JP2022165004A - 携帯型呼吸気殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
Description
こういったウイルスや細菌による空気の汚染を防ぐ方法の一つとして、紫外線(UV-C)を照射して、空気中のウイルスや細菌を殺菌する方法がある。
しかしながら、この構成では、作業者は、殺菌された安全な空気を吸うことができるが、
万一、作業者が保菌者の場合、ウイルスや細菌を事務所又は作業場の内部に拡散して、そこの空気を汚染してしまう可能性があるという問題がある。
また、呼気と吸気を完全に分けて、別々のチャンバーで殺菌する方法も示唆されているが、この場合には、同じ殺菌チャンバーを2セット使用するため、携帯する装置の重量が増加し、コストも倍になるという問題がある。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、人の呼気や吸気に含まれるウイルスや細菌に、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含む紫外線(UV-C)を照射して、これらウイルスや細菌を殺す携帯型呼吸気殺菌装置であって、鼻と口を覆うマスクと、身体に装着して携帯可能にされた殺菌ユニットと、前記マスクと前記殺菌ユニットとを繋ぐ第1及び第2の可撓性チューブとからなり、前記殺菌ユニットは、紫外線ランプを有する殺菌チャンバー部と、電源ユニット部とを一体として有し、前記殺菌チャンバー部は、前記紫外線ランプの長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁により、2つのチャンバーに分割されて、一方が、呼気用殺菌チャンバーとされ、他方が、吸気用殺菌チャンバーとされており、前記マスクから前記第1の可撓性チューブを通して吐き出される呼気は、前記呼気用殺菌チャンバーに導かれ、外気から取り込まれる吸気は、前記吸気用殺菌チャンバーに導かれ、それぞれの殺菌チャンバーで前記紫外線ランプにより殺菌されて、殺菌された呼気は、外気中に排出され、殺菌された吸気は、前記第2の可撓性チューブを通して前記マスクに吸い込まれるようにされていることを特徴とする携帯型呼吸気殺菌装置である。
人の呼気や吸気に含まれるウイルスや細菌に、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含む紫外線(UV-C)を照射して、これらウイルスや細菌を殺す携帯型呼吸気殺菌装置が、鼻と口を覆うマスクと、腰や背中などの身体に装着して携帯可能にされた殺菌ユニットと、前記マスクと前記殺菌ユニットとを繋ぐ第1及び第2の可撓性チューブ(呼気用チューブ及び吸気用チューブ)とからなっており、前記殺菌ユニットは、紫外線ランプを有する殺菌チャンバー部と、電源ユニット部とを一体として有し、前記殺菌チャンバー部は、前記紫外線ランプの長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁により、2つのチャンバーに分割されて、一方が、呼気用殺菌チャンバーとされ、他方が、吸気用殺菌チャンバーとされており、前記マスクから前記第1の可撓性チューブを通して吐き出される呼気は、前記呼気用殺菌チャンバーに導かれ、外気から取り込まれる吸気は、前記吸気用殺菌チャンバーに導かれ、それぞれの殺菌チャンバーで前記紫外線ランプにより殺菌されて、殺菌された呼気は、外気中に排出され、殺菌された吸気は、前記第2の可撓性チューブを通して前記マスクに吸い込まれるようにされているので、吸気用殺菌チャンバーで殺菌された安全な吸気をマスクに吸い込み、かつ、呼気用殺菌チャンバーで殺菌された安全な呼気を外部の室内に排出できるようになり、作業者自身も周りの人も、安全な環境を保ちながら、室内を自由に移動して作業をすることができる。
この場合、これら呼気導入管と吸気導出管の各内壁面を黒塗装するようにすれば、その効果が更に向上する。
加えて、この場合、殺菌チャンバー内の気流は、乱流となっているので、これらの内壁面に接触する気流の量も増え、その殺菌効果が更に促進される。
次に、本願の発明の第1の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置を、図面を参照して、詳細に説明する。
