JP2022153791A - 遮音シート及び遮音構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数帯の遮音性能に優れ、コンパクトな構成の遮音シートを提供する。【解決手段】平面視で長手方向と短手方向を有する形状のシート状の基材2の一方の面2aに、凸部5と凹部6からなる凹凸単位形状4を複数配置して構成された凹凸構造3を設けて遮音シート1を形成する。凸部5を基材2の長手方向に沿って線状に複数配置することで低周波数帯域の遮音性能を向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、遮音シートとこれを備えた遮音構造体に関する。
集合住宅、オフィスビルやホテル等の建物においては、自動車、鉄道、航空機、船舶等からの屋外騒音や建物内部で発生する設備騒音や人声を遮断して、室用途に適した静謐性が要求される。また、自動車、鉄道、航空機、船舶等の乗り物においては、風切り音やエンジン音を遮断して、乗員に静粛で快適な空間を提供するために室内騒音を低減する必要がある。そのため、屋外から屋内、或いは乗り物の室外から室内への騒音や振動の伝搬を遮断する手段、すなわち、遮音手段の研究開発が進められてきている。近年では、建物における高層化、乗り物におけるエネルギー効率向上、さらに、建物、乗り物やそれらの設備の設計自由度向上のために、複雑な形状にも対応可能な遮音部材が求められている。
従来、遮音部材、特にシート状の部材については、遮音性能を向上させるために、部材構造の改良がなされてきた。例えば、石膏ボード、コンクリート、鋼板、ガラス板、樹脂板等の剛性のある平板材を複数枚組み合わせて用いる方法(特許文献1)や、石膏ボード等を用いて中空二重壁構造や中空三重壁構造とする方法(特許文献2)、平板材と複数の独立した切り株状の突起部とを組み合わせて用いる方法(特許文献3,4)、角柱台を繰り返し配列した構造を用いる方法(特許文献5)等が知られている。
特開2013-231316号公報 特開2017-227109号公報 特開2000-265593号公報 国際公開第2017/135409 国際公開第2020/014435
前記従来の遮音部材のうち、特許文献3と特許文献4に記載のものは、ゴム弾性を有するシート及びシート表面に縦横複数列に配置した円柱形の突起部を備えた形態のものであり、音の入射に対してシート及び突起部が動吸振器として機能し、質量則を超える遮音・制振性能が得られることが知られている。
前記特許文献4では、錘部が供えられた複数の共振部を有することで、低周波数帯の遮音効果を実現している。錘を有さない遮音シートを用いた場合、その効果は限定的である。特許文献4では、円柱形の突起部の上部に重量の大きな錘部が導入されていないと、特に低周数波体で十分な遮音効果が得られないことが確認されている(同文献の〔実施例〕を参照)。
近時、精密機器や家電製品等で、機器使用中に機器が発する低周波数帯の音や振動を遮断する機能の装備が求められており、かかる要求に応ずるべく、前記弾性を有するシート及び円柱形の突起部を備えた形態の遮音部材においても、突起部の材質やサイズを変更させた際の遮蔽性能の検討が行われている。
しかし、低周波数帯の遮音効果を高めるには、柱状の突起部を大きくしたり、突起部中に錘を導入して突起部を重くしたりする必要があり、必然的に遮音部材が肉厚となってサイズが大型化し且つ重量が増してしまい、小型且つ軽量な機器に装備して低周波数帯の音を遮蔽するという要請に応えることはできない。
一方で、機器が発する音が外部に漏れないようにするため、遮音シートを鉄等の硬い板材からなる外装板の内壁面に取り付ける需要も想定される。
また、前記形態の遮音部材は量産化がし難いという問題がある。量産化に対応するため、前記突起部の外形状に沿って窪んだキャビティを表面に設けた金型を用いた場合に、キャビティに樹脂材料を流し入れて硬化させる際、キャビティ内に気泡が混じって成形不良を来しやすく、また、遮音部材の突起部に気泡が混入していると遮音性能が低下し、所望の遮音効果を得ることができない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、薄型且つ軽量で、低周波数帯の遮音性能に優れる遮音シート及び遮音構造体を提供することを課題とする。また、低周波数帯の遮音性能に優れた遮音シートを、成形不良を来すことなく製造することができるようにすることを課題とする。本発明は、鋼板等の比較的面密度が高い材料に遮音シートを取り付けた場合であっても遮音効果、特に低周波数帯の遮音性能に優れる遮音構造体を提供することも課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特に凸部の配列方向を特定の範囲内とすることで課題が解決されることを見出し、以下の本発明を完成させるに至った。
本発明は、シート状の基材の少なくとも一方の面に凹凸構造を有する遮音シートであって、
前記基材は、平面視で長手方向と短手方向を有し、
前記凹凸構造は、前記基材の面上から線状に突出した凸部とこの凸部に沿った凹部を有する複数の凹凸単位形状からなり、
各凹凸単位形状は前記基材の面上に当該基材の長手方向に沿って配列された構成を有することを特徴とする。
前記構成の遮音シートにおいて、複数の凸部が略一定の間隔を開けて基材の面上に配列された構成を有することを特徴する。
また。各凹凸単位形状が、基材の中心を通りその長手方向の両縁辺を結ぶ軸(長軸)に対して、-20度から+20度の傾斜角度をなすように配列された構成を有することを特徴とする。
前記構成の遮音シートは、前記基材が平面視略矩形状に形成されていることを特徴とする。
また、基材の左右両辺と上下両辺の長さの比が3:10以上、9:10以下であることを特徴とする。
さらに、前記各凹凸単位形状の配列方向と直行した断面における隣接する凸部間の最大幅は、0.5mm以上、10mm以下であることを特徴とする。
また、前記凹凸単位形状の凸部の高さは、0.5mm以上、10mm以下であることを特徴とする。
さらに、前記凹凸単位形状の凹部の幅は、5mm以上、50mm以下であることを特徴とする。
また、前記基材のヤング率は、1GPa以上であることを特徴とし、前記基材の厚さは、30μm以上、500μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の遮音構造体は、前記構成の遮音シートと、前記基材の他方の面を支持する支持体とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、比較的に軽量でありながら、特に低周波数帯の音の遮音性能に優れた遮音シート及び遮音構造体を、コンパクトな大きさに形成することができる。
