JP2022157209A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022157209A
JP2022157209A JP2021061307A JP2021061307A JP2022157209A JP 2022157209 A JP2022157209 A JP 2022157209A JP 2021061307 A JP2021061307 A JP 2021061307A JP 2021061307 A JP2021061307 A JP 2021061307A JP 2022157209 A JP2022157209 A JP 2022157209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
illumination
region
light receiving
distortion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021061307A
Other languages
English (en)
Inventor
将 中島
Masashi Nakajima
誠 藤野
Makoto Fujino
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Topcon Corp
Original Assignee
Topcon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Topcon Corp filed Critical Topcon Corp
Priority to JP2021061307A priority Critical patent/JP2022157209A/ja
Publication of JP2022157209A publication Critical patent/JP2022157209A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】低コストで被観察部位の観察像の劣化を低減可能な眼科装置を提供する。【解決手段】被検眼の被観察部位の一部に照明光を照射する照明系と、照明系から被観察部位に照射される照明光を偏向して、被観察部位内で照明光の照明領域を移動させる光スキャナと、光スキャナが照明光を偏向している間、照明光の偏向に応じて被観察部位内で移動する照明領域からの戻り光を受光する受光系と、を備え、照明系及び受光系の双方の歪曲収差が同一の種類である。【選択図】図9

Description

本発明は、照明用の光学系と受光用の光学系とを備える眼科装置に関する。
被検眼の眼底の撮影を行うスリットスキャン方式の眼底カメラ(眼科装置)が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の眼底カメラは、照明系から眼底にスリット光(照明光)を照射しながら、光スキャナを用いて眼底に照射するスリット光を偏向させる。またこの偏向と同時に眼底カメラは、眼底内で移動するスリット光の照明領域からの戻り光を受光系に導き、この戻り光を、受光系に配置された撮像素子の受光面に入射させる。撮像素子は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型で且つローリングシャッタ機能を有しており、照明領域の移動に伴い受光面内で移動する戻り光の入射領域に対して局所的な受光領域を追従させながら、受光領域での戻り光の撮像を連続して行う。これにより、不要な散乱光の影響を抑えた眼底像(観察像)が得られる。
特許第5735211号公報
図11は、特許文献1に記載のスリットスキャン方式の眼底カメラの課題を説明するための説明図である。なお、図11では、X方向に平行なスリット光のY方向の偏向に応じて、撮像素子44の受光面44aに入射する戻り光の入射領域R1BがY方向に移動し、さらにこの入射領域R1Bに対して撮像素子44の受光領域R2Bが追従している。
