JP2022151330A - 通信用電線、端子付き電線及びワイヤハーネス - Google Patents

通信用電線、端子付き電線及びワイヤハーネス Download PDF

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Hajime Kasahara
卓十 和田
Takuto Wada
徹也 平岩
Tetsuya Hiraiwa
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Abstract

【課題】通信用電線において接触不良を抑える。【解決手段】通信用電線1Aは、単線又は撚線で構成された導体と、絶縁性を有し導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する2本の絶縁電線が対撚りされている対撚り線2と、対撚り線2の外周を覆うシース12Aと、を備え、シース12Aの外周面において少なくとも保持される部分に凹凸を有する粗面121が形成されている。粗面121には、通信用電線1Aを保持する電線取付部材が圧着される。【選択図】図2

Description

本発明は、通信用電線、端子付き電線及びワイヤハーネスに関する。
電線を保持する発明として、例えば特許文献1に開示された電線付き電線取付部材がある。特許文献1に開示されている電線取付部材は、第1保持部と第2保持部を備えている。電線は、芯線を2本対で撚り合わせた撚り対線を絶縁被覆で被覆したものであり、第1保持部と第2保持部で保持される。また、芯線は、絶縁層が除去されて端子に接続される。第1保持部と第2保持部の間には、第1保持部と第2保持部とを連結する連結部がある。電線を引っ張る力が電線に作用した場合、連結部と共に電線も曲げられる。電線において連結部と共に曲げられた部分では、芯線と絶縁被覆との間の摩擦力が大きくなるため、芯線に対して絶縁被覆が滑りにくくなり、電線が保持される。
特開2018-78066号公報
特許文献1に開示された電線付き電線取付部材においては、電線を引っ張る力が電線に作用した場合、第1保持部及び第2保持部に対して絶縁被覆が滑ることも考えられる。第1保持部及び第2保持部に対して絶縁被覆が滑った場合、芯線に過大な力がかかり、芯線に接続された端子が接触不良を起こす虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通信用電線において接触不良を抑えることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る通信用電線は、単線又は撚線で構成された導体と、絶縁性を有し前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する電線が対撚りされている対撚り線と、前記対撚り線の外周を覆うシースと、を備え、前記シースの外周面において少なくとも保持される部分に粗面が形成されている。
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記粗面は、複数の突起、前記シースの周方向に沿った複数の凸部、前記シースの軸方向に沿った複数の凸部、螺旋状の凸部、格子状の凸部のいずれかを備えるであってもよい。
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記シースの内面より内側においては、前記絶縁被覆の外側に空隙があり、径方向の断面において、前記シースの内面より内側の断面積に対する前記空隙の割合が8%以上30%以下である構成であってもよい。
本発明の一態様に係る通信用電線においては、前記対撚り線と前記シースとの間に遮蔽層を有する構成であってもよい。
本発明の一態様に係る取付部材付き電線は、上記のいずれか一つの通信用電線と、前記通信用電線に圧着される端子と、を備える。
本発明の一態様に係るワイヤハーネスは、上記の取付部材付き電線を含み、自動車に配索されるワイヤハーネスである。
本発明によれば、通信用電線及びワイヤハーネスにて接触不良を抑えることができる。
図1は、パイプ型のシースを備える通信用電線の断面図である。 図2は、通信用電線の端部を示す図である。 図3は、粗面の構成の一例を示す図である。 図4は、粗面の構成の一例を示す図である 図5は、粗面の構成の一例を示す図である 図6は、粗面の構成の一例を示す図である 図7は、粗面の構成の一例を示す図である 図8は、充実型のシースを備える通信用電線の断面図である。 図9は、対撚り線の撚り方を示す図である。 図10は、通信用電線に取り付けられた電線取付部材を示す図である 図11は、引張試験の構成を示す図である。 図12は、変形例に係る通信用電線の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る通信用電線1Aの断面図である。通信用電線1Aは、100Ω±10Ωの範囲の特性インピーダンスを有している。通信用電線1Aは、例えば自動車に配索され、配索された自動車においてイーサネット(登録商標)の規格に従った通信に用いられる。