すなわち、前記のとおり、低周波数帯の遮音効果を高めるには、柱状の突起部を大きくしたり、突起部中に錘を導入して突起を重くしたりすること、つまり、動吸振器として機能する部位の重量化が不可欠である。従来の遮音部材で突起部の重量化を図ったのでは、遮音部材の小型化は困難である。
これに対し、本発明の遮音シートは、基材上に線状の凸部を設け、且つこれを複数本列設した配置とすることで、基材上に突出する部分の高さを大きくすることなく、全体として動吸振器として機能する部位の重量化を図っている。そして、基材を形成する材料として、従来の遮音部材と比較して剛性の高い材料を用いることで、全体のサイズを大型化することなく、低周波数帯の遮音性能に優れた遮音シートをコンパクトに構成したものである。
また、本発明は、基材形状に対して最適な配列方向があることを見出し、平面視で長手方向と短手方向を有して形成された基材上でその長手方向に沿って、複数の凸部を配置した形態が最も遮音性に優れることを見出したものでもある。
本発明の遮音シートによれば、基材上に列状に配置された複数の線状の凸部は、基材の長手方向に沿った対向端部間に亘って列設してある。かかる配置によって、音が入射したときの基材の上下の振動が抑制されるとともに、線状の凸部と交差する方向の振動も確実に阻止され、さらに2方向に突起部を配列した従来の遮音部材よりも、線状の凸部の配列により局所的な剛性・質量が付与されて、遮音シートの低周波数帯の遮音強度が高まるものと推察される。
また、本発明によれば、鋼板等の比較的面密度が高い材料に遮音シートを取り付けた場合であっても遮音効果、特に低周波数帯の遮音性能に優れた遮音構造体を提供することが可能である。
本発明の遮音シートの一実施形態の概略斜視図である。 図1の遮音シートの概略横断面図である。 本発明の遮音構造体の一実施形態の概略斜視図である。 遮音シートの製造に用いる金型の一例の概略切断端面を示した図である。 図4の金型を用いて遮音シートを製造する工程を説明するための図である。 (A)は円柱形の金型の概略外観図、(B)はこの金型を用いて遮音シートを製造する工程を説明するための図である。 (A)、(B)及び(C)はそれぞれ比較例の遮音シートの凸部の配置を示した図である。
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は実施形態に限定されるものではない。また、以降においては特に断らない限り、上下左右等の位置関係は、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。本明細書において、例えば「1から100」或いは「1~100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。また、「質量」と「重量」は同意であるが、以下の説明では両方の語を用いている。
本発明の遮音シートは、シート状の基材と、この基材の少なくとも一方の面に配置された凹凸構造を備えた遮音シートであって、前記基材は平面視で長手方向と短手方向を有し、前記凹凸構造は前記基材の面上から線状に突出した凸部とこの凸部に沿った凹部を有する複数の凹凸単位形状からなり、各凹凸単位形状は前記基材の面上に当該基材の長手方向に沿って、繰り返し配列された構成を有することを特徴とするものである。
上記の「長手方向と短手方向を有する」とは、長手方向の軸に対して垂直な軸方向側(短手方向)に、長手方向の長さよりも長い距離を有する箇所を有さない形状であり、例えば、長方形、楕円形、ひし形などが挙げられる。
図1及び図2は本発明の遮音シートの一実施形態の概略斜視図と概略横断面図、図3は本発明の遮音構造体の概略斜視図である。
図示した形態の遮音シート1は、平面視で横長な矩形状に形成されたシート状の基材2の一側の面2aに、この基材2の長手方向に沿って線状に伸びた凸部5を複数列設させてなる凹凸構造3を設けた形状に形成してある。
凹凸構造3は、基材2の左右両辺間に亘って線状に伸びた凸部5とこの凸部5に隣接した平坦な部分である凹部6を一つの凹凸単位形状4とし、これを基材2の上下両辺間に、繰り返し配列してなるものである。本形態では、4つの凹凸単位形状4を配列して凹凸構造3を形成してある。
そして、遮音構造体7は、遮音シート1の凹凸構造3が設けられていない、基材2の他側の面2bを支持体8で支持することにより構成される。
[基材]
基材2は、平面視で長手方向と短手方向を有する形状を呈するシート状の部材であり、図示した形態では平面視横長に形成されている。基材2は、凸部5を支持するために用いられ、シート状の基材2に凸部5が複数設けられることで、凸部分と凹部分ができ、凹凸構造3が形成される。
平面視横長に形成された基材2は、その上下両辺が長辺、左右両辺が短辺となり、つまり、基材2は長辺と短辺を有する形状に形成されている。例えば横長な矩形や多角形、或いは平行四辺形や台形、楕円形、ひし形、上下又は/及び左右が非対称な横長な形状、その他適宜な横長な形状がこれに含まれる。かかる横長な基材2の表面に、その長手方向に沿って複数の凸部5が配列された遮音シート1が構成される。基材2は平面視横長に代えて平面視縦長に形成されていてもよく、その場合、複数の凸部5の配列は基材2の長手方向である縦方向に沿った向きとなる。
基材2を構成する材料は、凹凸構造3を支持可能なものであれば特に限定されないが、基材2自体の振動抑制と複数の凸部5を支持する観点から、凹凸構造3の形成に用いられる樹脂よりも剛性の高いものを用いることが好ましい。
具体的には、基材2は、1GPa以上のヤング率を有することが好ましく、より好ましくは1.5GPa以上である。上限は特にないが、例えば1000GPa以下が挙げられる。
また、基材2を装置、構造体上等に直接設置する場合において、基材2を設置する面(部材)は、基材2を支持する観点や遮音性能を高める観点等から、20kg/m以下、好ましくは10kg/m以下、さらに好ましくは5kg/m以下が適切である。
