JP2022166801A - 撮像装置、制御方法、および記憶媒体 - Google Patents

撮像装置、制御方法、および記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022166801A
JP2022166801A JP2021177256A JP2021177256A JP2022166801A JP 2022166801 A JP2022166801 A JP 2022166801A JP 2021177256 A JP2021177256 A JP 2021177256A JP 2021177256 A JP2021177256 A JP 2021177256A JP 2022166801 A JP2022166801 A JP 2022166801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
focus
control
mode
defocus
tilt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021177256A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7293310B2 (ja
Inventor
諒 川崎
Ryo Kawasaki
夏子 佐藤
Natsuko Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US17/722,946 priority Critical patent/US20220345633A1/en
Priority to EP22168949.0A priority patent/EP4080867A1/en
Priority to CN202210426060.4A priority patent/CN115225809A/zh
Publication of JP2022166801A publication Critical patent/JP2022166801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7293310B2 publication Critical patent/JP7293310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

【課題】複数の被写体のデフォーカス情報に応じた最適なピント制御を行うことにより、高速かつ高精度に複数被写体に合焦させることが可能な撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置は、撮像素子の撮像面および撮像光学系の主面の間の角度を変更するために、前記撮像素子または前記撮像光学系の少なくとも一つの傾きを変更するあおり駆動部(116)と、前記撮像光学系のフォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動部(117)と、撮影画像内における複数の被写体領域を設定する被写体領域設定部(113)と、前記複数の被写体領域ごとに、デフォーカス情報を検出するデフォーカス情報検出部(112)と、前記複数の被写体領域ごとの前記デフォーカス情報に基づいて、前記あおり駆動部と前記フォーカス駆動部の少なくとも一つを用いて合焦制御を行うための複数の制御モードから一つの制御モードを選択する制御部(115)と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、あおり制御が可能な撮像装置に関する。
近年、セキュリティ目的や工場のレーンなどの場所において、撮像装置が設置されている。このような撮像装置においては、被写界深度の深い映像を取得することが要求される。そこで、被写体を撮影する撮影光軸と直交する面に対して撮像面を傾ける(あおり制御を行う)ことで焦点面を調整し、撮影シーンの被写界深度を深くするシャインプルーフの原理と呼ばれる技術が知られている。
特許文献1には、コントラスト評価値に基づいて複数の被写体それぞれの合焦位置を検出し、複数の被写体に合焦するようにフォーカス位置とあおり制御量を決定する撮像装置が開示されている。特許文献2には、フォーカス位置とあおり角度の少なくとも一つを制御する複数の制御モードを有し、被写体の数に応じて複数の制御モードの一つを選択することで複数の被写体に合焦させる撮像装置が記載されている。これらの技術においては、撮像面位相差方式によりデフォーカス量を瞬時に検出することで、さらなる高速化が見込まれる。
特開2003-75716号公報 特開2020-154283号公報 特開2004-134867号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された撮像装置では、コントラスト評価値に基づく制御において、複数の合焦位置を検出する過程で一時的に被写体がぼけたり、合焦までに時間を要することがある。また、撮像面位相差方式を用いる場合においては、必ずしも高精度なデフォーカス量が検出されるとは限らない点が考慮されておらず、特許文献1及び特許文献2には、その際の制御方法に関して開示がない。
そこで本発明は、複数の被写体のデフォーカス情報に応じた最適なピント制御を行うことにより、高速かつ高精度に複数の被写体に合焦させることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像素子の撮像面および撮像光学系の主面の間の角度を変更するために、前記撮像素子または前記撮像光学系の少なくとも一つの傾きを変更するあおり駆動部と、前記撮像光学系のフォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動部と、撮影画像内における複数の被写体領域を設定する被写体領域設定部と、前記複数の被写体領域ごとに、デフォーカス情報を検出するデフォーカス情報検出部と、前記複数の被写体領域ごとの前記デフォーカス情報に基づいて、前記あおり駆動部と前記フォーカス駆動部の少なくとも一つを用いて合焦制御を行うための複数の制御モードから一つの制御モードを選択する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、複数の被写体のデフォーカス情報に応じた最適なピント制御を行うことにより、高速かつ高精度に複数被写体に合焦させることが可能な撮像装置を提供することができる。
撮像装置の構成を示すブロック図である。 撮像素子の画素構成を示す図である。 ビットずれ量の算出方法を説明する図である。 変換係数Kの算出方法を説明する図である。 あおり制御を説明する図である。 実施形態1に係るデフォーカス情報とその信頼度に基づく制御の一覧表である。 フォーカスあおり算出モードを説明する図である。 実施形態1に係る処理のフローチャートである。 ピント維持あおりモードを説明する図である。 ピント維持あおりモードを説明する図である。 実施形態2に係るデフォーカス情報とその信頼度に基づく制御の一覧表である。 実施形態2に係る処理のフローチャートである。 実施形態3に係る処理のフローチャートである。 実施形態3に係る処理のフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づき実施例を用いて詳細に説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。撮像光学系としてのレンズユニットは、光軸方向に移動して焦点距離を変更するズームレンズ101と、光軸方向に移動してピントの制御を行うフォーカスレンズ102と、光量を調整する絞りユニット103とを有する。
