JP2022161208A - ディスプレイ用封止剤 - Google Patents

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正嘉 武藤
Masayoshi Muto
香津美 小淵
Katsumi Kofuchi
正弘 内藤
Masahiro Naito
昌博 木田
Masahiro Kida
理子 植原
Masako Uehara
拓哉 安達
Takuya Adachi
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Abstract

【課題】本発明は、フレキシブルディスプレイや湾曲形状のディスプレイにも適用できるディスプレイ用封止剤に関する。より詳細には、硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、硬化性化合物の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤に関するものであり、柔軟性と低透湿性を両立し、接着性にも優れるディスプレイ用封止剤を提供する。【解決手段】(A)硬化性化合物と(B)重合開始剤とを含有し、成分(A)の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルディスプレイや湾曲形状のディスプレイにも適用できるディスプレイ用封止剤に関する。このディスプレイ用封止剤は、柔軟性と低透湿性を両立できるものである為、特にフレキシブルディスプレイや湾曲形状のディスプレイ用封止剤として有用である。
また、本発明のように柔軟性に富んだ封止剤は、被着体との接着性に優れる為、高接着強度が要求される用途においても有用である。
ディスプレイ用封止剤とは、例えば液晶ディスプレイ用シール剤、有機ELディスプレイ用封止剤やタッチパネル用接着剤等を挙げることができる。これらの材料として共通していることは、優れた硬化性を有しながら、アウトガスが少なく、表示素子にダメージを与えないという特性が要求される点である。
また最近では、湾曲した形状のディスプレイや、フレキシブル性に富んだディスプレイが開発され製品化されている。こういったディスプレイに使用される基板は、従来のガラスのような剛直なものに代わって、プラスチックフィルムのような柔軟なものが使用されている(特許文献1)。
こういった背景から、ディスプレイ用封止剤には基板等のたわみに追従するような、すなわち硬化後においても柔軟であるという性質が要求されつつある。
また、柔軟性に優れる封止剤は、接着強度においても有利である。例えば、衝撃による剥離や機材破壊を軽減することができる。この観点からも、封止剤に対する柔軟性付与という要求は高くなっている。
一方、硬化物の柔軟性を高めるためには、硬化物の架橋密度を下げることが有効な手段である。しかし、架橋密度が下がると透湿性を悪化させるのが通常である。これは硬化物の架橋ネットワークの緩い部分から水分が侵入するためと考えられる。従って、低透湿性を担保する為には、架橋密度を下げずに柔軟性を高めるか、架橋密度は下げるが透湿性を悪化させないという、相反する特性の実現が必要となる。
従来、接着強度向上の観点から、柔軟性を有する表示素子用接着剤の開発は行われてきた(特許文献2)。しかし、上記の柔軟な基板に適応するための十分な性能を備えたものは未だ実現していない。
特開2012-238005号公報 特開2016-24240号公報
本発明は、フレキシブルディスプレイや湾曲形状のディスプレイにも適用できるディスプレイ用封止剤に関する。より詳細には、硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、硬化性化合物の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤に関するものであり、柔軟性と低透湿性を両立し、接着性にも優れるディスプレイ用封止剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、硬化性化合物と重合開始剤とを含有し、硬化性化合物の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤が柔軟性と低透湿性を両立し、接着性にも優れることを見出し、本発明に至ったものである。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する。
即ち本発明は、次の[1]~[12]に関するものである。
[1]
(A)硬化性化合物と(B)重合開始剤とを含有し、成分(A)の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤。
[2]
前記成分(A)の(メタ)アクリル当量が400g/eq以上600g/eq以下である前項[1]に記載のディスプレイ用封止剤。
[3]
前記成分(A)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する前項[1]または[2]に記載のディスプレイ用封止剤。
[4]
前記ウレタン(メタ)アクリレートが、芳香環を有するポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する前項[3]に記載のディスプレイ用封止剤。
[5]
前記芳香環を有するポリオールが、ポリオールと芳香環を有する二塩基酸又はその無水物とからなるものである前項[4]に記載のディスプレイ用封止剤。
[6]
前記成分(A)として、部分エポキシ(メタ)アクリレートを含有する前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
[7]
更に、成分(C)有機フィラーを含有する前項[1]乃至[6]のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
[8]
前記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである前項[7]に記載のディスプレイ用封止剤。
[9]
更に、成分(D)熱硬化剤を含有する前項[1]乃至[8]のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
[10]
前記成分(B)として、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤を含有する前項[1]乃至[9]のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
[11]
液晶滴下工法用液晶シール剤である、前項[1]乃至[10]のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
[12]
前項[11]に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶ディスプレイ。
