JP2022154312A - ソレノイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定鉄心側に可動鉄心を移動させるために必要なコイルへの通電量を低減しつつ、ソレノイド装置に必要な作動性を確保することができるソレノイド装置を提供する。【解決手段】ソレノイドケース6と、ソレノイドケース6の内方に収容されるコイル2と、固定鉄心4と、軸方向に往復動可能に配置され、コイル2への通電により生じる電磁力により少なくとも軸方向の固定鉄心4側に移動される可動鉄心30と、を備えるソレノイド装置1であって、可動鉄心30には固定鉄心4側に永久磁石7が固定されており、可動鉄心30は、永久磁石7の側面71に沿って背面側から前面方向に延出する凸部32を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、可動鉄心により各種装置を作動させるソレノイド装置に関する。
様々な産業分野において弁や機械等の各種装置を作動させる手段として、ソレノイド装置が利用されている。ソレノイド装置は、コイルに通電されることで往復動可能に配置された可動鉄心を電磁的に移動させることにより、各種装置を作動させるようになっている。
一般的にソレノイド装置は、磁性体から構成されるソレノイドケースと、ソレノイドケースの内方に収容されるコイルと、固定鉄心と、可動鉄心と、を具備し、コイルへの通電により固定鉄心と可動鉄心との間に磁力を発生させ、可動鉄心を軸方向の固定鉄心側に移動させるものであり、可動鉄心には各種装置に当接または接続されるロッドが軸方向一端側に延びている。このようなソレノイド装置の構造は、多種多様であるが、可動鉄心を固定鉄心側に引き寄せる永久磁石を別に設けたものもある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に示されるソレノイド装置は、可動鉄心に永久磁石が埋設されており、この永久磁石の磁力により可動鉄心が固定鉄心側に引き寄せられる構成となっている。これによれば、永久磁石の磁力を利用することで、固定鉄心側で可動鉄心の位置を保持するために必要なコイルへの通電量を低減することができる。
特開平1-302707号公報(第2頁、第3図)
このように特許文献1のようなソレノイド装置にあっては、常時磁力が発生している永久磁石を用いることで、通電時に磁力を発生させる電磁石側に必要となる磁力を低減させることができる。しかしながら、永久磁石による磁力は、永久磁石と吸引される対象物である固定鉄心との離間距離が大きくなるにつれて小さくなるものの、永久磁石による磁力は軸方向の広い領域で固定鉄心に及ぶことから、可動鉄心を固定鉄心から離間させる際の抵抗となり、可動鉄心の作動性を低下させてしまう虞があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、固定鉄心側に可動鉄心を移動させるために必要なコイルへの通電量を低減しつつ、ソレノイド装置に必要な作動性を確保することができるソレノイド装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のソレノイド装置は、
ソレノイドケースと、前記ソレノイドケースの内方に収容されるコイルと、固定鉄心と、軸方向に往復動可能に配置され、前記コイルへの通電により生じる電磁力により少なくとも軸方向の固定鉄心側に移動される可動鉄心と、を備えるソレノイド装置であって、
前記可動鉄心には前記固定鉄心側に永久磁石が固定されており、
前記可動鉄心は、前記永久磁石の側面に沿って背面側から前面方向に延出する凸部を有する。
