JP2022161510A - 空調装置および空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成で、人が直接、操作ボタン等に触れることなく空調装置本体を操作できるようにする。【解決手段】空調装置14は、空調装置本体30に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダ34-1,34-2,34-3と、予め定められたタグ12が複数のリーダ34-1,34-2,34-3のうちの1つに近づけられた際に、タグ12が近づけられたリーダ34-3に割り当てられた操作の指令を空調装置本体30に送信する制御部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、空調装置および空調システムに関し、特に、空調装置本体に対して操作の指令を出すための装置およびシステムに関する。
空調装置は、空調装置本体と、空調装置本体に対して操作の指令を出すリモートコントローラ(以下、リモコンと言う)を備えている。例えば、オフィスビルのような空間における空調装置では、そこにいる複数の人のそれぞれが暑い又は寒いといった不快感を覚えた際にリモコンを操作して、空調装置本体の設定温度を変更する。
特許文献1には、ユーザが発した音声によりエアコン等の電気機器(操作対象装置)を操作するシステムに関し、ユーザ毎に電気機器の操作を許可するか否かを規定したテーブル(同文献の図7参照)を用意しておき、ユーザが発した音声により識別されたユーザが、そのテーブルにより電気機器の操作を許可されている場合に、その電気機器に操作の信号を出力する構成が開示されている。
特許文献2には、ユーザに装着されたウェアラブル機器が、そのユーザの生体情報の変化に応じて、エアコンの設定温度を変更するための遠隔制御を行う構成が開示されている。
特許文献3には、各ユーザ識別情報に対応させた空気調和機の設定情報(運転モード、設定温度等)のテーブル(同文献の図5参照)を用意しておき、そのテーブルから、ユーザが建物に入る際にIDカードから取得されたユーザ識別情報に対応する設定情報を取得し、その設定情報に基づいて、空気調和機が運転を開始する構成が開示されている。
空調装置のリモコンの操作ボタンは、不特定多数の人が触れる可能性があり、不衛生となる虞がある。ユーザの音声等により空調装置本体を操作できる空調装置では、このような衛生上の問題は解消されるが、装置構成が複雑になってしまう可能性がある。よって、簡素な構成で、人が直接、操作ボタン等に触れることなく空調装置本体を操作できるようにすることが望まれている。
本発明に係る空調装置は、空調装置本体に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダと、予め定められたタグが複数の前記リーダのうちの1つに近づけられた際に、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信する制御部と、を備える、ことを特徴とする。
本発明に係る空調装置において、前記タグは、それを所持する人の識別情報を記憶しており、前記制御部は、前記空調装置本体に対する操作権限を有する人の識別情報を含む操作権限情報を、前記制御部の内部または外部から取得し、前記制御部は、前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報が前記操作権限情報に含まれる場合には、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、受信した前記識別情報が前記操作権限情報に含まれない場合には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、としてもよい。
本発明に係る空調装置において、前記タグは、それを所持する人の識別情報を記憶しており、前記制御部は、各識別情報に対応させた、前記空調装置本体に対する複数種類の操作ごとの操作権限を示す操作権限情報を、前記制御部の内部または外部から取得し、前記制御部は、前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、前記操作権限情報において、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の権限が、受信した前記識別情報に与えられている場合には、その操作の指令を前記空調装置本体に送信し、前記操作権限情報において、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の権限が、受信した前記識別情報に与えられていない場合には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、としてもよい。
