JP2022155992A - 構造検出装置、構造検出方法、構造検出プログラム、荷下ろし装置 - Google Patents

構造検出装置、構造検出方法、構造検出プログラム、荷下ろし装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022155992000001
【課題】効率的に船庫内の構造を検出できる構造検出装置を提供する。
【解決手段】船の船庫内の構造を検出する構造検出装置300は、船庫内の構造モデルを保持する構造モデル保持部303と、船庫内にレーザ光を送る送波部と、当該船庫内で反射した当該レーザ光を受ける受波部とを備え、レーザ光が照射された複数の測定点の位置を検出する位置測定部304と、複数の測定点と構造モデルの乖離を検出する乖離検出部305と、乖離に基づいて構造モデルを更新する構造モデル更新部308とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は荷下ろし装置等に利用可能な構造検出装置に関する。
船の積荷を荷下ろしする荷下ろし装置として、船に積まれた船荷を陸に荷揚げする荷揚げ装置が知られている。このような荷揚げ装置のうち、石炭や鉄鉱石等のばら積み貨物またはばら荷を荷役するものはアンローダ(Unloader)とも呼ばれる。また、船に積まれたばら荷を連続的に荷役するという意味で、連続アンローダまたは船舶用連続アンローダ(Continuous Ship Unloader)と呼ばれることもある。本明細書ではその略語であるCSUの表記を用いることがある。
特開2019-131394号公報
特許文献1には、船庫から積荷を搬出する掻取部に取り付けられる測距センサによって船庫内の積荷や壁面を検出する技術が開示されている。掻取部には複数の測距センサが取り付けられるが各測距センサの測定範囲は限られているため、船庫内の構造を精緻に検出するためには掻取部の位置や姿勢を細かく変えながら測定を繰り返す必要があり非効率的である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的に貨物室内の構造を検出できる構造検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の構造検出装置は、船の貨物室内の構造を検出する構造検出装置であって、貨物室内の構造モデルを保持する構造モデル保持部と、貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定部と、複数の測定点と構造モデルの乖離を検出する乖離検出部と、乖離に基づいて構造モデルを更新する構造モデル更新部とを備える。
この態様によれば、貨物室内の構造モデルをリファレンスとして、そこからの乖離に基づいて効率的に貨物室内の構造を検出できる。
本発明の別の態様は、構造検出方法である。この方法は、船の貨物室内の構造を検出する構造検出方法であって、貨物室内の構造モデルを格納する構造モデル格納ステップと、貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定ステップと、複数の測定点と構造モデルの乖離を検出する乖離検出ステップと、乖離に基づいて構造モデルを更新する構造モデル更新ステップとを備える。
本発明のさらに別の態様は、荷下ろし装置である。この装置は、船の貨物室から貨物を荷下ろしする荷下ろし装置であって、貨物室内の構造モデルを保持する構造モデル保持部と、貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定部と、複数の測定点と構造モデルの乖離を検出する乖離検出部と、乖離に基づいて構造モデルを更新する構造モデル更新部とを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、効率的に貨物室内の構造を検出できる。
荷揚げ装置の全体的な構成を示す正面図である。 荷揚げ装置の全体的な構成を示す斜視図である。 荷揚げ部の詳細な構成を示す図である。 測距センサの外観を示す図である。 測距センサの配置例を示す上面図である。 船庫内の構造を検出する構造検出装置の機能ブロック図である。 船庫内の構造モデルの一例を示す図である。 乖離検出部による乖離検出処理例を段階的に示す図である。 乖離検出部による乖離検出処理例を段階的に示す図である。 乖離検出部による乖離検出処理例を段階的に示す図である。 ユーザへの問合せ画面例を示す図である。 構造検出装置による構造検出処理例を示すフローチャートである。 船庫内の構造モデルの変形例を示す図である。 ユーザへの問合せ画面の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る荷下ろし装置としての荷揚げ装置1の全体的な構成を示す。荷揚げ装置1は船200に積まれた貨物または船荷としてのばら荷Mを陸に荷揚げする連続アンローダまたは船舶用連続アンローダである。以下、荷揚げ装置1をCSU1とも表記する。CSU1は港湾等の埠頭102の岸壁101に接岸された船200の貨物室としての船庫201内に格納されたばら荷Mを連続的に陸上へ搬出する。ばら荷Mとしては、石炭、コークス、鉱石等が例示される。CSU1は、その本体部に設けられる主操作室16内の操作者によって操作される。CSU1を操作する操作室は、CSU1の他の場所に設けてもよいし、CSU1外の陸地上の任意の場所に設けてもよい。
船200が接岸する埠頭102は、ばら荷Mが荷揚げされる陸地を構成し、鉄筋コンクリート等の高強度の材料で構成される。図2の斜視図にも示されるように、埠頭102には、岸壁101に接岸して停泊中の船200の長手方向(図1の紙面に垂直な方向)に沿った線路としての一対の平行なレール3が設けられる。レール3はCSU1の移動部としての走行部2が移動可能または走行可能な軌道を構成する。このレール3によってCSU1は停泊中の船200に対して移動可能である。図2に示されるようにレール3の設置方向は停泊中の船200または岸壁101の長手方向と一致させるのが好ましいが、その他の任意の方向としてもよい。また、レール3は曲線部や屈曲部を含んでもよい。船200からの荷揚げの際は、CSU1がレール3上を移動して荷揚げ対象の船庫201の開口部21に接近した位置で停止する。その後、後述する旋回フレーム5(旋回部)および荷揚げ部9(搬出部)を駆動して、船庫201からばら荷Mを荷揚げする。