基材2を構成する材料の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリノルボルネン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキサジン樹脂等の有機材料、これらの有機材料中にアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、亜鉛、真鍮等の金属、無機ガラス、無機粒子や繊維を含む複合材料等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、遮音性、剛性、成形性、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材2の厚さ(d)は、30μmから500μmであることが好ましく、40μmから400μmであることがより好ましく、45μmから300μmであることがさらに好ましい。基材2の厚さが30μm以上であるとハンドリング性に優れ、500μm以下であると、凸部5を設けたことによる遮音性能の向上が図れる。
基材2の外形状は、横に長い矩形状に形成した図1から図3に示された態様に限定されない。前述のとおり、基材2は平面視で長手方向と短手方向を有し、その長手方向に沿って複数の凸部5を表面に配列した形状であれば、遮音シート1の設置面に応じて適宜設定することができる。例えば、平坦なシート状であっても、湾曲したシート状であっても、曲面部や折り曲げ部等を有するように加工された特殊形状であってもよい。さらに、軽量化等の観点から、切り込みや打ち抜き部等が、基材2の任意の箇所に設けられていてもよい。
基材2は、他の部材に貼り付けて用いる場合に、基材2の面2a,2b内に粘着層等を有していてもよい。粘着層等を有する基材2の面は特に限定されず、1つでも複数でもよい。
基材2を他の部材に貼り付けたものを遮音シート1として用いてもよい。他の部材に貼り付けて用いる場合に、基材2の面2b内に粘着層等を有していてもよい。粘着層等を有する基材2の面は特に限定されず、1つでも複数でもよい。基材2を設置する面(部材)は、基材2を支持する観点や遮音性能を高める観点等から、面密度が1kg/m以上、20kg/m以下が適切である。後述するように、基材2を直接他の部材に張り付ける場合、その部材(支持体)の面密度は2.0kg/m以下であることが好ましい。
[凹凸構造]
凹凸構造3を構成する凸部5は局所的な剛性と質量を基材2に付与する役割を果たす。局所的な剛性と質量を付与することにより、騒音源から音波が入射された際に基材2の振動を局所的に抑制し、結果として基材2全体の振動を低減する機能を奏する。
前記特許文献4に記載の、複数の円柱状の突起部を有する遮音シートによる遮音のメカニズムは、各突起部がそれぞれ振動することで動吸振器として作用する「突起部振動」によるものと考えられていた。
本発明者は、上記の「突起部振動」としての作用の他に、「局所的な剛性・質量付与」による作用が遮音のメカニズムとして機能することを発見した。本作用において突起部は、基材の振動を制限するように働く。すなわち、音が基材に入射した際、基材は振動するが、突起部は基材に対して局所的な剛性・質量を付与しているため、この振動を抑えるように機能し、遮音効果を発揮することができる。また、「局所的な剛性・質量付与」を効果的に生じさせることにより、低周波帯域の音を遮音する作用を奏する。
ここで、円柱状の突起部、勿論円柱に限られずドット状の突起部であっても、基材の厚さ、突起部の重量等によっては、効果的に「局所的な剛性・質量付与」作用を生じさせることが可能であることは容易に推察することができるが、この場合に、剛性と質量付与のために、突起部を比較的大きなもの、特に高さが大きなものを用いる必要がある傾向にある。
本発明では、前記突起部に代えて基材上に凸部を線状に複数設けることで、大きな突起部を用いなくても、つまり突起部の高さを大きくしたり突起部の重量を増したりしなくても、「局所的な剛性・質量付与」を効果的に生じさせることができるようにしている。
推定されるメカニズムとしては以下の如くである。
すなわち、本発明の一実施形態である遮音シート1の凹凸構造3の凸部5は線状の形状を有するため、長手方向と短手方向を有する。そして、基材2の横長なシート面2a上においては、複数の凸部5がそれぞれ基材2の対向する短手辺間に亘り、平行に配列してある。
音の入射によるシートの振動は、例えば長手方向に沿う波と短手方向に沿う波にモデル化することができるが、長手方向に沿う波は、凸部5の長手方向により制限され、短手方向に沿う波は、凸部5の「局所的な剛性・質量付与」によって制限されることとなる。
ここで、この「局所的な剛性・質量付与」は、円柱状の突起部による「局所的な剛性・質量付与」よりも、凸部5が線状である分、円柱形の突起部よりも重量が大きく、シートの振動をより効果的に制限することが可能である。これにより、凸部5を高くする必要がなく、遮音能に優れた薄型の遮音シート1の実現が図れる。
凸部5は、その長手方向において適宜、途中で途切れた不連続構造であっても構わない。また、複数の凸部5は平行に配列されるが、平行配置のみならず、凸部5同士が重ならない範囲で適宜角度を有していても構わない。
凹凸構造3の形成は、基材2を変形して形成させたものでもよく、また、基材2とは別の材料を用いて凸部5として基材2に一体に形成させたものでよい。さらに、凹凸構造3は、基材2の一面に形成されていてもよく、また、複数の面に形成されていてもよい。なお、遮音シート1を支持体8で支持して遮音構造体7を構成する場合、基材2の凹凸構造3が設けられていない側の面2bに支持体8が設置される。
また、凸部5の配列方向に直行した断面の形状、つまり凸部5の横断面形状は、大略、正方形や直方形、台形、半円形、楕円形等を採用することができる。凸部5の断面形状は、遮音性能や製造コスト、ハンドリング性等の観点から用途に応じて適宜選択し得る。
凹凸単位形状4の配列方向と直行した断面における最大幅、つまり凸部5の横断面の最大幅(w1max)は、0.5mm以上、10mm以下が好ましく、0.7mm以上、8mm以下がより好ましく、1mm以上、6mm以下がさらに好ましい。
上記範囲であれば、遮音シート1を薄型で軽量且つ低周波数帯の遮音性能に優れたものに形成することができる。
凹凸単位形状4の高さ、つまり凸部5の高さ(t)は、0.5mm以上、10mm以下が好ましく、0.7mm以上、8mm以下がより好ましく、1mm以上、6mm以下がさらに好ましい。上記範囲であれば、遮音シート1を薄型で軽量且つ低周波数帯の遮音性能に優れたものに形成することができる。
凹凸単位形状4の間隔、つまり凹部6の幅(w2)は、3mm以上、100mm以下が好ましく、4mm以上、80mm以下がより好ましく、5mm以上、50mm以下がさらに好ましい。上記範囲であれば、遮音シート1を薄型で軽量且つ低周波数帯の遮音性能に優れたものに形成することができる。
また、凸部5の比重をsgとしたときに、前記凸部5の横断面の最大幅w1max(mm)、凸部5の高さt(mm)及び凹部6の幅w2(mm)が、式(I)及び(II)で規定する範囲で凹凸構造3が形成されていることが好ましい。
