JP2022162475A - 虚像表示装置 - Google Patents

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智史 小堀
Satoshi Kobori
雄一郎 早川
Yuichiro Hayakawa
孝啓 南原
Takahiro Nambara
誠 坂井
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Abstract

Figure 2022162475000001
【課題】虚像の見やすさを高めることができる虚像表示装置を提供する。
【解決手段】HUD10は、ロアケース11、表示パネル30及びパネルホルダ50を有している。表示パネル30はパネルホルダ50を介してロアケース11に固定されている。パネルホルダ50にはホルダ凹部59が設けられており、表示パネル30はホルダ凹部59に収容された状態でパネルホルダ50に着脱可能に固定されている。表示パネル30は、パネルホルダ50に対して相対的に周方向γに位置変更可能になっている。表示パネル30は、複数の画素が並んだ画素列を有している。表示パネル30は、画素列がパネル横線Lxに平行に延びた向きになるように、周方向γに位置変更される。
【選択図】図6

Description

この明細書における開示は、虚像表示装置に関する。
特許文献1には、虚像を表示する虚像表示装置としてヘッドアップディスプレイについて開示されている。このヘッドアップディスプレイにおいては、液晶ディスプレイ等の投影装置が画像を投影することで虚像が表示される。投影装置においては、虚像に生じる歪みを補正するために、画像を回転させるように画像補正が行われる。
特許第6725967号
しかしながら、例えば投影装置が複数の画素を有している構成では、画像を回転させるように画像補正が行われた場合、画像にジャギーが生じるなどして虚像の見やすさが低下することが懸念される。また、画像補正が行われない場合でも、虚像が傾いたり歪んだりするなどして虚像の見やすさが低下することが懸念される。
本開示の目的の1つは、虚像の見やすさを高めることができる虚像表示装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するため、開示された1つの態様は、
投影部(103a)に画像を投影して虚像(Vi)を表示する虚像表示装置(10)であって、
画像を投影するための画像光を出射する表示面(31)、及び表示面に沿って複数の画素(33)が並べられた画素列(34)を有している画像表示部(30)と、
画像表示部を支持しており、画素列が傾斜するように画像光の周方向(γ)に画像表示部の位置を変更可能な表示支持部(11,41,50)と、
を備えている虚像表示装置である。
上記態様によれば、表示支持部は、画素列が傾斜するように画像光の周方向に画像表示部の位置を変更することが可能である。この構成では、画素列の延びる方向が原因で虚像の見やすさが低下しているという状態にならないように、画素列の延びる方向を調整することができる。したがって、虚像の表示態様に合わせて画像表示部の位置を調整することにより、虚像の見やすさを高めることができる。
第1実施形態におけるHUDが車両に搭載された搭載状態を示す図。 HUDにおける表示器周辺の構成を示す縦断面図。 表示器を表示面側から見た図。 表示パネルの基準位置及び傾斜位置を示す図。 表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 基準位置にある表示パネルの正面図。 図7の矢印VIII部分の拡大図。 調整位置にある表示パネルの正面図。 図9の矢印X部分の拡大図。 比較例における表示パネルの正面図。 比較例における図11の矢印XII部分の拡大図。 変形例1における表示器を表示面側から見た図。 第2実施形態における表示器の基準位置及び傾斜位置を示す図。 HUDにおける表示器周辺の構成を示す縦断面図。 表示器を表示面側から見た図。 表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第3実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例2における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第4実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例3における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例4における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第5実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例5における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例6における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第6実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例7における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 変形例8における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第7実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第8実施形態における表示器を表示面側から見た図。 表示パネルが傾斜位置にある場合に表示器を表示面側から見た図。 第9実施形態のHUDにおける表示器周辺の構成を示す縦断面図。 変形例9のHUDにおける表示器周辺の構成を示す縦断面図。
以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
<第1実施形態>
図1に示すHUD10は、ヘッドアップディスプレイであり、車両100に搭載されている。HUD10は、虚像Viを表示する虚像表示装置である。HUD10は、車両100のインストルメントパネル102に対して設けられている。インストルメントパネル102は、運転席などの座席の前方に設けられている。インストルメントパネル102は、車室の内装を形成する内装パネルである。HUD10は、インストルメントパネル102の内側に設けられており、インストルメントパネル102により車室側から覆われた状態になっている。
HUD10は、フロントウインドシールド103に画像V(図7参照)を投影して虚像Viを表示する。HUD10は、画像Vを投影するための画像光をフロントウインドシールド103に照射する。画像光は、フロントウインドシールド103にて反射され、車室に設定された視認領域に到達する。乗員のアイポイントが視認領域に位置する場合、その乗員は、フロントウインドシールド103よりも車両前方において画像光を虚像Viとして視認する。乗員は、フロントウインドシールド103を通して視認する車両前方の景色と重畳して虚像Viを視認することが可能である。なお、アイポイントは目の位置である。
フロントウインドシールド103は、ガラス材料や樹脂材料により形成されており、透明性を有している。フロントウインドシールド103は、車両外部に向けて膨らむように湾曲している。フロントウインドシールド103には投影部103aが含まれている。投影部103aは、フロントウインドシールド103のうち画像Vが投影される部位である。投影部103aは、フロントウインドシールド103において車室側の面に含まれており、投影面と称されることがある。フロントウインドシールド103は、画像光を投影部103aにて表面反射する。
画像Vには各種情報が含まれている。各種情報には、例えば車両情報及び走行情報が含まれている。車両情報は車載バッテリの蓄電量などを示す情報であり、走行情報は車両100の走行速度や走行モード、走行距離などを示す情報である。また、各種情報には、ナビゲーション情報やエンタメ情報、空調情報、カメラ情報などが含まれている。例えば、ナビゲーション情報は、車両100の現在値を示す情報や現在地から目的地までの経路を案内する情報などである。カメラ情報は、カメラ等の撮像装置により撮像された情報である。カメラ情報には、車両100の後方など車両周辺を撮像した情報が含まれている。
HUD10は、ロアケース11、表示器20、導光部21を有している。表示器20は、画像光を出射することで画像Vを表示する。ロアケース11は、金属材料や樹脂材料により形成されており、遮光性を有している。ロアケース11は、箱状に形成されており、表示器20及び導光部21を収容している。ロアケース11はハウジングと称されることもある。ロアケース11には窓部12が設けられている。窓部12は、ロアケース11に設けられた開口部であり、ロアケース11を光学的に開口している。窓部12は、投影部103aに対向する位置に設けられており、画像Vを投影部103aに投影するための投影窓である。
窓部12には防塵シート13が設けられている。防塵シート13は、窓部12を覆った状態でロアケース11に取り付けられている。防塵シート13は、樹脂材料などにより形成されており、透光性を有している。表示器20から出射された画像光は、防塵シート13を透過して投影部103aに照射される。インストルメントパネル102には、画像光が通る開口部が窓部12に合わせた位置に設けられている。
導光部21は、表示器20からの画像光を窓部12から投影部103aに導光する光学系である。導光部21は、平面鏡22及び凹面鏡24を有している。平面鏡22は、表示器20からの画像光を凹面鏡24に導光する。平面鏡22は反射面23を有している。反射面23は、画像光を反射する鏡面であり、滑らかな平面状に形成されている。反射面23は、例えば、樹脂材料等により形成された基材の表面にアルミニウム等の金属膜を蒸着形成することにより形成されている。反射面23は、表示器20からの画像光を凹面鏡24に向けて反射する。
凹面鏡24は、平面鏡22からの画像光を投影部103aに導光する。凹面鏡24は反射面25を有している。反射面25は、画像光を反射する鏡面であり、滑らかな凹面状に形成されている。反射面25は、例えば、樹脂材料等により形成さえた基材の表面にアルミニウム等の金属膜を蒸着形成することにより形成されている。反射面25は、平面鏡22からの画像光を投影部103aに向けて反射する。凹面鏡24は、正の光学パワーを有している。これにより、虚像Viのサイズは、表示器20が表示する画像Vのサイズに対して拡大される。
図1、図2において、画像光の光路OPは、表示器20から導光部21を介して投影部103aに向けて延びている。表示器20と導光部21との間においては、光路OPが表示器20の光軸に沿って延びている。この光軸が延びる向きは、例えばHUD10と投影部103aとの位置関係や、表示器20と導光部21との位置関係などによって決まる。なお、図1での上下方向が図2では左右方向になっている。
図2、図3に示すように、表示器20は、表示パネル30、バックライトユニット40、パネルホルダ50、ホルダカバー60を有している。表示器20は、ロアケース11に対して固定されている。
表示パネル30は、画像Vを表示することが可能である。表示パネル30は、表示面31及び受光面32を有している。表示パネル30は、板状に形成されており、一対の板面を有している。表示パネル30においては、一方の板面により表示面31が形成され、他方の板面により受光面32が形成されている。表示パネル30は、表示面31から画像光を出力することが可能である。表示面31は、画像光の出射により画像Vを表示する。表示パネル30は、ディスプレイや画像素子と称されることがある。
