JP2022160287A - 超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂 - Google Patents

超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】生体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有し、超音波の減衰量が小さい音響レンズを提供すること。【解決手段】実施形態に係る超音波プローブ用組成物は、ビニル基を有するシリコーンと、過酸化物と、無機フィラーとを含む。前記無機フィラーの密度は、10g/cm3以上であり、前記無機フィラーの平均粒径は、1μm以上である。【選択図】図2

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂に関する。
超音波診断装置は、超音波の送受信を行う超音波プローブを用いて、生体内の画像化を行う医用画像診断装置である。超音波プローブは、分解能を向上させるため、圧電素子が発生した超音波を屈折させてスライス方向に集束する音響レンズを有する。音響レンズは、被検体の体表面に当接される超音波プローブの先端部分に設けられる。生体と直接接触する音響レンズの材料は、生体内に超音波が効率良く入射できるように、生体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有することが求められる。更に、音響レンズの材料は、超音波を高感度で送受信するために、超音波の減衰量が小さいことが求められる。
かかる音響特性を有する音響レンズの材料の1つとして、生体適合性に優れたシリコーン樹脂をベースとする超音波プローブ用シリコーン樹脂が用いられている。シリコーン樹脂の音響インピーダンスは生体の音響インピーダンスより小さいことから、フィラーの添加により密度を増加させて、生体の音響インピーダンスに近い超音波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。ただし、フィラーの添加により超音波減衰量が大きくなるため、従来、フィラーの種類や含有量等の検討が行われている。
例えば、硬化前のシリコーン樹脂に、無機フィラーとして炭化タングステンを添加した超音波プローブ用組成物を作製し、この組成物を硬化させることで、上述した2つの音響特性を有する超音波プローブ用シリコーン樹脂が得られることが知られている。また、近年、超音波診断装置には更なる高感度化が求められており、超音波プローブ用シリコーン樹脂も、更なる超音波減衰量の低下が求められている。
特開2016-107076号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、生体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有し、超音波の減衰量が小さい音響レンズを提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る超音波プローブ用組成物は、ビニル基を有するシリコーンと、過酸化物と、無機フィラーとを含む。前記無機フィラーの密度は、10g/cm以上であり、前記無機フィラーの平均粒径は、1μm以上である。
図1は、実施形態に係る超音波プローブの構成例を示す図である。 図2は、実施形態に係る超音波プローブ用組成物の概要図である。
以下、図面を参照して、超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂が用いられる超音波プローブ100の構成例を説明する。図1は、実施形態に係る超音波プローブ100の構成例を示す図である。超音波プローブ100は、被検体に対して超音波を送信するとともに、被検体内で反射された反射波(エコー)を受信し、電気信号(受信信号)に変換し、超音波診断装置(装置本体)に送信する。例えば、超音波プローブ100は、振動子アレイ110、整合層120、バッキング層130、及び音響レンズ140を有する。
振動子アレイ110は、複数の振動子(圧電素子)を有し、超音波診断装置から供給される駆動信号に基づいて、超音波を発生する。また、振動子アレイ110は、被検体内で反射した超音波(反射波)を受信し、受信信号に変換する。超音波診断装置は、受信信号に基づいて、生体内が映像化された超音波画像を生成する。
整合層120は、振動子の音響インピーダンスと被検体(生体)の音響インピーダンスとの差を少なくして、超音波を効率よく送受信するために設けられる。整合層120は、振動子と生体との中間的な音響インピーダンスを持つ物質で構成される。