埠頭102には、荷揚げされたばら荷Mを一定方向に運搬するコンベアとしてのベルトコンベア45が一対のレール3の間に設けられる。図2に示されるようにベルトコンベア45の設置方向すなわち運搬方向はレール3の設置方向と一致させるのが好ましいが、その他の任意の方向としてもよい。また、ベルトコンベア45は曲線部や屈曲部を含んでもよい。ベルトコンベア45は、CSU1から荷揚げされたばら荷Mを受け取る場所では一対のレール3の間に設けられる必要があるが、それ以外の場所では一対のレール3の外側に設けられてもよい。
CSU1は、船200に対して移動可能な移動部としての走行部2と、走行部2に対して旋回可能な旋回部を構成する旋回フレーム5と、旋回フレーム5の先端側に設けられ、ばら荷Mを搬出する搬出部としての荷揚げ部9を備える。旋回フレーム5は走行部2上に鉛直方向(図1の上下方向)の旋回軸の周りに旋回可能に支持される。旋回フレーム5には旋回軸に交差する横方向に延びるブーム7が設けられ、その先端部に荷揚げ部9の主要部を構成するバケットエレベータが支持される。
荷揚げ部9は、旋回フレーム5、ブーム7、平行リンク8との間で構成される平行リンク機構によって、ブーム7の起伏角度(図1の紙面に垂直な起伏軸の周りの回転角度)によらず鉛直姿勢を保つ。また、旋回フレーム5におけるブーム7の先端部とは反対側の後端部にはカウンタウエイト13が設けられる。カウンタウエイト13はバランシングレバー12を介してブーム7の先端部と接続される。このカウンタウエイト13の作用によって荷揚げ部9は実質的に無負荷の状態となり、安定した荷重バランスが実現される。なお、旋回フレーム5、ブーム7、バランシングレバー12、カウンタウエイト13等、旋回部を構成する主要な構成を以下では本体部と総称することがある。
ブーム7の起伏角度を調整するためにシリンダ15が設けられる。シリンダ15が基準長の時は起伏角度が0°、すなわちブーム7は地面に平行または水平(図1の左右方向)である。シリンダ15を基準長より伸ばすとブーム7の先端部が上昇し、正の起伏角度が生じる。シリンダ15を基準長より縮めるとブーム7の先端部が下降し、負の起伏角度が生じる。ブーム7の先端部に支持された荷揚げ部9は、ブーム7の起伏角度が大きくなると鉛直姿勢を保ったまま上昇し、ブーム7の起伏角度が小さくなると鉛直姿勢を保ったまま下降する。
CSU1を操作する主操作室16は本体部に設けられる。具体的には、旋回フレーム5の荷揚げ部9側に主操作室16が設けられる。主操作室16内の操作者は荷揚げ部9を視認しながら安全にCSU1を操作できる。主操作室16の操作に応じて、走行部2の位置、旋回フレーム5の旋回角度、ブーム7の起伏角度等のCSU1の位置や姿勢に関するパラメータが制御される。また、荷揚げ部9によるばら荷Mの搬出動作も主操作室16によって操作可能である。
荷揚げ部9は、ばら荷Mを掻き取る掻き取り部11と、掻き取られたばら荷Mを上方に運搬するエレベータ部としてのバケットエレベータを備える。掻き取り部11は荷揚げ部9の下部に設けられ、その外周に沿って移動可能に設けられた多数のバケット27(図3参照)によって船庫201内のばら荷Mを連続的に掘削して掻き取る。掻き取られたばら荷Mは、バケットエレベータによってバケット27と共に上方に運搬される。
図3は、荷揚げ部9の詳細な構成を示す。バケットエレベータは、鉛直方向に延伸する筒状のエレベータ本体14と、エレベータ本体14に対して周回運動するチェーンバケット29を備える。チェーンバケット29は、それぞれが無端チェーンで構成される一対のローラチェーン25と、当該一対のローラチェーン25によって両側が支持される複数のバケット27を備える。具体的には、一対のローラチェーン25は図3(B)の紙面に垂直な方向に並設され、各バケット27は一対のローラチェーン25の間に吊り下げられるように取り付けられる。
バケットエレベータは、架け渡されたローラチェーン25をガイドする駆動ローラ31aと、従動ローラ31b、31cと、転向ローラ33を備える。駆動ローラ31aは、バケットエレベータの最上部9aに設けられ、図示しないモータ等によって回転駆動されることでチェーンバケット29を周回運動させる。従動ローラ31bは掻き取り部11の前方(図3(B)の左方)に設けられ、従動ローラ31cは掻き取り部11の後方(図3(B)の右方)に設けられ、それぞれ周回運動するチェーンバケット29をガイドする。転向ローラ33は駆動ローラ31aの下方に設けられる従動ローラであり、周回運動するチェーンバケット29をガイドすると共に、その運動方向を転換する。従動ローラ31bと従動ローラ31cの間には伸縮可能なシリンダ35が設けられる。このシリンダ35が伸縮すると、両従動ローラ31b、31cの軸間距離が変わり、チェーンバケット29の周回運動の軌道が変わる。シリンダ35の伸縮制御は、主操作室16の操作で行ってもよいし、CSU1に組み込まれたコンピュータがプログラムに従って自動的に行ってもよい。なお、ローラチェーン25が2本設けられることに対応して、駆動ローラ31a、従動ローラ31b、31c、転向ローラ33も、それぞれ2個設けられ、図3(B)の紙面に垂直な方向に並設される。
駆動ローラ31aの回転駆動によって、チェーンバケット29はエレベータ本体14に対して周回運動する。例えば、チェーンバケット29は図3(B)に示される矢印Wに沿って反時計回りに周回運動する。このとき、チェーンバケット29は、バケットエレベータの最下部に設けられる掻き取り部11と、バケットエレベータの最上部9aに設けられる駆動ローラ31aの間で往復する。