上記特許文献1に記載の眼底カメラで良好な眼底像を取得するためには、照明系及び受光系の歪曲収差を考慮する必要がある。ここで、例えば走査型レーザ顕微鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)では、照明系及び受光系の大部分が共通であり(特開2020-142119号公報参照)、照明光及び戻り光は共通の光学系を通る。このため、SLOでは、照明系及び受光系の歪曲収差の影響はほぼキャンセルされる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のスリットスキャン方式の眼底カメラでは、照明系及び受光系に占める共通の光学系の割合がSLOよりも低いため、照明系及び受光系の歪曲収差がSLOのようにキャンセルされない。この場合には、受光面44a上の入射領域R1B(スリット光のパターン像)に歪みが発生することで、入射領域R1Bと受光領域R2Bとが一致しなくなるおそれ、すなわち受光領域R2B内に入射領域R1Bが包含されないおそれがある。
受光領域R2B内に入射領域R1Bが包含されないと、受光領域R2B上で十分な照明光量が確保されなくなる。このため、図11に示すように、受光領域R2BのY方向の幅WAを大きく広げて、入射領域R1Bと受光領域R2Bとを一致させる、すなわち受光領域R2B内に入射領域R1Bを包含させる必要がある。しかしながら、この場合には、眼底像のS/N比(signal-noise ratio)が劣化したり、ゴースト及びフレアの影響が大きくなったりすることで、眼底像が劣化してしまう。
そこで、照明系及び受光系の双方の歪曲収差を極力低減させることが考えられるが、この場合には、照明系及び受光系のレンズ数を増加させたり、レンズの加工精度や組み立て精度を向上させたりする必要がある。その結果、コストが増加してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低コストで被観察部位の観察像の劣化を低減可能な眼科装置を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための眼科装置は、被検眼の被観察部位の一部に照明光を照射する照明系と、照明系から被観察部位に照射される照明光を偏向して、被観察部位内で照明光の照明領域を移動させる光スキャナと、光スキャナが照明光を偏向している間、照明光の偏向に応じて被観察部位内で移動する照明領域からの戻り光を受光する受光系と、を備え、照明系及び受光系の双方の歪曲収差が同一の種類である。なお、ここでいう戻り光は、被観察部位の照明領域或いはその付近の領域から戻ってくる光であり、照明光の反射光、照明光の散乱光、照明光が励起する蛍光及びその散乱光などが含まれる。
この眼科装置によれば、照明系及び受光系の全体としての歪曲収差を低減させられるので、照明系の歪曲収差に起因する戻り光の歪みを受光系により低減させることができる。
本発明の他の態様に係る眼科装置において、双方の歪曲収差の差が予め定められた閾値以下である。これにより、戻り光の歪みをより低減させることができる。
本発明の他の態様に係る眼科装置において、双方の歪曲収差が樽型又は糸巻型である。
本発明の他の態様に係る眼科装置において、照明系の光軸に垂直で且つ互いに直交する方向を第1方向及び第2方向とした場合に、照明系が、照明光として第1方向に平行なスリット光を被観察部位に照射し、光スキャナが、スリット光を第2方向に偏向する。
本発明の他の態様に係る眼科装置において、受光系が、戻り光が入射する受光面を有する検出器であって、且つ照明領域の移動に応じて受光面内で移動するスリット光の入射領域に対して、受光面内で戻り光を検出する局所的な受光領域であって且つ第1方向に平行な矩形状の受光領域を追従させながら、受光領域での戻り光の検出を連続して行う検出器を備え、受光領域の第2方向の幅が、入射領域の第2方向の幅よりも広い。これにより、受光領域内に入射領域を包含させることができるので、受光領域上で十分な照明光量を確保することができる。
本発明の他の態様に係る眼科装置において、受光系が受光した戻り光の受光信号に基づき、被観察部位の観察像を生成する画像生成部を備える。
本発明は、低コストで被観察部位の観察像の劣化を低減することができる。
本発明の眼科装置に相当する眼底カメラの概略図である。 制御装置の機能ブロック図である。 スリットスキャン撮影時の眼底(符号3A参照)と撮像素子の受光面(符号3B参照)とを対比した説明図である。 画像生成部により生成される眼底像の一例を示した説明図である。 樽型の歪曲収差(負の歪曲収差)を説明するための説明図である。 糸巻型の歪曲収差(正の歪曲収差)を説明するための説明図である。 樽型の歪曲収差に起因する照明領域或いは入射領域の歪みを説明するための説明図である。 糸巻型の歪曲収差に起因する照明領域或いは入射領域の歪みを説明するための説明図である。 照明系の歪曲収差と受光系の歪曲収差との組み合わせを示した説明図である。 受光領域の幅を説明するための説明図である。 特許文献1に記載のスリットスキャン方式の眼底カメラの課題を説明するための説明図である。