本発明に係る空調装置において、複数の前記リーダはそれぞれ、操作リーダであり、前記空調装置は、前記操作リーダとは異なる切換リーダをさらに備え、前記制御部は、前記タグが前記切換リーダに近づけられた際に、前記操作リーダに、その前に割り当てられていた前記空調装置本体に対する操作とは別の操作を割り当てる、としてもよい。
本発明に係る空調装置において、複数の前記リーダは、前記空調装置本体の設定温度を上げる操作が割り当てられた昇温リーダと、前記空調装置本体の設定温度を下げる操作が割り当てられた降温リーダと、を含む、としてもよい。
本発明に係る空調装置において、前記制御部は、通常モードと多数決モードを含む複数のモードにより動作し、前記制御部が通常モードで動作する場合には、前記制御部は、前記タグが前記昇温リーダまたは前記降温リーダに近づけられた際に、前記タグが近づけられた前記昇温リーダまたは前記降温リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、前記制御部が多数決モードで動作する場合には、前記制御部は、過去一定時間における、前記昇温リーダに前記タグが近づけられた回数に比べて、前記降温リーダに前記タグが近づけられた回数が多い時に、前記空調装置本体の設定温度を予め定められた温度だけ下げる指令を前記空調装置本体に送信し、かつ、前記制御部は、前記過去一定時間における、前記昇温リーダに前記タグが近づけられた回数に比べて、前記降温リーダに前記タグが近づけられた回数が少ない時に、前記空調装置本体の設定温度を予め定められた温度だけ上げる指令を前記空調装置本体に送信する、としてもよい。
本発明に係る空調システムは、人の識別情報が記憶されたタグと、空調装置本体、前記空調装置本体に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダ、および前記空調装置本体に指令を送信する制御部を有する空調装置と、前記空調装置本体に対する操作権限を有する人の識別情報を含む操作権限情報を記憶する管理装置と、を備え、前記空調装置の前記制御部は、前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報を前記管理装置に転送し、前記管理装置は、転送された前記識別情報が前記操作権限情報に含まれているか否かを確認し、それが前記操作権限情報に含まれている場合には、操作許可通知を前記空調装置の前記制御部に送信し、それが前記操作権限情報に含まれていない場合には、操作不許可通知を前記空調装置の前記制御部に送信し、前記空調装置の前記制御部は、前記操作許可通知を受信した際には、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、前記操作不許可通知を受信した際には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、ことを特徴とする。
本発明によれば、タグをリーダに近づけることで空調装置本体を操作することができるため、人が直接、操作ボタン等に触れなくて済む。また、タグと複数のリーダを用いて空調装置本体を操作するため、構成が簡素である。
以下、本発明の各実施形態を図面に従って説明する。以下で述べる構成は、説明のための例示であって、空調装置の仕様等に合わせて適宜変更が可能である。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。全ての図面において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、部屋92に設置された空調装置14を模式的に示す図である。空調装置14は、室内機28および室外機(不図示)を有する空調装置本体30と、空調装置本体30に対して操作の指令を出すリモートコントローラ(リモコン)32とを備える。なお、空調装置本体30とリモコン32の間は、赤外線通信、無線通信、または有線通信が可能となっている。この実施形態では、空調装置本体30の室内機28は部屋92の天井に設置されており、リモコン32は部屋92の壁に設置されている。しかし、室内機28およびリモコン32の位置は、適宜、変更することができる。
リモコン32は、空調装置本体30に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダ34-1,34-2,34-3と、空調装置本体30の設定温度等を表示するディスプレイ42とを備える。以下、複数のリーダ34-1,34-2,34-3のそれぞれを区別する必要がない場合には、それをリーダ34と言う。
リーダ34は、ICタグ12の情報を読み取り可能なICタグリーダである。リーダ34は、人90が所持する社員証11に組み込まれたICタグ12の情報を読み取る。なお、各リーダ34の操作面(ICタグ12が近づけられる面)には、リーダ34に割り当てられた操作を示す文字、記号等が印刷されていてもよい。