これによれば、永久磁石の磁力線は、永久磁石の固定鉄心側と凸部との間に集中し、大きな吸引力を得ることができ、固定鉄心側に可動鉄心を移動させるために必要なコイルへの通電量を低減することができる。また、永久磁石の磁力線が永久磁石の固定鉄心側と凸部との間に集中することで、永久磁石の磁力の影響が及ぶ軸方向の領域が狭められていれるため、固定鉄心を可動鉄心から離間させると、固定鉄心に作用する吸引力が急激に減衰することとなる。これらにより、ソレノイド装置に必要な作動性を確保することができる。
前記凸部は、前記永久磁石の側面を前後方向に覆うように延びていてもよい。
これによれば、軸方向の固定鉄心側にて永久磁石の前面と凸部とが近接しており、固定鉄心に対する大きな吸引力を得ることができる。
前記永久磁石と前記固定鉄心との当接を防止する移動規制手段があってもよい。
これによれば、永久磁石と固定鉄心との衝突を防止できる。
前記凸部は、周方向に無端状に形成されていてもよい。
これによれば、周方向に均等に吸引力を得られる。
前記凸部は、前記永久磁石の外径側に形成されていてもよい。
これによれば、凸部の面積を広く確保できる。
前記凸部は、前記固定鉄心の外径側または内径側に形成された凹部に挿入可能となっていてもよい。
これによれば、永久磁石と固定鉄心の対向面同士を近接させられる。
前記永久磁石は、環状であってもよい。
これによれば、簡素に周方向に均等な吸引力を得ることができる。
前記永久磁石は、前記固定鉄心側に配置される非磁性体からなる固定手段と前記可動鉄心の前記固定鉄心に対する対向面との間に挟持されていてもよい。
これによれば、永久磁石と可動鉄心とを一体に移動させることができる。
本発明に係る実施例1のソレノイド装置において可動鉄心が固定鉄心から離間して静止した状態を示す断面図である。 実施例1のソレノイド装置において可動鉄心が固定鉄心に近接して静止した状態を示す断面図である。 実施例1における永久磁石による磁力線を示す模式図である。 磁性体に埋設された永久磁石による磁力線を示す模式図である。 実施例1において、可動鉄心が固定鉄心から離間して静止した状態から固定鉄心に近接して静止するまでを説明するための図である。 実施例1において、可動鉄心が固定鉄心から近接して静止した位置から固定鉄心に離間して静止するまでを説明するための図である。 本発明に係る実施例2のソレノイド装置の断面図である。
本発明に係るソレノイド装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係るソレノイド装置につき、図1から図6を参照して説明する。以下、図1にて矢印と共に示す左右をソレノイド装置の左右として説明する。また、本発明において、永久磁石を基準として、永久磁石の固定鉄心側、すなわち左側を正面側、これの反対側、すなわち右側を背面側とする。
図1および図2に示されるように、ソレノイド装置1は、コイル2と、可動鉄心30を有するプランジャ3と、固定鉄心としてのセンタポスト4と、復帰用のスプリング5と、ソレノイドケース6と、自己保持用の永久磁石7と、リング状のホルダ8と、から主に構成されている自己保持型ソレノイドである。
コイル2は、絶縁体から形成される鍔付き略円筒形状のボビン20と、ボビン20の外周に所定回数巻き回される導線21と、から主に構成されている。導線21の端部は、リード線22に接続され、図示しない電源から電力が供給されることにより、コイル2は磁束を発生する。
また、コイル2の軸方向右側には、ホルダ8が配置され、コイル2の内径とホルダ8の内径が略同一に構成されている。
プランジャ3は、鉄等の磁性体から形成される略円筒形状の可動鉄心30と、アルミ合金等の非磁性体から形成されプランジャ3の軸方向(以下、単に「軸方向」と表記する。)に突出する軸部としてのロッド31と、を有している。
また、プランジャ3は、コイル2およびホルダ8の内径側に配置される。尚、可動鉄心30の外周面とコイル2のボビン20およびホルダ8の内周面との間は、径方向に僅かに離間することにより微小な隙間が形成されており、可動鉄心30は、コイル2およびホルダ8に対して軸方向に円滑に相対移動可能となっている。