チェーンバケット29の各バケット27は、その開口部を上方に向けた姿勢を保ってエレベータ本体14内を上昇する。バケットエレベータの最上部9aにおいて各バケット27が駆動ローラ31aを通過する際、その運動方向が上向きから下向きに変化するのに伴って、各バケット27の開口部も上向きから下向きに転回する。このように下向きに転回した各バケット27の開口部の下方には図示しない排出シュートが設けられ、各バケット27が掻き取ったばら荷Mが排出される。排出シュートは、荷揚げ部9の上部の外周に設けられる回転フィーダ37(図1)上にばら荷Mを排出する。
回転フィーダ37は、エレベータ本体14の延伸方向すなわち鉛直方向の回転軸の周りに回転し、排出シュートから排出されたばら荷Mをブーム7のブームコンベア39に移送する。ブームコンベア39はブーム7内でばら荷Mを旋回フレーム5の旋回軸の近傍まで搬送し、そこに設けられる図示しないホッパに供給する。ホッパの吐き出し口の下方の走行部2内にはばら荷Mを受ける機内コンベア43が設けられる。機内コンベア43は、陸地としての埠頭102に設けられる前述のベルトコンベア45にばら荷Mを移送する。
続いて、以上の構成を備えるCSU1の基本的な荷揚げ動作を説明する。
CSU1の操作者は主操作室16でCSU1を操作する。初めにレール3上で走行部2を走行させ、荷揚げ対象の船庫201の開口部21に接近した位置に停止させる。続いて、上面視(図1の上方から見た場合)で走行部2と重なる位置に設けられる鉛直方向の旋回軸を中心に旋回フレーム5を旋回させ、ブーム7の先端部に設けられる荷揚げ部9を荷揚げ対象の船庫201の開口部21の上方に移動させる。ここで、荷揚げ部9が埠頭102や船200に衝突しないように、ブーム7を正方向(図1の時計回り方向)に起伏させ、荷揚げ部9が上昇した状態で走行動作および旋回動作を行うのが好ましい。続いて、ブーム7を負方向(図1の反時計回り方向)に起伏させ、荷揚げ部9の先端に設けられる掻き取り部11を開口部21から船庫201内に挿入する。なお、走行部2の移動、旋回フレーム5の旋回、ブーム7の起伏は同時に行ってもよい。
掻き取り部11が船庫201内に挿入された後、ローラチェーン25を矢印Wに沿って周回運動させる。ローラチェーン25に取り付けられた複数のバケット27は、ローラチェーン25と一体的に周回運動をする際に、船庫201内に格納されたばら荷Mを掘削して掻き取る。各バケット27で掻き取られたばら荷Mは、ローラチェーン25の周回運動に伴ってエレベータ本体14内で上方に運搬される。
掻き取り部11は、船庫201内の各所のばら荷Mを効率的に掻き取るために船庫201内の三次元位置を適宜変更する。例えば、荷揚げ作業の進捗に応じてばら荷Mの表面位置が低くなった場合、ブーム7を負方向に起伏させて掻き取り部11を下降させる。また、船庫201の壁付近のばら荷Mを掻き取るために、走行部2および/または旋回フレーム5を操作して、掻き取り部11の水平面内の位置を変更してもよい。掻き取り部11は三次元位置だけでなく姿勢や形状も変更できる。例えば、掻き取り部11はエレベータ本体14の延伸方向すなわち鉛直方向の回転軸の周りに回転可能であり、その向きを任意に変更可能である。また、図3(B)に一点鎖線で示されるように、掻き取り部11は垂直方向に収縮し水平方向に伸長した傾斜形状または横長形状を取ることができる。これにより、開口部21から壁までの水平距離が大きい船庫201であっても、掻き取り部11を壁に近づけて効率的にばら荷Mを掻き取れる。
以上のような船庫201内での掻き取り部11の位置、姿勢、形状の変更は、後述する測距センサやカメラを利用してCSU1が自律的に行ってもよいし、船庫201内にいる作業員と連絡を取りながら主操作室16にいる操作者がマニュアルで行ってもよい。
船庫201内のばら荷Mを掻き取ったバケット27はエレベータ本体14内を上昇し、その最上部9aで駆動ローラ31aを通過する際に上向きから下向きに転回する。バケット27の転回によって落下したばら荷Mは排出シュートに入り、回転フィーダ37上に排出される。以降、ばら荷Mは、ブームコンベア39および機内コンベア43を経て、陸地としての埠頭102に設けられるベルトコンベア45に移送される。以上のような搬出動作が複数のバケット27によって繰り返し行われることで、船庫201内のばら荷Mが連続的に陸揚げされる。
続いて、荷揚げの安全性と効率性を向上させるためにCSU1に設けられる測距センサについて説明する。測距センサは、船庫201の一部、例えば、開口部21の縁、当該縁に面した上面/側面、船庫201の天井/壁/底、船庫201内の構造物等の位置を測定する位置測定部を構成する。
図1に示されるように、荷揚げ部9の上部には下方および側方にある測定対象物との距離を測定する複数の測距センサ19が設けられる。図示の荷揚げ時では、開口部21の縁、船庫201の天井/壁/底、ばら荷Mその他の物、船庫201内の人/構造物、掻き取り部11、船200、ブーム7/旋回フレーム5/走行部2/主操作室16等のCSU1の他の部分、岸壁101、埠頭102、レール3、ベルトコンベア45等が測距センサ19の測定対象物となる。複数の測距センサ19は、例えば、筒状のエレベータ本体14の上部に、当該エレベータ本体14の外周を囲むように配置されてもよい。あるいは、複数の測距センサ19は、エレベータ本体14の上部を旋回可能に支持するフランジ部91に、エレベータ本体14の外周を囲むように設けてもよい。複数の測距センサ19の下方および側方の測定範囲にブーム7が入らないように、複数の測距センサ19は荷揚げ部9とブーム7の接続部分より下方に設けられるのが好ましい。一方、複数の測距センサ19が荷揚げ部9とブーム7の接続部分より上方に設けられる場合、上面視(図1の上方から見た場合)で各測距センサ19をブーム7と重ならない位置に設ければよい。複数の測距センサ19の上面視での配置については後述する。なお、測距センサ19の数は任意である。例えば、荷揚げ部9の下方を中心に測距する測距センサ19と、荷揚げ部9の側方を中心に測距する測距センサ19を、それぞれ任意の数設けてもよい。