[眼底カメラの全体構成]
図1は、本発明の眼科装置に相当する眼底カメラ10の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向のうちで、X方向は被検者を基準とした左右方向(被検眼Eの眼幅方向)であり、Y方向は上下方向であり、Z方向は被検者に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)である。
図1に示すように、眼底カメラ10は、スリットスキャン方式で被検眼Eの眼底Efの撮影(以下、スリットスキャン撮影と略す)を行う。この眼底カメラ10は、大別してカメラヘッド12(装置本体ともいう)と操作部14と表示部16と制御装置18とを備える。
カメラヘッド12には、詳しくは後述するが、スリットスキャン撮影に必要な各種光学系等が設けられている。また、図示は省略するがカメラヘッド12は、不図示の駆動機構によりXYZ方向に相対移動可能に保持されている。これにより、被検眼Eに対してカメラヘッド12がXYZ方向に相対移動可能になるので、被検眼Eに対するカメラヘッド12のアライメントが可能になる。
操作部14は、スリットスキャン撮影の撮影開始操作、カメラヘッド12のXYZ方向の移動操作、眼底カメラ10の設定操作などの眼底カメラ10の各種操作の入力を受け付ける。
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の公知の各種ディスプレイが用いられる。この表示部16は、後述の制御装置18が生成した眼底Efの観察像(正面画像)である眼底像D、及び各種の設定画面等を表示する。
制御装置18は、各種の演算処理及び制御処理等を実行するコンピュータ等の演算処理装置である。この制御装置18には、カメラヘッド12、操作部14、及び表示部16が接続されている。制御装置18は、操作部14に入力された操作指示に基づき、カメラヘッド12及び表示部16の各部の動作を統括制御する。例えば制御装置18は、カメラヘッド12のアライメントと、カメラヘッド12によるスリットスキャン撮影と、眼底像Dの生成及び表示と、を含む各種制御及び処理を実行する。
[カメラヘッドの構成]
カメラヘッド12は、照明系20と、光スキャナ30と、受光系40と、を備える。
照明系20は、後述の光スキャナ30を介して、眼底Efの一部に照明光LS(スリット光)を照射する。この照明系20は、光源22と絞り24とスリット開口絞り26と照明系レンズ28とレンズ31と光路分割材34と対物レンズ38とを備える。なお、絞り24、光スキャナ30、光路分割材34、及び被検眼Eの前眼部Eaが光学的共役関係にある。
光源22は、照明光Lを出射する。この照明光Lとしては、可視光が用いられるが、被検眼Eの感度が小さい赤外領域(近赤外領域を含む)の光である赤外光を用いてもよい。この光源22には、レーザ光源、LED(Light Emitting Diode)光源、白色LED光源、レーザ励起白色光源などが用いられるが、この限りではない。光源22から出射された照明光Lは、絞り24を経てスリット開口絞り26に入射する。
スリット開口絞り26は、絞り24から入射した照明光LからX方向(本発明の第1方向に相当)に平行な照明光LSを生成し、この照明光LSを照明系レンズ28に向けて出射する。照明光LSは、合焦時に眼底位置及び眼底共役位置でX方向に平行なスリット状(スリット光)になる。なお、照明光LS(スリット光)は、対物レンズ38(照明系20)の光軸に垂直であれば特に限定はされない。また、スリット開口絞り26は、不図示のアクチュエータにより照明光LSの光路に沿って移動自在に設けられている。このスリット開口絞り26を移動させることで、照明系20を眼底Efに対して合焦させることができる。
照明系レンズ28は、1又は複数のレンズにより構成されており、スリット開口絞り26から入射した照明光LSを光スキャナ30に向けて出射する。レンズ31は、光スキャナ30により反射された照明光LSを光路分割材34に向けて出射する。レンズ31は、光スキャナ30と光路分割材34とを光学的共役関係にする。なお、光路分割材34及び対物レンズ38については後述する。