本実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、人の呼吸において、人の呼気や吸気に含まれるウイルスや細菌に、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含む紫外線(UV-C)を照射して、これらウイルスや細菌を殺す装置であって、特に、各種作業をする人の携帯に便利で、かつ、安価に製作できるものとして工夫された装置である。
本装置の全体構成のあらましを、図6及び図7に基づいて説明する。
図6は、同装置を作業者が装着した状態の正面図であり、図7は、その側面図である。
本装置の全体構成は、あらまし、これらの図に示されるように、鼻と口を覆うマスク16と、身体に装着して携帯可能にされた殺菌ユニット1と、これらマスク16と殺菌ユニット1とを繋ぐ、呼気用チューブ(第1の可撓性チューブ)17と吸気用チューブ(第2の可撓性チューブ)18とからなっている。
以下、これらを各別に詳細に説明する。
図1は、殺菌ユニット1の外観を斜め上から見た斜視図であり、図3は、その蓋13を、殺菌ユニット1から取り外して、斜め上から見た斜視図である。
殺菌ユニット1は、作業者がこれを背中に背負うのに無理のない形状と大きさと重量とを有し、実際には、軽いアルミ材などを用いて、やや扁平な直方体の箱体形状に製作されている。
なお、呼気用チューブ17と吸気用チューブ18の各他端は、マスク16に接続されるが、この点については、後述する。
殺菌ユニット1には、また、作業者がこれを背中に装着する時に使用するベルトA20(図6、図7参照)を取り付けるための溝付きベルト取付具12が、殺菌ユニット1の底部の四隅にそれぞれ備えられている。
外気導入管14は、外部の空気(外気)を殺菌ユニット1内に吸気として取り込むために使用され、排気管15は、殺菌された呼気を殺菌ユニット1から外部の空気中(外気中)に排出するために使用される。
図2は、殺菌ユニット1の蓋13を取り外して、同殺菌ユニット1の内部を斜め上から見た図であり、図4は、同殺菌ユニット1を排気管15の中心線を通る面で切断した、同殺菌ユニット1の側断面の斜視図である。
図4には、また、殺菌ユニット1の各殺菌チャンバー(後述)内の気体(呼気、吸気)の流れも、併せて示されている。
ここで、殺菌チャンバー部は、紫外線ランプ5の長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁A7aにより、2つのチャンバーに分割されており、その一方のチャンバーは、呼気用殺菌チャンバー2とされ、その他方のチャンバーは、吸気用殺菌チャンバー3とされている。
電源ユニット部4には、図示されていないが、紫外線ランプ5の制御回路と、電池とが収納される。
これらは、作業者が殺菌ユニット1を背中に装着した時、上から順に、吸気用殺菌チャンバー3、呼気用殺菌チャンバー2、電源ユニット部4となるような位置関係にして、配置されている。
呼気用殺菌チャンバー2内には、マスク16から吐き出された呼気を呼気用チューブ(第1の可撓性チューブ)17を通して呼気用殺菌チャンバー2内に導入するための、L字形をした呼気導入管8が、その一端の開口部を呼気用殺菌チャンバー2の一方のコーナー部(図2において、右上のコーナー部)の天井部に向けて、配置されている。
呼気導入管8の他端は、吸気用殺菌チャンバー3内を通り、仕切り壁A7aと殺菌ユニット1の上側壁とを貫通して、殺菌ユニット1の外方にわずかに突出するようにして伸びていて、その突出部に、呼気用チューブ取付ネジ10が切られている。
呼気用チューブ17は、この呼気導入管8の他端の突出部にその一端が圧入され、前記したチューブ固定ナット19が取付ネジ10に堅くねじ込まれることにより、そこに堅固に連通状に接続される。
その配置位置は、呼気導入管8の一端側が配置される呼気用殺菌チャンバー2の一方のコーナー部に対し、紫外線ランプ5を間に挟んで、対極にあるコーナー部(図2において、左下のコーナー部)であり、このコーナー部の底部から、殺菌された呼気が、排気管15を通して外部の室内(外気中)に排出されるようになっている。したがって、排気管15の垂下端とこのコーナー部の底部との間には、所要の隙間が設けられている。
酸化チタンに代えては、紫外線(UV-A)、紫外線(UV-B)及び紫外線(UV-C)に含まれるいずれの波長域の紫外線にも反応する特性を備えた光触媒が使用されても良い。ここで、紫外線(UV-A)、紫外線(UV-B)、紫外線(UV-C)とは、それぞれの波長が、315~380nm、280~315nm、200~280nmの範囲にある紫外線である。これらの紫外線は、紫外線(UV)として総称される。
