JP2022157046A - 電線導体および絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】導体断面積を0.13mm2よりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線を提供する。【解決手段】導体断面積が0.13mm2未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される、絶縁電線1とする。【選択図】図1

Description

本開示は、電線導体および絶縁電線に関する。
自動車内において、各種通信機器に、コネクタを介して通信用電線が接続されるが、機器の小型化に伴い、コネクタにおいても、小型化、軽量化が進められている。コネクタが小型化すると、そこに接続される通信用電線においても、細径化が求められる。例えば、特許文献1では、Feを含むCu合金の素線を用いた撚線導体として、導体断面積を0.13mmまで小さくしたものが用いられている。
特開2018-085344号公報 特開2018-37324号公報
上記特許文献1で用いられている導体のように、導体断面積0.13mm程度までならば、従来の銅合金撚線を細径化しても、電線強度やコネクタ接続の際の接続強度を十分に確保することができる。しかし、昨今のコネクタの小型化に伴い、導体断面積が0.13mmよりもさらに小さい通信用電線も求められている。導体断面積が0.13mmよりも小さい領域では、撚線導体を細径化することは難しく、導体を単線化することが考えられる。しかし、従来の銅合金線をそのまま単線として用いると、電線強度を十分に確保することが難しくなる。また、コネクタ端子に接続する際の接続強度も、低くなりやすい。
そこで、導体断面積を0.13mmよりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線を提供することを課題とする。
本開示の電線導体は、導体断面積が0.13mm未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される。
本開示の絶縁電線は、前記電線導体と、前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する。
本開示にかかる電線導体および通信用電線は、導体断面積を0.13mmよりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線となる。
図1は、本開示の一実施形態にかかる単線の絶縁電線を示す断面図である。 図2Aおよび図2Bは、フラット電線を示す断面図である。図2Aと図2Bは、それぞれ異なる形態を示している。 図3は、電線導体の物性と圧着強度の関係についての評価結果を示す図である。電線導体の物性として、上段は電線導体の引張強さ、中段は芯線の硬度、下段は銅被覆層の硬度を示している。また、左列が低圧縮の場合、右列が高圧縮の場合となっている。 図4は、芯線にSUS 304Hを用いた場合と、SUS 304Lを用いた場合について、電線導体の引張強さと圧着強度の関係の評価結果を示す図である。図中には、電線導体の破断伸びの数値も合わせて表示している。上図は低圧縮の場合、下図は高圧縮の場合となっている。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示にかかる電線導体は、導体断面積が0.13mm未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される。
上記電線導体は、950MPa以上の大きな引張強さを有し、かつ1.5%以上の破断伸びを示す。そのため、導体断面積が0.13mm未満と小さくなっているにも拘らず、高い電線強度を有するとともに、コネクタ端子に接続する際の接続強度に優れたものとなる。また、通信用電線として用いるのに十分に低い水準である660mΩ/m以下に、電線導体の電気抵抗が抑えられている。よって、上記電線導体は、小型のコネクタに接続される通信用電線を構成するのに、好適に用いることができる。
ここで、前記電線導体は、引張強さが1300MPa以下であるとよい。すると、圧着によってコネクタ端子と接続する際に、電線導体の強度が高すぎることにより、端子材料の強度が低下する事態や、電線導体を十分に圧縮して端子材料に密着させられない事態が生じ、かえって圧着部の圧着強度が低下するのを、抑制することができる。
