JP2022157044A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硝化反応の際の酸化還元電位を容易に高めることのできる排水処理装置。【解決手段】被処理水の硝化反応を行う硝化槽、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒槽を備える排水処理装置であって、該硝化槽が、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部を備え、該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理装置。【選択図】図1
Description
本開示は、生活排水、産業排水、下水又はこれらの混合排水など有機排水を処理する排水処理装置及び排水処理方法に関する。
従来、生活排水など有機排水の処理には微生物を用いた生物処理が広く採用されている。
様々な生物処理の方法のうちの一つとして、硝化脱窒方法が挙げられる。硝化脱窒方法では、排水に含まれるアンモニア態窒素を酸化して硝酸態窒素にする硝化反応、及び硝酸態窒素を還元して窒素ガスN2とする脱窒反応により排水から窒素を除去する。硝化反応には好気性細菌を用い、脱窒反応には嫌気性細菌を用いる。
脱窒性能の向上のため、硝化脱窒方法には様々な取り組みがなされている。例えば、特許文献1では、脱窒槽中の硝酸態窒素を含む被処理液に無酸素ガスを供給する脱窒装置が提案されている。
様々な生物処理の方法のうちの一つとして、硝化脱窒方法が挙げられる。硝化脱窒方法では、排水に含まれるアンモニア態窒素を酸化して硝酸態窒素にする硝化反応、及び硝酸態窒素を還元して窒素ガスN2とする脱窒反応により排水から窒素を除去する。硝化反応には好気性細菌を用い、脱窒反応には嫌気性細菌を用いる。
脱窒性能の向上のため、硝化脱窒方法には様々な取り組みがなされている。例えば、特許文献1では、脱窒槽中の硝酸態窒素を含む被処理液に無酸素ガスを供給する脱窒装置が提案されている。
脱窒反応を良好に進めるためには、酸化還元電位(ORP)の低い環境が必要であり、そのためには、汚泥濃度(Mixed Liquor Suspended Solids:MLSS)を高めることが有利である。しかし、硝化反応においてはORPの高い環境が必要であり、そのためにはMLSSを低く維持する、又は曝気強度を上げるなどして酸素を多く供給することが有利である。
本発明者らは、高いMLSSを維持させつつ酸素供給量を高めて硝化反応を行うことで、その後の脱窒反応を良好に進行させることを試みた。しかし、高濃度のMLSS条件下では計算上必要な空気量の倍以上の条件で曝気を行ってもORPが十分に上がらない場合があることがわかった。
本開示は、硝化反応の際の酸化還元電位を容易に高めることのできる排水処理装置及び排水処理方法を提供する。
本発明者らは、高いMLSSを維持させつつ酸素供給量を高めて硝化反応を行うことで、その後の脱窒反応を良好に進行させることを試みた。しかし、高濃度のMLSS条件下では計算上必要な空気量の倍以上の条件で曝気を行ってもORPが十分に上がらない場合があることがわかった。
本開示は、硝化反応の際の酸化還元電位を容易に高めることのできる排水処理装置及び排水処理方法を提供する。
[1] 被処理水の硝化反応を行う硝化槽、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒槽を備える排水処理装置であって、
該硝化槽が、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部を備え、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理装置。
[2] 前記ファインバブルの個数平均径が、1000nm未満である[1]に記載の排水処理装置。
[3] 前記排水処理装置が、前記硝化槽の上流に、前記硝化反応を行う前の前記被処理水の脱窒反応を行う前処理槽を備える[1]又は[2]に記載の排水処理装置。
[4] 前記排水処理装置が、前記脱窒槽の下流に、前記脱窒反応が行われた処理水を処理する膜分離活性汚泥処理槽を備える[1]~[3]のいずれかに記載の排水処理装置。
[5] 前記硝化槽が、前記硝化槽中の前記被処理水を曝気処理する曝気装置をさらに備える[1]~[4]のいずれかに記載の排水処理装置。
[6] 前記硝化槽における前記被処理水のMLSSが、5000mg/L~30000mg/Lである[1]~[5]のいずれかに記載の排水処理装置。
