JP2022155882A - マルチング材 - Google Patents

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Norihiro Usui
隆 神谷
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Abstract

【課題】通気性、通水性、保水性に優れ、土壌の圧密が起こりにくく、土壌の保温性を良好にし、かつ、土壌への悪影響が少なく、使用後に回収する必要がないマルチング材を提供する。【解決手段】ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなるマルチング材であって、粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が50質量%以上であり、かさ密度が0.3~1.2g/cm3であるマルチング材。該マルチング材の不溶残分は、好ましくは50質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチング材に関する。
農業分野等において、地温制御、防草効果、害虫忌避、土や泥の跳ねあがり防止、土壌の水分量の調整、防臭、美観の向上等の目的で、ウッドチップや枯草等の有機物、石等の無機物、及びプラスチックフィルム等を用いたマルチング材と呼ばれる資材を用いて、土壌の表面を被覆することが知られている。
例えば、特許文献1には、無機材料からなり、水に対してアルカリ成分を溶出可能であることを特徴とするマルチング材が記載されている。
また、特許文献2には、少なくともガラス材を含む無機材料に発泡剤を添加した混合物を、前記ガラス材の軟化温度以上に加熱焼成して得られるガラス発泡体を有するマルチング材であって、その吸水率が30重量%以下で、比重が0.8以上であることを特徴とするマルチング材が記載されている。
特開2000-253754号公報 特開2007-228904号公報
有機物を用いたマルチング材は、カビの発生、マルチング材自体の腐敗、土壌またはマルチング材中に湿気がたまることによる害虫の発生、たばこ等による火災の原因となる等の問題がある。また、プラスチックフィルムを用いたマルチング材は、使用後に劣化したマルチング材を回収し廃棄する必要があることや、作物への水やりが困難となることや、耐久性が低い等の問題がある。また、無機物を用いたマルチング材は、使用後に回収する必要があることや、密度及び質量が大きいため土壌が圧密されて作物の生育阻害が生じることや、防草効果が不十分である等の問題がある。
マルチング材として、廃コンクリートを粗砕したものを用いることも知られているが、廃コンクリートは、比重が大きく、骨材が含まれているため、マルチング材を用いた被覆層が厚くなり、土壌が圧密されて作物の生育阻害が生じるという問題がある。また、土壌の性質が(特に、廃コンクリートに含まれている骨材によって)大きく変化する可能性があるという問題がある。
本発明の目的は、通気性、通水性、保水性に優れ、土壌の圧密が起こりにくく、土壌の保温性を良好にし、かつ、土壌への悪影響が少なく、使用後に回収する必要がないマルチング材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなり、粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が50質量%以上であり、かさ密度が0.3~1.2g/cmであるマルチング材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]を提供するものである。
[1] ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなるマルチング材であって、粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が50質量%以上であり、かさ密度が0.3~1.2g/cmであることを特徴とするマルチング材。
[2] 不溶残分が50質量%以下である前記[1]に記載のマルチング材。
[3] 最大容水量が30%以上であり、細孔径が3nm~371μmである細孔の細孔容積率が30%以上であり、細孔径が3nm~371μmである細孔から得られた細孔比表面積分布における、細孔径中央値及び平均細孔径の少なくともいずれか一方が1.0μm以下である前記[1]又は[2]に記載のマルチング材。
[4] 粒度が0.6mm未満であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が30質量%以下であり、粒度が5mmを超えるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が5質量%以下である前記[1]~[3]のいずれかに記載のマルチング材。
[5]敷き均された、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面から鉛直方向に10cmの位置に配設された光源によって照らした場合の、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面の照度A及び光源の表面の照度Bから、下記式(1)を用いて算出された反射率が7%以上である前記[1]~[4]のいずれかに記載のマルチング材。
反射率(%)=照度A/照度B×100 ・・・(1)
[6] 前記[1]~[5]のいずれかに記載のマルチング材を用いた土壌のマルチング方法であって、土壌の表面に上記マルチング材を、上記マルチング材からなる被覆層の厚みが2~30mmとなるように施用することを特徴とする土壌のマルチング方法。
[7] 上記土壌が、高さが80cm以下の植物が植栽されているものである前記[6]に記載の土壌のマルチング方法。