前記電線導体は、ステンレス鋼より構成される単線の芯線と、銅または銅合金より構成され、前記芯線の外周を被覆する銅被覆層と、を有しているとよい。電線導体が、ステンレス鋼より構成される芯線と、銅被覆層とを有していることで、電線導体全体として、950MPa以上の引張強さと、1.5%以上の破断伸びを両立しやすい。また、銅被覆層の寄与により、電線導体の電気抵抗を、660mΩ/m以下に抑えやすい。
前記電線導体の断面において、前記芯線の硬度は、650Hv以上、750Hv以下であり、前記銅被覆層の硬度は、80Hv以上、120Hv以下であるとよい。電線導体を構成する芯線および銅被覆層が、これらの範囲の硬度を有するものであれば、電線導体全体として、引張強さと圧着強度に特に優れたものとなる。
前記芯線の引張強さは、2400MPa以上、2800MPa以下であるとよい。すると、電線導体が、引張強さと圧着強度に特に優れたものとなる。
前記芯線を構成するステンレス鋼は、150℃以上400℃以下の温度で1時間の熱処理を行った際の破断伸びが、1.7%以上であるとよい。芯線として、大きな引張強さと伸びを有するものを用いることで、電線導体が、全体として、高い圧着強度を示すものとなりやすい。また、熱処理条件のゆらぎ等により、電線導体の引張強さに多少の変動が生じても、安定して高い圧着強度を与えるものとなる。
前記芯線を構成するステンレス鋼は、SUS 304Hであるとよい。SUS 304Hは、高い引張強さおよび破断伸びを示す材料であり、芯線の構成材料として好適に用いることができる。
本開示にかかる絶縁電線は、前記電線導体と、前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する。この絶縁電線は、0.13mm未満の小さい導体断面積を有し、細径性に優れたものでありながら、電線導体として、上記の所定の物性を備えるものを用いることにより、高い電線強度および端子接続強度を示すものとなる。よって、小型のコネクタに接続される通信用電線として、自動車内等で好適に用いることができる。
ここで、前記電線導体が、複数並列に並べられ、前記電線導体のそれぞれの外周が、前記絶縁被覆によって被覆されて、被覆部が構成され、前記被覆部の間が、前記被覆部の前記絶縁被覆と一体となった連結部によって連結されているとよい。複数の電線導体が並列に並べられることで、絶縁電線全体としての強度が、さらに向上される。また、複数の電線導体が並列に並べられ、それらの電線導体の間の距離が連結部によって安定に保持されることで、通信特性の安定した通信用電線として利用することができる。
この場合に、前記電線導体のうち、少なくとも1組の隣接する2本の間の距離が、0.2mm以上、1.2mm以下となっているとよい。すると、導体間の絶縁性を十分に保ちながら、それら2本の電線導体を、差動信号を伝送するためのペア線として、好適に用いることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。本明細書において、「平行」「垂直」等、部材の形状や配置を示す語には、幾何的に厳密な概念のみならず、通信用電線として一般に許容される範囲の誤差も含むものとする。また、本明細書において、各種物性は、大気中、室温(おおむね15~25℃)にて計測される値とする。
<電線導体および通信用電線の概略>
本開示の実施形態にかかる通信用電線は、導体断面積が0.13mm未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下である。そして、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上である。本開示の実施形態にかかる絶縁電線は、上記の電線導体と、電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有するものである。
本開示の実施形態にかかる電線導体は、単線の状態で用いられる。つまり、電線導体は、1本ずつ個別に絶縁された状態で用いられ、絶縁されていない複数の電線導体が、撚り合わせや束の形成により、集合されて用いられるものではない。そして、電線導体は、導体断面積が、0.13mm未満となっている。電線導体がこのように小さな導体断面積を有することにより、絶縁電線を細径化でき、自動車内における小型のコネクタへの接続等に、好適に用いることができる。導体断面積が0.13mm未満である細径の電線導体は、通電用よりも、通信用に好適に用いることができる。細径性を高める観点から、導体断面積は、0.10mm以下であると、さらに好ましい。導体断面積には、特に下限は設けられないが、過度の細径化による強度の低下を抑制する等の観点から、例えば0.02mm以上としておくとよい。0.05mmの導体断面積を、特に好適に採用することができる。さらに、電線導体は、電気抵抗が660mΩ/m以下となっている。電線導体の電気抵抗が660mΩ/m以下であれば、通信用電線として十分な導電性を有するものとなる。さらに好ましくは、電線導体の電気抵抗は、600mΩ/m以下であるとよい。
