JP2022167160A - 熱電発電システム - Google Patents

熱電発電システム Download PDF

Info

Publication number
JP2022167160A
JP2022167160A JP2021072759A JP2021072759A JP2022167160A JP 2022167160 A JP2022167160 A JP 2022167160A JP 2021072759 A JP2021072759 A JP 2021072759A JP 2021072759 A JP2021072759 A JP 2021072759A JP 2022167160 A JP2022167160 A JP 2022167160A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
power generation
storage tank
thermoelectric power
heat medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021072759A
Other languages
English (en)
Inventor
二朗 福留
Jiro Fukutome
洋史 鵜飼
Yoji Ukai
脩二 玉木
Shuji Tamaki
芳佳 畑迫
Yoshika Hatasako
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Holdings Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Holdings Co Ltd filed Critical Yanmar Holdings Co Ltd
Priority to JP2021072759A priority Critical patent/JP2022167160A/ja
Priority to CN202210393395.0A priority patent/CN115241360A/zh
Priority to US17/726,287 priority patent/US20220344559A1/en
Publication of JP2022167160A publication Critical patent/JP2022167160A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N11/00Generators or motors not provided for elsewhere; Alleged perpetua mobilia obtained by electric or magnetic means
    • H02N11/002Generators
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/10Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects
    • H10N10/13Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects characterised by the heat-exchanging means at the junction
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/10Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects
    • H10N10/17Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects characterised by the structure or configuration of the cell or thermocouple forming the device
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details

Landscapes

  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

【課題】熱電発電装置における発電量を向上させつつ、熱電発電装置を小型化できる熱電発電システムを提供する。【解決手段】熱電発電装置10は、熱電発電ユニット20の加熱部211と伝熱管22とからなるサーモサイホン式熱交換器によって、流路50を流れる高温ガスから熱を回収し発電を行う。サーモサイホン式熱交換器には、熱媒体を貯留する貯留タンク30が連通状態で接続されており、サーモサイホン式熱交換器から貯留タンク30への熱媒体の移送、および貯留タンク30からサーモサイホン式熱交換器への熱媒体の返送により、サーモサイホン式熱交換器内の熱媒体の量を調節可能である。貯留タンク30は、少なくとも一部が流路50中に設置されることで貯留している熱媒体が加熱されるとともに、冷却機能をON/OFF可能な冷却器32によって貯留している熱媒体を冷却可能である。【選択図】図6

Description

本発明は、熱電発電装置を高温ガスが流れる流路に対して設置し、高温ガスからの回収熱を熱電発電装置に与えて発電を行う熱電発電システムに関する。
従来、熱電素子の一方の面に熱媒流路を備える加熱部を設けるとともに、熱電素子の他方の面に冷媒流路を備える冷却部を設け、熱電素子の両面における加熱部と冷却部との温度差によって発電する熱電発電装置が知られている。また、特許文献1には、熱電発電装置における熱媒流路の一部を高温ガスが流れるダクトなどに設置し、熱電発電装置を高温ガスからの回収熱を利用して発電を行う熱電発電システムとして利用することが開示されている。
特許第6685880号公報
特許文献1の熱電発電装置は、熱媒流路を流れる熱媒体の圧力または温度を調整することで発電量を向上させたものとなっている。しかしながら、特許文献1の熱電発電装置でも、装置の構成の簡略化や小型化といった観点でさらなる改良の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱電発電装置における発電量を向上させつつ、熱電発電装置を小型化できる熱電発電システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の熱電発電システムは、加熱流路からの回収熱を熱電発電装置に与えて発電を行う熱電発電システムであって、前記熱電発電装置は、前記回収熱を熱電素子に与える熱交換器と、前記熱交換器内の熱媒体を貯留する貯留タンクと、を備えており、前記貯留タンクの少なくとも一部が前記加熱流路内に設置されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、貯留タンク内の熱媒体を常に加熱しながら、貯留タンクと熱交換器との間で熱媒体の移送/返送を行い、熱電発電装置における発電量を向上させることができる。加えて、貯留タンクの少なくとも一部を、加熱流路中に設置することで、貯留タンクに対して他の加熱手段(ヒータや加熱熱交換器など)を設けることが不要となり、熱電発電装置の構成の簡略化および小型化を図ることができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記貯留タンクは、前記加熱流路の外部において、前記貯留タンクに接続されたヒートパイプを有しており、前記ヒートパイプには、前記ヒートパイプ内の熱媒体を冷却する冷却部が設けられている構成とすることができる。
