JP2022157673A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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航介 松木
Kosuke Matsuki
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Abstract

【課題】ランフラット耐久性を確保しつつも、乗り心地性の低下を抑制したランフラットタイヤを提供する。【解決手段】サイドウォール2に配設された断面三日月状のサイド補強ゴム6と、ビード部3間でトロイダル状に跨るカーカス4と、を備え、サイド補強ゴムの一部6bは、他の部分6aよりも弾性率の低い低弾性部であり、低弾性部は、ランフラットタイヤ10を適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態において、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域に位置し、低弾性部の弾性率は、他の部分の弾性率の80%以下であり、基準状態におけるタイヤ幅方向断面において、低弾性部の、カーカスからタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際の厚さが最大となる最大厚さをt1とし、垂線の方向に計測した際の他の部分の厚さをt2とするとき、比t1/t2は、0.2以上3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ランフラットタイヤに関するものである。
空気入りタイヤとして、サイドウォール部に断面三日月状のサイド補強ゴムを有するランフラットタイヤが知られている(例えば、特許文献1)。このようなランフラットタイヤによれば、例えばタイヤがパンクして内圧が低下した状態でも、サイド補強ゴムが荷重を肩代わりすることによって相当な距離の走行が可能である。
特開2011-184000号公報
ランフラットタイヤは、ランフラット走行状態における高い耐久性が求められる一方で、サイド補強ゴムを配置していることにより、縦バネ係数の増大による乗り心地性の低下を招いてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、ランフラット耐久性を確保しつつも、乗り心地性の低下を抑制した、ランフラットタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド部と、
前記トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部と、
前記各サイドウォール部に連なるビード部と、
前記サイドウォール部に配設された断面三日月状のサイド補強ゴムと、
一対の前記ビード部間でトロイダル状に跨るカーカスと、を備えた、ランフラットタイヤであって、
前記サイド補強ゴムの一部は、他の部分よりも弾性率の低い低弾性部であり、
前記低弾性部は、前記ランフラットタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態において、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域に位置し、
前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の80%以下であり、
前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面において、前記低弾性部の、前記カーカスからタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際の厚さが最大となる最大厚さをt1とし、前記垂線の方向に計測した際の前記他の部分の厚さをt2とするとき、比t1/t2は、0.2以上3以下であることを特徴とする、ランフラットタイヤ。
ここで、弾性率とは、25℃における25%伸長時モジュラス引張弾性率(JIS K 6251:2017)に基づき、加硫ゴムをダンベル状8号形の試験片に加工し、測定温度25℃で25%伸長時の引張弾性率をいうものとする。
また、本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
また、「ビードベースライン」とは、上記基準状態において、ビードベースを通りタイヤ幅方向に平行な仮想線をいうものとする。
(2)前記低弾性部は、前記ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域において、前記他の部分よりもタイヤ幅方向外側に位置する、上記(1)に記載のランフラットタイヤ。
(3)タイヤ最大幅位置となるタイヤ径方向位置には、前記他の部分のみが位置する、上記(1)又は(2)に記載のランフラットタイヤ。
ここで、上記「タイヤ最大幅位置」とは、上記基準状態においてランフラットタイヤのタイヤ幅方向の幅が最大となる位置をいうものとする。
