JP2022159319A - 流体システム及びその検査装置、検査方法並びに流体システムの制御方法及び制御プログラム - Google Patents

流体システム及びその検査装置、検査方法並びに流体システムの制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】流体の特性を変化させる流体特性変化素子を含む流体システムにおいて、流体特性変化素子が本来の機能を実現しているのかを簡便に検査することを可能とする流体システムを提供することにある。【解決手段】供給される供給流体に対してファインバブルを発生するか、又は供給流体を攪拌・拡散或いはせん断して、流体の特性を変化させる流体の特性を変化させる流体特性変化素子と、流体特性変化素子からの流体を利用する利用装置と、流体の流路に設けられて流体の圧力損失を検出する圧力損失計測手段と、圧力損失計測手段からの圧力損失の値に応じて、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知する制御手段と、を特徴とする流体システムである。【選択図】図10

Description

本発明は、流体の特性を変化させる流体特性変化素子を備えた流体システムの検査装置、検査方法、制御方法及び制御プログラムに関する。流体特性変化素子は、供給流体に対してマイクロバブルやウルトラファインバブルなどの微細気泡(ファインバブル)を発生する素子や、供給流体を撹拌・拡散或いはせん断して、流体の特性を変化させる素子であって、流体の分子間の連結構造に変化をもたらすと考えらえている素子を含む。本発明の流体システムは、ファインバブル利用機器、熱交換器、洗浄・冷却装置などの各種システムに適用可能である。
従来より、ファインバブル発生のための装置として、本願出願人により、特許第6245397号、第6245401号に係る発明が提案されている。更には、他の特許出願人によって、WO2014/204399号や特表2016-536139号に係る発明が提案されている。
特許第6245397号 特許第6245401号 WO2014/204399号 特表2016-536139号
これらの特許文献1~4に開示された発明によれば、供給される流体について、流体特性変化素子によって、流体の特性が変化していることの定量的な確認が難しい場合がある。流体特性変化素子によって、例えばファインバブルを発生できるものの、発生しているファインバブルの発生を定量的に測定するための計測装置は、高倍率のカメラ等の静止画や動画の画像撮影の設備が必要となる。更には、ウルトラファインバブル(1マイクロメータ以下のサイズのバブル、従来はナノバブルと称されていた微細気泡)を検査するには、光学的な検査はできないため、ナノ粒子ブラウン運動追跡法などによらなければならず、装置が大規模なものとなる。また、ファインバブルが含まれているであろう流体を採取してそれを検査装置にかけることで時間がかかり、流体特性素子の動作をリアルタイムで確認すること、つまり本来のレベルでの稼働がなされているのか否かをリアルタイムで判定することは、極めて困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みて開発されたものである。本発明の目的は、流体の特性を変化させる流体特性変化素子を含む流体システムにおいて、流体特性変化素子が本来の機能を実現しているのかを簡便に検査する、具体的には、流体の圧力損失の検出手段(流体特性変化素子からの流体が通る管の摩擦係数の検出手段としても同義である)によって検査する検査装置を実現することにある。そして、このような検査に基づき、流体特性変化素子から供給される流体を利用する利用装置の動作を、最適にリアルタイムで制御する制御方法や制御プログラムを提供するものである。
本発明は、上述の課題を解決するために、次のような構成にしてある。即ち、その一実施形態によれば、供給される供給流体に対してファインバブルを発生するか、又は供給流体を攪拌・拡散或いはせん断して、流体の特性を変化させる流体の特性を変化させる流体特性変化素子と、流体特性変化素子からの流体を利用する利用装置と、流体の流路に設けられて流体の圧力損失を検出する圧力損失計測手段と、圧力損失計測手段からの圧力損失の値に応じて、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知する制御手段と、を特徴とする流体システムである。
本発明によれば、流体の特性を変化させる流体特性変化素子の稼働状態(期待されている機能の実現の状態)を、流体特性変化素子を通した流体の流路の圧力損失に従って検査できることになる。具体的には、例えば、流体特性変化素子を通す前の流体が通過する流路の2点間の圧力損失と、流体特性変化素子を通した後の流体が通過する流路の2点間の圧力損失との値を比較することで検査することができる。その結果、流体特性変化素子を通した流体を利用する利用装置への供給の制御が簡便に、つまり装置が大型化をまねくことなく、しかも検査に多大な時間を要することなく行える。
以下の詳細な記述が以下の図面と合わせて考慮されると、本願のより深い理解が得られる。これらの図面は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の原理を説明するための模式図である。 本発明の原理を説明するための円管路と圧力損失を示す図である。 本発明の流体システムの検査装置の第1の構成例を示す図である。 検査装置に用いられる流体特性変化素子の一例の側面透視図である。 流体特性変化素子の内部構造体の3次元斜視図である。 流体特性変化素子の内部構造体の側面分解図である。 流体特性変化素子の内部構造体の突出部の配列状態を説明する図である。 検査装置にて検出された流体特性変化素子を通す前の流体の圧力損失と、流体特性変化素子を通した後の流体の圧力損失とを比較したグラフを示す図である。 流体特性変化素子を通す前の流体の圧力損失及び流体特性変化素子を通した後の流体の圧力損失の理論値との差を示す図である。 本発明による第1の実施形態に係る流体システムを示す図である。 第1実施形態に係る流体システムの制御装置の動作フローを示す図である。 本発明による第2の実施形態に係る流体システムを示す図である。 本発明による第3の実施形態に係る流体システムを示す図である。 本発明の流体システムの検査装置の第2の構成例を示す図である。 本発明による第4の実施形態に係る流体システムを示す図である。 第4実施形態に係る流体システムの制御装置の動作フローを示す図である。
まず、本発明の原理を、図1を参照して説明する。水平におかれた円管路Cに図面の左から右に流体、例えば水を流すと特定の距離Lで、圧力損失ΔPが生じることがわかっている。このような円管路Cの中央に、流体の特性を変化させる流体特性変化素子Sを配置して、この流体特性変化素子Sを通す前の流体と、流体特性変化素子Sを通した後の流体の圧力損失ΔP1とΔP2に注目する。なお、ΔP1の大きさは、流体特性変化素子Sに至る前は同じ大きさとなるため、ΔP1の傾きの直線として、距離(横軸)と圧力(縦軸)の関係をグラフに描くことができる。そして、流体特性変化素子Sの間では、より大きな圧力損失がかかると考えられるため、距離と圧力の関係に変化が生じる。流体特性変化素子Sを通った後の流体は、流体特性変化素子Sの影響を受けていないとするならば、同じ距離Lでの圧力損失ΔP2は、流体特性変化素子Sの通過前の圧力損失ΔP1と同じになるはずである。つまり、同じ傾きの直線で距離と圧力の関係はグラフに描けるはずである。しかし、後ほど述べるとおり、ΔP2は、ΔP1よりも大きくなり、直線の傾きはより大きいものとなる(図1のΔP2>ΔP1)。
図1の円管路Cでの流体の圧力損失ΔP1とΔP2の差分を検討する前に、まずはシンプルなモデルでの検討を進める。図2は、円管路Cに流した流体の圧力損失をマノメータ(液柱形圧力計)で測定する場合を示したものである。この場合において、ダルシー・ワイスバッハ(Darcy-Weisbach)の式によると、
Figure 2022159319000002