バッキング層130は、振動子アレイ110から後方(超音波の送信方向とは反対の方向)へ伝播する超音波を減衰させる部材である。
音響レンズ140は、屈折を利用して超音波をスライス方向に集束させることで、分解能を向上させる。音響レンズ140は、被検体の体表面に当接され、超音波プローブ100の先端部分に設けられる。音響レンズ140は、被検体の体表面に当接される超音波プローブの先端部分に設けられる。
音響レンズ140の材料は、超音波が生体表面で反射されず、生体内に効率良く入射できるよう、生体の音響インピーダンス(1.4~1.7Mrayl)に近い音響インピーダンスを有することが求められる。更に、音響レンズ140の材料は、超音波を高感度で送受信するために、超音波の減衰量が小さいことが求められる。
また、近年、超音波診断装置には更なる高感度化が求められており、高精細な超音波画像を得るため、中心周波数が高い高周波プローブが超音波プローブ100として用いられる。周波数が高い程、超音波は減衰しやすくなるので、音響レンズ140の材料も、更なる超音波減衰量の低下が求められている。
本実施形態に係る音響レンズ140の材料は、生体適合性に優れたシリコーン樹脂をベースとする超音波プローブ用シリコーン樹脂である。具体的には、本実施形態に係る超音波プローブ用シリコーン樹脂は、無機フィラーが添加されたシリコーン樹脂であり、以下に説明する超音波プローブ用組成物を硬化することで得られる。
<<超音波プローブ用組成物>>
実施形態に係る超音波プローブ用組成物は、ビニル基を有するシリコーンと、過酸化物と、無機フィラーとを含む。過酸化物は、組成物の硬化のために添加される。無機フィラーは、生体に合わせた音響インピーダンスにするために添加される。そして、本実施形態では、無機フィラーの密度は、10g/cm以上であり、無機フィラーの平均粒径は、1μm以上である。
かかる組成の超音波プローブ用組成物を用いることで、生体内に超音波が効率的に入射でき、超音波を高感度で送受信できる音響レンズ140を実現することができる。以下、超音波プローブ用組成物が含有する個々の成分について説明する。
<ビニル基を有するシリコーン>
実施形態に用いられるビニル基を有するシリコーンは、ポリオルガノシロキサンであり、分子鎖中に2個以上のビニル基を有する。以下、ビニル基を有するシリコーンを、ポリオルガノシロキサンとも称する。該ポリオルガノシロキサンは、シロキサンの主鎖のケイ素原子に対して、側鎖もしくは末端にメチル基、エチル基、フェニル基のいずれかを有しており、更に、末端もしくは一部の側鎖について、ビニル基に置換されている構造を有する。
ポリオルガノシロキサンのビニル基の含有量は、特に限定されないが、シリコーン樹脂としての架橋構造を形成する観点から、例えば、0.01~5モル%が好ましい。ここで、ビニル基の含有量とは、ポリオルガノシロキサンを構成する全シロキサンユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。
<過酸化物>
ポリオルガノシロキサンは、過酸化物を用いたラジカル反応により、架橋構造が形成されて硬化し、その結果、超音波プローブ用組成物は、超音波プローブ用シリコーン樹脂に変化する。過酸化物は、ポリオルガノシロキサンを硬化可能であれば特に限定されてないが、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンや、p-メチルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド等が含まれる。過酸化物の添加量は、例えば、ポリオルガノシロキサン100質量部に対して0.3~5質量部の範囲内であることが好ましい。
<無機フィラー>
超音波プローブ用組成物に含める無機フィラーの量に応じて、シリコーン樹脂の音響インピーダンスを生体に合わせた1.4~1.7Mraylに調整できる。図2は、実施形態に係る超音波プローブ用組成物の概要図である。図2に示すように、無機フィラー2は、超音波プローブ用組成物1の中で、ランダムに分散している。
実施形態に用いられる無機フィラーは、上述したように、密度が10g/cm以上であり、且つ、平均粒径が1μm以上である。
実施形態に用いられる無機フィラーの種類は、密度が10g/cm以上であれば特に限定されない。無機フィラーの種類は、例えば、モリブデン(密度:10.28g/cm)、炭化タングステン(15.63g/cm)、タングステン(密度:19.25g/cm3)が挙げられる。また、実施形態に用いられる無機フィラーは、1種類、又は、複数種類を併用しても良い。
