JP2022157378A - 空間浮遊映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で可搬型の空間浮遊映像表示装置を提供する。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」、「9産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。【解決手段】空間浮遊映像表示装置は、車両内のダッシュボード上に設置可能である薄型の筐体106を備える。筐体106内には、映像表示装置1と、ビームスプリッタ(偏光分離部材)101と、再帰反射部材2および位相差板(λ/4板21)と、平面ミラー4とを備える。空間浮遊映像表示装置は、映像表示装置1からの特定偏波の映像光を、平面ミラー4で反射させて、ビームスプリッタ101で反射させ、再帰反射部材2で反射され位相差板を通じて偏光変換された映像光をビームスプリッタ101で透過させ、窓部605を透過した映像光によって、外部に空間浮遊映像3を表示する。【選択図】図6F

Description

本発明は、空間浮遊映像表示装置に関する。
空間浮遊映像表示装置の一例として、特許文献1は「情報処理装置のCPUは、空気中に形成される像へのユーザの接近方向を検知する接近方向検知部と、入力が検知された座標を検知する入力座標検知部と、操作の受け付けを処理する操作受付部と、受け付けた操作に応じて操作画面を更新する操作画面更新部とを備える。CPUは、ユーザが予め定めた方向から像に接近する場合、ユーザの動きを操作として受け付け、操作に応じた処理を実行する(要約抜粋)。」とする記載を開示している。
特開2019-128722号公報
上述した特許文献1の空間浮遊映像表示装置は、空間浮遊映像の操作性を向上させることはできても、空間浮遊映像の見た目の解像度やコントラストの向上については考慮されておらず、更なる映像品質の向上が求められているという実情がある。
ここで、空間浮遊映像表示装置の用途は幅広く、サイネージ(広告用看板)として用いれば、従来の平面ディスプレイにはない「空間に映像が浮かんで表示される」という珍しさから、多くの人の関心を引き寄せる効果がある。また、特許文献1にも記載されたように、空間浮遊映像を何等かの操作を行うためのヒューマン・インタフェースとして用いれば、その無接触という特徴から、押しボタン等の接触部分を媒介としたウイルス感染を防止する効果が得られる。
一方、従来では、空間浮遊映像表示装置を、可搬型、すなわちポータブルとして用いるという実用例は無かった。例えば、片手で簡単に持ち運びができ、空間浮遊映像をユーザが好みの場所で好みの時間に表示できれば、エンタテイメントシステムの一部として用いることができるのみならず、何等かの情報告知等においても空間浮遊映像は大きくその用途を広げる可能性がある。
特に、空間浮遊映像装置を自動車等の車両内に手軽に設置することができれば、空間浮遊映像として表示される人の映像(以下、コンシェルジュ)が、例えば、道案内やPOI(Point Of Interest)情報を運転者や同乗者に伝えること、また逆に運転者や同乗者が、上記コンシェルジュに対して、エアコンの温度設定や音楽の選曲等を音声等による手段で指示し、それに対して、上記コンシェルジュが音声で応答することができれば、通常のボタン操作による指示よりも、見た目にも楽しく、より安全で快適な運転支援が可能となる。
本発明の目的は、視認性の高い好適な空間浮遊映像を表示することができる空間浮遊映像表示装置を提供すること、さらに、車載などにも好適な小型かつ可搬型の空間浮遊映像表示装置を提供することである。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、一例を挙げるならば、以下の通りである。実施の形態の空間浮遊映像表示装置は、高さ方向の長さが奥行き方向の長さよりも小さい薄型形状の筐体と、前記筐体の一部に設けられ、前記空間浮遊映像を形成するための映像光を透過させる窓部と、前記筐体の内部に設けられ、光源装置、および前記光源装置からの光に基づいて前記空間浮遊映像を形成するための特定偏波の映像光を生成して出射する液晶表示パネルを有する映像表示装置と、前記筐体の内部に設けられ、前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を反射し再帰反射部材からの映像光を透過する偏光分離部材と、前記筐体の内部に設けられ、前記偏光分離部材からの映像光を再帰反射する前記再帰反射部材と、前記再帰反射部材の再帰反射面に設けられた位相差板と、前記筐体の内部で、前記映像表示装置と前記偏光分離部材とを結ぶ空間内に配置され、前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を前記偏光分離部材へ向けて反射する平面ミラーと、を備え、前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を、前記平面ミラーで反射させて、前記偏光分離部材で前記再帰反射部材に向けて反射させ、前記位相差板を通じて偏光変換された映像光を前記偏光分離部材で透過させ、前記窓部を透過した映像光によって前記筐体の外部に前記空間浮遊映像を表示する。
本発明によれば、視認性の高い好適な空間浮遊映像を表示することができる空間浮遊映像表示装置を実現でき、さらに車載などにも好適な小型かつ可搬型の空間浮遊映像表示装置を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果等については、[発明を実施するための形態]において示される。
本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の使用形態の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す図である。 空間浮遊映像表示装置の課題を示す図である。 再帰反射部材の表面粗さと再帰反射像のボケ量の関係を表す特性図である。 空間浮遊映像表示装置の課題を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成の他の実施例を示す図である。 本発明の一実施例に係る、ダッシュボード上に設置可能な空間浮遊映像表示装置の外観を示す上面図である。 本発明の一実施例に係る、ダッシュボード上に設置可能な空間浮遊映像表示装置の外観を示す側面図である。 本発明の一実施例に係る、空間浮遊映像表示装置を車両のダッシュボード上に設置した場合のイメージ図である。 空間浮遊映像の表示例を示す図である。 本発明の一実施例に係る、ダッシュボード上に設置が可能な空間浮遊映像表示装置の内部構成例を示す図である。 変形例に係る、ダッシュボード上に設置が可能な空間浮遊映像表示装置の内部構成例を示す図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部を示す配置図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置を構成する映像表示装置の構成を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置を構成する映像表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る光源装置の具体的な構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明は実施例の説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。全図面において、同一の機能を有するものには同一の符号を付与し、繰り返しの説明を省略する場合がある。
以下の実施例は、例えば、大面積な映像発光源からの映像光による映像を、ショーウィンドのガラス等の空間を仕切る透明部材を介して透過して、店舗の空間の内部または外部に空間浮遊映像として表示することが可能な空間浮遊映像表示装置に関する。また、かかる空間浮遊映像表示装置を複数用いて構成される大規模なデジタルサイネージシステムに関する。
以下の実施例によれば、例えば、ショーウィンドのガラス面や光透過性の板材上に高解像度な映像情報を空間浮遊した状態で表示可能となる。この時、実施例によれば、出射する映像光の発散角を小さく、即ち鋭角とし、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射部材に対して正規の反射光だけを効率良く反射させるため、光の利用効率が高く、従来の再帰反射方式での課題となっていた主空間浮遊映像の他に発生するゴースト像を抑えることができ、鮮明な空間浮遊映像を得ることができる。また、本実施例の光源装置を含む映像表示装置により、消費電力を大幅に低減可能な、新規で利用性に優れた空間浮遊映像表示装置を提供することができる。また、例えば、車両のフロントガラスやリアガラスやサイドガラスを含むシールドガラスを介して、車両外部において視認可能である、いわゆる、一方向性の空間浮遊映像表示が可能な空間浮遊映像表示装置を提供することができる。
一方、従来の空間浮遊映像表示装置では、高解像度なカラー表示映像源として有機ELパネルや液晶表示パネルを再帰反射部材と組合せる。従来技術による空間浮遊映像表示装置では、映像光が広角で拡散するため、図3に示すように、再帰反射部材2(再帰反射シート)の再帰反射部2aが6面体であるために、正規に反射する反射光の他に、再帰反射部材2に斜めから入射する映像光よってゴースト像が発生し、空間浮遊映像の画質を損ねていた。従来技術として示した再帰反射部2aは6面体であるために、図5に示すように、空間浮遊映像の正規像R1の他に、第1ゴースト像G1からから第6ゴースト像G6まで複数のゴースト像が発生する。このため、観視者以外にも同一空間浮遊映像であるゴースト像を観視されてしまい、セキュリティ上大きな課題があった。
また、後述する狭角な指向特性を有する映像表示装置からの映像光を再帰反射部材で反射させて得られた空間浮遊映像は、上述したゴースト像の他に、図4に示したように、液晶表示パネルの画素ごとにボケが視認された。
<空間浮遊映像表示装置(1)>
図1は、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の使用形態の一例を示す。図1(A)は、本実施例に係る空間浮遊映像表示装置の全体構成を示す。例えば、店舗等においては、ガラス等の透光性の部材であるショーウィンド(ウィンドガラス105)により空間が仕切られている。本実施例の空間浮遊情報表示装置によれば、かかる透明部材を透過して、空間浮遊映像3を店舗の空間の外部に対して一方向に表示することが可能である。具体的には、映像表示装置1から狭角な指向特性でかつ特定偏波の光が、映像光束として出射し、再帰反射部材2に一旦入射し、再帰反射してウィンドガラス105を透過して、店舗の外側に、実像である空中像を空間浮遊映像3として形成する。図1では、ウィンドガラス105の内側(店舗内)を奥行方向にしてその外側(例えば歩道)が手前になるように示している。他方、ウィンドガラス105に特定偏波を反射する手段を設けることで、反射させ、店内の所望の位置に空中像を形成することもできる。
図1(B)は、上述した映像表示装置1のブロック構成を示す。映像表示装置1は、空中像の原画像を表示する映像表示部1aと、入力された映像をパネルの解像度に合わせて変換する映像制御部1bと、映像信号を受信する映像信号受信部1cと、受信アンテナ1dとを含んでいる。映像信号受信部1cは、USB(Universal Serial Bus:登録商標)入力やHDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)入力など有線での入力信号への対応と、Wi-Fi(Wireless Fidelity:登録商標)などの無線入力信号への対応を行い、映像受信・表示装置として単独で機能するものでもあり、タブレット、スマートフォンなどからの映像情報を表示することもできる。更にステックPCなどを接続すれば、計算処理や映像解析処理などの能力を持たせることもできる。
図2は、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す。図2を用いて、空間浮遊映像表示装置の構成をより具体的に説明する。図2(A)に示すように、ガラス等の透明部材100の斜め方向には、特定偏波の映像光を狭角に発散させる映像表示装置1を備える。映像表示装置1は、液晶表示パネル11と、狭角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えている。
映像表示装置1からの特定偏波の映像光は、透明部材100に設けた特定偏波の映像光を選択的に反射する膜を有する偏光分離部材101で反射され、再帰反射部材2に入射する。図中では、偏光分離部材101をシート状に形成して透明部材100に粘着している。再帰反射部材の映像光入射面にはλ/4板21を設ける。映像光は、再帰反射部材への入射の時と出射の時との2回、λ/4板21を通過させられることで、特定偏波から他方の偏波へ偏光変換される。ここで、特定偏波の映像光を選択的に反射する偏光分離部材101は、偏光変換された他方の偏波の偏光については透過する性質を有するので、偏光変換後の特定偏波の映像光は、偏光分離部材101を透過する。偏光分離部材101を透過した映像光が、透明部材100の外側に、実像である空間浮遊映像3を形成する。
なお、空間浮遊映像3を形成する光は、再帰反射部材2から空間浮遊映像3の光学像へ収束する光線の集合であり、これらの光線は、空間浮遊映像3の光学像を通過後も直進する。よって、空間浮遊映像3は、一般的なプロジェクタなどでスクリーン上に形成される拡散映像光とは異なり、高い指向性を有する映像である。よって、図2の構成では、矢印Aの方向からユーザが視認する場合には、空間浮遊映像3は明るい映像として視認されるが、矢印Bの方向から他の人物が視認する場合には、空間浮遊映像3は映像として一切視認できない。この特性は、高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示するシステムに採用する場合に非常に好適である。