本発明のディスプレイ用封止剤は、柔軟性と低透湿性を両立し、接着性にも優れるディスプレイ用封止剤を提供することができる。
本発明のディスプレイ用封止剤は、(A)硬化性化合物(以下、単に「成分(A)」ともいう。)と(B)重合開始剤(以下、単に「成分(B)」ともいう。)とを含有し、硬化性化合物の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下である。
[(A)硬化性化合物]
成分(A)としては、光や熱等によって硬化する化合物であれば特に限定されないが、(メタ)アクリレートである場合が好ましく、例えば、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂等が挙げられる。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートは、分子内にウレタン結合を有するものであれば、特に限定されないが、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートからなるものである場合が好ましく、ポリオールは芳香環を有する場合がさらに好ましい。この場合、ウレタン構造特有の柔軟な骨格を有し、さらにポリオール成分として芳香環を有するため、硬化物が柔軟かつ低透湿性の特性を有し、ガラス基板だけでなく配向膜上においても高い接着強度を有するためである。
柔軟性については、硬化物の弾性率を指標とすることができる。紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に130℃40分の条件で硬化させた100μmの厚みの硬化物の弾性率としては室温(25℃)において400以上3200MPa以下であることが好ましく、500以上3000MPa以下であることが更に好ましく、800以上2800MPa以下であることが特に好ましく、1000以上2600MPa以下であることが最も好ましい。上記範囲のディスプレイ接着剤は、ディスプレイに掛かる応力に追従することができることから好ましいと言える。
透湿性については、300μmの厚みの硬化物の60℃90%RH環境下における透湿度が60g/m*24h以下であることが好ましく、55g/m*24h以下であることがさらに好ましく、50g/m*24h以下であることが特に好ましい。
接着性については、配向膜上で2.0kg以上であることが好ましく、2.1kg以上であることがさらに好ましく、2.2kg以上であることが特に好ましい。なお、本願の接着試験は配向膜液として日産化学株式会社製NRB-U738を使用して行った。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートを常法で合成することにより得ることができる。
ポリオールの水酸基1当量に対して、有機ポリイソシアネートのイソシアネート基1.1~2.0当量を反応させることが好ましく、1.3~2.0当量を反応させることが特に好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
ポリオールと有機ポリイソシアネートとの反応物中のイソシアネート基1当量あたり、水酸基含有(メタ)アクリレート中の水酸基0.95~1.1当量を反応させることが好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
ポリオールの具体例としては、トリシクロデカンジメタノール、水素化ポリブタジエンポリオール、ダイマージオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオール、1-メチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)プロポキシジオール等のジオール、これらジオールと二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルポリオール等を挙げることができる。
これらの中で好ましくは、ポリエステルポリオール、および芳香環を有するポリオールであり、特に好ましくは芳香環を有するポリエステルポリオールである。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環などの芳香族炭化水素環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などの芳香族複素環が挙げられ、好ましくはベンゼン環またはナフタレン環である。
芳香環を有するポリエステルポリオールは、二塩基酸又はその無水物が芳香環を有するときが好ましく、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、オルソフタル酸又はその無水物等を挙げることができる。なお、ポリオールは単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。
有機ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’-シクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3、3’-ジメチル-4,4’-ジフェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。好ましくは、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートであり、特に好ましくは芳香環を有するトリレンジイソシアネートである。
水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクトン付加物、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
[(メタ)アクリレート]
(メタ)アクリルエステルの具体例としては、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルジアクリレートやネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルのε-カプロラクトン付加物のジアクリレート等のモノマー類を挙げることができる。好ましくは、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性の観点から適切に選択される。
なお、エポキシ基の一部をアクリルエステル化する部分エポキシ(メタ)アクリレートが好適に使用される。この場合のアクリル化の割合は、30~70%であることが好ましく、40~60%であることがさらに好ましい。
[エポキシ樹脂]
本発明の態様として、上記成分(A)中に、さらにエポキシ樹脂が含有される場合が
好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。
