JP2022164547A - リチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウムイオン二次電池を水で浸出したリチウム浸出液を濃縮する際のリチウムのロスを抑制し、高純度のリチウムを高回収率で回収することができるリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法の提供。【解決手段】コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、前記破砕工程の破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、を含むリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、従来の鉛蓄電池、ニッカド二次電池などに比較して軽量、高容量、高起電力の二次電池であり、パソコン、電気自動車、携帯機器などの二次電池として使用されている。リチウムイオン二次電池の正極には、例えば、コバルト、ニッケルなどの有価物が、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、三元系正極材(LiNixCoyMnzO2(x+y+z=1))などとして使用されている。
リチウムイオン二次電池は、今後も使用の拡大が予想されていることから、製造過程で発生した不良品や使用機器および電池の寿命などに伴い廃棄されるリチウムイオン二次電池からリチウムなどの有価物を回収することが、資源リサイクルの観点から望まれている。リチウムイオン二次電池からリチウムなどの有価物を回収する際には、リチウムイオン二次電池に使用されている種々の金属や不純物を分離して回収することが、回収物の価値を高める点から重要である。特に、廃リチウムイオン二次電池から回収した炭酸リチウムを電池材料として用いる場合、炭酸リチウムに含まれる不純物が多いと電気特性が低下するため、不純物の少ない高純度のものが求められている。
リチウムイオン二次電池から不純物の混入を抑えながら炭酸リチウムを回収する技術として、例えば、廃リチウムイオン二次電池を焼成し、水にリチウムを浸出させた液から炭酸リチウムを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案の技術では、例えば、廃リチウムイオン二次電池を焼成し、水にリチウムを浸出させた液を陽極および陰極を配した晶析槽内に貯留し、前記リチウムイオンおよび炭酸イオンを含有する溶液を通電して前記陰極およびその近傍に炭酸リチウムを析出させ、リチウムを炭酸リチウム塩として回収している。
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術においては、陰極近傍へのリチウムの濃縮が不十分であることに起因して、炭酸リチウムの回収率が十分でないという問題がある。
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、リチウムイオン二次電池を水で浸出したリチウム浸出液を濃縮する際のリチウムのロスを抑制し、高純度のリチウムを高回収率で回収することができるリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、
前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で得た破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、
前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、
前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<2> 前記リチウム浸出液は、フッ素濃度が20mg/L以上であり、pHが10.5以上である、前記<1>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<3> 前記第一のリチウム濃縮液は、リチウム濃度が1,500mg/L以上4,000mg/L未満であり、液温が50℃以下である、前記<1>又は<2>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<4> 前記第一のリチウム濃縮液に水酸化カルシウムを添加し、固化したフッ素を固液分離により除去しフッ素除去后液を得るフッ素除去工程を含む、前記<1>から<3>のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<5> 前記第一のリチウム濃縮液中のカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂により除去し、カルシウム濃度が10mg/L以下であるカルシウム除去后液を得るカルシウム除去工程を含む、前記<4>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<6> 前記カルシウム除去工程の前後のいずれか/又は双方で電気透析を行い、リチウム濃度が4,000mg/L以上である第二のリチウム濃縮液を得る電気透析工程を含む、前記<5>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<7> 前記カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液を加熱し、60℃以上で二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム回収工程を含む、前記<5>又は<6>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<8> 前記リチウム浸出工程後の浸出残渣におけるフッ素品位が3%以下である、前記<1>から<7>のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<1> コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、
前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で得た破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、
前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、
前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<2> 前記リチウム浸出液は、フッ素濃度が20mg/L以上であり、pHが10.5以上である、前記<1>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<3> 前記第一のリチウム濃縮液は、リチウム濃度が1,500mg/L以上4,000mg/L未満であり、液温が50℃以下である、前記<1>又は<2>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<4> 前記第一のリチウム濃縮液に水酸化カルシウムを添加し、固化したフッ素を固液分離により除去しフッ素除去后液を得るフッ素除去工程を含む、前記<1>から<3>のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<5> 前記第一のリチウム濃縮液中のカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂により除去し、カルシウム濃度が10mg/L以下であるカルシウム除去后液を得るカルシウム除去工程を含む、前記<4>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<6> 前記カルシウム除去工程の前後のいずれか/又は双方で電気透析を行い、リチウム濃度が4,000mg/L以上である第二のリチウム濃縮液を得る電気透析工程を含む、前記<5>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<7> 前記カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液を加熱し、60℃以上で二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム回収工程を含む、前記<5>又は<6>に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
<8> 前記リチウム浸出工程後の浸出残渣におけるフッ素品位が3%以下である、前記<1>から<7>のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法である。
本発明によると、リチウムイオン二次電池を水で浸出したリチウム浸出液を濃縮する際のリチウムのロスを抑制し、高純度のリチウムを高回収率で回収することができるリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法を提供することができる。
(リチウムの回収方法)
本発明のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法は、熱処理工程と、破砕工程と、分級工程と、リチウム浸出工程と、膜分離工程とを含み、フッ素除去工程、カルシウム除去工程、電気透析工程、および炭酸リチウム回収工程を含むことが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法は、熱処理工程と、破砕工程と、分級工程と、リチウム浸出工程と、膜分離工程とを含み、フッ素除去工程、カルシウム除去工程、電気透析工程、および炭酸リチウム回収工程を含むことが好ましく、さらに必要に応じてその他の工程を含む。
上記特許文献1(特許第5872788号公報)で開示されている従来技術では、リチウムを濃縮し、かつフッ素などの不純物を除去する方法として電気泳動が用いられているが、電気泳動は実施するための工程が煩雑であることだけではなく、リチウムを陰極近傍に濃縮することなどもあり、実施のコストが高くなってしまうという問題がある。さらに、上記特許文献1で開示されている技術について本発明者らが追試を行ったところ、後述する比較例2に示すようにリチウムの回収率を50%以上とすることは困難であることがわかった。
このように従来技術においては、リチウム浸出液のリチウム濃縮時にリチウムの回収率が低くなってしまう場合があるという問題点を本発明者らは知見した。
そこで、本発明者らはリチウム浸出液からリチウムを高回収率で回収することができるリチウムの回収方法についてさらに鋭意検討を重ねた結果、コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、前記破砕工程で得た破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、を含むリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法により、濃縮時のリチウムのロスが抑制でき、リチウム濃縮液から高純度のリチウム塩を高回収率で回収できることを見出し、本発明をなすに至った。