また、可動鉄心30には、径方向中央に軸方向に貫通する貫通孔30aが設けられている。貫通孔30aには、ロッド31の基部31bが挿通され溶接,圧入等により一体に固定されている。すなわち、可動鉄心30とロッド31は、軸方向に共に移動可能となっている。
また、可動鉄心30は、可動鉄心30の貫通孔30aの外径側から径方向に延びる、センタポスト4に対向する対向面としての平坦面30bが設けられている。平坦面30bは軸方向に直交している。
また、可動鉄心30の軸方向左側の端部には、平坦面30bの外径側から軸方向左側へ向けて延びる凸部としての環状の吸引部32が形成されている。吸引部32は、軸方向左側から順に、径方向に延びる環状の平坦面32aと、平坦面32aの内径側から軸方向右側に向けて漸次径が小さくなるように傾斜して延びる断面視直線状のテーパ面32bを備えている。テーパ面32bは、軸方向右端が可動鉄心30の平坦面30bに連続している。
ロッド31は、その軸方向左側の端部に形成された小径の取付部31aと、取付部31aよりも大径の基部31bを有し、取付部31aには円板状のリテーナ33が圧入固定されている。尚、ロッド31の軸方向右側の端部は、図示しない開閉弁等の負荷に対して接続されている。
また、ロッド31の基部31bには、軸方向左端部の外周に内径方向に凹設された環状の環状溝31cが形成されている。
永久磁石7は、プランジャ3の可動鉄心30の貫通孔30aの内径よりもわずかに大きくまたは同径に形成された貫通孔70を有する環状の薄板状であり、貫通孔70にロッド31が挿通された状態で、永久磁石7の軸方向右端面が可動鉄心30の平坦面30bに磁着されている。尚、永久磁石7は、軸方向左側がN極、軸方向右側がS極であるが、軸方向左側がS極、軸方向右側がN極であってもよい。
また、永久磁石7の軸方向左側には、ステンレス等から形成された固定手段としての環状かつ薄板状の止め輪9が、径方向中央部を軸方向に貫通する貫通孔90を介してロッド31の環状溝31cに嵌入,固定されており、止め輪9の軸方向右端面が永久磁石7の軸方向左端面に当接している。
尚、止め輪9は、熱膨張を利用して環状溝31cに嵌入,固定されているが、C字状の止め輪をカシメ固定してロッド31に固定されていてもよく、止め輪の形状や固定方法については適宜変更されてもよい。
図1および図2に示されるように、本実施例では、永久磁石7は、永久磁石7の正面側にセンタポスト4以外の磁性体が配置されていない状態で、永久磁石7の側面としての外周面71に沿って、永久磁石7よりも前方、すなわちセンタポスト4側に延びている可動鉄心30の吸引部32の内径側に配置されている。
図3に示されるように、永久磁石7による磁力線は、大部分が実線矢印で示すように、その軸方向左端面から近い位置に配置されている磁性体の端面である吸引部32のテーパ面32bに誘導され、各磁力線MFは、永久磁石7の正面側からテーパ面32bの狭い領域に集中する。
ここで、本実施例との比較のために用いる図4に示されるように、磁性体である可動鉄心30A内部に埋設された永久磁石7Aによる磁力線について説明する。永久磁石7Aによる磁力線は、実線矢印で示すように、軸方向に長い楕円状の磁力線MFAが波紋状に展開されている。
このように、本実施例のソレノイド装置1は、軸方向の狭い領域において高い磁束密度が作用するようになっていることから、吸引部32における吸引力Fは狭い領域で強く作用し得る。
すなわち、図3のものは図4のものに比べ、永久磁石7の磁力の影響が及ぶ軸方向の領域が狭められているといえる。
また、吸引部32は、環状であるため、周方向に均等に吸引力Fを得られる。
また、吸引部32は、外径側に形成されているため、内径側に形成されている構成と比較して、永久磁石7の磁力を誘導する、平坦面32a、テーパ面32bの表面積を広く確保しやすい。
また、永久磁石7は、環状であるため、複数の永久磁石を等配に配置することと比較して、簡素に周方向に均等な吸引力Fを吸引部32に付与することができる。