上記の構成によれば、冷却部による冷却機能をON/OFF制御することで、貯留タンク内の熱媒体圧力を調整し、貯留タンクと熱交換器との間で熱媒体の移送/返送を制御することができる。また、冷却部が貯留タンクのヒートパイプに対して外部から冷却を行うようにすることで、冷却機能を安定化させることができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記ヒートパイプは、その両端が前記貯留タンクに接続され、高さ方向にループ回路を形成している構成とすることができる。
上記の構成によれば、ヒートパイプが高さ方向にループ回路を形成することで、冷却を受ける熱媒体がサーモサイホン効果によってヒートパイプ内を循環し、冷却機能のON時における冷却効率を向上させることができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記冷却部は、前記熱媒体の冷却に用いる冷却水を循環させる冷却水流路管と、前記貯留タンク内の圧力を検知する圧力センサとを有しており、前記圧力センサの検知信号に基づいて前記冷却水流路管内を流れる冷却水の流量を調整可能である構成とすることができる。
上記の構成によれば、冷却部において冷却水の流量調整を行うことで、熱電発電装置における熱媒体の圧力制御をより高精度に行うことができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記ヒートパイプに開閉制御または開度制御可能な制御弁が設けられており、前記制御弁によって前記ヒートパイプと前記貯留タンクとの間での前記熱媒体の移動が制御可能である構成とすることができる。
上記の構成によれば、ヒートパイプと貯留タンクとの間での熱媒体の移動を制御することで、冷却部における冷却機能の制御を行うことができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記貯留タンクは、複数の前記熱交換器に接続されており、複数の前記熱交換器における前記熱媒体の循環経路が連結管によって連結されている構成とすることができる。
上記の構成によれば、複数の熱交換器における熱媒体の循環経路を連結することで、複数の熱交換器内の圧力を同じにすることができる。これにより、複数の熱交換器に対し1つの貯留タンクで熱媒体の総量を制御することが可能となり、熱電発電装置の構成を簡素化することができる。
また、上記熱電発電システムでは、複数の前記熱交換器は、前記加熱流路内に設置されており、前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送は、熱源温度の最も低い前記熱交換器において行われ、前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送は、前記熱源温度の最も高い前記熱交換器において行われる構成とすることができる。
上記の構成によれば、複数の熱交換器が加熱流路において熱源温度の異なる状態で設置される場合、熱源温度の低い熱交換器では熱媒体の総量が多い状態となりやすく、熱源温度の高い熱交換器では熱媒体の総量が少ない状態となりやすい。これに対し、熱交換器から貯留タンクへの熱媒体の移送を、熱源温度の最も低い熱交換器において行い、貯留タンクから熱交換器への熱媒体の返送を、熱源温度の最も高い熱交換器において行うことで、熱媒体の偏在を解消することができる。
また、上記熱電発電システムでは、複数の前記熱交換器は、高さ方向において、前記加熱流路内に異なる位置で設置されており、前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送は、設置位置の最も低い前記熱交換器において行われ、前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送は、設置位置の最も高い前記熱交換器において行われる構成とすることができる。
上記の構成によれば、複数の熱交換器が加熱流路において設置位置の高さが異なる状態
で設置される場合、設置位置の低い熱交換器では熱媒体の総量が多い状態となりやすく、設置位置の高い熱交換器では熱媒体の総量が少ない状態となりやすい。これに対し、熱交換器から貯留タンクへの熱媒体の移送を、設置位置の最も低い熱交換器において行い、貯留タンクから熱交換器への熱媒体の返送を、設置位置の最も高い熱交換器において行うことで、熱媒体の偏在を解消することができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記熱交換器は、前記加熱流路内に設置され、前記加熱流路を流れる熱源の熱によって前記熱媒体を加熱する伝熱管群を有しており、前記貯留タンクは前記伝熱管群内のすき間部に設置されている構成とすることができる。
上記の構成によれば、貯留タンクを伝熱管群内のすき間部に挿入する形で設置することで、貯留タンク用の設置スペースが不要となり、熱電発電システムにおける熱電発電装置の省スペース化を図ることができる。
また、上記熱電発電システムでは、前記貯留タンクは、前記熱交換器よりも前記加熱流路における熱源の温度の低い位置に設置されている構成とすることができる。
上記の構成によれば、貯留タンクの設置箇所を熱交換器の下流側とすることで、加熱流路内での熱交換器の熱回収能力に影響を与えることがなくなる。
また、上記熱電発電システムは、前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送、および前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送を、タイマー動作により所定のサイクルで切り替え可能な制御部を有する構成とすることができる。
上記の構成によれば、熱媒体の総量が多い状態となりやすい熱交換器から熱媒体の総量が少ない状態となりやすい熱交換器への熱媒体の移動を促すことができ、複数の熱交換器へ間での熱媒体の偏在を効果的に解消することができる。
また、上記熱電発電システムは、前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送、および前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送を、複数の前記熱交換器のうち前記熱媒体が最も不足傾向となる前記熱交換器の熱媒体温度に基づいて切り替え可能な制御部を有する構成とすることができる。
上記の構成によれば、熱媒体の総量が多い状態となりやすい熱交換器から熱媒体の総量が少ない状態となりやすい(熱媒体が最も不足傾向となる)熱交換器への熱媒体の移動を促すことができ、複数の熱交換器へ間での熱媒体の偏在を効果的に解消することができる。
本発明の熱電発電システムは、貯留タンク内および熱交換器内の熱媒体圧力を調整して熱電発電装置における発電量を向上させたシステムにおいて、貯留タンクに対して他の加熱手段を設けることを不要とし、熱電発電装置の構成の簡略化および小型化を図ることができるといった効果を奏する。