表示パネル30は、光を透過可能に形成されて光学的に開口する光学的開口部を形成している。この光学的開口部により表示面31及び受光面32が形成されている。光学的開口部において導光部21側を向いた面は、画像Vを表示するための表示面31となっている。一方、光学的開口部において導光部21とは反対側を向板面は、バックライトユニット40からの光を受光する受光面32となっている。
HUD10については、互いに直交した方向をX方向、Y方向、Z方向と称し、表示面31に直交する方向がZ方向であるとする。表示面31から延びる光路OP、及び表示器20の光軸はいずれも表示面31に直交している。表示器20の光軸に一致する仮想線を光軸線Lzと称すると、光軸線Lzは、表示面31の中心を通ってZ方向に延びている。光軸線Lzが延びる方向を軸方向αと称すると、この軸方向αと、光軸線Lzに対する径方向βと、光軸線Lzの周方向γとは互いに直交している。周方向γは、表示面31から出射された画像光の周方向である。バックライト式の表示器20においては、バックライトユニット40の光軸が表示器20にとっての光軸である。バックライトユニット40の光軸はレンズ43や光源42によって定められる。
本実施形態では、表示面31に沿ってX方向に延びる仮想線をパネル横線Lxと称する。パネル横線Lxは、表示パネル30が周方向γに傾斜したことを示すための基準になる基準線である。パネル横線Lxは、HUD10での基準線であり、例えばロアケース11を基準として設定されている。例えば後述するロア開口部16の長辺が延びる向きをパネル横線Lxが延びる向きとする。図3では、パネル横線Lxを光軸線Lzに交差する位置に図示している。
図8に示すように、表示パネル30は画素33を複数有している。複数の画素33は、表示面31に沿って並べられており、表示面31を形成する板材などにより保護されている。複数の画素33は、表示面31に沿って2次元配置されている。例えば、第1方向に延びる画素列34が第2方向に複数並べられていることで、表示面31に沿った2次元配置が実現されている。画素列34は、一方向に並べられたいくつかの画素33により形成された列である。第1方向と第2方向とは互いに交差する方向に延びており、例えば直交している。
図8には、第1方向がX方向に一致し、第2方向がY方向に一致した状態を図示している。この状態では、複数の画素列34が、いずれもパネル横線Lxに平行にX方向に延びており、パネル横線Lxに直交するようにY方向に並べられている。パネル横線Lxに対する画素列34の角度を単に「画素列34の角度」と称すると、画素列34とパネル横線Lxとが平行に延びた状態では画素列34の角度がゼロである。
図2、図3において、表示パネル30としては、TFT液晶パネル等の液晶パネルが用いられている。TFT液晶パネルは、TFTを用いた透過型の液晶パネルである。TFTは薄膜トランジスタと称されることがあり、TFTはThin Film Transistorの略称である。液晶パネルとしては、例えば、複数の画素33として複数の液晶画素が2次元配列されたアクティブマトリクス型の液晶パネルがある。
液晶パネルにおいては、一対の偏光板及び一対の偏光板に挟まれた液晶層等が積層されることで、光学的開口部の全面が塞がれている。各偏光板は、互いに直交する透過軸及び吸収軸を有する。各偏光板は、透過軸方向に偏光した光を透過させ、吸収軸方向に偏光した光を吸収する性質を有する。一対の偏光板は、透過軸を互いに直行させて配置されている。液晶層は、液晶画素毎の電圧の印加により、印加電圧に応じて液晶層に入射する光の偏光方向を回転させることが可能となっている。こうして液晶パネルでは、偏光方向の回転により導光部21側の偏光板を透過する光の割合、すなわち透過率を、液晶画素毎に変えることができる。
液晶タイプの表示パネル30においては、受光面32が受光した照明光の少なくとも一部を遮光することによって、表示面31上に画像Vを形成可能である。隣り合う液晶画素には、互いに異なる色のカラーフィルタが設けられており、これらの組み合わせにより、様々な色が再現されるようになっている。カラーフィルタの色としては、例えば赤、緑及び青がある。
図2、図3に示すように、バックライトユニット40は、ユニットケース41、光源42、レンズ43を有している。光源42及びレンズ43は、表示パネル30に対するバックライトを構成しており、ユニットケース41に収容されている。
光源42は、受光面32に沿って複数並べられている。複数の光源42は、例えば光軸線Lzに直交する方向に並べられている。光源42は、光源42と共にユニットケース41に収容された基板に実装されている。光源42は、例えば点状光源としてのLED光源である。LED光源は、LEDにより形成されている。LEDは、Light Emitting Diodeの略称である。バックライトユニット40においては、光源42及び基板により光源部が形成されている。
レンズ43は、光源42と表示パネル30との間において、光源42から出射されて受光面32に入射される光が通る位置に設けられている。レンズ43は、光源42が出射する光の光路に沿って複数並べられている。複数のレンズ43は、例えば光軸線Lzに沿って複数並べられている。レンズ43は、ガラス材料や樹脂材料によりレンズ状に形成されており、透光性を有している。レンズ43としては、凸レンズやフレネルレンズなどが用いられている。
表示器20には、図示しない拡散板が含まれている。拡散板は、光源42及びレンズ43と共にバックライトを構成している。拡散板は、光源42とレンズ43との間において、レンズ43を透過して受光面32に入射される光が通る位置に設けられている。拡散板は、受光面32に沿って延びており、例えばレンズ43により局所的な集光作用をうけた光を、表示パネル30の直前で適度に拡散する。
ユニットケース41は、金属材料などにより形成されており、遮光性を有している。ユニットケース41は、箱状又は筒状に形成されている。ユニットケース41は、光源42及びレンズ43を収容しており、光源ケースに相当する。ユニットケース41は、ユニット枠部45及びユニット開口部46を有している。ユニット開口部46は、光学的開口であり、光源42から出射されて表示パネル30に入射される光が通る位置に設けられている。ユニット枠部45は、ユニットケース41においてユニット開口部46を形成している枠状の部位であり、ユニット開口部46に沿って延びている。
パネルホルダ50は、表示パネル30を保持している。パネルホルダ50は、表示パネル30及びユニットケース41の両方に固定されており、バックライトユニット40に対して表示パネル30を固定している。パネルホルダ50は、金属材料や樹脂材料により形成されており、遮光性を有している。パネルホルダ50は、ホルダ開口部56を有しており、全体として枠状に形成されている。ホルダ開口部56は、ユニット開口部46に対向する位置に設けられている。ホルダ開口部56は、光学的開口であり、バックライトユニット40から出射されて表示パネル30に入射される光が通る位置に設けられている。
パネルホルダ50は、ホルダ前面51及びホルダ背面52を有している。パネルホルダ50は、ホルダ背面52がユニット枠部45に重ねられた状態で、ユニットケース41に接着剤やネジ等により固定されている。ホルダ前面51は、Z方向においてホルダ背面52とは反対側を向いている。
ホルダカバー60は、ガラス材料や樹脂材料により板状に形成されており、透光性を有している。ホルダカバー60は、パネルホルダ50を介してバックライトユニット40とは反対側に設けられている。ホルダカバー60は、ホルダ前面51に重ねられており、固定具や固定構造によりパネルホルダ50に着脱可能に固定されている。固定具としてはボルトやネジなどがある。固定構造としてはスナップフィットなどがある。
表示パネル30は、パネルホルダ50とホルダカバー60との間に挟み込まれた状態で、これらパネルホルダ50及びホルダカバー60に固定されている。パネルホルダ50はホルダ本体53及び内周受部55を有している。ホルダ本体53は、枠状に形成されており、ホルダ前面51及びホルダ背面52を形成している。内周受部55は、ホルダ本体53の内周端から内周側に向けて突出している。内周受部55は、Z方向においてホルダ前面51からホルダ背面52側に向けて離間した位置にある。表示パネル30は、内周受部55に引っ掛かった状態で、内周受部55とホルダカバー60との間に挟み込まれた状態になっている。内周受部55は、Z方向においてユニットケース41と表示パネル30との間に入り込んだ状態になっている。
ホルダカバー60は、表示面31を覆った状態になっている。表示面31から出射された画像光は、ホルダカバー60を透過して投影部103aに到達する。なお、ホルダカバー60とパネルホルダ50との間に表示パネル30が挟み込まれた状態になるのであれば、ホルダカバー60は枠状に形成されていてもよい。この構成では、ホルダカバー60が光学的開口を有していることになり、表示面31から出射された画像光はホルダカバー60の光学的開口を通ることになる。図3においては、表示パネル30はホルダカバー60の背面側にあるが、説明の便宜上、表示パネル30を実線で図示している。
表示パネル30は、ロアケース11に対して固定されている。本実施形態では、パネルホルダ50がロアケース11に固定されている。表示パネル30及びユニットケース41は、パネルホルダ50を介してロアケース11に固定されている。
ロアケース11は、ロア枠部15及びロア開口部16を有している。ロア開口部16は、ロアケース11において窓部12から離間した位置に設けられた開口部である。ロア枠部15は、ロアケース11においてロア開口部16を形成している枠状の部位であり、ロア開口部16に沿って延びている。パネルホルダ50は、ロア開口部16に入り込んだ状態でロアケース11に接着剤やネジ等により固定されている。パネルホルダ50は外周受部54を有している。外周受部54は、ホルダ本体53の外周端から外周側に向けて突出している。外周受部54は、Z方向においてホルダ背面52からホルダ前面51側に向けて離間した位置にある。パネルホルダ50は、外周受部54がロアケース11の内側からロア枠部15に引っ掛かった状態で、ロアケース11に固定されている。
図4に示すように、パネルホルダ50に対する表示パネル30の固定が解除された状態では、表示パネル30がパネルホルダ50に対して周方向γに傾斜可能になっている。表示パネル30は、光軸線Lzを軸として周方向γに回転するように傾斜することで基準位置PRと傾斜位置PTとに移行可能になっている。表示パネル30は、基準位置PRにある場合にパネル横線Lxに沿って延びている。表示パネル30が基準位置PRにある場合、例えば表示面31が有する一対の長辺がいずれもパネル横線Lxに平行に延びている。
表示パネル30は、傾斜位置PTにある場合にパネル横線Lxに対して傾斜している。表示パネル30が傾斜位置PTにある場合、例えば表示面31の長辺がパネル横線Lxに対して傾斜した状態になっている。例えば、傾斜位置PTには、第1傾斜位置PT1及び第2傾斜位置PT2が含まれている。第1傾斜位置PT1は、表示パネル30が基準位置PRに対して周方向γのうち一方に向けて傾斜した位置である。一方、第2傾斜位置PT2は、表示パネル30が基準位置PRに対して第1傾斜位置PT1とは反対側に向けて傾斜した位置である。周方向γにおいては、第1傾斜位置PT1と第2傾斜位置PT2との間に基準位置PRがある。
HUD10においては、表示パネル30が画像表示部に相当し、パネルホルダ50が表示ホルダに相当する。表示パネル30は、バックライト式の画像表示部である。ロアケース11及びユニットケース41がパネルホルダ50を支持しており、ホルダ支持部を構成している。ロアケース11、ユニットケース41及びパネルホルダ50が表示パネル30を支持しており、表示支持部を構成している。
パネル横線Lxに対する表示パネル30の傾斜角度は、第1傾斜位置PT1と第2傾斜位置PT2との間で連続的に変更可能になっている。図5に示すように、表示パネル30は、受光面32の少なくとも一部がホルダ凹部59に収容された状態で、パネルホルダ50に固定されている。ホルダ凹部59は、ホルダ前面51に設けられた凹部であり、ホルダ背面52とは反対側に向けて開放されている。ホルダ凹部59は、凹底面591及び凹壁面592を有している。凹底面591は、ホルダ凹部59の底面であり、内周受部55により形成されている。凹底面591にはホルダ開口部56が形成されている。なお、図5、図6においては、ホルダカバー60、ホルダ開口部56の図示を省略している。
