JP2022153874A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供する。【解決手段】表示装置10Aは、周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ1と、複数色の発光材料2G,2B,2Rと特定の波長域の光を吸収する吸収材料3G,3B,3Rとを含み、光スイッチ1の他方の面側に配置される発光吸収部4と、発光吸収部4に含まれる複数色の発光材料2G,2B,2Rに光を照射する光照射部5とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は表示装置に関し、より詳細には、広くて安定した色域が得られるカラー表示装置に関する。
反射型液晶ディスプレイは、偏光板と液晶層と反射層とを用いて画素ごとに入射光の透過と吸収とを切り替えることにより画像を表示する。反射型液晶ディスプレイでは、例えば3種のカラーフィルタを用いて画素を青(B)、緑(G)、赤(R)の3つの領域(サブ画素と呼ぶ)に分割し、個々のサブ画素の出力(輝度)を調整して加法混色することにより、カラー表示が実現される。従来の反射型液晶ディスプレイの例としては、例えば特許文献1に記載の反射型液晶ディスプレイが挙げられる。
反射型液晶ディスプレイでは、カラーフィルタは、特定の波長範囲の入射光を透過し、それ以外の波長範囲の入射光は吸収する。このため、約2/3の入射光は表示に利用できず、表示画像の輝度が低下するという問題がある。
一般に、反射型ディスプレイの色域は、入射光のスペクトルとカラーフィルタの透過特性とに依存する。カラーフィルタの透過波長域を狭めると色域は広くなるが、反射される光量が減少して表示画像の輝度が劣化する。すなわち、反射型ディスプレイの輝度と色域とはトレードオフの関係にある。例えば、2019年に発表された反射型液晶ディスプレイの研究例(H. Hakoi, M. Ni, J. Hashimoto, T. Sato, S. Shimada, K. Minoura, A. Itoh, K. Tanaka, H. Matsukizono and M. Otsubo, “High-performance and low-power full color reflective LCD for new applications,” SID Symp. Dig. Tech. Pap. 50, 279-282 (2019).)によると、色域はNTSC規格の19%と報告されている。これは色域よりも明るさを優先した設計である。また、入射光のスペクトルは照明条件に依存する。したがって、例えば昼光と室内光の下とでは色域が異なるという問題がある。
このように、反射型液晶ディスプレイをベースとする表示装置において、照明条件によらず安定した色域を実現することが求められている。本発明は、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、例えば以下に示す態様を含む。
(項1)
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチと、
複数色の発光材料と特定の波長域の光を吸収する吸収材料とを含み、前記光スイッチの他方の面側に配置される発光吸収部と、
前記発光吸収部に含まれる前記複数色の発光材料に光を照射する光照射部と、
を備える表示装置。
(項2)
前記光スイッチの他方の面側に配置される反射部をさらに備え、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記反射部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、項1に記載の表示装置。
(項3)
特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層と光電変換層とが積層して構成されて、前記発光吸収部を透過する光を光電変換する光電変換部をさらに備え、
前記光電変換部は、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光電変換部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、項1に記載の表示装置。
(項4)
前記光照射部は、電極と、透明電極と、前記電極および前記透明電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する自発光層とを含む、項2または3に記載の表示装置。
(項5)
前記光照射部は、透明電極と、光反射性電極と、前記透明電極および前記光反射性電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する光を放射する自発光層とを含んで、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光照射部との間に位置している、項1に記載の表示装置。
(項6)
前記自発光層は有機発光材料を含む、項4または5に記載の表示装置。
(項7)
前記光照射部は、前記光スイッチの一方の面側に対向して配置され、
前記光照射部から放射される光が前記光スイッチの一方の面側に入射する、項1に記載の表示装置。
(項8)
前記発光吸収部は、前記複数色の発光材料を含む発光層と、前記吸収材料を含む吸収層とが積層して構成されている、項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
(項9)
前記発光材料は、青色の波長域を含む光を放射する、項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
(項1)
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチと、