式(I) 0.1 ≦ w1max×t×sg/w2 ≦ 10
式(II) 5 ≦ w1max×t ≦ 50
遮音シート1の製作にあたり、高い遮音性能が得られる凹凸単位形状4の構成は、前記のとおり基材2の厚さ(d)や凸部5と凹部6の大きさ等の関係により最適値が異なるが、凹凸単位形状4の面密度について規定する前記式(I)、凸部5の断面積について規定する前記式(II)の範囲内であれば、遮音シート1は良好な遮音効果を発揮することができる。両式で規定する範囲の下限値よりも小さいと遮音強度が低下し、上限値よりも大きいと低周波帯領域の遮音性能が得られなくなる。
[凹凸構造の配列方向]
凹凸構造3の各凹凸単位形状4は、基材2の長手方向に沿って、前記図1に示された、基材2を矩形状に形成した態様ではその上下両辺である長辺方向に沿って配列することが好ましい。
すなわち、凹凸構造3は前述した「局所的な剛性・質量付与」としての機能を有しており、各凹凸単位形状4の凸部5を長辺方向に沿って配列することで凹凸単位形状4の一単位当たりの重量が大きくなり、これにより遮音性が向上すると考えられる。
この場合、前記基材2の長辺方向に沿って凸部5が配列してあることが最も好ましいが、前記長辺対して凸部5がある程度傾斜した角度でも、良好な遮音性能を得ることが可能である。
詳しくは、基材2の中心(O)を通りその左右両側辺を結ぶ軸をとったと仮定する(図7参照)。基材2が楕円形状の場合は、この軸は長軸となる。
前記図1に示された基材2を矩形状に形成した態様では、この軸と基材2の上下両辺が平行な長辺方向となるが、各凹凸単位形状4は、この軸に対して、-20度から+20度の傾斜角度の範囲内で配列されることが好ましい。さらに、-17度から+17度の角度内での配列がより好ましく、-15度から+15度の角度内での配列がより好ましい。配列角度が前記範囲内であれば、凹凸構造3単位当たりの重量が大きくなり遮音性を向上させることができる。
なお、各凹凸単位形状4同士が平行でない場合は、それぞれの凹凸単位形状4と軸との角度の平均値が前記範囲に入ることが好ましい。
[基材の縦横比]
前記のとおり、平面視で長手方向と短手方向を有する形状に形成された基材2は短辺と長辺を有する。基材2は凹凸構造3と組み合わせることによって「局所的な剛性・質量付与」を付与することができるが、前述のとおり、基材2は短辺と長辺を有し、基材2の長辺方向に沿って凹凸構造3を配列することで遮音性を向上させることができる。
基材2を平面視略矩形状に形成するなどした場合に、その短辺と長辺の長さの比は、3:10から9:10であることが好ましく、3.5:10から8.5:10であることがより好ましく、4:10から8:10であることがさらに好ましい。短辺と長辺の長さの比が前記範囲内であれば遮音性を向上させることができる。
(凸部の重量/基材の重量)で表される凸部5と基材2の重量比率は、1.8~15.1の範囲であることが好ましく、0.5~30がさらに好ましい。さらに好ましくは、1.0~20である。凸部5と基材2との重量の比をこの範囲とすることで、基材2の振動に対して凸部5がより効果的に「局所的な剛性・質量」として機能するため、低周波数帯の遮音強度を効果的に高めることができる。
(凸部の面積/凹部面積)で表される凸部5と凹部6の面積比は、0.1~3の範囲であることが好ましく、0.15~2がさらに好ましい。さらに好ましくは、0.2~1.5である。前記面積比をこの範囲とすることで、基材2の振動に対して凸部5がより効果的に「局所的な剛性・質量」として機能するため、低周波数帯の遮音強度を効果的に高めることができる。
[凹凸構造に用いられる材料]
凹凸構造3の形成に用いられる材料の種類は、動的粘弾性を測定できるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂やエラストマーが挙げられる。
樹脂としては、熱又は光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられ、エラストマーとしては、熱又は光硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマーが挙げられるが、これらの中でも光硬化性樹脂又は光硬化性エラストマーが好ましく、特に、形状転写性が良く、優れた遮音機能を発現することから、光硬化性樹脂が好ましい。
前記凸部5の材料として、熱硬化性若しくは熱可塑性の樹脂、又は熱硬化性若しくは熱可塑性のエラストマーを用いた場合、凸部5の成形の際に熱による硬化反応を必要とするため、成形した凸部5に気泡が生じる傾向が強い。気泡が生じた場合、共振し難くなり、遮音性能が低下してしまう。一方で、凸部5の材料として、光硬化性樹脂又は光硬化性エラストマーを用いた場合、上記のような気泡の問題は生じないため、遮音性能の低下が生じ難い。
樹脂やエラストマーは、1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよいが、貯蔵弾性率、引張破断伸度等の特性を制御することができる観点から、2種以上の材料を組み合わせることが好ましい。
凹凸構造3の形成に用いられる樹脂として、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等の熱硬化性樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、これらの変性体等の単量体の単独重合体又は共重合体等の光硬化性樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルピロリドン等のビニル系単量体の単独重合体共重合体又は、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の弾性率が低いウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
凹凸構造3の形成に用いられるエラストマーとして、例えば、化学架橋された天然ゴム或いは合成ゴム等の加硫ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の熱硬化性樹脂系エラストマー等の熱硬化性エラストマー;オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム系熱可塑性エラストマー、アクリル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、アクリル系光硬化性エラストマー、シリコーン系光硬化性エラストマー、エポキシ系光硬化性エラストマー等の光硬化性エラストマー、シリコーン系熱硬化性エラストマー、アクリル系熱硬化性エラストマー、エポキシ系熱硬化性エラストマーが挙げられる。これらの中でも、熱硬化性エラストマーであるシリコーン系熱硬化性エラストマー、アクリル系熱硬化性エラストマー、光硬化性エラストマーであるアクリル系光硬化性エラストマー、シリコーン系光硬化性エラストマーが好ましい。
