JP2022158840A - システム及び探知機等 - Google Patents
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Abstract
【課題】速度取締に関する情報の報知に関してユーザにとって利便性の高い機能を提供する。【解決手段】通信端末20は。車両40に配置される車載装置30であって、外部の端末と通信して当該端末が有する機能に関する情報を表示する車載装置30と通信する通信部と、車両40に配置されて速度取締地点の存在を示す取締波を受信する受信機10から前記取締波の受信結果を示す信号を取得する処理、及び前記受信結果を示す信号に応じて、車両40と速度取締地点とが所定の接近関係を有することを報知するための報知信号を、車載装置30に出力する処理を実行する制御部と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、例えばシステム及び探知機等に関するものである。
道路を走行する車両の速度を測定するシステムには、様々な方式のものがある。レーダー方式の場合、道路沿いに設置された速度測定装置が、所定周波数帯域のマイクロ波を車両に向けて発射し、その車両からの反射波を受信して、車両の走行速度を測定する。
車両の運転者等のユーザにとって、速度測定装置の存在を事前に把握できることが有用な場合がある。特許文献1は、車両速度測定装置から発射されたマイクロ波を受信し、車両速度測定装置が存在することを検出した場合には警報を出力する電子機器を開示している。
本発明の目的の一つは、従来のシステムより優れたシステムを提供する、例えば速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の受信感度を向上させる技術を提供する。
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はない。本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、この課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題も開示されている。
(1)車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定するレーザー探知の機能を有するシステムであり、入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子と、前記第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する集積回路と、前記第2信号に基づいて前記判定の結果を示す判定信号を出力する制御回路と、を有し、前記集積回路は、前記レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路であるシステムが提供される。
集積回路として、速度測定用のレーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路をレーザー探知の用途で用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の感度を向上させることができることを発明者は見出した。このようにすると、レーザー探知の機能を向上させることができる。例えばトランジスタ増幅回路に比べてノイズの少ない集積回路に、受光素子から出力される電流信号が与えられるため、ノイズが小さくなり、集積回路の利得も相まって感度を向上させることができる。
(2)前記集積回路は、前記特定の用途のために設計された集積回路であるとよい。速度測定用のレーザー探知とは異なる特定の用途のために設計された集積回路をレーザー探知の用途で用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の感度を向上させることができることを発明者は見出した。このようにすると、レーザー探知の機能を向上させることができる。
(3)前記集積回路は、光距離測定用とするとよい。光距離測定用の集積回路は、比較的高い周波数の信号の入力に対応しており、また、光距離測定用の集積回路は測距の精度を確保するのに必要な性能を有する。このような光距離測定用の集積回路を、他用途であるレーザー探知の用途に用いることに特に適していることを、発明者は見出した。このようにすると、レーザー探知の機能を向上させることができる。例えば速度測定装置から出射したレーザー光が非常に細いパルス幅のレーザー光であっても精度良く検知できる。
(4)前記特定の用途は、測距用のレーザー光の受光用であり、測距用のレーザー光を発する機能を有しないようにするとよい。測距用のレーザー光の受光用の集積回路は、比較的高い周波数の信号の入力に対応しており、また、光距離測定用の集積回路は測距の精度を確保するのに必要な性能を有する。このような光距離測定用の集積回路はレーザー探知の用途に用いることに特に適していることを発明者は見出した。このようにすると、レーザー探知の機能を向上させることができる。例えば速度測定装置から出射したレーザー光が非常に細いパルス幅のレーザー光であっても精度良く検知できる。
(5)前記特定の用途は、LiDAR(Light Detection and Ranging)用とするとよい。LiDARは、対象物に光を照射し、その反射光を光センサでとらえ距離を測定するリモートセンシング技術であって、例えば高帯域幅車載トランスインピーダンスアンプでもある。このようなLiDAR用の集積回路は、高性能で周波数帯域も高く、自ら出射した光の反射光ではなく外部からのレーザー光を精度良く検知できるように設計されている。このような集積回路も、レーザー探知の用途に用いることに特に適しており、レーザー探知の機能を向上させることができる。
(6)前記集積回路は、トランスインピーダンスアンプを有するとよい。このようにすると、受光素子から出力される微小な電流である第1信号であっても、速度測定用のレーザー光の受光の有無を判定するのに必要な電圧信号に変換した第2信号を出力できる。その結果、制御回路による速度測定用のレーザー光の受光の有無の判定の精度を向上させることができる。
(7)前記トランスインピーダンスアンプは、オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプでないようにするとよい。オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプの場合、対応可能な周波数が比較的低い場合や、対応可能な周波数を高くするには高価なオペアンプを用いることが必要である。オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプでないようにすると、高価なオペアンプでトランスインピーダンスアンプを構成しなくとも、速度測定用のレーザー光の周波数に対応したトランスインピーダンスアンプを用いて、速度測定用のレーザー光の受光の有無を判定することができる。
(8)前記トランスインピーダンスアンプのゲインを決定する抵抗は44kΩ以上77kΩ以下の範囲内であるとよい。トランスインピーダンスアンプのゲインを決定する抵抗を44kΩ以上77kΩ以下の範囲内とした集積回路を用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の感度を向上させ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができることを発明者は発見した。
(9)前記集積回路は、少なくとも周波数が10MHz以上の信号の入力に対応しているようにするとよい。速度測定用のレーザー光は、例えばパルス幅が20nsといった非常に細いパルス幅のパルスレーザーが用いられることがある。少なくとも周波数が10MHz以上の信号の入力に対応している集積回路を用いると、従来構成に比べて、速度測定用のレーザー光の感度を向上させ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができる。
(10)前記集積回路は、周波数の下限値として少なくとも25MHz以上の信号の入力に対応することが保証された集積回路であるとよい。周波数の下限値として少なくとも25MHz以上の信号の入力に対応することが保証された集積回路を用いることで、従来構成に比べて、速度測定用のレーザー光の感度を向上させ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができる。
(11)前記速度測定装置が出射したレーザー光はパルスレーザーであり、前記受光素子は、前記集積回路の入力端より高電位側に接続され、前記集積回路は負パルスを前記第2信号として出力し、前記集積回路の出力端は、エミッタ接地の増幅回路に接続され、前記エミッタ接地の増幅回路の出力端は、エミッタフォロワ回路のベース側に接続され、前記エミッタフォロワ回路の出力信号をしきい値処理した信号に基づく信号を前記制御回路に与えるようにするとよい。このようにすると、速度測定装置が出射したレーザー光としてのパルスレーザーを受光した場合に、集積回路から負パルスを出力させ、エミッタ接地増幅回路で反転と増幅を行え、エミッタフォロワ回路に増幅した正パルスを与え、システム全体で高利得を得ることができ、エミッタ接地増幅回路で反転と増幅の2つ機能を1つでまかなえるので構成が簡易となる。
(12)前記速度測定装置が出射したレーザー光はパルスレーザーであり、前記受光素子は、前記集積回路の入力端より低電位側に接続され、前記集積回路は正パルスを前記第2信号として出力するとよい。このようにすると、例えば集積回路の利得が高い場合には集積回路の出力をエミッタフォロワ回路に直接入力可能となり、必要な増幅回路の数を減らしたり、増幅回路を設けないようにしたりすることができる。
(13)前記集積回路は、そのリファレンスデザインが入力側に前記受光素子とコイル素子を直列接続するものであり、前記コイル素子に代えて抵抗素子を設けるとよい。このようにすると、受光素子に入力されるレーザー光が例えば非常に細いパルス幅で高周波のものであっても抵抗素子を用いることで、リンギングが生じることを抑制できる。
(14)前記集積回路の出力側にエミッタフォロワ回路を配置し、前記エミッタフォロワ回路の出力信号をしきい値処理した信号に基づく信号を前記制御回路に与えるようにし、前記エミッタフォロワ回路のベース側に温度補償回路を設けるとよい。このようにすると、車両に配置されるシステムでは、車内温度の変化が大きいが、温度補償回路を設けることで、エミッタフォロワ回路のベース電圧値が安定する。よって、入力信号に対するエミッタフォロワ回路の出力信号が温度変化により大きく変動しにくいため、設定するしきい値の余裕度合いを小さくしても速度測定用のレーザー光の受光有無の誤判定を抑制することができる
(15)前記集積回路は、リファレンスデザインで出力側にAD(Analog to Digital)コンバータの配置が推奨されるものであり、前記ADコンバータに代えて前記集積回路の出力を増幅する増幅回路又は前記集積回路の出力がベースに入力されるエミッタフォロワ回路を設けたとよい。このようにすると、リファレンスデザインで出力側にADコンバータの配置が推奨されるが、これに代えて増幅回路を設けることで集積回路の能力を超えたレベルに第2信号を増幅することができ、又は集積回路からの第2信号に基づいてエミッタフォロワ回路を駆動することができる。その結果、速度測定用のレーザー光の感度を向上させ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができる。
(16)車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光した場合に報知を行うレーザー探知の機能を有する探知機であって入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子と、前記第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する集積回路と、前記第2信号に基づいて前記レーザー光の受光に応じた報知信号を出力する制御回路と、前記報知信号に応じた報知を行う報知部と、を有し、前記集積回路は、前記レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路である探知機が提供される。
集積回路として、速度測定用のレーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路をレーザー探知の用途で用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の感度を向上させることができることを発明者は見出した。このようにすると、レーザー探知の機能を向上させることができる。例えばトランジスタ増幅回路に比べてノイズの少ない集積回路に、受光素子から出力される電流信号が与えられるため、ノイズが小さくなり、集積回路の利得も相まって感度を向上させることができる。
上述したシステムは、1つの装置から構成してもよいし、複数の装置から構成してもよい。
車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定するシステム又は受光に応じた報知をするシステムは、例えば、受光素子を1つだけ有してもよいが、前記受光素子を複数有し、前記複数の受光素子によるレーザー光の受光に基づいて、レーザー光の受光に応じた信号を出力するとよい。受光素子は、例えば、フォトダイオードとするとよいが、フォトトランジスタ等を用いてもよい。