また、永久磁石7は、環状であり、外径側の磁束強度の方が、内径側の磁束強度よりも高いため、永久磁石7の外径側に位置する吸引部32に磁力が誘導される効率がよい。
図1および図2に戻って、センタポスト4は、鉄等の磁性体から形成され、円筒部40と、円筒部40の軸方向左側の端部から外径方向に延出するフランジ部41と、円筒部40の軸方向右側の内径側が軸方向右側へ向けて突出する円錐筒状の吸引部42と、を有している。
また、センタポスト4は、コイル2の内周に軸方向左側から挿入されている。このとき、フランジ部41の軸方向右側の側面がコイル2の軸方向左側の端に当接するようになっている。すなわち、コイル2に対するセンタポスト4の挿入進度をフランジ部41との当接によって規定することができる。そのため、ソレノイド装置1の組立作業性が高い。
吸引部42は、軸孔4aの外径側から径方向に延びる平坦面42aと、平坦面42aの外径側から軸方向左側に向けて漸次径が大きくなるように傾斜して延びるテーパ面42bと、テーパ面42bの外径側から径方向に延びる平坦面42cとから形成されている。
吸引部42とボビン20との間には、吸引部42のテーパ面42b、平坦面42c、ボビン20の内周面によって、軸方向右側に開放されている環状の凹部10が画成されている。
また、センタポスト4には、径方向中央に軸方向に貫通する軸孔4aおよびスプリング穴4bが設けられている。軸孔4aとスプリング穴4bは、連通しており、スプリング穴4bの径よりも軸孔4aの径が小さく構成されている。
軸孔4aには、ロッド31が挿通され、ロッド31は軸孔4aの内周に設けられる軸受43により軸支されている。
スプリング穴4bには、軸孔4aに挿通されるロッド31の取付部31aおよびリテーナ33が配置される。また、スプリング穴4bには、軸方向左側からスプリング5が挿入される。
スプリング5は、圧縮バネであり、その軸方向右側の端はリテーナ33の軸方向左側の端面に当接し、軸方向左側の端はソレノイドケース6を構成するボトムキャップ60の軸方向右側の端面に当接している。
ソレノイドケース6は、鉄等の磁性体から形成されるボトムキャップ60および非磁性材から形成されるトップキャップ61と、鉄等の磁性体から形成される略円筒形状のケース本体62と、から構成されている。
ボトムキャップ60は、その軸方向右側の端面にセンタポスト4のフランジ部41を挿嵌可能な凹部60aが設けられている。
トップキャップ61は、その軸方向左側の端面にプランジャ3の可動鉄心30を挿入可能な凹部61aが設けられている。また、トップキャップ61には、径方向中央に軸方向に貫通する軸孔61bが設けられている。軸孔61bには、ロッド31が挿通され、ロッド31は軸孔61bの内周に設けられる軸受63により軸支されている。
ケース本体62は、孔付きの断面U字状を成し、軸方向左側の端部の内径側には段部62aが設けられている。
ここで、ソレノイド装置1の組み立て手順の例を説明する。まず、ケース本体62に軸方向左側からトップキャップ61、ホルダ8、コイル2の順に挿入する。次に、コイル2の内方に軸方向左側からプランジャ3、センタポスト4、スプリング5を組み立てた状態で挿入する。最後に、ボトムキャップ60の凹部60aにセンタポスト4のフランジ部41を挿嵌し、ボトムキャップ60の外周部の面取り部分にケース本体62の軸方向左側の端部をカシメ固定する。このとき、ケース本体62の段部62aは、カシメ固定時における軸方向の荷重を受ける荷重受け部として機能している。
次いで、ソレノイド装置1の作動について説明する。
ソレノイド装置1は、非通電状態におけるプランジャ3が軸方向右側の第1位置に移動した状態(図1参照)と、通電状態におけるプランジャ3が軸方向左側の特定の相対位置としての第2位置に移動した状態(図2参照)と、に切り換えることができる。