社員証11は、カード形状を有しており、ICタグ12が組み込まれている。ICタグ12は、ICチップとアンテナ(いずれも不図示)を含み、ICチップには、社員番号等の識別情報が記憶されている。なお、この実施形態では、ICタグ12が社員証11に組み込まれているが、ICタグ12は、施設への入館証等に組み込まれていてもよく、カード形状以外の部材に組み込まれていてもよい。例えば、ICタグ12は、スマートフォン等の携帯端末装置に含まれていてもよい。ICタグ12は、NFC(Near field communication、近距離無線通信)が可能なタグ、またはその同等物であってよい。以下、ICタグ12を、単にタグ12と言う。
図1に示す例では、リーダ34-1に、空調装置本体30の電源オン・オフを切り換える操作が割り当てられており、リーダ34-2に、空調装置本体30の設定温度を1℃上げる操作が割り当てられており、リーダ34-3に、空調装置本体30の設定温度を1℃下げる操作が割り当てられている。
人90が社員証11をリーダ34-1に近づける(かざす)と、空調装置本体30のオン・オフを切り換える指令が空調装置本体30に送信されるようになっている。また、人90が社員証11をリーダ34-2に近づけると、空調装置本体30の設定温度を1℃上げる指令が空調装置本体30に送信されるようになっている。また、人90が社員証11をリーダ34-3に近づけると、空調装置本体30の設定温度を1℃下げる指令が空調装置本体30に送信されるようになっている。
本実施形態の空調装置14によれば、社員証11(タグ12)を各リーダ34に近づけることで空調装置本体30を操作することができるため、人90が直接、リモコン32の操作ボタン等に触れなくて済む。よって、例えば、操作ボタン等を介した感染症の広がりのリスクを回避することができる。
ここから、空調装置14の具体的な構成について説明する。図2は、空調システム10の機能ブロック図である。空調システム10は、タグ12、空調装置14、および管理装置16を含む。図2には、タグ12が1つのみ示されているが、タグ12は、複数の社員証11に対応させて複数存在する。
管理装置16は、入退出管理システムの一部を構成するコンピュータである。管理装置16は、必須の構成要素ではなく、後述する実施形態に用いるものである。
タグ12は、ICチップ(不図示)の記憶部の中に、社員証11を所持する人の識別情報24を記憶している。本実施形態では、識別情報24は社員番号である。しかし、識別情報24は社員番号に限定されない。また、識別情報24は、複数の人に対して共通に使われる識別情報であってもよい。例えば、会社等を訪れたゲストに配られる入館証(IDカード)には共通の識別情報が記憶されていることがあり、そのような識別情報も、人の識別情報24に含まれる。
空調装置14は、空調装置本体30とリモコン32を備える。リモコン32は、複数のリーダ34と、ディスプレイ42と、制御部40(コントローラ)とを含む。制御部40は、例えばマイクロコンピュータである。制御部40は、CPUを有するプロセッサ50と、制御プログラムおよび制御データ等を記憶した記憶部52とを含む。記憶部52は、例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ等である。プロセッサ50は、記憶部52に記憶された制御プログラムに従って動作する。なお、プロセッサ50は、CPUに代えて、またはそれとともにASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでもよい。また、制御部40は、物理的に分離された複数のプロセッサを含んでもよい。
制御部40には、複数のリーダ34と、ディスプレイ42とが電気的に接続されている。
記憶部52には、割り当て情報60、操作種類情報62、操作権限情報64、および履歴情報66が記憶されている。なお、操作種類情報62、操作権限情報64、および履歴情報66は、必須の構成要素ではなく、後述する実施形態に用いるものである。
図3は、記憶部52にある、割り当て情報60の一例を示す図である。割り当て情報60は、複数のリーダ34-1,34-2,34-3のそれぞれに割り当てられた空調装置本体30に対する操作を示すテーブルである。
ここから、社員証11(タグ12)がリーダ34に近づけられた際の空調装置14の動作について説明する。タグ12が複数のリーダ34-1,34-2、34-3のうちの1つに近づけられた際に、タグ12が近づけられたリーダ34は、タグ12を読み取ったことを示す読取通知を制御部40に送信する。なお、リーダ34に近づけられたタグ12が、予め定められたタグではない場合(例えばリーダ34が読み取ることできない種類のタグである場合)には、当然、読取通知が制御部40に送信されない。