(A)前記複数の受光素子が、所定の方向に沿って一列に並ぶように配置されるとよい。この場合に、所定の方向は、電子機器の左右方向、又は水平方向としたり、車両の車幅方向としたりするとよい。このようにすると、左右方向、水平方向又は車幅方向の広範囲からのレーザー光を受光して、その方向に感度の高い角度を確保することができる。
(B)前記複数の受光素子が、第1方向、及び第1方向に交差する第2方向の各方向に沿って配置されるとよい。この場合に、第1方向は、電子機器の左右方向、又は水平方向としたり、車両の車幅方向としたりするとよい。第2方向は、電子機器の上下方向、又は鉛直方向としたり、車両の高さ方向としたりするとよい。このようにすると、左右方向、水平方向又は車幅方向だけでなく、上下方向、鉛直方向又は車両の高さ方向の広範囲からのレーザー光を受光して、その方向に感度の高い角度を確保することができる。
(C)複数の受光素子の各々から集積回路に第1信号が入力されるようにするとよい。さらに、いずれの受光素子からの信号が入力したかに応じて、報知を異ならせるようにするとよい。このようにすると、レーザー光の受光に関する報知を多様なものとすることができ、ユーザにとって利便性を高くすることができる。これに限られず、複数の受光素子のうち少なくとも2つの受光素子を並列に接続して、集積回路に第1信号が入力されるようにしてもよい。例えば、受光強度がしきい値を超えた受光素子の個数が多いほど、レベルの高い報知を行うようにするとよい。又は受光素子から個別に入力した受光強度について所定の統計処理を行って、積算値が各レベルの基準値を超えた場合に、そのレベルの報知を行うようにしてもよい。又は、レーザー光を受光した受光素子の位置に応じた、レーザー光の入射ないし出射の方向を報知したり、取締地点(例えば、速度測定装置)の方向を報知したりしてもよい。このようにすると、取締地点との接近関係をユーザが把握しやすくすることができる。
(D)レーザー光を集光する集光レンズを有し、前記複数の受光素子が、所定の方向に沿って一列に並ぶように配置され、所定の方向は、電子機器の左右方向、又は水平方向としたり、車両の車幅方向としたりする場合に、複数の受光素子は、集光レンズの位置を基準として、車両の進行方向に対して左側に寄せて配置されるとよい。左側に寄せて配置されることは、集光レンズの光軸に対して、複数の受光素子の配列方向の中心が車両の進行方向に対して左側に位置することをいうとよい。このようにすると、取締地点(例えば、速度測定装置)がよく存在する側である車両の進行方向に対して左側からの光の受光感度を良くすることができる。
(E)複数の受光素子につき、すべての受光素子が同一直線上に配置されないようにするとよい。
(F)複数の受光素子のうちの少なくともいずれかの受光素子の辺を第1方向、及び第2方向から傾けて配置するとよい。このようにすると、第1方向、及び第2方向とも感度の高い角度を確保することができる。
(G)上述した複数の受光素子の配置を2つ以上組み合わせた配置とするとよい。このようにすると、レーザー光の入射角によって、受光感度が低下する角度の幅を小さくすることができる。
(H)集光レンズと複数の受光素子との間に鏡筒が配置される場合に、鏡筒の一部が切り欠かれるとよい。鏡筒の内部は、集光レンズで集光されたレーザー光の光路となり、鏡筒の内壁面で反射して受光素子の位置に導かれる。鏡筒の一部が切り欠きは、レーザー光の光路を確保するための切り欠きとするとよい。このようにすると、特定の方向からのレーザー光の受光感度が低下する角度の幅を小さくすることができる。
(I)集光レンズと複数の受光素子との間に鏡筒が配置される場合に、鏡筒は複数の受光素子側が径方向に広がっている形状とするとよい。このようにすると、鏡筒を通過したレーザー光が受光素子で受光されやすくすることができる。
(J)隣り合う2つの受光素子間に、レーザー光をいずれかの受光素子側に反射する反射部材を設けられるとよい。このようにすると、取締地点の存在の判定の精度を向上させることができる。
(K)複数の受光素子の配置が立体的な配置となっているとよく、特に、電子機器の前後方向(例えば、複数の受光素子の位置に集光する集光レンズの光軸方向)において異なる2つ以上の位置に、受光素子が配置されるようにするとよい。特に、複数の受光素子は、第1方向(例えば、電子機器の左右方向等)において隙間を空けて配置された第1受光素子と第2受光素子とを有する場合に、その隙間の位置から見て、電子機器の前面側(例えば車両の後方側)に第3の受光素子を有するとよい。このようにすると、レーザー光の入射角によって、受光感度が低下する角度の幅を小さくすることができる。
(L)複数の受光素子の配置が立体的な配置となっている場合に、電子機器の前後方向(例えば、集光レンズの光軸方向)において異なる位置にある第1受光素子と、第3受光素子とは、第1受光素子が第1基板に設けられ、第3受光素子が第2基板に設けられるとよい。この場合に、第1基板はレーザー光を透過させることのできる透明基板とすると、その透明基板を透過したレーザー光が第3受光素子で受光される。第1受光素子と第3受光素子とは同じ基板の一方の面と反対側の面に設けられてもよい。このようにすると、電子機器の筐体内で基板の占める領域を小さくすることができ、例えば電子機器の前後方向の厚みを小さくすることができる。
上述した(1)から(16)及び(A)から(L)の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)に示した発明の全部または一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。本願出願人は、これらの構成を含むものについても、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により特許権・意匠権等を取得する意思を有する。
本発明によれば、例えば従来のシステムより優れたシステムを提供することができる。例えば速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の受信感度を向上させることができる。
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成によって把握される効果が存在する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。以下の説明における、第1、第2、・・・という数値を用いたラベリングは各要素を識別するためのもので、要素の数を定めるものではない。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
速度測定装置が出射する速度測定用のレーザー光は、非常に細いパルス幅で高周波数という特質があり、そのようなレーザー光の検出感度を高くしたいという課題がある。例えば、一般的に採用されている汎用品のアンプICでは微弱なレーザー光を検出することが困難なことがあった。そこで、以下に説明する本発明の実施形態では、このような課題を解決できるような技術を提案する。
[1.電子機器の構成]
電子機器10は、例えば車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定するレーザー探知の機能を有するシステムである。レーザー探知の機能には、通常、速度測定用のレーザー光を受光した場合に報知を行う機能も含まれる。以下では、電子機器10が、レーザー光を受光したと判定した場合には、その受光に応じた報知を行う探知機である場合を説明する。電子機器10は、レーザー探知機と称されることもある機器である。
電子機器10は、例えば車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定するレーザー探知の機能を有するシステムである。レーザー探知の機能には、通常、速度測定用のレーザー光を受光した場合に報知を行う機能も含まれる。以下では、電子機器10が、レーザー光を受光したと判定した場合には、その受光に応じた報知を行う探知機である場合を説明する。電子機器10は、レーザー探知機と称されることもある機器である。
速度測定用のレーザー光を出射する速度測定装置について説明しておく。この速度測定装置は、レーザー方式に対応しており、車両の速度の取締が行われる地点である速度取締地点に設置される。速度取締地点は、車両の走行状況(例えば、車両が速度を出しやすいこと)、交通事故の発生状況(例えば、事故の発生数が多い地点)等の状況を勘案して、決定される。速度取締地点の一例として、車両が走行する路線(道路)のうち、一般道や、直線状の道路、カーブ又はカーブの先の地点等がある。速度測定装置としては、固定式、移動式、半固定式等のタイプがあるが、いずれであってもよい。
速度測定装置は、例えばレーザースキャン方式により、車両の速度を測定する。具体的な一例を示すと、速度測定装置はパルスレーザーであるレーザー光を出射し、このレーザー光が車両に到達して反射すると、その反射光を受光する。速度測定装置は、レーザー光を発してから、反射光を受光するまでに要した時間に基づいて、車両までの距離を測定する。そして、速度測定装置は、車両までの距離の測定を繰り返し行い、単位時間の車両の移動距離に基づいて、その車両速度を測定する。速度測定装置が出射するレーザー光は、特定波長に集中してエネルギーを有する。特定波長は、速度測定装置が出射する光のエネルギーがピークとなる波長とするとよい。レーザー光は、例えば可視光領域外の特定波長にエネルギーを有する。特定波長は、人間に知覚されない波長で、例えば赤外光領域に属する。特定波長は、例えば905nmであるが、850nm、950nm、1900nmまたはその他の波長であってもよい。レーザー光のパルス幅は、例えば略20ns又は略15nsである。レーザー光のパルス間隔は、例えば、略80msである。「略」は、基準となる値と同一又はその値と実質的に同一とみなせる所定範囲内とするとよい。
図1は、電子機器10の構成を示すブロック図である。制御部11は、電子機器10の各部を制御する。制御部11は、例えば、演算処理回路、およびメモリを含むコンピュータである。演算処理回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate
Array)、またはその他の演算処理回路を含む。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)またはその他の揮発性のメモリを含む。演算処理回路は、メモリにデータを一時的に読み出して演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。データは、制御部11が各機能を実行するためのプログラムや、作業用のデータを含む。制御部11は、本実施形態では、後述する集積回路123とは別の集積回路で構成された制御回路である。
Array)、またはその他の演算処理回路を含む。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)またはその他の揮発性のメモリを含む。演算処理回路は、メモリにデータを一時的に読み出して演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。データは、制御部11が各機能を実行するためのプログラムや、作業用のデータを含む。制御部11は、本実施形態では、後述する集積回路123とは別の集積回路で構成された制御回路である。
受光部12は、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光するための受光部である。受光部12の構成は後で説明するが、速度測定用のレーザー光が属する波長領域に感度を有する。
表示部13は、画像を表示する。表示部13は、例えば3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイである。ただし、表示部13は、有機ELディスプレイまたはその他の方式の表示装置でもよい。スピーカ14は、音声を出力する。制御部11は、例えば警報時及び操作時等に所定の音をスピーカ14から出力する。制御部11は、例えば、操作部19における操作音や、各種のメッセージ(ガイド・警報等)を、スピーカ14を用いて報知する。
マイクロ波受信部15は、アンテナおよび受信回路を含み、マイクロ波を受信する。マイクロ波受信部15は、レーダー方式に対応した速度測定装置からのレーダー波を受信する受信部の一例である。GPS(Global Posisioning System)受信部16は、アンテナおよび受信回路を含み、GPS衛星からの信号を受信する。GPS受信部16は、受信した信号を処理して、位置情報を出力する。位置情報は、例えば緯度情報および経度情報を含み、さらに高度情報を含んでもよい。GPS受信部16は、電子機器10の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する位置情報取得部の一例である。通信部17は、外部装置と通信する。通信部17は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)またはその他の方式の無線通信を行う。
記憶部18は、データを記憶する。記憶部18は、例えば、制御部11が各種の制御を行うためのプログラムを記憶する。制御部11は、記憶部18からメモリにプログラムを読み出して実行する。また、記憶部18は、地図を示す地図データ、各種施設の種類やその所在地を示すデータ、報知対象の存在を報知するためのデータ、ルート案内機能を実現するためのデータ、待受画面を表示するためのデータなどを記憶する。報知対象は、例えば、居眠り運転事故地点、速度測定装置(レーザー方式、レーダー方式、ループコイル式、Hシステム、LHシステム、光電管式、移動式等)、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。記憶部18は、これらの報知対象の種別情報と、その位置を示す位置情報と、表示部13に表示する画像(例えば、模式図または写真)のデータと、音声データとを対応付けて記憶する。
