JP2022156080A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の走行状態や車両の走行時の周囲の環境等に応じて境界層の剥離点の位置を制御することにより、走行時の姿勢を効率的に最適化可能な車両を提供する。【解決手段】車体に設けられた開口部と接続され、前記開口部を介して気体を吐出する吐出装置と、前記開口部と接続され、前記開口部を介して気体を吸引する吸引装置と、前記開口部を介した前記気体の吐出動作、前記気体の吸引動作、および前記開口部からの気体の吐出及び吸引の停止動作のいずれかを選択する剥離点制御装置と、を備えた、車両。【選択図】図1

Description

本開示は、走行中の車両において、境界層の剥離点の位置制御を可能とする技術に関する。
従来、走行中の車両において、車体に沿って流れる空気の流れを制御することにより、車両の走行時における姿勢を最適化する技術が提案されていた。
例えば特許文献1は、車体に設けられた複数のノズルと、圧縮された気体を蓄積するエアータンクを有する車両を開示している。また特許文献1では、当該車両が走行中に横風を受けた際、ノズルから気体を噴出することにより車両側面の気流を剥離し、ヨーモーメントを制御する技術を開示している。
特許文献2は、シンセティック・ジェット・アクチュエータを用いて、噴出される空気の方向が車体に沿って流れる空気と平行となるようにして、境界層の剥離点を下流側に移動し、車体の後部に形成される後流の変動を抑制させる技術を開示している。
特開平06-286670号公報 特開2013-249041号公報
上述した各特許文献に限らず既存の技術では、車両の走行時の姿勢を最適化するための技術に関して、市場のニーズを適切に満たしているとは言えず、以下に述べる課題が存在する。
すなわち上記した特許文献を含む既存の技術及びそれらの組み合わせでは、車両の走行状態や、車両の走行時の周囲の環境等に応じて走行時の姿勢を効率的に最適化することができていなかった。
本開示は上記した課題を一例に鑑みて為されたものであり、車両の走行状態や車両の走行時の周囲の環境等に応じて境界層の剥離点の位置を制御することにより、走行時の姿勢を効率的に最適化可能な車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本開示の一実施形態における車両は、車体に設けられた開口部と接続され、前記開口部を介して前記車体の周囲の境界層を剥離させるための気体を吐出する吐出装置と、前記開口部と接続され、前記開口部を介して前記車体の周囲の境界層の剥離を抑制するために前記境界層を構成する気体を吸引する吸引装置と、前記車体の周囲の境界層の剥離点が変化するように、前記開口部を介した前記気体の吐出動作、前記気体の吸引動作、および前記開口部からの気体の吐出及び吸引の停止動作のいずれかを選択する剥離点制御装置と、を備える。
本開示によれば、車両の走行状態や車両の走行時の周囲の環境等に応じて、境界層の剥離点の位置を制御することにより、走行時の姿勢を効率的に最適化し得る車両を提供することが可能となる。
実施形態に係る剥離点制御機能付き車両を側方から見た模式図である。 実施形態に係る剥離点の移動を説明するための概念図である。 実施形態に係る開口部、吐出装置、吸引装置および剥離点制御装置の接続関係を示す模式図である。 実施形態に係る剥離点制御機能付き車両の機能ブロック図である。 実施形態に係る剥離点の制御を示すフローチャートである。 実施形態に係る剥離点の制御を示す模式図である。 他の実施形態に係る剥離点の制御を示す模式図である。 他の実施形態に係る剥離点の制御を示す模式図である。
次に本開示を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、本実施形態で説明する以外の部分については、上記した各特許文献を含む公知の車両用の姿勢制御装置の機構を援用してもよい。その他、本実施形態で詳述する以外の車両の構成については、公知の車両に関する要素技術や機構を補完してもよい。
なお本開示において「境界層」とは、例えば特許文献2でも開示されているように車体に沿って流れる公知の空気流であって、走行中における車体周囲の空気流において、車体表面に近づくにつれて空気の流れの速度(流速)が低下した領域を称するものとする。
また、本開示において「境界層の剥離」とは、上記した境界層内の比較的流速の小さい領域で流速が負の値となって逆流が発生する現象を称するものとする。
さらに本開示において「剥離点」とは、上記した境界層の剥離現象が発生する車体表面の位置を称するものとする。