無機フィラーの密度は、トルエン溶剤により超音波プローブ用組成物から無機フィラーのみを抽出し、抽出した無機フィラーを市販の電子天秤で測定した重量測定値gと、当該抽出した無機フィラーを乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330-1、株式会社島津製作所製)により測定した体積測定値Vとから算出することができる。なお、無機フィラーの密度は、シリコーン溶解剤(製品名:Eソルブ21RS、株式会社カネコ化学製)により超音波プローブ用シリコーン樹脂から抽出した無機フィラーの重量測定値gと、当該抽出した無機フィラーを上記乾式自動密度計により測定した体積測定値Vとから算出しても良い。
実施形態に用いられる無機フィラーの平均粒径は、1μm以上である。無機フィラーの平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により測定した粒子径を平均することで求めることができる。すなわち、SEMにより撮影したSEM像で対象とする1つの粒子について、短径と長径とを測定し、その値を平均することで1粒子の粒径とすることができる。更に、同様の処理を100個以上の粒子について行い、これらの粒径の平均値を算出し、算出した平均値を平均粒径として求めることができる。
上述した実施形態の無機フィラーを添加することで、低減衰を実現する超音波プローブ用組成物、及び、超音波プローブ用シリコーン樹脂を提供することが可能となる理由は、以下のように考察できる。すなわち、シリコーン樹脂に添加する無機フィラーの密度が、10g/cm以上と高く、且つ、平均粒径が1μm以上と大きいため、シリコーン樹脂中に存在する無機フィラーの個数濃度が著しく小さくなる。これにより、減衰が生じる原因である無機フィラーの超音波散乱が生じる頻度が著しく少なくなり、低減衰が実現すると考えられる。
実施形態に用いられる無機フィラーの平均粒径は、5μm以上40μm以下がより好ましい。平均粒径が5μm以上であることで、著しく無機フィラーの個数濃度を下げることができ、低減衰に好適である、また、平均粒径が40μm以下であることで、超音波の波長に対して小さいため、無機フィラーによる超音波の反射が生じにくくなり、その結果、ノイズが生じにくい音響レンズ140を実現でき、高感度な超音波診断装置を構成するうえで好適である。すなわち、実施形態に用いられる無機フィラーの平均粒径は、送信超音波の波長以下であることが好適である。
実施形態に用いられる無機フィラーの表面は、低減衰を実現する上で、ニッケルメッキ層を有することが好ましい。粒子表面がニッケルメッキ層を有することで低減衰となるメカニズムは明らかではないが、シリコーン樹脂の母材となるポリオルガノシロキサンの音響インピーダンスと、密度の高い無機フィラーの音響インピーダンスとの間の音響インピーダンスとなる粒子表面層を有することで、無機フィラー粒子一個当たりの散乱による超音波減衰が緩和するからと考えられる。
なお、無機フィラーに上記の表面処理が施されている場合、無機フィラーの平均粒径は、表面処理された状態での平均一次粒子径を意味する。
ニッケルメッキの種類は、特に限定されないが、無電解ニッケルリンメッキを一例として挙げることができる。ニッケルメッキ層の厚みとしては、0.5μm以上3μm以下が特に好ましい。0.5μm未満ではニッケルメッキ層による低減衰効果を発現しにくい。その一方で、厚みが3μmを超えると、無機フィラーとして密度が低くなり、音響インピーダンス調整のために多量の無機フィラー添加が必要となり低減衰を実現することが困難になるからである。
ニッケルメッキ層厚みの測定は、イオンミリングによって粒子断面を出した後に、SEMによって得られたSEM像で対象とする1つの粒子について、120°異なる角度で3点の層厚みを測定し、測定値の平均値を1粒子のニッケルメッキ層の厚みとすることができる。更に、同様の処理を100個分の粒子について行い、これらの厚みの平均値を算出し、算出したニッケルメッキ層の厚み(平均厚み)として求めることができる。
なお、ニッケルメッキ層の有無に関わらず、無機フィラーの表面をシランカップリング剤やシリコーン化合物を用いて疎水化表面処理を行うことで、ポリオルガノシロキサンへ分散しやすくして、超音波用組成物の製造を容易にすることができる。この疎水化表面処理は常法により得ることができる。例えば、無機フィラーをメチルハイドロジェンシリコーンオイル(MHS)(商品名:KF-99、信越化学工業株式会社製)中で一定時間混合撹拌し、濾過することにより得られる。