本実施形態にかかる電線導体は、引張強さが950MPa以上となっている。電線導体の引張強さが950MPa以上であれば、細径の単線である電線導体、およびその電線導体を含む絶縁電線において、十分に高い電線強度を得ることができる。また、電線導体をコネクタ端子に圧着接続した際に、圧着部において、高い接続強度を得ることができる。つまり、圧着部において圧縮された電線導体が、断線を起こしにくい。それらの効果をさらに高める観点から、電線導体の引張強さは、970MPa以上、また1000MPa以上、1050MPa以上であれば、さらに好ましい。電線導体の引張強さは、JIS Z 2241に準拠した引張試験により、破断時の引張強さとして評価することができる。
電線導体の引張強さの上限は、特に定められるものではないが、引張強さが高すぎても、かえってコネクタ端子との接続部における接続強度が低くなる場合がある。電線導体が高強度を有し、硬くなりすぎると、コネクタ端子に圧着接続する際に、コネクタ端子側の材料において強度の低下が起こることや、電線導体を十分に変形させられなくなること等により、コネクタ端子によって電線導体を強固に保持できなくなり、かえって接続強度が低くなる事態が生じうるからである。それらの事態を避け、高い接続強度を担保する観点から、電線導体の引張強さは、1300MPa以下、また1180MPa以下、1080MPa以下に抑えておくことが好ましい。
さらに、本実施形態にかかる電線導体は、破断伸びが1.5%以上となっている。電線導体が、950MPa以上の引張強さと合わせて、1.5%以上の破断伸びを有していることで、電線導体を圧着端子に接続する際に、圧着部において、電線導体の伸びを利用して、高い圧着強度を得ることができる。また、電線導体が十分に高い破断伸びを有していれば、熱処理条件のゆらぎ等に起因して、電線導体の引張強さが変動することがあっても、高い圧着強度を安定して得ることができる。それらの効果をさらに高める観点から、電線導体の破断伸びは、1.8%以上、また2.0%以上、2.2%以上であると、さらに好ましい。電線導体の破断伸びは、JIS Z 2241に準拠した引張試験により評価することができる。
電線導体が、950MPa以上の引張強さと1.5%以上の破断伸びを有することで、圧着部において、例えば30N以上のような高い圧着強度が得られる。これにより、電線導体をコネクタ端子に接続した際に、高い接続強度が得られる。圧着強度は、40N以上であると、さらに好ましい。電線導体の圧着強度は、圧着端子に電線導体を圧着接続した状態で、電線導体を引っ張った際に、圧着部において電線導体が破断するまでに印加される力の最大値として評価することができる。本実施形態にかかる電線導体の圧着部における破断は、圧着端子と電線導体の間の接合部の分離ではなく、圧着端子内部での電線導体の破断自体によって起こるため、圧着強度は、圧着端子の種類や圧着方法への依存性の小さいパラメータとして定まる。一例として、銅合金製の圧着端子によって、軸線方向に沿って長さ1.6~3.0mmにわたる領域において、相互に対向する方向から電線導体を挟み込んで圧縮することで、圧着接続して、引張試験を行えばよい。
<電線導体および絶縁電線の具体例:電線導体が2層構造の場合>
次に、上記のように、導体断面積を0.13mm未満とした場合に、660mΩ/m以下の電気抵抗、950MPa以上の引張強さ、1.5%以上の破断伸びを兼ね備える、単線の電線導体の例として、芯線と被覆層の2層構造を有する電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線について説明する。図1に、そのような電線導体10を含んだ絶縁電線1の断面を表示する。絶縁電線1においては、1本の電線導体10の外周を被覆して、絶縁被覆20が形成されている。
電線導体10は、芯線11と、芯線11の外周を被覆する銅被覆層12とを有している。芯線11と銅被覆層12は、一体に接合されている。芯線11は、ステンレス鋼(SUS)より構成されている。SUSの種類は特に限定されるものではないが、オーステナイト系SUS、特にSUS 304HおよびSUS 304Lを好適に用いることができる。銅被覆層12は、銅または銅合金より構成されている。好ましくは、不可避的不純物を除いて添加元素を含まない純銅より構成されているとよい。芯線11と銅被覆層12の間には、芯線11と銅被覆層12の接合性を高める等の目的で、他種の層が配置されてもよいが、芯線11の表面に銅被覆層12が直接接触して形成されている方が好ましい。