また、本開示において「剥離点の制御」とは、上記した境界層の剥離現象が発生する車体表面の位置を車両進行方向の前方または後方に意図的に移動させる制御を称するものとする。
(車両100)
まず本実施形態に係る車両100について、図1~図3を参照しながら説明する。なお本実施形態の車両100は、図示のとおり四輪自動車が好適である。また、四輪自動車としては、例えばガソリン自動車のほか、各種の二次電池を搭載したハイブリッド車や電気自動車が適用できる。また、図示はしないが本実施形態の車両100は二輪自動車であってもよい。
図1~図4などに示すように、本実施形態の車両100は、吐出装置52、吸引装置53、及び剥離点制御装置50を少なくとも含んで構成されている。
吐出装置52は、車体BDに設けられた開口部51と接続されると共に、前記開口部51を介して前記車体BDの周囲の境界層BLを剥離させるための気体を吐出する機能を有するように構成されている。
また吸引装置53は、車体に設けられた開口部51と接続されると共に、前記開口部51を介して前記車体BD周囲の境界層BLを構成する気体を吸引する機能を有するように構成されている。
さらに、剥離点制御装置50は、前記車体BD周囲の境界層BLの剥離点SPを制御するために、前記開口部51に対し、前記気体の吐出動作、前記気体の吸引動作、および前記開口部51からの気体の吐出及び吸引の停止動作のいずれかを選択する機能を有するように構成されている。
すなわち、本実施形態に係る車両100は、車体BDに設けられた開口部51(51a、51b、51c、・・・)を介して、吐出装置52から気体を吐出することにより、前記車体の周囲の境界層を剥離させることが可能となる。
一般的に、図2(a)に示されるように、走行中の車両の車体BD近くには、速度が遅い空気の流れ(境界層BL)が形成される。また同図から理解されるとおり、車体BDの曲率部分の終点付近で境界層BLの剥離点SPが存在し得る。この境界層BLの剥離点SPよりも進行方向後方側では、車体周囲の空気の逆流等に由来する圧力低下が起こり、空気抵抗の増大に繋がる。
本実施形態に係る車両100において、図2(b)に示すように、開口部51(51a、51b、51c)の車体BD側にはチャンバC1が備えられる。なお、本実施形態では一つのチャンバに対して複数の開口部51を形成する例を示したが、これに限られず、一つのチャンバに一つの開口部51を形成してもよい。また図示では一つのチャンバのみを例示してあるが、車両100が複数のチャンバを備えるようにしてもよい。吐出装置52から開口部51(51a、51b、51c)を介して気体を吐出した場合、境界層BLの厚さが厚くなると共に境界層BLの剥離が促進される。その結果として、剥離点SPは、車両100の進行方向前方に移動する。
なお、図3に示すように、開口部51を開閉するためのバルブ40(吐出バルブ401)が、吐出装置52と開口部51との間に配置されていることが好ましい。これにより剥離点制御装置50は、バルブ40(吐出バルブ401)を介して、開口部51(51a、51b、51c・・・51n)を各々独立して開閉されるようにしてもよい。
一方本実施形態に係る車両100は、車体に設けられた開口部51を介して、吸引装置53を用いて車体BDの周囲における境界層を構成する気体を吸引することにより、前記境界層BLの剥離を抑制することが可能となっている。
すなわち図2(c)に示すように、剥離点制御装置50による制御の下で吸引装置53を用いて開口部51(51a、51b、51c)を介して車体BD周囲の境界層BLを構成する気体を吸引した場合には、境界層BLの厚さが薄くなると共に境界層BLの剥離が抑制される。その結果、剥離点SPは進行方向後方に移動することになる。
なお図3に示すように、開口部51を開閉するためのバルブ40(吸引バルブ402)が、吸引装置53と開口部51との間に配置されており、複数の開口部51(51a、51b、51c・・・51n)を各々独立して開閉してもよい。
本実施形態に係る車両100は、剥離点制御装置50により、開口部51からの気体の吐出動作、吸引動作、吐出と吸引の停止動作、とを切り替えることにより、上記剥離点の位置を移動することが可能とされている。これにより車両100の走行時の姿勢を効率的に最適化することが可能となっている。
次に、図面を適宜参照しつつ本実施形態に係る車両100における各構成要素について詳述する。
(開口部51)
本実施形態の車両100における開口部51(51a、51b、51c、・・・)は、図1に示されるように、車体BDの側方であって且つ進行方向前側及び後ろ側に各々複数設けられている。なお、図1において開口部51は複数設けられているがこれに限られるものではなく、車両100における開口部51の個数は1個であってもよい。
