JP2022155758A - 開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、小型で操作性がよいリッドの開閉装置を提供することを目的とする。【解決手段】第1の筐体部と第2の筐体部とが組み合わされ、プッシュロッドと、モータと、固定部材とを収容し、 モータの出力軸にはギアが嵌め合わされ、 プッシュロッドは、押込位置と突出位置とを交互に切り替え可能であり、押込位置においてリッドを係止し、固定部材はギアと螺合し、モータの回転により出力軸方向に移動し、プッシュロッドが押込位置において、固定部材の留め具がプッシュロッドの嵌合孔に挿脱可能であり、固定部材は操作レバーを有し、操作レバーの上部に庇部が配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車のフューエルリッドや充電ポート用リッド等に使用する開閉装置に関するものである。
自動車の給油口の蓋であるリッド(フューエルリッド)に使用される開閉装置が知られている。このような開閉装置は、リッド(蓋)に対応して車体内部側に設けられている。
開閉装置は、進退するプッシュロッドを備えており、プッシュロッドは、外部からリッド(蓋)を押圧する毎に、リッドが閉状態の押込位置と開状態の突出位置とを交互に切り替わるよう構成されている。開閉装置のプッシュロッドの先端部には係止部が設けられ、押込位置においては、リッドはプッシュロッドの係止部と係止される。突出位置においては、リッドはプッシュロッドの係止部から解放され開放が可能になる。
このような開閉装置には、プッシュロッドの進退移動を規制し、押込位置に固定する規制部材(ストッパ)が設けられている。
この規制部材は双方向に回転可能な電動モータにより駆動される。電動モータに電気信号を与え、プッシュロッドの移動を規制したり、規制を解除したりすることが可能である。
また、電動モータの故障等に対処するため、マニュアル操作が可能なように、規制部材に対して規制解除用の操作部が設けられることがある。操作部は操作用ケーブルを介して操作される。
特開2017-214766号公報 特開2019-148160号公報
通常時には、開閉装置の操作部を使用することはなく、その使用頻度は少ない。そのため、車内の居室空間を圧迫しないよう小型化が求められている。
しかし、操作用ケーブルを用いる構成では小型化が困難であるという問題がある。
また、フューエルリッドは、燃料への水の侵入や電気系統の保護のため、液密に封止されており、さらに、開閉装置は、車内側に設置されているため、雨水の浸入がない。
しかし、例えば、車外の温度が低くかつ車内の湿度が高い場合には、結露が生じうる。特にフューエルリッドの開閉装置は車内外の境界に位置するため、結露が発生し易い環境に晒されることがある。給油口の車内側は内装のボードで覆われているため、このような状況を確認することは通常困難である。
そのため、従来、開閉装置内への水の浸入に対しては、十分な対策がとられていなかった。
結露した水が開閉装置の規制部材の駆動部に侵入すると水に引き寄せられた塵芥が析出し固形化したり、或いは、低い外気温により水が凍結したりして、規制部材の解除ができない状況が発生するリスクが生じる。
本発明は、小型で操作性がよく、また結露による問題を回避できるリッドの開閉装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる開閉装置は、
回動可能に支持されたリッド(1)の開閉に使用される開閉装置(100)であり、
プッシュロッド(5)とモータ(16)と固定部材(15)と第1の筐体部(11)と第2の筐体部(19)とを備え、
前記第1の筐体部(11)と前記第2の筐体部(19)とが組み合わされ、前記プッシュロッド(5)と、前記モータ(16)と、前記固定部材(15)とを収容し、
前記モータ(16)の出力軸(MS)にはギア(17)が嵌め合わされ、
前記プッシュロッド(5)は、嵌合孔(27)を有し、押込位置と突出位置とを交互に切り替え可能であり、押込位置において前記リッド(1)を係止する係止部(6)を有し、