ここで、SUS 304HおよびSUS 304Lの成分組成を、下の表1にまとめておく。両者は、CおよびNiの含有量において相互に異なっている。
Figure 2022157046000002
本実施形態にかかる電線導体10は、SUSより構成された芯線11を含んでおり、SUSの材料強度の高さにより、電線導体10全体として、950MPa以上のように、高い引張強さを有するものとなる。そのため、単線の状態であっても、また細径化されていても、従来一般の全体が銅合金より構成される導体よりも、高い導体強度を有するものとなる。コネクタ接続の際の接続強度も、高くすることができる。芯線11が有する具体的な特性については後に詳しく説明するが、電線導体10において、十分な強度を発揮する観点から、芯線11の外径は、0.11mm以上、さらに好ましくは0.12mm以上としておくとよい。一方、電線導体10の細径性を保ちながら銅被覆層12の厚さを十分に確保する等の観点から、芯線11の外径は、0.17mm以下に抑えておくとよい。
電線導体10において、銅被覆層12は、電気伝導を担うものとなる。芯線11を構成するSUSは、それほど高い導電性を有する金属ではないが、電線導体10全体として十分な導電性を確保するために、芯線11の外周に、導電性の高い金属である銅または銅合金よりなる銅被覆層12を設けている。銅被覆層12の厚さは、電線導体10全体としての電気抵抗が、660mΩ/m以下、好ましくは600mΩ/m以下となるように、定められる。電線導体10の電気抵抗に特に下限は設けられないが、銅被覆層12が厚くなりすぎるのを防止する等の観点から、例えば500mΩ/m以上としておくとよい。おおむね、銅被覆層12の厚さを、40μm以上、また70μm以下としておけばよい。
絶縁被覆20は、有機ポリマーをベース材料として構成される。有機ポリマーの種類は特に限定されるものではなく、ポリオレフィンやオレフィン系共重合体等のオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニル等のハロゲン系ポリマー、各種エラストマーやゴム等を用いることができる。有機ポリマーには、適宜、各種添加剤が添加されてもよい。絶縁被覆20の厚さは特に限定されないが、十分な絶縁性を付与する等の観点から、例えば0.1mm以上としておくとよい。一方、絶縁電線1の細径性を高める観点から、0.25mm以下に抑えておくとよい。
<2層構造の電線導体の特性>
次に、上に挙げたSUS芯線11と銅被覆層12の2層構造を有する電線導体10が有する特性について、詳細に説明する。
電線導体10は、SUSより構成される芯線11を有することにより、高い強度を備えている。具体的には、上記のように、電線導体10全体としての引張強さが、950MPa以上となっている。電線導体10の引張強さは、970MPa以上、また1000MPa以上、1050MPa以上であれば、さらに好ましい。また、電線導体10の引張強さは、1300MPa以下、また1180MPa以下、1080MPa以下に抑えておくことが好ましい。
電線導体10全体としての破断伸びは主に、SUSより構成される芯線11が有する破断伸びに支配されるが、銅被覆層12は、SUSよりも柔軟性の高い金属である銅または銅合金より構成されることにより、電線導体10の破断伸びを高めるのに寄与する。それら芯線11と銅被覆層12の複合体全体として、電線導体10の破断伸びが、上記のように、1.5%以上となる。電線導体10の破断伸びは、1.8%以上、また2.0%以上、2.2%以上であれば、さらに好ましい。
電線導体10が、全体として、上記のような引張強さおよび破断伸びを示すものであれば、SUSよりなる芯線11および銅被覆層12のそれぞれが、どのような材料特性を有するものであってもかまわない。しかし、電線導体10の断面において、芯線11が、650Hv以上、さらには670Hv以上の硬度を有しているとよい。また、芯線11単独の引張強さが、2400MPa以上、さらには2500MPa以上であるとよい。芯線11がそれらの値以上の硬度および引張強さを有していると、電線導体10全体としての強度を高めやすい。一方、芯線11の硬度は、750Hv以下、さらには700Hv以下であるとよい。また、芯線11単独の引張強さは、2800MPa以下、さらには2600MPa以下であるとよい。SUS芯線11の硬度および引張強さがそれらの値以下に抑えられていると、電線導体10の強度の過度の上昇による圧着強度の低下を抑制しやすい。