また、吸気用殺菌チャンバー3内には、殺菌ユニット1に蓋13を被せた時に、その蓋板の他方の穴部に取り付けられた外気導入管14が、蓋板から下方に垂下するようにして、配置されている。
この外気導入管14は、外部の空気(外気)を殺菌ユニット1内に吸気として取り込むためのものであり、その配置位置は、吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部(図2において、左上のコーナー部)であり、取り込まれた吸気は、外気導入管14の垂下端からこのコーナー部の底部に導入され、そこから吸気用殺菌チャンバー3内に拡散する。したがって、外気導入管14の垂下端とこのコーナー部の底部との間には、所要の隙間が設けられている。
その配置位置は、外気導入管14が配置される吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部に対し、紫外線ランプ5を間に挟んで、対極にあるコーナー部(図2において、右下のコーナー部)であり、その一端の開口部を、このコーナー部の天井部に向けて、配置されている。
吸気用チューブ(第2の可撓性チューブ)18は、この吸気導出管9の他端の突出部にその一端が圧入され、前記したチューブ固定ナット19が取付ネジ11に堅くねじ込まれることにより、そこに堅固に連通状に接続される。
このようにして、殺菌された吸気は、吸気用殺菌チャンバー3から吸気導出管9、吸気用チューブ18を通してマスク16に吸い込まれる。
図4において、図中の矢印付き二重線は、各殺菌チャンバー2、3内の気体(呼気、吸気)の流れ(気流22)を示している。
図4に示されるように、外気から取り込まれる吸気は、外気導入管14を通って、吸気用殺菌チャンバー3内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、吸気導出管9へと流入し、そこを通って、吸気用殺菌チャンバー3からマスク16側へと導出される。
他方、マスク16から吐き出される呼気は、呼気導入管8を通って、呼気用殺菌チャンバー2内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、排気管15へと流入し、そこを通って、呼気用殺菌チャンバー2から外気中へと排出される。
図5は、マスク16の斜視図である。
マスク16の左右には、呼気用チューブ17と吸気用チューブ18の各他端を接続するための個所がそれぞれ設けられており、同個所において、それぞれのチューブは、チューブ固定ナット19により、マスク16に内部連通状に取り付け固定される。
また、この個所には、ゴムなどの樹脂材料からなるフラッパー弁のような逆止弁が備えられており、呼気と吸気の流れが、一方向流れになるように制御されて、呼気と吸気が混合しないようにされている。
さらに、マスク16の左右両端には、マスク16を頭部に固定するための装着ベルトB21を通す溝付き部材23が一体に取り付けられている。
図6は、作業者が、本装置のマスク16と殺菌ユニット1とを装着した状態の正面図であり、図7は、その側面図である。
マスク16は、左右2本の装着ベルトB21をマスク16の左右両端の溝付き部材23の溝にそれぞれ通し、作業者の頭部に回して、両端を後ろで束ねることにより、作業者の鼻と口を覆うように固定される。
また、殺菌ユニット1は、左右2本の装着ベルトA20を両肩に掛けることにより、背中に装着される。
本実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