(4)前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の50%以下である、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
(5)前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の20%以下である、上記(4)に記載のランフラットタイヤ。
(6)タイヤ内面にインナーライナーを備え、
前記サイド補強ゴムと前記インナーライナーとの間に、内層ゴムが配置され、
前記内層ゴムは、イソブチレンとイソプレンとの共重合体を有しないゴムからなり、
前記サイド補強ゴムの前記他の部分の弾性率に対する、前記内層ゴムの弾性率の比は、0.75以下であり、
前記基準状態において、前記垂線の方向に計測した際の前記サイド補強ゴムの厚さが最大となる最大厚さに対する、前記垂線の方向に計測した際の前記内層ゴムの厚さの比は、0.05~0.30である、上記(1)~(5)のいずれか1つに記載のランフラットタイヤ。
本発明によれば、ランフラット耐久性を確保しつつも、乗り心地性の低下を抑制した、ランフラットタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるランフラットタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。 本発明の他の実施形態にかかるランフラットタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。 ビード部の変形例を示す図である。 比較例にかかるランフラットタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるランフラットタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。図1は、上記基準状態における、ランフラットタイヤのタイヤ幅方向断面を示している。
図1に示すように、このランフラットタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)10は、トレッドゴムからなるトレッド部1と、トレッド部1の両側に連なる一対のサイドウォールゴムからなるサイドウォール部2と、各サイドウォール部2に連なるビード部3と、を備えている。
図1に示すように、各ビード部3には、ビードコア3aが埋設されている。また、本例では、ビードコア3aのタイヤ径方向外側にはビードフィラ3bが配置されている。
このタイヤ1は、一対のビード部3間でトロイダル状に跨る1枚以上のカーカスプライからなるカーカス4をさらに備えている。カーカスプライは、本例では有機繊維コードからなる。カーカス4は、ビードコアに係止されるカーカス本体部4aと、該カーカス本体部4aから延びてビードコア3aの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部4bとからなる。図示例では、カーカス折り返し部4bは、ベルト端よりもタイヤ幅方向内側まで延びて終端おり、いわゆるエンベロープ構造となっているが、この例には限られず、カーカス折り返し部4bの端は、例えば、タイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していても良い。
また、カーカス4のクラウン部のタイヤ径方向外側には、1層以上(図示例では2層)のベルト層5a、5bからなるベルト5が配置されている。2層のベルト層のベルトコードは、層間で互いに交差するように延びており、ベルトコードは、例えばタイヤ周方向に対して30~60°の傾斜角度で傾斜して延びることができる。ベルトコードは、本例ではスチールコードである。
また、このタイヤ1は、サイドウォール部2に、断面三日月状のサイド補強ゴム6が配設されている。このようなサイド補強ゴム6を配設することにより、パンク等によってタイヤの内圧が低下した状態においても、車体重量の支持に寄与するサイド補強ゴム6が、ある程度の距離を安全に走行することを可能にする。図示例では、サイド補強ゴム6は、タイヤ幅方向断面において、該サイド補強ゴム6のタイヤ径方向中央位置付近からタイヤ径方向内側及び外側に向かってタイヤ幅方向の厚さが漸減し、かつ、タイヤ幅方向外側に凸に突出した形状をしている。
ここで、本実施形態のタイヤでは、サイド補強ゴム6の一部は、他の部分6aよりも弾性率の低い低弾性部6bである。より具体的には、低弾性部6bの弾性率は、他の部分6aの弾性率の80%以下であり、好ましくは、低弾性部6bの弾性率は、他の部分6aの弾性率の50%以下であり、より好ましくは、低弾性部6bの弾性率は、他の部分6aの弾性率の20%以下である。