撮像光学系を通過した光は、バンドパスフィルタ(BPF)104及びカラーフィルタ105を介して撮像素子106上に光学像としての被写体像を形成する。BPF104は撮像光学系の光路に対し進退可能であってもよい。被写体像は、撮像素子106により光電変換され撮像信号を形成する。撮像素子106から出力されたアナログ電気信号(撮像信号)は、AGC(Auto Gain Control)107によりゲイン調整され、AD変換器108によりデジタル撮像信号に変換された後、カメラ信号処理部109に入力される。
カメラ信号処理部109では、デジタル撮像信号に対して各種画像処理(例えばガンマ処理やホワイトバランス調整など)を行って映像信号を生成する。この映像信号を不図示の表示部に画像として表示することによって撮影画像を表示することができる。映像信号は、通信部110を介して、撮像装置に有線または無線通信により接続された監視モニタ装置111に出力される。また通信部110は、外部PC等の外部制御装置からのコマンドを受けて撮像装置内のあおり/フォーカス制御部(制御部)115にコマンドなどの制御信号を渡す。
本実施形態では、監視モニタ装置111まで含めたシステムを撮像装置と呼ぶ。一方、図1において監視モニタ装置111以外は、一つの筐体に収納されており監視カメラを構成している。
焦点検出部(デフォーカス情報検出部)112は、対象となる被写体領域ごとにカメラ信号処理部109から得られる焦点検出用データを用いて位相差検出方式で焦点検出を行う。より具体的には、カメラ信号処理部109が、撮影光学系の一対の瞳領域を通過する光束で形成される一対の像データを焦点検出用データとして生成する。そして、焦点検出部112は、この一対の像データのずれ量に基づいてデフォーカス量やデフォーカス方向、またそれらの信頼性等を検出する。このように、焦点検出部112は、専用のAFセンサを用いず、撮像素子106の出力に基づく撮像面位相差方式により焦点検出を行う。なお、焦点検出部112の撮像面位相差方式による焦点検出動作については後で詳細に説明する。
被写体判定部(被写体領域設定部)113は、カメラ信号処理部109からの映像信号を画像認識して、撮影画像内から特定の被写体の検出を行う。特定の被写体としては、ユーザにより任意に指定された、もしくは予めデフォルトとして設定された被写体(例えば人物、顔、車など)である。
あおり/フォーカス駆動量算出部114は、焦点検出部112からのデフォーカス情報と被写体判定部113からの被写体情報が入力される。また、あおり/フォーカス駆動量算出部114は、デフォーカス情報、被写体情報とあおり/フォーカス制御部115からのあおり角度とフォーカス位置を用いて、シーンに応じた最適なあおり角度とフォーカス位置の算出を行う。算出されたあおり角度とフォーカス位置をあおり/フォーカス制御部115に伝えて、あおり角度とフォーカス位置が制御される。あおり/フォーカス制御部115は、コンピュータとしてのCPUが内蔵されており、不図示のメモリに記憶されたコンピュータプログラムに基づき装置全体の各種動作を制御手段として実行する。あおり/フォーカス制御部115は、通信部110を介して外部PCなどの外部制御装置からの指示に基づき、AFやマニュアルフォーカス(MF)での合焦制御を行う。また、あおり/フォーカス制御部115は、撮像素子駆動部116やフォーカス駆動部117から現在の位置情報を受け取り、あおり/フォーカス駆動量算出部114に現在の位置情報を伝える。また、あおり/フォーカス制御部115は、あおり/フォーカス駆動量算出部114で算出されたあおり角度、フォーカス位置を撮像素子駆動部116、フォーカス駆動部116に対して送り、駆動位置を指示する。
撮像素子駆動部116は、あおり駆動部として機能し、あおり/フォーカス制御部115から指示されたあおり角度に基づいて撮像素子106を傾ける。即ち、撮像素子106を傾けて、撮像素子106の撮像面と撮像光学系の主面の間の角度であるあおり角度を変更する。本実施形態では、撮像素子106を傾ける回転軸は撮影画像の中心を通る水平方向の(撮像素子106の長手方向に沿った)軸である。この回転軸を中心に撮像素子106は、撮像光学系に対して相対的に傾く。なお、あおり制御をするためには、撮像素子側ではなく撮像光学系の一部のレンズを撮像素子106に対して相対的に傾けてもよい。
フォーカス駆動部117は、あおり/フォーカス制御部115から指示されたフォーカスの設定位置に基づいてフォーカスレンズ102の位置を制御する。
(撮像面位相差方式による焦点検出動作の説明)
図2を用いて、撮像素子106の画素構成について説明する。図2は、撮像素子106の画素構成図である。
撮像素子106では、すべての画素201のそれぞれが光電変換部201a、201bの2つにX方向に2分割されている。また、撮像素子106は、光電変換部201a、201bそれぞれの光電変換信号と、2つの光電変換部201a、201bの光電変換信号の和とがそれぞれ独立して読み出し可能である。
また、2つの光電変換部201a、201bの光電変換信号の和から一方の光電変換部(例えば光電変換部201a)の光電変換信号を減じることで、他方の光電変換部(光電変換部201b)の光電変換信号に相当する信号を得ることができる。光電変換部201a、201bそれぞれにおける光電変換信号は、位相差AFのための焦点検出用データとして用いられる。また、2つの光電変換部201a、201bの光電変換信号の和は、通常の撮影画像データとして用いられる。
焦点検出部112は、このように生成されたA像とB像との相対的な像ずれ量を相関演算により算出する。これにより、焦点検出部112は、一対の像信号の相関度であるビットずれ量[bit]を検出することができる。ビットずれ量に変換係数を乗ずることで、ビットずれ量は所定領域のデフォーカス量[mm]に変換される。
本実施形態では、各画素から光電変換部201a、201bの一方の出力と2つの光電変換部201a、201bの出力信号の和を撮像素子106から読み出すものとする。例えば光電変換部201aの出力信号と、光電変換部201a,201bの出力信号の和とが読み出される場合、光電変換部201bの出力信号は光電変換部201a、201bの出力信号の和から光電変換部201aの出力信号を減じることで取得できる。これにより、A像とB像の両方を得ることができ、撮像面位相差方式での焦点検出を実現できる。また、光電変換部201a、201bの出力信号の和は、一般的には、出力画像の1画素(出力画素)を形成する。なお、このような撮像素子は、特許文献3に開示されるように公知であるため、詳細に関する説明は省略する。
次に、撮像面位相差方式による焦点検出動作について説明する。以下の焦点検出動作は、焦点検出部112が主体となって実行する。まず、焦点検出部112は、焦点検出位置を設定する。次に、焦点検出部112は、設定された焦点検出位置から焦点検出用データの読み出しを行う。焦点検出部112で設定された焦点検出位置内の画素から読み出した信号を用いることで、焦点検出部112は、A像およびB像のそれぞれの信号を生成する。次に、焦点検出部112は、A像とB像の相対的な像ずれ量を相関演算により求めることで、ビットずれ量P[bit]を検出する。