なお、記憶部18は、データを永続的に記憶する記憶媒体を含んでもよい。記憶部18は、例えば、光学式記録媒体、磁気記録媒体、および半導体記録媒体、またはその他の記録媒体を含んでもよい。
操作部19は、ユーザの操作を受け付ける。操作部19は、例えば、タッチセンサ、音量調整ボタン、および作業用ボタンを含む。タッチセンサは、表示部13の表面に設けられ、ユーザによりタッチされた位置を検出する。音量操作ボタンは、スピーカ14から出力される音声の音量を調整するために操作される。作業用ボタンは、各種の作業を行うためのボタンである。
センサ部20は、各種のセンサを含む。センサ部20は、例えば、地磁気センサ、加速度センサ、および照度センサ201(図2等参照)を備える。地磁気センサは、地磁気を検出して北方向が進行方向に対してどの方向にあるかを検出するセンサである。加速度センサは、車両の前後、左右、上下の加速度を検出するセンサである。照度センサ201は、車室内の明るさを示す照度を検出するセンサである。
装着部21は、外部記憶媒体を着脱可能に装着するものである。外部記憶媒体は、例えば、メモリカードである。この場合、装着部21は、メモリカードスロットである。記憶部18に記憶されるデータは、外部記憶媒体を介して取り込まれてもよい。このデータとして、新規な報知対象(ターゲット)の情報(経度・緯度等の位置情報、種別情報等)の更新情報等がある。
電源部22は、電源から供給された電力を、電子機器10内の各部に供給する。電源部22は、例えば、電源スイッチ221およびDCジャック222を含む。DCジャック222は、シガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続されて電源供給を受ける。電源スイッチ221は、電子機器10の電源をオンまたはオフするためのスイッチである。発光部23は、種々の色で発光する。発光部23は、例えば発光ダイオードを含む。
ケーブル端子部24は、外部の接続ケーブルが接続される端子である。例えば、接続ケーブルは、電子機器10は、車両に実装されているOBD-IIコネクタに接続するケーブルである。OBD-IIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、各種の車両情報が出力される。後述するように、制御部11は、取得した車両情報に基づき、各種の待受画面を作成し、表示部13に出力する。
なお、電子機器10は、上記以外にも、レーザー探知機、またはレーダー/レーザー探知機が通常備える機能を有してもよい。
図2は、電子機器10の外観構成の一例を示す斜視図および背面図である。この例では、電子機器10の筐体100は、正面側に位置する第1筐体1001と、後方側に位置する第2筐体1002とに分けられる。第1筐体1001の前面には、表示部13、発光部23およびセンサ部20の照度センサ201が設けられている。第1筐体1001の前面の開口部に表示部13の表示領域が位置する。第2筐体1002の上端面から音声を出力するように、スピーカ14が設けられている。筐体100の右側端面には、SDカードを装着するための装着部21(すなわち、SDカードスロット)が設けられている。筐体100の背面の右上方部には、受光部12の一部を構成する集光レンズ121が設けられている。筐体100の背面の左下部には、電源部22の電源スイッチ221およびDCジャック222が設けられている。
第2筐体1002の背面には、レンズホルダ1006が設けられている。レンズホルダ1006は、筐体100の内外を通じさせる開口部である窓を構成する。レンズホルダ1006は、筐体100の背面側から見たとき、水平方向に長軸、鉛直方向に短軸を有する楕円形状である。電子機器10が車両に設置された状態では、水平方向が車両の幅方向に相当し、鉛直方向は車両の高さ方向に相当する。
集光レンズ121は、レンズホルダ1006に嵌め込まれている。レンズホルダ1006および集光レンズ121は、第2筐体1002の背面から見て、第2筐体1002の右上寄りの位置に設けられている。例えば集光レンズ121は、筐体100の背面のうち、少なくとも上下方向における中心よりも上方で、かつ少なくとも自車両の運転席側から見て車両の進行方向に対して左側に位置するように配置される。集光レンズ121が第2筐体1002の背面の比較的上方に位置し、かつ速度測定装置が位置する可能性の高い路肩側に配置されるほうが、速度測定装置からの光を受光しやすくなる可能性があるからである。速度測定装置からのパルス光は、レンズホルダ1006および集光レンズ121を介して筐体100の内部に導入される。集光レンズ121は、その全体が光を透過させる素材を用いて形成されている。集光レンズ121は、透明または半透明である。集光レンズ121は、光の入射面が非球面状であり、例えば放物線形状や滑らかな曲線からなる面とするとよい。集光レンズ121が非球面レンズであることにより、球面レンズが用いられる場合に比べて、受光素子にて結像する際に、球面収差を抑制することができる。非球面レンズで得られるスポットサイズは、球面レンズに比べて数桁小さいことがある。このような考え方によれば、集光レンズ121は、球面レンズよりも球面収差を小さくした複数のレンズの組み合わせにより実現されてもよい。集光レンズ121は、少なくともパルス光を透過させるレンズで、半透明または透明の部材である。
集光レンズ121は、速度測定装置からのパルス光を集光レンズ121の奥側の所定位置に配置する受光素子(図省略)の位置に導く。集光レンズ121の特性に応じて受光素の位置に光が集光されるようにその配置位置が設定される。
速度測定装置が路肩に存在する場合、速度測定装置と車両との距離が大きい場合ほぼ正面側からパルス光が入射するが、近づくにつれて左方向からパルス光が入射することになる。このため、集光レンズ121は、車両の幅方向のほうが、車両の高さ方向よりも広い受け入れ角度で光を受光できるように水平方向の長さを、垂直方向の長さよりも大きくしている。例えば、集光レンズ121は、幅方向両側に40度ずつ、高さ方向両側に20度ずつの入射角で入射した光を集光することができるようにするとよい。垂直方向の長さを相対的に短くすることで、パルス光以外の光の集光を軽減する。
集光レンズ121は、速度測定装置からのパルス光が仮に微弱であってもこれを検知できるような特性を有する。これにより、電子機器10は、超広範囲かつ長距離で速度測定装置の存在を検知でき、その存在を迅速に報知することができる。さらに、集光レンズ121の入射面側に可視光カットフィルタを設けるとよく、また、集光レンズ121が可視光カット機能を有する素材で形成されてもよい。これにより、可視光の影響が軽減される。集光レンズ121は、アスフェリックレンズ(エスフェリックレンズ)と呼ばれるものであってもよい。
集光レンズ121は、その光軸が車両の前後方向と平行となるように配置されてもよいが、傾いていてもよい。この場合において、集光レンズ121の光軸が、車両の前後方向に対して左前方側に傾いていると、速度測定装置からのパルス光をより受光しやすくなる可能性がある。
以上の構成のもと、制御部11は、運転者に安全を促すための各種の警報情報を出力する。例えば制御部11は、記憶部18に地図情報として記憶された報知対象の位置(緯度経度)と、GPS受信部16によって検出した車両の現在位置(緯度経度)から両者の距離を求め、求めた距離が所定距離以下となった場合に、出力機器から警報情報を出力する(GPS警報機能)。また例えば制御部11は、マイクロ波受信部15によって速度測定装置から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、出力機器から警報情報を出力する(レーダー波警報機能)。また例えば制御部11は、受光部12によって所定の光パルスを受信した場合、出力機器から警報情報を出力する(レーザー光警報機能)。電子機器10は、警報情報を出力することにより交通事故の発生しやすい危険な場所を運転者に認識させる。これにより、電子機器10は、運転者に安全運転を促すことができる。なお、上述した警報情報は一例であり、実際には、他の様々な警報情報を運転者に対して出力する。警報情報は、例えば表示部13に出力する所定の画像・映像・文字等から構成される視覚情報や、スピーカ14に出力する音・音声を用いたもの等がある。出力機器は、表示部13、スピーカ14、発光部23に例示される、表示、音、光その他の人間が知覚可能な方法により情報を報知する報知部として機能する。
[2.受光部12]
<2-1.全体構成>
図3は、受光部12の電気的な構成の一例を示す回路図である。フォトダイオード122は、入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子の一例である。フォトダイオード122のカソードは高電位側の電源ラインと接続され、フォトダイオード122のアノードは抵抗R1の一端と接続する。抵抗R1の他端は接地されている。フォトダイオード122は、例えば集光レンズ121の裏側に配置され、集光レンズ121で集光される光を受光し、入射した光の光量に応じた電流を第1信号として出力する。フォトダイオード122の出力は、入射した光の光量に応じて大きくなるようにするとよい。入射した光を電流信号に変換する受光素子としてはフォトトランジスタ等を用いることも考えられる。
<2-1.全体構成>
図3は、受光部12の電気的な構成の一例を示す回路図である。フォトダイオード122は、入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子の一例である。フォトダイオード122のカソードは高電位側の電源ラインと接続され、フォトダイオード122のアノードは抵抗R1の一端と接続する。抵抗R1の他端は接地されている。フォトダイオード122は、例えば集光レンズ121の裏側に配置され、集光レンズ121で集光される光を受光し、入射した光の光量に応じた電流を第1信号として出力する。フォトダイオード122の出力は、入射した光の光量に応じて大きくなるようにするとよい。入射した光を電流信号に変換する受光素子としてはフォトトランジスタ等を用いることも考えられる。
フォトダイオード122の後段には集積回路(IC)123を配置する。集積回路123の入力端子は、コンデンサC1を介してフォトダイオード122のアノードと抵抗R1の一端とに共通に接続される。
集積回路123は、受光部12の出力である第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する。集積回路123は、レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路である。検証結果については後述するが、このようなレーザー探知とは異なる特定の用途のための集積回路123を、電子機器10のレーザー探知の用途に敢えて用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光の感度を向上させることができることを発明者は見出した。このような特定の用途として、後述するような、光距離測距用等があるが、詳しくは後述する。集積回路123は、レーザー探知とは異なる特定の用途のために設計された集積回路とするとよい。集積回路が、レーザー探知とは異なる特定の用途のために用いられること又は特定の用途のために設計されていることは、例えば、当該集積回路のデータシートやパッケージにおいて、当該特定の用途への使用に適することが記載されていることから把握することができる。このように集積回路が、レーザー探知とは異なる特定の用途のために用いられること、又は特定の用途のために設計されていることは、当該集積回路の仕様に関する情報から把握することができる。レーザー探知とは異なる特定の用途のために用いられること、又は特定の用途のために設計されていることは、レーザー探知に使用することが謳われていないか、又はレーザー探知への使用に適することが積極的に謳われていないことをいうとよい。
集積回路123は、例えば光距離測定用(光距離測定用レシーバ)とするとよい。この場合、集積回路123は、様々な用途に汎用的に使用可能であることが謳われた汎用品とは異なり、光距離測定用を含むいくつかの限られた特定の用途に用いられる集積回路である。集積回路123は、例えば、MAXIM社製のMAX3806を用いるとよい。MAXIM社製のMAX3806に関するデータは、例えば、“https://www.maximintegrated.com/jp/products/comms/optical-communications/MAX3806.html” および“https://datasheets.maximintegrated.com/jp/ds/MAX3806_jp.pdf” (令和3年3月31日検索)に記載されている。このウェブページにおいて、MAX3806は、距離測定アプリケーション用の高利得リニアプリアンプであることが記載されており、レーザー探知の用途とは異なる用途のみが記載されている。このような光距離測定用の集積回路は、比較的高い周波数の信号の入力に対応しており、また、光距離測定用の集積回路は測距の精度を確保するのに必要な性能を有する。このような光距離測定用の集積回路は、レーザー探知の用途とは異なる用途のために設計されているが、レーザー探知の機能に用いることに特に適している。