なお、再帰反射部材2の性能によっては、反射後の映像光の偏光軸が不揃いになることがある。この場合、偏光軸が不揃いになった一部の映像光は、上述した偏光分離部材101で反射されて映像表示装置1に戻る。この光が、映像表示装置1を構成する液晶表示パネル11の映像表示面で再反射し、ゴースト像を発生させ、空間浮遊映像3の画質を低下させる可能性がある。そこで、本実施例では、映像表示装置1の映像表示面に、吸収型偏光板12を設ける。映像表示装置1から出射する映像光は、吸収型偏光板12を透過させ、偏光分離部材101から戻ってくる反射光は、吸収型偏光板12で吸収させることで、上記再反射を抑制できる。これにより、空間浮遊映像3のゴースト像による画質低下を防止することができる。
上述した偏光分離部材101は、例えば反射型偏光板、あるいは特定偏波を反射させる金属多層膜などで形成すればよい。
次に、図2(B)に、代表的な再帰反射部材2として、今回の検討に用いた日本カ-バイト工業株式会社製の再帰反射部材2の表面形状を示す。再帰反射部材2において、規則的に配列された6角柱からなる再帰反射部2aの内部に入射した光線は、6角柱の壁面と底面で反射され、再帰反射光として、入射光に対応した方向に出射して、図5に示す正規像R1を形成する。一方、図3に示したように、映像表示装置1からの映像光のうちで再帰反射部材2に斜めに入射した映像光によっては、正規像R1とは別にゴースト像(図5中のゴースト像G1~G6)が形成される。
そこで、本実施例の空間浮遊映像表示装置は、映像表示装置1に表示した映像に基づき、ゴースト像を形成することなく、実像である空間浮遊映像3を表示する。この空間浮遊映像3の解像度は、液晶表示パネル11の解像度の他に、図2(B)で示す再帰反射部材2の再帰反射部2aの外径DとピッチPに大きく依存する。例えば、7インチのWUXGA(1920×1200画素)液晶表示パネル11を用いる場合には、1画素(1トリプレット)が約80μmであっても、例えば再帰反射部2aの直径Dが240μmでピッチが300μmであれば、空間浮遊映像3の1画素は300μm相当となる。このため、空間浮遊映像3の実効的な解像度は、1/3程度に低下する。そこで、空間浮遊映像3の解像度を映像表示装置1の解像度と同等にするためには、再帰反射部2aの直径DとピッチPを液晶表示パネル11の1画素に近づけることが望まれる。他方、再帰反射部材2と液晶表示パネル11の画素によるモアレの発生を抑えるため、それぞれのピッチ比を1画素の整数倍から外して設計すると良い。また、形状は、再帰反射部2aのいずれの一辺も液晶表示パネル11の1画素のいずれの一辺と重ならないように配置すると良い。
発明者は、視認性を向上するために許容できる空間浮遊映像3の像のボケ量lと画素サイズLとの関係を画素ピッチ40μmの液晶表示パネル11と本発明の狭発散角(発散角15°)の光源とを組み合わせた映像表示装置1を作成し、実験により求めた。図4に、その実験結果を示す。視認性が悪化するボケ量lは、画素サイズの40%以下が望ましく、15%以下であれば殆ど目立たないことが分かった。この時のボケ量lが許容量となる反射面の面粗さは、測定距離40μmの範囲において、平均粗さが160nm以下であり、より目立たないボケ量lとなるには、反射面の面粗さは、120nm以下が望ましいことが分かった。このため、前述した再帰反射部材2の表面粗さを軽減するとともに、反射面を形成する反射膜とその保護膜を含めた面粗さを上述した値以下とすることが望まれる。
一方、再帰反射部材2を低価格で製造するためには、ロールプレス法を用いて成形すると良い。具体的には、再帰反射部2aを整列させフィルム上に賦形する方法であり、賦形する形状の逆形状をロール表面に形成し、固定用のベース材の上に紫外線硬化樹脂を塗布しロール間を通過させることで、必要な形状を賦形し紫外線を照射して硬化させ、所望形状の再帰反射部材2を得る。
本発明の映像表示装置1は、液晶表示パネル11と後述する狭角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13により、上述した再帰反射部材2に対して斜めから映像が入射する可能性が小さく、ゴースト像の発生を防止し、発生したとしても輝度が低いという構造的に優れたシステムとなる。
<空間浮遊映像表示装置(2)>
図6Aは、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成の他の例(第二例)を示す。映像表示装置1は、映像表示素子としての液晶表示パネル11と、狭角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えて構成される。液晶表示パネル11は、画面サイズが5インチ程度の小型のものから、80インチを超える大型な液晶表示パネルまでの範囲から選択されたもので構成される。例えば反射型偏光板のような偏光分離部材101で、液晶表示パネル11からの映像光を再帰反射部材2に向けて反射させる。
再帰反射部材2の光入射面にはλ/4板21を設け、映像光を2度通過させることで、偏光変換して特定偏波(一方の偏波)を他方の偏波に変換することで、偏光分離部材101を透過させ、透明部材100の外側に、実像である空間浮遊映像3を表示する。透明部材100の外光入射面には吸収型偏光板112を設ける。上述した偏光分離部材101では、再帰反射することで偏光軸が不揃いになるため、一部の映像光は反射して映像表示装置1に戻る。この光が再度、映像表示装置1を構成する液晶表示パネル11の映像表示面で反射し、ゴースト像を発生させ、空間浮遊映像3の画質を著しく低下させる。そこで、本実施例では、映像表示装置1の映像表示面に吸収型偏光板12を設け、映像光については透過させ、上述した反射光を吸収させることで、空間浮遊映像3のゴースト像による画質低下を防止する。
さらに、空間浮遊映像表示装置のセットの外部の太陽光や照明光等の外光による画質低下を軽減するため、透明部材100の表面に吸収型偏光板112を設けると良い。さらに、再帰反射部材2に外光が入射すると強力なゴースト像を発生させるため、第4遮光部材25で外光の入射を妨げる構成とする。偏光分離部材101は、反射型偏光板や、特定偏波を反射させる多層膜から形成される。本実施例の多層膜は金属多層膜である。
偏光分離部材101と液晶表示パネル11との間には、空間浮遊映像3を形成する正規映像光以外の斜め映像光を遮光するための第2遮光部材23及び第3遮光部材24を併設している。また、再帰反射部材2と偏光分離部材101との間にも、正規映像光以外の斜め映像光を遮光するための第1遮光部材22を設け、更に上述したように外光が直接再帰反射部材2に入射しないように、第4遮光部材25も併設して、ゴースト像を発生させる斜め光を遮光する。この結果、ゴースト像の発生を抑えることができる。
発明者は、実験により液晶表示パネル11と偏光分離部材101の空間に第3遮光部材24と第2遮光部材23を併設することで、遮光の効果を高められることを確認した。この実験では、第2遮光部材23及び第3遮光部材24の内径は、空間浮遊映像3を形成する正規映像光束が通過する領域に対して面積で110%とすることで、部品精度を機械公差の範囲で作成し組み立てることができる。更に、ゴースト像発生をさらに軽減するには、前述の遮光部材の正規映像光束が通過する領域に対して104%以下とすれば、ゴースト像発生を実用上問題ないレベルに抑えることができた。一方、再帰反射部材2と偏光分離部材101の間に設けた第1遮光部材22は、第1遮光部材22と再帰反射部材2の距離L1を、再帰反射部材2と偏光分離部材101の距離に対して50%以下であれば、ゴースト像発生を更に軽減でき、30%以下の場合では、目視では実用上問題ないレベルまで軽減できた。更に、再帰反射部材2を囲むように設けた第4遮光部材25と第1遮光部材22と第2遮光部材23及び第3遮光部材24を併設することで、更にゴースト像のレベルを軽減できた。
図6Aの遮光部材の断面形状は、空間浮遊映像3を形成する正規映像光束が通過する領域(本実施例では吸収型偏光板112における映像光束が通過する領域に相当する)に対する遮光部材の有効面積とほぼ同サイズとし、内面に向かって梁を設け、ゴースト像を形成する異常光を梁の表面で複数回反射させて異常光を吸収させると、更に良い。遮光部材の外枠に対して正規映像光束が通過する領域を小さくし、梁の内接する面と同等の面積としている。
他方、再帰反射部材2の形状を、映像表示装置1と正対した平面形状から曲率半径200mm以上の凹面または凸面として、再帰反射部材2で反射した斜め映像光によりゴースト像が発生したとしても、反射後に発生したゴースト像を観視者の視界から離してしまうことで、観視できないようにしても良い。曲率半径が100mm以下とする再帰反射部材2の周辺で反射した光のうち、正規で反射した光量が低下し、得られる空間浮遊映像3の周辺光量が低下するという新たな課題が発生する。このため、ゴースト像を実用上問題ないレベルに軽減するためには、上述した技術手段を選択し適用するか、併用すると良い。
<空間浮遊映像表示装置(3)>
図6B以降を用いて、本発明の一実施例(第三例)の空間浮遊映像表示装置を説明する。この空間浮遊映像表示装置は、車両内で好適に使用できることを考慮して(なお車両内での使用に限定されない)、比較的に小型(コンパクト)で可搬型(ポータブル)の空間浮遊映像表示装置であり、車両のダッシュボード上に好適に設置可能な薄型の筐体106を有し、その筐体106に対応した光学系等を有する。この薄型の筐体106を有する空間浮遊映像表示装置は、車両内のダッシュボード上(後述の図6D)に好適に設置可能である。運転者等のユーザは、この空間浮遊映像表示装置を、必要に応じて、ダッシュボード上に簡単に取り付けおよび取り外して設置可能である。
図6Bおよび図6Cは、本実施例(第三例)に係る空間浮遊映像表示装置の外観の一例を示す。図6Bは上(鉛直方向)から見た上面図(X-Y面)、図6Cは横(水平方向)から見た側面図(Y-Z面)を示す。なお、図6B等において、鉛直方向と対応する高さ方向、上下方向をZ方向で示す。水平方向における直交する2つの方向をX方向およびY方向で示す。X方向は装置の左右方向、Y方向は装置の奥行き方向、前後方向である。
この薄型の筐体106は、剛性、遮光性、防水性などを有し、上面604(図6Bおよび図6C)、下面608(図6C)、左右の側面607(図6C)、前面606(図6C)、背面609(図6C)等を有し、これらによって筐体内部空間が閉じられている。上面604には、一部として窓部605が設けられている。
窓部605(言い換えると開口部)は、筐体106内の再帰反射部材2からの空間浮遊映像3を形成するための特定偏波の映像光を外部へ出射・透過させるための透明部材100等を含む部分である。窓部605は、上から見て台形状の部分である。なお、窓部605の形状は一例として台形としているが、これに限らず、長方形、多角形、楕円など、様々な形状が可能である。
筐体106内には、ゴースト像が無く視認性の高い空間浮遊映像3を生成するための後述の光学系、さらに制御回路基板、また必要に応じてリチウムイオン電池等の充電池などが収納されている。
この空間浮遊映像表示装置の筐体106は、サイズの実施例としては以下である。図6Bの上面図において、筐体106は、奥行き(Y方向)の長さ631が約20cm、上面の台形における上辺(手前側の短辺)の長さ632が約12cm、下辺(奥側の長辺)の長さ633が約15cmを有する台形形状である。図6Cの側面図において、筐体106は、最大高さ634が約8cmの薄型形状を有する。また、筐体106の下面608から、生成される空間浮遊映像3の下辺までの高さ635は、約10cmである。本例では、液晶表示パネル11は、画面サイズが2~4インチ程度の小型のもので構成される。空間浮遊映像3のサイズは、液晶表示パネル11の画面サイズおよび窓部605の開口のサイズと対応している。
本実施例では、筐体106の上から見た形状は、図6Bのように、上面604で台形状としている。台形の上辺(短辺)が前側にあり、下辺(長辺)が後側にある。あるいは、筐体106の上面604は、空間浮遊映像3が形成される側の辺が短く、空間浮遊映像3に対向する辺が相対的に長い。本実施例において、空間浮遊映像3が形成される側の辺は運転者側であり、空間浮遊映像3に対向する辺はフロントガラス側である。筐体106の上面604の台形形状に合わせて窓部605を形成するため、窓部605も台形形状とした。上記のように窓部605を台形形状とすることで、再帰反射部材2が配置される側の窓部605をより広くすることができ、その結果、再帰反射部材2からの反射光の左右の空間が広くなる。したがって、観察者(車両の運転者または助手席の同乗者など)が、空間浮遊映像3を観察する場合、観察者が頭部(目の位置)を前後左右方向に移動させても、再帰反射部材2からの反射光が筐体106によって遮られることがなくなり、特に、揺れの多い車内であっても空間浮遊映像3を好適に視認することができる。すなわち、揺れる車内に乗車している運転者または同乗者が観察時に光軸方向から少しずれても光軸方向とほぼ同じ空間浮遊映像3を見ることができる。
薄型形状の筐体106とは、以下のような構成を有する。筐体106の薄型形状とは、筐体106の高さ方向(Z方向)の長さ634(本例では8cm)が、筐体106の他の辺の長さ、特に奥行き方向の長さ631(本例では20cm)よりも小さい形状である。特に、本実施例では、筐体106の薄型形状は、筐体106の高さ方向の長さ634(本例では8cm)が、筐体106の他の方向のすべての辺の長さ(20cm、15cm、12cmなど)に対して最も小さいという形状である。また特に、本実施例では、筐体106の薄型形状は、筐体106の高さ方向の長さ634(本例では8cm)が、筐体106の幅方向・左右方向の長さ(本例では台形の上辺の長さ632(12cm)と下辺の長さ633(15cm))に対しても小さいという形状である。