ここで図3を用いて、相関演算方法の一例を説明する。図3は、相関演算方法(ビットずれ量の算出方法)の説明図である。図3において、縦軸は信号値、ヨコ軸はビット(位置)をそれぞれ示す。
撮像素子106の画素(焦点検出画素)からA像とB像の信号が読み出されたとする。カメラ信号処理部109は、ノイズの低減のため、A像とB像のそれぞれに対してデジタルフィルタ処理を行う。図3(a)は、フィルタ処理後の波形を示す。焦点検出部112は、図3(a)~(d)に示されように、A像信号とB像信号いずれか、もしくはA像信号とB像信号の両方をビットシフトしながら、その時の相関量CORを算出する。相関量CORは、A像とB像とを重ねたときの面積、A像の面積からB像の面積を減算した値、または、相関度を表す計算値などであるが、これらに限定されるものではない。以下、相関量CORが、A像とB像を重ねたときの面積である場合で説明する。
A像とB像とが一致した場合、A像とB像との重なりが大きくなるため、最も相関が高く、相関量CORは大きくなる。ここでは、相関量CORが最大値をとるときのシフト量[bit]がビットずれ量P[bit]となる。
次に、焦点検出部112は、変換係数Kを取得する。変換係数Kをビットずれ量Pに乗じることでデフォーカス量DEFが求められる。
ここで、図4を参照して、変換係数Kの算出について説明する。図4は、変換係数Kの算出の説明図である。図4において、Z軸は、撮影光学系の光軸方向を示し、Z=0は撮像素子106の面(撮像面)を示す。
Zepは、射出瞳距離を示す。Z=Zep上のA像、B像の焦点検出光束の光量分布である瞳強度分布PI_A、瞳強度分布PI_Bは、光電変換部201a,201bのそれぞれから出力された焦点検出用信号を射出瞳面上に投影した投影像である。
図4中のPI_A、PI_Bは、一次元の瞳強度分布を示す。瞳強度分布PI_A、PI_Bの重心間隔を基線長BLとする。このとき、射出瞳距離Zepと基線長BLとの比で、A像とB像のビットずれ量[bit]に対する光軸方向の変化量[mm]を求めることができる。
従って、変換係数Kは以下の式(1)で表すことができる。
K=Zep/BL (1)
次に、焦点検出部112は、以下の式(2)により、デフォーカス量DEF[mm]を算出する。
DEF=P×K (2)
また、焦点検出部112は、デフォーカス量の信頼度判定を行う。信頼度判定の一例として、焦点検出部112は、A像とB像の一致度(以下、二像一致度)に基づく判定を行う。A像信号およびB像信号のコントラストが高く、A像信号とB像信号の形が似ている(二像一致度レベルが高い)場合、またはすでに主被写体に合焦している場合、焦点検出部112は、信頼度が高い、すなわちデフォーカス量が確かな状態であると判定する。
二像一致度が所定値よりも低いものの、A像信号およびB像信号を相対的にシフトさせて得られる相関に一定の傾向がある場合、焦点検出部112は、デフォーカス量は確かではないがデフォーカス方向は信頼できる状態であると判定する。たとえば、主被写体に対して小ボケしている状態に多い判定である。
上述のいずれにも当てはまらない場合、焦点検出部112は、デフォーカス量もデフォーカス方向も信頼できない状態と判定する。たとえば、A像信号およびB像信号のコントラストが低く、二像一致度も低い状態であり、被写体に対して大きくボケているときに多い判定である。
(あおり制御の説明)
図5を参照して、あおり制御について説明する。図5は、あおり制御の説明図である。図5(a)は、光学系(撮像光学系)と撮像素子106とが平行である状態を示している。フォーカス距離Lにピントが合っており、ピント面は光学系および撮像素子106のそれぞれと平行である。図5(b)は、図5(a)の状態から撮像素子106を撮像素子回転軸を中心に回転させ、あおり制御が行われた状態を示している。あおり制御が行われると、シャインプルーフの原理に基づいて、ピント面も撮像素子回転軸に対応したピント面回転軸を中心に回転する。このため、ある平面に関して近距離から遠距離まですべての被写体にピントを合わせることが可能となる。シャインプルーフの原理は、光学系の主面と撮像素子106の撮像面とがある1つの直線で交わるとき、ピント面も同じ直線上で交わるという原理である。
あおり角bは、焦点距離f、フォーカス距離L、および、俯角αを用いて、シャインプルーフの原理より、以下の式(3)で算出される。
b=tan-1(f/(Ltanα)) (3)
図5(c)は、被写体Xおよび被写体Yが存在するシーンを示している。この場合、図5(c)に示されるように、被写体X、Yの顔にピントが合うようなピント面に制御するのが望ましい。ここで、被写体とは、被写体の顔のような被写体の一部も含むものとする。このため、あおり制御のみではなく、フォーカスレンズ102を駆動するフォーカス制御も合わせて行うことが必要である。また、被写体ごとに最適なピント面(すなわち、最適なあおり角度および最適なフォーカス位置)は異なっており、ユーザが手動で調整するのは困難である。そこで、あおり/フォーカス制御部115)は、2つの被写体X、Yに共に合焦するピント面となるように、最適なあおり角度および最適なフォーカス位置へ自動で合焦制御を行う。
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る撮像装置が実行する処理について説明する。本実施形態1の撮像装置は、フォーカスモード(第1モード)、あおりモード(第2モード)、フォーカスあおり算出モード(第3モード)の3つのピント制御モード(制御モード)を有する。
フォーカスモードとは、フォーカスレンズ102を駆動することで被写体に合焦させる制御である。あおりモードとは、撮像素子106をあおり駆動することで被写体に合焦させる制御である。フォーカスあおり算出モードとは、フォーカス位置とあおり角度それぞれの目標値を計算によって求め、該目標値に基づいて被写体に合焦させる制御である。焦点検出部112が検出した被写体ごとのデフォーカス情報とその信頼度に基づいて、あおり/フォーカス制御部115は、最適なピント制御モードを選択しながら2つの被写体に対して合焦制御を行う。
本実施形態の具体的な制御方法について説明する。図6は、2つの被写体X、Yのデフォーカス情報とその信頼度に基づく制御の一覧表である。
2つの被写体X、Yのデフォーカス量が共に確かである場合、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスあおり算出モードで合焦制御を行う。ここで、フォーカスあおり算出モードにおけるあおり角度およびフォーカス位置を算出する一例を、図7を用いて説明する。図7は、フォーカスあおり算出モードの説明図である。対象とする被写体として、図5(c)と同様に、被写体Xおよび被写体Yが存在する。現在のあおり角度とフォーカスレンズ102の位置が図7の上部の位置関係になっている。xは被写体Xに対してピントを合わせるために必要なピント面上でのデフォーカス量、yは被写体Yに対してピントを合わせるために必要なピント面上でのデフォーカス量である。また、撮像素子106上でのあおり軸から被写体までの距離を、被写体Xに対してk1[um]、被写体Yに対してk2[um]とする。