なお、照明系20として、照明光LSを出射可能なプロジェクタを用いてもよい。このプロジェクタとしては、LCD方式のプロジェクタ、反射型液晶パネルを用いたLCOS(Liquid crystal on silicon)方式のプロジェクタ、及びDMD(Digital Mirror Device)を用いたプロジェクタなどが例として挙げられる。この場合、光スキャナ30は、固定ミラーに替え、プロジェクタのパターンの変化で光スキャナ30が行う光走査を模してもよい。
光スキャナ30は、例えばガルバノミラー、レゾナントミラー、ポリゴンミラー、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の照明光LSを1次元偏向(走査)可能な偏向機構であり、照明系レンズ28の光軸とレンズ31の光軸との交点に配置されている。この光スキャナ30は、照明系レンズ28から入射した照明光LSをレンズ31に向けて反射すると共に、この照明光LSを偏向可能である。
光スキャナ30による照明光LSの偏光方向及び偏向角度は、制御装置18によって制御される。そして、光スキャナ30は、スリットスキャン撮影時には照明光LSを対物レンズ38の光軸及びスリット光の双方に垂直な方向、ここではY方向(本発明の第2方向に相当)に偏向する。
光路分割材34は、レンズ31から入射した照明光LSを反射して対物レンズ38に向けて出射させると共に、対物レンズ38から入射した後述の戻り光LBを通過させてフォーカス光学系36に向けて出射する。なお、光路分割材34は、照明光LS及び戻り光LBを分割して、照明光LSを対物レンズ38に向けて反射し且つ戻り光LBをフォーカス光学系36に向けて出射可能であれば、各種スプリッタを用いることができる。
対物レンズ38は、光路分割材34により反射された照明光LSを、被検眼Eの前眼部Ea(瞳孔)を通して眼底Efの一部に照射する。この際に既述の光スキャナ30により照明光LSがY方向に偏向されることで、X方向に平行な照明光LS(スリット光)により眼底Ef内がY方向に走査される。そして、照明光LSのY方向の偏向が行われている間、照明光LSが照射された被検眼Eの眼底Efからの戻り光LBが、対物レンズ38及び光路分割材34を通してフォーカス光学系36に入射する。
受光系40は、対物レンズ38と、光路分割材34と、フォーカス光学系36と、受光系レンズ42と、CMOS型の撮像素子44と、を備える。
フォーカス光学系36は、戻り光LBの光路に沿って移動可能な1又は複数のレンズ(フォーカスレンズ)を備え、制御装置18の制御の下で眼底カメラ10(受光系40)のフォーカス調整を行う。フォーカス光学系36による受光系40の合焦と、スリット開口絞り26による照明系20の合焦とは、被検眼Eのディオプタ(視度)に応じて連動して動く。光路分割材34からフォーカス光学系36に入射した戻り光LBは、受光系レンズ42に入射する。なお、フォーカス光学系36に、1又は複数のフォーカスレンズを移動自在に設ける代わりに1又は複数の可変焦点レンズを設けてもよく、フォーカス調整の方法は特に限定されない。
受光系レンズ42は、1又は複数のレンズにより構成されており、フォーカス光学系36から入射した戻り光LBを撮像素子44に集光させる。
撮像素子44は、受光系レンズ42からの戻り光LBが入射する受光面44aを有し、この受光面44a内で領域ごと(画素ごと、ラインごとを含む)の露光の開始及び終了のタイミングをずらしながら戻り光LBの撮像(受光、検出)を行うローリングシャッタ機能を有する。この撮像素子44は、スリットスキャン撮影時には、制御装置18によりローリングシャッタ駆動されることで、光スキャナ30による照明光LSの偏向に応じて眼底Ef内で移動する照明光LSの戻り光LBを撮像し、戻り光LBの撮像信号を制御装置18に出力する。
[制御装置の機能]
図2は、制御装置18の機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置18の機能は、各種のプロセッサ(Processor)を用いて実現される。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置18の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
制御装置18は、不図示の制御プログラムを実行することで、照明制御部50、偏向制御部52、撮像制御部54、信号取得部56、画像生成部58、画像処理部59、及び表示制御部64として機能する。なお、制御装置18の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