人の呼気や吸気に含まれるウイルスや細菌に、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含む紫外線(UV-C)を照射して、これらウイルスや細菌を殺す携帯型呼吸気殺菌装置が、鼻と口を覆うマスク16と、腰や背中などの身体に装着して携帯可能にされた殺菌ユニット1と、マスク16と殺菌ユニット1とを繋ぐ呼気用チューブ17及び吸気用チューブ18とからなっており、殺菌ユニット1は、紫外線ランプ5を有する殺菌チャンバー部と、電源ユニット部4とを一体として有し、殺菌チャンバー部は、紫外線ランプ5の長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁A7aにより、2つのチャンバーに分割されて、一方が、呼気用殺菌チャンバー2とされ、他方が、吸気用殺菌チャンバー3とされており、マスク16から呼気用チューブ17を通して吐き出される呼気は、呼気用殺菌チャンバー2に導かれ、外気から取り込まれる吸気は、吸気用殺菌チャンバー3に導かれ、それぞれの殺菌チャンバー2、3で紫外線ランプ5により殺菌されて、殺菌された呼気は、外気中に排出され、殺菌された吸気は、吸気用チューブ18を通してマスク16に吸い込まれるようにされているので、吸気用殺菌チャンバー3で殺菌された安全な吸気をマスク16に吸い込み、かつ、呼気用殺菌チャンバー2で殺菌された安全な呼気を外部の室内に排出できるようになり、作業者自身も周りの人も、安全な環境を保ちながら、室内を自由に移動して作業をすることができる。
この場合、これら呼気導入管8と吸気導出管9の各内壁面を黒塗装するようにすれば、その効果が更に向上する。
加えて、この場合、殺菌チャンバー2、3内の気流は、乱流となっているので、これらの内壁に接触する気流の量も増え、その殺菌効果が更に向上する。
「可視光応答型複合薄膜光触媒材料に関する研究(金属担当)」と題する、その紹介記事によれば、「複合薄膜光触媒材料を作製するこの技術は、従来から用いられている酸化チタンと比較して、UV照射下で3倍以上の効果を発揮し、可視光照射下でも効果を示す。」とされている。
次に、本願の発明の第2の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置を、図面を参照して、詳細に説明する。
本実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、その目的、課題を、第1の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置と共通にする。異なるのは、その課題を解決するために採用した装置構成の点のみである。
この装置構成の点での相違も、基本的には、殺菌ユニット内の紫外線ランプを、作業者が同殺菌ユニットを背中に装着した時、その長さ方向が縦になるようにして用いるか、横になるようにして用いるかに起因して生ずる相違に過ぎない。第1の実施例の装置では、紫外線ランプを、その長さ方向が縦になるようにして用いたが、本実施例の装置では、紫外線ランプを、その長さ方向が横になるようにして用いている。
以下においては、第1の実施例の装置と比較して、共通する点は、出来るだけ説明を省略し、異なる点に重点を置いて、説明することとする。
図8は、殺菌ユニット1の外観を斜め上から見た斜視図であり、図10は、その蓋13を、殺菌ユニット1から取り外して、斜め上から見た斜視図である。
殺菌ユニット1には、作業者がこれを背中に装着した時、上側になる上側壁の2個所に、マスク16へ接続される呼気用チューブ17と吸気用チューブ18の各一端を接続するための部品が、同じ態様で備えられている。
図8では、その一方の個所において、吸気用チューブ18の一端を接続するための部品の役目を果たす吸気用チューブ取付ネジ11のみが描かれている。そして、この取付ネジ11にねじ込まれるチューブ固定ナット19(図1参照)は、図示省略されている。なお、この吸気用チューブ取付ネジ11は、吸気導出管9が、殺菌ユニット1の前記上側壁を貫通して突出した部分に切られたネジである(図9参照)。
しかし、この場合、外気導入管14を取り付けるための穴部の位置と、排気管15を取り付けるための穴部の位置とは、第1の実施例の装置の場合と異なっている(図3、図10参照)。
図9は、殺菌ユニット1の蓋13を取り外して、同殺菌ユニット1の内部を斜め上から見た図であり、図12は、同殺菌ユニット1を外気導入管14の中心線を通る面で切断した、同殺菌ユニット1の側断面の斜視図である。
図12には、また、殺菌ユニット1の各殺菌チャンバー(後述)内の気体(呼気、吸気)の流れも、併せて示されている。
ここで、殺菌チャンバー部は、作業者が殺菌ユニット1を背中に装着した時、水平となる方向に沿って配置された紫外線ランプ5の長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁A7aにより、2つのチャンバーに分割されており、その一方のチャンバーは、呼気用殺菌チャンバー2とされ、その他方のチャンバーは、吸気用殺菌チャンバー3とされている。