集積回路123は、トランスインピーダンスアンプを有する集積回路(トランスインピーダンスアンプICともいう。)を用いるとよい。集積回路123は、フォトダイオード122の出力である第1信号をリニアに増幅する。上記ウェブページによると、MAX3806は、レーザービームを使用する距離測定アプリケーション用の高利得リニアプリアンプである。このようにMAX3806は、測距用のレーザー光の受光用であるものの、比較的高い周波数の信号の入力に対応しており、また、光距離測定用の集積回路は測距の精度を確保するのに必要な性能を有する。このようなMAX3806を集積回路123として適用することにより、速度測定装置が出射する速度測定用のレーザー光のパルス幅が20nsと細く、高周波数領域のレーザーパルスであっても、集積回路123において個々の非常に細いパルス幅をそれぞれ1つのパルスとして処理される。また、トランスインピーダンスアンプを有する集積回路123でもって、充分大きな利得が得られる。
集積回路123のトランスインピーダンスアンプは、オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプではない。そのため、MAX3806を集積回路123として用いることは、高周波数である速度測定用のレーザー光の受光を、低コストで実現する上でより有利である。発明者は、少なくとも10MHz以上の周波数の入力信号に対応する集積回路であれば、速度測定用のレーザー光の受光用に適すると考えた。MAX3806では、周波数の下限値として少なくとも25MHz以上の信号の入力に対応することが保証された集積回路であるとよい。MAX3806は、周波数の下限値として少なくとも25MHz以上の信号の入力に対応することが保証された集積回路123である。一方で、オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプの場合、一般的に対応可能な周波数が比較的低く、高周波数である速度測定用のレーザー光の受光感度を向上させるが難しい。また、対応可能な周波数を高くするには、高価なオペアンプを用いることが必要である。集積回路123のように、オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプでないようにすると、高価なオペアンプでトランスインピーダンスアンプを構成しなくとも、速度測定用のレーザー光の受光感度を向上させることができる。
以上のような構成の集積回路123は、入力側が、フォトダイオード122を高電位側に配置されている。そのため、集積回路123は、速度測定用のレーザー光がフォトダイオード122に入射して第1信号が入力端に入力したことに応じて、出力端から負パルスを出力する。
集積回路123の出力端は、トランジスタ1241を用いたエミッタ接地の増幅回路124に接続される。増幅回路124は、集積回路123の出力信号を反転するとともにさらに増幅する。これにより、増幅回路124からは、正パルスが出力される。増幅回路124は、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光が属する特定波長の波長領域の信号の増幅率を高くするように設計されていることが望ましい。トランジスタ1241は、例えばnpn型を用いて構成するとよく、入力信号等に応じて適宜のタイプを用いるとよい。
増幅回路124の出力端は、コンデンサC3を介してエミッタフォロワ回路125に接続される。エミッタフォロワ回路125の出力端は、コンパレータ126の入力端に接続される。
エミッタフォロワ回路125のベース側に温度補償回路としてサーミスタ128が設けられる。エミッタフォロワ回路125の入力側からの信号は、コンデンサC3により直流成分がカットされ、交流成分のみ入力されるため、トランジスタ1251のベース側の周囲の抵抗R4、R5等の分圧により決定される。増幅回路124の出力端に接続されるコンデンサC3と、エミッタフォロワ回路125の入力端であるトランジスタ1251のベースの間に、抵抗R3を介して接地されるサーミスタ128を配置する。サーミスタ128の一端は、エミッタフォロワ回路125の入力端に接続され、他端は接地されている。
コンパレータ126は、受信した信号レベルがしきい値を超えるとハイレベルの信号を出力し、しきい値以下であるとローレベルの信号を出力する。フォトダイオード122で受光する速度測定装置が出射する速度測定用のレーザー光のパルス幅は、例えば20nsと短いため、レーザー光が受光された場合には、コンパレータ126からはそのパルス幅に応じた細いパルス幅のパルスが出力される。
コンパレータ126の出力端が波形整形回路127に接続される。波形整形回路127は、速度測定用のレーザー光の受光に応じて入力端に入力された細いパルス幅を、制御部11で処理可能な所定幅のパルス幅のパルスを生成し、出力するものである。上述したように、速度測定用のレーザー光の受光に応じてコンパレータ126から出力されるパルスのパルス幅は、例えば20nsと非常に細いパルス幅であり、そのまま制御部11を構成するマイコン等に入力すると、制御部11での処理が難しい場合がある。そこで、波形整形回路127は、例えば50μs程度に広げたパルスを生成し出力するとよい。波形整形回路127は、例えば、アンド素子とモノステーブル・マルチバイブレータ等で構成し、モノステーブル・マルチバイブレータの時定数で規定される所定幅のパルス光を出力する用に構成するとよい。
波形整形回路127の出力端は、制御部11に接続される。制御部11は、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定し、その判定した結果を示す判定信号を出力する。判定信号は、少なくとも速度測定用のレーザー光を受光したか否かを特定可能な情報を含む信号である。判定信号は、速度測定用のレーザー光を受光した場合にその受光に応じた報知をするための情報を含んでもよい。判定信号は、この報知をするための報知信号としても把握されてもよい。本実施形態では、制御部11は、例えば速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光のパルス間隔、例えば80msのパルス光が受光された場合に、速度測定装置の存在を報知する制御を行うとよい。この報知は、より具体的には、電子機器10が配置された車両とレーザー方式の速度測定装置とが所定の接近関係を有する旨の報知である。または、制御部11は、入力されたパルスのパルス幅(発光時間)が例えば20nsのパルス光がフォトダイオード122で受光された場合に波形整形回路127から出力されるパルス幅(例えば50μs程度)の場合、速度測定装置の存在を報知する制御を行うとよい。制御部11は、特定波長の光のパルス光が少なくとも1回受光された場合に、速度測定装置の存在を報知するとよい。このようにすれば、速度測定装置が存在する可能性がある場合に、その存在を迅速に報知し、ユーザに把握させることができる。また上記例示した80msのパルス光は、基準となるパルス間隔から一定範囲内である80ms未満または/および80msを超える範囲を含んでもよい。また、同様に20nsのパルス幅は、基準となるパルス幅から一定範囲内である20ns未満または20nsを超える範囲を含んでもよい。それに伴い波形整形回路127から出力されるパルス幅も変動する。
以上のように、電子機器10は、以上のようなレーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路123をレーザー探知の用途で用いることで、従来の構成に比べて、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光する感度を向上させ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができる。このようにすると、例えば、集積回路123に代えてトランジスタ増幅回路を用いる場合に比べて、第2信号のノイズが小さくなり、集積回路123の利得も相まって感度を向上させることができる。
フォトダイオード122から出力される電流信号である第1信号を与える初段の増幅器を、上述した属性を有する集積回路123としたため、1段で高利得が得られる。また、増幅回路全体のノイズは、1段目に配置する増幅器のノイズ性能が大きく寄与し、その1段目に配置する増幅器にトランジスタを用いた増幅回路を用いずにノイズの小さい集積回路123を用いたため、電子機器10におけるノイズを小さくすることができる。よって、電子機器10のレーザー受光の感度がアップする。
電子機器10は、車両に搭載されるため、その設置環境の温度変化が大きい。特に車室内の温度変化は、季節や日中と夜間などの一日の時間帯において非常に大きく変動することがある。トランジスタ1251のベースエミッタ間の電圧降下は、温度に依存するが、サーミスタ128を設けることで、温度変化に伴うエミッタフォロワ回路125のベース電圧の電圧降下の変動が少なくなる。
コンパレータ126におけるしきい値は、余裕を持って高めに設定すると、速度測定装置が出射していない別のパルス光を受光した場合に誤って警報する誤報は防止できるが、感度は低下する。しきい値を低めに設定すると、感度はアップするが、ノイズを拾う誤報を発生する可能性がある。本実施形態では、温度補償回路を設けることで、温度変化を少なくすることで、しきい値を低めに設定してもノイズを拾わなくなるので感度アップできる。
図4は、以上の構成を有する受光部12を用いた場合の速度測定用のレーザー光の受光感度の検証結果を示す図である。上述したように、フォトダイオード122からの信号を増幅する増幅手段として、1段目にトランジスタ回路で構成した増幅回路を設けることなく集積回路123を用い、2段目にエミッタ接地のトランジスタ回路で構成した増幅回路124を用い、エミッタフォロワ回路125の入力側にサーミスタ128を配置するとともにコンパレータ126のしきい値を適宜に設定することで、例えば図4に示すように探知距離並びに探知範囲を増加することができた。なお、図4中、比較例2は、集積回路の増幅器を用いることなくトランジスタからなる増幅回路を多段接続した場合の検証結果の一例である。比較例1は、特開2020-169974号公報の図25に示される回路構成を用いた場合の検証結果の一例である。本実施形態によると、比較例1,2に比べて探知距離を増加させることができることを確認した。
<2-2.MAX3806のリファレンスデザイン等との関係>
集積回路123を構成するMAX3806のリファレンスデザインでは、図3で説明した抵抗R1の位置にコイル素子が設けられている。すなわち、入力端に接続するのは、フォトダイオードとコイル素子の接続部位としている。リファレンスデザインは、そのとおりに設計すれば確実に動作することが検証された回路のことである。リファレンスデザインは、例えば集積回路のデータシートに記載される方法等により提供される。本実施形態では、このようなリファレンスデザインに示されているコイル素子ではなく、抵抗R1を用いた速度測定装置が出射するレーザー光は、非常に細いパルス幅で高周波であるが、抵抗R1を用いることで、リンギングが生じることを抑制できる。リファレンス通りコイル素子を用いてもよいが、磁性体を備えるコイル素子によりリンギングを生じるおそれもあるので抵抗R1を用いる方がよい。また、MAX3806はトランスインピーダンスアンプのため入力インピーダンスは低い。抵抗R1は、入力インピーダンスに比べると抵抗値は充分に大きく、入力信号が抵抗R1側に流れ、損失する影響は少ない。このように抵抗R1を用いたことも、速度測定用のレーザー光の受光感度を向上させることに寄与する。
集積回路123を構成するMAX3806のリファレンスデザインでは、図3で説明した抵抗R1の位置にコイル素子が設けられている。すなわち、入力端に接続するのは、フォトダイオードとコイル素子の接続部位としている。リファレンスデザインは、そのとおりに設計すれば確実に動作することが検証された回路のことである。リファレンスデザインは、例えば集積回路のデータシートに記載される方法等により提供される。本実施形態では、このようなリファレンスデザインに示されているコイル素子ではなく、抵抗R1を用いた速度測定装置が出射するレーザー光は、非常に細いパルス幅で高周波であるが、抵抗R1を用いることで、リンギングが生じることを抑制できる。リファレンス通りコイル素子を用いてもよいが、磁性体を備えるコイル素子によりリンギングを生じるおそれもあるので抵抗R1を用いる方がよい。また、MAX3806はトランスインピーダンスアンプのため入力インピーダンスは低い。抵抗R1は、入力インピーダンスに比べると抵抗値は充分に大きく、入力信号が抵抗R1側に流れ、損失する影響は少ない。このように抵抗R1を用いたことも、速度測定用のレーザー光の受光感度を向上させることに寄与する。
MAX3806は、パルス幅が30ns以上の単一パルスまたはバーストパルスの受け入れを許容しているが、そのよりも狭いパルス幅(例えば20ns)の信号を入力し、検知するようにした。20nsの信号も検知できることを発明者は確認した。
集積回路123は、トランスインピーダンスアンプであり、そのゲインを決定する抵抗値は44kΩから77kΩの範囲内とするとよく、好ましくは60kΩのものがよい。抵抗値は44kΩから77kΩは、MAX3806のデータシートで、より高いゲイン(GAIN=1)を選択した場合に動作が保証された範囲の抵抗値であり、60kΩが標準値として示されている。図4の検証では、集積回路123の7番端子(GAIN)をハイに強制し、60kΩにした。この場合の直線性の範囲は、最大20μApまで保証され、バンド幅は49MHzとなる。また、7番端子をローにするとゲインを決定する抵抗値は30kΩになり、直線性の範囲は、最大40μApまで保証され、バンド幅は98MHzとなる。
集積回路123は、14dBのアッテネータを内蔵しており、5番端子(ATT)をハイにアサートすることでアッテネータはイネーブルになり、ローに強制することでアッテネータはディセーブルになる。状況に応じて使い分けるとよく、本実施形態では、使用しないため5番端子を電源グランド(3、4番端子)に接続している。