前記固定部材(15)は、ねじ孔(54)と、留め具(51)と操作レバー(52)とを有し、
前記固定部材(15)の前記ねじ孔(54)は前記ギア(17)と螺合し、
前記ギア(17)と前記ねじ孔(54)とにより前記モータ(16)の回転運動は、前記固定部材(15)を前記出力軸(MS)方向に移動する並進運動に変換し、
前記プッシュロッド(5)が押込位置において、前記嵌合孔(27)と前記留め具(51)とが対向し、前記モータ(16)の回転運動により前記留め具(51)が前記嵌合孔(27)に挿脱可能に配置され、
前記第2の筐体部(19)は庇部(53)を有し、
前記庇部(53)は前記操作レバー(52)の上部に配置されていることを特徴とする。
このような構成とすることで、リッドの施錠と解錠が可能な開閉装置を小型化することが可能であり、また開閉装置の施錠機構に故障等の不具合が発生しても、操作レバーを操作することにより、容易に施錠を解除することができ、操作性を向上させることができる。また結露で生じた水滴の影響を排除することができる。
また、本発明にかかる開閉装置は、
前記ギア(17)は、前記出力軸(MS)にそって摺動可能であることを特徴とする。
また、本発明にかかる開閉装置は、
前記庇部(53)は上面視L字形であることを特徴とする。
また、本発明にかかる開閉装置は、
前記第1の筐体部(11)は前記庇部(53)の下部において、排出用開口部(56)を有することを特徴とする。
このような構成とすることで、操作レバーの負荷が軽減し、また操作者の指による操作が容易となり、操作レバーを目視で容易に確認することも可能となる。
また、結露等による水滴が操作レバー付近に留まることを防止できる。
また、本発明にかかる開閉装置は
底部支持部(12)をさらに備え、
前記プッシュロッド(5)は前記第1の筐体部(11)の収容空間(13)に収容され、
前記底部支持部(12)は、前記収容空間(13)の底部に位置し、前記プッシュロッド(5)を支持し、
前記プッシュロッド(5)の端部には摺動回転子(9)が回転可能に連結され、
前記摺動回転子(9)は外壁面に側部摺動ガイド部(91)、底部に底部摺動ガイド部(92)を有し、
前記収容空間(13)の内壁には前記摺動回転子(9)の回転をガイドし、前記側部摺動ガイド部(91)が摺動する切替ガイド(24)を有し、
前記底部支持部(12)は、前記摺動回転子(9)の回転をガイドし、前記底部摺動ガイド部(92)が摺動する底部斜面(23)を有することを特徴とする。
このような構成とすることで、リッドを押圧した際のプッシュロッドの回転機構の耐性を向上させることができる。
本発明によれば、小型で操作性がよく、また結露による問題を回避できるリッドの開閉装置を提供することができる。
図1(A)は給油口に適用したフューエルリッドを車外から見た斜視図、図1(B)車体に組み込まれたフューエルリッドを背面(車内)から見た斜視図であり、図1(C)は閉じた状態のフューエルリッドの部分断面図、図1(D)は開いた状態のフューエルリッドの部分断面図、図1(E)はプッシュロッド5の係止部6と被係止部7との関係を示す平面図である。 図2は開閉装置100の主要な構成要素を示す分解斜視図である。 図3(A)、図3(B)は回転摺動子9の上面図及び側面図であり、図3(C)はメインボディー11の収容空間13の内壁面を模式的に示す断面図であり、図3(D)は、収容空間13の内壁面の展開図であり、図3(E)は内壁面の部分拡大図である。 図4は、回転摺動子9とメインボディー11及び底部支持部12との関係を示す模式図である。 図5はプッシュロッド5が押込位置に位置する状態の開閉装置100の断面図である。図5(A)は固定機構によりプッシュロッド5が固定されていない状態の断面図であり、図5(B)は固定機構によりプッシュロッド5が固定されている状態の断面図である。 図6(A)は開閉装置100の上面図、図6(B)は開閉装置100の側面図である。図6(C)は庇部53の側面図、図6(D)は庇部53の上面図である。 図7(A)は、固定部材15によりプッシュロッド5が固定されていない状態での庇部53近傍の拡大斜視図であり、図7(B)は、固定部材15によりプッシュロッド5が固定されている状態での庇部53近傍の拡大斜視図であり、図7(C)は図7(B)のA-A断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