<その他の成分>
超音波プローブ用組成物として、溶媒、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤を適宜配合することができる。
<<超音波プローブ用組成物及び超音波プローブ用シリコーン樹脂の製造方法>>
例えば、超音波プローブ用組成物を構成する成分を、ニーダー、加圧ニーダー、バンバ
リーミキサー(連続ニーダー)、2本ロールの混練装置で混練りし、混練りした成分を減圧脱泡することで、超音波プローブ用組成物を作製することができる。
上記の方法で得られた実施形態に係る超音波プローブ用組成物を硬化させることにより、実施形態に係る超音波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。例えば、165℃で10分加熱した後に、200℃で4時間加熱することで、ミラブル型の超音波プローブ用組成物を硬化させた超音波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。
<<超音波プローブ用シリコーン樹脂の音響特性>>
以下に、超音波プローブ用シリコーン樹脂の音響特性の測定方法等について記載する。
<音響インピーダンス>
音響インピーダンスは、超音波プローブ用シリコーン樹脂の密度と、超音波プローブ用シリコーン樹脂中の音速との積として算出可能である。超音波プローブ用シリコーン樹脂の密度は、市販の電子天秤により測定した重量測定値を、乾式自動密度計(商品名:アキュピック1330-1、株式会社島津製作所製)により測定した体積測定値で除算することで算出することができる。
シリコーン樹脂の音速は、厚み1mmの超音波プローブ用シリコーン樹脂について、25℃の環境下で、JIS Z2353(2003)に従い、パルス透過法により測定できる。後述する実施例では、超音波パルサ・レシーバとしてJPR‐600C(ジャパンプローブ株式会社製)を用い、送信・受信側の測定用プローブとして10MHzの水浸プローブ(ジャパンプローブ株式会社製)を用いた。
<減衰係数>
超音波プローブ用シリコーン樹脂の低減衰を評価する指標として、以下の測定で得られる減衰係数を用いた。
すなわち、上述した超音波レシーバJPR‐600C(ジャパンプローブ株式会社製)と送信側プローブとを用いて、中心周波数10MHzの超音波パルス波を水中に発生させて、超音波が1mmのシリコーン樹脂シートを透過する前の振幅と、透過した後の振幅とを用いて減衰係数を測定した。以下の実施例では、低減衰を実現しうる観点から、減衰係数が4.0dB/(mm・MHz)以下であることが好ましいとして、低減衰の評価を行っている。
[実施例]
以下、実施例に基づいて実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ビニル基を有するシリコーンであるポリジメチルシロキサン(商品名:DMS‐V51、Gelest社製)20gに対して、過酸化物(商品名:C-8、信越化学工業株式会社)0.4g、無機フィラーとして炭化タングステン(密度16g/cm、粒径2.5μm)を12.5g添加して、ニーダーで60rpm30分の混合をした後、減圧脱泡して超音波プローブ用組成物を得た。なお、無機フィラーの添加量は、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整している。また、実施例1の無機フィラーは、測定の結果、平均粒径が3μmであった。その後、150mm×150mm角の金属型に入れ、165℃で10分加熱し、更に、200℃で4時間加熱して硬化することで、厚み1mmの超音波プローブ用シリコーン樹脂シートを得た。
[実施例2~4]
実施例2では「密度16g/cm、平均粒径9μm」の炭化タングステンを使用し、実施例3では「密度16g/cm、平均粒径15μm」の炭化タングステンを使用し、実施例4では「密度16g/cm、平均粒径28μm」の炭化タングステンを使用している。そして、炭化タングステンの添加量を、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整した以外は、実施例1と同様の処理により、各実施例の超音波プローブ用シリコーン樹脂を得た。
[実施例5~7]