低弾性部6bは、上記基準状態において、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域に位置している。図示例では、低弾性部6bは(低弾性部6bの全部又は一部は)、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域において、他の部分6aよりもタイヤ幅方向外側に位置している。また、図示例では、タイヤ最大幅位置となるタイヤ径方向位置には、上記他の部分6aのみが位置している(タイヤ最大幅位置を通るタイヤ幅方向に平行な線と上記低弾性部6bが交差しない)。
また、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面において、低弾性部6bの、カーカス4からタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際の厚さが最大となる最大厚さをt1とし、該垂線の方向に計測した際の他の部分6aの厚さをt2とするとき、比t1/t2は、0.2以上3以下(より好ましくは0.5以上1.5以下)である。なお、図示例では、低弾性部6bは、該垂線の方向に計測した厚さが最大となる箇所がカーカス4に沿った中央付近に位置しているが、この場合に限られない。
以下、本実施形態のランフラットタイヤの作用効果について説明する。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ね、ランフラットタイヤの通常走行時とランフラット走行時とのそれぞれにおけるサイド補強ゴムの荷重支持への寄与に着目した。その結果、通常走行時ではランフラット走行時対比でバットレス部の荷重支持への寄与度が大きくなることを突き止め、当該バットレス部を低弾性化した低弾性部を設け、その弾性率や厚さを他の部分の対比で規定することにより、ランフラット走行時の耐久性を損なうことなく、乗り心地性を向上させ得るという知見を得た。
すなわち、上記基準状態において、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域に低弾性部6bを設けることにより、通常走行時においては、当該領域の荷重支持への寄与が相対的に大きいため低弾性部6bの弾性率が低いことにより縦バネ係数が低減し、乗り心地性を向上させることができる。一方で、ランフラット走行時においては、当該領域の荷重支持への寄与が相対的に小さいため低弾性部6bの弾性率が低いことによるランフラット走行時の耐久性の低下を抑えることができる。ここで、低弾性部6bの弾性率が他の部分6aの弾性率の80%超であると、通常走行時における乗り心地性の向上の効果を十分に得ることができない。また、上記比t1/t2が0.2未満でも通常走行時における乗り心地性の向上の効果を十分に得ることができない。一方で、上記比t1/t2が3超だとランフラット走行時の耐久性が低下するおそれがある。また、サイド補強ゴム6の一部を低弾性化しても重量増とはならないため燃費性を損なうこともない。
以上のように、本実施形態のランフラットタイヤによれば、ランフラット耐久性を確保しつつも、燃費性の低下及び乗り心地性の低下を抑制することができる。
ここで、低弾性部6bは、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域において、他の部分6aよりもタイヤ幅方向外側に位置することが好ましい。ランフラット走行中のリム外れを抑制することができるからである。
タイヤ最大幅位置となるタイヤ径方向位置には、他の部分6aのみが位置することが好ましい。ランフラット走行時にはタイヤ最大幅位置が荷重支持に大きく寄与するため、ランフラット走行時の耐久性をより一層確保することができるからである。
低弾性部6bの弾性率は、他の部分6aの弾性率の50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。通常走行時の乗り心地性をより一層向上させることができるからである。
図2は、本発明の他の実施形態にかかるランフラットタイヤのタイヤ幅方向部分断面図である。図2に示すように、本実施形態のタイヤ11は、タイヤ内面にインナーライナー7を備えている。本例では、インナーライナー7は、ブチルゴムからなる。そして、このタイヤ1では、サイド補強ゴム6とインナーライナー7との間に、内層ゴム8が配置されている。図示例では、内層ゴム8は、サイド補強ゴム6とインナーライナー7とが隣接している領域の略全域にわたって配置されている。本例では、内層ゴム8は、サイド補強ゴム6と内層ゴム8とを接着し加硫したサンプルのゴム境界線上に予亀裂を入れ、室温条件下において界面を引き剥がす方向に引っ張った際の界面の剥離抗力が1N/mm以上であるゴムである。材質としては、内層ゴム8は、イソブチレンとイソプレンとの共重合体を有しないゴムからなる。内層ゴム8を配置していること以外は図1と同様であるので他の構成の説明を省略する。
ここで、サイド補強ゴム6の他の部分6aの弾性率に対する、内層ゴム8の弾性率の比は、0.75以下(好ましくは0.6以下)である。