凹壁面592は、ホルダ凹部59の内壁面であり、ホルダ本体53により形成されている。凹壁面592は、第1壁面592a、第2壁面592b及び接続壁面592cを有している。第1壁面592a及び第2壁面592bは、パネル横線Lxに対して傾斜した傾斜壁面である。第1壁面592aは、パネル横線Lxに対して周方向γのうち一方に向けて傾斜しており、パネル横線Lxを介して一対設けられている。第2壁面592bは、パネル横線Lxに対して周方向γのうち第1壁面592aとは反対側に向けて傾斜しており、パネル横線Lxを介して一対設けられている。
接続壁面592cは、パネル横線Lxを跨いで周方向γに延びており、第1壁面592aと第2壁面592bとを接続している。接続壁面592cは、光軸線Lzを介して一対設けられている。接続壁面592cは、径方向βにおいて径方向外側に向けて膨らむように湾曲しており、表示パネル30の角部が周方向γに移動する場合の移動軌跡に沿って延びている。
図6に示すように、表示パネル30は、第1傾斜位置PT1にある場合、周方向γのうち一方への回転が第1壁面592aにより規制されている。この場合、表示パネル30は第1壁面592aに接触し、表示面31の長辺が第1壁面592aに沿って延びた状態になっている。一方、表示パネル30は、第2傾斜位置PT2にある場合、周方向γのうち他方への回転が第2壁面592bにより規制されている。この場合、表示パネル30は第2壁面592bに接触し、表示面31の長辺が第2壁面592bに沿って延びた状態になっている。
表示パネル30の位置は、第1傾斜位置PT1と第2傾斜位置PT2との間において、連続的に変更可能になっている。上述したように、表示パネル30は、ホルダ凹部59に入り込んだ状態で内周受部55とホルダカバー60との間に挟み込まれた状態になっている。このため、表示パネル30は、第1壁面592a及び第2壁面592bの両方から離間した位置に配置されていても、凹底面591とホルダカバー60とにより保持される。ホルダ凹部59は連続変更部に相当する。
表示パネル30は、光源42から受光面32に入射される光が不足しない範囲で傾斜可能になっている。例えば、ホルダ開口部56は、ホルダ凹部59に合わせた形状になっている。このため、表示パネル30が傾斜位置PTにある場合に、光源42からの光が内周受部55により遮られることで、表示面31から画像光が適正に出射されない、ということが生じないようになっている。なお、パネルホルダ50の少なくとも内周受部55が透光性を有していてもよい。この構成では、内周受部55が受光面32に重複する位置にあっても、光源42からの光が内周受部55を透過して受光面32に入射されるため、光源42から受光面32に入射される光が不足するということが抑制される。
HUD10については、投影部103aが湾曲していることなどに起因して、乗員にとって虚像Viが傾いたり歪んだりしたように見えることが懸念される。例えば、投影部103aにおいて水平方向に延びる仮想線を虚像横線Lxiと称する。虚像横線Lxiは、虚像Viが水平方向に対して傾斜したことを示すための基準になる基準線である。本実施形態では、虚像Viが虚像横線Lxiに対して傾斜していない場合に、虚像Viの傾きや歪みが生じていない又は僅かであり、虚像Viが水平状態にある、とする。虚像Viと画像Vとの関係に合わせて、虚像横線Lxiを表示面31においてパネル横線Lxに対応させて図示した場合を想定すると、虚像Viが水平状態にある場合は、図7に示すように、虚像横線Lxiとパネル横線Lxとは互いに平行になっている。
例えば、虚像Viが水平状態になっている場合として、画像Vに含まれる領域境界部Abがパネル横線Lxに平行である場合を想定する。この場合、画像Vには、第1領域AR1、第2領域AR2、第3領域AR3が含まれている。これら領域AR1~AR3は、いずれもパネル横線Lxに沿ってX方向に延びており、Y方向に並べられている。領域境界部Abは、第1領域AR1と第2領域AR2との境界部であり、例えば第1領域AR1と第2領域AR2とで色が異なることなどにより視認可能になっている。
図8に示すように、表示パネル30においては、画素列34が領域境界部Abに平行に延びている。このため、領域境界部Abがパネル横線Lxに平行である場合、画素列34もパネル横線Lxと平行に延びている。図7、図8では、領域境界部Abとパネル横線Lxと虚像横線Lxiとを一致させて図示している。
表示パネル30について、例えば本実施形態とは異なる比較例30xを想定する。この比較例30xでは、虚像横線Lxiに対してパネル横線Lxが傾斜している。この場合、領域境界部Abがパネル横線Lxに平行になっていると、領域境界部Abが虚像横線Lxiに対して傾斜した状態になる。これにより、乗員にとっては領域境界部Abを含む虚像Viが傾いたり歪んだりしたように見えることになる。
そこで、HUD10が有する制御部が、虚像Viの傾きや歪みをキャンセルするように画像Vの補正処理を行う、という方法が考えられる。この補正処理としては、例えば、図11、図12に示すように、領域境界部Abをパネル横線Lxではなく虚像横線Lxiに平行にする、という補正処理がある。この補正処理が行われると、虚像Viにおいて領域境界部Abが水平方向に延びた状態になるため、乗員にとっては領域境界部Abを含む虚像Viについて傾きや歪みが生じてないように見える。ところが、この方法では、図8に示すように、領域境界部Abが画素列34に対して傾斜した状態になり、領域境界部Abにジャギーが生じる。このように、虚像Viにおいては水平方向に延びた領域境界部Abなどの水平線にジャギーが生じると、虚像Viの見やすさが低下したり見栄えが悪くなったりすることが懸念される。領域境界部Abのジャギーは、領域境界部Abに沿って延びた階段状のギザギザである。
これに対して、本実施形態では、パネル横線Lxに対して表示パネル30を傾斜させて、図9、図10に示すように、画素列34が延びる方向を虚像横線Lxiに平行にすることが可能である。画素列34が虚像横線Lxiに平行に延びていると、領域境界部Abを含む虚像Viが乗員にとって水平状態に見える場合に、領域境界部Abにジャギーが生じない。表示パネル30の位置について、乗員にとって虚像Viが水平状態に見える位置を虚像水平位置Piと称すると、この虚像水平位置Piは、基準位置PR及び傾斜位置PTのうち一方に含まれる。例えば、図9に示すように、表示パネル30が虚像水平位置Piにある場合に、虚像横線Lxiがパネル横線Lxに対して傾斜していれば、この虚像水平位置Piは傾斜位置PTに含まれている。
次に、HUD10の製造方法について説明する。作業者は、HUD10の製造工程において、HUD10を製造し、製造したHUD10を車両100に搭載する。作業者は、車両100に搭載された状態のHUD10について、表示パネル30の位置を調整する調整工程を行う。作業者は、調整工程の前において、ホルダカバー60を着脱しやすいようにパネルホルダ50に仮固定しておいてもよい。また、表示パネル30がパネルホルダ50に固定されていれば、ホルダカバー60がパネルホルダ50に取り付けられていなくてもよい。調整工程は、HUD10の製造工程に含まれている。
作業者は、調整工程において、車両100の座席に着座した乗員の目が存在する領域を視認領域として想定し、この視認領域にカメラ等の画像センサを設置する。作業者は、ホルダカバー60をパネルホルダ50から取り外すなどして、表示パネル30を周方向γに傾斜させることが可能な状態にしておく。作業者は、画像センサにより検出された虚像Viについて、領域境界部Abや画素列34、パネル横線Lxなどが虚像横線Lxiに平行になるなど虚像Viが水平状態になるように、周方向γにおいて表示パネル30の傾斜角度を調整する。作業者は、このようにして表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる。その後、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせたまま、パネルホルダ50及びホルダカバー60に対して固定する。この固定は仮固定ではなく本固定である。本固定では、ホルダカバー60がパネルホルダ50に対して着脱できないように固定されてもよい。
ここまで説明した本実施形態によれば、画素列34が傾斜するように画像光の周方向γに表示パネル30の位置を変更可能である。この構成では、画素列34の延びる方向が原因で虚像Viの見やすさが低下しているという状態にならないように、画素列34の延びる方向を調整することができる。したがって、虚像Viの表示態様に合わせて表示パネル30の位置を調整することにより、虚像Viの見やすさを高めることができる。例えば、領域境界部Abにジャギーが生じないように、パネル横線Lxに対する表示パネル30の位置を調整することで、画素列34を虚像横線Lxiに平行にすることが可能である。これにより、領域境界部Abにジャギーが生じることを抑制できる。
本実施形態によれば、ホルダ凹部59においては、表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更可能になっている。この構成では、画素列34が虚像横線Lxiに一致するように、表示パネル30の位置を微調整することが可能である。このように、虚像Viの見やすさをホルダ凹部59により高めることができる。また、表示パネル30をホルダ凹部59に収容させた状態のままで表示パネル30の位置を調整することができる。このように、表示パネル30について位置を調整する作業をホルダ凹部59により容易化できる。
本実施形態によれば、表示パネル30がパネルホルダ50に対して周方向γに位置変更可能である。この構成では、パネルホルダ50をロアケース11やバックライトユニット40に対して着脱可能に固定する必要がない。このため、パネルホルダ50をロアケース11やバックライトユニット40に対して強固に固定できる。しかも、作業者が表示パネル30をパネルホルダ50ごと位置変更させるという必要がない。このように、表示パネル30を単独で位置変更させることが可能な構成であれば、作業者が表示パネル30の位置を調整する際の作業負担を低減できる。
本実施形態によれば、表示パネル30がユニットケース41に対して周方向γに位置変更可能である。この構成では、作業者が表示パネル30をバックライトユニット40ごと位置変更させるという必要がない。このため、作業者は、バックライトユニット40をロアケース11や車両100に対して強固に固定できる。また、例えば本実施形態とは異なり、バックライトユニット40を表示パネル30と共に周方向γに位置変更する構成を想定すると、バックライトユニット40の傾斜に伴って投影部103aに対する光路OPのずれが発生する、ということが懸念される。これに対して、本実施形態によれば、バックライトユニット40を位置変更する必要がないため、投影部103aに対する光路OPのずれが発生するということを抑制できる。
本実施形態によれば、表示パネル30は、フロントウインドシールド103に設けられた投影部103aに画像Vを投影するように画像光を出射する。この構成では、投影部103aを含んでフロントウインドシールド103が湾曲していることなどに起因して、虚像Viの傾きや歪みが生じやすいと考えられる。このため、投影部103aがフロントウインドシールド103に含まれた本実施形態では、表示パネル30を周方向γに傾けて虚像Viの見やすさを高めるということが効果的である。
<変形例1>
パネルホルダ50の一部が表示パネル30と共に周方向γに傾斜可能であってもよい。変形例1では、例えば上記第1実施形態において、図13に示すように、パネルホルダ50がホルダ外周部501及びホルダ内周部502を有している。ホルダ外周部501は、パネルホルダ50において外周受部54を含む部位であり、パネルホルダ50の外周端を形成している。ホルダ外周部501は、ロアケース11及びユニットケース41に固定されている。ホルダ外周部501は、外周開口部501aを有しており、全体として枠状になっている。外周開口部501aは、ホルダ外周部501の外周端に沿って延びている。