制御部40は、リーダ34から読取通知を受信すると、割り当て情報60(図3参照)を参照して、その通知を送信したリーダ34に割り当てられた操作を取得する。例えば、リーダ34-3から読取通知を受信した場合には、「設定温度-1℃」の操作を取得する。そして、制御部40は、取得した操作の指令を、空調装置本体30に送信する。
空調装置本体30(例えば室内機28)は、リモコン32から操作の指令を受信する。そして、空調装置本体30は、受信した指令に応じて空調装置本体30の動作を変化させる。上記の例では、空調装置本体30は、「設定温度-1℃」の指令を受信して、設定温度が1℃だけ下がるように設定温度を更新し、室内機28が置かれた環境の気温がその設定温度になるように動作する。
このような構成により、人の指が操作ボタン等に触れない非接触の空調装置本体30の操作が実現される。
空調装置14は、様々な機能拡張が可能である。以下、空調装置14の機能が拡張された様々な実施形態について説明していく。
まず、切換リーダの実施形態について説明する。図4は、この実施形態におけるリーダの組み合わせの一例を示す図である。リモコン32は、図4に示すように、空調装置本体30に対する操作が割り当てられたリーダ34-1,34-2、34-3(以下、操作リーダ34-1,34-2、34-3または操作リーダ34と言う)に加えて、切換リーダ36を備える。切換リーダ36は、各操作リーダ34に割り当てる操作を切り換える(変更する)ためのリーダである。切換リーダ36も、操作リーダ34と同様に、制御部40に電気的に接続される。
この実施形態では、リモコン32の記憶部52に、操作種類情報62(図2参照)が記憶される。図5は、操作種類情報62の一例を示す図である。操作種類情報62は、切換ナンバー(切換No.)と、各操作リーダ34-1,34-2,34-3の空調装置本体30に対する操作とを対応づけたテーブルである。
次に、この実施形態の空調装置14の動作について説明する。タグ12が切換リーダ36に近づけられた際に、切換リーダ36は、タグ12を読み取ったことを示す読取通知を制御部40に送信する。制御部40は、切換リーダ36から読取通知を受信すると、操作種類情報62(図5参照)から切換No.2の操作の組み合わせを読み出し、それを用いて割り当て情報60(図3参照)を更新する。具体的には、割り当て情報60における、各操作リーダ34-1,34-2,34-3のそれぞれに割り当てられた操作を、「電源オン・オフ」、「設定温度+1℃」、「設定温度-1℃」から、「冷房」、「暖房」、「自動」に更新する。これにより、図6の(No.2)に示すように、各操作リーダ34-1,34-2,34-3に、その前に割り当てられていた空調装置本体30に対する操作とは別の操作が割り当てられることになる。
例えば、図6の(No.2)の状態において、操作リーダ34-1にタグ12が近づけられた際には、空調装置本体30に対して「冷房」の指令が送信されることになる。
タグ12が切換リーダ36に近づけられるごと(切換リーダ36から読取通知が送信されるごと)に、制御部40は、操作種類情報62(図5参照)から、次の切換ナンバー(切換No.)の操作の組み合わせを読み出し、それを用いて、割り当て情報60(図3参照)を更新していく。それにより、図6に示すように、(No.2)では、冷暖房の切り替え操作が可能となり、(No.3)では、風量調整が可能となり、(No.4)では、風向き調整が可能となり、(No.5)では、モードの切り替え(後述)が可能となる。なお、(No.5)の状態において、タグ12が切換リーダ36に近づけられた際には、(No.1)に戻るとよい。
なお、この実施形態では、各操作リーダ34に割り当てられる操作が変わるため、リモコン32の操作者が、各操作リーダ34に、現在、何の操作が割り当てられているかが分かるように、各操作リーダ34の操作面に、割り当てられている操作を表示させるとよい。例えば、各操作リーダ34の操作面に、表示部(ディスプレイ等)を配置しておくとよい。制御部40は、各操作リーダ34に現在、割り当てられている操作を示す情報を、各操作リーダ34に送信し、各操作リーダ34はそれを受信して、自身の表示部に表示させるとよい。
以上説明した実施形態によれば、操作リーダ34の数が少ない場合でも、空調装置本体30に対して、様々な操作の指令を出すことが可能となる。
次に、操作権限情報64を用いた実施形態について説明する。この実施形態では、リモコン32の記憶部52に、操作権限情報64(図2参照)が記憶される。図7は、操作権限情報64の一例を示す図である。操作権限情報64は、空調装置本体30に対する操作権限を有する人の識別情報(本実施形態では社員番号)を含む情報である。リモコン32は、例えば、操作権限情報64を管理装置16(後述)から予め取得して記憶部52に記憶しておくか、制御部40がリーダ34から読取通知を受信した際に、操作権限情報64を管理装置16から取得して、記憶部52に記憶する。