これに限らず、変形例として、筐体106の薄型形状は、筐体106の高さ方向の長さ634が、筐体106の幅方向の長さと同程度となる構成としてもよいし、筐体106の高さ方向の長さ634が、筐体106の幅方向の長さよりも大きいという構成としてもよい。
筐体106の奥行き方向(Y方向)の長さ631(本例では20cm)は、各種の自動車(軽自動車を含む)のダッシュボード上に設置できること、言い換えると対象とするダッシュボードの上面の奥行き方向の平均的な長さ、を考慮して設計された長さである。薄型・小型の空間浮遊映像表示装置とする場合に、筐体106の奥行き方向の長さを、図6B等の例のように20cm以下とすると好適である。なお、これに限らず、例えば大型自動車の場合など、ダッシュボードの上面の奥行き方向の長さがより大きい場合もある。その場合に対応させた空間浮遊映像表示装置とする場合には、筐体106の奥行き方向の長さを20cmよりも大きい構成としてもよい。
窓部605は映像光を透過する。透明部材100は窓部605に設けられ、ガラス板等で形成されている。窓部605の透明部材100は、すべて透明体で構成され、窓部605以外の筐体106(上面604)の部分が遮光部材で構成されてもよい。もしくは、窓部605の透明部材100は、映像光が通過する一部が透明体で構成され、その他の部分(図6Bの例のように額縁状の領域)が遮光部材で構成されてもよい。遮光部材は、外光(太陽光や照明光)が筐体106内に入射しないように、または入射を低減するように、光を遮る部材である。
図6Cで、本実施例の空間浮遊映像表示装置は、筐体106の窓部605から前方斜め上に空間浮遊映像3を生成する。筐体106内の光学系からの映像光は、窓部605を経由して、筐体106の外部の前方斜め上の所定の距離で飛び出した位置に、空間浮遊映像3を形成する。この空間浮遊映像表示装置は、観察者(車両の運転者または助手席の同乗者など)の視点EPから視線LSの方向でこの空間浮遊映像3を見た場合に、空間浮遊映像3が生成される面の中心に対する垂直の線(光軸A3)が、視線LSの方向と一致する位置関係となるように、車両のダッシュボード上に設置および調整することができる。
本実施例では、筐体106の上面604は、図示のように、Y方向で後側から前側に斜め下にやや傾いた斜面を有している。この斜面に窓部605が設けられている。窓部605から出射する映像光は、基本的には前方斜め上の鋭角(仰角)であるが、上面604の斜面に対応した光学系により、映像光の光軸A3は、図示のように、水平面により近づくように、より鋭角(より小さい仰角)の光軸とされている。これにより、ダッシュボード上の筐体106からの映像光に基づいて、より運転者の眼(視点EP)および視線LSに合わせた方向に空間浮遊映像3を形成・調整しやすいようにしている。上面604の前側の部分は、後述(図6F)の映像表示装置1の配置のために上側(前方斜め上)に出っ張った部分となっている。
また、図6Cに示すように、筐体106の一箇所、例えば左右方向(X方向)での側面607の一箇所(特に後部)には、入出力端子5が設けられている。入出力端子5は、外部電源入力可能な電源端子、および信号入出力端子である。入出力端子5は、車両のシガーソケット等からの電源を入力するために使用できる。また、入出力端子5は、外部の映像源からの映像信号等を入力するために使用できる。入出力端子5は、例えば空間浮遊映像3のコンシェルジュが提供する各種情報を取り込むために使用できる。入出力端子5は、例えばUSB端子、特にUSB-C(登録商標)端子として設けられているが、これに限定されない。
入出力端子5は、制御基板610と接続されている。制御基板610は、外部から入出力端子5を通じて入力された映像信号を、映像表示装置1に供給する。もしくは、外部から入出力端子5を通じて入力された映像信号を、直接的に映像表示装置1に供給してもよい。
なお、入出力端子5は、電源入力端子と信号入出力端子とで分けて複数の入出力端子として設けてもよい。入出力端子5の位置は、筐体106のいずれの位置としてもよい。入出力端子5の位置は、上面604や背面609や前面606の一箇所としてもよい。本実施例では、ダッシュボード上に筐体106が設置された状態で(図6D)、ユーザが入出力端子5を容易に扱うことができる。
入出力端子5には、車載の電源を接続可能である。車載の電源、例えばシガーソケットからの外部電源入力は、入出力端子5を通じて、充電池611(図6F)に供給され、充電池611が充電される。そのため、車両の運転中も常に充電が可能であり、長時間の使用に際しても電池切れの心配が無い。充電池611は、制御基板610等の各部に電力を供給する。なお、この空間浮遊映像装置は小型であるため、充電池611としては乾電池としても構わない。外部からの入力情報、例えばカーナビ等からの入力情報は、入出力端子5を通じて、制御基板610に入力される。制御基板610は、入力情報に基づいて、空間浮遊映像3として表示するためのコンシェルジュ等の映像や対応する音声を作成し、映像表示装置1等を制御する。
この空間浮遊映像表示装置は、音声制御も可能である。筐体106の入出力端子5には、マイクやスピーカ等のデバイスが接続されてもよいし、カーナビや車載システムのコントローラ等が接続されてもよい。ユーザのスマートフォン等が接続されてもよい。その場合、制御基板610によるマイク等の制御に基づいて、音声入出力制御が可能である。すなわち、制御基板610は、運転者等が発した音声をマイク等から入力し、入力音声を音声認識し、認識した所定の指示(例えば表示オン/オフなど)に対応した処理を行うことができる。また、制御基板610は、空間浮遊映像3の表示とともに、その空間浮遊映像3に関連付けられた音声(例えばコンシェルジュが発する音声)を読み出し、もしくは音声合成機能によって作成し、スピーカ等から運転者等に対し出力することができる。これらに限らず、空間浮遊映像表示装置の筐体106にマイクやスピーカ等を搭載した構成としてもよい。
図6Dは、図6B等に示した本実施例の空間浮遊映像表示装置を車両のダッシュボード6001上に設置した場合のイメージ図である。車両内の運転者または同乗者等の人は、ダッシュボード6001上に空間浮遊映像表示装置の筐体106を設置し、向き等を調整する。窓部605から出射される映像光が空間浮遊映像3を形成する。図6Dの例では、空間浮遊映像表示装置は、ダッシュボード6001の上面(本例ではほぼ水平面)において、車両左右方向の中央付近に配置されている。また、この空間浮遊映像表示装置は、調整された状態として、車両の前後を結ぶ図示しない中心線(前後方向)に対し、光軸(図6Cでの光軸A3)が、やや右寄りの向きとなるように、すなわち右側の運転席の運転者の顔・眼(視線方向LS)に正対するように、傾けて設置された場合を示している。これにより、運転者は、この空間浮遊映像3として表示された情報を、頭を動かして覗き込む等の必要無く、視線移動を最小限にして、好適に視認することができる。
この空間浮遊映像3の向きの調整の際には、ユーザがダッシュボード6001上で筐体106を回転させること等で調整可能である。同乗者が空間浮遊映像3を視認する場合には、この向きを同乗者の顔・眼の方に合わせるように調整すればよい。
また、ダッシュボード6001上で空間浮遊映像表示装置の設置の状態をより安定させたい場合には、筐体106の底面608(もしくはダッシュボード6001上面)に、ゴムやシリコン製のいわゆる「滑り止めシート」を貼り付けてもよいし、必要に応じて、両面粘着テープにより、筐体106をダッシュボード6001面上に固定してもよいし、その他の手段を用いてもよい。
図6Eは、上記空間浮遊映像表示装置が提供する空間浮遊映像3におけるコンシェルジュの表示例を示す。空間浮遊映像3としては、例えば、車両の運転者に対し、ナビゲーション情報や車両周辺に存在するPOI情報を映像および音声により提供する人(コンシェルジュ)の顔などが表示される。図6Eは、運転者から見た場合の、空間浮遊映像3におけるコンシェルジュの表示例を模式で示す。空間浮遊映像3は、例えば矩形で所定の最大サイズの領域を有し、その領域内に、コンシェルジュの画像3001が表示される。画像3001は動画でも静止画でもよい。また、画像3001の表示に合わせて、コンシェルジュが発する音声3002(例えば目的地到着予定時刻のガイド)がスピーカ等から出力される。
図6Fは、本実施例の空間浮遊映像表示装置の内部の構成例を示し、側面断面図(Y-Z面)を示す。図6Fを参照しながら、この空間浮遊映像表示装置の内部構成と特徴について詳細に説明する。ここで、この可搬型で薄型の空間浮遊映像表示装置は、先述の通り、車両内のダッシュボード上に設置可能な薄型の形状を有する筐体106を備える。
図6Fで、筐体106は、Z方向で大別して筐体上部601と筐体下部602とを有し、それらが一体的に接続されている。筐体上部601内には主に光学系が収容されており、筐体下部602内には主に制御基板610および充電池611が収容されている。制御基板610と光学系の映像表示装置1等の素子とは信号線等で相互に接続されている。
筐体上部601の光学系の重さに対し、筐体下部602の充電池611の方が相対的に重い。そのため、空間浮遊映像表示装置全体としての重心は下方に存在する。これにより、この空間浮遊映像表示装置をダッシュボード上に設置した場合(図6D)にも、安定的に保持することができる。また、この空間浮遊映像表示装置は、車両の揺れ等の振動に対しても比較的安定する。
本実施例では、筐体上部601の高さ方向の長さは、筐体下部602の高さ方向の長さよりも大きい。筐体上部601の高さ方向の長さを含む筐体106の高さ方向の長さは、想定される車両のダッシュボード上においてフロントガラスとの間の空間領域に空間浮遊映像表示装置を安定的に配置できることを考慮して、ある程度の長さまでに抑えている。
筐体下部602の充電池611は、リチウムイオン電池等の充電池や電源回路である。充電池611は、筐体下部602の底面においてY方向に長い領域に配置される。制御基板610は、映像制御部や映像・音声信号送受信部などを構成する制御回路基板であり、プロセッサやメモリやインタフェース等を備えており、言い換えると、この空間浮遊映像表示装置のコントローラである。制御基板610は、筐体下部602内の一部領域において例えば充電池611より上の位置に横長で配置されている。制御基板610は、通信インタフェース機能を備えてもよく、インターネット等に対しデータを送受信してもよい。
筐体上部601の高さ方向の長さは筐体下部602の高さ方向の長さよりも大きい。この構成は、薄型の筐体106として、筐体下部602内に充電池611等を収容し、筐体上部601内にY方向で長い領域に光学系の素子を収容することを考慮した構成である。この構成では、筐体上部601内で筐体下部602よりも大きな体積で光学系を収容でき、また光路長をより長く確保しやすく、筐体106の窓部605から空間浮遊映像3の形成位置までの飛び出しの距離(図6Fでの距離690)をより長く確保できる。
筐体上部601の光学系は、映像表示装置1と、平面ミラー4と、ビームスプリッタ(言い換えると偏光分離部材)101と、再帰反射部材2および位相差板であるλ/4板21と、透明部材100および吸収型偏光板112とを有して構成されている。映像表示装置1は、光源装置13、液晶表示パネル11、および吸収型偏光板12を有して構成されている。
映像表示装置1は、映像表示素子としての液晶表示パネル11と、狭角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを有して構成されている。映像表示装置1は、映像源として、または外部の映像源からの映像信号の入力に基づいて、映像を生成し、対応する映像光を出射する。映像表示装置1は、筐体上部601内で、奥行き方向(Y方向)において、最も前側(図面での右側)の上方の領域に配置されている。筐体106の一部として、図示のように、前方斜め上に出た部分を有し、その部分の中に映像表示装置1が収容・固定されている。
光源装置13は、狭角な拡散特性を有する特定の偏光方向の光源光(照明光)を液晶表示パネル11に供給するバックライトとして機能する。液晶表示パネル11は、光源装置13からの光に基づいて、映像信号入力の映像を変調することで、特定偏波の映像光を生成し出射する。本例では、液晶表示パネル11は、画面サイズが2~4インチ程度の小型のもので構成されている。
光源装置13は、高輝度の照明光を生成する光源であり、液晶表示素子11に比べて厚さが大きい(後述)。本実施例では、光源装置13を含む映像表示装置1は、筐体106のうち、図6Fのように前方斜め上に出る部分に配置されている。なお、この部分は、窓部605から前方斜め上に出る映像光を遮らない。これにより、筐体106をなるべく小型で薄型としつつ、光源装置13のスペースを確保するとともに、映像表示装置1から平面ミラー4を経由してビームスプリッタ101までの光路長をなるべく長く確保している。
さらに、本実施例では、映像表示装置1の映像表示面に吸収型偏光板12が設けられている。もしくは、映像表示装置1の表面に設けた吸収型偏光板12の映像出射側面に。さらに図示しない反射防止膜を設けることで、ゴースト像の光を透過させ、吸収型偏光板12で吸収させることで、ゴースト像による画質低下を防止できる構成を備える。
Y方向で、液晶表示パネル11と再帰反射部材2とを結ぶ空間には、窓部605の透明部材100の下面側の位置に、偏光分離部材であるビームスプリッタ101が設けられている。また、Y方向で、液晶表示パネル11とビームスプリッタ101とを結ぶ空間には、筐体下部602に近い位置に、平面ミラー4が設けられている。ビームスプリッタ101は、映像表示装置1(液晶表示パネル11)からの特定偏波の映像光として、反射ミラー4で反射された映像光を、再帰反射部材2に向けて反射させる。また、ビームスプリッタ101は、再帰反射部材2からのλ/4板21を通じて偏光変換された後の映像光(他方の偏波の映像光)を、外部(透明部材100)へ向けて透過させる。その透過された映像光は、透明部材100および吸収型偏光板112を透過し、筐体106の外部の所定の距離の位置に、実像である空間浮遊映像3を形成・表示する。