光硬化性樹脂とは、光照射により重合する樹脂である。例えば光ラジカル重合性樹脂、及び光カチオン重合性樹脂が挙げられる。なかでも光ラジカル重合性樹脂が好ましい。光ラジカル重合性樹脂は、少なくとも分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する光ラジカル重合性エラストマーとしては、特に限定されないが、硬化物の弾性率の観点から、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、2-メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ブチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルホリン-4-イル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の弾性率の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、凹凸構造3の形成に用いられる樹脂として、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含んでもよい。エチレン性不飽和結合を有する化合物として、スチレン、α-メチルスチレン、α-クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のモノ(メタ)アクリレート;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(繰返し単位数:5~14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(繰返し単位数:5~14)、ジ(メタ)アクリル酸1,3-ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4-ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(繰返し単位数:3~16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1-メチルブチレングリコール)(繰返し単位数:5~20)、ジ(メタ)アクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9-ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ-ブチロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2~5)のジ(メタ)アクリル酸エステルビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物(p=1~7)のジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~15)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(p=1~5)のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(p=1~15)のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~5)のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(p=1~15)のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N',N"-トリス((メタ)アクリロキシポリ(p=1~4)(エトキシ)エチル)イソシアヌレート等のポリ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールカプロラクトン(4~8モル)付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールカプロラクトン(4~8モル)付加物のテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4~12モル)付加物のペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールカプロラクトン(4~12モル)付加物のヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、N,N',N"-トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(アクリロキシエチル)-N"-ヒドロキシエチルイソシアヌレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、及びイソシアヌル酸エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の分子内に複数のエポキシ基を有するポリエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、硬化物の弾性率が低い、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールアクリレートが好ましく、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールアクリレートがより好ましい。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
凹凸構造3の形成に用いられる樹脂及び/又はエラストマーの含有量は、遮音性能や製造コスト、他の機能などの観点から、適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、通常70質量%以上であり、80質量%以上であることが好ましい。また、100質量%であってもよく、99質量%以下であることが好ましい。