照明制御部50は、光源22からの照明光Lの出射、すなわち照明系20からの照明光LSの出射を制御する。
図3は、スリットスキャン撮影時の眼底Ef(符号3A参照)と撮像素子44の受光面44a(符号3B参照)とを対比した説明図である。図3中の符号R1Aは眼底Ef内での照明光LSの照明領域R1Aを示し、符号R1Bは受光面44a内に入射する戻り光LBの入射領域R1B(照明光LSのパターン像)を示す。また、図3中の符号R2Bは受光面44a内の受光領域R2B(アクティブな露光領域)を示し、符号R2Aは眼底Ef内において受光領域R2Bにより撮像される撮像範囲R2Aを示す。
なお、図中では撮像範囲R2Aの幅が照明領域R1Aの幅よりも大きく、受光領域R2Bの幅が入射領域R1Bの幅よりも大きくなっているが、この限りではない。すなわち、眼底Ef内での照明領域R1A及び撮像範囲R2Aの個々の位置形状と、受光面44a内での入射領域R1B及び受光領域R2Bの個々の位置形状とは、図3に示した例に限定されるものではなく適宜変更してもよい。
図3及び既述の図2に示すように、偏向制御部52は、光スキャナ30による照明光LSの偏向角度を制御する。この偏向制御部52は、スリットスキャン撮影時に光スキャナ30を制御して照明光LSをY方向に偏向させることで、照明光LS(スリット光)により眼底Ef内をY方向に走査する。
照明光LSのY方向の偏向に応じて眼底Ef内での照明光LSの照明領域R1AがY方向に移動する(図3の符号3A参照)。また、この照明領域R1Aの移動に応じて、受光面44a内で戻り光LBの入射領域R1BがY方向に移動する(図3の符号3B参照)。
撮像制御部54は、撮像素子44の駆動を制御する。この撮像制御部54は、スリットスキャン撮影時に光スキャナ30による照明光LSのY方向の偏向が行われている間、すなわち眼底Ef内で照明領域R1AがY方向に移動している間、撮像素子44のローリングシャッタ駆動(動作)を行う。
具体的には撮像制御部54は、受光面44a内での入射領域R1BのY方向の移動に応じて(同期して)、受光面44a内の入射領域R1Bに対応する位置で局所的な受光領域R2B(ここではX方向に平行な矩形状の受光領域R2B)による戻り光LBの撮像を連続的に実行させる。これにより、撮像制御部54は、受光面44a内でY方向に移動する入射領域R1Bに対して受光領域R2Bを追従させながら、受光領域R2Bによる戻り光LBの撮像を連続して実行させる(符号3B参照)。
換言すると眼底Ef内では、Y方向に移動する照明領域R1Aに対して局所的な撮像範囲R2Aを追従させながら、撮像範囲R2Aの撮像が撮像素子44により連続して行われる(符号3A参照)。このようなローリングシャッタ駆動は公知技術であるので、具体的な説明は省略する(上記特許文献1参照)。
なお、眼底Ef内での照明領域R1A及び撮像範囲R2Aの個々の位置形状と、受光面44a内での入射領域R1B及び受光領域R2Bの個々の位置形状とは、図3に示した例に限定されるものではなく適宜変更してもよい。
信号取得部56は、不図示の通信インタフェースを介して、撮像素子44に対して有線接続或いは無線接続されている。信号取得部56は、光スキャナ30による照明光LSの偏向が行われている間、撮像素子44の受光領域R2Bからの撮像信号(検出信号又は受光信号ともいう)を逐次取得する。
図4は、画像生成部58により生成される眼底像Dの一例を示した説明図である。図4及び既述の図2に示すように、画像生成部58は、光スキャナ30による照明光LSの偏向が行われている間に信号取得部56が取得した撮像信号に基づき、眼底像Dの生成を行う。
図2に戻って、画像処理部59は、画像生成部58が生成した眼底像Dに対して、照明系20及び受光系40の歪曲収差による眼底像Dの歪みを補正する補正処理を含む各種の画像処理を施す。表示制御部64は、画像処理部59による画像処理後の眼底像Dを表示部16に表示させたり、或いは眼底カメラ10の各種設定画面などを表示部16に表示させたりする。
<照明系及び受光系の歪曲収差>
図5は、樽型の歪曲収差(負の歪曲収差)を説明するための説明図である。図6は、糸巻型の歪曲収差(正の歪曲収差)を説明するための説明図である。図7は、図5に示した樽型の歪曲収差に起因する照明領域R1A或いは入射領域R1Bの歪みを説明するための説明図である。図8は、図6に示した糸巻型の歪曲収差に起因する照明領域R1A或いは入射領域R1Bの歪みを説明するための説明図である。