先ず、第1位置にプランジャ3が位置し、かつ非通電状態である状態について、図5(a)を参照して概略的に説明する。ソレノイド装置1は、プランジャ3がスプリング5の付勢力(Fsp)により軸方向右側へと押圧されることで、プランジャ3の可動鉄心30の軸方向右側の端面がトップキャップ61の凹部61aの底面に当接しており、第1位置における停止状態が保持されている。
このとき、プランジャ3には、軸方向右側に向けてスプリング5の付勢力(Fsp)が作用している。また、プランジャ3の吸引部32がセンタポスト4の吸引部42から最も離間した状態であり、上述したように永久磁石7の磁力の影響が及ぶ軸方向の領域が狭められていることから、永久磁石7の吸引力(F)がセンタポスト4の吸引部42にほとんどまたは全く作用していない。そのため、軸方向右側の向きを正として、プランジャ3には、力Fplu1=Fsp-Fが作用している(但し、Fsp>>F≧0)。
図1および図5(a)に示されるように、プランジャ3の可動鉄心30がセンタポスト4から離間している状態でソレノイド装置1の通電を開始し、コイル2に電流が印加されることにより図5(a)において一点鎖線矢印にて示す電磁力(Fsol1)が発生する。この電磁力(Fsol1)と永久磁石による磁力(FM1)の和がスプリング5の付勢力(Fsp)を上回る(Fsol1+FM1>Fsp)と、プランジャ3がセンタポスト4へ向けて引き寄せられる。すなわち、プランジャ3が軸方向左側へ移動し始める。
プランジャ3がセンタポスト4側に移動し、センタポスト4に近付くと、狭い領域に集中する永久磁石7の磁力線MF(図4参照)がセンタポスト4の吸引に急激に作用するようになる。
このとき、永久磁石7によって高い吸引力(F)が付与されることとなり、電磁力(Fsol1)に加わるため、プランジャ3がセンタポスト4に近付いた状態でプランジャ3を第2位置に確実かつ迅速に移動させることができるとともに、通電量を小さいものとすることができる。
最終的には、プランジャ3の吸引部32における平坦面32aが、センタポスト4の吸引部42における平坦面42cに当接するまで移動し、凹部10に吸引部32の先端部が挿入され、プランジャ3が第2位置に移動した図5(b)に示される状態となる。
また、プランジャ3が第2位置に移動した状態では、図5(b)において実線矢印で示す永久磁石7による磁力(FM2)は、スプリング5の付勢力(Fsp)よりも大きく設定されている(Fsp<FM2)。
そのため、コイル2への通電を停止して非通電状態としても永久磁石7の磁力(FM2)によって、センタポスト4の吸引部42にプランジャ3の吸引部32が吸着された状態が保持され、いわゆる自己保持される。このとき、軸方向右側の向きを正として、プランジャ3には、力Fplu2=Fsp-FM2が作用している。
また、対向配置される永久磁石7の軸方向左端面と、センタポスト4の吸引部42の平坦面42aは近接している。
また、プランジャ3の吸引部32の平坦面32aと止め輪9の軸方向左端面との間の軸方向寸法L1が、センタポスト4の吸引部42の平坦面42aと平坦面42cとの間の軸方向寸法L2よりも長寸となっていることから(L1>L2)、プランジャ3が第2位置に移動した状態では、吸引部42の平坦面42aおよびテーパ面42bと止め輪9、永久磁石7、可動鉄心30の平坦面30bおよびテーパ面32bとは、僅かに離間した状態となっている。
このように、プランジャ3の吸引部32とセンタポスト4は、永久磁石7とセンタポスト4との当接を防止する移動規制手段を構成しており、永久磁石7とセンタポスト4との衝突を防止している。
また、永久磁石7は、止め輪9と可動鉄心30の平坦面30bによって挟持されているため、プランジャ3の吸引部32とセンタポスト4の吸引部42の接触時の衝撃によって永久磁石7がプランジャ3の吸引部32から相対移動することがないことから、永久磁石7とセンタポスト4との衝突が防止されている。