次に、この実施形態の空調装置14の動作について説明する。タグ12がリーダ34に近づけられた際に、そのリーダ34は、タグ12を読み取ったことを示す読取通知を制御部40に送信する。この際、そのリーダ34は、タグ12に記憶されている識別情報24(本実施形態では社員番号)をタグ12から読み取って、読取通知に含ませる。
制御部40は、リーダ34から読取通知を受信すると、それに含まれる識別情報24(社員番号)を取得し、記憶部52にある操作権限情報64(図7参照)を参照して、取得された識別情報24(社員番号)が、操作権限情報64に含まれているか否かを確認する。そして、制御部40は、識別情報24が操作権限情報64に含まれる場合には、タグ12が近づけられたリーダ34に割り当てられた操作の指令を空調装置本体30に送信する。一方、制御部40は、識別情報24が操作権限情報64に含まれていない場合には、操作の指令を空調装置本体30に送信しないようにする。
この実施形態によれば、予め定められた操作権限を有する者のみが、空調装置本体30を操作することが可能となる。
以上説明した実施形態では、識別情報(社員番号)ごとに操作権限を設定していた。しかし、空調装置本体30に対する操作の種類ごとに操作権限を設定してもよい。以下、その実施形態について説明する。
図8は、別の操作権限情報64Aの一例を示す図である。操作権限情報64Aは、各識別情報(各社員番号)に対応させた、空調装置本体30に対する操作の種類ごとの操作権限を示すテーブルである。同図において、丸が操作権限が与えられていることを示し、バツが操作権限が与えられていないことを示している。
なお、図8における「電源オン・オフ」は、図6の(No.1)の操作リーダ34-1の操作に対応しており、図8における「温度調整」は、図6の(No.1)の操作リーダ34-2,34-3の操作に対応している。また、図8における「冷暖房切り替え」、「風量調整」、「風向き調整」、および「モード切り換え」はそれぞれ、図6に示した(No.2)、(No.3)、(No.4)、および(No.5)の操作リーダ34-1,34-2,34-3の操作に対応している。
次に、この実施形態の空調装置14の動作について説明する。タグ12がリーダ34に近づけられた際に、そのリーダ34は、タグ12を読み取ったことを示す読取通知を制御部40に送信する。この際、そのリーダ34は、タグ12に記憶されている識別情報24(本実施形態では社員番号)をタグ12から読み取って、読取通知に含ませる。
制御部40は、リーダ34から読取通知を受信すると、それに含まれる識別情報24(社員番号)を取得する。そして、制御部40は、記憶部52にある操作権限情報64A(図8参照)を参照して、タグ12が近づけられたリーダ34に割り当てられた操作の権限が、取得した識別情報24に与えられているか否かを確認する。そして、制御部40は、タグ12が近づけられたリーダ34に割り当てられた操作の権限が識別情報24に与えられている場合には、その操作の指令を空調装置本体30に送信する。一方、制御部40は、タグ12が近づけられたリーダ34に割り当てられた操作の権限が識別情報24に与えられていない場合には、操作の指令を空調装置本体30に送信しないようにする。
この実施形態によれば、例えば、図8の社員番号:00102を記憶するタグ12は、「温度調整」、「風量調整」、および「風向き調整」が可能であるが、「電源オン・オフ」、「冷暖切り換え」、および「モード切り換え」が不可能となる。このように、同一のタグ12(操作者)に対して、可能な操作と、不可能な操作を個別に設定することできる。
以上説明した実施形態では、リモコン32が操作権限の有無を判断していた。しかし、管理装置16が操作権限の有無を判断してもよい。以下、その実施形態について説明する。
管理装置16(図2参照)は、社員証11を用いた入退出管理システムの一部を構成するコンピュータ(例えばサーバ)である。管理装置16は、CPUを有するプロセッサ70と、プログラムおよび各種データを記憶する記憶部72とを含む。記憶部72は、例えばハードディスク、RAM、ROM、フラッシュメモリ等である。記憶部72には、同一の施設(例えばビル等)に配置された複数の空調装置のそれぞれの操作権限情報64が記憶されている。管理装置16は、各空調装置14のリモコン32と、ネットワークを介して接続されている。つまり、図2には1つの空調装置14のみが示されているが、管理装置16と接続された複数の空調装置14が存在する。
次に、この実施形態の空調システム10の動作について説明する。図9は、この実施形態のデータの流れを示す図である。タグ12がリーダ34に近づけられた際に、そのリーダ34は、タグ12を読み取ったことを示す読取通知を制御部40に送信する。この際、そのリーダ34は、タグ12に記憶されている識別情報24(本実施形態では社員番号)をタグ12から読み取って、読取通知に含ませる。以降、識別情報24を、人の識別情報24とも言う。