複数色の発光材料と特定の波長域の光を吸収する吸収材料とを含み、前記光スイッチの他方の面側に配置される発光吸収部と、
前記発光吸収部に含まれる前記複数色の発光材料に光を照射する光照射部と、
を備える表示装置。
(項2)
前記光スイッチの他方の面側に配置される反射部をさらに備え、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記反射部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、項1に記載の表示装置。
(項3)
特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層と光電変換層とが積層して構成されて、前記発光吸収部を透過する光を光電変換する光電変換部をさらに備え、
前記光電変換部は、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光電変換部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、項1に記載の表示装置。
(項4)
前記光照射部は、電極と、透明電極と、前記電極および前記透明電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する自発光層とを含む、項2または3に記載の表示装置。
(項5)
前記光照射部は、透明電極と、光反射性電極と、前記透明電極および前記光反射性電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する光を放射する自発光層とを含んで、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光照射部との間に位置している、項1に記載の表示装置。
(項6)
前記自発光層は有機発光材料を含む、項4または5に記載の表示装置。
(項7)
前記光照射部は、前記光スイッチの一方の面側に対向して配置され、
前記光照射部から放射される光が前記光スイッチの一方の面側に入射する、項1に記載の表示装置。
(項8)
前記発光吸収部は、前記複数色の発光材料を含む発光層と、前記吸収材料を含む吸収層とが積層して構成されている、項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
(項9)
前記発光材料は、青色の波長域を含む光を放射する、項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
本発明によると、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する重複した説明を省略する。
[発明の概要]
本発明に係る表示装置10は、以下において説明する、第1の実施形態に係る表示装置10A~第4の実施形態に係る表示装置10Dを包含する。すなわち、本発明に係る表示装置(10A,10B,10C,10D)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5A,5B,5C)とを備える。
本発明に係る表示装置10は、以下において説明する、第1の実施形態に係る表示装置10A~第4の実施形態に係る表示装置10Dを包含する。すなわち、本発明に係る表示装置(10A,10B,10C,10D)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5A,5B,5C)とを備える。
本発明に係る表示装置10によると、光照射部5が、発光吸収部4に含まれる複数色の発光材料2G,2B,2Rに光を照射することにより、複数色の発光材料2G,2B,2Rのそれぞれが放射する複数の色のうち、少なくとも一色の色域を補うことができる。これにより、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。好ましくは、光照射部5は、青色の光を放射する発光材料2Bに光を照射する。これにより、表示装置10の色域において青色の領域が拡張される。
[第1の実施形態]
<概要>
本発明の第1の実施形態に係る表示装置(10A)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)と、
光スイッチ(1)の他方の面側に配置される反射部(6)とを備え、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と反射部(6)との間に位置しており、
光照射部(5)は、表面に開口(56)を有しており、光スイッチ(1)の一方の面側に配置されている。
<概要>
本発明の第1の実施形態に係る表示装置(10A)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)と、
光スイッチ(1)の他方の面側に配置される反射部(6)とを備え、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と反射部(6)との間に位置しており、
光照射部(5)は、表面に開口(56)を有しており、光スイッチ(1)の一方の面側に配置されている。
第1の実施形態に係る表示装置10Aによると、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。
<構成>
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図2は、図1に示す表示装置のX1-X1線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Aの一部の構成については、図1の分解斜視図において図示を省略している。光照射部5(5A)については、反射防止膜52および保護層53の図示を省略し、光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14および上部偏光板15の図示を省略し、反射部6については支持基板62の図示を省略している。