荷揚げ部9の下部の掻き取り部11には上方、側方、下方にある測定対象物との距離を測定する複数の測距センサ18が設けられる。図示の荷揚げ時では、開口部21の縁、船庫201の天井/壁/底、ばら荷Mその他の物、船庫201内の人/構造物、ブーム7等のCSU1の他の部分等が測距センサ18の測定対象物となる。測距センサ18は、掻き取り部11の前部(図1の左側部分)と後部(図1の右側部分)にそれぞれ設けられる。掻き取り部11のバケット27が掻き取ったばら荷Mの粉塵等による測定精度の悪化を避けるため、複数の測距センサ18はバケット27がばら荷Mを掘削する箇所(掻き取り部11の下部)から離れた位置(掻き取り部11の上部)に設けられるのが好ましい。なお、測距センサ18の数は任意である。例えば、掻き取り部11の側方を中心に測距する測距センサ18と、掻き取り部11の下方を中心に測距する測距センサ18を、それぞれ任意の数設けてもよい。
図4は、測距センサ18、19の外観を示す。測距センサ18、19は測距可能なレーザセンサであり、船庫201を含む測定対象物にレーザ光を送る送波部としてのレーザ発光部(図示せず)と、当該測定対象物で反射したレーザ光を受ける受波部としてのレーザ受光部(図示せず)を備え、測定対象物との距離を測定する測距部を構成する。測距センサ18、19の円柱状の筐体17の側面の全周に亘ってレーザ光が透過可能な透光部171が無端帯状に形成される。
筐体17内の透光部171に対向する位置に複数のレーザ発光部が設けられ、透光部171を介して筐体17外に直線状のレーザ光を発射する。各レーザ発光部は筐体17の軸Aの方向(図4の上下方向)に沿って所定間隔を置いて配置されるが、図4では簡易的に一点からレーザ光が発射されるように示す。また、模式的に図示されるように、各レーザ発光部の発射角度には互いに0.1°~3°程度の差異が設けられる。このような構成によって、測距センサ18、19は、筐体17の軸Aに垂直な面を基準面Sとして、基準面Sの上下の所定角度範囲内(図ではθ-~θ+の範囲内)にレーザ光を照射できる。θ-およびθ+は任意に設計可能だが、以下では-θ-=θ+=15°とする。このとき測距センサ18、19は基準面Sを中心とする±15°の範囲内にレーザ光を照射する。また、これらの複数のレーザ発光部は筐体17の軸Aの周りに360°回転可能に一体的に設けられる。このような構成によって、測距センサ18、19は、筐体17の周囲(側方)にある全ての測定対象物にレーザ光を照射できる。なお、CSU1や船200の内部や周囲にいる人を妨害しないように、近赤外線等の非可視波長のレーザ光を用いるのが好ましい。
測距センサ18、19は、複数のレーザ発光部を一体的に回転させながら、所定の回転角度毎にパルス状のレーザ光を発射させる。各レーザ発光部が発射したパルス状のレーザ光は、測定対象物で反射または散乱して測距センサ18、19に戻り、筐体17内に各レーザ発光部と共に設けられるレーザ受光部で受けられる。測距センサ18、19の演算部(図示せず)は、レーザ発光部がレーザ光のパルスを発射してからレーザ受光部が反射したレーザ光のパルスを受けるまでの時間に基づき、測定対象物との距離を演算する。この技術はLIDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)とも呼ばれる。
以上では測距センサ18、19の例としてレーザセンサを挙げたが、測距センサ18、19はその他の電磁波を用いるセンサでもよい。例えば、波長が1mm~10mm程度のいわゆるミリ波を用いたミリ波センサを測距センサ18、19として用いてもよい。ミリ波は、周波数が30GHz~300GHz程度と高いため、直進性が高くレーザと同様に扱える。ミリ波センサは図4のレーザセンサと同様に構成でき、レーザ発光部の代わりに測定対象物にミリ波を送るミリ波送信部を、レーザ受光部の代わりに測定対象物で反射したミリ波を受けるミリ波受信部を設ければよい。また、Time of Flight(ToF)方式のイメージセンサのように、レーザ光に限らない光を用いた光学センサを測距センサ18、19として用いてもよい。また、測距センサ18、19は、測定対象物に電磁波を送る送波部を備えないものでもよい。例えば、測定対象物を異なる方向から同時に撮影することで測距可能なステレオカメラ等を測距センサ18、19として用いてもよい。
また、測距センサ18、19に代えて/加えて、撮影対象物を撮影する撮影部としての一個または複数個のカメラを荷揚げ部9の任意の位置に任意の姿勢で設けてもよい。カメラが撮影した画像に基づいて船庫201を含む撮影対象物の位置を測定できるため、測距センサ18、19と同様に、荷揚げ中の荷揚げ部9が他の物と衝突するのを防止でき、ばら荷Mを効率的に荷揚げできる。
図4の測距センサ18、19は測定目的に応じた任意の姿勢で図1のCSU1に取り付けられる。例えば、掻き取り部11の測距センサ18は、図4の軸Aが鉛直方向で基準面Sが水平面となるように取り付けられる。このとき、測距センサ18は掻き取り部11の側方を中心に船庫201内を測距できる。また、測距センサ18は、図4の軸Aが水平方向で基準面Sが鉛直面となるように取り付けられてもよい。このとき、測距センサ18は掻き取り部11の上方の開口部21や掻き取り部11の下方のばら荷Mを測距できる。なお、測距センサ18の軸Aの向きは鉛直方向または水平方向に限らず任意の向きでよい。
荷揚げ部9の上部の測距センサ19は、図4の軸Aが水平方向で基準面Sが鉛直面となるように取り付けられる。このとき、測距センサ19は下方にある船庫201の開口部21の縁や船庫201内のばら荷M等を測距できる。なお、この測距センサ19は上方にもレーザ光を発射できるが、上方には測定対象物が存在しないため、測距センサ19の上側を遮光性のカバーで覆う等によって上方の測距が無効化される。また、測距センサ19は、図4の軸Aが鉛直方向で基準面Sが水平面と平行になるように取り付けられてもよい。このとき、測距センサ19は側方にある船庫201外の測定対象物を効率的に測距できる。測距センサ19の軸Aの向きは水平方向または鉛直方向に限らず任意の向きでよいが、以下では水平方向の場合を詳細に説明する。