また、SUSよりなる芯線11単独の状態で、150℃以上400℃以下の温度で1時間の熱処理(伸線後の焼鈍)を行った際の破断伸びが、1.7%以上、さらには2.2%以上となるとよい。すると、電線導体10全体として、上記のような破断伸びが得られやすくなる。芯線11において、上記熱処理条件で、1.7%以上、さらには2.2%以上の破断伸びを与えるSUS材として、SUS 304Hを挙げることができる。
銅被覆層12については、硬度が、80Hv以上であるとよい。また、160Hv以下、さらには120Hv以下であるとよい。電線導体10全体としての強度は、芯線11の強度の影響を大きく受けるが、銅被覆層12の強度もある程度の寄与を示すものであり、銅被覆層12の硬度を上記の範囲としておくと、電線導体10全体としての引張強さ、および圧着強度を有効に高めやすくなる。SUS芯線11および銅被覆層12の硬度は、電線導体10を軸線方向に垂直に切断した断面において、マイクロビッカース硬度計等を用いて計測することができる。この際、それぞれ5箇所程度で測定を行い、平均値をとればよい。
<2層構造の電線導体の製造方法>
上記の2層構造を有する電線導体10を製造する方法としては、例えば、伸線によって所定の径を有するSUSの芯線11を製造したうえで、めっきや蒸着により、銅被覆層12をその芯線11の表面に形成すればよい。あるいは、芯線11となるSUS材の周囲に、銅被覆層12となる環状の銅材を嵌め込み、所定の径まで一体に伸線することでも、電線導体10を製造することができる。
このようにして得られたSUSの芯線11の表面に銅被覆層12を有する電線導体10に対して、熱処理(焼鈍)を行えばよい。熱処理を経て、主に銅被覆層12が軟化される。熱処理条件は、電線導体10全体として、所望の引張強さや硬度、また破断伸びが得られるように、設定すればよい。熱処理温度としては、100℃以上、また400℃以下の範囲を例示することができる。さらに好ましくは、250℃以上、また400℃以下で熱処理を行えばよい。熱処理は、電線導体10を通電加熱する連続軟化の方式で行っても、所定の温度のバッチ炉内で電線導体10を加熱するバッチ式軟化によって行ってもよい。
<別の形態の絶縁電線-フラット電線>
2層構造を有する電線導体10等、本開示の実施形態にかかる電線導体は、どのような形態で使用されてもよく、図1に示したような1本の電線導体10の全周を絶縁被覆20で被覆した単純な絶縁電線1を構成する形態に限られない。上記実施形態にかかる電線導体10を用いて、他の形態の絶縁電線を構成する場合の例として、フラット電線について、簡単に説明する。
フラット電線2の断面を、図2Aおよび図2Bに示す。図2Aおよび図2Bは、それぞれ異なる形態を示している。フラット電線2は、上記で説明した本開示の実施形態にかかる電線導体10を複数含んでいる。電線導体10の本数は、特に指定されるものではないが、2本以上、8本以下の本数を好適に採用することができる。特に、ペア線を構成できるように、偶数の本数とすればよい。
フラット電線2においては、複数の電線導体10が、軸線方向を平行に揃えて、一方向に並列に並べられている。並べられた各電線導体10の外周が、個別に絶縁被覆20によって被覆され、電線導体10と絶縁被覆20よりなる被覆部30が複数形成されている。そして、各被覆部30の間が、連結部25によって連結されている。被覆部30を構成する絶縁被覆20と、連結部25とは、同じ材料を用いて、一体に成形されている。図2Aに示した形態においては、断面略円形の被覆部30の間を連結して、連結部25が形成されている。一方、図2Bに示した形態においては、隣接する被覆部30が、略円形の断面形状を相互に重ね合わせるようにして、直接接合されており、それら被覆部30を構成する絶縁被覆20の一部が、連結部25として機能している。いずれの形態においても、フラット電線2の可撓性の確保、端末加工時の裂きやすさ等の観点から、連結部25の厚さ(電線導体10の並列方向に直交する寸法)が、被覆部30の直径よりも小さくなっていることが好ましい。
並列に並べられた電線導体10の間隔は、特に限定されるものではないが、隣接する電線導体10の間の距離d(電線導体10の中心間の距離)が、0.2mm以上、さらには0.4mm以上、0.8mm以上であるとよい。すると、電線導体10の間の絶縁を十分に確保することができる。特に図2Aの形態においては、隣接する電線導体10の間の距離dを、0.4mm以上とするとよい。一方、少なくとも1組の隣接する2本の電線導体10の間の距離dが、1.2mm以下、さらには1.0mm以下となっていることが好ましい。すると、それら2本の電線導体10を、必要な特性インピーダンスを確保しながら、差動信号を伝送するペア線として好適に用いることができる。なお、フラット電線2が3本以上の電線導体10を含む場合に、ペアを構成する2本の電線導体10の間以外の箇所においては、電線導体10の間の距離dは、1.2mmより長くしてもよいし、全電線導体10を、1.2mm以下の等間隔に並べてもよい。