(実施形態1)
以下、開閉装置について、燃料給油口のフューエルリッド(燃料補給口の蓋)への適用例を説明するが、給電用ポートへの適用も可能である。
図1(A)は給油口に適用したフューエルリッドを車外から見た斜視図、図1(B)車体に組み込まれたフューエルリッドを背面(車内)側から見た斜視図であり、図1(C)は閉じた状態のフューエルリッド近傍の部分断面図、図1(D)は開いた状態のフューエルリッド近傍の部分断面図、図1(E)はプッシュロッド5の係止部6と被係止部7との関係を示す平面図である。
図1(A)に示すように、フューエルリッド1(以下、単にリッドと称す。)はヒンジ2により回動可能に支持され、閉じた状態では車体3に設けられたパネル開口部4(給油用開口部)を覆い液体の侵入を防ぐ。パネル開口部4の縁には、液密に封止するため、例えば樹脂製のパッキンが設けられている。
開閉装置100は、ヒンジ2の反対側に設けられている。
開閉装置100は、延展及び縮退可能なプッシュロッド5を備え、プッシュロッド5は突出位置及び押込位置を交互に切替可能である。プッシュロッド5の先端部には係止部6が設けられ、リッド1には、係止部6を協働する被係止部7が設けられている。
図1(C)はプッシュロッド5が縮退し、押込位置に位置する状態を示し、図1(D)はプッシュロッド5が延展し、突出位置に位置する状態を示す。
被係止部7は被係止孔8を備えている。
図1(C)に示すようにプッシュロッド5が押込位置に位置するとき、係止部6は図1(E)の点線に示すように、係止部6の長手方向と被係止孔8(係合孔)の長手方向とは互いに直交する。係止部6は被係止孔8を通過することができず、係止部6はリッド1を係止する。そのため、リッド1は閉状態を維持する。
図1(D)に示すようにプッシュロッド5が突出位置に位置するとき、プッシュロッド5が90°回転する。図1(E)の実線に示すように、係止部6の長手方向と被係止孔8の長手方向とは平行になる。係止部6の長手方向の長さ及びその垂直方向の長さは、それぞれ被係止孔8の長手方向及びその垂直方向の長さより短く、係止部6は被係止孔8を通過可能となる。そのため、リッド1は開放可能な状態となる。
図2は開閉装置100の主要な構成要素を示す分解斜視図である。
開閉装置100は、プッシュロッド5、プッシュロッド5の端部に回転可能に連結される回転摺動子9、プッシュロッド5を延展し突出位置に位置するよう付勢力を付加するスプリング10、プッシュロッド5を収容し支持するメインボディー(第1の筐体部)11、メインボディー11と連結固定されスプリング10の端部を支持する底部支持部12を備える。
メインボディー11において、プッシュロッド5は、断面が円形の収容空間13に収容されている。プッシュロッド5は、液密に固定するためのシール部材14により収容空間13に封止されている。
底部支持部12は、収容空間13の底部に位置し、プッシュロッド5を支持する。
さらに、開閉装置100は、プッシュロッド5の位置を固定し、移動を規制する固定部材15(ストッパ)、固定部材15を駆動するモータ16、モータ16の出力軸(回転軸)MSに嵌め合わされ回転運動が直接伝達されるギア17(送りねじ)、モータ16に電力を供給する電源ラインを接続するための端子18、モータ16、固定部材15等を保護するカバー(第2の筐体部)19を備える。
メインボディー11とカバー19とが組み合わされ、上記モータ16、プッシュロッド5、固定部材15等の構成要素を収容する筐体を構成する。
固定部材15は、プッシュロッド5を固定するための留め具51(固定ピン)を備え、さらに、固定部材15をマニュアルで操作するための操作レバー52を備える。