本発明の熱電発電システムに適用可能な熱電発電装置の構成例を模式的に示す図である。 熱電発電装置から熱電発電ユニットを抜き出して示す斜視図である。 熱電発電ユニットにおける発電部の縦断面図である。 加熱部および伝熱管によって形成される循環経路を模式的に示す図である。 熱源ガス温度と熱媒体飽和温度との関係を示すグラフである。 熱電発電システムの実施例1の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例2の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例3の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例4の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例5の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例6の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例7の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例8の構成を模式的に示す図である。 熱電発電システムの実施例9における伝熱管と貯留タンクとの設置関係を示す図である。 熱電発電システムの実施例10における熱電発電ユニットと貯留タンクとの設置関係を示す図である。 熱電発電システムの実施例11における電磁弁の開閉制御を示すタイミングチャートである。 熱電発電システムの実施例12における電磁弁の開閉制御を示すタイミングチャートである。 熱電発電システムの実施例13における熱電発電ユニットの設置状態を示す図である。 熱電発電システムの実施例14における熱源ガス温度とタンク挿入長/タンク全長との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の熱電発電システムに適用可能な熱電発電装置10の構成例を模式的に示す図である。図1に示すように、熱電発電装置10は、熱電発電ユニット20と貯留タンク30とを接続した構成とされている。
〔熱電発電ユニット20〕
図2は、熱電発電装置10から熱電発電ユニット20を抜き出して示す斜視図である。図2に示すように、熱電発電ユニット20は大略的に発電部21と伝熱管22とによって構成されている。図3は、熱電発電ユニット20における発電部21の縦断面図である。
発電部21は、一方の面に加熱部211が設けられるとともに、他方の面に冷却部212が設けられる熱電素子210を備えている。本例の発電部21では、図3に示すように、熱電素子210は、加熱部211の両面に設けられており、それぞれの熱電素子210を介して加熱部211の両面に、冷却部212がそれぞれ対向して設けられている。
熱電素子210は、加熱部211が設けられる一方の面(高温側)と、冷却部212が設けられる他方の面(低温側)の2つの面を有する素子である。熱電素子210は、加熱部211により一方の面が加熱されるとともに、冷却部212により他方の面が冷却されることによって、その温度差を利用して発電を行う。熱電素子210の厚さは、熱電素子210の一方の面および他方の面の大きさ(幅)よりも小さく設計されている。具体的には、熱電素子210は、板状に形成されている。図3の例では、複数の熱電素子210を直列に接続した熱電モジュール210A,210Bが、加熱部211の両面に貼り付けられている。具体的には、4列×5行の20個の熱電素子210を有する熱電モジュール210A,210Bが、加熱部211の両面に貼り付けられている。尚、熱電素子210の数は、これに限定されない。例えば、発電部21は、加熱部211の両面にそれぞれ1つの熱電素子210を貼り付ける構成であってもよい。
加熱部211は、熱伝導性に優れた金属材料によって形成されている。加熱部211は、熱電素子210の一方の面に接触する板状に形成されている。加熱部211は、伝熱管22と接続され、加熱部211と伝熱管22とはそれぞれ互いに連通する内部空間を有している。加熱部211および伝熱管22の内部空間は、熱媒体が循環する循環経路を形成している。熱媒体の種類は特に限定されるものではないが、例えば水を用いることができる。
冷却部212は、熱伝導性に優れた金属材料によって形成されている。冷却部212は、熱電素子2の他方の面に接触する板状に形成されている。冷却部212の内部には、冷却液が流れる冷却液流路が形成されている。尚、図2における212aは冷却液流入菅(図示せず)を接続するための冷却液流入口であり、図2における212bは冷却液排出菅(図示せず)を接続するための冷却液排出口である。すなわち、冷却部212内部の冷却液流路を流れる冷却液は、冷却液流入口212aから流入し、冷却液排出口212bから排出される。冷却液の種類は特に限定されるものではないが、例えば水を用いることができる。
〔貯留タンク30〕
貯留タンク30は、熱電発電ユニット20の加熱部211において使用される熱媒体を貯留しており、連通管40を介して加熱部211と接続されている。すなわち、加熱部211と貯留タンク30とは、連通管40を介して連通状態となっている。貯留タンク30は、状況に応じて加熱部211に熱媒体を供給したり、あるいは加熱部211から熱媒体を回収したりする。尚、本実施の形態では、熱電発電装置10において1つの貯留タンク30が設けられる構成を例示しているが、熱電発電装置10において貯留タンク30は複数設けられていてもよい。
また、貯留タンク30には加熱器31と冷却器(冷却部)32とが接続されている。すなわち、貯留タンク30は、加熱器31によって貯留タンク30内の熱媒体を加熱する加熱機能と、冷却器32によって貯留タンク30内の熱媒体を冷却する冷却機能とを有している。また、冷却機能に関しては、貯留タンク30内の圧力に応じてON/OFFできるようになっている。図1に示す例では、冷却器32は、冷却液(例えば冷却水)の循環経路に電磁弁321を設け、圧力スイッチ322によって電磁弁321の開閉制御を行う構成となっている。具体的には、圧力スイッチ322は、貯留タンク30内の圧力(貯留タンク圧力)が設定圧力Pset以上になると電磁弁321を開いて冷却液を循環させ(冷却機能ON)、貯留タンク圧力が設定圧力Pset未満になると電磁弁321を閉じて冷却液の循環を停止させる(冷却機能OFF)。
尚、貯留タンク30は連通管40を介して加熱部211と連通しているため、これらの内部圧力は全て同じとなる。このため、圧力スイッチ322は、貯留タンク30ではなく、連通管40または熱電発電ユニット20の加熱部211に取り付けられてもよい。
〔熱電発電装置10の基本動作〕
熱電発電装置10は、特許文献1と同様の原理を用いて発電量を向上させるものとなっている。従来の熱電発電装置は、熱媒体として高温の液体または気体を循環経路に流すように構成されていた。この構成では、循環経路を流れる熱媒体は、相が同一であるため、顕熱変化する。すなわち、熱媒体は、循環経路を流れる過程で温度変化する。
これに対し、本実施の形態に係る熱電発電装置10では、加熱部211および伝熱管22の循環経路を熱媒体が循環する過程において、熱媒体を潜熱変化(例えば、気体から液体への相変化)させることで、熱媒体の温度を一定にし、発電量を向上させている。