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図2は、図1に示す表示装置のX1-X1線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Aの一部の構成については、図1の分解斜視図において図示を省略している。光照射部5(5A)については、反射防止膜52および保護層53の図示を省略し、光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14および上部偏光板15の図示を省略し、反射部6については支持基板62の図示を省略している。
なお、図1および図2において、光スイッチ1の一方の面側とは光スイッチ1の図中上側を意味し、光スイッチ1の他方の面側とは光スイッチ1の図中下側を意味する。
第1の実施形態に係る表示装置10Aは、発光吸収部4と反射部6とを光スイッチ1の下面に備え、さらに、開口56を有する光照射部5(本実施形態ではフロントライト5Aとも呼ぶ)を光スイッチ1の上面に備えて構成されている。周囲から入射する光8は、フロントライト5Aの開口56を通じて光スイッチ1に入射する。なお、フロントライト5Aから照射される光は、光スイッチ1に直接的に入射する。
例示的には、図2に示すフロントライト5Aの厚さは約0.1mm、開口56の図中横方向の長さは約0.15mm、光スイッチ1の厚さは約0.2mm、発光吸収部4および反射部6の厚さは約0.1mmである。図2の縦横比は、厚さが約0.005mmの液晶層11を除き、ほぼ現実に忠実である。
光スイッチ1は、周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する。光スイッチ1には、一般的な透過型液晶ディスプレイに用いられている公知の液晶パネルからカラーフィルタを取り除いた構成と同等のものを用いることができる。本実施形態では、光スイッチ1は、液晶層11をTFT基板12と対向基板13とで挟んで構成される。TFT基板12および対向基板13の表面には、下部偏光板14および上部偏光板15がそれぞれ積層されている。ブラックマトリクス16(図中ではBMと略記)は、光を吸収する材料を用いて対向基板13上に格子状に形成されており、サブ画素の領域間での光の透過を防止する。配線17は、金属材料を用いてTFT基板12の表面に格子状に形成されており、薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)を駆動する。
発光吸収部4は、複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含んでいる。本実施形態では、発光吸収部4は、複数色の発光材料2G,2B,2Rを含む発光層2と、吸収材料3G,3B,3Rを含む吸収層3とが積層して構成されている。複数色の発光層2(2G,2B,2R)のそれぞれが発光材料を含んでおり、複数色の吸収層3(3G,3B,3R)のそれぞれが特定の波長域の光を吸収する吸収材料を含んでおり、複数色の発光層2(2G,2B,2R)と複数色の吸収層3(3G,3B,3R)とが積層して構成されている。吸収層3には、カラーフィルタを用いることができる。
本実施形態では、発光吸収部4は、3種のカラーフィルタ3(3G,3B,3R)と3種の発光層2(2G,2B,2R)とを用いて、緑(G)、青(B)および赤(R)のそれぞれの色について、カラーフィルタ3と発光層2とを順に積層して構成する。他の実施形態では、発光材料と特定の波長域の光を吸収する吸収材料とを一つの層内に混合することにより、カラーフィルタ3と発光層2とを一つの層として構成することもできる。
本実施形態では、図1および図2に例示するように、青色の光を放射する発光材料の領域2B(サブ画素)2つに対して、緑色の光を放射する発光材料の領域2G(サブ画素)と赤色の光を放射する発光材料の領域2R(サブ画素)とを各1つずつ用いて一つの画素を構成している。これにより、青色の画素出力を相対的に大きくすることができる。
反射部6は、支持基板62の上に反射層61を積層して構成する。反射部6は、発光吸収部4の下面に積層されている。発光吸収部4および反射部6は、一般的な成膜技術と、フォトリソグラフィ法やインクジェット法等による印刷技術とを適用することにより製造することができる。
光照射部5は、本実施形態では、周囲の光を透過させるための開口56を表面に有しており、光スイッチ1の上に配置されたフロントライト5Aとして構成される。本実施形態では、光照射部5は、平面電極と、透明電極と、平面電極および透明電極の間に介挿されて複数色の発光材料2G,2B,2Rを励起する自発光層54とを含んでいる。自発光層54は有機発光材料を含んでいる。
すなわち、フロントライト5Aは、透明基板51の表面に、一対の電極(図示せず)と有機発光材料を含む層とを積層して構成される。フロントライト5Aは一般的な照明素子や表示素子に用いられる有機EL発光素子の製造技術により作製される。すなわち、有機EL発光素子54は、有機発光材料を一対の電極で挟んで構成される。一対の電極のうち、有機EL発光素子54の透明基板51側の電極材料には不透明な材料を用いることができるが、その反対側の電極には、一般的なITO(Indium Tin Oxide; ITO)のような透明な材料を用いる。有機EL発光素子54を挟むこれら電極のための配線55も、透明材料で形成することができる。本実施形態では、2つの配線55の交点を含む周囲の領域のみに有機発光材料を配置することにより、発光素子54の2次元配列が形成される。