Y方向で、筐体106の背面609に近い位置には、再帰反射部材2が収容されている。再帰反射部材2の再帰反射面には、位相差板であるλ/4板21が設けられている。再帰反射部材2は、ビームスプリッタ101からの特定偏波の映像光を再帰反射する。その際、ビームスプリッタ101からの特定偏波の映像光は、入射時と出射時とでλ/4板21を2回通過させられることで、偏光変換、すなわち一方の偏波から他方の偏波に変換される。
図6Fで、筐体上部601において、概略的に奥行き方向(Y方向)で前から後ろへ順に、映像表示装置1と、平面ミラー4と、窓部605(ビームスプリッタ101、透明部材100および吸収型偏光板112)と、再帰反射部材2およびλ/4板21とが配置されている。各素子は図示の所定の関係で筐体上部601に固定されている。筐体106は、前述のように高さ方向の長さ634よりも奥行き方向の長さ631が長い形状であり、その奥行き方向に映像光の光路をなるべく長く確保するように、光学系を構成する各素子が図示のように配置されている。
また、映像表示装置1、平面ミラー4、ビームスプリッタ101、再帰反射部材2等は、それぞれ、水平方向や鉛直方向に対し斜めに傾いた状態で図示のように配置されている。映像表示装置1は、Y方向に対し光軸A1が角度α1で斜め下を向くように配置されている。平面ミラー4は、主平面(反射面)が水平面に対し後方斜め上にやや傾いた角度α2で配置されている。ビームスプリッタ101、透明部材100および吸収型偏光板112は、主平面が水平面に対し前方斜め下にやや傾いた角度α3で配置されている。再帰反射部材2およびλ/4板21は、Y方向に対し光軸A3が角度α4で前方斜め上を向くように配置されている。
この光学系の映像光の光路は、映像表示装置1とビームスプリッタ101との間に配置された平面ミラー4によって反射する(曲がる)光路であり、これにより光路長がなるべく長くなるように確保されている。また、この光学系の映像光の光路は、平面ミラー4と再帰反射部材2との間にビームスプリッタ101が配置された光路である。
この光学系の映像光の光路は、順に、映像表示装置1から、平面ミラー4、ビームスプリッタ101、λ/4板21、再帰反射部材2、λ/4板21、ビームスプリッタ101、透明部材100、吸収型偏光板112と経由して空間浮遊映像3へ至る光路である。点p1~p6は、映像光の光路上で経由する点の例である。点p1は、液晶表示パネル11の映像出射面の基準点(例えば中心点)である。点p2は、平面ミラー4の基準点である。点p3は、ビームスプリッタ101(透明部材100等も概略同様)の基準点である。点p4は、再帰反射部材2の基準点である。点p5は、空間浮遊映像3の基準点である。この空間浮遊映像3は、光軸A3に対応した矢印Aの方向(映像面に正対する方向)からユーザの眼が観視する場合に、最も好適に視認できる。
図6Fで、この空間浮遊映像表示装置は、ダッシュボード上への設置(図6D)に好適な薄型の筐体106に合わせて、筐体106内の光学系の構成が設計されている。特に筐体上部601内の奥行方向(Y方向)で長い空間に対応させて、光学系の各素子が配置されており、各素子を斜めに傾けて配置し、平面ミラー4で光路を曲げることで、奥行き方向で光路長をなるべく長く確保する光学系としている。本実施例で、平面ミラー4を配置した光学系は、以下のような意義がある。再帰反射部材2から空間浮遊映像3までの光路長は、映像表示装置1から平面ミラー4での反射を経由したビームスプリッタ101までの光路長と相関する。本実施例では、筐体106を薄型で奥行き方向に長い形状としつつ、かつ、再帰反射部材2から空間浮遊映像3までの光路長をある程度長くなるように確保する。そのために、映像表示装置1からビームスプリッタ101までの光路中に、平面ミラー4を配置して反射させる構成とすることで、当該光路を奥行き方向においてより長く確保している。また、筐体上部601内の空間において、映像表示装置1や再帰反射部材2は図示のように斜めに傾いた配置とすることで、筐体106を高さ方向でより薄型としている。
本実施例では、図6Cに示すように、上面604および窓部605の斜面の角度は、例えば水平面に対し角度α3としている。例えば角度α3は10度±X度程度であり、Xは10度前後である。すなわち、当該斜面の角度α3は、0度から20度の範囲から選択された角度であってもよい。透明部材100やビームスプリッタ101の配置の傾きの角度も同じ角度α3で示される。それに対応して、空間浮遊映像3の光軸A3(図6FでのW方向)は、水平面に対し角度α5としている。例えば角度α5は20度±Y度程度であり、Yは10度前後である。すなわち、角度α5は、10度から30度の範囲から選択された角度であってもよい。この斜面や光軸の配置の角度・方向は、この空間浮遊映像表示装置が車両内のダッシュボード上(図6D)に設置された場合に運転者の顔・眼の方に向けやすいことを考慮して設計されている。斜面や光軸の配置の角度・方向の構成は、これに限定されない。
また、図6Fで、映像表示装置1は、窓部605から、ビームスプリッタ101および平面ミラー4を介在して離れた位置、即ち筐体上部601内の前方上方の領域に配置されている。映像表示装置1から出射する光軸A1の映像光が、ユーザの視線LSに対応する矢印Aの方向(光軸A3)から窓部605を通じて視認できない位置に、映像表示装置1が配置されている。これにより、ゴースト像の発生が防止・軽減される。
図6Fで、映像表示装置1の点p1から平面ミラー4の点p2を経由してビームスプリッタ101の点p3までの光路の光路長と、ビームスプリッタ101の点p3から空間浮遊映像3の点p5までの光路の光路長とが相関している。窓部605から外側に空間浮遊映像3を形成する距離690をある程度長く確保すれば、空間浮遊映像3の浮遊感を高めることができる。そのため、本実施例では、薄型で横長の筐体106内に収容・配置される光学系として、各素子を斜めに傾けて配置し、平面ミラー4を設けることで、映像表示装置1からビームスプリッタ101までの光路長をなるべく長く確保している。
図6Fで、映像表示装置1(光軸A1に関して点p1)から出射される特定偏波の映像光は、光軸A1の方向に出射され、まず平面ミラー4へ向かう。その特定偏波の映像光は、平面ミラー4上(点p2)で反射されて、ビームスプリッタ101の方(光軸A2)へ向きを変える。光軸A2上を進んだ映像光は、ビームスプリッタ101(点p3)で反射され、再帰反射部材2の方(光軸A3)へ向きを変える。光軸A3上を進んだ特定偏波の映像光は、λ/4板21を通じて再帰反射部材2に入射し、再帰反射面で再帰反射され、λ/4板21を通じてビームスプリッタ101の方へ戻る。その映像光は、ビームスプリッタ101および透明部材100等を透過し、外部に空間浮遊映像3を形成する。
ここで、後に図8、図9でも説明するが、光源装置13からの光源光は、S偏光(垂直偏光)の場合(図8)と、P偏光(平行偏光)の場合(図9)との2通りがある。いずれの場合も、光源装置13からの光源光は、液晶表示パネル11のバックライトとして機能する。液晶表示パネル11は、その光源装置13からの特定偏波(S偏光またはP偏光)の光源光に基づいて、映像信号により変調された映像光を生成・出射する。すなわち、映像表示装置1から出射される映像光は、S偏光の場合とP偏光の場合との2通りがある。本実施例は、いずれの場合も適用可能である。
映像表示装置1から出射する特定偏波の映像光をS偏光とする形態の場合、S偏光の映像光は、ビームスプリッタ101で反射され、λ/4板21を通じてP偏光の映像光に変換され、ビームスプリッタ101を透過し、そのP偏光の映像光によって空間浮遊映像3が形成される。映像表示装置1から出射する特定偏波の映像光をP偏光とする形態の場合、P偏光の映像光は、ビームスプリッタ101で反射され、λ/4板21を通じてS偏光の映像光に変換され、ビームスプリッタ101を透過し、そのS偏光の映像光によって空間浮遊映像3が形成される。
ビームスプリッタ101は、偏光分離機能を有しており、上記偏光の設計に対応した反射型偏光板、あるいは特定偏波を反射させる金属多層膜を有して構成される。ビームスプリッタ101は、映像表示装置1からの映像光をP偏光とする形態の場合には、P偏光を反射し(言い換えると透過しない)、逆にS偏光を透過する特性を有する構造の素子である。もしくは、逆に映像表示装置1からの映像光をS偏光とする形態の場合には、ビームスプリッタ101は、S偏光を反射し、逆にP偏光を透過する特性を有する構造の素子である。
以下では、映像表示装置1からの映像光をP偏光とする形態の場合を説明する。映像表示装置1から反射ミラー4を経由してビームスプリッタ101に向かって進行した映像光がP偏光である場合に、そのP偏光の映像光は、それに対応する構造のビームスプリッタ101で反射され、再帰反射部材2に向かう。
図6Fのように、再帰反射部材2の光入射面である再帰反射面には、λ/4板21が設けられている。ビームスプリッタ101からの例えばP偏光の映像光は、再帰反射部材2への入射時と出射時とでλ/4板21を2度通過することとなる。その結果、この映像光は、一方の偏波から他方の偏波へと偏光変換される。偏光変換の映像光は、元の映像光とは異なる偏光特性を有する映像光となる。即ち具体的には、ビームスプリッタ101からのP偏光の映像光は、ビームスプリッタ101へのS偏光の映像光に変換される。このS偏光の映像光は、光軸A3上で、ビームスプリッタ101を透過し、また透明部材100および吸収型偏光板112を透過し、筐体106および窓部605の外側に出射して、所定の位置に実像である空間浮遊映像3を生成・表示する。
もしくは、上記実施例とは逆に、映像表示装置1からの映像光をS偏光とする場合、以下のようになる。映像表示装置1から出射されたS偏光の映像光は、平面ミラー4で反射されてビームスプリッタ101に向かう。この場合のビームスプリッタ101は、S偏光の映像光を反射し、P偏光を透過する特性を有する。ビームスプリッタ101からのS偏光の映像光は、再帰反射部材2での反射およびλ/4板21の2回通過によって偏光変換されてP偏光となる。このP偏光の映像光は、ビームスプリッタ101、透明部材100等を透過して、空間浮遊映像3を形成する。
上記映像光およびビームスプリッタ101等の偏光に関する設計は、いずれの実施例も可能である。なお、映像表示装置1からの映像光をS偏光とする場合、平面ミラー4での反射率がより高い利点がある。映像表示装置1からの映像光をP偏光とする場合、ユーザが偏光サングラスをかけた状態で空間浮遊映像3を視認する場合にも視認しやすい利点がある。
さらに、本実施例のように、映像表示装置1やその他の光学部品を収容する筐体106の外部の太陽光や照明光等の外光による画質低下を軽減するために、透明部材100の外表面には、吸収型偏光板112を設けると良い。車両外部から進入してくる外光は、車両のフロントガラス(ウィンドシールド)上で外光のS偏光成分の殆ど(約80%)が反射され、車両内部に進入してくる外光はP偏光成分が多い。この外光は、吸収型偏光板112で概ね吸収され、筐体106内には入射しにくい。
また、ビームスプリッタ101では、光が再帰反射することで偏光軸が不揃いになることがあるため、一部の映像光が透過せずに反射し、映像表示装置1に戻る。この場合、この光が、再度、映像表示装置1を構成する液晶表示パネル11の映像表示面で反射することで、前述のゴースト像を発生させ、空間浮遊映像3の画質を著しく低下させる。そこで、本実施例では、映像表示装置1の映像表示面に、吸収型偏光板12を設ける。もしくは、映像表示装置1の表面に設けた吸収型偏光板12の映像出射側面に図示しない反射防止膜を設けることで、ゴースト像の光を透過させ、吸収型偏光板12で吸収させることで、ゴースト像による画質低下を防止する構成を有する。
また、本実施例は、空間浮遊映像3のゴースト像の発生を低減するために、以下の構成としてもよい。即ち、本実施例または変形例の空間浮遊映像表示装置は、外光が筐体106内の再帰反射部材2に入射することを防止するために、以下の構成としてもよい。液晶表示パネル11からの映像光は、光源装置13からの狭角な発散特性を持つ光源光に基づいて、狭角な発散特性を持つ映像光とする。それとともに、筐体106(特に筐体上部601)内において、液晶表示パネル11と平面ミラー4およびビームスプリッタ101を介した再帰反射部材2との間の空間には、前述の図6Aと同様に、外光成分などの不要な光を遮光するための遮光部材を設ける。この遮光部材は、液晶表示パネル11からの特定角度を超える発散角を有した映像光が再帰反射部材2に入射することを遮る。このように、遮光部材を含む光学系の配置とすることで、ゴースト像の発生を防止・軽減できる。
また、本実施例での光源装置13は、特に以下の構成(詳細は後述)とすると良い。光源装置13は、点状または面状の光源と、光源からの光の発散角を低減する光学手段と、光源からの光を特定方向の偏光に揃える偏光変換手段と、光源からの光を液晶表示パネル11に伝搬する反射面を有する導光体とを有し、光源装置13の反射面の形状と面粗さによって光を制御することで液晶表示パネル11から映像光として狭角な発散角を有する映像光束を出射させる構成とする。
また、本実施例では、再帰反射部材2の再帰反射面の表面粗さは、単位長さ当たり所定の数値以下、例えば160nm以下に設定する。これにより、空間浮遊映像3のボケ量を軽減して視認性を向上できる。
以上のように、本実施例によれば、比較的に小型で薄型の筐体106を有する可搬型の空間浮遊映像表示装置を提供できる。ユーザがこの空間浮遊映像表示装置をいつでもどこでも手軽に使用することができる。特に、この空間浮遊映像表示装置は、車両内での使用を考慮して、一般的な車両のダッシュボード上に好適に設置可能な形状等としている。ユーザが必要に応じてこの空間浮遊映像表示装置をダッシュボード上に容易に取り付け・取り外しが可能である。これにより、車両の運転者または同乗者にとって、空間浮遊映像の利便性の向上に寄与することができる。