ここで、被写体X、Yに同時に合焦させるためのあおり角度をα[°]とし、フォーカスレンズ102の移動によるピント面上でのフォーカス補正量をβとすると、以下の式(4)、(5)が成立する。
x-β=k1×tanα+β (4)
y=k2×tanα-β (5)
式(4)、(5)の連立方程式を解くと、あおり角度αおよびフォーカス補正量βはそれぞれ、以下の式(6)、(7)のように表される。
α=tan-1((x+y)/(k1+k2)) (6)
β=(k2×x-k1×y)/(k1+k2) (7)
フォーカスレンズ102の駆動量は、簡易的には、フォーカス補正量βをフォーカスレンズ102の敏感度FSで除算することで算出できる。
一方、フォーカスレンズ102の駆動量を正確に算出するには、敏感度FSに応じた高次方程式や多項式を解くことで可能となる。ただし、本実施形態は、これに限定されるものではなく、他の方法で算出してもよい。
このように、2つの被写体X、Yのデフォーカス量(x、y)が共に確かであれば、あおり角度およびフォーカス位置が算出でき、瞬時に被写体X、Yに合焦させることができる。なお、2つの被写体X、Yのデフォーカス量が所定未満である場合には、合焦済と判断できるので処理を終了させる。
次に、2つの被写体X、Yのデフォーカス量が共に確かではない場合について説明する。ここで、2つの被写体のデフォーカス方向であれば共に確かである場合、あおり/フォーカス制御部115は、その方向に応じてフォーカスモードかあおりモードかを選択する。デフォーカス方向が一致(同方向)の場合には、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスレンズ102を駆動することで、被写体X、Yが共に合焦する方向へピントを制御できるため、フォーカスモードで制御を行う。一方、デフォーカス方向が不一致(逆方向)の場合には、あおり/フォーカス制御部115は、撮像素子106をあおり駆動することで、被写体X、Yが共に合焦する方向へピントを制御できるため、あおりモードで制御を行う。
被写体X、Yのうちデフォーカス量もデフォーカス方向も確かではない被写体がある場合、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードまたはあおりモードで制御を行う。一方の被写体のデフォーカス量またはデフォーカス方向が確かである場合、あおり/フォーカス制御部115は、その被写体に対して合焦する方向にフォーカスモードまたはあおりモードで制御を行う。両方ともデフォーカス量またはデフォーカス方向が確かでない場合、あおり/フォーカス制御部115は、予め決められた方向にフォーカスモードまたはあおりモードで制御を行う。いずれの場合においても、制御中にデフォーカス方向が確かではない被写体に対するデフォーカス変化やコントラスト変化を確認することで、焦点検出部112は、デフォーカス方向を判定することができる。なお、本実施形態では、デフォーカス方向が確かである被写体が1つである場合において、その被写体が合焦済である場合には、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードを選択し、それ以外の場合にはフォーカスモードを選択している。このように制御を異ならせることによって、本実施形態では、他方の被写体のピント変化を大きくし、デフォーカス変化やコントラスト変化を確認しやすくしている。
図8は、上述した本実施形態における処理を示したフローチャートである。
ステップS801では、被写体判定部113は、2つの被写体(被写体領域)を設定する。顔検出、自動検出などにより自動で2つの被写体は設定されてもよいし、ユーザによって指定されてもよい。
ステップS802では、焦点検出部112は、ステップS801で設定された被写体毎のデフォーカス情報(デフォーカス量およびデフォーカス方向)を検出し、その信頼度(デフォーカス量およびデフォーカス方向それぞれが確かであるか否か)の判定を行う。
ステップS803では、焦点検出部112は、2つの被写体に対して検出されたデフォーカス量が両方とも確かであるか否かを判定する。両方とも確かである場合、ステップS804に進む。ステップS804で、焦点検出部112は、そのデフォーカス量が両方とも所定値未満であるか否かを判定する。両方とも所定値未満である場合は、合焦済と判断できるため、処理を終了する。いずれかが所定値以上である場合、ステップS805に進む。ステップS805では、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスあおり算出モードによりフォーカス位置とあおり角度それぞれの目標値を算出し、該目標値に基づいて2つの被写体に対して合焦制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。
ステップS803でnoと判定される場合、ステップS806に進む。ステップS806では、焦点検出部112は、2つの被写体に対して検出されたデフォーカス方向が両方とも確かであるか否かを判定する。両方とも確かである場合、ステップS807に進む。ステップS807では、焦点検出部112は、検出されたデフォーカス方向が一致しているか否かを判定する。検出されたデフォーカス方向が一致している場合には、ステップS808に進み、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードで制御を行う。検出されたデフォーカス方向が不一致の場合には、ステップS809に進み、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードで制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。ステップS808またはステップS809のピント制御モードで合焦方向へと制御を続けることで、次第にそれぞれの被写体に対して確かなデフォーカス量が得られるようになり、ステップS803の判定において、yesであると判定されやすくなる。
ステップS806でnoと判定される場合、ステップS810に進み、焦点検出部112は、2つの被写体のうちどちらかのデフォーカス量が所定値未満であるか否かを判定する。これは、既に合焦済の被写体があるか否かの判定に相当する。合焦済の被写体がある場合には、ステップS811に進み、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードで制御を行い、合焦済の被写体がない場合にはステップS812に進み、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードで制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。ステップS811またはステップS812のピント制御モードで合焦方向へと制御を続けることで、次第にそれぞれの被写体に対して確かなデフォーカス量が得られるようになる。また、デフォーカス変化やコントラスト変化を確認することでデフォーカス方向が得られるようになる。したがって、ステップS803やステップS806の判定において、yesであると判定されやすくなる。