本発明によれば、通気性、通水性、保水性に優れ、土壌の圧密が起こりにくく、土壌の保温性を良好にし、かつ、土壌への悪影響が少なく使用後に回収する必要がないマルチング材を得ることができる。
日光の当たる室内における、時刻と、気温又は地温の関係を示す図である。 上記室内における、図1とは異なる日に測定された、時刻と、気温又は地温の関係を示す図である。 経過時間と、水分減少率の関係を示す図である。
本発明のマルチング材は、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなるマルチング材であって、粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が50質量%以上であり、かさ密度が0.3~1.2g/cmであるものである。
以下、詳しく説明する。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物とは、ケイ酸カルシウムを含む化合物(以下、「ケイ酸カルシウム含有材料」ともいう。)の粉粒状物である。
本明細書中、「粉粒状」とは、粉状の材料(0.1mm未満の粒度を有するもの;粉体)の集合体、粒状の材料(0.1mm以上の粒度を有するもの;粒体)の集合体、または、粉状の材料および粒状の材料を含む集合体の形態を有することを意味する。また、「粉粒状物」とは、粉体の集合体、粒体の集合体、または、粉体および粒体を含む集合体を意味する。さらに、「粒度」とは、ふるいの目開き寸法に対応する大きさを意味する。例えば、0.6mm以下の粒度とは、目開きが0.6mmのふるいを通過することを意味する。
ケイ酸カルシウムを含む化合物の例としては、トバモライト、ゾノトライト、CSHゲル、フォシャジャイト、ジャイロライト、ヒレブランダイト、およびウォラストナイト等が挙げられる。ケイ酸カルシウム含有粉粒状物には、これらが1種以上含まれていてもよい。
トバモライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si18)・4H2O(板状の形態)、Ca・(Si18)(板状の形態)、Ca・(Si18)・8H2O(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
ゾノトライトとは、結晶性のケイ酸カルシウム水和物であり、Ca・(Si17)・(OH)2(繊維状の形態)等の化学組成を有するものである。
CSHゲルとは、αCaO・βSiO2・γH2O(ただし、α/β=0.7~2.3、γ/β=1.2~2.7である。)の化学組成を有するものである。具体的には、3CaO・2SiO2・3H2Oの化学組成を有するケイ酸カルシウム水和物等が挙げられる。
フォシャジャイトとは、Ca(SiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ジャイロライトとは、(NaCa)Ca14(Si23Al)O60(OH)・14HO等の化学組成を有するものである。
ヒレブランダイトとは、CaSiO(OH)等の化学組成を有するものである。
ウォラストナイトとは、CaO・SiO(繊維状又は柱状の形態)等の化学組成を有するものである。
中でも、入手の容易性および経済性の観点から、トバモライトが好適である。トバモライトとしては、天然の鉱物を用いてもよいが、入手の容易性の観点から、トバモライトを主成分とする軽量気泡コンクリート(ALC)を用いることが好ましい。
また、廃材の利用促進の観点から、軽量気泡コンクリートの製造工程や建設現場で発生する軽量気泡コンクリートの端材や廃材を用いることが、より好ましい。また、ゾノトライトを含む保湿材等の端材や廃材を用いてもよい。
ここで、軽量気泡コンクリートとは、トバモライト、および、未反応の珪石からなるものであり、かつ、80体積%程度の空隙率を有するものである。ここで、空隙率とは、コンクリートの全体積中の、空隙の体積の合計の割合をいう。
軽量気泡コンクリート中のトバモライトの割合は、軽量気泡コンクリートの内部の空隙部分を除く固相の全体を100体積%として、通常、50~80体積%程度である。
軽量気泡コンクリートは、例えば、珪石粉末、セメント、生石灰粉末、発泡剤(例えば、アルミニウム粉末)、水等を含む原料(例えば、これらの混合物からなる硬化体)をオートクレーブ養生することによって得ることができる。
ケイ酸カルシウム含有材料として、軽量気泡コンクリート等のセメント質硬化体を用いる場合、かさ密度を小さくしたり、骨材の土壌への悪影響を小さくする等の観点から、上記セメント質硬化体を粉砕してなる粉粒状物から、骨材(セメントの水和に伴って性質が変化した骨材も含む)を含む粉粒状物を除去してもよい。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の不溶残分は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは48質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。上記不溶残分が50質量%以下であれば、溶解が困難である骨材や微粒分が少なくなるため、土壌に骨材や微粒分が残存することによる土壌の性質の変化が起こりにくくなる。
上記不溶残分は、「ISO 5985:2002(Animal feedeing
stuffs-Determination of ash insoluble in hydrochloric acid)」に準拠して測定することができる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中、粒度が75μm以上である骨材の含有率は、かさ密度を小さくしたり、骨材の土壌への悪影響を小さくする等の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%、特に好ましくは20質量%以下である。粒度が75μm以上である骨材の含有率は、不溶残分に対して目開き75μmのふるいを用いたふるい分けや、レーザー式粒度分布測定器により求めることができる。