通信用電線1Aは、絶縁電線11A、絶縁電線11B、及びシース12Aで構成されている。絶縁電線11Aと絶縁電線11Bは、対撚りされて対撚り線2を構成し、対撚り線2は、シース12Aで被覆されている。
(シース)
シース12Aは、対撚り線2の保護や対撚り線2の対撚りの安定化、対撚り線2と周囲環境との距離の確保に寄与するものである。シース12Aは、ポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されているのが好ましい。本実施形態では、シース12Aは、ポリオレフィン系樹脂をベースとし、難燃剤や酸化防止材を添加したハロゲンフリー材で形成されている。シース12Aの形状は、中空のパイプ型である。中空のシース12Aの内面より内側においては、通信用電線1Aの径方向に沿った断面において、シース12Aの内面より内側の面積に対して絶縁電線11A、11Bを除く空間が占める割合を空隙率と称し、空隙率を8%以上且つ30%以下とするのが好ましい。
シース12Aの硬さについては、柔らかすぎると摩耗や変形などの問題が発生する虞があり、硬すぎると温度が上昇したときに対撚り線2が開かなくなるため、望ましい硬度の範囲がある。本実施例では、シース12Aは、JIS K 6253-3に従ってタイプDのデュロメータで測定したときに硬度がD25~D70の範囲内であるのが好ましく、D40~D60の範囲内であるのがより好ましい。
図2は、通信用電線1Aの端部を示す図である。シース12Aの表面は、少なくとも後述する電線取付部材3で保持される部分がサンドブラストで加工されてシース12Aの周方向の全体に粗面121が形成されている。この粗面121においては、算術平均粗さが1μm~20μmの範囲であるのが好ましい。なお、図2においては、粗面121はシース12Aの端部に形成されているが、粗面121が形成される位置は、シース12Aの端部に限定されるものではなく、端部以外の位置であってもよい。また、粗面121の面積は、電線取付部材3が接触する部分より広い面積であればよい。また、粗面121を形成する方法は、サンドブラストに限定されるものではない。
図3は、粗面121に替えてシース12Aの表面に形成される粗面の一例である粗面121Aの構成を示す図である。図3(a)は、粗面121Aについて、シース12Aの径方向に沿った断面の一部を拡大した図であり、図3(b)は、粗面121Aの表面の一部を拡大した図である。例えば、シース12Aを押出成形する押出成形装置において、シース12Aが押し出される口金の径方向に凹凸を設け、図3に示すように、シース12Aの軸方向に沿った山型の凸部131Aと谷型の凹部132Aを形成し、複数の凸部131A及び凹部132Aで粗面121Aを形成してもよい。この場合、粗面121Aは、シース12Aの一部ではなく、シース12Aの軸方向にわたって形成される。凸部131Aの頂点の周方向の間隔L1は、0.1mm~0.5mmの範囲内であるのが好ましい。凸部131Aの高さH1は、シース12Aの中心から凹部132Aの底までの距離とシース12Aの中心から凸部131Aの頂点までの距離との差であり、5μm~80μmの範囲内であるのが好ましい。シース12Aの内周面から凹部132Aの底までの距離は、0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。なお、押出成形装置において径方向に凹凸を備えていない口金でシース12Aを形成した後、例えばローラーダイスによってシース12Aを塑性加工することにより凸部131Aを形成してもよい。
また、図4は、粗面121に替えてシース12Aの表面に形成される粗面の一例である粗面121Bの構成を示す図である。図4(a)は、粗面121Bについて、シース12Aの径方向に沿った断面の一部を拡大した図であり、図4(b)は、粗面121Bの表面の一部を拡大した図である。例えば、押出成形装置において径方向に凹凸を備えていない口金でシース12Aを形成した後、ローラーダイスによってシース12Aを塑性加工することにより、シース12Aの軸方向へ螺旋状に山型の凸部131Bと谷型の凹部132Bを形成し、複数の凸部131B及び凹部132Bで粗面121Bを形成してもよい。