ホルダ内周部502は、パネルホルダ50において内周受部55を含む部位であり、パネルホルダ50の内周端を形成している。ホルダ内周部502は、径方向βにおいてホルダ外周部501よりも径方向内側に設けられている。パネルホルダ50においては、ホルダ凹部59及び内周受部55がホルダ内周部502に含まれている。表示パネル30は、ホルダ凹部59に収容された状態で、ホルダ内周部502に対して着脱できないように固定されている。
ホルダ内周部502は、外周開口部501aを塞いだ状態でホルダ外周部501の内周側に収容されている。ホルダ内周部502は、固定具や固定構造によりホルダ外周部501に対して着脱可能に固定されている。ホルダ外周部501に対するホルダ内周部502の固定が解除された状態では、ホルダ内周部502がパネル外周部対して周方向γに傾斜可能になっている。表示パネル30は、ホルダ内周部502と共に周方向γに傾斜可能になっている。
ホルダカバー60は、ホルダ内周部502に対して着脱できないように固定されている。表示パネル30は、ホルダカバー60とホルダ内周部502との間に挟み込まれた状態で、これらホルダカバー60及びホルダ内周部502に固定されている。ホルダカバー60は、ホルダ外周部501には固定されておらず、ホルダ内周部502及び表示パネル30と共に周方向γに傾斜可能になっている。なお、図13においては、ホルダカバー60の図示を省略している。
なお、ホルダカバー60は、ホルダ外周部501に固定されていてもよい。ただし、ホルダカバー60はホルダ外周部501に着脱可能に固定されていることが好ましい。これは、表示パネル30及びホルダ内周部502をホルダ外周部501に対して周方向γに傾斜させる場合に、ホルダカバー60をホルダ外周部501から取り外す必要があるためである。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、表示パネル30がパネルホルダ50に対して傾斜可能になっていた。これに対して、第2実施形態では、表示パネル30と共にパネルホルダ50がロアケース11に対して傾斜可能になっている。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第2本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、表示パネル30がパネルホルダ50に対して着脱できないように固定されている。一方で、パネルホルダ50は、ロアケース11に対して着脱可能に固定されている。ロアケース11に対するパネルホルダ50の固定が解除された状態では、図14に示すように、表示パネル30と共にパネルホルダ50が、ロアケース11に対して周方向γに傾斜可能になっている。表示パネル30は、パネルホルダ50が光軸線Lzを軸として周方向γに回転するように傾斜することで、基準位置PRと傾斜位置PTとに移行可能になっている。表示パネル30が基準位置PRにある場合、例えばホルダ前面51が有する一対の長辺がいずれもパネル横線Lxに平行に延びている。
図15、図16に示すように、ロアケース11が有するロア開口部16には、パネルホルダ50ではなくユニットケース41が入り込んだ状態になっている。ユニットケース41は、パネルホルダ50に対して着脱できないように接着剤やネジ等により固定されている。パネルホルダ50においては、ホルダ背面52がロアケース11とユニットケース41とを径方向βに跨いだ状態になっている。
本実施形態では、表示パネル30がパネルホルダ50とユニットケース41との間に挟み込まれた状態で、これらパネルホルダ50及びユニットケース41に固定されている。内周受部55は、上記第1実施形態とは異なり、軸方向αにおいてホルダ背面52からホルダ前面51側に向けて離間した位置にある。表示パネル30は、内周受部55に引っ掛かった状態で、内周受部55とユニット枠部45との間に挟み込まれた状態になっている。図15、図16等では、ホルダカバー60の図示を省略している。
図16、図17に示すように、パネルホルダ50は、ロア固定具71によりロアケース11に固定されている。ロア固定具71は、ネジやボルト等の固定具である。パネルホルダ50にはホルダ孔57が設けられており、ロアケース11にはロア孔17が設けられている。ホルダ孔57及びロア孔17は例えば丸孔である。ロア固定具71は、ホルダ孔57及びロア孔17に挿通された状態でパネルホルダ50とロアケース11とを固定している。ロア孔17及びホルダ孔57は、ロア固定具71及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ロア固定具71は、ホルダ孔57及びロア孔17のうち一方に螺着されていてもよく、ナット等に螺着されていてもよい。なお、ロアケース11がホルダ支持部に相当する。
ロア孔17は、ロアケース11において周方向γに所定間隔で複数並べられている。複数のロア孔17は、ロア枠部15においてロア開口部16に沿って並べられている。例えば、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように設けられた一対のロア孔17が、周方向γに並ぶように複数設けられている。ホルダ孔57は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ロア孔17の数は、ホルダ孔57の数よりも多い。
本実施形態では、複数のロア孔17のうちロア固定具71が挿通されるロア孔17が変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図17、図18に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ロア固定具71が挿通されるロア孔17が異なっている。一方で、ロア固定具71が挿通されるホルダ孔57は同じである。複数のロア孔17には、表示パネル30を基準位置PRに固定可能なロア孔17と、第1傾斜位置PT1に固定可能なロア孔17と、第2傾斜位置PT2に固定可能なロア孔17と、がそれぞれ含まれている。複数のロア孔17が、複数の並び孔に相当し、且つ段階変更部を構成している。
表示パネル30の調整工程について説明すると、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせた状態で、ロア固定具71をホルダ孔57と選択したロア孔17とに挿通し、パネルホルダ50をロアケース11に固定する。例えば、周方向γにおいて隣り合うロア孔17の間に虚像水平位置Piが存在する場合、作業者は、周方向γにおいて虚像水平位置Piに近い方のロア孔17を用いて、ロア固定具71によりパネルホルダ50をロアケース11に固定する。
本実施形態によれば、表示パネル30を支持するロア孔17の変更により表示パネル30の位置を周方向γに段階的に変更することが可能である。この構成では、表示パネル30の位置を変更するために複雑な構成を採用しなくても、単に複数のロア孔17を周方向γに並べるという構成により、虚像Viの見やすさを高めることができる。しかも、ロアケース11であれば、例えば表示パネル30に比べて、ロア孔17を複数設けるためのスペースを確保しやすい。このため、HUD10において大きな設計変更を必要とすることなく、ロアケース11に複数のロア孔17が設けられた構成を実現できる。さらに、雌ネジが形成されたネジ孔をロア孔17として用いることができる。このため、ロア固定具71がロア孔17に対して位置ずれすることで表示パネル30の位置ずれが生じる、ということを抑制できる。
パネルホルダ50については、大きさや形状などの自由度が表示パネル30に比べて高い。このため、本実施形態のように、表示パネル30と共にパネルホルダ50が位置変更可能になっていることで、表示パネル30を固定するための構成について設計自由度を高めることができる。
<第3実施形態>
上記第2実施形態では、表示パネル30の傾斜角度が段階的に変更可能になっていた。これに対して、第3実施形態では、表示パネル30の傾斜角度が連続的に変更可能になっている。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第3本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図19に示すように、ロアケース11には、上記第2実施形態のロア孔17に代えて、ロア長孔18が設けられている。ロア固定具71は、ホルダ孔57及びロア長孔18に挿通された状態でパネルホルダ50とロアケース11とを固定している。ロア長孔18及びホルダ孔57は、ロア固定具71及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ロア固定具71は、ホルダ孔57及びロア長孔18に挿通された状態でナット等に螺着されていてもよく、ロア長孔18を貫通した状態でホルダ孔57に螺着されていてもよい。
ロア長孔18は、周方向γに延びた長孔である。ロア長孔18は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ロア長孔18は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐ位置に配置されている。ロア長孔18とホルダ孔57とは一対ずつ設けられている。
本実施形態では、ロア長孔18においてロア固定具71が挿通される部位が周方向γに変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が連続的に変更される。図19、図20に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とでは、ロア長孔18においてロア固定具71が挿通される部位が異なっている。このようにロア長孔18においてロア固定具71が挿通される部位が変更されても、ロア固定具71が挿通されるホルダ孔57は同じである。
ロア長孔18においてロア固定具71が挿通された部位が周方向γの一端である場合に表示パネル30が第1傾斜位置PT1にあり、他端である場合に表示パネル30が第2傾斜位置PT2にある。表示パネル30は、第1傾斜位置PT1にある場合に、周方向γのうち一方への回転がロア長孔18の一端により規制された状態になっている。表示パネル30は、第2傾斜位置PT2にある場合に、周方向γのうち他方への回転がロア長孔18の他端により規制された状態になっている。ロア長孔18が連続孔及び連続変更部に相当する。
表示パネル30の調整工程について説明すると、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる作業と、ロア固定具71をロア長孔18及びホルダ孔57に挿通する作業とを行うことで、パネルホルダ50をロアケース11に固定する。作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる作業と、ロア固定具71をロア長孔18及びホルダ孔57に挿通する作業とのうち、いずれの作業を先に行ってもよい。
本実施形態によれば、ロア長孔18により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更可能になっている。この構成では、画素列34が虚像横線Lxiに一致するように、表示パネル30の位置をロア長孔18に対して微調整することが可能である。このように、虚像Viの見やすさをロア長孔18により高めることができる。
本実施形態によれば、ロア長孔18においてロア固定具71を支持する部位の周方向γへの変更により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更することが可能である。この構成では、ロア固定具71をロア長孔18に挿通した状態のまま、表示パネル30の位置を変更することができる。このように、表示パネル30の位置を調整する作業をロア長孔18により容易化できる。