また、上記基準状態において、上記カーカス4からタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際のサイド補強ゴム6の厚さが最大となる最大厚さ(他の部分6aのみ又は他の部分6aと低弾性部6bとからなる)に対する、上記垂線の方向に計測した際の内層ゴム8の厚さの比は、0.05~0.30である。
この構成によれば、内層ゴム8は、イソブチレンとイソプレンとの共重合体を有しないゴムからなるため、ブチルゴム等との対比で、サイド補強ゴム6及びインナーライナー7との接着性が高く、高温且つ大きな圧縮歪が生じるランフラット走行時においても、サイド補強ゴム6及びインナーライナー7との剥離が生じにくい。従って、サイド補強ゴム6とインナーライナー7とが内層ゴム8を介して接着したままの状態を保つことができる。これにより、サイド補強ゴム6とインナーライナー7とが剥離することによるサイドウォール部2の曲げ剛性の低下に起因する荷重支持能力の低下を抑制することができる。
さらに、上記のような内層ゴム8は、ブチルゴム等との対比で、亀裂が発生しにくく、従って、サイド補強ゴム6へ進展する可能性のある亀裂の核が生じにくく、また、インナーライナー7に生じた亀裂が内層ゴム8までは進展しにくいことから、インナーライナー7からサイド補強ゴム6への亀裂の進展も抑制することができる。これにより、ランフラット走行時に荷重支持の役割を果たすサイド補強ゴム6に亀裂が発生することによる荷重支持能力の低下も抑制することができる。
加えて、サイド補強ゴム6の他の部分6aの弾性率に対する、内層ゴム8の弾性率の比は、0.75以下であるため、通常走行時の乗り心地性を低下させないようにすることもできる。
上記基準状態において、上記カーカス4からタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際のサイド補強ゴム6の厚さが最大となる最大厚さに対する、上記垂線の方向に計測した際の内層ゴム8の厚さの比を0.05以上とすることで、上記の荷重支持能力の低下を抑制する効果をより有効に得ることができる。
一方で、上記基準状態において、上記カーカス4からタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際のサイド補強ゴム6の厚さが最大となる最大厚さに対する、上記垂線の方向に計測した際の内層ゴム8の厚さの比を0.30以下とすることで、内層ゴム8を追加したことによる重量増を極力抑えることができる。
図3は、ビード部の変形例を示す図である。図3に示すように、この変形例では、ビードフィラ3bは、第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とに分割されている。第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とは同じ材質でできており、従って硬度等も同じである。第1ビードフィラ31は、ビードコア3aに隣接し、タイヤ径方向外側からタイヤ径方向内側に向かってタイヤ幅方向の幅が漸増する、断面略三角形の形状をなしている。第2ビードフィラ32は、タイヤ径方向外側からタイヤ径方向の中央(第1ビードフィラ31のタイヤ径方向外側端付近)に向かってタイヤ幅方向の幅が漸増し、タイヤ径方向の中央からタイヤ径方向内側に向かってタイヤ幅方向の幅が漸減する、断面略三角形状の形状をなしている。第1ビードフィラ31のタイヤ幅方向外側の斜辺と第2ビードフィラ32のタイヤ幅方向内側の斜辺(上記タイヤ径方向の中央よりタイヤ径方向内側の斜辺)とが隣接している。第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とを合わせた全体形状で見ると、通タイヤ径方向外側からタイヤ径方向内側に向かってタイヤ幅方向の幅が漸増する、断面略三角形の形状をなしている(第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とに分割されていることを除いて図1のビードフィラ3bと同様である)。
ここで、図2に示すように、カーカス折り返し部4bは、第1のビードフィラ31と第2のビードフィラ32とに挟まれている。図示では省略されているが、カーカス折り返し部4bは、図1と同様にベルト端よりもタイヤ幅方向内側まで延びて終端している。
ここで、カーカス本体部4aとカーカス折り返し部4bとの間にビードフィラ3b全体が位置していると、ビードフィラ3bの剛性が高いため、ビード部3が曲げ変形しにくく、縦バネ係数が増大して乗り心地性が低下し、また、所望の曲げ変形ができずに転がり抵抗が増大してしまう場合があった。これに対し、図3に示したように、ビードフィラ3bを第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とに分割し、カーカス折り返し部4bを第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32とに挟む構造とすることによって、カーカス4の外側にビードフィラ3bを適度に曲げやすくすることができる。これにより、乗り心地性の低下や転がり抵抗の増大を抑制することができる。