なお本実施形態においては、上記した開口部51は、車両100の進行方向に対して左右対称に配置されていることが好ましい。しかしながら開口部51の配置箇所は、前記した箇所(車体BDの側方)に限られるものではない。例えば、開口部51は、車両100の上面部(ルーフ)における進行方向後ろ側や、車両100のサイドシル、バンパー、フェンダー付近、ボンネット、ピラー、その他車両底面部、車両側面コーナー部、などに配置されてもよい。また、車両100が二輪自動車である場合、開口部51は例えばカウル等の空気抵抗を減らす部材に好適に配置可能である。
また、車体の周囲の境界層BLの剥離点SPを移動し得る位置であれば、車両100のうち上記した以外の箇所に開口部51が配置されていてもよい。一般的に、境界層BLの剥離は、車体BDにおける曲面(曲率を有する部分)の終点付近で発生することが知られている。よって、車体BDのうち上記した曲面の終点領域に開口部51を配置することにより、剥離点SPの位置制御を行うことが可能となると考えられる。
図1に示されるように、本実施形態においては開口部51の形状がそれぞれ円形であるが、これに限られるものではない。また、図5においては3つの開口部51(51a、51b及び51c)を用いて説明されているが、開口部51の個数はこれに限られるものではない。
(吐出装置52)
本実施形態の車両100における吐出装置52は、上述した開口部51から車体BD周囲の境界層BLを剥離させるために気体を吐出する機能を有している。より具体的には、本実施形態の吐出装置52として、例えば圧縮空気タンクを挙げることができるが、これに限られず公知の種々の吐出機構を適用してもよい。例えば、吐出装置52として小型コンプレッサーや、公知のプラズマアクチュエータ(PA)を用いた噴流を適用してもよい。
(吸引装置53)
本実施形態の車両100における吸引装置53は、上述した開口部51から車体BD周囲の境界層BLを構成する気体を吸引する機能を有している。具体的には吸引装置53は、吸引ポンプ等を挙げることができるが、これに限られず公知の種々の負圧発生機構を適用してもよい。
なお本実施形態の車両100においては、吐出装置52と、前記吐出装置52とは異なる装置としての吸引装置53とを各々備えるものとして説明したが、これに限られるものではなく、気体を吐出する機能と気体を吸引する機能を兼ね備えた装置を備えるものであってもよい。また本実施形態の車両100においては、吸引装置により吸引した気体を用いて吐出装置から吐出してもよい。すなわち吐出した気体と吸引した気体が同じ気体であってもよい。
(剥離点制御装置50)
本実施形態において、剥離点制御装置50は、車体BDの周囲の境界層BLの剥離点SPが変化(移動)するように、前記開口部51(51a、51b、51c・・・)を介した気体の吐出動作、又は、前記開口部51(51a、51b、51c・・・)を介した気体の吸引動作、さらには前記開口部からの気体の吐出及び吸引の停止動作のいずれかを選択する機能を有している。
この剥離点制御装置50の具体例としては、車両100に搭載された公知のリチウムイオン二次電池やニッケル水素電池などのバッテリー(不図示)から電力の供給を受けて駆動する公知のプロセッサー(制御用IC)が例示できる。また、本実施形態の剥離点制御装置50は、後述する整流方法など実行可能な制御プログラムが格納された不図示のメモリ等を備えていてもよい。
より具体的には、図4に示すとおり、本実施形態の剥離点制御装置50は、走行状態検出部50a、車両環境検出部50b、判定部50c、指令部50dおよび提示部50eを含んで構成されている。
また、走行状態検出部50aは、車両100における走行状態値を検出するセンサー類30からの走行状態に関する情報(車速度、加速度、操舵角、旋回状態、など)を受信する機能を有している。
さらに、車両環境検出部50bは、後述する車両環境を検出するセンサー類30からの車両環境に関する情報を受信する機能を有している。
判定部50cは、後述するとおり、例えば走行状態値、車両環境値、又はそれらの組み合わせ等の条件に応じて、剥離点制御の要否を判定する機能を有している。
指令部50dは、上述する吐出装置52又は吸引装置53の駆動を制御する機能を有している。なお指令部50dは、上述したバルブ40の開閉を制御する機能を有していてもよい。
提示部50eは、後述する提示装置DSを介して、車両100に搭載された各種装備の設定画面を提示するほか、上記した剥離点制御の状況や挙動制御の状況などを乗員に提示する機能を有している。
(センサー類30)