発光素子54の上面には、光吸収性の材料(図示せず)を配置することができる。これにより、図中上方へ放射された光が観察者に至るのを防止することができる。光吸収性の材料には、例えば光スイッチ1の対向基板13に備えられるブラックマトリクス16と同様の材料を用いることができる。
図2に示すように、フロントライト5Aは、周囲から光が入射する面に反射防止膜52を備えることができる。これにより、入射光がフロントライト5Aの表面で反射することを防止することができる。またこれにより、明環境下でのコントラスト比を維持することができる。
フロントライト5Aは、反射防止膜52と反対側の面に、保護層53を備えることができる。これにより、発光素子54の劣化を防止することができる。青色の発光材料2Bを励起するために、発光素子54の発光波長域は、短波長側の青色の波長域を含むことが好ましい。例えば、ピーク波長が約405nm~約410nmの発光素子を用いて、青色の発光材料であるBBOT(2,5-Bis(5-tert-butyl-2-benzoxyazolyl)thiophene)を励起する。他の実施形態では、発光素子54として紫外線を放射する素子も使用することができる。なお、発光素子54からの放射方向は図中下方に制限されるため、放射される紫外線が観察者に直接に至ることはない。
<動作>
周囲からの光は、フロントライト5Aの開口56を透過して光スイッチ1に入射する。入射光の透過および吸収の切り替えは、光スイッチ1内の液晶の配向を制御することにより行うことができる。
周囲からの光は、フロントライト5Aの開口56を透過して光スイッチ1に入射する。入射光の透過および吸収の切り替えは、光スイッチ1内の液晶の配向を制御することにより行うことができる。
光スイッチ1が透過状態にあるとき、サブ画素では、光は対応する発光材料2G,2B,2Rを励起し、発光材料2G,2B,2Rに特有のスペクトルを有する光が放射される。上方へ放射された光は、光スイッチ1とフロントライト5Aの開口56とを順に透過して外部へ放射され、その一部が観察者に至る。下方へ放射された光は、反射層61によって進行方向が変えられ、発光層2と、光スイッチ1と、フロントライト5Aの開口56とを順に透過して、その一部が観察者に至る。
また、発光層2を透過した入射光は、発光層2の下方に位置するカラーフィルタ3に至った後、特定の波長域の光のみが反射層61によって反射され、発光層2からの光と重畳されて観察者に至る。
周囲の照明条件に依存して、青の波長域の分光強度が低い場合には、フロントライト5Aを点灯する。フロントライト5Aの発光素子54から放射された光は、透過状態の光スイッチ1およびサブ画素を透過して、発光層2を励起する。放射された光の一部は前述の経路を経て観察者に至る。ここで、観察者に至る青色の成分は、発光層2から放射される光が主になる。このため、その色度座標は発光層2内に含まれる発光材料により拡張され、これにより、周囲の照明環境が変化しても安定した色域が実現される。
なお、周囲の光が全くない暗状態であっても、フロントライト5Aを点灯することによりサブ画素の発光材料2を励起することができる。これにより、第1の実施形態に係る表示装置10Aによれば、暗所における視認性も確保することができる。
[第2の実施形態]
以下において説明する第2の実施形態に係る表示装置10Bの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
以下において説明する第2の実施形態に係る表示装置10Bの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
<概要>
本発明の第2の実施形態に係る表示装置(10B)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)と、
特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層(73)と光電変換層(72)とが積層して構成されて、発光吸収部(4)を透過する光を光電変換する光電変換部(7)とを備え、
光電変換部(7)は、光スイッチ(1)の他方の面側に配置され、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と光電変換部(7)との間に位置しており、
光照射部(5)は、表面に開口(56)を有しており、光スイッチ(1)の一方の面側に配置されている。
本発明の第2の実施形態に係る表示装置(10B)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)と、
特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層(73)と光電変換層(72)とが積層して構成されて、発光吸収部(4)を透過する光を光電変換する光電変換部(7)とを備え、
光電変換部(7)は、光スイッチ(1)の他方の面側に配置され、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と光電変換部(7)との間に位置しており、
光照射部(5)は、表面に開口(56)を有しており、光スイッチ(1)の一方の面側に配置されている。
第2の実施形態に係る表示装置10Bによると、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。
また、第2の実施形態に係る表示装置10Bは、赤色のサブ画素の発光材料の下面にコールドミラー73を備え、コールドミラー73の下面に太陽電池72を備えている。これにより、表示装置10Bは発電機能を有することができ、表示装置10Bへの電力の供給が困難な場合であっても、カラー画像の表示に有利である。
<構成>