凹凸構造3が光硬化性樹脂又はエラストマーを含む場合、成形性や機械的強度の向上、製造コストの低減等の観点から、光重合開始剤を含むことが好ましく、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系、フォスフィンオキシド系及びパーオキシド系等の光重合開始剤を挙げることができる。上記の光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4-フェニルベンゾフェノン、t-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-メチル-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルホリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等を例示することができる。これらは1種の材料を単独で用いてもよく、2種以上の材料を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
凹凸構造3の形成に用いられる樹脂の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、機械的強度の向上や適切な反応速度の維持の観点から、通常0.1質量%以上であり、0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、通常3質量%以下であり、2質量%以下であることが好ましい。
凹凸構造3の形成に用いられる樹脂は、遮音性や他の機能などを向上させるために、粒子、板、球体等を含んでもよい。これらの材料は特に限定されず、金属、無機、有機等の材料が挙げられる。
凸部5は、機械的強度の向上、材料コストの低減の観点から、無機微粒子を含んでいてもよい。例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ソーダガラス、ダイヤモンド等の透明性を有する無機微粒子を挙げることができる。このような無機微粒子以外にも、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの共重合体などの樹脂粒子を微粒子として使用することもできる。
凹凸構造3の形成に用いられる樹脂は、遮音性能が阻害されない限り、その他の成分として、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤、離型剤等の各種添加剤を含有していてもよく、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
難燃剤は、可燃性の素材を燃え難くする又は発火しないようにするために配合される添加剤である。その具体例としては、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサブロモベンゼン等の臭素化合物、トリフェニルホスフェート等のリン化合物、塩素化パラフィン等の塩素化合物、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、メラミンシアヌレート等の窒素化合物、ホウ酸ナトリウム等のホウ素化合物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
また、酸化防止剤は、酸化劣化防止のために配合される添加剤である。その具体例としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
可塑剤は、柔軟性や耐候性を改良するために配合される添加剤である。その具体例としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、マレイン酸エステル、シリコーン油、鉱物油、植物油及びこれらの変性体等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
[支持体]
前記構成の遮音シート1は、遮音性能を発現させる環境に合わせて適宜に設置することができる。例えば、遮音シート1を装置、構造体上等に直接設置してもよい。遮音シート1と装置、構造体等の間には、接着層等を設けてもよい。また、遮音シート1を支持体8が支持した形態で用いてもよい。遮音シート1を用いて遮音する際に支持体8で遮音シート1を支持すればよく、製造、保管時等は支持体8に支持されていなくてもよい。
支持体8は遮音シート1の基材2の少なくとも一方の面に接して設けられていればよく、複数の面に接して設けられていてもよい。
支持体8を構成する材料は、基材2を支持可能なものであれば特に限定されないが、遮音性能を高める観点から、基材2よりも剛性の高いものが好ましい。
また、遮音シート1を装置、構造体上等に直接設置する場合において、遮音シートを設置する面は、シートを支持する観点、遮音性能を高める観点等から上記支持体と同様の剛性を有することが好ましい。
支持体8を構成する材料の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリノルボルネン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキサジン樹脂等の有機材料、これらの有機材料中にアルミニウム、ステンレス、鉄、銅、亜鉛、真鍮等の金属、無機ガラス、無機粒子や繊維を含む複合材料等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、遮音性、剛性、成形性、コスト等の観点から、支持体8は、光硬化性樹脂シート、熱硬化性樹脂シート、熱可塑性樹脂シート、金属板及び合金板からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。支持体8の厚さは、特に限定されないが、遮音性能、剛性、成形性、軽量化、コスト等の観点から、通常0.1mm以上、50mm以下であることが好ましい。
支持体8の面密度は、2.0kg/m以下であることが好ましく、さらには1.5kg/m以下が好ましい。面密度が大きすぎる場合、支持体に対する凸部の重さの比率が小さくなるため、凸部が「局所的な剛性・質量付与」として機能しにくい。支持体8の面密度を適正な範囲とすることで凸部が「局所的な剛性・質量付与」として十分機能する。