制御部40は、リーダ34から読取通知を受信すると、リーダ34に近づけられたタグ12が操作権限を有しているか否かを、管理装置16に問い合わせる。具体的には、制御部40は、読取通知に含まれる、人の識別情報24(社員番号)を取得し、それを管理装置16に転送する。また、制御部40は、自身の空調装置14の識別情報を管理装置16に送信する。
管理装置16は、空調装置の制御部40から、人の識別情報24(社員番号)と、空調装置の識別情報とを受信する。そして、管理装置16は、記憶部72(図2参照)に記憶された複数の操作権限情報64から、受信した空調装置の識別情報に対応する、操作権限情報64を読み出す。そして、管理装置16は、受信した、人の識別情報24(社員番号)が、読み出された操作権限情報64(図7参照)に含まれているか否かを確認する。そして、管理装置16は、人の識別情報24が操作権限情報64に含まれている場合には、操作許可通知を空調装置の制御部40に送信する。一方、管理装置16は、人の識別情報24が操作権限情報64に含まれていない場合には、操作不許可通知を空調装置の制御部40に送信する。
空調装置の制御部40は、管理装置16から、操作許可通知または操作不許可通知を受信する。空調装置の制御部40は、操作許可通知を受信した際には、タグ12が近づけられたリーダ34に割り当てられた操作の指令を空調装置本体30に送信する。一方、空調装置の制御部40は、操作不許可通知を受信した際には、操作の指令を空調装置本体30に送信しないようにする。
この実施形態によれば、予め定められた操作権限を有する者のみが、空調装置本体30を操作することが可能となる。また、管理装置16により、施設における社員証(タグ)を用いた入退出管理と合わせて、複数の空調装置14のそれぞれの操作権限を一元管理することができる。例えば、フリーアドレスのオフィスには、複数の空調装置14が配置されることが多く、そのオフィスの入退出を許可したとしても、そのオフィス内の特定の空調装置14の操作は不許可としたい場合がある。そのような場合にも、この実施形態によれば容易に対応が可能となる。なお、この実施形態では、管理装置16は入退出管理システムの一部であったが、管理装置16は、入退出管理システムとは独立したコンピュータであってもよい。
次に、多数決モードの実施形態について説明する。リモコン32の制御部40は、通常モードと多数決モードを含む複数のモードにより動作してもよい。以下では、空調装置本体30の設定温度を上げる操作が割り当てられたリーダ34-2(図2参照)を昇温リーダ34-2と言い、空調装置本体30の設定温度を下げる操作が割り当てられたリーダ34-3(図2参照)を降温リーダ34-3と言う。
通常モードは、これまで説明してきた制御部40の動作モードである。すなわち、通常モードは、タグ12が昇温リーダ34-2または降温リーダ34-3に近づけられた際に、タグ12が近づけられた昇温リーダ34-2または降温リーダ34-3に割り当てられた操作の指令を、制御部40が空調装置本体30に送信するモードである。
一方、多数決モードは、過去一定時間における昇温リーダ34-2と降温リーダ34-3のそれぞれにタグ12が近づけられた回数を比較して、回数が多かった方の操作の指令を、制御部40が空調装置本体30に送信するモードである。すなわち、多数決モードは、タグ12が昇温リーダ34-2または降温リーダ34-3に近づけられるたびに、操作の指令を空調装置本体30に送信するわけではなく、一定時間の間隔で操作の指令を空調装置本体30に送信するモードである。
通常モードと多数決モードの切り換えは、例えば図6の(No.5)に示すように、切換リーダ36を用いて、リーダ34-1,34-2のそれぞれに、通常モードと多数決モードを割り当てて、タグ12をそれらのリーダ34-1,34-2のいずれかに近づけることで、モードの切り換えができるようにする。
リモコン32の制御部40が多数決モードで動作する場合には、制御部40は、過去一定時間における、昇温リーダ34-2にタグ12が近づけられた回数に比べて、降温リーダ34-3にタグ12が近づけられた回数が多い時に、空調装置本体30の設定温度を予め定められた温度だけ下げる指令を空調装置本体30に送信する。また、制御部40は、過去一定時間における、昇温リーダ34-2にタグ12が近づけられた回数に比べて、降温リーダ34-3にタグ12が近づけられた回数が少ない時に、空調装置本体30の設定温度を予め定められた温度だけ上げる指令を空調装置本体30に送信する。以下、具体例を挙げて説明する。
図10Aは、リモコン32の記憶部52にある履歴情報66の一例を示す図である。履歴情報66は、操作日時、操作者(識別情報、社員番号)、および操作内容を対応づけた情報である。制御部40は、リーダ34から読取通知を受信した際に、その通知を受信した日時を操作日時とし、その通知に含まれる識別情報24を操作者とし、そのリーダ34に割り当てられた操作を操作内容として、履歴情報66を更新する。多数決モードの場合には、制御部40は、履歴情報66を用いて空調装置本体30に対する設定温度の指令を決定する。