となることが知られている。ここで、円管路Cの内径(直径)をd、2つのマノメータM1、M2の間の直線距離をL、流体の密度をρとし、流体の速度(流速)をV、管摩擦係数をλとする。図2のように、水柱の位置にて示される圧力(静圧)をp1、p2とした場合、圧力損失ΔPは、ΔP=p1-p2である。
なお、円管路Cを流れる流体の流量Qは、流速Vに比例し、円管路Cの断面積に流速Vを乗じたものとなる。つまり、次式の関係となる。
Figure 2022159319000003

そして、流体の流れが、乱流領域にあり、円管路Cの内壁が滑らかの場合に適用できるブラジウス(Blasius)の実験式では、管摩擦係数λは次の通り、レイノルズ数(Reynolds number)Reの-1/4乗に比例する(Reが3×10の3乗~1×10の5乗の範囲に限る)。
Figure 2022159319000004

ここで、レイノルズ数は、次のように定義されている。μは、流体の粘度である。
Figure 2022159319000005

従って、これらの式から、圧力損失ΔPを次のように記載することができる。
Figure 2022159319000006

但し、この係数C1は、
Figure 2022159319000007

となる。その結果、理論的には、圧力損失ΔP(=p1-P2)は、流速Vの1.75乗に比例することになる。式(2)によって、流速Vと流量Qは比例関係にあるため、圧力損失ΔPは、流量Qの1.75乗に比例することになる。
また、管摩擦係数λに着目すると、
Figure 2022159319000008