第1ビードフィラ31と第2ビードフィラ32は、通常のビードフィラを分割したものとすることができ、通常の材質のものを用いることができる。
タイヤ幅方向断面において、第1ビードフィラ31の面積に対する、第2ビードフィラの面積の比は、1.0~6.0とすることが好ましい。1.0以上とすることでリム離反点より径方向外側の領域を曲げやすくすることができ、一方で、6.0以下とすることでリム離反点より径方向内側のビード部のリムフランジ方向への倒れ込み変形増加によるビード部の耐久性悪化を抑制することができるからである。
ビード部3の曲げ変形はリム離反点よりタイヤ径方向外側で生じるため、タイヤ幅方向断面において、第2のビードフィラ32の面積の50%以上がリム離反点よりタイヤ径方向外側に位置することが好ましい。
(実施例)
本発明の効果を確かめるため、タイヤサイズPSR 275/35F21の発明例及び比較例にかかるタイヤを試作して、タイヤ性能を評価する試験を行った。
発明例:サイド補強ゴム対比56%の弾性率を有する低弾性部を、タイヤ径方向にビードベースラインからタイヤ断面高さの61%~73%の範囲に、かつ、低弾性部のゲージの最厚部において低弾性部ゲージ/他の部分のゴムゲージの比が0.5となるように配置した構造とした。
比較例:サイド補強ゴムを1種類のゴムからなるものとした。その他は発明例1と同様である。
<ランフラット耐久性>
ISO規格に準拠したリム、内圧、及び荷重条件において、ランフラット耐久性を評価した。比較例の結果を100とした指数で表示し、指数が大きい方が性能に優れている。
<縦バネ係数>
JATMAに準拠したリムにリム組みし、230kPaの内圧を充填し、5320Nの荷重を負荷した際の縦バネ係数を算出した。比較例の結果を100とした指数で表示し、指数が小さい方が性能に優れている。
評価結果を以下の表1に示している。
Figure 2022157673000002
10:ランフラットタイヤ、
11:ランフラットタイヤ、
1:トレッド部、
2:サイドウォール部、
3:ビード部、
4:カーカス、
5:ベルト、
6:サイド補強ゴム、
7:インナーライナー、
8:内層ゴム

Claims (6)

  1. トレッド部と、
    前記トレッド部の両側に連なる一対のサイドウォール部と、
    前記各サイドウォール部に連なるビード部と、
    前記サイドウォール部に配設された断面三日月状のサイド補強ゴムと、
    一対の前記ビード部間でトロイダル状に跨るカーカスと、を備えた、ランフラットタイヤであって、
    前記サイド補強ゴムの一部は、他の部分よりも弾性率の低い低弾性部であり、
    前記低弾性部は、前記ランフラットタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態において、ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域に位置し、
    前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の80%以下であり、
    前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面において、前記低弾性部の、前記カーカスからタイヤ内面に下ろした垂線の方向に計測した際の厚さが最大となる最大厚さをt1とし、前記垂線の方向に計測した際の前記他の部分の厚さをt2とするとき、比t1/t2は、0.2以上3以下であることを特徴とする、ランフラットタイヤ。
  2. 前記低弾性部は、前記ビードベースラインからタイヤ断面高さの50%以上80%以下のタイヤ径方向領域において、前記他の部分よりもタイヤ幅方向外側に位置する、請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. タイヤ最大幅位置となるタイヤ径方向位置には、前記他の部分のみが位置する、請求項1又は2に記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の50%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記低弾性部の弾性率は、前記他の部分の弾性率の20%以下である、請求項4に記載のランフラットタイヤ。
  6. タイヤ内面にインナーライナーを備え、
    前記サイド補強ゴムと前記インナーライナーとの間に、内層ゴムが配置され、
    前記内層ゴムは、イソブチレンとイソプレンとの共重合体を有しないゴムからなり、
    前記サイド補強ゴムの前記他の部分の弾性率に対する、前記内層ゴムの弾性率の比は、0.75以下であり、
    前記基準状態において、前記垂線の方向に計測した際の前記サイド補強ゴムの厚さが最大となる最大厚さに対する、前記垂線の方向に計測した際の前記内層ゴムの厚さの比は、0.05~0.30である、請求項1~5のいずれか一項に記載のランフラットタイヤ。
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