図5は、粗面121に替えてシース12Aの表面に形成される粗面の一例である粗面121Cの構成を示す図である。図5(a)は、粗面121Cについて、シース12Aの軸方向に沿った断面の一部を拡大した図であり、図5(b)は、粗面121Cの表面の一部を拡大した図である。例えば、押出成形装置において径方向に凹凸を備えていない口金でシース12Aを形成した後、ローラーダイスによってシース12Aを塑性加工することにより、図5に示すように、シース12Aの周方向に沿った山型の凸部131Cと谷型の凹部132Cを形成し、複数の凸部131C及び凹部132Cで粗面121Cを形成してもよい。なお、凸部131Cの頂点の軸方向の間隔L2は、0.1mm~0.5mmの範囲内であるのが好ましい。凸部131Cの高さH2は、シース12Aの中心から凹部132Cの底までの距離とシース12Aの中心から凸部131Cの頂点までの距離との差であり、5μm~80μmの範囲内であるのが好ましい。シース12Aの内周面から凹部132Cの底までの距離は、0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。
図6は、粗面121に替えてシース12Aの表面に形成される粗面の一例である粗面121Dの構成を示す図である。図6(a)は、粗面121Dについて、シース12Aの周方向に沿った断面の一部を拡大した図であり、図6(b)は、粗面121Dの表面の一部を拡大した図である。例えば、押出成形装置において径方向に凹凸を備えていない口金でシース12Aを形成した後、シース12Aを塑性加工することにより、図6に示すように、柱状の凸部131Dと、凸部131Dより凹んでいる凹部132Dを形成し、凹部132Dと複数の凸部131Dで粗面121Dを形成してもよい。例えば、凸部131Dの外径は、0.1mm~0.9mmの範囲内であり、隣り合う凸部131D同士の間隔L3は、0.1mm~0.9mmの範囲内であり、且つ、凸部131Dの外径と間隔L3との和が0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。凸部131Dの高さH3は、シース12Aの中心から凹部132Dの底までの距離とシース12Aの中心から凸部131Dの頂点までの距離との差であり、凸部131Dの高さH3は、5μm~80μmの範囲内であるのが好ましい。また、シース12Aの内周面から凹部132Dの底までの距離は、0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。
図7は、粗面121に替えてシース12Aの表面に形成される粗面の一例である粗面121Eの構成を示す図である。図7(a)は、粗面121Eについて、シース12Aの周方向に沿った断面の一部を拡大した図であり、図7(b)は、粗面121Eの表面の一部を拡大した図である。例えば、押出成形装置において径方向に凹凸を備えていない口金でシース12Aを形成した後、シース12Aを塑性加工することにより、図7に示すように、矩形の凹部132Eと格子状の凸部131Eを形成し、凸部131E及び凹部132Eで粗面121Eを形成してもよい。例えば、凸部131Eの周方向の幅及び軸方向の幅は、0.1mm~0.9mmの範囲内であり、凹部132Eの幅L4は、0.1mm~0.9mmの範囲内であり、且つ、凸部131Eの幅と幅L4との和が0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。凸部131Eの高さH4は、シース12Aの中心から凹部132Eの底までの距離とシース12Aの中心から凸部131Eの頂点までの距離との差であり、5μm~80μmの範囲内であるのが好ましい。また、シース12Aの内周面から凹部132Eの底までの距離は、0.3mm~1.0mmの範囲内であるのが好ましい。
なお、対撚り線2を保護するシースは、図1に示すパイプ型のシース12Aに替えて、中空ではない充実型のシースとしてもよい。図8は、充実型のシース12Bを備える通信用電線1Bの断面図である。また、対撚り線2とシース12A、12Bとの間にテープ等の介在やシールドがあってもよい。シースを充実型のシース12Bとする場合、シース12Bの硬度は、JIS K 6253-3に従ってタイプDのデュロメータで測定したときにD30~D40の範囲内であるのが好ましい。
(絶縁電線)