[7] 前記硝化槽における前記被処理水への前記ファインバブルの供給量が、被処理水に対し1分間あたり、0.50体積%以上10.00体積%以下である[1]~[6]のいずれかに記載の排水処理装置。
[8] 被処理水の硝化反応を行う硝化工程、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒工程を有する排水処理方法であって、
該硝化工程において、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給し、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理方法。
該硝化槽が、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部を備え、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理装置。
[2] 前記ファインバブルの個数平均径が、1000nm未満である[1]に記載の排水処理装置。
[3] 前記排水処理装置が、前記硝化槽の上流に、前記硝化反応を行う前の前記被処理水の脱窒反応を行う前処理槽を備える[1]又は[2]に記載の排水処理装置。
[4] 前記排水処理装置が、前記脱窒槽の下流に、前記脱窒反応が行われた処理水を処理する膜分離活性汚泥処理槽を備える[1]~[3]のいずれかに記載の排水処理装置。
[5] 前記硝化槽が、前記硝化槽中の前記被処理水を曝気処理する曝気装置をさらに備える[1]~[4]のいずれかに記載の排水処理装置。
[6] 前記硝化槽における前記被処理水のMLSSが、5000mg/L~30000mg/Lである[1]~[5]のいずれかに記載の排水処理装置。
[7] 前記硝化槽における前記被処理水への前記ファインバブルの供給量が、被処理水に対し1分間あたり、0.50体積%以上10.00体積%以下である[1]~[6]のいずれかに記載の排水処理装置。
[8] 被処理水の硝化反応を行う硝化工程、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒工程を有する排水処理方法であって、
該硝化工程において、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給し、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理方法。
本開示により、硝化反応の際の酸化還元電位を容易に高めることのできる排水処理装置及び排水処理方法を提供できる。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
以下、排水処理装置及び排水処理方法を、図面を参照して説明する。
図1は、排水処理装置の概略構成図である。
図1に示す排水処理装置100は、被処理水の硝化反応を行う硝化槽1及び硝化反応が行われた被処理水の脱窒反応を行う脱窒槽2を備える。図中の各槽をつなぐ矢印は、水(被処理水、処理水)の流れを示している。硝化槽1には、被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部3が備えられている。被処理水が硝化槽1に送水され、ファインバブル供給部3から、個数平均径100μm未満のファインバブルが被処理水に供給される。
図1は、排水処理装置の概略構成図である。
図1に示す排水処理装置100は、被処理水の硝化反応を行う硝化槽1及び硝化反応が行われた被処理水の脱窒反応を行う脱窒槽2を備える。図中の各槽をつなぐ矢印は、水(被処理水、処理水)の流れを示している。硝化槽1には、被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部3が備えられている。被処理水が硝化槽1に送水され、ファインバブル供給部3から、個数平均径100μm未満のファインバブルが被処理水に供給される。
また、排水処理方法は、被処理水の硝化反応を行う硝化工程、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒工程を有し、硝化工程において、被処理水に酸素を含む個数平均径100μm未満のファインバブルを供給する。
上述の通り、後に続く脱窒反応を良好に進めるために、高いMLSSを維持させつつ酸素供給量を高めて硝化反応を行うことを試みたが、高MLSS環境では、通常の2倍量で曝気を行ってもORPを十分に向上させることはできなかった。
そこで、本発明者らは、個数平均径100μm未満のファインバブルを被処理水に供給したところ、高いMLSSを維持させつつORPを十分に向上させることができることを見出した。