以上のような測距センサ18、19を荷揚げ部9に設けることで、開口部21の縁、船庫201の天井/壁/底、ばら荷Mその他の物、船庫201内の人/構造物、掻き取り部11等の各種の測定対象物の位置を正確に把握できる。したがって、荷揚げ中の荷揚げ部9が他の物と衝突するのを防止でき、ばら荷Mを効率的に荷揚げできる。
図5は、測距センサ19の配置例を上面視で示す。測距センサ19として三つの測距センサ191、192、193が、フランジ部91またはエレベータ本体14の外周を囲むように配置される。測距センサ191は、図4の軸Aが図5の左右方向で、図4の基準面Sに対応する基準面S1が図5の上下方向になるように配置される。測距センサ191は基準面S1を中心とする±15°の範囲内にレーザ光を照射して測距する。測距センサ192、193は、図4の軸Aが図5の上下方向で、図4の基準面Sに対応する基準面S2、S3が図5の左右方向になるように配置される。測距センサ192、193は基準面S2、S3を中心とする±15°の範囲内にレーザ光を照射して測距する。測距センサ192、193の基準面S2、S3は互いに平行な異なる平面であり、測距センサ191の基準面S1と直交する。
CSU1は図5に示される姿勢を荷揚げ時の基本姿勢として船庫201からばら荷Mを搬出する。この基本姿勢において、走行部2は船庫201の正面位置からずれた位置にあり、旋回フレーム5およびブーム7は走行部2の軌道を構成するレール3に対して鋭角をなす旋回位置にある。このとき、荷揚げ部9は船200の船庫201の上方にあり、その下部の掻き取り部11が開口部21から船庫201内に挿入される。
船庫201の開口部21は、船200の進行方向(図5の左右方向)に長尺の矩形状であることが多い。この場合、開口部21の短辺(図5の上下方向の辺)に平行にレーザ光を照射する測距センサ191によって、開口部21の上辺の縁E11および下辺の縁E12を検出できる。なお、縁E11、E12の中心に示す点は測距センサ191の基準面S1上のレーザ光が開口部21の縁に当たる位置を表し、それを囲む矩形は基準面S1を中心とする±15°の範囲内に照射されたレーザ光が開口部21の縁に当たる範囲を模式的に表す。以下、測距センサ192、193についても同様の表記を用いる。
同様に、開口部21の長辺(図5の左右方向の辺)に平行にレーザ光を照射する測距センサ192、193によれば、開口部21の左辺の縁E21、E31および右辺の縁E22、E32を検出できる。二つの測距センサ192、193を用いることで、短尺方向に比べて測距難易度が高い長尺方向でも高精度に測距できる。このように図5の測距センサ191、192、193の配置は、長方形などの一方向に長尺な形状の開口部21の縁の検出に好適である。
なお、CSU1が図5に示される基本姿勢にない場合でも、荷揚げ部9が上面視で開口部21内にあれば、三つの測距センサ191、192、193によって、E11、E12、E21、E22、E31、E32に相当する開口部21の縁上の六つの測距点群を取得でき、開口部21の位置を正確に把握できる。
また、CSU1の荷揚げ時の基本姿勢は図5に示すものに限らず、例えば、走行部2が船庫201の正面にあり、旋回フレーム5およびブーム7がレール3に対して直角をなす姿勢を基本姿勢としてもよい。この場合、ブーム7の延伸方向が開口部21の短辺方向に一致するため、測距センサ191の基準面S1はブーム7の延伸方向と平行になり、測距センサ192、193の基準面S2、S3はブーム7の延伸方向と垂直になる。ここで、測距センサ191、192、193を筒状のエレベータ本体14の軸の周りに一体的に回転可能とすれば、CSU1の荷揚げ時の基本姿勢の変更に応じて、上記の長尺形状の開口部21に好適な測距センサ191、192、193の配置を容易に実現できる。
上記の測距センサ19の数および配置は一例に過ぎず、任意の数および配置を採用できる。測距センサ19の数は、上面視で荷揚げ部9を囲む船庫201の位置および形状を効率的に測定するために、少なくとも2個とするのが好ましい。より好ましくは3個以上とする。複数の測距センサ19は、フランジ部91またはエレベータ本体14の外周に沿って等間隔で配置してもよい。この場合の各測距センサ19の設置姿勢は任意であるが、例えば、各測距センサ19の基準面Sがフランジ部91またはエレベータ本体14の外周と接するように設置する。このように対称的な配置とすれば、CSU1の荷揚げ時の姿勢によらず安定的に船庫201の位置および形状を測定できる。
図6は、船庫201内の構造を検出する構造検出装置300の機能ブロック図である。構造検出装置300は、ユーザ操作受付部301と、構造モデル登録部302と、構造モデル保持部303と、位置測定部304と、乖離検出部305と、問合せ部306と、表示部307と、構造モデル更新部308を備える。これらの機能ブロックは、CSU1内外のコンピュータの中央演算処理装置、メモリ、入力装置、出力装置、コンピュータに接続される周辺機器等のハードウェア資源と、それらを用いて実行されるソフトウェアの協働により実現される。コンピュータの種類や設置場所は問わず、上記の各機能ブロックは、単一のコンピュータのハードウェア資源で実現してもよいし、複数のコンピュータに分散したハードウェア資源を組み合わせて実現してもよい。
ユーザ操作受付部301は、ユーザの操作を受け付ける。ユーザとしては、主操作室16内でCSU1を操作するオペレータや、CSU1のセットアップやCSU1稼働前の設定を行うシステム担当者が例示される。構造モデル登録部302は、ユーザ操作受付部301で受け付けたユーザの操作に応じて、船庫201内の構造モデルを構造モデル保持部303に登録する。
ここで、船庫201内の構造モデルとは、船庫201内の各部の構造、例えば、開口部21の縁、船庫201の天井面/壁面/底面/凹凸、船庫201内のはしご/消化器/配管/作業台/ツール置き場等の各種の構造物を模倣または再現する三次元モデルである。