絶縁電線11Aは、導体111と絶縁被覆112で構成されている。導体111は、S撚りされた7本の素線1111を圧縮して形成された圧縮導体を焼鈍したものである。導体111は、撚線の一例である。この圧縮導体に対して行う焼鈍については、圧縮導体の引張り強さが600MPa~1200MPaの範囲内であり、破断伸びが1%以上、且つ7%未満となるように、加熱の温度、加熱時間、加熱後の温度保持時間、冷却時間を設定して焼鈍を行うのが好ましい。本実施例では、焼鈍を行った導体111の引張り強さは800MPaであり、破断伸びは2.5%である。導体111の径方向の断面積は、特性インピーダンスを100Ω±10Ωとするために、0.05mm(0.05sq)以上、且つ0.35mm(0.35sq)以下とするのが好ましい。また、自動車に配索したときの軽量化や細径化の観点から、導体111の径方向の断面積を0.22mm(0.22sq)未満とするのが好ましく、0.13mm(0.13sq)とするのがより好ましい。なお、撚線である導体111を構成する素線1111の本数は、7本に限定されるものではなく、他の本数であってもよい。また、導体111は、撚られたものではなく単線であってもよい。
素線1111は、錫の濃度が0.7質量%の銅合金で形成されている。なお、素線1111における錫の濃度は、0.4質量%以上、且つ0.8%以下が望ましく、より好ましくは、0.6質量%以上、且つ0.8質量%以下であるのが望ましい。また、素線1111は、銀の濃度が1質量%以上、且つ4質量%以下の銅合金であってもよい。なお、絶縁電線11Bは、絶縁電線11Aと同じ構成であるため、その説明を省略する。
絶縁被覆112は、誘電率が低い樹脂であるのが好ましく、例えば、PE(ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル)又はPP(ポリプロピレン)等のポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されている。本実施例では、絶縁被覆112は、PPをベースとし、難燃剤や酸化防止材を添加したハロゲンフリー材で形成されている。絶縁被覆112の厚さは、通信用電線1Aの特性インピーダンスが100Ω±10Ωとなるように形成される。
絶縁被覆112の硬さについては、通信用電線1A、1Bが自動車に配索されて温度が上昇したときに塑性変形を起こさない程度の硬さであるのが好ましく、例えば、パイプ型のシース12Aを備える通信用電線1Aにおいては、絶縁被覆112の硬さは、シース12Aと同等であるのが好ましい。充実型のシース12Bを備える通信用電線1Bにおいては、絶縁被覆112の硬さは、シース12Bと同等であるのが好ましい。
(対撚り線)
図9は、対撚り線2の撚り方を示す図である。対撚り線2は、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bをダブルツイストバンチャー型の撚線機で対撚りした撚線である。本実施例では、対撚り線2は、ピッチが20mmであり、Z撚りで撚られている。
ところで、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせる場合、単に撚り合わせると絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれが捻じれた状態で撚り合わされてしまい、この捻じれが撚りを解く力が働くため、対撚り線2がばらけやすくなる。
したがって本実施例では、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bとを撚り合わせながら、その撚り合わせの回転方向とは逆の回転方向(すなわち、撚り合わせによる絶縁電線11Aの捻じれと絶縁電線11Bの捻じれを緩和する回転方向)に、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bのそれぞれをひねって回転させるという、いわゆる撚り返しを施して、捻じれを防止している。
ここで、撚り合わせの回転角Xと撚り返しの回転角Yとの比Y/Xを、撚り返し率と称する。すなわち絶縁電線11Aと絶縁電線11Bに撚り返しが全く施されておらず、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bが捩じれたままの状態では、撚り返し率の値は0%であり、撚り返しが施され、絶縁電線11A自体の捻じれと絶縁電線11B自体の捩じれが全くない状態では撚り返し率の値は100%である。本実施例では、対撚り線2の撚り返し率は、100%としている。撚り返し率を100%とすることにより、絶縁電線11Aと絶縁電線11Bがばらけにくくなっている。
図10は、通信用電線1Aに取り付けられた電線取付部材3を示す図である。電線取付部材3は、バレル部31と被係止部32を備えている。バレル部31は、第1バレル片31Aと第2バレル片31Bを有し、第1バレル片31Aと第2バレル片31Bは、通信用電線1Aに圧着されることによりシース12Aの粗面121に接触して通信用電線1Aを保持する。被係止部32は、バレル部31に連なって形成されており、板状に延びる板状部32Aを有する。被係止部32の板状部32Aが他の部材に係ることにより、バレル部31で保持された通信用電線1Aは、軸方向への移動が抑えられる。また、バレル部31は、粗面121に接してシース12Aとの間で摩擦力が大きくなるため、通信用電線1Aが軸方向に引っ張られたときにシース12Aがバレル部31に対して滑るのを抑えることができる。
