,6の比較から、同量添加においてより硬度が下がる点で、ポリエーテルエステル系の可塑剤が特によいことがわかる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 紙送りロール
12 軸体
14 弾性体層

Claims (8)

  1. 軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、を備え、
    前記弾性体層は、ポリオール成分としてポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むポリエーテルポリウレタンで構成されるバインダーポリマーとエステル基を有する可塑剤とを含み、JIS-A硬度が25度以上55度以下である、紙送りロール。
  2. 前記ポリオール成分のうち、前記ポリカーボネートポリオールの含有量が、3質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の紙送りロール。
  3. 前記エステル基を有する可塑剤が、ポリエーテル鎖を有する、請求項1または請求項2に記載の紙送りロール。
  4. 前記エステル基を有する可塑剤の含有量は、前記バインダーポリマー100質量部に対し、30質量部以上60質量部以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の紙送りロール。
  5. 前記ポリエーテルポリオールが、ポリテトラメチレンエーテル鎖を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の紙送りロール。
  6. 前記ポリカーボネートポリオールが、ポリエーテル鎖を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の紙送りロール。
  7. 前記ポリエーテル鎖が、ポリテトラメチレンエーテル鎖である、請求項6に記載の紙送りロール。
  8. 前記弾性体層のJIS-A硬度が、30度以上40度以下である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の紙送りロール。
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