そこで、本発明者らは、個数平均径100μm未満のファインバブルを被処理水に供給したところ、高いMLSSを維持させつつORPを十分に向上させることができることを見出した。
個数平均径100μm未満のファインバブルは、酸素溶解効率が極めて高いため、高いMLSSを維持させつつORPを向上させられると、本発明者らは考えている。
ファインバブルの個数平均径は、1000nm未満であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、300nm以下であることがさらにより好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは30nm以上であり、さらに好ましくは80nm以上であさらにより好ましくは100nm以上である。
ファインバブルの個数平均径の測定は、Malvern Panalytical社製の「NanoSight」を用いた粒子解析により行う。
ファインバブルの個数平均径は、1000nm未満であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、300nm以下であることがさらにより好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは30nm以上であり、さらに好ましくは80nm以上であさらにより好ましくは100nm以上である。
ファインバブルの個数平均径の測定は、Malvern Panalytical社製の「NanoSight」を用いた粒子解析により行う。
具体的な測定手順は以下の通り。
測定装置はNanoSight LM10V-HS(Malvern社製)を使用し、CMOSカメラにて撮影した画像により解析を行う。照射光は紫色レーザー(405nm,<60mW)とし、解析ソフトはNTA3.2を使用する。まず、シリンジを用いてサンプルをモジュルセルに注入する。レーザー照射し、散乱光を観察し画像化する。得られた画像に対しNTA解析を行い、粒度分布図を作成し、個数平均径を算出する。
なお、標準粒子は、ポリスチレンラテックス粒子 100nm (Thermoscientific社)を使用し。測定はn=5で実施する。
測定装置はNanoSight LM10V-HS(Malvern社製)を使用し、CMOSカメラにて撮影した画像により解析を行う。照射光は紫色レーザー(405nm,<60mW)とし、解析ソフトはNTA3.2を使用する。まず、シリンジを用いてサンプルをモジュルセルに注入する。レーザー照射し、散乱光を観察し画像化する。得られた画像に対しNTA解析を行い、粒度分布図を作成し、個数平均径を算出する。
なお、標準粒子は、ポリスチレンラテックス粒子 100nm (Thermoscientific社)を使用し。測定はn=5で実施する。
ファインバブルは酸素を含んでいればよく、その組成は制限されない。好ましくは、空気、酸素及びこれらの混合ガスが挙げられる。
ファインバブル供給部3は、酸素を含む個数平均径100μm未満のファインバブルを形成可能であれば特に制限されず、公知のファインバブル発生装置を用いることができる。例えば、旋回流式、エジェクター式、細孔式、回転式、超音波式などのファインバブル発生装置が挙げられる。
旋回流式のファインバブル発生装置では、水と気体を貯留室へ注入し混合することで、水及び気体が貯留室内で渦流し、キャビテーション効果によりファインバブルが生成される。旋回流式の微細気泡発生装置として、例えば、特許文献2に記載の装置が挙げられる。
ファインバブル供給部3は、酸素を含む個数平均径100μm未満のファインバブルを形成可能であれば特に制限されず、公知のファインバブル発生装置を用いることができる。例えば、旋回流式、エジェクター式、細孔式、回転式、超音波式などのファインバブル発生装置が挙げられる。
旋回流式のファインバブル発生装置では、水と気体を貯留室へ注入し混合することで、水及び気体が貯留室内で渦流し、キャビテーション効果によりファインバブルが生成される。旋回流式の微細気泡発生装置として、例えば、特許文献2に記載の装置が挙げられる。
硝化槽3における被処理水へのファインバブルの供給量は、被処理水に対し1分間あたり、好ましくは0.50体積%以上であり、より好ましくは1.00体積%以上である。上限は特に制限されないが、被処理水に対し1分間あたり、好ましくは10.00体積%以下であり、より好ましくは7.50体積%以下であり、さらに好ましくは2.00体積%以下である。ファインバブルの供給量は、被処理水のMLSS及びORPに応じて適宜制御することが好ましい。