成分(A)の好ましい含有量は、ディスプレイ用封止剤総量中、通常20~90質量%、好ましくは40~85質量%、さらに好ましくは50~80質量%である。
硬化性化合物の水素結合性官能基濃度は、硬化性化合物の水素結合性官能基の数を分子量で除すことによって求められる。
水素結合性官能基とは、水素結合性を有する官能基又は残基等であり、具体的には、-OH基、-NH基、-NHR基(Rは、脂肪族炭化水素、芳香族、これらの誘導体を表す)、-CONH基、-NHOH基や、硬化性化合物中に存在する-NHCO-結合、-NH-結合、-CONHCO-結合、-NH-NH-結合の残基を有する官能基等が挙げられる。これらの中で本発明における水素結合性官能基としては、-OH基や-NHCO-結合が最も好ましく挙げられる。
硬化性化合物の水素結合性官能基濃度は、下記式(1)の計算式で求めることができる。その単位はmol/gである。
水素結合性官能基濃度[mol/g]={一分子中に含まれる水素結合性官能基の数/分子量[g/mol]} ・・・式(1)
各硬化性化合物の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によってポリスチレンを標準として測定することが好ましい。この場合、数平均分子量と重量平均分子量とが算出されるが、水素結合性官能基濃度は重量平均分子量により算出されることが好ましい。
下記式(2)のような硬化性化合物が繰り返し構造を持つ場合、水素結合性官能基数の数は下記式(3)で表される。
M-(A-B)n-M ・・・式(2)
(ここでMは末端基、A及びBは構造式、nが繰り返しを示す。)
水素結合性官能基数=(xNA×X+yNB×Y)×(重量平均分子量-Mm)/(xA×X+yB×Y) ・・・式(3)
(ここで、xAはAの構造の分子量、yBはBの構造の分子量、Mmは末端基の分子量、Xは構造式中に含まれるAの比率、Yは構造式中に含まれるBの比率、xNA=Aの構造に含まれる水素結合性官能基の数、yNB=Bの構造に含まれる水素結合性官能基の数を表す。)
本発明の硬化性化合物として、複数種の化合物を用いるときは以下のようにして水素結合性官能基濃度を算出する。例えば、化合物Cと化合物Dとを併用して作られる硬化性化合物の水素結合性官能基濃度は、下記式(4)で求められる。
硬化性化合物の水素結合性官能基濃度=(化合物Cの水素結合性官能基濃度×c+化合物Dの水素結合性官能基濃度×d)/硬化性化合物の全体重量 ・・・式(4)
(ここで、cは化合物Cの添加量、dは化合物Dの添加量を表す。)
好ましい水素結合性官能基濃度は、0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であり、さらに好ましくは0.0020mol/g以上0.0040mol/g以下である。
水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g未満であると、弾性率が低下し、透湿性が悪化しやすくなる。また、水素結合性官能基濃度が0.0045mol/gより大きくなると、保存安定性が損なわれる。
硬化性化合物の(メタ)アクリル当量は、硬化性化合物の分子量を分子内の(メタ)アクリル基の数で除すことによって求められ、その単位はg/eqである。各硬化性化合物の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によってポリスチレンを標準として測定することが好ましい。この場合、数平均分子量と重量平均分子量とが算出されるが、(メタ)アクリル当量は重量平均分子量により算出されることが好ましい。
本発明の硬化性化合物として、複数種の化合物を用いるときは以下のようにして(メタ)アクリル当量を算出する。例えば、化合物Cと化合物Dとを併用して作られる硬化性化合物の(メタ)アクリル当量は、下記式(5)で求められる。
硬化性化合物の(メタ)アクリル当量=硬化性化合物の全体重量/(c/化合物Cの(メタ)アクリル当量+d/化合物Dの(メタ)アクリル当量) ・・・式(5)
(ここで、cは化合物Cの添加量、dは化合物Dの添加量を表す。)
好ましい(メタ)アクリル当量は、400g/eq以上600g/eq以下であり、さらに好ましくは420g/eq以上580g/eq以下、特に好ましくは440g/eq以上520g/eq以下、最も好ましくは450g/eq以上500g/eq以下である。
(メタ)アクリル当量が400g/eq未満になると、硬化収縮によって接着強度が低下する。また、(メタ)アクリル当量が600g/eqより大きくなると、架橋密度が下がり透湿性が悪化する。
本発明のディスプレイ用封止剤は、成分(B)として、重合開始剤を含有する(以下、単に「成分(B)」ともいう。)。成分(B)は成分(A)の硬化反応を開始するものであれば限定されないが、具体的には、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。
[光ラジカル重合開始剤]
光ラジカル重合開始剤としては、紫外線や可視光の照射によって、ラジカルや酸を発生し、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2-エチルアンスラキノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-メチル-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-1-プロパン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスヒンオキサイド、カンファーキノン、9-フルオレノン、ジフェニルジスルヒド等を挙げることができる。具体的には、IRGACURERTM651、184、2959、127、907、369、379EG、819、784、754、500、OXE01、OXE02、OXE03、OXE04、DAROCURERTM1173、LUCIRINRTMTPO(いずれもBASF社製)、セイクオールRTMZ、BZ、BEE、BIP、BBI(いずれも精工化学株式会社製)、カヤキュアーDETX-S(日本化薬株式会社製)等を挙げることができる。これらの中で、好ましくは、オキシムエステル系開始剤であるIRGACURERTMOXE01、OXE02、OXE03、OXE04、およびチオキサントン系開始剤であるカヤキュアーDETX-Sである。
さらに、オキシムエステル系開始剤とチオキサントン系開始剤を併用することにより即硬化性と遮光部硬化性を両立でき、可視光でも硬化できることから好ましい。
本発明のディスプレイ用封止剤において、光ラジカル重合開始剤を使用する場合には、ディスプレイ用封止剤総量中、通常0.001~3質量%、好ましくは0.01~2質量%である。
[熱ラジカル重合開始剤]