となる。但し、この係数C2は、
Figure 2022159319000009

となる。従って、管摩擦係数λは、理論的には、流速Vの-0.25乗に比例することとなる。よって、管摩擦係数λは、式(2)によって、流量Qの-0.25乗に比例することになる。
以上の考察から、図1において、流体が流体特性変化素子Sを通る前の圧力損失ΔP1は、流速V或いは流量Qの1.75乗に従った値となることが予測される。一方、流体が流体特性変化素子Sを通った後の圧力損失ΔP2は、流体の特性が変化することで、ΔP1とは、異なる値となること、或いは、流速Vや流量Qについて、その1.75乗に比例しない異なる変化をするものと考えられる。例えば流体特性変化素子Sによって、流体にファインバブル(マイクロバブルやウルトラファインバブル)などの微細気泡が含まれるようになると、流体の乱れが増えることで、実際に、ΔP2は、ΔP1よりも大きな値となる(ΔP2>ΔP1)。この点については、後述の通り実験にて証明されている。
以上が、本発明の原理であるが、流体の流体特性変化素子Sを通す前の圧力損失ΔP1と流体特性変化素子Sを通した後の圧力損失ΔP2とを実際に計測し、流体特性変化素子Sの稼働状態を検査する流体システムの検査装置の第1の構成例につき、図3を参照して説明する。1は、流体を溜めるタンク(水槽)である。このタンク1の流体を、循環して使用することとする。勿論、流体特性変化素子Sを通した流体は消費されて、新たな流体を順次供給し続ける流体システムを想定した場合は、流体を循環して使用する必要はない。このタンク1から、流体は、ポンプ2によって吸い上げられ、配管を通り、バルブ3を経由し、切替弁4を通して、流体特性変化素子Sに供給される。流体特性変化素子Sにおいて、流体の特性に変化が加えられ圧力損失計測装置5に供給される。切替弁4によって、流体特性変化素子Sを経由することなく、つまり、流体特性変化素子Sを通す前の流体を圧力損失計測装置5に供給することもできる。
圧力損失計測装置5には、フランジ5-1、5-2の間に円管路Cが設けられ、流体特性変化素子Sを経由した流体または、切替弁4からの流体特性変化素子Sを経由しない流体(つまり、流体特性変化素子Sを通過する前の流体)が供給される。円管路Cには、円管路Cを流れる流体の流量を測るための流量計5-3が設置され、更に、円管路Cの距離Lを隔てた2点の圧力(静圧又は静圧力:static pressure)の差分を測るための差圧計(マノメータ)5-4が設けられている。この差圧計5-4は、円管路Cの表面に小穴(圧力測定孔)を開けて、流体の流れる面の流体の静圧を計測するもので、差圧トランスジューサーとマノメータの組み合わせでもよく、2点の圧力をそれぞれ計測する一組の圧力計(圧力トランスジューサーなどを含む)の差を取る機器でもよい。いずれにしても、距離Lを隔てた円管路Cの圧力損失ΔPを計測する。そして、フランジ5-2を経由した流体は、バルブ6を経由して、流体を利用する利用装置7を経由してタンク1に戻る。バルブ3にて、流体特性変化素子S或いは圧力損失計測装置5に供給する流体の流量の大きさ(従って流体の速度)を大小制御することができ、バルブ6にて、利用装置7に供給する流体の流量を加減することができる。また、タンク1に蓄えられる流体の温度を計測する温度計8が設けられている。
本発明において、流体特性変化素子Sは、いかなるタイプのものでも適用可能であり、上述した特許文献1~4のいずれか或いはそれ以外のタイプの流体特性変化素子を用いることができる。この流体特性変化素子は、流体にファインバブルを発生するものや、流体を撹拌・拡散あるいはせん断して、流体の特性を変更する素子で、流体の分子間の連結構造に変化をもたらすと考えられる素子を含む。ここでは、特許文献1にて開示したファインバブル発生機能を持つ流体供給管10を用いる。図4は流体供給管10の側面透視図、図5は流体供給管10の内部構造体20の3次元斜視図であり、図6は、流体供給管10の側面分解図である。流体供給管10は、内部構造体20及び管本体30を備える。
管本体30は、流入側部材31と、流出側部材34から構成される。流入側部材31と流出側部材34とは、円筒形の中が空いている管の形態を有する。流入側部材31は、一端部に所定の直径の流入口38を有し、他の端部側には流出側部材34との接続のために内周面をねじ加工することによって形成された雌ねじ32を含む。流入口38側にはナット11が一体として形成される。流入側部材31は両端部の内径、即ち、流入口38の内径と雌ねじ32との内径とが違い、流入口38の内径が雌ねじ32の内径より小さい。流入口38と雌ねじ32との間にはテーパー部33が形成されている。
流出側部材34は、一端部に所定の直径の流出口39を有し、他の端部側には流入側部材31との接続のために外周面をねじ加工することによって形成された雄ねじ35を備える。流出側部材34の雄ねじ35の外周面の直径は流入側部材31の雌ねじ32の内径と同一である。流出口39側にはナット12が一体として形成される。ナット12と雄ねじ35との間には筒形部36及びテーパー部37が形成される。流出側部材34は両端部の内径、即ち、流出口39の内径と雄ねじ35との内径が違い、流出口39の内径が雄ねじ35の内径より小さい。流入側部材31の内周面の雌ねじ32と流出側部材34の外周面の雄ねじ35とのねじ結合によって流入側部材31と流出側部材34が連結されることで、管本体30が形成される。
管本体30の上記構成は一実施形態に過ぎない。例えば、流入側部材31と流出側部材34との連結は上記したねじ結合に限定されないし、当業者に知られた機械部品の結合方法はどれでも適用可能である。また、流入側部材31と流出側部材34との形態は、図6の形態に限定されないし、設計者が任意に選択したり、流体供給管10の用途によって変更したりすることができる。流入側部材31又は流出側部材34は、例えば、スチールのような金属、又はプラスチックから成る。