図4に示すとおり、本実施形態の車両100は、走行時における車両の状態を示す走行状態値を検出するセンサー類30(検出センサー)を含んで構成されていてもよい。ここで、本実施形態における走行状態値とは、走行中における車両の状態を表す値であり、例えば、車速、操舵角、横加速度、等が挙げられる。一例として上記した走行状態値を検出するセンサーとしては、例えば車速センサー301、操舵角センサー302、横加速度センサー303、ヨー加速度センサー304、ピッチング加速度センサー305、などを含んで構成されている。
車速センサー301は、走行中における車両100の速度を計測可能な公知のセンサーが例示できる。これにより剥離点制御装置50は、この車速センサー301から取得した車速に応じて、吐出装置52又は吸引装置53の駆動や、開口部51のバルブ40の開閉動作などを制御することが可能となる。
操舵角センサー302は、車両100の走行中の操舵角を検出可能な公知のセンサーを適用可能である。具体的には、操舵角センサー302は、ステアリング装置のステアリングシャフト付近の任意の場所に設置され、その設置位置におけるステアリングシャフトの回転角に応じた信号を出力することで、ステアリングホイールの操舵角を検出する機能を有する。
横加速度センサー303は、走行中における車両100の左右方向の加速度を計測可能な公知のセンサーが例示できる。これにより剥離点制御装置50は、この横加速度センサー303から取得した横加速度に応じて、吐出装置52又は吸引装置53の駆動や、開口部51のバルブ40の開閉動作を制御することが可能となる。
ヨー加速度センサー304は、走行中における車両100で実際に生じているヨー加速度を取得可能な公知のセンサーが例示できる。ヨー加速度センサー304は車両の旋回状態を検出する上述の走行状態検出部50aとして機能する。またヨー加速度センサー304は上述の操舵角センサー302と協働して走行状態検出部50aとして機能してもよい。これにより剥離点制御装置50は、このヨー加速度センサー304から取得したヨー加速度に応じて、吐出装置52又は吸引装置53の駆動や、開口部51のバルブ40の開閉動作などを制御することが可能となる。
ピッチング加速度センサー305は、走行中における車両100で実際に生じているピッチング加速度を取得可能な公知のセンサーが例示できる。ピッチング加速度センサー305も上述のヨー加速度センサー304と同様、車両の走行状態を検出する走行状態検出部50aとして機能する。これにより剥離点制御装置50は、このピッチング加速度センサー305から取得したピッチング加速度に応じて、吐出装置52又は吸引装置53の駆動や、開口部51のバルブ40の開閉動作などを制御することが可能となる。
なお、センサー類30で検出可能な走行状態値としては、アクセルポジション、スロットルポジション、ブレーキストローク、サスペンションストローク、ブレーキ圧、エンジン回転数、車両の前後加速度、ロール加速度、の少なくとも1つを含んでいてもよい。さらに上述のヨー加速度センサー304及びピッチング加速度センサー305は、それぞれ別個に構成されたものであってもよいし、一体的に構成されたものであってもよい。一体的に構成された例として例えば、三次元ジャイロセンサであれば、ヨー加速度センサー304及びピッチング加速度センサー305の機能を発揮することができる。
さらに実施形態のセンサー類30としては、車両環境値を検出するセンサーを含んで構成されていてもよい。ここで、本実施形態における車両環境値とは、走行中において車両が外部(車室外の環境)から受ける影響を表す値である。
一例として、上記した車両環境値を検出するセンサー類30としては、例えば風速センサー306、路面センサー307等を挙げることができる。なお、センサー類30で検出可能な上記車両環境値としては、公知の車載カメラなどを用いて検出した降雨量や積雪量、路面の温度や水分量などの値を含んでいてもよい。
風速センサー306は、走行中の車両100の周囲における風速を検出する機能を有している。この風速センサー306としては、風速を計測可能な公知のセンサーが適用でき、上記風速を計測可能なように車体BDの任意の位置に設けることができる。なおこの風速センサー306は風向を同時に計測してもよい。また、車体BDに風速センサー306を設けることに代えて、車両100に搭載された撮像装置(カメラ等)を用いて、走行中の車両100周囲に設置された吹き流しや小型風車の装置の画像情報を取得して解析することにより風速を推定してもよい。さらには、公知の外部通信装置CSを介して車両100へ風速情報を提供可能な外部の風速測定装置を、風速センサー306として機能させてもよい。例えば外部通信装置CSを介して、走行中の車両100における周囲の気象情報中の風速情報を取得してもよい。