そこで、本発明者らはリチウム浸出液からリチウムを高回収率で回収することができるリチウムの回収方法についてさらに鋭意検討を重ねた結果、コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、前記破砕工程で得た破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、を含むリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法により、濃縮時のリチウムのロスが抑制でき、リチウム濃縮液から高純度のリチウム塩を高回収率で回収できることを見出し、本発明をなすに至った。
<熱処理工程>
熱処理工程は、コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で熱処理(焙焼)する工程である。
熱処理工程は、コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で熱処理(焙焼)する工程である。
-リチウムイオン二次電池-
リチウムイオン二次電池としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムイオン二次電池の製造過程で発生した不良品のリチウムイオン二次電池、使用機器の不良、使用機器の寿命などにより廃棄されるリチウムイオン二次電池、寿命により廃棄される使用済みのリチウムイオン二次電池などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムイオン二次電池の製造過程で発生した不良品のリチウムイオン二次電池、使用機器の不良、使用機器の寿命などにより廃棄されるリチウムイオン二次電池、寿命により廃棄される使用済みのリチウムイオン二次電池などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池の形状、構造、大きさ、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
リチウムイオン二次電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネート型、円筒型、ボタン型、コイン型、角型、平型などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池としては、例えば、正極と、負極と、セパレーターと、電解質および有機溶剤を含有する電解液と、正極、負極、セパレーター、および電解液を収容する電池ケースである外装容器と、を備えたものなどが挙げられる。外装容器に覆われた状態であると、熱処理の際に二次電池内部が負極活物質由来のカーボンにより還元状態となりやすい。なお、リチウムイオン二次電池は、正極や負極などが脱落した状態であってもよい。
また、リチウムイオン二次電池の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどが挙げられる。ここで、バッテリーモジュールとは、単位電池であるバッテリーセルを複数個接続して一つの筐体にまとめたものを意味し、バッテリーパックとは、複数のバッテリーモジュールを一つの筐体にまとめたものを意味する。なお、バッテリーパックは、制御コントローラーや冷却装置を備えたものであってもよい。
リチウムイオン二次電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネート型、円筒型、ボタン型、コイン型、角型、平型などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池としては、例えば、正極と、負極と、セパレーターと、電解質および有機溶剤を含有する電解液と、正極、負極、セパレーター、および電解液を収容する電池ケースである外装容器と、を備えたものなどが挙げられる。外装容器に覆われた状態であると、熱処理の際に二次電池内部が負極活物質由来のカーボンにより還元状態となりやすい。なお、リチウムイオン二次電池は、正極や負極などが脱落した状態であってもよい。
また、リチウムイオン二次電池の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バッテリーセル、バッテリーモジュール、バッテリーパックなどが挙げられる。ここで、バッテリーモジュールとは、単位電池であるバッテリーセルを複数個接続して一つの筐体にまとめたものを意味し、バッテリーパックとは、複数のバッテリーモジュールを一つの筐体にまとめたものを意味する。なお、バッテリーパックは、制御コントローラーや冷却装置を備えたものであってもよい。
--正極--
正極としては、正極活物質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
正極としては、正極活物質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
---正極集電体---
正極集電体としては、その形状、構造、大きさ、材質などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
正極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。
正極集電体としては、その形状、構造、大きさ、材質などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
正極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好ましい。
正極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウムを含有する正極活物質を少なくとも含み、導電剤および結着樹脂を含むことが好ましく、さらに必要に応じてその他の成分を含む。
正極活物質としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2O2)、三元系やNCM系などと呼ばれるLiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)、NCA系などと呼ばれるLiNixCoyAlz(x+y+z=1)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)などが挙げられる。これらの中でも、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2O2)、3元系やNCM系などと呼ばれるLiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)、NCA系などと呼ばれるLiNixCoyAlz(x+y+z=1)が、熱処理でリチウムを水に可溶な形態に変化させやすいことから好適である。
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、金属炭化物などが挙げられる。
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシド等の単独重合体又は共重合体、スチレン-ブタジエンゴムなどが挙げられる。
正極活物質としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2O2)、三元系やNCM系などと呼ばれるLiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)、NCA系などと呼ばれるLiNixCoyAlz(x+y+z=1)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、チタン酸リチウム(Li2TiO3)などが挙げられる。これらの中でも、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、コバルトニッケル酸リチウム(LiCo1/2Ni1/2O2)、3元系やNCM系などと呼ばれるLiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)、NCA系などと呼ばれるLiNixCoyAlz(x+y+z=1)が、熱処理でリチウムを水に可溶な形態に変化させやすいことから好適である。
導電剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー、金属炭化物などが挙げられる。
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシド等の単独重合体又は共重合体、スチレン-ブタジエンゴムなどが挙げられる。
--負極--
負極としては、負極活物質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
負極としては、負極活物質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状、シート状などが挙げられる。
---負極集電体---
負極集電体としては、その形状、構造、大きさ、材質などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
負極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、銅が好ましい。
負極集電体としては、その形状、構造、大きさ、材質などに、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の形状としては、例えば、箔状などが挙げられる。
負極集電体の材質としては、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、銅が好ましい。
負極材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、チタネイトなどが挙げられる。
熱処理における温度(熱処理温度)としては、700℃以上であり、750℃以上1,080℃以下が好ましく、750℃以上900℃以下がより好ましい。熱処理温度を700℃以上とすることにより、正極活物質中のLi(Ni/Co/Mn)O2および電解質中のLiPF6におけるリチウムを、フッ化リチウム(LiF)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化リチウム(Li2O)などのリチウムが水溶液に可溶な形態の物質にすることができ、リチウム浸出時にフッ素以外の不純物と分離することができる。
なお、熱処理温度とは、熱処理時のリチウムイオン二次電池の温度のことを意味する。熱処理温度は、熱処理温度中のリチウムイオン二次電池に、カップル、サーミスタなどの温度計を差し込むことにより、測定することができる。
なお、熱処理温度とは、熱処理時のリチウムイオン二次電池の温度のことを意味する。熱処理温度は、熱処理温度中のリチウムイオン二次電池に、カップル、サーミスタなどの温度計を差し込むことにより、測定することができる。
リチウムイオン二次電池を熱処理する時間(熱処理時間)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間以上5時間以下が好ましく、1分間以上2時間以下がより好ましい。熱処理時間はリチウムを含む化合物が所望の温度まで到達する熱処理時間であればよく、昇温速度を緩やかにすることによりリチウムの不溶性酸化物の生成を抑制し、リチウムの浸出率を向上できる。また、昇温した後に、温度を保持する時間は短くてもよい。