図5から図8と、既述の図1とに示すように、照明系20及び受光系40の光学系(レンズ等)は、一定の歪曲収差(ディストーション)を有している。このような歪曲収差としては、図5に示したような樽型と、図6に示した糸巻型とが例として挙げられる。
例えば図7に示すように、照明系20が樽型の歪曲収差を有する場合には照明光LSの照明領域R1Aが理想状態NDから樽型に歪み、受光系40が樽型の歪曲収差を有する場合には戻り光LBの入射領域R1Bが理想状態NDから樽型に歪んでしまう。また、図8に示すように、照明系20が糸巻型の歪曲収差を有する場合には照明領域R1Aが理想状態NDから糸巻型に歪み、受光系40が糸巻型の歪曲収差を有する場合には入射領域R1Bが理想状態NDから糸巻型に歪んでしまう。
このように照明系20が歪曲収差を有していると、光スキャナ30により照明光LSを等速度で偏向(線形に偏向)させた場合に、眼底Ef上の照明領域R1Aが等速度で移動(線形に移動)することなく非線形で動いてしまう。また、受光系40が歪曲収差を有していると、戻り光LBの歪みにより受光面44a上の入射領域R1B(照明光LSのパターン像)が歪んでしまう。
さらに、戻り光LBの歪みによって受光面44a上で入射領域R1Bと受光領域R2Bとが一致せず、受光領域R2Bに対する十分な光量が確保されないおそれがある。ここで既述の図11に示したように受光領域R2Bの幅WAを大きく広げてしまうと、S/N比の低下やゴーストフレアの影響により眼底像Dが劣化するため、戻り光LBの歪みを補正する必要がある。また、照明系20及び受光系40の個別の歪曲収差を低減させようとすると、レンズ数を増加させたり、レンズの加工精度を向上させたりする必要があるのでコストが増加してしまう。
そこで、本実施形態では、照明系20の歪曲収差と受光系40の歪曲収差とを同じ種類(特性)にすることで、照明系20の歪曲収差に起因する戻り光LBの歪みを受光系40により低減させる。すなわち、照明系20及び受光系40の個別の歪曲収差を低減させるのではなく、照明系20及び受光系40の全体としての歪曲収差を低減させる。
図9は、照明系20の歪曲収差と受光系40の歪曲収差との組み合わせを示した説明図である。なお、図9では歪曲収差の種類として「樽型」と「糸巻型」を例に挙げて説明を行う。
図9に示すように本実施形態では、照明系20の歪曲収差が「樽型」である場合には受光系40の歪曲収差を「樽型」とし、照明系20の歪曲収差が「糸巻型」である場合には受光系40の歪曲収差を「糸巻型」とすることで、戻り光LB(入射領域R1B)の歪みを低減させる。この場合には、照明系20及び受光系40の歪曲収差の種類を揃えるだけでよいため、照明系20及び受光系40の歪曲収差を個別に低減させる場合と比較して、照明系20及び受光系40の設計が簡単になる。
この際に、照明系20の歪曲収差と受光系40の歪曲収差との差は、予め定められた閾値以下(例えば4%以下)であることが好ましい。これにより、戻り光LB(入射領域R1B)の歪みをより低減させることができる。なお、眼底カメラ10は、眼底Efに合焦させる(ピント合わせる)ため、被検眼Eの眼屈折度数(Diopter)によって照明系20及び受光系40の収差特性が変わるが、本実施形態では眼底カメラ10が合焦可能な範囲内で両光学系の歪曲収差を略一致させる、すなわち上述の差を閾値以下にしている。
このように本実施形態では、照明系20及び受光系40の歪曲収差の種類を同一にすることで、戻り光LB(入射領域R1B)の歪みを低減可能であるが、戻り光LBの歪みを完全に無くすことは困難である。このため本実施形態では、受光面44a上の受光領域R2B内に入射領域R1Bが包含されるように、受光領域R2BのY方向の幅WAを僅かに広げている。
図10は、本実施形態における受光領域R2Bの幅WAを説明するための説明図である。なお、図10では、図面の煩雑化を防止するため入射領域R1Bを歪みのないスリット状に図示しているが、この入射領域R1Bには歪みが生じている。
図10に示すように本実施形態では、戻り光LB(入射領域R1B)の歪みを低減させているので、図11に示した従来例とは異なり、受光領域R2BのY方向の幅WAを大きく広げることなく、受光領域R2B内に入射領域R1Bを包含可能である。例えば本実施形態では、入射領域R1BのY方向の幅WS(1deg相当)に対して、受光領域R2Bの幅WAを2倍(2deg相当)にすることで、入射領域R1Bと受光領域R2Bとの間に0.5deg分のずれが生じても、受光領域R2B内に入射領域R1Bが包含される。これにより、受光領域R2B上で十分な照明光量を確保しつつ、S/N比の劣化、ゴースト及びフレアの影響が抑えられる。