図3は、第2の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図4は、図3に示す表示装置のX3-X3線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Bの一部の構成については、図3の分解斜視図において図示を省略している。光照射部5(5A)については、反射防止膜52および保護層53の図示を省略し、光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14および上部偏光板15の図示を省略している。
図3は、第2の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図4は、図3に示す表示装置のX3-X3線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Bの一部の構成については、図3の分解斜視図において図示を省略している。光照射部5(5A)については、反射防止膜52および保護層53の図示を省略し、光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14および上部偏光板15の図示を省略している。
第2の実施形態に係る表示装置10Bは、第1の実施形態に係る表示装置10Aが備えている反射部6に代えて、光電変換部7を備えている。これにより、第2の実施形態に係る表示装置10Bには、さらに発電機能が付与される。発電機能は光電変換部7により実現される。
また、図3および図4に示すように、第2の実施形態に係る表示装置10Bは、第1の実施形態に係る表示装置10Aと同様に、光スイッチ1の上面にフロントライト5Aを備えて構成されている。これにより、表示装置10Aと同様に、広くて安定した色域が得られる。
光電変換部7は、特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層73と光電変換層72とが積層して構成されて、発光吸収部4を透過する光を光電変換する。
本実施形態では、特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層73にはコールドミラーを用い、光電変換層72には太陽電池を用いる。特定の波長域は、本実施形態では赤外線の波長域である。赤外線の波長域は、近赤外線、中赤外線および遠赤外線の波長域を含む。コールドミラー73は、赤外光を透過して可視光を反射する光学素子である。太陽電池72には、赤外光を用いて発電できるシリコン系の太陽電池を用いる。
赤外光は、例えば太陽光やハロゲンランプ等の光源から放射される光に多く含まれている。しかしながら、赤外光は目に見えないため、表示装置における表示には直接的に利用することはできない。一方で、結晶シリコンや多結晶シリコンを用いた太陽電池は、約1100nmの波長まで感度を有するため、これらのシリコン系の太陽電池を用いれば、赤外光を用いて発電をすることができる。
<動作>
第1の実施形態に係る表示装置10Aと同様に、周囲からの光がフロントライト5Aの開口56を透過して光スイッチ1を透過すると発光層2が励起され、発光層2からの光と発光層2を透過して反射された光によって画像が表示される。発光層2から下方へ放射された可視光はコールドミラー73によって反射されて上方へ向かう。赤のサブ画素の発光材料2を透過する光(赤外光)は、コールドミラー73を透過して太陽電池72に至る。これにより発電機能が付与される。発電量を増やしたい場合には、赤のサブ画素の発光層2が放射する光の長波長成分も透過するコールドミラーを用いる。
第1の実施形態に係る表示装置10Aと同様に、周囲からの光がフロントライト5Aの開口56を透過して光スイッチ1を透過すると発光層2が励起され、発光層2からの光と発光層2を透過して反射された光によって画像が表示される。発光層2から下方へ放射された可視光はコールドミラー73によって反射されて上方へ向かう。赤のサブ画素の発光材料2を透過する光(赤外光)は、コールドミラー73を透過して太陽電池72に至る。これにより発電機能が付与される。発電量を増やしたい場合には、赤のサブ画素の発光層2が放射する光の長波長成分も透過するコールドミラーを用いる。
[第3の実施形態]
以下において説明する第3の実施形態に係る表示装置10Cの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
以下において説明する第3の実施形態に係る表示装置10Cの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
<概要>
本発明の第3の実施形態に係る表示装置(10C)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)とを備え、
光照射部(5)は、透明電極と、光反射性電極と、透明電極および光反射性電極の間に介挿されて複数色の発光材料(2G,2B,2R)を励起する光を放射する自発光層(54)とを含んで、光スイッチ(1)の他方の面側に配置され、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と光照射部(5)との間に位置している。
本発明の第3の実施形態に係る表示装置(10C)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)とを備え、
光照射部(5)は、透明電極と、光反射性電極と、透明電極および光反射性電極の間に介挿されて複数色の発光材料(2G,2B,2R)を励起する光を放射する自発光層(54)とを含んで、光スイッチ(1)の他方の面側に配置され、
発光吸収部(4)は、光スイッチ(1)と光照射部(5)との間に位置している。
第3の実施形態に係る表示装置10Cによると、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。
<構成>