なお、支持体8の形状は、遮音構造体7の設置面に応じて適宜設定でき、特に限定されない。例えば、平坦なシート状であっても、湾曲したシート状であっても、曲面部や折り曲げ部等を有するように加工された特殊形状であってもよい。さらに、軽量化等の観点から、切り込みや打ち抜き部等が、支持体8の任意の場所に設けられていてもよい。
[成形方法]
遮音シート1の成形方法は、特に限定されず、一般的な公知のシート成形方法を採用することができる。熱硬化性又は熱可塑性の樹脂若しくはエラストマーの場合、例えば、プレス成形や押出成形、射出成形等の溶融成形法が挙げられ、この場合の溶融成形を行う温度や圧力等の成形条件は、用いる材料の種類に応じて適宜変更することができる。また、光硬化性樹脂又はエラストマーの場合、例えば、活性エネルギー線透過性の板状成形型にこれらの樹脂等を注入し、活性エネルギー線を照射して光硬化させることができる。
光硬化性樹脂等の硬化に用いられる特定光線である活性エネルギー線は、用いる光硬化性樹脂等を硬化させるものであればよく、例えば紫外線、電子線等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、用いる光硬化性樹脂等を硬化させる量であればよく、モノマー及び重合開始剤の種類、量を参酌して、例えば、波長が200~400nmの紫外線を通常0.1~200Jの範囲で照射する。活性エネルギー線の光源としては、ケミカルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。また、活性エネルギー線の照射は、1段で行ってもよいが、表面性状の良好な光硬化樹脂シートを得るためには、複数段で、少なくとも2段で行うことが好ましい。また、光硬化性樹脂を用いる場合、硬化促進剤を含有してもよい。
基材2と凸部5とを複合する方法は、特に限定されず、基材2上で凸部5を形成する方法、成形後の凸部5と基材2とを接着する方法のいずれの方法でもよい。接着する方法の場合、接着剤を用いることが好ましいが、凸部5と基材2を接着することができれば接着剤の種類に限定はない。
次に、熱硬化性樹脂を用いて遮光シート1を成形する態様の一例について説明する。
図4は、遮光シート1の成形に用いる一例の金型の概略切断端面を示している。図示した金型9は、その上面に遮光シート1の凹凸構造3の外形状に対応した凹凸部、つまり凸部5の外形状に対応した形状に表面を溝形に凹ませた複数のキャビティ(凹溝)9aが形成してある。
この金型9を用いて遮光シート1を以下の手順で成形することができる。
先ず、キャビティ9aが形成された側の面を上方に向けて金型9をセットし、各キャビティ9a内に光硬化性樹脂を流入させて充填し、これに前記光硬化性樹脂が硬化する紫外線や電子ビーム等の特定光線が透過する材料からなるシート状の基材2を重ねる。
次いで、基材2を金型9の上面に圧着させた状態で、その上方から特定光線を照射し、基材2を通してキャビティ9a内の光硬化性樹脂を硬化させて基材2の表面に定着させる。
そして、光硬化性樹脂が硬化したならば、図5に示されるように、金型9から、表面に凸部5が定着した基材2を剥離することで、基材2の表面に凹凸構造3が形成された遮光シート1を得ることができる。
図6は、同じく光硬化性樹脂と、この光硬化性樹脂が硬化する特定光線を透過する工程と材料からなる長尺シート状の基材2を用い、所謂ロール・トゥ・ロールで遮光シート1を成形する態様を示している。
同図(A)に示されるように、この場合の成形には、周方向に沿って、前記凸部5の外形状に対応した形状に表面を溝形に凹ませた複数のキャビティ10aが周面に形成された円柱ロール状の金型10が用いられる。長尺シート状の基材2は、図示されないシート状の基材2が巻かれた原反ロールを支持して基材2を送り出すシート供給手段から送り出され、同図(B)に示されるように、搬送上流側と下流側にそれぞれ配置された圧着ロール11と圧着ロール12によりテンションを与えた状態で金型10の周面に圧着して巻き付けられるとともに、図示されないシート巻取り手段により圧着ロール12を通過した基材2が巻き取られるようになっている。
圧着ロール11の上方には、光硬化性樹脂を供給するノズル13が配置され、ノズル13から供給される樹脂が金型10のキャビティ10a内に流入し充填されるように設けられており、金型10の下方には特定光線を照射する光源14が複数配置され、基材2を通してキャビティ10a内に充填された光硬化性樹脂に特定光線を照射し、硬化せしめるように設けてある。なお、金型10は、シート供給手段及びシート巻取り手段のシート搬送速度と同調して回転するように設けてある。
かかる態様では、遮光シート1を以下の手順で成形することができる。
先ず、長尺状シート状の基材2の先端をシート供給手段から繰り出して金型10の周面に巻き付けるとともに、圧着ロール11,12に巻き付けてテンションを与え、基材2の先端をシート巻取り手段に取り付ける。
次いで、シート供給手段から基材2を供給し、且つシート巻取り手段で巻取りながら、回転する金型10に基材2を巻き付け、これと同時にノズル13から光硬化性樹脂を流出させて、金型10のキャビティ10a内に光硬化性樹脂を充填する。
金型10に巻かれた基材2が金型10とともに圧着ロール12側へ回転移送される過程で、金型10の下方に配置された光源14から特定光線が基材2の表面に照射され、基材2を通して特定光線がキャビティ10a内の光硬化性樹脂に照射されることにより、光硬化性樹脂は硬化し基材2の表面に定着する。金型10に巻かれた基材2の移送速度(金型10の回転速度)は、基材2が金型10に巻かれている間に、キャビティ10a内の光硬化性樹脂が光源14から照射される特定光線を受けて完全に硬化する程度に設定される。
そして、圧着ロール12を介して基材2が金型10から剥離され、表面に凸部5が定着した基材2がシート巻取り手段に巻き取られることで長尺な遮光シート1が連続的に形成され、巻き取られた基材2を設置個所に応じた寸法に切断することで、基材2の表面に凹凸構造3が形成された所望のサイズの遮光シート1を得ることができる。
前記金型9と金型10に形成されたキャビティ9a,10aは、凸部5の外形状に沿って線状に形成されているので、樹脂はキャビティ9a,10aに沿って満遍なく流入し、気泡が樹脂とともにキャビティ9a,10a内に入り難いものとなっている。
[遮音特性]