なお、本実施形態では戻り光LB(入射領域R1B)の歪みを完全に無くすことが困難であるため、画像生成部58により生成される眼底像Dにも一定の歪みが生じるが、この歪みについては画像処理部59による補正処理で容易に修正可能である。
[本実施形態の効果]
以上のように本実施形態では、照明系20及び受光系40が分かれている場合であっても、照明系20及び受光系40の歪曲収差を同じ種類にすることで、照明系20の歪曲収差に起因する戻り光LBの歪みを受光系40により低減可能である。その結果、従来のように受光領域R2Bの幅WAを大きく広げたり(図11参照)、或いは照明系20及び受光系40のレンズ枚数を増加させたり或いは高い加工精度が要求されるレンズを用いたり組み立て精度を向上させたりすることなく、受光領域R2B内に入射領域R1Bを包含可能である。これにより、低コストで眼底像Dの劣化を低減させることができる。
[その他]
上記各実施形態では、眼底カメラ10から眼底Efに対して照明光LSを照射しているが、眼底Efに照射する照明光の形状は特に限定されず、例えばスポット光、ライン光、或いはドット光などの任意形状に変更してもよい。この場合には、受光面44a上の受光領域R2Bの形状を、照明光の形状に合わせて適宜変更してもよい。また、照明光としてスポット光或いはドット光を用いる場合には、光スキャナ30として照明光を2次元偏向可能なものを用いる。
上記各実施形態では、本発明の検出器としてローリングシャッタ機能を有するCMOS型の撮像素子44を例に挙げて説明したが、公知の各種検出器を用いてもよい。
上記実施形態では、眼底カメラ10の照明系20、光スキャナ30、受光系40の配置の一例を図1に示したが、これら各部の配置は適宜変更可能である。
上記各実施形態では、被検眼Eの眼底Efを撮影する眼底カメラ10を例に挙げて説明したが、被検眼Eの他の被観察部位(例えば前眼部Ea)を観察する眼科装置であって且つ照明系20と受光系40とが分かれている各種眼科装置に本発明を適用可能である。
10 眼底カメラ
12 カメラヘッド
14 操作部
16 表示部
18 制御装置
20 照明系
22 光源
24 虹彩絞り
26 スリット開口絞り
28 照明系レンズ
30 光スキャナ
31 レンズ
34 光路分割材
36 フォーカス光学系
38 対物レンズ
40 受光系
42 受光系レンズ
44 撮像素子
44a 受光面
50 照明制御部
52 偏向制御部
54 撮像制御部
56 信号取得部
58 画像生成部
59 画像処理部
64 表示制御部
D 眼底像
E 被検眼
Ea 前眼部
Ef 眼底
L 赤外光
LB 戻り光
LS 照明光
ND 理想状態
R1A 照明領域
R1B 入射領域
R2A 撮像範囲
R2B 受光領域

Claims (6)

  1. 被検眼の被観察部位の一部に照明光を照射する照明系と、
    前記照明系から前記被観察部位に照射される前記照明光を偏向して、前記被観察部位内で前記照明光の照明領域を移動させる光スキャナと、
    前記光スキャナが前記照明光を偏向している間、前記照明光の偏向に応じて前記被観察部位内で移動する前記照明領域からの戻り光を受光する受光系と、
    を備え、
    前記照明系及び前記受光系の双方の歪曲収差が同一の種類である眼科装置。
  2. 前記双方の歪曲収差の差が、予め定められた閾値以下である請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記双方の歪曲収差が、樽型又は糸巻型である請求項1又は2に記載の眼科装置。
  4. 前記照明系の光軸に垂直で且つ互いに直交する方向を第1方向及び第2方向とした場合に、前記照明系が、前記照明光として前記第1方向に平行なスリット光を前記被観察部位に照射し、
    前記光スキャナが、前記スリット光を前記第2方向に偏向する請求項1から3のいずれか1項に記載の眼科装置。
  5. 前記受光系が、前記戻り光が入射する受光面を有する検出器であって、且つ前記照明領域の移動に応じて前記受光面内で移動する前記スリット光の入射領域に対して、前記受光面内で前記戻り光を検出する局所的な受光領域であって且つ前記第1方向に平行な矩形状の受光領域を追従させながら、前記受光領域での前記戻り光の検出を連続して行う検出器を備え、