路面センサー307は、車両100が走行中の道路の路面摩擦係数を算出する機能を有している。かような路面センサー307としては、例えば公知の摩擦係数計測センサーを適用してもよい。また、路面センサー307の設置個所としては、上記した路面摩擦係数を計測可能な限りにおいて車両100における任意の場所に設置可能である。また、路面摩擦係数を直接的に測定する路面センサー307を設けることに代えて、公知の外部通信装置CSを介して車両100へ路面凍結情報等を提供可能な外部の路面状態測定装置を、路面センサー307として機能させてもよい。
(バルブ40)
本実施形態の車両100におけるバルブ40は、吐出装置52と開口部51との経路上に配置され、吐出装置52から開口部51までの気体の吐出経路を開閉するための吐出バルブ401と、吸引装置53と開口部51との間に配置されて開口部51から吸引装置53までの気体の吸引経路を開閉するための吸引バルブ402と、を少なくとも含む。
また、複数の開口部51のそれぞれに吐出装置52と吸引装置53が接続されている場合には、それぞれの接続経路に対応する複数のバルブから構成されたバルブ40を配置することで、それぞれの接続経路を独立して開閉制御することが可能となる。なお、バルブ40を構成するバルブの構造としては、特に制限されず公知の種々のバルブ機構を適用することが可能である。
外部通信装置CSは、公知のネットワークNT(例えば上記スマートフォンを利用したパケット通信やコネクテッドのサービスに代表される次世代の自動車無線通信技術)を利用して外部との各種の情報通信を行うことができる公知の通信装置が例示できる。
保存装置MRは、例えば公知のハードディスクドライブや不揮発性メモリなどの記録装置/記憶装置が例示できる。
ナビゲーション装置NSは、GPS機能を備えた公知のナビゲーションシステムが例示でき、車両100の位置情報を検出可能となっている。また、ナビゲーション装置NSには不図示の地図情報が格納されており、剥離点制御装置50は上記地図情報を参照して自車の絶対位置などを検出することができる。
提示装置DSは、画像表示や音声出力等の手段により乗員に対して種々の情報を提示する機能を有している。本実施形態の提示装置DSは、例えば公知の車載スピーカSKと車載ディスプレイDPを含んで構成されている。このうち車載ディスプレイは、上記したナビゲーション装置NSのモニターと兼用されていてもよい。また、本実施形態の提示装置DSは、乗員の有するスマートフォンなどの携帯機器と近距離無線通信が可能なように構成されていてもよい。
[剥離点の制御方法]
次に図5もさらに参照しつつ、第1の実施形態における車両100における、剥離点制御装置50を用いた剥離点の制御方法について説明する。
図5に示すとおり、ステップ1では、車両100の走行中において、剥離点の移動の要否を判定するための検出値の取得を実行する。ステップ1における具体的な検出値としては、車両100の走行中の任意の時点における走行状態値及び車両環境値のうちの少なくとも一つが取得される。
このステップ1における検出値が走行状態値である場合、一例として、ヨー加速度センサー304による車両100のヨー加速度が検出される。またステップ1における検出値が車両環境値である場合、一例として、風速センサー306により車両100の外部における風速が検出される。なおステップ1におけるこれらの検出値としては、一種類の値が用いられてもよいし、複数の検出値を組み合わせて用いる態様であってもよい。
次いでステップ2では、剥離点制御装置50によって、ステップ1で検出された検出値が所定値以上か否かが判定される。
例えばステップ1の検出値が走行状態値としてのヨー加速度である場合、ステップ2では検出されたヨー加速度が予め定めた値(所定値)よりも大きいか否かが判定される。そしてステップ2で所定値よりも大きいと判定された場合には、後述のステップ3以降において、走行中における車両100の姿勢を安定させるための制御を実行することができる。
また、ステップ1の検出値が車両環境値としての風速である場合、ステップ2では検出された風速が予め定めた値(所定値)よりも大きいか否かが判定される。そしてステップ2で所定値よりも大きいと判定された場合には、後述のステップ3以降において、走行中における車両100の姿勢を安定させるための制御を実行することができる。
なお、上述したステップ2における「所定値」については、ステップ1において検出される検出値の種類、車両100の車種、車両100の走行地域、などによって種々の値を設定し得る。またステップ2の所定値は段階的に複数の値を設定してもよい。