遮音シート1の音響透過損失は、遮音シート1と前記遮音シート1と同重量の平面シートとのピーク周波数における音響透過損失の差が3dB以上であることが好ましい。ここで、本発明における音響透過損失とは、遮音シート1を境界として分けた二つの空間のうちの一方の空間で音を発生させた場合に、音を発生させた空間(音源室)の所定の箇所における音圧と、もう一方の空間(受音室)の所定の箇所における音圧レベルとの差を表すものである。また、ピーク周波数とは遮音シート1の効果によって最も遮音性が向上した周波数を指す。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種の条件や評価結果の値は、本発明の前記実施形態における好ましい範囲と同様に、本発明の好ましい範囲を示すものである。本発明の好ましい範囲は、前記実施形態における好ましい範囲と以下の実施例の値又は実施例同士の値の組合せにより示される範囲を勘案して決めることができる。
[使用原料]
以下の材料を原料として使用した。
(凸部5を形成する材料)
アクリライトL001(PMMA板、三菱ケミカル社製)
(基材2)
PETフィルム(ダイヤホイル、三菱ケミカル社製)
フィルム厚さ:250μm
〔実施例1〕
アクリライトL001を幅6mm、高さ5mmの角柱台となるようにカットし、線状に長い凸部部材(凸部5)を得た。
基材として厚さ250μm、ヤング率約4GPa、比重1.4、面密度0.175kg/mのPETフィルムを用い、これを短辺と長辺の長さの比が(短辺:長辺=7:10)となるように平面視矩形状にカットして基材2を得た。
前記基材2の一側の面上に、前記凸部部材を四つ並べ、これらを当該基材の長辺方向に沿って線状に伸び、且つ隣接する凸部部材間が互いに30mmの間隔だけ開くようにして平行に配置し、それぞれ接着剤で基材2の表面に固定して、図1に示されるような、基材2の面2a上に四つの凸部5を当該基材2の長手方向に平行に配列して形成された遮音シート1を得た。
〔比較例1〕
凸部部材(凸部5)と基材2は実施例1と同じ材料を用い、凸部部材(凸部5)の配列に基材2の長手方向に対して傾きを与えて基材2の面上に設置された遮音シート1を得た。
詳しくは、図7(A)に示されるように、横長矩形状の基材2の中心(O)を通りその左右両側辺を結ぶ軸をとったときに、この軸に対して凸部部材(凸部5)が90°の角度(θ)をなすように配列した。
基材2と凸部5の寸法や配置間隔、形成方法は実施例1と同様にして遮音シート1を作製した。
〔比較例2〕
図7(B)に示されるように、前記軸に対する凸部部材(凸部5)が60°の角度(θ)をなすように配列する以外、比較例1と同様にして、遮音シート1を作製した。
〔比較例3〕
図7(C)に示されるように、前記軸に対する凸部部材(凸部5)が30°の角度(θ)をなすように配列する以外、比較例1と同様にして、遮音シート1を作製した。
[音響透過損失]
実施例1と比較例1から3で作製した遮音シートを用いて、音響透過損失を測定した。各シートと同質量の平面シートを基準(reference)として、遮音ピーク周波数における遮音シートと平面シートの強度差を遮音ピーク強度とし表1にまとめた。
音響透過損失の測定条件を以下に示す。
遮音シート1が取り付けられた小型残響箱の内側からホワイトノイズを発生させ、下記式(1)に基づき、小型残響箱の内外に取り付けられたマイクの音圧レベルの差から音響透過損失(TL、残響箱内外に設置したマイクの音圧差)を求めた。
Figure 2022153791000002
Lin ;内部マイクの音圧レベル(dB)
Lout ;外部マイクの音圧レベル(dB)
入射音 ;ホワイトノイズ
サンプル-マイク間距離 ;10mm
Figure 2022153791000003
実施例1及び比較例1から3の結果より、基材の長辺方向に沿って凸部を配列させることで遮音ピーク強度が高くなっており、遮音性向上が確認された。
比較例2及び比較例3は凸部の配列角度が大きくなり、凹凸単位形状の一単位当たりの小さくなる領域が生じたため、遮音シート性能が低下したと考えられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1 遮音シート、2 基材、2a,2b 基材の面、3 凹凸構造、4 凹凸単位形状、5 凸部、6 凹部、7 遮音構造体、8 支持体、9,10 金型、11,12 圧着ロール、13 ノズル、14 光源

Claims (11)

  1. シート状の基材の少なくとも一方の面に凹凸構造を有する遮音シートであって、
    前記基材は平面視で長手方向と短手方向を有し、
    前記凹凸構造は、前記基材の面上から線状に突出した凸部とこの凸部に沿った凹部を有する複数の凹凸単位形状からなり、
    各凹凸単位形状は前記基材の面上に当該基材の長手方向に沿って配列された構成を有することを特徴とする遮音シート。
  2. 複数の凸部が略一定の間隔を開けて基材の面上に配列された構成を有する請求項1に記載の遮音シート。
  3. 各凹凸単位形状が、基材の中心を通りその長手方向の両縁辺を結ぶ軸(長軸)に対して、-20度から+20度の傾斜角度をなすように配列された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遮音シート。
  4. 基材が平面視略矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遮音シート。
  5. 基材の左右両辺と上下両辺の長さの比が3:10以上、9:10以下であることを特徴とする請求項4に記載の遮音シート。
  6. 各凹凸単位形状の配列方向と直行した断面における隣接する凸部間の最大幅は、0.5mm以上、10mm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに一項に記載の遮音シート。
  7. 凹凸単位形状の凸部の高さは、0.5mm以上、10mm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の遮音シート。
  8. 凹凸単位形状の凹部の幅は、5mm以上、50mm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の遮音シート。
  9. 基材のヤング率は、1GPa以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の遮音シート。
  10. 基材の厚さは、30μm以上、500μm以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の遮音シート。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の遮音シートと、前記基材の他方の面を支持する支持体とを備える遮音構造体。
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