図4は、加熱部211および伝熱管22によって形成される熱媒体の循環経路を模式的に示す図である。この循環経路では、図4に示すように、熱媒体は伝熱管22において熱の供給を受けて加熱され、伝熱管22内を流れる熱媒体が液体から蒸気になる。すなわち、熱媒体は、伝熱管22内部において蒸発し、液体から気体へと相変化する。蒸気は、伝熱管22の高い側の位置にある開口端部から加熱部211へ排出される。加熱部211に排出された蒸気は、加熱部211の加熱面に注がれながら内部の循環経路を重力方向へ落下し、当該加熱面から放熱して熱電素子210を加熱することによって凝縮される。すなわち、熱媒体は、加熱部211内部において気体から液体へと相変化する。このとき、熱媒体は潜熱変化し、熱媒体の凝縮温度は一定である。凝縮された熱媒体は、伝熱管22の低い側にある開口端部から伝熱管22へ流入する。伝熱管22に流入した熱媒体は、再び加熱され、液体から蒸気へと相変化する。尚、貯留タンク30と熱電発電ユニット20を連通させる連通管40は、液相の熱媒体を移送できるように、熱電発電ユニット20に対しては熱媒体が液相となる低い位置で接続されていることが好ましい。
このように、熱電発電装置10において、熱媒体は加熱部211および伝熱管22で形成された循環経路を自然循環する。言い換えると、この循環経路は、ポンプなどの動力を使用せず、熱媒体の相変化を利用して熱媒体を繰り返し循環させるサーモサイホン式熱交換器(熱交換器)として機能する。
また、熱媒体を加熱部211および伝熱管22で形成された循環経路内で潜熱変化させながら循環させる場合、熱媒体の圧力を制御することが発電量を向上させる観点において重要となる。熱電発電装置10では、貯留タンク30から加熱部211に熱媒体を供給したり加熱部211から熱媒体を回収したりすることで、熱媒体の圧力を制御することができる。
具体的には、熱電発電装置10の動作時(後述する熱電発電システムとしての使用時)、貯留タンク30は、加熱器31によって熱媒体を常に加熱しながら、冷却器32による冷却機能をON/OFFすることで熱媒体の圧力を制御するようになっている。すなわち、熱電発電装置10では、加熱器31および冷却器32を備える貯留タンク30が、熱媒体の圧力制御機構となる。上述したように、加熱部211と貯留タンク30とは連通管40を介して連通しているため、内部圧力は同じとなっており、加熱部211の圧力が低下すると貯留タンク圧力も同様に低下し、加熱部211の圧力が上昇すると貯留タンク圧力も同様に上昇する。
貯留タンク圧力が設定圧力Pset以上になった場合、冷却器32の冷却機能がONとなり、貯留タンク圧力が低下して熱媒体が熱電発電ユニット20から貯留タンク30へ移動する(貯留タンクへの熱媒体の移送)。一方、貯留タンク圧力が設定圧力Pset以上になった場合、冷却器32の冷却機能がONとなり、貯留タンク圧力が低下して熱媒体が熱電発電ユニット20から貯留タンク30へ移動する(貯留タンクからの熱媒体の返送)。このような動作により、熱電発電ユニット20(および貯留タンク30)における熱媒体の圧力は、設定圧力Psetに維持されるように制御される。
熱電発電装置10を用いる熱電発電システムは、熱源であるガス温度に変動が生じることがある。このように熱源ガス温度(熱源温度)の変動が生じる場合であっても、熱媒体の圧力制御機構を有する熱電発電装置10では、熱媒体の圧力を設定圧力Psetに維持することで、熱媒体の温度を設定圧力Psetに相当する飽和温度に維持することができる。
すなわち、熱電発電装置10では、図5に実線にて示すように、熱源ガス温度が温度T1から温度T2の間で変動しても、熱媒体飽和温度は変動せず、この間で最高出力を維持
できる。一方、熱媒体の圧力制御機構を持たない熱電発電装置では、図5に破線にて示すように、熱源ガス温度変化に伴って熱媒体飽和温度が変動し、殆どの場合で最高出力を発揮することができない。尚、図5に示す熱電発電装置10の例では、熱源ガス温度が温度T1から温度T2に向かう場合は、熱媒体が熱電発電ユニット20から貯留タンク30へ移動することで設定圧力Psetが維持され、熱源ガス温度が温度T2から温度T1に向かう場合は、熱媒体が貯留タンク30から熱電発電ユニット20へ移動することで設定圧力Psetが維持される。
〔熱電発電システム〕
続いて、熱電発電装置10を適用する熱電発電システムについて、<実施例1>ないし<実施例14>を挙げて説明する。
<実施例1>
本実施の形態に係る熱電発電システム(以下、本システム)は、高温ガス熱を熱源として、高温ガスからの回収熱をサーモサイホン式熱交換器(加熱部211および伝熱管22)によって熱電モジュールに与えて発電を行う。図6は、本システムの実施例1の構成を模式的に示す図である。本システムでは、熱電発電装置10の伝熱管22を、高温ガスの流れる流路(加熱流路)50に設置し、流路50を流れる高温ガスの熱を利用して熱媒体を加熱する。尚、ここでの流路50は、エンジンの排ガスダクトや、産廃炉またはバイオマスボイラーなどで発生する排ガスが流れるダクトとすることができる。
さらに、本システムでは、貯留タンク30の少なくとも一部が流路50中に設置される。これにより、本システムの動作中、貯留タンク30内の熱媒体は流路50を流れる高温ガスによって常に加熱される状態となる。すなわち、本システムでは、高温ガスの流れる流路50が、図1における加熱器31に相当する。尚、流路50を流れる高温ガスが腐食性のガスなどである場合は、流路50を形成するダクトの構成材に貯留タンク30を埋設または接合することで、貯留タンク30を腐食性ガスから保護する構成であってもよい。
本システムにおいて、貯留タンク30の少なくとも一部を流路50中に設置する構成は、本発明の特徴の一つであり、実施例1だけでなく後述する全ての実施例に共通する。このように、貯留タンク30の少なくとも一部を流路50中に設置することで、貯留タンク30の加熱器31として他の加熱手段(ヒータや加熱熱交換器など)を設けることが不要となり、熱電発電装置10の小型化を図ることができる。尚、“貯留タンク30の少なくとも一部を流路50中に設置する構成”には、熱電発電装置10において複数の貯留タンク30が設けられる場合であって、その中の何れかの貯留タンク30が流路50内に設置される構成も含まれる。
また、図6に示す本システムでは、貯留タンク30の内部に冷却器32として機能する冷却水流路管323が配置されており、冷却水流路管323における冷却水の流れを電磁弁321および圧力スイッチ322によって制御することで、冷却機能のON/OFFを行う構成となっている。
<実施例2>
図7は、本システムの実施例2の構成を模式的に示す図である。本システムの動作時、貯留タンク30の内部は極めて高温となるため、実施例1のように、貯留タンク30の内部に冷却水流路管323を配置する構成では、冷却水流路管323内で冷却水が蒸発し、冷却水流路管323に冷却水を送り込むことが困難となって、冷却機能が不安定となったり、冷却効率が低下したりする恐れがある。
本実施例2は、冷却器32に対する冷却機能を安定させるための構成である。すなわち
、本システムでは、冷却器32は貯留タンク30に対して、内部ではなく外部から冷却を行う。具体例としては、図7に示すように、流路50の外部において、一端が貯留タンク30に接続されるヒートパイプ324を設け、ヒートパイプ324の他端側を冷却器32にて冷却できるようにする。
このように、冷却器32が貯留タンク30に対して外部から冷却を行うようにすることで、冷却水流路管323内で冷却水が蒸発しにくくなるため、冷却機能を安定化させることができ、冷却効率も向上させることができる。