カバー19は、固定部材15の操作レバー52を覆うように構成された庇部53を備えている。(図6(B)参照。)
プッシュロッド5は、先端部にクッション20(緩衝部材)を備え、リッド1の内壁面とプッシュロッド5との直接的な衝突を防止する。
クッション20は、リッド1側のみが露出し、それ以外はメインボディー11に囲まれている。そのため、クッション20とスプリング10との間はメインボディー11により分離されており、クッション20の周囲からスプリング10へと水が浸入することはない。
プッシュロッド5は、その外壁面に螺旋状の傾斜した回転ガイド部21を備えている。回転ガイド部21は、プッシュロッド5の延展及び縮退にともない、プッシュロッド5を回転するために用いられる。
底部支持部12は、スプリング10を支持するシャフト22を備えるとともに、シャフト22(支持軸)の周りに回転摺動子9を回転させるためのカム機構を構成する底部斜面23を備えている。
図3はプッシュロッド5の位置を、押込位置と突出位置とで交互に切り替える機構について説明する図である。
図3(A)、図3(B)は回転摺動子9の上面図及び側面図であり、図3(C)はメインボディー11の収容空間13の内壁面を模式的に示す断面図であり、図3(D)は、収容空間13の内壁面の展開図であり、図3(E)は内壁面の部分拡大図である。
図3(A)に示すように、プッシュロッド5の端部に連結されている摺動回転子9は、円環形状であり外周壁に突起部91(側部摺動ガイド部)が設けられている。
図3(B)に示すように、側面から見た突起部91は、上面(プッシュロッド5)側に第1の側部摺動面S91a(上部摺動面)と突起部91の円周方向の両側に第2の側部摺動面S91bを備えている。
一方、摺動回転子9は底部に鋸波状部92(底部摺動ガイド部)を備え、鋸波状部92は底部摺動面S92(下部摺動面)を備えている。第1の側部摺動面S91aと底部摺動面S92とは、互いに逆向きのテーパーを有する(傾斜角の符号が互いに反対である)。
図3(C)に示すようにメインボディー11の収容空間13の内壁面には、突起部91をガイドし、プッシュロッド5の位置の切替を可能にする溝状の切替ガイド24を備えている。摺動回転子9の突起部91は、収容空間13の内部において切替ガイド24の壁面にガイドされて摺動し、プッシュロッド5は摺動回転子9にガイドされて移動する。
図3(D)に示すように、切替ガイド24は押込ガイド部25と突出ガイド部26とを備える。
図3(D)、図3(E)に示すように押込ガイド部25は、第1の押込ガイド摺動面S25aと第2の押込ガイド摺動面S25bとで構成される二段の摺動面を備えている。第1の押込ガイド摺動面S25aと第2の押込ガイド摺動面S25bとは、摺動回転子9の第1の側部摺動面S91aと同じ傾斜角を有している。第1の押込ガイド摺動面S25aと第2の押込ガイド摺動面S25bの境界には段差部STが存在し、段差部STの側壁面は突起部91の第2の側部摺動面S91bと平行である。
突出ガイド部26は、プッシュロッド5の長手方向(プッシュロッド5の移動方向)と平行な突出ガイド面S26aと停止面S26bを有している。突起部91の第2の側部摺動面S91bは突出ガイド面S26aに平行であり、第1の側部摺動面S91aは停止面S26bに平行である。
図4は、回転摺動子9とメインボディー11及び底部支持部12との関係を示す模式図である。
以下、図4を参照し、プッシュロッド5に回転自在に連結された摺動回転子9の動きについて説明する。図中S1-S10は、それぞれ摺動回転子9の状態を示す。
以下では、S1からS10へと順に移行する各状態について説明する。
なお、視認性のため、符号は省略することがある。
S1の状態:
プッシュロッド5は押込位置に位置し、摺動回転子9の突起部91における第1の側部摺動面S91aは第1の押込ガイド摺動面S25aに接している。
S2の状態:
操作者の手によってリッド1が押されると、それにともないプッシュロッド5及び摺動回転子9が移動する。摺動回転子9の底部摺動面S92は、底部支持部12の底部斜面23に当接する。
S3の状態:
底部摺動面S92と底部斜面23とは同じ傾斜角を有する。そのため、底部摺動面S92は底部斜面23に沿って摺動し、摺動回転子9は回転する。
S4の状態:
操作者がリッド1から手を離すと、スプリング10の付勢力により、プッシュロッド5が図中Y方向(突出方向)に移動し、摺動回転子9の第1の側部摺動面S91aが第2の押込ガイド摺動面S25bに当接する。
S5の状態:
第1の側部摺動面S91aと第2の押込ガイド摺動面S25bとは同じ傾斜角を有する。そのため、第1の側部摺動面S91aは第2の押込ガイド摺動面S25bに沿って摺動し、摺動回転子9が回転する。
S6の状態:
スプリング10の付勢力が摺動回転子9に付加され、第2の側部摺動面S91bが突出ガイド面S26aに沿って摺動しながら摺動回転子9は図中Y方向(突出方向)に移動する。第1の側部摺動面S91aが停止面S26bに当接し停止する。この状態で、プッシュロッド5は突出位置に位置する。
S7の状態:
操作者の手によってリッド1が押されると、それにともないプッシュロッド5及び摺動回転子9が移動する。摺動回転子9の底部摺動面S92は、底部支持部12の底部斜面23に当接する。
S8の状態:
S3と同様に、底部摺動面S92は底部斜面23に沿って摺動し、摺動回転子9は回転する。
S9の状態:
操作者がリッド1から手を離すと、スプリング10の付勢力によりプッシュロッド5が図中Y方向(突出方向)に移動し、摺動回転子9の第1の側部摺動面S91aが第1の押込ガイド摺動面S25aに当接する。
S10の状態:
摺動回転子9の第1の側部摺動面S91aと第1の押込ガイド摺動面S25aとは同じ傾斜角を有する。そのため、第1の側部摺動面S91aは第1の押込ガイド摺動面S25aに沿って摺動し、摺動回転子9が回転する。そして段差部STと突起部91の第2の側部摺動面S91bとが当接し、摺動回転子9の回転が停止する。S5の状態に戻る。
開閉装置100は、プッシュロッド5の押込位置を維持、固定するための固定機構が備えられている。
以下、図5を参照し、固定機構について説明する。
図5はプッシュロッド5が押込位置に位置する状態の開閉装置100の断面図である。図5(A)は固定機構によりプッシュロッド5が固定されていない状態の断面図であり、図5(B)は固定機構によりプッシュロッド5が固定されている状態の断面図である。
プッシュロッド5の固定機構は、主要構成要素として、固定部材15、モータ16、ギア17を含み、固定部材15は、プッシュロッド5の嵌合孔27に挿入される留め具51を有する。
プッシュロッド5の押込位置において、嵌合孔27は留め具51と対向し、モータ16の出力軸MSと留め具51と嵌合孔27は一直線上に配置される。
プッシュロッド5と留め具51との間のメインボディー11には貫通孔28が設けられている。
メインボディー11の収容空間13の内壁面には、プッシュロッド5の回転ガイド部21と接触するガイドピン30が設けられている。
プッシュロッド5が延展縮退(進退)するとガイドピン30が回転ガイド部21を摺動し、プッシュロッド5が回転する。回転ガイド部21の形状は、押込位置において、嵌合孔27は留め具51と対向するように調整されている。
押込位置において嵌合孔27に留め具51が挿入されるとプッシュロッド5の回転及び移動(進退)が防止され、固定(ロック)される。留め具51が嵌合孔27から抜き出されるとプッシュロッド5の固定が解除され、プッシュロッド5の回転及び移動が可能となる。
このように、留め具51はモータ16の回転運動により嵌合孔27に挿脱可能であり、嵌合孔27に留め具51を挿脱することにより、プッシュロッド5の固定及び解除が可能となる。
モータ16の出力軸MSには送りねじであるギア17が嵌め合わされている。出力軸MSの断面は、例えばD形状であり、ギア17には出力軸MSの断面と同形の貫通孔が設けられ、回転運動を伝達するように構成されている。
なお、出力軸MSの断面形状はD形状に限定するものではなく、ギア17と出力軸MSとが嵌め合わされて、出力軸MSの回転運動がギア17に伝達されれば、出力軸MSの断面はどのような形状でもよい。