被処理水の硝化反応の時間は、特に制限されず、アンモニア濃度が下げ止まったことを目安として終了させればよい。
被処理水の硝化反応の時間は、特に制限されず、アンモニア濃度が下げ止まったことを目安として終了させればよい。
硝化槽1は、散気管11などから空気、酸素ガスなど酸素を含む気体を硝化槽1内に供給する曝気装置4を備えていてもよい。曝気装置4としては、ブロワーを用いたものなど公知のものを採用しうる。
曝気装置4により硝化槽1に供給する気体の個数平均径は、特に制限されず、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは1000μm以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは10cm以下であり、より好ましくは5cm以下である。
曝気装置4による、気体の供給量は、特に制限されず、公知の曝気装置による通常の供給量であればよい。気体の供給量は、一概には定められないが、槽内の攪拌状態、窒素汚濁負荷やMLSS濃度、滞留時間、水深及び散気管の態様(酸素溶解効率)を考慮し、適宜設定しうる。
また、硝化槽1は、必要に応じて、撹拌装置(不図示)などを備えていてもよい。
曝気装置4により硝化槽1に供給する気体の個数平均径は、特に制限されず、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは1000μm以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは10cm以下であり、より好ましくは5cm以下である。
曝気装置4による、気体の供給量は、特に制限されず、公知の曝気装置による通常の供給量であればよい。気体の供給量は、一概には定められないが、槽内の攪拌状態、窒素汚濁負荷やMLSS濃度、滞留時間、水深及び散気管の態様(酸素溶解効率)を考慮し、適宜設定しうる。
また、硝化槽1は、必要に応じて、撹拌装置(不図示)などを備えていてもよい。
硝化槽1における被処理水の汚泥濃度MLSSは、好ましくは5000mg/L~30000mg/Lであり、より好ましくは15000mg/L~25000mg/Lであり、さらに好ましくは18000mg/L~22000mg/Lである。
硝化槽1における被処理水の酸化還元電位(ORP)は、好ましくは-50mV~100mVであり、より好ましくは-10mV~60mVであり、さらに好ましくは0mV~50mVである。
本開示の排水処理装置では、ファインバブルの供給によりMLSS及びORPを上記範囲に制御しやすい。
硝化槽1における被処理水の酸化還元電位(ORP)は、好ましくは-50mV~100mVであり、より好ましくは-10mV~60mVであり、さらに好ましくは0mV~50mVである。
本開示の排水処理装置では、ファインバブルの供給によりMLSS及びORPを上記範囲に制御しやすい。
硝化槽1において硝化反応が行われた後、被処理水はポンプなどの送水手段(不図示)により脱窒槽2に送水される。脱窒槽2では、被処理水を嫌気性細菌の存在下で脱窒する。脱窒槽2の構成は特に制限されず、公知のものを採用しうる。脱窒槽2は撹拌装置などを備えていてもよい。被処理水の脱窒反応の時間は、特に制限されず、全窒素量などを目安として終了させればよい。
脱窒反応の終了後、処理水は排出され、必要に応じてさらなる処理を行うこともできる。
脱窒反応の終了後、処理水は排出され、必要に応じてさらなる処理を行うこともできる。
上記排水処理装置又は排水処理方法では、硝化反応において、高いMLSSを維持させつつORPを十分に向上させるため、高いORPが脱窒反応に不利に働くことも想定された。しかしながら、意外にも、被処理水が脱窒槽2に送水され、ファインバブルの供給が停止された途端に急激にORPが低下し、脱窒が開始されることがわかった。これは、硝化反応において汚泥濃度MLSSを高く維持できたことから、脱窒反応に有利な条件が形成されたためと考えられる。
また、ファインバブルは、その径の小ささにより水中での上昇速度が遅く被処理水中に残りやすい。そのため硝化反応においてファインバブルを用いることで、被処理水中に残ったファインバブルが脱窒の開始を遅らせることも懸念されたが、上記と同様、高いMLSSのために、脱窒はスムーズに開始されることがわかった。
加えて、ファインバブルによって汚泥解体が進むため、余剰汚泥の減容が可能となる。そのため、排水処理装置の系からの余剰汚泥の引き抜きの頻度を減らすことが可能となる。
さらに、脱窒のための水素供与体(メタノール等)の添加や、第二脱窒も不要とできることがわかった。これは、ファインバブルによってMLSSを高くできたために脱窒が安定して進み、嫌気性細菌による水素供与が活発に行われたためと考えている。