熱ラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH-50L、BC-FF、カドックスB-40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22-70E、23-C70、121、121-50E、121-LS50E、21-LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP-70、TMPO-70、CND-C70、OO-50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC-75、AIC-75(化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、TMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND(日油株式会社製)などが市販品として入手可能である。
また、アゾ化合物としては、VA-044、086、V-070、VPE-0201、VSP-1001(和光純薬工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。
熱ラジカル重合開始剤の含有量としては、本発明のディスプレイ用封止剤の総量中、0.0001~10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005~3質量%であり、0.001~1質量%が特に好ましい。
[(C)有機フィラー]
本発明のディスプレイ用封止剤は、成分(C)として有機フィラー(以下、単に「成分(C)」ともいう。)を含有しても良い。上記有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子及びシリコーン微粒子が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP-594、KMP-597、KMP-598(信越化学工業製)、トレフィルRTME-5500、9701、EP-2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB-800T、HB-800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn-ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF-351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。本発明のディスプレイ用封止剤において、成分(C)を使用する場合には、ディスプレイ用封止剤の総量中1~30質量%であることが好ましく、2~10質量%であることがさらに好ましい。
[(D)熱硬化剤]
本発明のディスプレイ用封止剤は、成分(D)として熱硬化剤(以下、単に「成分(D)」ともいう。)を添加して、反応性の向上を図ることができる。
成分(D)としては、例えば、分子内に芳香環に結合したカルボキシ基を有する化合物、多価アミン類、多価フェノール類、有機酸ヒドラジド等を挙げることができる。ただしこれらに限定されるものではない。例えば、芳香族ヒドラジドであるテレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6-ピリジンジヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8-ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等をあげることが出来る。また、脂肪族ヒドラジドであれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4-シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’-ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボノエチル)-5-イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等をあげることができる。硬化反応性と潜在性のバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートであり、特に好ましくはトリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレートである。
成分(D)としては分子内に芳香環に結合したカルボキシ基を有する化合物を使用することが好ましく、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸、チオサリチル酸、テレフタル酸、シトラジン酸、4-アミノ安息香酸、4-(アミノメチル)安息香酸、2-メルカプトニコチン酸を挙げることができる。
成分(D)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明のディスプレイ用封止剤において、成分(D)を使用する場合には、ディスプレイ用封止剤総量中0.1~10質量%であることが好ましく、0.1~5質量%であることがさらに好ましい。
本発明のディスプレイ用封止剤は、硬化触媒を添加して、さらに反応性の向上を図ることができる。硬化触媒としては、アミン類やイミダゾール類を挙げることができるが、イミダゾール類が特に好適である。イミダゾール類としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル-4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
[(O)その他成分]
本発明のディスプレイ用封止剤には、さらに必要に応じて、無機フィラー、シランカップリング剤、ラジカル重合防止剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を配合することができる。
[無機フィラー]
上記無機フィラーとしては、シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムが挙げられるが、好ましくはシリカ、アルミナ、タルクである。これら無機フィラーは2種以上を混合して用いても良い。
無機フィラーの平均粒子径は、大きすぎると狭ギャップの液晶表示セル製造時に上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない等の不良要因となるため、2000nm以下が適当であり、好ましくは1000nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。また好ましい下限は10nm程度であり、さらに好ましくは100nm程度である。粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS-30)により測定することができる。