本実施例の空間浮遊映像表示装置により形成される空間浮遊映像3は、前述と同様に、観視方向に関する指向性を有する。車両内の運転者や同乗者がこの空間浮遊映像3を観視する際に、明るい映像を好適に観視できるためには、図6Cや図6Fのように、空間浮遊映像3に対し真正面で正対する方向(光軸A3に合った方向)から観視することが最も望ましい。絶対空間座標系内において、この空間浮遊映像3(光軸A3)の向きは、この装置がダッシュボード上に設置された位置や向き等の状態にも依存する。そして、運転者等がこの空間浮遊映像3を観視する際の相対的な向きは、その空間浮遊映像3(光軸A3)の位置や向きと運転者の顔・目の位置や向きとの関係に依存する。
そこで、本実施例では、標準的なダッシュボード上に空間浮遊映像表示装置を設置した場合に、空間浮遊映像3が運転者の顔・眼に向くよう調整しやすいように、薄型の筐体106およびそれに対応した光学系等を設計した。即ち、高さ方向に短く奥行き方向に長い筐体上部601内に光学系の素子が傾きとともに配置され、奥行き方向に長い光路長が確保されている。また上面604の窓部605はやや斜面とされており、空間浮遊映像3の光軸A3をやや小さい仰角の斜め上方向としている。これにより、運転者等は、空間浮遊映像3を視認する際に、頭などをあまり動かさなくても、空間浮遊映像3を真正面の方向から明るい映像として観視しやすい。
仮に、従来の空間浮遊映像表示装置をダッシュボード上に配置する場合、筐体の高さ方向が大きいので、配置しにくい。また、その筐体の上面から斜め上に出射される映像光の方向(すなわち空間浮遊映像の向き)は、運転者の視線方向に対し上側となってしまい、運転者からは空間浮遊映像を真正面では観視しにくい。本実施例によれば、そのような必要が無く、運転中でも比較的自然な体勢で明るい空間浮遊映像3を視認できる。
上記実施例では車載の場合を示したが、これに限らず、この可搬型の空間浮遊映像装置は、ユーザが持ち運び可能であるため、様々な場所で利用できる。例えば、ユーザの自宅等において、机などの上に同様に設置して利用可能である。
空間浮遊映像表示装置は、スピーカとして、超指向性スピーカを用いてもよい。超指向性スピーカは、ユーザの耳付近の特定の空間領域のみで出力音声を聴取可能とするように、超指向性の音声を出力するスピーカである。また、空間浮遊映像表示装置は、カメラや測距センサを備えてもよく、それらを用いて、空間浮遊映像3に対するユーザの手指等によるタッチ操作等を検出し、検出に応じた所定の処理を行う構成としてもよい。また、空間浮遊映像表示装置は、カメラの画像やセンサ検出に基づいて、ユーザの有無を検出してもよいし、ユーザの顔などを解析・判断してユーザ認証を行う構成としてもよい。また、空間浮遊映像表示装置は、空間浮遊映像3に対してカードや用紙等がかざされた場合に、カメラの画像等に基づいて、そのカードや用紙等からバーコード等のコードを読み取り、そのコードに応じた処理を行ってもよい。
本実施例(第三例)の変形例として以下も可能である。本実施例では、図6Fのように筐体下部602において、下面608に対応するX-Y面において、概略的に全領域に充電池611が配置されているが、これに限らない。変形例として、図6Gのようにしてもよい。
図6Gの変形例は、先述の実施例よりも単純な形状として、直方体形状の筐体106を有する場合を示す。図6Gで、筐体下部601において、奥行き方向で後ろ寄りの一部の領域に、充電池611および制御基板610が配置されており、前側の領域が空いている。図示のように、その空いている前側の領域には、底面寄りに平面ミラー4が配置され、上面寄りに映像表示装置1が配置されている。この変形例の場合、筐体106の奥行き方向の長さは、先述の実施例よりも大きくなっているが、映像表示装置1から平面ミラー4を経由したビームスプリッタ101までの光路長をより長く確保でき、筐体106の窓部605から外部への空間浮遊映像3の形成の距離をより長くすることができる。また、上記空いている領域を利用することで、より大きなサイズの映像表示装置1も配置しやすくなる。また、この空間浮遊映像装置の重心はより奥側の位置となり、ダッシュボード上にも安定的に配置しやすい。
なお、図6Gにおける窓部605を水平面とした光学系と、前述の図6Cや図6Fにおける窓部605をやや斜面とした光学系とでは、以下のように違いがある。図6Fの実施例では、角度α3の斜面でのビームスプリッタ101等の配置に合わせて、筐体106内の各素子(映像表示装置1,再帰反射部材2、および平面ミラー4等)の配置も設計されている。図6Fの実施例の光学系および筐体106の構成では、図6Gの光学系および筐体106の構成と比べて、筐体106の奥行き方向の長さをより短くして小型にすることができ、ダッシュボード上に配置しやすくなる。また、図6Fの実施例の光学系および筐体106の構成では、外部に形成される空間浮遊映像3の高さ方向の位置は、変形例に比べ、より下の位置とすることができる。
図6Fの実施例では、空間浮遊映像3の高さ位置が高さ635(約10cm)であるのに対し、図6Gでは、空間浮遊映像3の高さ位置が高さ635bとなり、高さ635<高さ635bである。これにより、前述の実施例では、ダッシュボード上(図6D)の空間浮遊映像表示装置から出射される映像光による空間浮遊映像3が、運転者の眼に向いた方向となるように、筐体106を配置・調整しやすい。また、前述の実施例では、運転者の視点EPからこの空間浮遊映像3を視認する際に、背景との重なりにおいて、空間浮遊映像3をより視認しやすくなる。
なお、変形例で、筐体106の奥行き方向の長さをより短くする場合、筐体106の高さ方向の長さをより大きくすることや、再帰反射部材2の傾き(光軸A3の方向)をより鉛直に近づけることが挙げられるが、その場合、薄型には不利であるとともに、空間浮遊映像3の向きもより斜め上方となってしまい、調整しにくくなる。
また、図6Fの実施例のように、筐体106の上面604に斜面を有する構成では、変形例のように上面を水平面とする構成に比べ、車両のフロントガラス(ウィンドシールド)側から入射する外光についても、筐体106内により入射しにくい。よって、その分、ゴースト像も生じにくくなる。
<反射型偏光板>
本実施例におけるビームスプリッタ101において、グリッド構造の反射型偏光板とする場合、この反射型偏光板は、偏光軸に対して垂直方向からの光についての特性は低下する。このため、偏光軸に沿った仕様が望ましく、液晶表示パネル11からの出射映像光を狭角で出射可能な本実施例の光源装置13が理想的な光源となる。また、水平方向の特性も同様に斜めからの光については特性の低下がある。以上の特性を考慮して、以下、液晶表示パネル11からの出射映像光をより狭角に出射可能な光源装置13を液晶表示パネル11のバックライトとして使用する、本実施例の構成例について説明する。これにより、高コントラストな空間浮遊映像3が提供可能となる。
<映像表示装置>
次に、図7以降を用いて、図1の本実施例の映像表示装置1について説明する。本実施例の映像表示装置1は、映像表示素子である液晶表示パネル11と共に、その光源を構成する光源装置13を備え、図7では、光源装置13を液晶表示パネル11と共に展開斜視図として示している。この液晶表示パネル11は、図7に矢印30で示すように、バックライト装置である光源装置13からの光により狭角な拡散特性を有する、即ち、指向性(言い換えると直進性)が強く、かつ、偏光面を一方向に揃えたレーザ光に似た特性の照明光束を得て、入力映像信号に応じて変調をかけた映像光を出射する。その映像光は、図1の再帰反射部材2により反射し、ウィンドガラス105を透過して、実像である空間浮遊映像3を形成する。
また、図7では、映像表示装置1は、液晶表示パネル11と、更に、光源装置13からの出射光束の指向特性を制御する光方向変換パネル54、および、必要に応じて図示しない狭角拡散板を備えて構成されている。即ち、液晶表示パネル11の両面には偏光板が設けられ、図7の矢印30のように、特定の偏波の映像光が映像信号により光の強度を変調して出射する構成となっている。これにより、所望の映像を指向性(直進性)の高い特定偏波の光として、光方向変換パネル54を介して、図1の再帰反射部材2に向けて投射し、再帰反射部材2で反射後、店舗の空間の外部の観視者の眼に向けて透過して空間浮遊映像3を形成する。なお、上述した光方向変換パネル54の表面には保護カバー50(図8、図9を参照)を設けてよい。
本実施例では、光源装置13からの矢印30で示す出射光束の利用効率を向上させ、消費電力を大幅に低減するために、光源装置13と液晶表示パネル11を含んで構成される映像表示装置1において、光源装置13からの矢印30で示す光を、図1の再帰反射部材2に向けて投射し、再帰反射部材2で反射後、ウィンドガラス105の表面に設けた図示しない透明シートにより、空間浮遊映像3を所望の位置に形成するよう指向性を制御することもできる。具体的には、この透明シートは、フレネルレンズやリニアフレネルレンズ等の光学部品によって高い指向性を付与したまま浮遊映像の結像位置を制御する。このことによれば、映像表示装置1からの映像光は、レーザ光のようにウィンドガラス105の外側(例えば歩道)にいる観察者に対して高い指向性(直進性)で効率良く届くこととなり、その結果、高品位な浮遊映像を高解像度で表示すると共に、光源装置13のLED(Light Emitting Diode)素子201を含む映像表示装置1による消費電力を著しく低減することが可能となる。
<映像表示装置の例(1)>
図8は、映像表示装置1の別例を示す。また図8は、図7の光源装置13の上に液晶表示パネル11と光方向変換パネル54を配置した状態を示す。この光源装置13は、例えば、プラスチックなどにより形成され、その内部にLED素子201、導光体203を収納して構成されており、導光体203の端面には、図8等に示すように、それぞれのLED素子201からの発散光を略平行光束に変換するために、受光部に対して対面に向かって徐々に断面積が大きくなる形状を有し、内部を伝搬する際に複数回全反射することで発散角が徐々に小さくなるような作用を有するレンズ形状を設けている。導光体203の上面には、映像表示装置1を構成する液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースのひとつの側面(本例では左側の端面)には、半導体光源であるLED素子201や、その制御回路を実装したLED基板202(図8)が取り付けられると共に、LED基板202の外側面には、LED素子201および制御回路で発生する熱を冷却するための部材であるヒートシンクが取り付けられてもよい。
また、光源装置13のケースの上面に取り付けられる液晶表示パネル11の図示しないフレームには、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、当該液晶表示パネル11に電気的に接続された図示しないFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル配線基板)などが取り付けられて構成される。即ち、液晶表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子201と共に、電子装置を構成する図示しない制御回路からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって表示映像を生成する。この時、生成される映像光は、拡散角度が狭く特定の偏波成分のみとなるため、映像信号により駆動された面発光レーザ映像源に近い、従来に無い新しい映像表示装置1が得られることとなる。なお、現状では、レーザ装置により、上述した映像表示装置1で得られる画像と同等のサイズのレーザ光束を得ることは、技術的にも安全上からも不可能である。そこで、本実施例では、例えば、LED素子201を備えた一般的な光源からの光束から、上述した面発光レーザ映像光に近い光を得る。
続いて、光源装置13のケース内に収納されている光学系の構成について、図8と共に、図9を参照しながら詳細に説明する。図8および図9は断面図であるため、光源を構成する複数のLED素子201が1つだけ示されており、これらは導光体203の受光端面203aの形状により略コリメート光(略平行光)に変換される。このため導光体203の端面の受光部とLED素子201は所定の位置関係を保って取り付けられている。なお、この導光体203は、各々、例えば、アクリル等の透光性の樹脂により形成されている。そして、この導光体端部のLED受光面は、例えば、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面を有し、その頂部では、その中央部に凸部(即ち凸レンズ面)を形成した凹部を有し、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)を有するものである(図示せず)。なお、LED素子201を取り付ける導光体203の受光部外形形状は、円錐形状の外周面を形成する放物面形状をなし、LED素子201から周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
他方、LED素子201は、その回路基板であるLED基板202の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板202は、LEDコリメータ(受光端面203a)に対して、その表面上のLED素子201が、それぞれ、前述した凹部の中央部に位置するように配置されて固定されている。
かかる構成によれば、導光体203の受光端面203aの形状によって、LED素子201から放射される光は略平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