以上説明した実施形態1では、2つの被写体のデフォーカス情報を検出し、その信頼度に応じて、フォーカスモード、あおりモード、フォーカスあおり算出モードの3つのピント制御モードを切り替えながら合焦制御を行う。2つの被写体のデフォーカス量が確かである場合にはフォーカスあおり算出モードによって高速で合焦制御を行い、そうでない場合においても2つの被写体のデフォーカス方向に基づいてフォーカスモードとあおりモードから最適なモードを選択している。これにより、より高速、高精度に2つの被写体に対して合焦制御を行うことができる。なお、実施形態1では確実に2つの被写体に合焦させるために、デフォーカス量が共に所定値未満となることで合焦制御を終了させたが、例えば、合焦制御開始から所定時間が経過した場合に合焦制御を終了させても良い。また、フォーカス駆動またはあおり駆動の反転回数によって合焦制御を終了させても良い。合焦制御を終了させる処理として、これらの他に様々な変形が可能である。
また本実施形態では、複数の被写体として、被写体の数が2つである場合について説明したが、被写体の数は3つ以上であっても良い。
例えば、3つ以上の被写体がある場合において、2つ以上の被写体のデフォーカス量が確かである場合、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスあおり算出モードで合焦制御を行う。
3つ以上の被写体がある場合において、2つ以上の被写体のデフォーカス方向が確かである場合、あおり/フォーカス制御部115は、その方向に応じてフォーカスモードかあおりモードかを選択する。デフォーカス方向がすべて一致の場合には、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードで制御を行う。一方、デフォーカス方向が不一致の場合には、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードで制御を行う。
3つ以上の被写体のうち、デフォーカス方向が確かである被写体が2つ未満である場合、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードまたはあおりモードで制御を行う。デフォーカス方向が確かである被写体が1つである場合において、その被写体が合焦済である場合には、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードを選択し、それ以外の場合にはフォーカスモードを選択する。
3つ以上の被写体がある場合、すべての被写体に合焦するように合焦制御を行うことは必ずしも可能ではない。すべての被写体が同一のピント面上にある場合のみすべての被写体が合焦状態にある。しかし、一般に近距離と遠距離では遠距離側の方があおり制御に対する被写界深度が深くなるため、近距離の被写体を優先して合焦制御を行えば、すべての被写体が合焦するように合焦制御を行うことができる場合がある。このため、被写体の数が3つ以上の場合には、あおり/フォーカス制御部115は、被写体判定部113に近距離の被写体を優先して2つ設定させても良い。その後、あおり/フォーカス制御部115は、焦点検出部112に該2つの被写体それぞれのデフォーカス情報を検出させ、これら2つの被写体に対して、上述した2つの被写体X,Yがある場合の処理を適用しても良い。また、ユーザが注目した2つの被写体を選択するようにしても良い。このように、3つ以上の被写体があった場合において、2つの被写体を選択すれば、すべての被写体に対してデフォーカス情報を検出する必要がないため、検出負荷を軽減することができる。
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る撮像装置が実行する処理について説明する。本実施形態の撮像装置は、合計4つのピント制御モードとして、実施形態1の撮像装置が有したフォーカスモード(第1モード)、あおりモード(第2モード)、フォーカスあおり算出モード(第3モード)に加え、ピント維持あおりモード(第4モード)有する。焦点検出部112が検出した被写体ごとのデフォーカス情報とその信頼度に基づいて、あおり/フォーカス制御部115は、最適なピント制御モードを選択しながら2つの被写体に対して合焦制御を行う。
ピント維持あおりモードについて説明する。ピント維持あおりモードとは、2つの被写体のうち特定の被写体におけるピント変化を抑制するようにあおり駆動部を用いて合焦制御を行うモードである。つまり、ピント維持あおりモードとは、あおり制御と同時にフォーカスレンズ102を駆動するフォーカス制御を行うことで、特定の被写体に合焦させたままピント面を回転させるモードである。
図9、図10は、ピント維持あおりモードの説明図である。図9は、地点Aの被写体に合焦した状態から、あおり制御を行った例である。図9(a)は、光学系と撮像素子106とが平行である状態を示している。図9(b)は、図9(a)の状態からあおり制御を行った状態を示している。前述のように、あおり制御を行うと、ピント面はあおり回転軸に対応した位置を中心に回転する。このため、回転軸上ではない地点Aの被写体は、ピント面から外れ、ぼけが生じてしまう。このように、あおり回転軸上ではない被写体に合焦させた状態であおり制御を行う場合には、ぼけが生じないようにフォーカス制御を行うことが好ましい。図9(c)は、図9(a)の状態からあおり制御とフォーカス制御を行った状態を示している。フォーカス制御によって、地点Aの被写体のピント状態を維持しつつ、ピント面を回転させることができる。
あおり制御に応じて行うフォーカス制御のフォーカス補正量を算出する一例を図10を用いて説明する。撮影画像であおり回転軸の位置よりも下部に存在する被写体領域に対して、あおり制御を行ってもピント状態を維持するためのフォーカス補正量を算出する。あおり制御前後のフォーカスレンズ102と撮像素子106の位置関係が、それぞれ図10の上部と下部に示されている。ここで、撮像素子106上でのあおり軸から被写体までの距離をk[um]とし、あおり制御によりあおり角度をα1[°](ここではレンズと平行のため0[°])からα2[°]まで駆動するとき、ピント面上での変化量βがフォーカス補正量となる。このフォーカス補正量βは、以下の式(8)で算出される。
β=(tanα2-tanα1)×k (8)
本実施形態の具体的な制御方法について説明する。図11は、2つの被写体X、Yのデフォーカス情報とその信頼度に基づく制御の一覧表である。ここでは、実施形態1との差分のみ説明する。本実施形態では、2つの被写体X、Yのデフォーカス量の両方が確かではなく、フォーカスあおり算出モードが使用できない場合において、一方の被写体のデフォーカス量が所定値未満(すなわち、合焦済)である場合に、ピント維持あおりモードが選択される。ピント維持あおりモードで制御を行うことにより、上述した通り合焦済の被写体をぼかすことなく、他方の被写体に対して合焦制御を行うことができる。このため、実施形態2では、実施形態1に対して合焦品位が向上する。
図12は、上述した本実施形態における処理を示したフローチャートである。実施形態1と同様である部分については同符号を付し、説明を省く。
ステップS803でnoと判定される場合、ステップS1201に進む。ステップS1201で、焦点検出部112は、2つの被写体X、Yのうちどちらかの被写体のデフォーカス量が所定値未満であるか否かを判定する。これは、既に合焦済の被写体があるか否かの判定に相当する。合焦済の被写体がある場合には、ステップS1202に進み、あおり/フォーカス制御部115は、ピント維持あおりモードで制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。ステップS1202のピント維持あおりモードでもう一方の被写体の合焦方向に向かって制御を続けることで、次第にその被写体に対して確かなデフォーカス量が得られるようになり、ステップS803の判定において、yesであると判定されやすくなる。