図7は、船庫201内の構造モデルの一例を示す。船庫201内の構造モデルは三次元モデルであるが、本図は図5のyz平面による断面を模式的に示す。また、実際の構造モデルには含まれないが、船庫201内に挿入される荷揚げ部9も併せて模式的に図示する。船庫201内の構造モデルは、開口部21、天井面22、壁面23、底面24、突起部26等の船庫201内の空間を画定する各種の構造を含む。また、船庫201内の構造モデルは、はしご51、配管53等の船庫201内に恒常的または一時的に設置される各種の構造物を含む。構造モデルに含める構造物は特に限定されるものではないが、ある程度の期間に亘って船庫201内の一定の場所に留まる静止物とするのが好ましい。構造物が船庫201内の一定の場所に留まっている限り、次回以降の寄港時にも同一の構造モデルを利用できる。
以上の構造モデルに含まれる構造のうち、開口部21、壁面23、底面24等の船庫201の主要部の構造は既知であり、荷揚げ時には測距センサ18、19によって重点的に測定されるため、構造モデルがなくても荷揚げ中の荷揚げ部9がこれらの構造に衝突する可能性は少ない。一方、突起部26のような特殊な構造は、その有無も含めて船200によって異なるため事前に予測するのが難しく、小さい構造の場合は測距センサ18、19で適切に測定できない可能性も高いため、荷揚げ中の荷揚げ部9が衝突してしまうリスクがある。そのリスクは、はしご51、配管53等の構造物では更に高くなる。そこで、本実施形態ではこれらの構造を構造モデルに組み込むことによって、荷揚げ中の荷揚げ部9の衝突のリスクを低減し荷揚げの安全性と効率性を向上させる。構造モデル保持部303は、以上のような船庫201内の構造モデルを船200毎に保持する。
位置測定部304は、測距センサ18、19によって船庫201内にレーザ光を照射し、レーザ光が照射された複数の測定点の位置を検出する。構造検出装置300の処理では測距センサ18、19の一部のみを使用してもよい。この場合、船庫201内に挿入される掻き取り部11に設けられる測距センサ18を使用するのが好ましい。
位置測定部304による位置測定処理は、荷揚げ部9の荷揚げ中にリアルタイムで行ってもよいし、荷揚げ部9の荷揚げ前後に行ってもよい。荷揚げ中はばら荷Mを効率的に掻き取るために荷揚げ部9および掻き取り部11の位置および姿勢が制限されるため、荷揚げ前後に位置測定部304による位置測定処理を行うのが好ましい。荷揚げ前後の位置測定処理では、CSU1の各可動部(移動可能な走行部2、旋回可能な旋回フレーム5、起伏可能なブーム7、回転および変形可能な掻き取り部11等)を適宜駆動して、船庫201内の荷揚げ部9および掻き取り部11の三次元位置と姿勢を変えながら、複数の測距センサ18、19によって可能な限り多くの測定点の位置を検出するのが好ましい。
乖離検出部305は、位置測定部304で検出された複数の測定点と構造モデル保持部303に保持されている構造モデルの乖離を検出する。図8~10は、乖離検出部305による乖離検出処理例を段階的に示す。この簡易例では、図7の壁面23と底面24が既知の構造として構造モデルに組み込まれているが、突起部26が構造モデルに組み込まれていないため乖離検出部305によって乖離として検出される。図8~10において、上向きのコの字状またはU字状の実線は壁面23および底面24を含む構造モデルを表し、丸は測距センサ18、19(位置測定部304)で検出された測定点を表す。
ここで、図7に示すように、構造モデルは船庫201を基準とする船庫座標系sに属し、測定点は測距センサ18、19を基準とする測距部座標系lに属する。そのため、図8~図10のように測定点を構造モデル上に重畳するためには、測定点を測距部座標系lから船庫座標系sに変換する必要がある。測定点の測距部座標系lにおける座標をp=(l,l,l)という三次元ベクトルで表す場合、これを船庫座標系sにおける座標p=(s,s,s)に変換する式はp=Rls+tlsと表される。ここで、tlsは測距部座標系lの原点と船庫座標系sの原点の間を結ぶ三次元並進ベクトルであり、Rlsは測距部座標系lと船庫座標系sの姿勢の相違すなわち回転を表す3×3行列である。
図8(A)は、一つの測距センサ18の一回の測定で検出される測定点を表す。測距センサ18は測定範囲181内にレーザ光を照射し、そのレーザ光を反射または散乱した点を測定点として検出する。図8(B)は、複数回の測定で検出される測定点を重畳して示す。これらの測定点は、複数の測距センサ18、19で同時に検出したものでもよいし、一つまたは複数の測距センサ18、19の位置または姿勢を変えながら検出したものでもよい。
図9(A)では、乖離検出部305が、壁面23からの距離が第1所定値Δ1以内の測定点を除外する。これらの測定点は壁面23を示し、構造モデルとの乖離を示すものではないと考えられるためである。第1所定値Δ1は、測距センサ18、19の誤差等を考慮して任意に設定できるが、例えば0.1m程度に設定される。
図9(B)では、乖離検出部305が、底面24からの距離が第2所定値Δ2以内の測定点を除外する。これらの測定点はばら荷Mまたは底面24を示し、構造モデルとの乖離を示すものではないと考えられるためである。第2所定値Δ2は、図9(B)の時点で残っている測定点の底面24からの距離の中央値や平均値等に基づいて、底面24上に積まれたばら荷Mに対応する測定点を除外できるように適応的に設定される。このように第2所定値Δ2は、第1所定値Δ1と異なり一定の値に設定できる訳ではないが、ばら荷Mの積み上がる高さが考慮されるため第1所定値Δ1より大きくなる。例えば、図9(B)の時点で残っている測定点の底面24からの距離の中央値hがばら荷Mの平均的な高さを表すと考え、そこにばら荷Mの場所による凹凸を考慮した0.5m程度の余裕Δhを加えたh+Δhを第2所定値Δ2として設定する。なお、ばら荷Mの場所による凹凸を精緻に考慮するため、底面24を格子状等に分割した区間毎に第2所定値Δ2を設定してもよい。
図9(B)の時点では、図9(A)において壁面23に対応する測定点が既に除外されているため、ばら荷Mと考えられる灰色の測定点と、構造モデルとの乖離の可能性がある白色の測定点を効果的に区別できる。なお、図9(B)には底面24からの距離がΔ2より大きい灰色の測定点が二つあるが、これらは壁面23から大きく離れているため壁面23やそれに付随する構造物と考えられず、測定点数も少ないことから局所的に高く積み上がっているばら荷Mまたはノイズであるとして除外される。このとき、壁面23からの距離が第3所定値Δ3より大きいことを条件として測定点を除外してもよい。第3所定値Δ3は、第1所定値Δ1より大きく、例えば1.0m程度に設定される。