MAX3806のリファレンスデザインでは、MAX3806の出力側にADコンバータを接続する配置が推奨されるが、本実施形態ではADコンバータに代えて、集積回路123の出力端に増幅回路124を接続する構成をとっている。例えば集積回路123の利得により電子機器10の全体の利得が仕様を満たす場合に増幅回路124を省略する場合には、集積回路123の出力端にエミッタフォロワ回路125を接続する構成をとる。例えば増幅回路124を設けることで集積回路123の能力を超えたレベルに第2信号を増幅することができ、また、集積回路123からの出力である第2信号に基づいてエミッタフォロワ回路125を駆動することができる。その結果、速度測定用のレーザー光の感度を向上させることができ、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができる。
[3.集積回路123]
集積回路123は、MAX3806を用いて構成したが、上述した説明の特性を有する集積回路であれば、さらに他の特定の用途のために用いられるまたは設計された集積回路も、受光部12に適用することができると考えられる。また、集積回路123は、例えば、以下のような性能を備える集積回路を用いるとよい。集積回路123は、例えば、+5.0bの単一電源で動作し、AC結合されたフォトダイオード122からの電流をシングルエンドの電圧に変換する。集積回路123は、高利得リニアプリアンプであり、その直線性の範囲は42nAp(SNR=3)~40μAPの入力振幅で直線性を維持する。また、最大2mApの過負荷電流に耐えられるものである。また、上述したように60kΩ利得におけるノイズ密度は1.5pA/√Hzであり、60kΩ利得における入力換算ノイズは14nARMSである。-40℃~+105℃の温度範囲で動作保証されている。さらに上述したように利得を選択可能(60kΩ、30kΩ)であり、14dBの減衰も選択可能としている。
集積回路123は、MAX3806を用いて構成したが、上述した説明の特性を有する集積回路であれば、さらに他の特定の用途のために用いられるまたは設計された集積回路も、受光部12に適用することができると考えられる。また、集積回路123は、例えば、以下のような性能を備える集積回路を用いるとよい。集積回路123は、例えば、+5.0bの単一電源で動作し、AC結合されたフォトダイオード122からの電流をシングルエンドの電圧に変換する。集積回路123は、高利得リニアプリアンプであり、その直線性の範囲は42nAp(SNR=3)~40μAPの入力振幅で直線性を維持する。また、最大2mApの過負荷電流に耐えられるものである。また、上述したように60kΩ利得におけるノイズ密度は1.5pA/√Hzであり、60kΩ利得における入力換算ノイズは14nARMSである。-40℃~+105℃の温度範囲で動作保証されている。さらに上述したように利得を選択可能(60kΩ、30kΩ)であり、14dBの減衰も選択可能としている。
集積回路123としてのレーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路は、LiDAR(Light Detection and Ranging)であってもよい。LiDARは、対象物に光を照射し、その反射光を光センサでとらえ距離を測定するリモートセンシング技術であって、例えば高帯域幅車載トランスインピーダンスアンプでもある。このようなLiDAR用の集積回路は、高性能で周波数帯域も高く、自ら出射した光の反射光ではなく外部からのレーザー光を精度良く検知できるように設計されている。このような集積回路も、レーザー探知の用途に用いることに特に適していることを発明者は見出し、ひいては、レーザー探知の機能を向上させることができることを発明者は発見した。また、光距離測定用は、例えば前方車両との車間距離を計測するレーザセンサ、ポータブル型距離測定用レーザセンサ等を用いるとよく、それらセンサの受光部分を用いるとよい。さらには、産業アプリケーション用レーザセンサ等の特定の用途の集積回路を利用できる。
[4.受光部12の他の実施形態]
<4-1.フォトダイオードを低電位側に配置>
受光素子であるフォトダイオード122の配置位置を、上述した実施形態と逆に配置するとよい。例えば、集積回路123の入力端の下側にフォトダイオード122を配置し、入力端の上側に抵抗R1を配置する。これにより、正負が反転する。これに伴い、集積回路123からは正パルスが出力する。上述したようにエミッタ接地の増幅回路124では、増幅とともに反転し、負パルスが出力される。よって、係る場合には、その増幅回路124とエミッタフォロワ回路125の間に反転回路を設けるとよい。
<4-1.フォトダイオードを低電位側に配置>
受光素子であるフォトダイオード122の配置位置を、上述した実施形態と逆に配置するとよい。例えば、集積回路123の入力端の下側にフォトダイオード122を配置し、入力端の上側に抵抗R1を配置する。これにより、正負が反転する。これに伴い、集積回路123からは正パルスが出力する。上述したようにエミッタ接地の増幅回路124では、増幅とともに反転し、負パルスが出力される。よって、係る場合には、その増幅回路124とエミッタフォロワ回路125の間に反転回路を設けるとよい。
また、集積回路123の利得が仕様を満たしている場合、上述した実施形態のように増幅回路124を設けず、集積回路123の出力端をエミッタフォロワ回路125に接続するように構成するとよい。このようにすると、増幅回路124が不要となり、構成が簡略化できる。この場合に、集積回路123の出力は、ドライブ能力が低い。エミッタフォロワ回路125の入力インピーダンスを調整(例えば上げる)するとよい。
<4-2.集積回路を構成する他のIC>
上述した実施形態では、集積回路123にMAX3806を用いたが、その他のICを用いることも考えられる。
上述した実施形態では、集積回路123にMAX3806を用いたが、その他のICを用いることも考えられる。
集積回路123は、例えば高精度、長時間安定性、極めて低い1/fノイズとともに高速動作(90MHzゲイン帯域幅[GBW])を提供し、高速フォトダイオードのアプリケーションに最適とされるトランスインピーダンス・アンプを用いるとよい。このトランスインピーダンス・アンプのアプリケーションは、例えばフォトダイオードのモニタリング、高精度の電流-電圧変換、光アンプ、CATスキャナのフロントエンドなどが推奨されるものである。
また集積回路123は、例えば、閉ルールトランスインピーダンス帯域幅が、125MHz(トランスインピーダンスゲインが5kΩのとき)と105MHz(トランスインピーダンスゲインが20kΩのとき)を選択でき、20kΩ利得における入力換算ノイズは15nARMSであるトランスインピダンスアンプを用いるとよい。のトランスインピーダンス・アンプのアプリケーションは、例えば、フォトダイオードモニタリング、高速の電流-電圧変換、光アンプ、CATスキャナフロントエンドなどが推奨されるものである。また動作温度範囲は例えば-40~+85℃などである。
[5.異なる形態の電子機器]
<5-1.セパレートタイプ>
上述した各実施形態では、電子機器10は、1つの筐体に各種の装置、機器等を実装したモニター一体型であるが、例えば、複数の筐体に分割したセパレートタイプとしてもよい。図5は、セパレートタイプの電子機器を構成する第1機器800を車両の進行方向に対して右斜め前方側からみたときの外観構成を示す斜視図である。第1機器800はほぼ直方体形状の箱型の装置である。第1機器800は、上方に位置する第1筐体801と下方に位置する第2筐体802とに分けられる。第1筐体801と第2筐体802の接合部位からケーブル810が外部に引き出される。第1機器800は、有線のケーブル810を介して第2機器と通信する。第1機器800は、例えば制御部11,及び受光部12の機能を有しており、外部の第2機器に対して判定信号を出力するとよい。第2機器は、この判定信号に基づいて報知を行うとよい。第1機器800は、無線の通信路を介して外部機器と通信してもよい。
<5-1.セパレートタイプ>
上述した各実施形態では、電子機器10は、1つの筐体に各種の装置、機器等を実装したモニター一体型であるが、例えば、複数の筐体に分割したセパレートタイプとしてもよい。図5は、セパレートタイプの電子機器を構成する第1機器800を車両の進行方向に対して右斜め前方側からみたときの外観構成を示す斜視図である。第1機器800はほぼ直方体形状の箱型の装置である。第1機器800は、上方に位置する第1筐体801と下方に位置する第2筐体802とに分けられる。第1筐体801と第2筐体802の接合部位からケーブル810が外部に引き出される。第1機器800は、有線のケーブル810を介して第2機器と通信する。第1機器800は、例えば制御部11,及び受光部12の機能を有しており、外部の第2機器に対して判定信号を出力するとよい。第2機器は、この判定信号に基づいて報知を行うとよい。第1機器800は、無線の通信路を介して外部機器と通信してもよい。
<5-2.取付位置のバリエーション>
また設置位置も例えば所定の取付け部材を用いて車両のダッシュボード、フロントガラス、ルームミラー、天井などに取り付けた宙吊りタイプとしてもよく、各種のものに適用できる。
また設置位置も例えば所定の取付け部材を用いて車両のダッシュボード、フロントガラス、ルームミラー、天井などに取り付けた宙吊りタイプとしてもよく、各種のものに適用できる。
<5-2-1.1つの電子機器900が異なる場所に取付可能な構成(その1)>
図6は、別の実施形態の電子機器900の外観の構成を示す図である。図6(a)は、電子機器900の正面側の右斜め上方向から電子機器900を見た図である。図6(b)は、電子機器900の背面側の右斜め上方向から電子機器900を見た図である。この電子機器900は、外観が、上下方向よりも幅方向に長い直方体状である。電子機器900は、ユーザが容易に持ち運び可能な寸法および重量である。電子機器900の筐体900Aは、正面側に位置する第1筐体901と、背面側に位置する第2筐体902とに分けられる。第1筐体901の正面側には、発光部911と、操作部912と、放音部913Aとが設けられている。この電子機器900は、表示部13は備えておらず、警報は音と光を用いて行う。電子機器900は、第1機器800は、上述した制御部11,及び受光部12の機能を少なくとも有しているとよい。また電子機器900は、制御部11の判定信号に基づき報知する機能を有するとよい。
図6は、別の実施形態の電子機器900の外観の構成を示す図である。図6(a)は、電子機器900の正面側の右斜め上方向から電子機器900を見た図である。図6(b)は、電子機器900の背面側の右斜め上方向から電子機器900を見た図である。この電子機器900は、外観が、上下方向よりも幅方向に長い直方体状である。電子機器900は、ユーザが容易に持ち運び可能な寸法および重量である。電子機器900の筐体900Aは、正面側に位置する第1筐体901と、背面側に位置する第2筐体902とに分けられる。第1筐体901の正面側には、発光部911と、操作部912と、放音部913Aとが設けられている。この電子機器900は、表示部13は備えておらず、警報は音と光を用いて行う。電子機器900は、第1機器800は、上述した制御部11,及び受光部12の機能を少なくとも有しているとよい。また電子機器900は、制御部11の判定信号に基づき報知する機能を有するとよい。
発光部911は、所定の光を発する。発光部911は、例えば発光ダイオードを含む。発光部911は、電子機器900の動作状態に応じた光を発する。発光部911は、正面側から見て、第1筐体901の右下寄りの位置に設けられる。発光部911は、電子機器900が待機状態であるときは白色の光を発する。発光部911は、電子機器900が操作中であるときは青色の光を発する。発光部911は、電子機器900がパルス光を受光しているときは赤色の点滅光を発する。なお、動作状態と発光状態との関係はこれに限られず、発光色および発光タイミング(例えば、点滅の頻度や点滅の回数)等の発光の態様は種々の変形が可能である。
操作部912は、ユーザの操作を受け付ける。操作部912は、正面側から見て第1筐体901の右下寄りの位置に設けられ、発光部911の右隣に位置する。操作部912は、ここでは音量ボタンとして機能する。操作部912は、例えば、警報音やその他の音声の音量調整をしたり、パルス光を受光したときに発する警報音を消音(ミュート)したりする場合に、ユーザにより操作される。操作部912は、ここでは押下操作を受け付けるが、スライド、タッチその他の操作を受け付ける操作部であってもよい。
放音部913Aは、所定の音を発する。放音部913Aは、正面から見て第1筐体901の右上寄りの位置に設けられた複数の孔を有する。放音部913Aは、この複数の孔を介して音を出力する。放音部913Aは、警報音やその他の音声を出力する。
筐体900Aの左側面には、電源からの電力の入力を受け付けるDCジャックが設けられている。DCジャックには、例えば、シガープラグコードまたは電源ケーブルが接続される。第2筐体902の背面には、後述する第1取付部材940及び第2取付部材950を装着するための装着部917が設けられている。このように、装着部917は、第1取付部材940と第2取付部材950とで共用される装着部である。装着部917は、背面側から見て第2筐体902の幅方向における中心付近であって、第2筐体902の下端付近に設けられている。装着部917は、一対の溝部9171,9172を有する。一対の溝部9171,9172は、電子機器900の幅方向に所定の間隔を空けて設けられ、かつそれぞれが上下方向に延びている。一対の溝部9171,9172には、後述する第1取付部材940及び第2取付部材950を着脱可能である。なお、第1取付部材940及び第2取付部材950は、さらにネジ等の固定具を用いて、第2筐体902に固定されてもよい。