ソレノイド装置1の自己保持機能を解除する際には、コイル2に逆方向電流が印加されることにより図6(a)において一点鎖線矢印で示される電磁力(Fsol2)が発生する。この電磁力(Fsol2)とスプリング5の付勢力(Fsp)の和が永久磁石7による磁力FM2を上回る(Fsol2+Fsp>FM2)と、プランジャ3がセンタポスト4から離間する。
その後、プランジャ3がセンタポスト4から離間するとセンタポスト4に作用する吸引力(F)が急激に減衰し、プランジャ3をセンタポスト4から離間させる際の抵抗として作用しにくくなるため、プランジャ3を元の第1位置に確実かつ迅速に移動させることができる。
最終的に、スプリング5の付勢力(Fsp)によりプランジャ3を軸方向右側へ移動させて第1位置(図6(b)参照)に戻すことができる。尚、第2位置から第1位置に移動させるまでの間、スプリング5の付勢力(Fsp)ばかりでなく、電磁力(Fsol2)を併用してもよい。
以上説明したように、本実施例のソレノイド装置1は、プランジャ3を第1位置から第2位置に移動させる際にも、第2位置から第1位置に移動させる際にも、確実かつ迅速に移動させることができるため、ソレノイド装置1の作動を円滑に行うことができる。すなわち、ソレノイド装置1に必要な作動性を確保することができる。
また、図4に示される可動鉄心30A内部に永久磁石7Aが埋設されている構成のように、プランジャ3を第1位置から第2位置に、または第2位置から第1位置に確実かつ迅速に移動させるために、通電量またはコイルの巻き数を高めて電磁力を高める等を行う必要がないため、通電量の低減化、ソレノイド装置1の小型化、軽量化を達成することができる。
また、永久磁石7は、止め輪9と可動鉄心30の平坦面30bによって挟持されているため、電磁力やソレノイド装置1に作用する振動等の外力が作用しても、傾動することが防止されており、永久磁石7とプランジャ3とを共に移動させることができる。
そのため、往復動によっても永久磁石7と可動鉄心30の距離は変わらず、永久磁石7から可動鉄心30に安定して磁力が作用することから、プランジャ3の移動がスムーズである。
また、上述したようにプランジャ3の吸引部32は、吸引力(F)が周方向に均等に付与されていることから、例えば吸引力が周方向の一方側に偏るなどしてセンタポスト4に対して傾動しにくくなっているため、移動がスムーズである。
また、永久磁石7および止め輪9は、薄板状であることから、プランジャ3の吸引部32の平坦面32aと止め輪9の軸方向左端面との間の軸方向寸法L1と、センタポスト4の吸引部42の平坦面42aと平坦面42cとの間の軸方向寸法L2との差を小さくすることができるため、ソレノイド装置1の軸方向寸法を短くすることができる。
尚、可動鉄心30にロッド31が貫通して固定されている形態を説明したが、これに限らず、例えば、可動鉄心30にロッドが貫通して軸方向に相対移動可能に配置されていてよい。このような構成であっても、通電時には可動鉄心30がセンタポスト4側に移動することで、止め輪9と共にロッドが同方向に移動し、また自己保持の解除時にはスプリング5の付勢力によりロッド、止め輪と共に可動鉄心30をセンタポスト4から遠ざかる側に移動させることができる。
実施例2に係るソレノイド装置につき、図7を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
図7に示されるように、本実施例において、ソレノイド装置100は、プランジャ103の可動鉄心130の円錐筒状の吸引部132の先端部が、センタポスト104の環状の吸引部142のテーパ面142bの内方の凹部110に挿入可能となっている。
吸引部132は、軸方向左側から順に、平坦面132aと、テーパ面132bと、テーパ面132bの軸方向右端に連続し、内径側に向かって凹設される溝132cと、溝132cの軸方向右端に連続する段部132dを有している。