図10(A)では、乖離検出部305が、残っている測定点に対してクラスタリング処理を施し、互いに近接する一定数(例えば3)以上の測定点によるクラスタを形成する。図10(A)で一つだけ孤立している灰色の測定点はクラスタを形成できないため、ノイズであるとして除外される。この結果、図10(B)で最終的に残った三つの測定点による一つのクラスタ26が、測定点と構造モデルの実質的な乖離を表す。このクラスタ26は図7の突起部26を表し、後段の処理で構造モデルに追加される。
問合せ部306は、乖離検出部305が検出した乖離に基づいて、構造モデルの更新の要否をユーザに問い合わせる。問合せの態様は任意であるが、例えば、ユーザが視認可能な表示部307に問合せの内容を表示させる。問合せに対するユーザからの返答は、ユーザ操作受付部301を介して入力される。ユーザ操作受付部301と表示部307は、タッチパネル等によって一体的に構成してもよい。
図11は、問合せ画面例を示す。まず、冒頭の文「モデルに登録されていない構造が検出されました」によって、測定点と構造モデルの乖離が検出された旨がユーザに報知される。次の文「この構造は「はしご」の可能性があります」では、乖離検出部305がクラスタ26の形状の分析に基づいて推定した構造(はしご)を示唆する。形状の分析には公知の物体認識方法、例えば、VoteNet、PointPillar、ハフフォレスト等を利用できる。この時、乖離検出部305は、検出した乖離が示す物体を認識する物体認識部として機能する。その下の左の小画面には、乖離検出部305が検出した乖離としてのクラスタ26が構造モデルと共に表示され、右の小画面には乖離検出部305が推定した構造(はしご)を組み込んだ構造モデルが表示される。
次の文「この構造をモデルに追加しますか?」によって、クラスタ26に対応する構造を構造モデルに追加するか否かをユーザに問い合わせる。ユーザは、上記の二つの小画面の内容や、荷揚げ部9に設けられた測距センサ18、19やカメラから得られる詳細データを参照しながら判断し、「はい」または「いいえ」のいずれかのチェックボックスにチェックを入れる。次の文「この構造が「はしご」でない場合、正しい構造をご存じであれば以下に記入してください」によって、乖離検出部305の推定した構造(はしご)が誤りである場合に、ユーザが正しい構造(船庫の壁面からの突起部)を記入することで訂正できる。
なお、荷揚げ部9の荷揚げ中に並行して構造検出装置300による構造検出処理をリアルタイムで行う場合等、緊急性が高い場合や、ユーザが迅速に問合せに対応できない場合は、問合せ部306の処理を省略して、次の構造モデル更新部308の処理に進んでもよい。同様に、乖離検出部305で検出されたクラスタ(乖離)を構成する測定点数が多い場合等、ユーザに確認しなくても構造モデルに追加すべき構造を具体的に特定できる場合は、問合せ部306の処理を省略してもよい。問合せ部306の処理が省略された場合は、後段の構造モデル更新部308によって構造モデルが更新されるが、その更新の是非を事後的にユーザに問い合わせてもよい。
構造モデル更新部308は、乖離検出部305で検出された乖離に基づいて構造モデル保持部303に保持されている構造モデルを更新する。問合せ部306が構造モデルの更新の要否をユーザに問い合わせた場合は、ユーザ操作受付部301を介して入力される構造モデルの更新が必要とのユーザからの返答(図11の「はい」)に応じて、構造モデル更新部308は構造モデル保持部303に保持されている構造モデルを更新する。
以上の構成の構造検出装置300によれば、構造モデル保持部303に保持されている船庫201内の構造モデルをリファレンスとして、そこからの乖離に基づいて効率的に船庫201内の構造を検出できる。具体的には、構造モデルからの乖離として特定された構造を適応的に構造モデルに組み込むことができるため、突起部26のような船庫201の特殊な構造や、はしご51、配管53等の設置態様が多様な小さい船庫201内の構造物も効果的に検出できる。
図12は、構造検出装置300による構造検出処理例を示すフローチャートである。フローチャートにおける「S」はステップを意味する。
S1では、構造検出装置300が、CSU1の各可動部(走行部2、旋回フレーム5、ブーム7、掻き取り部11等)を適宜駆動して、船庫201内の荷揚げ部9および掻き取り部11の位置と姿勢を変更する。S2では、S1の位置と姿勢において、位置測定部304が測距センサ18、19によって船庫201を測定する。S3では、構造モデル保持部303に保持されている構造モデルが読み込まれる。S4では、S2で検出された測距部座標系lにおける測定点と、S3で読み込まれた船庫座標系sにおける構造モデルの比較によって船庫201の位置と姿勢が検出される。具体的には、図7に示される測距部座標系lと船庫座標系sの関係、すなわち両座標系間の三次元並進ベクトルtlsと回転行列Rlsが求められる。S5では、S4で求められたtlsおよびRlsに基づいて、S2で検出された測定点が測距部座標系lから船庫座標系sに変換される。
S6では、十分な測定点が集まったか否かが判定される。十分な測定点が集まっていない場合はS1に戻り、船庫201内の荷揚げ部9および掻き取り部11の位置と姿勢が変更されて測定点の取得(S2)が継続される。十分な測定点が集まった場合はS7に進む。ここで、S6における判定基準は任意に設定可能であるが、例えば、S3で読み込まれる構造モデル(図7参照)の天井面22、壁面23、底面24等の各面の近傍で一定数以上および/または一定密度以上の測定点が取得できた場合に十分であると判定する。