また、ファインバブルは、その径の小ささにより水中での上昇速度が遅く被処理水中に残りやすい。そのため硝化反応においてファインバブルを用いることで、被処理水中に残ったファインバブルが脱窒の開始を遅らせることも懸念されたが、上記と同様、高いMLSSのために、脱窒はスムーズに開始されることがわかった。
加えて、ファインバブルによって汚泥解体が進むため、余剰汚泥の減容が可能となる。そのため、排水処理装置の系からの余剰汚泥の引き抜きの頻度を減らすことが可能となる。
さらに、脱窒のための水素供与体(メタノール等)の添加や、第二脱窒も不要とできることがわかった。これは、ファインバブルによってMLSSを高くできたために脱窒が安定して進み、嫌気性細菌による水素供与が活発に行われたためと考えている。
図2は、本開示の他の態様の排水処理装置の概略構成図である。
図2において、排水処理装置100、硝化槽1、脱窒槽2、ファインバブル供給部3、曝気装置4、散気管11は、図1と同様である。
図2のように、排水処理装置100は、脱窒槽2の下流に、脱窒反応が行われた処理水を処理する膜分離活性汚泥処理槽6を備えることが好ましい。膜分離活性汚泥処理槽6の構成は特に制限されず、公知のものを採用しうる。膜分離活性汚泥処理槽6は、散気管11などから空気、酸素ガスなど酸素を含む気体を槽内に供給する曝気装置4を備えていてもよい。
図2において、排水処理装置100、硝化槽1、脱窒槽2、ファインバブル供給部3、曝気装置4、散気管11は、図1と同様である。
図2のように、排水処理装置100は、脱窒槽2の下流に、脱窒反応が行われた処理水を処理する膜分離活性汚泥処理槽6を備えることが好ましい。膜分離活性汚泥処理槽6の構成は特に制限されず、公知のものを採用しうる。膜分離活性汚泥処理槽6は、散気管11などから空気、酸素ガスなど酸素を含む気体を槽内に供給する曝気装置4を備えていてもよい。
通常、膜分離活性汚泥処理槽において、高いMLSSの排水は、吸引圧低下を招き、薬品洗浄(次亜塩素酸洗浄、アルカリ洗浄)の頻度を高めるため、膜分離活性汚泥処理には不利に働く。しかし、驚くべきことに、特定のファインバブルを用いた上記排水処理装置においては、高いMLSSを有する排水であっても膜の吸引圧が低下しにくく、長期間安定した運転が可能になることがわかった。被処理水にファインバブルを注入することで、汚泥の性状が改質されたと考えられる。
したがって、排水処理装置100が、脱窒槽2の下流に膜分離活性汚泥処理槽6を備えることで、効率的な有機物除去が可能となり、生物化学的酸素消費量BOD、化学的酸素要求量COD、全窒素量T-N及び全リン量T-Pが少なく、浮遊物質量SSのない処理水を得ることができる。
したがって、排水処理装置100が、脱窒槽2の下流に膜分離活性汚泥処理槽6を備えることで、効率的な有機物除去が可能となり、生物化学的酸素消費量BOD、化学的酸素要求量COD、全窒素量T-N及び全リン量T-Pが少なく、浮遊物質量SSのない処理水を得ることができる。
図2のように、排水処理装置は、硝化槽1の上流に、硝化反応を行う前の被処理水の脱窒反応を行う前処理槽5を備えることが好ましい。前処理槽5は、脱窒槽2と同様に、公知の脱窒槽の構成を採用しうる。前処理槽5により、あらかじめ被処理水に含有されている硝酸態窒素を脱窒させることができる。また、系内の汚泥の保有量を増やすことができる。
また、膜分離活性汚泥処理槽6において蓄積した汚泥を前処理槽5に返送する汚泥返送ラインCを設けてもよい。これにより、膜分離活性汚泥処理槽6で発生した硝酸態窒素を脱窒させることができる。前処理槽5を設けない場合は、汚泥返送ラインCにより脱窒槽2に汚泥を返送してもよい。
また、膜分離活性汚泥処理槽6において蓄積した汚泥を前処理槽5に返送する汚泥返送ラインCを設けてもよい。これにより、膜分離活性汚泥処理槽6で発生した硝酸態窒素を脱窒させることができる。前処理槽5を設けない場合は、汚泥返送ラインCにより脱窒槽2に汚泥を返送してもよい。
図3は、本開示の他の態様の排水処理装置の概略構成図である。
図3において、排水処理装置100、硝化槽1、脱窒槽2、ファインバブル供給部3、曝気装置4、散気管11は、図1と同様である。
図3では、点線矢印のように、硝化反応を行う硝化槽1及び脱窒反応を行う脱窒槽2を被処理水が循環可能な構成となっている。このように、排水処理装置は、少なくとも一部の被処理水を硝化槽及び脱窒槽の間で循環させていてもよい。
図3において、排水処理装置100、硝化槽1、脱窒槽2、ファインバブル供給部3、曝気装置4、散気管11は、図1と同様である。
