JP2022159319A - 流体システム及びその検査装置、検査方法並びに流体システムの制御方法及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
となることが知られている。ここで、円管路Cの内径(直径)をd、2つのマノメータM1、M2の間の直線距離をL、流体の密度をρとし、流体の速度(流速)をV、管摩擦係数をλとする。図2のように、水柱の位置にて示される圧力(静圧)をp1、p2とした場合、圧力損失ΔPは、ΔP=p1-p2である。
ここで、レイノルズ数は、次のように定義されている。μは、流体の粘度である。
従って、これらの式から、圧力損失ΔPを次のように記載することができる。
但し、この係数C1は、
となる。その結果、理論的には、圧力損失ΔP(=p1-P2)は、流速Vの1.75乗に比例することになる。式(2)によって、流速Vと流量Qは比例関係にあるため、圧力損失ΔPは、流量Qの1.75乗に比例することになる。
また、管摩擦係数λに着目すると、
となる。但し、この係数C2は、
となる。従って、管摩擦係数λは、理論的には、流速Vの-0.25乗に比例することとなる。よって、管摩擦係数λは、式(2)によって、流量Qの-0.25乗に比例することになる。
ここで、Pは流線内の一点での圧力、つまり、静圧又は静圧力、ρは流体の密度、Vはその点での流動の速度、gは重力加速度、hは基準面に対するその点の高さ、Kは定数である。上記方程式として表現されるベルヌーイ定理は、エネルギー保存法則を流体に適用したものであり、第1項は、圧力のエネルギー(静圧)、第2項は運動エネルギー(動圧)、第3項は位置エネルギーに相当し、流れる流体に対して流線上ですべての形態のエネルギーの合計はいつも一定であるということを説明する。ベルヌーイ定理によると、断面積が大きい上流では、流体の速度が遅くて静圧は高い。これに対して、断面積が小さい下流では、流体の速度が速くなり静圧は低くなる。
なお、内部構造体20の形状は、上述した図5に示すものに限らず、例えば、共通の軸体上に拡散部分と、流体特性付与部分とを有するものであればよい。拡散部分の形状は、錐体形状であればよく、円錐形のほか角錐形も含まれ、流体を特定方向に、例えば流体の流入方向に対して一定の角度をもった方向に誘導するものであればよい。流体特性付与部分は、軸部材の外周面に多数の突出部が配列され、流体が繰り返し衝突を起こし、流体を撹拌・拡散或いはせん断する流路(或いは交差流路)が設けられておればよく、その形状も、突出部の形状も、平面上で見たときにほぼ菱形となるものに限られるものではない。例えば、特許文献3のようにエーロフォイル形(翼形)であってもよい。また、内部構造体は、特許文献4ように、シャフトにより、ノッチ(切り欠き)が形成さられた円盤状要素を複数(多数)つないだものでもよい。内部構造体は、このように種々変形、変更できる。
流体供給管10の諸元:
型番:本特許出願人の製造販売に係る流体せん断装置SIO(3/8インチ)
管本体30の入側径:38mm
管本体30の出側径:26mm
管本体の全長:141.8mm
管本体30の材質:SUS
内部構造体20の材質:砲金
円管路Cの諸元:
管の内径:15mm
管の外径:25mm
管の長さ(フランジ5-1、5-2の間の長さ):1000mm
差圧計5-4の取付位置(静圧の計測箇所):流入口から600mm、900mm
管の計測穴の直径:0.5mm
流体の諸元:
流体:水道水
水温:21.6~22.0度
流量:0~22.5リッター/分(L/min)
図8は、その結果を示すグラフであり、横軸に流量Q(リッター/分:L/min)、縦軸に圧力損失ΔP(パスカル:Pa)をとる。図の白丸は、流体特性変化素子Sを通さない場合の流体ΔP1であり、これは、次のべき乗関数のグラフ上に乗っている。
この式の定数(Const)は、グラフのフィッティング操作で、3.85と求まっている。ところで、この式(10)は、式(2)の通り、流体の流量Qと速度Vとは比例関係にあるので、式(5)で求めた関係と同義のことを言っている。
つまり、流体特性変化素子Sを通さない場合の流体の圧力損失ΔP1は、流速V又は流量Qの1.75乗に比例する結果となり、完全に理論式と合致している。
そして、圧力損失ΔP1、ΔP2と理論値との差は、図9からも明らかなとおり、流量Qが11L/minを超えると、ΔP2については大きく出てくる(20Pa~140Pa:圧力損失ΔPの値の10%程度)ことがわかる。ΔP1の理論値との差は、流量Qにかかわらずほぼない。
そして、本実施形態では、制御装置301を備えていて、内部には、図示をしないがマイクロコンピュータなどの処理プロセッサやメモリを含んでいて、流量計5-3からの流量Q、圧力損失計測装置5からの圧力損失ΔP2、温度計8からの温度Tが与えられ、適切な数値が得られたならば、バルブ6を開放し、流体特性変化素子Sを経た流体を対象機器400に供給するが、不適切な数値が得られた場合、特に圧力損失計測装置5からの圧力損失ΔP2が適切でない場合は、バルブ6を閉めて流体の供給を停止し、その旨をランプ302で示すようにする。勿論、ランプ302の代わりに、或いは同時にブザーで知らせるようにしてもよく、異常の内容(例えば、温度Tと、圧力損失ΔP2の異常や、流量Qの異常などの内容)まで表示するディスプレイを設けるようにして使用者(管理者)に知らせるようにしてもよい。
この第2の構成例の差圧計701-4、702-4も、夫々円管路C、C’の表面に所定距離(L)離れた一組の小穴である圧力測定孔を設け、流体の静圧を差圧トランスジューサーとマノメータの組み合わせで計測するようにしてもよいし、各圧力測定孔の静圧を個別の圧力トランスジューサーで計測してその差分を求めて差圧を得るようにしてもよい。
また、圧力損失ΔP1、ΔP2を計測するのを円管路C、C’としたが、矩形状の断面形状をもつものなど非円形断面をもつ管路であってもよい。また、円管路や非円形断面をもつ管路の長さ、管の径、差圧計を取り付ける位置については、適宜変更でき、流体システム(利用装置や対象機器)で必要とする流体の流量などに依存して変更可能である。
また、流体特性変化素子Sは、ファインバブルを発生するものや、流体を撹拌・拡散あるいはせん断するものとして説明したが、流体の特性に何らかの変化をもたらすものであれば、本発明を適用可能である。このときに、流体特性変化素子Sを通した流体にあっては、流速Vや流量Qに対する圧力損失ΔP2が、理論式から(或いは、流体特性変化素子Sを経由する前の流体の圧力損失ΔP1)からずれを生じているものとする。