本発明のディスプレイ用封止剤において、無機フィラーを使用する場合には、ディスプレイ用封止剤の総量中、通常5~50質量%、好ましくは5~40質量%である。無機フィラーの含有量が5質量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。又、無機フィラーの含有量が50質量%より多い場合、フィラー含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう場合がある。
[シランカップリング剤]
上記シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。本発明のディスプレイ用封止剤において、シランカップリング剤を使用する場合には、ディスプレイ用封止剤総量中、0.05~3質量%が好適である。
[ラジカル重合防止剤]
上記ラジカル重合防止剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等から発生するラジカルと反応して重合を防止する化合物であれば特に限定されるものではなく、キノン系、ピペリジン系、ヒンダードフェノール系、ニトロソ系等を用いることができる。具体的には、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、2-メチルナフトキノン、2-メトキシナフトキノン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-フェノキシピペリジン-1-オキシル、ハイドロキノン、2-メチルハイドロキノン、2-メトキシハイドロキノン、パラベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルクレゾール、ステアリルβ-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β―(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン]、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-sec-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、パラメトキシフェノール、4-メトキシ-1-ナフトール、チオジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンのアルミニウム塩、商品名アデカスタブLA-81、商品名アデカスタブLA-82(株式会社アデカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちナフトキノン系、ハイドロキノン系、ニトロソ系、ピペラジン系のラジカル重合防止剤が好ましく、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、ハイドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-P-クレゾール、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が更に好ましく、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が最も好ましい。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明のディスプレイ用封止剤総量中、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.5質量%が更に好ましく、0.01~0.2質量%が特に好ましい。
本発明のディスプレイ用封止剤を得る方法の一例としては、次に示す方法がある。まず、成分(A)、成分(B)を加熱溶解する。次いで室温まで冷却後、必要に応じて成分(C)、(D)、無機フィラー、シランカップリング剤、消泡剤、及びレベリング剤、溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過することにより本発明のディスプレイ用封止剤を製造することができる。
また、本発明のディスプレイ用封止剤は、液晶表示セル用接着剤として、特に液晶シール剤として非常に有用である。本発明のディスプレイ用封止剤を液晶シール剤として用いた場合の、液晶表示セルについて、以下に例を示す。
本発明の液晶表示セル用接着剤を用いて製造される液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサ(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、またはスクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80~120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。また光熱併用型として使用する場合は、紫外線照射機により液晶シール剤部に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500~6000mJ/cm、より好ましくは1000~4000mJ/cm(測定波長:365nm)の照射量が好ましい。その後必要に応じて、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2~8μm、好ましくは4~7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100質量部に対し通常0.1~4質量部、好ましくは0.5~2質量部、更に、好ましくは0.9~1.5質量部程度である。
本発明のディスプレイ用封止剤は、硬化性、異なる被着体への接着性、耐湿熱信頼性の要求される分野の接着剤用途の使用に非常に適するものである。例えば液晶シール剤、有機EL用封止剤、タッチパネル用接着剤である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
重量平均分子量は下記条件のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。
機種:TOSOH HLC-8320GPC(東ソー)
分析カラム:TSKgel SuperMultipore HZ-M
溶離液:THF(テトラヒドロフラン);0.35ml/分、温度40℃
検出器:示差屈折計
分子量標準:ポリスチレン