第2筐体902の背面には、レンズホルダ915が設けられている。レンズホルダ915は、筐体900Aの内外を通じさせる開口部である窓を構成する。レンズホルダ915は、上述したレンズホルダ1006と同じ形状でよく、筐体900Aの背面側から見たとき、幅方向に長軸、上下方向に短軸を有する楕円形状である。電子機器900が車両に設置された状態では、幅方向が車両の幅方向に相当し、上下方向は車両の高さ方向に相当する。第2筐体902は、背面側から見て幅方向における両端側の位置で、ネジを用いて第1筐体901にネジ止めされている。
集光レンズ920は、レンズホルダ915に嵌め込まれている。集光レンズ920は、電子機器900における受光部920Aの一部であり、光の入射部に相当する位置に設けられる。集光レンズ920は、集光レンズ121と同じ構成でよい。レンズホルダ915および集光レンズ920は、第2筐体902の背面側から見て、第2筐体902の右上寄りの位置に設けられている。例えば集光レンズ920は、筐体900Aの背面のうち、少なくとも上下方向における中心よりも上方で、かつ少なくとも自車両の運転席側から見て車両の進行方向に対して左側に位置するように配置される。集光レンズ920が第2筐体902の背面の比較的上方に位置し、かつ速度測定装置が位置する可能性の高い路肩側に配置されるほうが、速度測定装置からの光を受光しやすくなる可能性があるからである。速度測定装置からのパルス光は、レンズホルダ915および集光レンズ920を介して、筐体900Aの内部に導入される。
この筐体900Aの内部に、例えば上述した実施形態の受光部12を構成する電気回路、制御部その他の各種機器等が実装される。集光レンズ920で集光されたパルス光は、上述した集積回路123を備える高感度の受光部920Aの回路で所定のパルス幅のパルス信号に変換され制御部に与えられる。そして、制御部は、上述した制御部11と同じ方法で、速度測定装置からのパルス光の受光に応じた報知を行うとよい。また、制御部11は、パルス光を受光した場合には、発光部911を赤色で発光させたり、放音部913Aを用いて警報音を発したりする。図示の例では、表示部13は備えていないが、表示部13を備え、上述した実施形態と同様に待受画面の表示制御等を行うとよい。
以上の構成の電子機器900は、第1取付部材940および第2取付部材950を選択的に用いて、車両に取り付けられる。第1取付部材940は、電子機器900をダッシュボードに取り付けるための部材で、ダッシュボード取付け用ブラケットとも呼ばれる。第2取付部材950は、宙吊り取付けステーとも呼ばれる。
図7に示すように、第1取付部材940は、台座部941と、ソケット部942と、ボールスタッド943と、装着部944とを含む。台座部941は、車両のダッシュボードに取り付けられる部位である。台座部941の底面が、例えば特許第5958927号の粘着シート又は両面テープ等の固定部材を用いて、ダッシュボードに貼り付けられる。台座部941は、正面側に開口した空間を有するソケット部942を備える。ソケット部942は、ボールスタッド943におけるボール部が装着される。ソケット部942と、ソケット部942に装着されたボールスタッド943とによりボールジョイント機構が構成される。ボールスタッド943は、外力を受けて、ソケット部942に装着された状態で、上下左右に姿勢を変化させる。ボールスタッド943のうちの正面側の位置には、装着部944が設けられている。装着部944は、電子機器900の装着部917に装着される。装着部944は、正面から見て左右両側に突き出す一対の突出部9441,9442を有する。突出部9441は、装着部944の他の部位よりも正面側に突き出ており、かつ正面側から見て右側に突き出ている。突出部9442は、装着部944の他の部位よりも正面側に突き出ており、かつ正面側から見て左側に突き出ている。突出部9441は、溝部9171に挿入され、突出部9442は溝部9172に挿入される。装着部944は、装着部917に装着されたとき、電子機器900における一対の溝部9171,9172の間に存在する。このようにして電子機器900は、第1取付部材940の装着部944に取り付けられる(図8参照)。その第1取付部材940を、上述したように台座部941の底面を、固定部材を用いてダッシュボードに貼り付けることで、電子機器900はダッシュボード上に設置される。
また、図9に示すように、第2取付部材950は、例えば、アルミニウム等の金属を用いて形成された板状の部材である。第2取付部材950は、第1部位951と、第2部位952と、第3部位953とを有する。第1部位951は、板状の部位である。第1部位951は、その上面が電子機器900の底面に接触することにより、電子機器900を支持する。
第2部位952は、第1部位951と連結された、第1部位951に対してほぼ直交する板状の部位である。第2部位952は、一方の面が電子機器900の背面に接触することにより、電子機器900を支持する。第2部位952は、電子機器900の装着部917に装着される部位として、正面側から見て左右両側に突き出た一対の突出部9521,9522を有する。突出部9521は、第2部位952の他の部位よりも正面側に突き出ており、かつ正面側から見て右側に突き出ている。突出部9522は、第2部位952の他の部位よりも正面側に突き出ており、かつ正面側から見て左側に突き出ている。突出部9521は、溝部9171に挿入され、突出部9522は溝部9172に挿入されることで、第2部位952に取り付けられる。これにより、図10に示すように、電子機器900が、第2取付部材950に装着される。
第2部位952は、さらに、切り欠き部9523を有する。切り欠き部9523は、第2取付部材950が電子機器900に取り付けられたときに、集光レンズ920と重ならないように切り欠かれている(図10(b)参照)。
第3部位953は、第2部位952に連結された板状の部位である。第3部位953は、その上面を取付面として、両面テープ等の固定部材を用いて、取付部位に取り付け(例えば貼り付け)られる。ユーザによる取り付け時においては、第3部位953の第2部位952に対する姿勢は、車両における取付部位の形状、本実施形態では、フロントガラスの傾斜に応じて調整されるとよい。第3部位953は、例えば図11(a),(d)に示すように、両面テープを用いて、天井X2とフロントガラスX3との隙間領域(フロントガラスX3の上端付近における領域であってもよい。)である取付部位X1に取り付けられる。隙間領域は、黒縁部分としてユーザが認識できる場合もある。取付部位X1は、例えば、ルームミラーの背後側の部位であると、車両内の人にとっては、ルームミラーの裏に電子機器900が隠されることになる点で望ましい。
<5-2-2.1つの電子機器900が異なる場所に取付可能な構成(その2)>
上述したセパレートタイプの第1機器800は、例えば、第2筐体802の底面に両面テープ等の固定部材を貼り付け、ダッシュボード上に設置することができる。また、例えば図12に示す第3取付部材960を用い、図13に示すように第3取付部材960の所定位置に第1機器800を装着する。そして、図14に示すように、第3取付部材960を、両面テープ等の固定部材を用いてフロントガラスに貼り付けることで、第1機器800を吊り下げ設置することができる。
上述したセパレートタイプの第1機器800は、例えば、第2筐体802の底面に両面テープ等の固定部材を貼り付け、ダッシュボード上に設置することができる。また、例えば図12に示す第3取付部材960を用い、図13に示すように第3取付部材960の所定位置に第1機器800を装着する。そして、図14に示すように、第3取付部材960を、両面テープ等の固定部材を用いてフロントガラスに貼り付けることで、第1機器800を吊り下げ設置することができる。
上述した実施形態で説明した受光部12の回路構成は一例であり、一部の素子が除かれてもよいし、他の素子が追加されてもよい。例えば、サーミスタ128が除去されてもよい。集積回路123を用いた受光部12の構成については様々な変形が考えられる。
[6.フォトダイオード122を複数備える構成]
次に、電子機器10が受光素子の一例であるフォトダイオード122を複数備えることを特徴とする構成について説明する。なお、以下の構成においては、集積回路123は、レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路ではなく、例えば、少なくとも電圧信号への変換及び増幅を有する集積回路としてもよく、以下の構成は、必ずしもここまでに説明した構成を前提としなくてもよい。
次に、電子機器10が受光素子の一例であるフォトダイオード122を複数備えることを特徴とする構成について説明する。なお、以下の構成においては、集積回路123は、レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路ではなく、例えば、少なくとも電圧信号への変換及び増幅を有する集積回路としてもよく、以下の構成は、必ずしもここまでに説明した構成を前提としなくてもよい。
制御部11は、複数のフォトダイオード122によるレーザー光の受光に基づいて、レーザー光の受光に応じた信号を出力するとよい。レーザー光の受光に応じた信号は、レーザー光を受光したか否かの判定結果を示す信号、又はレーザー光を受光したことを報知(例えば、警報)するための信号として把握することができる。レーザー光を受光したことを報知するための信号は、特に、報知態様(例えば、音、音声、光、表示)、及び報知内容(例えば、報知のレベル)の少なくともいずれかを特定する信号とするとよい。以下の説明では、複数のフォトダイオード122の各々を区別する場合に、フォトダイオード122A、122B、122C、・・・という具合に、符号の末尾にアルファベットを付して表すことがある。なお、以下で説明するフォトダイオード122の数は一例であり、フォトダイオード122の数をさらに多くしてもよいし、少なくしてもよい。また、以下では、受光素子としてフォトダイオードを用いる場合を説明するが、特に断りのない限りは、フォトトランジスタ等の他の受光素子が用いられてもよい。
<6-1>複数のフォトダイオード122が、所定の方向に沿って一列に並ぶように配置されるとよい。図15に示す例では、4つのフォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dが一列で一直線上に配置されている。所定の方向は、電子機器10の左右方向、又は水平方向とするとよい。電子機器10の左右方向は、表示部13を車両40の真後ろ方向に向けたときに、その車両40の幅方向(つまり車幅方向)となる。このようにすると、電子機器10は、左右方向、又は水平方向の広範囲からのレーザー光を受光して、左右方向、又は水平方向に感度の高い角度を確保することができる。なお、図15に示す電子機器10の上下方向は、鉛直方向(垂直方向ともいう。)、又は車両40の高さ方向に対応する。
<6-2>複数のフォトダイオード122が、第1方向、及び第1方向に交差する第2方向の各方向に沿って配置されるとよい。図16に示す例では、第1方向は電子機器10の左右方向、又は水平方向である。電子機器10の左右方向は、表示部13を車両40の真後ろ方向に向けたときに、その車両40の幅方向(つまり車幅方向)となる。第2方向は電子機器10の上下方向、又は鉛直方向に対応する。電子機器10の上下方向は、車両40の高さ方向に対応する。図16に示す例では、フォトダイオード122A、122B、及び122Cが電子機器10の左右方向に並び、その下に、フォトダイオード122D、122E、122Fが電子機器10の左右方向に並んでいる。フォトダイオード122Aとフォトダイオード122Dとが上下に並び、フォトダイオード122Bとフォトダイオード122Eとが上下に並び、フォトダイオード122Cとフォトダイオード122Fとが上下に並んでいる。このようにすると、電子機器10は、左右方向に加え、上下方向の広範囲からのレーザー光を受光して、上下方向に感度の高い角度を確保することができる。例えば、車両40が坂道等の傾斜面を走行している場合や、低い位置からレーザー光が到来した場合に、上下方向に感度の高い角度を確保することが有利に働くことがある。
<6-3>複数のフォトダイオード122の各々のフォトダイオード122から、集積回路123(つまり、トランスインピーダンスアンプを有する集積回路)にそれぞれ信号が入力されるようにするとよいが、少なくとも2つのフォトダイオード122を並列に接続して、集積回路123に信号が入力されるようにしてもよい。前者のように、各々のフォトダイオード122から集積回路123に信号が入力されるようにした場合、制御部11は、いずれのフォトダイオード122からの信号が入力したかに応じて、報知(例えば、報知内容や報知態様)を異ならせるとよい。このようにすると、電子機器10は、レーザー光の受光に関する報知を多様なものとすることができ、ユーザにとって利便性を高くすることができる。
このような構成の一例として、制御部11は、受光強度がしきい値を超えたフォトダイオード122の個数が多いほど、レベルの高い報知を行うようにするとよい。
他の例として、制御部11は、フォトダイオード122から個別に入力した受光強度を積算する等の所定の統計処理を行って、積算値が各レベルの基準値を超えた場合に、そのレベルの報知を行うようにしてもよい。
他の例として、制御部11は、レーザー光を受光したフォトダイオード122の位置に応じた、レーザー光の入射ないし出射の方向を報知したり、取締地点(例えば、速度測定装置)の方向を報知したりしてもよい。制御部11は、例えば、車両40の進行方向に対して左の受光素子で受光され、かつ右の受光素子で受光されない場合は、左からのレーザー光の受光である場合の報知をしてもよい。