S 流体特性変化素子
3、6 バルブ
4 切替弁
5 圧力損失計測装置
5-3、702-3 流量計
5-4、701-4、702-4 差圧計(マノメータ)
7 利用装置
8 温度計
10 流体供給管
300、800 流体供給システム
400、500、600 対象機器
501 熱交換器
301、801 制御装置
701 第1圧力損失計測装置
702 第2圧力損失計測装置
Claims (16)
- 供給される供給流体に対してファインバブルを発生するか、又は供給流体を攪拌・拡散或いはせん断して、流体の特性を変化させる流体の特性を変化させる流体特性変化素子と、
流体特性変化素子からの流体を利用する利用装置と、
流体の流路に設けられて流体の圧力損失を検出する圧力損失計測手段と、
圧力損失計測手段からの圧力損失の値に応じて、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知する制御手段と、
を特徴とする流体システム。 - 圧力損失計測手段は、流路の2点の圧力測定孔の流圧の差を検出する差圧計を有し、流体の圧力損失を検出することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
- 圧力損失計測手段は、流路の2点の圧力測定孔の流圧をそれぞれ計測する一組の圧力計を有し、圧力計の夫々で計測される圧力の差の値を求めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
- 流体損失計測手段は、
流体特性変化素子を通す前の流体が通過する流路の2点間の圧力損失を検出する第1の圧力損失計測手段と、
流体特性変化素子を通した後の前の流体が通過する流路の2点間の圧力損失を検出する第2の圧力損失計測手段と、
を有し、
第1の圧力損失計測手段からの流体特性変化素子を通す前の流体の圧力損失の値と、第2の圧力損失計測手段からの流体特性変化素子を通した後の流体の圧量損失の値とを比較して、流体の圧力損失を検出する請求項1に記載の流体システム。 - 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点に圧力測定孔を設けて、夫々の圧力の差を検出するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の流体システム。
- 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点の圧力測定孔の流圧の差を検出する差圧計を有することを特徴とする請求項5に記載の流体システム。
- 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点の圧力測定孔の流圧をそれぞれ計測する一組の圧力計を有し、圧力計にて計測される圧力の差の値を求めるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の流体システム。
- 流体特性変化素子は、
収納体と、
収納体に収納されて、流体に流動特性を与える内部構造体と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。 - 内部構造体は、
共通の軸部材上に、拡散部分と、流動特性付与部分とを有し、
拡散部分は、錐体形又はドーム形であって、流体を特定方向に拡散し、
流動特性付与部分には、軸部材上の外周面に多数の突出部が設けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の流体システム。 - 内部構造体は、共通の軸部材上の拡散部分と流動特性付与部分との間に、更に渦巻発生部分を有し、渦巻発生部分は、拡散部分によって拡散された流体に渦巻流を発生させるようにし、流動特性付与部分には、渦巻発生部分からの渦巻流となった流体が与えられることを特徴とする請求項8に記載の流体システム。
- 圧力損失計測手段には、流体特性変化素子を通す前の流体と、流体特性変化素子を通した後の流体とが切り替えて流路に供給され、制御手段は、圧力損失計測手段からの圧力損失の値を比較することにより、流体特性変化素子の稼働状態を検査し、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
- 圧力損失計測手段から出力される、流体特性素子を通す前の流体の流路における圧力損失の値を基準値として制御手段は記憶しておき、圧力損失計測手段から出力される、流体特性変化素子を通した後の流体の流路における圧力損失の値と基準値との比較結果に基づき、流体特性変化素子の稼働状態を検査し、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
- 流体システムは、更に、
流路を流れる流体の流量を検査する流量検査手段と、
流路を流れる流体の温度を測定する温度測定手段とを有し、
制御装置は、圧力損失計測手段からの圧力損失の値と流体検査手段で検査された流体の流量と温度測定手段からの測定温度とに基づき、流体特性変化素子からの流体システムへの流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体システム。 - 利用装置は、流体特性変化素子からの流体の特性が変化した流体を利用する機器であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
- 利用装置は、熱交換器であって、流体特性変化素子からの流体の熱量をもって、対象機器から流れてくる流体の持つ熱量との交換を行い、チラーを経由して流体特性変化素子に対して流体を循環することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
- 利用装置は、洗浄及び/又は冷却を行う機器であって、流体特性変化素子からのファインバブルを含む流体が供給され、機器から回収された流体は濾過器を経由し循環することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
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