また、ステップ1における検出値を車速又は風速とした場合、例えば「車速が60km/h、あるいは車両外部の風速が20m/s」を所定値として設定し、車速が60km/h以上又は車両外部の風速が20m/s以上のいずれかの条件を満たす場合に「所定値以上」であるとの判定をさせてもよい。
また、剥離点制御装置50は、ナビゲーション装置NSから地図情報を参照して、車両100の現在地に応じてステップ2における「所定値」を可変させてもよい。これにより例えば高速道路を走行する場合や、谷間や盆地など比較的強風が発生しやすい地域を走行する場合には、その場所に応じた「所定値」に調整して走行中における車両100の姿勢をより安定させることができる。
そしてステップ2で現在の検出値に関して「剥離点の移動要」(ステップ2でYes)となった場合、続くステップ3において、剥離点制御装置50は、上記したメモリや保存装置MRに保存された剥離点の制御テーブルを参照して、複数の開口部51に対し、いずれの開口部で気体を吐出し、いずれの開口部で気体を吸引し、さらにいずれの開口部で吐出と吸引を停止するか、を決定する。なお、この制御テーブルは、例えば予めシミュレーションや実験等により生成したものを上述のメモリや保存装置MR等に保存しておくことが可能である。
上述の制御テーブルの一例を以下の表1に示す。表1に示す制御テーブルでは、ステップ1において検出される検出値がヨー加速度aである例を用いて説明する。また、図6を用いてこの制御テーブルを用いた制御例を説明する。なお表1及び図6において、一例として、進行方向に対してヨーイングの角度が時計周りである場合を+(プラス)、反時計回りである場合を-(マイナス)と設定する。走行中の車両100において、ステップ1で検出されたヨー加速度が+8.5deg/sec以上+10.0deg/sec未満である場合、表1の制御テーブルのパターン1に該当する。剥離点制御装置50は表1の制御テーブルのパターン1に基づいて、複数の開口部51A~51Dの吐出、吸引、及び停止を決定する。
また走行中の車両100において、ステップ1で検出されたヨー加速度が+10.0deg/sec以上である場合、表1の制御テーブルのパターン2に該当する。剥離点制御装置50は表1の制御テーブルのパターン1に基づいて、複数の開口部51A~51Dの吐出、吸引、及び停止を決定する。なお表1に示されるように、剥離点制御装置50は検出値に応じて剥離点の制御レベルを異ならせてもよい。例えば表1のように制御テーブルにおいてパターン1とパターン2で段階的に異なる所定値を設定しておき、それに応じて剥離点制御装置50が吐出又は吸引する気体の量や速度を異ならせてもよい。
同様に表1のパターン3(ヨー加速度が-8.5deg/sec以下-10.0deg/sec超)又はパターン4(ヨー加速度が-10.0deg/sec以下)に該当する場合も、剥離点制御装置50は表1の制御テーブルのパターン1に基づいて、複数の開口部51A~51Dの吐出、吸引、及び停止を決定することが可能である。なお上記説明したようにヨー加速度を用いて剥離点の制御を行う場合、開口部51の配置箇所としては、車両100の側面部部における進行方向前方又は後方、あるいはその両方とすることができる。また上記例ではヨー加速度を用いて説明したが、剥離点制御装置50はピッチング加速度を用いても上記と同様に剥離点制御を実行することが可能である。この場合の開口部51の配置箇所としては、車両100の上面部における進行方向前方又は後方、下面部における進行方向前方又は後方、あるいはそれらの両方とすることができる。
Figure 2022156080000002
続くステップ4においては、ステップ3の決定に従って各々の開口部51に対して、気体の吐出動作、気体の吸引動作、および、吐出と吸引の停止動作がそれぞれ実行される。具体的には、例えば気体の吐出が決定された開口部51と吐出装置52の間の開閉バルブは、剥離点制御装置50による制御の下で開状態となるように制御される。また気体の吸引が決定された開口部51と吸引装置53の間の開閉バルブは、剥離点制御装置50による制御の下で開状態となる。さらに上記以外の開口部51(すなわち吐出と吸引の停止動作が決定された開口部51)の開閉バルブは、剥離点制御装置50による制御の下で閉状態となる。以上の各状態で、吐出装置52による気体の吐出動作と、吸引装置53による気体の吸引動作とが実行される。