吸引部132の溝132cには、ゴム等の非磁性体である弾性体で形成された固定手段としての環状の緩衝部材109が挿嵌されており、吸引部132の段部132dには、その外周面の外径側に環状の永久磁石107が配置されている。これにより、永久磁石107は、緩衝部材109と段部132dの底部によって挟持されている。
このような構成であっても、永久磁石107による磁力線がプランジャ103の吸引部132のテーパ面132bに誘導され、各磁力線は、永久磁石107の正面側からテーパ面132bの狭い領域に集中する。これにより、前記実施例1と同様に、センタポスト104側にプランジャ103を移動させるために必要なコイル2への通電量を低減しつつ、ソレノイド装置100に必要な作動性を確保することができる。
また、ソレノイド装置1の通電を開始し、プランジャ103を第1位置から第2位置へと移動させ、吸引部132の先端部をセンタポスト104の内方の凹部110に挿入させると、直接の図示は省略するが、緩衝部材109がセンタポスト104の吸引部142の平坦面142aに当接する。
このように、緩衝部材109は、永久磁石107とセンタポスト4との当接を防止する移動規制手段であり、永久磁石107とセンタポスト104との直接の衝突を防止しているとともに、緩衝部材109によってセンタポスト104の吸引部142の平坦面142aに当接時の衝撃を緩衝することができる。
尚、永久磁石107と緩衝部材109は、個別に可動鉄心130の吸引部132に固定されている構成として説明したが、これに限らず、永久磁石107がゴム等の非磁性体である弾性体に覆われていてもよい。このような構成であれば、固定鉄心に一体に固定可能であるため、固定が容易である。
また、緩衝部材109は、移動規制手段と、固定手段とを兼ねる構成として説明したが、これに限らず、前記実施例1の可動鉄心30とセンタポスト4との寸法差を利用する等の移動規制手段を別途設けることで、固定手段としてのみ機能してもよく、前記実施例1の止め輪9のような固定手段を別途設けることで、緩衝部材109は移動規制手段としてのみ機能してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例1,2では、コイルスプリングにより可動鉄心が固定鉄心から離れる方向に移動する形態を例示したが、これに限られず、別の手段により可動鉄心が固定鉄心から離れる方向に移動してもよい。例えば、可動鉄心における固定鉄心とは反対側に設けられる引っ張りバネにより可動鉄心が固定鉄心から離れる方向に移動してもよい。
また、前記実施例1,2では、ソレノイド装置の自己保持機能を解除する駆動源として、コイルに逆方向電流を印加する構成について説明したが、これに限らず、可動鉄心を固定鉄心側に移動させるためのコイルと、可動鉄心を固定鉄心より離間側に移動さるためのコイルとを個別に配置してもよい。また、自己保持機能を解除する駆動源として、各種シリンダ等を用いてもよく、手動であってもよく、自己保持機能を解除する駆動源については適宜変更されてもよい。
また、前記実施例1,2では、永久磁石の磁力により可動鉄心を第2位置にて自己保持可能である構成として説明したが、これに限らず、第2位置にて停止・位置保持させるために永久磁石の磁力とコイルの電磁力とを併用する構成としてもよい。このような構成であっても、永久磁石を用いない構成と比較して必要な通電量は低減される。
また、前記実施例1,2では、ソレノイド装置は、凸部としてのプランジャの吸引部が環状または円錐状、すなわち無端状である構成として説明したが、これに限らず、有端状の凸部が一つ形成されていてもよく、複数の有端状の凸部が等配または非等配されていてもよい。
また、前記実施例1,2では、プランジャの吸引部が永久磁石よりも前方に延びている構成として説明したが、これに限らず、永久磁石の前面と略同一面を形成していてもよく、すなわち、少なくとも側面を覆っていれば、軸方向のセンタポスト側にて、永久磁石の磁力線を集中させることができる。