ステップS1201でnoと判定される場合、ステップS1203に進む。ステップS1203で、焦点検出部112は、2つの被写体X、Yに対して検出されたデフォーカス方向が両方とも確かである否かを判定する。デフォーカス方向が両方とも確かである場合、ステップS1204に進む。ステップS1204では、焦点検出部112は、検出されたデフォーカス方向が一致しているか否かを判定する。デフォーカス方向が一致している場合には、ステップS1205に進み、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードで制御を行う。デフォーカス方向が不一致の場合には、ステップS1206に進み、あおり/フォーカス制御部115は、あおりモードで制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。ステップS1205またはステップS1206のピント制御モードで合焦方向に向かって制御を続けることで、次第にそれぞれの被写体に対して確かなデフォーカス量が得られるようになる。これにより、ステップS803やステップS1201の判定において、yesであると判定されやすくなる。
ステップS1203でnoと判定される場合、ステップS1207に進み、あおり/フォーカス制御部115は、フォーカスモードで制御を行う。その後、再びステップS802へ戻る。ステップS1207においてフォーカスモードで合焦方向に向かって制御を続けることで、次第にそれぞれの被写体に対して確かなデフォーカス量が得られるようになる。また、デフォーカス変化やコントラスト変化を確認することでデフォーカス方向が得られるようになる。したがって、ステップS803、ステップS1201、ステップ1203の判定において、yesであると判定されやすくなる。
以上に説明した実施形態2では、2つの被写体X、Yのデフォーカス情報を検出し、その信頼度に応じて、フォーカスモード、あおりモード、フォーカスあおり算出モード、ピント維持あおりモードの4つのピント制御モードを切り替えながら合焦制御を行う。実施形態2では、ピント維持あおりモードを用いることで、合焦済の被写体をぼかすことなく他方の被写体に対して合焦制御を行うことができるため、実施形態1に対して合焦品位が向上する。
なお、実施形態2でも、被写体の数が2つである場合について説明したが、被写体の数は3つ以上であっても良い。3つ以上の被写体のうちデフォーカス量が確かである被写体が1つである場合において、その被写体が合焦済であるとき、あおり/フォーカス制御部115は、ピント維持あおりモードで制御を行う。それ以外の場合については、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る撮像装置が実行する処理について説明する。本実施形態は、実施形態1または実施形態2で述べた撮像装置において、デフォーカス量が小さくなりきらない場合やデフォーカス量が検出できない場合の合焦制御停止処理を加えたものである。
図13および図14は、本実施形態における処理を示したフローチャートである。実施形態1と同様である部分ついては同符号を付し、説明を省く。
まず図13を参照する。ステップS805、ステップS808、ステップS809、ステップS811、ステップS812にて各種ピント制御モードによる制御を実行後、ステップS1301にて合焦処理の停止判定に移行する。ステップS1301の停止判定の具体的な処理を図14に示している。
まずステップS1401にて、ピント制御モードがフォーカスあおり算出モードであるか否かを判定する。ピント制御モードがフォーカスあおり算出モードである場合、ステップS1402にて、フォーカスあおり算出モードの実行回数としてカウントする。フォーカスあおり算出モードは計算上デフォーカス量がゼロになるように制御されるが、例えば駆動系の精度不足や閾値設定によっては、何度繰り返してもデフォーカス量が所定未満にならず合焦制御が終了しない懸念がある。そのため、ここでフォーカスあおり算出モードの実行回数をカウントしておき、後の停止判定(ステップS1409)で使用できるようにする。
ステップS1401でピント制御モードがフォーカスあおり算出モードではないと判定された場合(すなわちフォーカスモードまたはあおりモードである場合)、ステップS1403にて前回とピント制御モードが異なるか否かを判定する。前回とピント制御モードが異なる場合、ステップS1404にて、ピント制御モード切替え回数としてカウントする。ピント制御モードが頻繁に切り替わることは合焦近辺でハンチングしていると考えられるため、ここでピント制御モード切替え回数をカウントしておき、後の停止判定(ステップS1409)で使用できるようにする。
ステップS1403でピント制御モードが前回と同じと判定された場合(すなわちフォーカスモードのまま、またはあおりモードのままである場合)、ステップS1405にて、駆動方向が前回と異なるか否かを判定する。駆動方向が前回と異なる場合、ステップS1406にて、フォーカス駆動またはあおり駆動の反転回数としてカウントする。フォーカス駆動またはあおり駆動が頻繁に反転することは合焦近辺でハンチングしていると考えられるため、ここで反転回数をカウントしておき、後の停止判定(ステップS1409)で使用できるようにする。
ステップS1405で駆動方向が前回と同じと判定された場合、さらにステップS1407にてこの状態が所定以上連続しているか否か判定する。連続している場合は、フォーカスモードまたはあおり制御モードのままで同一方向への駆動が続いていて合焦に向かっている途中である(合焦付近ではない)と考えられるため、ステップS1408にてピント制御モード切替え回数と反転回数をゼロリセットする。
ステップS1409は、合焦処理の停止判定を行う。具体的には、ステップS1402、ステップS1404、ステップS1406でカウントしたフォーカスあおり算出モードの実行回数、ピント制御モード切替え回数、フォーカス駆動またはあおり駆動の反転回数を、各々に対応した閾値(TH1,TH2,TH3)と比較する。いずれかが閾値を上回っていれば停止判定し、ステップS1410で合焦処理を停止させる。
以上に説明した実施形態3では、デフォーカス量が小さくなりきらない場合やデフォーカス量が検出できない場合の合焦制御停止処理を加えた。これにより無駄に合焦制御を継続してしまうことがなくなり、ピント変化のハンチング防止や駆動部の耐久性を向上させる効果がある。
なお、合焦制御を終了させる処理として、これらの他に様々な変形が可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施形態によれば、撮影手段のブレを高精度に評価することが可能なブレ評価装置、ブレ評価方法、およびプログラムを提供することができる。また各実施形態によれば、高精度にブレ補正が可能な撮影手段の製造方法を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
116 あおり駆動部