図3では、点線矢印のように、硝化反応を行う硝化槽1及び脱窒反応を行う脱窒槽2を被処理水が循環可能な構成となっている。このように、排水処理装置は、少なくとも一部の被処理水を硝化槽及び脱窒槽の間で循環させていてもよい。
被処理水は特に制限されず、一般的な有機排水(例えば、生活排水、産業排水、下水又はこれらの混合排水)を適用しうる。例えば、食品加工排水や、畜産加工排水などが挙げられる。
被処理水である原水(排水)のBODは、好ましくは50mg/L~10000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~8000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のCODは、好ましくは50mg/L~6000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~3000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のSSは、好ましくは50mg/L~10000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~6000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のT-Nは、好ましくは20mg/L~1000mg/Lであり、より好ましくは100mg/L~600mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のT-Pは、好ましくは5mg/L~100mg/Lであり、より好ましくは10mg/L~60mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のBODは、好ましくは50mg/L~10000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~8000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のCODは、好ましくは50mg/L~6000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~3000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のSSは、好ましくは50mg/L~10000mg/Lであり、より好ましくは150mg/L~6000mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のT-Nは、好ましくは20mg/L~1000mg/Lであり、より好ましくは100mg/L~600mg/Lである。
被処理水である原水(排水)のT-Pは、好ましくは5mg/L~100mg/Lであり、より好ましくは10mg/L~60mg/Lである。
以下、実施例により具体的に記載するが、本発明は以下の態様に限定されない。
まず、排水処理装置として、図4に示す排水処理装置200を用いて排水処理を行った。排水(原水)は、畜産加工の排水である。図4の排水処理装置200は、図2に示す排水処理装置100においてファインバブル供給部3を設けないものであり、その他の構成は図2と同様である。
図4の装置にて、前処理槽5による脱窒反応、硝化槽1による硝化反応、脱窒槽2による脱窒反応及び膜分離活性汚泥処理槽6による膜分離活性汚泥処理を連続して実施した。硝化槽1における曝気条件は、300L/分とした。曝気装置による気泡の個数平均径は、1cm程度である。
図4の装置にて、前処理槽5による脱窒反応、硝化槽1による硝化反応、脱窒槽2による脱窒反応及び膜分離活性汚泥処理槽6による膜分離活性汚泥処理を連続して実施した。硝化槽1における曝気条件は、300L/分とした。曝気装置による気泡の個数平均径は、1cm程度である。
硝化槽1におけるMLSS濃度、硝化槽1におけるORP及び膜分離活性汚泥処理槽6におけるろ過圧の変化を図5に示す(点線部分:ファインバブル発生装置設置前)。
12日目辺りからMLSSの上昇に伴いORPが低下してしまったため、硝化槽1における曝気量を600L/分とした。しかし、その後もORPを十分に上げることはできず、20日前後から、汚泥による膜の閉塞が原因と思われるろ過圧の低下が進み、硝化反応を進められなくなってしまった。
12日目辺りからMLSSの上昇に伴いORPが低下してしまったため、硝化槽1における曝気量を600L/分とした。しかし、その後もORPを十分に上げることはできず、20日前後から、汚泥による膜の閉塞が原因と思われるろ過圧の低下が進み、硝化反応を進められなくなってしまった。