また、ケイ酸カルシウム含有材料は多孔質であることが好ましい。ケイ酸カルシウム含有材料が多孔質であれば、マルチング材のかさ密度をより小さくすることができ、マルチング材を施用した際に、土壌が圧密することを防ぐことができる。また、マルチング材の通気性、通水性、保温性、及び保水性等を向上することができる。さらに、使用後に細かく砕けやすくなるため、使用後のマルチング材と土壌を耕転しても、土壌の性質に及ぼす影響を小さくすることができる。
多孔質であるケイ酸カルシウム含有材料としては、上述した軽量気泡コンクリートが挙げられる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の、粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合は、50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは58質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。上記割合が50質量%未満であると、マルチング材の通気性、通水性、保温性、及び保水性が低下する。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の、粒度が1.00mmを超え、3.35mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合は、50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは58質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。上記割合が50質量%未満であると、マルチング材の通気性、通水性、保温性、及び保水性が低下する。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の、粒度が0.6mm未満であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは6質量%以下、特に好ましくは4質量%以下である。上記割合が30質量%以下であれば、マルチング材の通水性及び通気性がより向上する。また、散水時の土壌への水分の供給が容易となり、水はけが良くなる。
上記割合の下限値は、特に限定されないが、入手の容易性等の観点から、好ましくは0.8質量%、より好ましくは0.5質量%である。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の、粒度が5mmを超えるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0質量%である。上記割合が5質量%を超えると、マルチング材の被覆層の厚みを均一にしにくくなり、また、該厚みがより大きくなる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物のかさ密度は、0.3~1.2g/cm、好ましくは0.3~1.0g/cm、より好ましくは0.35~0.8g/cm、特に好ましくは0.4~0.6g/cmである。上記かさ密度が0.3g/cm未満であると、風による飛散や発塵のおそれがありマルチング材の施用が困難となる。上記かさ密度が1.2g/cmを超えると、マルチング材の質量で、土壌が圧密され、作物の発芽や成育が阻害される。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の最大容水量は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。最大容水量が30%以上であれば、マルチング材の保水性がより向上し、散水時に水分がケイ酸カルシウム含有粉粒状物に保持されるため、土壌の乾燥を抑制することができる。ここで、最大容水量とは、土壌に含むことができる水分量のうち、重力に抗して保持できる最大の水分量をいい、「ヒルガード法」に準拠して測定されるものである。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の、細孔径が3nm~371μmである細孔の細孔容積率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上である。上記容積率が30%以上であれば、マルチング材の保水性がより向上し、散水時に水分がケイ酸カルシウム含有粉粒状物に保持されるため、土壌の乾燥を抑制することができる。ここで、細孔容積率とは、全細孔容積に対する所定の細孔径の細孔の容積が占める割合をいい、水銀圧入法を用いて以下の式(1)から算出することができる。
(細孔に水銀を圧入していない状態でのケイ酸カルシウム含有粉粒状物の密度)/(細孔に水銀を圧入した状態でのケイ酸カルシウム含有粉粒状物の密度)×100%・・・(1)
細孔容積率が大きいほど、細孔容積が多く、かさ密度が低下し、比表面積が大きくなることを示す。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の、細孔径が3nm~371μmである細孔から得られた細孔比表面積分布における、細孔径中央値及び平均細孔径の少なくともいずれか一方は、好ましくは1.0μm以下、より好ましくは0.8μm以下、特に好ましくは0.5μm以下である。上記細孔径中央値及び上記平均細孔径の少なくともいずれか一方が1.0μm以下であれば、マルチング材の保水性がより向上し、散水時に水分がケイ酸カルシウム含有粉粒状物に保持されるため、土壌の乾燥を抑制することができる。