図4乃至図6を一緒に参照すれば、流体供給管10は、内部構造体20を流出側部材34に収納した後に、流出側部材34の外周面の雄ねじ35と流入側部材31の内周面の雌ねじ32とを結合させることによって構成されることが理解される。内部構造体20は、例えば、スチールのような金属からなった円柱部材を切削や研削等により加工する方法又はプラスチックを成形する方法等によって形成される。内部構造体20は、円錐形の流体拡散部22と、渦巻発生部24と、バブル発生部26と、ドーム形の誘導部28を備える。
本実施形態において流体拡散部22は上記円柱部材の一端部を円錐の形態に加工(例えば、スピニング)することで形成されることができる。流体拡散部22は流入口38を経て流入側部材31に流入される流体を管の中心部から外側へ、即ち、半径方向へ拡散させる。
渦巻発生部24は、上記円柱部材の一部を加工して形成されたものであり、図5に示されたように、断面が円形である軸部分と、3個の螺旋状に形成された翼とからなる。図6を参照すれば、本実施形態において、渦巻発生部24の長さa2は流体拡散部22の長さa1よりは長くて、バブル発生部26の長さa4よりは短いことが理解される。また、流体拡散部22の断面積が最大である部分の半径は渦巻発生部24の半径(渦巻発生部24の軸部分の中心から翼の先端までの距離)より小さい。渦巻発生部24の翼の各々は、その先端が軸部分の円周方向に互いに120°ずつずらし、軸部分の一端から他端まで外周面に所定の間隔をあけて反時計まわりに螺旋状に形成されている。本実施形態では翼の個数を3個にしたが、このような実施形態に限定されない。また、渦巻発生部24の翼の形態は、流体拡散部22を過ぎながら拡散されて渦巻発生部24に進入した流体が、各翼の間を通過する間に渦巻流を起こすことができる形態であれば特に制限されない。本実施形態では、渦巻発生部24は、内部構造体20を管本体30に収納した時に、管本体30の流出側部材34の内周面に近接する程度の外径を有する。
バブル発生部26は、円柱部材の下流側、即ち、流体拡散部22及び渦巻発生部24を形成した後の下流側部分を加工して形成する。本実施形態では、渦巻発生部24とバブル発生部26との間には、長さa3の連結部25が存在する。この場合、渦巻発生部24の直径はバブル発生部26の直径と同一であるので、連結部25は同一の直径をもつが、渦巻発生部24の軸部の直径が小さく、バブル発生部の軸部の直径が大きい場合は、テーパーをつければよい。
図5に示されたように、バブル発生部26の円形の断面を有する軸部分の外周面に多数の突出部(凸部)が網状に形成されている。突出部を外周面から見ると(平面的に見た場合)ほぼ菱形形状となっている。それぞれの突出部は、軸部分の外周面から外側へ向かって突出するように、例えば、円柱部材を切削加工、研削加工、旋削加工、エンドミル加工を単独または組み合わせて遂行することによって形成されることができる。より具体的に説明するならば、それぞれの突出部の形成方法は、例えば、図7に図示されたように、円柱部材の長さ方向に対して90度の方向に一定の間隔を持つ複数のライン51と、上記長さ方向に対して所定の角度(例えば、60度)を持つ一定の間隔のライン52を交差させ、ライン51とライン51との間を一回ずつ飛ばして切削すると共に、傾いたライン52とライン52との間を一回ずつ飛ばして切削する。このようにして、軸部分の外周面から突出する外周面がほぼ菱形の複数の突出部が上下(円周方向)、左右(軸部分の長さ方向)に一つずつ飛ばして規則的に形成される。また、本実施形態では、バブル発生部26は、内部構造体20を管本体30に収納した時、管本体30の流出側部材34の内周面に近接する程度の外径を有する。
更に、内部構造体20の下流側の末端の部分をドーム形に加工して誘導部28を形成する。流体は、誘導部28によって中心に向かって誘導される。その後、流体はテーパー部37を過ぎて流出口39を通じて流出される。
次に、流体が流体供給管10を通過する間の流動について説明する。インペラ(羽根車)が右折又は左折する(時計回り又は反時計回りに回転する)ポンプ2によってタンク1から吸い上げられた流体は、配管(図3参照)を経て流入口38を通じて流入された流体は、流体供給管10に供給される。流体は、図4乃至図6の流体供給管10の流入側部材31のテーパー部33の空間を過ぎて流体拡散部22にぶつかり、流体供給管10の中心から外側に向かって、即ち、半径方向へ拡散される。流体拡散部22は流入された流体が効果的に渦巻発生部24に進入するように流体を誘導する作用を行う。拡散された流体は渦巻発生部24の反時計方向に螺旋状に形成された3個の翼の間を通過して行く。流体は渦巻発生部24の各翼によって強烈な渦巻流になって、テーパー部25を過ぎてバブル発生部26に送られる。
そして、流体はバブル発生部26の軸部分の外周面に規則的に形成された複数の突出部の間を通る。これらの複数の菱形突出部は複数の狭い流路を形成する。図7にて説明したように、ライン51で規定される流路は、軸部分に、例えば12本形成(軸部分の円周について30度間隔となる)されている螺旋流路となり、ライン52で規定される流路は、例えば軸部分に、14本形成されている円環の閉流路となる。そして、この2系統の流路は軸体上で交差する交差流路となる。この場合、上流の渦巻発生部24からたとえば、反時計周りの渦巻流として流体が供給されるため、ライン51で規定される螺旋流路に流れる流体の勢い(速度)が、ライン52で規定される円環の閉流路に流れる流体の勢い(速度)が大となる。そして、狭い交差流路を上流から下流に流れる中で、流体は衝突を繰り返す。そして、このような流路を経由することで、流体の撹拌・拡散或いはせん断を誘発する。
また、内部構造体20は、流体が、断面積が大きい上流(渦巻発生部24)から断面積が小さい下流(バブル発生部26の複数の突出部の間に形成された交差流路)へ流れる構造を有する。この構造は以下に説明するように流体の圧力を変化させる。流体に外部エネルギーが加えられない状態での圧力、速度、及び位置エネルギーの関係は次のようなベルヌーイ方程式(Bernoulli’s equation)として表される。
Figure 2022159319000010