    前記受光領域の前記第2方向の幅が、前記入射領域の前記第2方向の幅よりも広い請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記受光系が受光した前記戻り光の受光信号に基づき、前記被観察部位の観察像を生成する画像生成部を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の眼科装置。
JP2021061307A 2021-03-31 2021-03-31 眼科装置 Pending JP2022157209A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021061307A JP2022157209A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 眼科装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021061307A JP2022157209A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 眼科装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022157209A true JP2022157209A (ja) 2022-10-14

Family

ID=83560114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021061307A Pending JP2022157209A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 眼科装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022157209A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5179102B2 (ja) 走査型レーザ検眼鏡、及び走査型レーザ検眼鏡用広角レンズアタッチメント
JP5038703B2 (ja) 眼科装置
US11147450B2 (en) Ophthalmic imaging apparatuses and method for the same
US8545019B2 (en) Fundus camera
JP2013169332A (ja) 光画像撮像装置
US9386920B2 (en) Ophthalmologic image processing apparatus
JP2018061621A (ja) 眼底画像撮影装置、眼底画像撮影方法、及び眼底画像撮影プログラム
US11134841B2 (en) Image acquisition apparatus and method for controlling the same
JP6578429B2 (ja) 眼科装置
JP4822332B2 (ja) 眼科装置
JP7098964B2 (ja) 眼底撮影装置
CN112770664A (zh) 狭缝扫描眼底成像仪增强功能
JP2008154726A (ja) 眼科装置
JP6102369B2 (ja) 眼底撮影装置
JP2022157209A (ja) 眼科装置
JP2019083880A (ja) 走査型レーザ検眼鏡
JP6651747B2 (ja) 走査型レーザ検眼鏡
JP2022022242A (ja) 眼底撮影装置
JP2022157207A (ja) 眼科装置及びその制御方法
JP2022157208A (ja) 眼科装置及びその制御方法
JP2019213752A (ja) 眼科装置、及び眼科装置の制御方法
JP7476857B2 (ja) 眼底撮影装置
US20230014194A1 (en) Ophthalmic apparatus, method of controlling same, and recording medium
US20240049962A1 (en) Ophthalmic apparatus and ophthalmic information processing apparatus
US20240032787A1 (en) Ophthalmic apparatus, method of controlling ophthalmic apparatus, and recording medium

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240202