固定部材15は、固定部材15を貫通し、ギア17と螺合するねじ孔54が設けられ、送りねじ(雄ねじ)であるギア17に螺合する送りナット(雌ねじ)として機能する。モータ16に電力を供給し出力軸MSが回転すると、ギア17が回転し、固定部材15が出力軸MSの軸方向に移動する。すなわち、固定部材15とギア17との組み合わせは、回転運動を出力軸MS方向に進退(前後)する並進運動に変換する。出力軸MSの移動方向及び移動量は、モータ16の回転方向及び回転数で制御できる。
固定部材15は、モータ16の回転運動により出力軸MS方向に並進運動する。
図5(A)に示す状態から、モータ16を駆動させることにより、固定部材15をプッシュロッド5に向かって移動させ、固定部材15に設けられた留め具51をメインボディー11の貫通孔28を介してプッシュロッド5の嵌合孔27に嵌め込むことができる。
図5(B)は、留め具51がプッシュロッド5の嵌合孔27に嵌め込まれた状態を示す。この状態でプッシュロッド5は固定され、押込位置が維持される。
その後、モータ16の電力の供給を停止しても留め具51は嵌合孔27に嵌め込まれた状態を維持するため、プッシュロッド5は固定された状態を維持することができる。
この状態では、リッド1を押してもプッシュロッド5は移動しないため、リッド1を開くことはできなくなる。
また、モータ16の出力軸MSを反対に回転することで、固定部材15は逆方向に移動し、留め具51は嵌合孔27から抜き出され、プッシュロッド5の移動が可能となる。リッド1を押すことで、リッド1を開くことが可能となる。
プッシュロッド5の固定と解除は、モータ16により制御可能である。
モータ16はスマートキー(リモートキー)と連動させて駆動してもよい。車のドアの施錠、解錠と、開閉装置100によるリッド1の固定、解錠を連動させることができる。
固定部材15には操作レバー52が設けられている。メインボディー11にはレバー開口部29が設けられており、操作レバー52の一部がレバー開口部29から外方に露出している。
操作者は指で操作レバー52を操作することができ、固定部材15をマニュアル操作により移動させることも可能である。例えば、何らかの故障等によりモータ16を駆動させることができなくなった場合、操作レバー52を操作し、留め具51は嵌合孔27から抜き出すことが可能である。
ギア17と固定部材15との組み合わせにより、操作性のよい小型な開閉装置100を製造することができる。
なお、ギア17は出力軸MSに固定されてもよいが、出力軸MSに固定することなく出力軸MSの方向に摺動可能に嵌め込み、連結されてもよい。
ギア17の収容領域の長さL11(図5(B)参照)をギア17の先端からフランジ部70までの長さL17(図2参照)より長く設定する。
ギア17は、出力軸MSの軸の方向に摺動可能でありながら出力軸MSとともに回転することができる。
操作レバー52により固定部材15を移動させる場合、送りナットである固定部材15を移動させて送りねじであるギヤ17を回転させ、その結果出力軸MSを回転させることとなる。固定部材15のねじ孔54のねじ山とギヤ17のねじ山の接触面積は広く摩擦は大きくなる。留め具51と嵌合孔27との静止摩擦に加え、固定部材15とギヤ17との静止摩擦が同時に加わるため、操作レバー52の初動時には比較的大きな力を要する。ギヤ17を出力軸MSに対して摺動可能に嵌め合うことで、操作初動時において、ギア17を回転させることなく所定量(L11-L17)摺動させることができる。そのため、2種類の静止摩擦が同時に加わることを防止し、操作レバー52の操作開始時の負荷を軽減する。さらに固定部材15の移動速度が得られると、その後の固定部材15の移動の負荷をも軽減でき、操作レバー52の操作性を向上させることができる。
図6(A)は開閉装置100の上面図、図6(B)は開閉装置100の側面図である。図6(C)は庇部53の側面図、図6(D)は庇部53の上面図である。図6(A)、図6(D)は鉛直方向の上方から見下ろした図である。