ここで、Pは流線内の一点での圧力、つまり、静圧又は静圧力、ρは流体の密度、Vはその点での流動の速度、gは重力加速度、hは基準面に対するその点の高さ、Kは定数である。上記方程式として表現されるベルヌーイ定理は、エネルギー保存法則を流体に適用したものであり、第1項は、圧力のエネルギー(静圧)、第2項は運動エネルギー(動圧)、第3項は位置エネルギーに相当し、流れる流体に対して流線上ですべての形態のエネルギーの合計はいつも一定であるということを説明する。ベルヌーイ定理によると、断面積が大きい上流では、流体の速度が遅くて静圧は高い。これに対して、断面積が小さい下流では、流体の速度が速くなり静圧は低くなる。
流体が液体である場合、低くなった静圧が液体の飽和蒸気圧に到達すると液体の気化が始まる。このようにほぼ同一の温度において静圧Pがきわめて短い時間内に飽和蒸気圧Pvより低くなって(水の場合、3000-4000Pa)液体が急激に気化する現象をキャビテーション(cavitation)と称する。流体供給管10の内部構造はこのようなキャビテーション現象を誘発する。キャビテーション現象によって液体のうちに存在する100ミクロン以下の微小な気泡核を核として液体が沸騰したり溶存気体の遊離によって小さい気泡が多数生じたりする。すなわち、流体がバブル発生部26を通じながら多数のマイクロバブルやウルトラファインバブルを含むファインバブル(微細気泡)が発生する。
また、流体が、水の場合、1つの水分子が他の4個の水分子と水素結合を形成するが、この水素結合ネットワークを破壊することは容易ではない。そのために、水は水素結合を形成しない他の液体に比べて沸点や融点が非常に高く、高い粘度を示す。水の沸点が高い性質は優秀な冷却効果をもたらすので、加工装置分野あるいは工作機械分野では、冷却水として頻繁に用いられるが、水分子の大きさが大きくて加工箇所への浸透性や潤滑性は良くないという問題がある。そこで、通常は水でない特殊な潤滑油(例えば、切削油)を単独に、または、水と混合して用いる場合も多い。ところで、流体供給管10を用いれば、上記したキャビテーション現象によって水の気化が起き、その結果、水の水素結合ネットワークが破壊されると考えられる。また、気化によって発生するファインバブルは流体(水)の浸透性及び潤滑性を向上させる。浸透性の向上は結果的に冷却効率を増加させる。
バブル発生部26を通過した流体は、下流側に設けられたドーム形の誘導部28によって流体供給管10の中心に向かって誘導される。その後、流体はテーパー部37を過ぎて流出口39を通じて流出される。流体供給管10などの流体特性素子Sを経由した流体は、ファインバブルを含むため、冷却効果や洗浄効果を上げる効果がある。従って、利用装置7では、流体のそのような効果を利用することができる。
なお、内部構造体20の形状は、上述した図5に示すものに限らず、例えば、共通の軸体上に拡散部分と、流体特性付与部分とを有するものであればよい。拡散部分の形状は、錐体形状であればよく、円錐形のほか角錐形も含まれ、流体を特定方向に、例えば流体の流入方向に対して一定の角度をもった方向に誘導するものであればよい。流体特性付与部分は、軸部材の外周面に多数の突出部が配列され、流体が繰り返し衝突を起こし、流体を撹拌・拡散或いはせん断する流路(或いは交差流路)が設けられておればよく、その形状も、突出部の形状も、平面上で見たときにほぼ菱形となるものに限られるものではない。例えば、特許文献3のようにエーロフォイル形(翼形)であってもよい。また、内部構造体は、特許文献4ように、シャフトにより、ノッチ(切り欠き)が形成さられた円盤状要素を複数(多数)つないだものでもよい。内部構造体は、このように種々変形、変更できる。
次に、図3の検査装置で、流体特性変化素子Sとして、次の諸元をもつ流体供給管10や円管路C等を用いて、実証実験を行った結果について述べる。
流体供給管10の諸元:
型番:本特許出願人の製造販売に係る流体せん断装置SIO(3/8インチ)
管本体30の入側径:38mm
管本体30の出側径:26mm
管本体の全長:141.8mm
管本体30の材質:SUS
内部構造体20の材質:砲金
円管路Cの諸元:
管の内径:15mm
管の外径:25mm
管の長さ(フランジ5-1、5-2の間の長さ):1000mm
差圧計5-4の取付位置(静圧の計測箇所):流入口から600mm、900mm
管の計測穴の直径:0.5mm
流体の諸元:
流体:水道水
水温:21.6~22.0度
流量:0~22.5リッター/分(L/min)
以上のような条件で、流体特性変化素子Sを通さない場合の流体の圧力損失ΔP1と流体特性変化素子Sを通した場合の流体の圧力損失ΔP2(図1参照)の計測を、切替弁4の切換え操作により流路の切り替えを実現し、更に、バルブ3の調整で、円管路Cに流れる流体の流量Qを変化させながら行う。
図8は、その結果を示すグラフであり、横軸に流量Q(リッター/分:L/min)、縦軸に圧力損失ΔP(パスカル:Pa)をとる。図の白丸は、流体特性変化素子Sを通さない場合の流体ΔP1であり、これは、次のべき乗関数のグラフ上に乗っている。
Figure 2022159319000011