よって、呼気用殺菌チャンバー2と吸気用殺菌チャンバー3とは、作業者が殺菌ユニット1を背中に装着した時、左右に並列するようにして配置されている。このような、呼気用殺菌チャンバー2と吸気用殺菌チャンバー3との左右並列配置の点が、第1の実施例の装置の場合(上下縦列配置)と異なっている。
電源ユニット部4は、これら両殺菌チャンバー2、3の下部に配置されている。
呼気用殺菌チャンバー2内には、マスク16から吐き出された呼気を呼気用チューブ17を通して呼気用殺菌チャンバー2内に導入するための、L字形をした呼気導入管8が、その一端の開口部を呼気用殺菌チャンバー2の一方のコーナー部(図9において、右上のコーナー部)の天井部に向けて、配置されている。
この場合において、呼気導入管8は、その一端の開口部が呼気用殺菌チャンバー2の一方のコーナー部の天井部に向かうように、そのL字形の部分が、本実施例では、45度傾けて配置されている。
呼気導入管8の他端は、殺菌ユニット1の上側壁を貫通して、殺菌ユニット1の外方にわずかに突出して伸び、その突出部に、呼気用チューブ17の一端が、堅固に連通状に接続される。その態様は、第1の実施例の装置の場合と同様である。
その配置位置は、呼気導入管8の一端側が配置される呼気用殺菌チャンバー2の一方のコーナー部に対し、紫外線ランプ5を間に挟んで、対極にあるコーナー部(図9において、左下のコーナー部)であり、このコーナー部の底部から、殺菌された呼気が、排気管15を通して外部に排出される。
また、吸気用殺菌チャンバー3内には、殺菌ユニット1に蓋13を被せた時に、その蓋板の他方の穴部に取り付けられた外気導入管14が、蓋板から下方に垂下するようにして、配置されている。
その配置位置は、吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部(図9において、左下のコーナー部)であり、取り込まれた吸気は、外気導入管14の垂下端からこのコーナー部の底部に導入され、そこから吸気用殺菌チャンバー3内に拡散し、乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、吸気用殺菌チャンバー3の他方のコーナー部(図9において、右上のコーナー部)に至る。
その配置位置は、外気導入管14が配置される吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部に対し、紫外線ランプ5を間に挟んで、対極にあるコーナー部(図9において、右上のコーナー部)であり、その一端の開口部を、このコーナー部の天井部に向けて、配置されている。
この場合において、吸気導出管9は、その一端の開口部が吸気用殺菌チャンバー3の同対極にあるコーナー部の天井部に向かうように、そのL字形の部分が、呼気導入管8と同様に、45度傾けて配置されている。
なお、吸気導出管9は、呼気導入管8と同じ形状の部品とされても良い。
図11は、ワイヤーフレーム図であって、同図によれば、殺菌ユニット1内の紫外線ランプ5、紫外線ランプホルダー6、仕切り壁A7a、呼気導入管8、吸気導出管9、外気導入管14、排気管15等の配置関係が分かり易く描かれている。
図12において、図中の矢印付き二重線は、各殺菌チャンバー2、3内の気体(呼気、吸気)の流れ(気流22)を示している。
図12に示されるように、外気から取り込まれる吸気は、外気導入管14を通って、吸気用殺菌チャンバー3内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、吸気導出管9へと流入し、そこを通って、吸気用殺菌チャンバー3からマスク16側へと導出される。
他方、マスク16から吐き出される呼気は、呼気導入管8を通って、呼気用殺菌チャンバー2内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、排気管15へと流入し、そこを通って、呼気用殺菌チャンバー2から外部(外気中)に排出される(図9、図12参照)。
詳細に図示されていないが、呼気用殺菌チャンバー2と吸気用殺菌チャンバー3とは、同じ構造であるので、呼気は、吸気と流れる方向は逆となるが、同じようなパスで流れる。
第2の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