(評価)
前述した通信用電線1Aのシース12Aの粗面の部分に電線取付部材3を圧着し、その状態で電線取付部材3の強度を評価するための引張試験を行った。この評価に際しては、電線取付部材3が圧着される通信用電線1Aについて、外径、シース12Aの厚み、シース12Aに形成される粗面の構成等を変えて実施例A1、A2、B1、B2を作成し、比較のため比較例C1、C2、D1、D2を作成した。なお、説明の便宜上、以下の説明においては、粗面121の構成をタイプAと称し、粗面121Aの構成をタイプBと称する。
実施例A1、A2及び比較例C1、C2に係る通信用電線1Aは、導体111の径方向の断面積を0.13sqとし、絶縁電線11A、11Bの外径を0.85mmとし、シース12Aの硬度をD47とした。また、実施例A1、A2に係る通信用電線1Aは、シース12Aの径方向の厚さを0.4mmとし、シース12Aの外径を2.5mmとした。
実施例B1、B2及び比較例D1、D2に係る通信用電線1Aは、導体111の径方向の断面積を0.13sqとし、絶縁電線11A、11Bの外径を0.85mmとし、シース12Aの硬度をD47とした。また、実施例B1、B2に係る通信用電線1Aは、シース12Aの径方向の厚さを0.75mmとし、シース12Aの外径を3.2mmとした。
実施例A1と実施例B1は、表面に形成される粗面の構成をタイプAとし、実施例A2、実施例B2、比較例C2及び比較例D2は、表面に形成される粗面の構成をタイプBとし、比較例C1と比較例D1は、シース12Aの表面に粗面を形成しない構成とした。また、比較例C1と比較例D1においては、粗面が形成されていないシース12Aの表面は、算術平均粗さを0.8μmとした。タイプAの粗面は、算術平均粗さを5μmとした。実施例A2と実施例B2に形成されるタイプBの粗面については、凸部131Aの外径を0.25mmとし、凸部131Aの頂点の周方向の間隔L1を0.25mmとし、凸部131Aの高さH1を30μmとした。比較例C2と比較例D2に形成されるタイプBの粗面については、凸部131Aの外径を0.92mmとし、凸部131Aの頂点の周方向の間隔L1を0.08mmとし、凸部131Aの高さH1を0.2mmとした。
図11は、引張試験の構成を示す図である。引張試験は、実施例A1、A2、実施例B1、B2、比較例C1、C2及び比較例D1、D2の一端側に対し、図11に示すように、電線取付部材3を圧着して行う。なお、電線取付部材3は、錫メッキの銅合金で形成されており、板厚が0.25mmであり、バレル部31の長さが9mmである。電線取付部材3は、バレル部31の端面から各実施例及び各比較例の端までの距離が0.5mmとなるように各実施例及び各比較例に圧着した。
引張試験に際しては、電線取付部材3が取り付けられていない側を引張試験機MTのチャックCKで把持して引っ張ったときに電線取付部材3が丸穴の治具JIGにかかるようにした。この治具JIGは、板に丸穴をあけたものであり、穴径が、通信用電線1Aを通すが電線取付部材3はひっかかるように形成してある。このため、実施例A1、A2と比較例C1、C2の引張試験を行うときには、シース12Aの外径が2.5mmであるため、穴径が2.7mmの治具JIGを使用し、実施例B1、B2と比較例D1、D2の引張試験を行うときには、シース12Aの外径が3.2mmであるため、穴径が3.4mmの治具JIGを使用した。治具JIGに電線取付部材3が引っ掛かった状態で引き抜き速度を50mm/minとして引張試験を行い、通信用電線1Aが電線取付部材3から引きぬけるときの最大の力を引張強度とした。
実施例A1、A2及び比較例C1、C2の引張試験の結果を表1に示し、実施例B1、B2及び比較例D1、D2の引張試験の結果を表2に示す。
Figure 2022151330000002
Figure 2022151330000003