制御部40は、図10Aに示すように、空調装置本体30の電源がオンにされてから一定時間(本実施形態では10分とする)が経過した段階で、履歴情報66から、過去一定時間(過去10分間)における昇温リーダ34-2にタグ12が近づけられた回数(以下、昇温操作がされた回数と言う)と、降温リーダ34-3にタグ12が近づけられた回数(以下、降温操作がされた回数と言う)とを取得する。
そして、制御部40は、図10Aのように、昇温操作がされた回数(4回)に比べて、降温操作がされた回数(1回)が少ない場合には、空調装置本体30の設定温度を予め定められた温度(本実施形態では1℃とする)だけ上げる指令を空調装置本体30に送信する。このように、電源がオンにされてから、一定時間後(10分後)に、設定温度の指令を空調装置本体30に送信する。
図10Bは、図10Aの履歴情報66の時点から、さらに10分が経過した際の履歴情報66の一例を示す図である。制御部40は、図10Bのように、さらに一定時間(10分)が経過した段階で、履歴情報66から、再度、過去一定時間(過去10分間)における昇温操作がされた回数と、降温操作がされた回数とを取得する。そして、制御部40は、図10Bのように、昇温操作がされた回数(1回)に比べて、降温操作がされた回数(2回)が多い場合には、空調装置本体30の設定温度を予め定められた温度(本実施形態では1℃とする)だけ下げる指令を空調装置本体30に送信する。このように、一定時間の間隔(10分間隔)で、設定温度の指令を空調装置本体30に送信する。
図10Cは、図10Bの履歴情報66の時点から、さらに10分が経過した際の履歴情報66の一例を示す図である。制御部40は、図10Cのように、過去一定時間(過去10分間)における昇温操作がされた回数(3回)と、降温操作がされた回数(3回)とが同じである場合には、設定温度の指令を空調装置本体30に送信しないようにする。
この実施形態の多数決モードによれば、多数の人によって操作がされる空調装置14において、その空調装置本体30の設定温度がより多くの人が満足するものとなる。
なお、多数決モードにおいて、同一の操作者が、短時間の間に昇温操作または降温操作を繰り返した際には、多数の人の意思が反映されない設定温度になってしまう虞がある。そのため、制御部40は、それぞれの一定時間(10分)において、同一の操作者により複数回の操作がされた際には、2回目以降の操作を無視するとしてもよい。なお、以上の説明では、一定時間が10分であったが、一定時間はそれに限定されるものではない。
10 空調システム、11 社員証、12 タグ(ICタグ)、14 空調装置、16 管理装置、20 記憶部、24 識別情報、28 室内機、30 本体(空調装置本体)、32 リモートコントローラ、34,34-1 リーダ(操作リーダ)、34-2 リーダ(操作リーダ,昇温リーダ)、34-3 リーダ(操作リーダ,降温リーダ)、36 リーダ(切換リーダ)、40 制御部(コントローラ)、42 ディスプレイ、50 プロセッサ、52 記憶部、60 割り当て情報、62 操作種類情報、64,64A 操作権限情報、66 履歴情報、70 プロセッサ、72 記憶部、90 人、92 部屋。
Claims (7)
- 空調装置本体に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダと、
予め定められたタグが複数の前記リーダのうちの1つに近づけられた際に、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信する制御部と、を備える、
ことを特徴とする空調装置。 - 請求項1に記載の空調装置において、
前記タグは、それを所持する人の識別情報を記憶しており、
前記制御部は、前記空調装置本体に対する操作権限を有する人の識別情報を含む操作権限情報を、前記制御部の内部または外部から取得し、
前記制御部は、
前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、
受信した前記識別情報が前記操作権限情報に含まれる場合には、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、
受信した前記識別情報が前記操作権限情報に含まれない場合には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、
ことを特徴とする空調装置。 - 請求項1に記載の空調装置において、
前記タグは、それを所持する人の識別情報を記憶しており、