基本的な効果は、第1の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置と同じであるが、これに加えて、本実施例の装置では、殺菌ユニット1内の呼気用殺菌チャンバー2と吸気用殺菌チャンバー3とを、作業者が殺菌ユニット1を背中に装着した時、左右に並列になるよう配置して、電源ユニット部4は、これら両殺菌チャンバー2、3の下部に配置するという構造としたため、呼気導入管8と吸気導出管9とを同じ形状の部品とすることができるようになり、かつ、呼気導入管8に、仕切り壁A7aを貫通させる必要がなくなり、構造がより簡単で、安価に製作することができる。
次に、本願の発明の第3の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置を、図面を参照して、詳細に説明する。
本実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、第2の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置により得られる殺菌された吸気に含まれるオゾンを分解して除去して、作業者がより安全な吸気を吸い込むことができるようにした装置である。
オゾンを含んだ呼気は、外気中に排出されるので、オゾン濃度も希薄になり、問題ないが、オゾンを含んだ吸気は、チャンバーの容積も小さいので、希釈されずに、そのままの状態で作業者が吸い込むことになり、健康上好ましくない。
そこで、本実施例の装置では、殺菌チャンバー部に、吸気用殺菌チャンバー3に隣接して、オゾン分解用チャンバーを付設することとしている。
以下においては、第2の実施例の装置に基づき、これと比較して、共通する点は、出来るだけ説明を省略し、異なる点に重点を置いて、説明することとする。
図13は、殺菌ユニット1の外観を斜め上から見た斜視図であり、図15は、その蓋13を、殺菌ユニット1から取り外して、斜め上から見た斜視図である。
殺菌ユニット1には、作業者がこれを背中に装着した時、上側になる上側壁の2個所に、呼気用チューブ取付ネジ10と吸気用チューブ取付ネジ11とが、第2の実施例の装置の場合と同じ態様で、備えられている。但し、吸気用チューブ取付ネジ11は、第2の実施例の装置の場合と比べると、位置を異ならせて、備えられている。この点については、後述する。
これら呼気用チューブ取付ネジ10と吸気用チューブ取付ネジ11とは、呼気導入管8と吸気導出管9とが、殺菌ユニット1の前記上側壁を貫通して突出した部分に切られたネジである(図14参照)。これらの取付ネジ10、11は、マスク16へ接続される呼気用チューブ17と吸気用チューブ18の各一端を接続するための部品の役目を果たす。その接続の態様は、第1及び第2の実施例の装置の場合と同様である。
図14は、殺菌ユニット1の蓋13を取り外して、殺菌ユニット1の内部を斜め上から見た図であり、図17は、同殺菌ユニット1を蓋13の蓋板の直下で切断した、同殺菌ユニット1の平面(底と平行な面)断面の斜視図である。
図17には、また、殺菌ユニット1の各殺菌チャンバー2、3及びオゾン分解用チャンバー24(後述)内の気体(呼気、吸気)の流れも、併せて示されている。
ここで、殺菌チャンバー部は、第2の実施例の装置の場合と同様に、呼気用殺菌チャンバー2と吸気用殺菌チャンバー3とを備えているが、第2の実施例の装置の場合と異なり、吸気用殺菌チャンバー3に仕切り壁B7bを隔てて隣接して、そこに付設された、オゾン分解用チャンバー24をも備えている。
電源ユニット部4は、これら両殺菌チャンバー2、3とオゾン分解用チャンバー24との下部に配置されている。
呼気用殺菌チャンバー2内の構造は、第2の実施例の装置の場合と何ら異なるところはないので、詳細な説明を省略する。
吸気用殺菌チャンバー3内には、殺菌ユニット1に蓋13を被せた時に、その蓋板の他方の穴部に取り付けられた外気導入管14が、蓋板から下方に垂下するようにして、配置されている。
その配置位置は、第2の実施例の装置の場合と異なり、吸気用殺菌チャンバー3の他方のコーナー部(図14及び図17において、右上のコーナー部)であり、殺菌ユニット1の上側壁に近く、かつ、呼気用殺菌チャンバー2側に寄ったコーナー部である。
外気導入管14により取り込まれる吸気は、このコーナー部の底部に導入されて、そこから吸気用殺菌チャンバー3内に拡散し、乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部(図14及び図17において、左下のコーナー部)の天井部に至る。