熱処理時間が、上記好ましい時間であると、熱処理にかかるコストおよびリチウム溶液を作製する際の生産性の点から有利である。
熱処理時間が、上記好ましい時間であると、熱処理にかかるコストおよびリチウム溶液を作製する際の生産性の点から有利である。
熱処理方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、焙焼炉を用いる方法などが挙げられる。
焙焼炉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリーキルン、流動床炉、トンネル炉、マッフル炉等のバッチ式炉、キュポラ、ストーカー炉などが挙げられる。
焙焼炉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリーキルン、流動床炉、トンネル炉、マッフル炉等のバッチ式炉、キュポラ、ストーカー炉などが挙げられる。
<破砕工程>
破砕工程は、熱処理工程において熱処理を行ったリチウムイオン二次電池(焙焼物)を破砕して、破砕物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。破砕工程としては、例えば、焙焼物を衝撃により破砕して破砕物を得る工程であることが好ましい。リチウムイオン二次電池の外装容器が熱処理中に溶融しない場合、焙焼物に衝撃を与える前に、切断機により焙焼物を切断する予備破砕しておくことがより好ましい。
破砕工程は、熱処理工程において熱処理を行ったリチウムイオン二次電池(焙焼物)を破砕して、破砕物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。破砕工程としては、例えば、焙焼物を衝撃により破砕して破砕物を得る工程であることが好ましい。リチウムイオン二次電池の外装容器が熱処理中に溶融しない場合、焙焼物に衝撃を与える前に、切断機により焙焼物を切断する予備破砕しておくことがより好ましい。
衝撃により破砕を行う方法としては、例えば、回転する打撃板により投げつけ、衝突板に叩きつけて衝撃を与える方法、回転する打撃子(ビーター)により焙焼物を叩く方法などが挙げられ、具体的には、ハンマークラッシャーなどにより行うことができる。
衝撃により破砕を行う方法としては、例えば、セラミックなどのボールにより焙焼物を叩く方法などが挙げられ、この方法は、ボールミルなどにより行うことができる。また、衝撃による破砕は、例えば、圧縮による破砕を行う刃幅、刃渡りの短い二軸破砕機などを用いて行うこともできる。
衝撃により破砕を行う方法としては、例えば、セラミックなどのボールにより焙焼物を叩く方法などが挙げられ、この方法は、ボールミルなどにより行うことができる。また、衝撃による破砕は、例えば、圧縮による破砕を行う刃幅、刃渡りの短い二軸破砕機などを用いて行うこともできる。
破砕工程における破砕時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、リチウムイオン二次電池1kgあたりの破砕時間は1秒間以上30分間以下が好ましく、2秒間以上10分間以下がより好ましく、3秒間以上5分間以下が特に好ましい。
<分級工程>
分級工程は、破砕物を分級して粗粒産物と細粒産物に選別して、それぞれにおいて回収物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
分級工程は、破砕物を分級して粗粒産物と細粒産物に選別して、それぞれにおいて回収物を得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
分級方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、振動篩、多段式振動篩、サイクロン、JIS Z8801の標準篩などを用いて行うことができる。分級により、銅、鉄、アルミニウムなどを粗粒産物中に分離でき、リチウムを細粒産物中に濃縮できる。
分級における分級点としては、0.6mm以上2.4mm以下であり0.85mm以上1.7mm以下が好ましい。分級における分級点が2.4mm以下であると、細粒産物中への銅、鉄、アルミニウム等の不純物の混入を抑制でき、細粒産物を浸出する際の単位重量あたりのリチウム回収量を向上できる。また、分級における分級点が0.6mm以上であると、粗粒産物中へのリチウムの回収を抑制でき、細粒産物を浸出する際のリチウム回収量を向上できる。
なお、粗粒産物と細粒産物との分級を複数回繰り返して行ってもよい。この再度の分級により、各産物の不純物品位をさらに低減することができる。
分級における分級点としては、0.6mm以上2.4mm以下であり0.85mm以上1.7mm以下が好ましい。分級における分級点が2.4mm以下であると、細粒産物中への銅、鉄、アルミニウム等の不純物の混入を抑制でき、細粒産物を浸出する際の単位重量あたりのリチウム回収量を向上できる。また、分級における分級点が0.6mm以上であると、粗粒産物中へのリチウムの回収を抑制でき、細粒産物を浸出する際のリチウム回収量を向上できる。
なお、粗粒産物と細粒産物との分級を複数回繰り返して行ってもよい。この再度の分級により、各産物の不純物品位をさらに低減することができる。
<リチウム浸出工程>
リチウム浸出工程では、前記分級工程において回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得る工程である。
ここで、得られたリチウム浸出液のリチウム濃度は、リチウムイオン二次電池の熱処理条件や浸出時の固液比等に依存するが、1,500mg/L未満とする。本発明者らは、前記細粒産物中のリチウムは主に炭酸リチウム、フッ化リチウム、又は酸化リチウムとして存在していることを知見した。そして、リチウム浸出液のリチウム濃度を1,500mg/L未満とすることにより、リチウム塩の水への浸出率を向上できることを知見した。リチウム浸出液中のリチウムは主に炭酸リチウムおよびフッ化リチウムとして溶存している。つまり、リチウムの当量にほぼ等しいCO3 2-イオンおよびF-イオンが溶存している。一方、リチウム浸出液を何らかの手法により濃縮してリチウム濃度を1,500mg/L以上に高めた状態とし、60℃以上に加熱する(炭酸リチウムの溶解度を低下させる)と、炭酸リチウムが析出する。
ここで、リチウム濃度の測定は、例えば、ICAP 6300DuO(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて、ICP-AES分析することにより行うことができる。
リチウム浸出工程では、前記分級工程において回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得る工程である。
ここで、得られたリチウム浸出液のリチウム濃度は、リチウムイオン二次電池の熱処理条件や浸出時の固液比等に依存するが、1,500mg/L未満とする。本発明者らは、前記細粒産物中のリチウムは主に炭酸リチウム、フッ化リチウム、又は酸化リチウムとして存在していることを知見した。そして、リチウム浸出液のリチウム濃度を1,500mg/L未満とすることにより、リチウム塩の水への浸出率を向上できることを知見した。リチウム浸出液中のリチウムは主に炭酸リチウムおよびフッ化リチウムとして溶存している。つまり、リチウムの当量にほぼ等しいCO3 2-イオンおよびF-イオンが溶存している。一方、リチウム浸出液を何らかの手法により濃縮してリチウム濃度を1,500mg/L以上に高めた状態とし、60℃以上に加熱する(炭酸リチウムの溶解度を低下させる)と、炭酸リチウムが析出する。
ここで、リチウム濃度の測定は、例えば、ICAP 6300DuO(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて、ICP-AES分析することにより行うことができる。
リチウム浸出工程においてリチウムを水に浸出させることにより、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)などの不純物を、残渣としてほぼ全て(100%)回収することができる。このため、リチウムを水に浸出させる場合には、ニッケル、コバルト、マンガンなどの残渣を回収するために、リチウムを浸出させたスラリー状の水を、濾紙又は固液分離機などを用いて固液分離することが好ましい。言い換えると、リチウム回収方法におけるリチウム浸出工程では、ニッケル、コバルト、マンガンなどの残渣を固液分離により除去することが好ましい。
リチウム浸出工程で用いる水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、工業用水、水道水、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
リチウム浸出液におけるpH(水素イオン指数)としては、10.5以上が好ましく、10.5以上12.5以下がより好ましく、10.5以上12.0以下が特に好ましい。
リチウム浸出液のpHを10.5以上とすることにより、pHを上昇させるために用いる水酸化カルシウムなどの添加量を低減できる。また、添加した水酸化カルシウムなどにより供給されるカルシウムイオンの溶存量を低減できる。さらに、カルシウム除去工程を後段で行う場合は、用いる除去剤(例えば、陽イオン交換樹脂又は炭酸塩)を低減できる。一方、リチウム浸出液のpHが12.5以下であると、添加成分が溶解しやすくなり、フッ素の除去効率を向上させることができる。
リチウム浸出液のpHを10.5以上とすることにより、pHを上昇させるために用いる水酸化カルシウムなどの添加量を低減できる。また、添加した水酸化カルシウムなどにより供給されるカルシウムイオンの溶存量を低減できる。さらに、カルシウム除去工程を後段で行う場合は、用いる除去剤(例えば、陽イオン交換樹脂又は炭酸塩)を低減できる。一方、リチウム浸出液のpHが12.5以下であると、添加成分が溶解しやすくなり、フッ素の除去効率を向上させることができる。
浸出残渣にはコバルト、ニッケルおよびカーボンなどの有価物が含まれる。リチウム浸出工程により浸出残渣からフッ素を除去できる。リチウム浸出工程後の浸出残渣中のフッ素品位が3%以下であることが好ましい。
フッ素除去量は浸出時の固液比に反比例するため、浸出残渣からフッ素を除去するためには低固液比での浸出が好ましいが、固液比が小さいほどリチウム/フッ素の比率が低い低濃度のリチウム浸出液が得られる。この低濃度のリチウム浸出液に対して逆浸透膜分離を適用することで、リチウムの濃度を高めた液(第一のリチウム濃縮液)が回収でき、より効率的にリチウムの精製(例えば、炭酸リチウムの回収)が可能となる。
フッ素除去量は浸出時の固液比に反比例するため、浸出残渣からフッ素を除去するためには低固液比での浸出が好ましいが、固液比が小さいほどリチウム/フッ素の比率が低い低濃度のリチウム浸出液が得られる。この低濃度のリチウム浸出液に対して逆浸透膜分離を適用することで、リチウムの濃度を高めた液(第一のリチウム濃縮液)が回収でき、より効率的にリチウムの精製(例えば、炭酸リチウムの回収)が可能となる。
また、リチウム浸出液のフッ素濃度は、20mg/L以上であることが好ましい。後述するフッ素除去工程を行う場合には、フッ素を固化させて分離でき、フッ素濃度を20mg/L未満まで除去することができるからである。
フッ素濃度の測定は、例えば、IM-32Pガラス電極式水素イオン濃度指示計(東亜ディーケーケー株式会社製)にF-2021フッ化物イオン電極(東亜ディーケーケー株式会社製)を接続した装置で行うことができる。