このようにすると、複数のフォトダイオード122におけるレーザーの受光の状況に基づいて、車両が速度測定装置にどの程度接近しているか等の車両40と取締地点との接近関係をユーザが把握しやすくすることができる。
<6-4>図17は、<6-1>で説明したように4つのフォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dを一列に配置した場合の、集光レンズ121との配置関係の一例を示す図である。図17(A)は、集光レンズ121の光軸方向に見たとき(本実施形態では、電子機器10を背面側から見たとき)の、集光レンズ121と、フォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dとの配置関係を示す図である。図17(B)は、集光レンズ121の光軸方向に直交する方向に見たとき(本実施形態では、電子機器10を上から見たとき)の、集光レンズ121と、フォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dとの配置関係を示す図である。
図17に示す例では、複数のフォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dが、基板130上に、電子機器10の左右方向に沿って一列に配置されている。集光レンズ121と、フォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dとの間には、鏡筒140(鏡筒部分)が設けられている。鏡筒140はその内側に鏡面が形成された円筒状の部材である。鏡筒140の内側が、集光レンズ121を通過したレーザー光の光路となる。その鏡面により、集光レンズ121を通過した光が反射させられて、フォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dのいずれかの位置に導かれる。
フォトダイオード122Aとフォトダイオード122Bとの間、フォトダイオード122Bとフォトダイオード122Cとの間、及びフォトダイオード122Cとフォトダイオード122Dとの間には、それぞれ隙間Gが形成されている。隙間Gは、フォトダイオードが存在しない領域である。隙間Gの大きさは、フォトダイオード122の受光面の一辺よりも小さい寸法とするとよく、例えば約0.3mmである。集光レンズ121に入射したレーザー光のうち、フォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dのいずれかの受光面に入射した光が、受光部12において受光される光となり、隙間Gに入射した光は、受光部12において受光されない光となる。
図17の例では、フォトダイオード122B、122C、及び122Dは、その受光面全体が、電子機器10の前後方向において、集光レンズ121と重なる位置に配置されている。一方、フォトダイオード122Aは、その受光面の一部が、電子機器10の前後方向において集光レンズ121と重なっているが、残りの部分は集光レンズ121と重ならず、ずれている。この例では、フォトダイオード122Aは、鏡筒140の側面部等に重なっている。例えば、シールドケースを従来のものを使いまわしたり、右から2つ目のフォトダイオード122Cが集光レンズ121の中心(例えば、光軸)に重なるように配置したりした場合に、このような配置となることがありうる。また、このような配置をした場合、図18に示すグラフのように、車両40の進行方向に対して左側からの所定の角度からのレーザー光が隙間Gに入射してしまうことがあることを発明者は発見した。その結果、間隔Gの存在を原因として、レーザー光の入射角によってはディップ(つまり、レーザーの受光感度が低く、落ち込む部分)ができてしまうことがある。また、この例では、垂直方向は、一定の受光レベルが確保される角度範囲が狭いままである。そこで、以下のような構成とすることを発明者は考えた。
複数のフォトダイオード122が所定の方向に沿って一列に並ぶように配置される場合に、図17(A)のように4つのフォトダイオード122A、122B、122C、及び122Dの配置を左寄せではなく、図19に示すように、右寄せとするとよい。本実施形態では、左寄せとは、電子機器10を背面側から見て左側、つまり、車両40の進行方向に対して右側に寄せることをいい、右寄せとは、電子機器10を背面側から見て右側、つまり、車両40の進行方向に対して左側に寄せることをいうとよい。車両40の進行方向に対して左側に寄せることは、集光レンズ121の位置を基準として、車両40の進行方向に対して左側に寄せて配置されることをいい、特に、集光レンズ121の光軸に対して、4つのフォトダイオード122A、122B、122C、122Dの配列方向(電子機器10の左右方向等)の中心が、車両40の進行方向に対して左側に位置することをいうとよい。この例では、フォトダイオード122A、122B、及び122Cは、その受光面全体が、電子機器10の前後方向において集光レンズ121と重なる位置に配置されている。一方、フォトダイオード122Dはその受光面の一部が、電子機器10の前後方向において集光レンズ121と重なっているものの、その残りの部分は集光レンズ121と重なっておらずずれており、鏡筒140に重なっている。速度測定装置が存在する側が車両40の進行方向に対して左側に配置されることが多いことを考えると、図19に示す配置のほうが、図17に示す配置である場合に比べて、取締地点(例えば、速度測定装置)がよく存在する側である車両40の進行方向に対して左側からの光の受光感度を良くすることができる。
<6-5>複数のフォトダイオード122につき、すべてのフォトダイオード122が同一直線上に配置されないようにするとよい。このようにすると、電子機器10の上下方向に感度の高い角度を確保できるとともに、同じ個数のフォトダイオード122を使った場合に、電子機器10の左右方向において鏡筒140や集光レンズ121の寸法を小さくすることができる。
<6-6>少なくともいずれかのフォトダイオード122の辺を、電子機器10の左右方向、及び上下方向から傾けて配置するとよい。図21に示すように、例えば、フォトダイオード122の受光面を矩形又は正方形とした場合に、フォトダイオード122の各辺を、電子機器10の左右方向及び上下方向に対して45度傾けさせるとよい。このようにすると、電子機器10の左右方向、及び上下方向とも、レーザー光の受光感度の高い角度を確保することができる。
<6-7><6-4>~<6-6>で説明した配置を2つ以上組み合わせた配置とするとよい。例えば、図22に示すように、フォトダイオード122Aが、<6-6>で説明したように水平方向及び垂直方向に対して傾けて配置されるようにするとよい。さらに、フォトダイオード122Aを中心として、フォトダイオード122Aの4つの頂点に近接して、フォトダイオード122B、122C、122D、及び122Eが配置されるようにするとよい。このように、センターのフォトダイオード122Aを傾けることで、周囲の複数のフォトダイオード122B、122C、122D、及び122Eをセンター寄りにより近づけて配置することができるので、レーザー光の入射角によるディップの幅(つまり、受光感度が低下する角度の幅)を小さくすることができる。ディップの幅を小さくすることは、ディップが生じないようにできると尚良い。図22に示す配置に限られず、複数のフォトダイオード122は、円の中心と、その円の円弧上の位置に配置されてもよいし、楕円の中心とその楕円の円弧上の位置に配置されてもよい。このように、複数のフォトダイオード122が、所定の図形の中心と、その図形の辺又は頂点の位置とに配置されるようにするとよい。所定の図形は、正n角形(nは3以上の自然数)としてもよい。このようにすると、複数のフォトダイオード122を互いに近接して配置させるとともに、レーザー光の入射角によるディップの幅を小さくする効果が期待できる。
<6-8>鏡筒140の一部が切り欠かれる(つまり、カットされる)とよい。このようにすると、特定の方向からのレーザー光の受光感度が低下する角度の幅を小さくすることができる。鏡筒140の一部が切り欠きは、レーザー光の光路を確保するための切り欠きとするとよい。例えば、図17で説明した構成において、鏡筒140のうち一番左のフォトダイオード122Aの上の部分に近い部分(例えば、集光レンズ121の光軸方向において、フォトダイオード122Aと重なり合う部分)が切り欠かれるとよい。このようにすると、速度測定装置が存在する側である車両40の進行方向に対して左側からの光(図17において右側からの光)を受光しやすくすることができる。
<6-9>鏡筒140は、集光レンズ121側(つまり、電子機器10の背面側)よりも、フォトダイオード122側(つまり、電子機器10の前面側)が径方向に広がっている形状とするとよく、特に次第に広がっていく形状とするとよく、例えばテーパ状とするよい。このようにすると、鏡筒140を通過したレーザー光がフォトダイオード122で受光されやすくすることができる。
<6-10>フォトダイオード122の受光面の面積(つまり、受光面積)の異なる複数のフォトダイオード122を組み合わせるとよい。例えば、受光面の外形が3×3mmのフォトダイオード122と、それよりも受光面積が小さな外形のフォトダイオード122とを組み合わせるとよい。外形の大きなフォトダイオード122を用いると、内部の素子も大きいと思われるため、受光感度が高くなると考えられる。そこで、外形のサイズが異なるフォトダイオード122を複数組み合わせてもよい。
<6-11>複数の受光素子が1つのパッケージに含まれる部品(以下「パッケージ部品」という、)が用いられるとよい。このようなパッケージ部品の一例として、フォトダイオードアレイがある。パッケージ部品としては、記録用の映像を得るためのものがあり、例えば、Siフォトダイオードアレイ(参考:https://www.hamamatsu.com/jp/ja/product/optical-sensors/photodiodes/si-photodiode-array/si-photodiode-array/index.html)を用いることができる。Siフォトダイオードアレイは、1パッケージ内に、複数のSiフォトダイオードを配列したセンサである。複数のSiフォトダイオードの配列によって、イメージセンサを構成することができるようになっている。さらに、パッケージ部品等が複数用いられるとよい。また、内部素子の数の異なるパッケージ等を複数用いるとよい。また、フォトダイオードアレイとフォトダイオードとを組み合わせたパッケージを用いるとよい。
<6-12>集光レンズ121は、エスフェリックレンズ以外のレンズとしてもよいが、特にエスフェリックレンズとするとよい。このようにすると、電子機器10の左右方向の広範囲からのレーザー光を受光して、左右方向に感度の高い角度を確保することができる。集光レンズは、例えば複数のレンズを組み合わせたりして、互いに異なる位置にある複数の受光素子の各々の位置に集光する構成が採用されてもよい。
<6-13><6-11>で説明したパッケージ部品として、二次元に受光素子が配列されたパッケージ部品であって、記録用の映像を得るためのものではないパッケージ部品を用いるとよい。記録用の映像を得るためのものではないパッケージ部品として、光学式マウスのセンサ(例えば、赤外線センサ)を用いるとよい。このようにすると、撮像素子よりや各段に安価であるため、電子機器10の受光に係る構成の低コスト化することができる。光学式マウスのセンサの画素数は、例えば、16×16ピクセルであるとよい。センサの1画素のサイズは、例えば60×60μm程度で、通常のイメージセンサよりも1桁程度大きくするとよい(光学式マウスのセンサの参考:http://www.infonet.co.jp/ueyama/ip/hardware/optical_mouse.html)。
さらに、このセンサを、物体検出センサ(例えばジェスチャセンサ)としても用いるようにしてもよい。記録用の映像を得るためのものではないパッケージ部品として、ジェスチャセンサを用いてもよい。このようなジェスチャセンサは、例えば30×30のイメージセンサを持っており、940nmの光を照射して画像を受け取り、受け取った結果をDSPに通して、ジェスチャーや近接・接近に関する情報処理をする機能を有するものとするとよい。また、記録用の映像を得るためのものではないパッケージ部品が、発光素子の駆動部を持つ場合、その発光素子の駆動を停止しておくとよい。また、レーザー光の受光だけでなく、記録用の映像を得るためのものではないパッケージ部品の本来の用途として使用する機能をさらに備えてもよい。例えば、ジェスチャセンサであれば、ジェスチャセンサとしても併用可能する。電子機器10の設定画面に入ったときはジェスチャセンサとして使用し、車両40の走行時はレーザー光の受光用等として使用するとよい。
<6-14>図23に示すように、隣り合う2つのフォトダイオード122間に、レーザー光をいずれかのフォトダイオード122側に反射する反射部材150を設けるとよい。反射部材150は、例えば鏡である。反射部材150は、フォトダイオード122Aに向けて光を反射する鏡面150Aと、フォトダイオード122Bに向けて光を反射する鏡面150Bとを有するとよい。反射部材150は、例えば、隣り合う2つのフォトダイオード122間に「Λ」状となるようにミラー(外側が鏡面150A、150Bとなるとよい。)を立てた構成とするとよい。このようにすると、フォトダイオード122A、122Bにおける受光量が増え、取締地点の存在の判定の精度を向上させることができる。
<6-15>集光用のレンズを複数(例えば3つ)設けておき、それぞれの集光レンズの光軸に対して、受光素子の配置位置を、左寄り、中央、右寄りと、を変えた状態で配置するとよい。