なお、第2の実施例の装置において、吸気用殺菌チャンバー3の他方のコーナー部に配置されていた吸気導出管9は、吸気用殺菌チャンバー3からオゾン分解用チャンバー24に移設されている。この点については、後述する。
吸気用殺菌チャンバー3とオゾン分解用チャンバー24との間を仕切る仕切り壁B7bの、図14において左上部分には、殺菌された吸気を通す穴(不図示。以下、「吸気通過用穴」という。)が設けられている。
そして、この吸気通過用穴を覆うように、仕切り壁B7bの吸気用殺菌チャンバー3側の壁面には、紫外線ランプ5から照射される紫外線(UV-C)を遮光するための遮光板25が取り付けられ、また、この吸気通過用穴を塞ぐように、仕切り壁B7bのオゾン分解用チャンバー24側の壁面には、ゴムなどの樹脂材料又は薄い金属板で作られたフラッパー弁26が取り付けられている。
そこで、今、作業者が息を吸い込むと、オゾン分解用チャンバー24内の気圧が下がり、吸気用殺菌チャンバー3の一方のコーナー部の天井部に至った、殺菌された吸気が、そこから、遮光板25をかいくぐり、フラッパー弁26を押し開けて、吸気通過用穴を通過し、オゾン分解用チャンバー24内の一方のコーナー部の天井部に流入する。
図示されていないが、オゾン分解用チャンバー24には、活性炭ユニットもしくはオゾン分解触媒ユニットが、交換可能に設置されている。これらのユニットは、吸気用殺菌チャンバー3で、紫外線(UV-C)を照射して吸気を殺菌する時に、同時に発生するオゾンを分解する。
よって、オゾン分解用チャンバー24内に流入した殺菌された吸気は、オゾンを含んでいるが、ここのチャンバーで、それが含むオゾンが、これらのオゾン分解剤により分解されて除去されるので、より安全な吸気とされる。
その配置位置は、仕切り壁B7bに吸気通過用穴が設けられる側にある、オゾン分解用チャンバー24の一方のコーナー部(図14及び図17において、左上のコーナー部)に対し、対極にあるコーナー部(図14及び図17において、右下のコーナー部)であり、その一端の開口部を、このコーナー部の底部に向けて、配置されている。
この場合において、吸気導出管9は、その一端の開口部がオゾン分解用チャンバー24の同対極にあるコーナー部の底部に向かうように、そのL字形の部分が、呼気導入管8の場合と反対方向に、45度傾けられている。
図16は、ワイヤーフレーム図であって、同図によれば、殺菌ユニット1内の紫外線ランプ5、紫外線ランプホルダー6、仕切り壁A7a、仕切り壁B7b、呼気導入管8、吸気導出管9、外気導入管14、排気管15、フラッパー弁26等の配置関係が分かり易く描かれている。
図17において、図中の矢印付き二重線は、各殺菌チャンバー2、3内及びオゾン分解用チャンバー24内の気体(呼気、吸気)の流れ(気流22)を示している。
図17に示されるように、外気から取り込まれる吸気は、外気導入管14を通って、吸気用殺菌チャンバー3内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、仕切り壁B7bに設けられた吸気通過用穴とフラッパー弁26とを通って、オゾン分解用チャンバー24に入り、活性炭ユニットもしくはオゾン分解触媒ユニットによってオゾンが分解されて除去されて、この状態で、吸気導出管9へと流入する。そして、そこを通って、オゾン分解用チャンバー24からマスク16側へと導出される。
他方、マスク16から吐き出される呼気は、呼気導入管8を通って、呼気用殺菌チャンバー2内に導入され、拡散して乱流となって、紫外線ランプ5の部分を通過し、殺菌されて、排気管15へと流入し、そこを通って、呼気用殺菌チャンバー2から外部へと排出される。
第3の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
基本的な効果は、前記した第1及び第2の実施例の携帯型呼吸気殺菌装置が奏する効果と同じであるが、これに加えて、本実施例の装置では、その殺菌ユニット1の殺菌チャンバー部に、吸気用殺菌チャンバー3に仕切り壁B7bを隔てて隣接するようにして、オゾン分解用チャンバー24が付設されているので、吸気用殺菌チャンバー3で殺菌された吸気が、該吸気用殺菌チャンバー3で紫外線ランプ5の照射によって発生する、人体に有害なオゾンを含むこととなっても、この吸気は、このオゾン分解用チャンバー24に導かれて、ここで、そのオゾンが分解されて除去された状態で、マスク16に吸気用チューブ18を通して吸い込まれるので、作業者は、更に安全な吸気を吸い込むことができる。