フラット電線2を用いれば、複数の端子を並べて有するコネクタに、一括して複数の電線導体10を接続することが可能となる。上記のように、本開示の実施形態にかかる電線導体10は、高い強度を有するものであるが、複数を並列に並べることで、フラット電線2全体として、さらに強度を高めることができる。また、電線導体10が高い強度を有することで、図1に示したような独立した絶縁電線1を撚り合わせてツイストペア線を構成するとすれば、電線導体10の高い剛性により、ツイスト構造を安定に保持することが難しいが、複数の電線導体10を横に並べたフラット電線2とし、さらに連結部25によって電線導体10の間の距離dを一定に保持することで、安定して差動信号の伝送を行うことができるようになる。
以下に実施例を示す。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。以下、特記しない限り、試料の作製および評価は、大気中、室温にて行っている。
[1]2層構造の電線導体の強度と圧着強度の関係
まず、SUS芯線と銅被覆層を有する2層構造の電線導体について、電線導体全体としての引張強さおよび各部の硬度と、端子圧着部における圧着強度との関係について検証した。
<試料の作製>
SUS 304H材よりなる芯線と、純銅よりなる銅被覆層とを有する電線導体を作製した。芯線の外径は、φ0.16mmとし、銅被覆層の厚さは45μmとした。電線導体全体として、外径がφ0.25mm、導体断面積にして0.05mmとなった。得られた電線導体に対して、連続軟化により、熱処理を行った。熱処理条件は、図3の上段に横軸として表示した所定の引張強さが得られるように、それぞれ設定した。加熱温度は、おおむね100℃~400℃の範囲内であった。別途、バッチ式加熱により、100℃~400℃の複数の温度で1時間の熱処理を行った試料も作成した。電線導体の電気抵抗は、いずれの条件の熱処理を経た場合にも、660mΩ/m以下であった。合わせて、参照試料として、導体断面積0.05mmの銅合金導体(引張強さ:740MPa、破断伸び:2.1%)も準備した。
<評価方法>
・電線導体の引張強さ
作製した各電線導体に対して、JIS Z 2241に準拠した引張試験により、破断時の引張強さを評価した。この際、電線導体が全体として破断した時点を、破断時とみなした。測定に際し、評点間距離は250mmとし、引張速度は50mm/minとした。
・各部の硬度
作製した各電線導体を、軸線方向に垂直に切断し、断面において、芯線および銅被覆層のそれぞれの硬度を測定した。硬度の測定は、マイクロビッカース硬度計を用いて行った。芯線、銅被覆層のそれぞれについて、5か所で測定を行い、平均値を記録した。
・圧着強度
作製した電線導体を、長さ104mmに切り出し、圧着端子にて圧着接続して、端子付き導体を得た。圧着端子としては、銅合金製のものを用い、圧着接続に際しては、電線導体の軸線方向に沿って長さ1.6~3.0mmにわたる領域において、電線導体を対向する方向から挟み込んで圧縮した。圧着部としては、導体に対する圧縮度を変化させることで、低圧縮と高圧縮の2とおりの圧着部を形成した。低圧縮の状態は、通常のコネクタ端子と電線導体の間の接続部において採用されるものであり、高圧縮の状態は、通常よりも厳しい条件で電線導体を圧縮している状態に相当する。
得られた端子付き導体に対して、圧着端子を固定して、電線導体を引っ張った。そして、圧着部分において電線導体が破断するまでに印加した力の最大値を、圧着強度として記録した。引張速度は100mm/minとした。なお、いずれの試料においても、圧着部の破断は、圧着端子から電線導体が分離して抜け出るのではなく、圧着端子内部において、電線導体自体が破断することによって起こった。
<試験結果>
図3に、連続軟化による熱処理を経た電線導体について、各種特性(横軸)と、圧着強度(縦軸)との関係を示す。横軸に表示した特性は、上段で電線導体全体の引張強さ、中段でSUS芯線の硬度、下段で銅被覆層の硬度となっている。また、左列に低圧縮の場合、右列に高圧縮の場合を示している。各図では、圧着強度が30Nの水準を、実線で表示している。