ここで、細孔比表面積分布における、細孔径中央値及び平均細孔径は、所定の細孔径の細孔と、該細孔の比表面積の分布図から得られるものであり、細孔径中央値とは、細孔比表面積分布図において積算細孔比表面積が全積算細孔比表面積の50%となる時の細孔径であり、平均細孔径は次式で算出される細孔径である。
平均細孔径=4×全細孔容積/全細孔比表面積 ・・・(2)
これらは水銀圧入法によって測定することができる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物について、敷き均された、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面から鉛直方向に10cmの位置に配設された光源によって照らした場合の、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面の照度A及び光源の表面の照度Bから、下記式(3)を用いて算出された反射率は、好ましくは7%以上、より好ましくは9%以上、特に好ましくは10%以上である。
反射率(%)=照度A/照度B×100 ・・・(3)
上記反射率が7%以上であれば、日光をより多く反射するため、アブラムシ等の害虫を防除することができる。
なお、乾燥状態とは、乾燥によって、水分の含有率が30質量%以下になった状態を示す。乾燥は、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物を、静置、風乾、又は加熱することによって行われる。
また、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物の代わりに、表面乾燥飽水状態(内部の細孔すべてが水で満たされている状態)のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を用いる以外は、同様にして上記式(3)を用いて算出された反射率は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上、特に好ましくは6%以上である。上記反射率が4%以上であれば、日光をより多く反射するため、アブラムシ等の害虫を防除することができる。
上述したマルチング材を用いた土壌のマルチング方法の一例としては、マルチング材の施用の対象となる土壌の表面に、マルチング材を、該マルチング材からなる被覆層の厚みが2~30mmとなるように施用する方法が挙げられる。
施用の対象となる土壌としては、特に限定されず、例えば、畑、水田、鉢植え内の土等が挙げられる。
施用方法としては、特に限定されないが、例えば、土壌にケイ酸カルシウム含有粉粒状物を散布する方法や、土壌にケイ酸カルシウム含有粉粒状物を塗布する方法等が挙げられる。
上記厚みは、目的に応じて適宜定めればよいが、通常、2~30mm、好ましくは3~28mm、より好ましくは5~25mmである。上記厚みが2mm未満であると、マルチング材による被覆が不十分となり、マルチング材の保温性、及び保水性が低下する。上記厚みが30mmを超えると、マルチング材の質量で土壌が圧密され、作物の発芽や成育が阻害される。また、すき込みを行う場合は、マルチング材の蓄積により土壌の性質の変化が起こる場合がある。
施用の対象となる土壌には、植物が植栽されていてもよい。植物としては、野菜や草花等の農作物、観葉植物等が挙げられる。中でも、草丈の低い野菜や草花が好適である。また、土壌に植物の種子を蒔いた後に、マルチング材を施用してもよい。
上記植物の高さは、好ましくは80cm以下、より好ましくは60cm以下、特に好ましくは40cm以下である。上記高さが80cm以下であれば、マルチング材に反射した日光が植物により強くあたるので、アブラムシ等の害虫の防除効果をより高めることができる。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物は、可溶性ケイ酸を含むため、水に溶解した際にケイ酸を溶出し、肥料としての効果も有する。また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物は、アルカリ成分を含むため、酸性化した土壌の中性化や、土壌の酸性化の防止を図ることができる。また、消石灰やセメント等の強アルカリ性の材料と比較して、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物は、弱アルカリ性であることから、土壌が強アルカリ性になることはなく、土壌への悪影響が少ない。また、すき込みが行われても、土壌が強アルカリ性になることはなく、土壌への悪影響が少ない。
使用後のマルチング材は、不溶残分が少なく、粒度が75μm以上である骨材を含んでいても少量であるため、回収、廃棄することなく、土壌にすき込んでもよい。すき込みは、作物の生育期の土寄せ時にすき込んでもよいが、害虫の防除の観点からは、作物の栽培終了後の耕転時にすき込むことが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の品質の測定]
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物として軽量気泡コンクリートを破砕したものを目開きが1mmと4mmの篩分けによって採取した。篩分けによるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の粒度分布測定結果を表1に示す。
Figure 2022155882000002
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の不溶残分を、「ISO 5985:2002(Animal feedeing stuffs-Determination of ash insoluble in hydrochloric acid)」に準拠して測定した。