フッ素濃度の測定は、例えば、IM-32Pガラス電極式水素イオン濃度指示計(東亜ディーケーケー株式会社製)にF-2021フッ化物イオン電極(東亜ディーケーケー株式会社製)を接続した装置で行うことができる。
リチウム浸出工程におけるリチウムの浸出手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分級工程において回収したリチウムイオン二次電池の細粒産物を液(水)に投入し、撹拌することにより、リチウムを液に浸出させることができる。リチウム浸出工程における液の撹拌速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、200rpmとすることができる。
リチウム浸出工程における浸出時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間とすることができる。
リチウム浸出工程における浸出時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間とすることができる。
<膜分離工程>
膜分離工程は、前記リチウム浸出工程で得られたリチウム浸出液をナノ濾過(Nano Filtration(NF))膜又は逆浸透(Reverse Osmosis(RO)膜を用いて濃縮処理することにより、第一のリチウム濃縮液とする工程である。
前記膜分離工程における濃縮処理は、リチウム浸出液の液温が50℃以下で実施することが好ましい。リチウム浸出液の液温が50℃以下で膜分離工程を実施することにより、膜表面への炭酸リチウムの晶析・閉塞を防ぐことができ、得られる第一のリチウム濃縮液にリチウムおよび炭酸イオンを低コストで濃縮できる。なお、第一のリチウム濃縮液ではフッ素も濃縮するが、このフッ素は後述するフッ素除去工程において効率よく除去される。
また、第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度は、1500mg/L以上4,000mg/L未満とすることができる。第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度を4,000mg/L未満とすることで、膜分離時の膜表面への炭酸リチウムの晶析・閉塞を防ぐことができ、連続的に長期にわたる安定した(操作圧力の上昇を抑制した)膜分離が可能となる。NF膜を用いる場合は、透過液側にフッ素を除去することができる。
本発明においては、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を、膜分離(膜濃縮)するため、他の濃縮手法(例えば、蒸発濃縮又は電気透析)よりも安価にリチウム濃度を1,500mg/L以上4,000mg/L未満に調整することができる。
膜分離工程は、前記リチウム浸出工程で得られたリチウム浸出液をナノ濾過(Nano Filtration(NF))膜又は逆浸透(Reverse Osmosis(RO)膜を用いて濃縮処理することにより、第一のリチウム濃縮液とする工程である。
前記膜分離工程における濃縮処理は、リチウム浸出液の液温が50℃以下で実施することが好ましい。リチウム浸出液の液温が50℃以下で膜分離工程を実施することにより、膜表面への炭酸リチウムの晶析・閉塞を防ぐことができ、得られる第一のリチウム濃縮液にリチウムおよび炭酸イオンを低コストで濃縮できる。なお、第一のリチウム濃縮液ではフッ素も濃縮するが、このフッ素は後述するフッ素除去工程において効率よく除去される。
また、第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度は、1500mg/L以上4,000mg/L未満とすることができる。第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度を4,000mg/L未満とすることで、膜分離時の膜表面への炭酸リチウムの晶析・閉塞を防ぐことができ、連続的に長期にわたる安定した(操作圧力の上昇を抑制した)膜分離が可能となる。NF膜を用いる場合は、透過液側にフッ素を除去することができる。
本発明においては、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を、膜分離(膜濃縮)するため、他の濃縮手法(例えば、蒸発濃縮又は電気透析)よりも安価にリチウム濃度を1,500mg/L以上4,000mg/L未満に調整することができる。
このように、本発明では、熱処理工程、破砕工程、分級工程、リチウム浸出工程、および膜分離工程を行うことにより、リチウムイオン二次電池を処理して、リチウム濃度が1,500mg/L以上の第一のリチウム濃縮液を作製することができる。
<フッ素除去工程>
フッ素除去工程は、前記第一のリチウム濃縮液に水酸化カルシウムを添加し、固化したフッ素を固液分離により除去し、フッ素除去后液を得る工程である。言い換えれば、膜分離工程によりリチウムとフッ素の双方を第一のリチウム濃縮液に濃縮できるが、第一のリチウム濃縮液に含まれるフッ素を固化させる水酸化カルシウムを当該第一のリチウム濃縮液に添加することにより、固化したフッ素を除去できる。
フッ素除去工程によりフッ素除去后液中のフッ素は5mg/L~20mg/L程度まで低下できる。膜分離工程による濃縮処理を行わずに、リチウム浸出液に対してフッ素除去工程を行ったとしても、得られるフッ素除去后液中のフッ素濃度は5mg/L~20mg/Lと同様の水準であることから、第一のリチウム濃縮液に対してフッ素除去を行う方が、膜分離工程を行わない場合と比べてリチウム濃度に対するフッ素濃度の比を低減でき、最終的に得られるリチウム回収物のフッ素含有量を低減することができる。
フッ素除去工程は、前記第一のリチウム濃縮液に水酸化カルシウムを添加し、固化したフッ素を固液分離により除去し、フッ素除去后液を得る工程である。言い換えれば、膜分離工程によりリチウムとフッ素の双方を第一のリチウム濃縮液に濃縮できるが、第一のリチウム濃縮液に含まれるフッ素を固化させる水酸化カルシウムを当該第一のリチウム濃縮液に添加することにより、固化したフッ素を除去できる。
フッ素除去工程によりフッ素除去后液中のフッ素は5mg/L~20mg/L程度まで低下できる。膜分離工程による濃縮処理を行わずに、リチウム浸出液に対してフッ素除去工程を行ったとしても、得られるフッ素除去后液中のフッ素濃度は5mg/L~20mg/Lと同様の水準であることから、第一のリチウム濃縮液に対してフッ素除去を行う方が、膜分離工程を行わない場合と比べてリチウム濃度に対するフッ素濃度の比を低減でき、最終的に得られるリチウム回収物のフッ素含有量を低減することができる。
水酸化カルシウムの添加は、水酸化カルシウムの固体を第一のリチウム濃縮液に添加してもよいし、水酸化カルシウムが溶解した溶液又はスラリーを添加してもよい。
ここで、水酸化カルシウムを添加する際の好ましい形態の一例について説明する。
上述のように、前記リチウム浸出工程では、水にリチウムを浸出させる際のリチウム濃度を調整することにより、リチウム浸出液のpHを10.5以上とすることができる。これは、リチウム浸出液が水酸化リチウム溶液となるためであると考えられる。浸出時にpHを高くすることにより、水酸化カルシウム添加後のpHを12以上に上げるためのアルカリの添加量を減らすことができる。また、水酸化カルシウム添加後の第一のリチウム濃縮液のpHが12未満の場合は、アルカリを追加で添加してpHを12以上に調整することが好ましい。
この条件下では、カルシウムの溶解度積に鑑みると、フッ素除去工程後のフッ素除去后液のカルシウムイオン(Ca2+)の溶存量を、1,000mg/L以下まで抑制できる。このため、カルシウム除去工程における、カルシウムイオン(Ca2+)を除去するための陽イオン交換樹脂量を低減することができる。
フッ素固化に水酸化カルシウムを用いることにより、前記カルシウムの添加とpHの調整を水酸化カルシウム(消石灰)の添加のみで同時に行うことができる。
一方、カルシウムイオン(Ca2+)の溶存量が少ない条件であっても、フッ素の除去は十分に行うことができ、例えば、フッ素を除去する前の第一のリチウム濃縮液におけるフッ素の濃度が2,000mg/Lである場合には、フッ素除去工程を行うことによりリチウム浸出液におけるフッ素濃度を20mg/L程度まで低減することができる。
ここで、水酸化カルシウムを添加する際の好ましい形態の一例について説明する。
上述のように、前記リチウム浸出工程では、水にリチウムを浸出させる際のリチウム濃度を調整することにより、リチウム浸出液のpHを10.5以上とすることができる。これは、リチウム浸出液が水酸化リチウム溶液となるためであると考えられる。浸出時にpHを高くすることにより、水酸化カルシウム添加後のpHを12以上に上げるためのアルカリの添加量を減らすことができる。また、水酸化カルシウム添加後の第一のリチウム濃縮液のpHが12未満の場合は、アルカリを追加で添加してpHを12以上に調整することが好ましい。
この条件下では、カルシウムの溶解度積に鑑みると、フッ素除去工程後のフッ素除去后液のカルシウムイオン(Ca2+)の溶存量を、1,000mg/L以下まで抑制できる。このため、カルシウム除去工程における、カルシウムイオン(Ca2+)を除去するための陽イオン交換樹脂量を低減することができる。
フッ素固化に水酸化カルシウムを用いることにより、前記カルシウムの添加とpHの調整を水酸化カルシウム(消石灰)の添加のみで同時に行うことができる。
一方、カルシウムイオン(Ca2+)の溶存量が少ない条件であっても、フッ素の除去は十分に行うことができ、例えば、フッ素を除去する前の第一のリチウム濃縮液におけるフッ素の濃度が2,000mg/Lである場合には、フッ素除去工程を行うことによりリチウム浸出液におけるフッ素濃度を20mg/L程度まで低減することができる。
ここで、フッ素除去工程において、フッ素を固化させるとは、リチウム浸出液からフッ素を除去可能となるように固化させることを意味する。このため、例えば、フッ素をリチウム浸出液から固液分離により除去する際には、フッ素を固液分離可能となるように固化させればよい。この場合、例えば、固化したフッ素が細かい粒子形状になっていてもよいし、ある程度の大きさを有する析出物(沈殿)となっていてもよい。
フッ素除去工程において固化したフッ素を除去する手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固液分離を用いる手法、固化したフッ素で形成された析出物(沈殿)を取り除く手法などが挙げられる。これらの中でも、固液分離を用いる手法が好ましい。言い換えると、フッ素除去工程において、固化したフッ素を固液分離により除去することが好ましい。固化したフッ素を固液分離により除去することにより、リチウム浸出液からフッ素をより高い精度で除去することができる。
固液分離による固化したフッ素の除去は、例えば、リチウム浸出液(スラリー状であってもよい)を、濾紙や固液分離機を用いて濾過することなどにより行うことができる。
固液分離による固化したフッ素の除去に用いる濾紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定量濾紙を用いることが好ましく、JIS P3801における5種Cに分類される濾紙を用いることがより好ましい。
固液分離による固化したフッ素の除去に用いる固液分離機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリュープレス、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動ふるい、多重板波動フィルター、真空脱水機、加圧脱水機(フィルタープレス)、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機(スクリューデカンタ)、多重円盤脱水機などが挙げられる。