この式の定数(Const)は、グラフのフィッティング操作で、3.85と求まっている。ところで、この式(10)は、式(2)の通り、流体の流量Qと速度Vとは比例関係にあるので、式(5)で求めた関係と同義のことを言っている。
つまり、流体特性変化素子Sを通さない場合の流体の圧力損失ΔP1は、流速V又は流量Qの1.75乗に比例する結果となり、完全に理論式と合致している。
一方、図8にある通り、流体特性変化素子Sを通した場合の流体の圧力損失ΔP2は、図の黒丸で示されており、特に流量Qが11L/minを超えると式(10)で示すグラフと差がひらいている。つまり、実験したサイズの流体供給管10は、流量Qが11L/min以上で、流体特性の変化が顕著に起きている、具体的には、ファインバブルが発生している又はキャビテーション現象によって、飽和蒸気圧に達した(その結果、流体の分子間の連結構造に変化が生じている可能性がある)ことを示すものと考えらえる。
そして、圧力損失ΔP1、ΔP2と理論値との差は、図9からも明らかなとおり、流量Qが11L/minを超えると、ΔP2については大きく出てくる(20Pa~140Pa:圧力損失ΔPの値の10%程度)ことがわかる。ΔP1の理論値との差は、流量Qにかかわらずほぼない。
このように、流体特性変化素子Sを通した場合には、圧力損失ΔP2が、流体特性変化素子Sを通さない場合の圧力損失ΔP1に比較して大きくずれが生じてくることから、ΔP1を、流量Qや必要なら温度Tの関数ΔP1(Q、T)として、基準値テーブルに数値データのセットとして、或いは基準値を定める関数のパラメータとして求めておく。そして、流体特性変化素子Sを動作させたときに、測定される圧力損失ΔP2(Q,T)の値の大きさを基準値(ΔP1(Q,T))と比較すれば、流体特性変化素子Sの稼働状態の検査ができる。この場合、基準値は、理論値(式(5)、式(6))から求めてもよい。つまり、流体特性変化素子Sが本来の機能状態を保って機能しているのか、それとも何らかの原因によって、稼働していないのかが、基準値との比較で確認でき、従って必要な制御や管理ができることになる。
以上の知見に基づいて、流体特性変化素子Sが含まれる流体システムの制御について、以下説明する。図10は、流体システムの第1実施形態である。本システムでは、流体は流体供給システム300の中のタンク1に蓄えられ、流体特性変化素子Sにて流体の特性が変化されたのちに、図3の利用装置7に対応する対象機器400で使用され消費される(流体は循環しない)。従って、タンク1には、流体供給が常になされることになるが、タンク1は必ずしも必要なく、例えば、水道管に直結され流体(水道水)が常に供給されるようにしたものでもよい。このような水道水を直接利用する流体システムとしては、家庭内の洗面・風呂・洗濯・洗浄等の流体システムなどがある。同様に、工場やオフイス、店舗でも水道水を直接利用する流体システムに適用できる。あるいは、ファインバブルを含む水を利用する農業、水産分野あるいはその他の分野の水処理のための流体システムに適用できる。また、食材、例えば米や農作物、鮮魚などの洗浄にも用いられる。更には、地下水や井戸水、汚染水の浄化など水処理システムに適用できる。加えて、特定の流体を使用する流体システムであれば、タンク1に適宜、当該流体を補給しながら利用することになる。そのような対象機器は、種々の製造・生産機械であり、種々の物品(食品、薬品、エマルジョン燃料など)の製造や生産に流体特性変化素子Sからの流体を利用することができる。
タンク1からは、ポンプ2にて流体は汲み上げられ、流量計5-3にて流量が計測されてから圧力損失計測装置5に供給されて、バルブ6を経由して対象機器400に流体が与えられる。また、タンク1の流体の温度は温度計8にて計測される。流体供給システム300は、上述のタンク1、ポンプ2、流体特性変化素子S、流量計5-3、圧力損失計測装置5、温度計8を含み、図3で示した流体システム検査装置と同様の構成をもっている(同じ機能を実現する箇所には同じ符号を付している)。勿論、対象機器400で必要とする水量などに応じて、夫々の機器の処理能力や機器サイズを変更することは当然である。
そして、本実施形態では、制御装置301を備えていて、内部には、図示をしないがマイクロコンピュータなどの処理プロセッサやメモリを含んでいて、流量計5-3からの流量Q、圧力損失計測装置5からの圧力損失ΔP2、温度計8からの温度Tが与えられ、適切な数値が得られたならば、バルブ6を開放し、流体特性変化素子Sを経た流体を対象機器400に供給するが、不適切な数値が得られた場合、特に圧力損失計測装置5からの圧力損失ΔP2が適切でない場合は、バルブ6を閉めて流体の供給を停止し、その旨をランプ302で示すようにする。勿論、ランプ302の代わりに、或いは同時にブザーで知らせるようにしてもよく、異常の内容(例えば、温度Tと、圧力損失ΔP2の異常や、流量Qの異常などの内容)まで表示するディスプレイを設けるようにして使用者(管理者)に知らせるようにしてもよい。
この場合、制御装置301内の内部メモリには、流体の使用温度範囲で許容される圧力損失ΔP2についての基準値(これは、流体特性変化素子Sを通す前の円管路Cにおける圧力損失ΔP1の値を基準値としてもよく、或いは上述した理論式で求めてもよい)が予め求められて数値テーブルとして記憶されている。基準値につき、より具体的に説明すると、所定の温度範囲毎に、流量Qに対して圧力損失ΔP2の許容範囲を示す閾値が一枚ずつテーブル化されている。この閾値は、特性変化素子Sを通していない圧力損失値ΔP1(或いは図9にて示した理論値)との差(開き)を示す許容範囲の下限値(下限基準値)のみであってもよく、又は、この下限値に対して、ある比率をかけるなどして求める上限値(上限基準値)とのセットでもよい。このほか、所定の温度範囲毎の理論値を求めるための上述した式(10)の係数Constなどのパラメータを記憶しておいて、関数計算で基準値を求めるようにしてもよい。
図11は、制御装置301に含まれる処理プロセッサの動作フローを示しており、ステップS1では、基準値として、圧力損失ΔP2の許容範囲の閾値(上述の下限基準値或いは、下限基準値と上限基準値)がテーブルに入っているならその読み出しの準備をする。基準値として、記憶されたパラメータにより圧力損失ΔP2の許容範囲の閾値(上述の下限基準値或いは、下限基準値と上限基準値)を数式に基づき計算して求めるならば、その算出の準備をする。続くステップS2では、流量計5-3から流量Q、圧力損失計測装置5から圧力損失値ΔP2、温度計8から温度Tがサンプリングして求められる。続くステップS3では、入力された温度Tのもと、流量Qについての圧力損失ΔP2が、基準値と比較される。つまり、流体特性変化素子Sが本来の機能を実現しているか否かを、圧力損失値ΔP2でチェックして、良ければ(OKならば)バルブ6を開けて(開けたままとし)ステップS2にもどり、この処理を繰りかえす。もしステップS3で許容範囲内から外れたとしたら、NGの判断をし、ステップS4に進み、ランプ302を点灯して異常状態を使用者(管理者)に知らせるとともに、バルブ6をしめて流体特性変化素子Sを経た流体が対象機器400に供給されないようにして、ステップS5に進む。ステップS5では、異常の原因を探り、対策を施して(人為的な操作も含む)、ステップS2に戻る。
図12は、流体システムの第2実施形態である。第1実施形態と同じ個所には同じ符号を付して説明を省略する。本システムでは、対象機器500の発する熱を熱交換器501で熱交換する流体システムに流体特性変化素子Sを適用したものである。バルブ6を経由した流体特性変化素子Sからの流体(ファイバブルを含み、温度変化の効果が期待される)を熱交換器501内のパイプに通す。この熱交換器501内で、対象機器500からの循環してくる流体が別のパイプを通る中で熱交換を行い、対象機器500に戻る流体は、冷却(冷房時)或いは加熱(暖房時)されて戻る。熱交換器501を経た流体は、チラー(Chiller)502にて、本来の温度に戻して、タンク1に循環供給される。
したがって、対象機器500、熱交換器501には、各種暖房・冷房機器が含まれる。また、エアコン、冷蔵庫、自動車のラジエーター、各種ボイラーにも適用できる。あるいは工業用の製造プロセスでの空調などにも利用できる。この場合、対象機器500から熱交換器501へ流入する流体は、液体のほか気体でもよい。