図5は、第3の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図6は、図5に示す表示装置のX5-X5線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Aの一部の構成については、図1の分解斜視図において図示を省略している。光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14、上部偏光板15および反射防止膜19の図示を省略している。
図5は、第3の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。図6は、図5に示す表示装置のX5-X5線に沿う断面図である。発明の理解を容易にするために、表示装置10Aの一部の構成については、図1の分解斜視図において図示を省略している。光スイッチ1については、液晶層11、下部偏光板14、上部偏光板15および反射防止膜19の図示を省略している。
第3の実施形態に係る表示装置10Cは、光照射部5の配置が第1の実施形態に係る表示装置10Aと異なる。第3の実施形態に係る表示装置10Cは、第1の実施形態に係る表示装置10Aが備えるフロントライト5Aに代えて、OLED(Organic Light Emitting Diode)バックライト5Bを備えている。OLEDバックライト5Bは、発光吸収部4の下面に積層されている。
光照射部5は、本実施形態では、発光吸収部4の下に配置されたOLEDバックライト5Bとして構成される。本実施形態では、光照射部5は、透明電極と、光反射性電極と、透明電極および光反射性電極の間に介挿されて複数色の発光材料2G,2B,2Rを励起する光を放射する自発光層58とを含んで、光スイッチ1の他方の面側に配置される。発光吸収部4は、光スイッチ1と光照射部5との間に位置している。自発光層58は有機発光材料を含んでいる。
すなわち、OLEDバックライト5Bは、支持基板57の表面に、一対の電極(図示せず)と有機発光材料を含む層58とを積層して構成される。OLEDバックライト5Bは一般的な照明素子や表示素子に用いられる有機EL発光素子の製造技術により作製される。すなわち、OLEDバックライト5Bは、有機発光材料を含む層58を一対の電極で挟んで構成される。一対の電極のうち、下側の電極は光を反射する反射性電極であり、上側の電極は透明電極である。
OLEDバックライト5Bの発光波長域は、3種の発光材料を全て励起することができる。青色の発光材料2Bを励起するために、OLEDバックライト5Bの発光波長域は、短波長側の青色の波長域を含むことが好ましい。
透明電極の上部には、有機発光材料を含む層58を保護するための透明な保護層59を備えることができる。保護層59のさらに上部には、3種のカラーフィルタ3(3G,3B,3R)と3種の発光層2(2G,2B,2R)(色変換材料層とも呼ばれる)とを順に積層して構成された発光吸収部4を備える。
<動作>
周囲からの光が光スイッチ1を透過して発光層2を励起すると、発光層2から下方へ放射された光は、発光層2およびカラーフィルタ3を透過した光と共に、OLEDバックライト5Bの発光素子に至る。これら光は、有機EL発光素子58の下側に位置する反射性電極により反射され、カラーフィルタ3、発光層2、光スイッチ1を順に透過して観察者に至る。青色の成分が少ない場合や暗所では、OLEDバックライト5Bを点灯する。これにより、青色の光が3種の発光層2を励起する。
周囲からの光が光スイッチ1を透過して発光層2を励起すると、発光層2から下方へ放射された光は、発光層2およびカラーフィルタ3を透過した光と共に、OLEDバックライト5Bの発光素子に至る。これら光は、有機EL発光素子58の下側に位置する反射性電極により反射され、カラーフィルタ3、発光層2、光スイッチ1を順に透過して観察者に至る。青色の成分が少ない場合や暗所では、OLEDバックライト5Bを点灯する。これにより、青色の光が3種の発光層2を励起する。
[第4の実施形態]
以下において説明する第4の実施形態に係る表示装置10Dの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
以下において説明する第4の実施形態に係る表示装置10Dの構成は、特に言及しない限り、第1の実施形態に係る表示装置10Aの構成と同様であるので、重複する説明は省略する。
<概要>
本発明の第4の実施形態に係る表示装置(10D)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)とを備え、
光照射部(5)は、光スイッチ(1)の一方の面側に対向して配置され、
光照射部(5)から放射される光が光スイッチ(1)の一方の面側に入射する。
本発明の第4の実施形態に係る表示装置(10D)は、
周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチ(1)と、
複数色の発光材料(2G,2B,2R)と特定の波長域の光を吸収する吸収材料(3G,3B,3R)とを含み、光スイッチ(1)の他方の面側に配置される発光吸収部(4)と、
発光吸収部(4)に含まれる複数色の発光材料(2G,2B,2R)に光を照射する光照射部(5)とを備え、
光照射部(5)は、光スイッチ(1)の一方の面側に対向して配置され、
光照射部(5)から放射される光が光スイッチ(1)の一方の面側に入射する。
第4の実施形態に係る表示装置10Dによると、照明条件が変化しても色域が安定したカラー表示装置を提供することができる。
<構成>
図7は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な構成を示す図である。
図7は、第4の実施形態に係る表示装置の模式的な構成を示す図である。
第4の実施形態に係る表示装置10Dは、光照射部5の配置が第1の実施形態に係る表示装置10A~第3の実施形態に係る表示装置10Cのいずれとも異なる。第4の実施形態に係る表示装置10Dは、外部に配置された別体型の光照射部5Cを備えている。別体型の光照射部5Cは、本実施形態では、投写型の光源50を用いて構成する。投写型の光源50には、例えばレーザ光源を用いる。