以上述べたように、光源装置13は、導光体203の端面に設けた受光部である受光端面203aに光源であるLED素子201を複数並べた光源ユニットを取り付けて構成され、LED素子201からの発散光束を導光体端面の受光端面203aのレンズ形状によって略平行光として、矢印で示すように、導光体203の内部を導光し、光束方向変換手段204によって、導光体203に対して略平行に配置された液晶表示パネル11に向かって出射する。導光体203内部または表面の形状によってこの光束方向変換手段204の分布(密度)を最適化することで、液晶表示パネル11に入射する光束の均一性を制御することができる。上述した光束方向変換手段204は導光体203の表面の形状や導光体203の内部に例えば屈折率の異なる部分を設けることで、導光体203内を伝搬した光束を、導光体203に対して略平行に配置された液晶表示パネル11に向かって出射する。この時、液晶表示パネル11を画面中央に正対し画面対角寸法と同じ位置に視点を置いた状態で画面中央と画面周辺部の輝度を比較した場合の相対輝度比が20%以上あれば、実用上問題なく、30%を超えていれば、更に優れた特性となる。
なお、図8は上述した導光体203とLED素子201を含む光源装置13において、偏光変換する本実施例の光源の構成とその作用を説明するための断面配置図である。図8において、光源装置13は、例えば、プラスチックなどにより形成される表面または内部に光束方向変換手段204を設けた導光体203、光源としてのLED素子201、反射シート205、位相差板216、レンチキュラーレンズなどから構成されており、その上面には、光源光入射面と映像光出射面に偏光板を備える液晶表示パネル11が取り付けられている。
光源装置13に対向した液晶表示パネル11の光源光入射面(図面での下面)にはフィルムまたはシート状の反射型偏光板49を設けており、LED素子201から出射した自然光束210のうち片側の偏波(例えばP波)212を選択的に反射させ、導光体203の一方(図面での下方)の面に設けた反射シート205で反射して、再度、液晶表示パネル11に向かうようにする。そこで、反射シート205と導光体203の間もしくは導光体203と反射型偏光板49の間に位相差板216(λ/4板)を設けて反射シート205で反射させ、2回通過させることで反射光束をP偏光からS偏光に変換し、映像光としての光源光の利用効率を向上する。液晶表示パネル11で映像信号により光強度を変調された映像光束は、図8の矢印213のように、再帰反射部材2に入射して、図1に示したように、反射後にウィンドガラス105を透過して店舗の空間の内部または外部に実像である空間浮遊映像3を得ることができる。
図9は、図8と同様に、導光体203とLED素子201を含む光源装置13において、偏光変換する本実施例の光源の構成と作用を説明するための断面配置図である。光源装置13も、同様に、例えばプラスチックなどにより形成される表面または内部に光束方向変換手段204を設けた導光体203、光源としてのLED素子201、反射シート205、位相差板216、レンチキュラーレンズなどから構成されており、導光体203の上面には、映像表示素子として、光源光入射面と映像光出射面に偏光板を備える液晶表示パネル11が取り付けられている。
また、光源装置13に対応した液晶表示パネル11の光源光入射面(図面での下面)にはフィルムまたはシート状の反射型偏光板49を設け、LED素子201から出射した自然光束210うち片側の偏波(例えばS波)211を選択的に反射させ、導光体203の一方(図面での下方)の面に設けた反射シート205で反射して、再度液晶表示パネル11に向かう。反射シート205と導光体203の間もしくは導光体203と反射型偏光板49の間に位相差板216(λ/4板)を設けて反射シート205で反射させ、2回通過させることで反射光束をS偏光からP偏光に変換し、映像光として光源光の利用効率を向上する。液晶表示パネル11で映像信号により光強度変調された映像光束は、図9の矢印214のように、再帰反射部材2に入射して、図1に示すように、反射後にウィンドガラス105を透過して店舗の空間の内部または外部に実像である空間浮遊映像3を得ることができる。
図8および図9に示す光源装置13においては、対向する液晶表示パネル11の光入射面に設けた反射型偏光板49の作用とともに、反射型偏光板49で片側の偏光成分を反射するため、理論上得られるコントラスト比は、反射型偏光板49のクロス透過率の逆数と液晶表示パネル11に付帯した2枚の偏光板により得られるクロス透過率の逆数とを乗じたものとなる。これにより、高いコントラスト性能が得られる。実際には、表示画像のコントラスト性能が10倍以上向上することを実験により確認した。この結果、自発光型の有機ELに比較しても遜色ない高品位な映像が得られた。
<映像表示装置の例(2)>
図10には、映像表示装置1の具体的な構成の他の一例を示す。図10の光源装置13は、後述の図12等の光源装置と同様の構成を有する。この光源装置13は、例えばプラスチックなどのケース内に、LED、コリメータ、合成拡散ブロック、導光体等を収納して構成されており、上面には液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースのひとつの側面には、図12等に示す半導体光源であるLED素子14や、その制御回路を実装したLED基板102が取り付けられると共に、LED基板102の外側面には、LED素子14および制御回路で発生する熱を冷却するための部材である図10のヒートシンク103が取り付けられている(図12、図13等も参照)。
また、ケースの上面に取り付けられた液晶表示パネルフレームには、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、液晶表示パネル11に電気的に接続された図10のFPC403などが取り付けられて構成されている。即ち、液晶表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子14と共に、電子装置を構成する制御回路(図示せず)からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって表示映像を生成する。
<映像表示装置の例(3)>
続いて、図11を用いて映像表示装置1の具体的な構成の他の例を説明する。この映像表示装置1の光源装置は、LED素子14(例えばLED素子14a)からのP偏波とS偏波が混在する自然光の発散光束をLEDコリメータレンズ18により略平行光束に変換し、反射型導光体304により液晶表示パネル11に向け反射する。反射光は液晶表示パネル11と反射型導光体304の間に配置された波長板と反射型偏光板49に入射する。反射型偏光板49で特定の偏波(例えばS偏波)が反射され波長板で位相が変換され反射面に戻り再び位相差板216を通過して反射型偏光板49を透過する偏波(例えばP偏波)に変換される。
この結果、LED素子14からの自然光は特定の偏波(例えばP偏波)に揃えられ、液晶表示パネル11に入射し、映像信号に合わせて輝度変調され、パネル面に映像を表示する。上述の例と同様に光源を構成する複数のLED素子14が示されており(ただし図11は縦断面であるため1個のみ図示)、これらはLEDコリメータレンズ18に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このLEDコリメータレンズ18は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂またはガラスにより形成されている。そして、このLEDコリメータレンズ18は、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面を有すると共に、その頂部では、その中央部に凸部(即ち凸レンズ面)を形成した凹部を有する。また、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)を有している。なお、LEDコリメータレンズ18の円錐形状の外周面を形成する放物面は、LED素子14から辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
以上の構成は、図12、図13等に示した映像表示装置の光源装置と同様の構成である。更に、図11に示したLEDコリメータレンズ18により略平行光に変換された光は、反射型導光体304で反射し、反射型偏光板49の作用により特定の偏波の光を透過させ、反射した他方の偏波の光は、再度反射型導光体304を透過して、反射型導光体304において液晶表示パネル11とは反対側の面に対向させて設けた反射板271で反射する。この時、反射板271と反射型導光体304の間に配置した位相差板(λ/4板)270を2度通過することで偏光変換され、再び導光体304を透過して、反対側、即ち、液晶表示パネル11側に設けた反射型偏光板49を透過して、偏光方向を揃えて液晶表示パネル11に入射させる。この結果、光源の光を全て利用できるので光の利用効率が2倍になる。
液晶表示パネル11からの出射光は、従来のTVセットでは画面水平方向(図16(A)ではX軸で表示)と画面垂直方向(図16(B)ではY軸で表示)ともに同様な拡散特性を持っている。これに対して、本実施例の液晶表示パネル11からの出射光束の拡散特性は、例えば図16の例1に示すように、輝度が正面視(角度0度)の50%になる視野角が13度とすることで、従来の62度に対して1/5となる。同様に垂直方向の視野角は上下不均等として上側の視野角を下側の視野角に対して1/3程度に抑えるように反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。この結果、従来の液晶TVに比べ、観視方向に向かう映像光量が大幅に向上し、輝度は50倍以上となる。
更に、図16の例2に示す視野角特性とすれば、輝度が正面視(角度0度)の50%になる視野角が5度とすることで、従来の62度に対して1/12となる。同様に垂直方向の視野角は上下均等として視野角を従来に対して1/12程度に抑えるように反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。この結果、従来の液晶TVに比べ、監視方向に向かう映像光量が大幅に向上し、輝度は100倍以上となる。以上述べたように、視野角を狭角とすることで、観視方向に向かう光束量を集中できるので、光の利用効率が大幅に向上する。この結果、従来のTV用の液晶表示パネルを使用しても、光源装置の光拡散特性を制御することで、同様な消費電力で大幅な輝度向上が実現可能であり、屋外に向けての空間浮遊映像表示装置に対応した映像表示装置1とすることができる。
図11に戻る。基本構成としては、図11に示すように、光源装置により狭角な指向特性の光束を液晶表示パネル11に入射させ、映像信号に合わせて輝度変調することで、液晶表示パネル11の画面上に表示した映像情報を、図1の再帰反射部材2で反射させ得られた空間浮遊映像3を、ウィンドガラス105を介して室外または室内に表示する。
<光源装置13の例(1)>
続いて、図6Bの筐体106内に収納されている光源装置13等の光学系の構成について、図12と共に、図13(A)および(B)を参照しながら、詳細に説明する。
図12には、光源を構成するLED素子14(14a,14b)が示されており、これらはLEDコリメータ15に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このLEDコリメータ15は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂により形成されている。そして、このLEDコリメータ15は、図13(B)にも示すように、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面156を有すると共に、その頂部では、その中央部に凸部(即ち凸レンズ面)157を形成した凹部153を有する。また、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)154を有している。なお、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面156を形成する放物面は、LED素子14から周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
また、LED素子14(14a,14b)は、その回路基板であるLED基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板102は、LEDコリメータ15に対して、その表面上のLED素子14が、それぞれ、その凹部153の中央部に位置するように配置されて固定される。
かかる構成によれば、上述したLEDコリメータ15によって、LED素子14から放射される光のうち、特に、その中央部分から上方(図13(B)の右方向)に向かって放射される光は、LEDコリメータ15の外形を形成する2つの凸レンズ面157,154により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面156を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したLEDコリメータ15によれば、LED素子14により発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
なお、LEDコリメータ15の光の出射側には偏光変換素子21が設けられている。この偏光変換素子21は、図13からも明らかなように、断面が平行四辺形である柱状(以下、平行四辺形柱)の透光性部材と、断面が三角形である柱状(以下、三角形柱)の透光性部材とを組み合わせ、LEDコリメータ15からの平行光の光軸に対して直交する面に平行に、複数、アレイ状に配列して構成されている。更に、これらアレイ状に配列された隣接する透光性部材間の界面には、交互に、偏光ビームスプリッタ(以下、「PBS膜」と省略する)211と反射膜212とが設けられており、また、偏光変換素子21へ入射してPBS膜211を透過した光が出射する出射面には、λ/2位相板215が備えられている。