<6-16>集光レンズの形状は、現状、縦方向・横方向ともに球面を切った単純な形とすることで、その作製を容易にすることがある。これに代えて、上述したディップになる部分(隙間部分)に光が進まないような形状の集光レンズ121が用いられてもよい。
<6-17>複数(例えば、4つ)のフォトダイオード122からの信号が並列にアンプに入る構成とすると、周波数特性(f特)が悪くて使えない可能性がありうる。受光素子が小さいと並列での合成の静電容量が比較的小さいが、受光素子が大きいと合成の静電容量が比較的大きくなってしまう可能性があるからである。そこで、一定程度以上小さい受光素子が用いられるようにするとよい。
<6-18><6-16>に関連して、複数のフォトダイオード122を並列に接続してアンプに入れる構成を、複数セット設けるようにするとよい。複数のフォトダイオード122は、3個又は2個とするとよい。
<6-19>レーザー光の光路の一部に拡散板(シート等)を設けて、レーザー光を拡散させるとよい。特に、集光レンズの周辺部分のみ拡散させ、周辺部分でない中心部分はそのまま透過させるようにするとよい。また、レーザー光の半分は拡散させ、半分は拡散させないように拡散板を配置するとよい。
[7.フォトダイオード122の立体的な配置]
<7-1>図17で説明したような、フォトダイオード122間に形成される隙間Gを原因としたディップの発生を抑制するため、フォトダイオード122が複数段に分けて並べられる立体的な配置とするとよい。例えば、フォトダイオード122を一段ではなく二段並べた立体的な配置とするとよい。具体的には、電子機器10の前後方向(換言すると、集光レンズ121の光軸方向)において異なる2つ以上の位置に、フォトダイオード122が配置されるようにするとよい。特に、複数のフォトダイオード122が、電子機器10の左右方向において隙間を空けて配置された第1受光素子と第2受光素子とを有する場合に、その隙間の位置から見て、電子機器10の前面側(例えば車両40の後方側)に第3の受光素子を有するとよい。このようにして、電子機器10左右方向において、フォトダイオード122間の隙間ができないようにするか、又は隙間をさらに小さくなるようにすれば、光の入射角によって生じるディップを小さくすることができる。
<7-1>図17で説明したような、フォトダイオード122間に形成される隙間Gを原因としたディップの発生を抑制するため、フォトダイオード122が複数段に分けて並べられる立体的な配置とするとよい。例えば、フォトダイオード122を一段ではなく二段並べた立体的な配置とするとよい。具体的には、電子機器10の前後方向(換言すると、集光レンズ121の光軸方向)において異なる2つ以上の位置に、フォトダイオード122が配置されるようにするとよい。特に、複数のフォトダイオード122が、電子機器10の左右方向において隙間を空けて配置された第1受光素子と第2受光素子とを有する場合に、その隙間の位置から見て、電子機器10の前面側(例えば車両40の後方側)に第3の受光素子を有するとよい。このようにして、電子機器10左右方向において、フォトダイオード122間の隙間ができないようにするか、又は隙間をさらに小さくなるようにすれば、光の入射角によって生じるディップを小さくすることができる。
図24は、複数のフォトダイオード122の立体的な配置の一例を示す図である。図24は、受光部12が有する第1基板131、及び第2基板132を側面側から見た図である。第1基板131には、フォトダイオード122A(第1受光素子の一例)及びフォトダイオード122B(第2受光素子の一例)が隙間を空けて配置されている。第1基板131は、レーザー光を一方の面から反対側の面に透過させる素材で形成されているとよく、特に、レーザー光を透過させることのできる透明基板とするとよい。又は、第1基板131は、フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eがレーザー光を受光できるように、そのレーザー光の光路となる位置に孔が形成されていてもよい。第2基板132には、フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eが隙間を空けて配置されている。フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eは、電子機器10の前後方向(例えば、集光レンズ121の光軸方向)において、第1基板131上のフォトダイオード122A、122Bと少なくとも一部が重ならない位置に配置されているとよく、望ましくは、第1基板131上のフォトダイオード122A、122Bとは全体が重ならない位置に配置されているとよい。このようにすると、フォトダイオード122A及びフォトダイオード122Bの間の隙間を通過したレーザー光は、第1基板131を透過して第2基板132側に進む。このレーザー光は、フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eのいずれか(例えば、フォトダイオード122D。第3受光素子の一例)により受光される。このようにフォトダイオード122を複数段に分けた立体的な配置とすることで、フォトダイオード122を一段で配置した場合に比べて、光の入射角によって生じるディップを小さくすることができ、レーザー光の受光感度を向上させることができる。なお、第2基板132は、第1基板131と同じ素材で形成されていてもよいが、レーザー光を透過させる必要がないので、レーザー光を透過させない素材で形成されていてもよい。
<7-2>フォトダイオード122A及びフォトダイオード122Bと、フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eとが同じ基板133の異なる面に設けられるとよい。図25は、複数のフォトダイオード122の立体的な配置の一例を示す図である。図25では、基板133の第1面1311にフォトダイオード122A及びフォトダイオード122Bが配置され、第1面1311の反対側である第2面1312にフォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eが配置されている。第1面1311は、集光レンズ121側(電子機器10の背面側)の基板面であり、第2面1312は、集光その反対側(電子機器10の前面側)の基板面である。フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eは、第2面1312側が受光面となるように、基板133に設けられるとよい。基板133は、レーザー光を透過させる素材で形成されているとよく、特にレーザー光を透過させることのできる透明基板とするとよい。基板133は、フォトダイオード122C、フォトダイオード122D、及びフォトダイオード122Eがレーザー光を受光できるように、そのレーザー光の光路となる位置に孔が形成されていてもよい。このようにすると、電子機器10の筐体内で基板の占める領域を小さくすることができ、例えば電子機器10の前後方向の厚みを小さくすることができる。
[6.フォトダイオード122を複数備える構成]、及び[7.フォトダイオード122の立体的な配置]で説明した各構成は、図5~14で説明した各電子機器に適用できる。また、[6.フォトダイオード122を複数備える構成]、及び[7.フォトダイオード122の立体的な配置]で説明した各構成が適宜組み合わされてもよい。
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
10 :電子機器
11 :制御部
12 :受光部
13 :表示部
14 :スピーカ
15 :マイクロ波受信部
16 :GPS受信部
17 :通信部
18 :記憶部
19 :操作部
20 :センサ部
21 :装着部
22 :電源部
23 :発光部
24 :ケーブル端子部
121 :集光レンズ
122 :フォトダイオード
123 :集積回路
124 :増幅回路
125 :エミッタフォロワ回路
126 :コンパレータ
127 :波形整形回路
11 :制御部
12 :受光部
13 :表示部
14 :スピーカ
15 :マイクロ波受信部
16 :GPS受信部
17 :通信部
18 :記憶部
19 :操作部
20 :センサ部
21 :装着部
22 :電源部
23 :発光部
24 :ケーブル端子部
121 :集光レンズ
122 :フォトダイオード
123 :集積回路
124 :増幅回路
125 :エミッタフォロワ回路
126 :コンパレータ
127 :波形整形回路
Claims (16)
- 車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光したか否かを判定するレーザー探知の機能を有するシステムであり、
入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子と、
前記第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する集積回路と、
前記第2信号に基づいて前記判定の結果を示す判定信号を出力する制御回路と、
を有し、
前記集積回路は、前記レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路である
システム。 - 前記集積回路は、前記特定の用途のために設計された集積回路である
請求項1に記載のシステム。 - 前記特定の用途は、光距離測定用である
請求項1又は2に記載のシステム。 - 前記特定の用途は、測距用のレーザー光の受光用であり、
測距用のレーザー光を発する機能を有しない
請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記特定の用途は、LiDAR(Light Detection and Ranging)用である
請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記集積回路は、トランスインピーダンスアンプを有する
請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記トランスインピーダンスアンプは、オペアンプで構成したトランスインピーダンスアンプでない
請求項6に記載のシステム。 - 前記トランスインピーダンスアンプのゲインを決定する抵抗は44kΩ以上77kΩ以下の範囲内である
請求項6または7に記載のシステム。 - 前記集積回路は、少なくとも周波数が10MHz以上の信号の入力に対応している
請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記集積回路は、周波数の下限値として少なくとも25MHz以上の信号の入力に対応することが保証された集積回路である
請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記速度測定装置が出射したレーザー光はパルスレーザーであり、
前記受光素子は、前記集積回路の入力端より高電位側に接続され、
前記集積回路は負パルスを前記第2信号として出力し、
前記集積回路の出力端は、エミッタ接地の増幅回路に接続され、
前記エミッタ接地の増幅回路の出力端は、エミッタフォロワ回路のベース側に接続され、
前記エミッタフォロワ回路の出力信号をしきい値処理した信号に基づく信号を前記制御回路に与えるようにした
請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記速度測定装置が出射したレーザー光はパルスレーザーであり、
前記受光素子は、前記集積回路の入力端より低電位側に接続され、
前記集積回路は正パルスを前記第2信号として出力する
請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記集積回路は、そのリファレンスデザインが入力側に前記受光素子とコイル素子を直列接続するものであり、
前記コイル素子に代えて抵抗素子を設けた
請求項1から12のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記集積回路の出力側にエミッタフォロワ回路を配置し、前記エミッタフォロワ回路の出力信号をしきい値処理した信号に基づく信号を前記制御回路に与えるようにし、
前記エミッタフォロワ回路のベース側に温度補償回路を設けた
請求項1から13のいずれか1項に記載のシステム。 - 前記集積回路は、リファレンスデザインで出力側にAD(Analog to Digital)コンバータの配置が推奨されるものであり、
前記ADコンバータに代えて前記集積回路の出力を増幅する増幅回路又は前記集積回路の出力がベースに入力されるエミッタフォロワ回路を設けた
請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム。 - 車両に設けられ、速度測定装置が出射した速度測定用のレーザー光を受光した場合に報知を行うレーザー探知の機能を有する探知機であって
入射した光に応じた電流を第1信号として出力する受光素子と、
前記第1信号の電圧信号への変換及び増幅を行って第2信号を出力する集積回路と、
前記第2信号に基づいて前記レーザー光の受光に応じた報知信号を出力する制御回路と、
前記報知信号に応じた報知を行う報知部と、
を有し、
前記集積回路は、前記レーザー探知とは異なる特定の用途に用いられる集積回路である
探知機。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2021162382A Pending JP2022158840A (ja) | 2021-03-31 | 2021-09-30 | システム及び探知機等 |
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