まず、低圧縮の場合について、結果を検討する。電線導体の引張強さと圧着強度の関係を見ると、引張強さ950MPa以上の全域において、30N以上の圧着強度が得られている。この際、対応するSUS芯線および銅被覆層の硬さは、それぞれ、650Hv以上、また80Hv以上となっている。また、グラフの掲載は省略するが、バッチ式軟化によって熱処理を行った試料においても、導体の引張強さが1050MPaから1300MPaの領域で、30N以上の圧着強度が得られた。
次に、高圧縮の場合について、結果を検討する。この場合には、おおむね電線導体の引張強さが950MPa以上1080MPa以下の領域で、30N以上の圧着強度が得られている。1080MPaよりも引張強さが高い領域では、圧着強度が低下している。これは、電線導体の硬さのために、圧着端子の材料強度が低下してしまい、電線導体を圧着端子で強固に保持できなかったことによると考えられる。なお、参照試料の銅合金導体の圧着強度は、低圧縮の場合で23.6N、高圧縮の場合で25.4Nであった。
[2]2層構造の電線導体における芯線の構成材料の検討
ここでは、2層構造の電線導体において、芯線を構成するSUSの伸びが電線導体の特性に与える影響を検証した。
<試料の作製>
上記の試験[1]では、SUS 304Hよりなる芯線を用いたが、代わりにSUS 304Lよりなる芯線を用いて、同様に電線導体を作製した。連続軟化による熱処理の条件は、SUS 304Hを用いた場合とSUS 304Lを用いた場合で、引張強さがおおむね揃うように、設定した。また、別途、銅被覆層を形成していない状態のSUS 304HおよびSUS 304Lの芯線について、銅被覆層を形成した電線導体と同じ条件で、バッチ式軟化による熱処理を行っておいた。
<評価方法>
・引張強さと圧着強度
連続軟化によって熱処理を行った各試料に対して、上記試験[1]と同様の方法で、電線導体の引張強さおよび圧着強度を評価した。
・破断伸び
連続軟化およびバッチ式軟化によって熱処理を行った各試料に対して、JIS Z 2241に準拠した引張試験により、破断伸びを評価した。また、合わせて、4端子法によって電気抵抗を測定した。
<評価結果>
図4に、芯線にSUS 304Hを用いた場合とSUS 304Lを用いた場合について、電線導体全体の引張強さと圧着強度の関係を示す。また、図中で、各データ点の近傍に、電線導体全体の破断伸びの値を表示する。上図が低圧縮の場合、下図が高圧縮の場合である。図4に示したSUS 304Hについてのデータは、図3に掲載したのと同じものである。
図4によると、低圧縮の状態において、芯線がSUS 304Hである場合にも、SUS 304Lである場合にも、電線導体の引張強さが950MPa以上、かつ破断伸びが1.5%以上の領域で、30N以上の圧着強度が得られている。このことから、電線導体として、電線導体の引張強さが950MPa以上、かつ破断伸びが1.5%以上のものを用いることで、通常の端子接続部において、十分に高い圧着強度が達成できると言える。圧着時に、電線導体が高い伸びを示すことで、圧着強度を向上させるものと考えられる。
さらに、SUS 304Hの場合とSUS304Lの場合の結果を詳細に比較すると、低圧縮の場合には、SUS304 Hでは、全データ点で30N以上の圧着強度が得られているのに対し、SUS 304Lでは、引張強さが高い領域で、圧着強度が低くなっている。つまり、SUS 304Hの方が、SUS 304Lよりも、30N以上の圧着強度が得られる領域が広くなっている。高圧縮率の場合にも、同様に、SUS 304Hの方が、広い領域で、30N以上の圧着強度が得られている。
このように、芯線の構成材料がSUS 304Hである場合の方が、SUS 304Lである場合よりも、広い範囲の引張強さにおいて、高い圧着強度が安定して得られている。このSUS 304HとSUS304Lの間の圧着強度の差は、両材料の伸びの差に対応づけることができる。図4中に記入した破断伸びの値を見ると、引張強さが同程度でも、SUS 304Hの方が、SUS 304Lよりも、高い破断伸びを有する傾向がある。2種のSUSにおける破断伸びの違いをさらに詳細に検討する観点から、下の表2に、両材料について、芯線単独の状態と、銅被覆層を設けた状態について、各温度でのバッチ式軟化を経た後に計測された破断伸びの値をまとめる。また、銅被覆層を設けた状態において計測された電気抵抗値も合わせて示す。
Figure 2022157046000003
表2によると、芯線単独の状態で、熱処理を経て得られる破断伸びが、SUS 304Hにおいて、SUS 304Lよりも大きくなっている。150℃から400℃で1時間の熱処理を行った際に、SUS 304Lでは破断伸びが2.0%以下に留まっているのに対し、SUS 304Hでは、破断伸びが2.2%以上となっている。そして、芯線の外周に銅被覆層を形成した状態でも、SUS 304Hの方が大きな伸びを示す傾向が引き継がれており、200℃から400℃で1時間の熱処理を行った際に、SUS 304Lでは破断伸びが1.9%以下に留まっているのに対し、SUS 304Hでは、全域で破断伸びが2.0%以上となっている。