この偏光変換素子21の出射面には、更に、図13(A)にも示す矩形状の合成拡散ブロック16が設けられている。即ち、LED素子14から出射された光は、LEDコリメータ15の働きにより平行光となって合成拡散ブロック16へ入射し、出射側のテクスチャー161により拡散された後、導光体17に到る。
導光体17は、例えばアクリル等の透光性の樹脂により断面が略三角形(図13(B)参照)の棒状に形成された部材であり、そして、図12からも明らかなように、合成拡散ブロック16の出射面に第1拡散板18aを介して対向する導光体光入射部(導光体光入射面を含む)171と、斜面を形成する導光体光反射部(導光体光反射面を含む)172と、第2拡散板18bを介して、液晶表示素子である液晶表示パネル11と対向する導光体光出射部(導光体光出射面を含む)173とを備えている。
この導光体17の導光体光反射部172には、その一部拡大図である図13(B)にも示すように、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されている。そして、反射面172a(図面では右上がりの線分)は、図面において一点鎖線で示す水平面に対してαn(n:自然数であり、本例では1~130である)を形成しており、その一例として、ここでは、αnを43度以下(ただし0度以上)に設定している。
導光体入射部171は、光源側に傾斜した湾曲の凸形状に形成されている。これによれば、合成拡散ブロック16の出射面からの平行光は、第1拡散板18aを介して拡散されて入射し、図12からも明らかなように、導光体入射部171により上方に僅かに屈曲(偏向)しながら導光体光反射部172に達し、ここで反射して図12の上方の出射面に設けた液晶表示パネル11に到る。
以上に詳述した映像表示装置1によれば、光利用効率やその均一な照明特性をより向上すると同時に、モジュール化されたS偏光波の光源装置を含め、小型かつ低コストで製造することが可能となる。なお、上記の説明では、偏光変換素子21をLEDコリメータ15の後に取り付けるものとして説明したが、本発明はそれに限定されることなく、液晶表示パネル11に到る光路中に設けることによっても同様の作用・効果が得られる。
なお、導光体光反射部172には、多数の反射面172aと連接面172bとが交互に鋸歯状に形成されており、照明光束は、各々の反射面172a上で全反射されて上方に向かい、更には、導光体光出射部173には図示しない狭角拡散板を設けて略平行な拡散光束として指向特性を制御する光方向変換パネル54に入射し、斜め方向から液晶表示パネル11へ入射する。本実施例では光方向変換パネル54を導光体出射面173と液晶表示パネル11の間に設けたが、液晶表示パネル11の出射面に設けても、同様の効果が得られる。
<光源装置13の例(2)>
図14に、光源装置13等の光学系の構成について他の例を示す。図14では、図13の例と同様に、光源を構成する複数(本例では2個)のLED素子14(14a,14b)が示されており、これらはLEDコリメータ15に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このLEDコリメータ15は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂により形成されている。そして、図13の例と同様に、このLEDコリメータ15は、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面156を有すると共に、その頂部では、その中央部に凸部(即ち凸レンズ面)157を形成した凹部153を有する。また、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)154を有している。なお、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面156を形成する放物面は、LED素子14aから周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
また、LED素子14は、その回路基板であるLED基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板102は、LEDコリメータ15に対して、その表面上のLED素子14(14a,14b)が、それぞれ、その凹部153の中央部に位置するように配置されて固定されている。
かかる構成によれば、上述したLEDコリメータ15によって、LED素子14から放射される光のうち、特に、その中央部分から上方(図面での右方向)に向かって放射される光は、LEDコリメータ15の外形を形成する2つの凸レンズ面157,154により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、LEDコリメータ15の円錐形状の外周面156を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したLEDコリメータ15によれば、LED素子14により発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
なお、LEDコリメータ15の光の出射側には第1拡散板18aを介して導光体170が設けられている。導光体170は、例えばアクリル等の透光性の樹脂により断面が略三角形(図14(A)参照)の棒状に形成された部材であり、そして、図14(A)からも明らかなように、合成拡散ブロック16の出射面に第1拡散板18aを介して対向する導光体170の導光体光入射部171と、斜面を形成する導光体光反射部172と、反射型偏光板200を介して液晶表示素子である液晶表示パネル11と対向する導光体光出射部173とを備えている。
この反射型偏光板200は、例えばP偏光を反射、S偏光を透過させる特性を有する物を選択すれば、光源であるLED素子14から発した自然光のうちP偏光を反射し、図14(B)に示した導光体光反射部172に設けたλ/4板172cを通過して反射面172dで反射し、再びλ/4板172cを通過することでS偏光に変換され、液晶表示パネル11に入射する光束は全てS偏光に統一される。
同様に、反射型偏光板200としてS偏光を反射、P偏光を透過させる特性を有する物を選択すれば、光源であるLED素子14から発した自然光のうちS偏光を反射し、図14(B)に示した導光体光反射部172に設けたλ/4板172cを通過して反射面172dで反射し、再びλ/4板172cを通過することでP偏光に変換され、液晶表示パネル52に入射する光束は全てP偏光に統一される。以上述べた構成でも偏光変換が実現できる。
<光源装置13の例(3)>
図11を用いて、光源装置等の光学系の構成についての他の例を説明する。第3の例では、図11に示すようにLED基板102からのP偏光とS偏光が混在する自然光の発散光束をLEDコリメータレンズ18により略平行光束に変換し、反射型導光体304により液晶表示パネル11に向け反射する。反射光は液晶表示パネル11と反射型導光体304の間に配置された反射型偏光板206に入射する。反射型偏光板206で特定の偏波(例えばS偏波)が反射され導光体304の反射面を繋ぐ面を透過し、導光体304の反対面に面して配置された反射板271で反射され位相板(λ/4波長板)270を2度透過することで偏光変換され、導光体と反射型偏光板を透過して液晶表示パネル11に入射し映像光に変調される。この時、特定偏波と偏光変換された偏波面を合わせることで光の利用効率が通常の2倍となり、反射型偏光板の偏光度(消光比)もシステム全体の消光比に乗せられるので、本実施例の光源装置を用いることで、情報表示システムのコントラスト比が大幅に向上する。
この結果、LEDからの自然光は特定の偏波(例えばP偏波)に揃えられる。上述の例と同様に光源を構成する複数のLEDが設けられており(ただし図12は縦断面であるため1個のみ図示)、これらはLEDコリメータレンズ18に対して所定の位置に取り付けられている。なお、このLEDコリメータレンズ18は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂またはガラスにより形成されている。そして、このLEDコリメータレンズ18は、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面を有すると共に、その頂部では、その中央部に凸部(即ち凸レンズ面)を形成した凹部を有する。また、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)を有している。なお、LEDコリメータレンズ18の円錐形状の外周面を形成する放物面は、LEDコリメータレンズ18から周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
また、LEDは、その回路基板であるLED基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板102は、LEDコリメータレンズ18に対して、その表面上のLEDが、それぞれ、その凹部の中央部に位置するように配置されて固定されている。
かかる構成によれば、LEDコリメータレンズ18によって、LEDから放射される光のうち、特に、その中央部分から放射される光は、LEDコリメータレンズ18の外形を形成する2つの凸レンズ面により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、LEDコリメータレンズ18の円錐形状の外周面を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したLEDコリメータレンズ18によれば、LEDにより発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
<光源装置13の例(4)>
更に、図17を用いて、光源装置等の光学系の構成についての他の例を説明する。LEDコリメータレンズ18の光の出射側には図面の垂直方向と水平方向の拡散特性を変換する光学シート207を2枚用い、LEDコリメータレンズ18からの光を2枚の光学シート207(拡散シート、拡散フィルムともいう。)の間に入射させる。この光学シート207は、1枚で構成する場合には表面と裏面の微細形状で垂直と水平の拡散特性を制御する。また、光学シート207を複数枚使用して作用を分担しても良い。光学シート207の表面形状と裏面形状により、LEDコリメータレンズ18からの光の画面垂直方向の拡散角を光学シート207の反射面の垂直面の幅に合わせ、水平方向は液晶表示パネル11から出射する光束の面密度が均一になるように、LED素子の数量と光学素子107からの発散角を設計パラメータとして最適設計すると良い。つまり、導光体の代わりに複数の拡散シートの表面形状により拡散特性を制御する。本実施例では、偏光変換は上述した光源装置の例3と同様の方法で行われる。更に、LEDコリメータレンズ18と光学シート207の間に偏光変換素子を設けて、偏光変換を行った後、光学シート207に光源光を入射させても良い。
前述した反射型偏光板206は、S偏光を反射、P偏光を透過させる特性を有する物を選択すれば、光源であるLED素子から発した自然光のうちS偏光を反射し、位相差板270を通過して、反射面272で反射し、再び位相差板270を通過することでP偏光に変換され液晶表示パネル11に入射する。この位相差板270の厚さは位相差板への光線の入射角度により最適値を選ぶ必要があり、λ/16からλ/4の範囲に最適値が存在する。
<光源装置13の例(5)>
図18を用いて、光源装置13の光学系の構成についての他の例を説明する。図18(C)に示すようにLEDコリメータレンズ18の光の出射側には偏光変換素子21を配置する。そしてLED素子14cからの自然光を特定の偏波に揃えて拡散特性を制御する光学素子81に入射し図面の垂直方向と水平方向の拡散特性を制御することで反射型導光体220の反射面に向けての配光特性を最適なものとする。反射型導光体220の表面には図18(B)に示すように凹凸パターン222を設け、反射型導光体220の対向面に配置される図示しない映像表示装置に向けて反射し所望の拡散特性を得る。光源のLED素子14cとLEDコリメータレンズ18の配置精度は光源の効率に大きく影響するため通常光軸精度は50μm程度の精度が必要となるため、発明者はLEDの発熱によりLEDコリメータレンズ18の膨張により取り付け精度が低下する対策として、幾つかのLED素子14cとLEDコリメータレンズ18を一体とした光源ユニット223構造として複数または単独のユニットを光源装置に用いることで取り付け精度の低下を軽減した。
図18(A)(B)(C)に示した実施例では、反射型導光体220の長辺方向の両端部にはLED素子14cとLEDコリメータレンズ18を一体化した光源ユニット223が複数組み込まれ(図18の実施例では片側3個ずつ)、光源装置の輝度均一化を実現している。導光体220の反射面220aには光源ユニットに略平行の凹凸パターン222が複数形成され、一つの凹凸パターン222においてもその表面は多面体を形成することで映像表示装置1に入射する光量を高精度に制御することができる。本実施例では反射面の形状を凹凸パターン222として説明したが、三角面、波形面などが規則的または不規則に配列したパターンでもよく、面形状により導光体220から映像表示装置1に向けた配光パターンを制御すればよい。また、導光体220の側面にはLEDコリメータレンズ18で制御された光が光源装置13から外部に漏れないように遮光壁224を設け、LED素子14cは金属製の基盤225により放熱性を高めた設計とするとよい。
<レンチキュラーシート>