図13は、流体システムの第3実施形態である。第1実施形態、第2実施形態と同じ個所には同じ符号を付して説明を省略する。本システムでは、対象機器600に流体特性変化素子Sからの流体を供給し、使用後の流体を、濾過器601により不要物や不純物を濾過した後、タンク1に循環供給する。流体特性変化素子Sからの流体は、ファインバブルを含むため、冷却効果や洗浄効果がある。従って、対象機器600としては、工作機械であって、ワークや砥石やドリルなどの刃物に、ノズルから流体を吐出し照射する。あるいは、対象機器600を工場の生産ライン(特に精密機器)の洗浄システムとすることができる。同様に、対象機器600を、ビンや容器、機材の洗浄装置とすることもできる。さらには、タンク1にオゾンを加えて蓄え、或いはタンクからの水にオゾンを混合した後(混合装置は図示せず)、流体特性変化素子Sにてオゾンファインバブル水に特性変化して、対象機器600において目的とするプロダクトにオゾンバブル水を照射する。このようにすれば、脱臭・脱色・殺菌効果が得られる。
図14は、流体システムの検査装置の第2の構成例を示し、図3の流体システムの検査装置の第1の構成例と同じ箇所には同じ符号を付してその説明を省略する。バルブ3を経由したタンク1からの流体は、第1圧力損失計測装置701に供給される。第1圧力損失計測装置701内には、一組のフランジ701-1、701-2と、その間の円管路C’があり、円管路C’の所定の距離Lの圧力損失ΔP1が差圧計701-4で計測される。これらの構成は、検査装置の第1の構成例(図3)の圧力損失計測装置5と、流量計5-3を除き同様である。そして、流体特性変化素子Sに流体が供給されて、流体特性に変化があった後に、第2圧力損失計測装置702に供給される。この第2圧力損失計測装置702は、検査装置の第1の構成例(図3)の圧力損失計測装置5と同じであり、一組のフランジ702-1と702-2の間の円管路Cに流量計702-3と、所定の距離Lの圧力損失ΔP2を計測する差圧計702-4とが設けられる。従って、第2の構成例では、流体特性変化素子Sを通す前の流体の圧力損失ΔP1が第1圧力損失計測装置701の差圧計701-4から、流体特性変化素子Sを通した後の流体の圧力損失ΔP2が第2圧力損失計測装置702の差圧計702-4から、同時に求められることになる。このような構成によれば、リアルタイムで、圧力損失ΔP1と圧力損失ΔP2とが得られることにより、両者の値の比較で、流体特性変化素子Sの稼働状態の検査、つまり、流体特性変化素子Sの機能実現動作の適否判定が行えることになる。
この第2の構成例の差圧計701-4、702-4も、夫々円管路C、C’の表面に所定距離(L)離れた一組の小穴である圧力測定孔を設け、流体の静圧を差圧トランスジューサーとマノメータの組み合わせで計測するようにしてもよいし、各圧力測定孔の静圧を個別の圧力トランスジューサーで計測してその差分を求めて差圧を得るようにしてもよい。
図15は、流体システムの第4実施形態を示す構成例である。本システムでは、第1の実施形態(図10)と同様の流体システムを、図14の流体システムの検査装置の第2の構成例の考え方を適用して構成したものである。第1の実施形態と同様の箇所には同じ符号を付し説明を省略する。本第4実施形態においては、流体供給システム800内の第1圧力損失計測装置701から流体特性変化素子Sを通る前の圧力損失ΔP1が、第2圧力損失702から流体特性変化素子Sを通った後の圧力損失ΔP2が、流量計702-3から流量Q、温度計8から温度Tが制御装置801に供給される。制御装置801の内部には、図示をしないがマイクロコンピュータなどの処理プロセッサやメモリを含んでいる。流量計からの流量Q、第1圧力損失計測装置701からの圧力損失ΔP1、第2圧力損失計測装置からの圧力損失ΔP2、温度計8からの温度Tが、適切な数値であるならば、バルブ6を開放し、流体特性変化素子Sを経た流体を対象機器400に供給するが、不適切な数値が得られた場合、特に第1圧力損失計測装置701からの圧力損失ΔP1と第2の圧力損失計測装置702からの圧力損失ΔP2の値の差分がある値以上になってない場合は、バルブ6を閉めて流体の供給を停止し、その旨をランプ302などで警告するようにする。
図16は、制御装置801に含まれる処理プロセッサの動作フローを示しており、ステップS11では、流量計702-3からの流量Q、温度計8からの温度Tをサンプリングする。次に、ステップS12で第1圧力損失計測装置701から流体特性変化素子Sを通る前の圧力損失ΔP1がサンプリングされ、ステップS13に進み、第2圧力損失計測装置702から流体特性変化素子Sを通った後の圧力損失ΔP2がサンプリングされる。ステップS14では、圧力損失ΔP2が圧力損失ΔP1と一定程度以上離れている(大きい)か否かを判定する。勿論、このとき、流量Qや温度Tに依存して、比較アルゴリズムや閾値に補正をかけるようにすれば精度があがる。そして、流体特性変化素子Sが本来の機能を実現していると判断して、良ければ(OKならば)バルブ6を開けて(開けたままとして)、ステップS11にもどり、この処理を繰りかえす。もしステップS14で閾値を超えた、許容範囲内を外れたとしたら、NGの判断をし、ステップS15に進み、ランプ302を点灯して異常状態を使用者(管理者)に知らせるとともに、バルブ6をしめて流体特性変化素子Sを経た流体が対象機器400に供給されないようにして、ステップS16に進む。ステップS16では、異常の原因を探り、対策を施して(人為的な操作も含む)、ステップS11に戻る。
図14の流体システムの検査装置の第2の構成例の考え方を適用して、第4の実施形態と同様に、第2の実施形態(図12)や第3の実施形態(図13)を変形することもできるが、その構成は自明であるので説明を省略する。
以上の説明では、流体特性変化素子Sを通す前の流体の円管路での圧力損失ΔP1と流体特性変化素子Sを通した後の流体の円管路での圧量損失ΔP2との値の比較で、流体特性変化素子Sの稼働状態の検査を行ったが、両者の円管路の管摩擦係数λ(式(7)による)の比較でも、同様に流体特性変化素子Sの稼働状態を検知することができる。この場合、流体特性変化素子Sが本来の機能を実現しているならば、流速V、或いは流量Qの-0.25乗のカーブからずれが生じることになる。
また、圧力損失ΔP1、ΔP2を計測するのを円管路C、C’としたが、矩形状の断面形状をもつものなど非円形断面をもつ管路であってもよい。また、円管路や非円形断面をもつ管路の長さ、管の径、差圧計を取り付ける位置については、適宜変更でき、流体システム(利用装置や対象機器)で必要とする流体の流量などに依存して変更可能である。
また、流体特性変化素子Sは、ファインバブルを発生するものや、流体を撹拌・拡散あるいはせん断するものとして説明したが、流体の特性に何らかの変化をもたらすものであれば、本発明を適用可能である。このときに、流体特性変化素子Sを通した流体にあっては、流速Vや流量Qに対する圧力損失ΔP2が、理論式から(或いは、流体特性変化素子Sを経由する前の流体の圧力損失ΔP1)からずれを生じているものとする。
以上、本発明を、いくつかの構成例や、複数の実施形態を利用して説明したが、本発明はこのような例示の形態に限定されることではない。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、上記説明及び関連図面から本発明の多くの変形及び他の実施形態を導出することができる。本明細書では、複数の特定用語が使われているが、これらは一般的な意味として単に説明の目的のために使われただけであり、発明を制限する目的で使われたものではない。添付の特許請求の範囲及びその均等物により定義される一般的な発明の概念及び思想を抜け出さない範囲で多様な変形が可能である。
C、C’ 円管路
S 流体特性変化素子
3、6 バルブ
4 切替弁
5 圧力損失計測装置
5-3、702-3 流量計
5-4、701-4、702-4 差圧計(マノメータ)
7 利用装置
8 温度計
10 流体供給管
300、800 流体供給システム
400、500、600 対象機器
501 熱交換器
301、801 制御装置
701 第1圧力損失計測装置
702 第2圧力損失計測装置