117 フォーカス駆動部
113 被写体領域設定部
112 デフォーカス情報検出部
115 制御部

Claims (21)

  1. 撮像素子の撮像面および撮像光学系の主面の間の角度を変更するために、前記撮像素子または前記撮像光学系の少なくとも一つの傾きを変更するあおり駆動部と、
    前記撮像光学系のフォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動部と、
    撮影画像内における複数の被写体領域を設定する被写体領域設定部と、
    前記複数の被写体領域ごとに、デフォーカス情報を検出するデフォーカス情報検出部と、
    前記複数の被写体領域ごとの前記デフォーカス情報に基づいて、前記あおり駆動部と前記フォーカス駆動部の少なくとも一つを用いて合焦制御を行うための複数の制御モードから一つの制御モードを選択する制御部と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記複数の制御モードは、
    前記フォーカス駆動部を用いて前記合焦制御を行う第1モード、
    前記あおり駆動部を用いて前記合焦制御を行う第2モード、
    前記デフォーカス情報に基づいて算出されるフォーカス位置とあおり角度それぞれの目標値に基づいて前記合焦制御を行う第3モード、
    前記複数の被写体領域のうち特定の被写体領域におけるピント変化を抑制するように前記あおり駆動部を用いて前記合焦制御を行う第4モード、
    のうち少なくとも2つのモードを含むことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記制御部は、前記第4モードにおいて、前記あおり駆動部と前記フォーカス駆動部を同時に制御することで、前記特定の被写体領域に合焦させたまま前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記複数の被写体領域においてデフォーカス量が確かである領域が2つ以上であるとき、前記制御部は、前記第3モードで前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の撮像装置。
  5. 前記複数の被写体領域においてデフォーカス方向が確かである領域が2つ以上である場合において、
    前記制御部は、
    該2つ以上の領域のデフォーカス方向が一致しているとき、前記第1モードで前記合焦制御を行い、
    該2つ以上の領域のデフォーカス方向が不一致であるとき、前記第2モードで前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記複数の被写体領域においてデフォーカス方向が確かである領域が2つ未満であるとき、前記制御部は、前記第1モードまたは前記第2モードで前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記複数の被写体領域においてデフォーカス方向が確かである領域が1つである場合において、該領域のデフォーカス量が確かでかつ所定値未満であるとき、前記制御部は、前記第2モードで前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記複数の被写体領域においてデフォーカス量が確かである領域が1つである場合において、該領域のデフォーカス量が所定値未満であるとき、前記制御部は、前記第4モードで前記合焦制御を行うことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の被写体領域のデフォーカス量がすべて所定値未満となった場合に前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
  10. 前記制御部は、合焦制御開始から所定時間が経過した場合に前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
  11. 前記複数の被写体領域は、ユーザにより指定された領域、または、被写体像の中から自動検出された領域であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の撮像装置。
  12. 前記デフォーカス情報は、デフォーカス量およびデフォーカス方向を含む特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の撮像装置。
  13. 前記複数の被写体領域の数は、2つであることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の撮像装置。
  14. 前記制御部は、
    前記被写体領域設定部に前記複数の被写体領域の中から2つの被写体領域を設定させ、
    前記デフォーカス情報検出部に該2つの被写体領域それぞれのデフォーカス情報を検出させ、
    前記2つの被写体領域ごとの前記デフォーカス情報に基づいて、前記複数の制御モードから一つの制御モードを選択することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像装置。
  15. 前記制御部は、前記第3モードによる制御実行回数が所定以上となったとき前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
  16. 前記制御部は、前記複数の制御モードの切り替わり回数が所定以上となったとき、前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
  17. 前記制御部は、前記複数の被写体領域すべてのデフォーカス方向が反転した回数が所定以上となったとき、前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項16に記載の撮像装置。
  18. 前記制御部は、前記フォーカス駆動部と前記あおり駆動部の少なくとも一つの反転回数が所定以上となったとき、前記合焦制御を終了することを特徴とする請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記制御部は、前記第1モードまたは前記第2モードにおいて同一方向に所定回数以上連続して駆動した場合、前記複数の制御モードの切り替わり回数、前記デフォーカス方向が反転した回数、前記フォーカス駆動部とあおり駆動部の少なくとも一つの反転回数のうち少なくとも1つをリセットすることを特徴とする請求項18に記載の撮像装置。
  20. 撮像素子の撮像面および撮像光学系の主面の間の角度を変更するために、前記撮像素子または前記撮像光学系の少なくとも一つの傾きを変更するあおり駆動部と、
    前記撮像光学系のフォーカスレンズを駆動するフォーカス駆動部と、を備える撮像装置の制御方法であって、
    撮影画像内における複数の被写体領域を設定するステップと、
    前記複数の被写体領域ごとに、デフォーカス情報を検出するステップと、
    前記複数の被写体領域ごとの前記デフォーカス情報に基づいて、前記あおり駆動部と前記フォーカス駆動部の少なくとも一つを用いて合焦制御を行うための複数の制御モードから一つの制御モードを選択するステップと、を有することを特徴とする制御方法。