第1の実施形態に係る表示装置10A~第3の実施形態に係る表示装置10Cはいずれも、例えば携帯機器へ搭載するために薄型化を意識した構成である。これに対し、第4の実施形態に係る表示装置10Dは、例えば電子看板のような用途を意識した構成である。
本実施形態では、図7に示すように、青色の光を放射する光源50を、光スイッチ1および発光吸収部4とは別体に配置する。光源50は、例えば約405nmのレーザビームを面状に整形する。光源50は、レーザビームを例えば2次元走査することにより、光を面状に整形する。周囲の光の青色の波長域の分光強度が小さい場合や全くの暗闇では、このような別体型の光照射部5Cを用いて、発光吸収部4の青のサブ画素の出力を増加させて、鮮やかな画像を表示することができる。
[その他の形態]
以上、本発明を特定の実施形態によって説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明を特定の実施形態によって説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
発光層2の平面形状や2次元配列は、図1~図7に例示する態様に限るものではない。例えば、入射光に青色成分が少ない光源下での使用が主な用途では、青色の発光層2Bの面積を大きくするとよい。また、光照射部5にフロントライト5Aを用いる図1~図4に例示する構成では、発光素子54の位置はBM16の真上であるが、発光素子54の位置を半周期だけずらして、サブ画素を構成する発光層2および吸収層3の積層構造の中央に、発光素子54が位置するようにしてもよい。さらに、発光素子54を2次元に配列するのではなく、発光領域をメッシュ状あるいはストライプ状に設けてもよい。この場合には、直交する一対の配線55の少なくとも一方には、不透明な材料を用いる。また、フロントライト5Aに代えて、従来のエッジ点灯型のLEDフロントライトも使用できる。この場合には、発光素子54は透明基板51の端面に配置される。
発光層2および吸収層3の積層構造の平面形状は、例示する矩形に限るものではない。面積も、材料特性と加法混色のバランスとを勘案して適宜調整することができる。
[実施例]
以下に本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
以下に本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
実施例1では、発光材料を含む発光層とカラーフィルタと反射材料を含む反射層とを積層した構造を用いて、発光材料による色域の拡大効果を定量化した。
図8は、実施例1において発光層の効果を確認するための実験に用いる積層構造の断面図である。(A)は発光層を備える構成であり、本発明の表示装置に対応している。(B)は対照実験用の構成であり、従来の反射型ディスプレイに対応している。(A)および(B)のどちらも、緑のサブ画素を想定した構成である。なお、図8では、光のスイッチングに関連する偏光層や液晶層などの構成要素は図示を省略している。以下の説明では図8(A)に示す構成をLuminous Reflective Display(LRD)と呼ぶ。
図8(A)に示す本発明の表示装置に対応する積層構造において、発光層92は、透明基板91を透過した照明光9G,9B,9Rの中の青から緑までの特定の波長域の光を吸収する。励起された発光層92は緑の光9Gを放射する。上方へ放射された緑の光9Gは透明基板91を通過して観察者に至る。下方へ放射された緑の光9Gは反射層94で反射された後に観察者に至る。照明光の中の緑より長波長側の成分は発光層92を透過する。これが反射されて観察者に至ると色域が劣化するので、カラーフィルタ93を設けてこの成分を吸収する。
図8(B)に示す従来の反射型ディスプレイに対応する積層構造において、白色光が入射すると、青の光9Bと赤の光9Rはカラーフィルタ93によって吸収され、緑の光9Gのみが反射されて観察者に至る。
実験では、LRDの緑のサブ画素の発光材料にはCoumarin 6 (Sigma Aldrich社)を、赤のサブ画素の発光材料にはLumogenF Red 305 (BASF社)を用いた。青のサブ画素については、利用できる入射光の波長域が狭いため、この実験では発光材料を用いず、図8(B)の対照実験の構成のみとした。発光層92を有する緑のサブ画素および赤のサブ画素と、対照実験として発光層92を有さない3色のサブ画素との合計5種の構成について、2種類の光源(ハロゲンランプおよび白色LED)を用いて照明した。
その結果、白色LEDによる照明の場合には、LRDの緑のサブ画素および赤のサブ画素の輝度は、対照実験の対応するサブ画素の輝度に比べて、それぞれ約1.2倍および約3.3倍に増加した。ハロゲンランプによる照明の場合には、LRDの緑のサブ画素および赤のサブ画素の輝度は、対照実験の対応するサブ画素の輝度に比べて、それぞれ約1.2倍および約1.3倍に増加した。
図9は、実施例1において色度座標を評価した結果である。(A)は光源にハロゲンランプを用いた場合の結果であり、(B)は光源に白色LEDを用いた場合の結果である。
図中、実線の三角形(“LRD”)は発光層92付きの構成を表し、破線の三角形(“control”)は発光層92がない構成を表す。比較のために、NTSC規格の色域を点線の三角形(“NTSC”)で示す。いずれの光源の照明の下でも、実線の三角形は破線の三角形よりも大きく、発光層92の追加が色域の拡大に有効であることを確認することができた。
なお、図9に示す“LRD”の青の頂点と“control”の青の頂点とは一致する。これは前述の通り、この実験では“LRD”の青のサブ画素に青の発光層を用いなかったためである。また、図9の(A)(B)に示す結果の間で“LRD”の緑の色度座標および赤の色度座標がそれぞれ異なる理由は、カラーフィルタ93を透過する照明光の成分が含まれるためである。