以下、映像表示装置1からの出射光の拡散特性を制御するレンチキュラーレンズによる作用について説明する。レンチキュラーレンズのレンズ形状を最適化することで、上述した映像表示装置1から出射されてウィンドガラス105を透過または反射して効率良く空間浮遊映像3を得ることが可能となる。即ち、映像表示装置1からの映像光に対し、2枚のレンチキュラーレンズを組み合わせ、またはマイクロレンズアレイをマトリックス状に配置して拡散特性を制御するシートを設けて、X軸およびY軸方向において、映像光の輝度(相対輝度)をその反射角度(垂直方向を0度)に応じて制御することができる。本実施例では、このようなレンチキュラーレンズにより、従来に比較し、図16(B)に示すように垂直方向の輝度特性を急峻にできる。更に、上下方向(Y軸の正負方向)の指向特性のバランスを変化させることで、反射や拡散による光の輝度(相対輝度)を高めることができる。これらの作用効果により、面発光レーザ映像源からの映像光のように、拡散角度が狭く(直進性が高く)、かつ特定の偏波成分のみの映像光とし、従来技術による映像表示装置を用いた場合に再帰反射部材で発生していたゴースト像を抑え、効率良く観視者の眼に再帰反射による空間浮遊映像が届くように制御できる。
また上述した各光源装置により、図16(A)(B)に示した一般的な液晶表示パネル11からの出射光拡散特性(図中では従来と表記)に対してX軸方向およびY軸方向ともに大幅に狭角な指向特性を実現することができる。これにより、特定方向に対して平行に近い映像光束を出射する特定偏波の光を出射する映像表示装置が実現できる。
図15には、本実施例で採用するレンチキュラーレンズの特性の一例を示している。この例では、特に、X方向(垂直方向)における特性を示しており、特性Oは、光の出射方向のピークが垂直方向(0度)から上方に30度付近の角度であり、上下に対称な輝度特性を示している。また、図15の特性Aや特性Bは、更に、30度付近においてピーク輝度の上方の映像光を集光して輝度(相対輝度)を高めた特性の例を示している。このため、これらの特性Aや特性Bでは、30度を超えた角度において、特性Oに比較して、急激に光の輝度(相対輝度)が低減する。
即ち、上述したレンチキュラーレンズを含んだ光学系によれば、映像表示装置1からの映像光束を再帰反射部材2に入射させる際、光源装置13,230で狭角に揃えられた映像光の出射角度や視野角を制御でき、再帰反射部材2の設置の自由度を大幅に向上できる。その結果、図1のウィンドガラス105を反射または透過して所望の位置に結像する空間浮遊映像3の結像位置の関係の自由度を大幅に向上できる。この結果、拡散角度が狭く(直進性が高く)かつ特定の偏波成分のみの光として効率良く室外または室内の観視者の眼に届くようにすることが可能となる。このことによれば、映像表示装置1からの映像光の強度(輝度)が低減しても、観視者は映像光を正確に認識して情報を得ることができる。換言すれば、映像表示装置1の出力を小さくすることにより、消費電力の低い空間浮遊映像表示装置を実現することが可能となる。
以上、種々の実施例について詳述したが、本発明は、上述した実施例のみに限定されず、様々な変形例が含まれる。例えば、上記実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換が可能である。
本実施例に係る技術では、空間浮遊映像を高解像度かつ高輝度な映像情報を空間浮遊した状態で表示することにより、例えば、ユーザは感染症の接触感染に対する不安を感じることなく操作することを可能にする。不特定多数のユーザが使用するシステムに本実施例に係る技術を用いれば、感染症の接触感染のリスクを低減し、不安を感じることなく使用できる非接触ユーザインタフェースを提供することを可能にする。これにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
また、本実施例に係る技術では、出射する映像光の発散角を小さく、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射部材に対して正規の反射光だけを効率良く反射させるため、光の利用効率が高く、明るく鮮明な空間浮遊映像を得ることを可能にする。本実施例に係る技術によれば、消費電力を大幅に低減することが可能な、利用性に優れた非接触ユーザインタフェースを提供することができる。これにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。
1:映像表示装置、2:再帰反射部材、3:空間浮遊映像、4:平面ミラー、11:液晶表示パネル、12:吸収型偏光板、13:光源装置、21:λ/4板、100:透明部材、605:窓部、101:ビームスプリッタ(偏光分離部材)、106:筐体、112:吸収型偏光板、610:制御基板、611:充電池。

Claims (24)

  1. 空間浮遊映像を形成する空間浮遊映像表示装置であって、
    高さ方向の長さが奥行き方向の長さよりも小さい薄型形状の筐体と、
    前記筐体の一部に設けられ、前記空間浮遊映像を形成するための映像光を透過させる窓部と、
    前記筐体の内部に設けられ、光源装置、および前記光源装置からの光に基づいて前記空間浮遊映像を形成するための特定偏波の映像光を生成して出射する液晶表示パネルを有する映像表示装置と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を反射し再帰反射部材からの映像光を透過する偏光分離部材と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記偏光分離部材からの映像光を再帰反射する前記再帰反射部材と、
    前記再帰反射部材の再帰反射面に設けられた位相差板と、
    前記筐体の内部で、前記映像表示装置と前記偏光分離部材とを結ぶ空間内に配置され、前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を前記偏光分離部材へ向けて反射する平面ミラーと、
    を備え、
    前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を、前記平面ミラーで反射させて、前記偏光分離部材で前記再帰反射部材に向けて反射させ、前記位相差板を通じて偏光変換された映像光を前記偏光分離部材で透過させ、前記窓部を透過した映像光によって前記筐体の外部に前記空間浮遊映像を表示する、
    空間浮遊映像表示装置。
  2. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体は、車両内のダッシュボード上に設置可能な形状を有する、空間浮遊映像表示装置。
  3. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状は、前記高さ方向の長さが、奥行き方向の長さおよび左右方向の長さよりも小さい形状である、空間浮遊映像表示装置。
  4. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体は、上面の一部において、前方斜め下に傾いた斜面を有し、
    前記窓部は前記斜面に設けられ、
    前記空間浮遊映像を形成するための映像光は、前記斜面の前記窓部を透過して斜め上方向に出射する、
    空間浮遊映像表示装置。
  5. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体の上面は、前記空間浮遊映像が形成される側の辺よりも前記空間浮遊映像に対向する側の辺が長い、空間浮遊映像表示装置。
  6. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記窓部は台形形状である、空間浮遊映像表示装置。
  7. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記映像表示装置は、前記筐体の内部で、奥行き方向での前側の上方に、光軸が後方斜め下に向くように傾いて配置され、
    前記再帰反射部材は、前記筐体の内部で、奥行き方向での後側の上方に、光軸が前方斜め上に向くように傾いて配置されている、
    空間浮遊映像表示装置。
  8. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体は、筐体上部と、筐体下部とを有し、
    前記筐体上部には、前記映像表示装置、前記平面ミラー、前記偏光分離部材、前記位相差板、および前記再帰反射部材が収容されており、
    前記筐体下部には、制御基板および充電池が収容されている、
    空間浮遊映像表示装置。
  9. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、挟角な拡散特性を有する、空間浮遊映像表示装置。
  10. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、挟角な拡散特性を有し、かつ、特定偏波を有する光を供給する、空間浮遊映像表示装置。
  11. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体に設けられた入出力端子と、
    前記筐体の下部に設けられた充電池と、
    を備え、
    外部から前記入出力端子を介して前記充電池に電源が供給される、
    空間浮遊映像表示装置。
  12. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記薄型形状の筐体に設けられた入出力端子を備え、
    外部から前記入出力端子を介して前記映像表示装置に対し信号が供給される、
    空間浮遊映像表示装置。
  13. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記偏光分離部材は、反射型偏光板、あるいは特定偏波を反射させる金属多層膜を有して構成されている、空間浮遊映像表示装置。
  14. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記窓部には透明部材が設けられ、
    前記透明部材の少なくとも一面に設けられた吸収型偏光板を備える、空間浮遊映像表示装置。
  15. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記液晶表示パネルの映像表示面に設けられた吸収型偏光板を備える、空間浮遊映像表示装置。
  16. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記筐体の内部で、前記映像表示装置と、前記平面ミラーおよび前記偏光分離部材を介して前記再帰反射部材とを結ぶ空間に、前記液晶表示パネルからの特定角度を超える発散角を有した映像光が前記再帰反射部材に入射することを遮るための遮光部材を備える、空間浮遊映像表示装置。
  17. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記再帰反射部材の前記再帰反射面の面粗さは、前記空間浮遊映像のボケ量と前記映像表示装置の画素サイズとの比率が40%以下となるように設定されている、空間浮遊映像表示装置。
  18. 請求項1に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、
    点状または面状の光源と、
    前記光源からの光の発散角を低減する光学手段と、
    前記光源からの光を特定方向の偏光に揃える偏光変換手段と、
    前記光源からの光を前記液晶表示パネルに伝搬する反射面を有する導光体と、を有し、
    前記光源装置の前記反射面の形状と面粗さによって光束を制御することで前記液晶表示パネルから前記映像光として狭角な発散角を有する映像光束を出射させる、
    空間浮遊映像表示装置。
  19. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記再帰反射部材の前記再帰反射面の面粗さは、160nm以下に設定され、
    前記導光体は、前記液晶表示パネルと対向して配置され、
    前記導光体の内部または表面に、前記光源からの光を前記液晶表示パネルに向けて反射させる前記反射面を有し、
    前記液晶表示パネルは、前記導光体からの光に基づいて、入力映像信号に合わせて、光強度を変調して、前記狭角な発散角を有する映像光束を出射する、
    空間浮遊映像表示装置。
  20. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、前記液晶表示パネルの光線発散角が±30度以内となるように、前記光束の発散角の一部または全部を、前記反射面の形状と面粗さによって制御する、空間浮遊映像表示装置。
  21. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、前記液晶表示パネルの光線発散角が±15度以内となるように、前記光束の発散角の一部または全部を、前記反射面の形状と面粗さによって制御する、空間浮遊映像表示装置。
  22. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、前記液晶表示パネルの光線発散角が、水平発散角と垂直発散角とが異なるように、前記光束の発散角の一部または全部を、前記反射面の形状と面粗さによって制御する、空間浮遊映像表示装置。
  23. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、前記液晶表示パネルの光入射面と光出射面とにそれぞれ設けられた偏光板の特性により得られるコントラストに、前記偏光変換手段における偏光変換の効率の逆数を乗じたコントラスト性能を有する、空間浮遊映像表示装置。
  24. 請求項18に記載の空間浮遊映像表示装置において、
    前記光源装置は、前記液晶表示パネルの光入射面と光出射面とにそれぞれ設けられた偏光板の特性により得られるコントラストに、前記偏光変換手段における偏光変換の効率の逆数と前記偏光分離部材のクロス透過率の逆数とをそれぞれ乗じたコントラスト性能を有する、空間浮遊映像表示装置。
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