<実施例3>
図8は、本システムの実施例3の構成を模式的に示す図である。本実施例3は、実施例2のシステムの変形例であり、図8に示すように、ヒートパイプ324の両端が貯留タンク30に接続され、ヒートパイプ324が高さ方向にループ回路を形成している。
このように、ヒートパイプ324が高さ方向にループ回路を形成することで、冷却を受ける熱媒体がサーモサイホン効果によってヒートパイプ324内を循環し、冷却機能のON時における冷却効率を向上させることができる。
<実施例4>
図9は、本システムの実施例4の構成を模式的に示す図である。実施例1~3では、冷却器32は、圧力スイッチ322によって電磁弁321の開閉を制御し、冷却機能のON/OFFを行う構成となっている。
これに対し、本実施例4は、冷却器32において、冷却水の流量調整機能を追加した構成である。具体例としては、図9に示すように、電磁弁321に代えて可変制御弁325を備え、圧力スイッチ322に代えて圧力センサ326および制御器327を備え、圧力センサ326の検知結果に応じて制御器327が可変制御弁325の開度を制御する。すなわち、本実施例4では、圧力センサ326が検知する貯留タンク圧力の増加に伴って、可変制御弁325の開度を上げて冷却水の流量を増やし、冷却器32の冷却機能を増加させることができる。また、貯留タンク圧力の減少に伴って、可変制御弁325の開度を下げて冷却水の流量を減らし、冷却器32の冷却機能を低下させることができる。このように、冷却器32において冷却水の流量調整機能を持たせることで、熱電発電装置10における熱媒体の圧力制御をより高精度に行うことができる。
尚、図9に示す例では、冷却水の流量調整を可変制御弁325の開度調整によって行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、冷却器32において冷却水の循環を行わせる冷却水ポンプ(図示せず)を設け、その冷却水ポンプの運転周波数を制御器327によって調整する構成も可能である。この場合、冷却水ポンプの運転周波数を上げることで冷却水の流量を増やし、運転周波数を下げることで冷却水の流量を減らすことができる。
また、図9は、実施例3(図8)の変形例として上記特徴を適用したものとなっているが、実施例1,2(図6,7)の変形例として上記特徴を適用することも可能である。
<実施例5>
図10は、本システムの実施例5の構成を模式的に示す図である。本実施例5は、実施例3のシステムの変形例であり、図10に示すように、電磁弁321を、冷却水流路管323ではなくヒートパイプ324に設けた構成である。このように、ヒートパイプ324に電磁弁321を設け、ヒートパイプ324内での熱媒体の循環を停止させることによっても、冷却機能をOFFすることができる。
冷却水の循環/停止によって冷却機能をON/OFFする場合、冷却機能のOFF時に循環の止まった冷却水が長時間加熱され、冷却水流路管323内で蒸気化する恐れがある。これに対して、ヒートパイプ324内での熱媒体の循環/停止によって冷却機能をON/OFFする構成では、冷却水の循環を止める必要が無く、冷却水の蒸気化を防止することができる。
尚、図10における本システムは、実施例3(図8)の変形例として例示されたものであり、ヒートパイプ324がループ回路を形成している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例2(図7)の変形例としてヒートパイプ324がループ回路を形成しない構成であってもよい。その場合、電磁弁321は、ヒートパイプ324において冷却器32による冷却箇所と貯留タンク30との間に設ければよい。これによっても、冷却器32による冷却箇所と貯留タンク30との間での熱媒体の移動を停止でき、冷却機能をOFFすることができる。
また、図10は、実施例3の変形例として電磁弁321および圧力スイッチ322を用いた構成とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、実施例4と同様に可変制御弁325、圧力センサ326および制御器327を用いた構成であってもよい。
<実施例6>
図11は、本システムの実施例6の構成を模式的に示す図である。上述の各実施例では、熱電発電装置10は、1つの熱電発電ユニット20に1つの貯留タンク30を組み合わせた構成とされている。これに対し、本実施例6の熱電発電装置10は、複数(図11の例では4つ)の熱電発電ユニット20に1つの貯留タンク30を組み合わせた構成とされている。また、図11の例では、4つの熱電発電ユニット20は、熱源である高温ガスの流れ方向に沿って設置されており、高温ガスの流れ方向における上流側から順に熱電発電ユニット20A~熱電発電ユニット20Dとする。このように、複数の熱電発電ユニット20を備えることで、熱電発電装置10は発電出力を増大させることができる。
本実施例6では、複数の熱電発電ユニット20の全てにおける加熱部211は、ユニット連結管214によって接続される。すなわち、ユニット連結管214での接続により、複数の熱電発電ユニット20内の圧力は同じとなる。このとき、ユニット連結管214は、熱電発電ユニット20内で熱媒体が蒸気相となる高い位置でユニット連結を行うことが好ましい。これにより、複数の熱電発電ユニット20に対し1つの貯留タンク30で熱電発電装置10内の熱媒体の総量を制御することが可能となり、発電出力を増大させた熱電発電装置10においてその構成を簡素化することができる。
尚、本実施例6では、連通管40は、複数の熱電発電ユニット20の中の少なくとも1つに接続されていればよく、図11の例では、最も下流側の熱電発電ユニット20Dに接続されている。また、本実施例6のシステムでは、貯留タンク30の構成として、実施例1~5の何れの構成を適用することも可能である。
<実施例7>
図12は、本システムの実施例7の構成を模式的に示す図である。本実施例7は、実施例6のシステムの変形例である。実施例6(図11)では、連通管40は、熱電発電ユニット20側で1つのユニット(最下流側の熱電発電ユニット20D)にのみ接続されていた。これに対し、本実施例7のシステムでは、図12に示すように、連通管40は熱電発電ユニット20側で2本に分岐され、一方の分岐連通管40Aが最下流側の熱電発電ユニット20Dに接続され、他方の分岐連通管40Bが最上流側の熱電発電ユニット20Aに接続されている。また、分岐連通管40Aには貯留タンク30から熱電発電ユニット20
Dへの熱媒体の移動を禁止する逆止弁41Aが設けられており、分岐連通管40Bには熱電発電ユニット20Aから貯留タンク30への熱媒体の移動を禁止する逆止弁41Bが設けられている。
本実施例7のシステムでは、分岐連通管40Aおよび40Bに逆止弁41Aおよび41Bがそれぞれ設けられることにより、貯留タンク30に熱媒体が回収されるとき(貯留タンク圧力>設定圧力Psetとなり冷却機能がONされるとき)は、最下流側の熱電発電ユニット20Dから貯留タンク30へ熱媒体が移動する。逆に、貯留タンク圧力<設定圧力Psetとなり冷却機能がOFFされるときは、貯留タンク30から最上流側の熱電発電ユニット20Aへ熱媒体が移動する。この構成は、最下流側の熱電発電ユニット20Dにおける熱媒体の偏在を解消する上で有効である。