続くステップ5においては、車両100のシステム電源がOFFとなったか否かが判断され、OFFとなった場合(ステップ5でYes)には一連の工程が終了する。一方で、車両100のシステム電源がOFFとなっていない場合(ステップ5でNo)には、ステップ1の工程から再度繰り返される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、これら実施形態や変形例に対して更なる修正を試みることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記した実施形態においては、剥離点位置情報、走行状況値、車両環境値等の検出値に基づいて剥離点を制御することとしたが、これに限られるものではなく、車両の走行中において常時、開口部の所定の位置を吸引すると共に開口部の所定の位置から気体の吐出を行うこととしてもよい。一般的に車両走行中は車速の揺らぎや横風の影響等により、剥離点は図7(a)に示されるように常時移動している。そしてこれが走行中の車両のふらつきにつながることが予測される。一方で本開示において、車両の走行中において常時、開口部の所定の位置を吸引すると共に開口部の所定の位置から気体の吐出を行うことにより、剥離点を定常化することにより車両の安定化を向上させることが可能となると予測される。例えば図7(b)に示される複数のチャンバC1~C6のうち、チャンバC1~C3に対応する開口部を吸引、チャンバC4に対応する開口部を吐出、チャンバC5~C6に対応する開口部を停止とした場合、剥離点の移動距離は図7(a)よりも短くなり、その結果、走行中の車両100のふらつきを低減することが可能となる。
また図8に示すように、複数のチャンバとそれに対応する開口部を設け、それらの個々において吸引、吐出、停止を行うことにより、車両100の走行状態や車両環境に対応してより細かい剥離点の制御を行うことも可能である。図8は車両100において互いに隣接する3つのチャンバC1~C3及びそれらの個々に対応する開口部51a~51cが示される。図8(a)において剥離点制御装置50がチャンバC1が吸引、チャンバC2が吐出、チャンバC3を停止とする制御を実行した場合、剥離点SPは開口部51b付近に形成される。一方で剥離点を進行方向前方に移動させる必要が生じた場合、剥離点制御装置50は図8(b)に示されるようにチャンバC1を吸引、チャンバC2を吐出、チャンバC3を停止とする制御を実行するその結果、剥離点SPは進行方向前方(開口部51a付近)に移動する。このように、開口部及びチャンバの形成箇所等に応じて、よりきめ細かな剥離点の制御を行うことが可能である。
本実施形態の車両において、前記車両環境としては、前記車両が受ける横風の強さ、および前記車両が走行する路面の摩擦係数μのうちの少なくとも一つを含むものとしてもよい。
また本実施形態の前記開口部は、前記車体の側面コーナー部、前記車体の底面部、および、前記車体の上面部の少なくとも1つに設けられるものしてもよい。
50 剥離点制御装置
51 開口部
52 吐出装置
53 吸引装置
100 車両

Claims (5)

  1. 車体に設けられた開口部と接続され、前記開口部を介して気体を吐出する吐出装置と、
    前記開口部と接続され、前記開口部を介して気体を吸引する吸引装置と、
    前記開口部を介した前記気体の吐出動作、前記気体の吸引動作、および前記開口部からの気体の吐出及び吸引の停止動作のいずれかを選択する剥離点制御装置と、
    を備えた、車両。
  2. 前記車両の剥離点位置情報を検出する検出センサーをさらに含み、
    前記剥離点制御装置は、前記検出センサーによる検出値に応じて、前記開口部における前記吐出動作、前記吸引動作および前記停止動作の選択を実行する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記車両の走行状態を検出する検出センサーをさらに含み、
    前記剥離点制御装置は、前記検出センサーによる検出値に応じて、前記開口部における前記吐出動作、前記吸引動作および前記停止動作の選択を実行する、請求項1に記載の車両。
  4. 前記車両の車両環境を検出する検出センサーをさらに含み、
    前記剥離点制御装置は、前記検出センサーによる検出値に応じて、前記開口部における前記吐出動作、前記吸引動作および前記停止動作の選択を実行する、請求項1に記載の車両。
  5. 前記走行状態は、前記車両の操舵角、前記車両のサスペンションストローク、前記車両に生じるヨー加速度、前記車両に生じるピッチング加速度、のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の車両。
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