固液分離による固化したフッ素の除去に用いる濾紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定量濾紙を用いることが好ましく、JIS P3801における5種Cに分類される濾紙を用いることがより好ましい。
固液分離による固化したフッ素の除去に用いる固液分離機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリュープレス、ローラープレス、ベルトスクリーン、振動ふるい、多重板波動フィルター、真空脱水機、加圧脱水機(フィルタープレス)、ベルトプレス、スクリュープレス、遠心濃縮脱水機(スクリューデカンタ)、多重円盤脱水機などが挙げられる。
さらに、水酸化カルシウムに加えて、硫酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物を第二の添加成分として使用することにより、カルシウム化合物を単独で使用した場合よりもさらにフッ素濃度を低減でき、例えば、フッ素除去后液におけるフッ素濃度を10mg/L以下とすることができる。また、リチウムの浸出時に浸出されるアルミニウムをフッ素の固化時に共沈させ、アルミニウムの除去と共にアルミニウムをフッ素除去剤として利用することができる。
第一のリチウム濃縮液の全量に対する添加成分の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第一のリチウム濃縮液が炭酸イオンを含む場合には、添加成分が前記炭酸イオンと反応して消費されるため、添加成分の添加量を増加することが好ましい。添加成分の添加量は、フッ素を安定的に固化・分離する観点から、第一のリチウム濃縮液に含まれるフッ素および炭酸イオンの全量が、フッ素がXモル(mol)、炭酸イオンがYモル(mol)である場合、第一のリチウム濃縮液に含まれるフッ素および炭酸イオンの双方と添加成分が反応できる量が好ましい。
第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する添加成分の添加量としては、添加成分のイオンの価数が2価の場合、例えば、0.5×(X+2Y)mol以上10×(X+2Y)mol以下を添加することができる。より好ましくは、第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する添加成分の添加量としては、例えば、0.75(X+2Y)mol以上5(X+2Y)mol以下を添加することができる。
例えば、添加成分を含む化合物として水酸化カルシウム(カルシウムイオンの価数は2価である)を用いる場合、第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する水酸化カルシウムの添加量としては、0.5×(X+2Y)mol以上10×(X+2Y)mol以下が好ましく、0.75×(X+2Y)mol以上5×(X+2Y)mol以下がより好ましい。
第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する添加成分の添加量としては、添加成分のイオンの価数が2価の場合、例えば、0.5×(X+2Y)mol以上10×(X+2Y)mol以下を添加することができる。より好ましくは、第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する添加成分の添加量としては、例えば、0.75(X+2Y)mol以上5(X+2Y)mol以下を添加することができる。
例えば、添加成分を含む化合物として水酸化カルシウム(カルシウムイオンの価数は2価である)を用いる場合、第一のリチウム濃縮液中のフッ素Xモル(mol)および炭酸イオンYモル(mol)に対する水酸化カルシウムの添加量としては、0.5×(X+2Y)mol以上10×(X+2Y)mol以下が好ましく、0.75×(X+2Y)mol以上5×(X+2Y)mol以下がより好ましい。
また、フッ素除去工程においては、水酸化カルシウムを添加した後、第一のリチウム濃縮液を撹拌することが好ましい。
第一のリチウム濃縮液の撹拌速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、20rpm以上2,000rpm以下が好ましく、50rpm以上1,000rpm以下がより好ましい。
第一のリチウム濃縮液の撹拌時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5分間以上240分間以下が好ましく、15分間以上120分間以下がより好ましい。撹拌時間(反応時間)を240分間以下とすることにより、固化したフッ素の再溶解を防ぐことができる。
第一のリチウム濃縮液の撹拌速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、20rpm以上2,000rpm以下が好ましく、50rpm以上1,000rpm以下がより好ましい。
第一のリチウム濃縮液の撹拌時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5分間以上240分間以下が好ましく、15分間以上120分間以下がより好ましい。撹拌時間(反応時間)を240分間以下とすることにより、固化したフッ素の再溶解を防ぐことができる。
フッ素除去后液のフッ素濃度を確認する方法としては、例えば、イオン電極法、又はイオンクロマトグラフ法によりフッ素濃度を測定する方法などが挙げられる。
<カルシウム除去工程>
カルシウム除去工程は、第一のリチウム濃縮液中のカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂により除去し、カルシウム濃度が10mg/L以下のカルシウム除去后液を得る工程である。陽イオン交換樹脂を用いたカルシウムイオンの吸着除去には、複数の種類のイオン吸着樹脂又はイオン吸着樹脂塔を用いることができる。
陽イオン交換樹脂と第一のリチウム濃縮液を接触させることにより、リチウムを溶存させたままカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂に吸着させて除去できる。これにより、炭酸リチウム中のカルシウム品位をより低減できる。また、陽イオン交換樹脂吸着は、CO3 2-イオンを供給せずにCa2+イオンを除去する(カルシウム除去后液を得る)ので、CO3 2-イオンがカルシウム除去后液に溶存しない。その結果、炭酸リチウムを析出させずにカルシウム除去后液を濃縮することが可能となる。なお、リチウムイオン(陽イオン)は陽イオン交換樹脂に吸着しない。
前記カルシウム除去工程の前後のいずれか又は双方で電気透析を行い、カルシウム除去后液の濃縮を行うことが好ましい。
カルシウム除去工程は、第一のリチウム濃縮液中のカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂により除去し、カルシウム濃度が10mg/L以下のカルシウム除去后液を得る工程である。陽イオン交換樹脂を用いたカルシウムイオンの吸着除去には、複数の種類のイオン吸着樹脂又はイオン吸着樹脂塔を用いることができる。
陽イオン交換樹脂と第一のリチウム濃縮液を接触させることにより、リチウムを溶存させたままカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂に吸着させて除去できる。これにより、炭酸リチウム中のカルシウム品位をより低減できる。また、陽イオン交換樹脂吸着は、CO3 2-イオンを供給せずにCa2+イオンを除去する(カルシウム除去后液を得る)ので、CO3 2-イオンがカルシウム除去后液に溶存しない。その結果、炭酸リチウムを析出させずにカルシウム除去后液を濃縮することが可能となる。なお、リチウムイオン(陽イオン)は陽イオン交換樹脂に吸着しない。
前記カルシウム除去工程の前後のいずれか又は双方で電気透析を行い、カルシウム除去后液の濃縮を行うことが好ましい。
なお、上記フッ素除去工程では、フッ素の除去に水酸化カルシウムを用いており、フッ素除去后液中のカルシウム濃度を1,000mg/L以下に抑制できる。このことから、フッ素除去后液の単位量当たりに使用する陽イオン交換樹脂量は少量であり、低コストで(経済的に)、陽イオン交換樹脂によるカルシウム除去が実施できる。カルシウムイオンの除去方法としては、炭酸塩の添加および生成する炭酸カルシウムの添加も想定されるが、陽イオン交換樹脂によるカルシウム除去工程の方が高精度であり、より低Ca品位の炭酸Liが精製可能である点から好ましい。さらに、陽イオン交換樹脂によるカルシウム除去工程はカルシウム除去時にCO3
2-を供給しないため、炭酸リチウムを析出・ロスさせずにカルシウムイオンのみを選択的に除去できる。
<電気透析工程>
電気透析工程は、前記カルシウム除去工程の前後のいずれか/又は双方で電気透析を行い、リチウム濃度が4,000mg/L以上である第二のリチウム濃縮液を得る工程である。なお、電気透析工程は、多段処理により所定濃度までの濃縮を実施してもよい。
フッ素除去工程およびカルシウム除去工程によって、カルシウム除去后液中のCO3 2-イオンは殆ど炭酸カルシウムとして除去されるため、カルシウム除去后液にはCO3 2-イオンが殆ど含まれない。従って、リチウムイオンを4,000mg/L以上に濃縮しても、後述する炭酸リチウム回収工程で炭酸リチウムの晶析は生じない。また、電気透析で用いるイオン交換膜は、膜濃縮で用いるナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜に比べてアルカリに対する耐性がより高いことから、フッ素除去後のフッ素除去后液(pH12以上)に対しては電気透析による濃縮を行うことが好ましい。
フッ素除去后液を濃縮する際の濃縮倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5倍以上100倍以下が好ましく、3倍以上50倍以下がより好ましく、5倍以上10倍以下が特に好ましい。濃縮倍率が100倍を超えると、電気透析時にフッ化リチウムが装置内に析出することがある。また、濃縮倍率が10倍以下である場合は、多段処理ではなく1段の電気透析のみで濃縮を完了できる場合があり、設備導入コストの面から特に好ましい。なお、電気透析による濃縮は、蒸発濃縮と比べて炭酸リチウムの生産速度を同規模の設備で5倍以上早めることができる。
電気透析工程は、前記カルシウム除去工程の前後のいずれか/又は双方で電気透析を行い、リチウム濃度が4,000mg/L以上である第二のリチウム濃縮液を得る工程である。なお、電気透析工程は、多段処理により所定濃度までの濃縮を実施してもよい。
フッ素除去工程およびカルシウム除去工程によって、カルシウム除去后液中のCO3 2-イオンは殆ど炭酸カルシウムとして除去されるため、カルシウム除去后液にはCO3 2-イオンが殆ど含まれない。従って、リチウムイオンを4,000mg/L以上に濃縮しても、後述する炭酸リチウム回収工程で炭酸リチウムの晶析は生じない。また、電気透析で用いるイオン交換膜は、膜濃縮で用いるナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜に比べてアルカリに対する耐性がより高いことから、フッ素除去後のフッ素除去后液(pH12以上)に対しては電気透析による濃縮を行うことが好ましい。