上記不溶残分に対して、目開き75μmのふるいによるふるい分けにより、粒度が75μm以上である骨材含有量(表2中、「不溶残分中の75μm残分量」と示す。)を求めた。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の、粒度が75μm以上の骨材の割合(表2中、「75μm以上の骨材含有量」と示す。)を、上記不溶残分中の75μm以上である骨材含有量を用いて算出した。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の、細孔径が3nm~371μmである細孔の細孔容積率、並びに、細孔径が3nm~371μmである細孔から得られた細孔比表面積分布における、細孔径中央値及び平均細孔径を水銀圧入法(AutoPore IV9520,Micromeritics社製)によって測定した。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の最大容水量を、ヒルガード法に準拠して測定した。
また、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物を100mlメスシリンダーに充填して、かさ密度を測定した。
室温(20~27℃)の室内で1週間風乾した、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物について、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物を敷き均した後、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面から鉛直方向に10cmの位置に配設された光源を用いて、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物を照らした。なお、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物中の水分の含有率は27質量%であった。
ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面の照度A及び光源の表面の照度Bを、照度計を用いて測定し、上記式(1)を用いて反射率(表2中、反射率の欄の「乾燥」と示す。)を算出した。
照度Aの測定は、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面から、鉛直方向に11cm離れた位置に照度計を設置して行った。照度Bの測定は、光源の表面から11cm離れた位置に照度計を設置して行った。各照度の測定は、前記光源のみが発光する暗室にて実施した。
また、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を含水させて、表面乾燥飽水状態(内部の細孔すべてが水で満たされている状態)となるようにしたケイ酸カルシウム含有粉粒状物について、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物と同様にして反射率(表2中、反射率の欄の「飽水」と示す。)を測定した。
[コンクリート破砕物の品質の測定]
コンクリートを、ジョークラッシャーを用いて破砕した後、ふるい目開きが1.2mmと5mmのふるい分けにより、表1に示す粒度分布である破砕物を採取した。採取した破砕物を、CO濃度が5体積%であり、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下で、10日間炭酸化養生した。
得られたコンクリート破砕物の不溶残分、不溶残分中の粒度が75μm以上である骨材含有量、コンクリート破砕物中の粒度が75μm以上の骨材の割合、最大容水量、かさ密度、反射率をケイ酸カルシウム含有粉粒状物と同様にして測定した。
各々の結果を表2に示す。
Figure 2022155882000003
[実施例1]
マルチング材として、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物を使用し、以下の方法に基づいて、透水速度の算出、保温性の評価、水分減少率の算出を行った。
[透水速度の算出]
メスシリンダーで計量した200mlのマルチング材を、通水性を有しかつマルチング材が流出しない容器に投入して、容器を含む全質量を測定した。次いで、以下の(1)~(4)の手順を行い、有姿(乾燥状態)のマルチング材の透水速度及び水保持後のマルチング材の透水速度を算出した。
(1)200g程度の水を一定の速度でマルチング材にかけて、タイマーを用いて経過時間の測定を開始した。
(2)水が、容器から連続的に滴らなくなった時点でタイマーを止めることで、重力によって水が、容器から連続的に滴る時間を測定した。ここで、連続的に滴るとは、落下する複数の液滴間の落下間隔が3秒以内であることを意味する。
その後、経過時間の測定を開始した時間から、3分間静置し、水が容器から滴らなくなったことを再確認してから、再度容器を含む全質量を測定した。
(3)水が容器から連続的に滴る状態を維持していた時間と、マルチング材中に残った水の質量から、1秒あたりに落下する水の質量を算出し、これを「有姿(乾燥状態)のマルチング材の透水速度(表3中、透水速度の欄の「乾燥」と示す)。として、透水性の指標とした。
(4)有姿のマルチング材の透水速度を算出した後、上述した(1)~(2)の手順が終了したマルチング材(水を保持した状態のもの、以下「濡れ状態」と呼称する。)に対して、(2)~(3)の手順を再度行い、水保持後(濡れ状態)のマルチング材の透水速度(表3中、透水速度の欄の「濡れ」と示す)を算出した。
[保温性の評価]
マルチング材について、以下の(5)~(7)の手順を行い、マルチング材の保温性を評価した。
(5)土壌、及び、マルチング材に水を含ませ、土壌及びマルチング材から水は滴らないが、湿った状態にした。