前記制御部は、各識別情報に対応させた、前記空調装置本体に対する複数種類の操作ごとの操作権限を示す操作権限情報を、前記制御部の内部または外部から取得し、
前記制御部は、
前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、
前記操作権限情報において、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の権限が、受信した前記識別情報に与えられている場合には、その操作の指令を前記空調装置本体に送信し、
前記操作権限情報において、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の権限が、受信した前記識別情報に与えられていない場合には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、
ことを特徴とする空調装置。 - 請求項1に記載の空調装置において、
複数の前記リーダはそれぞれ、操作リーダであり、
前記空調装置は、前記操作リーダとは異なる切換リーダをさらに備え、
前記制御部は、
前記タグが前記切換リーダに近づけられた際に、前記操作リーダに、その前に割り当てられていた前記空調装置本体に対する操作とは別の操作を割り当てる、
ことを特徴とする空調装置。 - 請求項1に記載の空調装置において、
複数の前記リーダは、前記空調装置本体の設定温度を上げる操作が割り当てられた昇温リーダと、前記空調装置本体の設定温度を下げる操作が割り当てられた降温リーダと、を含む、
ことを特徴とする空調装置。 - 請求項5に記載の空調装置において、
前記制御部は、通常モードと多数決モードを含む複数のモードにより動作し、
前記制御部が通常モードで動作する場合には、
前記制御部は、前記タグが前記昇温リーダまたは前記降温リーダに近づけられた際に、前記タグが近づけられた前記昇温リーダまたは前記降温リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、
前記制御部が多数決モードで動作する場合には、
前記制御部は、過去一定時間における、前記昇温リーダに前記タグが近づけられた回数に比べて、前記降温リーダに前記タグが近づけられた回数が多い時に、前記空調装置本体の設定温度を予め定められた温度だけ下げる指令を前記空調装置本体に送信し、かつ、
前記制御部は、前記過去一定時間における、前記昇温リーダに前記タグが近づけられた回数に比べて、前記降温リーダに前記タグが近づけられた回数が少ない時に、前記空調装置本体の設定温度を予め定められた温度だけ上げる指令を前記空調装置本体に送信する、
ことを特徴とする空調装置。 - 人の識別情報が記憶されたタグと、
空調装置本体、前記空調装置本体に対する複数種類の操作のそれぞれが割り当てられた複数のリーダ、および前記空調装置本体に指令を送信する制御部を有する空調装置と、
前記空調装置本体に対する操作権限を有する人の識別情報を含む操作権限情報を記憶する管理装置と、を備え、
前記空調装置の前記制御部は、
前記タグが1つの前記リーダに近づけられた際に、そのリーダを介して前記タグからそれに記憶された前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報を前記管理装置に転送し、
前記管理装置は、
転送された前記識別情報が前記操作権限情報に含まれているか否かを確認し、それが前記操作権限情報に含まれている場合には、操作許可通知を前記空調装置の前記制御部に送信し、それが前記操作権限情報に含まれていない場合には、操作不許可通知を前記空調装置の前記制御部に送信し、
前記空調装置の前記制御部は、
前記操作許可通知を受信した際には、前記タグが近づけられた前記リーダに割り当てられた操作の指令を前記空調装置本体に送信し、
前記操作不許可通知を受信した際には、操作の指令を前記空調装置本体に送信しない、
ことを特徴とする空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021066390A JP2022161510A (ja) | 2021-04-09 | 2021-04-09 | 空調装置および空調システム |
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JP2021066390A Pending JP2022161510A (ja) | 2021-04-09 | 2021-04-09 | 空調装置および空調システム |
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2021
- 2021-04-09 JP JP2021066390A patent/JP2022161510A/ja active Pending
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