<変形例2>
変形例2では、上記第2実施形態において、図21に示すように、ロア孔17及びロア長孔18の両方がロアケース11に設けられている。本変形例では、径方向βにおいて光軸線Lzの一方側にロア長孔18が設けられており、他方側に複数のロア孔17が設けられている。ロア長孔18と複数のロア孔17とは、径方向βにおいて光軸線Lzを介して互いに反対側に配置されている。ロア長孔18は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐように周方向γに延びており、複数のロア孔17は、周方向γに所定間隔で並べられている。
本変形例では、ロア固定具71が挿通されるロア孔17が変更され、且つロア長孔18においてロア固定具71が挿通される部位がロア孔17の位置に合わせて変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図21、図22に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ロア固定具71が挿通されるロア孔17が異なり、且つロア長孔18においてロア固定具71が挿通される部位が異なっている。
<第4実施形態>
上記第2実施形態では、パネルホルダ50がロアケース11に固定されていた。これに対して、第4実施形態では、パネルホルダ50がユニットケース41に固定されている。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第4本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、パネルホルダ50がユニットケース41に対して着脱可能に固定されている。ユニットケース41に対するパネルホルダ50の固定が解除された状態では、図14に示すように、表示パネル30と共にパネルホルダ50が、ユニットケース41に対して周方向γに傾斜可能になっている。
図23、図24に示すように、パネルホルダ50は、ユニット固定具72によりユニットケース41に固定されている。ユニット固定具72は、ネジやボルト等の固定具である。ユニットケース41にはユニット孔47が設けられている。ユニット孔47は例えば丸孔である。ユニット固定具72は、ホルダ孔57及びユニット孔47に挿通された状態でパネルホルダ50とユニットケース41とを固定している。ユニット孔47及びホルダ孔57は、ユニット固定具72及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ユニット固定具72は、ホルダ孔57及びユニット孔47のうち一方に螺着されていてもよく、ナット等に螺着されていてもよい。なお、ユニットケース41がホルダ支持部に相当する。
ユニット孔47は、ユニットケース41において周方向γに所定間隔で複数並べられている。複数のユニット孔47は、ユニット枠部45においてユニット開口部46に沿って並べられている。例えば、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように設けられた一対のユニット孔47が、周方向γに並ぶように複数設けられている。ユニット孔47の数は、ホルダ孔57の数よりも多い。
本実施形態では、複数のユニット孔47のうちユニット固定具72が挿通されるユニット孔47が変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図24、図25に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ユニット固定具72が挿通されるユニット孔47が異なっている。一方で、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57は同じである。複数のユニット孔47には、表示パネル30を基準位置PRに固定可能なユニット孔47と、第1傾斜位置PT1に固定可能なユニット孔47と、第2傾斜位置PT2に固定可能なユニット孔47と、がそれぞれ含まれている。複数のユニット孔47が、複数の並び孔に相当し、且つ段階変更部を構成している。
表示パネル30の調整工程について説明すると、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせた状態で、ユニット固定具72をホルダ孔57と選択したユニット孔47とに挿通し、パネルホルダ50をユニットケース41に固定する。例えば、周方向γにおいて隣り合うユニット孔47の間に虚像水平位置Piが存在する場合、作業者は、周方向γにおいて虚像水平位置Piに近い方のユニット孔47を用いて、ユニット固定具72によりパネルホルダ50をユニットケース41に固定する。
本実施形態によれば、表示パネル30を支持するユニット孔47の変更により表示パネル30の位置を周方向γに段階的に変更することが可能である。この構成では、表示パネル30の位置を変更するために複雑な構成を採用しなくても、単に複数のユニット孔47が周方向γに並ぶという構成により、虚像Viの見やすさを高めることができる。しかも、ユニットケース41であれば、例えば表示パネル30に比べて、ユニット孔47を複数設けるためのスペースを確保しやすい。このため、HUD10において大きな設計変更を必要とすることなく、ユニットケース41に複数のユニット孔47が設けられた構成を実現できる。さらに、雌ネジが形成されたネジ孔をユニット孔47として用いることができる。このため、ユニット固定具72がユニット孔47に対して位置ずれすることで表示パネル30の位置ずれが生じる、ということを抑制できる。
<変形例3>
変形例3では、上記第4実施形態において、表示パネル30の傾斜角度が連続的に変更可能になっている。図26に示すように、ユニットケース41には、ユニット孔47に代えてユニット長孔48が設けられている。ユニット固定具72は、ホルダ孔57及びユニット長孔48に挿通された状態でパネルホルダ50とユニットケース41とを固定している。ユニット長孔48及びホルダ孔57は、ユニット固定具72及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ユニット固定具72は、ホルダ孔57及びユニット長孔48に挿通された状態でナット等に螺着されていてもよく、ユニット長孔48を貫通した状態でホルダ孔57に螺着されていてもよい。
ユニット長孔48は、周方向γに延びた長孔である。ユニット長孔48は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ユニット長孔48は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐ位置に配置されている。ユニット長孔48とホルダ孔57とは一対ずつ設けられている。
本変形例では、ユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通される部位が周方向γに変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が連続的に変更される。図26、図27に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とでは、ユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通される部位が異なっている。このようにユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通される部位が変更されても、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57は同じである。
ユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通された部位が周方向γの一端である場合に表示パネル30が第1傾斜位置PT1にあり、他端である場合に表示パネル30が第2傾斜位置PT2にある。表示パネル30は、第1傾斜位置PT1にある場合に、周方向γのうち一方への回転がユニット長孔48の一端により規制された状態になっている。表示パネル30は、第2傾斜位置PT2にある場合に、周方向γのうち他方への回転がユニット長孔48の他端により規制された状態になっている。ユニット長孔48が連続孔及び連続変更部に相当する。
表示パネル30の調整工程において、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる作業と、ユニット固定具72をユニット長孔48及びホルダ孔57に挿通する作業とを行うことで、パネルホルダ50をユニットケース41に固定する。
本実施形態によれば、ユニット長孔48により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更可能になっている。この構成では、画素列34が虚像横線Lxiに一致するように、表示パネル30の位置をユニット長孔48に対して微調整することが可能である。このように、虚像Viの見やすさをユニット長孔48により高めることができる。
本実施形態によれば、ユニット長孔48においてユニット固定具72を支持する部位の周方向γへの変更により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更することが可能である。この構成では、ユニット固定具72をユニット長孔48に挿通した状態のまま、表示パネル30の位置を変更することができる。このように、表示パネル30の位置を調整する作業をユニット長孔48により容易化できる。
<変形例4>
変形例4では、上記第4実施形態において、図28に示すように、ユニット孔47及びユニット長孔48の両方がユニットケース41に設けられている。本変形例では、径方向βにおいて光軸線Lzの一方側にユニット長孔48が設けられており、他方側に複数のユニット孔47が設けられている。ユニット長孔48と複数のユニット孔47とは、径方向βにおいて光軸線Lzを介して互いに反対側に配置されている。ユニット長孔48は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐように周方向γに延びており、複数のユニット孔47は、周方向γに所定間隔で並べられている。
本変形例では、ユニット固定具72が挿通されるユニット孔47が変更され、且つユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通される部位がユニット孔47の位置に合わせて変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図28、図29に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ユニット固定具72が挿通されるユニット孔47が異なり、且つユニット長孔48においてユニット固定具72が挿通される部位が異なっている。
<第5実施形態>
上記第2実施形態では、表示パネル30の傾斜角度を段階的に変更できる構成が複数のロア孔17により実現されていた。これに対して、第5実施形態では、表示パネル30の傾斜角度を段階的に変更できる構成が複数のホルダ孔57により実現されている。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第5本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
図30に示すように、ホルダ孔57は、パネルホルダ50において周方向γに所定間隔で複数並べられている。複数のホルダ孔57は、ホルダ開口部56に沿って並べられている。例えば、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように設けられた一対のホルダ孔57が、周方向γに並ぶように複数設けられている。ロア孔17は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ホルダ孔57の数は、ロア孔17の数よりも多い。