複数の熱電発電ユニット20が熱源である高温ガスの流れ方向に沿って設置される場合、熱源である高温ガスは、上流側の熱電発電ユニット20から順に熱を奪われることにより、下流に向かうにつれて温度が低下する。その結果、図12の例では、最下流側の熱電発電ユニット20Dは液リッチの状態(熱媒体の総量が多い状態)となりやすく、最上流側の熱電発電ユニット20Aは蒸気リッチの状態(熱媒体の総量が少ない状態)となりやすい。
これに対し、本実施例7のシステムでは、貯留タンク30に熱媒体を回収する状況では、熱媒体の総量が多い最下流側の熱電発電ユニット20Dから熱媒体を移動させることができ、貯留タンク30から熱媒体を供給する状況では、熱媒体の総量が少ない最上流側の熱電発電ユニット20Aに熱媒体を移動させることができる。その結果、最下流側の熱電発電ユニット20Dにおける熱媒体の偏在を解消することができる。
<実施例8>
図13は、本システムの実施例8の構成を模式的に示す図である。本実施例8の熱電発電装置10は、実施例6,7と同様に、複数(図13の例では2つ)の熱電発電ユニット20に1つの貯留タンク30を組み合わせた構成である。但し、複数の熱電発電ユニット20は、熱源である高温ガスの流れ方向に沿って設置されるものではなく、高さ方向に並んで(高さの異なる状態で)設置されている。図13の例では、上側の(設置位置の高い)ユニットを熱電発電ユニット20Eとし、下側の(設置位置の低い)ユニットを熱電発電ユニット20Fとする。
本実施例7のシステムでも、連通管40は熱電発電ユニット20側で2本に分岐され、一方の分岐連通管40Aが下側の熱電発電ユニット20Fに接続され、他方の分岐連通管40Bが上側の熱電発電ユニット20Eに接続されている。分岐連通管40Aには貯留タンク30から熱電発電ユニット20Dへの熱媒体の移動を禁止する逆止弁41Aが設けられており、分岐連通管40Bには熱電発電ユニット20Aから貯留タンク30への熱媒体の移動を禁止する逆止弁41Bが設けられている。この構成は、設置位置の低い熱電発電ユニット20Fにおける熱媒体の偏在を解消する上で有効である。
複数の熱電発電ユニット20が高さ方向に並んで設置される場合、それぞれの熱電発電ユニット20に当たる高温ガスの温度が同じであっても、液状態の熱媒体は重力によって下がり設置位置の低い熱電発電ユニット20に溜まりやすい。すなわち、図13の例では、下側の熱電発電ユニット20Fは液リッチの状態(熱媒体の総量が多い状態)となりやすく、上側の熱電発電ユニット20Eは蒸気リッチの状態(熱媒体の総量が少ない状態)となりやすい。
これに対し、本実施例8のシステムでは、貯留タンク30に熱媒体を回収する状況では
、熱媒体の総量が多い下側の熱電発電ユニット20Fから熱媒体を移動させることができ、貯留タンク30から熱媒体を供給する状況では、熱媒体の総量が少ない上側の熱電発電ユニット20Eに熱媒体を移動させることができる。その結果、下側の熱電発電ユニット20Fにおける熱媒体の偏在を解消することができる。
<実施例9>
図14は、本システムの実施例9における伝熱管22と貯留タンク30との設置関係を示す図である。上述したように、本システムでは、伝熱管22および貯留タンク30(の少なくとも一部)が高温ガスの流れる流路50の中に設置される。このとき、図14に示すように、貯留タンク30は伝熱管22群内のすき間部に挿入される形で設置されてもよい。貯留タンク30をこのように設置することで、貯留タンク30用の設置スペースが不要となり、本システムにおける熱電発電装置10の省スペース化を図ることができる。
<実施例10>
図15は、本システムの実施例10における熱電発電ユニット20と貯留タンク30との設置関係を示す図である。尚、図15では、貯留タンク30における加熱器31および冷却器32については図示を省略している。上述したように、本システムでは、流路50に対して熱電発電ユニット20(の伝熱管22)および貯留タンク30(の少なくとも一部)が設置される。
本実施例10では、貯留タンク30の設置箇所は、流路50内での高温ガスの流れ方向に対して、熱電発電ユニット20の下流側とされる。すなわち、貯留タンク30の設置箇所は、熱電発電ユニット20の設置箇所よりも熱源ガス温度の低い位置とされる。これは、貯留タンク30の加熱に必要なガス温度は、熱電発電ユニット20の加熱に必要なガス温度より低いためである。貯留タンク30の設置箇所を熱電発電ユニット20の下流側とすることで、熱電発電ユニット20のおける流路50内での熱回収能力に影響を与えることがなくなる。
尚、図15は、熱電発電装置10において複数(図15の例では5つ)の熱電発電ユニット20と1つの貯留タンク30とを組み合わせた構成を例示している。この場合、貯留タンク30の設置箇所は、何れの熱電発電ユニット20よりも下流側とされる。また、本実施例10の構成は、熱電発電装置10において複数の熱電発電ユニット20を備える場合に限定されるものではなく、熱電発電装置10において1つの熱電発電ユニット20と1つの貯留タンク30とを組み合わせる場合であっても適用可能である。
<実施例11>
本実施例11は、実施例7または8の構成を前提とする場合において、貯留タンク30の冷却機能の制御動作に特徴を有するものである。図16は、本システムの実施例11における電磁弁321の開閉制御を示すタイミングチャートである。尚、詳細な図示などは省略するが、以下の開閉制御を行うにあたって、熱電発電装置10には、時間計測を行うタイマーと、タイマーの計測に基づいて電磁弁321の開閉を制御する制御部とが備えられる。
実施例7および8における本システムは、連通管40を熱電発電ユニット20側で2本の分岐連通管40Aおよび40Bに分岐し、分岐連通管40Aおよび40Bに逆止弁41Aおよび41Bをそれぞれ設けた構成である。この構成では、実施例7および8で説明した作用により、複数の熱電発電ユニット20間での熱媒体の偏在を解消することができる。
本実施例11の制御は、実施例7および8で説明した作用を積極的に発生させ、熱媒体
の偏在をより効果的に解消しようとするものである。具体的には、図16に示すように、タイマー動作による所定のサイクルで貯留タンク30の冷却機能におけるON/OFFを切り替える(例えば、電磁弁321の開/閉を切り替える)。
図16の制御では、電磁弁321の開時(冷却機能におけるON時)に熱媒体の多くなりやすい熱電発電ユニット20から貯留タンク30へ熱媒体が移動し、電磁弁321の閉時(冷却機能におけるOFF時)に貯留タンク30から熱媒体の少なくなりやすい熱電発電ユニット20へ熱媒体が移動する。このように、冷却機能におけるON/OFFを所定サイクルで切り替えることにより、熱電発電ユニット20と貯留タンク30との間での熱媒体の循環を促し、複数の熱電発電ユニット20間での熱媒体の偏在を効果的に解消することができる。
但し、上述したように、冷却機能におけるON/OFF切り替えの基本制御は、貯留タンク圧力が設定圧力Pset以上になった場合に冷却機能ONとし、貯留タンク圧力が設定圧力Pset未満になった場合に冷却機能OFFとするものである。この基本制御と本実施例11の制御(所定サイクルでの冷却機能ON/OFF切替制御)とを併用するには、貯留タンク圧力が設定圧力Pset以上の場合に冷却機能を常時ONとし、貯留タンク圧力が設定圧力Pset未満である場合に本実施例11の制御を行うことが考えられる。
<実施例12>