実施例1の実験において述べたように、“LRD”の青のサブ画素については、照明光の中で表示に利用できる波長域が狭い。したがって、特に照明光がハロゲンランプのように、青色成分が少ない光源による照明の下では、色域が極度に狭くなる。どこでも色鮮やかな画像を表示するためには、照明条件が変化しても安定した色域を実現する仕組みが求められる。
実施例2では、青色光の放射による色域の拡大効果を定量化した。実験は、実施例1に示すLRDの構造において、さらに青のサブ画素についても発光材料を用いることにより行った。青のサブ画素の発光材料にはBBOTを使用した。緑のサブ画素の発光材料にはCoumarin6を使用し、赤のサブ画素の発光材料にはLumogen F Red 305を使用した。
図10は、実施例2において色度座標を評価した結果である。(A)は光源にハロゲンランプを用いた場合の結果であり、(B)は光源に白色LEDを用いた場合の結果である。
図中、実線の三角形が本実施例の結果である。点線の三角形はNTSC規格の色域であり、破線の三角形は反射型ディスプレイの色域である。青のサブ画素に発光材料を用いた本実施例による色域と、図9に示す実施例1において得られた色域とを比較すると、本実施例に示す構成により、色域において青色の領域が拡張され、照明条件への依存性が緩和されることを確認することができた。
1 光スイッチ
2(2G,2B,2R) 発光層(発光材料)
3(3G,3B,3R) 吸収層(吸収材料、カラーフィルタ)
4 発光吸収部
5 光照射部
5A フロントライト
5B OLEDバックライト
5C 別体型の光照射部
6 反射部
7 光電変換部
10(10A,10B,10C,10D) 表示装置
11 液晶層
12 TFT基板
13 対向基板
14 下部偏光板
15 上部偏光板
16 ブラックマトリクス
17 配線
19 反射防止膜
50 光源
51 透明基板
52 反射防止膜
53 保護層
54 自発光層(有機EL発光素子)
55 配線
56 開口
57 支持基板
58 自発光層(有機EL発光素子)
59 保護層
61 反射層
62 支持基板
72 光電変換層(太陽電池)
73 コールドミラー
91 透明基板
92 発光層
93 カラーフィルタ
94 反射層
2(2G,2B,2R) 発光層(発光材料)
3(3G,3B,3R) 吸収層(吸収材料、カラーフィルタ)
4 発光吸収部
5 光照射部
5A フロントライト
5B OLEDバックライト
5C 別体型の光照射部
6 反射部
7 光電変換部
10(10A,10B,10C,10D) 表示装置
11 液晶層
12 TFT基板
13 対向基板
14 下部偏光板
15 上部偏光板
16 ブラックマトリクス
17 配線
19 反射防止膜
50 光源
51 透明基板
52 反射防止膜
53 保護層
54 自発光層(有機EL発光素子)
55 配線
56 開口
57 支持基板
58 自発光層(有機EL発光素子)
59 保護層
61 反射層
62 支持基板
72 光電変換層(太陽電池)
73 コールドミラー
91 透明基板
92 発光層
93 カラーフィルタ
94 反射層
Claims (9)
- 周囲から一方の面側に入射する光の透過率を制御する光スイッチと、
複数色の発光材料と特定の波長域の光を吸収する吸収材料とを含み、前記光スイッチの他方の面側に配置される発光吸収部と、
前記発光吸収部に含まれる前記複数色の発光材料に光を照射する光照射部と、
を備える表示装置。 - 前記光スイッチの他方の面側に配置される反射部をさらに備え、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記反射部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、請求項1に記載の表示装置。 - 特定の波長域の光を透過し当該特定の波長域以外の光を反射する層と光電変換層とが積層して構成されて、前記発光吸収部を透過する光を光電変換する光電変換部をさらに備え、
前記光電変換部は、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光電変換部との間に位置しており、
前記光照射部は、表面に開口を有しており、前記光スイッチの一方の面側に配置される、請求項1に記載の表示装置。 - 前記光照射部は、電極と、透明電極と、前記電極および前記透明電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する自発光層とを含む、請求項2または3に記載の表示装置。
- 前記光照射部は、透明電極と、光反射性電極と、前記透明電極および前記光反射性電極の間に介挿されて前記複数色の発光材料を励起する光を放射する自発光層とを含んで、前記光スイッチの他方の面側に配置され、
前記発光吸収部は、前記光スイッチと前記光照射部との間に位置している、請求項1に記載の表示装置。 - 前記自発光層は有機発光材料を含む、請求項4または5に記載の表示装置。
- 前記光照射部は、前記光スイッチの一方の面側に対向して配置され、
前記光照射部から放射される光が前記光スイッチの一方の面側に入射する、請求項1に記載の表示装置。 - 前記発光吸収部は、前記複数色の発光材料を含む発光層と、前記吸収材料を含む吸収層とが積層して構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記発光材料は、青色の波長域を含む光を放射する、請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
Priority Applications (1)
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