本実施形態では、複数のホルダ孔57のうちロア固定具71が挿通されるホルダ孔57が変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図30、図31に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ロア固定具71が挿通されるホルダ孔57が異なっている。一方で、ロア固定具71が挿通されるロア孔17は同じである。複数のホルダ孔57には、表示パネル30を基準位置PRに固定可能なホルダ孔57と、第1傾斜位置PT1に固定可能なホルダ孔57と、第2傾斜位置PT2に固定可能なホルダ孔57と、がそれぞれ含まれている。複数のホルダ孔57が、複数の並び孔に相当し、且つ段階変更部を構成している。
表示パネル30の調整工程について説明すると、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせた状態で、ロア固定具71をロア孔17と選択したホルダ孔57とに挿通し、パネルホルダ50をロアケース11に固定する。例えば、周方向γにおいて隣り合うホルダ孔57の間に虚像水平位置Piが存在する場合、作業者は、周方向γにおいて虚像水平位置Piに近い方のホルダ孔57を用いて、ロア固定具71によりパネルホルダ50をロアケース11に固定する。
本実施形態によれば、表示パネル30を支持するホルダ孔57の変更により表示パネル30の位置を周方向γに段階的に変更することが可能である。この構成では、表示パネル30の位置を変更するために複雑な構成を採用しなくても、単に複数のホルダ孔57が周方向γに並ぶという構成により、虚像Viの見やすさを高めることができる。しかも、パネルホルダ50であれば、例えば表示パネル30に比べて、ホルダ孔57を複数設けるためのスペースを確保しやすい。このため、HUD10において大きな設計変更を必要とすることなく、パネルホルダ50に複数のホルダ孔57が設けられた構成を実現できる。さらに、雌ネジが形成されたネジ孔をホルダ孔57として用いることができる。このため、ロア固定具71がホルダ孔57に対して位置ずれすることで表示パネル30の位置ずれが生じる、ということを抑制できる。
<変形例5>
変形例5では、上記第5実施形態において、表示パネル30の傾斜角度が連続的に変更可能になっている。図32に示すように、パネルホルダ50には、ホルダ孔57に代えてホルダ長孔58が設けられている。ロア固定具71は、ロア孔17及びホルダ長孔58に挿通された状態でパネルホルダ50とロアケース11とを固定している。ホルダ長孔58及びロア孔17は、ロア固定具71及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ロア固定具71は、ロア孔17及びホルダ長孔58に挿通された状態でナット等に螺着されていてもよく、ホルダ長孔58を貫通した状態でロア孔17に螺着されていてもよい。
ホルダ長孔58は、周方向γに延びた長孔である。ホルダ長孔58は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ホルダ長孔58は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐ位置に配置されている。ホルダ長孔58とロア孔17とは一対ずつ設けられている。
本変形例では、ホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通される部位が周方向γに変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が連続的に変更される。図32、図33に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とでは、ホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通される部位が異なっている。このようにホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通される部位が変更されても、ロア固定具71が挿通されるロア孔17は同じである。
ホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通された部位が周方向γの一端である場合に表示パネル30が第1傾斜位置PT1にあり、他端である場合に表示パネル30が第2傾斜位置PT2にある。表示パネル30は、第1傾斜位置PT1にある場合に、周方向γのうち一方への回転がホルダ長孔58の一端により規制された状態になっている。表示パネル30は、第2傾斜位置PT2にある場合に、周方向γのうち他方への回転がホルダ長孔58の他端により規制された状態になっている。ホルダ長孔58が連続孔及び連続変更部に相当する。
表示パネル30の調整工程において、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる作業と、ロア固定具71をホルダ長孔58及びロア孔17に挿通する作業とを行うことで、パネルホルダ50をロアケース11に固定する。
本実施形態によれば、ホルダ長孔58により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更可能になっている。この構成では、画素列34が虚像横線Lxiに一致するように、表示パネル30の位置をホルダ長孔58に対して微調整することが可能である。このように、虚像Viの見やすさをホルダ長孔58により高めることができる。
本実施形態によれば、ホルダ長孔58においてロア固定具71を支持する部位の周方向γへの変更により表示パネル30の位置を連続的に変更することが可能である。この構成では、ロア固定具71をホルダ長孔58に挿通した状態のまま、表示パネル30の位置を変更することができる。このように、表示パネル30について傾斜角度を調整する作業をホルダ長孔58により容易化できる。
<変形例6>
変形例6では、上記第5実施形態において、図34に示すように、ホルダ孔57及びホルダ長孔58の両方がパネルホルダ50に設けられている。本変形例では、径方向βにおいて光軸線Lzの一方側にホルダ長孔58が設けられており、他方側に複数のホルダ孔57が設けられている。ホルダ長孔58と複数のホルダ孔57とは、径方向βにおいて光軸線Lzを介して互いに反対側に配置されている。ホルダ長孔58は、パネル横線Lxを周方向γに跨ぐように周方向γに延びており、複数のホルダ孔57は、周方向γに所定間隔で並べられている。
本変形例では、ロア固定具71が挿通されるホルダ孔57が変更され、且つホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通される部位がホルダ孔57の位置に合わせて変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図34、図35に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ロア固定具71が挿通されるホルダ孔57が異なり、且つホルダ長孔58においてロア固定具71が挿通される部位が異なっている。
<第6実施形態>
上記第5実施形態では、複数のホルダ孔57を有するパネルホルダ50がロアケース11に固定されていた。これに対して、第6実施形態では、複数のホルダ孔57を有するパネルホルダ50がユニットケース41に固定されている。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第5実施形態と同様である。第6本実施形態では、上記第5実施形態と異なる点を中心に説明する。
図36に示すように、ユニット孔47は、光軸線Lzを介して径方向βに並ぶように一対設けられている。ホルダ孔57の数は、ユニット孔47の数よりも多い。本実施形態では、複数のホルダ孔57のうちユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57が変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図36、図37に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57が異なっている。一方で、ユニット固定具72が挿通されるユニット孔47は同じである。
表示パネル30の調整工程について説明すると、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせた状態で、ユニット固定具72をユニット孔47と選択したホルダ孔57とに挿通し、パネルホルダ50をユニットケース41に固定する。例えば、周方向γにおいて隣り合うホルダ孔57の間に虚像水平位置Piが存在する場合、作業者は、周方向γにおいて虚像水平位置Piに近い方のホルダ孔57を用いて、ユニット固定具72によりパネルホルダ50をユニットケース41に固定する。
本実施形態によれば、雌ネジが形成されたネジ孔を、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57として用いることができる。このため、ユニット固定具72がホルダ孔57に対して位置ずれすることで表示パネル30の位置ずれが生じる、ということを抑制できる。
<変形例7>
変形例7では、上記第6実施形態において上記変形例5と同様に、表示パネル30の傾斜角度が連続的に変更可能になっている。図38に示すように、パネルホルダ50には、ホルダ孔57に代えてホルダ長孔58が設けられている。ユニット固定具72は、ユニット孔47及びホルダ長孔58に挿通された状態でパネルホルダ50とユニットケース41とを固定している。ホルダ長孔58及びユニット孔47は、ユニット固定具72及びパネルホルダ50を介して表示パネル30を支持している。なお、ユニット固定具72は、ユニット孔47及びホルダ長孔58に挿通された状態でナット等に螺着されていてもよく、ホルダ長孔58を貫通した状態でユニット孔47に螺着されていてもよい。ホルダ長孔58とユニット孔47とは一対ずつ設けられている。
本変形例では、ホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通される部位が周方向γに変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が連続的に変更される。図38、図39に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とでは、ホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通される部位が異なっている。このようにホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通される部位が変更されても、ユニット固定具72が挿通されるユニット孔47は同じである。ホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通された部位が周方向γの一端である場合に表示パネル30が第1傾斜位置PT1にあり、他端である場合に表示パネル30が第2傾斜位置PT2にある。
表示パネル30の調整工程において、作業者は、表示パネル30を虚像水平位置Piに合わせる作業と、ユニット固定具72をホルダ長孔58及びユニット孔47に挿通する作業とを行うことで、パネルホルダ50をユニットケース41に固定する。
本実施形態によれば、ホルダ長孔58においてユニット固定具72を支持する部位の周方向γへの変更により表示パネル30の位置を周方向γに連続的に変更することが可能である。この構成では、ユニット固定具72をホルダ長孔58に挿通した状態のまま、表示パネル30の位置を変更することができる。
<変形例8>