このように、SUS 304Hの方が、SUS 304Lよりも、熱処理を経て大きな破断伸びを示すことが、SUS 304Hの方が広い引張強さの範囲で高い圧着強度を与えるという図4で見られた現象と関連していると推測される。なお、SUS 304HとSUS 304Lのいずれの材料を用いた場合にも、全熱処理条件において、得られる電線導体の電気抵抗値が660mΩ/m以下に抑えられることも、表2より確認される。
本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
なお、上記で説明したフラット電線の構成は、本開示の実施形態にかかる電線導体以外の任意の電線導体を用いる場合についても、適用することができる。例えば、Cu-Sn合金線等、従来用いられてきた銅合金線を用いる場合についても、導体断面積0.32mm未満の細径の電線導体を並列に並べることによって、電線導体の細径化とともに、強度向上の効果を得ることができる。つまり、複数の電線導体を含む絶縁電線において、電線導体を細径化した際に電線強度を確保することを課題として、以下のように絶縁電線を構成することができる。
導体断面積が0.32mm未満の単線の電線導体が、複数並列に並べられ、
前記電線導体のそれぞれの外周が、絶縁被覆によって被覆されて、被覆部が構成され、
前記被覆部の間が、前記被覆部の前記絶縁被覆と一体となった連結部によって連結されている、絶縁電線。
前記絶縁電線において、前記電線導体のうち、少なくとも1組の隣接する2本の間の距離が、0.2mm以上、1.2mm以下となっていることが好ましい。特に、前記距離が1.0mm以下になっていることが好ましい。その他、フラット電線に関する構成としては、上記で説明した形態を好適に適用することができる。
1 絶縁電線
2 フラット電線
10 電線導体
11 芯線
12 銅被覆層
20 絶縁被覆
25 連結部
30 被覆部
d 電線導体の間の距離

Claims (10)

  1. 導体断面積が0.13mm未満であり、
    電気抵抗が660mΩ/m以下であり、
    引張強さが950MPa以上であり、
    破断伸びが1.5%以上であり、
    単線の状態で使用される、電線導体。
  2. 引張強さが1300MPa以下である、請求項1に記載の電線導体。
  3. ステンレス鋼より構成される単線の芯線と、
    銅または銅合金より構成され、前記芯線の外周を被覆する銅被覆層と、を有する、請求項1または請求項2に記載の電線導体。
  4. 前記電線導体の断面において、
    前記芯線の硬度は、650Hv以上、750Hv以下であり、
    前記銅被覆層の硬度は、80Hv以上、120Hv以下である、請求項3に記載の電線導体。
  5. 前記芯線の引張強さは、2400MPa以上、2800MPa以下である、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の電線導体。
  6. 前記芯線を構成するステンレス鋼は、150℃以上400℃以下の温度で1時間の熱処理を行った際の破断伸びが、1.7%以上である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電線導体。
  7. 前記芯線を構成するステンレス鋼は、SUS 304Hである、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の電線導体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電線導体と、
    前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する、絶縁電線。
  9. 前記電線導体が、複数並列に並べられ、
    前記電線導体のそれぞれの外周が、前記絶縁被覆によって被覆されて、被覆部が構成され、
    前記被覆部の間が、前記被覆部の前記絶縁被覆と一体となった連結部によって連結されている、請求項8に記載の絶縁電線。
  10. 前記電線導体のうち、少なくとも1組の隣接する2本の間の距離が、0.2mm以上、1.2mm以下となっている、請求項9に記載の絶縁電線。
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