フッ素除去后液を濃縮する際の濃縮倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5倍以上100倍以下が好ましく、3倍以上50倍以下がより好ましく、5倍以上10倍以下が特に好ましい。濃縮倍率が100倍を超えると、電気透析時にフッ化リチウムが装置内に析出することがある。また、濃縮倍率が10倍以下である場合は、多段処理ではなく1段の電気透析のみで濃縮を完了できる場合があり、設備導入コストの面から特に好ましい。なお、電気透析による濃縮は、蒸発濃縮と比べて炭酸リチウムの生産速度を同規模の設備で5倍以上早めることができる。
<炭酸リチウム回収工程>
炭酸リチウム回収工程は、カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液を加熱し、60℃以上で二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを回収する工程である。即ち、炭酸リチウムとその他のリチウム塩(例えば、硫酸リチウム、フッ化リチウム)の溶解度の差を利用して炭酸リチウムを選択的に晶析させて、炭酸リチウムを高濃度で回収することができる。
第二のリチウム濃縮液の加熱温度としては、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、95℃以上が特に好ましい。加熱温度が高いほど炭酸リチウムの溶解度を低下させることができ、炭酸リチウムの晶析量を増加できる。加熱する手法としては、例えば、電熱式のヒーター、又は加熱蒸気が通過する銅、ステンレススチール、テフロン(登録商標)等の配管により加熱する手法などが挙げられる。
炭酸リチウム回収工程は、カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液を加熱し、60℃以上で二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを回収する工程である。即ち、炭酸リチウムとその他のリチウム塩(例えば、硫酸リチウム、フッ化リチウム)の溶解度の差を利用して炭酸リチウムを選択的に晶析させて、炭酸リチウムを高濃度で回収することができる。
第二のリチウム濃縮液の加熱温度としては、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、95℃以上が特に好ましい。加熱温度が高いほど炭酸リチウムの溶解度を低下させることができ、炭酸リチウムの晶析量を増加できる。加熱する手法としては、例えば、電熱式のヒーター、又は加熱蒸気が通過する銅、ステンレススチール、テフロン(登録商標)等の配管により加熱する手法などが挙げられる。
また、カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液に二酸化炭素を添加する手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、二酸化炭素を含むガスの吹込み又は炭酸塩の添加により行うことが好ましい。二酸化炭素を含むガスとしては、例えば、空気又は二酸化炭素ガスなどが挙げられる。炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどが挙げられる。
二酸化炭素を供給した後のリチウムを含む溶液の炭酸イオン濃度としては、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度2以上が好ましく、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度3以上がより好ましく、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度4以上32.3以下が特に好ましい。リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度が2未満であると、炭酸リチウムに加えて硫酸リチウムの析出量が増加し工業グレード(炭酸リチウム品位99.0%以上)の炭酸リチウムを晶析できないことがある。一方、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度が32.3を超えると、炭酸イオンを溶解させるために添加した炭酸塩由来の金属が溶存した液を炭酸リチウムが含水し、炭酸リチウム中の炭酸塩由来の金属品位が過剰となることがある。
二酸化炭素を供給した後のリチウムを含む溶液の炭酸イオン濃度としては、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度2以上が好ましく、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度3以上がより好ましく、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度4以上32.3以下が特に好ましい。リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度が2未満であると、炭酸リチウムに加えて硫酸リチウムの析出量が増加し工業グレード(炭酸リチウム品位99.0%以上)の炭酸リチウムを晶析できないことがある。一方、リチウム濃度1に対し炭酸イオン濃度が32.3を超えると、炭酸イオンを溶解させるために添加した炭酸塩由来の金属が溶存した液を炭酸リチウムが含水し、炭酸リチウム中の炭酸塩由来の金属品位が過剰となることがある。
炭酸リチウム回収中の液は撹拌し続けることが好ましい。撹拌することにより液の炭酸イオンおよび不純物イオン(例えば、フッ素イオン)の液中の濃度を均一化でき、また、炭酸リチウムの析出物の粒径を均一化でき、結果として不純物の結晶生成又は液の炭酸リチウム析出物中への巻き込みを低減できるため、炭酸リチウム回収物中の不純物品位を低減できる。
炭酸リチウム回収時には、あらかじめ又は晶析中に炭酸リチウムの結晶を添加した状態で晶析を開始又は継続してもよい。この結晶(種晶)添加により晶析回収される炭酸リチウムの粒度を向上および均質化できるため、結晶の含水分量を低減でき、含水成分由来の不純物品位をさらに低減できる。
炭酸リチウム回収工程は、晶析中に液が蒸発する温度以上に加熱し液を蒸発濃縮することにより炭酸リチウムを晶析させることもできる。
炭酸リチウム回収時には、あらかじめ又は晶析中に炭酸リチウムの結晶を添加した状態で晶析を開始又は継続してもよい。この結晶(種晶)添加により晶析回収される炭酸リチウムの粒度を向上および均質化できるため、結晶の含水分量を低減でき、含水成分由来の不純物品位をさらに低減できる。
炭酸リチウム回収工程は、晶析中に液が蒸発する温度以上に加熱し液を蒸発濃縮することにより炭酸リチウムを晶析させることもできる。
また、析出させたリチウム(炭酸リチウム)は、例えば、匙、レーキ、スクレーパーなどの公知の器具で回収することができる。析出させた炭酸リチウムを含むスラリーは粘性が低いため、配管の閉塞を生じず、スラリーを撹拌しながらポンプで固液分離装置(例えば、フィルタープレス)に供給することにより回収することができる。
以上のように、リチウムイオン二次電池を処理することにより得たリチウム浸出液に対し膜分離工程を行いリチウムとフッ素を濃縮し、濃縮後のリチウム濃縮液からリチウムを炭酸リチウムとして回収することにより、フッ素の含有量が少なく純度(品位)の高い炭酸リチウムを簡便に得ることができる。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、図面を参照して、本発明のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法における実施形態の一例について説明する。
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態に係るリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法の一例を示すフロー図である。
この図1の第一の実施形態では、まず、リチウムイオン二次電池(LIB;Lithium Ion Battery)に対して熱処理(熱処理工程)を行い、LIB熱処理物を得る。これにより、例えば、LIBにおける正極活物質中のLi(Ni/Co/Mn)O2や電解質中のLiPF6におけるリチウムを、フッ化リチウム(LiF)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化リチウム(Li2O)などのリチウムが水溶液に可溶な形態の物質にすることができ、ニッケル、コバルト、マンガン等を分離可能とすることができると共に、LIBにおけるアルミニウム(Al)を熔融し分離することができる。
次に、第一の実施形態においては、LIB熱処理物に対して、破砕および分級(破砕工程および分級工程)を行い、粗粒産物と細粒産物とを得る。ここで、粗粒産物として、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)などの不純物を分離して除去することができる。
図1は、第一の実施形態に係るリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法の一例を示すフロー図である。
この図1の第一の実施形態では、まず、リチウムイオン二次電池(LIB;Lithium Ion Battery)に対して熱処理(熱処理工程)を行い、LIB熱処理物を得る。これにより、例えば、LIBにおける正極活物質中のLi(Ni/Co/Mn)O2や電解質中のLiPF6におけるリチウムを、フッ化リチウム(LiF)、炭酸リチウム(Li2CO3)、酸化リチウム(Li2O)などのリチウムが水溶液に可溶な形態の物質にすることができ、ニッケル、コバルト、マンガン等を分離可能とすることができると共に、LIBにおけるアルミニウム(Al)を熔融し分離することができる。
次に、第一の実施形態においては、LIB熱処理物に対して、破砕および分級(破砕工程および分級工程)を行い、粗粒産物と細粒産物とを得る。ここで、粗粒産物として、銅(Cu)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)などの不純物を分離して除去することができる。
続いて、第一の実施形態では、細粒産物から水にリチウムを浸出させる。このとき、不純物であるニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)を含む残渣が、リチウムが浸出した液中に形成される。
そして、リチウムが浸出した液中から、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)を含む残渣を固液分離により除去して、リチウム浸出液を作製する。
得られたリチウム浸出液に対してナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜に通過させる膜分離を行うことで第一のリチウムの濃縮液が得られる。
そして、リチウムが浸出した液中から、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)を含む残渣を固液分離により除去して、リチウム浸出液を作製する。
得られたリチウム浸出液に対してナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜に通過させる膜分離を行うことで第一のリチウムの濃縮液が得られる。