Claims (7)
- 人の呼気や吸気に含まれるウイルスや細菌に、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含む紫外線(UV-C)を照射して、これらウイルスや細菌を殺す携帯型呼吸気殺菌装置であって、
鼻と口を覆うマスクと、身体に装着して携帯可能にされた殺菌ユニットと、前記マスクと前記殺菌ユニットとを繋ぐ第1及び第2の可撓性チューブとからなり、
前記殺菌ユニットは、紫外線ランプを有する殺菌チャンバー部と、電源ユニット部とを一体として有し、
前記殺菌チャンバー部は、前記紫外線ランプの長さ方向の略中央部で、同方向と直交する方向に配置された仕切り壁により、2つのチャンバーに分割されて、一方が、呼気用殺菌チャンバーとされ、他方が、吸気用殺菌チャンバーとされており、
前記マスクから前記第1の可撓性チューブを通して吐き出される呼気は、前記呼気用殺菌チャンバーに導かれ、外気から取り込まれる吸気は、前記吸気用殺菌チャンバーに導かれ、それぞれの殺菌チャンバーで前記紫外線ランプにより殺菌されて、殺菌された呼気は、外気中に排出され、殺菌された吸気は、前記第2の可撓性チューブを通して前記マスクに吸い込まれるようにされている
ことを特徴とする携帯型呼吸気殺菌装置。 - 前記呼気用殺菌チャンバーにおいては、前記呼気用殺菌チャンバーの一方のコーナー部の天井部に、前記第1の可撓性チューブ及び呼気導入管を通して前記マスクから吐き出される呼気が導入され、前記紫外線ランプを間に挟んで、このコーナー部の対極のコーナー部の底部から、殺菌された呼気が、排気管を通して外気中に排出される構造とされ、
また、前記吸気用殺菌チャンバーにおいては、前記吸気用殺菌チャンバーの一方のコーナー部の底部に、外気導入管を通して吸気が導入され、前記紫外線ランプを間に挟んで、このコーナー部の対極のコーナー部の天井部から、殺菌された吸気が、吸気導出管及び前記第2の可撓性チューブを通して前記マスクに吸い込まれる構造とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型呼吸気殺菌装置。 - 前記呼気導入管と前記吸気導出管とは、いずれもL字型の形状をなすものとされ、前記殺菌ユニットを人が装着した時、上側に位置することとなる前記殺菌ユニットの側壁を貫通して突出して、そこに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の携帯型呼吸気殺菌装置。
- 前記呼気用殺菌チャンバーと前記吸気用殺菌チャンバーとの各内壁面には、酸化チタンもしくは紫外線(UV)に含まれるいずれの波長域の紫外線にも反応する特性を備えた光触媒が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型呼吸気殺菌装置。
- 前記マスクに前記第1の可撓性チューブと前記第2の可撓性チューブとがそれぞれ接続される個所には、逆止弁が設けられ、呼気及び吸気の流れが、一方向流れになるように制御されていることを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の携帯型呼吸気殺菌装置。
- 前記殺菌チャンバー部には、前記吸気用殺菌チャンバーに隣接して、オゾン分解用チャンバーが付設されており、
前記吸気用殺菌チャンバーで殺菌され、前記吸気用殺菌チャンバーで前記紫外線ランプの照射によって発生するオゾンを含むこととなった吸気が、前記オゾン分解用チャンバーに導かれて、そのオゾンが分解された状態で、前記マスクに前記第2の可撓性チューブを通して吸い込まれるようにされている
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯型呼吸気殺菌装置。 - 前記オゾン分解用チャンバーの内部には、活性炭ユニットもしくはオゾン分解触媒ユニットが、交換可能に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の携帯型呼吸気殺菌装置。
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