図7(A)は、固定部材15によりプッシュロッド5が固定されていない状態での庇部53近傍の拡大斜視図であり、図7(B)は、固定部材15によりプッシュロッド5が固定されている状態での庇部53近傍の拡大斜視図であり、図7(C)は図7(B)のA-A線断面図である。
図6(A)、図6(B)に示すように、操作レバー52の上部には庇部53が設けられている。
庇部53はカバー19と一体で形成することができる。
なお、庇部53は、モータ16の端子18の全体を覆う電極保護部55とは別個に独立して設けられている。
図6(C)に示すように、庇部53は、操作レバー52の上面が覆われるように、カバー19の断面はコの字型(U字形)である。
図6(D)に示すように庇部53は、突出部T53を備えた上面視L字形であり、庇部53のレバー開口部29側(図中左側)の厚さが厚いエッジ部E53を有している。そのため、結露により水滴が発生し、庇部53に落ちても、操作レバー52部に侵入することはない。
その結果、凍結や塵埃の固化等により操作レバー52が操作不能になることを防止することができる。
図7(A)に示すように 、プッシュロッド5の固定が解除されている状態においては操作レバー52は庇部53の突出部T53の下に収容され、突出部T53により上部が覆われる。
結露等により発生した水滴は、一旦庇部53で受けられ、庇部53の側壁面SWに沿って下方に落ちる。庇部53の下方に位置するメインボディー11は、図中右斜め下に向かう傾斜面を有し、水滴は傾斜面に沿って流れ落ちる。
なお、メインボディー11の庇部53の下部には、水滴が(一時的に)溜まることを防止し、速やかに流れ落ちるよう排出用開口部56(ドレイン開口部)を設けてもよい。
固定部材15により、プッシュロッド5を固定するには、操作レバー52を図7(A)中矢印方向に移動させる。
図7(B)に示すように固定部材15によりプッシュロッド5が固定されている状態では、操作レバー52は突出部T53に覆われておらず、上面から容易に目視にて確認することができる。従って、操作者は、操作レバー52を目視することにより、プッシュロッド5が固定状態(ロック状態)であることを認識することができる。
また、この状態においては、操作レバー52の側壁面が露出しており、操作レバー52の操作により、プッシュロッド5の固定の解除が容易である。
図7(C)に示すように、操作レバー52の上面TS52をテーパー形状としてもよい。上面TS52に傾斜角を持たせることにより、万が一操作レバー52の上面TS52に水滴が落ちても、速やかに流れ落とすことが可能となる。
さらに、開閉装置100内部への水滴の浸入を防止するため、庇部53の下部において、カバー19及びメインボディー11の表面からレバー開口部29に向かって、それぞれ突起部57、58を設けてもよい。
このように、庇部53によって、操作レバー52を完全に覆うことなく結露水対策が可能であり、操作レバー52の操作性を確保できる。
さらに、操作レバー52は、操作者が上方から見て直ぐに視認できる箇所に設置されているため、容易に操作が可能である。
本発明にかかる開閉装置100は、プッシュロッド5のリッド1の開閉に伴う押圧操作に対する耐性が高い。また、プッシュロッド5の固定機構を単純な構成とし、操作レバー52により、直接的にプッシュロッドの解錠が可能な構成であり、開閉装置100の小型化が可能となる。
さらに、操作レバー52の結露等の水滴による操作不能を防止することが可能である。
本発明によれば、小型で操作性がよく、また結露の影響を回避することができる開閉装置を得ることができる。本開閉装置100は、給油口だけでなく充電ポートへの適用が可能である。また、小型化が可能であるため、種々の車両への適用が可能であり、産業上の利用可能性は高い。
100 開閉装置
1 リッド(蓋)
2 ヒンジ
3 車体
4 パネル開口部(給油用開口部)
5 プッシュロッド5
6 係止部
7 被係止部
8 被係止孔(係合孔)
9 回転摺動子
10 スプリング
11 メインボディー(第1の筐体部)
12 底部支持部
13 収容空間
14 シール部材
15 固定部材(ストッパ)
16 モータ
17 ギア(送りねじ)