次に、第一のリチウム濃縮液に含まれるフッ素を固化させる水酸化カルシウムを、リチウム溶液に添加して固化したフッ素を除去し、フッ素除去后液を得る(フッ素除去工程)。固化したフッ素を除去したフッ素除去后液を、陽イオン交換樹脂に通水してカルシウムイオンを10mg/L以下となるように吸着除去する(カルシウム除去工程)。得られたカルシウム除去后液に対し電気透析を行い(電気透析工程)、リチウム濃度を4,000mg/L以上に高めた第二のリチウム濃縮液を得る。得られた第二のリチウム濃縮液を60℃以上に加熱した状態で二酸化炭素(ガス)を添加して、炭酸リチウムを晶析させ回収する(炭酸リチウム回収工程)。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<リチウム溶液の作製>
正極活物質にコバルト、ニッケル、およびマンガンが含まれたリチウムイオン二次電池(約10kg)を、熱処理装置としてマッフル炉(KBF66812-S、光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、熱処理温度が800℃(1時間かけて昇温した後、2時間保持)、空気(Air)送気量が5L/minの条件で、熱処理を行った。
次いで、破砕装置としてハンマークラッシャー(マキノ式スイングハンマークラッシャーHC-20-3.7、槇野産業株式会社製)を用い、50Hz(ハンマー周速38m/s)、出口部分のパンチングメタルの穴径10mmの条件で、加熱処理を行ったリチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池の熱処理物)を破砕し、リチウムイオン二次電池の破砕物を得た。
<リチウム溶液の作製>
正極活物質にコバルト、ニッケル、およびマンガンが含まれたリチウムイオン二次電池(約10kg)を、熱処理装置としてマッフル炉(KBF66812-S、光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、熱処理温度が800℃(1時間かけて昇温した後、2時間保持)、空気(Air)送気量が5L/minの条件で、熱処理を行った。
次いで、破砕装置としてハンマークラッシャー(マキノ式スイングハンマークラッシャーHC-20-3.7、槇野産業株式会社製)を用い、50Hz(ハンマー周速38m/s)、出口部分のパンチングメタルの穴径10mmの条件で、加熱処理を行ったリチウムイオン二次電池(リチウムイオン二次電池の熱処理物)を破砕し、リチウムイオン二次電池の破砕物を得た。
続いて、篩目の目開きが1.2mmの篩(直径200mm、東京スクリーン株式会社製)を用いて、リチウムイオン二次電池の破砕物を篩分けした。篩分け後の1.2mmの篩上(粗粒産物)と篩下(細粒産物)をそれぞれ採取した。
得られた細粒産物(フッ素品位5.5%)については、浸出液量100L、固液比10%、撹拌速度200rpm、浸出時間1時間の条件で、水にリチウムを浸出させた。そして、リチウムを浸出させた水(スラリー)を、5種Cの濾紙(東洋濾紙株式会社製)を用いて固液分離し、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびマンガン(Mn)を含む残渣を除去して、リチウム浸出液を作製した。残渣のフッ素品位は2.0%であり、残渣中の有価物からフッ素をリチウム浸出液側に除去できた。
得られた細粒産物(フッ素品位5.5%)については、浸出液量100L、固液比10%、撹拌速度200rpm、浸出時間1時間の条件で、水にリチウムを浸出させた。そして、リチウムを浸出させた水(スラリー)を、5種Cの濾紙(東洋濾紙株式会社製)を用いて固液分離し、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびマンガン(Mn)を含む残渣を除去して、リチウム浸出液を作製した。残渣のフッ素品位は2.0%であり、残渣中の有価物からフッ素をリチウム浸出液側に除去できた。
作製したリチウム浸出液について、ICAP 6300DuO(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用い、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES分析)を行うことにより、リチウムの濃度を測定したところ、リチウムの濃度は772mg/Lであった。
IM-32Pガラス電極式水素イオン濃度指示計(東亜ディーケーケー株式会社製)にF-2021フッ素イオン電極(東亜ディーケーケー株式会社製)を接続した装置を用いてフッ素イオン濃度を測定したところ、フッ素の濃度は372mg/Lであった。
また、作製したリチウム浸出液について、pHメーター(HM-25R、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、pHを測定したところ、11.1であった。
IM-32Pガラス電極式水素イオン濃度指示計(東亜ディーケーケー株式会社製)にF-2021フッ素イオン電極(東亜ディーケーケー株式会社製)を接続した装置を用いてフッ素イオン濃度を測定したところ、フッ素の濃度は372mg/Lであった。
また、作製したリチウム浸出液について、pHメーター(HM-25R、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、pHを測定したところ、11.1であった。
次に、逆浸透(RO)膜(製品名:ESPA2-LD、日東電工株式会社製)を用い、リチウム浸出液(液温20℃)13,290mLに対して操作圧力1.5MPaで平膜試験装置を用いて逆浸透膜分離試験を行い、第一のリチウム濃縮液4,500mLおよび透過液8,790mLを得た(膜分離工程)。
次に、第一のリチウム濃縮液4,500mLを10Lのガラスビーカーに加え、回転翼直径150mmの撹拌機を用い150rpmで撹拌した。このビーカー上部から消石灰粉末を21g/L添加し、1時間撹拌を継続後に撹拌を終了し、5C濾紙で吸引濾過してろ液(フッ素除去后液)と残渣(CaF2など)に固液分離し、フッ素除去工程を行った。
フッ素除去后液4,380mLを陽イオン交換樹脂塔(品名:デュオライトC20SC、住化ケムテックス株式会社製)にSV(空間速度)=1の速度で通水してカルシウム除去工程を行い、カルシウム吸着除去後液(4,370mL)を得た。これを全量用いて、電気透析装置(アシライザーEX-3B、株式会社アストム製)で電気透析を行い(電気透析工程)、4倍濃縮して第二のリチウム濃縮液1,100mLを得た。
得られた第二のリチウム濃縮液1,000mLをホットマグネチックスタラーで液温90℃に加熱および撹拌しながら、CO2ガスを液のpHが11.0に低下するまで散気した。散気後、炭酸リチウムが晶析したスラリーを5C濾紙で吸引濾過し、炭酸リチウムを回収した(炭酸リチウム回収工程)。
次に、第一のリチウム濃縮液4,500mLを10Lのガラスビーカーに加え、回転翼直径150mmの撹拌機を用い150rpmで撹拌した。このビーカー上部から消石灰粉末を21g/L添加し、1時間撹拌を継続後に撹拌を終了し、5C濾紙で吸引濾過してろ液(フッ素除去后液)と残渣(CaF2など)に固液分離し、フッ素除去工程を行った。
フッ素除去后液4,380mLを陽イオン交換樹脂塔(品名:デュオライトC20SC、住化ケムテックス株式会社製)にSV(空間速度)=1の速度で通水してカルシウム除去工程を行い、カルシウム吸着除去後液(4,370mL)を得た。これを全量用いて、電気透析装置(アシライザーEX-3B、株式会社アストム製)で電気透析を行い(電気透析工程)、4倍濃縮して第二のリチウム濃縮液1,100mLを得た。
得られた第二のリチウム濃縮液1,000mLをホットマグネチックスタラーで液温90℃に加熱および撹拌しながら、CO2ガスを液のpHが11.0に低下するまで散気した。散気後、炭酸リチウムが晶析したスラリーを5C濾紙で吸引濾過し、炭酸リチウムを回収した(炭酸リチウム回収工程)。
<品位、回収率、および熱灼減量の評価>
炭酸リチウムの質量は、乾燥機(品名:DRM620DD、アドバンテック東洋株式会社製)を用いて100℃で1時間乾燥後に、電磁式はかり(品名:GX-8K、エー・アンド・デイ株式会社製)を用いて測定した。
炭酸リチウムの不純物品位の分析は、回収した炭酸リチウムを王水(富士フイルム和光純薬株式会社製)に加熱溶解させ、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(iCaP6300、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)により分析を行い、フッ素、熱灼減量以外の各種不純物の含有割合(品位)を求めた。
フッ素品位および塩素品位に関しては、自動試料燃焼装置(品名:AQF-100・ICS-1500、株式会社ダイアインスツルメンツ製)を用い1,000℃で炭酸リチウムを燃焼しフッ素および塩素を揮発させ、吸収液にこれらを吸収させ、この吸収液をイオンクロマトグラフ法で分析した。
硫酸根に関しては、重量法(塩酸で炭酸リチウムを溶解したあと濾過し、濾液に水酸化バリウムを添加して硫酸バリウムとし、これをマッフル炉では灰化し硫酸バリウム重量として測定し、この重量から硫酸分を計算した)で分析した。
熱灼減量に関しては、前記乾燥後の炭酸リチウムを550℃で3時間乾燥後の減量を測定した。
炭酸リチウムの質量は、乾燥機(品名:DRM620DD、アドバンテック東洋株式会社製)を用いて100℃で1時間乾燥後に、電磁式はかり(品名:GX-8K、エー・アンド・デイ株式会社製)を用いて測定した。
炭酸リチウムの不純物品位の分析は、回収した炭酸リチウムを王水(富士フイルム和光純薬株式会社製)に加熱溶解させ、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装置(iCaP6300、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)により分析を行い、フッ素、熱灼減量以外の各種不純物の含有割合(品位)を求めた。
フッ素品位および塩素品位に関しては、自動試料燃焼装置(品名:AQF-100・ICS-1500、株式会社ダイアインスツルメンツ製)を用い1,000℃で炭酸リチウムを燃焼しフッ素および塩素を揮発させ、吸収液にこれらを吸収させ、この吸収液をイオンクロマトグラフ法で分析した。
硫酸根に関しては、重量法(塩酸で炭酸リチウムを溶解したあと濾過し、濾液に水酸化バリウムを添加して硫酸バリウムとし、これをマッフル炉では灰化し硫酸バリウム重量として測定し、この重量から硫酸分を計算した)で分析した。
熱灼減量に関しては、前記乾燥後の炭酸リチウムを550℃で3時間乾燥後の減量を測定した。
次に、逆浸透膜試験の結果を表1に、各工程後のリチウム溶液の組成およびリチウム浸出液中のリチウム量を100%としたときの各液中のリチウム量(%)を表2に、回収した炭酸リチウムの品位を表3に示した。
(実施例2)
実施例1において、RO膜に代えてNF膜(製品名:NANO-SW、日東電工株式会社製)を用い、リチウム浸出液(液温20℃)14,500mLに対して操作圧力1.0MPaで平膜試験装置を用いて逆浸透膜分離を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、第一のリチウム濃縮液4,500mLおよび透過液10,000mLを得た。逆浸透膜試験の結果を表1に、回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