[合成例1]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、1,9-ノナンジオールとメチルオクタンジオールとアジピン酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製O-1010、水酸基価113.5mgKOH/g)351.25g、メチルペンタンジオールとアジピン酸、イソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-1012、水酸基価114.6mgKOH/g)347.88gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)197.99gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)101.98g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6900のウレタンアクリレート(A)を得た。
[合成例2]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製プラクセル210、水酸基価113.1mgKOH/g)352.06gと、メチルペンタンジオールとアジピン酸、イソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-1012、水酸基価114.6mgKOH/g)347.45gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)197.74gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)101.85g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量5200のウレタンアクリレート(B)を得た。
[合成例3]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとアジピン酸、イソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2012、水酸基価54.6mgKOH/g)776.99gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)131.68gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)90.43g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6300のウレタンアクリレート(C)を得た。
[合成例4]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとセバシン酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2050、水酸基価56.8mgKOH/g)620.4gと、トリシクロデカンジメタノール(セラニーズ社製TCDアルコールDM、分子量196.3)61.6g、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)196.9gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.9g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)120.2g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.5gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量5780のウレタンアクリレート(D)を得た。
[合成例5]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとセバシン酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2050、水酸基価58.1mgKOH/g)724.7gと、トリシクロデカンジメタノール(セラニーズ社製TCDアルコールDM、分子量196.3)31.56g、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)178.73gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)64.11g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量11100のウレタンアクリレート(E)を得た。
[合成例6]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、1,9-ノナンジオールとメチルオクタンジオールとアジピン酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製O-2010、水酸基価56.2mgKOH/g)744.2g、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)165.7gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量プラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.8g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)89.2g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.5gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量10630のウレタンアクリレート(F)を得た。
[合成例7]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製プラクセル220、水酸基価56.7mgKOH/g)1979.2gと、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)400.1gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)1.3g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)191.4g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.8gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量11070のウレタンアクリレート(G)を得た。
[合成例8]