そこで、曝気装置による硝化槽1における曝気条件を、300L/分に戻し、さらに、ファインバブル供給部3としてファインバブル発生装置(OJI-MIXER(王子エンジニアリング社製))を硝化槽1に設け、排水処理装置を図2の構成として、硝化・脱窒反応を再開した。結果を図5に示す(破線部分:設置後)。
なお、ファインバブルは気体として空気を用い、ファインバブルの個数平均径は5回測定して119nm~287nmの範囲であり、ファインバブルの供給量は被処理水に対し、1分間あたり1.25体積%(1.5L/分)であった。
ファインバブル発生装置の設置後は、MLSS20000mg/L前後と高い状態でも、ORPを0mV~50mVという高い状態で硝化反応を進めることができ、膜の閉塞によるろ過圧の低下も見られず、安定した運転が可能となった。原水及び運転中の処理水の水質測定の結果を表1に示す。
なお、ファインバブルは気体として空気を用い、ファインバブルの個数平均径は5回測定して119nm~287nmの範囲であり、ファインバブルの供給量は被処理水に対し、1分間あたり1.25体積%(1.5L/分)であった。
ファインバブル発生装置の設置後は、MLSS20000mg/L前後と高い状態でも、ORPを0mV~50mVという高い状態で硝化反応を進めることができ、膜の閉塞によるろ過圧の低下も見られず、安定した運転が可能となった。原水及び運転中の処理水の水質測定の結果を表1に示す。
表中、BODは生物化学的酸素消費量、CODは化学的酸素要求量、SSは浮遊物質量、T-Nは全窒素量、T-Pは全リン量、ORPは酸化還元電位を示す。設置前1及び2は、ファインバブル発生装置を設置する前の運転において、膜分離活性汚泥処理後の処理水を測定した。設置後は、ファインバブル発生装置を設置した後の運転において、膜分離活性汚泥処理後の処理水を測定した。
100、200:排水処理装置、1:硝化槽、2:脱窒槽、3:酸素ガス供給部、4:曝気装置、5:前処理槽、6:膜分離活性汚泥処理槽、11:散気管
Claims (8)
- 被処理水の硝化反応を行う硝化槽、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒槽を備える排水処理装置であって、
該硝化槽が、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給するファインバブル供給部を備え、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理装置。 - 前記ファインバブルの個数平均径が、1000nm未満である請求項1に記載の排水処理装置。
- 前記排水処理装置が、前記硝化槽の上流に、前記硝化反応を行う前の前記被処理水の脱窒反応を行う前処理槽を備える請求項1又は2に記載の排水処理装置。
- 前記排水処理装置が、前記脱窒槽の下流に、前記脱窒反応が行われた処理水を処理する膜分離活性汚泥処理槽を備える請求項1~3のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 前記硝化槽が、前記硝化槽中の前記被処理水を曝気処理する曝気装置をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 前記硝化槽における前記被処理水のMLSSが、5000mg/L~30000mg/Lである請求項1~5のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 前記硝化槽における前記被処理水への前記ファインバブルの供給量が、被処理水に対し1分間あたり、0.50体積%以上10.00体積%以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の排水処理装置。
- 被処理水の硝化反応を行う硝化工程、及び該硝化反応が行われた該被処理水の脱窒反応を行う脱窒工程を有する排水処理方法であって、
該硝化工程において、該被処理水に酸素を含むファインバブルを供給し、
該酸素を含む該ファインバブルの個数平均径が、100μm未満であることを特徴とする排水処理方法。
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- 2021-03-31 JP JP2021061048A patent/JP2022157044A/ja active Pending
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