本実施例12は、実施例11と同様に、実施例7または8の構成を前提とする場合において、貯留タンク30の冷却機能の制御動作に特徴を有するものである。図17は、本システムの実施例12における電磁弁321の開閉制御を示すタイミングチャートである。尚、詳細な図示などは省略するが、以下の開閉制御を行うにあたって、熱電発電装置10には、熱媒体が不足傾向となる熱電発電ユニット20の熱媒体温度を検出する温度センサと、温度センサの検知結果に基づいて電磁弁321の開閉を制御する制御部とが備えられる。
本実施例12の制御では、複数の熱電発電ユニット20のうち熱媒体が不足傾向となるユニット(高温ガスの上流側設置または上方設置)の熱媒体温度に基づいて貯留タンク30の冷却機能におけるON/OFFを切り替える。具体的には、熱媒体が不足傾向となる熱電発電ユニット20の熱媒体温度を温度センサで検出し、図17に示すように、検出した熱媒体温度を2つの基準値(OFF基準値およびON基準値:OFF基準値>ON基準値)と比較する。そして、熱媒体温度がOFF基準値を超えたときに冷却機能をOFFとし(例えば、電磁弁321を閉じ)、熱媒体温度がON基準値を下回ったときに冷却機能をONとする(例えば、電磁弁321を開く)。尚、熱媒体温度を検出する温度センサは、熱電発電ユニット20内で、熱媒体が蒸気相となる箇所での熱媒体温度を検出することが望ましい。
熱電発電ユニット20での熱媒体不足時は熱媒体温度が上昇するため、熱媒体温度によって熱媒体不足が検知可能であり、冷却機能におけるON/OFFを熱媒体温度に基づいて切り替えることにより、複数の熱電発電ユニット20間での熱媒体の偏在(特に、熱媒体が不足傾向となる熱電発電ユニット20での熱媒体不足)をより効果的に解消することができる。
<実施例13>
図18は、本システムの実施例13における熱電発電ユニット20の設置状態を示す図である。尚、図18では、貯留タンク30における加熱器31および冷却器32については図示を省略している。上述したように、本システムでは、流路50に対して熱電発電ユニット20(の伝熱管22)および貯留タンク30(の少なくとも一部)が設置される。
本実施例13では、複数(図18の例では3つ)の熱電発電ユニット20が、熱源である高温ガスの流れ方向に沿って設置されることが前提となる。この場合、高温ガスは上流側の熱電発電ユニット20から順に熱を奪われることで、下流に行くほど温度が低下する。このため、実施例13の本システムでは、下流側に設置される熱電発電ユニット20ほど、上流側に設置される熱電発電ユニット20に比べて伝熱管22を長くしている。これにより、下流側に設置される熱電発電ユニット20ほど、伝熱管22を長くすることで熱源の高温ガスによる加熱を受けやすくなり、熱源ガス温度の低下を補うことができる。
<実施例14>
本システムでは、流路50に対して熱電発電ユニット20(の伝熱管22)および貯留タンク30(の少なくとも一部)が設置されるが、基本的に、熱源である高温ガスの温度(熱源ガス温度)はシステム毎に異なるものである。本実施例14は、流路50に対して貯留タンク30を設置する位置の熱源ガス温度により、貯留タンク30の流路50への挿入長さと貯留タンク30の全長との比(タンク挿入長/タンク全長)を変えて設置することを特徴とする。
図19は、熱源ガス温度とタンク挿入長/タンク全長との関係を示すグラフである。本実施例14では、図19に示すように、熱源ガス温度が高くなるほど、タンク挿入長/タンク全長が小さくなるようにして貯留タンク30の設置を行う。このような設置方法により、単一仕様の貯留タンク30にて、熱源ガス温度によらず本システムの熱媒体量の調整機能を得ることができる。
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
10 熱電発電装置
20 熱電発電ユニット
21 発電部
210 熱電素子
210A,210B 熱電モジュール
211 加熱部(熱交換器の一部)
212 冷却部
214 ユニット連結管
22 伝熱管(熱交換器の一部)
30 貯留タンク
31 加熱器
32 冷却器(冷却部)
321 電磁弁
322 圧力スイッチ
323 冷却水流路管
324 ヒートパイプ
325 可変制御弁
326 圧力センサ
327 制御器
40 連通管
40A 分岐連通管
40B 分岐連通管
41A 逆止弁
41B 逆止弁
50 流路(加熱流路)

Claims (12)

  1. 加熱流路からの回収熱を熱電発電装置に与えて発電を行う熱電発電システムであって、
    前記熱電発電装置は、前記回収熱を熱電素子に与える熱交換器と、前記熱交換器内の熱媒体を貯留する貯留タンクと、を備えており、
    前記貯留タンクの少なくとも一部が前記加熱流路内に設置されていることを特徴とする熱電発電システム。
  2. 請求項1に記載の熱電発電システムであって、
    前記貯留タンクは、前記加熱流路の外部において、前記貯留タンクに接続されたヒートパイプを有しており、
    前記ヒートパイプには、前記ヒートパイプ内の熱媒体を冷却する冷却部が設けられていることを特徴とする熱電発電システム。
  3. 請求項2に記載の熱電発電システムであって、
    前記ヒートパイプは、その両端が前記貯留タンクに接続され、高さ方向にループ回路を形成していることを特徴とする熱電発電システム。
  4. 請求項2または3に記載の熱電発電システムであって、
    前記冷却部は、前記熱媒体の冷却に用いる冷却水を循環させる冷却水流路管と、前記貯留タンク内の圧力を検知する圧力センサとを有しており、前記圧力センサの検知信号に基づいて前記冷却水流路管内を流れる冷却水の流量を調整可能であることを特徴とする熱電発電システム。
  5. 請求項2または3に記載の熱電発電システムであって、
    前記ヒートパイプに開閉制御または開度制御可能な制御弁が設けられており、
    前記制御弁によって前記ヒートパイプと前記貯留タンクとの間での前記熱媒体の移動が制御可能であることを特徴とする熱電発電システム。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の熱電発電システムであって、
    前記貯留タンクは、複数の前記熱交換器に接続されており、複数の前記熱交換器における前記熱媒体の循環経路が連結管によって連結されていることを特徴とする熱電発電システム。
  7. 請求項6に記載の熱電発電システムであって、
    複数の前記熱交換器は、前記加熱流路内に設置されており、
    前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送は、熱源温度の最も低い前記熱交換器において行われ、前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送は、前記熱源温度の最も高い前記熱交換器において行われることを特徴とする熱電発電システム。
  8. 請求項6に記載の熱電発電システムであって、
    複数の前記熱交換器は、高さ方向において、前記加熱流路内に異なる位置で設置されており、
    前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送は、設置位置の最も低い前記熱交換器において行われ、前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送は、設置位置の最も高い前記熱交換器において行われることを特徴とする熱電発電システム。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の熱電発電システムであって、