市販ベンゾピナコール(東京化成工業株式会社製)100部(0.28モル)をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部(0.4モル)、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業株式会社製)150部(0.58モル)を加え70℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた反応液を冷却し、攪拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させると共に未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物をろ別分離した後十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
[実施例1~12、比較例1~6]
下記表1に示す割合で成分(A)、(B)、(O)を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、成分(C)、(D)、(O)を添加し、攪拌した後、3本ロールミルにて分散させ、金属メッシュ(635メッシュ)で濾過し、ディスプレイ用封止剤を調製した。
[評価]
[接着強度]
ガラス基板に配向膜液(日産化学株式会社製:NRB-U738)をスピンコートし、80℃ホットプレートで3分仮焼きを行い230℃オーブンで30分焼成した。さらに、この配向膜付き基板をUV照射機により500mJ/cm(測定波長:254nm)の紫外線を照射させ、さらに230℃オーブンで30分焼成した。
実施例及び比較例で製造されたディスプレイ用封止剤100gにスペーサとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。配向膜を塗布したガラス基板上に、このディスプレイ用封止剤を1cm×1cmのコーナー部分を再現する形で塗布し、対向の配向膜塗布基板を貼り合わせUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させた。その配向膜塗布ガラス基板の引き剥がし接着強度をボンドテスター(西進商事株式会社製:SS-30WD)にて、コーナー部分を押す形で測定した。結果を表1、表2に示す。
[透湿度]
実施例及び比較例で製造されたディスプレイ用封止剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み300μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。サンプルの60℃90%での透湿度を透湿度測定機(Lessy社製:L80-5000)にて測定した。結果を表1、表2に示す。
[弾性率]
実施例及び比較例で製造されたディスプレイ用封止剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。サンプルをテンシロン万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTG-1210)を用いて、室温(25℃)下、試験速度5mm/分で引張試験を行い測定した。結果を表1、表2に示す。
[保存安定性]
実施例及び比較例で製造されたディスプレイ用封止剤を、ディスペンス用シリンジ内の質量が2gになるよう秤量した後、脱泡処理をし、E型粘度計(東機産業株式会社製:RE105)の測定カップにディスプレイ用封止剤を0.15mL加えた。温度25℃、コーン3°×R7.7の条件でプレヒートとして120秒放置した後、回転数5rpmで180秒後の値を測定した。初期の粘度aを測定した。次いで、23℃50%RHで1週間保存した後の、ディスプレイ用封止剤の粘度bを再度測定した。初期粘度aに対する1週間後の粘度bの上昇率を、(b-a)/aとした。粘度安定性は以下の基準で評価した。結果を表1、表2に示す。
〇:粘度上昇率が1.3倍以下
△:粘度上昇率が1.3倍を超え1.4倍以下
×:粘度上昇率が1.4倍を超える
Figure 2022161208000001
Figure 2022161208000002
Figure 2022161208000003
表1、2の結果より、本発明のディスプレイ用封止剤は、柔軟性と低透湿を両立し、接着強度、保存安定性にも優れることが確認された。
本発明のディスプレイ用封止剤は、被着体との接着強度に優れ、柔軟性と低透湿性を両立している為、特に有機膜との接着性が要求されるディスプレイやフレキシブルディスプレイ、湾曲形状のディスプレイ用封止剤として有用である。

Claims (12)

  1. (A)硬化性化合物と(B)重合開始剤とを含有し、成分(A)の水素結合性官能基濃度が0.0018mol/g以上0.0045mol/g以下であるディスプレイ用封止剤。
  2. 前記成分(A)の(メタ)アクリル当量が400g/eq以上600g/eq以下である請求項1に記載のディスプレイ用封止剤。
  3. 前記成分(A)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項1または2に記載のディスプレイ用封止剤。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレートが、芳香環を有するポリオールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応して得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項3に記載のディスプレイ用封止剤。
  5. 前記芳香環を有するポリオールが、ポリオールと芳香環を有する二塩基酸又はその無水物とからなるものである請求項4に記載のディスプレイ用封止剤。
  6. 前記成分(A)として、部分エポキシ(メタ)アクリレートを含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
  7. 更に、成分(C)有機フィラーを含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
  8. 前記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである請求項7に記載のディスプレイ用封止剤。
  9. 更に、成分(D)熱硬化剤を含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
  10. 前記成分(B)として、光ラジカル重合開始剤または熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
  11. 液晶滴下工法用液晶シール剤である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のディスプレイ用封止剤。
  12. 請求項11に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶ディスプレイ。

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