実施例1において、RO膜に代えてNF膜(製品名:NANO-SW、日東電工株式会社製)を用い、リチウム浸出液(液温20℃)14,500mLに対して操作圧力1.0MPaで平膜試験装置を用いて逆浸透膜分離を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、第一のリチウム濃縮液4,500mLおよび透過液10,000mLを得た。逆浸透膜試験の結果を表1に、回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
(実施例3)
実施例1において、フッ素除去工程を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
実施例1において、フッ素除去工程を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
(実施例4)
実施例1において、カルシウム除去工程を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
実施例1において、カルシウム除去工程を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
(実施例5)
実施例1において、電気透析工程を行わず、炭酸リチウム回収(1回目)後の晶析後液全量(4,000mL)を新たなリチウム浸出液(9,290mL)と混合し、再度RO膜濃縮でリチウム濃度が2,255mg/Lとなるまで濃縮し、この濃縮液を再度電気透析工程を除いたフッ素除去工程以降の工程を行い、炭酸リチウムを回収(2回目)した(つまり、晶析後液を膜濃縮工程に繰り返し、2段処理を行った)以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
実施例1において、電気透析工程を行わず、炭酸リチウム回収(1回目)後の晶析後液全量(4,000mL)を新たなリチウム浸出液(9,290mL)と混合し、再度RO膜濃縮でリチウム濃度が2,255mg/Lとなるまで濃縮し、この濃縮液を再度電気透析工程を除いたフッ素除去工程以降の工程を行い、炭酸リチウムを回収(2回目)した(つまり、晶析後液を膜濃縮工程に繰り返し、2段処理を行った)以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収された炭酸リチウムの品位を表3に示した。
(比較例1)
実施例1において、リチウムを水に浸出させる際の固液比を40%として得られたリチウム浸出液(リチウム濃度2,559mg/L)に対しRO膜による逆浸透膜試験を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。
比較例1では、第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度は7,000mg/L以上であったが、RO膜表面に炭酸リチウムが析出し操作圧力が上昇したため試験を中断した。また、比較例1では、試験中断時の第一のリチウム濃縮液中のリチウムの回収率は33%であった。
実施例1において、リチウムを水に浸出させる際の固液比を40%として得られたリチウム浸出液(リチウム濃度2,559mg/L)に対しRO膜による逆浸透膜試験を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。
比較例1では、第一のリチウム濃縮液のリチウム濃度は7,000mg/L以上であったが、RO膜表面に炭酸リチウムが析出し操作圧力が上昇したため試験を中断した。また、比較例1では、試験中断時の第一のリチウム濃縮液中のリチウムの回収率は33%であった。
(比較例2)
実施例3で得られたリチウムイオン二次電池の水浸出液について特許文献1(特許第5872788号公報)の実施例1に記載の方法により、炭酸リチウムの回収を行った。
比較例2では、電気泳動後のリチウム溶液からのリチウムの回収率は50%程度であり、残りの50%はフッ素を高濃度で含む不純物濃縮液側に分配されたが、この液から再度電気泳動でリチウムを回収にはさらにコストがかかるためリチウムの回収が困難であり、比較例2ではリチウムの回収率を50%以上に向上させることが困難であった。
実施例3で得られたリチウムイオン二次電池の水浸出液について特許文献1(特許第5872788号公報)の実施例1に記載の方法により、炭酸リチウムの回収を行った。
比較例2では、電気泳動後のリチウム溶液からのリチウムの回収率は50%程度であり、残りの50%はフッ素を高濃度で含む不純物濃縮液側に分配されたが、この液から再度電気泳動でリチウムを回収にはさらにコストがかかるためリチウムの回収が困難であり、比較例2ではリチウムの回収率を50%以上に向上させることが困難であった。
(比較例3)
実施例1において、膜分離工程(膜濃縮)を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収した炭酸リチウム中のフッ素品位は600ppmであった(膜分離で濃縮せずに浄液したためフッ素品位が高くなった)。
比較例3では、電気透析のみの濃縮では濃縮が不十分であり、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中へのリチウムの回収率は45%にとどまった。
実施例1において、膜分離工程(膜濃縮)を行わない以外は、実施例1と同様の操作を行い炭酸リチウムの回収を行った。回収した炭酸リチウム中のフッ素品位は600ppmであった(膜分離で濃縮せずに浄液したためフッ素品位が高くなった)。
比較例3では、電気透析のみの濃縮では濃縮が不十分であり、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中へのリチウムの回収率は45%にとどまった。
表1~表3の結果から、実施例1では、第一のリチウム濃縮液中にリチウムを99%回収できた。リチウム濃度を2,255mg/Lまで濃縮することができた。なお、実施例1ではリチウムの晶析物は生じなかった。
また、実施例1では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に70%のリチウムを回収できた。
また、実施例1では、カルシウム品位が51ppm、フッ素品位が200ppmの高純度な炭酸リチウムを精製できた。
また、実施例1では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に70%のリチウムを回収できた。
また、実施例1では、カルシウム品位が51ppm、フッ素品位が200ppmの高純度な炭酸リチウムを精製できた。
実施例2では、第一のリチウム濃縮液中にリチウムを88%回収でき、リチウム濃度を2,208mg/Lまで濃縮することができた。なお、実施例2ではリチウムの晶析物は生じなかった。また、実施例2ではフッ素の29%を透過液側に除去することができた。
また、実施例2では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に60%のリチウムを回収できた。
また、実施例2では、カルシウム品位が61ppm、フッ素品位が100ppmの高純度な炭酸リチウムが精製できた。
また、実施例2では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に60%のリチウムを回収できた。
また、実施例2では、カルシウム品位が61ppm、フッ素品位が100ppmの高純度な炭酸リチウムが精製できた。
実施例3では、フッ素品位が113,300ppmで炭酸リチウム品位が88.2%の炭酸リチウムが得られた。また、実施例3では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に70%のリチウムを回収できた。
実施例4では、カルシウム品位が24,460ppmで炭酸リチウム品位が95%以上の炭酸リチウムが得られた。また、実施例4では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に70%のリチウムを回収できた。
実施例5では、カルシウム品位が64ppm、フッ素品位が100ppmの高純度な炭酸リチウムを精製することができた。また、実施例5では、リチウム浸出液中のリチウムを100%としたとき、回収した炭酸リチウム中に51%のリチウムを回収できた。また、実施例5では、晶析後液に再度膜濃縮工程を繰り返し行うことにより、リチウム回収率のさらなる向上が可能であった。
Claims (8)
- コバルト、ニッケル、およびマンガンの少なくともいずれかを含むリチウムイオン二次電池を700℃以上で加熱する熱処理工程と、
前記熱処理工程で得たリチウムイオン二次電池の熱処理物を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程で得た破砕物を0.6mm以上2.4mm以下の分級点で分級して粗粒産物と細粒産物を得る分級工程と、
前記分級工程で回収した細粒産物に含まれるリチウムを水に浸出させて、リチウム濃度が1,500mg/L未満であるリチウム浸出液を得るリチウム浸出工程と、
前記リチウム浸出液をナノ濾過(NF)膜又は逆浸透(RO)膜を用いて第一のリチウム濃縮液とする膜分離工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。 - 前記リチウム浸出液は、フッ素濃度が20mg/L以上であり、pHが10.5以上である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記第一のリチウム濃縮液は、リチウム濃度が1,500mg/L以上4,000mg/L未満であり、液温が50℃以下である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記第一のリチウム濃縮液に水酸化カルシウムを添加し、固化したフッ素を固液分離により除去しフッ素除去后液を得るフッ素除去工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記第一のリチウム濃縮液中のカルシウムイオンを陽イオン交換樹脂により除去し、カルシウム濃度が10mg/L以下であるカルシウム除去后液を得るカルシウム除去工程を含む、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記カルシウム除去工程の前後のいずれか/又は双方で電気透析を行い、リチウム濃度が4,000mg/L以上である第二のリチウム濃縮液を得る電気透析工程を含む、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記カルシウム除去后液又は第二のリチウム濃縮液を加熱し、60℃以上で二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを回収する炭酸リチウム回収工程を含む、請求項5又は6に記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
- 前記リチウム浸出工程後の浸出残渣におけるフッ素品位が3%以下である、請求項1から7のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池からのリチウムの回収方法。
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