実施例5では「密度10g/cm、平均粒径1μm」のモリブデンを使用し、実施例6では「密度10g/cm、平均粒径3μm」のモリブデンを使用し、実施例7では「密度10g/cm、平均粒径6μm」のモリブデンを使用している。そして、モリブデンの添加量を、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整した以外は、実施例1と同様の処理により、各実施例の超音波プローブ用シリコーン樹脂を得た。
[実施例8、9]
実施例8では「密度19g/cm、平均粒径3μm」のタングステンを使用し、実施例9では「密度19g/cm、平均粒径12μm」のタングステンを使用している。そして、タングステンの添加量を、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整した以外は、実施例1と同様の処理により、各実施例の超音波プローブ用シリコーン樹脂を得た。
[実施例10、11]
実施例10では、「密度16g/cm、平均粒径9μm、平均粒径9μmのうちニッケルメッキ層の厚み0.5μm」のニッケルメッキ層を有する炭化タングステンを使用している。実施例11では、「密度16g/cm、平均粒径9μm、平均粒径9μmのうちニッケルメッキ層の厚み3μm」のニッケルメッキ層を有する炭化タングステンを使用している。そして、ニッケルメッキ層を有する炭化タングステンの添加量を、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整した以外は、実施例1と同様の処理により、各実施例の超音波プローブ用シリコーン樹脂を得た。
[比較例1]
比較例1では、上述したメチルハイドロジェンシリコーンによる疎水化表面処理(MHS処理)が行われた「密度16g/cm、平均粒径0.1μm」の炭化タングステンを使用している。そして、MHS処理済み炭化タングステンの添加量を、音響インピーダンスが1.5Mraylとなるように調整した以外は、実施例1と同様の処理により、比較例1の超音波プローブ用シリコーン樹脂を得た。
実施例1~11及び比較例1で得られた厚み1mmのシリコーン樹脂について、上述した方法により、音響インピーダンスを測定した。また、実施例1~11及び比較例1で得られた厚み1mmのシリコーン樹脂について、上述した方法により、減衰係数を測定した。これらの測定結果を、無機フィラーの物理的特性とともにまとめた表1を以下に示す。
Figure 2022160287000002
表1に示すように、実施例1~11及び比較例1の超音波プローブ用シリコーン樹脂は、無機フィラーの添加量を調整することで、いずれも音響インピーダンスが、生体の音響インピーダンスとされる1.5Mraylとなっている。そして、比較例1の超音波プローブ用シリコーン樹脂は、減衰係数が4.42dB/(mm・MHz)と、4.0dB/(mm・MHz)を超えている。それに対して、実施例1~11の超音波プローブ用シリコーン樹脂の減衰係数は、いずれも4.0dB/(mm・MHz)以下の値を実現している。
以上の結果から、実施形態に係る超音波プローブ用組成物、及び、超音波プローブ用シリコーン樹脂は、超音波減衰量が小さくなっており、超音波診断装置に用いる音響レンズに有用である。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、生体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスを有し、超音波の減衰量が小さい音響レンズを提供することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波プローブ用組成物
2 無機フィラー
100 超音波プローブ
140 音響レンズ

Claims (4)

  1. ビニル基を有するシリコーンと、
    過酸化物と、
    無機フィラーと、
    を含み、
    前記無機フィラーの密度は、10g/cm以上であり、
    前記無機フィラーの平均粒径は、1μm以上である、超音波プローブ用組成物。
  2. 前記無機フィラーの表面は、ニッケルメッキ層を有する、
    請求項1に記載の超音波プローブ用組成物。
  3. 前記無機フィラーの種類は、モリブデン、炭化タングステン、タングステンのうち、1種類、又は、複数種類である、請求項1又は2に記載の超音波プローブ用組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の超音波プローブ用組成物を硬化した超音波プローブ用シリコーン樹脂。
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