S7では、乖離検出部305が、S2で検出された複数の測定点とS3で読み込まれた構造モデルの乖離を検出する(図8~10参照)。S8では、S7で乖離が検出されたか否かが判定される。乖離が検出された場合はS9に進み、問合せ部306が、S7で検出された乖離に基づいて、構造モデルの更新の要否をユーザに問い合わせる(図11参照)。S10では、S9の問合せに対して構造モデルの更新が必要とのユーザからの返答があったか否かが判定される。構造モデルの更新が必要とのユーザからの返答があった場合はS11に進み、構造モデル更新部308が、S3で読み込まれた構造モデルを更新して構造モデル保持部303に格納する。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施形態では、問合せ部306を介してユーザと情報をやり取りしながらインタラクティブに構造モデルを更新できた。このコンセプトを更に推し進めて、図7のように最初から精緻な構造モデルを用意するのではなく、図13のように垂直または水平な線で表される単純な構造モデルからスタートし、ユーザとの対話を重ねることで構造モデルを段階的に精緻化してもよい。また、図14の画面例に示すように、最初は構造モデルを用意せずに位置測定部304で検出された測定点のみを表示し、ユーザへの質問(「船庫はW40m、H15mですか?))や操作指示(「底面の点をクリックしてください」)を通じて、ユーザと協働しながらゼロから構造モデルを作成してもよい。
本発明は、実施形態で説明したバケットエレベータ式の連続アンローダに限らず、スパイラル型の連続アンローダや、エアー搬送機構を備える連続アンローダにも適用できる。
なお、実施形態で説明した各装置の機能構成はハードウェア資源またはソフトウェア資源により、あるいはハードウェア資源とソフトウェア資源の協働により実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
1 荷揚げ装置(CSU)、2 走行部、5 旋回フレーム、7 ブーム、9 荷揚げ部、11 掻き取り部、14 エレベータ本体、16 主操作室、18、19 測距センサ、21 開口部、23 壁面、24 底面、26 突起部、200 船、201 船庫、300 構造検出装置、301 ユーザ操作受付部、302 構造モデル登録部、303 構造モデル保持部、304 位置測定部、305 乖離検出部、306 問合せ部、307 表示部、308 構造モデル更新部。

Claims (12)

  1. 船の貨物室内の構造を検出する構造検出装置であって、
    前記貨物室内の構造モデルを保持する構造モデル保持部と、
    前記貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定部と、
    前記複数の測定点と前記構造モデルの乖離を検出する乖離検出部と、
    前記乖離に基づいて前記構造モデルを更新する構造モデル更新部と
    を備える構造検出装置。
  2. 前記構造モデルは前記貨物室の壁面を含み、
    前記乖離検出部は乖離を検出する際に、前記壁面からの距離が所定値以内の測定点を除外する
    請求項1に記載の構造検出装置。
  3. 前記構造モデルは前記貨物室の底面を含み、
    前記乖離検出部は乖離を検出する際に、前記底面からの距離が所定値以内の測定点を除外する
    請求項1または2に記載の構造検出装置。
  4. 前記構造モデルは前記貨物室の壁面および底面を含み、
    前記乖離検出部は乖離を検出する際に、前記壁面からの距離が第1所定値以内の測定点と前記底面からの距離が第2所定値以内の測定点とを除外し、
    前記第1所定値は前記第2所定値より小さい
    請求項1から3のいずれかに記載の構造検出装置。
  5. 前記乖離検出部は、検出した乖離が示す物体を認識する物体認識部であり、
    前記構造モデル更新部は、前記物体認識部が認識した物体を前記構造モデルに反映する
    請求項1から4のいずれかに記載の構造検出装置。
  6. 前記乖離検出部が検出した乖離に基づいて、構造モデルの更新の要否をユーザに問い合わせる問合せ部を更に備え、
    前記構造モデル更新部は、構造モデルの更新が必要とのユーザからの返答に応じて前記構造モデルを更新する
    請求項1から5のいずれかに記載の構造検出装置。
  7. 前記位置測定部はレーザ光を用いるレーザセンサである請求項1から6のいずれかに記載の構造検出装置。
  8. 前記位置測定部は前記貨物室から貨物を搬出する搬出部に設けられる請求項1から7のいずれかに記載の構造検出装置。
  9. 前記位置測定部は前記搬出部の異なる位置に複数設けられる請求項8に記載の構造検出装置。
  10. 船の貨物室内の構造を検出する構造検出方法であって、
    前記貨物室内の構造モデルを格納する構造モデル格納ステップと、
    前記貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定ステップと、
    前記複数の測定点と前記構造モデルの乖離を検出する乖離検出ステップと、
    前記乖離に基づいて前記構造モデルを更新する構造モデル更新ステップと
    を備える構造検出方法。
  11. 船の貨物室内の構造を検出する構造検出プログラムであって、
    前記貨物室内の構造モデルを格納する構造モデル格納ステップと、
    前記貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定ステップと、
    前記複数の測定点と前記構造モデルの乖離を検出する乖離検出ステップと、
    前記乖離に基づいて前記構造モデルを更新する構造モデル更新ステップと
    をコンピュータに実行させる構造検出プログラム。
  12. 船の貨物室から貨物を荷下ろしする荷下ろし装置であって、
    前記貨物室内の構造モデルを保持する構造モデル保持部と、
    前記貨物室内の複数の測定点の位置を検出する位置測定部と、
    前記複数の測定点と前記構造モデルの乖離を検出する乖離検出部と、
    前記乖離に基づいて前記構造モデルを更新する構造モデル更新部と
    を備える荷下ろし装置。
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