表1に示すように、粗面の部分に電線取付部材3が圧着された実施例A1、A2及び実施例B1、B2は、粗面を備えていない比較例C1及び比較例D1より引張強さが強いため、引っ張る力が通信用電線1Aに作用した場合、シース12Aが電線取付部材3から外れるのを抑え、絶縁電線11A、11Bが電線取付部材3に対して接触不良となるのを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、対撚り線2とシース12Aとの間に空隙があることにより、電線取付部材3が圧着されるときにシース12Aが変形し、電線取付部材3とシース12Aとが密着するため、シース12Aが電線取付部材3に対してずれるのを抑えることができる。なお、シース12Aに形成する粗面の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、シース12Aの表面を加工しない場合と比較して、引張強さが強くなるように凹凸がある構成であればよい。
また、本実施形態によれば、シース12Aの全体に粗面121A、121Bを形成した場合、これらの粗面が備える凹凸によって粗面を備えていない構成より表面積が増えて冷却の効果が大きくなるため、押出成形後にシース12Aを冷却する際に冷却時間が短くなり、絶縁電線11A、11Bの絶縁被覆112の変形を抑えることができる。
(ワイヤハーネス)
絶縁電線11Aの導体111と、絶縁電線11Bの導体111のそれぞれに圧着端子を接合させることにより端子付き電線が形成される。また、端子付き電線の端子が図示しないコネクタハウジングに挿入されて端子付き電線が形成されることもある。また、圧着端子と通信用電線1Aとを備える端子付き電線を他の電線と束ねてコネクタに挿入することにより、ワイヤハーネスが形成される。このワイヤハーネスは、例えば自動車に配索される。なお、通信用電線1Aに圧着される端子は、バレル型の端子であってもよく、バレル部分を粗面121の部分に圧着させてもよい。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
図12は通信用電線の変形例を示す図である。図12に示す通信用電線1Cは、通信用電線1Bと比較すると、絶縁被覆112に替えて絶縁被覆112Aを備えている点で相違している。絶縁被覆112Aは、ポリオレフィン系樹脂をベース材とした樹脂で形成されている。絶縁被覆112Aは、絶縁被覆112がパイプ型であるのに対して充実型である点で相違している。なお、通信用電線1Cは、充実型のシース12Bを備えているが、シース12Bに替えてパイプ型のシース12Aを備える構成であってもよい。
上述した実施形態においては、通信用電線1Aの外径に対する粗面の凸部の高さの割合を制限するようにしてもよく、例えば、上述した粗面における凸部の高さを通信用電線1Aの外径の1%~20%の範囲内としてもよい。
シース12Aにおいては、シース12Aの表面を加工しない場合と比較して、引張強さが強くなるのであれば、周方向の全体ではなく、周方向の一部に粗面が形成されている構成であってもよい。
シース12Aにおいては、シース12Aの表面を加工しない場合と比較して、引張強さが強くなるのであれば、シース12Aの周方向に所定の間隔を開けて粗面が形成されている構成であってもよい。
1A、1B、1C 通信用電線
2 対撚り線
3 電線取付部材
11A、11B 絶縁電線
12A、12B シース
32 被係止部
32A 板状部
111 導体
112、112A 絶縁被覆
1111 素線
CK チャック
JIG 治具
MT 引張試験機

Claims (6)

  1. 単線又は撚線で構成された導体と、絶縁性を有し前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する電線が対撚りされている対撚り線と、
    前記対撚り線の外周を覆うシースと、
    を備え、
    前記シースの外周面において少なくとも保持される部分に粗面が形成されている
    通信用電線。
  2. 前記粗面は、複数の突起、前記シースの周方向に沿った複数の凸部、前記シースの軸方向に沿った複数の凸部、螺旋状の凸部又は格子状の凸部のいずれかを備える
    請求項1に記載の通信用電線。
  3. 前記シースの内面より内側においては、前記絶縁被覆の外側に空隙があり、
    径方向の断面において、前記シースの内面より内側の断面積に対する前記空隙の割合が8%以上30%以下である
    請求項1又は請求項2に記載の通信用電線。
  4. 前記対撚り線と前記シースとの間に遮蔽層を有する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信用電線。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の通信用電線と、前記電線に圧着される端子と、を備える端子付き電線。
  6. 請求項5に記載の端子付き電線を含み、自動車に配索される
    ワイヤハーネス。
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