変形例8では、上記第6実施形態において上記変形例6と同様に、図40に示すように、ホルダ孔57及びホルダ長孔58の両方がパネルホルダ50に設けられている。本変形例では、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57が変更され、且つホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通される部位がホルダ孔57の位置に合わせて変更されることで、パネルホルダ50の傾斜角度が段階的に変更される。図40、図41に示すように、表示パネル30が基準位置PRにある場合と第1傾斜位置PT1にある場合とでは、ユニット固定具72が挿通されるホルダ孔57が異なり、且つホルダ長孔58においてユニット固定具72が挿通される部位が異なっている。
<第7実施形態>
上記第1実施形態では、表示パネル30がパネルホルダ50に対して相対的に変位することで表示パネル30の傾斜角度が変更される構成になっていた。これに対して、第7実施形態では、パネルホルダ50として用いる部材を変更することで表示パネル30の傾斜角度が変更される構成になっている。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第1実施形態と同様である。第7本実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
パネルホルダ50として用いることが可能な部材をホルダ部材Eと称すると、本実施形態では、HUD10の製造時において、パネルホルダ50として用いる部材が複数のホルダ部材Eから選択される。複数のホルダ部材Eには、基準ホルダ部材ER及び傾斜ホルダ部材ETが含まれている。基準ホルダ部材ERは、図42に示すように、表示パネル30を基準位置PRに保持する部材である。傾斜ホルダ部材ETは、図43に示すように、表示パネル30を傾斜位置PTに保持する部材である。傾斜ホルダ部材ETは、HUD10の製造工程において複数準備されている。複数の傾斜ホルダ部材ETには、表示パネル30を第1傾斜位置PT1に保持する部材と、表示パネル30を第2傾斜位置PT2に保持する部材とが含まれている。
複数のホルダ部材Eのいずれにおいても、ホルダ前面51にホルダ凹部59が設けられている。パネル横線Lxに対するホルダ凹部59の傾斜角度は、ホルダ部材Eごとに異なっている。例えば、基準ホルダ部材ERに設けられたホルダ凹部59は、表示パネル30を基準位置PRに保持する傾斜角度になっている。傾斜ホルダ部材ETに設けられたホルダ凹部59は、表示パネル30を傾斜位置PTに保持する傾斜角度になっている。
複数のホルダ部材Eのいずれにおいても、ホルダ凹部59が表示パネル30を収容可能になっている。表示パネル30は、ホルダ凹部59に収容されることで、ホルダ部材Eに対して相対的に周方向γに傾斜することが規制されている。ホルダ凹部59は、凹壁面592が表示パネル30の外周端に沿って延びる形状及び大きさになっている。
表示パネル30の調整工程において、作業者は、表示パネル30について虚像水平位置Piを探し、複数のホルダ部材Eから虚像水平位置Piを実現できるホルダ部材Eを選択する。そして、選択したホルダ部材Eをパネルホルダ50としてロアケース11に本固定し、且つ表示パネル30をパネルホルダ50に本固定する。このように、作業者は、複数のホルダ部材Eを使い分けることで表示パネル30を虚像水平位置Piに配置する。
<第8実施形態>
上記第2実施形態では、パネルホルダ50がユニットケース41に対して相対的に周方向γに傾斜可能になっていた。これに対して、第8実施形態では、ユニットケース41がパネルホルダ50と共に周方向γに傾斜可能になっている。第8実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第8本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
上記第2実施形態では、パネルホルダ50がロアケース11を介してユニットケース41に間接的に固定されていたが、本実施形態では、パネルホルダ50がユニットケース41に直接的に固定されている。パネルホルダ50とユニットケース41とは、接着剤やネジ等により固定されている。例えば、パネルホルダ50とユニットケース41とがユニット固定具72により固定されていてもよい。
ユニットケース41は、ロア開口部16に入り込んだ状態のまま、パネルホルダ50と共に周方向γに傾斜可能になっている。パネルホルダ50と共にユニットケース41が、光軸線Lzを軸として周方向γに回転するようにロアケース11に対して相対的に傾斜することで、表示パネル30は基準位置PRと傾斜位置PTとに変更可能になっている。
図44に示すように、ロア開口部16の内周面には、第1内面16a、第2内面16b及び接続内面16cが含まれている。第1内面16a及び第2内面16bは、パネル横線Lxに対して傾斜した傾斜内面である。第1内面16aは、パネル横線Lxに対して周方向γのうち一方に向けて傾斜しており、パネル横線Lxを介して一対設けられている。第2内面16bは、パネル横線Lxに対して周方向γのうち第1内面16aとは反対側に向けて傾斜しており、パネル横線Lxを介して一対設けられている。
接続内面16cは、パネル横線Lxを跨いで周方向γに延びており、第1内面16aと第2内面16bとを接続している。接続内面16cは、光軸線Lzを介して一対設けられている。接続内面16cは、径方向βにおいて径方向外側に向けて膨らむように湾曲しており、ユニットケース41の角部が周方向γに移動する場合の移動軌跡に沿って延びている。
図45に示すように、表示パネル30が第1傾斜位置PT1にある場合、ユニットケース41が周方向γのうち一方に回転することが第1内面16aにより規制されている。この場合、ユニットケース41は第1内面16aに接触し、ユニットケース41の一面が第1内面16aに沿って延びた状態になっている。一方、表示パネル30が第2傾斜位置PT2にある場合、ユニットケース41が周方向γのうち他方に回転することが第2内面16bにより規制されている。この場合、ユニットケース41は第2内面16bに接触し、ユニットケース41の一面が第2内面16bに沿って延びた状態になっている。
ロア開口部16の内側においてユニットケース41が周方向γに傾斜することで、表示パネル30の位置が連続的に変更可能になっている。ロア開口部16は連続変更部に相当する。ユニットケース41は、パネルホルダ50を介してロアケース11に間接的に固定されている。本実施形態では、パネルホルダ50をロアケース11に固定するための構成として、ロア孔17やホルダ孔57ではなく、ロア長孔18やホルダ長孔58が採用されることで、表示パネル30の傾斜角度を連続的に変更可能になる。
本実施形態によれば、表示パネル30と共にユニットケース41が周方向γに位置変更可能である。この構成では、ユニットケース41と共に光源42が周方向γに傾斜することで、周方向γにおいて表示パネル30の位置が光源42に対して相対的に周方向γに変更されるということを回避できる。このため、例えば表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とで、周方向γにおいて表示パネル30と光源42との位置関係が異なることに起因して、画像光が変化して虚像Viの見やすさが異なる、ということを抑制できる。このように、虚像Viの傾きや歪みを解消することでかえって虚像Viが見にくくなるということを抑制できる。
また、ユニットケース41と共にレンズ43が周方向γに位置変更されることで、周方向γにおいて表示パネル30の位置がレンズ43に対して相対的に変更されるということを回避できる。このため、例えば表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とで、周方向γにおいて表示パネル30とレンズ43との位置関係が異なることに起因して、画像光が変化して虚像Viの見やすさが異なる、ということを抑制できる。
<第9実施形態>
上記第1~第8実施形態では、表示パネル30がバックライト式の画像表示部であった。これに対して、第9実施形態では、表示パネル30が自発光式の画像表示部である。第9実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については上記第2実施形態と同様である。第9本実施形態では、上記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
表示パネル30は、例えば有機ELディスプレイを含んで構成されていることで、自発光式の画像表示部になっている。有機ELディスプレイは、有機発光ダイオードを含んで構成されている。有機発光ダイオードはOLEDと称されることがあり、OLEDはOrganic Light-Emitting Diodeの略称である。表示パネル30が有する画素33は、有機EL素子等の表示素子により形成されている。複数の表示素子は、表示面31に沿って行列状に配置されており、それぞれ画像光になる光を発する。自発光式の表示器20においては、表示パネル30の光軸が表示器20にとっての光軸である。
本実施形態では、図46に示すように、HUD10がバックライトユニット40を有していない。一方で、HUD10はレンズ89を有している。レンズ89は、表示パネル30から出射された画像光が通る位置に設けられている。レンズ89は、表示面31に対向する向きで、表示パネル30から導光部21側に離間した位置に設けられている。レンズ89は、ガラス材料や樹脂材料によりレンズ状に形成されており、透光性を有している。レンズ89としては、凸レンズやフレネルレンズなどが用いられている。
レンズ89は、表示パネル30と共にパネルホルダ50により保持されている。表示パネル30及びレンズ89は、パネルホルダ50の内部に収容された状態でパネルホルダ50に固定されている。表示パネル30とレンズ89とは光軸線Lzに沿って並べられている。表示パネル30及びレンズ89は、パネルホルダ50と共に周方向γに傾斜可能になっている。
本実施形態によれば、表示パネル30と共にレンズ89が周方向γに位置変更可能である。この構成では、表示パネル30が周方向γに位置変更されることで、周方向γにおいて表示パネル30の位置がレンズ89に対して相対的に変更されるということを回避できる。このため、例えば表示パネル30が基準位置PRにある場合と傾斜位置PTにある場合とで、周方向γにおいて表示パネル30とレンズ89との位置関係が異なることに起因して、画像光が変化して虚像Viの見やすさが異なる、ということを抑制できる。
<変形例9>
変形例9では、上記第9実施形態において、表示パネル30がレンズ89に対して相対的に周方向γに傾斜可能になっている。図47に示すように、レンズ89は、パネルホルダ50ではなくレンズホルダ80により保持されている。レンズホルダ80は、接着剤やネジ等によりロアケース11に固定されている。レンズホルダ80は、金属材料や樹脂材料により形成されており、遮光性を有している。レンズホルダ80は、ホルダ開口部86を有しており、全体として枠状に形成されている。ホルダ開口部86は、光学的開口であり、表示パネル30から出射された画像光が通る位置に設けられている。
レンズホルダ80は、ホルダ前面81及びホルダ背面82を有している。レンズホルダ80は、パネルホルダ50よりも導光部21側に設けられている。レンズホルダ80においては、ホルダ前面81が導光部21側を向いており、ホルダ背面82がパネルホルダ50側を向いている。
パネルホルダ50は、レンズホルダ80に対して着脱可能に固定されている。パネルホルダ50は、レンズホルダ80に対する固定が解除された状態では、レンズホルダ80に対して相対的に周方向γに傾斜可能になっている。パネルホルダ50は、レンズホルダ80を介して間接的にロアケース11に固定されている。パネルホルダ50は、図示しないホルダ固定具によりレンズホルダ80に固定されている。ホルダ固定具は、ネジやボルト等の固定具である。
パネルホルダ50及びレンズホルダ80の少なくとも一方には、段階変更部及び連続変更部の少なくとも一方が設けられている。例えば、パネルホルダ50には、上記第5実施形態に示す複数のホルダ孔57、及び上記変形例5に示すホルダ長孔58の少なくとも一方が設けられている。これにより、パネルホルダ50と共に表示パネル30が、段階的又は連続的に周方向γに傾斜させることが可能になっている。