18 端子
19 カバー(第2の筐体部)
20 クッション(緩衝部材)
21 回転ガイド部
22 シャフト(支持軸)
23 底部斜面
24 切替ガイド
25 凸部
S25a 第1の押込ガイド摺動面
S25b 第2の押込ガイド摺動面
26 凹部
27 嵌合孔
28 貫通孔
29 レバー開口部
30 ガイドピン
51 留め具(固定ピン)
52 操作レバー
53 庇部
54 ねじ孔
55 電極保護部
56 排出用開口部(ドレイン開口部)
57、58 突起部
70 フランジ部
91 突起部(側部摺動ガイド部)
92 鋸波状部(底部摺動ガイド部)
S91 側部摺動面(上部摺動面)
S91a 第1の側部摺動面
S91b 第2の側部摺動面
S92 底部摺動面(下部摺動面)
MS 出力軸(回転軸)
E53 エッジ部
SW 側壁面
T53 突出部
TS 上面

Claims (5)

  1. 回動可能に支持されたリッド(1)の開閉に使用される開閉装置(100)であり、
    プッシュロッド(5)とモータ(16)と固定部材(15)と第1の筐体部(11)と第2の筐体部(19)とを備え、
    前記第1の筐体部(11)と前記第2の筐体部(19)とが組み合わされ、前記プッシュロッド(5)と、前記モータ(16)と、前記固定部材(15)とを収容し、
    前記モータ(16)の出力軸(MS)にはギア(17)が嵌め合わされ、
    前記プッシュロッド(5)は、嵌合孔(27)を有し、押込位置と突出位置とを交互に切り替え可能であり、押込位置において前記リッド(1)を係止する係止部(6)を有し、
    前記固定部材(15)は、ねじ孔(54)と、留め具(51)と操作レバー(52)とを有し、
    前記固定部材(15)の前記ねじ孔(54)は前記ギア(17)と螺合し、
    前記ギア(17)と前記ねじ孔(54)とにより前記モータ(16)の回転運動は、前記固定部材(15)を前記出力軸(MS)方向に移動する並進運動に変換し、
    前記プッシュロッド(5)が押込位置において、前記嵌合孔(27)と前記留め具(51)とが対向し、前記モータ(16)の回転運動により前記留め具(51)が前記嵌合孔(27)に挿脱可能に配置され、
    前記第2の筐体部(19)は庇部(53)を有し、
    前記庇部(53)は前記操作レバー(52)の上部に配置されていることを特徴とする開閉装置(100)。
  2. 前記ギア(17)は、前記出力軸(MS)にそって摺動可能であることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
  3. 前記庇部(53)は上面視L字形であることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
  4. 前記第1の筐体部(11)は、前記庇部(53)の下部において、排出用開口部(56)を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の開閉装置。
  5. 底部支持部(12)をさらに備え、
    前記プッシュロッド(5)は前記第1の筐体部(11)の収容空間(13)に収容され、
    前記底部支持部(12)は、前記収容空間(13)の底部に位置し、前記プッシュロッド(5)を支持し、
    前記プッシュロッド(5)の端部には摺動回転子(9)が回転可能に連結され、
    前記摺動回転子(9)は外壁面に側部摺動ガイド部(91)、底部に底部摺動ガイド部(92)を有し、
    前記収容空間(13)の内壁には前記摺動回転子(9)の回転をガイドし、前記側部摺動ガイド部(91)が摺動する切替ガイド(24)を有し、
    前記底部支持部(12)は、前記摺動回転子(9)の回転をガイドし、前記底部摺動ガイド部(92)が摺動する底部斜面(23)を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の開閉装置。
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