    前記熱交換器は、前記加熱流路内に設置され、前記加熱流路を流れる熱源の熱によって前記熱媒体を加熱する伝熱管群を有しており、
    前記貯留タンクは前記伝熱管群内のすき間部に設置されていることを特徴とする熱電発電システム。
  10. 請求項1から8の何れか1項に記載の熱電発電システムであって、
    前記貯留タンクは、前記熱交換器よりも前記加熱流路における熱源の温度の低い位置に設置されていることを特徴とする熱電発電システム。
  11. 請求項7または8に記載の熱電発電システムであって、
    前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送、および前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送を、タイマー動作により所定のサイクルで切り替え可能な制御部を有することを特徴とする熱電発電システム。
  12. 請求項7または8に記載の熱電発電システムであって、
    前記熱交換器から前記貯留タンクへの前記熱媒体の移送、および前記貯留タンクから前記熱交換器への前記熱媒体の返送を、複数の前記熱交換器のうち前記熱媒体が最も不足傾向となる前記熱交換器の熱媒体温度に基づいて切り替え可能な制御部を有することを特徴とする熱電発電システム。
JP2021072759A 2021-04-22 2021-04-22 熱電発電システム Pending JP2022167160A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021072759A JP2022167160A (ja) 2021-04-22 2021-04-22 熱電発電システム
CN202210393395.0A CN115241360A (zh) 2021-04-22 2022-04-15 热电发电系统
US17/726,287 US20220344559A1 (en) 2021-04-22 2022-04-21 Thermoelectric power generation system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021072759A JP2022167160A (ja) 2021-04-22 2021-04-22 熱電発電システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022167160A true JP2022167160A (ja) 2022-11-04

Family

ID=83668292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021072759A Pending JP2022167160A (ja) 2021-04-22 2021-04-22 熱電発電システム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20220344559A1 (ja)
JP (1) JP2022167160A (ja)
CN (1) CN115241360A (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4354483A (en) * 1979-05-30 1982-10-19 Johnston Barry W Closed loop solar collector system with dual reservoirs and fluid bypass
JP3760666B2 (ja) * 1999-04-07 2006-03-29 国産電機株式会社 内燃機関駆動発電装置
US6912895B1 (en) * 2003-06-16 2005-07-05 Brunswick Corporation Coolant flow monitoring system for an engine cooling system
CN104081031B (zh) * 2012-01-31 2016-01-06 丰田自动车株式会社 热电发电装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN115241360A (zh) 2022-10-25
US20220344559A1 (en) 2022-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103225937B (zh) 热源机控制系统
JP4942480B2 (ja) 貫流ボイラとその始動方法
US9470115B2 (en) Split radiator design for heat rejection optimization for a waste heat recovery system
EP2413042A1 (en) Temperature regulator, fluid supply system, heating system, method of fixing temperature regulator, and fluid supply method
KR100711788B1 (ko) 고효율 열병합 발전시스템
JP5828219B2 (ja) コージェネレーションシステム、排熱利用装置、コージェネレーションシステムの制御方法及びヒートポンプ式給湯装置
JP2022167160A (ja) 熱電発電システム
KR101736913B1 (ko) 열에너지 회수 장치
JP2020085415A (ja) ボイラシステム及び発電プラント並びにボイラシステムの運転方法
CN103017389B (zh) 高精度温控热交换系统
JP2006052902A (ja) コージェネレーションシステム
US10950776B2 (en) Thermoelectric power generation device
KR102192076B1 (ko) 폐열을 이용한 냉수생산시스템
US20180149388A1 (en) Exhaust gas latent heat recovery device
JP2013016590A (ja) 沸騰冷却装置及び沸騰冷却装置を用いた車両用冷却システム
CN102997518B (zh) 热交换系统的高精度控制方法
JP2013064569A (ja) プレートフィン型熱交換器及びその制御方法
JP2005188813A (ja) サーモサイフォン式冷却装置
CN114593522B (zh) 一种烟温测量协同控制热管系统
JP2002156493A (ja) 原子力発電所の所内熱供給設備
RU2761712C2 (ru) Теплопередающее устройство
JP5950064B1 (ja) ヒートポンプ式蒸気生成装置
KR100446991B1 (ko) 지역난방 복합화력발전소용 증기터빈 배압 조절장치
JP5943126B1 (ja) ヒートポンプ式蒸気生成装置
JP6488157B2 (ja) 熱源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240209