本実施形態によれば、表示パネル30がレンズ89に対して周方向γに位置変更可能である。この構成では、作業者が表示パネル30をレンズ89ごと位置変更するという必要がない。このため、レンズ89をロアケース11や車両100に対して強固に固定できる。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記各実施形態において、HUD10はホルダカバー60を有していなくてもよい。例えば、上記第1実施形態において、表示パネル30がパネルホルダ50に接着剤やネジなどにより固定されていれば、表示パネル30はホルダカバー60とパネルホルダ50とで挟持されていなくてもよい。
上記各実施形態において、光軸線Lzは表示面31に直交していなくてもよい。光軸線Lzが表示面31に直交していない構成では、回転中心線である光軸線Lzに対して表示面31が斜めに傾いた状態で、表示パネル30が周方向γに回転するように位置変更される。また、表示パネル30が位置変更可能な周方向γは、画像光にとっての周方向であれば、必ずしも光軸線Lzにとっての周方向でなくてもよい。
上記各実施形態において、表示パネル30は、ホルダ凹部59に収容されていなくてもよい。例えば、表示パネル30は、ホルダ前面51に重ねられ、このホルダ前面51から前側に突出した状態で、パネルホルダ50に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、画像表示部が表示支持部により支持された構成が実現されていれば、表示パネル30は、ロアケース11、ユニットケース41、及びパネルホルダ50のいずれに固定されていてもよい。例えば、表示パネル30がロアケース11に直接的に固定されていてもよい。
上記各実施形態において、ロア孔17、ロア長孔18、ユニット孔47、ユニット長孔48、ホルダ孔57及びホルダ長孔58は、どのように組み合わせて設けられていてもよい。例えば、ロア孔17、ユニット孔47及びホルダ孔57がいずれも複数設けられていてもよい。この構成では、複数のホルダ孔57には、ロア孔17に連通するホルダ孔57と、ユニット孔47に連通するホルダ孔57との両方が含まれることになる。
上記各実施形態において、ロア孔17等の段階変更部とロア長孔18等の連続変更部とが組み合わせて設けられていてもよい。例えば、上記第2実施形態において、周方向γに隣り合う2つのロア孔17の間にロア長孔18が設けられていてもよい。この構成では、例えば、表示パネル30を第1傾斜位置PT1又は第2傾斜位置PT2に移動させた場合には、表示パネル30の固定にロア孔17が用いられる。一方で、表示パネル30を基準位置PRに固定するにはロア長孔18が用いられる。表示パネル30の位置を第1傾斜位置PT1及び第2傾斜位置PT2に到達しない程度に傾斜位置PTに変更する場合には、ロア長孔18において表示パネル30の固定に用いる部位が変更される。
上記各実施形態において、段階変更部はロア孔17等の並び孔でなくてもよい。例えば、上記第1実施形態において、互いに係合する係合部と受部とのうち一方が表示パネル30に設けられ、他方がパネルホルダ50に設けられた構成とする。この構成では、係合部と受部との少なくとも一方が周方向γに複数並べて設けられていることで、表示パネル30をパネルホルダ50に対して相対的に周方向γに段階的に位置変更することが可能になる。この場合、係合部及び受部により段階変更部が構成されることになる。
上記各実施形態において、表示パネル30を周方向γに位置変更する場合に、2組以上の部品の固定を解除する必要がある構成であってもよい。例えば、上記第2実施形態において、パネルホルダ50がロアケース11に加えてユニットケース41に固定されていてもよい。この構成では、パネルホルダ50がロア固定具71及びユニット固定具72の両方によりロアケース11及びユニットケース41の両方に固定されていてもよい。この構成においては、表示パネル30を周方向γに位置変更する場合に、ロアケース11及びユニットケース41の両方に対するパネルホルダ50の固定を解除する必要がある。
上記各実施形態において、画像表示部を表示支持部に対して着脱可能に固定する固定部は、ロア固定具71やユニット固定具72でなくてもよい。例えば、固定部は、表示パネル30に形成された孔に挿通されるパネル固定具であってもよい。また、固定部は、画像表示部及び表示支持部とは別部材でなくてもよい。固定部は、スナップフィットやクリップ、係合爪を含んで構成されていてもよい。例えば、上記第2実施形態において、互いに係合する係合爪と受部とのうち一方がパネルホルダ50に設けられ、他方がロアケース11に設けられた構成とする。
上記各実施形態において、表示器20はロア開口部16に挿通された状態になっていなくてもよい。例えば、表示器20の全体がロアケース11の内部に収納されていてもよく、表示器20の全体がロアケース11の外部に配置されていてもよい。
上記各実施形態において、表示面31は、表示パネル30が有する一方の板面全体により形成されていてもよく、一部により形成されていてもよい。例えば、表示パネル30において、一方の板面に表示面31と枠部とが含まれた構成とする。枠部は、画像光を出射しない部位である。この構成では、パネルホルダ50やホルダカバー60が枠部に重なるように設けられていることが好ましい。
上記第1~第8実施形態において、表示パネル30では、受光面32が表示面31とは反対側を向いていなくてもよい。例えば、受光面32は、表示パネル30の側端面に含まれていてもよい。この場合、光源42は、表示パネル30の下方ではなく、表示パネル30の側方に配置されていてもよい。
上記各実施形態において、車両100において画像Vが投影されるウインドシールドは、フロントウインドシールド103でなくてもよい。例えば、画像Vがサイドウインドシールドやリアウインドシールドに投影されてもよい。また、投影部103aは、ウインドシールドに含まれていなくてもよい。例えば、コンバイナに投影部103aが含まれていてもよい。コンバイナは、画像Vが投影される投影部材であり、例えばインストルメントパネル102に設置されていてもよい。投影部103aは、膨らんだり凹んだりするように湾曲していてもよく、湾曲せずに平面状になっていてもよい。
上記各実施形態において、窓部12等の投影窓は、ロアケース11ではなく、HUD10が取り付けられる取付対象に設けられていてもよい。取付対象は、インストルメントパネル102などである。例えば、ロアケース11の遮光性が低く、取付対象の遮光性が高い構成では、投影窓が取付対象に設けられていることが好ましい。また、投影窓が設けられていなくてもよい。例えば、ロアケース11が光透過性を有している構成とする。
上記各実施形態において、HUD10が搭載される車両100としては、自動運転及び手動運転の両方が可能な自動運転車両などがある。また、HUD10が搭載される車両100としては、乗用車やバス、建設作業車、農業機械車両などがある。HUD10が搭載される移動体としては、車両100の他に電車や飛行機、船舶などある。HUD10は乗り物に搭載されていてもよい。乗り物としては、車両100などの移動用乗り物や、ゲーム機等の定置型の乗り物がある。HUD10は、定置式の設備や機器に搭載されていてもよい。HUD10は、ヘッドマウントディスプレイ等の携帯情報端末に適用されてもよい。
10…虚像表示装置としてのHUD、11…表示支持部及びホルダ支持部としてのロアケース、16…連続変更部としてのロア開口部、17…段階変更部及び並び孔としてのロア孔、18…連続変更部及び連続孔としてのロア長孔、30…画像表示部としての表示パネル、31…表示面33…画素、34…画素列、41…表示支持部、ホルダ支持部及び光源ケースとしてのユニットケース、42…光源、47…段階変更部及び並び孔としてのユニット孔、48…連続変更部及び連続孔としてのユニット長孔、50…表示支持部及び表示ホルダとしてのパネルホルダ、57…段階変更部及び並び孔としてのホルダ孔、58…連続変更部及び連続孔としてのホルダ長孔、59…連続変更部としてのホルダ凹部、100…車両、103…ウインドシールドとしてのフロントウインドシールド、103a…投影部、Vi…虚像、γ…周方向。

Claims (10)

  1. 投影部(103a)に画像を投影して虚像(Vi)を表示する虚像表示装置(10)であって、
    前記画像を投影するための画像光を出射する表示面(31)、及び前記表示面に沿って複数の画素(33)が並べられた画素列(34)を有している画像表示部(30)と、
    前記画像表示部を支持しており、前記画素列が傾斜するように前記画像光の周方向(γ)に前記画像表示部の位置を変更可能な表示支持部(11,41,50)と、
    を備えている虚像表示装置。
  2. 前記表示支持部は、
    前記画像表示部の位置を前記周方向に段階的に変更可能な段階変更部(17,47,57)を有している、請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記段階変更部は、
    前記画像表示部を支持可能であって前記周方向に並べられた複数の並び孔(17,47,57)を有しており、前記画像表示部を支持する前記並び孔の変更により前記画像表示部の位置を前記周方向に段階的に変更する、請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記表示支持部は、
    前記画像表示部の位置を前記周方向に連続的に変更可能な連続変更部(16,18,48,58,59)を有している、請求項1~3のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
  5. 前記連続変更部は、
    前記画像表示部を支持可能であって前記周方向に延びた連続孔(18,48,58)を有しており、前記連続孔において前記画像表示部を支持する部位の前記周方向への変更により前記画像表示部の位置を前記周方向に連続的に変更する、請求項4に記載の虚像表示装置。
  6. 前記表示支持部は、前記表示支持部に対する前記画像表示部の位置を前記周方向に変更可能である、請求項1~5のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
  7. 前記表示支持部は、
    前記画像表示部を保持する表示ホルダ(50)と、
    前記表示ホルダの位置を前記周方向に変更することで前記画像表示部の位置を前記周方向に変更するホルダ支持部(11,41)と、
    を有している請求項1~6のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
  8. 前記画像表示部から前記画像光を出射させるための光を発生する光源(42)と、
    前記光源を収容した光源ケース(41)と、
    を備え、
    前記表示支持部は、前記画像表示部の位置を前記光源ケースに対して相対的に前記周方向に変更可能である、請求項1~7のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
  9. 前記画像表示部から前記画像光を出射させるための光を発生する光源(42)と、
    前記光源を収容した光源ケース(41)と、
    を備え、
    前記表示支持部は、前記画像表示部と共に前記光源ケースについて前記周方向に位置変更可能である、請求項1~7のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
  10. 車両(100)に搭載される虚像表示装置であって、
    前記画像表示部は、ウインドシールド(103)に設けられた前記投影部に前記画像を投影するように前記画像光を出射する、請求項1~9のいずれか1つに記載の虚像表示装置。
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