Claims (16)

  1. 供給される供給流体に対してファインバブルを発生するか、又は供給流体を攪拌・拡散或いはせん断して、流体の特性を変化させる流体の特性を変化させる流体特性変化素子と、
    流体特性変化素子からの流体を利用する利用装置と、
    流体の流路に設けられて流体の圧力損失を検出する圧力損失計測手段と、
    圧力損失計測手段からの圧力損失の値に応じて、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知する制御手段と、
    を特徴とする流体システム。
  2. 圧力損失計測手段は、流路の2点の圧力測定孔の流圧の差を検出する差圧計を有し、流体の圧力損失を検出することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  3. 圧力損失計測手段は、流路の2点の圧力測定孔の流圧をそれぞれ計測する一組の圧力計を有し、圧力計の夫々で計測される圧力の差の値を求めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  4. 流体損失計測手段は、
    流体特性変化素子を通す前の流体が通過する流路の2点間の圧力損失を検出する第1の圧力損失計測手段と、
    流体特性変化素子を通した後の前の流体が通過する流路の2点間の圧力損失を検出する第2の圧力損失計測手段と、
    を有し、
    第1の圧力損失計測手段からの流体特性変化素子を通す前の流体の圧力損失の値と、第2の圧力損失計測手段からの流体特性変化素子を通した後の流体の圧量損失の値とを比較して、流体の圧力損失を検出する請求項1に記載の流体システム。
  5. 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点に圧力測定孔を設けて、夫々の圧力の差を検出するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の流体システム。
  6. 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点の圧力測定孔の流圧の差を検出する差圧計を有することを特徴とする請求項5に記載の流体システム。
  7. 第1及び第2の圧力損失計測手段は、各々、流路の2点の圧力測定孔の流圧をそれぞれ計測する一組の圧力計を有し、圧力計にて計測される圧力の差の値を求めるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の流体システム。
  8. 流体特性変化素子は、
    収納体と、
    収納体に収納されて、流体に流動特性を与える内部構造体と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  9. 内部構造体は、
    共通の軸部材上に、拡散部分と、流動特性付与部分とを有し、
    拡散部分は、錐体形又はドーム形であって、流体を特定方向に拡散し、
    流動特性付与部分には、軸部材上の外周面に多数の突出部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の流体システム。
  10. 内部構造体は、共通の軸部材上の拡散部分と流動特性付与部分との間に、更に渦巻発生部分を有し、渦巻発生部分は、拡散部分によって拡散された流体に渦巻流を発生させるようにし、流動特性付与部分には、渦巻発生部分からの渦巻流となった流体が与えられることを特徴とする請求項8に記載の流体システム。
  11. 圧力損失計測手段には、流体特性変化素子を通す前の流体と、流体特性変化素子を通した後の流体とが切り替えて流路に供給され、制御手段は、圧力損失計測手段からの圧力損失の値を比較することにより、流体特性変化素子の稼働状態を検査し、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  12. 圧力損失計測手段から出力される、流体特性素子を通す前の流体の流路における圧力損失の値を基準値として制御手段は記憶しておき、圧力損失計測手段から出力される、流体特性変化素子を通した後の流体の流路における圧力損失の値と基準値との比較結果に基づき、流体特性変化素子の稼働状態を検査し、流体特性変化素子からの利用装置への流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知することを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  13. 流体システムは、更に、
    流路を流れる流体の流量を検査する流量検査手段と、
    流路を流れる流体の温度を測定する温度測定手段とを有し、
    制御装置は、圧力損失計測手段からの圧力損失の値と流体検査手段で検査された流体の流量と温度測定手段からの測定温度とに基づき、流体特性変化素子からの流体システムへの流体の供給を制御するとともに、その状態を外部に通知するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の流体システム。
  14. 利用装置は、流体特性変化素子からの流体の特性が変化した流体を利用する機器であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
  15. 利用装置は、熱交換器であって、流体特性変化素子からの流体の熱量をもって、対象機器から流れてくる流体の持つ熱量との交換を行い、チラーを経由して流体特性変化素子に対して流体を循環することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
  16. 利用装置は、洗浄及び/又は冷却を行う機器であって、流体特性変化素子からのファインバブルを含む流体が供給され、機器から回収された流体は濾過器を経由し循環することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の流体システム。
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