(6)ノウバウエルポット(通水性のない容器;開口部表面積100cm)内に土壌を入れた後、土壌の表面にマルチング材を被覆層の厚みが1.5cmとなるように施用した。
(7)上記ポットを日光の当たるビニールハウス内に一日静置した。
時刻と、気温又は土壌の温度との関係を、図1に示す。
また、上記手順(5)~(7)を行った後、図1とは異なる日(すなわち、1日以上経過した後)に測定された時刻と、気温又は土壌の温度との関係を、図2に示す。
[水分減少率の算出]
また、上記(5)~(6)の手順で得られたポットを、日光の当たらない、相対湿度70%、気温10℃の恒温室内に静置し、9時(開始時)、9時50分(以降、所定の時間経過時ともいう。)、11時半、12時55分、15時、17時15の各時刻における、上記ポットの質量を測定し、得られた質量から、水分減少率を、以下の式に基づいて算出した。
水分減少率(%)=(開始時に測定した質量-所定の時間経過時に測定した質量)/開始時に測定した質量×100
時刻と、水分減少率との関係を、図3に示す。
また、上記(5)~(6)の手順で得られたポットを、日光の当たらない、相対湿度70%、気温30℃の恒温室内に静置し、開始時、及び、96時間経過後の各時点における、上記ポットの質量を測定し、得られた質量から、水分減少率を算出した。結果を表3に示す。
[比較例1]
マルチング材としてビニールフィルムを使用し、透水速度の算出、保温性の評価、水分減少率の算出を行った。
保温性の試験において、ビニールフィルムは吸水性および通水性を有しないことから、(5)の手順において、ビニールフィルム(マルチング材)に水を含ませることは行わなかった。また、(6)の手順において、土壌のみの試験区として、ノウバウエルポット内に、マルチング材と同じ被覆厚みである1.5cmの厚みとなる量の土壌を追加した水準を得て、測定した。
[比較例2]
マルチング材として、木くずを使用し、透水速度の算出、保温性の評価、水分減少率の算出を行った。
[比較例3]
マルチング材を使用せず、土壌のみで、透水速度の算出、保温性の評価、水分減少率の算出を行った。
[比較例4]
マルチング材として、コンクリート破砕物を使用し、透水速度の算出を行った。
結果を図1~3、表3に示す。
Figure 2022155882000004
表3から、実施例1は、乾燥状態では、比較例2(木くずを用いたもの)よりも透水性が低いものの、濡れ状態では、比較例2よりも透水性が高いことがわかる。また乾燥状態では、比較例4よりも透水性が低いものの、濡れ状態では、比較例4と同程度の透水性を示すことが分かる。ケイ酸カルシウム含有粉粒状物が乾燥状態において小さな透水速度を有することは、ケイ酸カルシウム含有粉粒状物がコンクリート破砕物よりも多くの水分を含むことが出来るために起こる。すなわち、マルチング材に水分がよく保持されるため、容器から水が滴りにくくなる。
図1~2から、実施例1は、比較例2および比較例4と同等の、日光による地温上昇性および保温性を有することがわかる。
図3から、実施例1は、比較例3(土壌)と同程度の保水性を有することがわかる。また、表3から、気温が30℃である場合、実施例1の、96時間静置時点の水分減少率は、比較例3の水分減少率よりも大きいことがわかる。このことから、土壌と比較して、水分が蒸発しやすいことがわかる。水分が蒸発しやすければ、地温の著しい上昇を抑制することができ、土壌中の水分が高温になることによる、植物の根への障害を緩和することができる。

Claims (7)

  1. ケイ酸カルシウム含有粉粒状物からなるマルチング材であって、
    粒度が1.00mmを超え、4.75mm以下であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が50質量%以上であり、
    かさ密度が0.3~1.2g/cmであることを特徴とするマルチング材。
  2. 不溶残分が50質量%以下である請求項1に記載のマルチング材。
  3. 最大容水量が30%以上であり、細孔径が3nm~371μmである細孔の細孔容積率が30%以上であり、細孔径が3nm~371μmである細孔から得られた細孔比表面積分布における、細孔径中央値及び平均細孔径の少なくともいずれか一方が1.0μm以下である請求項1又は2に記載のマルチング材。
  4. 粒度が0.6mm未満であるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が30質量%以下であり、粒度が5mmを超えるケイ酸カルシウム含有粉粒状物の割合が5質量%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のマルチング材。
  5. 敷き均された、乾燥状態のケイ酸カルシウム含有粉粒状物を、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面から鉛直方向に10cmの位置に配設された光源によって照らした場合の、上記ケイ酸カルシウム含有粉粒状物の表面の照度A及び光源の表面の照度Bから、下記式(1)を用いて算出された反射率が7%以上である請求項1~4のいずれか1項に記載のマルチング材。
    反射率(%)=照度A/照度B×100 ・・・(1)
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のマルチング材を用いた土壌のマルチング方法であって、土壌の表面に上記マルチング材を、上記マルチング材からなる被覆層の厚みが2~30mmとなるように施用することを特徴とする土壌のマルチング方法。
  7. 上記土壌が、高さが80cm以下の植物が植栽されているものである請求項6に記載の土壌のマルチング方法。
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