また、前記実施例1,2では、永久磁石は環状である構成として説明したが、これに限らず、複数の永久磁石を等配してもよく、丸型や矩形型等の平板状の永久磁石であってもよく、その形状,配置は、適宜変更されてもよい。
また、前記実施例1,2では、永久磁石は、固定鉄心側に配置される非磁性体からなる固定手段と可動鉄心の固定鉄心に対する対向面との間に挟持される構成として、止め輪とプランジャの可動鉄心の平坦面に挟持されている構成、または緩衝部材とプランジャの可動鉄心の段部の底面に挟持されている構成を例示して説明したが、これに限らず、永久磁石とプランジャ側との間には、別体の磁性体または非磁性体が介在されていてもよい。
また、前記実施例1,2では、固定手段は、止め輪または緩衝部材であるとして説明したが、これに限らず、止め輪または緩衝部材等を用いず、溶接,接着等で永久磁石をプランジャに固定してもよい。
また、前記実施例1,2では、ホルダがソレノイドケースと別部材である形態を例示したが、これに限られず、一体でもあってもよい。
また、前記実施例1,2では、ホルダが磁性体である形態を例示したが、非磁性体でもよい。この場合、トップキャップを磁性体とし磁気回路を形成することが好ましい。
また、前記実施例では、スプリングの軸方向右側の端が当接するリテーナとロッドとが別体に構成されるものとして説明したが、これに限らず、スプリングの軸方向右側の端が当接するバネ受け部分がロッドと一体に構成されてもよい。
また、センタポストやプランジャの吸引部は、テーパ面を有するものに限らず、形状は自由に構成されてよい。
1 ソレノイド装置
2 コイル
4 センタポスト(固定鉄心)
6 ソレノイドケース
7 永久磁石
9 止め輪(固定手段)
10 凹部
30 可動鉄心
32 吸引部(凸部、移動規制手段)
42 吸引部(移動規制手段)
71 外周面(永久磁石の側面)
100 ソレノイド装置
104 センタポスト(固定鉄心)
107 永久磁石
109 緩衝部材(固定手段、移動規制手段)
110 凹部
130 可動鉄心
132 吸引部(凸部)
L1 軸方向寸法
L2 軸方向寸法

Claims (8)

  1. ソレノイドケースと、前記ソレノイドケースの内方に収容されるコイルと、固定鉄心と、軸方向に往復動可能に配置され、前記コイルへの通電により生じる電磁力により少なくとも軸方向の固定鉄心側に移動される可動鉄心と、を備えるソレノイド装置であって、
    前記可動鉄心には前記固定鉄心側に永久磁石が固定されており、
    前記可動鉄心は、前記永久磁石の側面に沿って背面側から前面方向に延出する凸部を有するソレノイド装置。
  2. 前記凸部は、前記永久磁石の側面を前後方向に覆うように延びている請求項1に記載のソレノイド装置。
  3. 前記永久磁石と前記固定鉄心との当接を防止する移動規制手段がある請求項1または2に記載のソレノイド装置。
  4. 前記凸部は、周方向に無端状に形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のソレノイド装置。
  5. 前記凸部は、前記永久磁石の外径側に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のソレノイド装置。
  6. 前記凸部は、前記固定鉄心の外径側または内径側に形成された凹部に挿入可能となっている請求項1ないし5のいずれかに記載のソレノイド装置。
  7. 前記永久磁石は、環状である請求項1ないし6のいずれかに記載のソレノイド装置。
  8. 前記永久磁石は、前記固定鉄心側に配置される非磁性体からなる固定手段と前記可動鉄心の前記固定鉄心に対する対向面との間に挟持されている請求項1ないし7のいずれかに記載のソレノイド装置。
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