  21. 撮像装置のコンピュータに、請求項20に記載の制御方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
JP2021177256A 2021-04-21 2021-10-29 撮像装置、制御方法、および記憶媒体 Active JP7293310B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/722,946 US20220345633A1 (en) 2021-04-21 2022-04-18 Image pickup apparatus, control method, and memory medium
EP22168949.0A EP4080867A1 (en) 2021-04-21 2022-04-20 Image pickup apparatus, control method, and memory medium
CN202210426060.4A CN115225809A (zh) 2021-04-21 2022-04-21 摄像设备、控制方法和存储介质

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021072186 2021-04-21
JP2021072186 2021-04-21

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022166801A true JP2022166801A (ja) 2022-11-02
JP7293310B2 JP7293310B2 (ja) 2023-06-19

Family

ID=83851834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021177256A Active JP7293310B2 (ja) 2021-04-21 2021-10-29 撮像装置、制御方法、および記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7293310B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04191830A (ja) * 1990-11-27 1992-07-10 Nikon Corp アオリ機構を内蔵したカメラ
JPH1138313A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Canon Inc 光学装置及びカメラ
JP2009058720A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Nikon Corp 焦点検出装置およびカメラ
JP2021033189A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 キヤノン株式会社 制御装置、撮像装置、レンズ装置、および、プログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04191830A (ja) * 1990-11-27 1992-07-10 Nikon Corp アオリ機構を内蔵したカメラ
JPH1138313A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Canon Inc 光学装置及びカメラ
JP2009058720A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Nikon Corp 焦点検出装置およびカメラ
JP2021033189A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 キヤノン株式会社 制御装置、撮像装置、レンズ装置、および、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7293310B2 (ja) 2023-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11343432B2 (en) Imaging apparatus
JP7362360B2 (ja) 制御装置、撮像装置、レンズ装置、および、プログラム
JP4998308B2 (ja) 焦点調節装置および撮像装置
US10638033B2 (en) Focus control apparatus, focus control method and storage medium
JP2024040284A (ja) 撮像装置、コンピュータプログラム、および撮像制御方法
US11582394B2 (en) Control apparatus, control method, and storage medium for providing tilt control
JP7471799B2 (ja) 制御装置、撮像装置、制御方法、および、プログラム
JP6900161B2 (ja) 焦点調節装置及び撮像装置
US20180063415A1 (en) Lens control apparatus and control method thereof
US20210092302A1 (en) Control apparatus, image pickup apparatus, control method, and storage medium
US10148866B2 (en) Imaging device and imaging method
US10310213B2 (en) Lens control apparatus and control method thereof
JP7433848B2 (ja) 撮像装置、コンピュータプログラム、記憶媒体および撮像制御方法
JP2007133301A (ja) オートフォーカスカメラ
JP4334784B2 (ja) オートフォーカス装置及びそれを用いた撮像装置
JP7293310B2 (ja) 撮像装置、制御方法、および記憶媒体
CN112422811B (zh) 透镜控制设备、控制方法和存储介质
JP5359150B2 (ja) 撮像装置
EP4080867A1 (en) Image pickup apparatus, control method, and memory medium
JP7293309B2 (ja) 撮像装置、制御方法および記憶媒体
US11722769B2 (en) Image pickup apparatus, control method, and storage medium
WO2022176416A1 (ja) フォーカス制御装置、レンズ装置、及び撮像装置
WO2022176469A1 (ja) フォーカス制御装置、レンズ装置、及び撮像装置
JP7406889B2 (ja) レンズ制御装置、その制御方法
JP2023027743A (ja) 撮像装置およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230607

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7293310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151